JP2013532798A5 - - Google Patents

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本発明は、個々の燃焼室ごとに固有の特性を検出し、場合により補償できる内燃機関の駆動方法を提供することを課題とし、誤適合が十分に回避されるようにする。さらにこの課題は、対応する内燃機関の提供を含む。
この課題を解決するために冒頭に述べた形式の内燃機関の駆動方法において、少なくとも1つの噴射弁に対して噴射弁の制御持続時間を、当該噴射弁の弁開放持続時間を求めることにより適合し、前記制御持続時間と前記弁開放時間との関係性に関しての当該噴射弁の公差を少なくとも実質的に補償することが提案される。
燃焼室に噴射される燃料量は通常、制御持続時間に依存するから、この適合は少なくとも多くの場合、噴射弁の制御持続時間と燃料量との関係性に関しての噴射弁の公差を少なくとも部分的に補償する。これにより、個々の燃焼室間の差を(これは充填量(ガス交換サイクル内で燃焼室にもたらされる新鮮ガス量)に関わり、かつ噴射弁によって個々の燃焼室に噴射される燃料量に関わる)相互に別個に適合することができる。ここで好ましくは、制御持続時間の適合は他の適合過程、たとえばシリンダ個別のラムダ制御または場合により燃焼室個別のトルク制御よりも高い優先度をもって実行される。これにより、たとえば製造公差または老化プロセスに起因する個々の噴射弁間の偏差をとりわけ効率的に識別し、補正することができる。
制御持続時間を適合するための適合過程が定常状態になっているか否かの検査を行い、この検査結果で適合過程が定常状態になっている場合に初めて燃焼室個別のトルクを求めることが提案される。このようにして一方では、燃料量の適合が比較的に高い優先度で実施され、他方では、まず個々の噴射弁相互の偏差(これは燃料量または弁遅延時間に関係する)が補正され、それから個々の燃焼室の相互の充填量の偏差を識別および/または補償することが試みられる。
上記課題の別の解決手段として、複数の燃焼室を有する内燃機関が提案される。ここでは少なくとも1つの燃焼室に燃料を燃焼室に噴射するための噴射弁が配設されており、内燃機関、好ましくは内燃機関を制御および/または調整し、少なくとも1つの燃焼室に対して燃焼室個別に空燃比を制御し、内燃機関のシャフトにおける全体トルクの大きさに対応する燃焼室個別のトルクを検出する制御装置は、少なくとも1つの燃焼室に対して構成されており、この解決手段は、内燃機関または制御装置が、少なくとも1つの噴射弁に対して当該噴射弁の弁開放持続時間を検出することにより、当該噴射弁の制御持続時間を適合するように構成されており、当該適合は、制御持続時間と弁開放持続時間との関係性に関する噴射弁の公差が少なくとも実質的に補償されるように行われる。このような内燃機関により、本発明の方法の利点を実現することができる。
この方法61を、以下図2に示されたフローチャートに基づいて詳細に説明する。方法61のスタート63後にステップ65で、燃料mfを適合するための適合過程Aがスタートされる。この適合過程は、調整信号sによる噴射弁の制御と、この制御から生じる燃料量mfとの関係性についての個々の噴射弁13の公差を、この公差が弁開放時間の偏差から生じている場合に補償する。この適合過程Aでは、測定回路41が個々の噴射弁13のコイル31を流れる電流iを検出する。電流iに基づいて制御装置35は、弁13が実際に開放または閉鎖した時点を求める。この時点は電流iの時間経過の特徴から識別される。したがってこの時間経過は、噴射弁13の弁ニードルが噴射弁13の開放または閉鎖の際に衝突することにより生じるものであり、このことがコイル31を流れる電流iに反作用する。
弁遅延時間t1,t2に基づいて、制御装置35は、調整信号sによるコイル31の通電の時点と持続時間を補正し、これにより、ここに説明しない制御装置35の別の関数によって設定された燃料量mfが個々の燃焼室15に噴射される。各噴射弁ごとに弁遅延時間t1,t2を求め、調整信号sの形成の際に考慮することにより、製造公差または老化に起因する公差が少なくとも十分に補償される。公差は、制御持続時間、すなわちコイル31の通電時間、および噴射弁が開放している時間(弁開放時間T)に関係する。
適合過程Aに対しては、電流iの経過を複数回測定することが必要である。内燃機関11の種々の動作状態に対して、たとえば燃料圧メモリ(図示せず)にある燃料圧の種々の値について弁遅延時間t1,t2を求めることができる。そしてステップ67で、電流iの経過十分測定結果が求められたか否か、または弁遅延時間t1,t2の十分な値がめられたか否かが検査される。すなわち適合過程Aが定常状態にあるか否かが検査される。結果が否定(N)であれば、分岐67が繰り返される。それ以外の場合(Y)は、方法61がステップ69により継続される。
ステップ69では燃焼室個別に空燃比を制御するための制御過程Rがスタートされる。この制御過程Rによれば、制御装置35はラムダセンサ25によって各燃焼室15ごとに別個に空燃比λを求め、求められた空燃比λの値を所定の目標値に近似するために内燃機関11の調整量を場合により変化する。求められた空燃比λに依存してたとえば燃料量mfを変化することができる。図示の実施形態とは異なり、ステップ69は方法61の経過においてより早期の時点で実施することもできる。たとえば制御過程は、方法のスタート63の直後に、またはステップ65の直後にすでにスタートしておくこともできる。
噴射弁13の制御を適合Aすることにより、噴射される燃料量mfの偏差が噴射弁13の公差、とりわけ弁遅延時間t1,t2に依存して少なくとも十分に補償されるから、比較的大きな確率をもって、燃焼室個別のトルクMの相互の差がとりわけ個々の燃焼室15の新鮮ガス充填量mgの差により引き起こされることを前提にすることができる。ステップ73に続くステップ75では、各燃焼室15ごとにトルクMに基づいて、対応する新鮮ガス充填量mgを計算することができる。これとは択一的にまたは補充的に、個々の充填量mgの差を計算することもできる。一般的にトルクMと新鮮空気充填量mgとの間には比例関係があるから、比例定数が既知であれば、新鮮空気充填量mgまたは個々の燃焼室15の新鮮ガス充填量mgの差を計算することができる。燃焼室個別のトルクMと運転不安定性に対する特性量Lは、たとえば個々の燃焼室15間の燃料量mfの偏差、個々の燃焼室15間の新鮮空気充填量mgの偏差、および個々の燃焼室15間の点火角の偏差のような複数のパラメータから影響を受ける。しかし適合過程Aによって個々の燃焼室15間の燃料量mfの偏差が少なくとも十分に除去されているから、そこから個々のトルクMの相互の偏差および運転不安定性Lはとりわけ新鮮空気充填量mgの偏差から生じるものであることを推定できる。ここで点火角の偏差が、トルクの偏差または運転不安定性Lに及ぼす影響は比較的小さい。
ステップ77で異なるトルクMを補償するために、または運転不安定性Lを減少するために、燃料量mfの変化に加えてまたはその代わりに、形成するトルクMが所望のトルクまたは他の燃焼室15が形成するトルクMから異なる燃焼室15に対して点火角を調整することができる。このようにして個々の燃焼室15のトルクMを少なくともほぼ均一化することができる。
全体として本発明は内燃機関11の駆動方法61を提供するものであり、この方法により、燃料量mfおよび新鮮ガス充填量mgを制御および/または調整するための種々の適合方法および制御方法を協調および整合させて、個々の噴射弁13の公差を補償し、同時にフィードフォワードおよび誤適合を少なくとも十分に回避することができる。

Claims (5)

  1. 複数の燃焼室(15)を有する内燃機関(11)の駆動方法(61)であって、
    少なくとも1つの燃焼室(15)には燃料(mf)を当該燃焼室(15)に噴射するための噴射弁(13)が配設されており、
    前記少なくとも1つの燃焼室(15)に対して燃焼室個別に空燃比(λ)が制御され、および前記少なくとも1つの燃焼室(15)に対して燃焼室個別のトルク(M)が求められる駆動方法(61)において、
    適合過程(A)によって少なくとも1つの前記噴射弁(13)に対して当該噴射弁(13)の制御持続時間(TA)を、当該噴射弁(13)の弁開放持続時間(T)を検出または求めることにより、前記制御持続時間(TA)と前記弁開放持続時間(T)との関係性に関しての前記噴射弁(13)の公差が補償されるように適合さ65)、
    但し、前記制御持続時間(TA)は前記噴射弁(13)の電気操作アクチュエータ(31)の通電持続時間であり、
    前記適合過程(A)では、前記気操作アクチュエータ(31)における少なくとも1つの電気パラメータの経過を検出し評価することにより記噴射弁(13)の開放制御の開始と当該噴射弁(13)の実際の開放との間の開放遅延時間(t1)および記噴射弁(13)の閉鎖制御の開始と当該噴射弁(13)の実際の閉鎖との間の閉鎖遅延時間(t2)を求め、
    前記適合過程(A)では、前記開放遅延時間(t1)および前記閉鎖遅延時間(t2)の決定が複数回行われ、複数回の決定にわたって一定の開放遅延時間(t1)および閉鎖遅延時間(t2)が求められているか否かを検査し(67)、
    燃焼室個別に空燃比を制御するための制御過程(R)、前記適合過程(A)に関する前記検査(67)で一定の開放遅延時間(t1)および閉鎖遅延時間(t2)が求められている場合に初めてスタート(69)さ
    前記制御過程(R)の後に燃焼室個別のトルク(M)を求める(73)、
    ことを特徴とする駆動方法。
  2. 前記制御過程(R)において、燃焼室個別に求められた空燃比(λ)の値が、所定目標値に近似しているか否か、および/または、所定振幅で所定目標値を中心に振動しているか否かが検査され(71)、当該検査(71)で前記空燃比(λ)の値が、所定目標値に近似しているか、および/または、所定振幅で所定目標値を中心に振動している場合に初めて前記燃焼室個別のトルク(M)を求める、ことを特徴とする請求項1に記載の方法(61)。
  3. 燃焼室個別のトルク(M)を求める際に(73)、それぞれの燃焼室(15)内の燃焼室圧(p)、前記内燃機関(11)のシャフト(27)の回転角(φ)と、前記内燃機関(11)のシャフト(27)の回転数(n)との少なくともいずれか1つを特徴付ける少なくとも1つのセンサ量を検出する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法(61)。
  4. 複数の燃焼室(15)を有する内燃機関(11)であって、
    少なくとも1つの燃焼室(15)には燃料(mf)を当該燃焼室(15)に噴射するための噴射弁(13)が配設されており、
    前記内燃機関(11)は、前記少なくとも1つの燃焼室(15)に対して燃焼室個別に空燃比(λ)を制御するように、および前記少なくとも1つの燃焼室(15)に対して燃焼室個別のトルク(M)を求めるように構成されている内燃機関において、
    前記内燃機関(11)は、適合過程(A)によって、少なくとも1つの噴射弁(13)に対して当該噴射弁(13)の弁開放持続時間(T)を検出または求めることにより、前記噴射弁(13)の制御持続時間が、当該制御持続時間(TA)と前記弁開放持続時間(T)との関係性に関しての前記噴射弁(13)の公差が補償されるよう適合される(65)ように構成されており、
    但し、前記制御持続時間(TA)は前記噴射弁(13)の電気操作アクチュエータ(31)の通電持続時間であり、前記適合過程(A)において、前記気操作アクチュエータ(31)における少なくとも1つの電気パラメータの経過を検出し評価することにより記噴射弁(13)の開放制御の開始と当該噴射弁(13)の実際の開放との間の開放遅延時間(t1)および記噴射弁(13)の閉鎖制御の開始と当該噴射弁(13)の実際の閉鎖との間の閉鎖遅延時間(t2)が求められ、
    前記内燃機関(11)は、前記適合過程(A)では前記開放遅延時間(t1)および前記閉鎖遅延時間(t2)の決定を複数回行い、複数回の決定にわたって一定の前記開放遅延時間(t1)および前記閉鎖遅延時間(t2)が求められているか否かを検査し(67)、
    前記内燃機関(11)は、燃焼室個別に空燃比を制御するための制御過程(R)、前記適合過程(A)に関する前記検査(67)で一定の前記開放遅延時間(t1)および前記閉鎖遅延時間(t2)が求められている場合に初めてスタート(69)させ、前記制御過程(R)の後に燃焼室個別のトルク(M)を求める(73)ように構成されている、
    ことを特徴とする内燃機関。
  5. 前記内燃機関(11)は、当該内燃機関(11)を制御るための制御装置(35)を有し、該制御装置は請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法(61)を実施するように構成されている、ことを特徴とする請求項に記載の内燃機関(11)。
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