一実施形態において、本発明は、下記の構造式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、A環およびC環は、それぞれ互いに独立して、置換もしくは非置換の単環、縮合環、または多環アリールもしくは(複素)環式環系、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和N−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和S−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和O−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和環状炭化水素、あるいは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和混合複素環であり、
B環は、
であり、
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
Xは、単結合、NH、C1−C5炭化水素、O、またはSであり、
Yは、単結合、−C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、−C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、−(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり、
前記A環およびC環は、任意選択で、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2から互いに独立して選択される1〜5個の置換基で置換され、
iは、0〜5の整数であり、
lは、1〜2の整数であり、
B環が、ベンゼン環、チオフェン環、フラン環、またはインドール環である場合、Xは単結合またはCH2ではなく、かつA環はインドールではなく、
B環がインドールである場合、XはOではない。
一実施形態において、式IのB環が、チアゾール環である場合、Xは単結合ではない。
一実施形態において、式Iの化合物中のA環は、インドリルである。別の実施形態において、A環は、2−インドリルである。別の実施形態において、A環は、フェニルである。別の実施形態において、A環は、ピリジルである。別の実施形態において、A環は、ナフチルである。別の実施形態において、A環は、イソキノリンである。別の実施形態において、式Iの化合物中のC環は、インドリルである。別の実施形態において、C環は、2−インドリルである。別の実施形態において、C環は、5−インドリルである。別の実施形態において、式Iの化合物中のB環は、チアゾールである。別の実施形態において、式Iの化合物中のB環は、チアゾールであり、YはCOであり、Xは単結合である。式Iの化合物の非限定的な例は、(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(1H−インドール−2−イル)メタノン(8)および(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(1H−インドール−5−イル)メタノン(21)から選択される。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式Iaで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、A環は、置換もしくは非置換の単環、縮合環、または多環アリールもしくは(複素)環式環系、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和N−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和S−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和O−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和環状炭化水素、あるいは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和混合複素環であり、
B環は、
であり、
R1、R2、およびR3は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
Xは、単結合、NH、C1−C5炭化水素、O、またはSであり、
Yは、単結合、−C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、−C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、−(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり、
前記A環は、任意選択で、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2から互いに独立して選択される1〜5個の置換基で置換され、
iは、0〜5の整数であり、
lは、1〜2の整数であり、
mは、1〜3の整数であり、
B環が、ベンゼン環、チオフェン環、フラン環、またはインドール環である場合、Xは単結合またはCH2ではなく、かつA環はインドールではなく、
B環がインドールである場合、XはOではない。
一実施形態において、式IaのB環がチアゾール環である場合、Xは単結合ではない。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式IIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、B環は、
であり、
R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
Xは、単結合、NH、C1−C5炭化水素、O、またはSであり、
Yは、単結合、−C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、−(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり、
iは、0〜5の整数であり、
lは、1〜2の整数であり、
nは、1〜3の整数であり、
mは、1〜3の整数であり、
Bがインドールである場合、XはOではない。
一実施形態において、式IIのB環がチアゾール環である場合、Xは単結合ではない。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式IIIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、B環は、
であり、
R4、R5、およびR6は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
Xは、単結合、NH、C1−C5炭化水素、O、またはSであり、
Yは、単結合、−C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、−(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり、
iは、0〜5の整数であり、
lは、1〜2の整数であり、
nは、1〜3の整数であり、
Bがインドールである場合、XはOではない。
一実施形態において、式IIIのB環がチアゾール環である場合は、Xは単結合ではない。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式IVで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、A環はインドリルであり、
B環は、
であり、
R1およびR2は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
Xは、単結合、NH、C1−C5炭化水素、O、またはSであり、
Yは、単結合、C=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、−(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり、
式中、前記A環は、任意選択で、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2によって置換され、
iは、0〜5の整数であり、
lは、1〜2の整数であり、
mは、1〜4の整数であり、
B環が、ベンゼン環、チオフェン環、フラン環、またはインドール環である場合、Xは単結合またはCH2ではない。
一実施形態において、式IVのB環がチアゾール環である場合、Xは単結合ではない。
別の実施形態において、式IVのA環のインドリルは、その1〜7位のうちの1つでXに結合されるか、またはXが単結合(すなわち、ない)の場合はBに直接結合される。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式IV(a)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
B環は、
であり、
R1、R2、R4、およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
Xは、単結合、NH、C1−C5炭化水素、O、またはSであり、
Yは、単結合またはC=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、−(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり、
iは、0〜5の整数であり、
lは、1〜2の整数であり、
nは、1〜2の整数であり、
mは、1〜4の整数であり、
B環が、ベンゼン環、チオフェン環、フラン環、またはインドール環である場合、Xは単結合またはCH2ではない。
一実施形態において、式IVaのB環がチアゾール環である場合、Xは単結合ではない。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式Vで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
B環は、
R4、R5、およびR6は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
iは、1〜5の整数であり、
lは、1〜2の整数であり、
nは、1〜3の整数である。
別の実施形態において、式VのB環は、チアゾール
ではない。別の実施形態において、式VのB環は、オキサゾールではない。別の実施形態において、式VのB環は、オキサゾリンではない。別の実施形態において、式VのB環は、イミダゾールではない。別の実施形態において、式VのB環は、チアゾール、オキサゾール、オキサゾリン、またはイミダゾールではない。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式で表される化合物に関する。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式VIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
R4、R5、およびR6は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
Yは、単結合またはC=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、
−C=N−CN、−CH=CH−、C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、−(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSであり、
nは、1〜3の整数であり、
iは、1〜5の整数である。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式で表される化合物に関する。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式で表される化合物3aに関する。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式で表される化合物3bに関する。
一実施形態において、本発明は、式(VII)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、Yは、単結合またはC=O、−C=S、−C=N−NH2、−C=N−OH、−CH−OH、−C=CH−CN、−C=N−CN、−CH=CH−、C=C(CH3)2、−C=N−OMe、−(C=O)−NH、−NH−(C=O)、−(C=O)−O、−O−(C=O)、−(CH2)1−5−(C=O)、(C=O)−(CH2)1−5、−(SO2)−NH−、−NH−(SO2)−、SO2、SO、またはSである。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式で表される化合物に関する。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式VIIIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
Qは、S、O、またはNHであり、
iは、0〜5の整数であり、
nは、1〜3の整数である。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式で表される化合物に関する。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式で表される式IXの化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−(O)NH2、またはNO2であり、
A´は、ハロゲン、置換もしくは非置換の単環、縮合環、または多環アリールもしくは(複素)環式環系、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和N−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和S−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和O−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和環状炭化水素、あるいは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和混合複素環であり、式中、前記A´環は、任意選択で、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2から互いに独立して選択される1〜5個の置換基で置換され、
iは、1〜5の整数であり、
nは、1〜3の整数である。
一実施形態において、式IXの化合物は、下記の構造式で表される。
別の実施形態において、式IXのA´は、ハロゲンである。一実施形態において、式IXのA’は、フェニルである。別の実施形態において、式IXのA´は、置換フェニルである。別の実施形態において、A´の置換は、ハロゲンである。別の実施形態において、置換は、4−Fである。別の実施形態において、置換は、3,4,5−(OCH3)3である。別の実施形態において、式IXのACは、置換もしくは非置換5−インドリルである。別の実施形態において、式IXのA´は、置換もしくは非置換2−インドリルである。別の実施形態において、式IXのA´は、置換もしくは非置換3−インドリルである。別の実施形態において、式IXの化合物は、図16Aに提示される。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式(IXa)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−(O)NH2、またはNO2であり、
A´は、ハロゲン、置換もしくは非置換の単環、縮合環、または多環アリールもしくは(複素)環式環系、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和N−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和S−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和O−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和環状炭化水素、あるいは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和混合複素環であり、式中、前記A´環は、任意選択で、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2から互いに独立して選択される1〜5個の置換基で置換され、
iは、1〜5の整数であり、
nは、1〜3の整数である。
別の実施形態において、式IXaのA´は、ハロゲンである。一実施形態において、式IXaのA´は、フェニルである。別の実施形態において、式IXaのA´は、置換フェニルである。別の実施形態において、A´の置換は、ハロゲンである。別の実施形態において、置換は、4−Fである。別の実施形態において、置換は、3,4,5−(OCH3)3である。別の実施形態において、式IXaのA´は、置換もしくは非置換5−インドリルである。別の実施形態において、式IXaのA´は、置換もしくは非置換2−インドリルである。別の実施形態において、式IXaのA´は、置換もしくは非置換3−インドリルである。
別の実施形態において、式IXaの化合物は、1−クロロ−7−(4−フルオロフェニル)イソキノリンである。別の実施形態において、式IXaの化合物は、7−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−インドール−5−イル)イソキノリンである。別の実施形態において、式IXaの化合物は、7−(4−フルオロフェニル)−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)イソキノリンである。別の実施形態において、式IXaの化合物は、1,7−ビス(4−フルオロフェニル)イソキノリン(40)である。別の実施形態において、式IXaの化合物は、1,7−ビス(3,4,5−トリメトキシフェニル)イソキノリンである。別の実施形態において、式IXaの化合物は、1−(4−フルオロフェニル)−7−(3,4,5−トリメトキシフェニル)イソキノリンである。別の実施形態において、式IXaの化合物は、1−(1H−インドール−5−イル)−7−(3,4,5−トリメトキシフェニル)イソキノリンである。別の実施形態において、式IXaの化合物は、1−クロロ−7−(3,4,5−トリメトキシフェニル)イソキノリンである。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、Xは、単結合、NH、またはSであり、
Qは、O、NH、またはSあり、
A環は、置換もしくは非置換の単環、縮合環、または多環アリールもしくは(複素)環式環系、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和N−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和S−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和O−複素環、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和環状炭化水素、あるいは置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和混合複素環であり、式中、前記A環は、任意選択で、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2から互いに独立して選択される1〜5個の置換基で置換され、
iは、0〜5の整数である。
一実施形態において、式XIのQがSである場合、Xは単結合ではない。
一実施形態において、式XIの化合物のA環は、Phである。別の実施形態において、式XIの化合物のA環は、置換Phである。別の実施形態において、置換は、4−Fである。別の実施形態において、置換は、4−Meである。別の実施形態において、式XIの化合物のQは、Sである。別の実施形態において、式XIの化合物のXは、NHである。式XIの化合物の非限定的な例は、(2−(フェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5a)、(2−(p−トリルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5b)、(2−(p−フルオロフェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5c)、(2−(4−クロロフェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5d)、(2−(フェニルアミノ)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5e)、(2−(フェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Ha)、(2−(p−トリルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Hb)、(2−(p−フルオロフェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Hc)、(2−(4−クロロフェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Hd)、(2−(フェニルアミノ)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5He)から選択される。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XI(a)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
iは、0〜5の整数であり、
nは、1〜4の整数である。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XI(b)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
iは、0〜5の整数であり、
nは、1〜4の整数である。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XI(c)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
iは、0〜5の整数であり、
nは、1〜4の整数である。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XI(d)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
iは、0〜5の整数であり、
nは、1〜4の整数である。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XI(e)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2であり、
iは、0〜5の整数であり、
nは、1〜4の整数である。
別の実施形態において、式XIの化合物は、下記の構造式で表される化合物55である。
別の実施形態において、式XIの化合物は、下記の構造式で表される化合物17yaである。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式で表される化合物を提供する。
窒素原子が3個未満の結合を有する、本発明に提示される構造において、H原子は、窒素の原子価を満たすために存在することが、十分に理解される。
一実施形態において、式I、I(a)、IV、IX、IX(a)、およびXIのA、A´、および/またはCの基は、互いに独立して、置換および非置換フラニル、インドリル、ピリジニル、フェニル、ビフェニル、トリフェニル、ジフェニルメタン、アダマンタン−イル、フルオレン−イル、ならびに他の複素環類似体、例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、タトラジニル、ピロリジニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリジニル、シンノリニル、キナロリニル(quinalolinyl)、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、タトラヒドロピラニル、ジオキサニル、フラニル、ピリリウム、ベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、チラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェン−イル、ジチオラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオフェン−イル、チエピニル(thiepinyl)、チアナフテニル、オキサチオラニル、モルホリニル、チオキサニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(oxadiaziolyl)等である。
一実施形態において、A、A´、およびC群は、置換および非置換フェニルである。別の実施形態において、A、A´、および/またはC基は、Cl、F、またはメチルによって置換されたフェニルである。一実施形態において、A、A´、および/またはC基は、置換および非置換イソキノリニルである。一実施形態において、A、A´、および/またはC基には、置換および非置換インドリル基、もっとも好ましくは、置換および非置換3−インドリルおよび5−インドリルが含まれる。
一実施形態において、式I、I(a)、IV、IX、IX(a)、およびXIのA、A´、および/またはC基は、置換もしくは非置換であり得る。したがって、上の段落に引用された例示的な基は非置換であるが、これらの基は、1つ以上、2つ以上、3つ以上、および最大5つの置換基(水素以外)で置換され得ることを、当業者には理解されたい。
一実施形態において、最も好ましいA、A´、および/またはC基は、3,4,5−トリメトキシフェニルによって置換される。別の実施形態において、A、A´、および/またはC基は、アルコキシによって置換される。別の実施形態において、A、A´、および/またはC基は、メトキシによって置換される。別の実施形態において、A、A´、および/またはC基は、アルキルによって置換される。別の実施形態において、A、A´、および/またはC基は、メチルによって置換される。別の実施形態において、A、A´、および/またはC基は、ハロゲンによって置換される。別の実施形態において、A、A´、および/またはC基は、Fによって置換される。別の実施形態において、A、A´、および/またはC基は、Clによって置換される。別の実施形態において、A、A´、および/またはC環は、Brによって置換される。
これらの式I、I(a)、IV、IX、IX(a)、およびXIのA、A´、および/またはC基の置換基は、互いに独立して、水素(例えば、特定の位置に置換がない)、ヒドロキシル、脂肪族直鎖もしくは分枝鎖C1−C10炭化水素、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、アルキル−CN、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、COOH、C(O)Ph、C(O)−アルキル、C(O)O−アルキル、C(O)H、C(O)NH2、−OC(O)CF3、OCH2Ph、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、メシルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アミド、NHC(O)−アルキル、尿素、アルキル−尿素、アルキルアミド(例えば、アセトアミド)、ハロアルキルアミド、アリールアミド、アリール、およびC5−C7シクロアルキル、アリールアルキル、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。単一の置換基が、オルト位、メタ位、またはパラ位に存在してもよい。2つ以上の置換基が存在する場合、それらのうちの1つは、好ましくは、パラ位にあるが、必ずしもそうとは限らない。
一実施形態において、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は、置換もしくは非置換チアゾール、チアゾリジン、オキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジン、ベンゼン、ピリミジン、イミダゾール、ピリジン、フラン、チオフェン、イソオキサゾール、ピペリジン、ピラゾール、インドール、およびイソキノリンから選択され、前記B環は、環の任意の2つの位置を介してXおよびYに、またはAおよび/またはC環に直接、結合される。
一実施形態において、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は、非置換である。別の実施形態において、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は、
である。
別の実施形態において、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は、置換される。別の実施形態において、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は、
である。式中、R10およびR11は、互いに独立して、水素、O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、−OCH2Ph、−NHCO−アルキル、COOH、−C(O)Ph、C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、またはNO2である。
別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。別の実施形態において、B基は、
である。
一実施形態において、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は、R10およびR11によって置換される。別の実施形態において、R10およびR11は、いずれも水素である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、O−ハロアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Fである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Clである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Brである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Iである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、CF3である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、CNである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−CH2CNである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、NH2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、ヒドロキシルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−(CH2)iNHCH3である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−(CH2)iNH2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−(CH2)iN(CH3)2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−OC(O)CF3である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖ハロアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキルアミノである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アミノアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−OCH2Phである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−NHCO−アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、COOHである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−C(O)Phである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)O−アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)Hである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−C(O)NH2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、NO2である。
別の実施形態において、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は、
であり、式中、R10およびR11は、互いに独立して、Hであり、lは、1である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、O−ハロアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Fである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Clである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Brである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Iである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、CF3である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、CNである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−CH2CNである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、NH2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、ヒドロキシルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−(CH2)iNHCH3である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−(CH2)iNH2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−(CH2)iN(CH3)2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−OC(O)CF3である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖ハロアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキルアミノである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アミノアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−OCH2Phである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−NHCO−アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、COOHである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−C(O)Phである。別の実施形態において、R10およびaR11は、互いに独立して、C(O)O−アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)Hである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−C(O)NH2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、NO2である。
別の実施形態において、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は、
であり、式中、R10およびR11は、互いに独立して、Hであり、lは、1である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、O−ハロアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Fである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Clである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Brである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Iである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、CF3である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、CNである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−CH2CNである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、NH2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、ヒドロキシルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−(CH2)iNHCH3である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−(CH2)iNH2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−(CH2)iN(CH3)2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−OC(O)CF3である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖ハロアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキルアミノである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アミノアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−OCH2Phである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−NHCO−アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、COOHである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−C(O)Phである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)O−アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)Hである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−C(O)NH2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、NO2である。
別の実施形態において、式I、I(a)、II、III、IV、IVa、およびVのB基は、
であり、式中、R10およびR11は、互いに独立して、Hであり、lは、1である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、O−ハロアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Fである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Clである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Brである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、Iである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、CF3である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、CNである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−CH2CNである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、NH2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、ヒドロキシルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−(CH2)iNHCH3である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−(CH2)iNH2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−(CH2)iN(CH3)2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−OC(O)CF3である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖ハロアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキルアミノである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アミノアルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−OCH2Phである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−NHCO−アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、COOHである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−C(O)Phである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)O−アルキルである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、C(O)Hである。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、−C(O)NH2である。別の実施形態において、R10およびR11は、互いに独立して、NO2である。
一実施形態において、式I、Ia、II、III、IV、IVa、およびXIのX架橋は、単結合である。別の実施形態において、X架橋は、NHである。別の実施形態において、X架橋は、C1−C5炭化水素である。別の実施形態において、X架橋は、CH2である。別の実施形態において、X架橋は、−CH2−CH2−である。別の実施形態において、X架橋は、Oである。別の実施形態において、X架橋は、Sである。
一実施形態において、式I、Ia、II、III、IV、IVa、VI、およびVIIのY架橋は、C=Oである。別の実施形態において、Y架橋は、C=Sである。別の実施形態において、Y架橋は、C=N(NH2)−である。別の実施形態において、Y架橋は、−C=NOHである。別の実施形態において、Y架橋は、−CH−OHである。別の実施形態において、Y架橋は、−C=CH−(CN)である。別の実施形態において、Y架橋は、−C=N(CN)である。別の実施形態において、Y架橋は、−C=C(CH3)2である。別の実施形態において、Y架橋は、−C=N−OMeである。別の実施形態において、Y架橋は、−(C=O)NH−である。別の実施形態において、Y架橋は、−NH(C=O)−である。別の実施形態において、Y架橋は、−(C=O)−Oである。別の実施形態において、Y架橋は、−O−(C=O)である。別の実施形態において、Y架橋は、−(CH2)1−5−(C=O)である。別の実施形態において、Y架橋は、−(C=O)−(CH2)1−5である。別の実施形態において、Y架橋は、Sである。別の実施形態において、Y架橋は、SOである。別の実施形態において、Y架橋は、SO2である。別の実施形態において、Y架橋は、−CH=CH−である。別の実施形態において、Y架橋は、−(SO2)−NH−である。別の実施形態において、Y架橋は、−NH−(SO2)−である。
一実施形態において、式Ia、II、III、IV、IV(a)、V、VI、VIII、IX、IX(a)、XI(a)、XI(b)、XI(c)、XI(d)、およびXI(e)のR1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、水素である。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、O−ハロアルキルである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、Fである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、Clである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、Brである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、Iである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、CF3である。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、CNである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、−CH2CNである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、NH2である。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、ヒドロキシルである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、−(CH2)iNHCH3である。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、−(CH2)iNH2である。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、−(CH2)iN(CH3)2である。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、−OC(O)CF3である。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキルである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、ハロアルキルである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、アルキルアミノである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、アミノアルキルである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、−OCH2Phである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、−NHCO−アルキルである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、COOHである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、−C(O)Phである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、C(O)O−アルキルである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、C(O)Hである。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、−C(O)NH2である。別の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、互いに独立して、NO2である。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XIIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、PおよびQは、互いに独立して、Hまたは
であり、
Wは、C=O、C=S、SO2、またはS=Oであり、
QまたはPの少なくとも1つは、水素ではなく、
R1およびR4は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2;C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、R1およびR4の少なくとも1つは、水素ではなく、
R2およびR5は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
mは、1〜4の整数であり、
iは、0〜5の整数であり、
nは、1〜4の整数である。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XIIIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、Zは、OまたはSであり、
R1およびR4は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2;COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、R1およびR4の少なくとも1つは、水素ではなく、
R2およびR5は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2;OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
mは、1〜4の整数であり、
iは、0〜5の整数であり、
nは、1〜4の整数である。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XIVで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R1およびR4は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、R1およびR4の少なくとも1つは、水素ではなく、
R2およびR5は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
mは、1〜4の整数であり、
iは、0〜5の整数であり、
nは、1〜4の整数である。
一実施形態において、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR1は、OCH3である。別の実施形態において、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR1は、4−Fである。別の実施形態において、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR1は、OCH3であり、mは、3である。別の実施形態において、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4は、4−Fである。別の実施形態において、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4は、OCH3である。別の実施形態において、式XIVの化合物のR4は、CH3である。別の実施形態において、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4は、4−Clである、別の実施形態において、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4は、4−N(Me)2である。別の実施形態において、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4は、Obnである。別の実施形態において、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4は、4−Brである。別の実施形態において、式XII、XIII、およびXIVの化合物のR4は、4−CF3である。式XIVの化合物の非限定的な例は、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aa)、(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12af)、(2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ba)、(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ca)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12cb)、(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12da)、(4−フルオロフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12db)、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12dc)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12fb)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)メタノン(12fc)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ga)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gb)、(2−(3,4−diメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ha)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12jb)、(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12la)、(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12pa)から選択される。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XIVaで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R1およびR4は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、R1およびR4の少なくとも1つは、水素ではなく、
R2およびR5は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
R9は、H、直鎖もしくは分枝鎖の置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール、CH2Ph、置換ベンジル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、置換もしくは非置換SO2−アリール、置換もしくは非置換−(C=O)−アリール、またはOHであり、
置換基は、互いに独立して、水素(例えば、特定の位置に置換がない)、ヒドロキシル、脂肪族直鎖もしくは分枝鎖C1−C10炭化水素、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、アルキル−CN、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、COOH、C(O)Ph、C(O)−アルキル、C(O)O−アルキル、C(O)H、C(O)NH2、−OC(O)CF3、OCH2Ph、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノ、メシルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アミド、NHC(O)−アルキル、尿素、アルキル−尿素、アルキルアミド(例えば、アセトアミド)、ハロアルキルアミド、アリールアミド、アリール、およびC5−C7シクロアルキル、アリールアルキル、ならびにそれらの組み合わせの群から選択され、
mは、1〜4の整数であり、
iは、0〜5の整数であり、
nは、1〜4の整数である。
一実施形態において、式XIVaの化合物のR9は、CH3である。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR9は、CH2Phである。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR9は、(SO2)Phである。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR9は、(SO2)−Ph−OCH3である。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR9は、Hである。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR4は、Hである。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR4は、CH3である。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR4は、OCH3である。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR4は、OHである。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR4は、4−Clである。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR4は、4−N(Me)2である。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR4は、OBnである。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR1は、OCH3であり、mは3であり、R2は、Hである。別の実施形態において、式XIVaの化合物のR1は、Fであり、mは1であり、R2はHである。式XIVaの化合物の非限定的な例は、(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11af)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11cb)、(4−フルオロフェニル)(1−(フェニルスルホニル)−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11db)、(2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11fb)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ga)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11gb)、(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ha)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11jb)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−((4−メトキシフェニル)スルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gba)、(1−ベンジル−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12daa)、(1−メチル−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12dab)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12cba)から選択される。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XVで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
iは、0〜5の整数であり、
nは、1〜4の整数である。
一実施形態において、式XVの化合物のR4は、Hである。別の実施形態において、式XVの化合物のR4は、Fである。別の実施形態において、式XVの化合物のR4は、Clである。別の実施形態において、式XVの化合物のR4は、Brである。別の実施形態において、式XVの化合物のR4は、Iである。別の実施形態において、式XVの化合物のR4は、N(Me)2である。別の実施形態において、式XVの化合物のR4は、OBnである。別の実施形態において、式XVの化合物のR4は、OCH3である。別の実施形態において、式XVの化合物のR4は、CH3である。別の実施形態において、式XVの化合物のR4は、CF3である。式XVの化合物の非限定的な例は、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aa)、(2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ba)、(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ca)、(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12da)、(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ea)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ga)、(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ha)、(2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ia)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ja)、(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ka)、(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12la)、(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12pa)から選択される。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XVIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R4およびR5は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
R3は、I、Br、Cl、またはFであり、
iは、0〜5の整数であり、
nは、1〜4の整数である。
一実施形態において、式XVIの化合物のR3は、ハロゲンである。別の実施形態において、R3は、Fである。別の実施形態において、R3は、Clである。別の実施形態において、R3は、Brである。別の実施形態において、R3は、Iである。別の実施形態において、R4は、Hである。別の実施形態において、R4は、OCH3である。別の実施形態において、R4はOCH3であり、nは3であり、R5はHである。別の実施形態において、R4は、CH3である。別の実施形態において、R4は、Fである。別の実施形態において、R4は、Clである。別の実施形態において、R4は、Brである。別の実施形態において、R4は、Iである。別の実施形態において、R4は、N(Me)2である。別の実施形態において、R4は、OBnである。別の実施形態において、R3はFであり、R5は水素であり、nは1であり、R4は4−Clである。別の実施形態において、R3はFであり、R5は水素であり、nは1であり、R4は4−OCH3である。別の実施形態において、R3はFであり、R5は水素であり、nは1であり、R4は4−CH3である。別の実施形態において、R3はFであり、R5は水素であり、nは1であり、R4は4−N(Me)2である。別の実施形態において、R3はFであり、R5は水素であり、nは1であり、R4は4−OBnである。式XVIの化合物の非限定的な例は、(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12af)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12cb)、(4−フルオロフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12db)、4−フルオロフェニル)(2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12eb)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12fb)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gb)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12jb)から選択される。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XVIIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R4は、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
R1およびR2は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
mは、1〜4の整数である。
一実施形態において、式XVIIの化合物のR4は、ハロゲンである。別の実施形態において、R4は、Fである。別の実施形態において、R4は、Clである。別の実施形態においてR4は、Brである。別の実施形態においてR4は、Iである。別の実施形態において、R4は、OCH3である。別の実施形態において、R4は、CH3である。別の実施形態において、R4は、N(Me)2である。別の実施形態において、R4は、CF3である。別の実施形態において、R4は、OHである。別の実施形態において、R4は、OBnである。別の実施形態において、式XVIIの化合物のR1は、ハロゲンである。別の実施形態において、式XVIIの化合物のR1は、Fである。別の実施形態において、式XVIIの化合物のR1は、Clである。別の実施形態において、式XVIIの化合物のR1は、Brである。別の実施形態において、式XVIIの化合物のR1は、Iである。別の実施形態において、式XVIIの化合物のR1は、OCH3である。別の実施形態において、式XVIIの化合物のR1は、OCH3であり、mは、3およびR2は、Hである。別の実施形態において、式XVIIの化合物のR1は、Fであり、mは、1であり、R2は、Hである。別の実施形態において、R4はFであり、R2は水素であり、nは3であり、R1はOCH3である。別の実施形態において、R4はOCH3であり、R2は水素であり、nは3であり、R1はOCH3である。別の実施形態において、R4はCH3であり、R2は水素であり、nは3であり、R1はOCH3である。別の実施形態において、R4はClであり、R2は水素であり、nは3であり、R1はOCH3である。別の実施形態において、R4はN(Me)2であり、R2は水素であり、nは3であり、R1はOCH3である。一実施形態において、式XVIIの化合物のR4は、ハロゲンであり、R1は、Hであり、R2は、ハロゲンである。一実施形態において、式XVIIの化合物のR4は、ハロゲンであり、R1は、ハロゲンであり、R2は、Hである。一実施形態において、式XVIIの化合物のR4は、アルコキシであり、R1は、ハロゲンであり、R2は、Hである。一実施形態において、式XVIIの化合物のR4は、メトキシであり、R1は、ハロゲンであり、R2は、Hである。式XVIIの化合物の非限定的な例は、(2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ba)、(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ca)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12cb)、(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12da)、(4−フルオロフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12db)、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12dc)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12fb)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)メタノン(13fa)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ga)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gb)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12jb)、(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ka)、(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12la)、(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12pa)から選択される。
別の実施形態において、式XVIIの化合物は、下記の構造式で表される化合物12fbである。
別の実施形態において、式XVIIの化合物は、下記の構造式で表される化合物12cbである。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XVIIIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、Wは、C=O、C=S、SO2、またはS=Oであり、
R4およびR7は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
R5およびR8は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
nは、1〜4の整数であり、
iは、0〜5の整数であり、
qは、1〜4の整数である。
一実施形態において、式XVIIIの化合物のWは、C=Oである。別の実施形態において、式XVIIIの化合物のWは、SO2である。別の実施形態において、式XVIIIの化合物のR4は、Hである。別の実施形態において、式XVIIIの化合物のR4は、NO2である。別の実施形態において、式XVIIIの化合物のR4は、OBnである。別の実施形態において、式XVIIIの化合物のR7は、Hである。別の実施形態において、式XVIIIの化合物のR7は、OCH3である。別の実施形態において、式XVIIIの化合物のR7は、OCH3であり、qは、3である。式XVIIの化合物の非限定的な例は、(4−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メタノン(12aba)、(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aaa)、2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10a)、2−(4−ニトロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10x)、2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10j)から選択される。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XIXで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、Wは、C=O、C=S、SO2、S=Oであり、
R1、R4、およびR7は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
R2、R5、およびR8は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
mは、1〜4の整数であり、
nは、1〜4の整数であり、
iは、0〜5の整数であり、
qは、1〜4である。
一実施形態において、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、Hである。別の実施形態において、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態において、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、ハロゲンである。別の実施形態において、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、CNである。別の実施形態において、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、OHである。別の実施形態において、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、アルキルである。別の実施形態において、式XIXのR1、R4、およびR7は、互いに独立して、OCH2Phである。一実施形態において、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、Hである。別の実施形態において、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、O−アルキルである。別の実施形態において、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、ハロゲンである。別の実施形態において、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、CNである。別の実施形態において、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、OHである。別の実施形態において、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、アルキルである。別の実施形態において、式XIXのR2、R5、およびR8は、互いに独立して、OCH2Phである。別の実施形態において、式XIXのR5、R2、およびR8は、Hであり、R4は4−N(Me)2であり、R1はOCH3であり、mは3であり、R7はOCH3である。別の実施形態において、式XIXのR5、R2、R7、およびR8は、Hであり、R4は4−Brであり、R1はOCH3であり、mは3である。別の実施形態において、Wは、SO2である。別の実施形態において、Wは、C=Oである。別の実施形態において、Wは、C=Sである。別の実施形態において、Wは、S=Oである。式XIXの化合物の非限定的な例は、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−((4−メトキシフェニル)スルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11gaa)、(2−(4−ブロモフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11la)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11cb)、(2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11fb)、(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11af)、(4−フルオロフェニル)(1−(フェニルスルホニル)−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11db)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ga)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11gb)、(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ha)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11jb)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−((4−メトキシフェニル)スルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gba)から選択される。
別の実施形態において、式XIXの化合物は、下記の構造式で表される化合物11cbである。
別の実施形態において、式XIXの化合物は、下記の構造式で表される11fbである。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XXで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、R4は、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
iは、0〜5の整数である。
一実施形態において、式XXの化合物のR4は、Hである。別の実施形態において、式XXの化合物のR4は、ハロゲンである。別の実施形態において、R4は、Fである。別の実施形態において、R4は、Clである。別の実施形態において、R4は、Brである。別の実施形態において、R4は、Iである。別の実施形態において、R4は、アルキルである。別の実施形態において、R4は、メチルである。式XXの化合物の非限定的な例は、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aa)、(2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ba)、(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ca)、(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12da)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ga)、(2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ia)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ja)、(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ka)、(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12la)、(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12pa)から選択される。
別の実施形態において、式XXの化合物は、下記の構造式で表される化合物12daである。
別の実施形態において、式XXの化合物は、下記の構造式で表される化合物12faである。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XXIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、A環は、インドリルであり、
Qは、NH、O、またはSであり、
R1およびR2は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
前記A環は、任意選択で、置換もしくは非置換O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、置換もしくは非置換−SO2−アリール、置換もしくは非置換C1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、置換もしくは非置換ハロアルキル、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アミノアルキル、−OCH2Ph、置換もしくは非置換−NHCO−アルキル、COOH、置換もしくは非置換−C(O)Ph、置換もしくは非置換C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、NO2、またはそれらの組み合わせによって置換され、
iは、0〜5の整数であり、
mは、1〜4の整数である。
一実施形態において、式XXIの化合物のR1は、OCH3であり、mは3であり、R2は水素である。別の実施形態において、R1は、Fであり、mは、1であり、R2は、水素である。一実施形態において、式XXIのQは、Oである。別の実施形態において、式XXIのQは、NHである。別の実施形態において、式XXIのQは、Sである。
一実施形態において、式XXIの化合物のA環は、置換5−インドリルである。別の実施形態において、置換は、−(C=O)−アリールである。別の実施形態において、アリールは、3,4,5−(OCH3)3−Phである。
別の実施形態において、式XXIの化合物のA環は、3−インドリルである。別の実施形態において、式XXIの化合物のA環は、5−インドリルである。別の実施形態において、式XXIの化合物のA環は、2−インドリルである。式XXIの化合物の非限定的な例は、(5−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(15xaa)、(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−インドール−5−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(16xaa)、2−(1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17ya)、(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(62a)、および(2−(1H−インドール−5−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(66a)から選択される。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XXIaで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、Wは、C=O、C=S、SO2、S=Oであり、
A環は、インドリルであり、
R1およびR2は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
R7およびR8は、互いに独立して、H、O−アルキル、I、Br、Cl、F、アルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、OCH2Ph、OH、CN、NO2、−NHCO−アルキル、COOH、C(O)O−アルキル、またはC(O)Hであり、
前記A環は、任意選択で、置換もしくは非置換O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、置換もしくは非置換−SO2−アリール、置換もしくは非置換のC1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、置換もしくは非置換ハロアルキル、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アミノアルキル、−OCH2Ph、置換もしくは非置換−NHCO−アルキル、COOH、置換もしくは非置換−C(O)Ph、置換もしくは非置換C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、NO2、またはそれらの組み合わせによって置換され、
iは、0〜5の整数であり、
mは、1〜4の整数であり、
qは、1〜4の整数である。
一実施形態において、式XXIaの化合物のR1は、OCH3であり、mは3であり、R2は水素である。別の実施形態において、R1はFであり、mは1であり、R2は水素である。別の実施形態において、式XXIaの化合物のA環は、置換5−インドリルである。別の実施形態において、式XXIaの化合物のA環は、3−インドリルである。式XXIaの化合物の非限定的な例は、(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−インドール−5−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(16xaa)、(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17yaa)から選択される。
一実施形態において、本発明は、下記の構造式XXIIで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、多形体、代謝産物、互変異性体または異性体に関する。
式中、A環は、インドリルであり、
前記A環は、任意選択で、置換もしくは非置換O−アルキル、O−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、ハロアルキル、CF3、CN、−CH2CN、NH2、ヒドロキシル、−(CH2)iNHCH3、−(CH2)iNH2、−(CH2)iN(CH3)2、−OC(O)CF3、置換もしくは非置換−SO2−アリール、置換もしくは非置換のC1−C5直鎖もしくは分枝鎖アルキル、置換もしくは非置換ハロアルキル、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アミノアルキル、−OCH2Ph、置換もしくは非置換−NHCO−アルキル、COOH、置換もしくは非置換−C(O)Ph、置換もしくは非置換C(O)O−アルキル、C(O)H、−C(O)NH2、NO2、またはそれらの組み合わせによって置換され、
iは、0〜5の整数である。
一実施形態において、式XXIIの化合物のA環は、置換5−インドリルである。別の実施形態において、置換基は、−(C=O)−アリールである。別の実施形態において、アリールは、3,4,5−(OCH3)3−Phである。
別の実施形態において、式XXIIの化合物のA環は、3−インドリルである。式XXIIの化合物の非限定的な例は、(5−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(15xaa)、(2−(1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17ya)から選択される。
別の実施形態において、式XXIまたはXXIIの化合物は、下記の構造式で表される化合物17yaである。
一実施形態において、式XIIの化合物のQはHであり、Pは
である。別の実施形態において、式XIIの化合物のPはHであり、Qは
である。別の実施形態において、式XIIの化合物のPは
であり、QはSO
2−Phである。一実施形態において、式XIIの化合物のQはHであり、Pは
である。式中、Wは、C=Oである。別の実施形態において、式XII、XVIII、XIX、またはXXIaの化合物のWは、C=Oである。別の実施形態において、式XII、XVIII、XIX、またはXXIaの化合物のWは、SO2である。別の実施形態において、式XII、XVIII、XIX、またはXXIaの化合物のWは、C=Sである。別の実施形態において、式XII、XVIII、XIX、またはXXIaの化合物のWは、S=Oである。
一実施形態において、式XIIIの化合物のZは、酸素である。別の実施形態において、式XIIIの化合物のZは、硫黄である。
一実施形態において、式XII〜XVI、XVIII、またはXIXの化合物のR5は、水素であり、nは1であり、R4はパラ位にある。
一実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、アルキルである。別の実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、Hである。別の実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、メチル(CH3)である。別の実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、O−アルキルである。別の実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、OCH3である。別の実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、Iである。別の実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、Brである。別の実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、Fである。別の実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、Clである。別の実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、N(Me)2である。別の実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、OBnである。別の実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、OHである。別の実施形態において、式XII〜XXの化合物のR4は、CF3である。
一実施形態において、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR2は、水素であり、R1はOCH3であり、mは3である。別の実施形態において、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR2は、水素であり、mは1であり、R1はパラ位にある。別の実施形態において、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR2は、水素であり、mは1であり、R1はIである。別の実施形態において、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR2は、水素であり、mは1であり、R1はBrである。別の実施形態において、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR2は、水素であり、mは1であり、R1はFである。別の実施形態において、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR2は、水素であり、mは1であり、R1はClである。別の実施形態において、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR1は、Iである。別の実施形態において、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR1は、Brである。別の実施形態において、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR1は、Clである。別の実施形態において、式XII、XIII、XIV、XIVa、XVII、XIX、XXI、またはXXIaの化合物のR1は、Fである。
一実施形態において、式XIIの化合物のQはHであり、Pは
である。式中、Wは、C=Oである。式XII〜XVIIおよびXX〜XXIIの化合物の非限定的な例は、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aa)、(4−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ab)、(3−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ac)、(3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ad)、(3,4−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ae)、(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12af)、(3−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ag)、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(p−トリル)メタノン(12ah)、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(m−トリル)メタノン(12ai)、(2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ba)、(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ca)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12cb)、(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12da)、(4−フルオロフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12db)、(4−フルオロフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン塩酸塩(12db−HCl)、(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12dc)、(3,4,5−トリメトキシフェニル)(2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ea)、(4−フルオロフェニル)(2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12eb)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12fb)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)メタノン(12fc)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ga)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gb)、(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ha)、(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12hb)、(2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ia)、(4−フルオロフェニル)(2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ib)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ja)、(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12jb)、(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12ka)、(2−(4−(ヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12kb)、(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12la)、(2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12pa)、(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)(2−(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(13ea)、(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)メタノン(13fa)、および2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)メタノン(13ha)から選択される。
一実施形態において、式XIIの化合物のPは
であり、QはSO
2−Phである。式XIIの化合物のPが
であり、であり、QがSO2−Phである、式XIIの化合物の非限定的な例は、(4−メトキシフェニル)(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11ab)、(3−メトキシフェニル)(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11ac)、(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(p−トリル)メタノン(11ah)、(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11af)、(3−フルオロフェニル)(2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11ag)、(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11cb)、(1−(フェニルスルホニル)−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11da)、(4−フルオロフェニル)(1−(フェニルスルホニル)−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11db)、(1−(フェニルスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ea)、(4−フルオロフェニル)(1−(フェニルスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11eb)、(2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11fb)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ga)、(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11gb)、(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ha)、(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11hb)、(1−(フェニルスルホニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11ia)、(1−(フェニルスルホニル)−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11ib)、および(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11jb)、(2−(4−ブロモフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11la)、(1−(フェニルスルホニル)−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11pa)から選択される。
一実施形態において、式XIII−XVIの化合物のR4およびR5は、水素である。R4およびR5が水素である、式XIII〜XVIの化合物の非限定的な例は、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aa)、(4−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ab)、(3−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ac)、(3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ad)、(3,4−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ae)、(4−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12af)、(3−フルオロフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12ag)、(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(p−トリル)メタノン(12ah)、および(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)(m−トリル)メタノン(12ai)から選択される。
一実施形態において、式XIIの化合物のPはHであり、Qは
である。別の実施形態において、Wは、C=Oである。別の実施形態において、式XVIIIの化合物のWは、C=Oである。WがC=Oである、式XVIIIの化合物の非限定的な例は、(4−メトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メタノン(12aba)および(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12aaa)から選択される。
別の実施形態において、式XVIIIの化合物のWは、SO2である。WがSO2である、式XVIIIの化合物の非限定的な例は、2−フェニル−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10a)、2−(4−ニトロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10x)、および2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10j)から選択される。
本明細書に使用される際、「単環、縮合環、または多環アリールもしくは(複素)環式環系」は、フェニル、ビフェニル、トリフェニル、ナフチル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロジエニル、フルオレン、アダマンタン等を含むが、これらに限定されない、いずれのこのような環でもあり得る。
「飽和もしくは不飽和N−複素環」は、アザ−およびジアザ−シクロアルキル、例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ジアザチジニル(diazatidinyl)、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびアゾカニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、タトラジニル、ピロリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリジニル、シンノリニル、キノロリニル(quinololinyl)、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル等を含むが、これらに限定されない、いずれのこのようなN−含有複素環でもあり得る。
「飽和もしくは不飽和O−複素環」は、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、タトラヒドロピラニル、ジオキサニル、フラニル、ピリリウム、ベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル等を含むが、これらに限定されない、いずれのO−含有複素環でもあり得る。
「飽和もしくは不飽和S−複素環」は、チラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェン−イル、ジチオラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオフェン−イル、チエピニル(thiepinyl)、チアナフテニル等を含むが、これらに限定されない、いずれのこのようなS−含有複素環でもあり得る。
「飽和もしくは不飽和混合複素環」は、2つ以上のS−、N−、またはO−ヘテロ原子を含有するいずれの複素環であってもよく、オキサチオラニル、モルホリニル、チオキサニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(oxadiaziolyl)等を含むが、これらに限定されない。
本明細書に使用される際、「脂肪族直鎖もしくは分枝鎖炭化水素」は、炭素が、単鎖または分枝鎖に存在するかどうかに関わらず、単一から最大で規定の上限までの炭素を含有するアルキレン基、ならびに2つから最大で上限までの炭素を含有するアルケニル基およびアルキニル基の両方を指す。別段の指示がない限り、炭化水素は、最大約30個の炭素、または最大約20個の炭化水素、または最大約10個の炭化水素を含み得る。アルケニルおよびアルキニル基は、一価不飽和または多価不飽和であってもよい。別の実施形態において、アルキルは、C1−C6炭素を含む。別の実施形態において、アルキルは、C1−C8炭素を含む。別の実施形態において、アルキルは、C1−C10炭素を含む。別の実施形態において、アルキルは、C1−C12炭素である。別の実施形態において、アルキルは、C1−C5炭素である。
本明細書に使用される際、用語「アルキル」は、別段の指定がない限り、最大約30個の炭素を含有する、いずれの直鎖もしくは分枝鎖アルキルであってもよい。別の実施形態において、アルキルは、C1−C6炭素を含む。別の実施形態において、アルキルは、C1−C8炭素を含む。別の実施形態において、アルキルは、C1−C10炭素を含む。別の実施形態において、アルキルは、C1−C12炭素である。別の実施形態において、アルキルは、C1−C20炭素である。別の実施形態において、環式アルキル基は、3〜8個の炭素を有する。別の実施形態において、分枝鎖アルキルは、1〜5個の炭素のアルキル側鎖によって置換されたアルキルである。
アルキル基は、唯一の置換基であってもよく、またはより大きな置換基、例えば、アルコキシ、ハロアルキル、アリールアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルアミド、アルキル尿素における、構成成分であってもよい。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、およびプロピルであり、したがって、ハロメチル、ジハロメチル、トリハロメチル、ハロエチル、ジハロエチル、トリハロエチル、ハロプロピル、ジハロプロピル、トリハロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、アリールメチル、アリールエチル、アリールプロピル、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルアミド、アセトアミド、プロピルアミド、ハロメチルアミド、ハロエチルアミド、ハロプロピルアミド、メチル−尿素、エチル−尿素、プロピル−尿素等である。
本明細書に使用される際、用語「アリール」は、別の基に直接的に結合された、任意の芳香環を指す。アリール基は、唯一の置換基であってもよく、またはアリール基は、より大きな置換基、例えば、アリールアルキル、アリールアミノ、アリールアミド等における、構成要素であってもよい。例示的なアリール基には、限定するものではなく、フェニル、トリル、キシリル、フラニル、ナフチル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チオフェン−イル、ピロリル、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニルアミノ、フェニルアミド等が挙げられる。
本明細書に使用される際、用語「アミノアルキル」は、上に定義されるアルキル基によって置換された、アミン基を指す。アミノアルキルは、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、またはトリアルキルアミンを指す。アミノアルキル基の非限定的な例は、−N(Me)2、−NHMe、−NH3である。
「ハロアルキル」基は、別の実施形態において、1つ以上のハロゲン原子、例えば、F、Cl、Br、またはIによって置換された、上に定義されたアルキル基を指す。ハロアルキル基の非限定的な例は、CF3、CF2CF3、CH2CF3である。
一実施形態において、本発明は、本発明の化合物、あるいはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、または結晶、またはそれらの組み合わせを提供する。一実施形態において、本発明は、本発明の化合物の異性体を提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明の化合物の代謝産物を提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容される塩を提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明の化合物の薬学的生成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明の化合物の互変異性体を提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明の化合物の水和物を提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明の化合物のN−オキシドを提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明の化合物の多形体を提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明の化合物の結晶を提供する。別の実施形態において、本発明は、本明細書に記載される、本発明の化合物、または、別の実施形態においては、本発明の化合物の異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、または結晶を含む、組成物を提供する。
一実施形態において、用語「異性体」には、光学異性体および類似体、構造異性体および類似体、配座異性体および類似体等が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本発明の化合物は、純粋な(E)−異性体である。別の実施形態において、本発明の化合物は、純粋な(Z)−異性体である。別の実施形態において、本発明の化合物は、(E)および(Z)異性体の混合体である。一実施形態において、本発明の化合物は、純粋な(R)−異性体である。別の実施形態において、本発明の化合物は、純粋な(S)−異性体である。別の実施形態において、本発明の化合物は、(R)および(S)異性体の混合体である。
本発明の化合物はまた、実質的に同量の立体異性体を含有する、ラセミ混合物の形態で存在してもよい。別の実施形態において、本発明の化合物は、既知の手順を使用して、調製、またはそうでなければ単離して、実質的にその対応する立体異性体を含まない立体異性体を得ることができる(すなわち、実質的に純粋)。実質的に純粋とは、立体異性体が、少なくとも約95%純粋、より好ましくは少なくとも約98%純粋、最も好ましくは少なくとも約99%純粋であることを意味する。
本発明の化合物はまた、化合物が、非共有分子間力によって結合される、化学量論または非化学量論量の水さらに含むことを意味する、水和物の形態であってもよい。
本発明の化合物は、1つ以上の可能な互変異性体の形態で存在してもよく、特定の条件によって、その互変異性体のいくつかまたは全てを、個別の異なる実体に分割することが可能である。全ての追加的なエノールおよびケト互変異性体ならびに/または異性体を含む、可能な互変異性体の全てが、これにより包含されることを理解されたい。例えば、これらに限定されるものではないが、次の互変異性体が、含まれる。
本発明は、本発明の化合物と酸または塩基との反応によって生成することができる、本発明の化合物の「薬学的に許容される塩」を含む。一定の化合物、特に、酸性基および塩基性基を有するものはまた、塩、好ましくは、薬学的に許容される塩の形態であり得る。用語「薬学的に許容される塩」は、生物学的またはその他の点で望ましくないものではない、遊離塩基または遊離酸の生物学的効果および特性を保持する塩を指す。塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、および有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステイン等で形成される。他の塩は、当業者に既知であり、本発明による使用に容易に適合可能である。
本発明の化合物のアミンの好適な薬学的に許容される塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。一実施形態において、アミンの無機酸の例は、重硫酸塩、ホウ酸塩、臭化物、塩化物、ヘミ硫酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩(hydrochlorate)、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩(ヒドロキシエタンスルホン酸塩)、ヨウ素酸塩、ヨウ化物、イソチオネート、硝酸塩、過硫酸塩、リン酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、スルファニル酸塩、スルホン酸(アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、ハロゲン置換アルキルスルホン酸塩、ハロゲン置換アリールスルホン酸塩)、スルホン酸塩、およびチオシアン酸塩である。
一実施形態において、アミンの有機塩の例は、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族(araliphatic)、複素環式、カルボン酸、およびスルホン酸のクラスの有機酸から選択することができ、その例は、酢酸塩、アルギニン、アスパラギン酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、アントラニル酸塩、アルギン酸塩(algenate)、アルカンカルボン酸塩、置換アルカンカルボン酸塩、アルギン酸塩(alginate)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、クラブラン酸塩、ケイ皮酸塩、ジカルボン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシルスルホン酸塩、二塩酸塩、デカン酸塩、エナンテート(enanthuate)、エタンスルホン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、ギ酸塩、フッ化物、ガラクツロン酸グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グルコレート(glucorate)、グルコヘプタン酸塩(glucoheptanate)、グリセロリン酸塩、グルセプテート、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、グルタル酸塩、グルタミン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシカルボン酸、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヒドロフルオレート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メチレンビス(β−オキシナフトエート)、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、臭化メチル、メチル硝酸塩、メチルスルホン酸塩、モノカリウムマレイン酸塩、ムチン酸塩、モノカルボン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、ナプシレート、N−メチルグルカミン、オキサレート、オクタン酸塩、オレイン酸塩、パモン酸塩、フェニル酢酸塩、ピクリン酸塩、フェニルベンゾエート、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、ペクチニン酸塩(pectinate)、フェニルプロピオン酸塩、パルミチン酸塩、パンテトン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、ピルビン酸塩、キナ酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、ステアリン酸塩、スルファニル酸塩、塩基性酢酸塩、酒石酸塩、テオフィリンアセテート、p−トルエンスルホン酸塩(トシレート)、トリフルオロ酢酸塩、テレフタル酸塩、タンニン酸塩、テオクル酸塩、トリハロアセテート、トリエチオジド、トリカルボキシレート、ウンデカン酸塩、および吉草酸塩である。
一実施形態において、カルボン酸またはヒドロキシルの無機塩の例は、アンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムを含むアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムを含むアルカリ土類金属、亜鉛、バリウム、コリン、第4級アンモニウム、から選択することができる。
別の実施形態において、カルボン酸またはヒドロキシルの有機塩の例は、アルギニン、脂肪族有機アミン、脂環式有機アミン、芳香族有機アミンを含む有機アミン、ベンザチン、t−ブチルアミン、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ヒドラバミン、イミダゾール、リジン、メチルアミン、メグラミン、N−メチル−D−グルカミン、N,N´−ジベンジルエチレンジアミン、ニコチンアミンド、有機アミン、オルニチン、ピリジン、ピコリ(picolie)、ピペラジン、プロカイン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トロメタミン、および尿素から選択することができる。
一実施形態において、生成物の遊離塩基または遊離酸形態を塩が不溶性である溶媒または媒体中、または水等の溶媒中の適切な酸または塩基の1つまたは複数の等価物と反応させる等の従来の方法によって、塩は、形成され得、それは、真空で、または凍結乾燥によって、または別のイオンまたは好適なイオン交換樹脂のために既存の塩のイオンを交換することによって、除去される。
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明の化合物の調製のためのプロセスを提供する。一実施形態において、アリール−イミダゾールは、適切に置換したベンズアルデヒドを、エチレンジアミンと反応させてイミダゾリン環を構築し、続いて、酸化剤によってイミダゾリンを対応するイミダゾールに酸化することによって、調製される。別の実施形態において、酸化剤は、ジアセトキシヨードベンゼン、臭化トリクロロメタン、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、炭素−O2系またはパラジウム−炭素系である。別の実施形態において、アリール−イミダゾールは、イミダゾリン環を構築するために、ヨウ素および炭酸カリウムの存在下で、適切に置換したベンズアルデヒドを、エチレンジアミンと反応させ、続いて、ジアセトキシヨードベンゼン、臭化トリクロロメタン、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、炭素−O2系またはパラジウム−炭素系による触媒作用で、イミダゾリン環を対応するイミダゾールに酸化することによって、調製される。別の実施形態において、アリール−イミダゾールは、イミダゾリン環を構築するために、ヨウ素および炭酸カリウムの存在下で、適切に置換したベンズアルデヒドを、エチレンジアミンと反応させ、続いて、ジアセトキシヨ―ドベンゼンによる触媒作用で、イミダゾリン環を対応するイミダゾールに酸化することによって、調製される。別の実施形態において、アリール−イミダゾールは、イミダゾリン環を構築するために、ヨウ素および炭酸カリウムの存在下で、適切に置換したベンズアルデヒドをエチレンジアミンと反応させ、続いて、臭化トリクロロメタンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)による触媒作用で、イミダゾリン環を対応するイミダゾールに酸化することによって、調製される。一実施形態において、アリール−イミダゾールは、エタノール中で、適切なベンズアルデヒドを、オキサルアルデヒドおよび水酸化アンモニウムと反応させてイミダゾール環系を構築することによって、調製される。
一実施形態において、本発明のアリール−ベンゾイル−イミダゾール化合物は、アリール−イミダゾールを保護し、続いて適切に置換された塩化ベンゾイルと結合させ、続いて保護基を除去することによって、調製される。別の実施形態において、保護基は、フェニルスルホニル基、フタルイミド、二炭酸ジ−tert−ブチル(Boc)、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、またはモノメトキシトリチル(MMT)である。別の実施形態において、アリール−イミダゾールは、フェニルスルホニルで保護され、N−スルホニル保護アリール−イミダゾールを得る。別の実施形態において、保護アリール−イミダゾール化合物は、アリール−イミダゾールを、THF中で、フェニルスルホニル塩化物および水素化ナトリウムと反応させることによって、調製される。別の実施形態において、保護アリール−イミダゾールは、図7および8に従って、調製される。
一実施形態において、保護アリール−イミダゾールを、適切に置換された塩化ベンゾイルと結合させて、保護アリール−ベンゾイルイミダゾールを得る。別の実施形態において、アリール−イミダゾールを、tert−ブチルリチウムの存在下で、適切に置換された塩化ベンゾイルと結合させて、アリール−フェニルスルホニル(2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノンを得る。別の実施形態において、(2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノンは、図7および8の、それぞれステップeおよびcに従って、調製される。
一実施形態において、アリール−ベンゾイル−イミダゾールは、アリール−ベンゾイル−イミダゾールの保護基を除去することによって、調製される。別の実施形態において、保護基の除去は、使用される保護基に依存し、当該技術分野で既知である既知条件によって除去することができる。別の実施形態において、フェニルスルホニル保護基は、THF中のフッ化テトラブチルアンモニウムによって除去する。別の実施形態において、フェニルスルホニルは、図7および8に従って除去する。
一実施形態において、式I、Ia、II、III、V、およびXIの化合物を、図1に従って調製する。別の実施形態において、式I、Ia、II、III、V、VI、VII、およびXIの化合物を、図2に従って調製する。別の実施形態において、式I、Ia、II、III、V、およびVIの化合物を、図3に従って調製する。別の実施形態において、式I、Ia、II、III、V、およびVIの化合物を、図4に従って調製する。別の実施形態において、式I、Ia、II、III、IV、VI、およびXIの化合物を、図5に従って調製する。別の実施形態において、式I、Ia、II、III、VIII、およびXIの化合物を、図6に従って調製する。
一実施形態において、式XIIおよびXVIIIの化合物を、図9に従って調製する。別の実施形態において、式XII、XIII、XIV、XIVa、XV、XVI、XVII、XIX、およびXXの化合物を、図10に従って調製する。別の実施形態において、式XIVaおよびXIXの化合物を、図11に従って調製する。別の実施形態において、式I、Ia、IV、IVa、XI、XXI、XXIa、およびXXIIの化合物を、図12に従って調製する。別の実施形態において、式I、Ia、IV、IVa、XI、XIb、XXI、XXIa、およびXXIIの化合物を、図13に従って調製する。別の実施形態において、式I、Ia、II、III、V、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVII、XIX、およびXXの化合物を、図14に従って調製する。別の実施形態において、式I、Ia、II、IV、IVa、XI、およびXIcの化合物を、図15に従って調製する。
一実施形態において、式IXおよびIXaの化合物を、図16に従って調製する。
薬学的組成物
本発明の別の態様は、薬学的に許容される担体および本発明の態様による化合物を含む、薬学的組成物に関する。薬学的組成物は、1つ以上の上述の本発明の化合物を含有し得る。典型的に、本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびに薬学的に許容される担体を含むことになる。用語「薬学的に許容される担体」は、好適なアジュバント、担体、賦形剤、または安定剤を指し、錠剤、カプセル、粉末、溶液、懸濁液、または乳液等、固体または液体の形態であり得る。
典型的に、組成物は、約0.01〜99パーセント、好ましくは約20〜75パーセントの活性化合物(複数を含む)を、アジュバント、担体、および/または賦形剤と共に含む。個々の必要性は多様であるが、各構成成分の有効量の最適範囲の判断は、当業者の範囲内である。典型的な投与量は、約0.01〜約100mg/kg体重を含む。好ましい投与量は、約0.1〜約100mg/kg体重を含む。最も好ましい投与量は、約1〜約100mg/kg体重を含む。本発明の化合物の投与のために治療レジメンもまた、当業者によって容易に決定することができる。すなわち、投与の頻度および用量の寸法は、好ましくは、あらゆる副作用を最小化しながら、ルーチンの最適化によって確立することができる。
固形単位投与形態は、従来の種類のものであってもよい。固形の形態は、本発明の化合物ならびに担体、例えば、潤滑剤および不活性充填剤、例えば、ラクトース、スクロース、またはコーンスターチ等を含有する、通常のゼラチン型等のカプセル等であり得る。別の実施形態において、これらの化合物は、ラクトース、スクロース、またはコーンスターチ等、従来の錠剤の基剤を、アカシア、コーンスターチ、またはゼラチン等の結合剤、コーンスターチ、ポテトスターチ、またはアルギニン酸等の崩壊剤、ならびにステアリン酸およびステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤と組み合わせて用いて、統合することができる。
錠剤、カプセル等は、トラガカントガム、アカシア、コーンスターチ、またはゼラチン等の結合剤、二リン酸カルシウム等の賦形剤、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギニン酸等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤、ならびにスクロース、ラクトース、またはサッカリン等の甘味剤を含有してもよい。投与単位形態がカプセルの場合、それは、上述の種類の物質に加えて、脂肪油等の液体担体を含有し得る。
種々の他の物質が、コーティングとして、または投与単位の物理的形態を変更するために、存在してもよい。例えば、錠剤は、セラック、糖、またはその両方で、コーティングされてもよい。シロップは、活性成分に加えて、甘味剤としてスクロース、保存料としてメチルおよびプロピルパラベン、染料、ならびにチェリーまたはオレンジ味等の香味料を含有してもよい。
経口の治療的投与については、これらの化合物は、賦形剤と組み合わせて、錠剤、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ等の形態で使用することができる。このような組成物および調製物は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有するものとする。これらの組成物中の化合物のパーセンテージは、当然ながら、多様であり得、便宜的に単位重量の約2%〜約60%であり得る。このような治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、好適な投与量が得られるようなものである。本発明による好適な組成物は、経口投与形態が、約1mg〜800mgの活性化合物を含有するように、調製される。
本発明の活性化合物は、例えば、不活性希釈剤または吸収可能な食用担体と共に、経口で投与されてもよく、または、それらは、硬または軟シェルの錠剤に封入されてもよく、または、それらは、錠剤中に圧縮されてもよく、あるいは、それらは、食事の食物と直接組み合わされてもよい。
注射での使用に好適な薬学的形態には、滅菌水溶液または分散液、および滅菌注射溶液または分散液の即時調製のための滅菌粉末が含まれる。全ての場合において、その形態は、滅菌でなければならず、容易な注射可能性が存在する程度まで、流動性を有する必要がある。それは、製造および保管条件下において、安定でなければならず、細菌および真菌等の微生物の汚染作用に対して保護される必要がある。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、その好適な混合物、ならびに植物油を含有する、溶媒または分散媒であってもよい。
本発明の化合物または薬学的組成物はまた、薬学的に許容される希釈剤中のこれらの物質の溶液または懸濁液によって、注射可能な投与量で投与されてもよい。このようなアジュバント、担体、および/または賦形剤には、界面活性剤ならびに他の薬学的および生理学的に許容される構成成分の添加あり、またはなしでの水および油等の滅菌液が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な油は、石油、動物、植物、または合成由来のもの、例えば、ピーナツ油、大豆油、または鉱油である。一般的に、水、生理食塩水、含水デキストロースおよび関連する糖溶液、ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール等のグリコールが、特に注入可能溶液に好ましい液体担体である。
これらの活性化合物はまた、非経口投与することもできる。これらの活性化合物の溶液または懸濁液は、ヒドロキシプロピルセルロース等の界面活性剤と好適に混合された水中において、調製することができる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、油中のそれらの混合物中において、調製することができる。例示的な油は、石油、動物、植物、または合成由来のもの、例えば、ピーナツ油、大豆油、または鉱油である。一般的に、水、生理食塩水、含水デキストロースおよび関連する糖溶液、ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール等のグリコールが、特に注入可能溶液に好ましい液体担体である。保管および使用の通常の条件下において、これらの調製物は、微生物の増殖を防ぐための保存料を含有する。
エアロゾルとしての使用については、溶液または懸濁液中の本発明の化合物は、好適な推進剤、例えば、従来のアジュバントを有するプロパン、ブタン、またはイソブタン等の炭化水素推進剤と共に、加圧エアロゾル容器にパッケージ化され得る。本発明の物質は、ネブライザーまたはアトマイザー内等、非加圧形態で投与されてもよい。
一実施形態において、本発明の化合物を、抗癌剤との併用で投与する。一実施形態において、抗癌剤は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、癌の診断、監視、または治療に使用される。一実施形態において、モノクローナル抗体は、癌細胞上で、特定の抗原に対して反応する。一実施形態において、モノクローナル抗体は、癌細胞受容体拮抗薬として機能する。一実施形態において、モノクローナル抗体は、患者の免疫応答を強化する。一実施形態において、モノクローナル抗体は、細胞増殖因子に反して働き、したがって、癌細胞増殖を妨害する。一実施形態において、抗癌モノクローナル抗体は、抗癌薬、放射同位体、他の生物反応修飾物質、他の毒素、またはそれらの組み合わせに抱合または結合される。一実施形態において、抗癌モノクローナル抗体は、本明細書に上述の本発明の化合物に抱合または結合される。
本発明のさらに別の態様は、癌の治療を必要とする対象を選択すること、ならびに癌の治療に効果的な条件下において、本発明の第1の態様による化合物および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を対象に投与すること、を含む、癌の治療方法に関する。
本発明の化合物を投与する際、それらは、全身的に投与することができるか、あるいは、それらは、癌細胞または前癌細胞が存在する特定の部位に、直接投与することができる。したがって、投与は、本化合物または薬学的組成物を、癌細胞または前癌細胞に送達するために効果的な任意の方法で、達成することができる。投与の例示的な形態には、限定するものではなく、経口、局所、経皮、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、鼻項内点滴、腔内または膀胱内点滴、眼球内、動脈内、病巣内、または粘膜、例えば鼻、喉、および気管支のものへの適用で、本化合物または組成物を投与することが含まれる。
生物学的活性
一実施形態において、本発明は、本発明の方法の任意のものにおける使用のための、本明細書に記載のいずれの実施形態をも含む、化合物および組成物を提供する。一実施形態において、本発明の化合物または同等物を含む組成物は、当業者には理解されるように、対象における所望の反応の阻害、抑制、強化、または刺激における有用性を有する。別の実施形態において、組成物は、その活性が、本発明の化合物が投与される特定の適用に有用である、追加の活性成分をさらに含んでもよい。
一実施形態において、本発明は、癌の治療に効果的な条件下で、癌を患う対象に本発明の化合物を投与することを含む、癌の治療、抑制、重症度の軽減、発達の危険性の軽減、または阻害の方法を対象とする。
薬物耐性は、癌化学療法の失敗の主要な原因である。多剤耐性への1つの主要な原因は、P−糖タンパク質(P−gp)の過剰発現である。このタンパク質は、細胞膜輸送体のATP結合カセットファミリーに属する、臨床的に重要な輸送タンパク質である。それは、ATP依存性機構を通じて、腫瘍細胞から、抗癌薬を含む基質を排出することができる。
一実施形態において、本発明は、a)薬物耐性腫瘍の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害、b)転移性癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害、c)薬物耐性癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害、d)癌がメラノーマである、薬物耐性癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害、e)癌が前立腺癌である、癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害の方法、f)転移性メラノーマの治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害の方法、g)前立腺癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害の方法、h)対象が、既に化学療法、放射線療法、または生物学的療法で治療されている、対象における癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害、のための方法であって、本発明の化合物、ならびに/あるいは前記化合物の異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、または結晶、またはこれらの任意の組み合わせを前記対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
本発明の化合物は、癌、転移性癌、薬物耐性腫瘍、薬物耐性癌、および種々の形態の癌の、治療、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害に有用である。好ましい実施形態において、癌は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、皮膚癌(例えば、メラノーマ)、肺癌、結腸癌、白血病、リンパ腫、頭頸部、脾臓、食道、腎臓の癌、または中枢神経系癌(例えば、神経膠腫、膠芽種)である。これらの異なる癌の治療は、本明細書における実施例によって支持される。さらに、それらの確信的なチューブリン阻害剤としての作用形態に基づいて、本発明の化合物または組成物を患者へ投与すると、他の形態の癌が、同様に、治療可能または予防可能であろうと考えられる。本発明の好ましい化合物は、癌細胞に選択的に破壊的な影響を与え、癌細胞の切除をもたらすが、好ましくは正常細胞にはもたらさない。重大なことに、癌細胞は、本発明の化合物のより低い濃度において、破壊の影響を受けやすいため、正常な細胞への害は、最小化される。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象における癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、多形体、結晶、N−オキシド、水和物、またはそれらの組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、癌は、副腎皮質癌、肛門癌、膀胱癌、脳腫瘍、脳幹部腫瘍、乳癌、神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原子神経外胚葉、松果体腫瘍、視床下部膠腫、乳癌、カルチノイド腫瘍、癌腫、子宮頸癌、結腸癌、中枢神経系(CNS)癌、子宮内膜癌、食道癌、肝外胆管癌、ユーイングファミリー腫瘍(Pnet)、頭蓋外胚細胞腫瘍、眼癌、眼球内メラノーマ、胆嚢癌、胃癌、胚細胞腫瘍、性腺外、妊娠性絨毛性腫瘍、頭頸部癌、下咽頭癌、島細胞癌、喉頭癌、白血病、急性リンパ芽球性、白血病、口腔癌、肝臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、中枢神経系(原発性)、リンパ腫、皮膚T細胞性、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、悪性中皮腫、メラノーマ、メルケル細胞癌、転移性扁平上皮癌、多発性骨髄腫、形質細胞腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性障害、上咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、外分泌腺、膵臓癌、島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫癌、下垂体癌、形質細胞腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、直腸癌、腎臓癌、腎細胞癌、唾液腺癌、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚T細胞性リンパ腫、皮膚癌、カポジ肉腫、皮膚癌、メラノーマ、小腸癌、軟部組織肉腫、軟部組織肉腫、精巣癌、胸腺腫、悪性、甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、肉腫、小児の異常な癌、膣癌、外陰癌、ウイルムス腫瘍、またはそれらの任意の組み合わせである。別の実施形態において、対象は、既に化学療法、放射線療法、または生物学的療法で治療されている。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象における転移性癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、多形体、結晶、N−オキシド、水和物、またはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、癌は、副腎皮質癌、肛門癌、膀胱癌、脳腫瘍、脳幹部腫瘍、乳癌、神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原子神経外胚葉、松果体腫瘍、視床下部膠腫、乳癌、カルチノイド腫瘍、癌腫、子宮頸癌、結腸癌、中枢神経系(CNS)癌、子宮内膜癌、食道癌、肝外胆管癌、ユーイングファミリー腫瘍(Pnet)、頭蓋外胚細胞腫瘍、眼癌、眼球内メラノーマ、胆嚢癌、胃癌、胚細胞腫瘍、性腺外、妊娠性絨毛性腫瘍、頭頸部癌、下咽頭癌、島細胞癌、喉頭癌、白血病、急性リンパ芽球性、白血病、口腔癌、肝臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、中枢神経系(原発性)、リンパ腫、皮膚T細胞性、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、悪性中皮腫、メラノーマ、メルケル細胞癌、転移性扁平上皮癌、多発性骨髄腫、形質細胞腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性障害、上咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、外分泌腺、膵臓癌、島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫癌、下垂体癌、形質細胞腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、直腸癌、腎臓癌、腎細胞癌、唾液腺癌、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚T細胞性リンパ腫、皮膚癌、カポジ肉腫、皮膚癌、メラノーマ、小腸癌、軟部組織肉腫、軟部組織肉腫、精巣癌、胸腺腫、悪性、甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、肉腫、小児の異常な癌、膣癌、外陰癌、ウイルムス腫瘍、またはそれらの任意の組み合わせである。
いくつかの実施形態において、本発明は、薬物耐性癌または耐性癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、多形体、結晶、N−オキシド、水和物、またはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、癌は、副腎皮質癌、肛門癌、膀胱癌、脳腫瘍、脳幹部腫瘍、乳癌、神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原子神経外胚葉、松果体腫瘍、視床下部膠腫、乳癌、カルチノイド腫瘍、癌腫、子宮頸癌、結腸癌、中枢神経系(CNS)癌、子宮内膜癌、食道癌、肝外胆管癌、ユーイングファミリー腫瘍(Pnet)、頭蓋外胚細胞腫瘍、眼癌、眼球内メラノーマ、胆嚢癌、胃癌、胚細胞腫瘍、性腺外、妊娠性絨毛性腫瘍、頭頸部癌、下咽頭癌、島細胞癌、喉頭癌、白血病、急性リンパ芽球性、白血病、口腔癌、肝臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、中枢神経系(原発性)、リンパ腫、皮膚T細胞性、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、悪性中皮腫、メラノーマ、メルケル細胞癌、転移性扁平上皮癌、多発性骨髄腫、形質細胞腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性障害、上咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、外分泌腺、膵臓癌、島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫癌、下垂体癌、形質細胞腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、直腸癌、腎臓癌、腎細胞癌、唾液腺癌、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚T細胞性リンパ腫、皮膚癌、カポジ肉腫、皮膚癌、メラノーマ、小腸癌、軟部組織肉腫、軟部組織肉腫、精巣癌、胸腺腫、悪性、甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、肉腫、小児の異常な癌、膣癌、外陰癌、ウイルムス腫瘍、またはそれらの任意の組み合わせである。
一実施形態において、「転移性癌」は、その発生起源部位から別の体の領域へと拡大(転移)する癌を指す。事実上、全ての癌は、拡大する可能性を有する。転移が生じるかどうかは、癌の種類、腫瘍細胞の成熟(分化)の程度、癌が存在する位置および期間、ならびに他の完全に理解されていない因子を含む、多数の腫瘍細胞因子の複雑な相互作用に依存する。転移は、腫瘍から周囲の組織への局所的な拡張によって、血流を通じて遠位部位へ、またはリンパ系を通じて近隣または遠隔のリンパ節へ、の3つの経路で拡大する。それぞれの種類の癌は、拡大の典型的な経路を有し得る。腫瘍は、原発部位で称される(例えば、脳に拡大している乳癌は、脳への転移性乳癌と称される)。
一実施形態において、「薬物耐性癌」は、化学療法への耐性を得た癌細胞を指す。癌細胞は、薬物標的の変異または過剰発現、薬物の不活性化、または細胞からの薬物の排出を含む、広範な機構により、化学療法に対する耐性を取得し得る。化学療法への初期応答後に再発する腫瘍は、複数の薬物に対して耐性であり得る(それらは、多剤耐性である)。薬物耐性の一般的な観点において、腫瘍集団中の1つまたは複数の細胞は、薬物耐性を与える遺伝子変化を得る。したがって、薬物耐性の原因は、とりわけ、a)化学療法によって死滅しない細胞のいくつかが、変異(変化)し、薬物耐性になる。それらが繁殖すると、化学療法に感受性の細胞よりも、耐性細胞の方が多くなり得る、b)遺伝子増幅。癌細胞は、特定の遺伝子の何百もの複製を生成することができる。この遺伝子は、抗癌薬を無効にするタンパク質の過剰生成を引き起こす、c)癌細胞は、p−糖タンパク質と称される分子を使用して、進入するのと同程度の速度で薬物を排出することができる、d)癌細胞は、細胞壁を越えて薬物を輸送するタンパク質が、働きを停止するため、薬物の取り込みを停止させることができる、e)癌細胞は、何らかの抗癌薬によってもたらされたDNA切断の修復方法を習得することがでる、f)癌細胞は、薬物を不活性化する機構を発達させることができる。多剤耐性の1つの主要な原因は、P−糖タンパク質(P−gp)の過剰発現である。このタンパク質は、細胞膜輸送体のATP結合カセットファミリーに属する、臨床的に重要な輸送タンパク質である。それは、ATP依存性機構を通じて、腫瘍細胞から、抗癌薬を含む基質を排出することができる。したがって、化学療法に使用される抗癌剤への耐性は、悪性障害における治療の失敗の主な原因であり、腫瘍が耐性になることを引き起こす。薬物耐性は、化学療法の失敗の主要な原因である。
一実施形態において、「耐性癌」は、本明細書に上述の薬物耐性癌を指す。別の実施形態において、「耐性癌」とは、化学療法、放射線療法、または生物学的療法等の、任意の治療に対する耐性を得る癌細胞を指す。
一実施形態において、本発明は、対象における癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害を対象とし、その対象は、既に化学療法、放射線療法、または生物学的療法で治療されている。
一実施形態において、「化学療法」は、癌細胞を直接死滅させる薬物等、癌の化学的治療を指す。このような薬物は、「抗癌」薬または「抗新生物薬」と称される。現在の治療法は、癌の治療に100を超える薬物を使用する。特定の癌を治療するために、治療が不可能な場合に、化学療法を使用して、腫瘍の増殖を制御し、手術または放射線療法の前に腫瘍を縮小させ、症状(疼痛等)を緩和し、既知の腫瘍を手術によって除去した後に存在し得る顕微鏡寸法の癌細胞を破壊する(アジュバント療法と呼ばれる)。アジュバント療法は、起こり得る癌の再発を予防するために施される。
一実施形態において、「放射線療法」は、疾患を治療するための高エネルギーx線および類似の光線(電子等)を指す。癌を有する多くの人々は、治療の一部として、放射線療法を受けることになる。これは、x線を使用する体外からの外部放射線療法として、または体内からの内部放射線療法としてのいずれかで施され得る。放射線療法は、治療領域内の癌細胞を破壊することによって、機能する。正常細胞もまた、放射線療法によって損傷を受ける可能性があるが、それらは、通常、自身で修復することができる。放射線療法治療は、いくつかの癌を治癒することができ、手術後に癌が再発する可能性を減少させることもできる。癌の症状を軽減するために使用されてもよい。
一実施形態において、「生物学的療法」は、癌細胞を破壊する、体内に天然に存在する基質を指す。数種類の治療が存在し、モノクローナル抗体、癌増殖阻害剤、ワクチン、および遺伝子療法が含まれる。生物学的療法はまた、免疫療法としても既知である。
一実施形態において、本発明は、前立腺癌、転移性前立腺癌、耐性前立腺癌、または薬物耐性前立腺癌を患う対象の治療方法であって、前記対象に、本発明の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、またはそれらの任意の組み合わせ、あるいは同等物を含む組成物を、対象における前立腺癌の治療に効果的な量で、投与するステップを含む、方法を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
一実施形態において、本発明は、対象における前立腺癌、転移性前立腺癌、耐性前立腺癌、または薬物耐性前立腺癌の抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、進行の遅延、または阻害のための方法であって、対象に、本発明の化合物、および/またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、またはそれらの組み合わせ、あるいは同等物を含む組成物を投与することを含む、方法を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
一実施形態において、本発明は、乳癌、転移性乳癌、耐性乳癌、または薬物耐性乳癌を患う対象を治療する方法であって、前記対象に、本発明の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、またはそれらの任意の組み合わせ、あるいは同等物を含む組成物を、投与するステップを含む、方法を提供する。別の実施形態において、対象は、雄性または雌性である。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
一実施形態において、本発明は、乳癌、転移性乳癌、耐性乳癌、または薬物耐性乳癌の抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、進行の遅延、または阻害の方法であって、前記対象に、本発明の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、またはそれらの任意の組み合わせ、あるいは同等物を含む組成物を、投与するステップを含む、方法を提供する。別の実施形態において、対象は、雄性または雌性である。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、本発明は、対象における卵巣癌、転移性卵巣癌、耐性卵巣癌、または薬物耐性卵巣癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、進行の遅延、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、またはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
一実施形態において、本発明は、対象におけるメラノーマ、転移性メラノーマ、耐性メラノーマ、または薬物耐性メラノーマの治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害の方法であって、対象に、本発明の化合物、および/またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的組成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、またはそれらの任意の組み合わせを投与することを含む、方法を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、本発明は、肺癌、転移性肺癌、耐性肺癌、または薬物耐性肺癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、またはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、本発明は、非小細胞肺癌、転移性小細胞肺癌、耐性小細胞肺癌、または薬物耐性小細胞肺癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、進行の遅延、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、またはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、本発明は、結腸癌、転移性結腸癌、耐性結腸癌、または薬物耐性結腸癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、進行の遅延、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、またはそれらの任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、本発明は、白血病、転移性白血病、耐性白血病、または薬物耐性白血病の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、進行の遅延、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、またはそれらの組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、本発明は、リンパ腫、転移性リンパ腫、リンパ腫、または薬物耐性リンパ腫の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、進行の遅延、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、または任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、本発明は、頭頸部癌、転移性頭頸部癌、耐性頭頸部癌、または薬物耐性頭頸部癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、進行の遅延、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、または任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、本発明は、膵臓癌、転移性膵臓癌、耐性膵臓癌、または薬物耐性膵臓癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、進行の遅延、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、または任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、本発明は、食道癌、転移性食道癌、耐性食道癌、または薬物耐性食道癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、進行の遅延、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、または任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、本発明は、腎臓癌、転移性腎臓癌、耐性腎臓癌、または薬物耐性腎臓癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、進行の遅延、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶、または任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、本発明は、中枢神経系癌、転移性中枢神経系癌、耐性中枢神経系癌、または薬物耐性中枢神経系癌の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、進行の遅延、または阻害のための、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、水和物、N−オキシド、多形体、結晶または任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
いくつかの実施形態において、本発明は、対象において、癌性腫瘍(複数可)の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害のために、本明細書に記載の化合物、またはその異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、薬学的生成物、互変異性体、多形体、結晶、N−オキシド、水和物、または任意の組み合わせの使用を提供する。別の実施形態において、癌は、副腎皮質癌、肛門癌、膀胱癌、脳腫瘍、脳幹部腫瘍、乳癌、神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原子神経外胚葉、松果体腫瘍、視床下部膠腫、乳癌、カルチノイド腫瘍、癌腫、子宮頸癌、結腸癌、中枢神経系(CNS)癌、子宮内膜癌、食道癌、肝外胆管癌、ユーイングファミリー腫瘍(Pnet)、頭蓋外胚細胞腫瘍、眼癌、眼球内メラノーマ、胆嚢癌、胃癌、胚細胞腫瘍、性腺外、妊娠性絨毛性腫瘍、頭頸部癌、下咽頭癌、島細胞癌、喉頭癌、白血病、急性リンパ芽球性、白血病、口腔癌、肝臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、小細胞、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、中枢神経系(原発性)、リンパ腫、皮膚T細胞性、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、悪性中皮腫、メラノーマ、メルケル細胞癌、転移性扁平上皮癌、多発性骨髄腫、形質細胞腫、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性障害、上咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、外分泌腺、膵臓癌、島細胞癌、副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、褐色細胞腫癌、下垂体癌、形質細胞腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、直腸癌、腎臓癌、腎細胞癌、唾液腺癌、セザリー症候群、皮膚癌、皮膚T細胞性リンパ腫、皮膚癌、カポジ肉腫、皮膚癌、メラノーマ、小腸癌、軟部組織肉腫、軟部組織肉腫、精巣癌、胸腺腫、悪性、甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、肉腫、小児の異常な癌、膣癌、外陰癌、ウイルムス腫瘍、またはそれらの任意の組み合わせである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、腫瘍は、前立腺癌腫瘍である。別の実施形態において、腫瘍は、卵巣癌腫瘍である。別の実施形態において、腫瘍は、メラノーマ腫瘍である。別の実施形態において、腫瘍は、多剤耐性(MDR)メラノーマ腫瘍である。
一実施形態において、本発明は、癌性細胞を破壊する方法であって、本発明の化合物を提供すること、および癌性細胞を、接触される癌性細胞を破壊するのに効果的な条件下で、本発明の化合物と接触させることを含む、方法を対象とする。癌性細胞を破壊する種々の実施形態によると、破壊される細胞は、インビボまたはエキソビボ(すなわち、培養液中)のいずれかに位置し得る。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
別の実施形態において、癌は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、皮膚癌、メラノーマ、肺癌、結腸癌、白血病、腎臓癌、中枢神経系癌、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明のなおもさらなる態様は、本発明の化合物を提供すること、および続いて癌性状態の治療または予防に効果的な方法で、本化合物の有効量を患者に投与すること、を含む、癌性状態の治療または予防の方法に関する。
一実施形態によると、治療される患者は、前癌状態の存在によって特徴付けられ、本化合物の投与は、前癌状態の癌性状態への発展の予防に効果的である。これは、前癌細胞を、それが癌性状態へさらに発達する前、またはそれと同時に、破壊することによって、起こり得る。
別の実施形態によると、治療される患者は、癌性状態の存在によって特徴付けられ、本化合物の投与は、癌性状態の退縮をもたらすか、または癌性状態の成長を阻害するため、すなわち、その成長を完全に停止させるか、またはその成長速度を減少させるために効果的である。これは、好ましくは、患者の身体におけるそれらの位置に関わらず、癌細胞の破壊によって生じる。すなわち、癌細胞が、原発腫瘍部位に位置するか、または癌細胞が、転移しており、患者の体内に二次腫瘍を生み出しているかに関わらない。
本明細書に使用される際、対象または患者は、限定するものではなく、ヒトおよび他の霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ラット、マウス、ならびに他のげっ歯類を含む、任意の哺乳動物患者を指す。一実施形態において、対象は、雄性である。別の実施形態において、対象は、雌性である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、雄性または雌性のいずれの治療にも有用であり得る。
本発明の化合物を投与する際、それらは、全身的に投与することができるか、あるいは、それらは、癌細胞または前癌細胞が存在する特定の部位に、直接投与することができる。したがって、投与は、本化合物または薬学的組成物を、癌細胞または前癌細胞に送達するために効果的な任意の方法で、達成することができる。投与の例示的な形態には、限定するものではなく、経口、局所、経皮、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、鼻項内点滴、腔内または膀胱内点滴、眼球内、動脈内、病巣内、または粘膜、例えば鼻、喉、および気管支のものへの適用で、本化合物または組成物を投与することが含まれる。
本発明の化合物は、種々の形態の癌、特に前立腺癌、乳癌、卵巣、皮膚癌(例えば、メラノーマ)、肺癌、結腸癌、白血病、腎臓癌、および中枢神経系癌(例えば、神経膠腫、膠芽腫)の治療または予防に有用である。これらの異なる癌の治療は、本明細書における実施例によって支持される。さらに、それらの確信的なチューブリン阻害剤としての作用形態に基づいて、本発明の化合物または組成物を患者へ投与すると、他の形態の癌が、同様に、治療可能または予防可能であろうと考えられる。本発明の好ましい化合物は、癌細胞に選択的に破壊的な影響を与え、癌細胞の切除をもたらすが、好ましくは正常細胞にはもたらさない。重大なことに、癌細胞は、本発明の化合物のより低い濃度において、破壊の影響を受けやすいため、正常な細胞への害は、最小化される。
本発明の化合物は、癌、転移性癌、耐性癌、または薬物耐性癌の治療、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害に有用である。別の実施形態において、癌は、前立腺癌、乳癌、卵巣、皮膚癌(例えば、メラノーマ)、肺癌、結腸癌、白血病、リンパ腫、頭頸部、膵臓、食道、腎臓癌、または中枢神経系癌である。これらの異なる癌の治療は、本明細書における実施例によって支持される。さらに、それらの確信的なチューブリン阻害剤としての作用形態に基づいて、本発明の化合物または組成物を患者へ投与すると、他の形態の癌が、同様に、治療可能または予防可能であろうと考えられる。本発明の好ましい化合物は、癌細胞に選択的に破壊的な影響を与え、癌細胞の切除をもたらすが、好ましくは正常細胞にはもたらさない。重大なことに、癌細胞は、本発明の化合物のより低い濃度において、破壊の影響を受けやすいため、正常な細胞への害は、最小化される。別の実施形態において、本化合物は、化合物12dbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物11fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12daである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12faである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12fbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物12cbである。別の実施形態において、本化合物は、化合物55である。別の実施形態において、本化合物は、化合物6bである。別の実施形態において、本化合物は、化合物17yaである。
本明細書に使用される際、対象または患者は、限定するものではなく、ヒトおよび他の霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ラット、マウス、ならびに他のげっ歯類を含む、任意の哺乳動物患者を指す。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、雄性または雌性のいずれの治療にも有用であり得る。
一実施形態において、本化合物は、本明細書に記載の化合物を、単独または他の薬剤と組み合わせて投与することによって、抗癌剤と組み合わせて投与される。
癌性状態の治療、抑制、重症度の軽減、危険性の軽減、または阻害のために、本発明の化合物または薬学的組成物を投与する際、本薬学的組成物は、また、種々の種類の癌の治療のための、現在既知であるかまたは今後開発される他の治療剤または治療レジメンを含むことができるか、またはそれとの併用で投与されてもよい。他の治療剤または治療レジメンの例には、限定するものではなく、放射線療法、免疫療法、化学療法、外科的介入、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を、より完全に例示するために提示される。それらは、しかしながら、決して広範な本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
下記の実施例は、単に例示の目的であり、決して、本発明の範囲を限定するように意図するものではない。
物質および方法:
一般手順。全ての試薬は、Sigma-Aldrich Chemical Co.、Fisher Scientific(Pittsburgh,PA)、AK Scientific(Mountain View,CA)、Oakwood Products(West Columbia,SC)等から購入し、さらなる精製なしに使用した。水分感受性の反応は、アルゴン雰囲気下で実行した。ABT−751は、Yoshinoら26により報告された方法に従って調製した。通例の薄層クロマトグラフィー(TLC)は、アルミニウム付きUniplate(Analtech,Newark,DE)上で行った。融点は、Fisher-Johns融点測定装置を用いて測定した(未修正)。NMRスペクトルは、Bruker AX 300(Billerica,MA)分光計またはVarian Inova-500(Vernon Hills,Illinois)分光計上で得た。化学シフトは、CDCl3中のTMSに対して100万分の1(ppm)として報告する。質量スペクトルデータは、陽および陰イオンモードで、Bruker ESQUIREエレクトロスプレー/イオントラップ機器において収集した。元素分析は、Atlantic Microlab Incにより行った。
前立腺癌およびメラノーマの細胞培養および細胞傷害性アッセイ。全ての細胞系は、ATCC(American Type Culture Collection, Manassas,VA,USA)から入手し、一方で細胞培養用品は、Cellgro Mediatech(Herndon,VA,USA)から購入した。4つのヒト前立腺癌細胞系(LNCaP、DU145、PC−3、およびPPC−1)ならびに2つのヒトメラノーマ細胞系(A375およびWM−164)において、抗チューブリン化合物の抗増殖活性を試験した。ヒト卵巣細胞系OVCAR−8およびP−gpを過剰発現するその耐性細胞系(NCI/ADR−RES)を、MDRモデルとして使用した。いずれの卵巣細胞系も、National Cancer Institutes(NCI)から入手した。全ての細胞系が、ATCCまたはNCIのいずれかによって、試験され、認証を得た。全ての前立腺癌および卵巣癌細胞系を、10%ウシ胎児血清(FBS)を補充したRPMI1640中で培養した。メラノーマ細胞を、5%FBS、1%抗生剤/抗真菌剤混合物(Sigma-Aldrich,Inc.,St.Louis,MO,USA)、およびウシインスリン(5μg/mL、Sigma−Aldrich)を補充したDMEM中で培養した。抗チューブリン化合物の細胞傷害能を、治療の96時間後に、スルホローダミンB(SRB)アッセイを使用して評価した。
水溶解度。薬物の溶解度を、LC−MS/MSと連結したMultiscreen Solubility Filter Plate(Millipore Corporate,Billerica,MA)によって判定した。簡潔には、198μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液(pH7.4)を、96ウェルプレートに充填し、2μLの10mM試験化合物(DMSO中)を分注し、室温で1.5時間、穏やかに振動させながら(200〜300rpm)混合した(N=3)。プレートを、800gで5分間遠心分離し、濾液を使用して、以下に記載のように、LC−MS/MSによってその濃度および試験化合物の溶解度を判定した。
薬物動態研究。雌性のスプラーグドーリーラット(n=3または4、254±4g)を、Harlan Inc.(Indianapolis,IN)から購入した。ラットの胸部頸静脈カテーテルを、Braintree Scientific Inc.(Braintree,MA)から購入した。動物施設への到着時に、動物を、あらゆる治療の前に、12時間の明/暗サイクルの恒温室(20〜22℃)で、3日間順応させた。化合物1hを、2.5mg/kg(DMSO/PEG300、2/8中)の用量で、頸静脈カテーテル内に静脈内(i.v.)投与し、一方で、5Haおよび5Hcは、5mg/kg(DMSO/PEG300、1/9中)で投与した。等体積のヘパリン化生理食塩水を、除去した血液と置き換えるために注射し、血液試料(250μL)を、10、20、30分、および1、2、4、8、12、24時間で、頸静脈カテーテルを介して収集した。化合物1h、5Ha、および5Hcを、10mg/kg(Tween 80/DMSO/H2O、2/1/7中)で、経口で強制的に与えた(経口)。経口投与後の全ての血液試料(250μL)を、30、60、90分、120分、150分、180分、210分、240分、および8、12、24時間で、頸静脈カテーテルを介して収集した。ヘパリン化シリンジおよびバイアルは、血液収集の前に準備した。血漿試料は、8,000gで5分間、血液試料を遠心分離することによって、調製した。全ての血漿試料は、即座に−80℃で、分析まで保管した。
検体を、200nMの内部標準物((3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン)を含有する200μLのアセトニトリルで、100μLの血漿から抽出した。試料を十分に混合し、遠心分離し、有機抽出物を、LC−MS/MS分析のために、オートサンプラーに移した。最も感受性の高い信号を得るために、多重反応モニタリング(MRM)モード、スキャンm/z356→188(化合物1h)、m/z371→203(化合物5Ha)、m/z389→221(化合物5Hc)、およびm/z309→171(内部標準物)を使用した。薬物動態パラメータは、非コンパートメント分析(WinNonlin,Pharsight Corporation,Mountain View,CA)を使用して判定した。
分析方法。試料溶液(10μL)を、AgilentシリーズのHPLCシステム(Agilent 1100 Series Agilent 1100 Chemstation,Agilent Technology Co,Ltd)に注入した。全ての検体を、狭孔(narrow-bore)C18カラム(Alltech Alltima HP、2.1×100mm、3μm、Fisher,Fair Lawn,NJ)上で分離した。2つの勾配モードを使用した。勾配モードは、流速300μL/分で、移動相A[0.1%ギ酸含有ACN/H2O(5%/95%、v/v)]と、移動相B[0.1%ギ酸含有ACN/H2O(95%/5%、v/v)]との混合を用いて検体の分離を達成するために使用された。移動相Aを、0〜1分15%で使用し、続いて、直線的にプログラムした勾配で、6分以内に100%の移動相Bにし、100%の移動相Bを、15%の移動相Aへの迅速な傾斜の前に、0.5分間維持した。移動相Aを、分析の終盤に、さらに12分間継続した。
インビトロチューブリン重合アッセイ。ウシ脳のチューブリン(0.4mg、>97%純粋)(Cytoskeleton,Denver,CO)を、10μMの試験化合物と混合し、pH6.9で、100μLの一般的なチューブリン緩衝液(80mM PIPES、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、および1mM GTP)中でインキュベートした。波長340nmでの吸光度を、1分毎に20分間、SYNERGY 4 Microplate Reader(Bio-Tek Instruments,Winooski,VT)により監視した。分光光度計は、チューブリン重合のために、37℃に設定した。
TurboIonSprayソースで動作する、トリプル四重極質量分析計、API Qtrap 4000(商標)(Applied Biosystems/MDS SCIEX,Concord,Ontario,Canada)を使用した。スプレー針電圧は、陽モードについては5kVに設定した。カーテンガスを10に設定し、ガス1およびガス2を、50に設定した。Collision-Assisted-Dissociation(CAD)ガスは中、ソースの加熱プローブ温度は500℃に設定した。データの取得および処理は、Analyst(商標)ソフトウェアVer.1.4.1(Applied Biosystems)を使用して達成した。
最終化合物の純度を、Photodiode Array Detectorと共に設置されたWaters 2695 HPLCシステム上で、RP−HPLCを介して試験した2つのRP−HPLC法を、Supelco Ascentis(商標)5μM C−18カラム(250×4.6mm)を使用して、周辺温度、および流速0.7mL/分で、行った。HPLC1:勾配:溶媒A(水)および溶媒B(メタノール):0〜20分40〜100%B(直線勾配)、20〜27分100%B。HPLC2:勾配:溶媒A(水)および溶媒B(メタノール):0〜15分40〜100%B(直線勾配)、15〜25分100%B。254nmでUV検出。
本発明の化合物を、図1〜17に従って調製した。
実施例1 B環変化型化合物の合成
B環変化型化合物を、図1および2に従って合成した。
オキサゾールB環:
(2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン(36a)の合成(図1):
(2R)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−カルボン酸メチルエステル(32a)。塩化アセチル(6.8mL)を、氷冷メタノール(30mL)中に滴下添加した。L−セリン(0.48mmol)の添加後、反応混合物を、室温(RT)まで温め、一晩攪拌した。溶媒の蒸発によって、白色固体(2R)−3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルHCl塩を得、それを次のステップで精製なしに使用した。トリエチルアミン(11mL、72.3mmol)を、CH2Cl2(150mL)中のベンズイミド酸エチル塩酸塩(11.6g、62.8mmol)の溶液に、ゆっくりと添加した。反応混合物を、室温で30分間攪拌し、(2R)−3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルHCl塩(13.5g、79.6mmol)を、少量ずつ添加した。結果として得られた混合物を、48時間攪拌し、減圧下で濃縮した。化合物32aを、黄色油としてフラッシュカラムから分離した(12.3g、95.9%)。1H NMR(CDCl3)δ7.99−7.38(m,5H),4.97(dd,1H,J=7.8Hz,J=10.5Hz),4.70(t,1H,J=8.7Hz),4.62(dd,1H,J=8.7Hz,J=10.5Hz),3.82(s,3H);MS(ESI)m/z206.1(M+H)+。
(2R)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−カルボン酸(33a)。MeOH/H2O中の32aの氷冷溶液に、LiOH(2.5当量)を攪拌しながら添加した。混合物を、1時間で、室温まで温め、真空で濃縮し、白色固体を、H2O中に溶解し、1N HClでpH2.0まで酸性にし、MgSO4で抽出し、濾過し、真空で濃縮して、白色固体として酸33aを得た(95.8%)。1H NMR(CDCl3)δ7.98(d,2H),7.57−7.42(m,3H),5.04(dd,1H,J=7.8Hz,J=10.8Hz),4.80(t,1H,J=8.7Hz),4.70(dd,1H,J=9.0Hz,J=10.8Hz);MS(ESI)m/z191.9(M+H)+,189.7(M−H)−,145.8(M−COOH)−。
(2R)−2−フェニル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−カルボン酸メトキシ−メチル−アミド(34a)。CH2Cl2(50mL)中の33a(5mmol)、EDCI(6mmol)、HOBt(5mmol)、およびEt3N(5mmol)の混合物に、HNCH3OCH3(5mmol)を添加し、室温で6〜8時間攪拌を続けた。反応混合物を、CH2Cl2(100mL)で希釈し、水、飽和NaHCO3、ブラインで順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、粗生成物34aを得、それをカラムクロマトグラフィーによって、白色固体として精製した(61.0%)。1H NMR(CDCl3)δ7.98−7.36(m,5H),7.57−7.42(m,3H),5.35(br,t,1H),4.81(br,t,1H),4.52(dd,1H,J=8.7Hz,J=10.2Hz),3.90(s,3H),3.27(s,3H);MS(ESI)m/z257.0(M+H)+。
(2R)−(2−フェニル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン(35a)。8mLのTHF中のn−BuLi(1.6M、0.713mL)の溶液に、−78℃下、3mLのTHF中の3,4,5−トリメトキシブロモベンゼン(1.09mmol)を添加した。混合物を、2時間攪拌させ、3mLのTHF中のワインレブアミド34a(1.14mmol)の溶液を充填した。温度を、室温で上昇させ、一晩攪拌した。反応混合物を、飽和NH4Clで反応を停止させ、エチルエーテルで抽出し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として純粋な化合物35aを得た(47.9%)。1H NMR(CDCl3)δ7.97−7.94(m,2H),7.62(s,2H),7.54−7.37(m,3H),5.61(q,1H,J=7.5Hz,9.9Hz),5.12(t,1H,J=7.5Hz),4.57(q,1H,J=7.8Hz,9.9Hz),3.96(s,6H),3.95(s,3H);MS(ESI)m/z364.1(M+Na)+,340.1(M−H)−。
(2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン(36a)。CH2Cl2(20mL)中の35a(1.48mmol)、CBrCl3(2.59mmol)、およびDBU(2.97mmol)の混合物を、一晩攪拌した。反応混合物を、シリカゲル上に吸収させ、カラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の純粋な36aを得た(61.6%)。1H NMR(CDCl3)δ8.37(s,1H),8.14−8.12(m,2H),7.74(s,2H),7.52−7.49(m,3H),3.97(s,9H);MS(ESI)m/z362.1(M+Na)+。
ベンゼン、ピリミジン、ピリジン、フラン、チオフェン、チアゾール、ピラゾール、およびピペリジンのB環変化型(図2):B環の変化型(1a〜1d、1k)を、それぞれの対応する酸(37a〜37d、37k)から得た。B環位置にチオフェンを有する化合物1fは、1fとグリニャール試薬カップリング副生成物3,4,5,3´,4´,5´−ヘキサメトキシビフェニルとの混合物から、フラッシュカラムを使用して分離することができない。そのため、代替方法を使用して1fを調製した:ワインレブアミド38fを、その対応するアルデヒドに変換し、それを、さらに3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロミドと反応させて、フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して、容易に3,4,5,3´,4´,5´−ヘキサメトキシビフェニルから分離することができる、アルコール40fを得た。重クロム酸ピリジニウム(PDC)またはDMSOでの酸化は、良好な収率では、第2級アルコール40fから1fを生成しなかった。酸化剤としてのデスマーチンペルヨージナン試薬は、所望のケトン化合物1fの形成を成功させた。1eおよび1iを、類似の方法を使用して、アルコール40eおよび40iから調製した。化合物1gを、ピペリジン41gおよび3,4,5−トリメトキシ安息香酸からのカップリング反応を介して得た。
ベンゼンB環:
ビフェニル−3−イル(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1a)の合成(図2)
N−メトキシ−N−メチルビフェニル−3−カルボキサミド(38a)。CH2Cl2(50mL)中の37a(5mmol)、EDCI(6mmol)、HOBt(5mmol)、およびNMM(11mmol)の混合物に、HNCH3OCH3HCl塩(5mmol)を添加し、室温で2時間攪拌を続けた。反応混合物を、CH2Cl2(100mL)で希釈し、水、飽和NaHCO3、ブラインで順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、無色の油を得、次のステップで使用した(58.4%)。MS(ESI)m/z264.0(M+Na)+。
ビフェニル−3−イル(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1a)。5mLのTHF中の38a(図2)(0.174g、0.72mmoL)の溶液に、3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロミド(0.5N、1.08mmol)のTHF溶液を、0℃で添加した。混合物を30分間攪拌させ、飽和NH4Clで反応を停止させ、エチルエーテルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として純粋な化合物1aを得た(43.8%)。1H NMR(CDCl3)δ8.02(t,1H),7.84−7.74(m,2H),7.64−7.38(m,6H),7.11(s,2H),3.95(s,3H),3.88(s,6H);MS(ESI)m/z371.1(M+Na)+。
ピリミジンB環:
(6−フェニルピリミジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1b)の合成(図2)
N−メトキシ−N−メチル−6−フェニルピリミジン−4−カルボキサミド(38b)。CH2Cl2(50mL)中の37b(5mmol)、EDCI(6mmol)、HOBt(5mmol)、およびNMM(11mmol)の混合物に、HNCH3OCH3HCl塩(5mmol)を添加し、室温で一晩攪拌を続けた。反応混合物を、CH2Cl2(100mL)で希釈し、水、飽和NaHCO3、ブラインで順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色固体として純粋な化合物38bを得た(62.3%)。1H NMR(CDCl3)δ9.28(s,1H),8.14−8.06(m,2H),7.96(br,s,1H),7.54−7.50(m,3H),5.35(br,t,1H),4.81(br,t,1H),4.52(dd,1H,J=8.7Hz,J=10.2Hz),3.79(s,3H),3.42(s,3H);MS(ESI)m/z266.0(M+Na)+。
(6−フェニルピリミジン−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1b)。5mLのTHF中の38b(0.243g、1mmoL)の溶液に、3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロミド(0.5N、5.6mL、1.4mmol)のTHF溶液を、0℃で添加した。混合物を30分間攪拌させ、飽和NH4Clで反応を停止させ、エチルエーテルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物1bを得た(52.3%)。1H NMR(CDCl3)δ9.40(d,1H,J=1.5Hz),8.29(d,1H,J=1.5Hz),8.22−8.18,7.57−7.54(m,5H),7.46(s,2H),3.96(s,3H),3.91(s,6H);MS(ESI)m/z351.1(M+H)+。
ピリジンB環:
(6−フェニルピリジン−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1c)の合成(図2)
N−メトキシ−N−メチル−6−フェニルピコリンアミド(38c)。CH2Cl2(20mL)中の37c(1.77mmol)、EDCI(2.12mmol)、HOBt(1.86mmol)、およびNMM(3.54mmol)の混合物に、HNCH3OCH3HCl塩(1.86mmol)を添加し、室温で一晩攪拌を続けた。反応混合物を、CH2Cl2(40mL)で希釈し、水、飽和NaHCO3、ブラインで順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の油として純粋な化合物38cを得た(51.2%)。1H NMR(CDCl3)δ8.02(d,1H,J=7.0Hz),7.86−7.81(m,2H),7.55(br,1H),7.48(t,2H),7.44−7.41(m,1H),3.82(s,3H),3.44(s,br,3H);MS(ESI)m/z265.0(M+Na)+。
(6−フェニルピリジン−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1c)。5mLのTHF中の38c(0.210g、0.86mmoL)の溶液に、3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロミド(0.5N、3.5mL、1.73mmol)のTHF溶液を、0℃で添加した。混合物を30分間攪拌させ、水で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の針状結晶として純粋な1cを得た(78%)。1H NMR(CDCl3)δ8.10(d,br,2H),8.02−8.00(m,1H),7.97−7.96(m,2H),7.66(s,2H),7.49−7.43(m,3H),3.97(s,3H),3.89(s,6H);MS(ESI)m/z372.6(M+Na)+。
フランB環:
(5−フェニルフラン−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1d)の合成(図2)
N−メトキシ−N−メチル−5−フェニルフラン−2−カルボキサミド(38d)。CH2Cl2(200mL)中の37d(10mmol)、EDCI(12mmol)、HOBt(11mmol)、およびNMM(21mmol)の混合物に、HNCH3OCH3HCl塩(10.5mmol)を添加し、室温で一晩攪拌を続けた。反応混合物をCH2Cl2(200mL)で希釈し、水、飽和NaHCO3、ブラインで順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物38dを得た(95.2%)。1H NMR(CDCl3)δ7.82(d,1H,J=7.0Hz),7.46−7.43(t,2H),7.37−7.34(m,1H),7.25(d,1H,J=4.0Hz),6.78(d,1H,J=4.0Hz),3.86(s,3H),3.41(s,3H);MS(ESI)m/z254.1(M+Na)+。
(5−フェニルフラン−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1d)。5mLのTHF中の38d(0.231g、1mmoL)の溶液に、3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロミド(0.5N、4.0mL、2mmol)のTHF溶液を、0℃で添加した。混合物を30分間攪拌させ、水で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色結晶として純粋な化合物1dを得た(35.5%)。1H NMR(CDCl3)δ7.85−7.82(m,1H),7.48−7.36(m,4H),7.35(s,2H),7.25(d,1H,J=4.0Hz),6.86(d,1H,J=4.2Hz),3.96(s,3H),3.95(s,6H);MS(ESI)m/z339.1(M+H)+。
チアゾールB環:
(2−フェニルチアゾール−5−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1e)の合成(図2)
(2−フェニルチアゾール−5−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノール(40e)。15mLのTHF中の2−フェニルチアゾール−5−カルバルヒデド38e(0.567g、3mmoL)の溶液に、3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロミド(0.5N、6.5mL、3.25mmol)THF溶液を、0℃で添加した。混合物を30分間攪拌させ、飽和NH4Clで反応を停止させ、エチルエーテルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物40eを得た(72.9%)。1H NMR(CDCl3)δ7.90(m,2H),7.64(s,1H),7.41(m,3H),6.69(s,br,2H),6.04(s,1H),3.86(s,6H),3.85(s,3H),1.57(d,1H,J=5.5Hz);MS(ESI)m/z358.1(M+Na)+。
(2−フェニルチアゾール−5−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1e)。40mLの無水CH2Cl2中の40e(0.357g、1mmoL)の溶液に、デスマーチン試薬(0.848g、2mmol)を添加した。混合物を30分間攪拌させ、飽和Na2S2O3溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物1eを得た(80.1%)。1H NMR(CDCl3)δ8.33(s,1H),8.04(m,2H),7.51(m,3H),7.18(s,2H),3.96(s,3H),3.93(s,6H);MS(ESI)m/z378.1(M+H)+。
チオフェンB環:
(5−フェニルチオフェン−3−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1f)の合成(図2)
N−メトキシ−N−メチル−5−フェニルチオフェン−3−カルボキサミド(38f)。CH2Cl2(30mL)中の37f(2.5mmol)、EDCI(2.9mmol)、HOBt(2.6mmol)、およびNMM(5.3mmol)の混合物に、HNCH3OCH3HCl塩(2.6mmol)を添加し、室温で一晩攪拌を続けた。反応混合物を、CH2Cl2(20mL)で希釈し、水、飽和NaHCO3、ブラインで順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物38fを得た(90.8%)。1H NMR(CDCl3)δ8.28(d,1H,J=1.5Hz),7.69(d,1H,J=1.5Hz),7.64(d,2H,J=7.0Hz),7.44(t,2H,J=7.0Hz),7.35−7.32(m,1H),6.78(d,1H,J=4.0Hz),3.86(s,3H),3.41(s,3H);MS(ESI)m/z270.0(M+Na)+。
(5−フェニルチオフェン−3−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノール(40f)。−78℃で、5mLのTHF中の38f(2.5mmol)の溶液に、アルゴン保護下、THF中のLiAlH4の溶液(1N、1.42mL)を添加し、−20℃で1時間攪拌を続けた。反応混合物を、氷浴上に設置し、20%のH2SO4溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出して、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、5−フェニルチオフェン−3−カルバルデヒド(示されない)を得た(84.8%)。1H NMR(CDCl3)δ9.98(s,1H),8.04(d,1H,J=1.5Hz),7.86(br,1H),7.61−7.58(br,2H),7.47−7.33(m,3H),7.35−7.32(m,1H),6.78(d,1H,J=4.0Hz);MS(ESI)m/z210.9(M+Na)+。5mLのTHF中の5−フェニルチオフェン−3−カルバルデヒド(0.195g、1.04mmoL)の溶液に、3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロミド(0.5N、2.3mL、1.14mmol)のTHF溶液を、0℃で添加した。混合物を30分間攪拌させ、飽和NH4Clで反応を停止させ、エチルエーテルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物40fを得た(70.5%)。1H NMR(CDCl3)δ7.55−7.52(m,2H),7.40−7.35(m,3H),7.30(br,1H),7.20(br,1H),6.72(s,2H),6.01(d,1H,J=3.9Hz),3.86(s,6H),3.85(s,3H),2.42(d,1H,J=3.9Hz);MS(ESI)m/z339.1(M−OH)−。
(5−フェニルチオフェン−3−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1f)。20mLの無水CH2Cl2中の40f(0.260g、0.73mmol)の溶液に、デスマーチン試薬(0.465g、1.36mmol)を添加した。混合物を30分間攪拌させ、飽和Na2S2O3溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色の結晶として純粋な化合物1fを得た(60.9%)。1H NMR(CDCl3)δ7.97(d,1H,J=1.5Hz),7.82(d,1H,J=1.5Hz),7.59−7.57(m,2H),7.45−7.34(m,3H),7.19(s,2H),3.95(s,3H),3.93(s,6H);MS(ESI)m/z355.1(M+H)+。
ピペリジンB環:
(4−フェニルピペリジン−1−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1g)の合成(図2)
(4−フェニルピペリジン−1−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1g)。CH2Cl2(50mL)中の4−フェニルピペリジン41g(5mmol)、EDCI(6mmol)、HOBt(5.5mmol)、およびNMM(6mmol)の溶液に、3,4,5−トリメトキシ安息香酸(5.3mmol)を添加し、室温で一晩攪拌を続けた。反応混合物を、CH2Cl2(100mL)で希釈し、水、飽和NaHCO3、ブラインで順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物1gを得た(57.9%)。1H NMR(CDCl3)δ7.35−7.21(m,5H),6.66(s,2H),4.84(br,1H),3.95(br,1H),3.88(s,6H),3.86(s,3H),3.20−2.87(br,2H),2.85−2.74(tt,1H,J=3.6Hz,J=15.6Hz)1.92(br,2H),1.70(br,2H);MS(ESI)m/z378.1(M+Na)+。
イソオキサゾールB環:
(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1i)の合成(図2)
(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノール(40i)。15mLのTHF中の5−フェニルイソオキサゾール−3−カルバルデヒド38i(0.365g、2.1mmol)の溶液に、3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロミド(0.5N、5.5mL、2.74mmol)のTHF溶液を、0℃で添加した。混合物を30分間攪拌させ、飽和NH4Clで反応を停止させ、エチルエーテルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固体として純粋な化合物40iを得た(48.8%)。1H NMR(CDCl3)δ7.78−7.77(m,2H),7.48−7.46(m,3H),6.74(s,2H),6.45(s,1H),5.98(d,1H,J=3.5Hz)3.89(s,6H),3.86(s,3H),2.77(d,1H,J=3.5Hz);MS(ESI)m/z364.1(M+Na)+。
(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1i)。8mLの無水CH2Cl2中の40i(0.110g、0.73mmoL)の溶液に、デスマーチン試薬(0.274g、0.645mmol)を添加した。混合物を30分間攪拌させ、飽和Na2S2O3溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物1iを得た(70.1%)。1H NMR(CDCl3)δ7.87−7.85(m,2H),7.72(s,2H),7.53−7.49(m,3H),7.05(s,1H),7.82(d,1H,J=1.5Hz),3.97(s,3H),3.96(s,6H);MS(ESI)m/z362.1(M+H)+。
ピラゾールB環:
(3−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1k)の合成(図2)
(3−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(1k)を、化合物1cに使用したものと同じ方法を使用して、3−フェニル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸から調製した。1H NMR(500MHz,CDCl3 δ10.97(br,1H),7.77(s,br,2H),7.48−7.38(m,5H),7.14(s,br,1H),3.96(s,3H),3.94(s,6H);MS(ESI)m/z361.1(M+Na)+,337.0(M−H)−。
実施例2 異なるYリンカーを有する本発明の化合物の合成
本発明の化合物は、異なるYリンカーを有する。異なるYリンカーを有するこのような化合物を、図3および4に従って合成した。
化合物1hを、2−フェニル−4,5−ジヒドロ−チアゾール−4−カルボン酸42aから、前述の3つのステップを通じて合成した(Lu,Y.;Wang,Z.;Li,C.M.;Chen,J.;Dalton,J.T.;Li,W.;Miller,D.D.,Synthesis,in vitro structure−activity relationship, and in vivo studies of 2−arylthiazolidine−4−carboxylic acid amides as anticancer agents.Bioorg Med Chem 2010,18,(2),477−95、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。1hを、ヒドロキシルアミン、NH2OH、またはNH2OCH3との反応により、オキシム異性体2e−シス、トランス、および2f−シス、トランスに変換した。配置は、以下に記載の化学およびスペクトルデータに基づいて行った。改善されたベックマン転位は、容易に、塩化トシルとの反応および続く塩基性酸化アルミニウムカラムを介して、2つの幾何立体異性体2e−シスおよび2e−トランスから、転位アミド2gおよび2hをもたらした。ヒドラジド誘導体2d−シスおよび2d−トランスを、エタノール中で、1hをヒドラジン水和物と混合し、24時間還流させることによって調製した。アクリロニトリル2c−トランス、シスを、1hとシアノメチルホスホン酸ジエチルとのウィッティヒ反応から得た。シアノイミン2jを、Cucciaによって記載される手順を使用して調製した(Cuccia,S.J.;Fleming,L.B.;France,D.J.,A novel and efficient synthesis of 4−phenyl−2−chloropyrimidines from acetophenone cyanoimines.Synthetic Communications 2002,32,(19),3011−3018.、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。化合物1hのカルボニル基はまた、図3に図示されるように、第2級アルコール2bに還元されるか、またはアルケン(2a)に変換される。
1h中のB環とC環との間のカルボニル基を除去しようとする試みにより、図4に示される化合物2iの形成をもたらした。シス−およびトランス−二重結合を、カルボニル位置に導入することにより、化合物(3aおよび3b)を形成し、2−フェニルチアゾール−4−カルバルヒデドとのウィッティヒ反応から合成した。硫化性化合物4a、スルホン4b、およびスルホキシド4cを、3−アミノビフェニルを出発物質として使用して、初期ザンドマイヤー反応を通じてカルボジチオアート52aを得、続くCuI触媒カップリング反応およびm−CPBA酸化により調製した。スルホンアミド結合化合物4dを、DMF中において、NEt3の存在下で、3−ビフェニルスルホニルクロリドと3,4,5−トリメトキシアニリンとの反応から調製した。
(2−フェニル−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン(1h)の合成[図3]
(2−フェニル−チアゾール−4−イル)−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン(1h)。CH2Cl2(50mL)中の2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸(5mmol)、EDCI(6mmol)、およびHOBt(5mmol)の混合物を、10分間攪拌した。この溶液に、NMM(5mmol)およびHNCH3OCH3(5mmol)を添加し、室温で6〜8時間攪拌を続けた。反応混合物を、CH2Cl2(100mL)で希釈し、水、飽和NaHCO3、ブラインで順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミドを得た。CH2Cl2中の2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミド(1当量)の溶液を、0℃に冷却し、蒸留DBU(2当量)を添加した。臭化トリクロロメタン(1.7当量)を、次いで、10分間にわたり、シリンジを介して滴下導入した。反応混合物を、室温まで温め、一晩攪拌した。飽和NH4Cl水溶液(2×50mL)で洗浄した後、水相をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残渣を、必要に応じてフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、2−フェニル−チアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミドを得た(73.6%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.01(s,1H),7.99−7.96(m,2H),7.47−7.44(m,3H),3.88(s,3H),3.49(s,3H)。MS(ESI)m/z271.0(M+Na)+。2mLのTHF中の3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロミド(0.5N、3mL)の溶液に、3mLのTHF中の2−フェニル−チアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミド(1mmol)の溶液を、0℃で充填した。混合物を、アミドがTLCプレート上から見えなくなるまで30分間攪拌した。反応混合物を、飽和NH4Clで反応を停止させ、エチルエーテルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物1hを得た。収率:27.3%。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.29(s,1H),8.03(q,2H),7.80(s,2H),7.49−7.47(m,3H),3.96(s,6H),3.97(s,3H)。MS(ESI)m/z378.1(M+Na)+。
4−(2−メチル−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロプ−1−エニル)−2−フェニルチアゾール(2a)の合成[図3]
4−(2−メチル−1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロプ−1−エニル)−2−フェニルチアゾール(2a)[図3]。−78℃で、5mLのTHF中の223mgのイソプロピルトリフェニルホスホニウムヨージド(0.52mmol)の溶液に、Ar2保護下、ヘキサン中の0.4mLの1.6Nn−BuLiを滴下添加した。そして、混合物を0℃で40分間攪拌した。5mLのTHF中の140mg(0.39mmol)の1hの溶液を、0℃で滴下添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を、飽和NH4C1溶液で処理した。通常の後処理の後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル)により、化合物2a(86mg、57.3%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.98−7.97(m,2H),7.45−7.40(m,3H),6.77(s,1H),6.48(s,2H),3.86(s,3H),3.82(s,6H),2.15(s,3H),1.81(s,3H)。MS(ESI)m/z404.1(M+Na)+。
(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノール(2b)の合成[図3]
2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸(42a)。ベンゾニトリル(40mmol)を、100mLの1:1MeOH/pH6.4リン酸緩衝溶液中で、L−システイン(45mmol)と合わせた。反応物を、3日間40℃で攪拌した。沈殿物を濾過によって除去し、MeOHを、回転蒸発を使用して除去した。残留溶液に、1M HClを添加して、0℃下、pH=2に調節した。結果として得られた沈殿物を濾過して、白色固体の2−フェニル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸42aを得、次のステップで精製なしに直接使用した。
2−フェニルチアゾール−4−カルバルデヒド(42b)。−78℃で、THF中の2−フェニル−チアゾール−4−カルボン酸メトキシメチルアミド(1当量)の溶液に、LiAlH4(1当量、THF中1N)を添加し、−20℃で1時間攪拌した。反応混合物を、氷浴に設置し、20%H2SO4溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、42bを得た(45.8%)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ10.1(s,1H),8.17(s,1H),8.02−8.00(m,2H),7.50−7.48(m,3H)。MS(ESI)m/z244.1(M+Na+MeOH)+。
(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノール(2b)[図3]。0℃で、6mLのTHF中の104mgの42b(0.55mmol、1当量)の溶液に、3,4,5−トリメトキシフェニルマグネシウムブロミド(THF中0.5N、2.9mL)を添加した。混合物を、アルデヒドがTLCプレート上から見えなくなるまで30分間攪拌した。反応混合物を、飽和NH4Clで反応を停止させ、エチルエーテルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物(2b)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.95−7.92(m,2H),7.44−7.43(m,4H),6.97(s,1H),6.76(s,2H),5.93(d,1H,J=3.6Hz),3.86(s,9H)。MS(ESI)m/z402.1(M+Na)+。
(Z)−3−(2−フェニルチアゾール−4−イル)−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アクリロニトリル(2c−トランス)および(E)−3−(2−フェニルチアゾール−4−イル)−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アクリロニトリル(2c−シス)の合成[図3]
(Z)−3−(2−フェニルチアゾール−4−イル)−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アクリロニトリル(2c−トランス)。ヘキサン中の2.5N n−BuLi0.4mLと10mLのTHFとの溶液に、Ar2下、0℃で、5mLのTHF中の177mg(1mmol)のシアノメチルホスホン酸ジエチルの溶液を滴下添加した。氷浴を除去し、混合物を25℃で40分間攪拌した。10mLのTHF中の200mg(0.56mmol)の1hの溶液を、0℃で滴下添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を、飽和NH4C1溶液で処理した。通常の後処理の後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル)により、化合物2c−トランス(83mg)および2c−シス(76mg)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.01−7.99(m,2H),7.44−7.40(m,3H),7.21(s,1H),6.74(s,2H),6.67(s,1H),3.93(s,3H),3.89(s,6H)。MS(ESI)m/z401.1(M+Na)+。
(E)−3−(2−フェニルチアゾール−4−イル)−3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)アクリロニトリル(2c−シス)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.07−8.05(m,2H),7.49−7.46(m,4H),6.66(s,2H),5.64(s,1H),3.91(s,3H),3.86(s,6H)。MS(ESI)m/z401.1(M+Na)+。
(Z)−4−(ヒドラゾノ(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチル)−2−フェニルチアゾール(2d−シス)および(E)−4−(ヒドラゾノ(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチル)−2−フェニルチアゾール(2d−トランス)の合成[図3]
(Z)−4−(ヒドラゾノ(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチル)−2−フェニルチアゾール(2d−シス)。3mLのCH2Cl2中の1h(230mg、0.65mmol)と3mLのエタノールとの混合物に、ヒドラジン水和物(2mL)を添加した。次いで、混合物を、一晩還流した。反応の完了後、残渣をシリカゲル上に吸収させ、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物2d−シス(80mg)および2d−トランス(56mg)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.01−7.98(m,2H),7.49−7.46(m,5H),7.33(s,1H),6.82(s,2H),3.87(s,3H),3.85(s,6H)。MS(ESI)m/z370.1(M+H)+。
(E)−4−(ヒドラゾノ(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチル)−2−フェニルチアゾール(2d−トランス)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.04−8.01(m,2H),7.44−7.40(m,3H),6.95(s,1H),6.65(s,2H),5.62(s,2H),3.93(s,3H),3.87(s,6H)。MS(ESI)m/z370.1(M+H)+。
(Z)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム(2e−シス)および(E)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム(2e−トランス)の合成[図3]
(Z)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム(2e−シス)10mLのエタノール中の1h(210mg、0.59mmol)の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(127mg、1.83mmol)を添加した。次いで、2mLの1N NaOHを、反応混合物に滴下添加し、混合物を55℃で3時間攪拌した。反応の完了後、残渣をシリカゲル上で吸収させ、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物2e−シス(85mg)および2e−トランス(50mg)を得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.95(s,1H),8.35(s,1H),7.91−7.89(m,2H),7.50−7.44(br,3H),6.85(s,2H),3.73(s,6H),3.70(s,3H)。MS(ESI)m/z393.1(M+Na)+;368.9(M−H)−。
(E)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンオキシム2e−トランス)。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.49(s,1H),7.92−7.89(m,2H),7.64(s,1H),7.51−7.49(m,3H),7.34(s,1H),6.75(s,2H),3.75(s,6H),3.72(s,3H)。MS(ESI)m/z393.1(M+Na)+;368.9(M−H)−。
(Z)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンO−メチルオキシム(2f−シス)および(E)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンO−メチルオキシム(2f−トランス)の合成[図3]
(Z)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンO−メチルオキシム(2f−シス)。10mLのピリジン中の1h(110mg、0.59mmol)の懸濁液に、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(52mg、0.63mmol)を添加し、混合物を、60℃で一晩攪拌した。反応を1N HCl溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物2f−シス(41mg)および2f−トランス(33mg)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.13(s,1H),7.96−7.94(m,2H),7.45−7.44(m,3H),6.94(s,2H),4.13(s,3H),3.91(s,6H),3.88(s,3H)。MS(ESI)m/z407.2(M+Na)+。
(E)−(2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノンO−メチルオキシム(2f−トランス)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.00−7.98(m,2H),7.44−7.43(m,3H),7.28(s,1H),6.70(s,2H),4.08(s,3H),3.91(s,6H),3.85(s,3H)。MS(ESI)m/z407.0(M+Na)+。
2−フェニル−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド(2g)の合成
2−フェニル−N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾール−4−カルボキサミド(2g)。5mLのCH2Cl2中の2e−シス(21mg、0.06mmol)の溶液に、p−トルエンスルホニルクロリド(23mg、0.12mmol)およびNaH(5mg、軽鉱油中60%)を添加した。次いで、反応混合物を20分間攪拌した。反応の完了後、残渣をシリカゲル上に吸収させ、Al2O3カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物2g(15mg)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.22(s,1H),8.19(s,1H),8.02−7.99(m,2H),7.52−7.50(m,3H),7.07(s,2H),3.92(s,6H),3.85(s,3H)。MS(ESI)m/z371.1(M+H)+。
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−フェニルチアゾール−4−イル)ベンズアミド(2h)の合成[図3]
3,4,5−トリメトキシ−N−(2−フェニルチアゾール−4−イル)ベンズアミド(2h)。5mLのCH2Cl2中の2e−トランス(26mg、0.07mmol)の溶液に、p−トルエンスルホニルクロリド(27mg、0.14mmol)およびNaH(5mg、軽鉱油中60%)を添加した。次いで、反応混合物を20分間攪拌した。反応の完了後、残渣をシリカゲル上に吸収させ、Al2O3カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物2h(15mg)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.88(s,1H),7.94−7.91(m,2H),7.83(s,1H),7.48−7.46(m,3H),7.18(s,2H),3.97(s,6H),3.94(s,3H)。MS(ESI)m/z393.1(M+Na)+。
N−((2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチレン)シアナミド(2j)の合成[図3]
N−((2−フェニルチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチレン)シアナミド(2j)。100mgの1h(0.28mmol、1当量)を、10mLの塩化メチレン中に溶解した。塩化メチレン中の四塩化チタン(1.0N、0.7mL、2.5当量)を、0℃で滴下添加し、30分間攪拌した。2mLの塩化メチレン中のビス−トリメチルシリルカルボジイミド(2.4当量)を添加し、反応を、空気および湿気から保護して一晩攪拌した。反応を、氷水混合物で処理し、続いて塩化メチレンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介して濾過し、濃縮して、粗アセトフェノンシアノイミンを得、3:7の比率を有する異性体として、フラッシュカラムによって精製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.72(br,0.3H),8.63(s,0.7H),8.09−8.07(m,1.4H),7.99(br,0.6H),7.58−7.56(br,3H),7.26(s,1.4H),7.18(s,0.6H),3.84,3.83(s,s,6H),3.82(s,3H)。MS(ESI)m/z402.1(M+Na)+。
N−((4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メチレン)シアナミド(32)。
N−((4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニルチアゾール−4−イル)メチレン)シアナミド(32)を、2jの合成からの副生成物として得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.23(s,1H),8.02(m,2H),7.92(s,2H),7.55(m,3H),6.02(s,1H),3.99(s,6H)。MS(ESI)m/z364.1(M+H)+。
(Z)−2−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシスチリル)チアゾール(3a)および(E)−2−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシスチリル)チアゾール(3b)の合成[図4]
(Z)−2−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシスチリル)チアゾール(3a)。トリフェニルホスフィン(3.41g、13mmol)を、無水THF(30mL)中の5−(ブロモメチル)−1,2,3−トリメトキシベンゼン(2.61g、10mmol)の溶液に添加した。混合物を、6時間攪拌しながら還流した。結果として得られた白色固体を濾過し、エーテル/ヘキサンで洗浄し、生成物3,4,5−トリメトキシベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドを、96.4%の収率で得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.77−7.73,7.65−7.61(m,15H),6.44(d,2H,J=1.5Hz),5.37(d,2H,J=14Hz),3.76(s,3H),3.51(d,6H);MS(ESI)m/z443.1(M−Br)+。−78℃で、n−BuLi(0.42mL、ヘキサン中2.5N)を、10mLのTHF中の3,4,5−トリメトキシベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド(500mg、0.96mmol)の溶液に添加した。室温で2時間攪拌した後、3mLのTHF中のアルデヒド42b(109mg、0.58mmol)を充填し、30分間攪拌した。反応混合物を、飽和NH4C1溶液で処理した。通常の後処理の後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル)により、化合物3a(57mg)および3b(99mg)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.90−7.89(m,2H),7.42−7.40(m,3H),7.07(s,1H),6.71(s,2H),6.66(s,1H),3.87(s,6H),3.75(s,3H);MS(ESI)m/z376.1(M+Na)+。
(E)−2−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシスチリル)チアゾール(3b)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.03−8.01(m,2H),7.52(d,1H,J=16Hz),7.47−7.44(m,3H),7.16(s,1H),7.05(d,1H,J=16Hz),6.79(s,2H),3.92(s,6H),3.88(s,3H)。MS(ESI)m/z354.1(M+H)+。
ビフェニル−3−イル(3,4,5−トリメトキシフェニル)スルファン(4a)、3−(3,4,5−トリメトキシフェニルスルホニル)ビフェニル(4b)および3−(3,4,5−トリメトキシフェニルスルフィニル)ビフェニル(4c)の合成[図4]
S−ビフェニル−3−イルO−エチルカルボジチオアート(52a)。0℃で、水(7.3mL)中の1当量のビフェニル−3−アミン(1g、5.92mmol)の溶液に、濃塩酸(1mL)を添加した。水(3mL)中の1.1当量の亜硝酸ナトリウム(450mg、6.5mmol)の冷溶液を、ゆっくりと添加し、15分間攪拌した。ジアゾニウム冷溶液を、45℃で、水(1.3mL)中の1.3当量のエチルキサントゲン酸カリウム(1.16g、1.3mmol)の溶液にゆっくりと添加した。反応混合物を、45℃でさらに30分間攪拌し、次いで、室温まで冷却した。反応混合物をジエチルエーテル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、1N NaOH溶液(100mL)、水(3×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。結果として得られた粗キサントゲン酸塩52aを、さらなる精製なしに次のステップで直接使用した。MS(ESI)m/z275.0(M+H)+。
ビフェニル−3−イル(3,4,5−トリメトキシフェニル)スルファン(4a)。エタノール(8mL)中の52a(1.1g、粗化合物)の溶液に、水酸化カリウム(2.1g、12mL)を添加し、加熱して一晩還流させた。溶液を室温まで冷却し、減圧下で蒸発させた。残渣を水に溶解し、ジエチルエーテル(10mL)で洗浄した。水相を、2N HClで酸性にし、ジエチルエーテル(3×50mL)で抽出した。有機抽出物を、水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、0.85g(77.3%)の粗ビフェニル−3−チオール生成物を得た(全体で3つのステップ)。磁気的に攪拌される丸底フラスコに、0.1g(1.04mmol)のナトリウムtert−ブトキシドおよび83mgのヨウ化銅(0.43mmol)を入れた。反応容器を密封した後、3.0mLのトルエン中の、0.13g(0.71mmol)の4−メトキシベンゼンチオールおよび0.19g(0.65mmol)の5−ヨード−1,2,3−トリメトキシベンゼンを、隔膜を通じて注入した。反応混合物を110℃で一晩加熱した。精製を、フラッシュクロマトグラフィーによって行い、非晶質固体を得た(40%の収率)。1H NMR(500MHz、CDCl3)δ7.54−7.52(m,3H),7.44−7.41(m,3H),7.37−7.33(m,2H),7.23(s,br,1H),6.69(s,2H),3.86(s,3H),3.80(s,6H)。MS(ESI)m/z353.2(M+H)+。
3−(3,4,5−トリメトキシフェニルスルホニル)ビフェニル(4b)。60mg(0.17mmol)の化合物4aおよび5mLのジクロロメタンの溶液に、2当量のm−CPBAを、3時間にわたって非常にゆっくりと添加した。スルホキシドの形成を、薄層クロマトグラフィーによって監視した。精製をフラッシュクロマトグラフィーカラムを用いて行い、非晶質粉末の(4b)を得た(73%の収率)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.14(br,1H),7.89(d,1H),7.78(d,1H),7.59−7.56(m,3H),7.49−7.39(m,3H),7.19(s,2H),3.89(s,6H),3.87(s,3H)。MS(ESI)m/z385.0(M+Na)+。
3−(3,4,5−トリメトキシフェニルスルフィニル)ビフェニル(4c)。0℃で、500mg(1.42mmol)の化合物(4a)および5mLのジクロロメタンの溶液に、1当量のm−CPBAを、3時間にわたって非常にゆっくりと添加した。スルホキシドの形成を、薄層クロマトグラフィーによって監視した。精製をフラッシュクロマトグラフィーカラムを用いて行い、非晶質粉末の(4c)を得た(87%の収率)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.92(br,1H),7.71(d,2H),7.62−7.60(m,3H),7.58−7.40(m,4H),6.94(s,2H),3.79(s,3H),3.74(s,6H)。MS(ESI)m/z369.1(M+H)+。
N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ビフェニル−3−スルホンアミド(4d)の合成[図4]
N−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ビフェニル−3−スルホンアミド(4d)。5mLのDMF中の65mgのビフェニル−3−スルホニルクロリド(0.25mmol)、44mgの3,4,5−トリメトキシアニリン(0.24mmol)、および0.3mmolのトリエチルアミンの混合物を、一晩攪拌した。反応混合物を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。通常の後処理の後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル)により、88mgの化合物(4d)を得た(91.7%)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.96(t,1H,J=1.8Hz),7.81−7.74(m,2H),7.57−7.40(m,6H),6.33(s,2H),3.86(s,3H),3.80(s,6H)。MS(ESI)m/z422.1(M+Na)+。
2−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾール(2i)[図4]
2−フェニル−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)チアゾール(2i)。臭素(160mg、1mmol)を、攪拌したエタノール(30mL)中の1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エタノン(210mg、1mmol)の溶液に滴下添加し、その溶液を0℃で1時間攪拌し、水に注いで沈殿物を形成した。これを、エタノールから再結晶化させ、ブロモアセトフェノン(70%)を得、次のステップで直接使用した。エタノール中のブロモアセトフェノン(288mg、1mmol)およびベンゾチオアミド(137mg、1mmol)の混合物を、1時間還流した。反応混合物を、真空で濃縮し、フラッシュカラムで精製して、2i(167mg、51.1%)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.05−8.03(m,2H),7.48−7.44(m,3H),7.41(s,1H),7.22(s,2H),3.97(s,6H),3.89(s,3H)。MS(ESI)m/z350.1(M+Na)+。
実施例3 異なる「A」環および/または置換「A」環を有するメトキシベンゾイルチアゾール化合物の合成
本発明の化合物は、フェニルまたはインドリル等、異なる置換もしくは非置換のA環を有する。このような化合物を、図5および6に従って合成した。
ヒドロキシルおよびアミノメチルを、フェニルA環のパラ位に導入し、同様に、フェニルを、5−インドリルおよび2−インドリル環で置き換えた。ワインレブアミド57a、61a、65a、および67aを、アリールニトリルを出発物質として使用して、図5に提示される手順によって調製した。2−シアノ−インドール60aを、標準的な手順に従って調製した(Pletnev,A.A.;Tian,Q.;Larock,R.C.,Carbopalladation of nitriles:synthesis of 2,3−diarylindenones and polycyclic aromatic ketones by the Pd−catalyzed annulation of alkynes and bicyclic alkenes by 2−iodoarenenitriles.J Org Chem 2002,67(26),9276−87、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。ヒドロキシル(TBDMSCl)、インドリル(PhSO2Cl)、およびアミノ(Boc2O)基の保護を、調製に使用した。TBDMSの脱保護およびチアゾリン(58a)からチアゾール(2l)への酸化は、TBAF/THF溶液を使用して、1ステップで行った。このチアゾリン−チアゾールの酸化は、チアゾリンワインレブアミドとグリニャール試薬との反応中に、自発的に生じる。同じ現象が、インドール化合物62aおよび66aの調製中にも観察される。
化合物62aを、さらなる酸化を要することなく、3,4,5−トリメトキシフェニルリチウムとの反応後、純粋なチアゾール化合物として分離した。化合物66aを、高温NaOHエタノール溶液中、フェニルスルホニル保護基を除去することによって得た。2lおよび2rのA環上のパラ−OHおよびNH2を、同様のグリニャール反応によって、ワインレブアミド58aおよび68aから得た。化合物2rを、さらに、NaH/MeI条件、およびHCHO/NaBH3CN条件下のジメチルアミン2uを使用して、HCl塩(2r−HCl)およびモノメチルアミンのHCl塩2s−HClに、変換した。
置換A環:
(2−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(2l)の合成[図5]
(R)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−N−メトキシ−N−メチル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(57a)を、38dに使用したものと同じ方法を使用して合成した。定量的収率。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.56(d,2H,J=8.5Hz),6.84(br,1H),6.73(d,2H,J=8.5Hz),5.64(t,br,1H),3.87(s,3H),3.30(s,3H)。MS(ESI)m/z289.0(M+Na)+,264.9(M−H)−。
(R)−(2−(4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(58a)を、(35a)に使用したものと同じ方法を使用して合成した−実施例1を参照されたい。67.0%の収率。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.73(d,2H,J=8.7Hz),7.61(s,2H),6.83(d,2H,J=8.7Hz),5.95(dd,1H,J=8.1Hz,9.0Hz),4.09,(dd,1H,J=7.8Hz,11.1Hz),3.95(s,3H),3.94(s,6H),3.55(dd,1H,J=9.3Hz,11.1Hz),0.97(s,9H),0.19(s,6H)。MS(ESI)m/z510.4(M+Na)+,486.0(M−H)−。
(2−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(2l)。0℃で、5mLのCH2Cl2中の58a(0.2mmol)の溶液に、THF中のフッ化テトラブチルアンモニウム(1N、0.6mmol)の溶液を添加し、反応がTLCモニタによって終了するまで、室温でおおよそ14時間攪拌した。67.0%の収率。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ10.1(s,1H),8.51(s,1H),7.85(d,2H,J=8.50Hz),7.62(s,2H),6.91(d,2H,J=8.5Hz),3.86(s,6H),3.79(s,3H)。MS(ESI)m/z394.1(M+Na)+,369.9(M−H)−。
(2−(4−(アミノメチル)フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(2rまたは2r−HCl)[図5]
(R)−tert−ブチル4−(4−(メトキシ(メチル)カルバモイル)−4,5−ジヒドロチアゾール−2−イル)カルバミン酸ベンジル(67a)。4−(アミノメチル)ベンゾニトリル(25.09g、0.149mol)およびL−システイン(18.1g、0.149mol)を、500mLのMeOHおよびpH6.4緩衝液の溶液(1:1)中に懸濁し、室温で3日間攪拌した。トリエチルアミン(30mL)を混合物に添加し、Boc2O(68g、0.31mol)をこの混合物に添加し、2時間攪拌した。溶媒を除去し、濾過して、白色固体の(R)−2−(4−((tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチル)フェニル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸(38.4g、76.8%)を得た。化合物67aを、38dに使用したものと同じ方法に従って、この酸から得た。収率:84.4%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.75−7.77(d,2H,J=7.5Hz),7.27−7.26(d,2H,J=7.5Hz),7.23(s,1H),5.62(br,1H),4.87(br,1H),4.30(br,2H),3.86(s,3H),3.78(t,J=10.0Hz,1H),3.48−3.4(m,1H),3.25(s,3H),1.42(s,9H)。MS(ESI)m/z402.1(M+Na)+,378.0(M−H)−。
tert−ブチル4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)チアゾール−2−イル)カルバミン酸ベンジル(68a)。CH2Cl2(20mL)中の67a(2.5mmol)、CBrCl3(3.2mmol)、およびDBU(5.0mmol)の混合物を、一晩攪拌した。反応混合物を、シリカゲル上に吸収させ、カラムクロマトグラフィーによって精製して、中間体チアゾールワインレブアミドを得た。THF中の(3,4,5−トリメトキシフェニル)マグネシウムブロミド(0.5M、5.5mL)の溶液に、0℃下、10mLのTHF中の中間体チアゾールワインレブアミド(1.83mmol)の溶液を添加し、30分間攪拌した。反応混合物を、飽和NH4Clで反応を停止させ、エチルエーテルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色固体として純粋な化合物を得た(32.3%)。1H NMR(300M,CDCl3)δ8.27(s,1H),7.98(d,2H,J=8.1Hz),7.78(s,2H),7.39(d,2H,J=8.1Hz),7.27−7.26(d,2H,J=7.5Hz),7.23(s,1H),4.93(br,1H),4.37(br,d,1H),3.96(s,3H),3.95(s,6H),1.47(s,9H);MS(ESI)m/z507.1(M+Na)+。
(2−(4−(アミノメチル)フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(2rまたは2r−HCl)。0℃で、10mLのCH2Cl2中の68a(200mg)の溶液に、1,4−ジオキサン中のHCl(4N、2mL)の溶液を添加し、室温で4時間攪拌した。沈殿物(2r)を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。収率:81.3%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ8.68(s,1H),8.38(br,3H),8.10(d,2H,J=8.4Hz),7.66(d,2H,J=8.4Hz),7.62(s,2H),4.11(s,2H),3.87(s,6H),3.80(s,3H)。MS(ESI)m/z385.1(M+H)+。
(2−(4−((ジメチルアミノ)メチル)フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(2uまたは2u−HCl)[図5]
tert−ブチルメチル(4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)チアゾール−2−イル)ベンジル)カルバミン酸(71a)。0℃で、5mLのDMF中の化合物68a(100mg、0.2mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(10mg、0.2mmol)を添加し、次いでヨードメタン(77mg、0.4mmol)を反応混合物に添加し、室温で一晩攪拌した。混合物を、飽和NaHCO3溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物71aを得た。収率:61.3%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ8.30(s,1H),8.02(d,2H,J=8.0Hz),7.82(s,2H),7.36(br,2H),4.50(s,2H),4.00(s,3H),3.98(s,6H),2.90(d,br,3H),1.50(s,9H)。MS(ESI)m/z521.2(M+Na)+,496.9(M−H)−。
(2−(4−((メチルアミノ)メチル)フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(2sまたは2s−HCl)。0℃で、5mLのCH2Cl2中の71a(60mg)の溶液に、1,4−ジオキサン中のHCl(4N、2mL)の溶液を添加し、室温で一晩攪拌した。沈殿物(2s−HCl)を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。収率:81.3%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ10.0(s,1H),8.29(s,1H),8.05(d,2H,J=6.0Hz),7.74(s,2H),7.72(d,2H,J=6.0Hz),4.15(s,2H),3.99(s,3H),3.96(s,6H),2.61(s,3H)。MS(ESI)m/z399.1(M+H)+。
(2−(4−((ジメチルアミノ)メチル)フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(2uまたは2u−HCl)。5mLのCH2Cl2中の2r(53mg、0.14mmol)の溶液に、ホルムアルデヒド溶液(H2O中37%、340mg、4.2mmol)、およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(34mg、0.55mmol)を添加し、反応混合物をシリカゲル上に吸収させ、遊離塩基をフラッシュカラムの後に精製した(41mg、70.9%)。0℃で、5mLのCH2Cl2中の遊離塩基(41mg)の溶液に、1,4−ジオキサン中のHClの溶液(4N、2mL)を添加し、室温で一晩攪拌した。沈殿物(2u)を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。収率:71.3%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ13.0(s,1H),8.34(s,1H),8.13(d,2H,J=7.0Hz),7.82(d,2H,J=7.5Hz),7.75(s,2H),4.24(s,2H),3.99(s,3H),3.97(s,6H),2.83(s,6H)。MS(ESI)m/z413.1(M+H)+。
2−(4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトニトリル(2n)
2−(4−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)チアゾール−2−イル)フェニル)アセトニトリル(2n)を、化合物1hに使用したものと同じ方法を使用して、テレフタロニトリルおよびシステインから調製した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.30(s,1H),8.04(d,2H),7.76(s,2H),7.46(d,2H),3.97(s,3H),3.95(s,6H),3.83(s,2H)。
(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(2o)の合成
(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(2o)を、化合物1hに使用したものと同じ方法を使用して、4−(ジメチルアミノ)ベンゾニトリルおよびシステインから調製した。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.12(s,1H),7.88(d,2H),7.80(s,2H),6.73(d,2H),3.96(s,3H),3.95(s,6H),3.05(s,6H);MS(ESI)m/z421.1(M+Na)+。
インドリルA環:
(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(62a)の合成[図5]
1H−インドール−2−カルボニトリル(60a)。60mLのEt2O中の無水インドール−2−カルボン酸(2.0g、12.4mmol)の冷溶液に、1.9mLのSOCl2(26mmol)を添加した。室温で40分間攪拌した後、エーテルを、35℃を超えない温度で減圧下において除去した。得られた塩化アシルを、40mLの無水Et2O中に溶解し、結果として得られた溶液を、即座に、攪拌した80mlのEt2O中の液体アンモニアの溶液に添加した。反応混合物を、室温で24時間攪拌した。溶媒を、次いで減圧下で蒸発させ、白色のインドール−2−カルボキサミドを50%のEtOH水溶液から結晶化し、空気中で乾燥させ、その後、それをPOCl3中に溶解し、5分間、還流下で加熱した。冷却した溶液を、砕いた氷の上に注ぎ、NH4OH水溶液を添加して塩基性pHを維持した。混合物水溶液をEt2Oで抽出し、抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、蒸発させた。茶色のインドール−2−カルボニトリル60a(インドール−2−カルボン酸からの全収率63.3%)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.56(br,s,1H),7.68(d,1H,J=8.0Hz),7.43−7.34(m,2H),7.24−7.21(m,2H)。MS(ESI)m/z144.0(M+H)+,140.8(M−H)−。
(R)−2−(1H−インドール−2−イル)−N−メトキシ−N−メチル−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(61a)を、38dに使用したものと同じ方法を使用して合成した。67.1%の収率。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.06(s,br,1H),7.64(d,2H,J=8.1Hz),7.36−7.24(m,2H),7.12(dt,1H,J=8.1Hz,1.2Hz),6.95(d,1H,J=1.8Hz),5.60(t,br,1H,J=8.7Hz),3.86(s,3H),3.78(t,1H,J=10.2Hz),3.58(dd,1H,J=9.0Hz,10.2Hz),3.30(s,3H)。MS(ESI)m/z312.1(M+Na)+,287.9(M−H)−。
(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(62a)を、35aに使用したものと同じ方法を使用して合成した。45.8%の収率。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ9.26(s,1H),8.11(s,1H),7.66(d,1H,J=8.0Hz),7.46(s,2H),7.42(d,1H,J=8.0Hz),7.29(t,1H,J=7.5Hz),7.16(t,1H,J=7.5Hz),7.10(s,1H),3.97(s,3H),3.93(s,6H)。MS(ESI)m/z417.1(M+Na)+,392.9(M−H)−。
(2−(1H−インドール−5−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(66a)の合成[図5]
(R)−2−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−5−イル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸(64a)。(R)−2−(1H−インドール−5−イル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸63aを、42aに使用したものと同じ方法を使用して、1H−インドール−5−カルボニトリルから合成し、さらなる精製なしに使用した。0℃で、激しく攪拌しているトルエン(10mL)中の63a(1mmol)および硫酸水素テトラブチルアンモニウム(0.15mmol)の溶液に、50%水酸化ナトリウム水溶液(10mL)およびスルホニルクロリド(2mmol)を添加した。結果として得られた溶液を、室温で6時間攪拌した。続いて、1N HClを添加して、混合物をpH=2まで酸性にし、CH2Cl2で抽出し、有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、次いで蒸発乾固させて64aを得、それをさらなる精製なしに後続のステップで使用した。
(R)−N−メトキシ−N−メチル−2−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−5−イル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボキサミド(65a)を、38dに使用したものと同じ方法で64aから調製した。57.1%の収率。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.92(m,2H),7.77(m,3H),7.51(d,1H,J=3.0Hz),7.46(t,1H),7.35(t,1H),6.61(d,1H),5.58(br,t,1H)3.82(s,3H),3.73(t,1H),3.43(m,1H),3.21(s,3H)。MS(ESI)m/z452.1(M+Na)+。
(2−(1H−インドール−5−イル)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(66a)。8mLのTHF中のn−BuLi(1.6M、1.7mL)の溶液に、−78℃下、3mLのTHF中の3,4,5−トリメトキシブロモベンゼン(2.47mmol)の溶液を添加した。混合物を2時間攪拌させ、3mLのTHF中のワインレブアミド65a(1.24mmol)の溶液を充填した。温度を室温で上昇させ、一晩攪拌した。反応混合物を、飽和NH4Clで反応を停止させ、エチルエーテルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それを5mLのエタノール溶液中の1N NaOHで還流させて、脱保護した化合物66aを得、カラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色固体として純粋な化合物を得た(36.3%)。1H NMR(300M,CDCl3)δ8.36(br,s,1H),8.31(s,1H),8.21(s,1H),7.92,7.89(dd,1H,J=1.8,2.7Hz),7.46(d,1H,)7.62(s,2H,J=8.7Hz),7.29(t,1H,J=2.7Hz),6.64(br,1H),3.97(s,6H),3.97(s,3H);MS(ESI)m/z417.1(M+Na)+,392.9(M−H)−。
(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(1H−インドール−2−イル)メタノン(8)の合成。
(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(1H−インドール−2−イル)メタノン(8)を、化合物1hに使用したものと類似の方法を使用して、2−(1H−インドール−2−イル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸およびシステインから調製した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ9.39(s,1H),8.54(s,1H),8.46(s,1H),8.06(s,1H),8.03(dd,1H),7.66(d,1H),7.51(d,1H),7.41(d,1H),7.33(t,1H),7.29(d,1H),7.15(t,1H),7.09(d,1H),6.72(s,1H)。MS(ESI)m/z366.1(M+Na)+,341.9(M−H)−。
(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(1H−インドール−5−イル)メタノン(21)の合成。
(2−(1H−インドール−2−イル)チアゾール−4−イル)(1H−インドール−5−イル)メタノン(21)を、化合物1hに使用したものと類似の方法を使用して、2−(1H−インドール−2−イル)−4,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸およびシステインから調製した。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ9.60(s,1H),9.26(s,1H),8.31(s,1H),8.03(s,1H),7.83(dd,1H),7.69(d,1H),7.53−7.49(m,2H),7.41(t,1H),7.33(t,1H),7.21−7.18(m,2H),7.13(s,1H)。MS(ESI)m/z366.1(M+Na)+,341.9(M−H)−。
実施例4 窒素リンカー(X=NH)を有する本発明の化合物の合成
バイオアベイラビリティを改善するために、NHリンカーを、Aフェニル環とBチアゾール環の間に導入した。この新しい系列の化合物を、図6に示されるように合成した。エタノール中、65℃下、3−ブロモ−2−オキソプロパン酸エチルエステルおよびアリールチオ尿素の反応により、2−(アリールアミノ)−チアゾール−4−カルボン酸73a〜dを高収率で得た。これらの酸を、ワインレブアミド74a〜dに変換し、続いて、3,4,5−トリメトキシフェニルリチウムと反応させて、HCl塩5Ha〜dに変換することが可能なアニリン結合遊離塩基5a〜dを得た。
(2−(フェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン誘導体(5a〜d)およびそれらのHCl塩の合成[図6]
2−(アリールアミノ)チアゾール−4−カルボン酸(37a〜d)の合成の一般手順。N−アリールチオ尿素(0.01mol)およびブロモピルビン酸エチル(0.011mol)を、3mLのエタノールに溶解し、2時間、還流で保持した。反応物を冷却し、結晶質のエチル2−(置換フェニルアミノ)チアゾール−4−カルボン酸塩を濾過によって収集し、エタノールで洗浄した。エチルエステルとNaOH−エタノール溶液との混合物を還流することにより、最終化合物73a〜dを得、次のステップで直接使用した。
N−メトキシ−N−メチル−2−(アリールアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド(74a〜d)を、38dに使用したものと同じ方法を使用して合成した(実施例1、図2を参照されたい)。
N−メトキシ−N−メチル−2−(フェニルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド(74a)。90.2%の収率。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.39(s,2H),7.38(br,1H),7.36−7.33(m,br,4H),7.09(t,br,1H),3.77(s,3H),3.43(s,3H),2.33(s,3H)。MS(ESI)m/z286.0(M+Na)+。
N−メトキシ−N−メチル−2−(p−トリルアミノ)チアゾール−4−カルボキサミド(74b)。93.3%の収率。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.35(s,1H),7.31(br,1H),7.22(d,2H),7.16(d,2H),3.76(s,3H),3.42(s,3H),2.33(s,3H)。MS(ESI)m/z278.0(M+H)+。
2−(4−フルオロフェニルアミノ)−N−メトキシ−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミド(74c)。89.7%の収率。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.36(s,1H),7.36−7.31(m,2H),7.07−7.04(m,6H),3.76(s,3H),3.42(s,3H)。MS(ESI)m/z282.0(M+Na)+,280.8(M−H)−。
2−(4−クロロフェニルアミノ)−N−メトキシ−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミド(74d)。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.66(s,br,1H),7.41(s,1H),7.34(d,2H),7.29(d,2H),3.76(s,3H),3.42(s,3H)。MS:295.8(M−1)−;320.0(M+Na)+。
(2−(アリールアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5a〜d)の合成の一般手順。−78℃で、30mLのTHF中の5−ブロモ−1,2,3−トリメトキシベンゼン(1.235g、5.0mmol)の溶液に、Ar2保護下、ヘキサン中のn−BuLi(2.5N、2.4mL、6mmol)を充填し、10分間攪拌した。10mLのTHF中のワインレブアミド74a〜d(1mmol)を、リチウム試薬に添加し、室温で2時間攪拌させた。反応混合物を、飽和NH4Clで反応を停止させ、エチルエーテルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物(5a〜d)を得た。
(2−(フェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5a)。33.3%の収率。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ10.4(s,1H),7.85(s,1H),7.68(d,2H,J=8.0Hz),7.31(t,2H,J=8.0Hz),6.98(t,1H,J=8.0Hz),3.83(s,6H),3.78(s,3H)。MS(ESI)m/z393.1(M+H)+,368.9(M−H)−。
(2−(p−トリルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5b)。40.6%の収率。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.48(s,1H),7.47(s,2H),7.30(br,1H),7.27(d,2H,J=8.5Hz),7.17(d,2H,J=8.5Hz),3.93(s,3H)。3.90(s,6H),2.34(s,3H)。MS(ESI)m/z385.1(M+H)+,382.9(M−H)−。
(2−(p−フルオロフェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5c)。39.6%の収率。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.52(br,1H),7.49(s,1H),7.45(s,2H),7.40−7.37(q,2H,J=4.5Hz),7.08−7.04(t,2H,J=8.0Hz),3.93(s,3H),3.89(s,6H)。MS(ESI)m/z389.3(M+H)+,386.9(M−H)−。
(2−((4−クロロフェニル)アミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5d)を、5aに使用したものと同じ方法を使用して、1−(4−クロロフェニル)チオ尿素およびブロモピルビン酸エチルから調製した。融点:165〜166℃。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.60(s,br,1H),7.56(s,1H),7.47(s,2H),7.38(d,2H),7.31(d,2H),3.94(s,3H),3.89(s,6H)。MS:402.9(M−1)−;427.0(M+Na)+。
塩酸塩(5Ha〜c)の合成の一般手順。0℃で、5mLのCH2Cl2中の化合物5a〜c(0.1mmol)の溶液に、1,4−ジオキサン中のHClの溶液(4N、2mL)を添加し、室温で一晩攪拌した。沈殿物5Ha〜cを収集し、ジエチルエーテルで洗浄した。
(2−(フェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Ha)。91.6%の収率。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ12.9(br,1H),7.49−7.46(m,2H),7.42−7.40(m,2H),7.37−7.34(m,br,2H),7.11(s,2H),3.94(s,3H),3.92(s,6H)。MS(ESI)m/z389.1(M+H)+。
(2−(p−トリルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Hb)。39.6%の収率。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.30−7.25(m,br,5H),7.12(s,2H),3.94(s,3H),3.92(s,6H),2.38(s,3H)。MS(ESI)m/z389.1(M+H)+。
(2−(p−フルオロフェニルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン塩酸塩(5Hc)。89.3%の収率。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ10.55(s,1H),7.85(s,1H),7.72−7.69(q,2H,J=4.5Hz),7.50(s,2H),7.18−7.15(t,2H,J=8.5Hz),4.30(br,1H),3.82(s,6H),3.78(s,3H)。MS(ESI)m/z389.3(M+H)+。
(2−(フェニルアミノ)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5e)の合成
2,2−ジエトキシ−N−(イミノメチレン)エタンアミン(a)。エーテル(20mL)中のアミノアセトアルデヒドジエチルアセタール(5.32g、40mmol)の溶液を、室温で、ヘキサン(20mL)中のCNBr(4.22g、40mmol)の懸濁液に添加した。反応混合物を、室温で一晩攪拌した。固体を濾過によって除去し、エーテルで洗浄した。合わせた濾液を濃縮した。濃縮した残渣のフラッシュクロマトグラフィーにより、2.82g(45%)のN−(2,2−ジエトキシエチル)カルボジイミド(a)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):4.58(t,J=5.5Hz,1H),3.85(br s,1H),3.73(m,2H),3.56(m,2H),3.16(J=5.5Hz,2H),1.23(t,J=7.0Hz,3H),MS:156.8(M−H)−;180.9(M+Na)+。
1−(2,2−ジエトキシエチル)−3−フェニルグアニジン(b)。アニリン(1.66g、17.8mmol)を、エタノール(25mL)中に溶解し、N−(2,2−ジエトキシエチル)カルボジイミド(a)(2.82g、17.8mmol)を、滴下添加した。次いで、メタンスルホン酸(1.71g、17.8mmol)を添加し、混合物を、24時間還流で温めた。反応混合物をNaOH(0.5M)に注ぎ、CH2Cl2で抽出した。乾燥および濃縮により、生成物を得、それをフラッシュクロマトグラフィーに供して中間体グアニジン(b)(3.3g、73.8%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ7.27−6.90(m,5H),4.55(t,1H),3.76−3.70(m,2H),3.60−3.54(m,2H),3.35−3.34(d,2H),1.22(pent,6H)。MS:249.8(M−H)−;252.1(M+H)+。
N−フェニル−1H−イミダゾール−2−アミン(c)。グアニジン(b)を、0℃でHCl(5mL、6M)中に溶解し、次いで2時間攪拌した。出発物質が消失した後、沈殿物が形成されるまでNaOH(25%)を添加した。この混合物を30分間攪拌した。反応物を、次いで、NaOH(0.5M)に注ぎ、CH2Cl2で抽出し、乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより、(c)(0.95g、50%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ8.58(s,br,1H),7.34−6.74(m,5H),6.68(s,2H),6.62(br,2H),3.82(s,6H),3.73(s,3H)。MS:157.6(M−H)−;160.0(M+H)+。
N−フェニル−1−トリチル−1H−イミダゾール−2−アミン(d)。トリチルクロリド(2.79g、10mmol)を、二塩化メチレン(50mL)中のフェニルアミノイミダゾール(c)(1.59g、10mmol)およびトリエチルアミン(1.01g、10mmol)の氷冷溶液に添加した。反応混合物を室温に温め、一晩攪拌した。混合物を、二塩化メチレンで希釈し、H2O、飽和NaHCO3、ブラインで連続して洗浄し、MgSO4で乾燥させた。濾過および溶媒の蒸発、続いてクロマトグラフィー分離により、生成物(d)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.52−7.35(m,5H),7.28−7.43(m,15H),6.85(s,2H),6.41(s,1H),6.08(s,1H)。MS:1399.8(M−H)−;402.8(M+H)+。
(2−(フェニルアミノ)−1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5トリメトキシフェニル)メタノン(e)。−78℃で、THF中のt−BuLi(1.7M、0.34mL、0.58mmol)を、THF中のトリチル保護化合物(d)(116mg、0.289mmol)に添加した。次いで、3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリド(66.5mg、0.289mmol)を添加し、一晩攪拌した。反応混合物を、飽和NH4Clで反応を停止させ、MgSO4で乾燥させた。濾過および溶媒の蒸発、続いてクロマトグラフィーにより、化合物(e)(75mg、43.7%)を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.55−7.41(m,5H),7.32(s,1H),7.28−7.18(m,15H),6.94(s,2H),3.78(s,6H),3.70(s,3H)。MS:594.2(M−H)−;596.3(M+H)+。
(2−(フェニルアミノ)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(5e)。エチルエーテル中のトリチル保護化合物(e)(50mg、0.084mmol)の溶液に、エーテル中の2MHCl(1mL、1mmol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、飽和NaHCO3で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。濾過および溶媒の蒸発、続いてフラッシュクロマトグラフィーにより、脱保護化合物5e(18mg、63%)を得た。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ7.54(s,br,1H),7.51−7.43(m,3H),7.33(d,2H),7.04(s,2H),6.62(br,2H)3.82(s,6H),3.73(s,3H)。MS:352.1(M−H)−;354.3(M+H)+。
実施例5 選択したアリール−ベンゾイル−イミダゾール化合物の合成
2−アリール−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール14b、14c、14xの調製(図7)。
t−BuOH(300mL)中の適切なベンズアルデヒド8(b、c、x)(60mmol)の溶液に、エチレンジアミン(66mmol)を添加し、室温で30分間攪拌した。炭酸カリウム(75mmol)およびヨウ素(180mmol)を、反応混合物に順に添加し、続いて、70℃で3時間攪拌した。硫酸ナトリウム(Na2SO3)を添加し、混合物をクロロホルムによって抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール 20:1)によって精製して、白色固体を得た。収率:50〜60%。
2−アリール−1H−イミダゾール(9a〜j、p、x、図7および8)の調製。
方法A(9b、9xにのみ必要、図7):DMSO(100mL)中の2−アリール−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール14b、x(35mmol)の溶液に、炭酸カリウム(38.5mmol)およびジアセトキシヨードベンゼン(38.5mmol)を添加した。反応混合物を、暗所で一晩攪拌した。水を添加し、続いてジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 3:2)に供し、白色固体を得た。収率:30%〜50%。
方法B(9cにのみ必要、図7):DMF(70mL)中の2−アリール−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール14c(50mmol)の溶液に、DBU(55mmol)およびCBrCl3(55mmol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、飽和NaHCO3(水)溶液を添加し、続いてジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール 50:1)に供し、白色固体を得た。収率:7%。
方法C(9a、9d〜j、9pに必要、図8):0℃で、エタノール(350mL)中の適切なベンズアルデヒド(8a、8d〜j、8p)(100mmol)の溶液に、水中の40%オキサルアルデヒド(12.8mL、110mmol)の溶液および水中の29%水酸化アンモニウム(1000mmol、140mL)の溶液を添加した。室温で2〜3日間攪拌した後、反応混合物を濃縮し、残渣を、ジクロロメタンを溶離液として用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーに供し、黄色粉末として表題化合物を得た。収率:20%〜40%。
2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10a〜j、p、x、図7および8)の調製。
0℃で、無水THF(200mL)中の2−アリール−1H−イミダゾール9a〜j、p、x(20mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散、1.2g、30mmol)を添加し、30分間攪拌した。ベンゼンスルホニルクロリド(2.82mL、22mmol)を添加し、反応混合物を一晩攪拌した。100mLの飽和NaHCO3溶液(含水)による希釈後、反応混合物を酢酸エチル(500mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 2:1)によって精製して、淡色の固体を得た。収率:50%〜70%。
アリール(2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11aa〜ai、ba、ca、cb、da、db、ea、eb、fa、fb、ga、gb、ha、hb、ia、ib、ja、jb、pa、図7および8)の調製。
−78℃で、無水THF(30mL)中の、2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(6.0mmol)10a〜j、p、xの溶液に、ペンタン中の1.7M tert−ブチルリチウム(5.3mL、9.0mmol)の溶液を添加し、10分間攪拌した。適切な置換塩化ベンゾイル(7.2mmol)を、−78℃で添加し、一晩攪拌した。反応混合物を100mLの飽和NaHCO3溶液(含水)で希釈し、酢酸エチル(200mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 4:1)によって精製し、白色固体を得た。収率:15%〜40%。
アリール(2−アリール−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12aa〜ai、ba、ca、cb、da、db、ea、eb、fa、fb、ga、gb、ha、hb、ia、ib、ja、jb、pa、図7および8)の調製の一般手順。
THF(20.0mL)中のアリール(2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(2.0mmol)11aa〜ai、ba、ca、cb、da、db、ea、eb、fa、fb、ga、gb、ha、hb、ia、ib、ja、jb、paの溶液に、1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム(4.0mmol)を添加し、一晩攪拌した。反応混合物を、50mLの飽和NaHCO3溶液(含水)によって希釈し、酢酸エチル(100mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 3:1)によって精製し、水およびメタノールから再結晶化して、白色固体を得た。収率:80〜95%。
(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(アリール)メタノン(12ka、12kb、図8)の調製。
AcOH(20mL)中の(2−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(アリール)メタノン12jaまたは12jb(1mmol)の溶液に、濃HCl(2mL)を添加し、一晩還流させた。溶媒を除去した後、残渣をジクロロメタンから再結晶化させて、黄色固体として表題化合物を得た。収率:70〜85%。
(2−アリール−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)メタノン13ea、13fa、13ha(図8)の調製。
CH2Cl2(6.0mL)中のアリール(2−アリール−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン12ea、12fa、または12ha(0.5mmol)の溶液に、CH2Cl2中の1.0MのBBr3(2mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。水を添加して、過剰なBBr3を破壊した。沈殿した固体を濾過し、MeOHから再結晶化して、黄色固体を得た。収率:60〜80%。
アリール(2−アリール−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン−HCl塩(12db−HCl)の調製。
メタノール(20mL)中の12db(0.5mmol)の溶液に、エチルエーテル中の2Mの塩化水素(5mmol)の溶液を添加し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をCH2Cl2によって洗浄して、表題化合物を得た。収率:95%。
アリール(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メタノン(12aba、12aaa、図9)の調製。
THF(20mL)中の2−フェニル−1H−イミダゾール9a(10mmol)の溶液に、0℃で、NaH(15mmol)および置換塩化ベンゾイル(12mmol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌し、飽和NaHCO3溶液で希釈し、続いて酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)によって精製して、白色固体を得た。収率:12〜16%。
1−置換−(2−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)−アリール−メタノン(12dc、12fc、12daa、12dab、12cba、11gaa、12la、図10〜11)の調製。
12dc、12fc、ならびに12daa、12dab、および12cbaの合成を、図10に要約する。化合物12da、12cb、および12faは、上記および図7および8に記載の合成に従って合成した。塩化アルミニウムでの12daおよび12faの処理により、3,5−ジメトキシが未変化のパラ−脱メチル化12dc、12fcを得た。化合物12daaを、12daのN−1位のベンジル化により調製した。12daおよび12cbのN−1位のメチル化の際に、それぞれ、12dabおよび12cbaを得た。
12dc、12fc、12daa、12dab、12cbaの合成:方法D。(12dcおよび12fcに対して)[図10]:
THF(20mL)中の12daおよび12fa(200mg)の溶液に、塩化アルミニウム(10当量)を添加した。反応混合物を一晩攪拌した。水を添加し、続いて、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 1:1)に供して、白−黄色がかった固体を得た。収率:60%〜80%。
12daa、12dab、12cbaの合成、方法E:[図10]:
氷浴において、THF(10mL)中の12daおよび12cb(100mg)の溶液に、水素化ナトリウム(1.2当量)を添加し、続いて、ヨウ化メチル(12dab、12cbaに対して)または臭化ベンジル(12daaに対して)(2当量)を添加した。結果として得られた反応混合物を、還流条件下で5時間攪拌した。50mLの飽和NaHCO3溶液(含水)による希釈後、反応混合物を酢酸エチル(100mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 2:1)によって精製して、白色固体を得た。収率:50%〜98%。
11gaaおよび12laの合成(図11):
置換ベンズアルデヒド化合物8(l、g)を、水酸化アンモニウムおよびグリオキサールの存在下で化合物9(l、g)に変換し、イミダゾール骨格を構築した。化合物9(l、g)のイミダゾール環を、適切なフェニルスルホニル基によって保護し、続いて、3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリドと結合させて、化合物11(la、gaa)を得た。tert−フッ化ブチルアンモニウムでの11laの処理により、保護基を除去して、12laを得た。
(1−ベンジル−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12daa)の構造的特徴付け(図11)。
収率:92.8%、融点135〜137℃。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ7.81(s,1H),7.80(d,J=6.5Hz,2H),7.58(d,J=8.0Hz,2H),7.41−7.45(m,3H),7.31−7.33(m,2H),7.20(d,J=7.0Hz,2H),5.33(s,2H),3.99(s,3H),3.98(s,6H),2.47(s,3H)。MS(ESI) C27H26N2O4に対する計算値442.2、実測値443.1[M+Na]+。HPLC1:tR4.28分、純度>99%。
(2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−1−((4−メトキシフェニル)スルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12gba)の構造的特徴付け。
収率:34.1%、融点147〜149℃。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ8.07(q,J=8.5Hz,5.5Hz,2H),7.78(d,J=9.0Hz,2H),7.41(d,J=8.5Hz,2H),7.39(s,1H),7.23(t,J=8.5Hz,2H),6.91(d,J=9.0Hz,2H),6.68(d,J=9.0Hz,2H),3.89(s,3H),3.08(s,3H)。MS(ESI) C25H22FN3O4Sに対する計算値479.1、実測値502.1[M+Na]+。HPLC2:tR18.6分、純度96.9%。
(2−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12la)の合成(図11)
9l、9gの合成:0℃で、エタノール(400mL)中の適切なベンズアルデヒド(8l、および8g、100mmol)の溶液に、水中の40%オキサルアルデヒド(グリオキサール)(1.1当量)の溶液、および水中の29%水酸化アンモニウム(10当量)の溶液を添加した。室温で2〜3日間攪拌した後、反応混合物を濃縮し、残渣を、ジクロロメタンを溶離液として用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーに供し、黄色粉末として表題化合物を得た。収率:10%〜30%。
10la、10gbの合成:0℃で、無水THF(200mL)中のイミダゾール(9l、9g)(10mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散、1.2当量)を添加し、20分間攪拌した。4−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(10gbに対して)またはベンゼンスルホニルクロリド(その他に対して)(1.2当量)を添加し、反応混合物を一晩攪拌した。200mLの飽和NaHCO3溶液(含水)による希釈後、反応混合物を酢酸エチル(600mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 2:1)によって精製して、淡色の固体を得た。収率:40%〜95%。
11la、11gaaの合成:−78℃で、無水THF(30mL)中の2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10la、10gb)(5.0mmol)の溶液に、ペンタン中の1.7M tert−ブチルリチウム(1.2当量)を添加し、10分間攪拌した。3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリド(1.2当量)を−78℃で添加し、一晩攪拌した。反応混合物を100mLの飽和NaHCO3溶液(含水)で希釈し、酢酸エチル(300mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 3:1)によって精製して、白色固体を得た。収率:5%〜45%。
12laの合成:THF(25.0mL)中のアリール(2−アリール−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11la)、2.0mmol)の溶液に、1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム(2当量)を添加し、一晩攪拌した。反応混合物を、60mLの飽和NaHCO3溶液(含水)によって希釈し、酢酸エチル(150mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 4:1)によって精製し、水およびメタノールから再結晶化して、白色固体を得た。収率:80〜98%。
(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(12cb)の合成(図7)。
THF(20.0mL)中の(4−フルオロフェニル)(2−(4−メトキシフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(11cb、872mg、2.0mmol)の溶液に、1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム(4.0mL、4.0mmol)を添加し、一晩攪拌した。反応混合物を、50mLの飽和NaHCO3溶液(含水)によって希釈し、酢酸エチル(100mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、水およびメタノールから再結晶化して、白色固体を得た。収率:90%、融点245〜247℃。
(2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12da)の合成(図8)。
THF(15.0mL)中の(1−(フェニルスルホニル)−2−(p−トリル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11da、492mg、1.0mmol)の溶液に、1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム(2.0mL、2.0mmol)を添加し、一晩攪拌した。反応混合物を、30mLの飽和NaHCO3溶液(含水)によって希釈し、酢酸エチル(80mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、水およびメタノールから再結晶化して、白色固体を得た。収率:88.5%。
(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa)の合成(図8および14)。
2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール(9f):0℃で、エタノール(350mL)中の4−クロロベンズアルデヒド(8f)(100mmol)の溶液に、水中の40%オキサルアルデヒド(12.8mL、110mmol)の溶液および水中の29%水酸化アンモニウム(1000mmol、140mL)の溶液を添加した。室温で2〜3日間攪拌した後、反応混合物を濃縮し、残渣を、ジクロロメタンを溶離液として用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーに供し、黄色粉末として表題化合物を得た。収率:19.8%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ13.60(br,1H),7.94(d,J=8.5Hz,2H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.27(s,1H),7.03(s,1H)。MS(ESI):C9H7ClN2に対する計算値178.0、実測値178.9[M+H]+。
2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10f):0℃で、無水THF(200mL)中の2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール(9f)(20mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散、1.2g、30mmol)を添加し、30分間攪拌した。ベンゼンスルホニルクロリド(2.82mL、22mmol)を添加し、反応混合物を一晩攪拌した。100mLの飽和NaHCO3溶液(含水)による希釈後、反応混合物を酢酸エチル(500mL)により抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 2:1)によって精製して、淡色の固体を得た。収率:54.9%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.65(d,J=2.0Hz,1H),7.58(t,J=7.5Hz,1H),7.43(d,J=8.5Hz,2H),7.38(t,J=8.0Hz,2H),7.34−7.36(m,4H),7.12(d,J=1.5Hz,1H)。MS(ESI):C15H11ClN2O2Sに対する計算値318.0、実測値341.0[M+Na]+。
(2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11fa):−78℃で、無水THF(30mL)中の2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール(10f)(6.0mmol)の溶液に、ペンタン中の1.7M tert−ブチルリチウム(5.3mL、9.0mmol)を添加し、10分間攪拌した。3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリド(7.2mmol)を−78℃で添加し、一晩攪拌した。反応混合物を100mLの飽和NaHCO3溶液(含水)で希釈し、酢酸エチル(200mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 4:1)によって精製して、白色固体を得た。収率:36.8%、1HNMR(500MHz,CDCl3)δ8.05(d,J=7.5Hz,2H),7.77(t,J=7.5Hz,1H),7.62(t,J=8.0Hz,2H),7.48(s,1H),7.44(d,J=9.0Hz,2H),7.39(d,J=8.5Hz,2H),7.37(s,2H)。MS(ESI):C25H21ClN2O6Sに対する計算値512.1、実測値513.1[M+H]+。
(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(12fa):THF(20.0mL)中の(2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(11fa)(2.0mmol)の溶液に、1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム(4.0mmol)を添加し、一晩攪拌した。反応混合物を、50mLの飽和NaHCO3溶液(含水)によって希釈し、酢酸エチル(100mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 3:1)によって精製し、水およびメタノールから再結晶化して、白色固体を得た。収率:80〜95%。収率:36.9%、融点193〜195℃。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ10.75(br,1H),7.96(d,J=8.5Hz,2H),7.83(s,1H),7.47(d,J=9.0Hz,2H),7.23(s,2H),3.97(s,3H),3.94(s,6H),2.43(s,3H)。MS(ESI):C19H17ClN2O4に対する計算値372.1、実測値395.1[M+Na]+、370.9[M−H]−。HPLC勾配:溶媒A(水)および溶媒B(メタノール):0〜15分40〜100%B(直線勾配)、15〜25分100%B:tR16.36分、純度>99%。
(2−(4−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(12fb)の合成(図8)。
THF(12.0mL)中の(2−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル)(4−フルオロフェニル)メタノン(11fb、440mg、1.0mmol)の溶液に、1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム(2.0mL、2.0mmol)を添加し、一晩攪拌した。反応混合物を、20mLの飽和NaHCO3溶液(含水)によって希釈し、酢酸エチル(60mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、水およびメタノールから再結晶化して、白色固体を得た。収率:83.7%。
実施例6 選択したインドリル−ベンゾイル−イミダゾール化合物の合成
15xaaの合成を、図12に概説する。この経路は、本来は12xaの合成用に設計されたが、インドール−2およびイミダゾール−4位でのベンゾイル化の非選択性は、近似であるがよりかさ高い、11xaaの類似体である15xaaの形成をもたらした。インドール−5−カルボキシアルデヒド8xを、インドールNH上でフェニルスルホニル基によって保護し、中間体8xaを得た。8xaを、グリオキサールおよび水酸化アンモニウムと反応させて、2−アリール−イミダゾール9xaを得た。フェニルスルホニルでのイミダゾールNHの保護により、中間体10xaaを得、それを3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリドと結合させ、16xaaを得た。16xaaから保護基を除去することにより、15xaaを得た。
1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−5−カルバルデヒド(8xa)の合成。室温で、エタノール(500mL)中のインドール−3−カルボキシアルデヒド(100mmol)の溶液に、水酸化カリウム(110当量)を添加し、混合物を、完全な可溶化まで攪拌した。エタノールを、真空で完全に除去し、アセトン(250mL)に続いてベンゼンスルホニルクロリド(110当量)を添加した。沈殿物を濾過し、濾液を濃縮し、メタノールから再結晶化して、白色固体を得た。収率:32.6%、1H NMR(500MHz,CDCl3)δ10.17(s,1H),8.25−8.39(m,2H),7.97−8.09(m,3H),7.69(t,J=7.33Hz,1H),7.59(t,J=7.5Hz,2H),7.39−7.54(m,2H)。MS(ESI) C15H11NO3Sに対する計算値285.1、実測値286.0[M+H]+。
(5−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(15xaa)の合成:エタノール(20mL)中の(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−インドール−5−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(16xaa)(1mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(10当量)を添加し、暗所で一晩攪拌した。反応混合物を、50mLの水によって希釈し、酢酸エチル(250mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 3:1)により精製するか、または水およびメタノールから再結晶化して、白色固体を得た。収率:30〜95%。
5−(1H−イミダゾール−2−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(9xa)。収率:12.0%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ8.33(d,J=2.9Hz,2H),8.13(d,J=7.8Hz,2H),7.98−8.04(m,1H),7.62−7.67(m,1H),7.55(d,J=7.82Hz,2H),7.22−7.34(m,4H)。MS(ESI) C17H13N3O2Sに対する計算値323.1、実測値324.0[M+H]+。
1−(フェニルスルホニル)−5−(1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール(10xaa)。収率:23.6%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.01(d,J=8.5Hz,1H),7.95(d,J=7.5Hz,2H),7.73(d,J=1.0Hz,1H),7.70(d,J=4.0Hz,1H),7.63−7.66(m,2H),7.52−7.56(m,3H),7.31−7.34(m,3H),7.22(t,J=8.5Hz,2H),7.17(s,1H),6.14(d,J=3.5Hz,1H)。MS(ESI) C23H17N3O4S2に対する計算値463.1、実測値464.0[M+H]+。
(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−2−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−インドール−5−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(16xaa)。収率:15.9%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.18−8.25(m,3H),8.04(d,J=8.1Hz,2H),7.70−7.78(m,2H),7.61−7.69(m,3H),7.55(t,J=7.7Hz,3H),7.50(s,1H),7.38(s,2H),7.34(s,2H),6.94(s,1H),3.99−4.06(m,12H),3.94−3.99(m,6H)。MS(ESI) C43H37N3O12S2に対する計算値851.2、実測値852.1[M+H]+。
(5−(4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール−2−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(15xaa)。収率:45.9%、融点239〜241℃。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ10.45(s,1H),9.44(s,1H),8.41(s,1H),8.04(d,J=8.5Hz,1H),7.86(s,1H),7.61(d,J=8.5Hz,1H),7.29(s,2H),7.26(s,2H),3.99(s,3H),3.95−3.97(m,15H)。MS(ESI) C31H29N3O8に対する計算値571.2、実測値572.2[M+H]+。HPLC2:tR4.09分、純度96.3%。
実施例7 (2−(1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17ya)の合成(図13)
1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−カルボキシアルデヒド(8ya)の合成:室温で、エタノール(500mL)中のインドール3−カルボキシアルデヒド(8y)(100mmol)の溶液に、水酸化カリウム(1.1当量)を添加した。混合物を、完全な可溶化まで攪拌した。エタノールを、真空で完全に除去し、残渣をアセトン(250mL)中に溶解し、続いて、ベンゼンスルホニルクロリド(1.1当量、110mmol)を添加した。反応混合物を、30分間攪拌した。沈殿物を濾過し、濾液を濃縮し、メタノールから再結晶化して白色固体を得た。収率:33%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ10.17(s,1H),8.25−8.39(m,2H),7.97−8.09(m,3H),7.69(t,J=7.33Hz,1H),7.59(t,J=7.5Hz,2H),7.39−7.54(m,2H)。MS(ESI) C15H11NO3Sに対する計算値285.1、実測値286.0[M+H]+。
3−(1H−イミダゾール−2−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(9ya)の合成:0℃で、エタノール(400mL)中の1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−カルボキシアルデヒド(8ya)(100mmol)の溶液に、水中の40%オキサルアルデヒド(グリオキサール)(1.1当量、110mmol)の溶液および水中の29%水酸化アンモニウム(10当量、1000mmol)の溶液を添加した。室温で2〜3日間攪拌した後、反応混合物を、水で反応を停止させ、ジクロロメタンによって抽出した。有機層を真空によって除去し、残渣を、ヘキサン/酢酸エチル(4:1〜2:1)を溶離液として用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーに供し、黄色粉末として表題化合物を得た。収率:12%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ8.33(d,J=2.9Hz,2H),8.13(d,J=7.8Hz,2H),7.98−8.04(m,1H),7.62−7.67(m,1H),7.55(d,J=7.82Hz,2H),7.22−7.34(m,4H)。MS(ESI)C17H13N3O2Sに対する計算値323.1、実測値324.0[M+H]+。
1−(フェニルスルホニル)−3−(1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール(10ya)の合成:0℃で、無水THF(300mL)中の3−(1H−イミダゾール−2−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール(9ya)(20mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散、1.2当量、24mmol)を添加し、20分間攪拌した。ベンゼンスルホニルクロリド(1.2当量、24mmol)を添加し、反応混合物を一晩攪拌した。200mLの飽和NaHCO3溶液(含水)による希釈後、反応混合物を酢酸エチル(600mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 5:1)によって精製して、白色固体を得た。収率:40%。1H NMR(CDCl3,300MHz)δ8.02−8.08(m,4H),7.72(d,J=1.5Hz,1H),7.35−7.60(m,8H),7.23(d,J=1.5Hz,1H),7.10−7.16(m,3H)。MS(ESI) C23H17N3O4S2に対する計算値463.1、実測値486.0[M+Na]+。
(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17yaa)の合成:−78℃で、無水THF(100mL)中の、1−(フェニルスルホニル)−3−(1−(フェニルスルホニル)−1H−イミダゾール−2−イル)−1H−インドール(10ya)(5.0mmol)の溶液に、ペンタン中の1.7M tert−ブチルリチウム(1.2当量、6.0mmol)を添加し、10分間攪拌した。THF中の3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリド(1.2当量、6.0mmol)の溶液を、−78℃で添加し、一晩攪拌した。反応混合物を100mLの飽和NaHCO3溶液(含水)で反応を停止させ、酢酸エチル(300mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 3:1)によって精製して、白色固体を得た。収率:30%。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ8.09(d,J=10Hz,1H),8.04(d,J=10Hz,2H),7.91(s,1H),7.76(d,J=5Hz,2H),7.65(t,J=10Hz,1H),7.55−7.58(m,5H),7.40(s,2H),7.33−7.36(m,3H),7.25(t,J=10Hz,1H),4.05(s,3H),4.03(s,6H)。MS(ESI)C33H27N3O8に対する計算値657.0、実測値680.1[M+Na]+。
(2−(1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17ya)の合成:エタノール(40mL)および水(4mL)中の(1−(フェニルスルホニル)−2−(1−(フェニルスルホニル)−1H−インドール−3−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(17yaa)(1mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(10当量、10mmol)を添加し、暗所で還流条件下において一晩攪拌した。反応混合物を、50mLの水によって希釈し、酢酸エチル(200mL)によって抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 1:1)によって精製して、黄色固体を得た。収率:60%。1H NMR(500MHz,CD3OD)δ8.31(d,J=6.5Hz,1H),7.99(s,1H),7.90(s,1H),7.48−7.52(m,3H),7.24−7.28(m,2H),4.00(s,6H),3.93(s,3H)。MS(ESI)C21H19N3O4に対する計算値377.1、実測値400.1[M+Na]+。融点208〜210℃。
実施例8 (2−(1H−インドール−5−イルアミノ)チアゾール−4−イル)(3,4,5−トリメトキシフェニル)メタノン(化合物55)の合成(図15)。
エタノール(50mL)中に溶解した5−ニトロ−1H−インドール(11g、67.9mmol)およびPd/C(5%、1g)の混合物を、40psiで3時間水素化した。反応混合物を濾過し、過剰なエタノールを減圧下で蒸発させた。固体生成物を、ヘキサンから再結晶化して、純粋な化合物5−アミノインドール(55−1)を得た。収率:92.5%。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ7.96(br,1H),7.20(d,1H),7.13(s,1H),6.95(s,1H),6.67(dd,1H),6.37(s,1H),3.50(s,2H)。MS(ESI)m/z133.0(M+H)+。
アセトン(150mL)中の5−アミノインドール(8g、60.6mmol)の溶液を、室温で約4時間、ベンゾイソチオシアン酸塩(9.88g、60.mmol)と反応させた。結果として得られた固体を濾過し、THF(120mL)中の2N NaOHで処理した。混合物を、約6時間還流させ、室温まで温めた。溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を水(20mL)で希釈し、1N HClでpH7に中和した。結果として得られた固体を濾過し、真空下で乾燥させて5−インドリルチオ尿素(55−2)を得た。5−インドリルチオ尿素(0.01mol)およびブロモピルビン酸エチル(0.011mol)を、3mLエタノール中に溶解し、還流で2時間保持した。反応物を冷却し、結晶質のエチル2−(1H−インドール−5−イルアミノ)チアゾール−4−カルボン酸塩(55−3)を、濾過により収集して、エタノールで洗浄した。エチルエステルとNaOH−エタノール溶液との混合物を還流して、2−(1H−インドール−5−イルアミノ)チアゾール−4−カルボン酸(55−4)を得、次のステップで直接使用した。CH2Cl2(30mL)中の粗酸(2.5mmol)、EDCI(2.9mmol)、HOBt(2.6mmol)、およびNMM(5.3mmol)の混合物に、HNCH3OCH3HCl塩(2.6mmol)を添加し、室温で一晩攪拌を続けた。反応混合物をCH2Cl2(20mL)で希釈し、水、飽和NaHCO3、ブラインで順に洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、カラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物2−(1H−インドール−5−イルアミノ)−N−メトキシ−N−メチルチアゾール−4−カルボキサミド(55−5)を得た(5つのステップ全体で45.6%の収率)。−78℃で、30mLのTHF中の5−ブロモ−1,2,3−トリメトキシベンゼン(1.235g、5.0mmol)の溶液に、Ar2保護下、ヘキサン中のn−BuLi(2.5N、2.4mL、6mmol)を充填し、10分間攪拌した。10mLのTHF中のワインレブアミド(1mmol)をリチウム試薬に添加し、室温で2時間攪拌させた。反応混合物を、飽和NH4Clで反応を停止させ、エチルエーテルで抽出し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な化合物55を得た(51.7%の収率)。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.29(br,1H),7.68(d,1H),7.46(s,2H),7.39(s,1H),7.36(s,1H),7.28〜7.26(m,1H),7.15〜7.12(m,1H),6.55(m,1H),3.93(s,3H),3.89(s,6H)。MS(ESI)m/z432.1(M+Na)+,408.0(M−H)−。
実施例9 キノリン−およびイソキノリン−アリール化合物の合成(図16)
一連の化合物は、7−ブロモ−1−クロロイソキノリンと種々のアリールボロン酸との鈴木カップリングによって調製した。
1−クロロ−7−(1H−インドール−5−イル)−イソキノリン(6d)の合成(図16C):
7−ブロモ−1−クロロイソキノリン(0.50g、2.1mmol)、5−インドールボロン酸(0.40g、2.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフェン)パラジウム(0.035g、0.08mmol)、炭酸カリウム(2.1mL、2M、4.1mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(11mL)の混合物を、30分間、ヘッドスペースをアルゴンでパージしながら攪拌した。混合物を、次いで、室温に冷ます前に16時間還流した。混合物を、シリカゲル層を通じて濾過し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を分離し、NaOH(2×20mL、10%水溶液)、水(5×30mL、屈折変化が有機−水溶液界面に見られなくなるまで)、塩化アンモニウム(20mL、飽和)で洗浄した。有機層を、次いで、シリカゲル上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)を行い、0.14g(25%)の黄色固体を得た。MS(ESI):C17H11ClN2に対する計算値278.1、実測値301.0[M+Na]+。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ6.56−6.58(m,1H),7.44(t,J=2.77Hz,1H),7.57−7.59(m,2H),7.93(m,1H),8.04(s,1H),8.13−8.20(m,1H),8.27−8.31(m,2H),8.43(m,1H),11.25(brs,1H)。
1,7−ビス−(1H−インドール−5−イル)−イソキノリン(6b)(図16E):
7−ブロモ−1−クロロイソキノリン(0.20g、2.1mmol)、5−インドールボロン酸(0.80g、5.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフェン)パラジウム(0.19g、0.16mmol)、炭酸カリウム(2.1mL、2M、4.1mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(11mL)を、30分間、ヘッドスペースをアルゴンでパージしながら攪拌した。混合物を、次いで、室温に冷ます前に16時間還流した。混合物を、シリカゲル層を通じて濾過し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を分離し、NaOH(2×20mL、10%水溶液)、水(5×30mL、屈折変化が有機−水溶液界面に見られなくなるまで)、塩化アンモニウム(20mL、飽和)で洗浄した。有機層を、次いで、シリカゲル上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)を行い、0.29g(39%)の黄色固体を得た。MS(ESI):C25H17N3に対する計算値359.1、実測値360.2[M+H]+、382.1[M+Na]+、および358.0[M−H]−。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ6.46−6.50(m,1H)6.52−6.59(m,1H)7.34−7.36(m,1H)7.36−7.41(m,2H)7.42−7.52(m,3H)7.58(d,J=8.30Hz,1H)7.81(dd,J=5.49,5.00Hz,2H)7.92(s,1H)8.08−8.17(m,2H)8.33(s,1H)8.54(d,J=5.61Hz,1H)11.18(br.s.,1H)11.30(br.s.,1H)ppm。
1−(4−フルオロ−フェニル)−7−(1H−インドール−5−イル)−イソキノリン(6c)(図16D):
6d(0.20g、0.72mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(0.12g、0.86mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフェン)パラジウム(0.033g、0.03mmol)、炭酸カリウム(0.72mL、2M、1.4mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(22mL)の混合物を、30分間、ヘッドスペースをアルゴンでパージしながら攪拌した。混合物を、次いで、室温に冷ます前に16時間還流した。混合物を、シリカゲル層を通じて濾過し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を分離し、NaOH(2×20mL、10%水溶液)、水(5×30mL、屈折変化が有機−水溶液界面に見られなくなるまで)、塩化アンモニウム(20mL、飽和)で洗浄した。有機層を、次いで、シリカゲル上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)を行い、0.038g(16%)の黄色固体を得た。MS(ESI):C23H15FN2に対する計算値338.12、実測値339.2[M+H]+および361.2[M+Na]+。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ6.47−6.55(m,1H),6.80(d,J=9.16Hz,2H),7.38−7.45(m,2H),7.47−7.62(m,3H),7.72(d,J=8.85Hz,2H),7.79−7.96(m,3H),11.18(br.s.,1H)。
1,7−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−イソキノリン(40)(図16A)。
MS(ESI):C21H13F2Nに対する計算値317.10、実測値318.1[M+H]+、340.1[M+Na]+、および315.9[M−H]−。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ7.31(br.s.,1H)7.31−7.37(m,2H)7.39(br.s.,1H)7.41(t,J=8.54Hz,2H)7.72−7.77(m,2H)7.78−7.84(m,2H)7.89(br.s.,1H)7.90−7.99(m,1H)8.09−8.19(m,3H)8.59(br.s.,1H)8.60−8.65(m,1H)。
7−ブロモ−1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(43)および1−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−7−(1H−インドール−5−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(41)の合成(図16B)。
7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(0.60g、2.8mmol)を、80℃で、ピリジン(5mL)中の4−フルオロフェニルスルホニルクロリド(1.65g、8.49mmol)で3時間攪拌した。混合物を冷却し、濃縮して、残渣にクロマトグラフィー(SiO2のEtOAc/ヘキサン)を行い、845mgの茶色固体(81%)の化合物43を得た。C15H13BrFNO2S368.98、実測値394.0[M+Na]+および367.8[M−H]−。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ1.58−1.67(m,2H)2.41(t,J=6.71Hz,2H)3.72−3.82(m,2H)6.89(d,J=8.30Hz,1H)7.08−7.17(m,2H)7.18−7.24(m,1H)7.59−7.68(m,2H)7.92−8.01(m,1H)。
43(0.46g、1.3mmol)、5−インドールボロン酸(0.26g、1.6mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフェン)パラジウム(0.031g、0.03mmol)、炭酸カリウム(1.35mL、2−M、2.7mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(135mL)を、30分間、ヘッドスペースをアルゴンでパージしながら攪拌した。混合物を、次いで、室温に冷ます前に、16時間還流した。混合物を、シリカゲル層を通じて濾過し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を分離し、NaOH(2×20mL、10%水溶液)、水(5×30mL、屈折変化が有機−水溶液界面に見られなくなるまで)、塩化アンモニウム(20mL、飽和)で洗浄した。有機層を、次いで、シリカゲル上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)を行い、0.38g(77%)の白色結晶質固体の化合物41を得た。MS(ESI):C23H19FN2O2Sに対する計算値406.12、実測値404.9[M−H]−および429.1[M+Na]+。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ1.56−1.66(m,2H)2.48(t,J=6.59Hz,2H)3.76−3.86(m,2H)6.46−6.56(m,1H)7.14(m,J=7.81Hz,1H)7.33−7.37(m,1H)7.38−7.45(m,4H)7.49(m,J=8.54Hz,1H)7.66−7.74(m,2H)7.74−7.81(m,1H)7.85−7.94(m,1H)11.17(br.s.,1H)。
7−ブロモ−2−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン(42)(図16B)。
収率23%。C15H13BrFNO2S 369.0、実測値392.0[M+Na]+および367.7[M−H]−。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ2.75−2.82(m,2H)3.32(t,J=6.10Hz,2H)4.24(s,2H)7.07(d,J=8.30Hz,1H)7.29−7.37(m,1H)7.37−7.43(m,1H)7.47(t,J=8.79Hz,2H)7.87−7.93(m,2H)。
2−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−7−(1H−インドール−5−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン(44)。
収率77%。1H NMR(500MHz,DMSO−d6)δ2.84−2.91(m,2H)3.35(t,J=5.98Hz,2H)4.30(s,2H)6.44−6.48(m,1H)7.17(d,J=7.81Hz,1H)7.32−7.40(m,2H)7.41−7.51(m,3H)7.75−7.79(m,1H)7.89−7.96(m,1H)11.13(br.s.,1H)。
実施例10 アリール−ベンゾイル−イミダゾール(ABI)化合物の水溶解度(図17)
水溶解度の判定。水溶解度を判定するために、1mgのそれぞれの化合物を、1mLの水に懸濁し、室温(RT)で48時間振動させた。懸濁液を、10,000rpmで10分間遠心分離し、0.22μmのフィルターで濾過した。各化合物の濃度を、HP S1100 HPLC機器(Agilent,Foster ceity,CA)および陽イオンモードでエレクトロスプレー/イオントラップ機器を伴うBruker ESQUIRE MS検出器(Bruker,Fremont,CA)から構成される、LC−MSによって測定した。HPLCについては、逆相Nova-pak C18カラム(150mm×3.9mm、Waters,Milford,MA)を使用した。移動相は、20:80v/vの水/アセトニトリルで構成した。MASSについては、ピークを、それぞれ382m/z(イミダゾール化合物に対して)および399m/z(チアゾール化合物に対して)で抽出した。各化合物の濃度を、次の較正方程式に従って、MSピーク面積により計算した。y=1.3295x+114.24(R2=1.00)。方程式を導いた標準曲線(図17)を作製するために、アセトニトリル中の、50、100μLのそれぞれ100μg/mL、10μg/mLのABI化合物12ga、およびその対応するチアゾール類似体、ならびにCA−4(構造については図19を参照されたい)を、HPLCに注入し、質量分析によって監視した。各注入における量(ng)を、再度、その相対質量ピーク面積にプロットして、図17の標準曲線を生成した。
ABI化合物12gaのHPLC保持時間(1.5分)を、1mL/分の流速で80/20メタノール/水の移動相、および逆相カラムを使用して、その対応するチアゾール類似体(2.2分)と比較し、イミダゾール誘導体は、その対応するチアゾール類似体よりも、より親水性であったことを示した。ABI化合物12gaおよび対応するチアゾール類似体の計算したlogP値は、それぞれ、おおよそ2.9および4.4であった。化合物12gaの水溶解度は、13μg/mL、またはそのチアゾール対応物(72ng/mL)よりも約200倍大きかった。
実施例11 本発明の化合物の生物学的評価:
実施例11A:インビトロ細胞増殖阻害
前立腺癌およびメラノーマの細胞培養および細胞傷害性アッセイ。全ての細胞系は、ATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA,USA)から入手し、一方で細胞培養用品は、Cellgro Mediatech(Herndon,VA,USA)から購入した。4つのヒト前立腺癌細胞系(LNCaP、DU145、PC−3、およびPPC−1)ならびに2つのヒトメラノーマ細胞系(A375およびWM−164)において、抗チューブリン化合物の抗増殖活性を試験した。ヒト卵巣細胞系OVCAR−8およびP−gpを過剰発現するその耐性細胞系(NCI/ADR−RES)を、MDRモデルとして使用した。いずれの卵巣細胞系も、National Cancer Institutes(NCI)から入手した。全ての細胞系が、ATCCまたはNCIのいずれかによって、試験され、認証を得た。全ての前立腺癌および卵巣癌細胞系を、10%ウシ胎児血清(FBS)を補充したRPMI1640中で培養した。
メラノーマ細胞を、5%FBS、1%抗生剤/抗真菌剤混合物(Sigma-Aldrich,Inc.,St.Louis,MO,USA)、およびウシインスリン(5μg/mL、Sigma-Aldrich)を補充したDMEM中で培養した。抗チューブリン化合物の細胞傷害能を、治療の96時間後に、スルホローダミンB(SRB)アッセイを使用して評価した。
報告した化合物の全てを、まず、マウスメラノーマ細胞系B16−F1、ヒトメラノーマ細胞系(A375およびWM−164)、ならびに前立腺癌細胞系(DU145、PC−3、LNCaP、PPC−1)における細胞傷害性について評価した。化合物1hおよび様々な癌を有する患者の治療における第II相臨床試験に入っているABT−751(E7010、Abbott Laboratories/Eisai Co Ltd)を、コルヒチン部位結合剤の例として、アッセイに含んだ。細胞増殖阻害のIC50値を、表1、2、および3に示す。
結果:
代替の「B」環分子のSAR。第1の系列は、チアゾール「B」環の代替を対象とした。したがって、一連の複素環式「B」環を試験した。表1に示されるように、成功したチアゾールの置き換えは、ピリジン1c、フラン1d、およびチオフェン1fであった。IC50(前立腺癌細胞に対して12nM〜35nM)は、チアゾール化合物1hに近似である。フェニル(1a)、オキサゾリン(35a)、およびオキサゾール(36a)の導入により、数百ナノモルの範囲内に活性を維持した。しかし、ピリミジン(1b、IC50:3.7〜8.3μM)、逆転2,5−チアゾール、および3,5−イソオキサゾール(1eおよび1i、IC50:>10μM)の導入は、効力の明らかな損失をもたらした。「B」環のピペリジン(1g)の飽和環への変更もまた、活性を完全に無効にした(IC50>20μM)。
代替リンカーのSAR。インビトロの肝代謝安定性研究により、SMART化合物における「B」環と「C」環との間のカルボニルリンカーは、主にカルボニル還元のために、短い半減期(5〜17分)をもたらすことが明らかになった。不活性ヒドロキシルリンカー化合物2bに対するこのケトン還元を妨害する目的で、第2の系列の化合物において、カルボニルリンカーを変更した(表2)。カルボニルリンカーを、二重結合(2a、3a、および3b)、アミド(2g、2h)、オキシム(2e−シス、トランス、および2f−シス、トランス)、ヒドラジド(2d−シス、2d−トランス)、アクリロニトリル(2c−トランス、2c−シス)、シアノイミン(2j)、スルホニルアミド(4d)、硫酸エーテル(4a)、スルホニルおよびスルフィニル化合物(4b、4c)で置き換えた。「B」環と「C」環との間にいずれのリンカーも有しない直接結合化合物2iもまた、調製した。これらのリンカー変更の中で、シアノイミン結合(2j)のみが、カルボニル化合物1hと比較して有望な見込み(20〜60nM)を示したが、インビトロ代謝研究は、ヒト肝ミクロソームにおける2jの半減期が5分未満であることを示した。これは、ケトン還元は妨害されるが、それが、新たな代謝的負担を化合物2jにもたらし得ることを示唆した。二重結合、オキシム、およびヒドラジドを含む化合物の異性体の組を、分離した。化合物3aは、2つのアリール環の間にシス−C=Cを含む、CA−4の構造(図19)を模倣するように設計したが、残念ながら、3aおよび他の異性体の組は、C=Oリンカーの置き換え後、活性を損失した。1つの興味深い現象は、2e−シスのsyn−異性体(0.1〜0.3μM)は、そのanti−異性体2e−トランス(>10μM)よりも10倍高い活性を示した。ヒト肝ミクロソームにおける2e−シスの半減期は、35分まで延びたが、一方で化合物2dの半減期は、55分まで延長された。しかし、2dの減少した活性(約1μM)もまた、それらの効力を減少させた。
実施例11B:本発明の化合物の水溶解度
薬物の溶解度を、LC−MS/MSと連結したMultiscreen Solubility Filter Plate(Millipore Corporate,Billerica,MA)によって判定した。簡潔には、198μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液(pH7.4)を、96ウェルプレートに充填し、2μLの10mM試験化合物(DMSO中)を分注し、室温で1.5時間、穏やかに振動させながら(200〜300rpm)混合した(N=3)。プレートを800gで5分間遠心分離し、濾液を、以下に記載のように、LC−MS/MSによってその濃度および試験化合物の溶解度を判定するために使用した。
極性基およびイオン性基の抗チューブリン剤への導入。SMART剤の1つの主要な制限は、低い水溶解度である。Tween 80等の界面活性剤を使用して、インビボSMART挙動を研究し、その結果、好ましい結果が得られた。しかし、これらの界面活性剤は、生物学的に活性であり、多くの副作用に関与する。さらに、1hの低い水溶解度は、低い経口バイオアベイラビリティ(3.3%、表4)につながったと考えられた。第3の系列の化合物において、ヒドロキシルおよびインドリル等の極性基の導入によって、効力に影響を及ぼすことなく水溶解度を増加することに成功した。さらに、アミノ基およびアルキルアミノ基等のイオン性基もまた、「A」環のパラ位に導入した。図5および表3に示されるように、「A」環へのインドリル基の導入、特に5−インドリル(66a、7〜25nM)は、4−OH化合物2l(76〜116nM)と比較して、効力を増加させた。「A」環のパラ位におけるアミノメチル−CH2NH2もまた、効力を維持した(2r、13〜80nM)が、p−NHMe(2s)またはp−NMe2(2u)は、活性を無効にした。図18に示されるように、水溶解度を推定するための分析的測定は、インドリル化合物66aが、PBS中の溶解度を1.1μg/mL(化合物1h)から3.8μg/mLへ増加させたことを示した。アミノメチル化合物2rは、HCl塩に変換し、それが、溶解度を35倍を上回って増加させた(>35μg/mL)。化合物2rは、十分な水溶解度を示したが、薬物動態研究は、この化合物が、依然として乏しいバイオアベイラビリティ(F%=0.2%)を有することを示した。化合物2rは、胃でイオン化され、そのため、循環系に吸収されなかったと考えられた。
実施例11C:薬物動態研究
薬物動態研究。雌性のスプラーグドーリーラット(n=3または4、254±4g)を、Harlan Inc.(Indianapolis,IN)から購入した。ラットの胸部頸静脈カテーテルを、Braintree Scientific Inc.(Braintree,MA)から購入した。動物施設への到着時に、動物を、あらゆる治療の前に、12時間の明/暗サイクルの恒温室(20〜22℃)で、3日間順応させた。化合物1hを、2.5mg/kg(DMSO/PEG300、2/8中)の用量で、頸静脈カテーテル内に静脈内(i.v.)投与し、一方で、5Haおよび5Hcは、5mg/kg(DMSO/PEG300、1/9中)で投与した。等体積のヘパリン化生理食塩水を、除去した血液と置き換えるために注射し、血液試料(250μL)を、10、20、30分、および1、2、4、8、12、24時間で、頸静脈カテーテルを介して収集した。化合物1h、5Ha、および5Hcを、10mg/kg(Tween 80/DMSO/H2O、2/1/7中)で、経口で強制的に与えた(経口)。経口投与後の全ての血液試料(250μL)を、30、60、90分、120分、150分、180分、210分、240分、および8、12、24時間で、頸静脈カテーテルを介して収集した。ヘパリン化シリンジおよびバイアルは、血液収集の前に準備した。血漿試料は、8,000gで5分間、血液試料を遠心分離することによって、調製した。全ての血漿試料は、即座に−80℃で、分析まで保管した。
検体を、200nMの中間標準物((3,5−ジメトキシフェニル)(2−フェニル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン)を含有する200μLのアセトニトリルで、100μLの血漿から抽出した。試料を、十分に混合し、遠心分離し、有機抽出物を、LC−MS/MS分析のために、オートサンプラーに移した。最も感受性の高い信号を得るために、多重反応モニタリング(MRM)モード、スキャンm/z356→188(化合物1h)、m/z371→203(化合物5Ha)、m/z389→221(化合物5Hc)、およびm/z309→171(内部標準物)を使用した。薬物動態パラメータを、非コンパートメント分析(WinNonlin,Pharsight Corporation,Mountain View,CA)を使用して判定した。
結果:
経口バイオアベイラビリティを改善するための、置換メトキシベンゾイルアリールチアゾール(SMART)分子の修飾。タキサンおよびビンブラスチン等、多数の確立されたチューブリン標的化抗癌薬は、低い経口バイオアベイラビリティのため、静脈内投与を必要とする。経口バイオアベイラビリティは、溶解度、透過性、および代謝安定性等の多数の化学的および生理学的プロセスが関与する、複雑なパラメータである。これらのチューブリン阻害剤の溶解度を、5a〜d(図6)のように、「A」環と「B」環との間にアミノリンカーを挿入することによって改善した。表3は、NH架橋化合物(5a〜c)が、溶解度の増加(5aおよび5cについて、それぞれ、15および19μg/mL(図18))を伴って、1hと同様の効力(35〜65nM)を有したことを示すが、それらは、ABT−751(ABT−751の構造については表3および図19)よりも20倍を上回って活性である。
ラットの薬物動態研究を、これらの新規化合物が、化合物1hと比較して改善されたバイオアベイラビリティを示すかどうかを研究するために行った(表4)。データは、5Hc(5cのHCl塩)が、経口経路によって、1hと比較して、4.3倍を上回って増加した曝露(AUC)を示したことをはっきりと示し、アミノリンカーによる水溶解度の改善が、経口バイオアベイラビリティの改善を成功させたことを示唆する。さらに、経口投与による5Haおよび5Hcの最大濃度(Cmax)は、それぞれ、814および1262ng/mLであった。一方で、1hのCmaxは、たった212ng/mLであった。全体的に、5Haおよび5Hcのバイオアベイラビリティは、1hの3.3%から、それぞれ、11%および21%に増加した(表4)。化合物5Hcは、中等度のクリアランス、中等度の分布量、および許容される経口バイオアベイラビリティを示した。このデータは、これらの新規な合成アミノ結合化合物が、新しいクラスの経口バイオアベイラブルな抗チューブリン剤として開発されるべき効力および薬物動態プロファイルを有することを示唆した。
実施例11D:本発明の化合物によるインビトロチューブリン重合の阻害
インビトロチューブリン重合アッセイ。ウシ脳チューブリン(0.4mg、>97%純粋)(Cytoskeleton,Denver,CO)を、10μMの試験化合物と混合し、pH6.9で、100μlの一般的なチューブリン緩衝液(80mM PIPES、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、および1mM GTP)中でインキュベートした。波長340nmでの吸光度を、1分毎に20分間、SYNERGY 4 Microplate Reader(Bio-Tek Instruments,Winooski,VT)により監視した。分光光度計は、チューブリン重合のために、37℃に設定した。
結果:
チューブリン重合の阻害は、選択された強力な化合物1c、2j、66a、および5aを、3つの設計戦略(代替のB環、新規リンカー、および可溶化部分)によって調査し、1hと比較した。ウシ脳チューブリン(>97%純粋)を、個々の化合物(10μM)と共にインキュベートし、チューブリン重合に対するそれらの効果を試験した(図20a)。20分間のインキュベーションの後、チューブリン重合は、1hによって、ビヒクルと比較して47%阻害された。1cおよび2jの両方が、20分間で、64%の重合を異なる阻害パターンで阻害した。化合物5aおよび66aは、それぞれ、78%および81%の、より大きな阻害をもたらした。これらのデータは、これらの化合物が、それらの細胞傷害性に良好に対応する、強力な抗チューブリン重合活性を示すことを示唆する。
コルヒチン結合部位への結合による、化合物1hと比較した化合物5cによるチューブリン重合の阻害を、図20bおよび20cに示す。
実施例11E:新規な抗チューブリン化合物は、P−糖タンパク質媒介性多剤耐性を克服する
P−糖タンパク質(P−gp)系は、ATP依存性薬剤排出ポンプとして機能し、種々の構造的に異なる細胞傷害性化合物を能動的に除去する、多剤耐性(MDR)の主要な生理学的機構であると見られる。これらの化合物の強化された排出は、それらの細胞内蓄積を低減させ、そのため、それらの細胞傷害性を低減する。したがって、薬物耐性に感受性ではない新規化合物は、治療的および経済的価値を有し得る。P−gpに加えて、臨床使用される抗チューブリン剤は、タキサンの感受性を制限することが既知である、微小管動態の変化およびβ−チューブリンの変異等、他の耐性機構を有する。本発明の抗チューブリン化合物を、卵巣癌細胞系OVCAR−8(親)およびP−gpを過剰発現するNCI/ADR−RES細胞系に対して試験した(表5A、5B)。
結果:
顕著なことに、本発明の抗チューブリン化合物は、OVCAR−8およびNCI/ADR−RES細胞系に対して、等効力の抗増殖作用を有し、それらが、P−gp基質ではないこと、およびそれらがP−gp非依存性形式で機能することを示唆する。この特徴は、NCI/ADR−RES細胞における、パクリタキセル、ビンブラスチン、およびコルヒチンのものとは異なる。
フェニルアミノチアゾール化合物5a、5Hb、5c、および5dは、多数の前立腺癌細胞系において、強力な活性を示した。予想外にも、フェニルアミノイミダゾール化合物5eは、これらの前立腺癌細胞系において、活性を示さなかった(LNCaP、PC−3、DU−145、およびPPC−1において、IC50>1000nM)。この実験の陽性対照は、55および17yaであり、これらは、同じ細胞系において、7.5nM〜24.1nMのIC50値を示した(表5C)。
許容される経口バイオアベイラビリティおよび多剤耐性腫瘍細胞系において等効力の活性を有する、新しい系列のチューブリン重合阻害剤を、発見した。医薬品化学の取り組みは、SMART化合物1hを最適化することから開始する。「B」環および「B」環と「C」環との間の結合における、異なる置換アリールの化学的修飾を、インビトロで、癌細胞に対する生物学的評価に基づいて調査した。SAR研究は、最適な「B」環には、ピリジン(1c)、チオフェン(1f)、およびフラン(1d)が挙げられ、それらは、優れたインビトロ効力を維持することを明らかにした。カルボニルリンカーを「B」環と「C」環との間のシアノイミン(2j)で置き換えることにより、活性を増加させることになる。水溶解度およびバイオアベイラビリティを増加させるために、構造的修飾を行った。「A」環と「B」環との間にアミノを導入することにより、化合物5a〜cを得、それらは、試験癌細胞、ならびにMDR(+)およびMDR(−)細胞系に対して、類似のインビトロ抗増殖効力を示し、さらに、溶解度およびインビボバイオアベイラビリティは、1hのものよりも大いに改善された。したがって、これらの新規な抗チューブリン化合物は、癌の治療に非常に有用であり得る、化合物の新しいファミリーに相当する。
実施例12 本発明の化合物の抗増殖活性
本発明の方法によって調製した類似体の抗増殖活性を、表6および6Aに示す。
実施例13 本発明のイソキノリン誘導体の生物学的評価
細胞培養。LNCaP、PC−3、DU−145、PPC−1、MES−SA、およびMES−SA/DX5は、もともと、ATCC(Rockville,MD)から入手した。ATCCから入手した全ての細胞を即座に増殖させ、全ての細胞が、同じバッチの細胞の凍結容器から2〜3ヶ月毎に再開できるように、凍結させた。インビボ異種移植片研究のために、PC−3は、研究前の4ヶ月以内に、Research Animal Diagnostic Laboratory(Columbia,MO)で認証を得た。種間の汚染を、PCRによって試験し、細胞系の同一性を、遺伝子プロファイルを生成することによって検証した。MES−SAおよびMES−SA/DX5を、10%のウシ胎児血清(FBS)を補充した、2mMのL−グルタミンを含有するMcCoy's 5A Medium中に維持した。他の細胞は全て、2mMのL−グルタミンおよび10%FBSを有するRPMI−1640培地中に維持した。
増殖阻害アッセイ。試験化合物の細胞傷害または抗増殖活性を、スルホローダミンB(SRB)アッセイを使用して、複数の細胞系において調査した。培養した細胞を、96ウェルプレートに播種し、異なる濃度の試験化合物を含有する培地で、96時間インキュベートした。細胞を、SRB溶液で染色した。光学密度を、540nmで、マイクロプレートリーダー(Dynex Technologies,Chantilly,VA)上で判定した。薬物濃度に対する細胞増殖の阻害パーセントのプロットを構築し、未治療対照と比較して細胞増殖を50%阻害した濃度(IC50)を、WinNonlinソフトウェア(Pharsight Corporation,Cary,NC)を使用して、非線形最小二乗回帰によって判定した。
細胞周期分析。細胞周期の分布を、ヨウ化プロピジウム(PI)染色により判定した。処置した細胞を、PBSで洗浄し、70%の氷冷エタノールで一晩固定した。固定した細胞を、次いで、37℃で30分間、RNase A(300μg/mL)の存在下において、20μg/mLのPIで染色した。細胞周期の分布を、University of Tennessee Health Science Center,TNにおいて、蛍光活性化細胞分類(FACS)分析コアサービスによって分析した。
インビトロ代謝研究。両方の第I相について、65mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中のインキュベーション混合物は、1mg/mLの肝ミクロソームタンパク質、3mMのNADPH、および0.5μMの試験化合物から構成した。メタノール(基質を溶解するために使用)の濃度は、1%(v/v)であった。インキュベーションの総体積は、200μLであり、反応混合物は、37℃でインキュベートした。試験化合物の安定性曲線を生成するために、別々のインキュベーションを、残留化合物の分析用に、10、20、30、60、および90分で停止した。全ての反応を、200μLの氷冷アセトニトリルの添加により停止した。その後、続いて試料を3000gで5分間遠心分離し、上清をLC−MS/MSによって分析した。
マウスにおける薬物動態研究。雄性ICRマウス(5〜6週齢、20〜25g)を使用した。6a、6b、および6cについては、5mg/kgの用量を、静脈内、腹腔内、および経口の経路を介して投与した。静脈内用量は、尾静脈を介して投与した。経口用量は、強制経口投与によって投与した。各時点において、3〜4匹のマウスを、イソフルラン(Baxter Healthcare,Deerfield,IL)で安楽死させ、血液試料(最大でそれぞれ600μL)を、後大静脈から採取した。血漿試料を、分析前に−20℃で保管した。血漿タンパク質を、100μLのマウス血漿に、アセトニトリル(150μL、内部標準物を含有)を添加することによって沈殿させた。試料を、ボルテックスし、次に8000gで10分間遠心分離した。上清を、分析のための質量分析計への注入用の清潔な容器に移した。
インビボ抗腫瘍効果研究。Matrigel(BD biosciences,San Jose,CA)を加えたPC−3細胞(2.5×106細胞/部位)を、雄性nu/nuマウスの脇腹に皮下注入した。腫瘍寸法を、キャリパーを使用して2〜4日毎に測定し、V=π/6×(長さ)×(幅)2として計算した。腫瘍がおおよそ100〜150mm3の体積に達したとき、薬物治療を開始した。対照群を、ビヒクル(Tween 80中の20% Captex200)で治療した。治療の間、腫瘍寸法および体重を、2〜4日毎に測定した。
白血球の計数。全血を、有効性試験の最後に、ヌードマウスから得た。血球計を使用して白血球(WBC)を計数するために、10μLの全血試料を、190μLの2%酢酸で希釈した。適正な光の調節により、白血球は、血球計上に黒い点として現れた。各試料中の白血球を、希釈後1時間以内に2回計数し、平均を計算した。
結果
6bおよび6cの有効性および耐容性を、腹腔内注射後、異種移植片モデルにおいて測定した(図34)。PC−3異種移植片を、ビヒクル(1日1回)、6b(40mg/kg、1日1回)、または6c(40mg/kg、1日1回)で、3週間治療した。投与するビヒクルは、Tween 80中の20% Captex200で構成した。腫瘍体積(mm3)は時間に対してプロットし、8匹の動物の平均±標準偏差である。腫瘍体積および生存率または体重を、図34Aに示す。各ヌードマウスの肝臓の寸法(g)を、治療の3週間後に測定し、図34Bに示す。白血球数を、治療の3週間後に動物から収集した全血において計数し、図34Cに示す。
実施例14 選択した本発明のABI化合物の抗増殖活性
細胞培養細胞傷害性アッセイ
物質および方法ABI化合物の抗増殖活性を、3つのメラノーマ細胞系(A375およびWM−164、ヒトメラノーマ細胞系B16−F1、マウスメラノーマ細胞系)、ならびに4つのヒト前立腺癌細胞系(LNCaP、DU145、PC−3、およびPPC−1)において研究した。PPC−1細胞系を除いて、これら全ての細胞系はATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA)から購入した。MDA−MB−435およびMDA−MB−435/LCCMDR1細胞は、Georgetown University School of Medicine,Washington,DCのRobert Clarke博士から寄贈された。メラノーマ細胞を、DMEM(Cellgro Mediatech,Inc.,Herndon,VA)中で培養し、前立腺癌細胞を、10%FBS(Cellgro Mediatech)を補充したRPMI1640(Cellgro Mediatech,Inc.,Herndon,VA)中で培養した。培養液を、37℃で、5%CO2含有の加湿雰囲気に維持した。1000〜5000個の細胞を、増殖速度に応じて96ウェルプレートの各ウェルに播種し、48時間(増殖の速いメラノーマ細胞)または96時間(増殖の遅い前立腺癌細胞)、3〜5通りで、異なる濃度の試験化合物に曝露した。薬物治療の終わりに、細胞数をスルホローダミンB(SRB)アッセイによって測定した。簡潔には、細胞を、10%トリクロロ酢酸で固定し、0.4%SRBで染色し、540nmでの吸光度を、プレートリーダー(DYNEX Technologies,Chantilly,VA)を使用して測定した。薬物濃度に対する細胞生存の割合をプロットし、IC50(細胞増殖を、未治療対照の50%阻害した濃度)値を、GraphPad Prism(GraphPad Software,San Diego,CA)を使用して、非線形回帰分析によって得た。
結果
3つのメラノーマ細胞系(1つのマウスのメラノーマ細胞系B16−F1、および2つのヒト転移性メラノーマ細胞系A375およびWM−164)、ならびに4つのヒト前立腺癌細胞系(LNCaP、PC−3、Du145、およびPPC−1)を使用した、本発明の化合物のインビトロ抗増殖活性の結果を、表11〜13に要約する。
表11から、化合物12aa〜12aiは、IC50値がμM範囲(全7つの細胞系の平均)で、中等度の活性を示した。この系列の最も強力な化合物は、160nMの平均IC50値を有する12aaであった。C環の3,4,5−トリメトキシから、メトキシ基のうちの1つを除去することにより(12ad、12ae)、有意な活性の損失をもたらした(12aeについてはIC50>10μM、およびに12adついては3.1μMの平均IC50)。4−フルオロをC環に有する化合物(12af)もまた、比較的良好な活性(IC50=0.91μM)を示し、それは、トリメトキシ部分を4−フルオロ基で置き換えることが、良好な活性および改善された代謝安定性を提供し得るため、重要な意味あいを有する発見である。C環上のフッ素の位置は、4−フルオロから3−フルオロへの変更が、活性の全損をもたらしたため(12afに対する0.91μMと比較して、12agについてはIC50>10μM)、活性にとって重要であった。この結果は、潜在的な水素結合ドナーが、この環の4位に近接して存在することを示唆した。
表11にはっきりと示されるように、A環およびC環の位置が重要であった。イミダゾール環(B環)における、4位から1位へのC環部分の単純な変化は、活性の全損をもたらした(12aba、12aaa、10a、10x、10jに対するIC50>10μM)。
表11に明確に示された通り、A環とC環の位置は非常に重要だった。イミダゾール環(B環)の4位から1位にC環部分が単に移動することで、活性が完全に失われることになる(12aba、12aaa、10a、10x、10jで、IC50>10μM)。
表12から、C環に3,4,5−トリメトキシおよび4−フルオロ置換を有する化合物は、A環に異なる置換を伴って良好な活性を示した。これらの化合物は、WM164細胞系に対するIC50値が8.0nM程度に低く(12da)、優れた抗増殖活性を呈した。一般的に、A環のパラ位に単一の置換基を組み込む化合物は、12ca、12cb、12da、12db、12fa、12fb、12ga、および12gbの活性から見られるように、より強力であった(IC50=7.9〜110nM)。12db−HCl塩(IC50=172nM)は、対応する遊離塩基12db(IC50=109nM)と比較して、わずかに減少した活性を示した。A環およびC環のパラ位に単一のハロゲン置換基を有する化合物12fb(IC50=63.7nM)は、効力を示し、メトキシ部分を欠いていた。A環に3,4,5−トリメトキシ置換基を有する化合物は、完全に活性を失い(12ea、12ebに対してIC50>10μM)、A環およびC環付近の非常に異なる結合環境を提示した。A環からの5−メトキシ置換基の除去は、活性を有意に改善した(12ha、12eaに対して、それぞれIC50=330nMおよび>10μM)。3,4,5−トリメトキシの脱メチル化は、活性を、43nM(12fa)から3.89μM(13fa)へ激しく減少させた。A環またはC環のいずれかの置換基の脱メチル化により、同様の結果が、13ea、12ka、12kb、および13haに対して観察された。A環上の電子供与基(4−メトキシ、4−ジメチルアミノ、4−メチル)および電子求引基(4−クロロ、2−トリフルオロメチル)は、活性に実質的な差異を示さなかった。A環のオルト位置へのトリフルオロメチル基の導入は、活性の完全な損失をもたらした(12ia、12ibに対してIC50>10μM)。A環のパラ位におけるベンジルオキシ基の存在は(12jbに対してIC50=75nM)、パラ−ヒドロキシ化合物12kb(IC50=33μM)と比較して、440倍の活性の増加をもたらした。C環に4−フルオロを有する化合物12jbが、C環に3,4,5−トリメトキシ基を有するその対応物12jaよりも良好な活性を有することは、留意するに値する(IC50は、12jbに対して75nM、12jaに対して7.3μM)。
表13から、イミダゾール環の窒素に結合したフェニルスルホニル保護基を有する化合物(11cb、11db、11fb、11ga、11gb、11ha、11jb)はまた、IC50がnM範囲にあり(表13)、非常に活性である。これらの化合物の活性は、概して、11cb(43nM)、11db(111nM)、11fb(72nM)、11ga(285nM)、11gb(87nM)、11ha(268nM)、および11jb(61nM)の活性を、それらの対応する非保護対応物12cb(36nM)、12db(109nM)、12fb(64nM)、12ga(131nM)、12gb(72nM)、12ha(330nM)、および12jb(75nM)と比較することにより例示されるように、それらの対応する非保護対応物に匹敵する。他の化合物(11ab〜11ag、11ea、11eb、11hb、11ia、および11ib、1〜50μM)は、概して、活性が低く、同様にそれらの対応物(12ab−12ag、12ea、12eb、12hb、12ia、および12ib、1〜50μM)とも一致していした。
実施例15 薬物耐性メラノーマ細胞におけるアリール−ベンゾイル−イミダゾール(ABI)化合物の活性
P−糖タンパク質(Pgp)−媒介性の薬物排出は、効果的な抗癌細胞内薬物濃度の構築を妨げる、癌細胞の主要機構を代表する。ABI化合物の活性を、多剤耐性(MDR)メラノーマ細胞(MDA−MB−435/LCCMDR1)およびそれらの親の非耐性癌細胞(MDA−MB−435)に対して比較した。MDA−MB−435は、もともと、乳癌細胞系として指定されていたが、M14メラノーマ細胞系が起源であることが決定的に示された。化合物12da、12fb、12cb、11cb、および11fbを、コルヒチン、パクリタキセル、およびビンブラスチンを含む、他のチューブリン標的化剤と共に、MDRメラノーマ細胞系およびその親メラノーマ細胞系の両方において試験した(表14A)。パクリタキセルおよびビンブラスチンは、細胞のチューブリンを標的とすることが既知の、臨床使用されている抗癌薬である。コルヒチンは癌治療のFDA承認薬物ではないが、そのプロドラッグであるZD6126は、固形腫瘍について臨床試験中である。ボルテゾミブは、最初のプロテアソーム阻害剤であり、2003年に、多発性骨髄腫における使用について、FDAによって承認された。ABT−751は、チューブリンのコルヒチン結合部位を標的とすることが既知である。それは、再発性または難治性神経芽細胞腫を有する小児のための臨床試験における有望な薬物候補である。化合物12da、12fb、12cb、11cb、11fbは、コルヒチン(65.8)、パクリタキセル(69.3)、およびビンブラスチン(27.5)よりも、さらに良好な耐性指数(12daに対して3.0、12fbに対して0.9、12cbに対して1.3、11cbに対して0.8、11fbに対して0.7)を有した。コルヒチン、パクリタキセル、およびビンブラスチンは、非耐性メラノーマ細胞系に対して優れた活性を示したが(0.5〜10nM)、これらの化合物は、MDRメラノーマ細胞系においては著しく効力が弱かった(277〜658nM)。対照的に、12cb、11cb、11fbは、MDR(12da、12fb、12cb、11cb、および11fbに対して、それぞれ15nM、38nM、30nM、30nM、35nM)および非耐性メラノーマ細胞系(12da、12fb、12cb、11c、および11fbに対して、それぞれ5nM、41nM、24nM、38nM、50nM)の両方に、本質的に同等の効力を有した。化合物12daは、A375およびWM−164細胞に対して、パクリタキセルおよびコルヒチンよりも、活性であった。
表14Aの結果は、細胞系MDA−MB−435/LCCMDR1が、コルヒチン、パクリタキセル、およびビンブラスチンに非常に耐性であったことを示した。しかし、本発明のABI化合物は、薬物耐性細胞系および感受性親細胞系に、等しい効力を示した。この結果は、ABIが、P−gpの基質ではないことを強く示唆する。したがって、それらは、MDA−MB−435/LCCMDR1細胞おいて見られる多剤耐性を克服した。12fb、12da、および12cbに対する用量反応曲線を、図21に示す。表14Bは、ABI12cb、12da、および12fbと比較して、パクリタキセル、SN−38、ビンブラスチン、およびコルヒチンの耐性機構をさらに検討する。MRPおよびBCRPは、パクリタキセル(それぞれ、4および6の耐性指数)、ビンブラスチン(それぞれ耐性指数6および5)に中等度の耐性を呈し、BCRPは、SN−38に著しい耐性を呈した(耐性指数41)。しかしながら、ABIには、MRPまたはBCRP媒介性の耐性になりやすいものはなかった(耐性指数の範囲0.4〜1.0)。ABT−751は、ABIと同様に、MDR1、MRP、またはBCRPに影響されにくかった。
実施例16 インビトロ微小管重合アッセイ
物質および方法
ウシ脳チューブリン(0.4mg)(Cytoskeleton,Denver,CO)を、10μMの試験化合物と混合し、pH6.9で、110μlの一般的なチューブリン緩衝液(80mM PIPES、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、および1mM GTP)中でインキュベートした。340nmでの吸光度を、SYNERGY 4 Microplate Reader(Bio-Tek Instruments,Winooski,VT)によって、15分間、1分毎に監視した。分光光度計を、チューブリン重合のために、37℃に設定した。
結果
アリール−ベンゾイル−イミダゾール(ABI)化合物によるチューブリン重合の阻害を試験した。ウシ脳チューブリン(>97%純粋)を、10μMの濃度の3つの強力なABI化合物である12cb、12da、および12dbと共にインキュベートし、チューブリン重合に対するこれらのABI化合物の効果を判定した(図22)。チューブリン重合は、化合物12daによって完全に阻害されたが、一方で、化合物12cbおよび12dbとのインキュベーションの際には、約80%の阻害が観察された。
この微小管の不安定化効果は、コルヒチンおよびビンブラスチンのものと類似であったが、パクリタキセルのものとは逆であった。結果は、ABIが、チューブリンと直接的に相互作用し得ることを確認しただけでなく、それらが、コルヒチン(またはビンブラスチン)と同じ結合部位を共有し得ることも示唆した。
実施例17 インビトロでのメラノーマ阻害
物質および方法
B16−F1メラノーマ細胞を、コロニー形成密度(6ウェルプレート上、1ウェルあたり2000個の細胞)で、0.8%の寒天培地に播種た。細胞を、37℃で、95%空気および5%CO2の雰囲気において、ウシ胎児血清および抗生剤−抗真菌剤溶液を補充した、0.4%のDMEMを伴う寒天培地で増殖させた。細胞を、異なる濃度(20、100、および500nM)の化合物12da、12cb、および12fbで処置した。化合物を、1mM DMSO原液由来の培地に添加し、対応する希釈のDMSOを対照として使用した。細胞を14日間増殖させた。プレートを撮影し、コロニー数をArtek 880 Automated Colony Counter(Artek Systems Corporation,Farmingdale,NY)によって測定した。
結果
4つの代表的な写真を、図23に示す。14日間のインキュベーションの後、約130の検出可能なコロニー(直径が100μmよりも大きい)が、対照(処置なし)に形成された。
化合物12cbおよび12daは、最も低い試験濃度である20nMでさえも、B16−F1メラノーマのコロニー形成を効果的に阻害した(対照と比較して、p<0.05)。12fbは、100nMで、効果的な阻害を示した。3つ全ての試験化合物は、0.5μMで、コロニー形成の完全な阻害を示し、ABIの抗メラノーマ効果をさらに証明した。
実施例18 インビボ抗腫瘍活性
物質および方法
動物:4〜6週齢の雌性C57/BLマウスを、Harlan Laboratories(Harlan Laboratories Inc.,Indianapolis,IN)から購入した。動物の施設は、Association for Assessment and Accreditation and Laboratory Animal Careの規格に合致した。全ての手順は、Institutional Animal Care and Use Committeeのガイドラインに従って実行した。
効果のインビボ評価。マウスのメラノーマB16−F1細胞を、FBS不含DMEM培地(Cellgro Mediatech)において、5×106生存細胞/mLの濃度で、調製した。細胞懸濁液(100μL)を、各マウスの右背部脇腹に、皮下注射した。腫瘍寸法が、約100〜150mm3に達したとき、細胞接種の約7日後、腫瘍を有する全てのマウスを、主要寸法に基づいて、対照群および治療群に分割した(1群あたりn=5)。各群は、類似の平均腫瘍寸法を有した。対照群(陰性対照)のマウスに、50μLのビヒクル溶液のみ、または60mg/kgのDTIC(陽性対照)を、1日1回腹腔内注射した。腫瘍体積を、追跡可能な電子デジタルキャリパー(Fisher Scientific,Inc.,Pittsburgh,PA)で、2日毎に測定し、式a×b2×0.5を使用して計算し、式中、aおよびbは、それぞれ、大径および小径を表す。腫瘍体積は、立方ミリメートルで表した。データは、各群に対する平均±標準偏差として表し、時間の関数としてプロットした。実験の終わり(治療開始後14日目)に、腫瘍縮小の割合を、式100−100×[(T−T0)/(C−C0)]を用いて計算し、式中、Tは、指定日における治療群の平均腫瘍体積を表し、T0は、治療初日における同群の平均腫瘍体積を表し、Cは、指定日における対照群の平均腫瘍体積を表し、C0は、治療初日における同群の平均腫瘍体積を表す。化合物の毒性を評価するため、実験期間を通じて、各群の動物の活動および平均体重を監視した。治療の終わりに、全てのマウスをCO2、続いて頸椎脱臼により安楽死させ、さらなる研究のために腫瘍を摘出した。
結果
インビボでのABI類似体の効果を評価するために、マウスメラノーマB16−F1異種移植片への化合物12cbの抗腫瘍活性を、陽性対照として使用した悪性メラノーマ治療における至適基準であるDTICに対して、試験した(図24A)。20匹の雌性C57/BLマウスを、4つの群に分けた。ビヒクル対照群、DTIC(60mg/kg)治療群、12cb(10mg/kg)治療群、12cb(30mg/kg)治療群。各マウスに、50万個のB16−F1メラノーマ細胞を、皮下注射した。腫瘍接種の7日後、治療を、各化合物を毎日腹腔内に注射して開始した(図24)。腫瘍体積は、14日間の治療後に、12cb(10mg/kg)、DTIC(60mg/kg)、および12cb(30mg/kg)に対して、それぞれ、47%、51%、および73%、有意に(p<0.05)減少した。実験の間、いずれの治療群にも、有意な体重減少は観察されなかった。
15および45mg/kgの、2つの用量レベルの12fbを選択した。60mg/kgのDTICを、陽性対照として使用した。C57BL/6マウスにおけるB16−F1メラノーマ同種移植片モデルを、まず研究に選択した。13日間の治療後(図24B)、化合物12fbは、メラノーマ腫瘍増殖(TGI値)を、15mg/kgで32%、45mg/kgで82%阻害した。対照と比較した、45mg/kgでの12fbのスチューデントt検定p値は、0.001未満であり、有意な差異を示す。対照と比較した、15mg/kgでの12fbのt検定p値は、0.08であり、この用量が効果的ではなかったことを示唆する。45mg/kgの12fbを、TGIが51%である60mg/kgのDTICと比較して、t検定p値は、約0.001であり、12fbが、DTICのものよりも、実質的により良好な活性を有したことを示唆する。対照および12fbの15mg/kg治療群については、実験期間を通じて、平均体重がわずかに増加した。
ABIのインビボ活性をさらに確認するために、SHOマウスにおけるA375ヒトメラノーマ異種移植片モデルを使用し、25mg/kgの12fbを試験した。60mg/kgのDTICを、陽性対照として再度使用した。31日間の治療後(図24C)、12fbは、メラノーマ腫瘍増殖(TGI値)を69%阻害し、一方でDTICは、増殖を52%阻害した。対照に対する12fb治療のt検定p値は、0.001未満であり、12fbが、25mg/kgで、メラノーマ腫瘍増殖を有意に阻害したことを示唆する。DTICに対する12fb治療のt検定p値は、0.05未満であり、12fbが、DTICよりも良好な活性を有したことを再度示唆する。全ての群の平均体重は、実験期間を通じてわずかに増加した。マウスの身体的活動は、正常とみられ、25mg/kgは、SHOマウスに対する耐容性良好な用量であった。
実施例19 コルヒチンへの結合
物質および方法
各試験化合物を、G−PEM緩衝液(Cytoskeleton Inc.,Denver,CO)中において、20倍濃度で調製し、続いて、10μLの試験化合物を96ウェルプレートにピペットで入れた。10マイクロリットルのトリチウム化標識化コルヒチン(Perkin-Elmer,Waltham,MA)を、各試験ウェルに添加した。続いて、180μLのビーズ/チューブリン(GE Healthcare Bio-Sciences Corp.,Piscataway,NJ)懸濁液を、各ウェルに添加した。プレートを、Topcount NXTプレートリーダー(Perkin-Elmer,Waltham,MA)によって読み取る前に、37℃で45分間インキュベートした。非放射標識化「低温」コルヒチンを陽性対照として含み、パクリタキセルは、チューブリン内の異なる部位に結合し、コルヒチン部位の結合について競合しないため、パクリタキセルを陰性対照として含んだ。データを、GraphPad Prismソフトウェアを使用して処理した。
細胞周期分析
フローサイトメトリー分析を行って、細胞周期の位相分布を研究した。A375細胞を、コンフルエンスが約80%になるまで10cmの組織培養皿で培養し、次いで、細胞を、増殖培地において、0、10、50、200、および1000nMのコルヒチン、12da、12fb、および12cbで、24時間処置した。細胞のDNAを、50μg/mLのヨウ化プロピジウムおよび100μg/mLのRNase Aを含有するPBSで染色した。細胞周期を、BD LSR−II血球計算器(BD Biosciences,San Jose,CA)を使用して、10,000個の細胞をスコアして判定した。データを分析し、グラフを、Modfit 2.0プログラム(Verity Software House,Topsham,ME)を使用して作成した。
結果
チューブリンα/β−ヘテロ二量体中に、パクリタキセル結合部位、ビンブラスチン結合部位、およびコルヒチン結合部位、の3つのリガンド結合部位が、報告された。3H標識化コルヒチンおよび競合的結合しンチレーション近接アッセイ(SPA)を使用して、化合物12cbの結合親和性を測定した。結果は、3.4±1.5μMの結合親和性を有する、12cbの強い結合を確認した(図25A)。コルヒチンは、これらの条件下において、1.8±0.5μMのIC50値で、チューブリンに結合した。これらの結果は、ABI化合物が、チューブリン重合を効果的に阻害することを明確に示す。
結合グラフ(図25A)は、ABIが、チューブリンのコルヒチン結合部位に競合的に結合し得ることをはっきりと示す。3つの試験化合物の濃度が0.03μMから100μMへ増加するにつれて、トリチウム化コルヒチンは、チューブリンから競合的に引き離され、より低いSPA計数を出した。陰性対照であるパクリタキセルは、理論的には、チューブリン上のコルヒチン結合部位に結合するものではないため、平坦な直線を示すのみであった。第2に、ABIは、チューブリンのコルヒチン結合部位に、比較的高い結合親和性を有する。GraphPad Prismで計算した結合のIC50値は、12daが、最も高い結合親和性を有することを示した。結合親和性は、インビトロ抗メラノーマ活性に正相関し、結合親和性が高いほど、抗メラノーマ活性が高い。
ABIは、それらがチューブリンを標的とすることの指標として、細胞周期分析により、それらが細胞をG2/M期で停止させることを示した。化合物12da、12fb、および12cbを、陽性対照としてのコルヒチンと共に、A375細胞において試験した(図25B)。用量効果を示すために、4つの異なる濃度、10、50、200、および1000nMの各化合物を選択した(図25Cおよび25D)。干渉なしの対照(未治療)については、約16%のA375細胞が、G2/M期に分布していた。コルヒチン治療群については、濃度が10nMから50nMに増加するにつれて、G2/M期に分布している細胞の割合が、14%から85%に増加した。ABIは、A375細胞に対して類似の結果を有し、用量依存的な形式で、それらをG2/M期で停止させた。細胞をG2/M期で停止させることにおける異なる濃度の効力は、インビトロ活性と正相関した。
実施例20 化合物17ya、12fa、および55のインビトロおよびインビボ薬理学
物質および方法
前立腺癌の細胞培養および細胞傷害性アッセイ。全ての前立腺癌細胞系(LNCaP、PC−3、およびDU145、PPC−1)は、ATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA,USA)から入手した。ヒトPC−3_TxRは、パクリタキセルに耐性であり、PC−3と比較して、MDRモデルとして使用した。細胞培養用品は、Cellgro Mediatech(Herndon,VA,USA)から購入した。全ての細胞系は、スルホローダミンB(SRB)アッセイによって、化合物17ya、12fa、および55の抗増殖活性を試験するために使用した。全ての癌細胞系を、2mMグルタミンおよび10%ウシ胎児血清(FBS)を有するRPMI1640培地で維持した。
インビトロ微小管重合アッセイ。ブタ脳チューブリン(0.4mg)(Cytoskeleton,Denver,CO)を、1および5μMの試験化合物またはビヒクル(DMSO)と混合し、100μLの緩衝液(80mM PIPES、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、pH6.9、および1mM GTP)中でインキュベートした。波長340nmでの吸光度を、15分間、1分毎に監視した(SYNERGY 4 Microplate Reader,Bio-Tek Instruments,Winooski,VT)。分光光度計を、チューブリン重合のために37℃に維持した。
代謝的インキュベーション。代謝安定性研究を、37℃で、振動している水浴中において、1mg/mLのミクロソームタンパク質を含有する、1mLの総反応体積の0.5μMの試験化合物を、反応緩衝液[0.2M リン酸緩衝溶液(pH7.4)、1.3mM NADP+、3.3mM グルコース−6−リン酸、および0.4U/mL グルコース−6−リン酸脱水素酵素]中でインキュベートすることによって行った。NADPH再生系(溶液AおよびB)を、BD Biosciences(Bedford,MA)から入手した。グルクロン酸化研究については、脱イオン水中の2mM UDP−グルクロン酸(Sigma,St.Louis,MO)補因子を、前述のように、8mM MgCl2、脱イオン水中の25μgのアラメチシン(Sigma,St.Louis,MO)、およびNADPH再生溶液(BD Biosciences,Bedford,MA)と共にインキュベートした。反応溶液中の総DMSO濃度は、おおよそ0.5%(v/v)であった。代謝安定性を判定するために使用した反応混合物からのアリコート(100μL)を、5、10、20、30、60、および90分で、試料抽出した。200nMの内部標準物を含有するアセトニトリル(150μL)を添加して、反応を停止させ、タンパク質を沈殿させた。試料を、次いで、室温において4,000gで30分間遠心分離し、上清を、LC−MS/MSによって直接分析した。
分析方法。試料溶液(10μL)を、Agilent系HPLCシステム(Agilent 1100 Series Agilent 1100 Chemstation,Agilent Technology Co,Ltd)に注入した。全ての検体を、狭孔(narrow-bore)C18カラム(Alltech Alltima HP、2.1×100mm、3μm、Fisher,Fair Lawn,NJ)上で分離した。2つの勾配モードを使用した。代謝安定性研究については、勾配モードは、流速300μL/分で、移動相A[0.1%ギ酸含有ACN/H2O(5%/95%、v/v)]と、移動相B[0.1%ギ酸含有ACN/H2O(95%/5%、v/v)]との混合を用いて検体の分離を達成するために使用した。移動相Aを、0〜1分10%で使用し、続いて、直線的にプログラムした勾配で、4分以内に100%の移動相Bにし、100%の移動相Bを、10%の移動相Aへの迅速な傾斜の前に、0.5分間維持した。移動相Aを、分析の終盤に、さらに10分間継続した。
TurboIonSprayソースで動作する、トリプル四重極質量分析計、API Qtrap 4000(商標)(Applied Biosystems/MDS SCIEX,Concord,Ontario,Canada)を使用した。スプレー針電圧は、陽モードについては5kVに設定した。カーテンガスを10に設定し、ガス1およびガス2を、50に設定した。Collision-Assisted-Dissociation(CAD)ガスは中、ソースの加熱プローブ温度は500℃に設定した。最も感受性の高い信号を得るために、多重反応モニタリング(MRM)モード、スキャンm/z378→210(17ya)、m/z373→205(12fa)、m/z410→242(55)、およびm/z309→171(内部標準物)を使用した。データの取得および定量化処理は、Analyst(商標)ソフトウェアVer.1.4.1(Applied Biosystems)を使用して達成した。
水溶解度。薬物の溶解度を、LC−MS/MSと連結したMultiscreen Solubility Filter Plate(Millipore Corporate,Billerica,MA)によって判定した。簡潔には、198μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液(pH7.4)を、96ウェルプレートに充填し、2μLの10mM試験化合物(DMSO中)を分注し、室温で1.5時間、穏やかに振動させながら(200〜300rpm)混合した(N=3)。プレートを、800gで10分間遠心分離し、濾液を使用して、以下に記載のように、LC−MS/MSによってその濃度および試験化合物の溶解度を判定した。
薬物動態研究。6〜8週齢の雄性のICRマウス(1群あたりn=3)を、Harlan Inc.から入手し、17ya、12fa、および55の薬物動態(PK)の試験に使用した。全ての化合物(10mg/kg)は、DMSO/PEG300(1/9)に溶解し、尾静脈への単回の静脈内(i.v.)注射(50μL)によって投与した。血液試料を、静脈内投与の5、15、および30分、1、1.5、2、3、4、8、12、および24間後に収集した。マウスに、20mg/kgの(Tween 80/DMSO/H2O、2/2/6中)各試験化合物を経口で強制的に与え(経口)、それらの経口バイオアベイラビリティを評価した。血液試料を、経口投与の0.5、1、1.5、2、3、4、8、12、および24時間後に、収集した。
雌性のスプラーグドーリーラット(n=3、254±4g)を、Harlan Inc.(Indianapolis,IN)から購入した。ラットの胸部頸静脈カテーテルを、Braintree Scientific Inc.(Braintree,MA)から購入した。動物施設への到着時に、動物を、あらゆる治療の前に、12時間の明/暗サイクルの恒温室(20〜22℃)で、3日間順応させた。化合物17ya、12fa、および55を、5mg/kg(DMSO/PEG300、1/9中)の用量で、胸部頸静脈に静脈内投与した。等体積のヘパリン化生理食塩水を、除去した血液と置き換えるために注射し、血液試料(250μL)を、10、20、30分、および1、2、4、8、12、24時間で、頸静脈カテーテルを介して収集した。化合物2h、5Ha、および5Hcを、10mg/kg(Tween 80/DMSO/H2O、2/2/6中)で、経口で強制的に与えた(経口)。経口投与後の全ての血液試料(250μL)を、30、60、90分、120分、150分、180分、210分、240分、および8、12、24時間で、頸静脈カテーテルを介して収集した。ヘパリン化シリンジおよびバイアルは、血液収集の前に準備した。血漿試料は、8,000gで5分間、血液試料を遠心分離することによって、調製した。全ての血漿試料は、即座に−80℃で、分析まで保管した。
検体を、200nMの内部標準物を含有する200μLのアセトニトリルで、100μLの血漿から抽出した。試料を十分に混合し、遠心分離し、有機抽出物を、LC−MS/MS分析のために、オートサンプラーに移した。
PC−3_TxR異種移植片研究。PC−3_TxR細胞(1mLあたり10×107)を、10%FBSを含有するRPMI1640増殖培地において調製し、1:1の比率で、Matrigel(BD Biosciences,San Jose,CA)と混合した。腫瘍を、100μLの混合物(動物1匹あたり5×106個の細胞)を、6〜8週齢の雄性無胸腺ヌードマウスの脇腹に皮下(s.c.)注射することによって確立した。腫瘍の長さおよび幅を測定し、腫瘍体積(mm3)を、式、π/6×L×W2によって計算し、式中、長さ(L)および幅(W)は、mmの単位で判定した。腫瘍体積が300mm3に達したときに、PC−3_TxR腫瘍を有する動物を、経口で、ビヒクル[Tween 80/DMSO/H2O(2/2/6)]または17ya(10mg/kg)で治療した。投与スケジュールは、週3回、4週間であった。
結果
17aおよび55は、多剤耐性細胞を含む、細胞における広範な細胞傷害性を示す。17yaおよび55の癌細胞系の増殖を阻害する能力を、SRBアッセイを使用して評価した(表15)。両方の化合物が、低いナノモル範囲のIC50値で、5つの前立腺癌および1つの神経膠腫癌細胞系を含む、複数のヒト癌細胞系の増殖を阻害した。17yaは、これらの細胞系において、55よりも1.7〜4.3倍高い効力を示した。P−糖タンパク質(P−gp)を過剰発現するパクリタキセル耐性PC−3(PC−3/TxR)細胞系を使用して、17yaおよび55に対する薬物耐性の効果を研究し、その親であるPC−3細胞系と比較した。ドセタキセルのIC50値は、PC−3およびPC−3/TxR細胞において、それぞれ、1.2±0.1nMおよび17.7±0.7nMであった。17yaおよび55は、いずれも、親PC−3およびPC−3/TxRに対して、同等の効力を有し、一方でパクリタキセルおよびドセタキセルは、それぞれ、85および15倍の相対的な耐性を示した。これらのデータは、17yaおよび55はいずれも、P−gp媒介性薬物耐性を回避することを示す。
17yaおよび55は、チューブリン上のコルヒチン結合部位に結合し、チューブリン重合を阻害し、細胞のアポトーシスを誘発する(図26)。小分子阻害剤とチューブリンとの相互作用を研究するために、競合的質量結合アッセイを開発した。この研究において、種々の濃度の17yaまたは55を使用して、コルヒチン−チューブリン結合と競合させた。いずれの化合物も、チューブリン結合について、コルヒチンと効果的に競合したが(図26A)、しかしながら、それらの競合的結合曲線は、既知の強力なコルヒチン部位結合リガンドであるポドフィロトキシンと比較すると、高濃度で、実質的にゼロから偏移した。これは、17yaおよび55の両方が、ポドフィロトキシンよりも低い親和性を示したか、またはそれらがコルヒチン結合部位に部分的に結合することを示唆する。陰性対照であるビンブラスチンは、コルヒチン−チューブリン結合を阻害せず、この競合的質量結合アッセイの特異性を示すことに成功した。
ブタ脳チューブリン(>97%純粋)を、17yaまたは55(5μM)と共にインキュベートし、チューブリン重合に対するそれらの効果を研究した(図26B)。17yaおよび55は、15分で、チューブリン重合を、それぞれ47%および40%阻害した。5μMのコルヒチンは、陽性対照として使用し、チューブリン重合を32%阻害した。これらのデータは、17yaおよび55のいずれも、コルヒチンよりも、わずかに優れたチューブリン重合の阻害を有することを示唆する。したがって、これらの化合物の分子機構は、コルヒチン結合部位への結合、チューブリン重合の阻害、および細胞傷害性の誘発である。
PC−3およびPC−3/TxR細胞を、0.8〜600nmol/Lの17ya、55、またはドセタキセルに24時間曝露した。DNA−ヒストン複合体のレベルを、細胞アポトーシスを表すために使用した。17yaおよび55はいずれも、24時間以内に、PC−3(図26C)およびPC−3/TxR(図26D)に細胞アポトーシスを誘発するのに、等しい効力を有した。しかし、ドセタキセルは、PC−3細胞のアポトーシスの誘発には高い効力を有したが、P−gpの過剰発現のため、PC−3/TxR細胞においては、それが弱かった。
17yaおよび55は、好ましい薬物様特性を示した。代謝安定性、透過性、水溶解度、および薬物間相互作用等の薬物様特性を、17yaおよび55に対して試験した(表16A)。17yaは、55よりも優れた代謝安定性、および水溶解度を示した。いずれの化学物質も、十分過ぎる透過性の値を示し、それらの経口使用の可能性を示唆する。さらに、17yaおよび55はいずれも、CYP酵素阻害アッセイにおいて、マイクロモル範囲の高いIC50値を示し、いずれの化合物も、主要なCYP肝酵素を通じた薬物間の相互作用を回避し得ることを示す。全体的には、いずれの化合物も、好ましい薬物様特性を示した。
表16Bに示されるように、17yaは、第I相反応による半減期が80分であり、17yaが、代謝プロセス第I相において、安定であることを示唆する。UDP−グルクロン酸の存在下での半減期(90分)は、その非存在下に観察されるものと同様であった。これらのデータは、17yaが、ヒト肝ミクロソームにおいて安定であることを示唆し、低いクリアランスおよび長い半減期が、ヒトにおいて得られるであろうことが期待された。一方で、55は、UDP−グルクロン酸の存在下および非存在下において、それぞれ、30および43分を半減期として示した。化合物12faは、第I相で44の半減期を示した。これらのデータは、3つ全ての化合物が、ヒト肝ミクロソームにおいて、許容される安定性を示し、17yaは、12faおよび55よりも安定であったことを示唆する。それらの代謝を調査しているときに、12faおよび55が、より高レベルのケトン還元(データは示されない)を示したことを発見し、12faおよび55が、17yaよりも不安定であることを示唆した。
化合物17yaは、高い水溶解度を呈し、12faおよび55は、許容される溶解度を示した。
化合物17yaは、イミダゾール環を含有し、この環が、水溶解度を改善し、75μg/mLを上回る水溶解度をもたらした(表16A)。化合物12faおよび55は、より低い水溶解度を呈し、それぞれ、12および19μg/mLを示した。全体としては、17yaは優れた水溶解度を示し、12faおよび55は、許容される水溶解度を示し、1hよりも改善された。1hと比較して、12faのより優れた溶解度は、より改善された経口バイオアベイラビリティにつながった(ラットにおいて35%対3.3%)。17yaおよび55についても同様に、水溶解度は、以下に記載のように、より改善された経口バイオアベイラビリティと相関する(表17)。
マウス、ラット、およびイヌにおける、17yaおよび55の薬物動態研究。ICRマウス、スプラーグドーリーラット、およびビーグル犬に、単回(静脈内または経口)投与で与えた17yaおよび55の薬物動態パラメータを、表17に要約する。17yaは、マウスおよびラットにおいて、低いクリアランスを示し、17yaが、代謝安定性、およびこれらの種における最小の初回通過代謝を示したことを示唆する。さらに、17yaは、マウスおよびラットにおいて、中等度の分布量を有し、腫瘍を含む組織内に適切に分布し得ることを示す。マウスおよびラットの場合とは異なり、驚くべきことに、イヌにおける17yaの総クリアランスは高かった。イヌ血漿中の2つの豊富な代謝産物である、ヒドロキシル化代謝産物および親の+34m/zを有する未知の代謝産物(データは示されない)は、イヌ肝ミクロソームにおいて見られるものと一致していた。要約すると、55と比較して、より高いクリアランスおよびより低い経口曝露が、イヌにおいて17yaに対して得られたが、マウスおよびラットには得られなかった。さらに、17yaは、イヌ肝ミクロソームにのみ、豊富な代謝産物を示し、マウス、ラット、またはヒト肝ミクロソーム(データは示されない)には示さなかった。17yaは、ラット、マウス、およびイヌにおいて、許容される21%、36%、および50%の経口バイオアベイラビリティを示した。一方で、55は、ラットにおいて低いクリアランスを有し、マウスおよびイヌにおいては中等度のクリアランスを有した。17yaと同様に、55は、これらの種において、中等度の分布量を示した。55は、3種間で、一定した経口バイオアベイラビリティ率を有した(24%〜36%)。これらの特性は、17yaおよび55はいずれも、潜在的な経口利用可能なチューブリン阻害剤であることを示す。
17yaおよび55は、パクリタキセル耐性前立腺(PC−3/TxR)異種移植片の増殖を阻害する。PC−3(図27A)およびパクリタキセル耐性前立腺癌(PC−3/TxR)(図27B)細胞を、ヌードマウスに接種し、腫瘍体積を、約150〜300mm3に到達させた。前立腺癌用に臨床使用されているドセタキセル(10または20mg/kg)を使用して、インビボでのP−gp媒介性薬物耐性モデルにおける、その効果を評価した。PC−3/TxR腫瘍は、成長が早いことがわかり、研究終了時に、体積は1500〜2500mm3に達した。静脈内投与した10および20mg/kgのドセタキセルは、両方のモデルにおいて用量反応を示した(図27Aおよび27B)が、腫瘍増殖阻害(TGI)効果は、10mg/kgで静脈内投与した場合、PC−3腫瘍における84%TGIから、PC−3/TxR腫瘍における14%TGIへ減少した(表18)。さらに、高用量(20mg/kg)において、ドセタキセルは、PC−3腫瘍の部分退縮を誘発した(>100%TGI)が、PC−3/TxR腫瘍においては、わずか56%TGIであった。PC−3/TxR腫瘍におけるドセタキセルの有効性は、PC−3腫瘍と比較すると劇的に減少し、効果が、P−gp媒介性薬物耐性によって損なわれたことを示唆し、これらの結果は、インビトロ細胞傷害性またはアポトーシスのデータと、非常によく一致している。PC−3/TxR腫瘍におけるドセタキセルの効果の欠如とは対照的に、経口で投与した17ya(6.7mg/kg)は、それらの体重に影響を及ぼすことなく100%を上回るTGIを示した(図27Bおよび表18)。さらに、PC−3/TxR腫瘍を有する4匹のヌードマウス中2匹が、19日目に腫瘍がなくなった(データは示されない)。
PC−3/TxR異種移植片モデルを、17ya(他の投与スケジュールで)および55の効果を評価するために、さらに利用した。17yaの最大耐量(体重減少>20%)は、1日1回4日間経口投与した場合は10mg/kg、または1日2回(b.i.d.)5日間で3.3mg/kgであることが見出された(データは示されない)。図27Cに示されるように、3.3mg/kgの17yaを、1週目の最初の4間連続で1日2回投与し、次いで、2週目〜4週目は、スケジュールを、1日1回に変更した。結果は、4〜19日目に部分退縮がもたらされ、TGIは97%であり、7匹のマウスのうち1匹は、26日目に腫瘍がなくなった。より低い投与頻度(2日に1回)でのより高い用量(10mg/kg)の17ya(図27D)は、13〜29日目に部分退縮を誘発した。これらのデータは、最適化した用量および投与スケジュールを有するレジメンは、17yaのPC−3/TxR腫瘍阻害の成功を促進するであろうことを示唆する。55を、1週目〜4週目に、1日2回で週5回、10または30mg/kgでヌードマウスに経口投与した。図27Cに示されるように、阻害プロファイルは、PC−3/TxR腫瘍における用量反応を示す。TGI値は、低用量(10mg/kg)での治療群に対して、59%であった。さらに、高用量(30mg/kg)は、19日目から研究終了(26日目)に、部分退縮(>100%TGI)を示し始めた。ビヒクル群の数匹のマウスは、終了時点で、癌の悪液質のために、ある程度体重が減少した。一方で、17ya(3.3mg/kg)または55(30mg/kg)で治療したマウスは、体重が増加し(表18)、これらの最適化した用量の17yaまたは55は、耐容性が良好であり得、癌の悪液質を予防したことを示唆する。
ヌードマウスにおける17yaおよび55の脳透過性。20mg/kgの17yaまたは55の経口投与の1時間および4時間後に、ヌードマウスにおける全脳内濃度を判定した(表19)。ヌードマウスにおいて、脳内と血漿内との濃度比を判定し、ドセタキセルと比較した。55は、17yaおよびドセタキセルよりも、優れた脳透過性を示した。17yaは、1および4時間の両方において、ドセタキセルよりもわずかに優れた脳内/血漿内濃度比を示すのみであった。55の脳内濃度は、1時間および4時間で、それぞれ、血漿内濃度の14〜19%に達し、1時間および4時間の両方において、ドセタキセルと比較して、3.2倍高い脳内/血漿内比を示した。これらのデータは、55が、神経膠腫細胞において、より優れた脳透過性および高い効力(22nM、表15)を有したため、神経膠腫の治療に潜在的に好ましい特性を示したことを示唆する。
実施例21 本発明の化合物の薬物動態
実施例22 4−置換メトキシベンゾイルアリールチアゾール(SMART)化合物1h、2k、および2lの生物学的活性:活性な微小管阻害剤
物質および方法
インビトロ微小管重合アッセイ。ウシ脳チューブリン(0.4mg)(Cytoskeleton,Denver,CO)を、10μMの試験化合物またはビヒクル(DMSO)と混合し、100μlの緩衝液(80mM PIPES、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、pH6.9、および1mM GTP)中でインキュベートした。波長340nmでの吸光度を、15分間、1分毎に監視した(SYNERGY 4 Microplate Reader,Bio-Tek Instruments,Winooski,VT)。分光光度計を、チューブリン重合のために37℃に維持した。
MS競合結合アッセイ。コルヒチン、ビンブラスチン、およびパクリタキセル(各1.2μM)を、チューブリン(1.2mg/mL)と共に、37℃で1時間、インキュベーション緩衝液(80mM PIPES、2.0mM MgCl2、0.5mM EGTA、pH6.9)中でインキュベートした。1h(0.5〜125μM)を、コルヒチン、ビンブラスチン、およびパクリタキセルのチューブリン結合と、個別に競合させて試験した。遊離形態のリガンドを、限外濾過方法(微小遠心管)(Microcon,Bedford,MA)を使用して、30kDaの分子カットオフ寸法で、チューブリンまたは微小管から分離した。コルヒチン、ビンブラスチン、およびパクリタキセルを、LCMS/MS方法によって判定した。リガンドの結合を阻害する1hの能力を、いずれの競合物質も存在しない場合における対照結合の割合として表した。各反応は、3通りに実行した。
前立腺およびメラノーマ癌の細胞培養および細胞傷害性アッセイ。全ての前立腺およびメラノーマ細胞系は、ATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA,USA)から入手し、一方で細胞培養用品は、Cellgro Mediatech(Herndon,VA,USA)から購入した。化合物の抗増殖活性を、4つのヒト前立腺癌細胞系(LNCaP、DU145、PC−3、およびPPC−1)、ならびに2つのヒトメラノーマ細胞系(A375およびWM−164)において試験した。ヒト卵巣細胞系OVCAR−8およびP−gpを過剰発現するその耐性細胞系NCI/ADR−RESを、MDRモデルとして使用した。いずれの卵巣細胞系も、National Cancer Institutes(NCI)から入手した。全ての前立腺癌細胞系を、10%ウシ胎児血清(FBS)で培養した。
細胞周期分析。フローサイトメトリーを行って、細胞周期分布に対する化合物の効果を研究した。PC−3およびA375細胞を、増殖培地中において、指定濃度の化合物1h、2k、2lで24時間処置した。細胞のDNAを、PBS中の100μg/mLのヨウ化プロピジウムおよび100μg/mLのRNase Aで染色し、フローサイトメトリーを行って、細胞の細胞周期分布を判定した。
ELISAによるアポトーシス検出。細胞質中のモノおよびオリゴヌクレオソームの濃縮の定量化を使用して、製造業者の説明書に従ってアポトーシスを誘発する化合物の能力を判定した(細胞死検出ELISA PLUS、Roche,Germany)。
薬物動態研究。6〜8週齢の雄性のICRマウス(1群あたりn=3または4)を、Harlan Inc.から購入し、化合物の薬物動態(PK)を試験するために使用した。1h、2k、2l(15mg/kg)を、PEG300/DMSO(1/4)中に溶解し、尾静脈への単回の静脈内注射によって投与した。血液試料を、投与の2、5、15、および30分、1、2、4、8、16、および24時間後に収集した。雄性のスプラーグドーリーラット(n=4、254±4g)を、Harlan Inc.(Indianapolis,IN)から購入した。1h、2kを、2.5mg/kg(DMSO/PEG300、1/4中)で、胸部頸静脈カテーテルに静脈内投与した。血液試料(250μL)を、10、20、30分、1、2、4、8、12、24、48時間で収集した。タンパク質沈殿方法を、試料の調製に使用した。アセトニトリル(ACN)のアリコート(200μL)を、100μLの血漿に添加し、次いで、15秒間、十分にボルテックスした。遠心分離した後、上清を、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC−MS/MS)によって分析した。薬物動態パラメータを、非コンパートメント分析(WinNonlin,Pharsight Corporation,Mountain View,CA)を使用して判定した。
PC−3およびA375腫瘍異種移植片研究。PC−3およびA375細胞(1mLあたり5×107)を、10%FBSを含有するフェノールレッド不含増殖培地中で調製し、1:1の比率でMatrigel(BD Biosciences,San Jose,CA)と混合した。腫瘍を、100μLの混合物(動物1匹あたり2×106個の細胞)を、6〜8週齢の雄性無胸腺ヌードマウスの脇腹に皮下(s.c.)注射することによって確立した。腫瘍の長さおよび幅を測定し、腫瘍体積(mm3)を、式、π/6×L×W2によって計算し、式中、長さ(L)および幅(W)は、mmの単位で判定した。腫瘍体積が、150mm3に達したときに、PC−3腫瘍を有する動物を、腹腔内で、ビヒクル[Captex200/Tween 80(1/4)]、1h(5および15mg/kg)、2k(5および15mg/kg)、ならびに2l(50mg/kg)で、21日間治療した。ビンブラスチン(0.5mg/kg)は、陽性対照として使用し、2日に1回、ビヒクル[DMSO/PEG300(1/9)]と共に投与した。一方で、A375腫瘍を有するマウスを、ビヒクル[Captex200/Tween 80(1/4)]、1h(20mg/kg)、または2k(15mg/kg)で、34日間治療した。用量は、それぞれ、最大30mg/kgおよび15mg/kgの用量が、連続4日間の腹腔内投与後に10%を超える体重減少をもたらさなかったことを示す、ICRマウス(n=2/群)における1hおよび2kの急性毒性研究に基づいて選択した。
インビボ抗腫瘍活性[腫瘍増殖阻害(T/C%)、腫瘍増殖遅延(T−C値)、および腫瘍細胞死(総log細胞死)]。薬物効果の証拠を次のパラメータによって記載する。T/C%=[Δ治療群の腫瘍体積]/[Δ対照群の腫瘍体積]×100%。T−C値(腫瘍増殖遅延)は、治療群(T)および対照群(C)の腫瘍が、所定の寸法(この研究においては600mm3)に達するのに要した平均時間(日数)に基づいたものである。これらの値を、次に、式、Log細胞死=(T−C)/(3.32×Td)に従って、腫瘍細胞死の定量化に使用した。Tdは、日数単位での腫瘍体積−倍増時間である。この研究において、腫瘍が300から600mm3に増加するのに要した倍増時間を画定した。
ローターロッド試験。ICRマウスに、それらが、12rpmで120秒よりも長く回転ロッド上に留まることができるように、1日3回で2日間訓練を受けさせた。マウスを、次いで、それらが回転ロッド上に留まることのできる時間の長さによって無作為化し、1群あたり7〜8匹のマウスに分けた。Captex200/Tween 80(1/4)中の5または15mg/kgの用量の1hを、腹腔内注射によって投与した。0.5mg/kg/日の用量のビンブラスチンを、同じ条件下において陽性対照として使用した。ローターロッド試験は、週2回行った。31日目に治療を終了し、治療の終了後、1、2、および4週目に、後観察を試験した。ロッドの速度を、5分間の期間にわたり、59rpmから40rpmに増加させた。能力を、マウスが回転ロッド上に留まることのできる時間の長さとして測定した。
インビボ薬物耐性研究。PC−3異種移植片研究の終了時に、対照および1hでの治療(15mg/kg)群から、固形腫瘍を除去し、0.1%コラゲナーゼ(Type I)および50mg/mLのDNAse(Worthington Biochemical Corp.,Freehold,NJ)で消化させた。分散した細胞を、10%FBSを加えたRPMI培地に播種し、付着させるために、37℃および5%CO2で、24時間インキュベートした。1hの抗増殖効果を比較して、PC−3異種移植片内に残存する腫瘍細胞が、薬物に対する感受性を保持したかどうかを判定した。ATCCから入手したPC−3細胞を、インビトロ対照として使用した。統計的分析を、簡易t検定を使用して行った。
結果
構造活性相関研究に基づいて、3つの化合物(図28A)を、生物学的特徴付けのために選択した。1hおよび2kは、低いナノモル細胞傷害特性を有する、高く効力のある分子であるが、改善された溶解度を有する潜在的な代謝産物として合理的に設計された2lは、最も効力の低い抗増殖効果を有した(表21)。
SMARTは、コルヒチンに結合することによって、微小管重合を阻害する。
チューブリン上の結合部位。
ウシ脳チューブリン(>97%純粋)を、個々の化合物(10μM)と共にインキュベートし、チューブリン重合に対するそれらの効果を試験した(図28B)。1hおよび2kは、チューブリン重合を90%阻害したが、2lは、重合をたった55%しか阻害しなかった。過去の研究は、1hによるチューブリン重合の濃度依存性阻害を示した。さらに、同じ実験条件下において、1hに対するIC50(4.23μM)は、コルヒチンのもの(4.91μM)と類似であった。これらのデータは、化合物が、それらの細胞傷害性と十分に一致する、強い抗チューブリン重合活性を示すことを示唆する(表21)。チューブリン上の既知の結合部位について競合する化合物の能力を、研究室にて開発した新規のMS競合的結合アッセイを使用して判定した。チューブリン上の3つの結合部位に対応する3つのチューブリンリガンドである、コルヒチン、ビンブラスチン、およびパクリタキセルを、これらの競合的結合研究に使用した。0.1〜125μMの濃度範囲にわたって、1hは、チューブリンに結合するコルヒチンと特異的に競合したが、チューブリンに結合するビンブラスチンまたはパクリタキセルのいずれとも競合しなかったことが見出された(図28C)。
SMART化合物は、多剤耐性癌細胞系の増殖を阻害する。
癌細胞系の増殖を阻害する化合物の能力を、SRBアッセイを使用して評価した。表21に示されるように、化合物は、4つの前立腺癌細胞系および2つのメラノーマ細胞系を含む、複数のヒト癌細胞系の増殖を、低いナノモル範囲のIC50値で阻害した。3つの化合物の中で、2lは、最も効力が弱かった(IC50が76〜116nM)。2kは、前立腺癌およびメラノーマ細胞系において、IC50値が6〜43nMで、最高の抗増殖効果を示した。さらに、OVCAR−8およびNCI/ADR−RES細胞系における化合物の効果もまた、評価した(表21)。化合物は、MDR細胞(NCI−ADR−RES)およびその親細胞系(OVCAR−8)に対して、同等に効力があった。パクリタキセル、ビンブラスチン、およびコルヒチンは、それぞれ、1333、149、および65倍の相対的な耐性値を示した(表21)。これらのデータは、化合物が、P−gp媒介性薬物耐性を回避することを示す。
SMART化合物は、PC−3(前立腺)およびA375(メラノーマ)細胞を、細胞周期のG2/M期で停止させ、細胞アポトーシスを誘発する。PC−3およびA375細胞を、10、50、200、および1000nMの化合物に、24時間曝露した。SMART化合物での治療は、PC−3およびA375の両細胞のG2/M期での濃度依存性蓄積を、G0/G1期の細胞の割合の同時減少と共にもたらした(図29Aおよび29B)。G2/M期の細胞の割合は、50〜200nMの1h、2k、2lで治療した際に、有意に増加した。次に、アポトーシスを、24時間の治療後に、PC−3およびA375細胞内の細胞質のDNA−ヒストン複合体のレベルを測定することによって試験した。SMART化合物の濃度の増加は、PC−3およびA375細胞内の細胞質のDNA−ヒストン複合体のレベルを増加させた(図29C)。効果は、PC−3細胞よりも、A375細胞においてより顕著であったが、アポトーシスは、両方の細胞種において、明白であった。1hおよび2kは、50nMの濃度で、中等度のアポトーシスを誘発したが、一方で、2lは、200nM以上の濃度でのみ、アポトーシスを誘発した。
SMART化合物のインビボ薬物動態プロファイル。各化合物の単回ボーラス投与(15mg/kg)をICRマウスへの尾静脈注射によって投与し、それらの薬物動態の特徴付けを行った(図30A)。1hおよび2kは、類似の薬物動態特性を示したが、2lは、1hおよび2kよりもわずかに高いAUCを示し、2lの低いクリアランスを示した(表22)。2lはまた、1hおよび2kのものよりも2〜3倍高いVssを有した。3つ全ての化合物のクリアランス値は、マウスの肝血流速度が90mL/分/kg以上であり、肝除去に加えて、他の分解経路が、化合物の排出に関与する可能性があることを示唆した。1hおよび2k(2.5mg/kg)の薬物動態もまた、ラットにおいて試験した(図30B)。興味深いことに、低いクリアランス値および肝抽出率が、両方の化合物に得られ、これらの化合物が、クリアランスに種差を示したことを示唆した。ラットにおいて、1hは、好ましい薬物動態特性である、静脈内投与した際の低いクリアランス(6mL/分/kg)、中等度の分布量(7.6L/kg)、長い半減期(24時間)、および高い露出(AUC、5.8時間*μg/mL)、を示した(表22)。
表22内のSMART−Hは、1hであり、表22内のSMART−Fは、2kであり、表22内のSMART−OHは、2lである。
SMART化合物は、神経毒性なしに前立腺およびメラノーマ異種移植片の増殖を阻害する。マウスの前立腺癌PC−3およびメラノーマA375腫瘍を、150mm3の体積に到達させ、次に、腫瘍を有するマウスをSMART化合物で治療した。図31Aに示されるように、対照群の腫瘍体積は、21日の研究期間にわたり、680mm3に増加した。1h治療群の腫瘍体積は、21日目までに、370mm3(5mg/kgの治療)および176mm3(15mg/kgの治療)に増加し、この化合物の強い抗腫瘍活性を示した。2kで治療した動物の腫瘍は、269mm3(5mg/kgの治療)および292mm3(15mg/kgの治療)に増加したが、一方で、2l(50mg/kg)治療群の動物は、21日目で331mm3の腫瘍を有した。この腫瘍体積の縮小は、SMART化合物の中止によって逆転した(データは示されない)。表23は、SMART化合物のインビボ効果(T/C%、T−C値、およびlog細胞死)を要約する。
1h腫瘍は、5および15mg/kgの治療(全ての投与は、腹腔内(i.p.)であった)で、それぞれ、T/C%=29%および4%を誘発したが、一方で、2kは、5および15mg/kgの治療で、それぞれ、21%および24%のT/C%を誘発した。高用量の2l(50mg/kg)は、34%のT/C%を示した。陽性対照であるビンブラスチンは、PC−3異種移植片において、22日目で、29%のT/C%を示した(図31B)。毒性を監視するための体重測定は、1h(15mg/kg)で治療した8匹のマウスのうち1匹、および2k(15mg/kg)で治療した7匹のマウスのうち2匹のみが、15%を超えて体重が減少した。化合物のPC−3前立腺腫瘍に対する抗腫瘍効果に加えて、1h(20mg/kg)および2k(15mg/kg)は、A375腫瘍の有意な減少を示した。図31Cに示されるように、対照群の腫瘍体積は、2183mm3に増加したが、一方で、1hおよび2k治療群の14個の体積は、それぞれ、775mm3および722mm3に増加した。1hおよび2kでの治療は、それぞれ、28%および29%のT/C%を引き出した。ローターロッド試験を行い、1hのインビボ神経毒性効果を試験した。インビボ効果実験の結果に基づいて、5または15mg/kg[腹腔内投与、Captex200/Tween 80(1/4)]の1hを、運動神経への影響を研究するために選択した。0.5mg/kgのビンブラスチンでの治療を、同一条件下で、陽性対照として使用した。図31Dに示されるように、ビンブラスチンは、ビヒクル群と比較して、徐々に、マウスが回転ロッド上に留まることのできる時間(秒)を減少させ、27日目および31日目までに、有意性に達した(p<0.05)。しかしながら、1h治療群には有意な差異は観察されず、1hが、腫瘍効果と関連する用量において、ICRマウスに神経毒性をもたらさなかったことを示唆した。
1hは、PC−3腫瘍を有するマウスに薬物耐性を発生させなかった。ビヒクル(n=3)または15mg/kgの1h(n=3)での21日間の治療後に、ヌードマウスからPC−3腫瘍を摘出した。方法の部分で記載したように、固形腫瘍を消化して、細胞内に分散させた。ATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA,USA)からのPC−3細胞系を、対照として使用した。IC50値は、ATCCからのPC−3細胞、ならびにビヒクルおよび1hで治療した腫瘍からの解離細胞において、それぞれ、29.1±1.1、29.1±0.8、および30.4±0.5nMであった。これらのデータは、1hが、21日間の継続的な1hでの治療後に、PC−3腫瘍において薬物耐性を誘発しなかったことを示す。
実施例23 分子モデリング
方法
全ての分子モデリング研究を、Dell Linuxワークステーションで作動するSchrodinger Molecular Modeling Suite 2008(Schrodinger LLC,New York,NY)を用いて行った。ABI化合物の寸法は、DAMA−コルヒチンよりも、ABT−751のものに近似しているため、モデリングシステムとして、ABT−751とのチューブリン複合体(PDBコード:3KHC)を選択した。ABIを、Ligprepモジュールを使用して構築および調製し、Schrodinger SuiteのGlideモジュールを使用して、それらをABT−751部分にドッキングした。最も良好にドッキングした複合体を、拘束分子動力学に供し、OPLS−2005力場を有するMacromodelモジュールを使用して、あらゆる歪みを放出させた。リガンドおよび15Å内のその周辺残基を自由に移動させたが、半径15Å外の残基は、固定を保った。
結果
チューブリン内で結合するABI化合物の分子モデリングを研究した。リガンド−チューブリン複合体の複数の結晶構造が、PDBデータバンクにおいて利用可能であり、Dorleansらのものが最新である。一般的に、コルヒチン結合ポケットは、種々の分子構造を許容し、それは、リガンド結合の際に、実質的な構造変化を示し得る。実際、Dorleansらは、空のチューブリン二量体およびリガンド−チューブリン複合体の両方の結晶構造を解いた。彼らは、リガンドの存在がない場合、βモノマー内のループ7(T7、残基244〜251、図32)が、畳み込んで結合ポケットを占有するが、それは、リガンド結合の際には逆転することを発見した。関連へリックス7(H7、残基224〜243)およびへリックス8(H8、残基252〜260)は、リガンド結合時に変位した。T7が、変位する範囲は、個々のリガンドの寸法に依存することが考えられる。この柔軟性は、実際の結晶構造を解くことなく、個々のリガンドの正確な結合様式を理解することに対して、重大な課題を提示する。いずれにせよ、可能な結合様式の入念な分析が、異なるリガンドの結合に、何らかの手がかりを提供し得る。
12cbおよび11cbの結合様式(スティックモデル)を、図32Aおよび32Bに示す。比較のため、ABT−751およびDAMA−コルヒチンの結晶構造の複合体(ワイヤモデル)を、図32AのABI−12cb/チューブリン複合体と共に、表示する。明瞭性のため、β−チューブリンの結合ポケットを形成する関連二次構造のみが、図32Aに示される。12cb、ABT−751、およびDAMA−コルヒチンの全体的な構造は、結合ポケット内で非常に良好に重なり合う。化合物12cbとチューブリンとの間の複数の可能な水素結合相互作用を識別した。12cbのカルボニル基は、チューブリンβ−モノマーのH8におけるLeu−252のNH骨格およびT7におけるAsp−251の側鎖と、2つの水素結合相互作用を形成するのに十分な近接性がある。C環のパラ−フッ素置換基は、1つまたは2つの水素結合を形成する可能性のある、T7におけるCys241の側鎖およびS6におけるTyr202に近接していた。イミダゾール陽子は、チューブリンα−モノマーのT5ループ(残基173〜182)におけるThr179と非常に近接しており、それらと水素結合を形成する傾向にある(図32A)。芳香環によって提供される疎水性の相互作用と共に、予想されるこれらの水素結合の形成は、チューブリン二量体に対する結合親和性に貢献し、高い抗増殖効力をもたらした。
11cbの結合様式は、3つの芳香環のうち2つが、β−モノマー内の結合ポケットを占有し得、一方で3つ目の環は、DAMA−コルヒチンの側鎖が結合する方法に類似して、α/β−モノマーの界面に向かって延在し得るため、おそらく、あまり画定されないであろう。モデリングは、保護基が、チューブリン二量体の界面に延在する傾向にあり、一方で11cbのA環、C環は、12cbと類似の結合ポケットおよび配向を占有することを示す(図32B)。これは、11cbが追加の環系を有するとしても、2つの化合物間の類似の活性を説明し得る。図32Aおよび32Bに提示される分子モデリング研究から、水素結合ドナーは、α/β−チューブリン二量体におけるβ−サブユニットのループ7のCys−241にあるチオール基である可能性が高い。
ABI12fbの結合様式をモデル化し(示されない)、α/β−チューブリンヘテロ二量体のDAMA−コルヒチン(コルヒチンの構造については図19を参照されたい)と比較した。12fbおよびDAMA−コルヒチンの全体的な構造は、非常によく重なり合った。p−フルオロフェニル部分は、β−サブユニット内のT7ループと相互作用する、トリメトキシフェニル部分と重なり合う。同様に、p−クロロフェニル部分は、塩素原子が、メトキシ部分が相互作用するポケットを占有する状態で、DAMA−コルヒチンの7員環がある、もう一方のポケットを占有する。
実施例24 微小管撮像
物質および方法
Cellomics Cytoskeleton再配列キット(Thermo Scientific,Rockford,IL)を使用して、ABIが細胞内でチューブリンと相互作用することについて、視覚的に感知できるほどの証明を得た。WM−164メラノーマ細胞を、コラーゲンでコーティングした96ウェルプレート(Becton Dickinson Labware,Bedford,MA)を使用して、各化合物で18時間、2通りに治療した。次に、細胞を4%パラホルムアルデヒド(Thermo Scientific,Rockford,IL)で固定し、キットの透過化緩衝液用品を使用して透過化した。チューブリンの一次抗体および蛍光標識化した二次抗体を、続けて細胞に添加した。細胞核をDAPIによって染色した。Whole Cell Stain Greenもまた、全ての細胞に適用した。全ての画像は、チューブリン(赤)、核(青)、全細胞(緑)の別個の画像のオーバーレイと共に、Olympus IX71倒立型蛍光顕微鏡(Olympus Corp.,Tokyo,Japan)で取得した。比較のために、パクリタキセル、コルヒチン、およびABT−751を、ABIと共に含んだ。
結果
細胞内でチューブリンと相互作用するABIの視覚的証明について試験した。異なる化合物で治療した際のヒトメラノーマWM−164細胞内の微小管配列を、図33に提示する。微小管の画像は、全5つの試験化合物が、細胞骨格の再配列をもたらしたことをはっきりと示した。パクリタキセルと、他の4つの化合物(コルヒチン、ABT−751、12cb、および12da)の間に、有意な差異があった。パクリタキセルでの治療は、対照と比較すると、微小管を安定させるためのその作用機構と一致して、核の周囲に規則的に位置する微小管の凝縮をもたらした。逆に、コルヒチン、ABT−751、12cb、および12daでの治療は、微小管に対して同様の効果を有し、それらの共通の作用機構と一致して、ある程度の微小管分裂をもたらした。これらの結果はまた、ABIが、コルヒチンと同じ細胞標的を共有し、同じ細胞効果を誘発したことを確認した。
実施例25:化合物17yaおよび55の血管破壊作用
方法
細胞。HUVEC(ヒト臍静脈内皮細胞)を、ヒドロコルチゾン、ヘパリンを有するヒト線維芽細胞増殖因子−塩基性(hFGF−B)、血管内皮増殖因子(VEGF)、R3−インスリン様増殖因子1(IGF−1)、アスコルビン酸、ヘパリン、ウシ胎児血清、ヒト上皮増殖因子(hEGF)、およびEndothelial Cell Basal Medium-2中のGA−1000(ゲンタマイシンおよびアンホテリシンB)を含む、増殖補助物質を含有するEGM-2 BulletKit(Lonza,Cat No.CC-3162)において培養し、増殖させた。第3代と第5代の継代の間の細胞を、実験に使用した。PC−3ヒト前立腺癌細胞およびT47Dヒト乳癌細胞を、5%ウシ胎児血清を有するRPMI−1640培地で培養した。
細胞増殖阻害研究。試験化合物の細胞傷害または抗増殖活性を、スルホローダミンB(SRB)アッセイを使用して、複数の細胞系において調査した。培養した細胞を、96ウェルプレートに播種し、異なる濃度の試験化合物を含有する培地中で、24時間または48時間インキュベートした。細胞を、スルホローダミンB(SRB)溶液で染色した。光学密度を、540nmにおいて、マイクロプレートリーダー(Dynex Technologies,Chantilly,VA)上で判定した。薬物濃度に対する細胞増殖の阻害パーセントのプロットを構築し、ビヒクル対照と比較して細胞増殖を50%阻害した濃度(IC50)を、WinNonlin software(Pharsight Corporation,Cary,NC)を使用して、非線形最小二乗回帰によって、判定した。
毛細管形成および破壊アッセイ。毛細管形成アッセイを、12,000細胞/ウェルのHUVECをMatrigel層(BD Biosciences)上に播種することにより、96ウェルプレートにおいて行った。抗毛細管作用を評価するために、試験化合物またはビヒクル対照の添加前に、16時間の期間にわたって毛細管を形成させた。さらに、試験化合物の毛細管形成阻害効果を、毛細管形成前に、試験化合物でHUVEC細胞を処置することによって調査した。画像を、化合物の添加直後、試験化合物への曝露の5、10、15、および25時間後に取得した。毛細管形成を、少なくとも3つの端部を有する管および節の数を計数することによって、定量化した。
内皮単層透過性アッセイ。内皮細胞単層の透過性を、トランスウェルシステムにおいて評価した。HUVECを、EGM−2培地中の24ウェルプレートのインサート1つあたり2×106細胞で播種し、72時間インキュベートして100%のコンフルエンシーを達成した。試験化合物を、EGM−2培地中で希釈し、装置の上部チャンバーに添加した。1、2、および4時間のインキュベーションに続いて、化合物を除去し、75μg/mLのFITC抱合型デキストラン(分子量40,000)を、5分間添加した。下部チャンバーの蛍光測定を、485nmでの励起後に取得し、放出を、BioTek Synergy 4 Microplate Readerを使用して、520nmで測定した。
結果
17yaおよび55は、内皮細胞に対して、高い抗増殖活性を示した。17yaおよび55を、増殖因子を補充した内皮細胞および増殖因子を除去した内皮細胞の培養に対する細胞傷害活性について評価した。コンブレタスタチンA−4(CA4)およびドキソルビシンを、それぞれ、陽性および陰性対照として使用した。化合物17yaは、内皮細胞を活性に増殖させることに対して、化合物55よりも高い効力を示した(表24および図35)。17yaおよび55のいずれも、内皮細胞に対して選択性を示し、前立腺癌細胞のものと比較して、より低いIC50値を示した。CA4、17ya、および55は、癌細胞に対してよりも、内皮細胞に対して、それぞれ、8、5、および3倍活性であったが、ドキソルビシンは、内皮細胞に非特異的であった(表24および図35)。しかしながら、不活性内皮細胞と活性内皮細胞との間に、これらの化合物による選択性は観察されなかった(データは示されない)。
17yaは、内皮毛細管の形成を中断させるが、予備形成された毛細管は破壊しない。17yaの活性を、インビトロでの毛細管形成に関与する内皮細胞において調査した。内皮細胞をMatrigelマトリックスに設置し、化合物の存在または非存在下における毛細管の形成および構築を観察した(CA4、ドキソルビシン、および17ya)。
管形成の初期段階と管構築の破壊との間の混同を避けるために、薬物治療の存在下で、マトリックス上のHUVEC細胞を、15時間インキュベートした。次いで、毛細管の破壊を、各治療群の管および節を計数することによって判定した。一方で、予備形成された毛細管における試験化合物の効果を評価するために、マトリックス上のHUVEC細胞に、16時間、毛細管を形成させ、その毛細管を試験化合物で治療した。
結果として、管および節の数は、HUVEC細胞による栄養素の欠如または消費のために、長時間で徐々に減少した(図36)。この傾向は、全ての薬物治療群において観察された(図36)。未治療の毛細管と事前治療した毛細管との間の差異を試験するために、15時間インキュベートした群を比較した(図36)。
Matrigelマトリックス上に播種した種々の濃度の17ya(0〜50μM)に曝露した内皮細胞は、用量依存的な形式で、管形成の阻害をもたらした。細胞増殖阻害研究において、おおよそのIC50値が5nMである17yaは、ビヒクル対照と比較して、50%を超える管形成を阻害した(図37)。10nMでの17yaは、管の形成を完全に阻害した(図37)。しかしながら、予備形成された毛細管において、10nMの17ya治療群は、15時間までに、毛細管の構造を破壊しなかった(図36)。これらの結果は、17yaが、内皮毛細管の形成を有意に阻害するが、予備形成された毛細管の破壊にはあまり効果的ではないことを示唆する。同様の結果が、CA4治療群において観察された(図37)。しかしながら、ドキソルビシンは、毒性濃度において、毛細管構築に影響を及ぼさなかった。
17yaおよび55は、内皮細胞単層の透過性を増加させた。抗チューブリン剤は、内皮細胞の細胞骨格を標的化することによって、血管を覆っている内皮細胞層の完全性を修正することができる。したがって、抗チューブリン剤の破壊効果は、血管の透過性を増加させ、したがって、タンパク質漏出および高い血管粘度をもたらし得ることが既知である。これは、血流の減少をもたらし、続いて、低酸素症および栄養不足が原因の腫瘍死を引き起こし得る。
17yaおよび55の効果を、コンフルエントなHUVEC単層を有するトランスウェルシステムを用いたインビトロ研究を使用して、血管透過性に基づいて評価した。試験化合物による、透過性の変化を、薬物治療の1、2、および4時間後に、デキストラン(分子量40,000)の漏出によって測定した。CA4を、陽性対照として使用した。CA4、17ya、および55は、透過性の増加をもたらし、その効果は、1時間のインキュベーションで、より顕著であった(データは示されなかった)。17yaは、CA4に類似の効力を示した(図38)。ドキソルビシンは、内皮細胞単層の透過性に、いずれの変化も誘発しなかった(図38)。
本明細書に記載の特徴(いずれの添付の特許請求の範囲、要約、および図面をも含む)の全て、ならびに/または開示される任意の方法またはプロセスの全ては、このような特徴および/またはステップのうち少なくともいくつかが、互いに矛盾する組み合わせを除いて、上述の態様の任意のものと、任意の組み合わせで組み合わせることができる。好ましい実施形態を、本明細書に詳細に描写および記載したが、種々の修正、追加、置換等が、本発明の精神を逸脱することなく、成されてもよく、これらは、したがって、以下に続く特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内と考えられることが、当業者には明らかであろう。