本発明の態様の実施の例は以下に示されるが、本発明の態様は、現在知られているか否かにかかわず、多数の方法を用いて実施され得る。本発明は、以下に示される実施例、図面および方法に限定されるべきでない。いくつかの本発明の態様および関連する利点は、図1〜8に関して最もよく理解され得、同様の番号は同一および類似部分を示す。
いくつかの態様において、本発明は、流体を除染するのに用いられ得る含浸された収着剤組成物を製造するための方法、ならびに装置および/またはデバイスに関する。本発明の組成物、すなわち含浸された収着剤は、産業流体、排ガス、電力プラント放射物、汚染された血液または他の生物学的流体のような、他の汚染された/混入された流体から、水銀、フライアッシュ、酸性ガス、ダイオキシン、フラン類、水銀含有化合物、重金属化合物、生物学的毒素、のような、混入物、危険物質および/または汚染物質を、除去、減少および/または還元するように操作し得る。
いくつかの態様において、本発明は、収着剤を含浸するように設計された装置を提供する。図1は、1例の実施態様により、含浸された収着剤165から、収着剤20を含浸するように操作し得るコニカル混合チャンバを有する混合容器50を含む装置10を示すプロセスフローダイアグラムを示す。
収着剤20は、除染用途に使用され得、そして危険な分子または汚染された分子のレベルを除去、還元または減少するために、危険な分子または汚染された分子を吸着および/または化学的に結合するように操作し得る材料を含み得る、収着剤を含み得る。いくつかの態様において、収着剤21は、摩砕された収着剤であり得る。収着剤を大いに摩砕することは、表面積を増加させ、それにより危険な分子または汚染物を吸着する、比較的大きな能力を可能にする。いくつかの例の態様が摩砕されたおよび/または粉末化された収着剤20についてここに述べられるが、この開示は摩砕された収着剤に限定されない。したがって、摩砕または粉末化されない収着剤も、ここで述べる方法および装置を用いて含浸され得る。たとえば、いくつかの態様において、摩砕または粉末化されないが、約10μm〜30μmの粒径を有する収着剤は、本発明の方法およびデバイスにより含浸され得る。いくつかの態様において、空気で乱流速度に流動化し得る能力を有するいかなる収着剤も使用され得る。
図1に示される装置10は、収着剤20を有する収着剤配給チャンバ30(収着剤フィーダ、サイロまたは配給シュートともいわれる)を含む。収着剤配給チャンバ30は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50のような、含浸チャンバに収着剤20を配給するデバイスを示す。
収着剤配給チャンバ30から、収着剤20は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の底部端59に、ポンプ40により希釈相収着剤として、圧縮空気または低圧空気60とともに配給または供給され得る。運搬する希釈相収着剤は、ガスにより運搬される固体または収着剤をいい、そこではガス速度は跳躍(saltation)速度を超える。
40は、エネルギーを1つの流体からもう1つの流体に移す操作が可能なポンプである。いくつかの態様において、40は、エダクタまたはジェットポンプであり得る。圧力バルブ91は、流れを調節し得る。要素151は、混合容器50に入るガスの温度を測定する熱電対を含み得る。
コニカル混合チャンバを有する混合容器50(ここでコーン50ともいう)は第1端または頂部端8および第2端または底部端59を有するコーン形状の容器である。コニカル混合チャンバを有する混合容器50は、耐腐食性および温度移動耐性(temperature transfer resistant)材料で内張り、および/または、それからなり得る。コニカル混合チャンバを有する混合容器50は、ステンレス鋼、ポリ塩化ビニル(PVC)からなる2部分の複合材料、強化ポリエステル等のような非制限的な例を含む、種々の材料から製造され得る。いくつかの態様において、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の中心は、ステンレス鋼を含み得る。コニカル混合チャンバを有する混合容器50の壁の大きさおよび高さは、希釈相において収着剤20を保持するように設計され得る。コニカル混合チャンバを有する混合容器50は、円筒形チャンバである頂部53(頂部チャンバとも呼ばれる)およびコニカルチャンバである底部54(底部チャンバとも呼ばれる)を有し得る。いくつかの態様において、コニカル混合チャンバを有する混合容器50は、多数の噴霧器(図示されない)を含み得る。製品排出管140は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の頂部端58の方へ配置され得る。製品排出管140は、排出管または排出シュートとしてもいわれ得る。コニカル混合チャンバを有する混合容器50の形状は、第2端59を通る収着剤20および圧縮空気60の流れに続いて容器50の底部54において乱流形成を可能にするように設計され得る。いくつかの態様において、コニカル混合チャンバを有する混合容器50は、摩砕された、または摩砕されていない収着剤20を噴霧化された含浸剤100と効率的な混合を行なうための、流れおよび動力学を有する乱流層を発生するように設計され得る。いくつかの態様において、コニカル混合チャンバを有する混合容器50と、温度移動抵抗性材料との混合の構成は、含浸剤100が水性相に留まり、ガス相に転換されない範囲内で、コーン50内での反応温度を保持するのを容易にするように設計され得る。さらに、コニカル混合チャンバを有する混合容器50は、コーン50から製品排出管140により含浸された収着剤165を排出するための逆の流れを有するように設計され得る。コニカル混合チャンバを有する混合容器50の形状は、反応成分による、または製品による、出口および入口の固化および詰まりを減少または防止するように設計され得る。いくつかの態様において、形成および通気の間の乱流速度の保持は、固化または詰まりを減少または防止し得る。コニカル混合チャンバを有する混合容器50に関する他の態様は、以下、および図2A〜2Gに記載される。
さらに、装置10は、調節器81、圧力バルブ91、バルブ80、要素85およびスルーエダクタ40により、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の底部端59に収着剤20とともに配給(すなわち供給)されるように操作され得る圧縮空気60を有する圧縮空気源70を含み得る。
非制限的な例において、圧縮空気源70は、高圧下の空気(たとえば、高圧空気コンプレッサー)、低圧下の空気またはブロワーを有するエアシリンダーであり得る。いくつかの態様において、圧縮空気60は、約90ACFM〜約900ACFMの圧力であり得る。圧縮空気60は、酸素、窒素またはそれらの組み合わせを含み得る。さらに、圧縮空気源70は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の頂部端58に位置する噴霧器130に圧縮空気60を供給し得る。調節器82、空気流量計85および圧力バルブ93は、噴霧器130への圧縮空気の流れを制御し得る。含浸剤100は、容器101に収納され、ポンプ110により噴霧器130に供給される。回転流量計120は、含浸剤100の流速を測定し、そして圧力バルブ94および95ならびに96は、噴霧器130への含浸剤100および圧縮空気60の流速を調節する。
噴霧器130は、含浸剤100を噴霧化された小滴(図示されない)に噴霧化するように操作可能であり得る。いくつかの態様において、含浸剤100を摩砕された収着剤20の大きさに類似する、噴霧化された小滴に噴霧化するように操作可能であり得る。いくつかの態様において、噴霧器130は、含浸剤100を約10μm〜約30μmの大きさを持つ小滴に噴霧化するように操作可能であり得る。しかし、他の大きさの、噴霧化された小滴も同様に使用され得、そして本発明は、10μm〜30μmの大きさの小滴に限定されない。いくつかの態様において、1つより多い噴霧器130が使用され得る(図示されない)。
噴霧器130は、収着剤20の乱流に対して10〜15度の角度で噴霧化された水性含浸剤を噴射するように操作可能であり得る。噴霧器130の噴射角度は、収着剤20の実質的にすべての粒子に、含浸剤100を分配するのに十分に広くし得る。噴霧器噴射角度も終了製品165の噴射を避けるように設計され得る。
含浸された収着剤165、製品165は、製品排出管140を通ってコニカル混合チャンバを有する混合容器50を出ることができる。製品排出管140は捕集チャンバ160に取り付けられており、そこでは含浸された摩砕収着剤165(製品165)は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50内での含浸に続いて捕集され得る。調整バルブ80は、捕集チャンバ160(集塵器ともいわれる)への製品165の流れを制御し得る。熱電対152は、収着剤への含浸剤吸着に続く出口温度を測定し得る。ロータリバルブ170は、チャンバ180への含浸された収着剤165の流れを制御し得る。集塵器160(捕集チャンバともいわれる)は、空気と含浸された収着剤を分離し得る。集塵器160は、空気と含浸された収着剤を分離するように、フィルターバッグのような、しかし限定されない、フィルターを有し得る。集塵器160は、さらにブロワーを有し得る。チャンバ180は、含浸された収着剤165を捕集および/または貯蔵するために、貯蔵容器またはバルクバッグであってもよい。
さらに、装置10は、1つまたはそれより多いコンピュータ、1つまたはそれより多いプロセス制御プログラム、1つまたはそれより多いデータ入力プログラムおよび/または1つまたはそれより多いデータ出力読み取りプログラム(図示されない)を含み得る。いくつかの態様において、装置10は、開始され、停止され、そし中間ステップにおいてマニュアルで制御され得る。装置10は、開始され、停止され、そし中間ステップにおいて自動的およびマニュアルステップの組み合わせで制御され得る。マニュアル制御は、人間のオペレータによりなされ得る。
自動制御、マニュアル制御、および/またはそれらの組み合わせは、メインテナンス操作のために使用され得る。メインテナンス操作は、装置10の1つまたはそれより多い要素を洗浄することを含み得る。
さらに、自動制御は、次の1つまたはそれより多くを含む:収着剤および圧縮空気の入力の同期化、水性含浸剤および噴霧化用圧縮空気の入力の同期化、装置コーンにおける滞留時間の制御(または後述のような円筒形混合チャンバを含む混合容器190を撹拌すること)、ならびに含浸された製品の排出。
1つの例示的な態様において、収着剤20は、装置10を通って流れ、コニカル混合チャンバを有する混合容器50内で、含浸された収着剤165を形成する。本発明の教示は、いかなる含浸剤100でいかなる収着剤20を含浸するのにも用いられ得る。
コニカル混合チャンバを有する混合容器50(および/または後述するように円筒形混合チャンバを有する混合容器190)を含む装置10を用いて、本発明方法により含浸され得る、例示的収着剤20は、リグナイト、褐炭、約40μm以下の平均径を有する活性炭のような活性炭収着剤、リグナイト、褐炭、約40μm以下の平均径を有する粉末活性炭、のような(しかし限定されない)粉末活性炭収着剤、約10μm〜約30μmの平均径を有する収着剤、またはこれらの組み合わせを含み得る。種々の活性炭源の記載は、以下に提供される。
含浸剤100は、収着剤20に含浸され得る化学または生物化学剤であり得る。含浸剤100は、次の1つまたはそれより多い汚染物に対して収着剤の吸着効率を増加させるように操作可能にし得る。いくつかの態様において、含浸剤100は、汚染物と化学的に反応するように操作可能であり得、汚染物を比較的少ない毒性にする。したがって、含浸剤100は、いくつかの態様において、汚染除去物または毒性剤を無毒化するように操作可能であり得る。含浸剤100は、汚染物に対して高い親和性を有し得、そしていくつかの態様において、汚染物を吸着、結合、捕捉、および/または選択的に結合するように操作可能であり得る。含浸剤の非制限的な例は、ハロゲン、イオウ、銀、またはAl,Mn.Zn,Fe,Li,Caのようなカチオンを含み得る。いくつかの態様において、含浸剤100は、ハロゲンを含み得る。水性相における例示的なハロゲンは、フッ素(F),塩素(Cl),臭素(Br)、およびヨウ素(I)を含み得る。本発明のハロゲン含浸剤の例は、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)のような(限定されない)塩、塩酸(HCl)のような(限定されない)酸、または塩基を含み得る。いくつかの態様において、含浸剤100は、水性相であり得る。水性相は、水を含み得る。たとえば、1つの例の態様において、臭化ナトリウム(NaBr)の水性溶液は、含浸剤として使用され得る。
1つの例の態様において、収着剤20の流れは、装置10を通って、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の底部端59に配給チャンバ30から収着剤20を配給することで始まり得る。コニカル混合チャンバを有する混合容器50への収着剤20の配給および流れは、圧縮空気を有する圧縮空気源70により促進され得る。したがって、圧縮空気60と収着剤20は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の底部端59に同時に配給され得、エダクタを通って調節器81、圧力バルブ91、バルブ80、および/または要素85の1つまたそれ以上により調節され得る。収着剤20と空気60は、希釈相収着剤を含み得る。いくつかの態様において、収着剤20は、約1000lb/時間〜約5000lb/時間(約450kg/時間〜約2250kg/時間)の速度で、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の底部端59に入り得る。コニカル混合チャンバを有する混合容器50のコニカルチャンバ54への圧縮空気60との収着剤20の同時流入は、乱流速度を有する収着剤20の粒子を含む、乱流層または乱流流れを生じさせる。前記のように、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の形状は、コニカルチャンバ54における乱流層または乱流流れを促進する。
同時に、含浸剤100は、噴霧器130により、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の頂部端58に配給され得る。容器101から噴霧器130への含浸剤100の配給は、ポンプ110、圧力バルブ94および95、回転流量計120および要素96により促進され得る。圧縮空気源70からの圧縮空気60は含浸剤100と同時に噴霧器130に配給され得る。圧縮空気60は含浸剤100とともに噴霧器130に入り、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の頂部端58に入るにつれて、噴霧化された含浸剤小滴100に噴霧化され得る。
いくつかの態様において、噴霧器130により形成され、比較的細かな噴霧化された含浸剤小滴100は、収着剤20と接触するように操作可能な、比較的大きな表面積の含浸剤100を生じさせる。いくつかの態様において、噴霧器130は、収着剤の乱流に対し角度をなして噴霧化された含浸剤100を噴射し得る。いくつかの態様において、噴霧器130の噴射角度は、収着剤20の実質的にすべての粒子に含浸剤を供給し得る。収着剤の乱流に対する噴射角度は10度〜15度であるが限定されない。
噴霧化された含浸剤小滴100が噴霧器130を通ってコーン50の第1端58に流入するので、噴霧化された小滴は、摩砕された収着剤20および圧縮空気60を含む乱流層と接触するに至る。これは、コーン50で収着剤と含浸剤100を混合することになる。いくつかの態様において、混合は乱流混合(すなわち、混合される、1つまたはそれより多い成分が乱流速度を生じる混合)であり得る。混合は摩砕された収着剤20への含浸剤の吸着および含浸された収着剤165の形成を生じる。
いくつかの態様において、コニカル混合チャンバを有する混合容器50における乱流層は、噴霧化された含浸剤小滴100との収着剤20の効率的な流れと動力学を有し得る。摩砕されていない収着剤20が装置10のコーン50および/または他の部分を用いて含浸され得る態様において、摩砕されていない収着剤20の粒径は、摩砕されていない収着剤20の粒子を含浸剤100と混合させる相対的乱流速度で圧縮空気で流動化するのに十分に細かくてよい。
含浸された収着剤165は、製品排出管140を通る逆の流れにより、コニカル混合チャンバを有する混合容器50を出ることができる。製品165は、排出管140を通って集塵器チャンバ160に通気することにより出ることができる。集塵器ブロワー(図示されない)からの通気は、集塵器チャンバ160の方に空気/収着剤を吸引し得る。含浸された収着剤165は、混合容器50と集塵器160の間の圧力差により、混合容器50から押し出され得る。
空気と収着剤の速度は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の内側で変動し得るが、空気と収着剤20は乱流体制に留まる。空気/収着剤が排出管140に達すると、その速度は混合容器50と集塵器160の間の圧力差により、大いに増加する。圧力差に応じて、含浸された収着剤165と空気は、混合容器50の乱流容量に及ぶ排出シュート140を通って、希釈相で混合容器50の頂部58の方へ出ることができる。
空気は、集塵器160に設けられたフィルターバッグにより通気または吸引され、そしてブロワー(図示されない)から排出され得る。含浸された収着剤165は、空気から分離され、集塵器160の底部ホッパーに落下し、そして回転バルブ170を通って貯蔵容器180に排出され得る。
本発明の装置10を用いて調製され、含浸剤100で含浸された摩砕収着剤20(含浸された吸着剤165ともいわれる)は、含浸されていない、摩砕された収着剤20と比較して、流体(煙道ガスまたは排ガスのような)を吸着および除染する効率を増大させ得る。いくつかの態様において、含浸された吸着剤165は、含浸されていない、摩砕された収着剤20と比較して、汚染物または危険な分子を無毒化することにより、収着効率を増加するように操作可能であり得る。1つの例の態様において、含浸された収着剤165は、ハロゲンを含む含浸剤100を含み得、フリューガスおよび排ガスから水銀(Hg)を酸化するように操作可能であり得る。
図2Aは、頂部端58および第2端59を有する、例示的なコニカル混合チャンバを有する混合容器50を示す。噴霧器130および製品排出管140は、頂部端58の方に位置され得る。
図2Bは、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の平面図を示し、各部分を示す。いくつかの態様において、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の部分は、脱着可能に取り付けられ得る。
図2Cは、円筒形チャンバ53に連結されるフランジ52の一例を示す。
図2Dは、図2Aに示される、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の異なる部分の2次元図を示し、噴霧器130およびその中に配置される排出シュート140を有する頂部フランジ51、フランジ52、円筒形チャンバ53、底部コニカルチャンバ54、ならびに底部フランジ55を示す。フランジ51および52は、種々の要素間のシールを促進し得る。
図2Eは、図2Bに示される、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の要素の3次元図を示す。頂部フランジ51は、コーン50の頂部端58の方に位置され得る。噴霧器130および製品排出管140は、頂部フランジ51に取り付けられ得る。噴霧器130および製品排出管140は、フランジ51の種々の要素に配置され得る。他の態様において、噴霧器130または排出管140は、フランジ51上の異なる位置に配置され得る。
円筒形チャンバ53および底部コニカルチャンバ54は、フランジ52の下に位置される。底部フランジ55は、コーン50の第2端の方に位置され、本体に着脱可能に取り付けられ得る。
図2Fは、ハンドル56を示す、コニカル混合チャンバを有する例示的な混合容器50の2次元図を示す。ハンドル56は、チャンバ54を動かすのを容易にするように底部コニカルチャンバに着脱可能に取り付けられ得る。図2Fは、図2Eに示されるコニカル混合チャンバを有する混合容器50の3次元図を示す。
図3は、収着剤20を含浸するように操作可能な円筒形混合チャンバを含む混合容器190を有する装置10のもう1つの例を示す。図3の装置10のいくつかの要素は、図1に示される装置10に類似するが。収着剤20の含浸は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50におけるよりも円筒形混合チャンバを含む混合容器190で生じる。
図3に示される装置10は、収着剤20を有する収着剤配給チャンバ30を含み得る。収着剤配給チャンバ30は、円筒形混合チャンバを含む混合容器190に収着剤20を配給するデバイスを示す。
円筒形混合チャンバを含む混合容器190(シリンダー190ともいわれる)は、第1端191および第2端192を有する円筒形容器を含む。第1のフランジ195は、第1端191上に配置され得る。フランジ195は、シリンダー190に収着剤20と圧縮空気60を入れるための入口31を有し得る。第2のフランジ196は、第2端192上に配置され得る。フランジ192は、製品排出管140として記載されるように、出口140を含み、シリンダー190から含浸された収着剤165を排出する。
混合容器190の円筒形混合チャンバは、外部表面194と内部表面193を有する。円筒形混合チャンバを含む混合容器190は、耐腐食性および温度移動耐性材料で内張り、および/または、それからなり得る。いくつかの態様において、円筒形混合チャンバを含む混合容器190は、ステンレス鋼を含み得る。円筒形混合チャンバを含む混合容器190の壁の大きさおよび高さは、希釈相中に収着剤20を維持するように設計され得る。円筒形混合チャンバを含む混合容器190の形状は、第1端191を通って入口31により収着剤20と圧縮空気60の流入に続く、円筒形容器190における乱流層または乱流流れを与えるように設計され得る。
円筒形混合チャンバを含む混合容器190は、その上に配置される1つまたはそれより多い噴霧器130を有し得る。噴霧器130は、噴霧化された含浸剤小滴100を形成するために含浸剤100を噴霧化させるように操作可能であり得る。噴霧器130は、噴霧化された小滴を流入させるように操作可能であり得る。円筒形混合チャンバを含む混合容器190は、流入して収着剤20と噴霧化された含浸剤小滴100を混合して、製品165ともいわれる含浸された収着剤165を形成するように操作可能であり得る。製品排出管140(出口140とも呼ばれる)は、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の第2端でフランジ196上に配置され得る。
いくつかの態様において、円筒形混合チャンバを含む混合容器190は、摩砕された、または摩砕されていない収着剤20を噴霧化された含浸剤小滴100と効率的な混合を行なうための、流れおよび動力学を有する乱流層を発生するように設計され得る。いくつかの態様において、円筒形混合チャンバを含む混合容器190と、温度移動抵抗性材料との混合の構成は、含浸剤100(たとえば、水性含浸剤)が水性相に留まり、ガス相に転換されない範囲内で、シリンダー190内での反応温度を保持するのを容易にするように設計され得る。
さらに、円筒形混合チャンバを含む混合容器190は、シリンダー190から製品排出管140により含浸された収着剤165を排出するための逆の流れを有するように設計され得る。円筒形混合チャンバを含む混合容器190の形状は、反応成分による、または製品による、出口および入口の固化および詰まりを減少または防止するように設計され得る。いくつかの態様において、含浸剤収着剤165の形成および通気の間の乱流速度の保持は、固化または詰まりを減少または防止し得る。円筒形混合チャンバを含む混合容器190に関する他の態様は、図4に記載される。
さらに、装置10において、入口31を通って円筒形混合チャンバを含む混合容器190の第1端191への収着剤20の配給は、エダクタ40により容易にされ得る。装置10は、調節器81、圧力バルブ91、バルブ80、要素85により、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の底部端59に収着剤20とともに配給されるように操作され得る圧縮空気60を有する圧縮空気源70を含み得る。いくつかの態様において、回転バルブとT字管が希釈相収着剤を運ぶのに用いられ得る。いくつかの態様において、ポンプ40が使用され得る。圧縮空気源70は、非制限的態様において、圧力下の空気を有する空気シリンダー、低圧力下の空気を有する源または空気ブロワーを含む。
容器101は、含浸剤100を含み得、そしてポンプ110により収着剤20を噴霧器130に配給または供給するように操作可能であり得る。回転流量計120は、噴霧器130への含浸剤100の流入を調節するように操作可能である、圧力バルブ94および要素96に連結され得る。
圧縮空気源70は、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の表面の1つまたはそれより多い位置に配置された、1つまたはそれより多い噴霧器130に、入口32を通って圧縮空気60を供給するように設計され得る。調節器82は、噴霧器130への圧縮空気の流れを制御し得る。圧力バルブ93および空気流量計85は、圧縮空気60の流れを調節し得る。
図3は、4つの噴霧器130を示す。しかし、装置10は、その噴霧器の数、または噴霧器の位置に限定されない。もっと多いか少ない噴霧器130も存在し得、そして円筒形混合チャンバを含む混合容器190の表面の、いくつかの位置に配置され得る(図示されないが)。いくつかの態様において、噴霧器130は、摩砕された収着剤20の大きさに、大きさが類似する噴霧化された小滴に含浸剤を噴霧化するように操作可能であり得る。いくつかの態様において、噴霧器130は、含浸剤100を約10μm〜約30μm(これに限定されない)の大きさの範囲を持つ小滴に噴霧化するように操作可能であり得る。
噴霧器130は、収着剤20の乱流に対して角度をなして噴霧化された水性含浸剤小滴を噴射するように設計され得る。噴霧器130の噴射角度は、収着剤20の実質的にすべての粒子に、含浸剤100を分配するのに十分に広くし得る。噴霧器噴射角度も終了製品165の噴射を避けるように設計され得る。
含浸された収着剤165、すなわち製品165は、製品排出管140を通って、円筒形混合チャンバを含む混合容器190を出ることができる。調整バルブ80は、捕集チャンバ160への製品165の流れを制御し得る。152は、希釈相における含浸された収着剤165および空気の出口温度を測定する温度表示器であり得る。
製品排出管140は、捕集チャンバ160(集塵器160ともいわれる)に取り付けられ得、そこでは含浸された摩砕収着剤165は、円筒形混合チャンバを含む混合容器190において、含浸に続いて捕集され得る。集塵器160は、前述のものに類似していてよく、フィルター、ブロワー、および/または底部ホッパーのような要素を含み得るが、これらに限定されない。回転バルブ170は、チャンバ180への含浸された収着剤165の流れを制御し得る。
図3に示される装置10の自動化およびマニュアル制御は、図1の装置10についての記載に類似し得る。
1つの例示的態様において、収着剤20は、図3の装置10を通って流れて、円筒形混合チャンバを含む混合容器190内において、含浸された収着剤165を形成する。いくつかの態様において、収着剤20は、摩砕された収着剤であり得る。いかなる摩砕された、粉末化された収着剤、または未摩砕収着剤も図3の装置10に関連して使用され得、そしてその装置および/または装置デザインは特定の収着剤種類の使用を制限するものではない。1つの例の態様において、装置10を通る収着剤の流れは、入口31を通って、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の第1端191への、収着剤配給チャンバ30からの収着剤20の配給で始まり得る。円筒形混合チャンバを含む混合容器190への収着剤20の配給および流れは、圧縮空気60を有する圧縮空気源70により促進され得る。したがって、圧縮空気60と収着剤20は、第1端191上に配置される入口31を通って、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の第1端191に同時に配給され得、エダクタを通って調節器81、圧力バルブ91、バルブ80、および/または要素85の1つまたそれ以上により調節され得る。空気60を有する収着剤20は、希釈相収着剤を含み得る。いくつかの態様において、収着剤20は、約1000lb/時間〜約5000lb/時間(約450kg/時間〜約2250kg/時間)の速度で、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の端59に入り得る。
円筒形混合チャンバを含む円筒形チャンバ混合容器190への圧縮空気60との収着剤20の同時流入は、乱流速度を有する収着剤20の粒子を含む、乱流層または乱流流れを生じさせる。同時に、含浸剤100は、噴霧器130を通って、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の円筒形チャンバに配給され得る。容器101から噴霧器130への含浸剤100の配給は、ポンプ110、圧力バルブ94および95、要素96、および回転流量計120により容易にされ得る。圧縮空気源70からの圧縮空気60は、含浸剤100として同時に噴霧器130に配給され得る。含浸剤100とともに圧縮空気60が、噴霧器130に入り、噴霧化された含浸剤小滴100に噴霧化され得、含浸剤小滴は円筒形混合チャンバを含む混合容器190内で、収着剤と圧縮空気の乱流上に噴霧化され得る。
いくつかの態様において、噴霧器130により形成された、噴霧化された含浸剤小滴の比較的細かな粒径は、収着剤20と接触するように操作可能な含浸剤100の比較的大きな表面積をもたらし得る。いくつかの態様において、噴霧器130は、収着剤20の乱流流れに対して角度をなして、噴霧化された含浸剤小滴100を噴射し得る。いくつかの態様において、噴霧器130の噴射角度は、実質的にすべての収着剤20の粒子に含浸剤を配給し得る。いくつかの態様において、多数の噴霧器は、含浸剤100との収着剤の接触と混合を最大化する。
噴霧化された含浸剤小滴100が、噴霧器130を通ってシリンダー190に流入するので、含浸剤100は、摩砕された収着剤20および圧縮空気60を含む乱流層と接触するに至る。このことは、シリンダー190における収着剤20と含浸剤100との混合をもたらす。いくつかの態様において、その混合は乱流混合(すなわち、混合される、1つまたはそれより多い成分の乱流速度で生じる混合)であり得る。混合は、摩砕された収着剤20への含浸剤100の吸着および含浸された収着剤165の形成をもたらす。
いくつかの態様において、円筒形混合チャンバを含む混合容器190における乱流層は、収着剤20を噴霧化された含浸剤小滴100と効率的な混合を行なうための、流れおよび動力学を有し得る。未摩砕収着剤20が、装置10のシリンダー190および/または他の部分を用いて含浸され得る態様において、未摩砕収着剤20の粒径は、未摩砕収着剤粒子20を含浸剤と混合させ得る相対的乱流速度で圧縮空気で流動化するのに十分に細かであり得る。
含浸された収着剤165は、製品排出管140を通って逆の流れにより円筒形混合チャンバを含む混合容器190を出ることができる。製品165は、排出管140の通気によりでることができる。
図4は、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の3次元図を示す。円筒形混合チャンバを含む混合容器190は、第1端191および第2端192を持つ円筒形チャンバである。第1のフランジ195は、第1端191上に配置され得る。フランジ195は、収着剤20および圧縮空気60のシリンダー190への導入のための入口31を有し得る。
1つまたはそれより多い噴霧器130は、前述のように種々の位置で、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の表面に配置され得る。含浸剤100および圧縮空気60は、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の外側表面194のほうに位置する入口32を通って噴霧器130に入り得る。噴霧化された含浸剤小滴100は、内側表面193のほうに噴霧器130を通って円筒形混合チャンバを含む混合容器190に入り得る。
円筒形混合チャンバを含む混合容器190は、第2端192上に配置される第2フランジ196を有し得る。製品排出管140は、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の第2フランジに配置され得る。
いくつかの態様において、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の形状は、入口31を通る収着剤20と圧縮空気60の流れの後に、シリンダー190における乱流層を可能にするように設計され得る。
いくつかの態様において、円筒形混合チャンバを含む混合容器190は、摩砕された収着剤20を噴霧化された含浸剤小滴100と効率的な混合を行なうための、流れおよび動力学を有する乱流層を発生するように設計される。未摩砕収着剤20が、装置10のシリンダー190および/または他の部分を用いて含浸され得る態様において、未摩砕収着剤20の粒径は、未摩砕収着剤粒子20を含浸剤と混合させ得る相対的乱流速度で圧縮空気で流動化するのに十分に細かであり得る。
いくつかの態様において、円筒形混合チャンバを含む混合容器190は、反応温度を制御するように設計され得る。いくつかの態様において、シリンダー190における要素の温度は、含浸剤100が水性層に留まり、ガス相に転換されない範囲内に維持され得る。
図1〜4に示される本発明装置は、いくつかの態様において、粘性力に対する流体流(たとえば、収着剤20および圧縮空気60)の慣性力の比が臨界値を超えるときに、乱流を発生するように設計され得る。いくつかの態様において、本発明の装置設計は、増加された滞留時間(含浸剤100と収着剤20の接触時間)をもたらし得る。増加された滞留時間は、収着剤20の粒子にわたる含浸剤100の均一な分布を容易にし得、増加された吸着を与える。
いくつかの態様において、本発明の装置は、収着剤20にわたって均一な含浸剤100の分布を与える、乱流と滞留時間を創出するように設計され得、含浸剤100(たとえば、ハロゲン溶液のような水性含浸剤)中の水分が収着剤の細孔上に吸着され、および/または蒸発し、その結果、水分は含浸剤収着剤165の表面に凝縮されない。
図1および3に示される装置10ならびに図2A〜2Gおよび図4に示されるデバイス態様は、本発明方法により開示される組成を製造するのに使用され得る。本発明は、含浸剤収着剤165を製造する、いくつかの方法を提供する。
本発明のいくつかの例示的方法は、摩砕された(または粉末化された)収着剤の含浸に関する。1つのこのような例示的方法は、図5に示され、摩砕された収着剤が受け取られるステップ300で始まる。ステップ301で、摩砕された収着剤は摩砕された希釈相収着剤に形成される。これは、収着剤の跳躍速度を超える運搬速度に、摩砕された収着剤をガス(空気のような)で撹拌することを含む。ステップ302は、含浸剤を受け取ることを含み、そしてステップ303は、摩砕された希釈相収着剤を、摩砕された収着剤への含浸剤の含浸を生じさせる条件で、含浸剤と接触させることを含む。
いくつかの態様において、上述の方法は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50、または円筒形混合チャンバを含む混合容器190を含む、本発明の装置10において実施され得る。いくつかの態様において、摩砕された収着剤の粒径は、接触ステップの間の含浸剤の粒径に類似し得る。
含浸が生じ得る例示的条件は、次の1つまたはそれより多い条件を含み得る:含浸剤を噴霧化して噴霧化された含浸剤小滴を形成すること;摩砕された希釈相収着剤の乱流速度を発生させること;噴霧化された含浸剤小滴を噴射することにより、噴霧化された含浸剤および摩砕された希釈相収着剤を、摩砕された希釈相収着剤の乱流流れに接触させること;噴霧化された含浸剤および希釈相収着剤を乱流混合すること;および/または混合温度を制御すること;噴霧器および収着剤の乱流流れにより噴射を同期化すること;および/または形成された製品上への噴霧器による噴射を防止すること。
いくつかの態様において、噴霧化された含浸剤は、水性含浸剤であり得る。したがって、本発明方法のいくつかの態様において、液相(水性含浸剤)は、乱流速度で希釈相収着剤を含む液相と混合され得る。1つの態様において、水性含浸剤が使用され得ると、条件は、水性収着剤からの液体の蒸発を避けるように温度を維持または制御することを含む。
いくつかの態様において、非水性含浸剤が使用され得る。このような態様において、ガス相含浸剤は液相(または希釈相)摩砕収着剤と混合され得る。摩砕された、または粉末化された収着剤を含浸するように操作し得る、本発明のもう1つの方法は、図5Bに示され、そして摩砕された収着剤が受け取られるとき、ステップ310で開始する。ステップ311で、摩砕された収着剤は、摩砕された希釈相収着剤に形成される。ステップ312は、含浸剤を受け取ることを含み、ステップ313は、含浸剤を噴霧化して噴霧化された含浸剤小滴を形成することを含む。ステップ314で、摩砕された希釈相収着剤は、摩砕された収着剤への含浸剤の含浸が生じる条件下で、噴霧化された含浸剤と接触される。
いくつかの態様において、図5Bに記載される方法が、コニカル混合チャンバを有する混合容器50、または円筒形混合チャンバを含む混合容器190を含む、本発明の装置10において実施され得る。いくつかの態様において、摩砕された収着剤の粒径は、接触ステップの間の含浸剤の粒径に類似し得る。
上述の2つの例示的方法において、使用され得る収着剤の1例は、摩砕された、または粉末化された活性炭を含み得る。粉末化された活性炭は、石炭燃焼発電プラントのような水銀放出設備の排ガスからの、水銀、特に水銀元素の除去のために、目下は「Best Available Control Technology」(“BACT”)であり得る。含浸剤の1例は、石炭燃焼発電プラントからの煙道ガスまたは排ガスから汚染水銀を除去するための、臭素のようなハロゲンであり得る。いくつかの態様において、ハロゲンは、水性層である。他の態様において、ハロゲンはガスであり得る。
石炭燃焼発電プラントからの水銀および/または水銀元素の除去に関する用途のために、他の方法が非ハロゲン化活性炭よりもハロゲン化活性炭を用いて著しく良好な水銀除去を示した。しかし、これらのすべての方法は、まず粒状活性炭をハロゲン化し、ついでハロゲン化された粒状活性炭を摩砕して、ハロゲン化された粉末化活性炭を得ることを含む。たとえば、いくつかの方法において、ハロゲン化合物は、粉末に摩砕する前に、水性溶液に溶解され、粒状形態の炭素を含浸する。いくつかの他の方法においては、収着剤は、粉末化された活性炭に粉砕されるミルに供給する前に、粒状活性炭を水性NaBrとともに噴射することにより、ハロゲンで含浸され得る。
水性ハロゲン溶液で粉末化された活性炭を含浸する試みは、粉末化された活性炭をバッチでハロゲン溶液と混合し、ついでバッチを乾燥することを含み得る。しかし、これらの努力は、非効率的で、高価であり、そして形成される製品の組成および品質に一貫性を欠く。
したがって、粒状活性炭のような収着剤がハロゲン化により含浸されるが、ハロゲン化された粒状活性炭は、ハロゲン化された粉末化活性炭を得るために、後で摩砕され得る。含浸された収着剤を摩砕することは、いくつかの問題と関連する。たとえば、含浸に使用されるハロゲンは、腐食性であり、ミル部品を腐食し、損傷する。したがって、このような方法は、ミル部品の繰り返される取り替えならびにメインテナンスおよび/または修理に関連する停止によるミル操作の非稼動時間をもたらす。
ハロゲン含浸が、含浸された収着剤の摩砕に引き継がれる方法に関連する、もう1つの問題は、ハロゲン化された活性炭による汚染である。摩砕に使用されるミルの可動部品は毒性ハロゲンで汚染されており、ミルを他の製品の摩砕に使用できないものにする。したがって、従来の方法は、ハロゲン含浸された収着剤用のミルの排他的使用という制限を課してきた。
含浸の後に続く摩砕を使用する方法は、流動性の問題でも悩まされる。ラインは活性炭、含浸剤により、および/または含浸剤収着剤製品により、固化または詰まることが多く、これらは流動性に乏しい。これは摩砕能力を低減させる。
対照的に、本発明の摩砕された収着剤の含浸方法は、もっと多くの含浸剤に吸着/捕捉する、比較的大きな表面積を有するので、大きな表面積を含浸するように操作可能であり得る。たとえば、粒状活性炭の各粒子は、約472,000個の粉末化された活性炭となり得る。本発明方法の1つの技術的利点は、ハロゲン化/含浸に続く摩砕ステップを実施する、他の方法により形成される製品と比較して、比較的高濃度の含浸剤を有する製品の形成であり得る。いくつかの態様において、本発明方法は、実質的に比較的高濃度の含浸された含浸剤を有する、含浸された収着剤を製造し得る。いくつかの態様において、本発明方法は、約3%〜約4%のBrを有する収着剤を含浸することを含み得る。
いくつかの態様において記載されるように、噴霧器および乱流流れの使用は、含浸剤とのさらに良好な接触および収着剤の混合を確実にし、含浸の均一性をもたらす。したがって、いくつかの態様において、本発明方法は実質的に均一に含侵された収着剤を製造する。
いくつかの態様において、本発明方法は、摩砕されていない収着剤の含浸に関する。摩砕されていない収着剤を含浸するように操作し得る例示的方法は、図6に示され、そしてステップ320から開始し、そこではそれぞれ収着剤粒径を有する摩砕されていない収着剤が受け取られる。その摩砕されていない収着剤は希釈相であり得る。ステップ321で、水性含浸剤溶液は、噴霧化されてそれぞれ水性噴霧化含浸剤粒径を有する水性噴霧化含浸剤を形成する。ステップ322は、収着剤を水性噴霧化含浸剤と接触させることを含み、そしてステップ323は、収着剤を水性噴霧化含浸剤と混合させることを含み、それにより含浸された収着剤を形成する。
いくつかの態様において、図6に記載される方法は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50、または円筒形混合チャンバを含む混合容器190を含む、本発明の装置10において実施され得る。接触は、収着剤粒子の乱流速度をはっせいさせること、および1つまたはそれより多い噴霧器を用いて含浸剤を噴射することを含み得る。収着剤の混合は、乱流混合を含み得る。
この方法のいくつかの態様において、摩砕されていない収着剤の粒径は、噴霧化された水性含浸剤の粒径に実質的に類似し得る。いくつかの態様において、摩砕されていない収着剤の粒径は、約10μm〜約30μmの範囲であり得、そして噴霧化された水性含浸剤小滴径は、約10μm〜約30μmの範囲であり得る。しかし、本発明方法は、これらの噴霧化された小滴径に限定されず、他の小滴径も同様に使用され得る。
いくつかの態様において、本発明は、本発明の装置10を用いて含浸された収着剤を製造する方法に関する。図7は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50を用いて、収着剤20を含浸するための例示的方法を示し、ステップ330で開始し、そこでは希釈相収着剤20を受け取ることを含む。ステップ331で、希釈相収着剤20と圧縮空気60は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50のコニカルチャンバ54の底部に輸送されて、収着剤20と圧縮空気60を含む乱流層を形成する。ステップ332で、水性含浸剤100が受け取られる;そしてステップ333で、水性含浸剤100と圧縮空気60がコニカル混合チャンバを有する混合容器50内に配置される、1つまたはそれより多い噴霧器130に輸送される。ステップ334は、水性含浸剤100を噴霧化して噴霧化された含浸剤を形成することを含む。ステップ335は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50のコニカルチャンバ54内で、乱流層を噴霧化された含浸剤と接触させることを含む。ステップ336は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50のコニカルチャンバ54内で、乱流層を噴霧化された含浸剤と混合させて、収着剤20に含浸剤100を吸着させて含浸された収着剤165を形成することを含む。混合は、収着剤表面を含浸剤と接触させることを含む。混合は、いくつかの態様において、収着剤への含浸剤100の吸着を含み得る。ステップ337は、コニカル混合チャンバを有する混合容器50の頂部58上の排出管140に含浸された収着剤165を通気して、コニカル混合チャンバを有する混合容器50から、含浸された収着剤165を除去することを含む。
いくつかの態様において、乱流層は、収着剤20と圧縮空気60を含み得る。いくつかの態様において、乱流層は、収着剤20、噴霧化された含浸剤、および圧縮空気60を含み得る。摩砕された収着剤20と含浸剤100を混合するために使用される乱流層は、乱流混合といわれ得る。
いくつかの態様において、本発明方法は、図3および4に記載されるように、円筒形混合チャンバ195を有する混合容器を使用し得る。図8は、1例の方法を示し、ステップ350で開始し、そこでは希釈相収着剤20が受け取られる。ステップ351において、希釈相収着剤20と圧縮空気60が円筒形混合チャンバ195を含む混合容器190の円筒形チャンバに輸送され、収着剤20と圧縮空気60を含む乱流層を形成する。
ステップ352は、水性含浸剤100を受け取ることを含み、そしてステップ353は、水性含浸剤100と圧縮空気60を円筒形混合チャンバを含む混合容器190の、1つまたはそれより多い多数の噴霧器130に輸送することを含む。ステップ354は、水性含浸剤100を噴霧化して噴霧化された含浸剤を形成することを含み、そしてステップ355は、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の円筒形チャンバ内で、乱流層を噴霧化された含浸剤と接触させることを含む。ステップ356は、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の円筒形チャンバ内で、乱流層を噴霧化された含浸剤と混合させて、収着剤に含浸剤を接触させて含浸された収着剤165を形成することを含む。ステップ356での混合は、収着剤表面を含浸剤と接触させることを含み得る。ステップ356での混合は、いくつかの態様において、収着剤への含浸剤100の吸着を含み得る。ステップ357は、円筒形混合チャンバを含む混合容器190の第2端上の排出管140に、含浸された収着剤165を通気して、円筒形混合チャンバを含む混合容器190から、含浸された収着剤165を除去することを含む。
本発明方法は、他の方法により形成された製品と比較して、もっと高濃度の含浸剤を有する含浸剤収着剤165を有利にもたらし得る。たとえば、摩砕された収着剤が含浸される態様において、比較的大きい表面積の収着剤が含浸される。摩砕されていない収着剤が含浸されるとき、噴霧化された含浸剤溶液の使用は、収着剤と含浸剤の分子間の接触を大いに増加させる。さらに、本発明の装置10は、乱流混合のために設計され、収着剤と含浸剤の分子の接触および混合を大いに向上させる。したがって、本発明方法は、実質的にもっと高い濃度の含浸剤を有する、含浸された収着剤を製造し得る。いくつかの態様において、本発明方法は、Br分布を増加させることを含み得る。いくつかの態様において、本発明方法は、実質的に均一に分散された収着剤165を製造する。いくつかの態様において、本発明方法は、連続プロセスであり得る。
さらに、本発明の態様は、本発明方法により製造される含浸剤収着剤に関する。本発明組成物は、本発明の方法により、および/または装置において、製造される、含浸された収着剤165を含み得る。
本発明の含浸された収着剤組成物165は、ハロゲン、銀、またはAl,Mn.Zn,Fe,Li,Caのようなカチオンを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの態様において、本発明の組成物は、活性炭を含む収着剤およびハロゲンを含む含浸剤を含み得る。1例の態様の組成物は、臭素で含浸された粉末化活性炭を含み得る。
いくつかの態様において、本発明の組成物は、含浸剤で実質的に均一に含浸された収着剤を含み得る。いくつかの態様において、本発明の組成物は、収着剤の単位当たり、高濃度の含浸剤を有する収着剤を含み得る。さらに、本発明の組成物は、他の方法で製造される含浸された収着剤と比較して、含浸剤のもっと均一な分布を有する。本発明の含浸剤の1つの技術的利点は、改良された収着剤効率であり得る。
本発明による含浸された収着剤効率(ここでは、「収着剤および/または含浸された収着剤の吸着効率」、「収着剤の効率」、または「収着剤効率」ともいわれる)は、汚染された流体(液体またはガス)から汚染物(たとえば、危険な分子)の実質的にすべての分子を除去する、含浸された収着剤の能力であり得る。本発明の方法および/または装置により製造された、含浸された収着剤は、きゅうちゃく、結合、または捕捉により汚染された流体から汚染物を除去し得る。いくつかの態様において、本発明の含浸された収着剤は、汚染物を化学的に変性して、汚染物をより少ない毒性にし得る。たとえば、例示的な態様において、ハロゲン(たとえば臭素(Br))を含む、がんしんされた収着剤は、煙道ガスまたは排ガスからの水銀を酸化し得、それにより水銀を除染する。
いくつかの態様において、収着剤効率は、汚染された流体から法的に受け入れられるレベルまで、汚染物を除去、還元または低下させる、含浸された収着剤の能力であり得る。他の態様において、収着剤効率は、汚染された流体から実質的な部分の汚染物を除去する、含浸された収着剤の能力であり得る。さらに、収着剤効率は、汚染された流体から約20%〜約100%の汚染物を除去する、含浸された収着剤の能力を示し得る。いくつかの態様において、収着剤効率は、汚染された流体における約20%〜約99.9%の汚染物のレベルを低下させる、含浸された収着剤であり得る。いくつかの態様において、ここで記載されるように、活性炭収着剤とハロゲン収着剤を含む、含浸された収着剤は、汚染された流体における約20%〜約99.9%の水銀レベルを低下させる能力を有し得る。
本発明の含浸された収着剤は、種々の炭素収着剤および/または非炭素収着剤を含み得る。非炭素収着剤の例示的で制限されない例は、ゼオライト(アルミノシリケート)、ポリマー樹脂、非金属樹脂、粘土および/またはイオン交換樹脂を含み得る。以下は、本発明の組成物を形成するのに使用され得る、異なる源と種類の炭素収着剤材料を記載する。しかし、本発明の含浸剤収着剤組成物は記載される収着剤に限定されない。
いくつかの態様において、活性炭収着剤は、ここで記載される装置および方法により含浸され得、本発明のいくつかの組成物例に到達する。活性炭は、硫化水素(H2S)、アンモニア(NH3)、ホルムアルデヒド(HCOH)、放射性同位体要素131(131I)および水銀(Hg)のような危険な化学剤または汚染物を除染する収着剤として使用され得るが、これらに限定されない。活性炭は、無定形炭素の粉末化、粒状、ブリケットおよび/またはペレット形態であり得、そして活性炭の表面の数多くの細孔の存在により、単位容積あたりの大きな表面積で特徴付けられるのが通常である。活性炭は、主に吸着によりその細孔表面でガス、固体および/または溶解物質を捕捉し得る。活性炭は、吸着活性の幅広いスペクトル、優れた物理化学的安定性、および廃材料を含む容易に利用可能な材料からの製造の容易さ、を有する。種々の炭素質原料が活性炭の製造に使用され得、木材、ピート、リグナイト、ココヤシ繊維、ボーンを仮焼することにより得られるボーンチャー、ナッツシェル(たとえばココナッツ)、石炭、石油コークスおよび石油ピッチを含むが、これらに限定されない。
活性化は、炭素を処理して、約1.2ナノメーター(nm)〜約20nm(たとえばガス吸着剤炭素)、または約100nmまでの範囲(たとえば脱色用炭素)にわたる直径を有する多くの細孔を開くことを含み得る。活性化に続いて、活性炭は、1つまたはそれより多い危険な化学剤または汚染物を吸着するように操作可能にする大きな表面積(典型的には500〜1500m2/g)を有し得る。
種々の活性化方法が、炭素を活性化するのに使用され得る。炭素を活性化するのに使用される非制限的な方法は、蒸気、二酸化炭素、煙道ガス、または空気を用いて細孔を開く選択的酸化に炭素を供することを含み得る。他の活性化方法は、金属塩化物(たとえば塩化亜鉛)、金属硫化物、金属リン酸塩、硫化カリウム、チオシアン酸カリウム、および/またはリン酸のような化学剤を炭素質物質と混合し、ついで仮焼し、残留物を洗浄することを含み得る。高表面積に加えて、ある化学処理が、活性炭収着剤の吸収特性を向上するのに使用され得る。本発明の態様は、特定の活性化方法、特定の原料源および/または活性炭収着剤の処方に限定されない。
電子顕微鏡下に、活性炭の高表面積構造は、種々の多孔性を示す非常に入り組んだ、個々の粒子を明らかにする。微細孔は、黒鉛様の材料の平らな表面が互いに平行に並び、わずか数ナノメーターで分離さている領域として観察される。吸着材は同時に多くの表面と相互作用するので、微細孔は、吸着に優れた条件を提供し得る。活性炭は、ファンデルワールス力またはロンドン分散力により材料(汚染物のような)と結合または吸着し得る。いくつかの場合において、活性炭は、化学吸着により、ある汚染物質と結合または吸着し得る。
活性炭は、その挙動、表面特性および調製法を基礎として分類するのが困難である複雑な製品である。しかし、本発明の非制限的態様において収着剤として使用され得る物理的性質に基づいて幅広く分類される活性炭のいくつかの例は、次のものを含む:粉末化された活性炭(PAC),粒状活性炭(GAC)、押出された活性炭(EAC)、含浸された炭素、およびポリマー被覆された炭素。本発明のいくつかの態様は、いくつかの用途のための収着剤として、さらに高表面積を有する活性炭エアロゲルを用い得る。
例示的なPACは、平均径0.15mm〜0.25mmを持ち、大きさが1.0mm未満である粉末または細粒としての活性炭を含み得る。PACは容積に対し大きな表面を有し得、小さな拡散距離を有する。PACは、破砕または粉砕された炭素粒子を含み得、その95〜100%は指定されるメッシュ篩を通過される。
GACは、PACに比べて比較的大きい粒径を有するので、もっと小さい外部表面を有する。GACは、吸着質拡散により作用し得、その拡散速度は比較的速いので、ガスおよび上記の吸着に使用され得る。粒状化された炭素は、水処理、臭気除去および流れ系成分の分離に使用され得る。GACは、粒状形態または押し出されていてよい。GACは、液相用途に、8×20、20×40、または8×30、そして蒸気相用途に4×6、4×8または4×10のような大きさに指定されるのが典型的である。20×40の炭素は、U.S.Standard Mesh Size Number 20篩(0.84mm)(通常、85%通過と特定される)を通過する粒子で得られるが、U.S.Standard Mesh Size Number 40篩(0.42mm)(通常、95%保持と特定される)で保持される。American Water Works Association (AWWA)(1992) B604は、最小GACとして、50メッシュ篩(0.297mm)を使用する。
The American Society for Testing and Materials (ASTM)は、80メッシュ篩(0.177mm)およびもっと小さなものに相当する粒径をPACとして分類するが、GACは、50メッシュ篩(0.297mm)に保持された活性炭およびもっと細かな材料としてPAC材料を含み得る。
EACは、PACとバインダーの組み合わせを含み得、一緒に溶融され、円筒形の形状の、0.8mm〜130mmの直径を有する活性炭ブロックに押し出される。EACは、低い圧力降下、高い機械的強さおよび低いダスト含量のために、ガス相用途に使用され得る。
ポリマー被覆炭素は、生物的適合性ポリマーで被覆された多孔質炭素を含み得、細孔を塞がないで平滑で透過性の被覆を与える。得られる活性炭は、血液潅流に有用であり得る。血液潅流は、大量の患者血液が吸着材を通過し、血液から毒性物質を除去する処置方法である。
いくつかの態様は、摩砕され得る活性炭収着剤を含む、本発明組成物に関する。
いくつかの態様が詳細に示され、きさいされたが、置換および変更は請求の範囲に記載さるような、本発明の精神および範囲から逸脱しない限り、可能であることが認識されるであろう。