JP2013532967A - 新規なスフィンゴモナス属微生物及びそれを用いたメタン又は悪臭誘発化合物の分解方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、スフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)、前記菌株を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物、前記組成物を含むバイオカバー又はバイオフィルター、前記組成物を用いたメタン又は悪臭誘発化合物の分解方法、前記バイオカバー又はバイオフィルターを用いたメタン又は悪臭誘発化合物の分解システム、及びメタン又は悪臭誘発化合物を分解するための前記菌株の用途に関する。本発明によれば、メタンのみならず、悪臭も同時に効果的に除去することができるので、従来のメタンと悪臭を個別に処理するのにかかっていた経費を削減することができ、埋立地などのメタンと悪臭成分を同時に効果的に分解することができる。

Description

本発明は、スフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)、前記菌株を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物、前記組成物を含むバイオカバー又はバイオフィルター、前記組成物を用いたメタン又は悪臭誘発化合物の分解方法、前記バイオカバー又はバイオフィルターを用いたメタン又は悪臭誘発化合物の分解システム、及びメタン又は悪臭誘発化合物を分解するための前記菌株の用途に関する。
嫌気性条件下においては、有機物が微生物により分解されてメタンと二酸化炭素に最終分解され、このような分解過程で硫化水素、メタンチオール(methanethiol, MT)、ジメチルスルフィド(dimethyl sulfide, DMS)、アンモニア、アミン、脂肪酸などの悪臭物質が発生する。よって、埋立地、生ゴミ処理施設、嫌気性消化槽などの有機性廃棄物処理施設及び工程、畜舎などはメタンと悪臭が同時に排出される代表的な施設(工程)として知られている。とりわけ、埋立地はメタンと悪臭が同時に排出される最も代表的な施設であり、2007年現在、韓国全国に227箇所(環境部資源循環局, 2007)が あり、総埋立可能面積と埋立容量はそれぞれ29,213,000m2、379,416,000m3である。これら埋立地の埋立ガスの処理状況を見ると、埋立ガスを捕集して高濃度メタンを資源化できる設備を備えた埋立地は全体の4%(10箇所)にすぎず、ほとんどの埋立地(199箇所, 89%)において埋立ガスは大気中に拡散している状況である。
メタンは二酸化炭素に次いで重要な温室気体であり、大気全体の放射強制力(radiative forcing)の18%を占める。大気中のメタン濃度は産業革命以降2倍以上増加したので、多くの研究はメタンの発生源(source)と除去(sink)に関するものであるか、それに関する微生物の発見に焦点が合わされている(Bodelier et al., FEMS Microbiol. Ecol. 52, 163-174, 2005)。また、従来の研究は、地球規模炭素循環(global carbon cycle)において重要な役割を果たすメタン酸化細菌の生息地による分布と多様性の調査に集中していた(Bodelier et al., FEMS Microbiol. Ecol. 52, 163-174, 2005)。
代表的なメタン発生源は埋立地であるが、埋立地から発生するメタンは米国で人為的に発生するメタンの約35%、大気中で発生するグローバルメタンの5〜10%を占めるものと推定される(IPCC, 2001; Stern et al., Waste Manage. 27, 1248-1258, 2007)。廃棄物処理中で 発生するメタンの低減に関する代表的な従来技術は埋立ガスの捕集及び資源化技術であるが、この技術は不良埋立地やメタンが低濃度で排出される場合には適用が困難であるという問題がある。
また、埋立地、生ゴミ処理施設、畜産廃棄物処理施設などの有機性廃棄物処理施設においては、メタンと同時に排出される悪臭が苦情の主因となっている。2006年の生活インフラに対する悪臭苦情のうち、これら有機性廃棄物処理施設に対する悪臭苦情が60%を占め(環境部大気管理課, 2006)、有機性廃棄物処理施設に対する悪臭苦情のうち、32%は埋立地の悪臭に関するものであることが報告されている(環境部大気管理課, 2006)。このような埋立地の悪臭誘発物質は非常に多様であるが、そのうち硫化水素が悪臭に対する寄与が最も高く、硫化水素の濃度は0.7〜1463.5mg/m3、排出速度は0.3〜633.5mg・m-2・h-1程度であることが知られている。韓国国内における埋立地の悪臭状況調査によれば、高濃度の悪臭を伴う埋立ガスが埋立層と覆土層のクラック(crack)やホール(hole)の発生部分から大気中に排出されて深刻な悪臭問題を引き起こすことが報告されており、クラックが発生した覆土表面の埋立ガスにおける悪臭濃度は希釈倍数で約17,000、硫化水素濃度は400,000ppb以上であることが報告されている。また、圧縮機を用いて廃棄物が過度に固められると埋立ガスが側面傾斜面に移動排出されるので、傾斜面の悪臭管理が必要であることが知られている。
このような埋立地などの有機性廃棄物処理施設(工程)における悪臭管理は悪臭測定とモニターを中心に行われており、悪臭制御対策としては脱臭剤散布など消極的な対応しか行われていない現状である。また、今後、埋立地、糞尿/家畜糞尿処理施設、その他有機性廃棄物処理施設などの公共環境施設における悪臭排出施設設置申告が義務化される予定であるので、これらの施設に対するより根本的な悪臭低減が求められている現状である。
近年、悪臭低減効率に優れた覆土材の活用、クラックが発生した部分へのon−siteバイオフィルターの設置、埋立ガス捕集孔への移動式バイオフィルターの設置など様々な悪臭低減技術の適用が提案されているが、悪臭低減の投資額の割りには便益が低く、根本的かつ積極的な悪臭低減技術を適用できていない現状である。特に、メタン低減技術に比べて悪臭管理の技術開発は非常に活発に進められ、物理、化学、生物、複合技術など非常に多様な悪臭管理技術が開発されて商用化されており、様々な種類の悪臭管理及び制御技術が開発されているにもかかわらず、埋立地をはじめとする大規模な非特定汚染源に従来の悪臭低減技術を適用するには設置費や操業費などの経済的妥当性が低く、これらの発生源の悪臭問題は解決できずにいる現状である。
よって、悪臭低減と同時にメタン低減が可能であれば、メタン低減に伴う炭素排出権確保という経済的な効果が新たに創出されるので、このような悪臭のみ低減する技術を導入する際に発生するコスト負担の問題は解消される。また、埋立地などの廃棄物処理施設の悪臭問題が解決されると、国家的な土地利用効率が向上し、関連産業の活性化により国家的な産業競争力の強化をもたらすことが期待される。
このような背景から、本発明者らは埋立地などから発生するメタンと悪臭を同時に除去するための技術開発のために鋭意努力した結果、新規なスフィンゴモナス属菌株がメタンのみならず、悪臭誘発化合物も同時に除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、スフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)を提供することを目的とする。
また、本発明は、スフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、前記組成物を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用バイオカバーを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、前記組成物を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用バイオフィルターを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、前記組成物を用いてメタン又は悪臭誘発化合物を分解する方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、メタン又は悪臭誘発化合物の発生源に前記バイオカバーが少なくとも1つ積層されたバイオカバー層と、前記バイオカバー層を覆う通気層又は前記バイオカバー層の下部に積層される通気層とを含むバイオ活性層を設置することにより、メタン又は悪臭誘発化合物を生物学的に分解するメタン又は悪臭誘発化合物の分解システムを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、メタン又は悪臭誘発化合物の発生源に前記バイオフィルターが少なくとも1つ積層されたバイオフィルター層と、前記バイオフィルター層を覆う通気層又は前記バイオフィルター層の下部に積層される通気層とを含むバイオ活性層を設置することにより、メタン又は悪臭誘発化合物を生物学的に分解するメタン又は悪臭誘発化合物の分解システムを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、メタン又は悪臭誘発化合物を分解するためのスフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)の用途を提供することを目的とする。
本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株及びそれを用いたメタン又は悪臭誘発化合物の同時分解方法によれば、メタンのみならず、悪臭も同時に効果的に除去することができるので、従来のメタンと悪臭を個別に処理するのにかかっていた経費を削減することができ、埋立地などのメタンと悪臭成分を同時に効果的に分解することができる。
スフィンゴモナス属MD2の系統発生学的関係を示す図である。 従来のメタン酸化細菌M6とMD2菌株の成長曲線を比較した結果を示すグラフである。 スフィンゴモナス属MD2のメタン及びDMS分解特性を示すグラフであり、(a)はメタンのみ添加した条件、(b)、(c)はメタンとDMSを共に添加した条件、(d)はDMSのみ添加した条件である。 スフィンゴモナス属MD2菌株を用いたバイオカバーの性能評価のためのバイオカバー装置の構成を示す図である。 バイオカバー1におけるメタンの出口と入口の濃度(a)及び除去効率(b)を示すグラフである。 バイオカバー2におけるメタンの出口と入口の濃度(a)及び除去効率(b)を示すグラフである。 バイオカバー2におけるDMSの出口と入口の濃度(a)及び除去効率(b)を示すグラフである。 バイオカバー3におけるメタンの出口と入口の濃度(a)及び除去効率(b)を示すグラフである。 バイオカバー3におけるベンゼン又はトルエンの出口と入口の濃度(a)及び除去効率(b)を示すグラフである。 バイオカバー3におけるDMSの出口と入口の濃度(a)及び除去効率(b)を示すグラフである。 スフィンゴモナス属MD2菌株を用いたバイオフィルターの性能評価のためのバイオフィルター装置の構成を示す図である。 バイオフィルター1におけるメタンの出口と入口の濃度(a)及び除去効率(b)を示すグラフである。 バイオフィルター2におけるメタンの出口と入口の濃度(a)及び除去効率(b)を示すグラフである。 バイオフィルター2におけるDMSの出口と入口の濃度(a)及び除去効率(b)を示すグラフである。 バイオフィルター3におけるメタンの出口と入口の濃度(a)及び除去効率(b)を示すグラフである。 バイオフィルター3におけるDMSの出口と入口の濃度(a)及び除去効率(b)を示すグラフである。 バイオフィルター3におけるベンゼン又はトルエンの出口と入口の濃度(a)及び除去効率(b)を示すグラフである。
上記課題を解決するための一様態として、本発明は、スフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)を提供する。
本発明によるスフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株は、本発明者らにより新たに同定された微生物であり、メタンのみならず、ジメチルスルフィド、硫化水素などの悪臭誘発化合物も分解できる微生物である。
本発明者らは、埋立地及び湿地の土壌と集積培養培地を添加した培養瓶を密封し、炭素源としてメタンとDMSを注入するが、培養中は窒素とリンを継続的に供給し、その後集積培養液を接種源として用いてメタン及び悪臭(悪臭誘発化合物)分解能に優れた新規メタン酸化細菌を分離し、菌体のDNAを抽出して16S rDNA部分の塩基配列を分析した結果、スフィンゴモナス属の新規菌株であることを見出し、この新規のメタンと悪臭誘発化合物を同時に分解できるスフィンゴモナス属微生物をMD2菌株と命名した(表1及び図1)。前記スフィンゴモナス属MD2菌株は2011年1月6日付けで韓国生命工学研究院生物資源センターに寄託して寄託番号KCTC 11845BPが付与された。
また、本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株の成長速度を従来のメタン酸化細菌のメチロシスティス属M6(Methylocystis sp. M6, KCTC 11519BP)と比較した結果、メチロシスティス属M6菌株は4日間培養すると600nmでの吸光度値が1程度に増加したが、スフィンゴモナス属MD2菌株は複合基質を炭素源として用いながらも、従属栄養細菌であるので、培養2日以内に希釈して600nmで測定した吸光度値が18程度まで増加した(図2)。よって、従来のメタン酸化細菌は、成長速度が非常に遅く、爆発の恐れがあって高価なメタンガスを基質として使用しなければならないので、メタン酸化細菌の大量培養が容易でなく、産業的利用に多くの制約があったが、本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株は有機性廃棄物などの安価な基質を用いて短時間で大量培養できるので、様々な産業分野に応用できるという利点がある。
他の様態として、本発明は、スフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物を提供する。
本発明による組成物は、メタンと悪臭を同時に分解できるスフィンゴモナス属MD2菌株(KCTC 11845BP)を含むので、メタン又は悪臭誘発化合物を分解する用途に有用に使用される。
本発明において、前記悪臭誘発化合物は、人を含む動物の嗅覚を刺激して不快感を感じさせる物質であり、悪臭は、食欲を失わせ、呼吸を困難にし、乗物酔いや嘔吐などを引き起こして精神の混乱をきたすことが知られている。
前記悪臭誘発化合物は、これらに限定されないが、アンモニア、メタンチオール、硫化水素、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、スチレン、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、i−バレルアルデヒド、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びブチルアセテートからなる群から選択された少なくとも1つの化合物であり、好ましくは硫化水素、メタンチオール、ジメチルスルフィド、ベンゼン及びトルエンからなる群から選択された少なくとも1つの化合物である。
本発明によるメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物は、本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株の培養のための通常の培地を含んでもよい。また、本発明による組成物は、細菌培養液の培養環境の造成のための充填剤として土壌、活性炭、真砂土及びミミズ堆肥からなる群から選択された少なくとも1つの充填剤を含んでもよい。
前記土壌は、これらに限定されないが、田/畑の土壌、森林の土壌、湿地の土壌などを使用することができ、表面層から10〜200cmの深さで採取し、その後2mm以下の篩にかけて大きな粒子を除去して使用することができる。
前記ミミズ堆肥は、ミミズの体内から分泌された各種酵素、鉱物質、まだ消化されていない餌、腸から分泌されたアンモニアなどが混合した物質であり、下水処理過程で発生した下水汚泥をミミズの餌として供給し、生産されたミミズ堆肥を6カ月以上かけて自然発酵/乾燥させ、その後不純物を除去して粒子サイズを0.2〜2mmにしたものを使用することができる。
本発明によるメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物に含まれる充填剤については、メタン又は悪臭発生源の環境、悪臭誘発化合物の種類及び量、使用環境及び使用条件などの諸事情を考慮して、当業者が充填剤の種類及び量を適宜選択して本発明による組成物に含ませてもよいことは明らかである。
また、本発明によるメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物は、メタンの分解効率を向上させるために、通常のメタン酸化細菌をさらに含んでもよい。前記メタン酸化細菌としては、メチロモナス属(Methylomonas)、メチロミクロビウム属(Methylomicrobium)、メチロバクター属(Methylobacter)、メチロカルダム属(Methylocaldum)、メチロファーガ属(Methylophaga)、メチロサルシナ属(Methylosarcina)、メチロサーマス属(Methylothermus)、メチロハロビウス属(Methylohalobius)、メチロスファエラ属(Methylosphaera)、メチロシスティス属(Methylocystis)、メチロセラ属(Methylocella)、メチロカプサ属(Methylocapsa)、メチロシナス属(Methylosinus)、メチロコッカス属(Methylococcus)などを単独で又は2種以上含んでもよい。
さらに他の様態として、本発明は、スフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用バイオカバーを提供する。
本発明によるメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物をメタン又は悪臭誘発化合物の分解用バイオカバーに入れ、前記バイオカバーをメタン又は悪臭誘発化合物の発生源に設置してメタン又は悪臭誘発化合物と接触させると、メタン又は悪臭誘発化合物を効果的に分解することができる。
本発明によるバイオカバーは、本発明によるメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物を含有するバイオメディア層を含んでもよく、前記バイオメディア層は、メタン及び悪臭誘発化合物を生物学的に分解でき、メタンと悪臭誘発化合物を同時に分解できるスフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)を含む。
また、前記バイオメディア層は、メタンの分解効率を向上させるために、通常のメタン酸化細菌をさらに含んでもよく、前記メタン酸化細菌の種類は前述した通りである。
また、前記バイオメディア層は、細菌の培養のための培地と培養液の培養環境の造成のための充填剤として土壌、活性炭、真砂土及びミミズ堆肥からなる群から選択された少なくとも1つを含んでもよい。
また、前記バイオメディア層は、スフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)などの微生物が必要とする酸素を供給し、バイオカバーの厚さを薄くするために、酸素生成剤をさらに含んでもよく、これらに限定されないが、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム及び過炭酸ナトリウムからなる群から選択された少なくとも1つを酸素生成剤として含んでもよい。
さらに他の様態として、本発明は、スフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用バイオフィルターを提供する。
本発明によるメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物をバイオフィルター内の担体に入れ、前記バイオフィルターをメタン又は悪臭誘発化合物の発生源に設置してメタン又は悪臭誘発化合物をフィルタリングすると、メタン又は悪臭誘発化合物を効果的に分解することができる。
本発明によるバイオフィルターは、本発明によるメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物を含有する担体を含んでもよく、前記担体は、本発明によるメタン及び悪臭誘発化合物を分解するスフィンゴモナス属MD2菌株の付着及び生育のためのものであり、これらに限定されないが、土壌、ミミズ堆肥、泥炭材、活性炭繊維、ポリウレタン、珪藻土、溶岩石、繊維状担体、高分子フォーム又はセラミック多孔体、軽石及び活性炭を単独で又は組み合わせて使用し、好ましくは軽石及び活性炭を組み合わせて使用し、より好ましくは直径5〜10mmの軽石及び直径4〜8mmの活性炭を組み合わせて使用する。
また、前記バイオフィルターは、スフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)などの微生物が必要とする酸素を供給し、バイオフィルターの厚さを薄くするために、酸素生成剤をさらに含んでもよく、これらに限定されないが、酸素生成剤として過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム及び過炭酸ナトリウムからなる群から選択された少なくとも1つを含んでもよい。
さらに他の様態として、本発明は、本発明による組成物を用いてメタン又は悪臭誘発化合物を分解する方法を提供する。具体的には、前記分解方法は、本発明による組成物をメタン又は悪臭誘発化合物の発生源に処理する段階と、前記組成物がメタン又は悪臭誘発化合物を分解する段階とを含んでもよい。
前記メタン又は悪臭誘発化合物の発生源は、メタン又は悪臭誘発化合物が発生する場所であり、これらに限定されないが、廃棄物埋立地、ゴミ埋立地、廃水処理場、糞尿処理場、畜産廃水処理場、生ゴミ処理場、石油化学製品製造場、下水処理場、産業廃水処理場、家畜飼育場、食品加工工場、ペンキ製造工場、鋳物製造工場、石油精製施設、糞尿処理場、屠殺場、肥料製造工場、プラスチック製造焼却施設、塗装施設又はめっき工場である。
さらに他の様態として、本発明は、メタン又は悪臭誘発化合物の発生源にバイオ活性層を設置することにより、メタン又は悪臭誘発化合物を生物学的に分解するメタン又は悪臭誘発化合物の分解システムにおいて、前記バイオ活性層は、本発明によるバイオカバーが少なくとも1つ積層されたバイオカバー層と、前記バイオカバー層を覆う通気層又は前記バイオカバー層の下部に積層される通気層とを含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解システムを提供する。
さらに他の様態として、本発明は、メタン又は悪臭誘発化合物の発生源にバイオ活性層を設置することにより、メタン又は悪臭誘発化合物を生物学的に分解するメタン又は悪臭誘発化合物の分解システムにおいて、前記バイオ活性層は、本発明によるバイオフィルターが少なくとも1つ積層されたバイオフィルター層と、前記バイオフィルター層を覆う通気層又は前記バイオフィルター層の下部に積層される通気層とを含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解システムを提供する。
前記メタン又は悪臭誘発化合物の発生源は、前述したように、廃棄物埋立地、ゴミ埋立地、廃水処理場、糞尿処理場、畜産廃水処理場、生ゴミ処理場、石油化学製品製造場、下水処理場、産業廃水処理場、家畜飼育場、食品加工工場、ペンキ製造工場、鋳物製造工場、石油精製施設、糞尿処理場、屠殺場、肥料製造工場、プラスチック製造焼却施設、塗装施設又はめっき工場であってもよい。
前記バイオカバー層及びバイオフィルター層は、本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株を含むので、メタン又は悪臭誘発化合物を生物学的に分解することができる。
前記バイオカバー層及びバイオフィルター層は、前述した通常のメタン酸化細菌をさらに含んでもよい。
前記バイオカバー層は、メタン及び悪臭誘発化合物の酸化効率を向上させるために、充填剤として土壌、活性炭、真砂土及びミミズ堆肥からなる群から選択された少なくとも1つを含み、好ましくは土壌、活性炭、ミミズ堆肥及び真砂土を含み、より好ましくは4:2:1:1の重量比で土壌、活性炭、ミミズ堆肥及び真砂土を含む。
前記バイオフィルター層は、本発明によるメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物を含有する担体を含んでもよく、前記担体は、これらに限定されないが、土壌、ミミズ堆肥、泥炭材、活性炭繊維、ポリウレタン、珪藻土、溶岩石、繊維状担体、高分子フォーム又はセラミック多孔体、軽石及び活性炭を単独で又は組み合わせて使用し、好ましくは軽石及び活性炭を組み合わせて使用し、より好ましくは直径5〜10mmの軽石及び直径4〜8mmの活性炭を組み合わせて使用する。
前記バイオカバー層の厚さは20〜100cmであることが好ましい。前記厚さが20cm未満では、メタン酸化細菌とメタンガスが接触する時間が短く、酸化作用が十分に起こらないので、メタンガスが二酸化炭素に変換されず、前記厚さが100cmを超えると、大気に拡散する酸素がバイオカバー層の底面まで拡散しないので、好気性条件を形成することができない。
前記バイオカバー層及びバイオフィルター層は酸素を供給するための通気層が覆っており、前記通気層を構成する成分は酸素供給が可能な粒子サイズを有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、砂や砂利で構成される。また、前記通気層には空気を供給できる通気管が少なくとも1つ設置され、前記通気管を介して送風機で空気を注入することができる。
さらに他の様態として、本発明は、メタン又は悪臭誘発化合物を分解するためのスフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)の用途を提供する。
本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株は、メタンのみならず、悪臭も同時に効果的に除去することができるので、従来の埋立地などでメタンと悪臭を個別に処理するのにかかっていた経費を削減することができ、メタンと悪臭成分を同時に効果的に分解するために有用に使用される。
以下、本発明の実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲が後述する実施例により限定されるものではない。
実施例1
メタンと悪臭誘発化合物の同時分解細菌コンソーシアムの確保
メタンと悪臭誘発化合物(以下、悪臭と混用して使用する)の同時分解集積培養液を得るために、埋立地と湿地から土壌を採取した。土壌試料は、韓國公州埋立地と加平埋立地の覆土層の表面から約10cmの深さで土壌を採取した。また、公州錦江湿地の表面から約10cmの深さで土壌を採取した。採取した土壌はそれぞれメッシュ(mesh)2mmの篩にかけて小さな粒子のみ選別して運搬し、その後使用するまで4℃で保管した。
メタンと悪臭を同時に分解する混合菌株を得るために、集積培養を次のように行った。公州埋立地、加平埋立地及び湿地から採取した土壌を同比率(重量比)で混合した混合土壌を接種源として用いた。600ml血清瓶に無機塩培地(nitrate mineral salts培地, NMS培地; MgSO47H2O 1g/L; CaCl22H2O 0.295g/L; KNO3 1g/L; KH2PO4 0.26g/L; Na2HPO412H2O 0.41g/L)20mlと混合土壌8g−湿重量をブチルゴム栓で密封した。密封された血清瓶に、ガスタイトシリンジ(gas-tight syringe)を用いて、メタンガスシリンダ(99%v/v, Dong-A gases, Korea)からメタンガスを最終濃度が5%(v/v)になるように注入した。また、マイクロシリンジ(micro syringe)を用いてDMS溶液(99%, Acros Organics, USA)を2μl注入した。メタンとDMSを注入して血清瓶を30℃、200rpmで振盪培養しながら、2日に1回ずつ血清瓶上部のヘッドスペースガスをガスタイトシリンジに0.3ml採取し、水素炎イオン化検出器(Flame Ionization detector, FID)が装着されたガスクロマトグラフィー(Gas chromatography, Agilent 6890 plus, USA)を用いてメタンとDMSの残留濃度を分析した。血清瓶内のメタンとDMSの濃度が検出限界(メタン20ppm, DMS5ppm)以下になると、酸素供給のために血清瓶の栓を開けて血清瓶内部の空気を外部空気に置換し、その後栓を閉めてメタンガスとDMSを前記量で注入して前記条件で再培養した。このようにして再培養を5回行った。再培養中に窒素とリンが不足しないように、再培養2回に1回、窒素濃縮液(KNO3 20g/L, KH2PO4 5.2g/L)とリン濃縮液(Na2HPO412H2O 16.5g/L)をそれぞれ1mlずつ血清瓶に添加した。
実施例2
メタン及び悪臭誘発化合物に対する分解能を有する細菌の分離及び同定
メタンと悪臭を同時に分解できる細菌を純粋分離するために、前記方法で濃化した培養液を接種源として用いて純粋菌を分離した。0.9%NaCl溶液9mlに集積培養液1mlを入れて希釈し、この希釈液を0.9%NaCl溶液に1/10ずつ連続的に希釈した。このようにして得た希釈液をそれぞれNMS寒天プレート(NMS培地に寒天を15g/L注入して製造)に平板塗抹した。5Lデシケーターの内部を70%エタノールできれいに拭いて消毒し、その後前記平板塗抹したNMS寒天プレートをデシケーターに入れ、デシケーターの蓋からメタンガス(99%)とDMS(99%)をそれぞれ250ml、16.7ml注入し、30℃で静置培養して菌株の成長を観察した。成長したコロニーを形態と色で7種選別し、各コロニーをDifcoTM R2A寒天培地(Becton, Dickinson and Company, USA, Yeast extract 0.5g/L; Proteose Peptone No.3 0.5g/L; Casamino Acids 0.5g/L; Dextrose 0.5g/L; Soluble Starch 0.5g/L; Sodium Pyruvate 0.3g/L; Dipotassium Phosphate 0.3g/L; Magnesium sulfate 0.05g/L; Agar 15.0g/L)に接種してストリークし、30℃で静置培養することにより、各プレートでは1種類のコロニーのみ生成されることが確認された。
このようにして得た7種のコロニーが純粋菌であることを確認してから、各コロニーをR2A寒天培地に大量培養し、その後菌体を集めて4mlのNMS培地が含まれる血清瓶に接種してブチルゴム栓で閉塞し、メタンは最終濃度が5%(v/v)になるように注入し、DMS溶液は2ml注入した。時間による血清瓶のヘッドスペースのメタンとDMSの濃度を分析した結果、選別された7種からメタンとDMSの酸化能を明確に示す2種の菌株のうち活性が良好な1種の菌株を選択してMD2と命名した。
メタンと悪臭の同時分解純粋菌であるMD2を同定するために、メタンとDMSを唯一炭素源として注入したNMS培地で26日間培養した培養液1mlを14,000×gで5分間遠心分離して得た菌体から、土壌用BIO101 FastDNA SPIN Kit(MP Biomedicals LLC, Solon, USA)を用い、説明書に従ってDNAを抽出した。抽出されたDNAを27f(配列番号1; 5'-AGA GTT TGA TCM TGG CTC AG-3')と1492r(配列番号2; 5'-TAC GGY TAC CTT GTT ACG AC-3')で増幅した。増幅条件は、第1段階で初期変性が95℃、5分、第2段階で変性96℃、1分、アニーリング58℃、30秒、増幅72℃、1分45秒を30回行い、最後の段階で72℃を10分間維持し、増幅が終わった後は4℃に維持されるようにした。増幅されたDNAはQIAquick PCR精製キット(QIAGEN GnH, Hilden, Germany)を用いて精製し、その後塩基配列を分析した。分析された塩基配列は、Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)アルゴリズムを用いてジェンバンクデータベース(GenBank database)と比較することにより、類似性が最も高い菌株を検索した。
検索の結果、メタンとジメチルスルフィドを同時に分解できる菌株MD2を分離し、16S rDNA部分の塩基配列分析の結果、スフィンゴモナス属に属した。MD2菌株の塩基配列(配列番号3)を表1に示し、MD2菌株に類似する系統発生学的ツリーを図1に示す。
Figure 2013532967
系統発生学的分析の結果、スフィンゴモナス属MD2は未だメタン酸化の機能が明らかにされていないアルファプロテオバクテリア(Alphaproteobacteria)綱に属するスフィンゴモナス目(Sphingomonadales)であり、そのうちスフィンゴモナス種と類似度が最も高いことが分かった。このスフィンゴモナス属MD2は、一般にメタン酸化細菌として周知のアルファプロテオバクテリア綱のリゾビウム目(Rhizobiales)やガンマプロテオバクテリア(Gammaproteobacteria)綱のメタン酸化細菌とは系統発生学的に区分されることが分かる(図1)。このような結果は、スフィンゴモナス属MD2菌株が現在まで明らかにされていないメタン酸化細菌であることを示し、前記MD2菌株は2011年1月6日付けで韓国生命工学研究院生物資源センターに寄託した(寄託番号KCTC 11845BP)。
実施例3
本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株と従来のメタン酸化細菌の成長速度の比較
従来のメタン酸化細菌と本発明によるMD2菌株の成長速度を次の方法で比較した。従来のメタン酸化細菌としては第2型メタン資化細菌(type II methanotroph)に属するメチロシスティス属M6(Methylocystis sp. M6, KCTC 11519BP)を対象菌株として実験を行った。メチロシスティス属M6菌株は、炭素が1個のメタン又はメタノールでのみ成長が可能であるので、NMS培地を1L添加した2L発酵槽容器にM6菌株を初期吸光度値(600nm)が0.109±0.0002になるように接種し、20%(v/v)メタンが含まれる空気を連続的に注入して30℃、180rpmで振盪培養した。
本発明によるMD2菌株は、複合基質を用いた培地条件でも成長可能な従属栄養細菌であるので、BactoTM Triptic Soy Broth(Becton, Dickinson and Company, USA)にMD2菌株を初期吸光度値(600nm)が0.06±0.0007になるように接種して30℃、180rpmで振盪培養した。
2種の菌株を培養しながら所定時間間隔で培養液を1mlずつ採取し、培養液の吸光度値を600nmで測定して図2に示す。
図2に示すように、メチロシスティス属M6菌株を4日間培養した結果、600nmでの吸光度値が1程度に増加した。これに対して、本発明によるMD2菌株は複合基質を炭素源として用いながらも、従属栄養細菌であるので、培養2日以内に希釈して600nmで測定して算出した吸光度値が18程度まで増加した。このような結果は、従来のメタン酸化細菌は成長速度が非常に遅く、爆発の恐れがあり、高価なメタンガスを基質として使用しなければならないので、メタン酸化細菌の大量培養が容易でなく、産業的利用に多くの制約があったが、本発明によるMD2菌株は有機性廃棄物などの安価な基質を用いて短時間で大量培養できるので、様々な産業分野に応用できるという特徴を有することを示す。
実施例4
本発明によるスフィンゴモナス属MD2のメタン及び悪臭分解能の調査
4−1.メタン及びDMS分解能の調査
本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株のメタン及び悪臭分解能を評価するために、MD2菌株の前培養を次のように行った。600ml血清瓶にNMS培地を20mlずつ添加し、分離したメタン酸化純粋菌を接種してブチルゴム栓で密封した。ゴム栓で密封した血清瓶に、メタンは最終濃度が5%(v/v)となるように、DMS溶液は2μl注入して30℃、200rpmで振盪培養しながら、2日ごとにメタンとDMSの濃度を測定し、注入されたメタンとDMSが検出限界点以下になると、メタンとDMSを同一濃度で注入した。3回のメタンとDMSの再注入後に、メタンとDMSの酸化速度が低下すると、ゴム栓を開いて8000rpmで10分間遠心分離して菌体のみ回収した。回収した菌体にNMSを40ml添加して混濁させ、これを600ml血清瓶にそれぞれ20mlずつ分注して計2本の血清瓶に継代培養した。このような方法で計3回の継代培養を経て計8本の血清瓶に菌株を準備した。
計8本の血清瓶で前培養された菌株を全て1本に集め、8000rpmで10分間遠心分離して菌体のみ回収した。回収した菌体にNMSを50ml添加して混濁させ、120ml血清瓶にそれぞれ4mlずつ分注した。各血清瓶をゴム栓で密封し、3つの条件(メタンのみ添加、メタンとDMSを共に添加、及びDMSのみ添加)でメタンとDMSを添加した。メタンは最終濃度が5%(v/v)になるように注入し、DMS溶液は2ml注入した。各血清瓶を30℃、200rpmで振盪培養しながら、3時間に1回ずつ血清瓶上部のヘッドスペースガスをガスタイトシリンジで0.3ml採取し、ガスクロマトグラフィーを用いてメタンとDMSの残留濃度を分析した。時間によるメタンとDMSの濃度変化のグラフの傾きから各比酸化速度を計算した。全ての実験は3回繰り返し行い、その結果を図3に示す。
図3において、MD2菌株がメタンのみを単独で添加した条件ではメタンを分解することができ(図3のa)、メタンとDMSを同時に添加した条件ではメタンのみならず(図3のb)DMSも2日以内に完全に分解した(図3のc)。しかし、メタンを添加せずにDMSのみを添加した条件ではDMS分解速度が非常に低かった(図3のd)。メタンを単独で添加した条件でのMD2菌株のメタン分解速度は2634±146μmole・g−dry cell weight-1-1、メタン及びDMSを同時に添加した条件でのメタンとDMSの分解速度はそれぞれ2320±96μmole・g−dry cell weight-1-1、50±16μmole・g−dry cell weight-1-1であった。このような結果は、本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株がメタン及びDMSを同時に分解する微生物であることを示す。
4−2.メタン、MT及び硫化水素分解能の調査
DMS以外の代表的な硫化系悪臭物質であるMTと硫化水素をMD2菌株が分解できるか否かを調査するために、前記条件と同様に準備した120ml血清瓶(MD2菌株が接種されたNMS培地を4ml添加)にメタンガスを最終濃度が5%になるように注入した。これにMTガス(99%, Sigma Aldrich, USA)を最終濃度が1000ppmになるように添加するか、又は硫化水素ガス(99%, Seoul special gas, Korea)を最終濃度が2000ppmになるように添加し、その後血清瓶を30℃、200rpmで振盪培養した。振盪培養しながら、1日に1回ずつ血清瓶上部のヘッドスペースガスをガスタイトシリンジで0.3ml採取し、水素炎イオン化検出器を装着したガスクロマトグラフィーを用いてメタン濃度を分析した。また、血清瓶から0.06mlのガスを採取し、水素炎イオン化検出器を装着したガスクロマトグラフィーを用いてMT又は硫化水素の濃度を分析して表2に示す。
Figure 2013532967
表2の結果から、MD2菌株はMTや硫化水素などの悪臭誘発化合物が共存する条件でもメタンを分解できることが確認された。また、メタンのみ添加した条件でのMD2菌株によるメタン分解速度と比較して、MTと硫化水素が共存する条件でのメタン分解速度はそれぞれ85%、90%であり、ほとんど阻害されることなくメタンを分解できることが確認され、MTと硫化水素をメタン共存下でも分解できることが確認された(表2)。
図3と表2の結果から、本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株は、メタンのみならず、代表的な悪臭誘発化合物であるDMS、MT及び硫化水素を分解できる能力を有する菌株であることが分かった。
実施例5
本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株の微生物製剤の製造及び菌株の生存率の評価
本発明によるMD2菌株の微生物製剤は次の方法で製造した。BactoTM Triptic Soy Broth(Becton, Dickinson and Company, USA)を用い、30℃、180rpmの条件で大量培養したMD2菌株培養液を前処理することなくそのまま脱脂糠に吸収させ、45℃の熱風で乾燥させて脱脂糠微生物製剤を製造した。また、MD2菌株培養液を遠心分離して(8,000rpm, 10分)菌体のみ回収し、菌体を培養液と同体積の蒸留水に懸濁し、その後ショ糖を10g/L添加してよく混合した。このMD2菌体混合液をベントナイト又は澱粉に完全に吸収させ、45℃の熱風で乾燥させた。ベントナイトを吸収剤として用いる場合はベントナイト1kgにMD2菌体懸濁液0.4Lを吸収させ(ベントナイト微生物製剤)、澱粉の場合は澱粉1kgに微生物懸濁液1Lを吸収させて微生物製剤(澱粉微生物製剤)を製造した。
このように製造された各微生物製剤を容器に入れて暗室に保管し、菌株の生存率を次のように調査した。各製剤1gを9mlの0.9%NaCl溶液に懸濁し、0.9%NaCl溶液を用いて順次1/10倍ずつ滅菌水で希釈した。BactoTM Triptic Soy Brothに寒天を15g/L添加して製造したBactoTM Triptic Soy寒天プレートに希釈液を塗抹して30℃で培養し、プレートに生育したコロニー数を測定して表3に示す。
Figure 2013532967
表3に示すように、3種のMD2微生物製剤は6カ月の保管においても生菌数が大きく減少しなかった(表3)。このような結果は、本発明によるMD2菌株を用いて製造した微生物製剤の安定性が優れていることを示す。
実施例6
本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株を用いたバイオカバーの性能評価
6−1.実験方法
MD2菌株を接種した機能性バイオカバーによるメタンと悪臭の同時除去特性を解明するために、実験室規模のバイオカバーを製作した。実験室規模のバイオカバーはアクリルカラムを用いて製作し、装置の詳細な構成を図4に示す。
バイオカバーは、直径8cm、高さ50cmの充填部と、直径8cm、高さ15cmの換気部と、直径8cm、高さ5cmのガス注入部とから構成される。加平埋立地の土壌、活性炭、ミミズ堆肥、真砂土を重量比4:2:1:1で混合した土壌2.2kgにBactoTM triptic soy培地で前培養したMD2菌株培養液を200ml添加し、手でよく混合して各バイオカバーの充填部に充填した。
バイオカバー下端のガス注入部は、流入するガスがバイオカバー充填層に均一に供給されるように軽石(直径5〜10mm)を充填した。バイオカバーの乾燥を防止するために、給湿器(humidifier)を通過させてから、メタン/二酸化炭素(40:60%(v/v), Seoul special gas, Korea)ガスを5ml/分の速度でバイオカバーに供給した。
「バイオカバー1」にはメタン/二酸化炭素ガスのみ供給した。「バイオカバー2」にはメタン/二酸化炭素/DMS混合ガスを次の方法で供給した。DMS溶液(99%, Junsei, Japan)と水を1:9(v/v)で混合した溶液200mlと食用油50mlを注入した1L容器をメタン/二酸化炭素ガスチューブに連結し、気化させたDMSガスと混合させたメタン/二酸化炭素/DMS混合ガスをバイオカバー2に供給した。
「バイオカバー3」にはメタン/二酸化炭素/DMS/ベンゼン/トルエン混合ガスを次の方法で供給した。ベンゼン溶液(99.7%, Kanto chemical, Japan)と食用油を1:2(v/v)で混合した溶液、及びトルエン溶液(100%, JC Baker, USA)と食用油を1:2(v/v)で混合した溶液をそれぞれ200mlずつ添加した0.5L容器と、DMS溶液を添加した1L容器をメタン/二酸化炭素ガスチューブに連結し、気化させたDMS、ベンゼン及びトルエンガスと混合させたメタン/二酸化炭素/DMS混合ガスをバイオカバー3に供給した。各ガスの注入濃度は、メタン40%、DMS500〜2,900ppm、ベンゼン300〜800ppm、トルエン50〜150ppmであった。
バイオカバー上端の換気部は、空気を100ml/分の流量で注入を続けて埋立地土壌に接する大気状態を摸写したものである。バイオカバーは20日間常温(20±5℃)で運転した。バイオカバーを運転する間、1〜2日に1回ずつバイオカバーの入口と出口のサンプリングポートから500−μlガスタイトシリンジを用いて300μlずつ採取し、水素炎イオン化検出器が装着されたガスクロマトグラフィーで各ガス濃度を分析し、入口と出口の濃度差から各ガスの除去率を求めた。
6−2.実験結果
実施例6−1で得た、本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株を接種したバイオカバーによるメタンと悪臭の同時分解結果を図5〜図10に示す。
メタンのみを単独で供給したバイオカバー1の場合、バイオカバーに流入するメタン濃度が400,000ppmのときのメタン除去効率は78〜81%で、平均約80%の安定した除去効率を得ることができた(図5)。
メタンとDMSを同時に供給したバイオカバー2の場合、流入メタン濃度が400,000ppmのときのメタン除去効率が91〜97%と非常に高く維持された(図6)。DMSはバイオカバーの運転初期からほぼ完全に除去され、DMS流入濃度を段階的に500〜2,900ppmに増加させても安定して100%のDMS除去能が維持された(図7)。
メタン、DMS、ベンゼン、トルエンを同時に供給したバイオカバー3の場合、流入メタン濃度が400,000ppmのときのメタン除去効率が96〜98%と非常に高く維持された(図8)。DMS、ベンゼン、トルエンはバイオカバーの運転初期からほぼ完全に除去された。また、DMS流入濃度を段階的に500〜2,300ppmに増加させ、ベンゼン及びトルエンはそれぞれ300〜800ppm、50〜150ppmに増加させた場合も、3種の悪臭誘発化合物の全てが安定して100%除去された(図9及び図10)。
このような結果は、スフィンゴモナス属MD2菌株を接種したバイオカバーがメタンとジメチルスルフィド/ベンゼン/トルエンなどの悪臭誘発化合物を同時に効果的に除去できることを示し、その性能も安定して維持されることを意味する。
実施例7
本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株を用いたバイオフィルターの性能評価
7−1.実験方法
MD2菌株を接種した機能性バイオフィルターによるメタンと悪臭の同時除去特性を解明するために、実験室規模のバイオフィルターを製作した。実験室規模のバイオフィルターはアクリルカラムを用いて製作し、装置の詳細な構成を図11に示す。直径8cm、高さ100cmのバイオフィルターと、直径20cm、高さ15cmのドレイン(drain)貯蔵槽と、液体散水装置とから構成される。バイオフィルター下端に流入するガスが充填層に均一に供給されるように多孔網を設け、軽石と活性炭を担体として充填した。バイオフィルターの担体の乾燥を防止し、微生物に無機塩を連続して供給するために、ドレイン貯蔵槽に無機塩培地であるNMS培地を添加した。循環ポンプを用いて、この溶液をバイオフィルターの上部から下部に1日4回1分間噴射した。ドレイン貯蔵槽の無機塩培地は7日に1回交換した。
「バイオフィルター1」にはメタン/空気混合ガスを供給した。バイオフィルターの乾燥を防止するために、給湿器を通過させてから、純粋メタン(99%, Seoul special gas, Korea)ガスと空気をバイオフィルターに供給した。「バイオフィルター2」にはメタン/空気/DMS混合ガスを次の方法で供給した。DMS溶液(99%, Junsei, Japan)と食用油を1:20(v/v)で混合した溶液200mlを注入した1L容器に圧縮空気を連結し、強制気化させたDMS/空気ガスとメタンガスを給湿器を通過させてから、バイオフィルター2に供給した。
「バイオフィルター3」にはメタン/空気/DMS/ベンゼン/トルエン混合ガスを次の方法で供給した。ベンゼン(99.7%, Kanto, Japan)と食用油を1:20(v/v)で混合した溶液、トルエン(100%, JC Baker, USA)と食用油を1:20(v/v)で混合した溶液、及びDMSと食用油を1:20(v/v)で混合した溶液をそれぞれ200mlずつ添加した1L容器に並列に圧縮空気を連結し、強制気化させたDMS/ベンゼン/トルエン/空気ガスとメタンガスを給湿器を通過させてから、「バイオフィルター3」に供給した。
本研究で用いた担体としては軽石(直径5〜10mm, Japan)と活性炭(直径4〜8mm, Korea)を用いた。軽石と活性炭の重量比は1:10(w/w)であり、各バイオフィルターに軽石2000g、活性炭200gずつ充填した。
BactoTM Triptic Soy Brothで前培養したMD2菌株培養液500mlとミミズ堆肥(蘭芝汚物処理場, Korea)をNMSで10倍希釈した溶液500mlを1.5LのNMSと共にドレイン貯蔵槽に接種し、菌が担体に吸着されるように、循環ポンプを用いてこの溶液をバイオフィルターに計7日間1日4回2分間噴射した。
「バイオフィルター1」はメタン供給濃度1〜6%、滞留時間20分(250ml/min; 3h-1)の条件で20日間常温(20±5℃)で運転した。「バイオフィルター2」は、メタン供給濃度1〜6%、DMS50〜300ppm、滞留時間20分(250ml/min; 3h-1)の条件で20日間常温(20±5℃)で運転した。また、「バイオフィルター3」はメタン供給濃度1〜5%、DMS50〜300ppm、ベンゼンとトルエン10〜200ppm、滞留時間20分(250ml/min; 3h-1)の条件で20日間常温(20±5℃)で運転した。
メタン、DMS、ベンゼン及びトルエンの濃度はバイオフィルターの入口と出口のガスを500−μlガスタイトシリンジで300μlずつ採取し、水素炎イオン化検出器が装着されたガスクロマトグラフィーで各ガス濃度を分析した。入口と出口の濃度差から各ガスの除去率を求めた。また、メタン、DMS、ベンゼン及びトルエン分解産物をモニターするために、試料ガス中の二酸化炭素濃度を熱伝導度検出器(Thermal Conductivity Detector)が装着されたガスクロマトグラフィーで分析し、MT及び硫化水素濃度を水素炎イオン化検出器が装着されたガスクロマトグラフィーで分析した。さらに、各バイオフィルターのドレイン貯蔵槽内の溶液をフィルタリング(0.4μm注射器フィルター)して得た濾液中のDMSOと硫酸塩濃度をそれぞれ高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography, HPLC)とイオンクロマトグラフィー(ion chromatography, IC)で分析した。
7−2.実験結果
本発明によるスフィンゴモナス属MD2菌株を接種したバイオフィルターによるメタンと悪臭の同時低減結果を図12〜図17及び表4〜表5に示す。
メタンのみ単独で供給したバイオフィルター1の場合、運転初期は20%未満のメタン分解効率を示したが、時間の経過に伴って効率が増加し、12日後には90%以上のメタン除去効率を示した。時間と共に入口メタン濃度を増加させたにもかかわらず、バイオフィルターのメタン除去能が平均約80%と安定して維持された(図12)。
メタンとジメチルスルフィドを同時に供給したバイオフィルター2の場合、運転初期は20%未満のメタン分解効率を示したが、時間の経過に伴って急速に効率が増加し、80%以上のメタン除去効率を8日後に示した。時間と共に入口のメタン濃度を増加させたにもかかわらず、バイオフィルターのメタン除去能が平均80%と安定して維持された(図13)。ジメチルスルフィドは初期から安定して完全に分解された(図14)。
メタン、ジメチルスルフィド、ベンゼン、トルエンを同時に供給したバイオフィルター3の場合、運転初期は10%未満のメタン分解効率を示したが、時間の経過に伴って効率が増加し、60%以上のメタン除去効率を8日後に示した。時間と共に入口のメタン濃度を増加させたにもかかわらず、バイオフィルターのメタン除去能が60%以上と安定して維持された(図15)。ジメチルスルフィド/ベンゼン/トルエンは初期から完全に安定して分解され、入口の濃度が変化しても全量が分解されていることが分かった(図16及び図17)。
また、各バイオフィルターについて、炭素源としてのメタンとジメチルスルフィド/ベンゼン/トルエンの代謝産物を明らかにし、マスバランスを計算して表4に示す。ジメチルスルフィド、ベンゼン、トルエンの流入量はメタンの流入量に比較して1/100以下であるので無視した。
Figure 2013532967
表4において、バイオフィルター1では3.6%のメタンがバイオフィルターにより除去され、その時に発生した二酸化炭素の量は3.7%であった。バイオフィルター2では4%のメタンがバイオフィルターにより除去され、その時に発生した二酸化炭素の量は4%以上であった。バイオフィルター3では2.3%のメタンがバイオフィルターにより除去され、その時に発生した二酸化炭素の量は2.3%であった。二酸化炭素の濃度分析により、メタン、ジメチルスルフィド、トルエン及びベンゼンに含まれる炭素はバイオフィルターで二酸化炭素に全量が酸化されることが確認された(表4)。
また、バイオフィルターについて、硫黄源としてのジメチルスルフィドの代謝産物を明らかにし、マスバランスを計算した。バイオフィルター2とバイオフィルター3でジメチルスルフィドの分解代謝産物を分析するために、DMSO、硫酸塩などの溶存性DMSの分解産物を定性/定量分析した結果を表5に示す。
Figure 2013532967
表5において、出口のガス中にMTや硫化水素は検出されず、バイオフィルター2の貯蔵槽の液相にはジメチルスルフィドの流入量比で約76%の量が硫酸塩に完全に酸化され、約8%の量はDMSOに変換された。硫黄の回収率は84%であり、この時のジメチルスルフィドの90%以上が硫酸塩に酸化された。バイオフィルター3の貯蔵槽の液相にはジメチルスルフィドの流入量比で約84%は硫酸塩に完全に酸化され、19%はDMSOに変換された。計算された回収率は103%であり、ジメチルスルフィドの約82%が硫酸塩に酸化された(表5)。
本発明によるバイオフィルターにおいては、ジメチルスルフィドがDMSOへの変換よりもDMS−MT−硫化水素の代謝経路に沿って分解され、このような結果は最終分解産物が悪臭を発生しない物質に完全に酸化されることを意味するので、悪臭除去の面では非常に有意な結果である。
前述した結果は、メタン及びジメチルスルフィドを同時に分解できるスフィンゴモナス属MD2菌株を接種したバイオフィルターを用いて、メタン及びジメチルスルフィドを同時に効果的に低減できることを示す。
Figure 2013532967

Claims (15)

  1. スフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)。
  2. スフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用組成物。
  3. 前記悪臭誘発化合物は、硫化水素、メタンチオール(methanethiol)、ジメチルスルフィド(dimethyl sulfide)、ベンゼン及びトルエンからなる群から選択された少なくとも1つの化合物である請求項2に記載の組成物。
  4. 前記組成物は、土壌、活性炭、真砂土及びミミズ堆肥からなる群から選択された少なくとも1つをさらに含む請求項2に記載の組成物。
  5. 請求項2の組成物を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用バイオカバー。
  6. 前記バイオカバーは酸素生成剤をさらに含む請求項5に記載のバイオカバー。
  7. 請求項2の組成物を含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解用バイオフィルター。
  8. 前記バイオフィルターは酸素生成剤をさらに含む請求項7に記載のバイオフィルター。
  9. 請求項2〜4のいずれかの組成物をメタン又は悪臭誘発化合物の発生源に処理する段階と、
    前記組成物がメタン又は悪臭誘発化合物を分解する段階とを含むメタン又は悪臭誘発化合物を分解する方法。
  10. 前記メタン又は悪臭誘発化合物の発生源は、廃棄物埋立地、ゴミ埋立地、廃水処理場、糞尿処理場、畜産廃水処理場、生ゴミ処理場、石油化学製品製造場、下水処理場、産業廃水処理場、家畜飼育場、食品加工工場、ペンキ製造工場、鋳物製造工場、石油精製施設、糞尿処理場、屠殺場、肥料製造工場、プラスチック製造焼却施設、塗装施設又はめっき工場である請求項9に記載の方法。
  11. メタン又は悪臭誘発化合物の発生源にバイオ活性層を設置することにより、メタン又は悪臭誘発化合物を生物学的に分解するメタン又は悪臭誘発化合物の分解システムにおいて、
    前記バイオ活性層は、
    請求項5のバイオカバーが少なくとも1つ積層されたバイオカバー層と、
    前記バイオカバー層を覆う通気層又は前記バイオカバー層の下部に積層される通気層とを含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解システム。
  12. 前記メタン又は悪臭誘発化合物の発生源は、廃棄物埋立地、ゴミ埋立地、廃水処理場、糞尿処理場、畜産廃水処理場、生ゴミ処理場、石油化学製品製造場、下水処理場、産業廃水処理場、家畜飼育場、食品加工工場、ペンキ製造工場、鋳物製造工場、石油精製施設、糞尿処理場、屠殺場、肥料製造工場、プラスチック製造焼却施設、塗装施設又はめっき工場である請求項11に記載のシステム。
  13. メタン又は悪臭誘発化合物の発生源にバイオ活性層を設置することにより、メタン又は悪臭誘発化合物を生物学的に分解するメタン又は悪臭誘発化合物の分解システムにおいて、
    前記バイオ活性層は、
    請求項7のバイオフィルターが少なくとも1つ積層されたバイオフィルター層と、
    前記バイオフィルター層を覆う通気層又は前記バイオフィルター層の下部に積層される通気層とを含むメタン又は悪臭誘発化合物の分解システム。
  14. 前記メタン又は悪臭誘発化合物の発生源は、廃棄物埋立地、ゴミ埋立地、廃水処理場、糞尿処理場、畜産廃水処理場、生ゴミ処理場、石油化学製品製造場、下水処理場、産業廃水処理場、家畜飼育場、食品加工工場、ペンキ製造工場、鋳物製造工場、石油精製施設、糞尿処理場、屠殺場、肥料製造工場、プラスチック製造焼却施設、塗装施設又はめっき工場である請求項13に記載のシステム。
  15. メタン又は悪臭誘発化合物を分解するためのスフィンゴモナス属(Sphingomonas sp.)MD2菌株(KCTC 11845BP)の用途。
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