JP2013529508A - 除細動から患者の不快感を低減するためのパルスパラメータおよび電極構成 - Google Patents

除細動から患者の不快感を低減するためのパルスパラメータおよび電極構成 Download PDF

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Abstract

除細動に関するデバイス、システム、および方法、より具体的には、患者の不快感を低減するためのパルスパラメータおよび電極構成を開示する。実施形態は、電極リード線システムを有する埋込型除細動器と、心臓の状態を感知し、状態信号を発するための少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサと通信し、心臓が細動しているか否かを状態信号から決定するように構成され、細動が検出された場合にコマンド信号を発するコントローラと、少なくとも1つの除細動パルスを電極システムに伝達するようにコントローラおよび電極システムと通信する電圧発生器とを備え、少なくとも1つの除細動パルスは、80ボルトよりも大きい電圧、および最大1000マイクロ秒の持続時間を有する少なくとも1つのパルスを含む。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、米国特許出願第12/823,507号(名称「Atrial Defibrillation Using an Implantable Defibrillation System」、2010年6月25日出願)の優先権を主張し、この出願は、国際出願第US2009/033786号(名称「Atrial Defibrillation Using an Implantable Defibrillation System」、2009年2月11日出願)の一部継続出願であり、この出願は、米国仮特許出願第61/064,288号(2008年2月27日出願)の優先権を主張し、これらの全ての出願の開示は、その全体が本明細書に参照によって援用される。
本願は、また、米国仮特許出願第61/398,665号(名称「Wave Forms for Atrial Defibrillation」、2010年6月30日出願)、米国仮特許出願第61/400,017号(名称「Method for Intra−Cardiac Atrial Defibrillation」、2010年7月22日出願)、および米国仮特許出願第61/416,946号(名称「Implantable Defibrillation System」、2010年11月24日出願)の優先権を主張し、これらの全ての出願の開示は、その全体が本明細書に参照によって援用される。
(分野)
除細動に関するデバイス、システム、および方法、より具体的には、患者の不快感を低減するためのパルスパラメータおよび電極構成を開示する。いくつかの実施形態は、心臓の中または周囲に設置された一対以上の電極を使用して、1つ以上の高電圧の短期間パルスで心房の細動を除去することに関する。
(背景)
心房細動(「AF」)は、右心房または左心房のうちの少なくとも1つを含む最も一般的な心不整脈である。心房の細動を除去する1つの方法は、心周期中の特定の時間に電気除細動パルスを心臓に送達することによる。これらのパルスを送達するためのシステムおよびデバイスは、体外にあってもよく、および/または体内に埋め込まれてもよい。埋込型心房除細動器を使用する心房除細動は、概して、AFを自動的に検出することと、電気パルスを左および/または右心房に自動的に送達することとを含む。心室細動もまた、非常に一般的である。心室除細動は、心室細動を自動的に検出することと、電気パルスを心臓に自動的に送達することとを含む。
しかしながら、電気パルスを送達することは、患者にとって耐えられないほどの苦痛を伴う場合があり、自動埋込型心房除細動器の使用を思いとどまらせる場合がある。高すぎるエネルギーを有する電気パルスを送達することが、患者に苦痛を引き起こす場合がある一方で、低すぎるエネルギーを有する電気パルスを送達することは、除細動試行の失敗をもたらす。したがって、耐えられ、かつ効果的であり、および/または患者にとっての不快感を低減する心房および/または心室除細動が所望される。
本明細書で説明されるいくつかの実施形態では、埋込型除細動器は、少なくとも1本のリード線を有する電極リード線システムと、心臓の状態を感知し、状態を示す信号を発するように構成される少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサと通信し、心臓の状態が細動の状態のうちの1つであるか否かを信号から決定し、状態が細動の状態のうちの1つである場合に、コマンド信号を発するように構成されるコントローラと、および/またはコントローラおよび電極システムと通信している電圧発生器であって、コマンド信号を受信した後に、少なくとも1つの除細動パルスを電極システムに放電するように構成される、電圧発生器とを有し、少なくとも1つの除細動パルスは、80ボルトよりも大きい電圧、および最大1000マイクロ秒の持続時間を有する少なくとも1つのパルスを含む。少なくとも1つのパルスは、心臓の心房および/または心室に送達されてもよく、いくつかの実施形態によれば、1センチメートル当たり100から700ボルトの間の電界強度を有する。少なくとも1つのパルスは、2ジュール未満であるエネルギーの総量を心臓に送達してもよく、および/または50から600マイクロ秒、50から1000マイクロ秒、および/または30から100マイクロ秒の間のパルス幅または持続時間を有してもよい。少なくとも1つのパルスの電圧は、80から3000ボルトの間、および/または600ボルト以上であってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、電極リード線システムの電極であってもよい。
埋込型除細動器のいくつかの実施形態は、1センチメートル当たり100から700ボルトの間の電界強度、80から3000ボルトの間の電圧、および50から1000マイクロ秒の間の持続時間を有する、少なくとも1つのパルスを含む、少なくとも1つの除細動器パルスを放電してもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのパルスは、患者の心拍に同期させられてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのパルスは、患者の心臓R波に同期させられてもよい。少なくとも1つのパルスは、いくつかの実施形態によれば、第1のパルスと、第2のパルスとを含んでもよい。第1のパルスは、80ボルトよりも大きい電圧、および1000マイクロ秒未満の持続時間を有してもよく、第2のパルスは、80ボルトよりも大きい電圧、および1000マイクロ秒未満の持続時間を有してもよい。いくつかの実施形態では、第2のパルスの持続時間は、100マイクロ秒を上回ってもよい。第1のパルスの極性および第2のパルスの極性は、実施形態に応じて、同一かまたは反対であってもよい。少なくとも1つのパルスは、第3のパルスを含んでもよい。
本開示のいくつかの実施形態によれば、埋込型除細動器は、15立方センチメートル未満の体積を有してもよい。埋込型除細動器は、肺静脈、鎖骨下ポケット、鎖骨下静脈枝、左心房、右心房、右心室、上大静脈、および下大静脈から成る群より選択される、心臓の場所に埋め込まれるように構成されてもよい。
埋込型除細動器の実施形態は、心臓の中、上、または周囲の種々の場所に設置された1本以上のリード線を有する電極リード線システムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1本のリード線は、左心房、右心房、右心室、心臓の冠状静脈洞、肺動脈、右心室の心尖、および心臓の心房内中隔から成る群より選択される、心臓の場所に設置される、少なくとも1つの電極を含んでもよい。本開示の電極リード線システムの任意の電極は、電気パルスを放電する、または細動を感知するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、リード線は、分岐し、右心房の中に設置された少なくとも1つの電極を有する第1のサブリード線と、右心室または左心房のうちの少なくとも1つの中に設置された少なくとも1つの電極を有する第2のサブリード線とを含有してもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動器は、右心房に埋め込まれてもよく、少なくとも1本のリード線は、右心室または左心房のうちの少なくとも1つの中に設置された電極を有する単一のリード線であってもよい。本開示によれば、埋込型除細動器は、右心房内に設置される電極の役割を果たしてもよい。
本開示によるリード線は、右心房の中に設置された第1の電極、および右心室または左心房のうちの少なくとも1つの中に設置された第2の電極を有する、単一のリード線であってもよい。いくつかの実施形態では、リード線は、右心房の中に設置された第1の電極、右心室の中に設置された第2の電極、および肺動脈の中に設置された第3の電極を有する単一のリード線であってもよい。いくつかの実施形態では、リード線は、分岐し、左心房の中に設置された少なくとも1つの電極を有する第1のサブリード線と、右心室の心尖に設置された少なくとも1つの電極を有する第2のサブリード線とを含有してもよい。
本開示の電極リード線システムの実施形態は、上大静脈の中に設置された第1の電極と、左心房の中に設置された第2の電極と、上大静脈の中に設置された第1の電極と、右心室の中に設置された第2の電極と、および/または肺動脈の中に設置された第1の電極と、左心房の中に設置された第2の電極とを含んでもよい。
いくつかのデバイスの実施形態では、少なくとも1つのセンサは、コントローラと通信している第1のセンサおよび第2のセンサを含んでもよく、第1のセンサは、心臓の電気的活動を測定するための電極である。少なくとも1つのセンサのうちの第2のセンサは、心臓の電気的活動を測定するための電極を含んでもよい。第2のセンサは、マイクロホン、血圧センサ、熱センサ、血液酸素化センサ、呼吸センサ、および加速度センサから成る群より選択される感知デバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動器のコントローラは、第1のセンサおよび第2のセンサから受信される信号に基づいて、細動の場所を決定するように構成されてもよい。コントローラは、複数の心電図信号に基づいて細動の場所を決定し、第1のセンサおよび第2のセンサから伝達される信号に基づいて心房細動の状態を決定するように構成されてもよい。コントローラは、多次元信号解析に基づいて、心房細動の状態を決定するように構成され、および/または心室細動の状態を検出し、心室細動状態が検出されたときに、少なくとも1つの除細動ショックを自動的に送達するように構成されてもよい。
本開示の電極リード線システムのいくつかの実施形態は、第1の対の電極を形成する第1の電極および第2の電極と、第2の対の電極を形成する第3の電極および第4の電極とを含んでもよく、第1の電圧は、第1の電界を形成するように、第1の電極および第2の電極にわたって印加され、第2の電圧は、第2の電界を形成するように、第3の電極および第4の電極にわたって印加される。第1の電界は、第2の電界に対してある角度を成してもよい。第1の電極および第2の電極にわたって印加される第1の電圧、ならびに第3の電極および第4の電極にわたって印加される第2の電圧は、同時に心臓に印加されなくてもよい。電極リード線システムは、いくつかの実施形態では、第1の対の電極を形成する、第1の電極および第2の電極と、第2の対の電極を形成する、第1の電極および第3の電極とを含んでもよく、第1の電圧は、第1の電界を形成するように、第1の電極および第2の電極にわたって印加され、第2の電圧は、第2の電界を形成するように、第1の電極および第3の電極にわたって印加される。そのような実施形態では、第1の電界は、第2の電界に対してある角度を成してもよく、および/または第1の電極および第2の電極にわたって印加される第1の電圧、ならびに第1の電極および第3の電極にわたって印加される第2の電圧は、同時に心臓に印加されなくてもよい。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのパルスは、
・実質的に同一極性、持続時間、および電圧を有する少なくとも2つのパルスを有する単相パルス列、
・実質的に同一極性および電圧を有する少なくとも第1のパルスおよび第2のパルスを有する、単相パルス列であって、第2のパルスは、第1のパルスよりも大きい電圧を有する単相パルス列、
・実質的に同一極性、持続時間、および電圧を有する2つのパルスを有する二相パルス列であって、二相パルス列は、実質的に同一極性および電圧を有する少なくとも第1のパルスおよび第2のパルスを有してもよく、第2のパルスは、第1のパルスよりも大きい電圧を有する、二相パルス列、
・交互する極性および実質的に同一持続時間を有する少なくとも3つのパルスを有する三相パルス列であって、各連続パルスの初期電圧は、先行パルスの最終電圧とほぼ等しいか、またはそれよりもわずかに小さい、三相パルス列、
・少なくとも3つのパルスを有する単相パルス列であって、各連続パルスの初期電圧は、先行パルスの最終電圧とほぼ等しいか、またはそれよりもわずかに小さい、単相パルス列、
・実質的に同一極性、電圧、および持続時間を有する少なくとも4つのパルスを有する、単相パルス列、
・実質的に同一極性、ならびに異なる電圧および持続時間を有する少なくとも3つのパルスを有する単相パルス列、
・交互する極性、ならびに実質的に同一電圧および持続時間を有する少なくとも3つのパルスを有する三相パルス列、
・交互する極性および実質的に同一持続時間を有する少なくとも3つのパルスを有する三相パルス列であって、各連続パルスの電圧は、先行パルスの電圧よりも大きい、三相パルス列、
・実質的に同一極性、電圧、および持続時間を有する少なくとも3つのパルスを有する単相パルス列であって、各パルス間の滞留時間は、各パルスの持続時間よりも実質的に長い、単相パルス列、
・異なる電圧および持続時間を有する少なくとも第1のパルス、第2のパルス、および第3のパルスを有する二相パルス列であって、第1のパルスおよび第2のパルスは、連続的であり、実質的に同一極性を有し、第1のパルスおよび第2のパルスの極性は、第3のパルスの極性とは異なる、二相パルス列、
・2ジュール未満の少なくとも第1のパルスを有し、組織インピーダンスを測定するために使用されるパルス列、および/または
・交互する極性、ならびに異なる電圧および持続時間を有する少なくとも3つのパルスを有する三相パルス列、
を含んでもよい。
いくつかのデバイスの実施形態では、電極リード線システムは、心房間中隔の中に設置された電極を含有する第1の単一リード線と、冠状静脈の中に設置された電極を含有する第2の単一リード線とを含んでもよい。
本開示のいくつかの実施形態は、心臓除細動システムを検討する。そのようなシステムは、患者に埋め込まれるように構成される除細動器を含んでもよい。除細動器は、少なくとも1本のリード線を有する電極リード線システムと、心臓の状態を感知し、状態を示す信号を発するように構成される少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサと通信し、心臓の状態が細動の状態のうちの1つであるか否かを信号から決定し、状態が細動の状態のうちの1つである場合に、コマンド信号を発するように構成されるコントローラと、コントローラおよび電極システムと通信し、コマンド信号を受信した後に、少なくとも1つの除細動パルスを電極システムに放電するように構成される電圧発生器であって、少なくとも1つの除細動パルスは、80ボルトよりも大きい電圧、および最大1000マイクロ秒の持続時間を有する、少なくとも1つのパルスを含む、電圧発生器と、除細動器と通信するように構成される、患者の外側に配置される通信デバイスとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、通信デバイスは、細動が検出されたことを患者に通知するように構成される通知回路を含んでもよい。通知回路は、細動が検出されたことを患者に通知するように、および除細動ショックに備えるよう患者に指図し、医療センターで医療処置を求めるよう患者に指図し、および/または悪化する心臓の状態について患者に通知するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、通信デバイスは、心房除細動ショックを開始するように構成され、および/または患者の心臓の状態について医療施設に通知するように構成されてもよい。通信デバイスは、患者の場所を決定するように構成される場所決定回路を含んでもよく、決定された場所を医療センターに通信するように構成される。通信デバイスは、短距離無線通信リンク上での埋込型除細動器との双方向通信のために構成され、および/または長距離無線通信リンク上での医療センターとの双方向通信のために構成されてもよい。長距離無線通信リンクは、セルラー方式通信リンクであってもよく、通信デバイスは、携帯電話であってもよい。長距離通信リンク上で伝達されるメッセージは、合成音声告知、事前録音音声告知、ショートメッセージサービス、マルチメディアメッセージサービス、および電子メールから成る群より選択されるメッセージであってもよい。
本開示のいくつかの実施形態は、埋込型除細動器で心臓の細動を除去するための方法を検討する。開示された主題による方法は、心臓内の細動の状態を検出するステップと、80から3000ボルトの間の電圧、および30から1000マイクロ秒の間の持続時間を有する電気パルスを規定するように、少なくとも1つの電気パルスパラメータを構成するステップと、少なくとも1つの電気パルスパラメータに従って、第1の電気パルスを生成するステップと、心臓の中または周囲に設置された少なくとも一対の電極を有する、電極リード線システムを使用して、第1の電気パルスを心臓に放電するステップとを含んでもよい。第1の電気パルスの放電は、少なくとも一対の電極にわたって、1センチメートル当たり100から700ボルトの間の電界強度を生成するステップを含んでもよい。いくつかの方法の実施形態は、心臓の中の心房が細動する時に、細動メッセージを医療センターに伝送するステップ、および/または決定回路を使用して、埋込型心臓除細動器の場所を決定するステップを含んでもよく、場所は、医療センターが埋込型除細動システムの場所を決定することを可能にする、細動メッセージに含まれる。いくつかの方法の実施形態は、第1の電気パルスを心臓の心房に放電する前に、埋込型心臓除細動器を使用して、薬剤を心臓に送達するステップを含んでもよい。いくつかの方法の実施形態は、第1の電気パルスを心臓の心房に放電する前に、第1の電気パルスについて患者に通知するように構成される通知回路を起動するステップを含んでもよい。
本開示のいくつかの方法の実施形態は、600ボルトよりも大きい電圧、および50から600マイクロ秒の間の持続時間を有する、少なくとも1つのパルスを心房に送達することによって、人間の心臓の心房の細動を除去しながら、苦痛を低減してもよい。
本開示のいくつかの方法の実施形態は、埋込型除細動器を使用して、心臓内の心室細動の状態を検出し、80から3000ボルトの間の電圧、および50から1000マイクロ秒の間の持続時間を有する電気パルスを規定するように、少なくとも1つの電気パルスパラメータを構成し、少なくとも1つの電気パルスパラメータに従って、第1の電気パルスを生成し、心臓の中または周囲に設置された少なくとも一対の電極を有する電極リード線システムを使用して、埋込型除細動器から心臓に第1の電気パルスを放電することによって、人間の心臓の心室の細動を除去することと関連付けられる、苦痛を低減してもよく、第1の電気パルスによって送達されるエネルギーの総量は、従来の除細動器によって送達されるものよりも低いエネルギーの量である2ジュール未満である。第1の電気パルスは、単相または二相であってもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動器自体は、電極リード線システムの電極の役割を果たしてもよい。エネルギー観点からのそのような除細動器の利点は、提携電源(例えば、バッテリ)のより長い寿命である。患者の不快感は、不発が起こるときの問題であり、また、そのような除細動器にとって重要な属性でもある。
本明細書で説明される主題の1つ以上の変化例の詳細が、添付図面および以下の説明で記載される。本明細書で説明される主題の他の特徴および利点は、説明および図面から、ならびに請求項から明白となるであろう。
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、埋込型心房除細動器のブロック図を示す。 図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、埋込型心房除細動器のブロック図を示す。 図1Cは、本開示のいくつかの実施形態による、埋込型心房除細動器のブロック図を示す。 図1Dは、本開示のいくつかの実施形態による、コントローラの実施形態を示す。 図2は、本開示のいくつかの実施形態による、除細動システムを示す。 図3Aは、本開示のいくつかの実施形態による、除細動閾値電圧対除細動ショックのパルス持続時間のチャートを示す。 図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、筋肉運動対除細動ショックのパルス持続時間のチャートを示す。 図3Cは、本開示のいくつかの実施形態による、送達されたエネルギー対除細動ショックのパルス持続時間のチャートを示す。 図4Aは、本開示のいくつかの実施形態による、単一の単相除細動パルスを示す。 図4Bは、本開示のいくつかの実施形態による、単一の二相除細動パルスを示す。 図5Aおよび5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、分岐した主要リード線を伴う埋込型除細動システムを示す。 図5Aおよび5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、分岐した主要リード線を伴う埋込型除細動システムを示す。 図6は、本開示のいくつかの実施形態による、単一の主要リード線上に単一の電極を伴う電極リード線システムの実施形態を示す。 図7Aおよび7Bは、本開示のいくつかの実施形態による、主要リード線上に単一の電極を伴う埋込型除細動システムを示す。 図7Aおよび7Bは、本開示のいくつかの実施形態による、主要リード線上に単一の電極を伴う埋込型除細動システムを示す。 図8は、本開示のいくつかの実施形態による、主要リード線上に複数の電極を伴う電極リード線システムの一実施形態を示す。 図9A〜9Dは、本開示のいくつかの実施形態による、主要リード線上に複数の電極を伴う埋込型除細動システムを示す。 図9A〜9Dは、本開示のいくつかの実施形態による、主要リード線上に複数の電極を伴う埋込型除細動システムを示す。 図9A〜9Dは、本開示のいくつかの実施形態による、主要リード線上に複数の電極を伴う埋込型除細動システムを示す。 図9A〜9Dは、本開示のいくつかの実施形態による、主要リード線上に複数の電極を伴う埋込型除細動システムを示す。 図10A〜10Eは、本開示のいくつかの実施形態による、放電電極および受容電極の例示的な場所を示す。 図10A〜10Eは、本開示のいくつかの実施形態による、放電電極および受容電極の例示的な場所を示す。 図10A〜10Eは、本開示のいくつかの実施形態による、放電電極および受容電極の例示的な場所を示す。 図10A〜10Eは、本開示のいくつかの実施形態による、放電電極および受容電極の例示的な場所を示す。 図10A〜10Eは、本開示のいくつかの実施形態による、放電電極および受容電極の例示的な場所を示す。 図11は、本開示のいくつかの実施形態による、心房除細動を行うための方法のフロー図を示す。 図12Aは、本開示のいくつかの実施形態による、除細動パルスを送達するために1つよりも多くの電極ペアを使用することによって、なぜ除細動効率が増大させられてもよいかを図式的に描写する。 図12Bおよび12Cは、本開示のいくつかの実施形態による、除細動電界を示す、埋め込まれた除細動電極を含有する患者の胴体の断面図である。 図12Bおよび12Cは、本開示のいくつかの実施形態による、除細動電界を示す、埋め込まれた除細動電極を含有する患者の胴体の断面図である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図13A〜13Oは、本開示の埋込型除細動器いくつかの実施形態に従って産生された、除細動パルス列波形である。 図14は、本開示のいくつかの実施形態による、肺静脈口付近に位置し、それぞれリード線を有する、2つの心臓除細動電極の1つの可能な実施形態を示す。
種々の図面中の類似参照記号は、類似要素を示す。
本明細書で説明される主題は、埋込型除細動システムを使用する、心臓の除細動に関し、その用途において、以下の開示に記載されるか、または例示的実施形態によって例示される詳細に限定されない。主題は、他の実施形態が可能であり、かつ種々の方法で実践または実行されることが可能である。また、明確にするために、別個の実施形態との関連で説明される、本開示の特徴もまた、単一の実施形態と組み合わせて提供されてもよい。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態との関連で説明される、本開示の種々の特徴もまた、別々に、または任意の好適な下位組み合わせで、または本開示の任意の他の説明した実施形態で好適であるように、提供されてもよい。種々の実施形態との関連で説明される、ある特徴は、実施形態がこれらの要素がないと動作不可能ではない限り、これらの実施形態の必須特徴と見なされるものではない。
かなりの苦痛が、心臓の除細動中に患者によって感じられる場合がある。証拠は、除細動ショック中の筋運動が、患者によって感じられる苦痛の量に正比例することを示唆している。出願者らによって行われた研究は、より高い振幅を有するが、既知の除細動システムによって産生されるものよりも低いパルス幅を有する除細動パルスを送達することによって、患者の胸部領域中の筋運動の量が減少させられ得、それが次に苦痛を低減することを示している。例えば、出願者らによって行われる1つの研究では、数頭のブタが、高電圧の短期間パルスを送達するように構成された除細動システムを装着された。そのようなシステムは、本明細書でより詳細に説明される。ブタは、麻酔され、様々な振幅およびパルス幅の除細動ショックが送達されている間に、心臓の周囲の筋運動を測定するように構成された加速度計を装着された。
結果は、図3A〜3Cに示されている。図3Aは、心臓の細動を止めることが可能な除細動ショックのパルス持続時間と対比した除細動閾値電圧を示す。xおよびy軸は、それぞれ、マイクロ秒単位のパルス持続時間、および除細動ショックの電圧を表す。図3Aは、細動を止めるのに成功した除細動ショックの電圧およびパルス幅を示す。これらのパルスは、二相および単相パルスを含み、図4Aおよび4Bを参照して以下でより詳細に説明される。図3Aに示されるように、除細動パルスのパルス幅が減少するにつれて、パルス幅の細動を除去するために必要とされる電圧の量が増加する。二相パルスに必要とされる電圧は、約200/200マイクロ秒を上回るパルス幅については比較的一定のままであり、より短いパルス幅については急速に増加する。本明細書で特定される二相パルスと関連付けられる全てのパルス幅値は、二相パルス幅の各相のパルス幅に対応する。パルス幅は、両方の相のパルス幅を表すように、「/」記号で表されても表されなくてもよい。単相パルスに必要とされる電圧は、パルス幅が約500マイクロ秒まで狭くなるにつれて、徐々に増加し、次いで、より短いパルス幅については急速に増加する。全体に、二相パルスに必要とされる電圧の量は、単相パルスのものよりも少ない。
図3Bは、除細動ショックのパルス持続時間と対比した心臓の周囲の筋運動を示す。XおよびY軸は、それぞれ、マイクロ秒単位のパルス幅、および心臓の周囲の筋肉の相対運動を表す。図3Bに示されるように、筋運動は、1000マイクロ秒よりも大きいパルス幅については実質的に一定のままである。しかしながら、予想外に、筋運動の量は、より短いパルス幅については有意に減少する。具体的には、単相パルスについて、パルス幅の筋運動は、600マイクロを下回るパルス幅については減少し、二相パルスについて、筋運動は、1000マイクロ秒を下回るパルス幅については減少する。筋運動の低減は、除細動ショックによって感じられる苦痛の対応する低減をもたらすと考えられる。したがって、より短いパルスと関連付けられる筋運動の減少は、本開示のデバイス、システム、および方法を用いて印加される除細動ショック中に感じられる、より少ない苦痛をもたらすと考えられる。しかしながら、図3Aに示されるように、心臓の細動を除去するために必要とされる除細動閾値電圧は、パルス幅が減少するにつれて増加する。
図3Cは、除細動ショックのパルス持続時間と対比したエネルギーの量を示す。XおよびY軸は、それぞれ、マイクロ秒単位のパルス幅、および除細動ショックのエネルギーを表す。図3Cに示されるように、二相パルスに必要とされるエネルギーの量は、パルス幅が約200マイクロ秒まで減少するにつれて減少する。予想外に、除細動エネルギーの量は、より短いパルス幅については急激に増加する。単相パルスについて、除細動エネルギーの量は、パルス幅が減少するにつれて徐々に減少する。全体に、二相パルスに必要とされる除細動エネルギーの量は、単相パルスのものよりも少ない。いずれか一方の波形のために送達されるエネルギーの量は、既知の除細動システムで送達されるエネルギーの量よりも低いことを示すことができる。苦痛を最小化することに加えて、より低いエネルギーの別の利点は、埋込型デバイスの小型化を可能にし、したがって、既知のシステムよりも小さい除細動システムの生産を可能にすることである。より小型のシステムが、例えば、経皮的に埋め込まれてもよい。また、より低いエネルギーレベルが、電源(例えば、バッテリ)の使用可能期間を延長し、および/またはより小型の電源の使用を可能にする。
したがって、パルス幅は、除細動ショックの結果として感じられる苦痛の量を低減するように減少させられてもよい。しかしながら、約50/50マイクロ秒よりも短い二相パルス幅、および約50マイクロ秒よりも短い単相パルスについて、除細動電圧の量は、除細動ショックが組織損傷を引き起こし得るようなものであってもよい。パルス幅は、最適な範囲内で維持されてもよい。本開示のいくつかの実施形態では、二相パルスの範囲は、50/50から600/600マイクロ秒の間であってもよく、除細動電圧は、80ボルト以上であってもよい。単相パルスの範囲は、50から600マイクロ秒の間であってもよく、除細動電圧は、80ボルト以上であってもよい。
本開示の実施形態は、100〜700ボルト/cmの電界強度を伴う電気パルスを使用して、心臓の細動を除去することによって、心房および/または心室除細動の苦痛および/または不快感を低減することを対象としてもよい。いくつかの実施形態では、パルス幅は、30〜50マイクロ秒であってもよい。いくつかの実施形態では、電気パルスは、少なくとも600ボルトの電圧を有してもよい。いくつかの実施形態では、電気パルスは、80ボルトよりも大きい電圧を有してもよい。除細動を行うために必要とされる電圧の量は、種々の生理学的要因に応じて、増加または減少させられてもよい。例えば、上述のように、図3Aおよび3Bに示されるデータは、ブタに行われた試験の結果である。これらの試験は、50から600マイクロ秒の間のパルスについて、80ボルトの除細動電圧が十分であってもよいことを示す。一方で、人間の心臓は、異なる除細動電圧を必要としてもよい。除細動電圧は、個別生体構造および個人の特定生理反応に応じて、より高く、または低くてもよい。したがって、除細動電圧は、それに応じて調整されてもよい。
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による埋込型除細動器(100)と、通信デバイス(160)とを含む埋込型除細動システム(105)のブロック図を示す。埋込型除細動器(100)は、患者の心臓の心房および/または心室の細動を除去するように構成されてもよい。埋込型除細動器(100)は、除細動器本体(110)と、電極リード線システム(120)とを含む。除細動器本体(110)は、電極リード線システム(120)に連結され得る。本明細書で使用されるような「連結される」という語句は、1つ以上の中間構成要素に直接連結されるか、または1つ以上の中間構成要素を通して間接的に接続されることを意味する。そのような中間構成要素は、ハードウェアおよびソフトウェアベースの両方の構成要素を含んでもよい。埋込型除細動器(100)の内部構造は、実施形態に応じて異なってもよく、いくつかの実施形態では、当技術分野で公知である内部構造であってもよい。埋込型除細動器(100)の構成例は、2009年2月11日に出願され、「Atrial Defibrillation Using an Implantable Defibrillation System」と題された、Livnatらへの国際公開第2009/108502号に提供され、その開示は、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。
本明細書で論議される埋込型除細動システム(105)は、埋込型小型心房除細動器、埋込型心臓除細動器、除細動インプラント、埋込型心臓除細動器、ペースメーカーシステム、心室除細動システム、心房除細動に使用される他のシステム、またはそれらの任意の組み合わせ等のいくつかの数の構成のうちのいずれかで実装されてもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動システム(105)は、ペースメーカーシステムおよび心房除細動器の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動システム(105)は、ペースメーカーシステムを含む複合心房/心室除細動システムであってもよい。
埋込型除細動器(100)は、通信リンク(130)を使用して外部通信デバイス(160)と無線で通信することが可能な通信回路(131)(例えば、送受信機)を含んでもよい。通信リンク(130)は、短距離および/または長距離能力を有してもよい。通信リンク(130)は、患者の身体と接触している外部デバイスと通信する超音波リンクであってもよい。いくつかの実施形態では、通信リンク(130)は、短距離無線周波数(「RF」)通信リンクであってもよく、インターフェースデバイスと通信するための専用プロトコルを使用してもよい。いくつかの実施形態では、通信リンク(130)は、Bluetooth(登録商標)技術またはワイヤレスフィディリティー(「Wi−Fi」)等の共通プロトコルを使用してもよく、外部デバイスは、例えば、携帯電話、メディアプレーヤ、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、他の手持ち式コンピュータデバイス、および同等物等のモバイルデバイス(すなわち、携帯用デバイス)であってもよい。
埋込型除細動器(100)の除細動器本体(110)は、生体適合性筐体またはエンクロージャ、キャニスタ、伝導性エンクロージャ、心房除細動器筐体、他の除細動本体、またはそれらの組み合わせであってもよい。除細動器本体(110)は、伝導材料から構築されてもされなくてもよい。例えば、除細動器本体(110)の全体、一部が、金またはチタン等の金属を含んでもよく、またはそれで被覆されてもよく、あるいは全く含まなくてもよく、または被覆されなくてもよい。除細動器本体(110)は、図1A〜1Cで描写される、および/または本明細書で説明される構成要素のうちの1つ、いくつか、または全てを封入してもよい。例えば、感知電子モジュール(112)が、除細動器本体(110)の外側に配置され、除細動器本体(110)内に封入されたコントローラ(113)に電気的に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、以下で論議されるように、除細動器本体(110)自体が、感知および/またはショック電極としての機能を果たしてもよい。
除細動器本体(110)は、心臓または周辺領域に埋め込まれるようにサイズ決定されてもよい。除細動器本体(110)は、肺静脈、鎖骨下ポケット、右心房、鎖骨下静脈枝、大静脈、または異なる場所内に埋め込まれるようにサイズ決定されてもよい。いくつかの実施形態では、除細動器本体(110)は、肺静脈、鎖骨下ポケット、右心房、または鎖骨下静脈枝の外側、周囲、または隣接に設置されるようにサイズ決定されてもよい。除細動器本体(110)の形状は、本明細書で開示されるシステム構成要素を封入する、箱、長方形の体積、または他の形状の体積であってもよい。除細動器本体(110)のサイズ(例えば、長さ、高さ、および/または体積)は、封入された構成要素のサイズに依存してもよい。いくつかの実施形態では、図1A〜1Cに示されるように、除細動器本体(110)は、少なくとも、コントローラ(113)、高電圧発生器(115)、ならびに高電圧コンデンサおよびスイッチマトリクスモジュール(119)を封入してもよい。モジュール(119)の高電圧コンデンサは、いくつかの実施形態によれば、低いエネルギーを貯蔵するようにサイズ決定されてもよい。本明細書で使用されるような「低いエネルギー」という語句は、0.1〜2ジュールの範囲の中または周囲のエネルギーを限定することなく含んでもよい。本明細書で使用されるような「高いエネルギー」という語句は、2ジュールを上回る範囲の中または周囲のエネルギーを限定することなく含んでもよい。低エネルギーコンデンサは、高エネルギーコンデンサよりも小さいサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、除細動器本体(110)は、20立方センチメートル未満、場合によっては、5〜15立方センチメートルであってもよい。
埋込型除細動器(100)は、少なくとも1つの電源(111)を含有してもよい。電源(111)は、埋込型除細動器(100)の他の構成要素のうちの1つ以上に電力を提供するバッテリ、電力パック、または他のデバイスであってもよい。電源(111)は、感知電子モジュール(112)、コントローラ(113)、高電圧発生器(115)、高電圧コンデンサおよびスイッチマトリクスモジュール(119)、またはそれらの任意の組み合わせに連結されてもよい。いくつかの実施形態では、電源(111)は、再充電可能であってもよい。いくつかの実施形態では、心房除細動コンデンサを充電するために必要とされる電源(111)は、心室除細動コンデンサを充電するための電源(111)よりも小さくてもよいが、感知電子モジュール(112)によって引き起こされる負荷が同様の状態のままであり得るので、電源(111)に対する比例するサイズ節約は、より小さくてもよい。電源(111)の周期的再充電は、バッテリのサイズを、実質的に除細動ショックを産生するために必要とされるサイズまで縮小し得る。交換または再充電される前にいくつかだけの除細動ショックを送達することを目的としているデバイスでは、電源(111)のサイズが大いに縮小されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の電源(111)が、除細動に必要とされるエネルギーを貯蔵するために使用されてもよい一方で、第2の電力(111)は、感知電子モジュール(112)および/またはコントローラ(113)に電力供給してもよい。電源(111)は、電源(111)が再充電されるために患者から除去される必要がないように、誘導的に再充電可能であってもよい。
いくつかの実施形態では、埋込型除細動器(100)はまた、心臓活動を感知し、活動が正常であるか、または細動状態を示すか否かを決定するように、感知した活動を処理し、1つ以上の高電圧除細動パルスを送達するための電子回路を含有してもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動器(100)およびその中の電子回路は、心房および心室細動を区別し、心臓の心房または心室が細動しているか否かに基づいて、それに応じて応答するように構成されてもよい。
除細動器本体(110)のいくつかの実施形態は、電極リード線システム(120)に接続される少なくとも1つの電気コネクタ(121)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電極リード線システム(120)は、主要リード線を有してもよい。主要リード線は、2本以上のサブリード線を有してもよい。例えば、図1Aに示される電極リード線システム(120)は、2本のサブリード線(123a)および(123b)を有する分岐した主要リード線(124)を含有する。サブリード線(123a)および(123b)は、図1Aに示されるように、それぞれ、電極(122a)および(122b)を含有してもよい。本開示によれば、主要リード線、サブリード線、ならびに主要リード線および/またはサブリード線上に設置された電極の数は無制限であり、所望の構成に応じて異なる。いくつかの実施形態では、図1Bに示されるように、電極リード線システム(120)は、単一の放電電極(125)および単一の受容電極(126)を有する単一の主要リード線(127)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動器(100)は、電極(125)から放電され、電極(126)で受容される1つ以上の電気パルスを生成してもよい。いくつかの実施形態では、電極リード線システム(120)は、それぞれ、電極(122a)および(122b)を含有する2本のサブリード線(123a)および(123b)を有する分岐した主要リード線(124)と、単一の放電電極(125)および単一の受容電極(126)を有する単一の主要リード線(127)とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、単一の主要リード線(127)は、放電電極(125)と受容電極(126)との間に設置される1つ以上の中心電極(128)を含有してもよい。同様の電極リード線システム構成はまた、図6および8に示され、本明細書でより詳細に論議される。
電極、センサ、またはそれらの組み合わせは、分岐した主要リード線(124)、単一の主要リード線(127)、および/または任意のサブリード線(例えば、123a、123b)に沿ったどこにでも配置されてもよい。分岐した主要リード線(124)、単一の主要リード線(127)、および/または任意のサブリード線(例えば、123aおよび123b)は、任意の好適な長さであってもよい。例えば、サブリード線(123a)は、サブリード線(123b)よりも長くてもよく、および/または分岐した主要リード線(124)ならびにサブリード線(123a)および(123b)は、全体で、単一の主要リード線(127)よりも長くてもよい。本開示の電極リード線システム(120)の実施形態のリード線および/またはサブリード線は、限定するものではなく、ワイヤ、ロッド、可撓性アーム、クランプ、あるいは患者の心臓内、その上、それに隣接して、またはその周囲において、その上に任意の電極を設置するための他のデバイスを含んでもよい。本開示の電極リード線システム(120)の実施形態のリード線および/またはサブリード線は、電気信号が、リード線および/またはサブリード線に沿って、その上に設置された1つ以上の電極に伝送されてもよいように導電性であり得る。電気信号は、心臓機能信号、電気パルス、および/または他の通信信号を含んでもよい。
コネクタ(121)は、噛合コネクタ、リード線コネクタ、または電極リード線システム(120)を除細動器本体(110)に連結するための他のコネクタを含んでもよい。例えば、図1A〜1Cに示されるように、コネクタ(121)は、分岐した主要リード線(124)および/または単一の主要リード線(127)を除細動器本体(110)の中の高電圧コンデンサおよびスイッチマトリクスモジュール(119)に接続する噛合コネクタであってもよい。いくつかの実施形態では、電極リード線システム(120)は、除細動器本体(110)に永久的に取り付けられてもよい。
本開示の実施形態は、患者の心臓の中、上、および/または周囲の電極は多数の構成を提供する。例えば、埋込型除細動器(100)のいくつかの実施形態は、心房除細動に使用される1つ以上の電極に加えて、心臓のペースを保つために左および/または右心房の中に1つ以上の電極を設置してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極は、右心室の中に設置され、心電図(ECG)を感知し、1つ以上の心室除細動パルスまたはパルス列を送達するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、除細動器本体(110)、またはその複数部分が、電極として使用されてもよい。いくつかの実施形態では、通信回路(131)は、無線周波数(RF)通信用のアンテナとして、電極リード線システム(120)の1本以上のリード線および/またはサブリード線を使用してもよい。埋込型除細動器(100)のいくつかの実施形態は、専用アンテナ、例えば、除細動器本体(110)内またはその外側に位置するコイル、ループ、またはダイポールアンテナを含んでもよい。リード線および/またはサブリード線上の1つ以上の電極は、埋込型除細動器(100)が埋め込まれた患者の心臓活動を監視するためのECG信号を感知するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、同一電極のうちの1つ以上が、ECGデータの感知および除細動パルスの送達または心臓ペーシングの両方に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極は、ECG信号感知専用であってもよい。
本開示のいくつかの実施形態によれば、埋込型除細動器(100)の感知電子モジュール(112)は、ECG信号を調節し(例えば、増幅し、および/またはフィルタにかけ)、心臓活動および他の身体機能を監視するように構成される1つ以上の感知電極を有してもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動器(100)は、患者の体温を監視する1つ以上の熱センサ、血液酸素化センサ、心臓および呼吸器系から発せられる音を監視するマイクロホン、呼吸センサ(例えば、容量センサ、または呼吸によるリード線またはサブリード線の屈曲を感知するセンサ)、および/または圧力センサ、血圧センサ、加速度センサ、または心臓機能信号を受信するための任意の他のセンサを限定することなく含む、当技術分野で公知の他のセンサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサ電子機器は、アナログ・デジタル変換器(ADC)を含んでもよい。
感知電子モジュール(112)は、除細動器本体(110)内に、またはその外側に配置されてもよい。感知電子モジュール(112)は、別個の構成要素であってもよく、または電極リード線システム(120)等の埋込型除細動器(100)の別の構成要素と統合されてもよい。いくつかの実施形態では、感知電子モジュール(112)は、例えば、心臓機能信号(例えば、ECG信号)をコントローラ(113)に提供することによって、電気パルスを送達するための電極および感知電子モジュール(112)の構成要素の両方として機能するように、電気コネクタ(121)に接続される電極を伴って構成されてもよい。いくつかの実施形態では、感知電子モジュール(112)は、静脈(例えば、大静脈)の中または心房の中に配置される圧力計に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の同一または異なる感知電子モジュール(112)が使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、感知電子モジュール(112)は、心臓機能信号を受信してもよい。心臓機能信号を受信することは、限定するものではなく、感知すること、検出すること、決定すること、監視すること、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、加速度計が、心臓の運動を感知してもよい。感知電子モジュール(112)は、心臓機能信号をコントローラ(113)に提供してもよい。コントローラ(113)は、心房および/または心室が細動の状態にあるか、または何らかの他の異常な心調律状態を体験しているか否かを決定するために、心臓機能信号を使用してもよい。いくつかの実施形態では、感知電子モジュール(112)は、心房および/または心室が細動の状態にあるか否かを決定し、心房および/または心室が細動していることを示す状態信号を発するために心臓機能信号を使用するプロセッサを含んでもよい。
埋込型除細動器(100)の実施形態は、信号調節および解析を行うためのコントローラ(113)を含んでもよい。コントローラ(113)は、感知電子モジュール(112)および他の任意的なセンサから心臓活動を示すデータを受信してもよく、および/または通信回路(131)からコマンドおよびデータを受信してもよい。コントローラ(113)は、ECG信号および他のセンサデータに基づいて、心臓活動の状態を決定し、適切なときに1つ以上の除細動パルスを産生するように、パルス生成回路を制御してもよい。いくつかの実施形態では、感知電子モジュール(112)およびコントローラ(113)は、心房が細動しているか否かを決定するために使用されてもよい。感知電子モジュール(112)は、例えば、複数の感知電極および/または他のセンサ(例えば、音響)を使用して、一式の測定値を感知してもよい。感知電子モジュール(112)は、心房細動が存在する確率を計算するコントローラ(113)に一式の測定値を伝送してもよく、その決定に基づいてコマンドを発行してもよい。
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による埋込型除細動器(100)の実施形態のブロック図を示す。図1Bに示される埋込型除細動器(100)は、図1Aおよび1Cに示される高電圧コンデンサおよびスイッチマトリクスモジュール(119)を含まない。代わりに、図1Bによる本開示の実施形態は、高電圧発生器(115)に連結され、高電圧発生器(115)によって所望の高い電圧まで充電されることが可能である少なくとも1つの高電圧コンデンサ(116a)を含んでもよい。図1Bに示される埋込型除細動器(100)はまた、高電圧コンデンサ(116a)に貯蔵された電圧を、埋込型除細動器(100)に連結された1つ以上の電極の中へ放電する高電圧スイッチ(118)を含んでもよい。
図1Bに示されるように、単一の主要リード線(127)上の放電電極(125)は、コネクタ(121)を介して高電圧コンデンサ(116a)から電圧を受容してもよい。この電圧はまた、単一の主要リード線(127)に沿って、受容リード線(126)に伝送され得る。リード線(127)は、放電電極(125)を受容電極(126)に連結し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ(113)は、放電電極(125)を含んでもよく、および/または除細動器本体(110)は、放電電極(125)を封入してもよい。いくつかの実施形態では、高電圧スイッチ(118)は、パルス持続時間を制御してもよい。図1Bに示される埋込型除細動器(100)はまた、パルス列を生成するための1つ以上の付加的な高電圧コンデンサ(116b)および(116c)を含んでもよい。パルス列の中のパルスは、同一または反対の極性、および/または異なる電圧およびパルス持続時間を有してもよい。埋込型除細動器(100)のいくつかの実施形態は、心房および/または心室細動が検出されたときに患者に警告するように、振動器またはブザー等の患者通知要素を有してもよい。
図1Cは、図1Aで描写される埋込型除細動器(100)の実施形態と実質的に同様であるが、図1Aに示されるものとは異なる電極リード線システム(120)の構成に連結される埋込型除細動器(100)の実施形態を示す。より具体的に、2本のサブリード線(123a)および(123b)を有する分岐した主要リード線(124)に加えて、図1Cは、単一の放電電極(125)および単一の受容電極(126)を有する、単一の主要リード線(127)も有する電極リード線システム(120)を示し、埋込型除細動器(100)は、電極(125)から放電され、電極(126)で受容される1つ以上の電気パルスを生成してもよい。
図1Dに示されるように、コントローラ(113)のいくつかの実施形態は、プロセッサ(151)と、メモリ(152)とを含んでもよい。コントローラ(113)は、埋込型除細動器(100)の構成要素を指図および制御するためのコンピュータ、処理システム、または回路であってもよい。コントローラ(113)は、感知電子モジュール(112)、高電圧発生器(115)、高電圧コンデンサおよびスイッチマトリクスモジュール(119)、電気コネクタ(121)、および/または電源(111)に連結されてもよい。コントローラ(113)は、電気パルスの生成を制御してもよい。いくつかの実施形態では、電気パルスは、100〜700ボルト/cmの電界強度、および/または600ボルト以上の放電電圧を有してもよい。いくつかの実施形態では、電気パルスは、80ボルト以上の放電電圧を有してもよい。コントローラ(113)はまた、放電された電気パルスのうちの1つ以上が、最大600マイクロ秒、いくつかの実施形態では最大1000マイクロ秒の持続時間を有するように、電気パルスの放電を制御してもよい。
プロセッサ(151)は、一般プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、アナログ回路、デジタル回路、それらの組み合わせ、または他の現在既知である、あるいは後に開発されるプロセッサであってもよい。プロセッサ(151)は、単一のデバイス、またはデバイスの組み合わせであってもよく、ネットワークまたは分散処理システムと関連付けられてもよい。多重処理、多重タスキング、並行処理、または同等物を限定することなく含む、種々の処理方策のうちのいずれかが使用されてもよい。処理は、ローカルまたは遠隔であってもよい。いくつかの実施形態では、通信デバイスが、プロセッサ(151)によって受信された信号を、受信した信号を処理するように動作可能である遠隔プロセッサに伝送するために使用されてもよい。プロセッサ(151)は、ソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコード、または同等物の一部として記憶される命令に応答してもよい。プロセッサ(151)は、図11に図示されるステップのうちの1つ以上を行うように動作可能であってもよい。
いくつかの実施形態では、プロセッサ(151)は、心房または心室が細動しているか否かを決定するように動作可能であってもよい。心臓が細動しているか否かを決定することは、感知電子モジュール(112)の中の1つ以上のセンサから1つ以上の心臓機能信号を受信することを含んでもよい。プロセッサ(151)は、心房および/または心室が細動しているかを決定するように、1つ以上の心臓機能信号を解析してもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ(151)は、心房および/または心室の現在の状態を表す空間点を、多次元空間と比較してもよい。多次元空間は、細動空間および非細動空間を示してもよい。空間点が非細動空間の中にあるとき、心房および/または心室は細動していない。空間点が細動空間の中にあるとき、心房および/または心室は細動している。
いくつかの実施形態では、プロセッサ(151)は、心臓の除細動の電気パルスパラメータを決定するように動作可能であってもよい。電気パルスパラメータは、放電電圧および電気パルス持続時間を含む。電気パルスパラメータは、放電時の電気パルスを規定する。いったん心臓が細動していることが決定されると、プロセッサ(151)は、電気パルスパラメータを含有するコマンド信号を生成し、限定するものではなく、高電圧コンデンサおよびスイッチマトリクスモジュール(119)および/または高電圧発生器(115)を含む、埋込型除細動器(100)の構成要素のうちの1つ以上に送達してもよい。いくつかの実施形態では、電気パルスパラメータは、1つ以上の放電電極と1つ以上の受容電極との間の電気パルスの電界強度の関数として決定され得る、少なくとも80ボルトの放電電圧を規定してもよい。いくつかの実施形態では、電界強度は、放電電極と受容電極との間の電圧差に比例し、2つの間の距離に反比例してもよい。したがって、放電電圧は、放電電極と受容電極との間の距離および所望の電界強度の関数として決定されてもよい。いくつかの実施形態では、放電電極と受容電極との間の距離は、図1Bに示されるように、それらの間の最短距離であってもよく、距離dは、放電電極(125)と受容電極(126)との間の最短距離である。いくつかの実施形態では、放電電極(125)と受容電極(126)との間の距離は、主要リード線(127)に沿った距離であってもよい。本開示のいくつかの実施形態によれば、放電電極と受容電極との間の距離は、2.0〜12.0センチメートルの範囲の中または周辺にあってもよく、あるいは任意の他の好適な距離であってもよい。
いくつかの実施形態では、プロセッサ(151)は、電気パルスパラメータのうちの1つ以上に従って、高電圧発生器(115)を起動して、高電圧コンデンサおよびスイッチマトリクスモジュール(119)の中の高電圧コンデンサのうちの1つ以上を充電するように動作可能であってもよい。高電圧発生器(115)は、コントローラ(113)からのコマンド信号で起動されてもよい。いくつかの実施形態では、高電圧発生器(115)は、少なくとも80ボルトの電圧、いくつかの実施形態では600ボルト以上、1000ボルト以上、1300ボルト以上、および/または最大3000ボルトの電圧まで、高電圧コンデンサのうちの1つ以上を充電するように制御されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の高電圧コンデンサは、600〜1000ボルト、1000〜1300ボルト、および/または1300〜3000ボルトの電圧まで充電されてもよい。本開示によれば、より高い電圧が、効果的に心臓の細動を除去するように、より短い除細動パルス幅と組み合わせられてもよい。いくつかの実施形態では、電気パルス高電圧発生器(115)によって提供される電気パルスは、100〜700ボルト/cmの電界強度を有してもよく、埋込型除細動器(100)の中の構成要素のサイズを縮小するよう、低いエネルギーを有してもよい。100〜700ボルト/cmの電界強度を伴う電気パルスはまた、患者の心臓を損傷することなく、電気パルスが心臓の細動を除去することを確実にしてもよい。場合によっては、100ボルト/cm未満の電界強度は、心臓の細動を除去するのに無効となり得て、700ボルト/cmよりも大きい電界強度は、患者の心臓を著しく損傷し得る。いくつかの実施形態では、高電圧発生器(115)によって提供される電気パルスは、100〜300ボルト/cmの電界強度または300〜700ボルト/cmの電界強度を有してもよい。いくつかの実施形態では、高電圧コンデンサおよびスイッチマトリクスモジュール(119)は、1つ以上の電気パルスをモジュール(119)のスイッチマトリクスに提供するように動作可能である、コンデンサバンクを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、コントローラ(113)は、図1Bの参照数字(118)によって描写されるように、高電圧スイッチを起動するように動作可能であってもよい。高電圧スイッチ(118)を起動することは、高電圧コンデンサ(116a)、(116b)、および/または(116c)等の1つ以上の高電圧コンデンサから電気コネクタ(121)および電極リード線システム(120)へ、エネルギーを放出することを含んでもよい。高電圧コンデンサによって提供される1つ以上の電気パルスの持続時間は、コントローラ(113)によって制御されてもよい。各電気パルスの持続時間は、限定するものではなく、30〜100マイクロ秒、30〜50マイクロ秒、50〜70マイクロ秒、および/または70〜100マイクロ秒の持続時間(すなわち、パルス幅)を含む、最大600マイクロ秒であってもよい。
電気パルスのパルス形状もまた、コントローラ(113)によって制御されてもよい。図4Aおよび4Bに示されるように、電気パルスは、単相および/または二相であってもよい。単相パルス(405)が図4Aに示されている。二相パルス(410)が図4Bに示されている。パルス(405)および(410)の振幅は、パルス(405)および(410)のパルス幅内で実質的に一定のままであってもよい。いくつかの実施形態では、二相パルス(410)の負荷サイクルは、約50%であってもよく、パルスの各相の振幅とは異なってもよい。図4Bに示されるように、除細動ショック後の心臓への正味電荷が実質的にゼロであるように、正相の電圧およびマイクロ秒単位のパルス幅によって画定される曲線の下の面積は、負相の電圧およびマイクロ秒単位のパルス幅によって画定される曲線の下の面積に等しくてもよい。
以下の表1および2は、本開示の実施形態による、心臓の細動を除去するために利用されてもよい、例示的な電圧およびパルス幅の組み合わせを図示する。
以下の表3は、本開示の実施形態による、心臓の細動を除去するために利用されてもよい、例示的な電界強度およびパルス幅の組み合わせを図示する。
プロセッサ(151)は、電気パルス列の放電を制御するように動作可能であってもよい。電気パルス列は、1つ以上の電気パルスを含んでもよい。電気パルス列の中の電気パルスは、同一または異なるパルス幅、放電電圧、および/または電界強度値を有してもよい。いくつかの実施形態では、電気パルス列は、第1の電気パルスおよび第2の電気パルスを含んでもよい。第1の電気パルスおよび第2の電気パルスは、少なくとも80ボルトである放電電圧、および少なくとも50〜600マイクロ秒のパルス幅を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の電気パルスは、少なくとも1000ボルトの放電電圧、および30〜100マイクロ秒のパルス幅を有してもよく、第2の電気パルスは、600ボルト未満の放電電圧、30マイクロ秒未満または100マイクロ秒よりも長いパルス持続時間、あるいはそれらの組み合わせを有してもよい。
いくつかの実施形態では、コントローラ(113)は、限定することなくコンピュータ可読記憶媒体を含む、メモリ(152)を有してもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、揮発性および/または不揮発性メモリを含んでもよい。メモリ(152)は、単一のデバイス、またはデバイスの組み合わせであってもよい。メモリ(152)は、プロセッサ(151)に隣接してもよく、その一部であってもよく、それとネットワーク接続されてもよく、および/またはそれから遠隔にあってもよい。メモリ(152)は、情報、信号、または他のデータを記憶してもよい。図1Dに示されるように、メモリ(152)は、情報、信号、または他のデータを記憶するために使用される、記憶装置(157)を含んでもよい。例えば、記憶装置(157)は、ECGデータ、監視された生体信号、患者事象、デバイス活動のログ、状態事象、および動作パラメータを記憶するために使用されてもよい。心房除細動に関する、または関係しない他の情報またはデータが、記憶装置(157)に記憶されてもよい。
いくつかの実施形態では、メモリ(152)は、プロセッサ(151)に対する命令を記憶してもよい。プロセッサ(151)は、命令でプログラムされ、命令を実行してもよい。図に図示される、または本明細書で説明される機能、行為、方法、またはタスクは、メモリ(152)に記憶された命令を実行するプロセッサ(151)によって行われてもよい。機能、行為、方法、またはタスクは、特定の種類の命令セット、記憶媒体、プロセッサ、または処理方策から独立していてもよく、単独で、または組み合わせて動作する、ソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコード、および同等物によって行われてもよい。命令は、本明細書で説明される過程、技法、方法、または行為を実装するために構成されてもよい。
図1Dに示されるように、メモリ(152)は、決定するための命令(153)、生成するための命令(154)、放電するための命令(155)、および通信するための命令(156)を含んでもよい。メモリ(152)は、付加的な、異なる、またはより少ない命令を含んでもよい。決定するための命令(153)は、患者の心臓の細動を決定することに関し、心房および/または心室が細動しているか否かを決定するように実行されてもよい。いくつかの実施形態では、決定するための命令(153)は、センサによって提供され得る信号を処理して、心房および/または心室が細動しているか否かを決定するように実行されてもよい。生成するための命令(154)は、1つ以上の電気パルスを生成することに関し、80ボルト以上の電圧、最大1000マイクロ秒のパルス幅、および/または100〜700ボルト/cmの電界強度を有する、1つ以上の電気パルスを生成するように実行されてもよい。したがって、生成するための命令(154)は、1つ以上の高電圧コンデンサを充電して高電圧パルスを放電するよう、埋込型除細動器(100)の高電圧発生器(115)に命令するように実行されてもよい。放電するための命令(155)は、高電圧パルスを放電することに関し、80ボルト以上の電圧、最大1000マイクロ秒のパルス幅、および/または100〜700ボルト/cmの電界強度を有する、1つ以上の電気パルスを、1つ以上の電極に送達するように実行されてもよい。通信するための命令(156)は、通信デバイスと通信することに関し、除細動システム(105)の中、周囲、および/または外側で、通信デバイス(160)等の通信デバイスと通信するように実行されてもよい。
いくつかの実施形態では、埋込型除細動器(100)の高電圧発生器(115)は、図1Aおよび1Cに示されるような高電圧コンデンサおよびスイッチマトリクスモジュール(119)の1つ以上の高電圧コンデンサ、いくつかの実施形態では、図1Bに示されるような1つ以上の高電圧コンデンサ(116a〜116c)を充電してもよい。埋込型除細動器(100)の高電圧コンデンサは、電気パルスパラメータに従って電気パルスを1つ以上の電極を提供するように、エネルギーを貯蔵してもよい。いくつかの実施形態では、高電圧発生器(115)は、放電電共に提供され得る、少なくとも80ボルトの電圧を有する、電気パルスを提供するように、1つ以上の高電圧コンデンサを充電してもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動器(100)は、高電圧発生器(115)、単一の高電圧コンデンサ、および高電圧スイッチを含んでもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動器(100)は、パルス列の形態で電気パルスの選択的放電を提供するエネルギーを貯蔵するために、1つよりも多くのコンデンサが使用される、コンデンサバンクを含んでもよい。
本開示のいくつかの実施形態による、図1Bに示されるような高電圧スイッチ(118)は、1つ以上の高電圧コンデンサ(116a〜116c)からエネルギーを放出するように、コントローラ(113)または起動回路によって起動されてもよい。コントローラ(113)は、高電圧コンデンサ(例えば、116a)が特定の電圧まで充電されたときに、高電圧スイッチ(118)を起動してもよい。いくつかの実施形態では、高電圧スイッチ(118)は、1つ以上の高電圧コンデンサ(例えば、116a〜116c)が1つ以上の特定の電圧まで充電されたときに高電圧スイッチ(118)を起動する、起動回路を含んでもよい。起動回路は、ガス放電管、シリコン制御整流器、および/または光起動式シリコン制御整流器を含んでもよい。いったん起動されると、高電圧スイッチ(118)は、高電圧コンデンサが、除細動ショックを放電して、埋込型除細動器(100)の電極リード線システム(120)の1つ以上の電極に送ることを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、高電圧スイッチ(118)は、除細動パルス中に高電圧極性を逆転させ、および/またはコンデンサが充電している間に細動が止まった場合に、1つ以上の高電圧コンデンサ(例えば、116a〜116c)を安全に放電してもよい。
埋込型除細動器(100)のいくつかの実施形態は、図1A〜1Cに示されるように、埋込型除細動器(100)が、外部に位置する通信デバイス(160)と通信することを可能にする、通信回路(131)を含んでもよい。通信デバイス(160)は、比較的長い距離にわたって情報を通信するように構成される、携帯電話またはスマートフォン等のデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、通信回路(131)は、埋込型除細動器(100)から10メートル以上離れた通信デバイス(160)と無線通信するように構成されてもよい。通信回路(131)は、通信デバイス(160)との通信を可能にする、Bluetooth(登録商標)プロトコルまたは任意の他のプロトコルを実装してもよい。動作中、通信回路(131)は、埋込型除細動器(100)を往復して、トリガ情報、警告信号、距離情報、電圧差情報、ソフトウェア更新、細動メッセージ、および/または他のメッセージ等の情報を通信するために利用されてもよい。いくつかの実施形態では、通信デバイス(160)は、有線接続を介して埋込型除細動器(100)と通信してもよい。埋込型除細動器(100)と通信デバイス(160)との間の通信は、一方向あるいは双方向であってもよく、および/または半二重あるいは全二重であってもよい。
埋込型除細動器(100)はまた、通信デバイス(160)への情報の伝達を開始する、および/または通信デバイス(160)からの要求に応答するように構成されてもよい。通信は、埋込型除細動器(100)をプログラムする、設定する、および/または監視する、ならびに、機能性を立証するように、および埋込型除細動器(100)からの患者心臓活動およびデバイス活動データ等の記憶された情報ダウンロードするように、アラームデータについて埋込型除細動器(100)に問い合わせを行う、または質問するために使用されてもよい。
図2は、本開示の主題による、埋込型除細動器(100)の実施形態を使用する除細動システム(200)を示す。システム(200)のいくつかの実施形態では、埋込型除細動器(100)は、患者(210)に埋め込まれてもよい。1つ以上の電極は、患者(210)の心臓(212)の中、上、または周囲に設置されてもよい。システム(200)は、外部通信デバイス(232)、インターフェースデバイス(260)、およびサーバ(240)を含んでもよく、その全ては、相互と無線通信していてもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動器(100)は、例えば、起こり得る細動状態に関するデータをサーバ(240)に伝送するように、サーバ(240)と直接、あるいは外部通信デバイス(232)および/またはインターフェースデバイス(260)を介して通信してもよい。
システム(200)の埋込型除細動器(100)は、外部通信デバイス(232)と通信してもよい。埋込型除細動器(100)と外部通信デバイス(232)との間の通信は、短距離および/または長距離通信であってもよい。外部通信デバイス(232)は、データおよび音声情報の両方を伝送および受信することが可能な双方向コミュニケータとして構成されてもよく、あるいは代替として、外部通信デバイス(232)は、データのみまたは音声情報のみを伝送および受信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、外部通信デバイス(232)は、キーパッド、タッチスクリーン、スクロールホイール、またはマイクロホン等の1つ以上のユーザ入力を含んでもよい。外部通信デバイス(232)のいくつかの実施形態は、表示画面、スピーカ、振動機構、および/または発光構成要素(例えば、発光ダイオード)等の1つ以上のユーザ出力を有してもよい。外部通信デバイス(232)はまた、外部通信デバイス(232)の場所を決定するためのGPS受信機を含んでもよい。外部通信デバイス(232)は、携帯電話、スマートフォン、または任意の他の手持ち式コンピュータデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、外部通信デバイス(232)はまた、衛星通信デバイスであってもよい。
いくつかの実施形態では、埋込型除細動器(100)は、図2に示されるように、通信リンク(130)を介して外部通信デバイス(232)と通信してもよい。埋込型除細動器(100)は、いくつかの実施形態では、インターフェースデバイス(260)を介して外部通信デバイス(232)と通信してもよい。いくつかの実施形態では、インターフェースデバイス(260)は、外部通信デバイス(232)内に埋め込まれたアプリケーションであってもよい。いくつかの実施形態では、外部通信デバイス(232)および/またはインターフェースデバイス(260)は、埋込型除細動器(100)のソフトウェアおよび/またはハードウェア構成要素のいずれか一方として、埋込型除細動器(100)自体内に埋め込まれてもよい。本開示の他の実施形態は、埋込型除細動器(100)、サーバ(240)、および/または外部通信デバイス(232)と無線通信している別個の構成要素として、インターフェースデバイス(260)を検討する。そのような実施形態では、インターフェースデバイス(260)は、任意の形状またはサイズであってもよい。インターフェースデバイス(260)は、患者(210)の心臓(212)の中または周囲での慎重な配置のために小型であってもよい。インターフェースデバイス(260)は、いくつかの実施形態では、主に埋込型除細動器(100)と外部通信デバイス(232)との間のインターフェースを提供するために使用されてもよく、したがって、いずれのユーザ入力または出力も含有しなくてもよい。他の実施形態では、インターフェースデバイス(260)は、サーバ(240)と直接通信してもよい。インターフェースデバイス(260)は、スイッチまたはボタン等のユーザ入力と、表示画面、スピーカ、および/または振動機構等のユーザ出力とを含んでもよい。インターフェースデバイス(260)を介した埋込型除細動器(100)と外部通信デバイス(232)との間の通信は、短距離チャネルを使用することを伴ってもよい。図2に示されるように、埋込型除細動器(100)は、短距離チャネル(130a)を介してインターフェースデバイス(260)と通信してもよく、インターフェースデバイス(260)は、短距離チャネル(130b)を介して外部通信デバイス(232)と通信してもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動器(100)、インターフェースデバイス(260)、および外部通信デバイス(232)を接続するチャネルは、長距離チャネル、または短距離および長距離チャネルの組み合わせであってもよい。
図2はまた、外部通信デバイス(232)が長距離通信チャネル(230)を介してサーバ(240)と通信し得ることも示す。例えば、外部通信デバイス(232)は、セルラーRFチャネル等の長距離通信チャネル(230)上で基地局(234)と通信し、チャネル(236)上でサーバ(240)に接続する携帯電話であってもよい。チャネル(236)は、固定電話回線、携帯電話回線、またはインターネット等の他の通信チャネルであってもよい。いくつかの実施形態では、外部通信デバイス(232)は、世界中のどこからでもサーバ(240)と通信することが可能な衛星通信デバイスであってもよい。サーバ(240)は、医療センター、病院、および同等物、ならびにコンピュータ、病院用機器、および任意のそのような施設に位置する人員を構成してもよい。
いくつかの実施形態では、サーバ(240)は、チャネル(236)(例えば、固定電話または携帯電話回線)上で救助隊(250)(例えば、医療チーム、救急救命士、および/または救急車)と通信し、救助隊(250)を患者(210)の場所へ方向付けてもよい。いくつかの実施形態では、外部通信デバイス(232)は、救助隊(250)と直接通信してもよい。伝達したメッセージは、患者の心臓が細動していること、および電気パルスが自動的に放電された、または放電されることを示す細動メッセージであってもよい。細動メッセージは、患者を識別する情報、患者の年齢および性別、および/または医療技術者が患者の状態に対処するために最善の手順を決定することを可能にする他の情報等の、他の情報を含んでもよい。他のメッセージが伝達されてもよい。例えば、合成音声告知および/または事前録音音声告知を有する電話メッセージ、ショートメッセージサービス(SMS)テキストメッセージ、セッション初期化プロトコルメッセージ、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)メッセージ、電子メール(eメール)メッセージ、または他の種類の音声あるいはデータメッセージが伝達されてもよい。代替として、外部通信デバイス(232)からのメッセージは、サーバ(240)による、そのような音声、SMS、および他のメッセージの生成および伝送を誘起するサーバ(240)によって認識可能なコードであってもよい。
いくつかの実施形態では、医療技術者が、通信デバイス(160)を介して除細動パルスを開始するように、コマンドメッセージを埋込型除細動器(100)に伝達してもよい。例えば、患者が細動を体験していることを示す細動メッセージが、病院の医療スタッフに伝達されてもよい。いったん患者が病院に到着すると、主治医が、放電パルスを生成するよう埋込型除細動器(100)に命令するように、通信デバイス(160)を介して、コマンドメッセージを埋込型除細動器(100)に伝達してもよい。これは、有利なことに、主治医が患者の心臓の除細動を管理することを可能にする。いくつかの実施形態では、付加的な、異なる、またはより少ない構成要素が、埋込型除細動器(100)の中で提供されてもよい。例えば、埋込型除細動器(100)は、マイクロホン、通知回路、位置デバイス、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。マイクロホンは、患者の身体と接触している超音波振動子から情報を受信するために利用されてもよい。
通知回路は、電気パルスを放電する前に、差し迫った放電について患者に警告するように構成される振動デバイスまたは音響でバイスに対応してもよい。例えば、通知回路は、細動が検出されたことを患者に警告するように、アラームを生成してもよい。警告は、放電の1秒以上前に提供されてもよい。したがって、患者は、例えば、運転しているときに、車を道路の脇に寄せることによって、電気パルスに備える時間を有してもよい。一実施形態では、警報は、患者が病院または医療施設に行くことを知り、病院または医療施設に到着する時間を有するように提供されてもよい。いったん病院または医療施設に着くと、除細動が医療専門家の監視下で行われるように、放電パルスが自動的に、または手動で放電されてもよい。この実施例では、検出およびアラームは自動である一方で、除細動電気パルスまたはパルス列の放電は手動である。
位置デバイスは、患者の地理的位置を決定するように構成される。例えば、位置デバイスは、全地球測位回路を含んでもよい。位置デバイスは、埋込型除細動器(100)の場所を決定するように動作可能である。場所は、病院または医療施設におけるコンピュータネットワーク等のサーバ(240)に伝送されてもよい。例えば、通信デバイス(160)は、細動メッセージをサーバ(240)に伝送してもよい。細動メッセージは、埋込型除細動器(100)が患者に埋め込まれているため、患者の場所を含んでもよい。
いくつかの実装では、マイクロホン、通知デバイス、および/または位置デバイスは、除細動器本体(110)内に位置する。他の実装では、マイクロホン、通知デバイス、および/または位置デバイスは、患者の外部に位置する。例えば、種々のデバイスが、外部通信内に位置してもよい(図2の参照数字232を参照)。いくつかの実施形態では、マイクロホン、通知デバイス、および/または位置デバイスを利用する機能が、そのようなハードウェアを装備したモバイルデバイス上で動作するように構成されるアプリケーションによって実装されてもよい。例えば、携帯電話は、GPSハードウェア、マイクロホン、スピーカ、および/または本明細書で説明される任意の他のハードウェアを装備したスマートフォンに対応してもよい。マイクロホン、通知デバイス、および/または位置デバイスと関連付けられる、上記の機能を実装するための1つ以上のアプリケーションは、モバイルデバイス(例えば、携帯電話)のプロセッサ上に記憶され、それによって実行されてもよい。患者の体外でのこれらの構成要素の配置は、除細動器本体(110)のサイズが縮小されることを可能にする。いくつかの実施形態では、埋込型除細動器(100)は、埋込型除細動器(100)の1つ以上の電極を心臓の壁に接続するように動作可能なフックデバイスを含んでもよい。
本開示の主題によれば、本明細書で説明される実施形態の電極は、(例えば、感知電子モジュール(112)を用いて)細動を感知するため、および/または(例えば、高電圧発生器(115)、高電圧コンデンサおよびスイッチマトリクスモジュール(119)、高電圧コンデンサ(116a〜116c)、および/または高電圧スイッチ(118)を用いて)心臓にショックを与えるために使用されてもよい。電極は、限定するものではなく、右心房(例えば、房室(AV)結節付近)、左心房(例えば、右心房および冠状静脈洞口を介した冠状静脈洞の中)、肺動脈弁付近の右心室(例えば、右心房および三尖弁を介して)、肺動脈弁付近の肺動脈(例えば、右心房および三尖弁を介して、右心室を通して、および肺動脈弁を通して)、右心室の心尖、またはそれらの任意の組み合わせを含む、心臓の種々の部分の中、上、または周囲に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、右心室の心尖は、細動を感知するためだけに使用されてもよい。一実施形態では、除細動器本体(110)自体が、感知および/またはショック電極として使用されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電極が、感知および/またはショックに使用されてもよく、2つ以上の電極の任意の組み合わせが、ショックおよび/または感知機能性を提供するように組み合わせられてもよい。
図1A〜1C、6、および8は、本開示の主題による電極リード線システムの構成例を示す。図5A、5B、7A、7B、9A〜9D、および10A〜10Eは、本開示の主題による、心臓の中、上、および周囲の電極配置の構成例を示す。これらの実施例は、限定的ではなく、電極リード線システム(120)の他の実施形態および/または他の電極配置構成が、心臓の細動を除去するために使用されてもよい。
図5Aおよび5Bは、心臓(580)の細動を除去するための除細動器(510)および分岐したリード線(520)を有する電極リード線システム(500)を図示する。図5Aは、鎖骨下静脈の側枝の中に位置している除細動器(510)、および鎖骨下静脈を横断し、大静脈の中へ入り、大静脈から心臓(580)の中へ入る分岐したリード線(520)を示す。いくつかの実施形態では、除細動器(510)および/または分岐したリード線(520)は、大静脈の中のみに設置されてもよい。分岐したリード線(520)は、2本以上のサブリード線を有してもよい。図5Aは、電極(535)を含有する第1のサブリード線(530)、および電極(545)を含有する第2のサブリード線(540)を有する、実施形態を描写する。第1のサブリード線(530)の電極(535)は、右心房の中に設置され、第2のサブリード線(540)の電極(545)は、右心室の中に設置される。いくつかの実施形態では、第2のサブリード線(540)は、三尖弁を通って右心室に進入してもよい。いくつかの実施形態では、第1のサブリード線(530)および/または第2のサブリード線(540)の遠位端は、電極(535)および/または電極(545)が右心房および/または右心室の壁に接触するように、右心房の壁(例えば、AV結節または洞房(SA)結節を含む種々の場所で)および/または右心室の壁に取り付けられてもよい。図5Bは、第2のサブリード線(540)の電極(545)が、右心室よりもむしろ左心房の中に設置されていることを除いて、図5Aに示されるものと同様の構成を示す。いくつかの実施形態では、第2のサブリード線(540)は、冠状静脈洞を通して、かつ肺動脈弁の付近で、左心房に挿入されてもよい。
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、電極リード線システム(600)の構成を示す。システム(600)は、電極リード線(610)の一端に配置された受容電極(630)を有してもよい。電極リード線(610)は、主要リード線(650)を含んでもよい。電極、センサ、および/またはそれらの組み合わせが、主要リード線(650)上に配置されてもよい。主要リード線(650)は、心臓の心房および/または心室の細動を除去するために除細動器(620)に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、除細動器(620)は、特殊コネクタ(図示せず)を介してシステム(600)に接続されてもよい。除細動器(620)は、システム(600)から外され、例えば、現在のペースメーカーおよび/または除細動器と同様に、経皮的に埋め込まれてもよい。
図7Aおよび7Bは、心臓(780)の右心房内に埋め込まれた除細動器(700)を示す。いくつかの実施形態では、除細動器(700)は、電極(740)、および、電極リード線(720)の遠位端に配置された電極(730)を含有する電極リード線(720)を有する電極リード線システム(710)の役割を果たしてもよく、またはそれらを含んでもよい。除細動器(700)は、右心房の中に設置され、いくつかの実施形態では、右心房の壁に取り付けられてもよく、それにより、電極(740)が右心房壁に直接接触する。電極リード線(720)は、三尖弁を通って右心室に進入し、電極(730)が右心室壁に直接接触するように、右心室の壁に固着されてもよい。図7Bは、電極(730)が右心室よりもむしろ左心房の中に設置されていることを除いて、図7Aに示されるものと同様の構成を示す。いくつかの実施形態では、電極リード線(720)は、冠状静脈洞を通して、かつ肺動脈弁の付近で、左心房に挿入されてもよい。
図8は、ピグテールリード線構成を有する電極リード線システム(800)を示す。複数の電極、センサ、またはそれらの組み合わせが、主要リード線(810)上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、中心電極(820)が、受容電極(830)と除細動器(840)との間のリード線(810)上に配置されてもよい。中心電極(820)は、感知電極(例えば、感知電子モジュール112の一部)、または電気パルスを放電するための放電電極であってもよい。いくつかの実施形態では、除細動器(840)は、特殊コネクタ(図示せず)を介してシステム(800)に接続されてもよい。除細動器(840)は、システム(800)から外され、例えば、現在のペースメーカーおよび/または除細動器と同様に、経皮的に埋め込まれてもよい。
図9Aは、心臓(980)内に設置された中心電極(930)および遠位電極(940)を有する主要リード線(920)を有する電極リード線システム(900)の実施形態を示す。主要リード線(920)は、鎖骨下静脈の側枝の中に位置する除細動器(910)に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、主要リード線(920)は、図9Aに示されるように、大静脈を通って右心房の中へ、心臓(980)に進入してもよい。中心電極(930)は、右心房の中に設置されてもよく、遠位電極(940)は、三尖弁を通して右心室に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、遠位電極(940)は、肺動脈弁付近の右心室の壁に固着されてもよい。図9Bは、遠位電極(940)が右心室よりもむしろ左心房の中に設置されていることを除いて、図9Aに示されるものと同様の構成を示す。いくつかの実施形態では、遠位電極(940)は、冠状静脈洞を通して、肺動脈弁付近の左心房に挿入されてもよい。
図9Cは、電極リード線システム(900)の別の実施形態を示し、主要リード線(920)は、心臓(980)内に設置された第1の中心電極(930)、第2の中心電極(935)、および遠位電極(940)を有する。いくつかの実施形態では、除細動器(910)は、鎖骨下静脈の側枝の中に位置してもよい。主要リード線(920)は、大静脈を通って心臓に進入してもよい。感知電極および/または放電電極であってもよい、第1の中心電極(930)は、右心房の中に設置されてもよい。さらに、主要リード線(920)の中心部分が、右心室内に第2の中心電極(935)を設置するよう、三尖弁を通して右心室に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の中心電極(935)は、肺動脈弁付近の右心室壁に固着されてもよい。また、図9Cに示されるように、主要リード線(920)の受容部が、肺動脈内に遠位電極(940)を設置するよう、肺動脈弁を通して肺動脈に挿入されてもよい。
図9Dは、電極リード線システム(900)の別の実施形態を示し、主要リード線(920)は、分岐し、心臓(980)内に設置された第1の電極(936)を有する第1のサブリード線(934)、および第2の電極(946)を有する第2のサブリード線(944)を有する。いくつかの実施形態では、除細動器(910)は、鎖骨下静脈の側枝の中に位置してもよく、主要リード線(920)は、大静脈を通って心臓に進入してもよい。図9Dに示されるように、第1の電極(936)は、右心室内に、いくつかの実施形態では心尖(980)の付近に設置されてもよく、それは、心室除細動のために特に有利であってもよい。第2のサブリード線(944)は、左心房の中に第2の電極(946)を設置するよう、冠状静脈洞を通して、肺動脈弁付近の左心房に挿入されてもよい。
図10A〜10Eは、本開示の実施形態による電極配置構成を示す。電極は、感知電極および/またはショック電極であってもよい。図10A〜10Eに示される各電極の位置は、電極自体の位置、または電極によって提供される電気ショックの送達場所を表してもよい。例えば、電極は、冠状静脈洞(または左心房を包囲する静脈のうちの1つ)の中に設置され、電気ショックを左心房に提供してもよい。図10Aは、右心房の中のAV結節およびSA結節付近に位置する第1の電極(1020)を示す。第1の電極(1020)は、大静脈を通して右心房に挿入されてもよい。第2の電極(1030)は、左心房の中に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の電極(1030)は、肺動脈弁付近の左心房の壁に、または心房内中隔に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の電極(1030)は、冠状静脈洞を介して左心房に挿入されてもよい。
図10Bは、肺動脈弁付近の右心室の中に位置する第1の電極(1020)を示す。第1の電極(1020)は、大静脈および三尖弁を通して右心室に挿入されてもよい。第2の電極(1030)は、左心房の中に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の電極(1030)は、肺動脈弁付近の左心房の壁に、または心房内中隔に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の電極(1030)は、冠状静脈洞を介して左心房に挿入されてもよい。
図10Cは、上大静脈に位置する第1の電極(1020)を示す。第2の電極(1030)は、左心房の中に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の電極(1030)は、肺動脈弁付近で、左心房の壁に、または心房内中隔に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の電極(1030)は、冠状静脈洞を介して左心房に挿入されてもよい。
図10Dは、上大静脈に位置する第1の電極(1020)を示す。第2の電極(1030)は、肺動脈弁付近の右心室の中に位置してもよい。第2の電極(1030)は、大静脈および三尖弁を通して右心室に挿入されてもよい。第3の電極(1040)は、三尖弁を通して挿入され、右心室の心尖付近に位置して設置されてもよい。いくつかの実施形態では、第3の電極(1040)は、感知および/または心室除細動および/またはペーシングに使用されてもよい。
図10Eは、肺動脈の中に、かつ肺動脈弁付近位位置する、第1の電極(1020)を示す。第1の電極(1020)は、右心房、三尖弁、および右心室を介して、肺動脈の中に設置されてもよい。いったん右心室の中にあると、第1の電極(1020)は、肺動脈弁を通して肺動脈の中へ移動させられてもよい。第2の電極(1030)は、左心房の中に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の電極(1030)は、肺動脈弁付近で、左心房の壁に、または心房内中隔に設置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の電極(1030)は、冠状静脈洞を介して左心房に挿入されてもよい。
本開示の主題による、電極リード線システムは、心房除細動パルス、心臓ペーシングパルス、および/または心室除細動パルスを送達するように動作可能である電極を含んでもよい。心房除細動パルス、心臓ペーシングパルス、および/または心室除細動パルスを送達するように動作可能である電極を実装することの1つの利益は、細動が心室細動または心室不整脈に進行する場合に、あるいは送達された心房除細動ショックが心室細動または心室不整脈を誘発するときに、除細動システムが、例えば、心房細動を検出して心房除細動パルスを送達するように主に構成される除細動システムが、ペーシングおよび/または心室除細動パルスを送達し得ることである。また、心臓ペーシングパルスおよび/または心室除細動パルスを送達するように構成される電極を提供することは、心房除細動パルスが、天然または調整心室拍動に同期させられることを可能にする。例えば、ショックは、患者の心臓のR波と同期させられ得る。ショックと天然または調整心室拍動とを同期させることの1つの利益は、送達された心房除細動ショックが心室細動または心室不整脈を引き起こす確率が低減されることである。
いくつかの埋込型除細動システムの実施形態は、薬剤送達システムを含んでもよい。薬剤送達システムは、鎮静および/または抗不整脈薬等の薬剤を右心房に注入することが可能である、コンピュータ制御された薬剤ポンプを含んでもよい。コンピュータ制御された薬剤ポンプは、除細動システムのコントローラによって制御されてもよい。コントローラは、電気パルスの放電前に、コンピュータ制御された薬剤ポンプを起動してもよい。薬剤送達は、除細動の苦痛および/または不快感をさらに低減し得る。さらに、心臓の中へ送達される薬剤は、静脈内システムを使用して身体に送達される薬剤よりも即効性があってもよい。
図11は、埋込型除細動システムによって心房の細動を除去するための方法(1100)を図示するフロー図を示す。方法(1100)はまた、心室の細動を除去するために使用されてもよい。方法(1100)は、心臓の心房が細動するときを検出すること(ステップ1101)と、電気パルスパラメータを設定すること(1102)と、電気パルスを生成すること(1103)と、電気パルスを放電すること(1104)とを含む。ステップ(1101)において、埋込型除細動システムは、心臓の心房が細動状態にあるときを検出してもよい。細動を検出することは、1つ以上のセンサから、心臓機能信号等のセンサ信号を受信することを含んでもよい。センサ信号は、心房が細動しているか否かを決定するように処理されてもよい。センサ信号を処理することは、信号処理、空間的比較、または心房が細動していることをセンサ信号が決定するという他の過程を含んでもよい。ステップ(1102)において、電気パルスパラメータが、心房除細動の検出の前に、または検出時に設定される。電気パルスパラメータは、電気パルスの特性、値、限界、または制限を規定してもよい。例えば、電気パルスパラメータは、電気パルスのうちの1つ以上に対する放電電圧および持続時間を規定してもよい。電気パルスパラメータは、放電電極と受容電極との間の距離および/または放電電極と受容電極との間の電圧差の関数として決定されてもよい。電気パルスパラメータは、100〜700ボルト/cmの電界強度および/または少なくとも80ボルトの除細動電圧を有する電気パルスを規定してもよい。
ステップ(1103)において、埋込型除細動システムが、電気パルスパラメータに従って電気パルスを生成してもよい。電気パルスを生成することは、電気パルスパラメータに従う電気パルスが、高電圧コンデンサから放電され得るようなエネルギーで高電圧コンデンサを充電することを含んでもよい。ステップ(1104)において、埋込型除細動システムは、放電電極および受容電極を使用して、電気パルスを心臓の心房に放電してもよい。電気パルスを放電することは、高電圧コンデンサから放電電極へエネルギーを提供することを含んでもよい。電気パルスを放電することはまた、放電を制御することを含んでもよい。
方法(1100)は、第1の電気パルスおよび第2の電気パルスを含む電気パルス列を放電することをさらに含んでもよい。第1の電気パルスと第2の電気パルスとは、同一かまたは異なる放電電圧、持続時間、電界強度、またはそれらの組み合わせを有してもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のパルスがパルス列に含まれてもよい。パルス列の電気パルスは、単相および/または二相であってもよい。パルス列は、電気パルス列の中の他の電気パルスと同一極性を持つか、または持たない電気パルスを含んでもよい。方法(1100)は、他の行為を含んでもよい。例えば、方法(1100)は、心臓に除細動システムを埋め込むことを含んでもよい。いくつかの実施形態では、埋込型除細動システムは、放電電極と受容電極との間の距離が3センチメートル未満であってもよいように埋め込まれてもよい。
いくつかの実施形態では、方法(1100)は、1つ以上の通知行為を含んでもよい。方法(1100)は、患者、あるいは病院または医療施設等の制御センターに通知し、またはそれと通信するために使用されてもよい。患者に通知するために、通知システムが起動されてもよい。通知は、第1の電気パルスを心臓の心房に放電する前に、第1の電気パルスについて患者に通知するように動作可能であってもよい。患者に通知することは、振動デバイスまたは音響デバイスを起動することを含んでもよい。制御センターに通知するために、メッセージが通信デバイスに伝送されてもよい。メッセージは、心房が細動しており、電極パルスが放電されたこと、または放電されることを示す細動メッセージであってもよい。埋込型除細動システムの場所を示す位置メッセージ等の他のメッセージが、通信デバイスに伝送されてもよい。場所は、全地球測位システム等の位置デバイスを使用して決定されてもよい。方法(1100)はまた、苦痛低減行為を含んでもよい。苦痛低減行為は、第1の電気パルスを心臓の心房に放電する前に、埋込型除細動システムを使用して薬剤を心臓に送達することを含んでもよい。
本開示の主題はまた、心臓の細動を除去して除細動効率を増加させるために、1つよりも多くの電極ペアを使用する実施形態も対象とする。より具体的には、成功した除細動は、心臓の筋細胞の全てまたは少なくとも大部分(例えば、90%以上)を活性化することを伴う。電流がいくらか伝導性の細胞外液を通って流れる一方で、細胞膜は、細胞が活性化されていないときには略非伝導性である。細胞を活性化するために、各細胞の膜を横断して印加される除細動電界は、ある閾値を上回るべきである。心臓細胞は細長く、心臓に送達される電気パルスによって引き起こされる電界の局所方向に対して、ある角度で配向されてもよい。電位差は、電界の強度および各細胞の長手軸とその近傍の局所電界との間の角度の両方の関数となる。例えば、図12Aを参照すると、電界Eが、長さdを有する細胞の長手軸に対して角度θで配向されるときに、細胞の膜の上の誘導電位差は、式Δv(膜)〜0.5cosine[θ]を使用して概算されてもよい。活性化を確実にするために、不利な角度配向を有する細胞さえも活性化するほど十分に大きい電界Eが使用されてもよい。
それぞれ異なる角度で配向された除細動電界を有する複数の電気パルスを使用することによって、成功した除細動の確率を増加させ、より低いエネルギーの電気パルスが使用されることを可能にし、それにより、これらのパルスと潜在的に関連付けられる苦痛および/または不快感を低減する。図12Bおよび12Cは、本開示のいくつかの実施形態によれば、3つ以上の電極を使用して、異なる角度で心臓(1210)に送達された除細動電界を示す。図12Bは、患者の胴体(1231)の断面図を示す。4つの除細動電極(1230a)、(1230b)、(1240a)、および(1240b)が、心臓(1210)の中、上、および/または周囲に設置される。図12Bは、第1の対の電極を形成する電極(1230a)と(1230b)と、および第2の対の電極を形成する電極(1240a)と(1240b)とを示す。除細動器(図示せず)が、第1の対の電極(1230a)と(1230b)との間、および第2の対の電極(1240a)と(1240b)との間に連続的に電圧を印加し得る。第1の電圧Vが、第1の電界(1239)を形成するように、第1の対の電極(1230a)と(1230b)との間に印加されてもよい。電極(1230a)は、正電極であってもよく、電極(1230b)は、負電極であってもよく、または逆も同様である。次いで、第1の電圧Vは除去されてもよく、次に、第2の電圧Vが、第2の電界(1249)を形成するように、第2の対の電極(1240a)と(1240b)との間に印加されてもよい。電極(1240a)は、正電極であってもよく、電極(1240b)は、負電極であってもよく、または逆も同様である。図12Bに示されるように、第1の電界(1239)および第2の電界(1249)の結果として生じる電界線は、いずれの点でも平行ではない。心臓(1210)の中および周囲のある場所に、除細動電極(1230a)、(1230b)、(1240a)、および(1240b)を設置することによって、第1の電界(1239)および第2の電界(1249)は、心臓の筋細胞の全てまたは少なくとも大部分(例えば、90%以上)を活性化するよう、除細動電気パルスで心臓(1210)を十分に覆うように相互に対して大きい角度を成してもよい。
図12Cもまた、心臓(1210)の中、上、および/または周囲に設置された3つの電極(1230a)、(1230b)、および(1240b)を有する患者の胴体(1231)の断面図を示し、電極(1230a)は、共通電極の役割を果たす。電極(1230a)と電極(1230b)とは、第1の対の電極を形成してもよく、電極(1230a)と(1240b)とは、第2の対の電極を形成してもよい。除細動器(図示せず)が、第1の電界(1239)を形成するように、第1の対の電極(1230a)と(1230b)とにわたって第1の電圧Vを印加してもよい。電極(1230a)は、正電極であってもよく、電極(1230b)は、負電極であってもよく、または逆も同様である。次いで、第1の電圧Vは、除去されてもよく、次いで、第2の電圧Vが、第2の電界(1259)を形成するように、第2の対の電極(1230a)と(1240b)とにわたって印加されてもよい。電極(1230a)は、正電極であってもよく、電極(1240b)は、負電極であってもよく、または逆も同様である。いくつかの実施形態では、共通電極(1230a)は、第1の対の電極にわたって送達される第1の電圧Vに対する正電極、および第2の対の電極にわたって送達される第2の電圧Vに対する負電極としての機能を果たしてもよい。図12Cに示されるように、第1の電界(1239)および第2の電界(1259)の結果として生じる電界線は、いずれの点でも平行ではない。心臓(1210)の中、上、および周囲のある場所に、除細動電極(1230a)、(1230b)、および(1240b)を設置することによって、第1の電界(1239)および第2の電界(1259)は、心臓の筋細胞の全てまたは少なくとも大部分(例えば、90%以上)を活性化するよう、除細動電気パルスで心臓(1210)を十分に覆うように相互に対して大きい角度を成してもよい。
図13A〜13Oは、本開示の主題による、心臓への電気パルスの送達によって産生された電気パルスの波形構成を示す。パルスは、同一もしくは反対の極性、同様の、より短い、もしくはより長い持続時間、および/または、より高い、もしくはより低い電圧であってもよい。各パルスは、初期電圧、持続時間、電圧降下、および/または(パルスがパルス列の中の最後ではない限り)滞留時間によって特徴付けられてもよい。パルス立ち上がり時間、立ち下がり時間、およびリンギング等の他のパルスパラメータもまた、考慮されてもよく、限定するものではなく、電極リード線、およびパルス生成回路で使用されるスイッチの種類を含むパルス回路の誘導の影響を受けてもよい。2つよりも多くの電極がパルスを送達するために使用されるときに、異なる電極上の波形は異なってもよい。第1のパルスが、一対の電極の間で送達されてもよい一方で、別のパルスまたは複数のパルスは、異なる一対の電極の間で送達されてもよい。異なる一対の電極は、共通して1つの電極を有してもよい。いくつかの実施形態では、3つ以上の電極が、同一パルスを送達するために使用されてもよい。しかしながら、電圧および電流は、多重電極(2つよりも多い電極)パルスにおいて、電極間において不均一に分割される場合がある。
いくつかの実施形態では、本開示によるパルス列波形の生成を可能にする、可撓性パルス列発生器が使用されてもよい。2つ以上の代替案の間からのパルス列波形の選択を提供する可撓性パルス列発生器が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、パルス列波形は、パルス送達時に、患者および/またはその病状に合わせられてもよい。成功した電気的除細動に必要とされるパルスエネルギーの既知の個人差に加えて、これらのパルスによって引き起こされる苦痛または不快感の知覚に個人差があり得る。いくつかの実施形態では、デフォルト波形が最初に使用され得、デフォルトのパルス列が細動を除去できなかった場合、異なる時間およびエネルギー特性を有する第2の列がより有効であると決定されてもよい。いくつかの実施形態では、波形および他のパルスパラメータが、医療施設において患者で試験されてもよく、効率的に細動を除去するが許容不快感をもたらす波形を選択し、将来の除細動に使用することができる。
この波形において、電圧の印加の全体を通して、組織がより高い電圧を受けるので、高電圧のいくつかのパルスの使用が、1つの減衰パルスの形態で同一電荷または同一エネルギーを送達するよりも効果的であり得る。増加した除細動効率は、いくつかの理由で有利であり得る。例えば、電気エネルギーを貯蔵するために使用されるコンデンサの体積は、最大可能貯蔵エネルギーに依存する。したがって、必要なエネルギーを削減することは、コンデンサのサイズおよび除細動器のサイズを縮小することを可能にし得る。同様に、より小型のバッテリが使用されてもよい。加えて、増加した除細動効率は、除細動と関連付けられる苦痛または不快感の低減につながり得る。加えて、第1のパルスによって励起される細胞の不応期に胸部筋肉および神経を刺激するように、第2のパルスを設定することができるので、それらの間に間隔を有する2つの連続した短パルスの使用は、苦痛の低減につながり、それにより、低減した胸部筋肉収縮および神経応答、ならびに低減した不快感および/または苦痛をもたらすことができる。
(i)第2のパルス電圧が降下した後においても第1のパルスの電圧よりも大きい電圧を有する第2のパルス、または(ii)第1のパルスの電圧に等しいか、またはそれよりも大きい電圧を有する第2のパルスを有するパルス列を生成することは、第1のパルス中の電圧降下を補うことが可能なパルス発生器を使用することを必要とする。例示的なパルス発生器は、2011年5月17日に出願され、「Configurable Pulse Generator」と題された国際特許出願第US2011/036828号に開示されており、その開示は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
図13Aは、第1のパルス(1310a)および第2のパルス(1310b)を有するパルス列(1300)を示す。第1のパルス(1310a)は、初期電圧(1330a)、電圧降下(1331a)、パルス持続時間(1332a)、および滞留時間(1334a)を有してもよい。電圧降下(1331a)は、第1のパルス(1310a)に対する電荷を保持する静電容量、パルス持続時間、および心臓の組織のインピーダンスの影響を受ける電流によって決定され得る。図13Aはまた、それらの間に所定の間隔(1310e)を有する第1のパルス(1310c)および第2のパルス(1310d)を有するパルス列(1300a)を示す。間隔(1310e)は、0〜150ミリ秒であってもよい。いくつかの実施形態では、パルス列(1300a)の全長は、個々の心臓不応期を超えるべきではなく、したがって、パルス列がR波によって誘起されるような心室細動を誘発する可能性を排除する。
図13Bは、本開示のいくつかの実施形態による、同一極性、ならびに同様の持続時間および電圧、および間に何らかの事前にプログラムされた間隔を有する2つの同様のパルスを有する単相パルス列を示す。図13Cは、同一極性および同様の持続時間を有する2つのパルスを有する単相パルス列を示す。いくつかの実施形態では、第1のパルスの電圧は、胸部領域中の神経および筋肉を少なくとも部分的に活性化するよう、第2のパルスの電圧よりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、第2のパルスは、これらの活性化された筋繊維および抹消神経の不応期中に(および安全上の理由で、収縮している心筋の不応期内でも)送達されてもよく、心臓の細動を除去することを目的としている。したがって、胸部領域中の多くの筋肉および末梢神経の単一の強力な活性化の代わりに、パルス列は、心房の細動を除去することに十分なエネルギーを依然として持ちながら、2回だけの連続活性化を引き起こす。そのようなパルス列は、患者の不快感を低減することに有益であってもよい。
図13Dは、本開示のいくつかの実施形態による、反対極性ならびに同様の電圧および持続時間を有する2つのパルスを有する二相パルス列を描写する。図13Eは、反対極性および同様の持続時間を有する2つのパルスを有する二相パルス列を示し、第2のパルスの電圧は、第1のパルスの電圧よりも大きくてもよい。図13Fは、同一極性および同様の持続時間を有する3つのパルスを有する単相パルス列を示し、各連続パルスの初期電圧は、先行パルスの最終電圧とほぼ等しいか、またはそれよりもわずかに小さい。図13Gは、交互する極性および同様の持続時間を有する3つのパルスを有する三相パルス列を示し、各連続パルスの初期電圧は、先行パルスの最終電圧とほぼ等しいか、またはそれよりもわずかに小さい。図13Hは、同一極性ならびに同様の電圧および持続時間を有する3つよりも多くのパルスを有する単相パルス列を示す。いくつかの実施形態では、4つのパルスのうちの少なくとも2つが、電極の異なる構成によって送達されてもよい。第1のパルスは、第1の対の電極の間で送達されてもよく、第2のパルスは、第2の対の電極の間で送達されてもよく、第3のパルスは、第3の対の電極の間で送達されてもよく、第4のパルスは、第4の対の電極の間で送達されてもよい。図13Iは、同一極性ならびに異なる電圧および持続時間を有する3つのパルスを有する単相パルス列を示す。図13Jは、交互する極性ならびに同様の電圧および持続時間を有する3つのパルスを有する三相パルス列を示す。図13Kは、交互する極性および同様の持続時間を有する3つのパルスを有する三相パルス列を示し、各連続パルスの電圧は、先行パルスの電圧よりも大きい。図13Lは、同一極性および同様の電圧持続時間を有する3つのパルスを有する単相パルス列を示し、連続パルス間の滞留時間は、パルスの持続時間よりも実質的により長い。図13Mは、異なる電圧および持続時間を有する3つのパルスを有する二相パルス列を示し、2つの連続パルスは、第3のパルスの極性とは反対である同一の極性を有する。図13Nは、少なくとも2つのパルスを有するパルス列を示し、パルス列の中の第1のパルス(1399)は、組織インピーダンスを測定するために使用される低エネルギー(例えば、<2J)のパルスであり、次の1つまたは複数のパルスのパラメータを決定するために使用される。いくつかの実施形態では、第1のパルス(1399)はまた、胸部筋肉を除感作して、連続除細動波形によって生成される不快感を低減するために使用することもできる。図13Oは、交互する極性ならびに異なる電圧および持続時間を有する3つのパルスを有する三相パルス列を示す。
いくつかの実施形態では、パルス列は、除細動試行中に心筋に送達される正味電荷がゼロであるように産生され得る。つまり、一相の間に心臓に送達される正味の電荷は、反対極性にあるパルス列の一部分によって心臓から得られる電荷によって、中和される。正味電荷波形は、少なくとも二相である必要はない。三相または他の非対称波形では、各相で送達される電荷が計算され、それに応じて調整される必要がある。いくつかの実施形態では、送達した電荷は、ゼロまたはほぼゼロの正味電荷が送達されるように、波形を調整するように除細動器によって測定される。例えば、パルス列の中の最後のパルスは、先行パルスにおいて送達される正味電荷を補うように調整され得る。ゼロまたはほぼゼロの正味電荷が、単極ではない波形とともに使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、第1のパルスによって励起される細胞の不応期に、胸部筋肉および神経を刺激するように、第2のパルスを設定することができるので、それらの間に間隔を有する2つの連続した短パルスの使用は、苦痛の低減を生じさせ、したがって、低減した不快感および/または苦痛に変換されることが見込まれる低減した胸部筋肉収縮および神経応答をもたらすことができる。
いくつかの実施形態では、等しいかおよび/または異なる極性および電圧を有する第2および/または連続パルスによって、第1のパルスによって心臓除細動されなかった心筋を、心臓除細動することができるので、それらの間に間隔を有する2つの連続した短パルスの使用は、より効率的な除細動器を生じさせることができる。しかし、心室細動の誘発を回避するために、心臓不応期の持続時間内においてパルス列全体が送達される。
電極の少なくとも2つの異なる構成を使用してパルス列の中のパルスが送達される、いくつかの実施形態において、パルス列は、各電極構成について繰り返されてもよい。例えば、図13Nに描写されるパルス列が、最初に、第1の対の電極の間で印加されてもよい。この場合、第1のパルス(1399)は、第1の対の電極の2つの電極の間のインピーダンスを測定する働きをしてもよい。波形の完成後に、第2の同様のパルス列が、第2の対の電極の間に印加されてもよい。この場合、第1のパルス(1399)は、第2の対の電極の電極の間のインピーダンスを測定する働きをしてもよい。
いくつかの実施形態では、例えば、図13Iで描写されるようなパルス列が、3つの電極に印加されてもよい。つまり、第1のパルスが、第1の電極と第2の電極との間に印加されてもよく、第2のパルスが、第2の電極と第3の電極との間に印加されてもよく、第3のパルスが、第3の電極と第1の電極との間に印加されてもよい。上記のパルス列および電極構成は、そのような波形および電極構成の可能性の実施例にすぎないことに留意されたい。異なる電極の場所で、上記のパルス列構成は、限定するものではなく、心房粗動、心室頻拍、および心室細動を含む他の心不整脈を治療するために使用することができる。より多くの電極において、より多くの電極構成が存在する。パルス列の中の2つのパルスの電極構成は、同一であってもよく、または逆極性を伴って同一であってもよい。
図14は、本開示のいくつかの実施形態による、心臓(1480)の中に設置された第1の電極(1412)を有する第1のリード線(1410)、および第1の電極(1422)を有する第2のリード線(1420)を有する電極リード線システム(1400)を示す。第1のリード線(1410)は、右心房の中に第1の電極(1412)を設置するよう、左鎖骨下静脈を通って心臓(1480)に進入し得る。第2のリード線(1420)は、左鎖骨下静脈を通って心臓(1480)に進入し、右心房を通って冠状静脈洞の中へ延在して、左心房の中の肺静脈口の近位で心臓(1480)の左側の冠状静脈の内側に第1の電極(1422)を設置し得る。いくつかの実施形態では、2つの電極によって生成される電界は、心房細動の焦点を含有する可能性が高い領域である肺静脈口の領域中に集中されている。この領域中の強力な心臓除細動ショックは、電界の強度が実質的に低減される周辺組織に最小の影響を及ぼしながら、心臓の細動を除去する。したがって、肺静脈口の領域中の2つ以上の電極の間に心臓除細動ショックを送達することによって、近くの胸部筋肉および心臓構造への最小の刺激を引き起こしながら、心房の細動を除去する。この電極の場所は、除細動閾値、および心房除細動を経験する患者にとっての不快感を最小化する。
前述の説明で記載される実施形態は、本明細書で説明される主題と一致する全ての実施形態を表すわけではない。そのような実施形態の多くの代替案、修正、および変化例が、当業者に明白となることが明らかである。他の場所で記述されるように、これらの実施形態は、例示目的のみで説明され、限定的となることを目的としていない。したがって、他の実施形態が可能であり、本開示の対象であり、それは本明細書に含有される教示から明白となる。本開示の幅および範囲は、上記の実施形態のうちのいずれによっても限定されるべきではないが、本開示およびそれらの同等物によって支持される請求項のみに従って規定されるべきである。また、本開示の実施形態は、任意の他の開示された方法、システム、およびデバイスからのありとあらゆる要素をさらに含み得る、方法、システム、およびデバイスを含んでもよく、つまり、開示した実施形態のうちの1つまたは別の実施形態の要素は、開示した実施形態のうちの別の実施形態からの要素と交換可能であってもよい。本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個別出版物、特許、および特許出願が、参照することにより本明細書に組み込まれるように特異的かつ個別に示された場合と同一程度に、それらの全体で参照することにより本明細書に組み込まれる。加えて、本願中の任意の参考文献の引用または識別は、そのような参考文献が開示した実施形態のうちのいずれかに従来技術として利用可能であるという承認として解釈されるものではない。

Claims (86)

  1. 埋込型除細動器であって、
    該埋込型除細動器は、
    少なくとも1本のリード線を有する電極リード線システムと、
    心臓の状態を感知し、該状態を示す信号を発するように構成される少なくとも1つのセンサと、
    該少なくとも1つのセンサと通信しているコントローラであって、該コントローラは、該心臓の該状態が細動の状態のうちの1つであるか否かを該信号から決定し、該状態が細動の状態のうちの1つである場合にコマンド信号を発するように構成される、コントローラと、
    該コントローラおよび該電極システムと通信している電圧発生器であって、該電圧発生器は、該コマンド信号を受信した後に、少なくとも1つの除細動パルスを該電極システムに放電するように構成される、電圧発生器と
    を備え、
    該少なくとも1つの除細動パルスは、80ボルトよりも大きい電圧、および最大1000マイクロ秒の持続時間を有する少なくとも1つのパルスを含む、埋込型除細動器。
  2. 前記少なくとも1つのパルスは、前記心臓の心房に送達される、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  3. 前記少なくとも1つのパルスは、前記心臓の心室に送達される、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  4. 前記少なくとも1つのパルスは、1センチメートル当たり100から700ボルトまでの間の電界強度を有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  5. 前記少なくとも1つのパルスによって送達されるエネルギーの総量は、2ジュール未満である、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  6. 前記少なくとも1つのパルスの前記持続時間は、50から600マイクロ秒までの間である、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  7. 前記少なくとも1つのパルスの前記持続時間は、50から1000マイクロ秒までの間である、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  8. 前記少なくとも1つのパルスの前記持続時間は、30から100マイクロ秒までの間である、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  9. 前記少なくとも1つのセンサは、前記電極リード線システムの電極である、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  10. 前記少なくとも1つのパルスの前記電圧は、80ボルトから3000ボルトまでの間である、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  11. 前記少なくとも1つのパルスの前記電圧は、600ボルト以上である、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  12. 前記少なくとも1つの除細動パルスは、少なくとも1つのパルスを含み、該少なくとも1つのパルスは、1センチメートル当たり100から700ボルトまでの電界強度、80から3000ボルトまでの間の電圧、および50から1000マイクロ秒までの間の持続時間を有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  13. 前記少なくとも1つのパルスは、前記患者の心拍に同期させられる、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  14. 前記少なくとも1つのパルスは、前記患者の心臓R波に同期させられる、請求項13に記載の埋込型除細動器。
  15. 前記少なくとも1つのパルスは、第1のパルスと、第2のパルスとを含み、該第1のパルスは、80ボルトよりも大きい電圧、および1000マイクロ秒未満の持続時間を有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  16. 前記第2のパルスは、80ボルトよりも大きい電圧、および1000マイクロ秒未満の持続時間を有する、請求項15に記載の埋込型除細動器。
  17. 前記第2のパルスの前記持続時間は、100マイクロ秒を上回る、請求項16に記載の埋込型除細動器。
  18. 前記第1のパルスの極性と前記第2のパルスの極性とは、同一である、請求項15に記載の埋込型除細動器。
  19. 前記第1のパルスと前記第2のパルスとは、反対の極性である、請求項9に記載の埋込型除細動器。
  20. 前記少なくとも1つのパルスは、第3のパルスを含む、請求項9に記載の埋込型除細動器。
  21. 前記埋込型除細動器は、除細動パルスを心室に送達するように構成される、請求項2に記載の埋込型除細動器。
  22. 前記埋込型除細動器の体積は、15立方センチメートル未満である、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  23. 前記埋込型除細動器は、肺静脈、鎖骨下ポケット、鎖骨下静脈枝、左心房、右心房、右心室、上大静脈、および下大静脈から成る群より選択される、前記心臓の場所に埋め込まれるように構成される、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  24. 前記少なくとも1本のリード線は、左心房、右心房、右心室、前記心臓の冠状静脈洞、肺動脈、該右心室の心尖、および該心臓の心房内中隔から成る群より選択される、該心臓の場所に設置される、少なくとも1つの電極を含む、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  25. 前記少なくとも1つの電極は、感知のために使用される、請求項24に記載の埋込型除細動器。
  26. 前記少なくとも1本のリード線は、分岐しており、右心房の中に設置された少なくとも1つの電極を有する第1のサブリード線と、右心室または左心房のうちの少なくとも1つの中に設置された少なくとも1つの電極を有する第2のサブリード線とを含有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  27. 前記埋込型除細動器は、右心房に埋め込まれ、前記少なくとも1本のリード線は、単一のリード線であり、該単一のリード線は、右心室または左心房のうちの少なくとも1つの中に設置される電極を有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  28. 前記埋込型除細動器は、右心房内に設置される電極の役割を果たす、請求項27に記載の埋込型除細動器。
  29. 前記少なくとも1本のリード線は、単一のリード線であり、該単一のリード線は、右心房の中に設置される第1の電極、および右心室または左心房のうちの少なくとも1つの中に設置される第2の電極を有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  30. 前記少なくとも1本のリード線は、単一のリード線であり、該単一のリード線は、右心房の中に設置される第1の電極、右心室の中に設置される第2の電極、および肺動脈の中に設置される第3の電極を有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  31. 前記少なくとも1本のリード線は、分岐し、左心房の中に設置される少なくとも1つの電極を有する第1のサブリード線と、右心室の心尖に設置される少なくとも1つの電極を有する第2のサブリード線とを含有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  32. 前記電極リード線システムは、上大静脈の中に設置される第1の電極と、左心房の中に設置される第2の電極とを含む、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  33. 前記電極リード線システムは、上大静脈の中に設置される第1の電極と、右心室の中に設置される第2の電極とを含む、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  34. 前記電極リード線システムは、肺動脈の中に設置される第1の電極と、左心房の中に設置される第2の電極とを含む、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  35. 前記少なくとも1つのセンサは、前記コントローラと通信している第1のセンサおよび第2のセンサを含み、該第1のセンサは、前記心臓の電気的活動を測定するための電極である、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  36. 前記少なくとも1つのセンサのうちの前記第2のセンサは、前記心臓の電気的活動を測定するための電極を含む、請求項35に記載の埋込型除細動器。
  37. 前記コントローラは、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサから受信される信号に基づいて、細動の場所を決定するように構成される、請求項35に記載の埋込型除細動器。
  38. 前記コントローラは、複数の心電図信号に基づいて、細動の場所を決定する、請求項37に記載の埋込型除細動器。
  39. 前記第2のセンサは、感知デバイスを含み、該感知デバイスは、マイクロホン、血圧センサ、熱センサ、血液酸素化センサ、呼吸センサ、および加速度センサから成る群より選択される、請求項35に記載の埋込型除細動器。
  40. 前記コントローラは、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサから伝達される信号に基づいて、心房細動の状態を決定するように構成される、請求項35に記載の埋込型除細動器。
  41. 前記コントローラは、多次元信号解析に基づいて、心房細動の状態を決定するように構成される、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  42. 前記コントローラは、心室細動の状態を検出し、心室細動状態が検出されたときに、少なくとも1つの除細動ショックを自動的に送達するように構成される、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  43. 前記電極リード線システムは、第1の対の電極を形成する第1の電極および第2の電極と、第2の対の電極を形成する第3の電極および第4の電極とをさらに備え、第1の電圧が、該第1の電極と該第2の電極とにわたって印加されて第1の電界を形成し、第2の電圧が、該第3の電極と該第4の電極とにわたって印加されて第2の電界を形成する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  44. 前記第1の電界は、前記第2の電界に対してある角度を成している、請求項43に記載の埋込型除細動器。
  45. 前記第1の電極と前記第2の電極とにわたって印加される前記第1の電圧と、前記第3の電極と前記第4の電極とにわたって印加される前記第2の電圧とは、同時に前記心臓に印加されることはない、請求項43に記載の埋込型除細動器。
  46. 前記電極リード線システムは、第1の対の電極を形成する第1の電極および第2の電極と、第2の対の電極を形成する該第1の電極および第3の電極とをさらに備え、第1の電圧が、該第1の電極と該第2の電極とにわたって印加されて第1の電界を形成し、第2の電圧が、該第1の電極と該第3の電極とにわたって印加されて第2の電界を形成する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  47. 前記第1の電界は、前記第2の電界に対してある角度を成している、請求項46に記載の埋込型除細動器。
  48. 前記第1の電極と前記第2の電極とにわたって印加される前記第1の電圧と、該第1の電極と前記第3の電極にわたって印加される前記第2の電圧とは、同時に前記心臓に印加されることはない、請求項46に記載の埋込型除細動器。
  49. 前記少なくとも1つのパルスは、単相パルス列をさらに備え、該単相パルス列は、実質的に同一の極性、持続時間、および電圧を有する少なくとも2つのパルスを有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  50. 前記少なくとも1つのパルスは、単相パルス列をさらに備え、該単相パルス列は、実質的に同一の極性および電圧を有する少なくとも第1のパルスおよび第2のパルスを有し、該第2のパルスは、該第1のパルスよりも大きい電圧を有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  51. 前記少なくとも1つのパルスは、二相パルス列をさらに備え、該二相パルス列は、実質的に同一の極性、持続時間、および電圧を有する2つのパルスを有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  52. 前記少なくとも1つのパルスは、二相パルス列をさらに備え、該二相パルス列は、実質的に同一の極性および電圧を有する少なくとも第1のパルスおよび第2のパルスを有し、該第2のパルスは、該第1のパルスよりも大きい電圧を有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  53. 前記少なくとも1つのパルスは、三相パルス列をさらに備え、該三相パルス列は、交互する極性および実質的に同一の持続時間を有する少なくとも3つのパルスを有し、各連続パルスの初期電圧は、先行パルスの最終電圧とほぼ等しいか、またはそれよりもわずかに小さい、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  54. 前記少なくとも1つのパルスは、少なくとも3つのパルスを有する単相パルス列をさらに備え、各連続パルスの初期電圧は、先行パルスの最終電圧とほぼ等しいか、またはそれよりもわずかに小さい、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  55. 前記少なくとも1つのパルスは、単相パルス列をさらに備え、該単相パルス列は、実質的に同一の極性、電圧、および持続時間を有する少なくとも4つのパルスを有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  56. 前記少なくとも1つのパルスは、単相パルス列をさらに備え、該単相パルス列は、実質的に同一の極性、ならびに異なる電圧および持続時間を有する少なくとも3つのパルスを有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  57. 前記少なくとも1つのパルスは、三相パルス列をさらに備え、該三相パルス列は、交互する極性、ならびに実質的に同一の電圧および持続時間を有する少なくとも3つのパルスを有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  58. 前記少なくとも1つのパルスは、三相パルス列をさらに備え、該三相パルス列は、交互する極性および実質的に同一の持続時間を有する少なくとも3つのパルスを有し、各連続パルスの電圧は、先行パルスの電圧よりも大きい、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  59. 前記少なくとも1つのパルスは、単相パルス列をさらに備え、該単相パルス列は、実質的に同一の極性、電圧、および持続時間を有する少なくとも3つのパルスを有し、各パルスの間の滞留時間は、各パルスの該持続時間よりも実質的に長い、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  60. 前記少なくとも1つのパルスは、二相パルス列をさらに備え、該二相パルス列は、異なる電圧および持続時間を有する少なくとも第1のパルス、第2のパルス、および第3のパルスを有し、該第1のパルスと該第2のパルスとは連続的であり、実質的に同一の極性を有し、該第1のパルスおよび該第2のパルスの該極性は、該第3のパルスの該極性とは異なる、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  61. 前記少なくとも1つのパルスは、パルス列をさらに備え、該パルス列は、2ジュール未満の少なくとも第1のパルスを有し、組織インピーダンスを測定するために使用される、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  62. 前記少なくとも1つのパルスは、三相パルス列をさらに備え、該三相パルス列は、交互する極性、ならびに異なる電圧および持続時間を有する少なくとも3つのパルスを有する、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  63. 前記電極リード線システムは、心房間中隔の中に設置される電極を含有する第1の単一リード線と、冠状静脈の中に設置される電極を含有する第2の単一リード線とをさらに備える、請求項1に記載の埋込型除細動器。
  64. 心臓除細動システムであって、
    該心臓除細動システムは、
    患者に埋め込まれるように構成される除細動器を備え、該除細動器は、
    少なくとも1本のリード線を有する電極リード線システムと、
    心臓の状態を感知し、該状態を示す信号を発するように構成される少なくとも1つのセンサと、
    該少なくとも1つのセンサと通信しているコントローラであって、該コントローラは、該心臓の該状態が細動の状態のうちの1つであるか否かを該信号から決定し、該状態が細動の状態のうちの1つである場合にコマンド信号を発するように構成される、コントローラと、
    該コントローラおよび電極システムと通信している電圧発生器であって、該電圧発生器は、該コマンド信号を受信した後に、少なくとも1つの除細動パルスを該電極システムに放電するように構成され、該少なくとも1つの除細動パルスは、80ボルトよりも大きい電圧、および最大1000マイクロ秒の持続時間を有する少なくとも1つのパルスを含む、電圧発生器と、
    該患者の外側に配置される通信デバイスであって、該通信デバイスは、該除細動器と通信するように構成される、通信デバイスと
    を備える、心臓除細動システム。
  65. 前記通信デバイスは、通知回路を含み、該通知回路は、細動が検出されたことを前記患者に通知するように構成される、請求項64に記載の心臓除細動システム。
  66. 前記通知回路は、細動が検出されたことを前記患者に通知するように、および除細動ショックに対して準備していることを該患者に指図するように構成される、請求項65に記載の心臓除細動システム。
  67. 前記通知回路は、医療センターで医療処置を求めることを前記患者に指図するように構成される、請求項65に記載の心臓除細動システム。
  68. 前記通知回路は、悪化する心臓の状態について前記患者に通知するように構成される、請求項65に記載の心臓除細動システム。
  69. 前記通信デバイスは、心房除細動ショックを開始するように構成される、請求項64に記載の心臓除細動システム。
  70. 前記通信デバイスは、前記患者の心臓の状態について医療施設に通知するように構成される、請求項64に記載の心臓除細動システム。
  71. 前記通信デバイスは、前記患者の場所を決定するように構成される場所決定回路を含み、および該決定された場所を医療センターに通信するように構成される、請求項70に記載の心臓除細動システム。
  72. 前記通信デバイスは、短距離無線通信リンク上での前記埋込型除細動器との双方向通信のために構成され、および長距離無線通信リンク上での前記医療センターとの双方向通信のために構成される、請求項70に記載の心臓除細動システム。
  73. 前記長距離無線通信リンクは、セルラー方式通信リンクである、請求項71に記載の心臓除細動システム。
  74. 前記通信デバイスは、携帯電話である、請求項71に記載の心臓除細動システム。
  75. 前記長距離通信リンク上で伝達されるメッセージは、合成音声告知、事前録音音声告知、ショートメッセージサービス、マルチメディアメッセージサービス、および電子メールから成る群より選択されるメッセージである、請求項37に記載の心臓除細動システム。
  76. 埋込型除細動器によって心臓を除細動するための方法であって、
    該方法は、
    該心臓内の細動の状態を検出することと、
    電気パルスを規定するための少なくとも1つの電気パルスパラメータを構成することであって、該電気パルスは、80から3000ボルトまでの間の電圧、および30から1000マイクロ秒までの間の持続時間を有する、ことと、
    該少なくとも1つの電気パルスパラメータに従う第1の電気パルスを生成することと、
    該心臓の中または周囲に設置される少なくとも一対の電極を有する電極リード線システムを使用して、該第1の電気パルスを該心臓に放電することと
    を含む、方法。
  77. 前記第1の電気パルスを放電することは、前記少なくとも一対の電極にわたって1センチメートル当たり100から700ボルトまでの間の電界強度を生成することを含む、請求項76に記載の方法。
  78. 前記方法は、前記心臓の中の心房が細動するときに、細動メッセージを医療センターに伝送することをさらに含む、請求項76に記載の方法。
  79. 場所決定回路を使用して、前記埋込型心臓除細動器の場所を決定することを含み、該場所は、細動メッセージに含まれ、該細動メッセージは、前記医療センターが埋込型除細動システムの場所を決定することを可能にする、請求項78に記載の方法。
  80. 前記第1の電気パルスを前記心臓の心房に放電する前に、前記埋込型心臓除細動器を使用して薬剤を該心臓に送達することを含む、請求項78に記載の方法。
  81. 前記第1の電気パルスを前記心臓の心房に放電する前に、前記第1の電気パルスについて患者に通知するように構成される通知回路を起動することを含む、請求項78に記載の方法。
  82. 人間の心臓の心房を除細動しながら、苦痛を低減する方法であって、
    該方法は、
    少なくとも1つのパルスを該心房に送達することを含み、該少なくとも1つのパルスは、600ボルトよりも大きい電圧、および50から600マイクロ秒までの間の持続時間を有する、方法。
  83. 人間の心臓の心室を除細動しながら、苦痛を低減する方法であって、
    該方法は、
    埋込型除細動器を使用して、該心臓内の心室細動の状態を検出することと、
    電気パルスを規定するための少なくとも1つの電気パルスパラメータを構成することであって、該電気パルスは、80から3000ボルトまでの間の電圧、および50から1000マイクロ秒までの間の持続時間を有する、ことと、
    該少なくとも1つの電気パルスパラメータに従う第1の電気パルスを生成することと、
    該心臓の中または周囲に設置された少なくとも一対の電極を有する電極リード線システムを使用して、該第1の電気パルスを該埋込型除細動器から該心臓に放電することと
    を含み、
    該第1の電気パルスによって送達されるエネルギーの総量は、2ジュール未満である、方法。
  84. 前記第1の電気パルスは、単相である、請求項83に記載の方法。
  85. 前記第1の電気パルスは、二相である、請求項83に記載の方法。
  86. 前記埋込型除細動器は、前記電極リード線システムの電極の役割を果たす、請求項83に記載の方法。
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