JP2013535894A - 音再生のためのシステム及び方法 - Google Patents

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Abstract

聴取者の基準位置211及び基準方位に対して第1の方向から生じるオーディオ信号を再生する音再生システムが与えられる。このシステムは、第1の方向に対応する第1の位置から基準位置211に到達する音を生成する第1の音変換器装置105と、第1の方向とは異なる方向に対応する第2の位置から基準位置211に到達する音を生成する第2の音変換器装置107とを有する。上記装置は、具体的には、或る位置に置かれたスピーカである。駆動装置103は、第1の音変換器装置105のための第1の駆動信号及び第2の音変換器装置107のための第2の駆動信号をオーディオ信号から生成する。第1の位置及び第2の位置が、基準位置211及び基準方位に関する音の混乱の円錐に位置する。より柔軟なスピーカの配置が達成される。

Description

本発明は、音再生のためのシステム及び方法に関し、特に、サラウンドサウンド再生システム、例えば、ホームシネマの用途のためのサラウンドサウンド再生システムに関するが、これに限定されるものではない。
従来のステレオ又はモノラルシステムと比較して高められた空間経験を与える空間的な音響システムが非常に広まっている。例えば、(多くの場合、1つまたは2つの低音効果(LFE)チャンネルに加えて)5つ又は7つの空間的チャンネルを持つサラウンドシステムが、ホームシネマシステムのような用途に対して非常に広まっている。
多くの状況では、小型形状ファクタのスピーカを有していることが望ましい。しかしながら、小型化は、音の再生の振幅及び低周波応答に常に影響を及ぼす。そのため、典型的には、スピーカについての物理的なフォームファクタとオーディオ品質との間にはトレードオフが存在する。また、空間的な音響システムは、多数のスピーカを用いる傾向があるだけではなく、空間認知には音源の位置が重要であるので、これらのスピーカの配置の自由度も制限してしまうために、問題を悪化させることが多い。
例えば、ホームシネマシステムのようなサラウンドサウンドシステムは、実物大の映画の音の経験と同様の没入型の音の経験を作り出すために、複数のスピーカを使用する。最も説得力のある没入型の音の経験のために、全てのスピーカが全域の可聴周波の再生をできなければならない。更に、スピーカは、所望の空間経験を与えるために適切な位置に配置されなければならない。これは、体裁が悪く、部屋に置くことが難しいことが多い大きなスピーカを必要とする。多くの消費者は、追加のスピーカが非常に多くの混乱(clutter)を与えることを分かっている。従って、スピーカが見えにくく、より簡単に部屋の中に取り入れられるように、スピーカの幾つか又は全部のサイズを小さくすることが望ましい。特に、リアスピーカは、サイズ及び位置の観点から不都合であることが多い。しかしながら、スピーカのサイズが小さくされると、低周波特性及び或る周波数において達成可能な最大音圧レベル(SPL)も低下してしまう。
そのような問題に対処するために、ほとんどのホームシネマシステムは、サテライト・サブウーファー装置を使用しており、サテライトはほぼ全域の音の再生器であり、サブウーファーは最低周波数のみを強化する。サテライト・サブウーファー装置は、典型的には、サブウーファーからサテライトスピーカまでのできる限り低いクロスオーバー周波数を必要とする。室内環境では、低周波数(<120Hz)の音源の位置の特定は困難である。これは、室内におけるサブウーファーのほぼ自由な配置を可能にする。上記クロスオーバー周波数が非常に高い(120Hzよりも高い)場合、サブウーファーに関連する定位キューが明らかになり、低周波源を配置しやすくする。優れた音質及び適切な立体音像生成効果のために、従って、サテライトは、ほぼ全域の音の再生をできなければならない。サテライトが120Hzから20kHzまでの全可聴範囲をカバーすることができない場合、システムは欠陥を生じる。設計者は、120Hzからサテライトスピーカの低域遮断周波数までのシステムの周波数応答のずれを残すか、サブウーファーまでのクロスオーバー周波数を増加させるかを選択することができる。両方のこれらの妥協は、音質及び没入できるリスニングの経験を低下させる。
従って、多くのシナリオでは、一方ではスピーカのサイズと配置との間のトレードオフ、他方ではオーディオ品質と空間経験との間のトレードオフが、最適状態に及ばない傾向にある。
よって、改善された音再生システムが有利であり、特に、高められた柔軟性、高められたスピーカの配置の自由度、改善されたオーディオ品質、高められた音圧レベル、改善された空間経験及び/又は改善された性能を可能にするシステムが有利である。
従って、本発明は、単独で又は任意の組み合わせで、上述した不都合の1つ又はそれ以上をなるべく軽減、緩和又は排除しようとするものである。
本発明の一観点によれば、聴取者の基準位置及び基準方位に対して第1の方向から生じるオーディオ信号を再生する音再生システムであって、上記第1の方向に対応する第1の位置から上記基準位置に到達する音を生成する第1の音変換器装置と、上記第1の方向とは異なる方向に対応する第2の位置から上記基準位置に到達する音を生成する第2の音変換器装置と、上記オーディオ信号から上記第1の音変換器装置のための第1の駆動信号及び上記第2の音変換器装置のための第2の駆動信号を生成する駆動回路とを有し、上記第1の位置及び上記第2の位置が、上記基準位置及び基準方位に関する音の混乱の円錐(sound cone of confusion)に位置する当該音再生システムが与えられる。
本発明は、多くの形態において、改善された音質及び所望の空間的な音源の認知を与える一方で、音変換器の場所の更なる柔軟性を与える。特に、本発明は、複数の音変換器に、空間認知を支配する1つの音変換器と組み合わせることを認める一方で、異なる位置にある他の音源は、空間認知に大きく影響を及ぼすことなく音質を大いに改善する。
基準位置における及び基準方位に向けられた聴取者の空間認知は、第1の音変換器装置からの音により支配される一方で、第2の音変換器装置からの音は、聴取者により認知される音質を支配する又は上記音質に大きな影響を与える。
本発明は、多くの形態において、音質、音圧レベル、空間認知、音変換器装置の形状ファクタ及び配置の2つ又はそれ以上の改善されたトレードオフを可能にする。
上記手法は、例えば、薄型テレビ若しくはモニタのようなフラットスクリーンディスプレイ、コンピュータマルチメディアスピーカ、自動車のオーディオシステム又はホームシネマアプリケーションのための音の再生を含む多くの異なる用途に適用され得る。
音の混乱の円錐は、両耳間時間差(ITD)及び両耳間レベル差(ILD)が円錐の原点に位置するユーザに大きく異なる空間キューを与えない程に十分に近い三次元空間の円錐である。この音の混乱の円錐は、聴取位置(及び方位)においてほぼ同じである第1及び第2の位置についてのITD及びILDの値をもたらす聴取位置(及び方位)、第1の位置及び第2の位置の相対的な配置を表す。従って、特定の配置についての音の混乱の円錐は、或る第1の位置と聴取位置及び方位とに対して規定されるか、又は、同等に、或る第2の位置と聴取位置及び方位とに対して規定される。
上記音の混乱の円錐は、基準位置から生じ、ITDが当該位置から基準位置までの平均音経路遅延の10%未満であり、ILDが基準位置における平均レベルの10%未満である全ての空間座標を有している。具体的には、上記音の混乱の円錐は、オーディオ経路の遅延が50マイクロ秒以下だけ異なり、経路損失が1dB以下だけ異なる位置のセットであり得る。多くの形態では、上記音の混乱の円錐は、ILD及びITD両方が等しい理想的な円錐形から5°まで広がり、幾つかのケースでは10°までも広がる。
上記音の再生は、例えば、サラウンドサウンドシステムであり、上記オーディオ信号は、フロント左若しくは右チャンネル信号又はサラウンド若しくはリアの左若しくは右チャンネル信号のようなサラウンドサウンド信号の空間的チャンネルであり得る。
本発明のオプションの特徴によれば、上記駆動回路は、上記第2の駆動信号の場合よりも上記オーディオ信号の高い周波数範囲に対応するように上記第1の駆動信号を生成する。
これは、多くの形態において特に有利な性能を与える。特に、それは、非常に小さい第1の音変換器装置により空間認知が支配される有利な装置を与えることが多く、その一方で、低周波数範囲及び中間周波数範囲の音質が、第1の音変換器装置よりも大きいフォームファクタを持ち、より柔軟に配置され得る第2の音変換器装置により支配されることを可能にする。実際には、空間的位置は第1の音変換器装置により決定され、それによって、できる限り大きい第2の音変換器装置をより離散的に配置する際に非常に大きい柔軟性を認める。実際には、上記手法は、多くの形態において、それ自体は低周波数を発することができない小さいスピーカから生じる全帯域の音の錯覚を作り出すことができる。
本発明のオプションの特徴によれば、上記第1の音変換器装置及び上記第2の音変換器装置の少なくとも1つは、上記第1の位置及び上記第2の位置それぞれに配置されたスピーカを有している。
これは、実際的で複雑が低い実現を可能にする。
本発明のオプションの特徴によれば、上記音再生システムは、上記第1の方向とは異なる方向に対応する第3の位置から上記基準位置に到達する音を生成する第3の音変換器装置を更に有し、上記駆動回路は、上記オーディオ信号から上記第3の音変換器装置のための第3の駆動信号を更に生成する。
これは、多くの形態において改善された音質を与え、音変換器の位置、音質及び空間経験の間のトレードオフの高い柔軟性を与える。
本発明のオプションの特徴によれば、上記音再生システムは、上記基準位置及び上記基準方位に対して第2の方向から生じる他のオーディオ信号を再生し、上記第2の方向に対応する第3の位置から上記基準位置に到達する音を生成する第3の音変換器装置を更に有し、上記駆動回路は、上記第1のオーディオ信号及び上記第2のオーディオ信号の少なくとも幾つかの信号成分を組み合わせることにより上記第2の駆動信号を生成し、上記第2のオーディオ信号から上記第3の音変換器装置のための第3の駆動信号を生成する。
これは、複数の空間的音源の位置を与える特に効率的で高性能な手法を与えることができる。実際には、上記第2の音変換器装置は、それぞれの位置が専ら1つの追加の音変換器装置を必要とする種々の位置に再利用されて、追加の音変換器装置は、典型的には、少し高めの周波数範囲のスピーカであり、低めの周波数範囲は、便利な位置にある単一の共有のより大きいスピーカにより与えられている。上記第1及び第2のオーディオ信号は、例えば、左のフロント及びリアサウンド信号又は右のフロント及びリアサウンド信号のようなサラウンドサウンド信号の異なるオーディオ信号である。
本発明のオプションの特徴によれば、上記駆動回路は、上記第2の音変換器装置からの音が上記第1の音変換器装置からの音と比較して1ミリ秒から50ミリ秒までの遅延で上記基準位置に到達するように上記第1の駆動信号及び上記第2の駆動信号を生成する。
これは、聴取者に空間キューを与えるための高められた優位性を第1の変換器装置に与える。オーディオ信号に関係して2つの音変換器装置からの音の相対的な遅延が決定される。例えば、上記遅延は、基準位置において、オーディオ信号に同時に存在する信号成分のタイミング差として決定される。上記手法は、第2の音変換器装置からの空間キューに対して第1の音変換器装置からの空間キューを更に強調するために先行音効果を用いてもよい。
本発明のオプションの特徴によれば、上記駆動回路は、上記第1の音変換器装置から上記基準位置までのオーディオ経路と上記第2の音変換器装置から上記基準位置までのオーディオ経路との距離の差を補償するために上記第1の駆動信号と上記第2の駆動信号とのレベル差及びタイミング差の少なくとも1つを調整する。
これは、改善された性能及び/又は音変換器装置の配置の際の高められた柔軟性を与える。例えば、相互に作用するスピーカは、変化する距離が受け入れられない低下をもたらすことなく、聴取位置に対して種々の距離に位置し得る。
本発明のオプションの特徴によれば、上記音再生システムは、上記基準位置に置かれたマイクロフォンから入力信号を受け取り、上記マイクロフォンの信号に応じて上記タイミング差及び上記レベル差の少なくとも1つを調整する調整器を更に有している。
これは、多くのシナリオにおいて改善された性能をもたらす特に有利な適合を与える。
本発明のオプションの特徴によれば、上記オーディオ信号はサラウンドサウンド信号の空間的チャンネルであり、上記駆動回路は、更に、上記サラウンドサウンド信号の第2の空間的チャンネルに応じて上記第2の駆動信号を生成する。
これは、特に効率的なサラウンドサウンド再生を与える。この手法は、低音及び中音域の周波数においてオーディオ品質を与えるできる限り大きいスピーカ装置が、支配的な空間キューを与える小さくてより周波数の高いスピーカと組み合わせられることを可能にする。オーディオ信号は、例えば、対応するフロントチャンネルである第2の空間的チャンネルを伴う左又は右リア/サラウンドチャンネルである。従って、同じ第2の音変換器装置が、フロント及びリア/サラウンドチャンネル用に共用され、それにより、必要な別個の音変換器の数を低減する。
本発明のオプションの特徴によれば、上記第1の音変換器装置は、少なくとも1回の反射を経て上記第1の方向から上記基準位置に到達する指向性のある音を発する。
これは、多くの形態において特に有利な構成を与える。特に、それは、所望の認知される音源の位置に対する第1の音変換器装置の配置の際の更なる柔軟性を与える。多くの形態では、それは、第1及び第2の両方の音変換器装置がユーザの前方に配置されることを可能にする一方で、ユーザの横又は後方に生じる音の認知を与える。
幾つかの形態では、上記第1及び第2の位置は、50cm以下しか水平方向の違いを有していない。
本発明のオプションの特徴によれば、上記第1の音変換器装置は上記第1の位置において仮想音源を生成し、上記第2の音変換器装置は上記第2の位置に配されたスピーカを有している。
これは、多くの形態において特に有利な実現を与える。特に、それは、所望の認知される音源の位置に対する第1の音変換器装置の配置の際の更なる柔軟性を与える。
本発明のオプションの特徴によれば、上記第2の音変換器装置は上記第2の位置において仮想音源を生成し、上記第1の音変換器装置は上記第1の位置に配されたスピーカを有している。
これは、多くの形態において特に有利な実現を与える。特に、それは、所望の認知される音源の位置に対する第2の音変換器装置の配置の際の更なる柔軟性を与える。
本発明のオプションの特徴によれば、前記第2の位置は、前記第2の位置に対応する方向と前記第1の方向との角度が20°以上、又は実際には幾つかのケースでは、30°以上若しくは更に45°以上であるように存在する。
幾つかの形態では、上記第1の位置と第2の位置との距離は1メートル以上、又は幾つかのケースでは、更に2若しくは3メートル以上である。
上記手法は、種々の音変換器装置の位置の非常に大きな違いを可能にする。実際には、上記手法は、高いオーディオ品質及び認知される単一の音源の位置を与えるように更に組み合わせながら、2つのスピーカが互いから遠くに位置することを可能にする。音源の配置における高められた柔軟性が達成され、上記手法は、少なくとも第2の音変換器装置が基準位置において聴取者により認知される所望の空間的音源の方向から同じ距離で離散的に位置することを可能にする。
本発明の一観点によれば、聴取者の基準位置及び基準方位に対して第1の方向から生じるオーディオ信号を再生する方法であって、第1の音変換器装置のための第1の駆動信号及び第2の音変換器装置のための第2の駆動信号を上記オーディオ信号から生成することと、上記第1の音変換器装置が上記第1の方向に対応する第1の位置から上記基準位置に到達する音を生成することと、上記第2の音変換器装置が上記第1の方向とは異なる方向に対応する第2の位置から上記基準位置に到達する音を生成することとを有し、上記第1の位置及び上記第2の位置が、上記基準位置及び基準方位に関する音の混乱の円錐に位置する当該方法が与えられる。
本発明のこれらの観点、特徴及び利点並びにその他の観点、特徴及び利点は、以下に述べられる実施の形態から明らかであり、以下に述べられる実施の形態を参照して説明されるであろう。
本発明の実施の形態が、図面を参照して専ら例として説明される。
本発明の幾つかの実施の形態に係る音再生システムの構成要素の一例を示している。 サラウンドサウンドホームシネマシステムについての音源の構成の一例を示している。 聴取者に関する音の混乱の円錐の一例を示している。 本発明の幾つかの実施の形態に係る音再生システムの構成要素の一例を示している。 本発明の幾つかの実施の形態に係る音再生システムの構成要素の一例を示している。 本発明の幾つかの実施の形態に係る音再生システムの構成要素の一例を示している。 本発明の幾つかの実施の形態に係る音再生システムの構成要素の一例を示している。 スピーカの構成の一例を示している。 仮想音源を生成するシステムの構成要素の一例を示している。 本発明の幾つかの実施の形態に係る音再生システムの構成要素の一例を示している。 本発明の幾つかの実施の形態に係る音再生システムの構成要素の一例を示している。
以下の説明は、サラウンドサウンドシステム及び特にホームシネマの用途のための音再生システムに適用可能な本発明の実施の形態に焦点を当てている。しかしながら、本発明はこの用途に限定されるものではなく、多くの他の音再生システムに及び多くの他の使用シナリオにおいて適用され得ることが理解されるであろう。
図1は、本発明の幾つかの実施の形態に係る音再生システムの構成要素の一例を示している。図1は、具体的には、例えばサラウンドサウンドシステムの1つの空間的チャンネルである単一のモノラルオーディオ信号の再生に関連する構成要素を示している。従って、この音再生システムは、サラウンドサウンドシステムの他のチャンネルの再生のための、具体的には、他の空間的チャンネルを再生する他の機能性を更に含んでいてもよい。図1の機能性は、他のチャンネルについての音の再生にも適宜に用いられ得ることも理解されるであろう。
図1のシステムは、オーディオ信号を受け取る入力回路101を有している。上記オーディオ信号は、例えば、おそらくは1つ又は2つの共通の低音効果(LFE)チャンネルとともに例えば5つ又は7つの空間的チャンネルを有するサラウンドサウンドオーディオ信号である。入力回路101は、任意の適切な内部又は外部ソースから入力オーディオ信号を受け取る。
入力回路101は、この例では1つのチャンネルの駆動回路である駆動回路103に結合されている。従って、入力回路101は、空間的なサラウンドサウンドチャンネルの1つからのオーディオ信号を駆動回路103に与える。例えば、図1の構成要素は、例えばサラウンドサウンド信号のサラウンド(リア又はサイド)左チャンネルを再生するように設けられている。
音は、具体的な例では通常のスピーカ105、107である第1及び第2の音変換器により再生される。駆動回路103は、オーディオ信号から第1のスピーカ105のための第1の駆動信号及び第2のスピーカ107のための第2の駆動信号を生成する。従って、具体的な例では、左後方の音は、2つのスピーカ105、107の組み合わせによって再生される。適切な空間経験を与えるために、再生される音が或る聴取位置において適切な方向から生じていると認知されることが重要である。
図2は、ホームシネマシステムのような5チャンネルサラウンドサウンドの空間的な音再生システムについての典型的なシステムの構成の一例を示している。このシステムは、センターフロントチャンネルを与えるセンター音源201、左フロントチャンネルを与える左フロント音源203、右フロントチャンネルを与える右フロント音源205、左リアチャンネルを与える左リア音源207及び右リアチャンネルを与える右リア音源209を有している。5つの音源201〜209はともに、聴取位置211において空間的な音の経験を与え、この場所にいる聴取者がサラウンドの没入できる音の経験を体験することを可能にする。従って、典型的なサラウンドサウンドシステムは、名目の位置又は基準位置に位置し、名目の方位又は基準方位を持つ聴取者に適切な空間経験を与えるように構成され、すなわち、図2の構成では、聴取者はセンターフロントチャンネルの音源201の方を向いていると仮定されている。
名目の(又は基準)位置及び方位は、存在するいかなる実際の聴取者にも又は他の位置に存在する聴取者にも依存しないことが理解されるであろう。正しくは、基準位置及び方位は、システム/構成の特徴である。基準位置及び方位は、具体的には、空間経験が最適化された位置及び方位を表している。
特に聴取位置の横又は後方に位置するというスピーカの必要条件は、不便な位置に配される追加のスピーカを必要とするだけではなく、これらが典型的にはホームシネマの電力増幅器のような駆動源に接続されることも必要とするので、典型的には不利であると考えられている。典型的なシステムの構成では、サラウンド音源から典型的にはフロント音源の近くに位置する増幅器ユニットまで及ぶようにワイヤが必要とされる。更に、所望のオーディオ品質を達成するために、音源として機能する全てのスピーカの適度に大きい形状ファクタが典型的には必要とされる。認められる不都合を緩和又は軽減するために、音の再生を与えるスピーカを配置する際にできる限り多くの自由度を持つことが望ましい。しかしながら、この望みは、典型的には、基準位置において特定の空間経験が与えられなければならないという必要条件によって妨害される。
図1の手法では、2つのスピーカ105、107が離れて配置されることを可能にする一方で、空間認知が主に第1のスピーカ105により生じることを確実にすることによって、スピーカ105、107の配置における柔軟性の増加が達成される。具体的には、第1のスピーカ105は、このスピーカからの音が左のサラウンド音源についての所望の位置に対応する方向から名目の聴取位置に達するように配置される。
第2のスピーカ107は、異なる位置に配置され、音が所望の空間的な音源の位置の方向から基準位置に到達する位置に限定されない。それどころか、この手法は、第2のスピーカ107がより多くの自由度をもって配置されることを可能にする。これは、第2のスピーカ107がより離散的に配置されることを可能にするので、例えば、第2のスピーカ107が第1のスピーカ105よりもかなり大きい場合に特に有利である。
しかしながら、第1及び第2のスピーカ105、107のいずれもが完全には自由に配置されず、むしろ、基準位置及び基準方位について互いに対して音の混乱の円錐に重なる位置に限定される。
人間の聴覚系は、音源の位置を特定するために、両耳間時間差(ITD)、両耳間レベル差(ILD)及びスペクトルキューを使用する。スペクトルキューは、一般に、外耳の形状が音の散乱に影響を及ぼし始める高周波数で現れる。より低い周波数、典型的には3kHzよりも低い周波数では、ITD及びILDが主な位置特定の様相(modality)である。ITD及びILDは、両耳に到達するように音により採られる異なる音響経路の結果である。低周波数(20ないし500Hz)では、音の強度は両耳でほぼ等しく、ITDが支配的な位置特定の様相である。ITDは、典型的には経路長の違いによる各耳における音源の到達時間の差である。周波数が増加するにしたがって、頭が音響陰影としての機能を果たし、頭の種々の部分における音の強度が音源の位置に依存する。この音響陰影の効果は、両耳における強度の差を引き起こす。頭に対して種々の相対的位置に存在する音源は、角度に依存するITDキュー及びILDキューの組み合わせをもたらす。頭のおおよその対称性のために、ほとんどの音源の方向に関して、音源のITD及びILDはその特定の角度の上昇及び方位角に固有ではない。追加のスペクトル情報がなければ、聴取者は、同じITD及びILDにより音源がどの位置からもたらされているかを区別することは困難である。音源が同じITD及びILD持つ点の軌跡は、図3の例により示されているように混乱の円錐として知られる。
従って、音の混乱の円錐は、聴取位置(及び方位)と、聴取位置(及び方位)にいる名目のユーザに対してほぼ同じである第1及び第2の位置についてのITD及びILDの値をもたらす音源の位置との相対的な配置を表す。上記混乱の円錐は、単に聴取位置(及び方位)によって規定されるのではなく、聴取位置(及び方位)及び混乱の円錐についての少なくとも1つの点によって規定されることが理解されるであろう。従って、混乱の円錐は、1つの音源の位置が(聴取位置及び方位とともに)決定されると、ITD及びILDがほぼ同じである対応する混乱の円錐も規定されるように、音源についての相対的な位置のセットを規定する。
多くのケースでは、混乱の円錐は、特にヘッドフォンで聞く場合に、障害(hindrance)になり、この円錐の場所では前方と後方との反転の問題がよく知られている。しかしながら、図1のシステムでは、上記現象が、異なる位置にある2つの相互作用するスピーカの位置を特定するために積極的に用いられる一方で、それらのスピーカが単一の所望の音源の位置から生じていると認知されることを可能にする。従って、図1のシステムは、強くて頑健な聴覚の錯覚を作り出すために混乱の円錐を活用している。
実際には、聴覚系が、混乱の円錐上の音源の位置を解釈することは困難であることが分かっているので、この効果は、スピーカの位置を隠すために積極的に活用される。例えば、低周波スピーカが或る場所に配置され、第2の高周波スピーカ(ツイーター)が、上記低周波スピーカの位置並びに聴取位置及び方位により作り出される混乱の円錐上の他の位置に配置された場合、全域の音が完全にツイーターから生じているという錯覚が作り出される。
具体的には、ツイーターは高周波成分を再生し、この高周波成分は、後に、その音響経路上において聴取者の頭部及び外耳によりフィルタにかけられる。これは、ツイーターの場所に固有のスペクトル的特徴を与え、ツイーターの位置の特定を容易にする。低周波数では、ITD及びILDが混乱の円錐上の任意の位置で一致する。低周波スピーカの位置は、低周波信号に重要なスペクトル形成を伝えず、従って、混乱の円錐上で正確に位置を特定することは難しい。低周波スピーカの一意的に識別可能な位置の不足は、聴覚系が2つの音源を融合することを可能にし、これはツイーターの場所に1つの全域の聴覚像を作り出す。位置特定キューが対象の音源の場所(ツイーターの場所)と完全に一致するので、この聴覚の錯覚は非常に強い。
従って、このような例における音の混乱の円錐は、低周波スピーカの位置と聴取位置及び方位とにより与えられ、これにより、高周波スピーカについての適切な位置のセットを規定する。同じように、音の混乱の円錐は、高周波スピーカの位置と聴取位置及び方位とにより与えられてもよく、これにより、低周波スピーカについての適切な位置のセットを規定する。
従って、上記音の混乱の円錐は、(名目の)聴取者の耳の両耳間時間差及び両耳間レベル差が聴取位置において実質的に異なる空間的キューを与えないような十分に小さい空間では、これらの相対的な位置に対応するとみなされ得る。具体的には、音の混乱の円錐は、典型的には、ITDが50マイクロ秒以下しか異ならず、ILDが2dB以下しか異ならない空間的位置に対応する。従って、音の混乱の円錐は、具体的には幾つかの実施の形態では、音声経路の遅延が50マイクロ秒以下しか異ならず、経路損失の差がわずか1dBしか異ならない位置のセットを規定する。幾つかの実施の形態では、混乱の円錐は、ITDが当該位置から名目の聴取位置までの平均音経路遅延の10%よりも小さく、ILDが基準位置における平均レベルの10%よりも小さい空間的位置を有している。
このような必要条件は、同じ位置に対応すると認知されるITD及びILD特性をもたらす。このケースでは、組み合わせられた音源の空間的位置は、人間の耳による高周波数の音の周波数修正によって示される位置に対応すると認知される。従って、上記空間的位置は、ツイーターの空間的位置であると認知される。
上記例では、第1のスピーカ105はツイーターのような高周波スピーカであり、第2のスピーカ107は低周波スピーカである。従って、駆動回路103による第1のスピーカ105のための第1駆動信号の生成は、典型的には、入力オーディオ信号のハイパスフィルタ処理を含み、駆動回路103による第2のスピーカ107のための第2の駆動信号の生成は、典型的には、入力オーディオ信号のローパスフィルタ処理を含んでいる。図4に示されているように、駆動回路103は、具体的には、(例えば、明確及び簡潔にするために本明細書において明示的に説明されない適切な増幅の機能に加えて)ハイパスフィルタ及びローパスフィルタを有している。
従って、上記例では、駆動回路103は、第2の駆動信号の場合よりもオーディオ信号のより高い周波数範囲に対応するように第1の駆動信号を生成する。幾つかの実施の形態では、2つのスピーカ105、107は、スペクトルの異なる部分をそれぞれカバーし、実際には、全可聴周波数帯域を協力してカバーする。他の実施の形態では、他のスピーカが、例えば、オーディオ信号の他の周波数区間をカバーする。例えば、サブウーファーが約120Hzまでの周波数をサポートし、第2のスピーカ107が約120Hzから500Hzまでの周波数区間をカバーし、第3のスピーカが約500Hzから1.5kHzまでの周波数区間をカバーし、第1のスピーカ105が約1.5kHzから例えば20kHzまでの周波数区間をカバーする。
多くの実施の形態では、上記第1の駆動信号の低い方の3dBカットオフ周波数は、400Hz、600Hz、800Hz、1kHz、又は更には2kHz以上であることが有利である。選択される周波数が高くなるにしたがって、第1のスピーカ105はより小型でよりディスクリートであり得る。
多くの実施の形態では、上記第2の駆動信号の高い方の3dBカットオフ周波数は、400Hz、600Hz、800Hz、1kHz、又は更には2kHz以上であることが有利である。選択される周波数が高くなるにしたがって、周波数区間のより多くが第2のスピーカによりカバーされ、その結果、第1のスピーカ105はより小型でよりディスクリートであり得る。
上記第1の駆動信号の低い方の3dBカットオフ周波数及び第2の駆動信号の高い方の3dBカットオフ周波数は、互いにかなり異なり、例えば、200Hz、400Hz、600Hz、800Hz又は更には1kHz以上異なってもよい。
幾つかの実施の形態では、第1の駆動信号と第2の駆動信号とのクロスオーバー周波数は、200Hzから2kHzまでの区間内にあり、600Hzから1.5kHzまでの区間内において有利であることが多い。このクロスオーバー周波数は、入力オーディオ信号に対する2つの駆動信号の減衰が同じである周波数として決定される。
このようなクロスオーバー及びカットオフ周波数は、特に、小型形状ファクタの高周波ドライバが支配的な空間キューを与えることを可能にする。特に、種々のスピーカに対する周波数範囲の適切な選択は、第2のスピーカ107から与えられる空間キューがITD及びILDキューに限定されることを確実にする。従って、この設計は、第2のスピーカ107が第1のスピーカ105の位置についての空間キューとも一致する空間キューのみを与えることを確実にする。
実際には、多くの通常のサテライト−サブウーファー装置では、クロスオーバー周波数は、スピーカの周波数応答に合うように選択される。上述した手法では、クロスオーバー周波数が閾値よりも低いままである限りは、聴取位置における効果の強度はクロスオーバー周波数と無関係である。この閾値は、頭部伝達関数(HRTF)の関数であり、外耳からの散乱による音響経路のスペクトル変化が重要な位置特定キューに寄与し始める点である。個々の聴取者に関する上記閾値は、聴取者の解剖学的構造の関数であり、ユーザの母集団によって変動する。しかしながら、母集団のほぼ全体をカバーする基準閾値が選択され得る。800Hzの高いクロスオーバー周波数は、非常によく機能することが明らかにされており、実際には、より高いクロスオーバー周波数が、多くの実施の形態において可能である。
上記例では、物理的な第1及び第2のスピーカ105、107は、第1のスピーカ105が空間的な音源の認知のために所望の位置に配置された状態で、混乱の円錐に直接的に配置されている。左サラウンドチャンネルの場合、第1のスピーカ105は、例えば、聴取者の左後方への音の混乱の円錐に配置される。第2のスピーカ107は、第1のスピーカ105とはかなりの距離で、大いに異なる方向に配置される。例えば、第2のスピーカ107は、聴取位置の前方に配置される。これは、第2のスピーカ107が、例えば、他のチャンネルのためにサラウンドサウンドスピーカの近くに配置され、具体的には、フロントサイドチャンネルを表すスピーカの近くに配置されるので、多くの実施の形態において特に有利である。しかしながら、第2のスピーカ107は、第1のスピーカ105と同じ音の混乱の円錐に存在するように配置される。その結果、両方のスピーカ105、107から再生される音は、第1のスピーカ105から、すなわち、左後方から聴取位置に到達したと認知される。
第1及び第2のスピーカ105、107は、1メートル、2メートル又は更には3メートル以上も互いに離れた距離にある位置に配置され得る。スピーカ105、107は、名目の聴取位置に対して完全に異なる方向に配置され得る。幾つかの実施の形態では、2つのスピーカの方向は、20°以上異なり、実際には幾つかの実施の形態では、30°、45°又は更には60°以上も異なる。
従って、上述した手法は、聴取位置における主観的なオーディオ品質及び空間的性能を低下させることなく、極端に例えばリアサラウンドスピーカのサイズの低減を可能にする処理及びスピーカのレイアウトの体系を用いる。そのようなサイズの低減は、スピーカユニットのコスト及び電力消費が大いに低下されることを可能にする。リアスピーカのサイズの低減は、ホームシネマシステムの生活様式の範囲に非常に望ましい。電力消費の低減は、サラウンドサウンドスピーカの電池式の無線動作に対して有効なステップである。
上記サイズの低減は、対象の音源の場所と一致する位置特定キューを確実にするために聴取位置に対してうまく配置された複数のスピーカユニットの使用及び心理音響的に駆動される信号処理によって達成される。
上記手法は、心理音響的な錯覚を作り出す非常に頑健な方法を与える。このタイプの聴覚の錯覚は、更に、個々の聴取者の高周波音響伝達関数と無関係である。これは、錯覚が正常な聴力のほとんど全てのユーザに効果的であることを可能にする。
上記処理の追加の利点は、デジタル又はアナログ回路上で行われ得る必要なフィルタ処理動作の容易さである。
この錯覚は、また、水平面における音源に限定されない。高周波源又は実際には低周波源は、聴取者の上方又は下方にも配置され得る。高周波源の場所における全帯域の音の錯覚は、低周波源が同じ混乱の円錐に存在する限りにおいては頑健である。
しかしながら、音源は、水平面内に存在する必要はないが、幾つかの実施の形態では、音源が水平面から大きく離れていないことが有利である。多くの実施の形態では、少なくとも混乱の円錐上の第1の音変換器と第2の音変換器との鉛直方向の差が、50cm又は更には25cm以下である。これは、最適聴取場所の大きさの観点から利点を有している。実際には、両方のスピーカが水平面に配置され、聴取者から等距離にある場合、上記効果は、両耳間の軸に沿って全ての変位に対して頑健であると示され得る。
図1の例では、2つのスピーカ105、107が、駆動回路103への入力オーディオ信号をレンダリングするために用いられた。しかしながら、他の実施の形態では、2つよりも多いスピーカが用いられ得る。例えば、約1kHzまでの周波数範囲をカバーする単一の低域/中域スピーカよりもむしろ、この周波数範囲は、低域スピーカ及び中域スピーカによりカバーされる。このようなケースでは、余分なスピーカが、任意の他のスピーカとともに配置される必要はなく、例えば他の位置に配置され得る。これらの位置が混乱の円錐に存在する(及び耳の方向依存性のフィルタリングよりも低い周波数範囲をカバーする)限りは、追加のスピーカはユーザに新たな空間キューを与えず、再生音全体は単一の音源から生じていると認知される。
図1の例では、スピーカ105、107によりレンダリングされるオーディオ信号は、サラウンドサウンド信号の空間的チャンネルである。具体的には、空間的チャンネルは、左サラウンドチャンネルである。幾つかの実施の形態では、第2のスピーカ107は、空間的チャンネルの2つ(又はそれよりも多く)をレンダリングするために用いられる。例えば、第2のスピーカ107は、聴取位置の左前方に配置され、従って、フロント左の空間的チャンネルをレンダリングするのに適した位置に配置される。
図5は、そのような実施の形態の一例を示している。この例では、第2のスピーカ107は、フロント左スピーカ203としても用いられる。この例では、これは、左サラウンドチャンネルのために左フロントチャンネルのオーディオ信号をローパスフィルタ処理されたオーディオ信号と組み合わせる結合器を有する駆動回路103により達成される。従って、第2の駆動信号は、両方の空間的チャンネルのオーディオ信号から生成される。駆動回路103は、具体的には、(典型的には、オーディオ信号の少なくとも1つのフィルタ処理の後に)2つのチャンネルのオーディオ信号の重み付けされた和として第2の駆動信号を生成する。
この手法は、勿論、例えばリアサラウンドチャンネルのために同様に用いられ得る。特定の例として、図5は、2つのフルレンジスピーカがフロント右及び左チャンネルを再生するサラウンドサウンドシステムを示している。2つの高周波変換器が、フルレンジスピーカの角度位置を忠実に写し出す角度で聴取者の後方に配されており、フロントスピーカと同じ混乱の円錐に該変換器を配する。サラウンド左及び右チャンネルは、低周波部と高周波部とに分割される。高周波部は、高周波スピーカによって再現され、低周波部は聴取者の前方のフルレンジチャンネルに加えられる。この効果は、リア高周波スピーカから生じる全帯域の音の非常に際立った印象を生成することである。このシステムは、非常に小型のリアサラウンドサウンドスピーカを可能にする。高周波スピーカが電力をほとんど出さないとすると、高周波スピーカは充電式でよく、サラウンドサウンド受信器から無線で音楽信号を受け取ることができる。更に、前方の2つのフルレンジスピーカは、フロントサイドチャンネル及びサラウンドチャンネルの低周波部の両方をレンダリングするという二役を担う。従って、このシステムは、更なる変更を伴うことなくフロントチャンネルのためにホームシネマシステムにおいて既に使用されているタイプのスピーカを用いることさえできる。
上記手法はリアチャンネルの錯覚を作り出すことに決して限定されないことが理解されるであろう。例えば、上記システムは、フルレンジスピーカが聴取者の後方に存在し、高周波源がユーザの前方に配されるように反転し得る。これは、該デバイスの場所にフルレンジの音の位置特定が望ましいながらも、フォームファクタの制限のためにフルレンジスピーカの組み込みが可能でないデバイスに特に有用である。例は、フラットパネルテレビ及びコンピュータのモニタを含んでいる。
幾つかの実施の形態では、オーディオ信号をレンダリングするスピーカ105、107は、聴取位置から様々な距離で配置され得るが、依然として混乱の円錐に配置される。実際には、混乱の円錐は、3次元の物体/表面を表し、単にリング状のものではないことに注意されたい。実際には、スピーカは、聴取者から等距離に配置される必要はない。スピーカが、聴取位置から様々な距離に配置される場合、聴取者の位置における全ての音成分の一定の到達時間を確実にするために遅延補償が適用され得る。
具体的には、駆動回路103は、第1の駆動信号と第2の駆動信号とのレベル差及び/又はタイミング差を調整する機能を有している。例えば、図6は、駆動回路103が、第1の駆動信号と入力オーディオ信号との間の遅延に対して第2の駆動信号と入力オーディオ信号との間の遅延を増大させる遅延部601をどのように含んでいるかを示している。遅延は、第2のスピーカ107に対する聴取位置までの距離よりも聴取位置から第1のスピーカ105までで増大している距離を補償するように設定される。従って、上記遅延部は、第1及び第2のスピーカ105、107それぞれから名目の聴取位置までのオーディオ経路の伝播遅延の差を補償する。
従って、このようなシステムでは、空間キューを与える両耳間の時間差及び/又は両耳間のレベル差が、音の混乱の円錐上のスピーカ105、107の配置により管理されるのに対して、(ユーザの両耳間よりもむしろ)スピーカ105、107間の絶対(又は平均)タイミング差又はレベル差が駆動信号の処理により制御される。
スピーカ間のタイミング差又はレベル差(又は両方)の調整は、幾つかの実施の形態では、設定の特定の特徴に自動的に適合される。例えば、聴取位置に置かれたマイクロフォンは、マルチチャンネルシステムの音響出力を記録するため及びスピーカまでの相対的な距離を計算するために用いられる。この距離は、サンプルに基づく遅延線に変換され、位置特定キューの整合性を確実にするために各低周波及び高周波信号の放出時間を補償するために用いられる。マイクロフォンは、聞く経験を最適化するために個々の音源の周波数応答及び振幅のようなオーディオシステムの特性を調整するためにも用いられ得る。
幾つかの実施の形態では、上記駆動回路は、第2のスピーカ107からの音が第1のスピーカ105からの音に対して1ミリ秒から50ミリ秒までの遅延で基準位置に到達するように第1の駆動信号及び第2の駆動信号を生成する。従って、入力オーディオ信号の同時のオーディオ成分は、第1のスピーカと比較して第2のスピーカ107からの遅れた音を聴取位置においてもたらしている。
このような手法は、所謂「先行音効果」として知られる(「ハース効果」又は「第一波面の法則」とも呼ばれる)心理音響的な現象を活用する。この現象は、同じ音信号が異なる位置において十分に小さい遅延で2つのソースから受け取られると、音は先の音源の方向から、すなわち、最初に到達した信号からのみ来ていると認知される。従って、この心理音響的な現象は、人間の脳は最初に受け取った信号成分からほとんどの空間キューを得るという事実を指している。実際には、このような効果は、オーディオ信号の種々の周波数区間に適用される際でさえも達成されることが分かっている。
先行音効果の使用により、認知されるオーディオ品質及び制限された帯域幅を持つサテライトスピーカの帯域幅を改善する聴覚の錯覚を作り出すことが可能である。先行音効果は、聴覚系における時間的な重み付けに基づく心理音響的な現象である。位置特定の目的のために、聴覚系は、最大の重要性を伴って耳に到達するように第1の音を重み付けする。異なる場所に置かれた2つのスピーカが同じ信号を発すると、信号が聴取者の耳に最初に到達するスピーカが、音源の唯一の起源として認知される。これは、耳に到達する音の遅延が、刺激のタイプに依存して1ミリ秒よりも大きく5ないし50ミリ秒の閾値よりも小さいという条件の下で有効である。上述したように、先行音効果は、音源が種々の周波数帯域に分割され、種々のスピーカにより再生される際に部分的に効果的であることも分かっている。
従って、先行音効果は、第1のスピーカ105の位置に存在する単一のソースの空間認知を更に改善するために用いられ得る。実際には、専ら先行音効果に依存することは多くのシナリオで最適状態に及ばない(例えば、錯覚は完全には効果的ではなく、歪んだ立体音像生成をもたらす。)のに対して、先行音効果と混乱の円錐の利用との組み合わせは、かなり改善された錯覚を与える。
従って、先行音効果は、例えば、聴取者の頭の小さな動き及び回転に対して錯覚の頑健さを更に増大させるために用いられ得る。これは、低周波チャンネルに遅延を加えることによって達成される。遅延は、低周波チャンネルからの低周波情報が高周波情報の約1ないしτミリ秒後に聴取位置に到達するように選択される。遅延時間τは、オーディオ信号に依存して5から50ミリ秒までの範囲であり、或るシステム、クロスオーバー周波数、音響環境及び入力信号に基づく最適化を経て選択される。
この手法は、例えば、補償される伝播時間の差に必要な適切な遅延を決定し、その後、計算値よりも例えば10ミリ秒多く遅延部601を設定する図6のシステムにより実現される。
幾つかの実施の形態では、この手法は、複数の場所においてフルレンジのソースの錯覚を与えるために用いられる。これは、具体的には、単一の低周波変換器及び複数の高周波ユニットを用いて達成され得る。このような手法の一例は、図7に示されている。この例では、Nチャンネルのマルチチャンネル信号(X(t)、X(t)、X(t)…X(t))の各チャンネルが、クロスオーバーネットワークを用いて2つの周波数領域に分割される。結果として得られる高周波信号のそれぞれは、混乱の円錐703上に位置するN個の高周波スピーカ701に直接送られる。各チャンネルの低周波信号は、合計され、同様に混乱の円錐に位置する低周波スピーカ705に送られる。この例では、経路長差の補償及び/又は先行音効果の増強を各チャンネルに与えるために、遅延部のセット707が含まれている。
従って、図7の例では、システムは、第1のオーディオスピーカについてとは異なる距離から名目の位置に到達する少なくとも1つの追加の音信号を再生する。これは、異なる方向に配置された更なるスピーカを含み、追加のオーディオ信号からこのオーディオスピーカのための駆動信号を生成することによって達成される。更に、第2のスピーカ705のための第2の駆動信号が、2つのオーディオ信号を組み合わせることによって生成される。この組み合わせは、具体的には、重み付けが2つの信号についての相対的な所望のボリュームを反映する重み付けの和である。
前述の例では、音の円錐の適切な位置に直接置かれた物理的なスピーカによって音が与えられた。しかしながら、他の実施の形態では、音は、そのような位置において物理的なスピーカによって与えられるのではなく、混乱の円錐上の仮想音源により与えられる。従って、混乱の円錐上の物理的なスピーカを用いるのではなく、この手法は、混乱の円錐に置かれる仮想音源を与える音変換器装置を用いる。音変換器装置は、例えば、物理的なスピーカであってもよいが、代替又は追加として、変換器アレイ、指向性スピーカ、変調超音波振動子等であってもよい。
一例として、混乱の円錐に置かれた通常のフルレンジスピーカが第2のスピーカ107として用いられ得るのに対して、第1のスピーカ105は、少なくとも1回の反射を経て第1の方向から基準位置に到達するように指向性のある音を発する音変換器装置に置き換えられる。従って、この例では、例えば壁からの反射が室内に散乱する音の指向性ビームを用いて高周波源が作り出される。このケースでは、聴取者は、壁の反射点を音源の起源であると認知する。従って、音変換器装置は、ビームが名目の聴取位置及び方向について混乱の円錐内にある地点において壁に当たるように高い指向性を持つ音のビームを発する。そのような音の放射は、例えば、適切なオーディオビーム形成アルゴリズムと組み合わされて、高周波ユニットの大きなアレイ及びビームの形成によって実現される。
他の例として、ビームは、壁の反射点に向かう方向に変調超音波信号を発する超音波又はパラメトリックスピーカを用いて生成される。これは、高周波オーディオによって変調される高強度超音波の高い指向性ビームを投影する。超音波は空気を介して伝播するので、オーディオ信号は、高い指向性を持つ音のビームを形成するために非線形性によって復調される。この音のビームは、壁又は大きな物体のような障害物に遭遇すると、可聴周波数の音が広い角度の範囲にわたって反射し、従って、入射点に位置する音源の認知を与える。
幾つかの実施の形態では、高周波変換器が仮想音源であることが有利であるのに対して、低周波変換器は混乱の円錐に位置する物理的なスピーカであることが理解されるであろう。例えば、上述した手法を用いてリアチャンネルを生成する際、これは、全ての音変換器がユーザの前方に配置されることを可能にする一方で、背後から聴取者に到達する音の空間認知を与える。従って、幾つかの実施の形態では、最初の例の物理的な高周波スピーカは、仮想音源に置き換えられる。この手法の原理的な利点は、リアスピーカがもはや物理的には存在する必要がないことである。
他の実施の形態では、第2のスピーカ107が仮想音源に置き換えられ、第1のスピーカ105は、おそらく、混乱の円錐に位置する物理的なスピーカとして維持される。従って、幾つかの実施の形態では、低周波スピーカが、例えば、クロストークキャンセル処理又はステレオダイポール法のような技術を用いて仮想音源に置き換えられる。この手法の原理的な利点は、仮想低周波音源が前頭面における任意の角度位置で相対的に容易に作り出され、従って、特定の高周波変換器の位置に対する混乱の円錐が結局存在する場合はいつでも、低周波の仮想音源が相対的に容易に配置されるので、高周波変換器の配置についての制限が緩和される。言い換えれば、高周波変換器の任意の場所が与えられると、相補的な仮想低周波源が、選択された位置から生じる音の混乱の円錐により与えられる適切な位置において合成され得る。スピーカ及び聴取者の位置は、好ましくは、仮想音源が適切な混乱の円錐に位置する前に知られている。スピーカの相対的な位置を決定する方法はよく知られており、これを行う任意の好適な方法が用いられ得ることは理解されるであろう。
(聴取者が存在すると認知する場所に物理的には存在しない音源であるとみなされる)仮想音源を生成する種々の技術及びアルゴリズムが存在することは理解されるであろう。仮想音源の作成は、対象の場所に対応する正確な又はおおよその位置特定キューを用いて聴取者の耳でオーディオ信号を生成することによって達成される。
以下に、どのように仮想音源が生成されるかの具体的な例が説明される。
耳に到達するようにスピーカのペアから伝えられる音により取られる音響経路は、図8に模式的に与えられている。この音響経路は、聴取者によりスピーカを容易に位置特定可能にするスピーカの場所に固有であるスペクトルフィルタリング並びにITD及びILDを作り出し、各音響経路は、伝達関数HαLとして表され、1番目の下付き文字はスピーカの角度位置を指し、2番目の下付き文字は(右、左)耳を指している。耳信号は、行列方程式を用いて数学的に表され得る。
Figure 2013535894
この式に基づいて、スピーカによる伝達の前に信号に逆行列演算M−1を当てはめ、
クロストークの作用を取り除くことが可能であることが明らかである。
Figure 2013535894
このパラダイムの下では、左耳は左側のスピーカからのみ信号を受け取り、右耳は右側のスピーカからのみ信号を受け取る。位置特定キューをスピーカ信号L及びRに埋め込むことにより、モデル化された又は測定された伝達関数HγL及びHγRを用いて、図9に示されているように聴取者の頭の周りの任意の位置γで仮想音源を作り出すことが可能である。
Figure 2013535894
物理的なスピーカを近付けることが望ましいことが多い。これは、伝達行列Mをより複雑ではなくし、より最適な逆行列を可能にする。実際には、スピーカが非常に近くであると、ステレオダイポール技術が伝達行列及びその逆行列を概算するために用いられ、非常に簡単なフィルタリング演算を可能にする。この手法の利点は、より少ない着色及びかなり頑健な聴覚の錯覚である。ステレオダイポール法のような近似処理法は、典型的には、仮想音源を前頭面に限定する。
理想的な条件の下では、聴覚キューは意図された対象の音源の場所と完全に一致するので、クロストークキャンセル処理は仮想音源の完璧な認知をもたらす。伝達関数の測定における不完全さのために、逆行列中のクリッピング、増幅器及びスピーカのダイナミックレンジの損失及び電力制限、錯覚の強さが低下するか又は効果のない状態にされる。例えば、伝達行列は、逆行列に対して不適当であることが多く、「悪い状態」である。これは、測定された又はモデル化された伝達関数における小さい摂動が伝達逆行列M−1における大きな誤りを招くことを意味する。上記悪い状態は、特に低周波数において、小さな頭の動きに対するクロストークキャンセル処理を不安定にする。この悪い状態のシステムの他の副作用は、可聴周波のかなりの着色である。これは、最適聴取場所内に正確に位置していない聴取者の場合に特に明らかである。
上記錯覚は、伝達行列Mの正確さに依存する。行列は、図8に示されているモデル化された又は測定された伝達関数から構成される。これらの伝達関数は、スピーカの位置の関数だけではなく、ユーザの解剖学的構造の関数でもあり、各個人に固有である。伝達関数の小さい不完全さがクロストークフィルタの大きなエラーを作り出すので、各個人についての理想的な精度のフィルタが測定され、キャンセルネットワークに用いられる。経済的な実現性のために、一般的な伝達関数のセットは、多くのユーザには理想的ではない場合でさえも、母集団の大多数によく合うように選択され得る。
クロストーク経路は、不要な音響情報を取り消すために追加の音を伝送することにより除去される。この追加の音は、聴取者により聞かれる可聴周波数に寄与しないので、「無駄な」エネルギーとみなされる。幾つかのケースでは、耳におけるオーディオ信号は、伝送されたオーディオ信号よりも30dB低い。この「無駄な」パワーの効果は、システムのダイナミックレンジを低減し、スピーカ及び増幅器に高い要求を出すことである。
仮想音源の生成は複雑であり、頑健で説得力のある結果を得ることは難しい。仮想スピーカ技術とともに混乱の円錐の概念を用いて、物理的スピーカは、或る周波数帯域に関して必要な位置特定キューを強化することができ、聴覚の錯覚を著しく強くする又はエネルギー効率を改善する。これらの2つの様相は、実際には、大いに相補的であり、混乱の円錐の概念は、非常に説得力のある聴覚の錯覚が作り出されることを可能にする一方で、クロストークキャンセル処理及び仮想ソースの生成は、そうでなければ厳しい混乱の円錐の幾何学的要求を緩和する。
前述したように、この相補的な性質は、低周波又は高周波スピーカを仮想音源に置き換えるために活用される。
図10は、リアスピーカ用の物理的な高周波音源が仮想音源に置き換えられた例を示している。この手法の最も明らかな利点は、ユーザはもはや後方に追加のスピーカを配置する必要がないことである。上記錯覚は、高周波数における適切なクロストークキャンセル処理に依存する。このシステムは、各仮想音源が、利用可能な仮想音源の位置の範囲を制限する物理的な低周波スピーカと同じ混乱の円錐に適切に位置している場合にのみ効果的である。
フルレンジのクロストークキャンセル処理システムと比較して、この手法は、低周波数のクロストークキャンセル処理の排除によって電力の著しい節約を示す。これは、低周波数の再生におけるスピーカ及び増幅器のヘッドルームの30dBまでの節約の可能性を示し、非常に安価な駆動ユニット及び増幅器の使用を可能にする。
図11は、リアチャンネルの物理的な低周波スピーカが仮想音源で置き換えられた例を示している。この手法の最も重要な利点は、高周波音源が聴取者の周りで任意に置き換えられ得ることである。相補的な低周波音源が任意の必要な角度に対して生成され得るので、低周波の仮想音源の使用は、混乱の円錐の設定のためのスピーカの配置についての全ての制約を緩和する。
全ての必要な低周波の仮想音源が、少なくとも2つの低周波変換器を含む1つの小型のキャビネットにより作り出される。低周波スピーカの数が多くなることによって、仮想音源にわたるより大きな効率及び制御が達成される。これらの変換器は、十分なクロストークキャンセル処理を与えるために十分な音響出力能力を持たなければならない。低周波音源は専ら前頭面において生成されることを必要とするので、低周波の仮想音源は非常に簡単なステレオダイポール処理を用いて作り出され得る。低周波音源のITD及びILDキューが高周波ユニットと一致する限り、錯覚は非常に頑健である。
高周波キューは、本物の音源により与えられるので、個々の解剖学的特徴の差によって影響を及ぼされない。これは、真に効果的であるために個別のクロストークフィルタを必要とする標準的なクロストークキャンセル処理方式に対する重要な利点である。クロスオーバー周波数(例えば、800Hz)よりも低い低周波数では、解剖学的スペクトルフィルタ処理は、人の特定のフィルタがこの手法のために必要ではないことを意味するより重要ではない聴覚キューを与える。
明らかにするための上記説明は、種々の機能回路、ユニット及びプロセッサを参照して本発明の実施の形態について述べたことが理解されるであろう。しかしながら、本発明を損なうことなく種々の機能回路、ユニット又はプロセッサ間の機能の任意の適切な分配が用いられ得ることは明らかである。例えば、分離したプロセッサ又はコントローラにより実行されるように説明された機能が同一のプロセッサ又はコントローラにより実行され得る。従って、特定の機能ユニット又は回路についての言及は、厳密な論理的又は物理的な構造又は組織を示しているのではなく、専ら上記説明された機能を与える好適な手段についての言及であると受け止められるべきである。
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの任意の組み合わせを含む任意の好適な形態において実現され得る。本発明は、オプションで、1つ又はそれ以上のデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で動くコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実現され得る。本発明の実施の形態の素子及び構成要素は、任意の好適なやり方で物理的、機能的及び論理的に実行され得る。実際には、上記機能は単一のユニットにおいて、複数のユニットにおいて又は他の機能ユニットの一部として実現され得る。そのようなものであるから、本発明は、単一のユニットにおいて実現されてもよいし、異なるユニット、回路及びプロセッサの間に物理的及び機能的に分散されてもよい。
本発明は、幾つかの実施の形態に関連して説明されたが、本明細書に示された具体的な形態に限定されるように意図されてはいない。正しくは、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。更に、特徴が特定の実施の形態に関連して説明されているように見てとれるが、当業者であれば説明された上記実施の形態の種々の特徴が本発明に従って組み合わせされ得ることを理解するであろう。特許請求の範囲において、有するという用語は、他の構成要素又はステップの存在を排除するものではない。
また、個々に列挙されているが、複数の手段、構成要素、回路又は方法のステップは例えば単一の回路、ユニット又はプロセッサにより実現され得る。加えて、個々の特徴が異なる特許請求の範囲に含まれているが、これらはできうる限り有利に組み合わせられてもよく、異なる特許請求の範囲に含まれているものは、特徴の組み合わせが実現可能及び/又は有利ではないことを意味するものではない。また、特許請求の範囲の1つのカテゴリーにおいて含まれる特徴は、このカテゴリーへの限定を意味するのではなく、特徴が必要に応じて他の特許請求の範囲のカテゴリーに等しく適用可能であることを示している。更に、特許請求の範囲における特徴の順序は、特徴が作用しなければならないいかなる具体的な順序をも意味するものではなく、特に、方法の特許請求の範囲における個々のステップの順序は、各ステップがこの順に実行されなければならないことを意味するものではない。正しくは、各ステップは任意の好適な順序で実行され得る。加えて、単数形の記載は複数形を排除するものではない。従って、「a」、「an」、「first」、「second」等の記載は複数形を除外するものではない。特許請求の範囲における参照符号は、単に明らかにする例として与えられており、任意のやり方で特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. 聴取者の基準位置及び基準方位に対して第1の方向から生じるオーディオ信号を再生する音再生システムであって、
    前記第1の方向に対応する第1の位置から前記基準位置に到達する音を生成する第1の音変換器装置と、
    前記第1の方向とは異なる方向に対応する第2の位置から前記基準位置に到達する音を生成する第2の音変換器装置と、
    前記第1の音変換器装置のための第1の駆動信号及び前記第2の音変換器装置のための第2の駆動信号を前記オーディオ信号から生成する駆動回路と
    を有し、
    前記第1の位置及び前記第2の位置が、前記基準位置及び基準方位に関する音の混乱の円錐に位置する、当該音再生システム。
  2. 前記駆動回路が、前記第2の駆動信号の場合よりも前記オーディオ信号の高い周波数範囲に対応するように前記第1の駆動信号を生成する、請求項1記載の音再生システム。
  3. 前記第1の音変換器装置及び前記第2の音変換器装置の少なくとも1つが、前記第1の位置及び前記第2の位置それぞれに配置されたスピーカを有する、請求項1記載の音再生システム。
  4. 前記第1の方向とは異なる方向に対応する第3の位置から前記基準位置に到達する音を生成する第3の音変換器装置を更に有し、前記駆動回路が、前記オーディオ信号から前記第3の音変換器装置のための第3の駆動信号を更に生成する、請求項1記載の音再生システム。
  5. 当該音再生システムが、更に、前記基準位置及び前記基準方位に対して第2の方向から生じる他のオーディオ信号を再生し、前記第2の方向に対応する第3の位置から前記基準位置に到達する音を生成する第3の音変換器装置を更に有し、
    前記駆動回路が、前記第1のオーディオ信号及び前記第2のオーディオ信号の少なくとも幾つかの信号成分を組み合わせることにより前記第2の駆動信号を生成し、前記第2のオーディオ信号から前記第3の音変換器装置のための第3の駆動信号を生成する、請求項1記載の音再生システム。
  6. 前記駆動回路は、前記第2の音変換器装置からの音が前記第1の音変換器装置からの音と比較して1ミリ秒から50ミリ秒までの遅延で前記基準位置に到達するように前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号を生成する、請求項1記載の音再生システム。
  7. 前記駆動回路が、前記第1の音変換器装置から前記基準位置までのオーディオ経路と前記第2の音変換器装置から前記基準位置までのオーディオ経路との距離の差を補償するために前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号とのレベル差及びタイミング差の少なくとも1つを調整する、請求項1記載の音再生システム。
  8. 前記基準位置に置かれたマイクロフォンから入力信号を受け取り、前記マイクロフォンの信号に応じて前記タイミング差及び前記レベル差の少なくとも1つを調整する調整器を更に有する、請求項7記載の音再生システム。
  9. 前記オーディオ信号がサラウンドサウンド信号の空間的チャンネルであり、前記駆動回路が、更に、前記サラウンドサウンド信号の第2の空間的チャンネルに応じて前記第2の駆動信号を生成する、請求項1記載の音再生システム。
  10. 前記第1の音変換器装置が、少なくとも1回の反射を経て前記第1の方向から前記基準位置に到達する指向性のある音を発する、請求項1記載の音再生システム。
  11. 前記第1の音変換器装置が前記第1の位置において仮想音源を生成し、前記第2の音変換器装置が前記第2の位置に配されたスピーカを有する、請求項1記載の音再生システム。
  12. 前記第2の音変換器装置が前記第2の位置において仮想音源を生成し、前記第1の音変換器装置が前記第1の位置に配されたスピーカを有する、請求項1記載の音再生システム。
  13. 前記第2の位置が、前記第2の位置に対応する方向と前記第1の方向との角度が20°以上であるように位置されている、請求項1記載の音再生システム。
  14. 前記音の混乱の円錐は、オーディオ経路の遅延が50マイクロ秒以下だけ異なり、経路損失が1dB以下だけ異なる位置のセットを規定する、請求項1記載の音再生システム。
  15. 聴取者の基準位置及び基準方位に対して第1の方向から生じるオーディオ信号を再生する方法であって、
    第1の音変換器装置のための第1の駆動信号及び第2の音変換器装置のための第2の駆動信号を前記オーディオ信号から生成することと、
    前記第1の音変換器装置が前記第1の方向に対応する第1の位置から前記基準位置に到達する音を生成することと、
    前記第2の音変換器装置が前記第1の方向とは異なる方向に対応する第2の位置から前記基準位置に到達する音を生成することと
    を有し、
    前記第1の位置及び前記第2の位置が、前記基準位置及び基準方位に関する音の混乱の円錐に位置する、当該方法。
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