JP2013532769A - 水溶性ポリマー材料の加工方法 - Google Patents

水溶性ポリマー材料の加工方法 Download PDF

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Abstract

本発明の態様は、イオン性CPを水溶液から堆積させ、および該イオン性CPを不溶性CPに変換することにより不溶性共役ポリマー(CP)の膜を形成する方法に関する。該イオン性CPには、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、ホウ酸、アミン、イミン、ホスフィン、チオエーテル、あるいは配位した二座配位子または多座配位子の塩を挙げることができる。不溶性CP膜は、水溶性電解質とともに以下の用途に用いることができる:エレクトロクロミック膜;太陽電池、LEDおよびFETの電荷注入層;従来の塗料;スーパーキャパシタ;二次電池;電子ペーパー;静電防止コーティング;透明導電体;センサー;抗菌剤;接着剤;RFIDs;またはメモリーシステム。
【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
本願は、2010年8月2日に出願された米国仮出願第61/369,821号の利益を主張するものであり、すべての図、表および図面を含む当該出願の開示内容は、出典明示によりすべて本明細書に組み入れられる。
本発明は、空軍科学研究部門との契約第FA9500−09−1−0320による政府の支援のもとでなされた。政府は本発明に関して一定の権利を有する。
液晶(LC)や発光ディスプレイ(LED)と異なり、非発光エレクトロクロミック(EC)システムは、広範囲の周囲照明条件、例えば直射日光の下でも、広範囲の角度から見ることができるという自身の能力の恩恵を受けている。エレクトロクロミックデバイス(ECDs)、例えば、形状適合電子ペーパーも含め、低駆動電圧で作動する情報パネルおよびタグ;スマートウィンドウおよびスマートミラー;およびポータブル操作システムに、ECシステムを組み込むことへの発展可能性が、新規なEC材料の開発を促進した。個々のエレクトロクロミックピクセルを印刷できる能力が、情報タグや電子ペーパー等のポータブルディスプレイ用途における色の結合を可能とする。
無機の対応する材料(例えばMoO、NiO)と比較すると、非発光有機エレクトロクロミック材料は、対費用効果が高く、大気雰囲気で大面積に溶液加工が可能で、機械的に変形可能な表面を与える。商業的に魅力的なECDsの開発のために可能な有機EC材料は、合成可能であり、長期間のレドックス安定性を有し、溶液からの加工が可能で、および優れた膜形成特性を持つ必要がある。これらの特徴の組み合わせを小分子を用いて達成することは困難であり、これらの特徴の組み合わせがπ共役電気活性ポリマー(ECPs)を用いることの動機を与えた。
エレクトロクロミック用途にπ共役ポリマー(CPs)を用いることについては、ガザール(Gazard)らの“ポリヘテロサイクル薄膜の電気光学特性”、Journal de Physique Colloques 1983, 44, 537−42と、ディルイ(Druy)らの“ポリ(2,2‘−ビチオフェン):エレクトロクロミック伝導性ポリマー”、Journal de Physique Colloques 1983, 44, 595−8で、それぞれ別々に最初に提案されており、電解重合ポリチオフェンのレドックススイッチングにより色の変化が起きている。電気化学酸化に伴う赤色から青色への色変化パターンの精査により、可視域でのπ−π遷移による退色により支配されるp−ドーピングプロセスが明らかにされ、同時に出現する、赤色領域へと裾を引く赤外電荷キャリア光学遷移は特徴的な青色の酸化状態をもたらす。一般に、対イオンにより中和される電荷キャリアは、増加するドーピングレベルに晒されるπ共役有機ポリマーの主鎖に沿って生成する。荷電キャリア、すなわち、ラジカルカチオン(ポーラロン)とジカチオン(バイポーラロン)が生成すると、新たな光学遷移が長波長において生成し、このプロセスは、ドープされるシステムの基底状態の光学吸収の喪失を同時に伴う。安定なキノイド型構造をとる主鎖の能力が、達成可能なドーピングレベルに影響を与え、次いで基底状態の吸収により起きる退色の範囲に影響を与える。
ECPsの合成の容易さに加え、ポリマーの繰り返し単位の構造を変化させることにより色調範囲(palettes of colors)を達成する能力と、鎖に沿った構造配置が、加工可能なEC材料の開発に対してCPシステムを有名なものにしている。このため、ポリマー構造と光学吸収との間の複雑な相互作用を、連続するレドックス状態において重要なスペクトル変化を示すシステムに適合させることに、さらなる研究努力が向けられている。置換および非置換のポリチオフェンにおけるエレクトロクロミック効果の発見以来、チオフェン−、ピロール−、および多くの他のヘテロ環含有π共役エレクトロクロミックハイブリッドのライブラリーは、電気化学ドーピングに伴い、異なる色を反射または透過させるものであるが、ディスプレイ装置のすべての有用な色をカバーできるように開発されてきた。完全に還元または酸化された時に異なる着色状態を呈するマルチクロミックポリマーは、レドックススイッチングに伴い得られる色が、検討されている用途に特有の色要求と一致するような構成においては有用であるが、色を「着色」および「消色」させる能力がより一層魅力的である。消色状態では、ECPは透過性のレドックス状態を呈し、その状態では発色団のすべての可視吸収が、近赤外の吸収とともに完全に消失し、ECPで作製されたデバイスがすべての可視色を送ることを可能とする一方、着色状態では、ECPは強い可視吸収を有するレドックス状態にある。カソード着色したECPは、電気化学的酸化に伴い、着色中性状態から透過状態へと切り替わるが、アノード着色したECPは、ドーピングに伴い、一般に基底状態の吸収が紫外域にある透過性の中性状態から、吸収が可視スペクトル域にある着色した酸化状態へと切り替わる。最終的には、「無色」の状態の透過性の程度は、カソード着色したECPにおける荷電キャリア遷移の位置、またはアノード着色したECPにおける可視スペクトルに対する基底状態吸収の位置に依存する。
所望の色状態を有するπ共役ECPの合成および評価に向けられる研究の量にも拘わらず、カソード着色ポリマーおよびアノード着色ポリマーの例は、マルチクロミックECPに比べて少ないままである。最も多く報告されたカソード着色ECPは、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOTs)やポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)(PProDOTs)等のポリ(ジオキシチオフェン)であり、中性状態の紫青色から高透過性のドープ状態へと容易に酸化される。色の微調整に対する要求は、ECPに対して多くのスペクトル設計原則をもたらした。スペクトル制御に対する一つの手法は、「ドナー−アクセプター」手法であり、それによれば電子豊富部分と電子不足部分とがπ共役骨格に沿って交互に位置している。この手法は、一般的にπ共役ECPでは達成されない中性の色状態、例えば青緑色、緑色および黒色の状態を示す、デュアルバンドと広範囲吸収発色団を生成させる。
商業的適用性を備えた有機エレクトロニクスの最先端へとECPを昇進させるためには、低コストで、および毒性のない溶媒と添加剤を用いて高いスループットが可能な室温条件で行うことが可能な継続可能な溶液加工手法を並行的に開発することが必要である。種々の色状態とレドックススイッチング特性を有する多くのπ共役エレクトロクロミックポリマーが開発されたが、限られた数のエレクトロクロミックポリマーしか従来の有機溶媒からの印刷処理または噴霧処理が可能ではない。一般に、ECPは、ポリマーを有機溶媒に溶解させるために炭化水素またはエーテルのペンダント基を用いており、処理のためにはトルエン、クロロホルム、またはテトラヒドロフラン等の可燃性で環境的に有害な溶媒を用いる必要がある。一旦処理されると、ECP膜は、プロピレンカーボネートまたはアセトニトリル等の高誘電率有機溶媒の中でレドックスのスイッチングがなされなければならず、および、リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド等の高価な有機可溶性電解質塩を用いなければならない。
水溶液からECPの薄膜を印刷または噴霧により形成する試みは報告されていないが、それはおそらく溶解性および/または比較的低蒸気圧の極性媒体からの膜形成能の問題によるものである。水性媒体を用いて共役ポリマー(CP)を印刷する唯一の例は、ポリスチレンスルホン酸塩をドープしたポリ(エチレン−3,4−ジオキシチオフェン)(PEDOT:PSS)であるが、ほとんどのCPは、印刷法を適用できる程には十分な濃度まで水の中に分散しない。最初の水溶性CPは1980年代後半に開発され、水溶性溶媒から加工可能なポリマーは、生化学センシング、有機LED、有機光電池、および電界効果トランジスタ等の用途に用いられた。異なる材料からなる複数の層が必要な用途では、有機溶媒に可溶で有機溶媒から加工可能な材料とともに水溶性材料を垂直方向に堆積させることができる。大部分のケースでは、有機物から成る固体デバイスの作製に用いられる成膜法は、スピン塗布法またはイオン性分子構造体を利用できる交互積層法である。いずれの方法も商業的に実施可能であるとは現在まで認められておらず、高スループットの方法は未だ開発されていない。生化学センサー、有機LED、有機光電池、電界効果トランジスタ、およびエレクトロミックディスプレイ等のデバイスに使用するために、環境に優しい水溶液に基づく低コストで高スループットの加工技術が、ECP膜や他のCP膜に必要とされている。
本発明の態様は、不溶性のπ共役ポリマー(CP)の膜を形成する方法に関するものであり、有機溶媒に溶解しているまたは懸濁している前駆体CPを、イオン性CPの溶液または懸濁液に変換し、次いで分離し、および溶解して水溶液となし、その水溶液から膜として堆積させ、不溶性のCP膜へと変換する。不溶性のCP膜は水性液体または有機液体には不溶であり、エレクトロクロミック膜または太陽電池、LEDまたはFETの電荷注入層等としてデバイスの中の活性層として用いることができ、あるいは水溶性電解質溶液と組み合わせて、スーパーキャパシタ、二次電池、電子ペーパー、静電防止コーティング、透明導電体、センサー、抗菌性コーティング、接着剤、RFID、およびメモリーシステムの中の活性物質として働く。不溶性のCP膜は水溶性電解質とともに用いることができる。水性のイオン性CP溶液の堆積は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、噴霧塗布、オフセット印刷、ロートグラビア、スロットダイ塗布、またはフレキソ印刷等の印刷技術、ロールツーロール技術または噴霧技術を用いて行い、薄膜を形成する。
前駆体CPは、1つまたは複数の側鎖を有する十分な量の繰り返し単位を有しており、該側鎖はイオン性官能基への前駆体として作用する1つまたは複数の官能基を有している。そのような官能基の例には、カルボン酸、チオカルボン酸、ジチオカルボン酸、スルホン酸、リン酸、又はホウ酸のエステル;アミン、イミン、ホスフィン又はチオエーテル;あるいは二座配位子または多座配位子が含まれ、これらの官能基は、エステルの塩基加水分解、プロトン化または電子親和性炭素との反応、あるいは金属塩への露出によりイオン性官能基に変換される。
イオン性CPの膜は、側鎖のイオン性官能基を非イオン性官能基に変換することにより、水および他の溶媒に不溶とすることができる。その変換は、イオン性官能基の特性に応じて、酸、塩基、求核性試剤、強い二座配位子または多座配位子の添加により、あるいは熱誘起による置換反応または脱離反応により促進させることができる。対イオン交換または配位子交換により不溶性のイオン性CPを生成させることができ、その場合、交換された対イオンは異なる対イオンであり、本質的に不溶である塩を生成させるか、あるいはイオン性CPの中の複数のイオン性官能基と対を形成することによりまたは錯体を形成することによりネットワークを形成する。
図1は、イオン性CPの繰り返し単位(RU)に1〜20の炭素原子を介して結合される典型的なイオン性官能基と、該イオン性官能基を中性の官能基に変換し、および本発明の態様に基づき該CPを不溶化するのに適した典型的な試薬を示している。 図2は、本発明の態様に基づくものであり、モノマー5の合成、前駆体CP6へのそのモノマーの重合、水溶性CP7への変換、および7から不溶性CP8への変換を示す模式図であり、以下の工程からなる:i pTSA、トルエン;ii NaCN、DMF;iii NaOH、次いでHCl;iv EDCI/DMAP、DCM、1−ドデカノール;v FeCl、CHCl;vi KOH、MeOH;およびvii pTSA・1.5HO、MEOH。 図3は、本発明の態様に基づくものであり、前駆体CP6(上)、イオン性CP7(中)およびCP8(下)の赤外スペクトルを示す。 図4は、本発明の態様に基づくものであり、従来のエアブラシを用いる高濃度水溶液からのイオン性CP7の成膜を示す。 図5は、本発明の態様に基づくものであり、吸光度(最大吸光度に基づき規格化したもの)の分光電気化学プロットを示す:a)トルエン溶液(2mgml−1)からITO被覆ガラス上に噴霧塗布された前駆体CP6の膜であり、プロピレンカーボネート(PC)の中に0.2Mリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiBTI)を含む電解質溶液を用い、印可電圧を−0.47Vから+0.46V(vs.Fc/Fc)まで、段階的に25mVずつ増加させた、およびb)水溶液(2mgml−1)からITO被覆ガラス上に噴霧塗布された7から形成され、PTSAのMeOH溶液1mgml−1の中に浸漬することにより中和された不溶性CP8の膜であり、0.2M NaClの電解質水溶液を用い、−0.50から+0.55V(vs.Ag/AgCl)まで、段階的に25mVずつ増加させたものであり、図中の写真は、左の中性状態から右の完全酸化状態への電気化学スイッチングにより得られる色の状態を示している。 図6は、6の噴霧塗布膜のa)サイクリックボルタモグラムとb)微分パルスボルタモグラム(DPV)を示し、0.2M LiBTI/PC溶液中、Ag/Ag基準電極を用い、フェロセン/フェロセニウム対に対して較正し(対極は白金)、サイクリックボルタモグラムは50mV/sのスキャン速度、DPVはステップ電圧2mV、ステップ時間0.038秒、およびパルス強度100mVで行った。 図7は、ITO電極上に噴霧塗布された8の膜の1M Killにおけるa)サイクリックボルタモグラムとb)DPVを示し、基準電極はAg/Gal(対極は白金)であり、サイクリックボルタモグラムは50mV/sのスキャン速度、DPVはステップ電圧2mV、ステップ時間0.038秒、およびパルス強度100mVで行った。 図8は、575nmにおける透過率を観察する矩形波電位ステップ吸光光度法を示し、10秒のステップを40秒間(2サイクル)、2秒のステップを20秒間(5サイクル)、1秒のステップを20秒間(10サイクル)、次いで0.5秒のステップを20秒間および0.25秒のステップを20秒間行った:a)トルエンからITO被覆ガラス上に噴霧塗布された6であり、0.2M LiBTI/PC溶液中、スイッチング電位範囲は−0.6Vから+0.475V(vs.Fc/Fc)である;およびb)水溶液(2mgml−1)からITO被覆ガラス上に噴霧塗布された7から形成され、PTSAのMeOH溶液1mgml−1の中に浸漬することにより中和された8 PProDOT酸であり、1M KNO電解質水溶液中、スイッチング電位範囲は−0.65Vから+0.475V(vs.Ag/AgCl)である。 図9は、ITO上の8の0.2M LiBTI電解質水溶液を用いた時の長期スイッチングのプロットであり、スイッチング電位範囲が−0.65Vから+0.475V(vs.Ag/AgCl)で、1秒の矩形波電位ステップを印加し、2秒間の完全サイクルとしながら、575nmの吸収を観察した。
本発明の態様は、水溶液から表面上に膜とし堆積させることができる水溶性のイオン性共役ポリマー(CPs)を実現させる方法に関する。該方法は、有機溶媒に可溶な非イオン性CP前駆体を形成することを含む。CPの有機物の溶解性は、π共役ポリマー骨格の繰り返し単位に付加された側鎖を有することに因るものである。側鎖は、次いで、後の反応によりイオン性とされ、水性媒体中での溶解性を付与される。一態様では、メタノールまたはエタノール等のアルコール、あるいは他の極性溶媒の中のCP前駆体の微細な分散体を、酸または塩基等の切断試薬と組み合わせると、イオン性CPを形成する。イオン性CPを形成するイオン化反応は結合の切断を含むことがあるが、本発明の別の態様では結合形成を含むこともできる。CP前駆体とイオン性CPは、イオン性水溶性状態への変換の間は分散状態であり、濾過または遠心等の溶液からの分離法を用いて懸濁しているイオン性CPを回収することができる。
分離されたイオン性CPは、次いで水に溶解され、得られた水溶液は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、噴霧塗布、オフセット印刷、グラビア印刷、スロットダイ塗布、またはフレキソ印刷等の印刷、塗布、あるいは噴霧技術を用いて薄膜を成膜するのに用いられる。エタノール、メタノール、または水より揮発性の高い他の有機溶媒を用いる場合、通常、有機溶媒がイオン性CPの水溶液および不溶性CPから実質的に除去される程度まで揮発性の違いを用いてまたは共沸混合物として、有機溶媒を除去することができる。それにより、膜の成膜時のプロセスの安全性を向上させ、および膜の特性、例えば、いくつかのケースでは安定性を向上させることができる。本発明のいくつかの態様では、水に加えて溶媒を含む膜の成膜を、特別な特性および他の層との適合性を向上させために用いることができる。
本発明の一態様では、成膜したイオン性CPの膜を、引き続き、イオン性CPの荷電サイトのかなりの部分を非イオン性状態で水に不溶なCPへと変換する溶液を用いて洗浄することができ、その非イオン性状態とは、いくつかの態様では、中性化状態であり、膜を水に不溶にする。水不溶なCPは水膨潤性でもよい。本発明の別の態様では、イオン性CPの荷電基を中性化することなく変更することができ、あるいは、イオン性CPの1種または複数種の荷電基に結合した繰り返し単位の中の対イオンを変更または交換して、水溶性のイオン性CPをイオン性を保持した水不溶性CPへと変換することができる。得られた水不溶性CP膜を、水溶性電解質媒体の存在下で電気化学的にスイッチングすることができる。本発明の一態様では、CP前駆体はいかなる構造のホモポリマーまたはコポリマーであってもよく、それらのポリマーは、イオン性ECPが水溶液に溶解できるようにイオン性にすることができる十分な側鎖を含んでいる。
最近、本発明者らの研究グループは、切断可能な可溶性側鎖を備え、青色/紫色から高い透過性を有するエレクトロミックポリマー(ECP)を開示した。レイノルズらの“ポリマー状アルキレンジオキシヘテロサイクリクスの化学的脱官能化”、米国特許出願番号第20090221763号であり、出典明示によりその内容は本明細書に組み入れられる。レイノルズらに開示されているCPの側鎖は、有機溶媒から膜として堆積され、および疎水性の可溶性側鎖が脱官能化されて従来の有機溶媒に対しては膜が不溶化する。CPの脱官能化基は、アルキレンジオキシヘテロサイクル繰り返し単位に官能性をもたせるカルボン酸誘導体の中に存在し、該カルボン酸誘導体の切断が脱官能化の方法である。レイノルズらに開示された切断反応の分離された生成物は、イオン性CPではなく、水溶性ではない。しかしながら、レイノルズらに開示された、アルキレンジオキシヘテロサイクルポリマーに官能性をもたせるポリカルボン酸誘導体は、本発明の態様によれば、水溶液を形成し、および本発明の方法に用いることのできるイオン性ポリマーに変換可能できる。
本発明の態様によれば、CPの複数の繰り返し単位は、一つ一つが、または組み合わさって、π共役ポリマーを生成することが知られているアルキレンジオキシヘテロサイクルまたは他の繰り返し単位であり、該繰り返し単位は、イオン性ではない官能基を含む側鎖であって、後でイオン性基に変換される側鎖により置換可能である。非イオン性CPは、繰り返し単位を置換する十分な割合の側鎖を有しており、および、繰り返し単位を形成するモノマーの重合により容易に形成される。各繰り返し単位は、イオン化可能な一つの置換基、またはイオン化可能な複数の置換基を有している。前駆体CPは、前駆体官能基をイオン性官能基へ変換することにより水溶性を確保するのに必要な、十分な割合のこれら側鎖を有している必要がある。側鎖は、イオン性基当たり、20個までの炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子またはケイ素原子を含むことができる。本発明のいくつかの態様では、水溶性を促進させる置換基ではあるが、安定なイオンへと変換可能な基ではない置換基、例えばオリゴ(オキシエチレン)を繰り返し単位に含めることができる。前駆体官能基をイオン性官能基へ変換する前は、水溶性促進非イオン性基のために、水溶性は得られない。イオン性CPの中に水溶性促進非イオン性基が存在する場合、イオン性CPを水不溶性CPへと変換するのに十分な量の該水溶性促進非イオン性基が存在する必要がある。前駆体CPは、溶媒に分散させることができ、該溶媒に溶解させることなくイオン性CPへと変換することができる。
前駆体CPの非イオン性繰り返し単位は、非イオン性形態からイオン性形態へと変換でき、イオン性CPのイオン性繰り返し単位を生成するものであれば特に限定されるものではない。本発明の一態様では、前駆体CPの繰り返し単位のいくつかまたはすべてが、例えば、カルボン酸、チオカルボン酸、ジチオカルボン酸、ホウ酸、スルホン酸、またはリン酸等の酸のエステルでもよい。これらのエステルは、酸の存在下で加水分解されて酸を生成し、次いで塩基で中和されるか、あるいは塩基の存在下で加水分解されて酸の塩を生成し、イオン性CPのアニオン性繰り返し単位を構成する。例えば、エステルはカルボン酸のアルキルエステルでもよく、そのアルキル基はアルキルアルコールから得られ、前駆体CPに非水溶液に対する溶解性を付与する。本発明の他の態様では、エステルはアリールアルコールから得ることもできる。本発明の別の態様では、酸部分、例えばカルボン酸エステルは、1種または複数種のカルボン酸基を含むアルキル基またはアリール基から得られ、繰り返し単位の1つの側鎖に1つまたは複数のイオン対が形成されるように、各エステルをイオン性カルボン酸塩へと切断することができる。該塩は、水溶性を促進するアルカリ金属カチオンまたは他のカチオンを有するものでもよい。例えば、該カチオンは炭素数が20より少ないテトラアルキルアンモニウムイオンでもよい。イオン性CPのテトラアルキルアンモニウム塩の不溶性CPへの次なる変換は、該塩のアニオンがテトラアルキルアンモニウムイオンにおける置換反応または脱離反応を促進するような熱反応により行うことができる。不溶性CPは、塩の共役酸よりも強い酸を用いてイオン性CP塩の酸塩基反応を行うことにより製造することができる。当業者には理解できるように、酸には、スルホン酸、ハロ酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸)、硫酸、またはII族金属、亜鉛および銀等のルイス酸の有機可溶性塩を用いることができる。
本発明の別の態様では、前駆体CPのプロアイオニック(pro-ionic)繰り返し単位は、アミン、イミン、ホスフィン、チオールまたはチオエーテルを含む側鎖を有し、該側鎖は、酸によるプロトン化により、または求電子試薬との反応により、カチオン性のアルキル化イオン性CP繰り返し単位、例えばテトラアルキルアンモニウム塩を形成する。本発明の別の態様では、非イオン性前駆体は、金属と錯体を形成してイオン性CPを形成する配位子で置換された繰り返し単位を含んでもよい。イオン性CPに含まれるこれらの3種のイオン性繰り返し単位の例を図1に示す。本発明のいくつかの態様では、イオン性CPは、CPの繰り返し単位当たり少なくとも1つの共有結合されたイオンを含んでもよい。該繰り返し単位は、1つの芳香環または縮合芳香環でもよく、イオン性基が、例えば一連の共有結合により該繰り返し単位に結合されてもよい。
前駆体CPの繰り返し単位は、1つの構造、CPホモポリマーでもよく、あるいは2つ以上の構造、ターポリマー、テトラポリマーを含むCPコポリマーでもよく、あるいはさらに異なる繰り返し単位を有するものでもよい。ホモポリマーまたは規則性コポリマーまたはランダムコポリマーは、直鎖状、分岐状、多分岐状、またはデンドライト状でもよい。規則性コポリマーは、交互コポリマーまたは繰り返し単位の反復配列を有するものでもよい。繰り返し単位の置換に基づき、独立に、ホモポリマーとコポリマーは、位置規則性(regio-regular)でも領域不規則性(region-random)でもよい。CPは、ブロックコポリマーまたはグラフトコポリマーの一部であってもよく、その場合、コポリマーの1つまたは複数のブロックあるいはコポリマーの1つまたは複数のグラフトの骨格が非共役ポリマー配列でもよく、あるいはすべてのブロックまたはすべての骨格および/またはグラフトが共役していてもよい。すべての構造に関し、繰り返し単位の十分な割合が少なくとも1つの側鎖を有し、該側鎖は、イオン性CPへの変換により水溶性が確保できるような十分なイオン性を付与することが可能であり、および続く変換により、不溶性になった時にポリマー全体が膜(層)等の構造から成るように水不溶性のCPを生成させる。
前駆体CPは、繰り返し単位の十分な部分が、水溶性のイオン性ポリマーを形成するように適切に側鎖で置換されている、種々の繰り返し単位配列を有していてもよい。そのように置換可能な繰り返し単位と、エレクトロクロミックポリマー(ECP)の還元型または酸化型の特徴的な色等の特性を達成するための可能な配列については、以下の文献に教示されている:2010年7月2日に出願されたPCT出願番号第PCT/US2010/040929号であってアムブ(Amb)らの“可溶性交互ドナー−アクセプター共役ポリマーエレクトローム”;2010年6月3日に公開されたPCT特許出願公開第WO2010/062948 A2号であってボージュジュ(Beaujuge)らの“高電荷キャリア移動度を有する黒色可溶性共役ポリマー”;2010年5月26日に出願されたPCT特許出願番号第PCT/US2010/36172号であってボージュジュらの“高電荷キャリア移動度を有する緑色可溶性共役ポリマー”;2010年5月21日に出願された仮出願番号第61/347,091号であってレイノルズらの“高透過性酸化状態を有する多色共役ポリマー”;2009年9月24日に公開されたPCT特許出願公開第WO2009/117025号であってボージュジュらの“高透過性酸化状態を有する黒色可溶性共役ポリマー”;2009年5月7日に公開されたPCT特許出願公開第WO2009/058877A1号であってボージュジュらの“緑色から透過性となる可溶性エレクトロクロミックポリマー”;2008年10月2日に公開されたPCT特許出願公開第WO2008/118704号であってレイノルズらの“色が変化するジオキシヘテロサイクルコポリマー”;2007年4月12日に公開されたPCT特許出願公開第WO2007/041724号であってレイノルズらの“N−置換3,4−アルキレンジオキシピロール、エステル置換ジヒドロキシピロールおよびこれらピロールの合成方法”であり、これらすべての文献は出典明示により本明細書に組み入れられる。
本発明の典型的な態様に基づき、イオン性CPの製造方法およびイオン性CPの成膜方法を、実行可能な化学的変換を用いて図2に模式的に示している。ここで、高い水溶性を有するイオン性CPは、前駆体CPの加水分解、水溶液からの成膜およびそれに続く水不溶性CPへの変換により作製することができる。前駆体ポリマーの繰り返し単位を含むモノマーの製造に始まり:工程iでは、ジブロモ−プロピレンジオキシチオフェン2を製造するためにエーテル交換反応を用いる;工程iiでは、NaCNを用いる求核置換反応でジシアノ−プロピレンジオキシチオフェン3を製造する;工程iiiでは、3を加水分解して対応する二酸を生成させる;工程ivでは、ドデシルアルコールを用いて4をエステル化し、前駆体CP用モノマーである、対応するドデシルエステル5を得る;工程vでは、FeCl媒介酸化重合を用いて、エステル官能化モノマー5を対応する前駆体CPに変換する;工程viでは、2M KOHメタノール溶液中での還流により、前駆体CPを懸濁させてカルボン酸カリウム塩7を生成させる;最終工程viiでは、カルボン酸カリウム塩7をカルボン酸へ変換し、水不溶性のCP8を得る。前駆体CPは、有機物可溶性ポリマーに対して用いる従来の方法であって、GPCおよびNMRを含む方法で分析することができる。イオン性CP7は、メタノール、トルエン、およびクロロホルムには不溶であるが、水には非常に溶解し易い。
図1に示すように、本発明の一態様では、前駆体CPは、側鎖を有する繰り返し単位を含むことができ、該側鎖は、カルボン酸、ジチオカルボン酸、スルホン酸、リン酸、あるいは他のアルキル置換またはアリール置換の酸のエステルを含む。続いて、該エステルは、
水溶性のイオン性CPの形態を有する酸塩に変換できる。イオン性CPは、水溶液から該イオン性CPを堆積させた後で不溶性CPに変換できる。アニオン性CP系の典型的なカルボン酸塩について先に説明したように、不溶化CPへの変換は酸性化により行うことができる。本発明の別の態様では、アニオン性CPの対イオンは交換するに際し、1価のカチオンを2価カチオンまたは多価カチオンと交換することにより、あるいはカチオン性オリゴマーまたはポリマー等の2価カチオン種または多価カチオン種と交換することにより、可溶性CPをイオン性の“架橋”を有する不溶性CPに変えることもできる。例えば、アルカリ金属対イオンを有するイオン性CPの膜をカルシウムトリフラート溶液に浸漬してアルカリイオンをカルシウムと置換することにより、イオン性CPを、イオン性官能基を側鎖に有する不溶性CPへと変換することができる。イオン性CPをイオン性の不溶性CPへ変換するために、2価カチオンまたは多価カチオンあるいは2価カチオン種または多価カチオン種の水溶液または非水溶液、例えばカルシウムトリフラートのメタノール溶液を用いることができる。
図1に示すように、本発明の一態様では、前駆体CPは側鎖を含む繰り返し単位を有しており、該側鎖は、アミン、イミン、またはホスフィンの官能基を有し、それら官能基は、酸との反応によりアンモニウム塩、イミニウム塩、またはホスホニウム塩へと変換され、水溶性のイオン性CPを形成する。あるいは、側鎖は保護官能基として、例えばカルバメート基またはアミド基を有してもよい。典型的には、側鎖の炭素数は10またはそれより少ない。いくつかの態様では、前駆体CPのアミン、イミン、またはホスフィンは、アルキル基やアルキル化剤の求電子性炭素と反応して、イオン性CPとしてアンモニウム塩、イミニウム塩、またはホスホニウム塩を形成する。アルキル化剤としては、例えば、アルキルスルホネート、アルキルハライド、アルキルサルフェート、オキソニウム塩、またはジアゾニウム塩を挙げることができる。次に、イオン性CPは、塩基や求核性試薬との反応、またはオレフィンの熱脱離により、イオン性CPの構造に応じて、不溶性CPを生成するが、該不溶性CPは前駆体CPと同じ構造でも同じ構造でなくてもよい。プロトン化されたアミン、イミン、またはホスフィンであるイオン性基と塩基との反応により、不溶性CPを形成することができる。塩基は、イオン性CPの側鎖上のカチオン性官能基として適したものであり、アルカリ金属、アルカリ土類金属、水酸化アンモニウム、水酸化アルキルアンモニウム、炭酸アルコキシド、フッ化物、またはアミンを挙げることができる。イオン性CPが、側鎖にテトラアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルイミニウムイオン、またはテトラアルキルホスホニウムイオンを有するものである場合、当業者であれば容易に理解できるように、不溶性ポリマーが窒素原子またはリン原子を含まないように、あるいは不溶性ポリマーが残留する側鎖に窒素またはリンを含むように、切断される炭素―窒素結合または炭素―リン結合が側鎖への結合または側鎖に追加された結合である場所で、各イオンからアルキル基を切断する脱離反応または置換反応を行うことができる。用いることのできる求核性試薬は、イオン性CPの特別のカチオンとして適したものであり、アルキルスルフィド、アリールスルフィド、アミン、ホスフィン、シアン化物塩、アジ化物塩、ヨウ化物塩、臭化物塩、アルカリ金属アルコキシド、またはアルカリ金属アミドを挙げることができる。
本発明の別の態様では、三座配位子について図1に示すように、前駆体CPは、1つまたは複数の二座配位子または多座配位子を有する側鎖を含んでもよく、金属イオンの配位子への連結によりイオン性CPへと変換される。金属イオンに対してより強く結合する第2の二座配位子または多座配位子に変更することにより、前駆体CPと同じ構造を有する不溶性CPへとイオン性CPを変換することができる。側鎖配位子は、アミン、アミド、イミン、ホスフィン、スルフィド、カルボキシレート、またはそれらのいずれかの組み合わせである配位基を含んでもよい。より強い配位子への交換には、アミン、アミド、イミン、ホスフィン、スルフィド、カルボキシレート、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む2から8の配位基を含んでもよい。配位基は、直鎖、分岐鎖、環構造または多環構造の一部でもよい。配位金属イオンには、例えば、アルカリ土類金属、亜鉛、銀、鉄、マンガン、アルミニウム、ガリウム、第一遷移金属、またはランタニドを用いることができる。会合する対イオンには、例えば、硝酸イオン、ハロゲン化物イオン、トリフラート、テトラフルホロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、スルホネート、または弱く配位し、水と有機物の両方への溶解性を促進する他のアニオンを挙げることができる。
本発明の一態様によれば、強い酸水溶液および塩基水溶液に晒すことにより水溶性に変化させた不溶性CPを含む膜は、水溶性電解質溶液とともに活性層を形成する。活性層は、エレクトロクロミック膜、太陽電池用電荷注入層、LED、FET、スーパーキャパシタ、二次電池、電子ペーパー、静電防止コーティング、透明導電体、センサー、抗菌剤、接着剤、RFIDs、およびメモリーシステムとして用いることができる。
方法および材料
すべての試薬および出発材料は、市販元から購入し、特に断らない限りそのまま用いた。ITO電極は、デルタテクノロジー社から購入した(7×50×0.7mm、シート抵抗 Rs 8−12Ω/sq)。
マーキュリー(Mercury)300MHzを用い、CDClのピークと残余HCClのピークを基準として(H:δ=7.26ppm,13C:δ=77.23ppm)、H−NMRと13CNMRのスペクトルを取得した。元素分析は、フロリダ大学化学科のCHN元素分析サービスにより行った。高分解能質量分析は、フィニガン(Finnigan)MAT95Qハイブリッドセクター、ブルッカーAPEX II FTICR、またはアジレント(Agilent)6210 TOFを用いて行った。ATR−IRは、LiTaO検出器を取り付けたパーキンエルマースペクトラムワン(Perkin−Elmer Spectrum One)FTIRで行い、ITO上に噴霧塗布した試料膜を60°ZnSe平板結晶の上に押し付け、ソフトウェアの自動ベースライン補正機能を用いてスペクトルのベースライン補正を行った。吸収スペクトル測定とクロノアブソープメトリー(chronoabsorptometry)測定は、バリアン カリー(Cary)500 UV−vis/NIR分光光度計を用いて行った。電気化学測定は、EG&G プリンストン アプライド リサーチ モデル 273A ポテンショスタット/ガルバノスタットをコウェアソフトウェア(Corrware software)の制御の下、ITOを作用電極、Ag/Ag(非水溶液に用いる)またはAg/AgCl(水溶液に用いる)を基準電極、白金を対極に用いて行った。
図2に示すように、典型的なモノマー合成は、3,4−ジメトキシチオフェン1と2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオールとのエステル交換反応を、p−トルエンスルホン酸の存在下、トルエン中110℃で24時間行ない、3,3−ビス(ブロモメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキセピン2を得た。1および2の合成と分析の詳細は、リーベス(Reeves)らのMacromolecules 2004,37,7559−69の中に見出すことができ、出典明示により本明細書にその内容が組み入れられる。500mLの一つ口の丸底フラスコに200mLのDMSO、化合物2(6g、17.5mmol)、およびシアン化ナトリウム(2.6g、52.6mmol)を入れた。その混合物を32℃で10日間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水(300mL)を加え、ジクロロメタンで3回抽出した(3×200mL)。有機相を水で洗浄し(3×200mL)、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を除去すると黄色のオイルが得られた。得られた黄色のオイルをシリカを用いるカラムクロマトグラフィーでジクロロメタンを溶離液に用いて精製した。溶媒を蒸発させ、3,3−ビス(シアノメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,4−b][1,4]―ジオキセピン3をエタノールに溶解させ、エタノールを蒸発させると白色結晶固体が得られた(4.44g、74%)。
H NMR(300MHz,CDCl):δ=6.61(s,2H),4.02(s,4H),2.74(s,4H)。
13CNMR(75MHz,CDCl):δ=148.64,115.4,107.49,75.0,43.1,21.25。
1110SのHRMS 計算値 235.0536;分析値 235.0552。C1110Sの計算値:C 56.39;H 4.3;N 11.96;S 13.69,分析値:C 56.39;H 4.3;N 11.93;S 13.53。
コンデンサを取り付けた250mLの二つ口の丸底フラスコに、化合物3(2.39g、10.2mmol)を装入した。水酸化ナトリウム溶液(100mL、水/エチレングリコール(1:1 体積/体積)中2M濃度)をその反応フラスコの中に注ぎ、その混合物を95℃で12時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、塩酸溶液(1M)を用いて混合物のpHを3〜4に調製した。その調製された混合物をエーテル(3×150mL)で抽出し、取り込まれた有機相を水で洗浄し(3×100mL)、硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテルをロータリーエバポレーターで除去し、得られた黄色のオイルをシリカと溶離液に酢酸エチルを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。溶媒を蒸発させ、化合物4、2,2‘−(3,4−ジヒドロ−2H―チエノ[3,4−b][1,4]ジオキセピン−3,3−ジイル)二酢酸が白黄色結晶性固体として得られた(2.39g、収率86%)。
H NMR(300MHz,CDCl):δ=12.3(s,2H),6.74(s,2H),4.0(s,4H),2.5(s,4H)。
13CNMR(75MHz,CDCl):δ=172.9,150.1,106.7,76.6,42.9,35.8。
1112SのHRMS 計算値 273.0427;分析値 273.0427。
1112Sの計算値:C 48.52;H 4.44;S 11.78,分析値:C 48.62;H 4.37;S 11.07。
アルゴン雰囲気下250mLの一つ口の丸底フラスコに、化合物4(1g、3.7mmol)、1−ドデカノール(2.74g、14.7mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDCI、4.26g、22.2mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、2.71g、22.2mmol)を装入した。DCM(200mL)をフラスコに添加し、反応混合物を室温で6時間撹拌した。次いでその混合物をエーテル(3×150mL)で抽出し、有機相を水で洗浄し(3×100mL)、硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテルをロータリーエバポレーターで除去し、得られたオイルをシリカと溶離液にヘキサン:酢酸エチル(7:1)を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。溶媒を蒸発させ、化合物5、ドデシル 2,2‘−(3,4−ジヒドロ−2H―チエノ[3,4−b][1,4]ジオキセピン−3,3−ジイル)ジアセテートが透明オイルとして得られた(1.97g、収率88%)。
H NMR(300MHz,CDCl):δ=6.45(s,2H),4.1(s,4H),4.06(t,4H),2.68(s,4H),1.61(t,4H),1.26(m,36H)。
13CNMR(75MHz,CDCl):δ=171.16,149.5,105.43,76.43,65.07,43.36,36.38,32.14,29.88,29.85,29.81,29.75,29.58,29.48,28.76,26.15,22.91,14.34。
3560SのHRMS 計算値 609.4144;分析値 609.4170。
3560Sの計算値:C 69.04;H 9.93;S 5.27;分析値 C 69.47;H 10.06;S 5.10。
化合物5(647mg、1.07mmol)をクロロホルム(50mL)に溶かした。無水FeCl(865mg、3.2mmol、5当量)のニトロメタン溶液を室温で45分間をかけて撹拌モノマーの中に滴下した。酸化剤の添加に伴い、モノマー溶液は急激に色が濃い緑色に変化した。その混合物を室温で16時間撹拌した。CP、PProDOT−エステル、6をメタノール(300mL)の中に沈殿させた。その沈殿物を濾別し、クロロホルム(300mL)の中に再溶解し、ヒドラジン一水和物(6mL)とともに1時間撹拌した。蒸発させた後、紫色の6の濃縮物をメタノール(300mL)の中に沈殿させ、ソックスレー円筒濾紙を通して濾過し、メタノールを用いて24時間ソックスレー抽出を行った。CP6をクロロホルムで抽出し、蒸発により濃縮し、メタノール(300mL)の中で沈殿させ、暗紫色の固体として回収した(462mg、71%)。
H NMR(300MHz,CDCl):δ=4.23(bs,4H),4.09(bs,4H),2.81(bs,4H),1.61(bs,4H),1.25(bs,36H),0.87(bs,6H)。
GPC分析:Mn=39.5kDa、Mw=84.9kDa、PDI=2.15。
前駆体CP6を2M KOHのメタノール溶液(50mL)に懸濁させ、還流しながら同時にアルゴンを2時間注入し、6を100mg、繰り返し単位の1.65mmolを固体のまま添加した。この懸濁液を24時間還流すると、時間とともにポリマーが微細な粒状の状態になった。イオン性CPの懸濁液、PProDOT−塩7をナイロン製濾過膜を用いて濾別し、100mLのメタノールで洗浄し、次いで100mLのジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥して黒色固体を得た(53mg、93%)。
11Sの元素分析計算値:C 38.14,H 2.33;分析値 C 37.63,H 3.34。
イオン性CP、PProDOT−塩7はメタノール、トルエン、クロロホルムには溶解しないが、水には室温で良く溶ける。イオン性CPを、濃度2mgmL−1で水に溶かした。得られた水溶液を濾過し、濾液をITO被覆ガラススライド上に噴霧塗布した。その際、種々の膜厚の均一な膜を得るために、低流速の高圧アルゴン(50〜60psi)を用いた。堆積膜を、約1mgmL−1のPTSAのメタノール溶液の中に浸漬し中和して、不溶性CP、PProDOT−酸8を得た。
前駆体CP6からイオン性CP7への変換およびそれに続く不溶性CP8への変換は、図3に示す減衰全反射赤外線分光法(ATR−IR)により観察した。エステル誘導化前駆体CP6からポリカルボン酸塩、イオン性CP7への変換は、C=O伸縮バンドの顕著なシフト(約1730から1570cm−1へ)およびそのバンドのブロード化により確認される。さらに、波数3200〜2800cm−1におけるC−H伸縮強度の顕著な低下は、エステルのC1225側鎖の喪失を反映している。カルボン酸塩のプロトン化により、イオン性CP7から不溶性CP8への転換は、C=O伸縮がより高波数(約1650〜1710cm−1)にシフトすることにより確認でき、高波数ピーク(1710cm−1)の伸縮二峰性はカルボン酸基の完全なプロトン化に対応し、低波数ピーク(1650cm−1)は、一応、同じプロトンを共有する一対のカルボン酸塩部分に帰属される。
前駆体CP、PProDOT−エステル6(吸光度、最大0.87(任意単位))の膜、およびイオン性CP、PProDOT−塩7(吸光度、最大1.2(任意単位))の膜をITO被覆ガラス上に噴霧塗布したが、その際、6については2mg/mLのトルエン溶液(0.45μmのPTFEシリンジフィルターを用いて事前濾過した)を用いて25psiとし、7については2mg/mLの水溶液(0.45μmのPTFEシリンジフィルターを用いて事前濾過した)を用いて50psiとし、それらを塗布したのと同じ日に分析した。図4は、従来のエアブラシを用いたPProDOT−塩7の濃水溶液の噴霧堆積を示している。7の膜をp−TSAのメタノール溶液(〜1mg/mL)に2分間浸漬し、次にメタノールに1分間浸漬し、および水に1分間浸漬し、不溶性のPProDOT−酸8の膜を得た。6と8の膜について、安定で再現性ある電気化学挙動が得られるまでレドックスサイクルを行った。PProDOT−エステル6の電気化学的酸化は、0.2Mリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LIBTI)/プロピレンカーボネート(PC)の支持電解質中、Ag/Agを基準電極、白金を対極に用いて行った。PProDOT−酸8の電気化学的酸化は、0.2M NaCl/水の支持電解質中、Ag/AgClを基準電極に用いた。図5は、a)6とb)8の可視吸収を示しており、いずれも中性状態では約577nmに極大を有しており、印加電圧を増加させると急激に消色する。可視吸収のこの変化は、近赤外のポーラロン遷移およびバイポーラロン遷移に基づくものである。一旦完全にドープされると、着色から透過性へと変化するスイッチングECPに望まれるように、400〜700nmの範囲では、残留吸収のみしか検知されない。前駆体CP6と不溶性CP8の場合、酸化の開始は、図6および7に示すように、サイクリックボルタモメトリーと微分パルスボルタモメトリーにおける、6における約−0.L37Vvs.Fc/Fcと、8における約0.23Vvs.Ag/AgClの小さな値と符合している。ポリマー6と8のバンドギャップは、大体同じであり、比較的一定であり、固体薄膜の吸収開始点から決定され、バンドギャップは1.8eVのオーダーである。着色した中性状態から透過性の酸化状態への転換により、吸収極大を基準にすると、60%のオーダーの透過率変化が推定される。得られた6および8についての着色状態並びに透過状態における彩度、色調、および強度の差は、図5aと図5bに挿入された酸化状態と還元状態の写真から理解できる。2つの膜の非常に類似した中性状態の吸収スペクトルからわかるように、エレクトロームの中性の紫青色状態には大きな変化はないが、PProDOT−酸8の薄膜では振動電子特性がより目立つ点が異なる。ドープ状態の6と8の間には透過率の大きな違いはなく、いずれも完全酸化の状態では、非常に高い透明性が得られている。
分光電気化学分析によれば、図8に示すように、10秒から0.25秒の範囲の電位ステップに伴うポリマーの吸収極大における噴霧塗布膜の透過率を時間的に計測することにより、6と8の大きな光学的コントラストが高いことがわかった。水溶性電解質を用いた不溶性CPの安定性が特に高く、コントラスト保持率、ΔTは、最も速いスイッチング速度の時、ほとんど同じ膜厚の膜を用いた場合、6で76%であったのに対し8で93%であった(極大吸光度は0.82と0.84(任意単位)であり、6には0.2M LiBTI/PCの支持電解質を用い、8には1M KNO/水の支持電解質を用いた)。このコントラスト保持率は、8の薄膜の速いイオン拡散プロセスと符合し、これは、おそらくプロトン性極性カルボン酸/カルボン酸塩部分の存在によるものであり、電解質に対する大きな親和性を付与する。それは、6の無極性の可溶性側鎖とも符合し、該側鎖は6の薄膜を通るドーピングイオンの拡散を抑制して、速いスイッチング速度における応答に悪影響を与える。
ITO被覆ガラス上に水溶液から噴霧塗布により堆積させた8の膜は、図9に示すように、0.2M LiBTI/水を支持電解質に用い、1秒の矩形波電位ステップの16000サイクルの結果から、長期間のスイッチング安定性を示す。優れたレドックス安定性、16000サイクル後でも5%未満のコントラスト変化は、商業的用途への使用の可能性を示している。KNOよりLiBTIでは少しコントラスト比が低下したが、より高い安定性が認められ、別の電解質を用いて安定性をより向上させることは可能である。長期間特性の差異は、電解質塩の求核性および/または塩基性の違いによると考えられる。
本明細書で参照されたまたは引用されたすべての特許、特許出願、仮出願および文献は、そのすべての図および表を含む全記載内容が、本明細書の明確な教示内容と整合する範囲で、出典明示により本明細書に組み入れられる。
本明細書に開示される実施例および態様は本発明を例示的に説明するために記載されたものであり、これらの記載内容に基づく種々の修正または変更は当業者によって想起される事項であって、これらの事項も本発明の技術的な思想と範囲に包含されるべきである。

Claims (26)

  1. 水溶性電解質によって膨潤および/または水溶性電解質に接触するとともに、有機溶媒を実質的に含まない不溶性CPを含むπ共役ポリマー(CP)膜であって、塩基ではなく酸の添加によって、あるいは酸ではなく塩基の添加によって膜が溶解可能である、該π共役ポリマー膜。
  2. 前記CPが酸性官能基を含む少なくとも1つの側鎖を有する繰り返し単位を有し、前記の膜が塩基の存在下で溶解する請求項1記載のCP膜。
  3. 前記酸性官能基が、カルボン酸、チオカルボン酸、ジチオカルボン酸、スルホン酸、リン酸、ホウ酸またはそれらの組み合わせである請求項2記載のCP膜。
  4. 前記CPが塩基性官能基を含む少なくとも1種の側鎖を有する繰り返し単位を有し、前記の膜が酸の存在下で溶解する請求項1記載のCP膜。
  5. 前記の塩基単位が、アミン、イミン、ホスフィン、チオールまたはチオエーテルである請求項4記載のCP膜。
  6. 水溶性のイオン性CPの懸濁液または溶液を用意し、
    該水溶性のイオン性CPの懸濁液または溶液を表面上に堆積させてイオン性CPの膜を形成し、および
    該イオン性CP膜を不溶性CP膜に変換する、不溶性π共役ポリマー(CP)膜の形成方法。
  7. 前駆体CPの有機溶媒懸濁液または有機溶媒溶液を用意し、および
    該前駆体CPの有機溶媒懸濁液または有機溶媒溶液をイオン性CPの懸濁液または溶液に転換することをさらに含む請求項6記載の方法。
  8. 前記の前駆体CPの懸濁液または溶液の前駆体CPが、カルボン酸、チオカルボン酸、ジチオカルボン酸、スルホン酸、リン酸、またはホウ酸のエステルを含む少なくとも1つの側鎖を有する繰り返し単位を含む請求項7記載の方法。
  9. 前記エステルがアルキル置換カルボン酸エステルである請求項8記載の方法。
  10. 前記の転換が、1当量またはそれより多い当量の塩基を用いて前記エステルを加水分解すること、あるいは前記酸エステルの加水分解および続いて1当量またはそれより多い当量の塩基を添加して酸の塩を生成させることを含む請求項8記載の方法。
  11. 前記塩基が、アルカリ金属またはテトラアルキルアンモニウムの水酸化物である請求項10記載の方法。
  12. 前記の変換が、酸との反応を含む請求項11記載の方法。
  13. 前記の水酸化物がテトラアルキルアンモニウムの水酸化物であり、前記の変換が、テトラアルキルアンモニウムの熱劣化を含む請求項11記載の方法。
  14. 前記の変換が、アルカリ金属カチオンまたはテトラアルキルアンモニウムカチオンと、二価カチオンまたは多価カチオンとの交換を含む請求項11記載の方法。
  15. 前記前駆体CPが、アミン、イミン、ホスフィンまたはチオエーテルを含む少なくとも1つの側鎖を有する繰り返し単位を含む請求項7記載の方法。
  16. 前記の変換が、酸によるプロトン化を含む請求項15記載の方法。
  17. 前記の変換が、塩基の添加を含む請求項16記載の方法。
  18. 前記の転換が、求電子性炭素との反応を含む請求項15記載の方法。
  19. 前記求電子性炭素が、アルキル化剤の求電子性炭素である請求項18記載の方法。
  20. 前記の変換が、熱劣化を含む請求項18記載の方法。
  21. 前記の変換が、求核性試薬との反応を含む請求項18記載の方法。
  22. 前記前駆体CPが、二座配位子または多座配位子を含む少なくとも1つの側鎖を有する繰り返し単位を含む請求項7記載の方法。
  23. 前記の転換が、金属塩との反応を含む請求項22記載の方法。
  24. 前記の変換が、前記の二座配位子または多座配位子から第2の二座配位子または多座配位子へと金属塩を交換することを含む請求項23記載の方法。
  25. 前記の膜形成が、水溶性のイオン性CP溶液を印刷または噴霧することを含む請求項6記載の方法。
  26. 水溶性電解質によって膨潤および/または水溶性電解質に接触するとともに、有機溶媒を実質的に含まない不溶性CPを含むデバイスであって、
    前記不溶性CPの膜が、塩基ではなく酸の添加によって、あるいは酸ではなく塩基の添加によって膜が溶解可能であり、および
    前記不溶性CPが、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、ホウ酸、アミン、イミン、ホスフィン、チオエーテル、あるいは配位していない二座配位子または多座配位子を有する複数の繰り返し単位を含む、該デバイス。
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