JP2013541704A - 共有膜熱電対列センサアレイ - Google Patents

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Abstract

熱電対列センサアレイが提供される。熱電対センサアレイは、単一の共通の共有支持膜に配置された複数の熱電対列により形成される複数のピクセルを含み得る。共有支持膜の縁部と最も外側の熱電対列との隔たりを含み、熱電対列と下のシリコン基板との間に追加の断熱を提供し得る。

Description

分野
本開示は、一般には熱電対列に関し、より具体的には共有膜を有する熱電対列センサアレイに関する。
関連分野
熱電対列は、非接触温度測定を行うために一般に使用される赤外線放射(IR)検出器である。例えば、熱電対列は、耳で測る体温計、近接センサ、熱流束センサ等に使用される。熱電対列は、一連の電気接続された熱電対ペアで構成され、各ペアは、異なるゼーベック係数を有する異なる伝導材料又は半伝導材料で構成される。例えば、N型ポリシリコン及びP型ポリシリコンが従来の熱電対列に使用されることが多い。
一般に、各熱電対の一端部は、IRエネルギーを収集するように動作可能な膜に接触し、その一方で、他端部は支持基板に配置される。収集されたIRエネルギーは、熱電対にわたって温度勾配を生み出し、ゼーベック効果を介して熱電対に出力電圧を生成させる。既知の特徴を有する熱電対では、出力電圧を温度値に変換し得る。
熱電対の出力電圧は比較的小さく、一般に数マイクロボルトの範囲であるため、温度値に変換する前に、出力電圧を増幅しなければならない。しかし、増幅はある程度の誤差又は雑音を測定結果に発生させ得る。したがって、生じる誤差の量を低減するためには、電圧が大きいほど必要とされる増幅が小さいため、より大きな出力電圧が望まれ得る。これを達成するために、いくつかの熱電対列は、直列接続された複数の熱電対を含み、より大きな出力電圧を生成する。
複数の熱電対列をシリコンチップ上のラインに一緒に配置して、熱電対列アレイを形成し得る。これらは、例えば、近接センサ検出器、温度計、セキュリティ検出器、監視等に使用し得る。従来の熱電対列アレイは、シリコンチップに配置されたSiN又はSiO2の薄い膜を使用し、熱電対列「ピクセル」毎に1つの膜がある。各ピクセルの周囲には、アレイ内のピクセル毎の個々の膜を形成するシリコンの「冷」枠がある。これらの熱電対列アレイでは、冷枠は、センサの「温」(放射吸収)接合部の近傍に配置され、膜の温度上昇、ひいては熱電対列の温度上昇を制限する。特に、吸収されたIR放射は温接合部を加熱するが、この熱はシリコンの冷枠に比較的高速に、又は有限量だけ伝導する。これは、各熱電対列にわたって形成される温度勾配の大きさを低減し、熱電対列出力電圧を低下させる。特に、ピクセルライン内の前のピクセル及び次のピクセルに隣接する側に沿って冷枠を有する必要性が、各熱電対列にわたって形成される温度勾配の大きさを低減させる。温度勾配のこれらの低減は、出力に必要になる増幅の量が大きくなり、それにより、より大きな程度の誤差又は雑音が発生するため、望ましくない。
さらに、ピクセルライン内で前のピクセル及び次のピクセルに隣接する側に沿って冷枠を有する必要性は、有効なスペースを使用し、アレイ内に必要な「デッド」スペースを残してしまう。これは、放射を収集する機会の損失に繋がり、又は分光用途では、スペクトル特徴をすべて逃すことに繋がる。
したがって、より高い熱感度を有するコンパクトな熱電対列センサアレイが望まれる。
概要
放射を監視する熱電対列センサアレイが開示される。この熱電対列センサアレイは、半導体基板と、半導体基板に位置決めされる共有支持膜と、共有支持膜及び半導体基板上に配置される複数の熱電対列であって、複数の熱電対列のそれぞれの第1の部分は共有支持膜に接触し、複数の熱電対列のそれぞれの第2の部分は半導体基板に接触する、複数の熱電対列と、複数の熱電対列のそれぞれに熱的に結合される1つ又は複数の吸収体であって、複数の熱電対列のそれぞれは、1つ又は複数の吸収体から放射を受け取ることに応答して、電圧を生成するように動作可能であり、電圧は受け取る放射量に対応する、1つ又は複数の吸収体と、を含み得る。
いくつかの例では、共有支持膜は単一の連続した膜であり得る。他の例では、熱電対列センサアレイは1つのみの共有支持膜を含み得る。支持膜は窒化ケイ素、二酸化ケイ素、又は有機プラスチックを含み得る。共有支持膜の厚さは約0.1μm〜5μmであり得る。
いくつかの例では、キャビティが、共有支持膜が少なくとも部分的にキャビティを覆うように共有支持膜の下に形成し得る。
いくつかの例では、各熱電対列は、隣の熱電対列から12μm未満の距離により隔てられ得る。熱電対列センサアレイは、8、16、32、64、又はそれよりも多数の熱電対列を含み得る。熱電対列センサアレイは、少なくとも100μm、150μm、又は200μmの共有支持膜の縁部と前記複数の熱電対列のうちの任意の熱電対列との距離を含み得る。
いくつかの例では、複数の熱電対列は、2×2アレイ、ラインアレイ、又は円形アレイに配置され得る。他の例では、複数の熱電対列のそれぞれは複数の熱電対脚部を含み、複数の熱電対列のそれぞれの複数の熱電対脚部は、共有支持膜に垂直に配置される。
別の例では、熱電対列センサアレイは、導体基板と、半導体基板に位置決めされる共有支持膜であって、約30W/mK未満の熱伝導性を有する材料を含む、共有支持膜と、共有支持膜及び半導体基板の長さに沿って略平行する構成に配置される複数の熱電対列であって、複数の熱電対列のそれぞれの第1の部分は共有支持膜に接触し、複数の熱電対列のそれぞれの第2の部分は半導体基板に接触する、複数の熱電対列と、複数の熱電対列のそれぞれに熱的に結合される1つ又は複数の吸収体であって、複数の熱電対列のそれぞれは、1つ又は複数の吸収体から放射を受け取ることに応答して、電圧を生成するように動作可能であり、電圧は受け取る放射量に対応する、1つ又は複数の吸収体と、を含み得る。
例示的な共有膜熱電対列アレイの上から見た図を示す。 各ピクセルに別個の支持膜を有する例示的な熱電対列アレイのヒートマップを示す。 例示的な共有支持膜熱電対列アレイのヒートマップを示す。 様々なサイズのうちの一つのサイズのデッドスペースを有する例示的な共有支持膜熱電対列アレイのヒートマップを示す。 様々なサイズのうちの一つのサイズのデッドスペースを有する例示的な共有支持膜熱電対列アレイのヒートマップを示す。 様々なサイズのうちの一つのサイズのデッドスペースを有する例示的な共有支持膜熱電対列アレイのヒートマップを示す。
詳細な説明
以下の説明は、当業者が様々な実施形態を作成し使用できるようにするために提示される。特定の装置、技法、及び適用の説明が単なる例として提供される。本明細書に記載される例への様々な変更が、当業者には容易に明らかになり、本明細書において定義される一般原理は、様々な実施形態の趣旨及び範囲から逸脱せずに他の例及び用途に適用し得る。したがって、様々な実施形態は、本明細書に記載され示される例に限定されることを意図されず、特許請求の範囲に一致する範囲に従うべきである。
図1は、例示的な共有膜熱電対列アレイ100の上から見た図を示す。共有膜熱電対列アレイ100はシリコン基板101上に形成し得る。共有膜熱電対列アレイ100は、熱電対列に構造的支持を提供する共有支持膜103を含み得る。共有支持膜103は、低い熱伝導性、例えば、約30W/mK未満、約20W/mK未満、約15W/mK未満、又は約10W/mK未満の熱伝導性を有する材料を含み得る。共有支持膜103は、例えば、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、又は有機プラスチック等を含み得、0.05μm〜7μmの範囲の厚さ、例えば、約0.1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、又は約7μmの厚さを有する。そのような材料を選択することは、共有支持膜103により熱電対列から離れて伝導される熱の量を制限するのに役立つ。さらに、いくつかの実施形態では、共有支持膜103をキャビティ(図示せず)上に懸架して、共有支持膜103とシリコン基板101との間に少なくとも部分的な断熱を提供し得る。共有支持膜103は、いくつかの実施形態では、連続した膜であり得る。換言すれば、共有支持膜103は膜材料の単一の概して途切れないシートを含み得る。
共有膜熱電対列アレイ100は、共有支持膜103に位置決めされた1つ又は複数の熱電対列107をさらに含み得る。熱電対列107は、異なるゼーベック係数を有する1つ又は複数のペアの熱電対脚部105を含む。例えば、熱電対脚部105のペアは、N型ポリシリコン及びP型ポリシリコン等の異なる導電材料又は半導電材料を含み得る。各熱電対脚部105の一端部は共有支持膜103に接触して配置されて、IRエネルギーを収集し、その一方で、他端部は支持シリコン基板101に配置される。収集されたIRエネルギーは、熱電対脚部105のペアにわたって温度勾配を生み出し、ゼーベック効果を介して出力電圧を生成する。
熱電対脚部105のペアにより生成される出力電圧を増大させるために、熱電対脚部105の複数のペアを電気的に直列接続し得る。したがって、熱電対列107は熱電対脚部105の1つ又は複数のペアを含み得る。熱電対脚部105のペアは、共有支持膜103の表面に沿って水平に配置してもよく、又は参照により本明細書に援用される米国仮特許出願第61/324,221号に記載されるように、垂直に積み重ねてもよい。熱電対列107は、熱電対脚部105の4つのペアを有して示されるが、熱電対列107が任意の数の熱電対ペアを含み得ることを当業者は理解するだろう。さらに、任意の数の熱電対列107を使用し得ることを理解されたい。例えば、8、16、32、64、又はそれよりも多数の熱電対列107を共有膜熱電対列アレイ100に含み得る。
さらに、熱電対列107は平行に配置されて示されるが、2×2アレイ、1×Nラインアレイ、2×N二重ラインアレイ、円形アレイ等の他の構成も可能である。さらに、熱電対列107は、基板上で熱電対脚部105の「冷」端部と平行して配置されて示されるが、他の構成、例えば、2×2正方形アレイ、3×3正方形アレイ、又はより大きな正方形アレイに配置される熱伝対列107も可能である。
共有膜熱電対列アレイ100は、熱電対列107の部分の上又は下に位置決めされる1つ又は複数の吸収体111をさらに含み得る。吸収体111は、IR放射を吸収するように構成し得、カーボンブラック、石油(black-gold)、他の化合物、有機化合物、又は有機混合物等の任意の吸熱材料で作ることができる。
いくつかの実施形態では、共有膜熱電対列アレイ100は、アレイの長さ及び/又は幅に広がり、各熱電対列107上に位置決めされた単一の吸収体111を含み得、又は他の実施形態では、すべての熱電対列107のサブセット上に位置決めされた複数の吸収体111を含み得る。さらに他の実施形態では、複数の吸収体111を各熱電対列107上に位置決めし得る。吸収体111は、任意の形状、例えば、正方形、矩形、三角形等に配置し得る。吸収体111に接触する熱電対脚部105の端部は、本明細書では「温接合部」と呼ぶことにする。温接合部とは逆の熱電対脚部105の端部は、本明細書では「冷接合部」と呼ぶことにする。
1つ又は複数の熱電対列107はピクセル109を形成し得、これは、共有膜熱電対列アレイ100がIRエネルギーを測定可能なエリアである。より具体的には、ピクセルは、1つ又は複数の熱電対列107の温接合部で形成し得る。例えば、図1に示されるように、各熱電対列107の温接合部は陰影が付けられて、幅115を有する別個の(この図では、三角形の)ピクセル109を示す。したがって、共有膜熱電対列アレイ100の感度を増大させるために、ピクセル109を一緒に可能な限り近くに位置決めして、ピクセル間の「デッド」スペースを低減することが望ましい。各ピクセル109に個々の膜を使用するのではなく、単一の共有支持膜103を使用することにより、ピクセル間のスペースを低減することができ、それにより、共有膜熱電対列アレイ100のピクセル密度が増大する。さらに、各ピクセル109に個々の膜ではなく、単一の共有支持膜103を使用することにより、さもなければ各熱電対列にわたって形成される温度勾配を低減するであろう各ピクセル間にある冷枠の部分をなくすことができ、それにより、共有膜熱電対列アレイ100の感度が増大する。しかし、ピクセル間の距離を低減し、各ピクセル間の冷枠の部分をなくすことで、「クロストーク」が増大するおそれがあることを当業者は理解するだろう。クロストークは、1つのピクセルで受け取った放射が外に向かって放射されて、近隣ピクセルにより行われる測定に干渉する現象を示す。ピクセルサイズ、ピクセル間隔、及び幾何学的形状の他のバリエーションを注意深く選ぶことにより、このクロストークを最小に抑えることが可能となり得る。
例示的な一実施形態では、共有膜熱電対列アレイ100は、長さ約4.5mm及び約0.58mmの幅113を有し得る。さらに、各熱電対列107は、幅約10μm及び長さ約260μm(半ピクセル)を有し得る。熱電対列107は、隣の熱電対列107から、単一の熱電対の最小幅に、熱電対の間隔を加えた距離だけ、例えば、10μm+2μm=12μmだけ隔て得る。吸収体111の幅、ひいては各ピクセルの幅115は約70μmであり得る。特定の値が上記に与えられるが、所望の用途に応じて他の寸法を使用してもよいことを理解されたい。例えば、単一の共有膜を使用することの利点の1つは、膜寸法を調整する必要がなく、熱電対列毎の熱電対ペアの数を増大することにより、熱電対列107の幅を増大し得ることである。さらに、共有膜熱電対列アレイ100の長さを増大させて、より多数の熱電対列107を含めるようにすることができる。いくつかの例では、熱電対列アレイ100の長さは、処理可能性、用途、及び費用制限に基づいて20%以上増大させ得る。
シリコン基板101上のスペース使用の改良に加えて、単一の共有支持膜103を使用することにより、ピクセル109及び各熱電対列の温接合部での温度がより高くなる。ピクセル109及び温接合部での温度が高いほど、熱電対脚部105のペアにわたって生成される温度勾配が大きくなり、出力電圧が大きくなる。出力電圧が大きいほど、必要な増幅が小さくなるため、これは望ましく、より正確な測定を生成する。
ピクセル109がもはや、従来の熱電対列センサアレイでのように四方すべてで「冷」シリコン基板101と隣接しないため、より高い温度が可能になる。例えば、図2は、各熱電対列207に別個の支持膜を有する例示的な従来の熱電対列センサアレイ200のヒートマップを示す。熱電対列207の暗いエリアはより高い温度を表し、その一方で、明るいエリアはより低い温度を表す。熱電対列センサアレイ200内の各熱電対列207は、物理的に別個の支持膜に形成されるため、吸収体ピクセル209に対応する温接合部の四方(図2に示される左右上下)でシリコン基板201のシリコン材料で囲まれる。シリコン材料は支持膜(例えば、約10〜30W/mK未満)と比較して高い熱伝導性(例えば、約148W/mK)を有し、断面が厚く、熱電対列207の温接合部に対して冷たいままであるため、この構成により膜の温度上昇が低減し、したがって、吸収体ピクセル209の温度上昇が低減する。これにより、ピクセル209での温度が低くなり、熱電対列207にわたる温度勾配が小さくなり、熱電対列207が生成する出力電圧が小さくなり、最終的に、測定精度が低くなる。
これより図3を参照して、例示的な共有膜熱電対列アレイ100のヒートマップを示す。図2のヒートマップと同様に、熱電対列107の暗いエリアはより高い温度を表し、その一方で、明るいエリアはより低い温度を表す。図3から分かるように、共有膜熱電対列アレイ100の中心(図3の下)に向かって配置された熱電対列107は、アレイの端部(図3の上)近傍よりも温接合部で高い温度を有する。これは、アレイの端部近傍の熱電対列107が、シリコン基板101により形成される冷シリコン端部枠116に隣接するか、又は少なくともその近傍に位置決めされ、それにより、これらの位置での温度上昇を制限するためである。しかし、アレイの中心近傍の熱電対列107の温接合部は、冷シリコン枠と隣接せず、したがって、より高い温度まで上昇することができる。上述したように、温接合部での温度が高いほど、熱電対列107にわたる温度勾配が大きくなり、その結果、IR測定がより正確になる。
図3に示されるヒートマップを図2に示されるヒートマップと比較することで、共有膜熱電対列アレイ100の熱電対列107の温接合部のうちの少なくともいくつかにより得られる温度が、熱電対列センサアレイ200の熱電対列207により生成される温度勾配よりも高いことが分かる。いくつかの例では、共有膜熱電対列アレイ100の熱電対列にわたって生成される温度勾配は、熱電対列センサアレイ200よりも10倍以上大きくなり得る。
上述され、図3に示されたように、例シリコン端部枠116の近傍に配置された熱電対列(例えば、117と記された熱電対列)は、中心近傍の熱電対列(例えば、107と記された熱電対列)ほど高い温度には達し得ない。したがって、いくつかの実施形態では、共有熱電対列アレイ100の各端部と最も外側の熱電対列117との距離を増大させ得る。換言すれば、「デッド」スペースを共有支持膜103の両端部に意図的に形成して、シリコン基板101の冷シリコン端部枠116と最も外側の熱電対列117との間に追加の断熱(遮熱)を提供し得る。いくつかの実施形態では、デッドスペースは約50μm、約75μm、約100μm、約150μm、約200μm、又はそれよりも大きくてもよい。共有膜熱電対列アレイ100の構成に基づいて、デッドスペースの幅をどのように選択するかを当業者は分かるであろう。いくつかの例では、この選択は、熱電対列117での温度低下の最小化と、シリコン基板101に追加される無駄なスペース量とのバランスに基づき得る。
図4A〜図4Cは、均一な量の放射が各ピクセルに与えられた場合、共有膜熱電対列アレイ100の温度に対する様々なサイズのデッドスペースを使用する影響を示す。特に、図4Aは、デッドスペースがわずかであるか、又はない共有膜熱電対列アレイ100のヒートマップを示す。分かるように、共有膜熱電対列アレイ100の縁部(図の左側)近傍の熱電対列117は、対応する温接合部において、中心(図の右)に向かう熱電対列とは非常に異なる温度を有する。熱電対列の大きさに応じて、中心熱電対列107と比較して異なる温度を示すのは、熱電対列117だけではないことがある。これは、最も外側の熱電対列117又は冷シリコン端部枠116の近傍にある熱電対列118によるものであり、その一方で、内側の熱電対列107は共有支持膜103と隣接する。この構成且つ32個のピクセルを有する例示的な一実施形態では、シミュレーションにより、合計温度差855℃を生成し得ることが示された。
図4Bは、約150μmのデッドスペース401を有する共有膜熱電対列アレイ100の一実施形態のヒートマップを示す。この図から分かるように、熱電対列107、117、及び118の温接合部にわたる温度はより均一である。これは、熱電対列117、118と冷シリコン端部枠116との断熱がデッドスペース401により提供されたことによるものである。この構成且つ32個のピクセルを有する例示的な一実施形態では、シミュレーションにより、合計温度差905℃を生成し得ることが示された。これにより、図4Aに示されるデッドスペースがわずかであるか、又はない共有膜熱電対列アレイよりも、約5.8%性能が増大する。さらに、熱電対列117、118の冷枠への温接合部の温度差を2倍に増大させ得る。
図4Cは、約200μmのデッドスペース403を有する共有膜熱電対列アレイ100の別の実施形態のヒートマップを示す。この図から分かるように、縁部(図の左側)近傍の熱電対列117、118は、中央(図の右)に向かう熱電対列よりも温接合部で高い温度を有する。この場合、デッドスペースに露出した膜は、熱伝導性を増大させる熱電対脚部で覆われる膜よりも良好な断熱材として機能する。この構成且つ32個のピクセルを有する例示的な一実施形態では、シミュレーションにより、合計温度差912℃を生成し得ることが分かった。これにより、図4Aに示されるデッドスペースがわずかであるか、又はない共有膜熱電対列アレイ100よりも約6.7%性能が増大する。
共有膜熱電対列アレイの様々な構成が、上記例において提供される。特徴は特定の実施形態に関連して説明されるように見え得るが、記載の実施形態の様々な特徴を組み合わせ得ることを当業者は認識するだろう。さらに、実施形態に関連して説明された態様は独立していてもよい。

Claims (21)

  1. 放射を監視する熱電対列センサアレイであって、
    半導体基板と、
    前記半導体基板に位置決めされる共有支持膜と、
    前記共有支持膜及び前記半導体基板上に配置される複数の熱電対列であって、前記複数の熱電対列のそれぞれの第1の部分は前記共有支持膜に接触し、前記複数の熱電対列のそれぞれの第2の部分は前記半導体基板に接触する、複数の熱電対列と、
    前記複数の熱電対列のそれぞれに熱的に結合される1つ又は複数の吸収体であって、前記複数の熱電対列のそれぞれは、前記1つ又は複数の吸収体から放射を受け取ることに応答して、電圧を生成するように動作可能であり、前記電圧は受け取る放射量に対応する、1つ又は複数の吸収体と、
    を含む、熱電対列センサアレイ。
  2. 前記共有支持膜は単一の連続した膜である、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  3. 1つのみの共有支持膜を含む、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  4. 前記共有支持膜は、約30W/mK未満の熱伝導性を有する材料を含む、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  5. 前記共有支持膜は窒化ケイ素、二酸化ケイ素、又は有機プラスチックを含む、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  6. 前記共有支持膜は厚さ約0.1μm〜5μmを有する、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  7. キャビティが前記半導体基板内に形成され、前記共有支持膜は、少なくとも部分的に前記キャビティを覆って位置決めされる、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  8. 前記複数の熱電対列の各熱電対列は、隣の熱電対列から12μm未満の距離により隔てられる、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  9. 前記複数の熱電対列は32以上の熱電対列を含む、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  10. 前記複数の熱電対列は64以上の熱電対列を含む、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  11. 前記共有支持膜の縁部と前記複数の熱電対列のうちの任意の熱電対列との距離は、少なくとも100μmである、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  12. 前記共有支持膜の縁部と前記複数の熱電対列のうちの任意の熱電対列との距離は、少なくとも150μmである、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  13. 前記共有支持膜の縁部と前記複数の熱電対列のうちの任意の熱電対列との距離は、少なくとも200μmである、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  14. 前記複数の熱電対列は、2×2アレイ、ラインアレイ、又は円形アレイに配置される、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  15. 前記複数の熱電対列のそれぞれは複数の熱電対脚部を含み、前記複数の熱電対列のそれぞれの前記複数の熱電対脚部は、前記共有支持膜に垂直に配置される、請求項1に記載の熱電対列センサアレイ。
  16. 放射を監視する熱電対列センサアレイであって、
    半導体基板と、
    前記半導体基板に位置決めされる共有支持膜であって、約30W/mK未満の熱伝導性を有する材料を含む、共有支持膜と、
    前記共有支持膜及び前記半導体基板の長さに沿って略平行する構成に配置される複数の熱電対列であって、前記複数の熱電対列のそれぞれの第1の部分は前記共有支持膜に接触し、前記複数の熱電対列のそれぞれの第2の部分は前記半導体基板に接触する、複数の熱電対列と、
    前記複数の熱電対列のそれぞれに熱的に結合される1つ又は複数の吸収体であって、前記複数の熱電対列のそれぞれは、前記1つ又は複数の吸収体から放射を受け取ることに応答して、電圧を生成するように動作可能であり、前記電圧は受け取る放射量に対応する、1つ又は複数の吸収体と、
    を含む、熱電対列センサアレイ。
  17. 前記共有支持膜は厚さ約0.1μm〜5μmを有する、請求項16に記載の熱電対列センサアレイ。
  18. 前記複数の熱電対列の各熱電対列は、隣の熱電対列から12μm未満の距離により隔てられる、請求項16に記載の熱電対列センサアレイ。
  19. 前記共有支持膜の縁部と前記複数の熱電対列のうちの任意の熱電対列との距離は、少なくとも100μmである、請求項16に記載の熱電対列センサアレイ。
  20. 前記共有支持膜の縁部と前記複数の熱電対列のうちの任意の熱電対列との距離は、少なくとも150μmである、請求項16に記載の熱電対列センサアレイ。
  21. 前記共有支持膜の縁部と前記複数の熱電対列のうちの任意の熱電対列との距離は、少なくとも200μmである、請求項16に記載の熱電対列センサアレイ。
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