JP2013540248A - 冷却における改良又は冷却に関する改良 - Google Patents

Abstract

本発明は、冷却における改良又は冷却に関する改良に関する。冷却される製品を収容するキャビティを備える冷却装置が説明される。本装置は、キャビティに収容された製品を回転させる回転手段と、キャビティに冷却剤を提供する冷却剤供給手段とを備える。本装置は、キャビティに補足動作を加える手段を更に備える。
【選択図】図１

Description

本発明は、冷却における改良又は冷却に関する改良に関する。

ケータリング、小売り、および、娯楽産業の分野では、製品を冷蔵しておく様々な形式の販売装置が用いられている。冷却飲料用の販売装置を例にとると、それらは、業務用飲料冷蔵庫と、冷却飲料自動販売機との２つのグループに分けられる。第１のグループ（手で取り出す形式）の場合または第２のグループの自動販売機の場合においても、装置はいずれも基本的に、ちょうつがい式またはスライドドアを有する、前面がガラス張りの大型冷蔵庫である。これらの冷蔵庫は、購入される飲料を予め冷却して貯蔵しておく。多くの場合、飲料は、最終的に購入されるまで長期間低温に保たれている。したがって、ともすれば必要のない大量のエネルギーが消費される。さらに言えば、どちらのタイプの装置も動作が非効率である。使用中、第１のグループの冷蔵庫は、大きいドアが開けられるたびに冷たい空気がかなり失われる。自動販売機は、ユーザが飲み物を取り出す取り出しトレーへのアクセスが容易でなければならないので、密閉性が悪い。冷却システムは、一般的に、効率性を維持するために、バックグラウンドでの動作サイクルを通じて用いられるべき要件を有するが、これは、中身を冷却するのには直接関与しない付加的エネルギーを消費する。

多くの飲料小売業者は、製品のアクセスを容易にし、また製品を目に見えるようにするために、前が開いた状態の冷蔵キャビネットに飲料をストックすることも知られている。これらのキャビネットは、明らかに、更に多くのエネルギー浪費を被る。

最終的には、購入がいつ行われ得るかにかかわらず、購入のための準備を整えて飲み物を長期間冷たい状態に保つために、電気エネルギーが大量に浪費されて用いられる。

エネルギー浪費の問題は、自動販売機を扱う企業に限ったことではない。多くのコーナーショップ、ガソリンスタンド、カフェも飲料冷却キャビネットを扱う。これらの経営者にとって、電気エネルギーのコストは、運営費中で高い比率を占めることになる。エネルギー浪費問題は、これだけにとどまらない。冷蔵システムは熱を発するので、冷蔵システムからの副産物である無駄な熱エネルギーによって、マシン周りの局所領域が不必要に暖めてられてしまうことがよくある。これによって、ユーザが飲む飲料は、温まってしまう領域に保管されているにもかかわらず、適切な温度に冷えている、という矛盾が生じる。

また、特に飲料の売り上げが高い施設、例えば、コンサート、スポーツなどの特別なイベント会場の店舗では、冷却速度も課題となる。多くの場合、イベントの開始時には、数時間冷蔵されていた飲料は、適切に冷えている。しかしながら、イベントが行われているうちに、売れる飲料の量は、さらなる飲料を冷却する冷蔵庫の容量を上回る。そして、あまり冷えていないか、または、まったく冷えていない飲料が売られてしまうことになる。

本発明は、要求に応じて飲料の冷却を可能にする装置を提供することによってこれらの問題に対処しようとするものである。本装置は、スタンドアローン装置とすることもできるし、自動販売機に組み込まれてもよい。

本発明者らの以前の出願である国際公開第２０１１／０１２９０２号は、冷却される製品を収容するキャビティを備える冷却装置を記載している。この装置は、キャビティに収容されている製品を回転させる回転手段と、冷却流体をキャビティに提供する冷却流体供給手段とを備える。読者は、更なる背景を得るためにその公報を参照されたい。回転手段は、所定の期間、パルス状の又は不連続な回転を提供するように構成されている。

本発明者らは、冷却される飲料の缶又は他の容器を収容するキャビティを備える装置を開発した。キャビティは、缶を高速で回転させることを可能にするモーター駆動のターンテーブルを含み、また、回転を可能にしながらターンテーブル上の適切な位置に缶を保持する手段も含む。この装置は、冷却液の供給手段も含む。キャビティ自体を回転させることもできるし、キャビティ内で容器を回転させることもできる。

塩の凝固を低減する回転撹拌器を有する冷却タンクにおいてほぼ−１６℃に冷やされる塩水溶液を用いる密閉缶冷却リグを製造した。ダイヤフラムポンプを用いて、最大５リットル／分の速度で冷却容器を満たした。この冷却容器は、標準的な缶を受け入れるように設計されている。缶は、最大１２Ｈｚ／７２０ｒｐｍで回転させることができる。ポンプの流速及び缶の回転速度は制御可能である。飲み物の実時間の冷却速度を記録した。

本発明者らは、缶の回転中に、強制渦が発生することを確認した。缶の内部における強制渦の深さは、回転速度に依存する。強制対流が、缶の内部に発生し、人工的に誘発された対流を生み出す。その後、回転が止まると、自由渦又は崩壊渦が生じ、自然対流が発生して、缶の内容物の混合を促進するが、核形成及び過度の泡立ちをもたらすおそれがある気泡が混入することはない。

しかしながら、この崩壊渦がない静止した状態の缶では、冷たい飲料ほど高密度になり、缶の底部に沈む。缶の内容物の混合は非常に不十分なものとなり、温度の均一性が不十分となり、多くの場合、氷の形成又は“軟氷”状態を招く。本発明者らの以前の研究では、本発明者らは、断続的な又はパルス状の回転がこの問題を克服することを確認した。しかしながら、それによって、飲料容器は減速され、再び全速に戻されるので、冷却に遅れがもたらされる。

本発明は、更に高速化された冷却速度を提供しようとするものである。

本発明は、その最も広い意味において、製品を冷却する冷却装置であって、少なくとも２つの自由軸の回りの動きを製品に加えるように構成されていることを特徴とする冷却装置を提供する。

したがって、本発明は、冷却される製品を収容するキャビティを備える冷却装置を提供する。本装置は、キャビティに収容された製品を回転させる回転手段と、キャビティに冷却剤を提供する冷却剤供給手段とを備える。本装置は、キャビティに補足動作を加える手段を更に備える。

１つの実施の形態では、補足動作は直線動作である。直線動作は往復動作であることが好ましい。

往復動作は、少なくとも毎分５０回往復する速度、より好ましくは少なくとも毎分８０回往復する速度、更に好ましくは少なくとも毎分１００回往復する速度で行われることが好ましい。往復動作は、毎分約１２０回往復する速度で行われることが有利である。

代替的な実施の形態では、回転手段は、一致しない２つの平行な軸の回りに製品を回転させるように構成されている。軸のうちの一方は製品の軸であることが好ましい。

回転手段は、毎分９０回転以上、より好ましくは少なくとも毎分約１８０回転、更に好ましくは少なくとも毎分約３６０回転の回転速度で製品を回転させるように構成されていることが好ましい。

任意選択として、回転手段は、キャビティ内で製品を回転させるように構成されている。代替的に、回転手段は、キャビティを回転させるように構成されている。

冷却剤は冷却流体であり、冷却流体供給手段は、冷却流体の流れをキャビティに提供するように構成されていることが好ましい。

冷却流体は、−１０℃以下、より好ましくは−１４℃以下、更に好ましくは−１６℃以下の温度でキャビティに供給されることが好ましい。

或る特定の実施の形態では、本装置は、上記で規定されたような複数のキャビティを備える。

通常の実施の形態では、本装置は販売装置に組み込まれ、販売装置は、冷却される製品をキャビティ内に挿入し、冷却された製品をキャビティから取り出す挿入・取り出し手段を更に備える。

販売装置は、製品又は一連の製品を保存する保存手段と、製品をキャビティ内に挿入するために保存手段から選択する選択手段とを更に備えることが好ましい。

冷却液は、その最も自然な形態で、単にキャビティに注ぎ込まれ、その後、冷却プロセスの終わりに取り除かれる。好ましい実施形態では、装置を通る冷却液の流れが提供される。

本発明による装置の第１の実施形態の斜視図である。 図１の装置の幾つかの試行で得られた冷却速度を示すグラフである。 本発明による装置の第２の実施形態の概略平面図である。

次に、添付図面を参照して、単に例としてのみ本発明の上記態様及び他の態様を更に詳細に説明する。

図１は、テーブル１２上に取り付けられた、飲料容器を収容するキャビティ１１を備えるリグ１０を示している。キャビティ１１は、テーブル１２の下に取り付けられている電気モーター１３によって回転可能である。テーブル１２は、一対の平行な線路１４に摺動可能に取り付けられていることによって往復運動可能であり、偏心してリンクロッド１５が取り付けられ、モーター１６によって駆動されるカムによって往復運動させられる。リンクロッド１５は、５ｍｍ〜２５ｍｍの可変ストローク範囲を与えるように調整可能である。代替的な構成は、単一のモーターの使用を可能にする歯車構成を含めて、当業者に明らかであろう。したがって、本装置は、キャビティ１１の回転軸の回りの回転動作と、テーブル１２の往復運動の方向の回りの直線動作との２つの自由度について、キャビティ１１に入れられた飲料容器に動きを加えることができる。

室温において３３０ｍｌのアルミニウム缶について達成された冷却速度が図２に示されている。３つの全ての場合の回転速度は、毎分３５０回転であった。往復運動は、１８．５ｍｍの単一のストローク長で毎分１２０回のオシレーションレート（７４ｍｍ／ｓの動きに等しい）で行われた。冷却剤の温度は−１４．５℃であり、冷却剤は４．２５ｌ／分の速度でキャビティ１１を通って流れた。キャビティの有効体積は６５０ｍｌであり、標準的な直径の缶の回りの約２０ｍｍの冷却流体の冷却筒の体積に匹敵していた。

対照として、国際公開第２０１１／０１２９０２号の装置（直線動作がなく、断続回転のみ）によって達成可能な冷却速度が、７０秒を僅かに超える間の２２℃の例示の室温から４℃までの冷却を示す線（ｉ）として示されている。これと比較して、図１のリグは、５４秒（線ｉｉｉ）及び５８秒（線ｉｉ）以内で４℃への冷却を達成し、１８％〜２３％の改善であった。

本装置は、（少なくとも理想化された設定では）飲料容器内にランキン渦の発生をもたらすことが示唆される。透明なキャビティ１１及び透明な飲料容器内を視覚的に観察することによって、これが事実であることが確証される。

例えば、局所的な凹み、軸外回転若しくは容器の軸に垂直な容器の回転による容器への非対称性の導入；回転中の容器への衝撃波の導入；又は例えば求心力の導入による遊星回転、単一平面撹拌及び多平面撹拌を含めて、ランキン渦又はランキン類似渦を発生させる他の技法が可能である。

基本的に、ランキン類似渦等の渦は、半径全体にわたって、角速度に半径を乗算したものに等しくない接線速度をもたらす。結果として、飲料は、固体の塊として振る舞わず、剪断が存在し、したがって、混合が生じる。

通常の実施形態では、本装置は、販売装置に組み込まれ、冷却される製品をキャビティ内に挿入し、冷却された製品をキャビティから取り出す挿入・取り出し手段を更に備える。

販売装置は、製品又は一連の製品を保存する保存手段と、製品をキャビティ内に挿入するために保存手段から選択する選択手段とを更に備えることが好ましい。

販売装置は、通常、コイン投入式機構又はカードから料金を差し引くカード読み取り装置等の支払い集金装置も含む。

図３の飲料容器は、この容器が遊星歯車形式で回転させられる１つのそのような構成を示している。すなわち、本装置は、缶２０等の容器をそれ自体の軸２１の回りに回転させる一次回転手段と、一致しない平行な二次軸２２の回りに缶の軸を回転させる二次回転手段とを備える。そのような回転構成は、飲料それ自体のより多くの撹拌をもたらし、それによって、容器との温度勾配を低減する。

対流熱伝導は、境界層内の流体の流動様式によって大きく支配される。境界層内の速度勾配が大きくなると、対流熱伝導が大きくなる。レイノルズ数は、境界層が層流であるか又は乱流であるかを支配する重要なパラメーターであるが、表面のテクスチャ又は粗さと局所的な圧力勾配とに起因して変遷する場合がある。この構成によってもたらされる容器及び冷却剤のより複雑な動作は、境界層内の厚さ及び速度勾配を制御するより多くの自由度を与える。これによって、本装置は、急速冷却を達成しようとするこれまでの試みを妨げてきた軟氷化又は氷の形成を排除しながら、対流熱伝導を最大にすることが可能になる。

本発明は、上述した本装置を組み込んだ自動販売機を提供しようとするものでもある。従来の自動販売機では、保存キャビティ全体を断熱しなければならないが、おそらく４００個の缶を保存するキャビティの断熱は、通常、断熱材若しくは断熱マット又は伝熱を防止するために空気を閉じ込めている他の材料を用いてしか達成することができない。これらの材料は、比較的非効率的な熱絶縁物である。

専ら要求に応じて飲料を冷やす自動販売機を提供することに加えて、本発明は、ほとんどの缶又は他の飲料容器が周囲温度で保存可能であり、少数の、おそらく１６個程度のみが低温又は飲用温度で保存可能である自動販売機を提供する。

結果として、低温の容器が保存されるキャビティは、真空断熱パネル等のより効果的な手段によって断熱することができる。冷却装置は、周囲温度保存キャビティと冷蔵保存キャビティとの間に設けられる。

２つの保存ゾーンを用いることによって、全体的なエネルギー消費が大幅に削減され、また、急速冷却装置に必要な電力定格も削減されることになる。

正確な温度を維持するために、冷蔵保存キャビティへの追加の低レベルの冷やしを提供することができるが、小さな真空断熱容量キャビティ内の温度を維持するためのエネルギー消費は、従来の機器よりもかなり低い。

したがって、本発明は、冷却される製品を収容するキャビティを備える冷却装置を提供する。本装置は、キャビティに収容された製品を回転させる回転手段と、キャビティに冷却材を提供する冷却剤供給手段とを備える。

上記回転手段は、一致しない２つの平行な軸の回りに製品を回転させるように構成されている。軸のうちの一方は製品の軸であることが好ましい。

Claims (13)

1. 冷却される製品を収容するキャビティと、該キャビティに収容された製品を回転させる回転手段と、前記キャビティに冷却剤を提供する冷却剤供給手段とを備える冷却装置であって、前記キャビティに補足動作を加える手段を更に備える、冷却装置。
2. 補足動作は直線動作である、請求項１に記載の装置。
3. 前記直線動作は往復動作である、請求項２に記載の装置。
4. 前記往復動作は、少なくとも毎分５０回のオシレーションレート、より好ましくは少なくとも毎分８０回のオシレーションレート、更に好ましくは少なくとも毎分１００回のオシレーションレートで行われる、請求項３に記載の装置。
5. 前記往復動作は、毎分約１２０回のオシレーションレートで行われる、請求項４に記載の装置。
6. 前記回転手段は、一致しない２つの平行な軸の回りに前記製品を回転させるように構成されている、請求項１に記載の冷却装置。
7. 前記軸のうちの一方は前記製品の軸である、請求項６に記載の冷却装置。
8. 前記回転手段は、毎分９０回転以上、より好ましくは少なくとも毎分約１８０回転、更に好ましくは少なくとも毎分約３６０回転の回転速度で前記製品を回転させるように構成されている、請求項１〜７のいずれか１項に記載の冷却装置。
9. 前記冷却剤は冷却流体であり、前記冷却流体供給手段は、冷却流体の流れを前記キャビティに提供するように構成されている、請求項１〜８のいずれか１項に記載の冷却装置。
10. 前記冷却流体は、−１０℃以下、より好ましくは−１４℃以下、更に好ましくは−１６℃以下の温度で前記キャビティに供給される、請求項１〜９のいずれか１項に記載の冷却装置。
11. 前記回転手段は、所定の期間、パルス状の又は不連続な回転を提供するように構成されている、請求項１〜１０のいずれか１項に記載の冷却装置。
12. 請求項１〜１１のいずれか１項に記載の冷却装置を備える販売装置であって、前記冷却される製品を前記キャビティ内に挿入し、前記冷却された製品を前記キャビティから取り出す挿入・取り出し手段を更に備える、販売装置。
13. 製品又は一連の製品を保存する保存手段と、製品を前記キャビティ内に挿入するために前記保存手段から選択する選択手段とを更に備える、請求項１２に記載の販売装置。
    

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