JP2013542736A - 細胞培養における合成培地開発のための効率的および効果的な栄養補助剤のスクリーニング - Google Patents
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Abstract
本発明は生物学的生成物の製造における使用のための合成培地(「CDM」)を選択および開発する方法に関する。詳細には、本発明は増強された性能特性を有する細胞培養手法培地栄養補助剤ブレンドを決定するスクリーニング方法を対象とする。本発明はまた、回収力価および/または生細胞密度の顕著な増加を示すCDM栄養補助剤ブレンドを特定することを対象とする。
Description
本発明は生物学的生成物の製造における使用のための合成培地(「CDM」)を選択および開発する方法に関する。詳細には、本発明は増強された性能特性を有する細胞培養培地栄養補助剤ブレンドを決定するスクリーニング方法を対象とする。本発明はまた、回収力価および/または生細胞密度の顕著な増加を示すCDM栄養補助剤ブレンドを特定することを対象とする。
哺乳動物細胞の培養手法における合成培地の使用は多くの理由から有利であり、その理由としては、限定されるものではないが、より良好な原材料トレーサビリティおよびより良好なロット間一貫性が挙げられ、この合成培地の使用はプロセス性能の一貫性を促す。対照的に、酵母および大豆加水分解物などの不定の複合的な培地構成成分の使用は、細胞増殖、生成物力価および生成物の品質属性の相違を包含するプロセス性能のばらつきの一因となる。したがって、合成培地の開発および改良は、特に規制事項およびプロセスの頑健性への要望の観点から、上流のプロセス開発に特に重要である。
CDMは、完全に決定された場合であっても、プロセス性能に対する相対的な貢献が完全には理解されていない100またはこれ以上の個別の化学種を持つことが可能である。それ故、栄養補助剤の任意の追加または除去がなされた場合にどのような影響が観察されるかを予測することは困難である。そのうえ、バイオリアクター規模の培養において栄養補助剤の相対的役割に関する情報を得ることは困難である。この理由は、少数の化合物だけが同時に試験されることが可能であり、この試みは複雑で高価で時間のかかる作業であるためである。
上記を考慮すれば、ハイスループット形式で栄養補助剤をスクリーニングするための、合理化された信頼できるスクリーニング方法を持つことが望ましい。本発明は、将来的な培地開発および改良戦略の中に包含させるための頑健で拡張性のある経済的な方法を提供する、化合物毎のスクリーニングというアプローチを導入することによって、このニーズを満たす。
本発明は、異なる合成培地および/または細胞株にわたって細胞培養性能を向上させるのに使用するための栄養補助剤ブレンドを改善および改良する方法に関する。ある実施形態において、本発明は高性能な生成物産生を誘導する培地ブレンドを特定するための、培地ブレンドの効率的なスクリーニングおよび統計的な解析の方法に関する。
開示される発明の主題によると、細胞培養プロセス性能を改善する培地栄養補助剤をスクリーニングする能力があるハイスループットスクリーニングプラットフォームの使用方法が本明細書において提供される。ある実施形態において、開示される発明の主題は、複数の栄養補助剤を選択する工程、試験される複数の異なる栄養補助剤ブレンドを統計的に設計する工程、設計された栄養補助剤ブレンドを基本合成培地に照らしてスクリーニングする工程および高性能な生成物産生を誘導する培地ブレンドを特定するためにブレンドを統計的に解析する工程を含む、改善された細胞培養プロセスを提供する。
本発明は、ある実施形態において、異なる合成培地および/または細胞株にわたって細胞培養性能を向上させるのに使用するための栄養補助剤ブレンドを改善および改良する方法に関する。例えば、ある実施形態において、本発明は高性能な生成物産生を誘導する培地ブレンドを特定するための、培地ブレンドの効率的なスクリーニングおよび統計的な解析の方法に関する。
開示される発明の主題によると、細胞培養プロセス性能を改善する培地栄養補助剤をスクリーニングする能力があるハイスループットスクリーニングプラットフォームの使用方法が本明細書において提供される。ある実施形態において、開示される発明の主題は、複数の栄養補助剤を選択する工程、試験される複数の異なる栄養補助剤ブレンドを統計的に設計する工程、設計された栄養補助剤ブレンドを基本合成培地に照らしてスクリーニングする工程および高性能な生成物産生を誘導する培地ブレンドを特定するためにブレンドを統計的に解析する工程を含む、改善された細胞培養プロセスを提供する。
定義
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈上そうでないと明確に述べられない限り、複数の指示対象を包含する。したがって、例えば、「化合物」への言及は化合物の混合物を包含する。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈上そうでないと明確に述べられない限り、複数の指示対象を包含する。したがって、例えば、「化合物」への言及は化合物の混合物を包含する。
用語「約」または「ほぼ」は、当業者によって決定される特定の値についての許容可能な誤差範囲内を意味し、これは値がどのように測定または決定されるか、すなわち測定システムの限界に部分的に依存する。例えば、当該技術分野の慣例によって「約」は3以内または3より大きい標準偏差を意味することが可能である。あるいは、「約」は与えられた値の20%までの範囲、または10%までの範囲、または5%までの範囲、または1%までの範囲を意味することが可能である。あるいは、特に生物学的な系またはプロセスに関して、この用語は値のその桁の範囲内、または5倍の範囲内、または2倍の範囲内を意味することが可能である。
本明細書で用いられる用語「栄養補助剤」は、由来が化学的または生物学的な任意の化合物または他の材料であり、これは細胞の増殖および/または分化を継続および/または促進するために細胞培養用培地中で用いられ得る。栄養補助剤の非限定的な例としては、アミノ酸、塩、金属、糖、脂質、核酸、ホルモン、ビタミン、脂肪酸、タンパク質、酵素、ヌクレオシド、代謝物、界面活性剤、乳化剤、無機塩およびポリマーが挙げられる。ある実施形態において、栄養補助剤は、L−アルギニン、パルミチン酸、CuSO4・5H2O、L−アラニン、L−ヒスチジン・HCl・H2O、ステアリン酸、ZnSO4・7H2O、L−アスパラギン、L−ロイシン、コレステロール、亜セレン酸・2Na、L−アスパラギン酸、L−シスチン、アラキドン酸、クエン酸第二鉄、L−グルタミン酸、L−リジン、Tween−80、MnSO4・H2O、L−プロリン、L−メチオニン、リノレン酸、Na2SiO3・9H2O、L−セリン、L−フェニルアラニン、酢酸トコフェロール、モリブデン酸のアンモニウム塩、L−グリシン、L−スレオニン、Pluronic F−68、NH4VO3、ガラクトース、L−バリン、アラキドン酸、NiSO4・6H2O、ショ糖、L−トリプトファン、リノール酸、SnCl2(無水)、ピルビン酸ナトリウム、L−イソロイシン、オレイン酸、AlCl3・6H2O、イノシン、L−チロシン、ミリスチン酸、AgNO3、キサンチン、塩化コリン、マルトース、Ba(C2H3O2)2、アデノシン、D−パントテン酸カルシウム、パラ−アミノ安息香酸(PABA)、KBr、グアノシン、葉酸、リン酸カリウム、CdCl2、ウリジン、ニコチンアミド、パントテン酸カルシウム、CoCl2・6H2O、シチジン、塩酸ピリドキサール、EDTA、CrCl3、NADH、硫酸銅、NaFe、NADPH、塩酸チアミン、リボフラビン、GeO2、プトレシン、i−イノシトール、α−シクロデキストリン、KI、スペルミン遊離塩基、キシロース、ビオチン、RbCl、スペルミジン遊離塩基、N−アセチルグルコサミン、β−シクロデキストリン、ZrOCl2・8H2O、ヒポキサンチン、塩化コリン、チミジン、L−アラニル−L−グルタミン、葉酸塩、鉄補助剤、コンカナバリンA、塩酸ピリドキシン(ビタミンB−6)、塩化マンガン、タウリン、エタノールアミン、塩化亜鉛、フルクトース、ヒドロコルチゾン、クエン酸ナトリウム、マンノース、N−アセチルガラクトサミン、サルコシン、シアノコバラミン(ビタミンB−12)、還元型グルタチオン、Cellastim(商標)およびLacromin(商標)を含む群より選択される。
本明細書で用いられる用語「栄養補助剤ブレンド」は、任意の濃度での2以上の栄養補助剤の組み合わせをいう。特定の実施形態において、栄養補助剤ブレンドは下の表1中に収載された栄養補助剤の2以上を含有する。
本明細書で用いられる用語「培地」または「基本培地」は、細胞の維持、増殖および/または分化に役立つ栄養組成物をいう。本明細書で用いられる用語「合成培地」、「合成基本培地」および「CDM」は、これらの中の構成成分の全てが、化学式で記述されることが可能であって、既知の濃度で存在している培地をいう。本明細書で用いられる「基本合成培地」および「基本CDM」は、本発明の方法の使用によって開発されたものではない、予め選択されたCDMをいう。本明細書で用いられる用語「高性能CDM」は、基本CMDおよび1または複数の望まれる性能パラメータを有する栄養補助剤ブレンドの組み合わせをいう。
本明細書で用いられる用語「細胞」は細胞集団をいう。細胞は野生型でもよく、組換え型でもよい。本明細書で用いられる用語「細胞培養」または「細胞培養手法」または「細胞培養プロセス」は、細胞の生存および/または増殖および/または分化に適した方法および条件をいう。
細胞および細胞培養手法
ある実施形態において、本発明の細胞は原核生物、酵母または高等真核生物の細胞である。この目的のための適切な原核生物としては、グラム陰性またはグラム陽性などの真正細菌、例として、E.コリ(E.coli)などのエシェリキア属(Escherichia)、エンテロバクター属(Enterobacter)、エルウィニア属(Erwinia)、クレブシエラ属(Klebsiella)、プロテウス属(Proteus)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)などのサルモネラ属(Salmonella)、セラチア・マルセスカンス(Serratia marcescans)などのセラチア属(Serratia)およびシゲラ属(Shigella)などの腸内細菌科(Enterobacteriacea)、同様にB.サブチリス(B.subtilis)およびB.リケニホルミス(B.licheniformis)(例として1989年4月12日に公開されたDD266,710中に開示されたB.リケニホルミス41P)などのバチルス属(Bacilli)、P.エルギノーサ(P.aeruginosa)などのシュードモナス属(Pseudomonas)ならびにストレプトマイセス属(Streptomyces)を挙げることができる。適切なE.coliのクローニング用宿主の1つはE.コリ294(ATCC31,446)であるが、E.コリB、E.コリX1776(ATCC31,537)およびE.コリW3110(ATCC27,325)などの他の株も適している。これらの例は限定的なものではなく説明のためのものである。
ある実施形態において、本発明の細胞は原核生物、酵母または高等真核生物の細胞である。この目的のための適切な原核生物としては、グラム陰性またはグラム陽性などの真正細菌、例として、E.コリ(E.coli)などのエシェリキア属(Escherichia)、エンテロバクター属(Enterobacter)、エルウィニア属(Erwinia)、クレブシエラ属(Klebsiella)、プロテウス属(Proteus)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)などのサルモネラ属(Salmonella)、セラチア・マルセスカンス(Serratia marcescans)などのセラチア属(Serratia)およびシゲラ属(Shigella)などの腸内細菌科(Enterobacteriacea)、同様にB.サブチリス(B.subtilis)およびB.リケニホルミス(B.licheniformis)(例として1989年4月12日に公開されたDD266,710中に開示されたB.リケニホルミス41P)などのバチルス属(Bacilli)、P.エルギノーサ(P.aeruginosa)などのシュードモナス属(Pseudomonas)ならびにストレプトマイセス属(Streptomyces)を挙げることができる。適切なE.coliのクローニング用宿主の1つはE.コリ294(ATCC31,446)であるが、E.コリB、E.コリX1776(ATCC31,537)およびE.コリW3110(ATCC27,325)などの他の株も適している。これらの例は限定的なものではなく説明のためのものである。
ある実施形態において、細胞は糸状性真菌類または酵母などの真核性微生物である。サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)または通常のパン酵母は、下等真核性宿主微生物の中で最も一般的に用いられる。しかしながら、多数の他の属、種および株が本発明において一般的に利用可能で有用であり、それらとしては、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、例としてK.ラクティス(K.lactis)、K.フラギリス(K.fragilis)(ATCC12,424)、K.ブルガリクス(K.bulgaricus)(ATCC16,045)、K.ウィケラミ(K.wickeramii)(ATCC24,178)、K.ワルティ(K.waltii)(ATCC56,500)、K.ドロソフィラルム(K.drosophilarum)(ATCC36,906)、K.サーモトレランス(K.thermotolerans)およびK.マキシアヌス(K.marxianus)などのクリベロマイセス宿主(Kluyveromyces)、ヤロウイア属(yarrowia)(EP402,226)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)(EP183,070)、カンジダ属(Candida)、トリコデルマ・リーシア(Trichoderma reesia)(EP244,234)、ノイロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)、シュワニオマイセス・オシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis)などのシュワニオマイセス属(Schwanniomyces)、ならびに例としてノイロスポラ属(Neurospora)、ペニシリウム属(Penicillium)、トリポクラジウム属(Tolypocladium)などの糸状性真菌類、ならびにA.ニデュランス(A.nidulans)およびA.ニガー(A.niger)などのアスペルギルス属(Aspergillus)宿主などがある。
ある実施形態において、細胞は多細胞生物に由来する。特定の実施形態において、細胞は植物および昆虫細胞からの無脊椎動物細胞である。非限定的な例としては、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(毛虫)、エデス・エジプチ(Aedes aegypti)(蚊)、エデス・アルボピクタス(Aedes albopictus)(蚊)、ドロソフィラ・メラノガスター(Drosophila melanogaster)(ショウジョウバエ)、ボンビクス・モリ(Bombyx mori)、綿、トウモロコシ、ジャガイモ、大豆、ペチュニア、トマトおよびタバコからの細胞が挙げられ、これらもまた利用可能である。
ある実施形態において、細胞は哺乳動物細胞である。ある実施形態において、細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(UrlaubおよびChasin、(1980年)PNAS USA 77:4216−4220ページ中に記載されたdhfr−CHO細胞を包含し、これは、例としてKaufmanおよびSharp(1982年)Mol.Biol.159:601−621ページに記載されたDHFR選択マーカーと共に使用されるもので、これらの教示全体が参照により本明細書に組み込まれる)、NS0骨髄腫細胞、COS細胞およびSP2細胞である。哺乳動物細胞の他の非限定的な例としては、SV40で形質転換されたサル腎臓CV1細胞株(COS−7、ATCC CRL1651)、ヒト胚性腎臓細胞株(293細胞または懸濁培養における増殖のためにサブクローニングされた293細胞、Grahamら、J.Gen Virol.36:59(1977年))、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL10)、チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO、Urlaubら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216ページ(1980年))、マウスセルトリ細胞(TM4、Mather、Biol.Reprod.23:243−251ページ(1980年));サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC CRL−1587)、ヒト子宮頸がん細胞(HELA、ATCC CCL2)、イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL34)、バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL75)、ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB8065)、マウス乳腺腫瘍(MMT060562、ATCC CCL51)、TRI細胞(Matherら、Annals N.Y.Acad.Sci.383:44−68ページ(1982年))、MRC5細胞、FS4細胞およびヒト肝がん細胞株(Hep G2)であり、これらの教示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態において、細胞は生成物またはその一部を生産するための発現ベクターまたはクローニングベクターを使用して形質転換され、プロモーターの誘導、形質転換体の選択または望まれる配列をコードする遺伝子の増幅のために適宜培養される。特定の実施形態において、組換え体発現ベクターの調製、細胞の形質導入、形質転換体の選択、細胞の培養および培養培地からの生成物回収のために標準的な分子生物学的手法が用いられる。
本発明の細胞培養手法は任意の適切な培養容器中で行うことが可能である。例えば、ある実施形態において、培養容器はガラス、プラスチック、金属または細胞を培養するための環境を提供する他の器をいうことが可能である。かかる培養容器の非限定的な例としては、インキュベーション容器、マイクロタイタープレート、キャピラリーおよびマルチウェルプレートが挙げられる。特定の実施形態において、培養容器はマルチウェルプレートである。
本発明の細胞は適切な条件下で適切な期間にわたって培養が可能であり、この条件は培養される細胞のタイプ(複数可)および産生される生成物に依存する。ある実施形態において、細胞は約2日間から約14日間培養される。ある実施形態において、細胞は約4日間から約10日間培養される。
特定の実施形態において、細胞を含有する栄養補助剤ブレンドは、生産、転写、翻訳、翻訳後プロセッシング、細胞内輸送、分泌ならびに/または細胞中の1以上の生物学的および化学的生成物のターンオーバーを変化させる能力についてアッセイされる。生物学的および化学的生成物の非限定的な例としては、抗体、タンパク質、抗原、毒素、ホルモン、成長因子、サイトカイン、凝固因子、酵素、抗生物質、ステロイド、炭水化物、脂質、核酸およびこれらの断片が挙げられる。
生物学的および化学的生成物の純度は当業者に周知の方法を用いて分析され得る。非限定的な例としては、サイズ排除クロマトグラフィー、オリゴ糖分析、Poros(商標)A HPLCアッセイ、ELISA、ウエスタンブロット分析、競合的結合アッセイ、直接的および間接的サンドイッチアッセイならびに免疫沈降アッセイが挙げられる。
栄養補助剤ブレンドのアッセイ
本発明のある実施形態において、細胞培養手法は、基本CDMおよび1以上の栄養補助剤または栄養補助剤の組み合わせを用いて培養容器中で実施される。ある実施形態において、細胞、基本CDMおよび栄養補助剤または栄養補助剤の組み合わせは、任意の順序で添加が可能である。ある実施形態において、基本CDMおよび栄養補助剤の組み合わせが培養容器に添加され、細胞がその後に培養容器中に接種される。特定の実施形態において、容器は同じ細胞および基本CDMを含有する一方、栄養補助剤ブレンドは各容器で異なる。別の実施形態において、複数の容器が同じ細胞、培地および栄養補助剤ブレンドを含有する。特定の実施形態において、複数の容器が同じ栄養補助剤ブレンドを異なる濃度で含有する。ある実施形態において、各栄養補助剤ブレンドの2種類から6種類の異なる濃度が試験される。特定の実施形態において、各ブレンドの3種類の異なる濃度が試験される。
本発明のある実施形態において、細胞培養手法は、基本CDMおよび1以上の栄養補助剤または栄養補助剤の組み合わせを用いて培養容器中で実施される。ある実施形態において、細胞、基本CDMおよび栄養補助剤または栄養補助剤の組み合わせは、任意の順序で添加が可能である。ある実施形態において、基本CDMおよび栄養補助剤の組み合わせが培養容器に添加され、細胞がその後に培養容器中に接種される。特定の実施形態において、容器は同じ細胞および基本CDMを含有する一方、栄養補助剤ブレンドは各容器で異なる。別の実施形態において、複数の容器が同じ細胞、培地および栄養補助剤ブレンドを含有する。特定の実施形態において、複数の容器が同じ栄養補助剤ブレンドを異なる濃度で含有する。ある実施形態において、各栄養補助剤ブレンドの2種類から6種類の異なる濃度が試験される。特定の実施形態において、各ブレンドの3種類の異なる濃度が試験される。
本発明の方法は、いろいろな環境条件の下で生じる細胞培養プロセスを包含することが可能である。限定の目的ではないが、例えば、本発明の方法において利用される細胞は、静置しながらまたは振とうしながら培養され得る。細胞は静置しながらまたは振とうしながら培養され得る。ある実施形態において、細胞は210rpmで振とうされる。ある実施形態において、細胞は約20℃から約45℃の間の温度で培養される。ある実施形態において、細胞は約33℃から約37℃の間の温度で培養される。ある実施形態において、細胞は約34℃から約35℃の間の温度で培養される。ある実施形態において、細胞は室温条件の下で培養される。ある実施形態において、細胞は加湿されたCO2インキュベータの中で培養される。ある実施形態において、細胞は加湿された5%CO2インキュベータの中で培養される。ある実施形態において、細胞培養手法は、細胞と周囲条件との間の障壁を提供することを包含する。ある実施形態において、障壁は滅菌されている。ある実施形態において、障壁はガス透過性の滅菌容器カバーである。ある実施形態において、細胞、基本CDMおよび栄養補助剤の組み合わせの全容量は約0.5mLから約2Lである。ある実施形態において、全容量は約1mLから約500mLである。
特定の実施形態において、細胞培養手法は培養容器内で基本CDMおよび様々な栄養補助剤の組み合わせを使用して細胞を調製することにより実施される。細胞、基本CDMおよび栄養補助剤の組み合わせは任意の順序で添加され得る。ある実施形態において、基本CDMおよび栄養補助剤の組み合わせが培養容器に添加され、細胞がその後に培養容器中に接種される。特定の実施形態において、容器は同じ細胞および基本CDMを含有する一方、栄養補助剤ブレンドは各容器で異なる。別の実施形態において、複数の容器が同じ細胞、培地および栄養補助剤ブレンドを含有する。別の実施形態において、異なる細胞培養物および/または基本CDMが用いられてもよい。
ある実施形態において、細胞はアッセイに先立って約1日間から約2週間培養される。特定の実施形態において、細胞はアッセイに先立って約4日間から8日間培養される。特定の実施形態において、各アッセイは細胞、培地および栄養補助剤ブレンドの各組み合わせに対して、2回から6回の間で実施される。特定の実施形態において、アッセイは各組み合わせに対して3回実施される。特定の実施形態において、アッセイ間の時間の長さは、約12時間から約48時間である。ある実施形態において、アッセイ間の時間の長さは約24時間である。
細胞は、選択された性能パラメータについてアッセイされる。性能パラメータの非限定的な例は、回収力価、生細胞密度、pH、代謝物プロファイルおよび溶存酸素である。ある実施形態において、性能パラメータは生細胞密度(「VCD」)および回収力価である。
栄養補助剤の性能を決定するためのアッセイは、当該技術分野で知られている任意の手法によって実施することができ、この手法としては分光光度法的観察、クロマトグラフィー的観察、染色観察および目視観察、濁度測定、比色分析ならびに/または光学密度、生物発光、二酸化炭素、酸素もしくはATPの産生もしくは消費の測定が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アッセイは任意の既知の装置を用いて実施してよく、この装置としては分光光度計、クロマトグラフ、蛍光光度計、フローサイトメーター、シンチレーションもしくはガンマカウンター、自動細胞カウンター、自動プレートカウンターまたは手動プレートカウンターが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施形態において、CellTiter 96 AQueous Solution Cell Proliferation Assay キット(商標)(Promega、Madison、WI)などの市販のアッセイキットが性能パラメータのアッセイに用いられる。ある実施形態において、自動細胞カウンターは、Cedex自動細胞数カウンター(Hoffman−La Roche、Basel、Switzerland)である。ある実施形態において、アッセイは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって実行される。ある実施形態において、アフィニティーカラムが使用される。特定の実施形態において、アフィニティーカラムはPoros A(商標)アフィニティーカラム(Applied Biosystems、Foster City、CA)である。
細胞、培地および栄養補助剤ブレンドの混合物を調製してアッセイする工程は複数回繰り返すことができる。ある実施形態において、固有の栄養補助剤ブレンドを各々含有する約500から約2000の混合物がアッセイされるように工程が繰り返される。ある実施形態において、少なくとも1000の混合物がアッセイされるように工程が繰り返される。特定の実施形態において、アッセイは同時に実施される。あるいはまたは加えて、アッセイは別々に任意の長さの時間にわたって実施されてもよい。ある実施形態において、アッセイは約2週間から約20週間の期間にわたって実施される。
細胞培養手法アッセイは、当該技術分野で知られている任意の手法を用いて解析されることができ、これらの手法としては一部実施要因計画、一変量解析および/または多変量解析が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特定の実施形態において、標準分散分析(ANOVA)が、個別の栄養補助剤の意義および結果として生じる細胞培養手法性能へのそれぞれの相互作用を測定するのに用いられる。有益な栄養補助剤は、様々な方法またはこれらの組み合わせを通じて特定され得る。高性能のブレンドを特定する方法の非限定的な例の1つは、ANOVA分析を用いて比較的低いp値(<0.10)を使用することである。別の非限定的な例は、栄養補助剤の結果としてのプロセス性能における肯定的動向を特定するための検査解析である。なお、別の非限定的な例において、統計ソフトウェアに組込まれた最適化サブルーチンが利用可能である。特定方法は望まれる性能パラメータを持つものとして特定される複数のブレンドを導くことが可能な数学的な作業であることに留意することは重要であり、結果は用いられる統計モデルの設計における初期の第一推測に高度に依存する。
ある実施形態において、アッセイの開始に先立って統計的なスクリーニング計画を準備するためにソフトウェアが用いられる。特定の実施形態において、統計的計画はカスタムパラメータオプションを有する市販の統計ソフトウェアであるJMP7(Cary、NC)を用いて準備される。ある実施形態において、スクリーニング計画の後に続いて細胞、基本CDMおよび栄養補助剤の混合物の調製が行われる。これらの混合物はその後にアッセイされ、結果が解析される。
ある実施形態において、より良好な性能パラメータを持つと特定された栄養補助剤のサブセットを、さらなる試験のために選択することが可能である。この栄養補助剤のサブセットをその後に任意の数の栄養補助剤ブレンドの中に組み合わせることができ、前述のようにアッセイすることができ、解析することができる。特定の実施形態において、栄養補助剤のサブセットを選択し、基本CDMおよび栄養補助剤ブレンドを含有する細胞をアッセイし、その後に結果を解析するプロセスは、1回または複数回繰り返されてもよい。ある実施形態において、栄養補助剤ブレンドは様々な細胞および/または基本CDMにおいて試験が可能である。
高性能の栄養補助剤ブレンド
ある実施形態において、本発明は特に高性能な栄養補助剤ブレンドを対象とする。ある実施形態において、栄養補助剤ブレンドは、L−アルギニン、パルミチン酸、CuSO4・5H2O、L−アラニン、L−ヒスチジン・HCl・H2O、ステアリン酸、ZnSO4・7H2O、L−アスパラギン、L−ロイシン、コレステロール、亜セレン酸・2Na、L−アスパラギン酸、L−シスチン、アラキドン酸、クエン酸第二鉄、L−グルタミン酸、L−リジン、Tween−80、MnSO4・H2O、L−プロリン、L−メチオニン、リノレン酸、Na2SiO3・9H2O、L−セリン、L−フェニルアラニン、酢酸トコフェロール、モリブデン酸のアンモニウム塩、L−グリシン、L−スレオニン、Pluronic F−68、NH4VO3、ガラクトース、L−バリン、アラキドン酸、NiSO4・6H2O、ショ糖、L−トリプトファン、リノール酸、SnCl2(無水)、ピルビン酸ナトリウム、L−イソロイシン、オレイン酸、AlCl3・6H2O、イノシン、L−チロシン、ミリスチン酸、AgNO3、キサンチン、塩化コリン、マルトース、Ba(C2H3O2)2、アデノシン、D−パントテン酸カルシウム、パラ−アミノ安息香酸(PABA)、KBr、グアノシン、葉酸、リン酸カリウム、CdCl2、ウリジン、ニコチンアミド、パントテン酸カルシウム、CoCl2・6H2O、シチジン、塩酸ピリドキサール、EDTA、CrCl3、NADH、硫酸銅、NaFe、NADPH、塩酸チアミン、リボフラビン、GeO2、プトレシン、i−イノシトール、α−シクロデキストリン、KI、スペルミン遊離塩基、キシロース、ビオチン、RbCl、スペルミジン遊離塩基、N−アセチルグルコサミン、β−シクロデキストリン、ZrOCl2・8H2O、ヒポキサンチン、塩化コリン、チミジン、L−アラニル−L−グルタミン、葉酸塩、鉄補助剤、コンカナバリンA、塩酸ピリドキシン(ビタミンB−6)、塩化マンガン、タウリン、エタノールアミン、塩化亜鉛、フルクトース、ヒドロコルチゾン、クエン酸ナトリウム、マンノース、N−アセチルガラクトサミン、サルコシン、シアノコバラミン(ビタミンB−12)、還元型グルタチオン、Cellastim(商標)およびLacromin(商標)を含む群より選択される2以上の栄養補助剤を含む。ある実施形態において、栄養補助剤ブレンドは、ポリアミン混合物(Sigma−Aldrich、カタログ番号P8483)、キシロース、マンノース、必須アミノ酸混合物(EAA、表1を参照)、塩化コリン、エタノールアミン、マルトース、塩化マンガン、ビタミン混合物(USBiological、カタログ番号M3884)、パントテン酸カルシウム、リン酸カリウム、リノール酸、硫酸銅、チミジン、EDTA、α−シクロデキストリン、i−イノシトール、ヒドロコルチゾン、β−シクロデキストリン、塩化亜鉛、L−アラニル−L−グルタミン、葉酸塩および塩酸ピリドキシンを含む群より選択される2以上の栄養補助剤を含む。ある実施形態において、高性能な栄養補助剤ブレンド中に存在する栄養補助剤または栄養補助剤(複数)の濃度は、実施例6.8の表7中に概説されている、特定の栄養補助剤または栄養補助剤(複数)について特定された標的範囲内である。限定の目的ではないが、例えば、栄養補助剤または栄養補助剤(複数)は高性能の栄養補助剤ブレンド中で実施例6.8の表7中に概説された標的範囲内に存在し、これによりVCDの増加、回収力価の増加またはこれら両方が達成される。
ある実施形態において、本発明は特に高性能な栄養補助剤ブレンドを対象とする。ある実施形態において、栄養補助剤ブレンドは、L−アルギニン、パルミチン酸、CuSO4・5H2O、L−アラニン、L−ヒスチジン・HCl・H2O、ステアリン酸、ZnSO4・7H2O、L−アスパラギン、L−ロイシン、コレステロール、亜セレン酸・2Na、L−アスパラギン酸、L−シスチン、アラキドン酸、クエン酸第二鉄、L−グルタミン酸、L−リジン、Tween−80、MnSO4・H2O、L−プロリン、L−メチオニン、リノレン酸、Na2SiO3・9H2O、L−セリン、L−フェニルアラニン、酢酸トコフェロール、モリブデン酸のアンモニウム塩、L−グリシン、L−スレオニン、Pluronic F−68、NH4VO3、ガラクトース、L−バリン、アラキドン酸、NiSO4・6H2O、ショ糖、L−トリプトファン、リノール酸、SnCl2(無水)、ピルビン酸ナトリウム、L−イソロイシン、オレイン酸、AlCl3・6H2O、イノシン、L−チロシン、ミリスチン酸、AgNO3、キサンチン、塩化コリン、マルトース、Ba(C2H3O2)2、アデノシン、D−パントテン酸カルシウム、パラ−アミノ安息香酸(PABA)、KBr、グアノシン、葉酸、リン酸カリウム、CdCl2、ウリジン、ニコチンアミド、パントテン酸カルシウム、CoCl2・6H2O、シチジン、塩酸ピリドキサール、EDTA、CrCl3、NADH、硫酸銅、NaFe、NADPH、塩酸チアミン、リボフラビン、GeO2、プトレシン、i−イノシトール、α−シクロデキストリン、KI、スペルミン遊離塩基、キシロース、ビオチン、RbCl、スペルミジン遊離塩基、N−アセチルグルコサミン、β−シクロデキストリン、ZrOCl2・8H2O、ヒポキサンチン、塩化コリン、チミジン、L−アラニル−L−グルタミン、葉酸塩、鉄補助剤、コンカナバリンA、塩酸ピリドキシン(ビタミンB−6)、塩化マンガン、タウリン、エタノールアミン、塩化亜鉛、フルクトース、ヒドロコルチゾン、クエン酸ナトリウム、マンノース、N−アセチルガラクトサミン、サルコシン、シアノコバラミン(ビタミンB−12)、還元型グルタチオン、Cellastim(商標)およびLacromin(商標)を含む群より選択される2以上の栄養補助剤を含む。ある実施形態において、栄養補助剤ブレンドは、ポリアミン混合物(Sigma−Aldrich、カタログ番号P8483)、キシロース、マンノース、必須アミノ酸混合物(EAA、表1を参照)、塩化コリン、エタノールアミン、マルトース、塩化マンガン、ビタミン混合物(USBiological、カタログ番号M3884)、パントテン酸カルシウム、リン酸カリウム、リノール酸、硫酸銅、チミジン、EDTA、α−シクロデキストリン、i−イノシトール、ヒドロコルチゾン、β−シクロデキストリン、塩化亜鉛、L−アラニル−L−グルタミン、葉酸塩および塩酸ピリドキシンを含む群より選択される2以上の栄養補助剤を含む。ある実施形態において、高性能な栄養補助剤ブレンド中に存在する栄養補助剤または栄養補助剤(複数)の濃度は、実施例6.8の表7中に概説されている、特定の栄養補助剤または栄養補助剤(複数)について特定された標的範囲内である。限定の目的ではないが、例えば、栄養補助剤または栄養補助剤(複数)は高性能の栄養補助剤ブレンド中で実施例6.8の表7中に概説された標的範囲内に存在し、これによりVCDの増加、回収力価の増加またはこれら両方が達成される。
ある実施形態において、栄養補助剤ブレンドは、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−チロシン、L−バリン、L−アルギニン、L−ヒスチジン・HCl・H2O、L−トリプトファン、パントテン酸カルシウム、硫酸銅、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、葉酸塩、塩化マンガン、リン酸カリウム、チミジン、i−イノシトールおよび塩化亜鉛を包含する。ある実施形態において、前記の栄養補助剤の濃度は実施例6.8の表7中に概説された標的範囲内にあり、これによりVCDの増加が達成される。
ある実施形態において、栄養補助剤ブレンドは、プトレシン、スペルミン遊離塩基、スペルミジン遊離塩基、ヒポキサンチン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−チロシン、L−バリン、L−アルギニン、L−ヒスチジン・HCl・H2O、L−トリプトファン、マルトース、キシロース、塩化コリン、塩化マンガン、リン酸カリウム、i−イノシトールおよび塩化亜鉛を包含する。ある実施形態において、前記の栄養補助剤の濃度は実施例6.8の表7中に概説された標的範囲内にあり、これにより回収力価の増加が達成される。
ある実施形態において、栄養補助剤ブレンドは、プトレシン、スペルミン遊離塩基、スペルミジン遊離塩基、ヒポキサンチン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−チロシン、L−バリン、L−アルギニン、L−ヒスチジン・HCl・H2O、L−トリプトファン、マルトース、キシロース、塩化コリン、リン酸カリウム、i−イノシトールおよび塩化亜鉛を包含する。ある実施形態において、前記の栄養補助剤の濃度は実施例6.8の表7中に概説された標的範囲内にあり、これによりVCDの増加および回収力価の増加の両方が達成される。
栄養補助剤スクリーニング
実容量1.5mL/ウェルの24ウェルプレートが、培地栄養補助剤のスクリーニング用プラットフォームとして機能するように使用された。自家製の基本合成培地(CDM#1)が、実験目的のための基本培地として用いられた。組換え体のIgG産生チャイニーズハムスター卵巣細胞株(CHO細胞株#1)が、実験の培地栄養補助剤スクリーニング段階のために用いられた。
実容量1.5mL/ウェルの24ウェルプレートが、培地栄養補助剤のスクリーニング用プラットフォームとして機能するように使用された。自家製の基本合成培地(CDM#1)が、実験目的のための基本培地として用いられた。組換え体のIgG産生チャイニーズハムスター卵巣細胞株(CHO細胞株#1)が、実験の培地栄養補助剤スクリーニング段階のために用いられた。
全ての24ウェルプレートスクリーニング実験は、カスタム実験オプションを用いた市販の統計ソフトウェアであるJMP7(Cary、NC)を用いて計画された。6つの個別の培地栄養補助剤スクリーニング実験は、100を超える異なる栄養補助剤を試験するために統計的に計画された実験において一連の方式で実行された。全てのスクリーニング実験は、加湿された5%CO2インキュベータ中の振とう台上で210rpmで培養されて345−35℃で実行された。ガス透過性のレイヨンフィルムプレートカバー(VWR International、Radnor、PA、カタログ番号60941−086)が、ウェルプレート、プラスチック製のプレートカバーおよび培養雰囲気の間に滅菌障壁を提供するのに必要に応じて利用された。栄養補助剤溶液は、濃縮された滅菌保存溶液を用いてそれぞれのプレートウェル中に手作業でピペット分注された。細胞培養プロセスの改善のために評価された培地栄養補助剤の包括的なリストを以下の表2中に示す。
2つの細胞培養性能指標であるピーク生細胞密度および回収力価がハイスループットスクリーニング実験において測定された。時点試料はそれぞれのプレートウェルの各々から接種後6日、7日および8日目に採取され、それぞれの生細胞密度についてCellTiter 96 AQueous Solution Cell Proliferation Assayキット(商標)(Promega、Madison、WI)によって分光学的に測定された。回収力価測定はPoros A(商標)アフィニティーカラム(Applied Biosystems、Foster City、CA)を備えた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって行われた。培地化合物の特定の組み合わせで補完された全ての実験ウェルは、補完されていない対照と比較され、結果が対照と比べた相対値として表された。ピークVCDの最も高い増加は392%であって、回収力価の最も高い増加は205%であった。
細胞培養性能指標
2つの細胞培養性能指標であるピーク生細胞密度(VCD)および回収力価は、培地検証実験と同様にハイスループットスクリーニング実験において測定された。スクリーニングの間、時点試料はそれぞれのプレートウェルの各々から接種後6日目、7日目および8日目に採取され、それぞれの生細胞密度(VCD)についてCellTiter 96 AQueous Solution Cell Proliferation Assayキット(商標)(Promega、Madison、WI)によって、製造業者が提唱する手順から採用された方法に従って分光学的に測定された。最後の細胞計数測定試料から数日後にプレートは遠心分離され、上清が回収され、その後の分析のために−80℃で保存された。回収力価測定は、Poros A(商標)アフィニティーカラム(Applied Biosystems、Foster City、CA)を備えた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって行われた。培地化合物の特定の組み合わせで補完された全ての実験ウェルは、補完されていない対照と比較され、結果が対照と比べた値として表された。大規模の振とうフラスコおよび回転フラスコにおける培地検証実験の場合、生細胞密度および生存率はCedex自動細胞カウンター(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)によって測定された。回収力価測定はHPLCによって同様に測定された。
2つの細胞培養性能指標であるピーク生細胞密度(VCD)および回収力価は、培地検証実験と同様にハイスループットスクリーニング実験において測定された。スクリーニングの間、時点試料はそれぞれのプレートウェルの各々から接種後6日目、7日目および8日目に採取され、それぞれの生細胞密度(VCD)についてCellTiter 96 AQueous Solution Cell Proliferation Assayキット(商標)(Promega、Madison、WI)によって、製造業者が提唱する手順から採用された方法に従って分光学的に測定された。最後の細胞計数測定試料から数日後にプレートは遠心分離され、上清が回収され、その後の分析のために−80℃で保存された。回収力価測定は、Poros A(商標)アフィニティーカラム(Applied Biosystems、Foster City、CA)を備えた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって行われた。培地化合物の特定の組み合わせで補完された全ての実験ウェルは、補完されていない対照と比較され、結果が対照と比べた値として表された。大規模の振とうフラスコおよび回転フラスコにおける培地検証実験の場合、生細胞密度および生存率はCedex自動細胞カウンター(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)によって測定された。回収力価測定はHPLCによって同様に測定された。
栄養補助剤スクリーニングの統計解析
標準分散分析(ANOVA)が、個別の栄養補助剤の意義および結果として生じる細胞培養手法性能へのそれぞれの相互作用を測定するのに用いられた。個別の解析は、ピーク生細胞密度および回収力価の両方に対してそれぞれのスクリーニング実験の各々について行われた。各培地栄養補助剤の3つの異なるレベル、補完されていないもの(レベル1)、少量補完されたもの(レベル2)および大量に補完されたもの(レベル3)が、これらの実験において用いられた。有益な化合物は、比較的低いp値(<0.10)、栄養補助剤の結果としてのプロセス性能における肯定的動向を指し示す検査解析またはこれら両方を用いることにより特定された。統計ソフトウェアに組込まれた最適化サブルーチンがスクリーニングデータセットを解析するために用いられ、高性能培地ブレンドの実体が決定された。選択方法は最も高い性能パラメータを持つものとして特定される複数のブレンドを導くことが可能な数学的な作業であることに留意することは重要であり、結果は初期の第一推測に高度に依存する。3つの特定の高性能ブレンド、より高い増殖を促すブレンド1、より高い力価を促すブレンド2ならびにより高い増殖および力価を促すブレンド3が、さらなる評価のために特定された。
標準分散分析(ANOVA)が、個別の栄養補助剤の意義および結果として生じる細胞培養手法性能へのそれぞれの相互作用を測定するのに用いられた。個別の解析は、ピーク生細胞密度および回収力価の両方に対してそれぞれのスクリーニング実験の各々について行われた。各培地栄養補助剤の3つの異なるレベル、補完されていないもの(レベル1)、少量補完されたもの(レベル2)および大量に補完されたもの(レベル3)が、これらの実験において用いられた。有益な化合物は、比較的低いp値(<0.10)、栄養補助剤の結果としてのプロセス性能における肯定的動向を指し示す検査解析またはこれら両方を用いることにより特定された。統計ソフトウェアに組込まれた最適化サブルーチンがスクリーニングデータセットを解析するために用いられ、高性能培地ブレンドの実体が決定された。選択方法は最も高い性能パラメータを持つものとして特定される複数のブレンドを導くことが可能な数学的な作業であることに留意することは重要であり、結果は初期の第一推測に高度に依存する。3つの特定の高性能ブレンド、より高い増殖を促すブレンド1、より高い力価を促すブレンド2ならびにより高い増殖および力価を促すブレンド3が、さらなる評価のために特定された。
補完CDMの評価
統計解析を通じて特定された3つの高性能栄養補助剤ブレンドは、2つの異なるCDMを用いた大規模培養において2つの異なるCHO細胞株を使用して評価された。細胞株1は、合成培地1を使用した3つの異なる培地ブレンド中で培養された。細胞株2は、合成培地2を使用した3つの異なる培地ブレンド中で培養された。これら2つの培養セット間の培養条件の比較を下の表3中に示す。補完されていない対照が比較の目的で両実験セットに包含された。培養プロセス条件は、フラスコの振とう/撹拌速度を必要に応じて減少させたことを除き、本研究のスクリーニング段階の間に用いられた24ウェルプレートと同様であった。
統計解析を通じて特定された3つの高性能栄養補助剤ブレンドは、2つの異なるCDMを用いた大規模培養において2つの異なるCHO細胞株を使用して評価された。細胞株1は、合成培地1を使用した3つの異なる培地ブレンド中で培養された。細胞株2は、合成培地2を使用した3つの異なる培地ブレンド中で培養された。これら2つの培養セット間の培養条件の比較を下の表3中に示す。補完されていない対照が比較の目的で両実験セットに包含された。培養プロセス条件は、フラスコの振とう/撹拌速度を必要に応じて減少させたことを除き、本研究のスクリーニング段階の間に用いられた24ウェルプレートと同様であった。
有益な栄養補助剤の特定
前述の栄養補助剤は、細胞培養手法性能の改善について評価された。細胞培養手法の結果は、各培養iについて下記式に基づき、対照と比べて表された。
前述の栄養補助剤は、細胞培養手法性能の改善について評価された。細胞培養手法の結果は、各培養iについて下記式に基づき、対照と比べて表された。
スクリーニング研究からの結果を、図1中に簡潔に示す。図1中の4つの事象の各々は、補完されていない対照の平均値と比べてこれらがVCDおよび力価を増加させるか減少させるかに依存した、細胞培養手法性能の明確な差を表現している。より良好な細胞培養手法性能のため、理想的な細胞培養手法培地はより高いピーク生細胞密度およびより高い回収力価を支持する。図1中の右上の事象における条件は理想を表現している。スクリーニング実験からのピークVCDの最も大きい増加は392%であった一方、回収力価の最も大きい増加は205%であった。一般に、どの1つの栄養補助剤も、これらのプロセス性能の増加を説明することはできなかった。複数の栄養補助剤の相互作用が、これを達成するのに必要とされた。任意の特定の栄養補助剤について、結果として生じるプロセス性能に対する他の栄養補助剤との肯定的なまたは否定的な関係のいずれかを観察することが一般的である。単独のおよび他の化合物と協調したこれら個別の培地化合物のさらなる分析が、高性能な培地栄養補助剤ブレンドの経験的な決定に使用された。
一変量検査解析
表4は、本研究のスクリーニング段階の間に評価されたそれぞれの栄養補助剤の各々についてのANOVA結果に着目したものである。
表4は、本研究のスクリーニング段階の間に評価されたそれぞれの栄養補助剤の各々についてのANOVA結果に着目したものである。
プロセス性能の向上における潜在的な役割についての個別の培地構成成分のデータ解析は、図2中に示されるような広範囲分散およびクラスター化という2つの明確なパターンを典型的に示した。プロセス性能の増加または減少のいずれかという明確なパターンを支持した相対的濃度を有する栄養補助剤は、クラスター化区分に分類された。性能の増加または減少のいずれかにおいて識別できる何らかのパターンを支持しなかった相対的濃度を有する栄養補助剤は、広範囲分散区分に分類された。
多変量検査解析
いかなる理論にも拘束されるものではないが、個別の培地構成成分を、全ての異なる細胞株や合成培地にわたって細胞培養手法性能を向上させるのに使用することは不可能と考えられる。代わりに、自身は明白に有益である、わずかに有益であるまたは全く性能向上をもたらさない化合物の配合は相乗的に相互作用することが可能であり、より高い性能様式で増殖および組換えタンパク質の分泌のための培養環境を細胞に提供する。本解析は多次元的観点を取って、どのように2以上の培地構成成分が相互作用して性能の向上を促すについてより良好な理解を得るものである。
いかなる理論にも拘束されるものではないが、個別の培地構成成分を、全ての異なる細胞株や合成培地にわたって細胞培養手法性能を向上させるのに使用することは不可能と考えられる。代わりに、自身は明白に有益である、わずかに有益であるまたは全く性能向上をもたらさない化合物の配合は相乗的に相互作用することが可能であり、より高い性能様式で増殖および組換えタンパク質の分泌のための培養環境を細胞に提供する。本解析は多次元的観点を取って、どのように2以上の培地構成成分が相互作用して性能の向上を促すについてより良好な理解を得るものである。
図3は、種々の濃度の塩化亜鉛および葉酸塩を用いた、この多次元的観点の例に着目したものである。生細胞密度の増加を支持する塩化亜鉛および葉酸塩の濃度範囲が存在することは明らかである。しかしながら、この高性能ブレンドは必ずしも最も高い力価比の増加を支持するものではない。このことは、より高いVCDおよび力価を支持する栄養補助剤濃度範囲が相互に排他的ではないスクリーニング研究データセット内で一般的に見出される。いかなる理論にも拘束されるものではないが、必須アミノ酸レベルへのプロセス性能向上の顕著な依存が存在すると考えられる。細胞培養手法培地の設計に対するこの多元的観点は、解析される培地構成成分の数が多量になると困難である。この場合、統計的ソフトウェアパッケージは、全ての構成成分の個別の貢献に基づいた高性能ブレンドを解明することが可能であるため、有用である。
有益な栄養補助剤の特定および高性能栄養補助剤の配合
検査解析、個別のスクリーニング実験からのANOVA結果または統計ソフトウェアの使用のいずれかを通じて、ピークVCDおよび/または回収力価の増加に対して肯定的に貢献する23の栄養補助剤のリストが決定された。これらの栄養補助剤はポリアミン、必須アミノ酸およびビタミンなどの化合物または類縁の化合物の群のいずれかであった。これらの有益な培地構成成分のリストを表3中に示す。
検査解析、個別のスクリーニング実験からのANOVA結果または統計ソフトウェアの使用のいずれかを通じて、ピークVCDおよび/または回収力価の増加に対して肯定的に貢献する23の栄養補助剤のリストが決定された。これらの栄養補助剤はポリアミン、必須アミノ酸およびビタミンなどの化合物または類縁の化合物の群のいずれかであった。これらの有益な培地構成成分のリストを表3中に示す。
15個のこれらの栄養補助剤または栄養補助剤の群は、統計的に計画された別々の実験において、ピークVCD、回収力価およびこれらの変数の両方を同時に最大化するための高性能培地ブレンドを最終的に決定するためにスクリーニングされた。3つの特定された高性能培地の各々の中にある栄養補助剤間の比較を下の表6中に示す。
JMP7統計ソフトウェアプログラムはピークVCD、回収力価およびこれらの両方を同時に最大化するための高性能培地補完を特定するのにさらに用いられた。これらの高性能補完量の間の比較を下の表7中に示す。
上記の結果は、ピーク生細胞密度を増加させるいくつかの特徴的な栄養補助剤および回収力価を増加させるいくつかの特徴的な栄養補助剤が存在することを示している。必須アミノ酸および塩化亜鉛などのいくつかの栄養補助剤は、いずれも別個の基準としてのピークVCDおよび力価の両方の増加の間でまたは両方の基準に同時に共有される。スクリーニング実験を通じて暗示された栄養補助剤ブレンドがプロセス性能を実際に増加させたことを確認するための試みにおいて、各々の栄養補助剤のそれぞれの濃度はより規模の大きいアッセイにスケールアップされた。
高性能補完合成培地におけるプロセス性能の検証
2つの別々の合成培地中で培養された2つの別々の細胞株は、高性能補完に伴うプロセス性能の改善を検証するために、スケールアップされた培養容量において評価された。細胞株1は増殖培地として合成培地1を用いた125mL回転フラスコ培養で培養された。細胞株2は、増殖培地として合成培地2を用いた500mL振とうフラスコ培養で培養された。各スケールアップ実験において、3つの高性能補完培地が評価された。これらの実験は、1つの特定の細胞株および培地において特定されたプロセス性能の向上が他の細胞株および培地に持ち越すことは可能か(すなわち特定された有益な栄養補助剤配合が細胞または培地のいずれかに特有のものではなかったこと)を評価するために計画された。これらの実験からの細胞培養の結果を図4および図5中に示す。
2つの別々の合成培地中で培養された2つの別々の細胞株は、高性能補完に伴うプロセス性能の改善を検証するために、スケールアップされた培養容量において評価された。細胞株1は増殖培地として合成培地1を用いた125mL回転フラスコ培養で培養された。細胞株2は、増殖培地として合成培地2を用いた500mL振とうフラスコ培養で培養された。各スケールアップ実験において、3つの高性能補完培地が評価された。これらの実験は、1つの特定の細胞株および培地において特定されたプロセス性能の向上が他の細胞株および培地に持ち越すことは可能か(すなわち特定された有益な栄養補助剤配合が細胞または培地のいずれかに特有のものではなかったこと)を評価するために計画された。これらの実験からの細胞培養の結果を図4および図5中に示す。
本明細書に記載される結果は、高性能補完培地が、選択基準に基づいた両方の細胞株に対して、期待されたとおりに機能したことを示す。VCDおよび力価に対して同時に高性能であると特定された培地は、ピークVCDの12%の減少および回収力価の64%の増加を細胞株1に対して促した。VCDおよび力価に対して同時に高性能であると特定されたこの同じ培地は、ピークVCDの36%の増加および回収力価の37%の増加を振とうフラスコ培養中の細胞株2に促した。興味深いことに、収集された結果はまた、細胞増殖および力価について特定された培地は力価のみについて特定された培地とより同じように機能したことも示唆しており、このことは、増殖のみについて特定された培地と比較して、これら2つの特定の培地の間により多くの重複が存在したというこれらの相対的な組成と一致した。
これらの結果は、1つの特定の哺乳動物細胞株および合成培地において特定の高性能栄養補助剤ブレンドを特定することで、完全に異なる細胞株および培地を使用した持ち越しの性能向上をもたらすことが可能であると示唆している。さらに、本発明のハイスループットスクリーニング方法は、高性能な補完合成培地を効率的および効果的な様式で成功裏に特定できている。本作業は費用のかかる資本的な設備を必要とせず、月規模の時間で完結できた。
本明細書中で引用される全ての特許、特許出願、刊行物、製品説明およびプロトコールは、全体が参照により本明細書に組み込まれる。用語において矛盾がある場合は、本開示が統制する。
本明細書に記載される発明が前述の利益および優位性を達成するように十分に計算されたものであることは明らかであるが、本発明は本明細書に記載された具体的な実施形態によって範囲を限定されない。本発明はその趣旨から逸脱することのない改変、変化および変更を許すことができると理解される。
本出願は2010年11月5日に出願された米国特許出願第61/410,709号の優先日の利益を主張するものであり、この米国特許出願は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
Claims (17)
- 細胞培養性能の向上を誘導する能力がある栄養補助剤の濃度を決定するための、細胞培養培地栄養補助剤をスクリーニングするハイスループット方法であって、
a.目的の栄養補助剤または栄養補助剤の組み合わせを使用して複数の個別の容量の合成培地を補完すること、
b.目的の細胞株を個別の容量に接種すること、
c.目的の細胞株を培養すること、
d.細胞培養性能指標を測定すること、および
e.細胞培養性能指標の測定値についての分散分析の統計解析を実行すること
を含み、前記統計解析の結果が、細胞培養性能の向上を誘導する能力がある栄養補助剤の濃度を示す、前記方法。 - 目的の細胞株が、原核生物、酵母または高等真核の細胞株である、請求項1に記載の方法。
- 細胞株が、哺乳動物細胞株である、請求項2に記載の方法。
- 哺乳動物細胞株が、チャイニーズハムスター卵巣細胞株、NS0骨髄腫細胞株、COS細胞株、SP2細胞株、サル腎臓CV1細胞株、ヒト胚性腎臓細胞株、ベビーハムスター腎臓細胞株、マウスセルトリ細胞株、アフリカミドリザル腎臓細胞株、ヒト子宮頸がん細胞株、イヌ腎臓細胞株、バッファローラット肝臓細胞株、ヒト肺細胞株、ヒト肝臓細胞株、マウス乳腺腫瘍細胞株、TRI細胞株、MRC5細胞株、FS4細胞株またはヒト肝がん細胞株である、請求項3に記載の方法。
- 細胞培養性能指標が、ピーク生細胞密度である、請求項1に記載の方法。
- 細胞培養性能指標が、回収力価である、請求項1に記載の方法。
- 目的の細胞株が、目的のポリペプチドを発現する、請求項1に記載の方法。
- 目的のポリペプチドが、抗体である、請求項7に記載の方法。
- 栄養補助剤が、L−アルギニン、パルミチン酸、CuSO4・5H2O、L−アラニン、L−ヒスチジン・HCl・H2O、ステアリン酸、ZnSO4・7H2O、L−アスパラギン、L−ロイシン、コレステロール、亜セレン酸・2Na、L−アスパラギン酸、L−シスチン、アラキドン酸、クエン酸第二鉄、L−グルタミン酸、L−リジン、Tween−80、MnSO4・H2O、L−プロリン、L−メチオニン、リノレン酸、Na2SiO3・9H2O、L−セリン、L−フェニルアラニン、酢酸トコフェロール、モリブデン酸のアンモニウム塩、L−グリシン、L−スレオニン、Pluronic F−68、NH4VO3、ガラクトース、L−バリン、アラキドン酸、NiSO4・6H2O、ショ糖、L−トリプトファン、リノール酸、SnCl2(無水)、ピルビン酸ナトリウム、L−イソロイシン、オレイン酸、AlCl3・6H2O、イノシン、L−チロシン、ミリスチン酸、AgNO3、キサンチン、塩化コリン、マルトース、Ba(C2H3O2)2、アデノシン、D−パントテン酸カルシウム、パラ−アミノ安息香酸(PABA)、KBr、グアノシン、葉酸、リン酸カリウム、CdCl2、ウリジン、ニコチンアミド、パントテン酸カルシウム、CoCl2・6H2O、シチジン、塩酸ピリドキサール、EDTA、CrCl3、NADH、硫酸銅、NaFe、NADPH、塩酸チアミン、リボフラビン、GeO2、プトレシン、i−イノシトール、α−シクロデキストリン、KI、スペルミン遊離塩基、キシロース、ビオチン、RbCl、スペルミジン遊離塩基、N−アセチルグルコサミン、β−シクロデキストリン、ZrOCl2・8H2O、ヒポキサンチン、塩化コリン、チミジン、L−アラニル−L−グルタミン、葉酸塩、鉄補助剤、コンカナバリンA、塩酸ピリドキシン(ビタミンB−6)、塩化マンガン、タウリン、エタノールアミン、塩化亜鉛、フルクトース、ヒドロコルチゾン、クエン酸ナトリウム、マンノース、N−アセチルガラクトサミン、サルコシン、シアノコバラミン(ビタミンB−12)、還元型グルタチオン、Cellastim(商標)およびLacromin(商標)を含む群より選択される、請求項1に記載の方法。
- 合成培地および栄養補助剤を含む組成物であって、栄養補助剤が、L−アルギニン、パルミチン酸、CuSO4・5H2O、L−アラニン、L−ヒスチジン・HCl・H2O、ステアリン酸、ZnSO4・7H2O、L−アスパラギン、L−ロイシン、コレステロール、亜セレン酸・2Na、L−アスパラギン酸、L−シスチン、アラキドン酸、クエン酸第二鉄、L−グルタミン酸、L−リジン、Tween−80、MnSO4・H2O、L−プロリン、L−メチオニン、リノレン酸、Na2SiO3・9H2O、L−セリン、L−フェニルアラニン、酢酸トコフェロール、モリブデン酸のアンモニウム塩、L−グリシン、L−スレオニン、Pluronic F−68、NH4VO3、ガラクトース、L−バリン、アラキドン酸、NiSO4・6H2O、ショ糖、L−トリプトファン、リノール酸、SnCl2(無水)、ピルビン酸ナトリウム、L−イソロイシン、オレイン酸、AlCl3・6H2O、イノシン、L−チロシン、ミリスチン酸、AgNO3、キサンチン、塩化コリン、マルトース、Ba(C2H3O2)2、アデノシン、D−パントテン酸カルシウム、パラ−アミノ安息香酸(PABA)、KBr、グアノシン、葉酸、リン酸カリウム、CdCl2、ウリジン、ニコチンアミド、パントテン酸カルシウム、CoCl2・6H2O、シチジン、塩酸ピリドキサール、EDTA、CrCl3、NADH、硫酸銅、NaFe、NADPH、塩酸チアミン、リボフラビン、GeO2、プトレシン、i−イノシトール、α−シクロデキストリン、KI、スペルミン遊離塩基、キシロース、ビオチン、RbCl、スペルミジン遊離塩基、N−アセチルグルコサミン、β−シクロデキストリン、ZrOCl2 ・8H2O、ヒポキサンチン、塩化コリン、チミジン、L−アラニル−L−グルタミン、葉酸塩、鉄補助剤、コンカナバリンA、塩酸ピリドキシン(ビタミンB−6)、塩化マンガン、タウリン、エタノールアミン、塩化亜鉛、フルクトース、ヒドロコルチゾン、クエン酸ナトリウム、マンノース、N−アセチルガラクトサミン、サルコシン、シアノコバラミン(ビタミンB−12)、還元型グルタチオン、Cellastim(商標)およびLacromin(商標)を含む群より選択される、前記組成物。
- 合成培地が、ポリアミン混合物(Sigma−Aldrich、カタログ番号P8483)、キシロース、マンノース、必須アミノ酸混合物(EAA、表1を参照)、塩化コリン、エタノールアミン、マルトース、塩化マンガン、ビタミン混合物(USBiological、カタログ番号M3884)、パントテン酸カルシウム、リン酸カリウム、リノール酸、硫酸銅、チミジン、EDTA、α−シクロデキストリン、i−イノシトール、ヒドロコルチゾン、β−シクロデキストリン、塩化亜鉛、L−アラニル−L−グルタミン、葉酸塩および塩酸ピリドキシンを含む群より選択される2以上の栄養補助剤を使用して補完される、請求項10に記載の組成物。
- 合成培地が、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−チロシン、L−バリン、L−アルギニン、L−ヒスチジン・HCl・H2O、L−トリプトファン、パントテン酸カルシウム、硫酸銅、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、葉酸塩、塩化マンガン、リン酸カリウム、チミジン、i−イノシトールおよび塩化亜鉛を使用して補完される、請求項10に記載の組成物。
- 栄養補助剤の濃度が、実施例6.8の表7中に概説されたVCDの増加を達成するための標的範囲内である、請求項12に記載の組成物。
- 合成培地が、プトレシン、スペルミン遊離塩基、スペルミジン遊離塩基、ヒポキサンチン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−チロシン、L−バリン、L−アルギニン、L−ヒスチジン・HCl・H2O、L−トリプトファン、マルトース、キシロース、塩化コリン、塩化マンガン、リン酸カリウム、i−イノシトールおよび塩化亜鉛を使用して補完される、請求項10に記載の組成物。
- 栄養補助剤の濃度が、実施例6.8の表7中に概説された回収力価の増加を達成するための標的範囲内である、請求項14に記載の組成物。
- 合成培地が、プトレシン、スペルミン遊離塩基、スペルミジン遊離塩基、ヒポキサンチン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−スレオニン、L−チロシン、L−バリン、L−アルギニン、L−ヒスチジン・HCl・H2O、L−トリプトファン、マルトース、キシロース、塩化コリン、リン酸カリウム、i−イノシトールおよび塩化亜鉛を使用して補完される、請求項10に記載の組成物。
- 栄養補助剤の濃度が、実施例6.8の表7中に概説されたVCDの増加および回収力価の増加の両方を達成するための標的範囲内である、請求項16に記載の組成物。
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