JP2013529638A - Peg化リポソーム封入糖ペプチド抗生物質の新規製剤 - Google Patents

Peg化リポソーム封入糖ペプチド抗生物質の新規製剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、個体の様々な組織又は器官の細菌感染症など、細菌感染症に罹患している個体を治療する新規な方法を対象とする。一般的に、治療方法は、ポリエチレングリコール(PEG)分子がリポソームの表面に共有結合的に付着している、リポソーム封入抗菌薬を含む医薬製剤を個体に投与することを伴う。

Description

本出願は、その開示全体が参照によって本明細書に組み入れられる、2010年6月19日出願の米国仮特許出願第61/356,601号の優先権の利益を主張するものである。
本発明は、医薬品のリポソーム媒介送達に関する。
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)は、院内感染性肺炎の半数を超える症例を引き起こす細菌である(1〜3)。MRSAは多剤耐性及びオキサシリン耐性黄色ブドウ球菌(ORSA)とも呼ばれることがある。より詳しくは、MRSAは、ペニシリン、セファロスポリン、及びカルバペネムを含むベータラクタム系と呼ばれる抗生物質の大集団に対して耐性である。多くの系統がフルオロキノロン系にも耐性である。バンコマイシンは依然として、米国食品医薬品局(FDA)によってMRSA肺炎の治療に認可されたたった2つの抗菌薬のうちの1つであるが、その臨床上の失敗率は30%を超える(4)。治療上の結果が不良であることに対する説明には、殺菌性の活性が遅く、時間依存性であり、投薬が不十分であり、肺組織及び肺胞のマクロファージ中への浸透が不良であり(5〜11)、感受性が低下している(4、12、13)ことが含まれる。黄色ブドウ球菌は、貪食細胞とともに生存し、免疫系を逃れることができる(16、17)細胞内病原体及び細胞外病原体(14、15)である。
抗菌薬をリポソーム封入することで、標準の製剤を上回る薬物動態、薬力学の増強、及び毒性の低下が潜在的にもたらされる(18、19)。感染した組織中により高濃度の抗菌薬が蓄積すると、活性化した組織のマクロファージによる取込みを増大させ(20、21)、治療の有効性はおそらく改善する。この考え方に基づいて、ポリエチレングリコール(PEG)分子をリポソームの表面に付着させると、化学療法薬であるゲムシタビンを膵臓癌の腫瘍細胞に効率的に送達することが示されている(Cosco Dら、Cancer Chemotherapy and Pharmacology、64巻(5)、1009〜1020頁(2009年))。しかしながら、細菌感染症を治療又は予防するための製剤において用いるためにPEG化したリポソームで抗菌薬を封入することは、記載されていない。実際、バンコマイシンのような強力な抗生物質は、一般に用いられている抗生物質に対して耐性である細菌(例えば、MRSA)の治療のための最後の手段として信頼されることが多い。しかしながら、バンコマイシンの肺組織中への浸透は不十分であるという事実により、バンコマイシンの有効性は低減される。このような問題は、肺のMRSA感染症の治療の間に一般に経験される。したがって、本発明は、標準のバンコマイシン製剤に比べて肺組織中により高濃度のバンコマイシンを沈着させることによって「対病原菌薬物(drug−to−bug)」をより効果的に送達するための表面PEG化リポソーム封入を用いるものである。
本発明は、個体の様々な組織又は器官の細菌感染症など、細菌感染症に罹患している個体を治療する新規な方法を対象とする。一般的に、治療方法は、ポリエチレングリコール(PEG)分子がリポソームの表面に共有結合的に付着している、リポソーム封入抗菌薬を含む医薬製剤を個体に投与することを伴う。したがって、本発明は、殺菌性又は静菌性のいずれかである薬物、又は薬物の組合せを封入するPEG化リポソームに関する。
一般に、本発明の治療の方法は、グラム陽性細菌を標的とする。したがって、本発明のPEG化リポソームは、例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、MRSA亜系、並びに一般にベータラクタム抗生物質(例えば、ペニシリン系ジクロキサシリンナフシリンオキサシリンなど)及びセファロスポリン系)に対して耐性である他の細菌に対して殺菌性又は静菌性である抗菌薬を含むことができる。抗生物質の糖ペプチドのクラスは、当技術分野において、MRSAに対して治療上有効であることが特によく知られている。したがって、本発明の特定の実施形態は、PEG化リポソーム封入糖ペプチド抗生物質、又は糖ペプチド抗生物質の組合せ、又はこれらの誘導体に関する。臨床医がMRSA感染症を治療するのに頻繁に用いる糖ペプチド抗生物質はバンコマイシンである。したがって、本発明の一実施形態は、PEG化リポソーム封入バンコマイシン又はバンコマイシン誘導体に関する。
本発明の別の一般的な一目的は、マクロファージなどの貪食細胞による取込みを回避することができる医薬製剤を提供することである。したがって、本発明は、少なくとも部分的に細胞の排除機序を避ける能力に関して隠れた特徴を有するPEG化リポソーム中に抗菌薬を封入することによって、感染した組織及び器官に抗生物質を送達する新規な方法にも関する。
表の簡単な説明
表1は、標準の、従来の、及びPEG化のリポソームのバンコマイシン製剤5mg/kg投与量を静脈内投与した後の、血漿中のバンコマイシンの主な薬物動態パラメーターを含む。
表2は、標準の、従来の、及びPEG化のリポソームのバンコマイシン製剤5mg/kg投与量を静脈内投与した後の、肝臓、腎臓、肺及び脾臓中のバンコマイシンの存在に対する体内分布データを含む。
マウスにおける標準のバンコマイシン溶液(SV)、従来のリポソームのバンコマイシン(CLV)、及びPEG化リポソームのバンコマイシン(PLV)5mg/kg投与量を静脈内投与した後のバンコマイシンの薬物動態を示す図である。値は全て平均値±SDとして報告する。 標準のバンコマイシン溶液(SV)、従来のリポソームのバンコマイシン(CLV)、及びPEG化リポソームのバンコマイシン(PLV)5mg/kg投与量を静脈内投与した後のCF−1マウスの脾臓における全バンコマイシンの組織分布を示す図である。**P<0.001 5分の従来のリポソーム対標準のバンコマイシン。++P<0.001 5分のPEG化リポソーム対標準のバンコマイシン。P<0.01 1時間の従来のリポソーム対標準のバンコマイシン。P<0.01 1時間のPEG化リポソーム対標準のバンコマイシン。 標準のバンコマイシン溶液(SV)、従来のリポソームのバンコマイシン(CLV)、及びPEG化リポソームのバンコマイシン(PLV)5mg/kg投与量を静脈内投与した後のオスのCF−1マウスの肝臓におけるバンコマイシンの組織分布を示す図である。**P<0.001 5分の従来のリポソーム対標準のバンコマイシン。++P<0.001 5分のPEG化リポソーム対標準のバンコマイシン。P<0.01 1時間の従来のリポソーム対標準のバンコマイシン。P<0.01 1時間のPEG化リポソーム対標準のバンコマイシン。 標準のバンコマイシン溶液(SV)、従来のリポソームのバンコマイシン(CLV)、及びPEG化リポソームのバンコマイシン(PLV)5mg/kg投与量を静脈内投与した後のCF−1マウスの肺におけるバンコマイシンの組織分布を示す図である。**P<0.001 5分の従来のリポソーム対標準のバンコマイシン。++P<0.001 5分のPEG化リポソーム対標準のバンコマイシン。P<0.01 1時間の従来のリポソーム対標準のバンコマイシン。P<0.01 1時間のPEG化リポソーム対標準のバンコマイシン。 標準のバンコマイシン溶液(SV)、従来のリポソームのバンコマイシン(CLV)、及びPEG化リポソームのバンコマイシン(PLV)5mg/kg投与量を静脈内投与した後のCF−1マウスの腎臓におけるバンコマイシンの組織分布を示す図である。**P<0.001 5分の従来のリポソーム対標準のバンコマイシン。++P<0.001 5分のPEG化リポソーム対標準のバンコマイシン。P<0.01 1時間の従来のリポソーム対標準のバンコマイシン。P<0.01 1時間のPEG化リポソーム対標準のバンコマイシン。
上記に記載した通り、本発明は、抗菌薬を含む医薬製剤であって、抗菌薬がリポソーム中に封入されており、少なくとも1つのポリエチレングリコール(PEG)分子がリポソームの脂質分子に共有結合的に付着している医薬製剤を対象とする。
本発明の抗菌薬成分に関して、本発明の抗菌薬成分は殺菌性又は静菌性の活性を発揮することがある。本発明の様々な実施形態において、医薬製剤は2つ以上の抗菌薬を含むことができ、例えば、製剤は殺菌性及び静菌性の抗菌薬の組合せを含むことができる。一般的に細菌に対して殺菌活性を発揮することは、抗菌薬が、本組成物の抗生物質に感受性である細菌の1つ又は複数の種を死滅させ、又は決定的に損傷する本組成物の能力を有することを意味する。しかしながら、静菌性の活性を有する抗菌薬は、本組成物の抗生物質に感受性である標的の細菌の種の1つ又は複数を死滅させずに、細菌の1つ又は複数の種の増殖を阻害する能力を有する。本発明の好ましい実施形態において、医薬製剤の抗菌薬は、それだけには限定されないが、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)細菌を含めたグラム陽性細菌に対して殺菌性又は静菌性である。
本発明の様々な実施形態において、本発明の医薬製剤の抗菌薬は糖ペプチド抗生物質である。本発明の文脈において用いられ、当業者には知られている「糖ペプチド抗生物質」の語は、細菌の細胞壁の増殖を阻害することを含む作用機序を有する抗生物質を意味する。糖ペプチド抗生物質のこのクラスにおける抗生物質には、それだけには限定されないが、バンコマイシン、アボパルシン、リストセチン、テイコプラニン、及びこれらの誘導体が含まれる。例えば、バンコマイシンの誘導体には、それだけには限定されないが、多価バンコマイシン、PEG化バンコマイシン接合体(conjugate)、ノルバンコマイシン、バンコマイシンジスルフィド、シンモニシン、モノデクロロバンコマイシン又はジデクロロバンコマイシン、バンコマイシンのグルタミン類似体(例えば、A51568B、及びM43G)、バンコマイシンのアスパラギン酸類似体(例えば、M43F、M43B)、バンコマイシンのデスバンコサミン誘導体(例えば、A51568A及びM43A、並びに対応するアグリコン)、バンコマイシンの塩素誘導体(例えば、A82846B、A82846A(エレモマイシン)、オリエンチシンA、A82846C)、バンコマイシンのベンジルアミノ糖(benzylic amino sugar)誘導体(例えば、A82846B)、N−アシルバンコマイシン、N−アラシルバンコマイシン、N−アルキルバンコマイシン(それだけには限定されないが、オクチルベンジル、オクチルオキシベンジル、ブチルベンジル、ブチルオキシベンジル、及びブチル、誘導体を含む)、又はこれらの混合物が含まれる。本発明の様々な好ましい実施形態において、医薬製剤は、バンコマイシン、又はバンコマイシンの誘導体、又はバンコマイシン誘導体の組合せを含む。
本発明の医薬製剤のリポソーム成分に関して、「リポソーム」の語は、化合物を送達するのに用いることができる任意の脂質組成物を意味し、ある水性の体積が両親媒性の脂質二重層によって封入されており、又は抗菌薬若しくは抗菌薬の組合せを含む内部を脂質がコーティングしている。リポソームは単一の二重層からなる単層であってもよく、又は2つ若しくはそれを超える同心性の二重層からなる多重層であってもよい。リン脂質の二重層は2層のリン脂質分子から形成される。
リン脂質は、有機分子のリン酸塩を含む親水性の頭部領域、及び1つ又は複数の疎水性の脂肪酸の尾部の2つの主要な領域を有する分子である。特に、天然に存在するリン脂質は、コリン、グリセロール、及びリン酸塩を含む親水性領域、並びに脂肪酸を含む2つの疎水性領域を有する。リン脂質を水性の環境中に配置すると、親水性の頭部が直線状の立体配置で集まり、これらの疎水性の尾部は本質的に互いに並行に整列する。次いで、疎水性の尾部は水性環境を避けようとするので、分子の2番目の線は1番目の線と尾部同士をつけて整列する。水性の環境との接触(即ち、二重層の縁で)を最大限に避けるために、同時に表面積対体積比を最小にし、それによって最小のエネルギー立体配置を実現するために、リン脂質二重層又はラメラとして知られるリン脂質の2本の線は球状に収束し、そうする上でいくらかの水性媒体、及び、本発明の医薬製剤が含んでいる抗菌薬など、球のコア中に溶解又は懸濁することができるものは何でも捕捉する。例えば、本発明の様々な実施形態において、本発明の医薬製剤は、バンコマイシンの溶液を捕捉しているPEG化リポソームを含んでいる。
PEG化リポソームを作成するのに用いることができるリン脂質の例は、限定するものではないが、1,2−ジミリストロイル(dimyristroyl)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−リン酸一ナトリウム塩、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−[ホスホル(phosphor)−rac−(l−グリセロール)]ナトリウム塩、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン]ナトリウム塩、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−グルタリル(glutaryl)ナトリウム塩及び1,1’,2,2’−テトラミリストイルカルジオリピンアンモニウム塩、又はこれらの混合物である。
上記で論じた通り、抗菌薬を封入する医薬製剤のリポソームは、リポソームの表面に付着しているPEG分子を有する。一般的に、PEGは、直鎖状の、末端にヒドロキシル基を2個有するエチレンPEGの反復単位の水溶性ポリマーである、ポリエチレングリコールを意味する。PEGはその分子量によって分類され、例えば、PEG2000は平均分子量約2,000ダルトンを有し、PEG5000は平均分子量約5,000ダルトンを有する。PEGは、Sigma Chemical Co.、Genzyme Pharmaceuticals、及びその他の会社から市販されており、例えば以下のものを含む:メチルポリエチレングリコール−1,2−ジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン接合体(MPEG−2000−DSPE)、モノメトキシポリエチレングリコール(MPEG−OH)、モノメトキシポリエチレングリコール−コハク酸塩(MPEG−S)、モノメトキシポリエチレングリコール−スクシニミジルコハク酸塩(MPEG−S−NHS)、モノメトキシポリエチレングリコール−アミン(MPEG−NH)、モノメトキシポリエチレングリコール−トレシレート(MPEG−TRES)、及びモノメトキシポリエチレングリコールイミダゾリルカルボニル(MPEG−IM)、又はこれらの混合物。
様々な実施形態において、PEGは平均分子量が約550ダルトンから約10,000ダルトンのポリエチレングリコールであり、アルキル、アルコキシ、アシル、又はアリールによって任意選択によって置換されている。一実施形態において、PEGは、末端のヒドロキシルの位置がメチルで置換されている。別の一実施形態において、PEGは、約750ダルトンから約5,000ダルトン、より好ましくは約1,000ダルトンから約5,000ダルトン、より好ましくは約1,500ダルトンから約3,000ダルトン、さらにより好ましくは約2,000ダルトン又は約750ダルトンの平均分子量を有する。PEGは、アルキル、アルコキシ、アシル、又はアリールで任意選択によって置換され得る。好ましい一実施形態において、末端のヒドロキシル基はメトキシ基又はメチル基で置換されている。本発明のPEG化リポソームは、コレステロール、コレステロール誘導体、又は誘導体若しくはコレステロールの組合せも含むことができる。一般的に、PEG化リポソームのコレステロール成分は、リポソーム構造にさらなる安定性をもたらす(22)。
本発明の文脈内で、リン脂質対コレステロール又はコレステロール誘導体対PEGのモル比は、0.1:0.1:0から30:10:2までの範囲であってよい。例えば、本発明のある実施形態において、PEG化リポソームは、DSPC、コレステロール、及びMPEG−2000−DSPEを含み、それぞれ3:1:0.02である。
上記で言及した通り、リポソームは、単一の二重層からなる単層、2つ又はそれを超える同心性の二重層からなる多重層であることができる。リポソームは、小型単層ベシクル(SUV)に対して直径約20nm〜100nmから、大型多層ベシクルに対して約100nm〜5000nm、及び究極的に巨大多層ベシクル(GMV)に対して約100ミクロンまでの範囲である。LMVは、乾燥した脂質の膜/ケークを撹拌して水和させた時に自発的に形成するが、この膜/ケークは脂質を有機溶媒中に溶解し、管壁を溶液でコーティングし、溶媒を蒸発させることによって一般的に形成される。次いで、エネルギーを加えてLMVをSUV、LUVなどに変換する。エネルギーは、限定するものではないが、より小型の単層及び多層ベシクルを提供するための超音波処理、高圧力、高温度、及び押出しの形態であってよい。このプロセスの間、水性媒体のいくらかがベシクル中に捕捉される。
リポソームは、当業者には一般的に知られている任意の方法によって調製することができる。本発明のリポソームを調製するのに用いることができる、一般的に用いられるリポソーム調製方法の例には、それだけには限定されないが、脱水−再水和、硫酸アンモニウム勾配、及び薄膜水和法が含まれる。本発明の様々な実施形態において、リポソームを調製するのに用いられる脱水−再水和法が改変されている。
上記で論じた通り、本発明の医薬製剤を細菌感染症の治療において用いることができる。同様に、本発明の医薬製剤を、細菌感染症の予防的治療に用いることができる。このように、本発明はしたがって、本発明の範囲内に、ヒト又は獣医学上の医薬において用いるために調合される、少なくとも1つのPEG化リポソーム封入抗菌薬を含む医薬組成物を含んでいる。したがって、このような組成物を、任意選択によって補足的な薬剤とともに、生理学的に許容される担体又は賦形剤と一緒に用いるために提示することができる。従来の担体も、本発明の製剤と一緒に用いることができる。細菌感染症を治療する文脈内の「治療」又は「治療する」の語は、哺乳動物の正常の植物相及び動物相の部分ではない少なくとも1つの細菌を含む任意の哺乳動物組織の任意の治療、又は哺乳動物における細菌感染症に感染している哺乳動物組織の治療を意味する。
本発明によるPEG化リポソーム封入抗菌薬は、非経口的に又は経口的に患者に投与することができる。非経口投与には、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸投与、又は経皮投与が含まれる。さらに、本発明によるPEG化リポソーム封入抗菌薬を、投与経路に応じて適切な剤形に調合することができる。このような剤形の例には、例えば、主に静脈内投与及び筋肉内投与などのために用いられる注射剤、交互の非経口投与のための外用剤、例えば、点眼剤、点耳剤、点鼻剤、眼軟膏剤、皮膚粘膜吸収剤、外皮用剤、吸入剤、又は坐剤、並びに経口投与のための調製物、例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、微細粒剤(fine subtilaes)、顆粒剤、散剤、シロップ剤、又はトローチ剤が含まれる。
本明細書で用いられる「治療有効量」の句は、このような治療を必要とするかなりの数の対象において、そのために薬物が投与された特定の薬理学的反応をもたらす薬物の投与量を意味する。化合物又は薬物の実際の有効量は、利用される特定の組成物、投与様式、並びに患者の年齢、体重及び状態にしたがって変化し得る。例えば、本明細書で用いられる、薬物の有効量は、抗菌ペプチドの生成を刺激する量である。特定の個々の患者に対する投与量は、当業者が、従来の考察を用いて(例えば、好適な、従来の薬理学的プロトコールによって)決定することができる。
実施例1:リポソームのバンコマイシン製剤の調製
1)薄膜水和法(23);2)硫酸アンモニウム勾配法(24);及び改変脱水−再水和法(25)の3つの方法のうち1つを用いてリポソームを調製した。
薄膜法によってリポソームを調製するには、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)(Genzyme Pharmaceuticals、Cambridge、MA)287mg及びコレステロール(Sigma Chemicals、St.Louis、MO)52mgをHPLCグレードのクロロホルム(EMD Chemicals、Gibbstown、NJ)7ml中に溶解し、ロータリーエバポレーター(Buchi Rotavapor R−200、スイス)中で蒸発させて膜状にした。この膜を、真空乾燥機中、室温で一夜貯蔵し、それによって脂質膜の薄層を形成させた。この薄い脂質膜に、リン酸緩衝食塩水(PBS)pH7.4(Sigma Chemicals、St.Louis、MO)10ml中にバンコマイシン塩酸塩(Sigma Chemicals、St.Louis、MO)100mgを溶解したバンコマイシン溶液を、薄膜の脂質を含んでいるフラスコに加えることによって水和し、ロタベーパー(rotavapor)を用いて混合物を15分間混和してリポソームを形成した。このリポソームを10分間(各2分間5サイクル)、プローブソニケーターを用いて超音波処理した。次いで、0.8μmポリカーボネートフィルター、その後0.4μm及び0.2μmのフィルターを用いて高圧下、リポソームを押し出した。このリポソームを、適切な量のショ糖を凍結保護物質として用いて48時間凍結乾燥した。
PEG化リポソームを前述の方法にしたがって薄膜法により調製したが、DSPC281mgを用い、MPEG−2000−DSPE6mgがDSPC及びコレステロールの最初の混合物に含まれた点が異なった。
リポソーム及びPEG化リポソームの粒子サイズを、動的光散乱法(NICOMP Model 370 submicron particle sizer、Santa Barbara、CA)を用いて測定した。リポソームの懸濁液を適切に希釈し、粒子サイズを記録した。従来のリポソームの平均粒子サイズは254±147nmであり、PEG化リポソームの平均粒子サイズは245±139nmであった。従来のリポソーム封入効率は9±2%であり、PEG化リポソームの封入効率は13±3%であった。
リポソーム及びPEG化リポソームから非封入の薬物を分離するために、Centrifree(登録商標)限外ろ過法を用いた。簡潔に述べると、リポソーム0.4mlをCentrifree(登録商標)チューブに加え、Beckman超遠心機を用いて6000rpm、25℃で15分間遠心分離した。ろ液を適切に希釈した後、280nmの分光光度法で分析した。
従来の、及びPEG化の両方のリポソームのバンコマイシン製剤を、それぞれモル比3:1:0及び3:1:0.02のDSPC、コレステロール及びPEGを用いて調製した。リポソームのバンコマイシン製剤を調製するための詳しい手順は最近公開されている。
硫酸アンモニウムpH勾配法によってリポソームを調製するには、DSPC143.5mg及びコレステロール26mgをクロロホルム5ml中に溶解し、ロータリーエバポレーターを用いて溶液を蒸発させて膜状にした。この膜を、真空乾燥機中、室温で一夜貯蔵し、それによって脂質膜の薄層を形成させた。この膜を、250mM硫酸アンモニウム溶液10ml中に30分間懸濁し、次いで、10サイクルの凍結に曝し(−80℃で10分)、解凍した(40℃の水浴を使用)。得られた多層ベシクルを、高圧押出し機(Northern Lipids Inc.、USA)でポリカーボネートフィルター(孔サイズ:200、100、及び80nm、Whatman、USA)を通して5回押し出した。上記に記載した動的光散乱法を用いて粒子サイズを測定した。捕捉されなかった硫酸アンモニウムを、15分間、4000rpmの遠心分離によって除去した。
リポソームにバンコマイシンをローディングするために、遠心分離後に得られた小型単層ベシクルを、バンコマイシン溶液(バンコマイシン50mgをPBSpH7.4 5ml中に溶解)5ml中に懸濁し、得られた溶液を室温に3時間放置した。非封入のバンコマイシンからリポソームを分離するために、リポソームを、次いで、セファロース−4Bカラム100mlを通過させ、様々な分画を採取し、リポソーム分画をプールした。バンコマイシン封入の効率を決定するために、分画を適切に希釈した後、280nmの分光光度法で分析した。次いで、適切な量(130mg)のショ糖を凍結保護物質として加えた後、プールしたリポソームの分画を凍結乾燥にかけた。
PEG化リポソームを、上記に記載した硫酸アンモニウムpH勾配法にしたがって調製したが、MPEG−2000−DSPE3mgがDSPC及びコレステロールの最初の混合物に含まれ、バンコマイシン50mgを、PBS5mlではなく2mlに加えることによりバンコマイシン溶液を調製した点が異なった。
改変脱水−再水和法によってリポソームを調製するために、DSPC287mg及びコレステロール52mgをクロロホルム7ml中に溶解し、ロータリーエバポレーター中で蒸発させて膜状にした。この膜を、真空乾燥機中、室温で一夜貯蔵し、それによって脂質膜の薄層を形成させた。この薄い脂質膜に、高純度の脱イオン水5mlを30分間加え、プローブソニケーターを用いて2分間超音波処理することによって水和した。このリポソームを、140mgのショ糖を凍結保護物質として用いて48時間凍結乾燥した。
バンコマイシン溶液(PBS、pH7.0 5ml中バンコマイシン50mg)1mlを凍結乾燥した空のリポソームに加え、ボルテックスにかけ、30分間室温に放置することによって、リポソームにバンコマイシンをローディングした。次いで生成したゲルをPBS4mlで希釈した。形成したベシクルを、0.8μm、0.4μm、及び0.2μmのフィルターを用いて押出しにかけた。
前述の方法にしたがって脱水−再水和法によりPEG化リポソームを調製したが、DSPC281mgを用い、MPEG−20000−DSPE6mgがDSPC及びコレステロールの最初の混合物に含まれた点が異なった。従来の、及びPEG化の両方のリポソームのバンコマイシン製剤を、それぞれモル比3:1:0及び3:1:0.02のDSPC、コレステロール及びPEGを用いて調製した。
バンコマイシンをローディングしたリポソームを、使用するまで4℃で貯蔵した。リポソーム中のバンコマイシンの濃度を、497nmのUV−可視分光光度法(UV−mini、Shimadzu、日本)を用いて測定し、ローディング効率を、以下の等式:ローディング効率(%)=F/F×100にしたがって算出したが、式中、Fはクロロホルム:メタノール:蒸留水(2:1:0.05、v/v)からなる有機溶媒混合液中に溶解した後のリポソーム中バンコマイシンの濃度であり、Fはバンコマイシンの最初の濃度である。
実施例2:薬物動態
マウス(Charles River Lab、Wilmington、MAからのオスのCF−1マウス)少なくとも52匹の群に各々、標準バンコマイシン溶液、リポソーム封入バンコマイシンの従来の製剤、又はPEG化リポソーム封入バンコマイシンの製剤のいずれかとして調製したバンコマイシン5mg/kgの単回投与量をそれぞれ尾静脈注射した。薬物投与後、異なるバンコマイシン製剤群(バンコマイシン溶液、従来のリポソーム、及びPEG化リポソーム)各々からマウス3匹を、予め決定した時点(5、15、30、及び45分、1、2、3、4、5、6、8、12、24及び48時間)でイソフルラン(Piramal Health Care、Ltd.、AP、インド)吸入によって屠殺した。全ての時点で屠殺したマウスから採血した。1時間、4時間、及び24時間に肝臓、腎臓、脾臓、肺、及び筋肉組織を採取した。
ヘパリン処理した微量遠心管中に血液試料を入れ、遠心分離によって血漿を分離した。単純タンパク質沈殿法を用いて、各血漿試料からバンコマイシンを抽出した。より詳しく述べると、血漿200μl、アセトニトリル250μl、及びメタノール250μlを合わせた。混合物を1分間ボルテックスにかけ、14,000rpmで10分間遠心分離した。上清400μlを新たな管中に移し、1〜2時間、ろ過空気流によって蒸発乾固させた。蒸発ステップの間に管中に形成した残渣を、高純度の脱イオン水200μlで再構成した。
上記に記載した再構成した組織タンパク質調製物溶液各々の試料20μl中のバンコマイシンの濃度を測定するための、感度の高い、迅速で正確なHPLC法を開発し、検証した。簡潔に述べると、クロマトグラフィー分離を、VYDAC(登録商標)C18カラム(4.6×50mm、3μm)上、検出波長214nmで行った。ノルバンコマイシン(100μg/mlノルバンコマイシン(Northern China Pharmaceutical Corp.Shijiazhuang、Hebei、中国)10μlを血漿200μlに加え、試料と同じやり方で調製し、分析した)。移動相は、移動相Aとして0.1%(v/v)TFA、及び移動相Bとして95:5(v/v)アセトニトリル/0.1%TFAからなっており、15分の勾配溶出にプログラムされ、プログラムでは移動相Bは8分間15%で留まり、次の7分間にわたって100%に直線的に増大し、全流速は1mL/分であった。0.1〜20μg/mlの範囲にわたって、良好な直線性の方法が実現した。この方法を、精密さ、正確さ、及び直線性に関して、分析手順の検証のためのハーモナイゼーションガイドラインに対する国際会議(International Conference on Harmonization guidelines)にしたがって検証した。組織由来の試料中のバンコマイシン濃度のHPLC分析を、バンコマイシンのレベルを決定するための検証されたHPLCアッセイを用いて行った。標準の検量線は0.1〜20μg/mlの濃度範囲において直線的であり、相関係数(r)は0.995より高かった。バンコマイシン検出の下限(LLOD、S/N 5)は0.05μg/mlであり、定量化の下限(LLOQ、S/N 10)は0.1μg/mlであった。変動係数は、日内変動に対して1.7%から9.5%の範囲であり、日差変動に対して6.3%から9.4%の範囲であった。
3つ全ての製剤の薬物動態プロファイルを図1に示す。バンコマイシンの血漿濃度は、標準のバンコマイシン製剤を注射して最初の2時間以内に速やかに低下し(t1/2−22分)、2時間後、測定可能な量は見出されなかった。しかしながら、従来の、及びPEG化のリポソームの製剤を注射した後、血漿バンコマイシン濃度は、それぞれ4時間及び12時間まで>1μg/mlのままであった。48時間後、バンコマイシンは依然として血漿中で検出可能であった。
ノンコンパートメント法を用いて薬物動態パラメーターを算出し、表1に報告する。表1は、5分後のバンコマイシンの最高血漿濃度(Cmax)は、標準の、及び従来のリポソーム製剤に対してそれぞれ、6.76±0.42μg/mL及び9.80±1.07μg/mlであり、15分のPEG化リポソーム製剤に対して15.48±1.71μg/mLであったことを示している。バンコマイシン血漿濃度−時間曲線下の面積(AUC)を、直線台形法を用いて算出した。従来のリポソームのAUCは標準のバンコマイシンよりも4倍高く、PEG化リポソームのAUCは従来のリポソームのAUCよりも1.7倍さらに高かった。バンコマイシンの血漿半減期は、標準のバンコマイシンに比べてリポソーム製剤として投与した場合に延長した。全身クリアランス(CL)を投与量/AUCとして算出した。血漿からのクリアランスは、バンコマイシンをリポソーム封入することによって低下した。血漿濃度は、放出されたバンコマイシン、及び依然として封入されているリポソームのバンコマイシンの両方を含んでいた試料から決定したため、データを特定のコンパートメントモデルに適合させるのは困難であり、薬物動態パラメーター全てを正確に決定するのは不可能である。データは平均値±SDとして示す。二元配置のANOVA及びその後Graphpad(登録商標)Prismソフトウエア(La Jolla、CA、USA)を用いたBonferroniの事後分析を行って、統計上の有意性を決定した。P値≦0.05を有意とみなした。

実施例3:体内分布
標準の、従来の、及びPEG化のリポソームのバンコマイシン製剤5mg/kg単回静脈投与量を投与した後、バンコマイシンの肝臓、腎臓、肺、脾臓、及び筋肉中への体内分布を決定した。前述の製剤をマウスの各群に投与し、例2に記載した通りに投薬後の屠殺計画を実施した。以下のプロトコールにしたがって組織を調製し、分析した。
上記で説明した通り、いくつかの主要な器官(肝臓、腎臓、肺、脾臓、及び筋肉)を分析して、それぞれ標準のバンコマイシン溶液、リポソーム封入バンコマイシンの従来の製剤、又はPEG化リポソーム封入バンコマイシンの製剤のいずれかとして調製されたバンコマイシンを静脈注射し1時間、4時間、及び24時間後、これらの組織中のバンコマイシンの分布を決定した。組織試料を重量測定し、PBS(肝臓、腎臓、肺、及び筋肉に対して0.5mg/ml、及び脾臓に対して0.2mg/ml)中ホモジナイズした。ホモジナイズ後、ホモジネート300μlを1.5ml Eppendorf微量遠心管中に移し、これにアセトニトリル250μl及びメタノール250μlを加えた。混合物を引き続き1分間ボルテックスにかけ、14,000rpmで10分間遠心分離した。上清500μlを試験管中に移し、1〜2時間、ろ過空気流によって蒸発させた。蒸発ステップの間に管中に形成した残渣を、高純度の脱イオン水200μlで再構成した。内部コントロール標準として用いるために、100μg/mlノルバンコマイシン溶液10μlを各管に加え、混合物を1分間ボルテックスにかけ、試料と正確に同じやり方で調製し、分析した。上記に記載した方法と同様の方法を用いて、組織由来の試料中のバンコマイシン濃度のHPLC分析を行った。HPLCの結果をすぐ下に報告する。
リポソーム封入は、脾臓及び肝臓組織におけるバンコマイシンレベルの上昇によって証明される通り、細網内皮系の取込みを増強した(図2及び図3を参照)。4時間及び24時間の脾臓によるPEG化リポソームからのバンコマイシンの取込みは、従来のリポソームからのバンコマイシンよりも有意に少なく(P<0.001、図2)、肝臓による従来の、及びPEG化のリポソームの製剤から肝臓組織中へのバンコマイシンの取込みは、1時間、4時間、及び24時間後に標準のバンコマイシンからよりも有意に多かった(P<0.001、図3)。バンコマイシンの肝臓中の最大濃度は、どのバンコマイシン製剤を投与したかに関係なく、薬物投与の4時間後に生じた。AUC、AUMC、及びMRT値を表2に示す。
バンコマイシンの肺への分布に関して、従来の、又はPEG化のリポソーム中に封入されたバンコマイシンは、標準のバンコマイシン溶液よりも大きい肺組織中へのバンコマイシンの分布を伴った(図4)。さらに、PEG化リポソーム封入バンコマイシンを投与した5分後、1時間後、4時間後、及び24時間後のバンコマイシンの分布は、従来のリポソーム封入バンコマイシン投与後のバンコマイシンの分布よりも大きかった。24時間の差は統計上有意であった(P<0.001、図4)。AUC、AUMC、及びMRT値を表2に示す。
バンコマイシンの腎臓への分布に関して、リポソーム中に封入されたバンコマイシンは、標準のバンコマイシン溶液に比べてあまり顕著ではない分布を概ね伴った(図5)。5分(P<0.001)及び1時間(P<0.01)の標準のバンコマイシン製剤の分布に比べて、2つのリポソーム製剤に関連した腎臓へのバンコマイシンの分布間に有意差があった。AUC、AUMC、及びMRT値が表2に含まれる。
バンコマイシンの筋肉への分布に関して、どの製剤を投与したかに関係なく、任意の時点で筋肉組織中に著しいレベルのバンコマイシンは検出されなかった。

(参考文献)


Claims (16)

  1. 抗菌薬又は抗菌薬の組合せを含む医薬製剤であって、抗菌薬がリポソーム中に封入されており、少なくとも1つのポリエチレングリコール(PEG)分子がリポソームの表面に共有結合的に付着している上記医薬製剤。
  2. 1つ又は複数の抗菌薬が糖ペプチド抗生物質である、請求項1に記載の医薬製剤。
  3. 1つ又は複数の糖ペプチド抗生物質が、バンコマイシン;アボパルシン;リストセチン;テイコプラニン;バンコマイシン、アボパルシン、リストセチン、及びテイコプラニンの誘導体;又はこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の医薬製剤。
  4. バンコマイシン誘導体の誘導体が、多価バンコマイシン、バンコマイシンジスルフィド、モノデクロロバンコマイシン又はジデクロロバンコマイシン、バンコマイシンのグルタミン類似体、バンコマイシンのアスパラギン酸類似体、バンコマイシンのデスバンコサミン誘導体、バンコマイシンの塩素誘導体、バンコマイシンのベンジルアミノ糖誘導体、N−アシルバンコマイシン、N−アラシルバンコマイシン、及びN−アルキルバンコマイシン、又はこれらの混合物を含む、請求項3に記載の医薬製剤。
  5. リポソームが、1,2−ジミリストロイル(dimyristroyl)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−リン酸一ナトリウム塩、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−[ホスホル(phosphor)−rac−(1−グリセロール)]ナトリウム塩、1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン]ナトリウム塩、1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−グルタリル(glutaryl)ナトリウム塩、及び1,1’,2,2’−テトラミリストイルカルジオリピンアンモニウム塩、又はこれらの混合物から選択される脂質を含む、請求項1に記載の医薬製剤。
  6. PEG分子が、メチルポリエチレングリコール−1,2−ジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン接合体(MPEG−2000−DSPE)、モノメトキシポリエチレングリコール(MPEG−OH)、モノメトキシポリエチレングリコール−コハク酸塩(MPEG−S)、モノメトキシポリエチレングリコール−スクシニミジルコハク酸塩(MPEG−S−NHS)、モノメトキシポリエチレングリコール−アミン(MPEG−NH)、モノメトキシポリエチレングリコール−トレシレート(MPEG−TRES)、及びモノメトキシポリエチレングリコールイミダゾリルカルボニル(MPEG−IM)、又はこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の医薬製剤。
  7. リポソームがコレステロール又はコレステロール誘導体も含む、請求項1に記載の医薬製剤。
  8. リポソームが、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、メチルポリエチレングリコール−1,2−ジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン接合体(MPEG−2000−DSPE)、及びコレステロール又はコレステロール誘導体を含む、請求項1に記載の医薬製剤。
  9. DSPC、コレステロール、及びMPEG−2000−DSPEのモル比がそれぞれ0.1:0.1:0から30:10:2までの範囲である、請求項8に記載の医薬製剤。
  10. DSPC、コレステロール、及びPEGのモル比がそれぞれ3:1:0から3:1:0.5までである、請求項9に記載の医薬製剤。
  11. 請求項1に記載の医薬製剤の有効量を患者に投与することを含む、少なくとも1つの細菌による患者の組織又は器官の感染症を治療する方法。
  12. 少なくとも1つの細菌がグラム陽性である、請求項11に記載の治療方法。
  13. 少なくとも1つのグラム陽性細菌がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)である、請求項12に記載の治療方法。
  14. 少なくとも1つの細菌が細胞の細胞内区画に感染している、請求項11に記載の治療方法。
  15. 感染している組織又は器官が、肺、肝臓、脾臓、腎臓、若しくは全ての血液細胞集団を含む血液、又は前述の組織若しくは器官の任意の組合せである、請求項11に記載の治療方法。
  16. 感染している組織又は器官が肺である、請求項15に記載の治療方法。
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