JP2013526686A - 引っ張り手段に張力を付与する張力付与装置 - Google Patents

Abstract

端部側で旋回点に支持されたレール（３）であって、該レール（３）の、引っ張り手段（２）とは反対の側に位置する裏面が、内燃機関に沿って延びる当付け面（８）と、前記レール（３）の旋回点（１４）に向かって先細りする室を形成するように形成されているレール（３）と、前記当付け面（８）に沿って前記室の先細り方向にばね（４）の力がかけられた、加圧されたスライダ（７）とを備えた、内燃機関の引っ張り手段（２）に張力を付与する張力付与装置（１）において、前記ばね（４）は、第１のばね端部（５ａ）で、前記レール（３）の旋回点側の端部に枢着されていて、第２のばね端部（５ｂ）で、スライダ（７）に枢着されている。

Description

発明の分野
本発明は、内燃機関のプル式の巻掛け手段もしくは引っ張り手段（Zugmittel）に張力を付与する張力付与装置であって、端部側で旋回点に支持されたレールであって、該レールの、引っ張り手段とは反対の側に位置する裏面が、内燃機関に沿って延びる当付け面と共に、前記レールの旋回点に向かって先細りする室を形成するように形成されているレールと、当付け面に沿って前記室の先細り方向にばねの力がかけられた、加圧されたスライダとを備えた、内燃機関の引っ張り手段に張力を付与する張力付与装置に関する。

背景技術
上記形式の張力付与装置は、特開２００９−２５７４５５号公報から公知である。上記特許明細書は、端部側で旋回点に支持されたレールによって引っ張り手段の伸びを補償する張力付与装置を示している。この場合、レールと、内燃機関の当付け面との間には、ばね力がかけられたスライダが配置されている。当付け面とレールとは、レールの旋回点に向かって先細りする室を形成している。この室の先細り方向にスライダを押し込むばねは、圧縮ばねとして形成されている。この圧縮ばねの一方の端部は、内燃機関の付加的な当付け面に支持されていて、他方の端部は、スライダに支持されている。

発明の課題
本発明の根底を成す課題は、廉価で組み立てやすい張力付与（緊張）装置を提供することである。

発明の概要
上記課題を解決するために、本発明による構成では、ばねが、第１のばね端部で、レールの、旋回点側の端部に取り付けられていて、第２のばね端部で、スライダに取り付けられているようにした。この場合の特別な利点は、付加的な当付け面を内燃機関に取り付ける必要がないことである。張力付与装置は、１つの完全な構造部分として供給され、組み付けられ得る。

本発明の別の有利な態様によれば、レールが、その裏面に隣接した２つのサイド面を有していて、該サイド面のうちの少なくとも１つのサイド面が、ガイド舌片を有するようになっている。このガイド舌片は、スライダに側方に加工された長手方向に延びる少なくとも１つのガイド溝内に係合する。これによって、レールの横方向の移動または回転は阻止される。張力付与装置の廉価な製造では、レールも、スライダも、プラスチックから射出成形法により製造するようになっている。

本発明の有利な実施の形態では、スライダを室の先細り方向に引っ張っているばねは、引っ張りばねである。本発明の有利な別の態様によれば、レールは、旋回点に支持されたレール端部と、該レール端部とは反対の側に位置するレール端部との間に、当付け面に向かって延びる凸状の突出部を有している。この突出部は、当付け面と共に、レールの旋回点に向かって先細りする室を形成するように形成されている。内燃機関の燃焼プロセスにより引き起こされる回転の不均等性（Drehungleichfoermigkeit）は、高頻度で加速段階と減速段階との交番を引き起こす。このことは、引っ張り手段の振動運動をもたらす。引っ張り手段の振動を緩衝するために、可撓性の材料から製造されたレールが使用される。さらにレールの十分な剛性を達成するためには、レールが部分的に補強されることが望ましい。レールの裏面に凸状に延びる突出部は、レールの剛性を高めるので、加圧時の過剰な撓みが回避される。

本発明の実施の形態を図１から図３につき詳しく説明する。

張力付与装置を有する巻掛け伝動装置の概略図である。 付加的なガイド装置を備えた、張力付与装置を有する巻掛け伝動装置の概略図である。 ガイド装置を断面で示す詳細図である。

図１は、内燃機関に設けられた巻掛け伝動装置（Zugmitteltrieb）を概略的に示している。巻掛け伝動装置は駆動ホイール１２と、被駆動ホイール１３と、これら両方のホイールに巻掛けられたプル式の巻掛け手段もしくは引っ張り手段（Zugmittel）２とを有している。摩耗に基づいて、引っ張り手段２の伸びが生じる、つまり引っ張り手段２が長くなることがある。この伸びは、図１に図示されているような張力付与装置（Spannvorrichtung）１を用いて、引っ張り手段２に後から張力を付与することによって補償されなければならない。張力付与装置１は、端部側で旋回点に回転可能に支持されたレール３を有している。レール３の正面に沿って引っ張り手段２が滑動する。レール３の裏面は、内燃機関に設けられた当付け面８と一緒に、レール３の旋回点１４の方向に向かって先細りする室を形成している。レール３の裏面には、旋回点に支持されたレール端部６ａと、該レール端部６ａとは反対の側に位置するレール端部６ｂとの間に付加的な突出部９が配置されている。この突出部９は、当付け面８に向かって延びていて、これによって、レール３と当付け面８との間の室は付加的に狭くなっている。突出部９と当付け面８との間には、スライダ７が可動に配置されている。この場合、スライダ７は、突出部９にも当付け面８にも接触している。スライダ７は、さらに引っ張りばね４を介して、旋回点に支持されたレール端部６ａに結合されている。これによって、スライダ７には、レール３の旋回点１４の方向に向かって力がかけられている。

さらに張力付与装置１の機能形式を詳しく説明する。引っ張り手段２は、緊張状態ではレール３を押圧している。これに対してレール３は当付け面８に当て付けられたスライダ７を押圧している。レール３に作用する力に関連した、スライダ７に作用する摩擦力が、スライダ７に作用するばね４の引っ張り力よりも強い限り、スライダ７はその位置に保持される。引っ張り手段２が伸び、レール３に作用する力が弱まるとはじめて、摩擦力が減少して、スライダ７が、ばね力によって室の先細り方向に引っ張られる。スライダ７は、楔状に形成されている。この場合、スライダ７の先細りした端部は、レール３の旋回点１４の方向に向いている。力がかけられたスライダ７は、当付け面８とレール３の裏面との間に押し入るので、レール３は、その旋回点１４を中心として、緊張させたい引っ張り手段２に向かって旋回する。これにより張力を付与された引っ張り手段２は、改めてレール３を押圧する。レール３からスライダ７に伝達される力は、スライダ７における摩擦力を高めるので、スライダ７は新たな位置に保持される。これによって、引っ張り手段２に動的かつ連続的に後から張力を付与することが可能である。

図２は、図１で説明された張力付与装置１の本発明による別の形態を示している。張力付与装置１のスライダ７は、この実施の形態では付加的に線形にガイドされている。線形ガイドは、ガイド舌片１１を有している。このガイド舌片１１は、側方でレール３に配置されていて、この場合、スライダ７の方向に延びている。ガイド舌片１１は、側方でガイド溝１０内に係合し、これによって、スライダ７がレール３または突出部９に対する摩擦接触を失うことを阻止している。

図３は、図２で説明した線形ガイドの断面図を示している。レール３は、この実施の形態では、２つのガイド舌片１１を有している。これらのガイド舌片１１は、側方で、スライダ７の、ガイド舌片１１のために設けられたガイド溝１０に係合する。この装置により、レール３の突出部９が面状にスライダ７に当て付けられ、スライダ７の回転が阻止されることが保証される。

１ 張力付与装置
２ 引っ張り手段
３ レール
４ ばね
５ａ ばね端部
５ｂ ばね端部
６ａ レール端部
６ｂ レール端部
７ スライダ
８ 当付け面
９ 突出部
１０ ガイド舌片
１１ ガイド溝
１２ 駆動ホイール
１３ 被駆動ホイール
１４ 旋回点

Claims (4)

1. 端部側で旋回点に支持されたレール（３）であって、該レール（３）の、引っ張り手段（２）とは反対の側に位置する裏面が、内燃機関に沿って延びる当付け面（８）と、前記レール（３）の旋回点（１４）に向かって先細りする室を形成するように形成されているレール（３）と、
   前記当付け面（８）に沿って前記室の先細り方向にばね（４）の力がかけられた、加圧されたスライダ（７）とを備えた、
   内燃機関の引っ張り手段（２）に張力を付与する張力付与装置（１）において、
   前記ばね（４）は、第１のばね端部（５ａ）で、前記レール（３）の旋回点側の端部に枢着されていて、第２のばね端部（５ｂ）で、スライダ（７）に枢着されていることを特徴とする、内燃機関の引っ張り手段に張力を付与する張力付与装置。
2. 前記レール（３）は、その裏面に隣接した２つのサイド面を有していて、該サイド面のうちの少なくとも１つのサイド面は、ガイド舌片（１１）を有しており、該ガイド舌片（１１）は、前記スライダ（７）に側方に加工された長手方向に延びる少なくとも１つのガイド溝（１０）内に係合する、請求項１記載の張力付与装置。
3. 前記ばね（４）は引っ張りばねである、請求項１記載の張力付与装置。
4. 前記レール（３）は、旋回点に支持されたレール端部（６ａ）と、該レール端部（６ａ）とは反対の側に位置するレール端部（６ｂ）との間に、前記当付け面（８）に向かって延びる凸状の突出部（９）を有しており、該突出部（９）は、前記当付け面（８）と、前記レール（３）の前記旋回点（１４）に向かって先細りする前記室を形成するように形成されている、請求項１記載の張力付与装置。

Images