JP2013525775A - 測定フロント部分による走査で物質の分布を計測する方法 - Google Patents

測定フロント部分による走査で物質の分布を計測する方法 Download PDF

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Abstract

測定範囲内の物質の分布を計測するために、物質は、一方の光信号(1)を用いて、物質から測定信号(3)が得られない一方の状態から、物質から測定信号(3)が得られる測定状態に遷移させること(a)が可能であるとともに、物質から測定信号が得られない一方又は他方の状態に遷移させること(b)が可能であり、測定フロント部分(4)が、測定範囲内に一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の同じ構造化により構成されており、測定状態の物質(10)の割合が、一方の状態から測定状態への物質の遷移(a)によって、非占有状態から上昇するとともに、一方又は他方の状態への物質の遷移(b)によって、再び非占有状態に低下するように、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の強度は、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の波長における回折限界よりも小さい測定フロント部分(4)の深さに渡って増大される。測定フロント部分(4)は、測定範囲に渡って、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の強度が増大する方向と逆方向にシフトされる。測定信号(3)は、少なくとも測定フロント部分(4)の領域から検出されて、測定範囲内の測定フロント部分(4)の対応する位置に対応付けられる。

Description

本発明は、測定範囲内の物質の分布を計測する方法に関し、この物質は、一方の光信号を用いて、その物質から測定信号が得られない一方の状態から、その物質から測定信号が得られる測定状態に遷移させること(a)が可能であるか、それと同じ一方の光信号又は他方の光信号を用いて、その物質から測定信号が得られない一方又は他方の状態に遷移させること(b)が可能であるか、或いはその両方が可能である。更に、本発明は、そのような方法を実施するための走査型光学顕微鏡に関する。更に、本発明は、転移範囲内の物質の転移を局所的に解像する方法に関し、この物質は、一方の光信号を用いて、物理信号を用いて転移を解像できない非活性状態から、物理信号を用いて転移を解像できる活性状態に遷移させること(a)が可能であり、同じ一方の光信号又は他方の光信号を用いて、一方又は他方の非活性状態に遷移させること(b)が可能である。
前記の物質から測定信号が得られない一方又は他方の状態、或いは前記の一方又は他方の非活性状態への遷移(b)は、測定状態又は活性状態から、或いは一方の状態から行なうことができる。
測定範囲内の物質の撮影対象の分布は、試料内の物質によりマーキングされた構造であると規定でき、その構造を撮影することが目的である。しかし、そのような分布を用いて、例えば、データ記憶媒体内に情報を符号化して、そのような情報を読み出すこともできる。一般的に、「物質の分布」との記載は、物質の分布自体を意味するだけでなく、物質の所定の持続的な基底状態の分布、例えば、そのような分布を計測している間に変化しない安定した基底配座状態をも意味する。
「範囲」、「測定範囲」又は「転移範囲」との用語は、一次元、二次元又は三次元に拡がる範囲を表し、一次元又は二次元にのみ拡がる範囲は、第二と第三の空間方向又は第三の空間方向のサイズが小さいか、或いはその方向又はそれらの方向における分布の解像が不可能であるか、或いは撮影対象でないとの別の理由を有する。
この物質の測定状態とは、物質が特に、蛍光などのルミネッセンス光を自発的に放出する、一方の状態に対して励起された物質の電子的な状態であると規定できる。そして、この一方の光信号とは、エネルギー的に深い所に有る一方の状態から測定状態に物質を遷移させる励起光である。物質は、例えば、励起光自体又は他方の光信号によって、電子的に励起された発光状態から暗状態、例えば、三重項状態に遷移させるか、或いは刺激光によって、ルミネッセンス光の自発的な放出が最早不可能である一方又は他方のエネルギー的に深い所に有る状態に引き戻すことができる。そのような特性を有する物質のグループには、特に、従来の全ての蛍光色素、さもなければそれ以外の発光物質が含まれる。
しかし、この物質の測定状態とは、主として、ルミネッセンス光を放出させるか、或いは或る他方の光信号を供給するための励起光によって励起可能である、物質の配座状態又は他方の状態であると規定できる一方、一方の状態とは、観測された測定信号が励起後でも得られないか、或いは少なくとも特筆できる程度で得られない物質の配座状態又は他方の状態であるとも規定できる。この場合、物質の他方の状態とは、他方の配座状態であるとも、基本的に測定状態とは異なる電子的な暗状態であるとも規定できる。そのような物質には、特に、所謂切換可能な全ての蛍光色素、切換可能な蛍光蛋白質及び活性可能な発光粒子が含まれる。
それに対応して、物質の活性状態とは、物理信号を用いて所望の転移に励起させることが可能な物質の配座状態、或いは電子的又は化学的な状態であると規定できる一方、物質の非活性状態とは、物理信号を印加しても、そのような転移が起こらないか、或いは少なくとも特筆できる程度に起こらない配座状態、或いは電子的又は化学的な状態であると規定できる。この場合、そのような転移は、物質を持続的に、或いは少なくとも一時的に安定した、即ち、連続した他方の状態に移行させるが、可逆的である、即ち、物質の活性又は非活性な初期状態に引き戻すことができる。
本発明では、物質及び具体的な用途と関係無く、物質の分布を計測する際の空間解像度又は物質の転移の局所的な解像度が波長に依存する回折限界を克服すること、即ち、回折限界よりも良好な空間解像度を達成することが重要である。
試料内の蛍光色素でマーキングされた構造を撮影する際の空間解像度が回折限界を克服する方法としては、STED及びGSD蛍光顕微鏡が知られている。STED蛍光顕微鏡では、試料内の励起光線の強度分布を刺激光の強度分布と重ね合わせることによって、集束した励起光線の回折により制限されるサイズと比べて、試料から蛍光が自発的に放出される空間領域を低減しており、その刺激光の強度分布は、測定点に零点を有し、それに隣接して、刺激放射によって、蛍光色素が電子的に励起された蛍光を発する状態からエネルギー的に深い所に有る蛍光を発しない電子状態に遷移する程の高さの強度を有する。その測定点は、刺激光の強度のために、自発的に放出する蛍光を最早発生できない領域によって取り囲まれている。GSD蛍光顕微鏡では、測定点外の蛍光色素を基底状態から直接、或いは光信号により電子的に励起させて蛍光を発する状態から、蛍光色素が少なくとも測定点の測定時間の間最早到達し得ない、そのため、基底状態を占有しなくなることによって、蛍光を自発的に放出させるための蛍光色素の励起が最早不可能である暗状態に遷移させることにより、そのような自発的に放出される蛍光を発生できる試料の領域を空間的に狭めることが行なわれている。その場合、蛍光色素の基底状態が占有されないようにする光信号の強度分布は、基本的にSTED蛍光顕微鏡の場合の刺激光と同じ強度分布である。それは、本来の測定点で試料を走査した場合、測定点から到達する前に、蛍光色素の各分子が、励起光と刺激光又は蛍光色素の基底状態が占有されないようにする光信号の非常に強い強度に晒されたために、それに応じて、非常に多くの遷移サイクルが実行されたことを意味する。それは、蛍光色素の少なくとも通過された領域が大きな危険に曝されたことと関連する。そのような危険は、確かにその時々の光信号を停止することによって低減することができる。しかし、それによって、測定時間が長くなる。多くの非常に敏感な蛍光色素も少なくとも数回しか暗状態から蛍光を発するように励起可能な基底状態に引き戻されないが、それは、前述した理由から高解像度のSTED及びGSD蛍光顕微鏡には適していない。
STED及びGSD蛍光顕微鏡の原理を適用する場合、僅かに高い光強度で済ませ、それにより蛍光色素の領域の危険を低減するために、所謂RESOLFT蛍光顕微鏡では、異なる蛍光特性の配座状態の間を遷移させることができる切換可能な蛍光色素が使用されている。それらの配座状態の寿命は、STED及びGSD蛍光顕微鏡の単純な蛍光色素でのみ利用可能な電子状態よりも長い。しかし、その場合でも、蛍光色素の個々の分子が、本来の測定点から到達される前に、既に強い光強度を印加されて、それに応じて、短時間で多くの状態変化を受けるとの基本的な問題が生じている。その結果、切換可能な蛍光色素の選択は、大きな開発努力にも関わらず依然として限定されており、多くの場合、入手できる切換可能な多くの蛍光色素でも、STED及びGSD蛍光顕微鏡において測定点を個々の色素分子に接近させた場合に必要とされるように、損傷無しに切り換えることができない。即ち、従来から周知の全ての高解像度の走査型光学顕微鏡の方法では、短い時間内で蛍光色素の状態が変化できる回数が制約されていることが制限要因である(非特許文献1)。
これまでに説明した試料内の蛍光色素でマーキングされた構造を撮影する際の空間解像度が回折限界を克服するためには、測定信号を発生できる試料の空間領域を限定する方法以外に、目的通り常に試料からの蛍光を蛍光色素の個々の分子に対応付けることができる程度の少ない割合の構造をマーキングする物質の分子だけを蛍光を放出できる状態に活性化させて、その状態で蛍光を放出させるための励起光により励起するPALM及びSTORMとの略語で知られる方法が有る。即ち、蛍光の相対的な強度分布に関して、その蛍光を検出する二次元の検出器配列の複数のピクセルによって、試料内の蛍光を発する各分子の位置を回折限界以下の空間解像度で計測することが可能である。しかし、その前提条件は、静止した視点で充分な数の蛍光光子が検出器に到達することである。それは、測定時間を長くするだけでなく、蛍光色素の分子が、主に、非活性状態に引き戻される前又は他方の状態に遷移される前に、より多くの数の蛍光光子を放出するのに適していることを前提条件としている。それによって、基本的にRESOLFT方式で採用されている切換可能な蛍光色素と同じ色素とすることができる実際に入手可能な活性可能な蛍光色素の数が大きく制限されることとなる。
略語GSDIMにより、従来の蛍光色素により動作するPALMと逆の技術が知られており、この逆の技術とは、残留蛍光を発する蛍光色素の分子を個々に検出できる程多くの蛍光色素の分子を一時的に暗状態に不活性化する技術である。しかし、この技術では、蛍光色素の分子は、全体的に本来の測定前に強い光強度に晒され、それに応じて、多くの状態変化を受けて、暗状態に遷移され、その大部分がその状態に留まることとなる。
特許文献1により、回折限界以下の解像度で立体的な構造を撮影する方法が周知であり、光信号の最低強度に対応する書込領域内の物質だけを活性状態に保持し、書込領域外の至る所の物質を光信号により非活性状態に遷移させ、次に、物理信号によって、書込領域内の物質を遷移させている。この場合でも、書込領域を一つの範囲の所定の点に接近させても、物質は、非常に大きな光強度に晒され、それに応じて、短時間で多くの状態変化を受ける。
特許文献2により、独立請求項1の上位概念の特徴を有する測定範囲内の物質の分布を計測する方法と下位の請求項13の特徴を有する走査型光学顕微鏡が周知である。そこでは、空間解像度を改善する別の方法と関連する負担を防止するために、専ら単一波長の励起光線を発光試料に印加している。その試料は、励起光線のパワーを増大すると、励起光線によって、発光光線を放出させる励起能力が励起光線のパワーの閾値に対応する最大値にまで上昇する第一の発光状態から、試料が発光光線を放出する励起能力が第一の状態と比べて低下する第二の発光状態に遷移されている。そのような閾値以上のパワーで励起光線を照射することによって、試料を第二の状態に遷移させている。閾値を上回る局所的な最大パワーと閾値を下回る局所的な最低パワーを有する励起光線の分布により励起光線の照射を行なうことによって、部分領域内の試料を第一の状態に設定し、それと隣接する領域内の試料を第二の状態に設定している。結局は、発光試料の画像は、第一の状態の試料領域と第二の状態の試料領域から検出され、主に第一の状態の試料領域が発光試料の画像に寄与し、そのため、画像は、励起光線の分布と比べて向上した位置解像度を有する。具体的には、励起光線による焦線形状の照射を用いることができ、その線は、長手軸に沿って、例えば、正弦波形状に変調されており、そのため、パワーは、或る線区画内では閾値を上回り、或る線区画内では閾値を下回っている。そして、その線に対して垂直な方向とその線に沿った方向に走査動作が行なわれ、そのような発光光線用の検出器は、好適な高解像度のライン検出器である。周知の方法と周知の装置は、単一波長での励起光線のパワー増大と関連する前述した挙動を有する発光物質に適用される。それは、全ての蛍光色素にも、それ以外の全ての発光物質にも、全ての所謂切換可能な蛍光色素にも、切換可能な蛍光蛋白質にも、活性可能な発光粒子にも適用できない。
ドイツ特許公開第10325459号明細書 ドイツ特許公開第102005034443号明細書
Hell, SW, "Microscopy and its focal switch", Nature Methods, Vol. 6 (2009), Seite 28, rechts, §4
本発明の課題は、物質に関する制限を出来る限り少なくした、測定範囲内の物質の分布を高い空間解像度で計測する方法及び走査型光学顕微鏡を提示することである。遷移範囲内の物質の遷移を局所的に解像する方法では、物質は、遷移の解像前に、物理信号による出来る限り少ない状態変化を受けるものとする。
本発明の課題は、独立請求項1の特徴を有する測定範囲内の物質の分布を計測する方法、独立請求項13の特徴を有する走査型光学顕微鏡及び独立請求項15の特徴を有する遷移範囲内の物質の遷移を局所的に解像する方法によって解決される。独立請求項21は、測定範囲内の物質の分布を計測する方法の更に別の実施形態に関する。この新しい方法と新しい走査型光学顕微鏡の有利な実施構成は、従属請求項に規定されている。
この新しい方法では、測定範囲内の物質の分布を計測するために、測定フロント部分が、試料内において一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方からそれぞれ構成され、(i)測定状態の物質の割合が、一方の状態から測定状態への物質の遷移(a)によって、少なくとも非占有状態から飽和値にまで上昇するか、(ii)測定状態の物質の割合が、一方又は他方の状態への物質の遷移(b)によって、測定フロント部分の前の初期値から少なくともほぼ非占有状態に低下するか、或いは(iii )測定状態の物質の割合が、一方の状態から測定状態への物質の遷移(a)によって、少なくともほぼ非占有から上昇するとともに、一方又は他方の状態への物質の遷移(b)によって、再び少なくともほぼ非占有状態に低下するように、一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方の強度が、一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方の波長における回折限界よりも浅い測定フロント部分の深さに渡って増大されるものとする。理想的な形態では、測定状態の物質の割合が非占有状態である場合、その割合はゼロである。しかし、この新しい方法では、「非存在状態」と称する、測定状態の物質の割合がほぼゼロであるか、或いは如何なる場合でも測定フロント部分内の測定状態の物質の最大の割合と比べて少なければ、それで充分である。
第一の場合(i)、測定フロント部分の前の物質は、未だ測定状態ではなく、物質から測定信号が得られない一方の状態に有る。測定フロント部分の後では、測定状態の物質の割合は、飽和値の大きさ、即ち、光信号の強度の更なる増大によって、少なくとも最早大きく上昇させることができず、測定フロント部分の後の光信号の強度の更なる充分な増大によっても、最早上昇させることできない値である。第二の場合(ii)、測定フロント部分の前の或る程度の割合の物質は測定状態に有る。測定フロント部分の後では、物質は最早測定状態には無く、物質から測定信号が得られない一方又は他方の状態に有り、有利な第三の場合には、測定フロント部分の前後、即ち、専ら測定フロント部分の領域内の物質は測定状態には無い。(ii)と(iii )の場合でも、測定フロント部分の物質の遷移によって、所定の状態の物質の割合は飽和値にまで上昇される。ここでは、それは一方又は他方の状態における物質の割合である。この飽和値が100%以内であり、依然として測定状態に有る測定フロント部分の後の物質からの測定信号を無視できない場合、その相対的な強度が飽和値又はその補数によって与えられるので、検出した測定信号を評価する際に、そのような信号は容易に分離できる。飽和限界値に到達したことは、各光信号の強度の外に、関連する遷移を励起した時の実効断面積に依存し、それは、更に、物質の環境条件に依存し得る。如何なる場合でも、測定フロント部分内での各遷移に関して計算可能な飽和強度が各光信号の強度の少なくとも5倍、より良くは一桁又は数桁上回った時に飽和限界値に到達する。
この新しい方法では、測定フロント部分は、測定フロント部分で測定範囲を走査するために、一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方の強度が増大する方向と逆方向に測定範囲に渡ってシフトされる。この場合、少なくとも測定フロント部分の領域からの測定信号又はその変化、有利には、測定信号の分布又はその変化が、一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方の強度が増大する方向に対して交差して延びる測定フロント部分の幅方向に沿って位置を解像する形で検出されて、それぞれ測定範囲内の測定フロント部分の対応する位置に対応付けられる。即ち、有利には、測定範囲内の測定フロント部分の各位置において、少なくとも測定信号の分布又はその変化が測定フロント部分に沿って記録される。しかも、例えば、一次元の拡がりしか無い測定範囲の場合、測定信号の分布又はその変化の代わりに、その領域又は測定フロント部分の個々の部分領域からの測定信号の強度又はその変化だけを検出すれば、それで充分であると規定できる。
この新しい方法では、有利な場合(iii )の測定信号が測定フロント部分の領域からのみ取得でき、別の(i)と(ii)の二つの場合の測定信号が測定フロント部分に入った物質によってのみ、予想できない、そのため分離できない変化を受けるので、測定フロント部分のシフト方向における物質の分布を計測する場合の位置解像度は、特に、試料内の測定フロント部分のその時々の位置を知ることによって得られる一方、測定フロント部分に沿った位置解像度は、測定信号の分布の解析から得られる。この場合、後者は、基本的に(測定信号の波長における)回折限界によって制限される。それに対して、測定フロント部分は、測定フロント部分のシフト方向における位置解像度が回折限界を大きく下回って改善される程大きく回折限界を下回るように、空間的な深さを非常に浅くして構成することができる。
測定範囲に対して測定フロント部分を異なる方向に向けて、測定範囲に渡って測定フロント部分を異なる方向にシフトさせることによって、特に、直線的な測定フロント部分を互いに直交する方向に向けて、測定フロント部分をその推移に対して垂直な二つの方向にシフトさせることによって、測定フロント部分を構成する全ての光信号の強度が測定フロント部分に沿って一定であるか、或いは何れにせよ、その方向における位置解像度の向上に関して利用可能な構造を持たない場合でも、測定範囲内の撮影対象の物質の分布を全ての方向において回折限界以下の位置解像度で撮影することができる。
この新しい方法では、少なくとも、測定フロント部分に渡って強度が大きく増大する全ての光信号は、基本的に測定フロント部分の前では、何らかの状態変化を起こすのに充分な強度を持たない。即ち、物質を一度測定した測定フロント部分は、測定範囲の場所に近付き、その際、その場所の物質に事前に複数回の状態変化を加えない。理想的な場合、物質は、測定フロント部分が到達した時に、初めて状態変化を経験する。
測定フロント部分を構成するために、一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方をそれぞれ測定フロント部分の所望の推移に対して垂直に一直線上に集束することができる。基本的には、測定フロント部分として、一点に集束する一つ以上の光信号の焦点領域の周縁部を使用することもできる。即ち、測定フロント部分は、直線的な推移を持ってはならないが、有利には、直線的である。直線的な測定フロント部分を構成するために、例えば、平行な光線から成る、一つの方向に拡がる光束を一つの直線上に集束する円柱レンズを使用することができる。そのように集束された光信号の強度分布の横方向のサイズは、回折限界を克服できない。しかし、光信号の強度が強い場合、その信号の強度分布の周縁部は、本発明による測定フロント部分を構成するのに必要な強度の増大が回折限界を大幅に下回る区間に渡って起こる急傾斜を有する。この場合、測定フロント部分に隣接する強度分布の最大値における一方の光信号又は他方の光信号の非常に強い強度は、測定フロント部分が通過し、それにより測定された後に初めて、測定範囲内の物質がそのような強度に晒されて、その結果多くの回数の状態変化を経験するので、基本的に無害である。
特に、直線的な測定フロント部分を構成するための更に別の具体的な手法は、測定範囲内に周縁部を形成することである。この場合、一つ以上の光信号の強度分布の測定フロント部分に先行する極大値は、測定信号への影響に関して簡単に切り離すことができる程非常に弱くしか出現しないか、或いは周縁部に渡って強度の急上昇部分から充分に離れているので、通常無害である。周縁部に沿って測定範囲が二つの部分領域に分割される、そのような周縁部の構成は、この新しい方法の(i)と(ii)の場合における測定フロント部分の構成の有利な形態である。
一方の状態から測定状態への物質の遷移(a)と一方又は他方の状態への物質の遷移(b)の二つの遷移のために、一方の光信号の外に、他方の光信号も必要である場合、これらの測定フロント部分を構成するための二つの信号を共通して構成することができる。例えば、完全な重なり合いが無意味である場合、それらが、測定フロント部分の推移に対して垂直に、即ち、測定フロント部分の深さ方向に僅かなずれを持つようにすることもできる。
この測定範囲内の物質の分布を計測する新しい方法では、測定信号が取得できる測定フロント部分の深さを活用するとの事実の外に、物質からの測定信号の相対的な強度分布も位置を解像するために活用できる。この物質からの測定信号の相対的な強度分布は、測定フロント部分内の深さ方向における物質の位置に依存し、典型的には、急激に低下するまで、測定フロント部分の深さに渡っての光信号の強度に応じて連続的に上昇する。そこには、第二の順位の解像度の改善手法が認められる一方、この新しい方法では、物質からの測定信号又は測定信号の変化が主に測定フロント部分の深さに渡ってのみ出現することによって、第一の順位の解像度の改善手法が実現されている。
物質から測定信号が得られない状態から測定状態への物質の遷移(a)と、他方の状態への物質の遷移(b)とが光信号を用いて可能である場合、回折限界以下の深さで測定フロント部分を構成して、専ら測定フロント部分の領域内の物質から測定信号を取得して、光信号の波長における回折限界よりも浅い測定フロント部分の深さに渡って光信号の強度を増大させて、測定状態の物質の割合が、一方の状態から測定状態への物質の遷移(a)によって、一旦上昇した後、他方の状態への拡大する物質の遷移(b)によって、再びゼロとなるまで低下すれば、それで充分である。
そのような新しい方法の最後に述べた変化形態の具体的な実施構成では、物質は、発光色素、特に、蛍光色素であり、測定状態とは、物質が測定信号として自発的にルミネッセンス光、即ち、特に、蛍光を放出する、励起された電子的な状態であり、他方の状態とは、試料内の測定フロント部分の同じ位置から測定信号を検出するための測定時間よりも長い寿命を有する暗状態である。即ち、物質は、確かに暗状態から基底状態に戻るが、その基底状態からは、最早試料内の測定フロント部分の実際の位置に対応付けられる測定信号が検出される測定範囲の領域内に居なくなった場合に初めて、新たに発光のために励起可能である。そのような暗状態は、ほぼ全ての従来の蛍光色素とそれ以外の多くの発光色素に特有な状態である。多くの場合、その状態は三重項状態である一方、測定状態とは励起された一重項状態である。それは、イオン化した状態であるとも規定できる。蛍光色素及びその以外の発光色素は、通常少なくとも数回、そのような暗状態から戻ってきた後、光の作用のために最終的に、即ち、光化学的に消光する。この新しい方法では、試料内の撮影対象の構造全体を高い位置解像度で撮影するためには、異なる方向から試料に渡って測定フロント部分を数回動かすことだけが、大抵は互いに直交する方向から二回動かすことだけが必要である。そのためには、一回又は数回だけ物質を暗状態から基底状態に戻さなければならない。
この新しい方法の最後に述べた変化形態は、測定範囲内の分布を計測すべき物質を所定の通り選択することを前提条件としている。そのような物質が入手可能であっても、そのような新しい方法の変化形態を実現することが複雑となる場合が有る。従って、独立請求項1に規定された新しい方法の別の変化形態が有利であり、その変化形態では、強度が測定フロント部分の深さに渡って増大する光が、異なる波長の少なくとも二つの光信号から構成され、それらの測定範囲内の強度分布が同じ形態で構造化されて、物質が、一方の光信号を用いて、その物質から測定信号が得られない一方の状態から測定状態に遷移され(a)、他方の光信号を用いて、一方又は他方の状態に遷移される(b)。
そのような新しい方法の変化形態では、より広い範囲の物質を使用して測定信号を供給できるように、確かに異なる波長の光信号が測定フロント部分に投入されている。しかし、これらの光信号は、測定フロント部分を形成するために、同じ形態で、特に、同じ光学素子を用いて形成又は構造化される。そのため、それらは、絶対強度が異なる場合でも、基本的に測定フロント部分に渡って同じ識別できる分布を有する。従って、その負担は、他方の波長の少なくとも一つの他方の光信号によって、殆ど増加しない。特に、従来のSTED又はRESOLFT方式のように、複数の光信号の異なる構造化のために異なる光学素子を順番に調整する必要がない。むしろ、これらの光信号を構造化せずに組み合わせた後、一緒に構造化すれば、それで充分である。
具体的には、異なる波長の少なくとも二つの光信号から測定フロント部分を構成する、この新しい方法の変化形態では、測定状態は、自発的に蛍光を放出する物質の励起された状態である一方、一方又は他方の状態は、物質の励起されていないか、何れにせよ蛍光の放出が行なわれない一方の状態であるため、物質は、測定状態で蛍光を放出し、一方又は他方の状態では蛍光を放出しない。この場合、物質を測定状態に遷移させる一方の光信号が励起光である一方、他方の光信号が、例えば、所謂STED又はGSD光であると規定できる。それに代わって、物質は、励起光によって、測定状態から初めて蛍光を放出するように励起させることが可能であり、一方又は他方の状態では、励起光によって、蛍光を放出しないように励起させることが可能である。この場合でも、蛍光は測定信号であるが、測定フロント部分を構成する二つの光信号に追加して、励起光を印加しなければならない。この場合、それは、同様に測定フロント部分に渡って増大する強度を有し、二つの他方の光信号と同じ形態で、或いは同じ光学素子を用いて構造化することができる。しかし、例えば、測定範囲に渡って均一に印加することもできる。励起光が、既に測定フロント部分内に加わっている一方又は他方の光信号と同じ波長を持つことも可能である。その場合、励起光を追加するのではなく、各々の光信号が、測定状態又は物質から測定信号が得られない一方又は他方の状態に物質を遷移させる機能の外に、測定状態の物質を蛍光を放出するように励起させる役割も果たす必要が有る。
遷移作用を有する光信号の作用範囲の後の物質が非常に速く再び測定フロント部分の前に有った状態に戻った場合、或いは物質が光信号によって何れにせよ再びそのような状態に戻った場合、速く連続する平行又は折れ曲がった複数の測定フロント部分を測定範囲に通過させることもできる。物質が、より長い回復時間を費やした後、初期状態に戻る場合、測定フロント部分を新たに測定範囲に通過させる前に、そのような回復時間を待つか、或いは測定フロント部分を新たに物質に通過させた時に検出した測定信号を評価する際に物質の未だ完全に回復していないことを考慮しなければならない。多くの場合、測定フロント部分をシフトさせる測定範囲内の物質に、特に、青又は紫外の波長領域のリセット又はリフレッシュ用の光信号を印加した後、新たに測定範囲に渡って測定フロント部分をシフトさせることも有利である。多くの場合、そのようにして、測定フロント部分を一回通過させる前に居た一方の状態における物質の割合を明らかに上昇させることができる。
本発明は、蛍光色素を用いるだけでなく、それ以外の発光色素を用いても実施できることを強調しておきたい。むしろ、物質が、本発明による手法で測定状態に、或いは測定状態から遷移させることが可能な或る程度の光中心を提供して、測定状態でのみ、物質から測定信号が得られれば、それで充分である。それは、本発明による測定フロント部分内の物質から得られるものと同じ強度及び/又は同じ測定信号が得られない場合に、物質のそれ以外の状態で試料から測定信号が得られないことを必ずしも意味しない。
本発明では、切換信号を用いて、一方の配座状態から他方の配座状態に切り換えることができる、所謂切換可能な蛍光色素、切換可能な蛍光蛋白質及び活性可能な発光粒子を使用することができる。この場合、これら二つの配座状態は、測定フロント部分の前の物質の一方の状態、即ち、初期状態と、測定フロント部分内の物質の測定状態とであると規定でき、測定状態が発光可能な配座状態であると規定できる。しかし、これら二つの配座状態が、測定フロント部分の前の物質の一方の状態、即ち、初期状態(測定状態は、この配座状態の電子的に励起された状態である)と、測定フロント部分の後の物質の他方の状態、即ち、暗状態とであるとも規定できる。これらの二つの場合、測定フロント部分は、切換信号の急峻な強度分布により構成される。しかし、スイッチオン信号により、試料内の発光するように励起された状態での物質の相対的な基礎濃度を設定するために、切換可能な物質を使用することもでき、このスイッチオン信号は、測定フロント部分の比較的弱い強度の前に加えられるか、或いはそれに重ね合わせることもでき、少なくとも大きくは測定フロント部分の構成に関与しない。
この新しい方法では、測定フロント部分は、幅方向に直線的な推移を持つことができる。それは有利ではあるが、必須ではない。即ち、測定フロント部分は、直線に沿って最大強度を持つ分布とは何かが異なる強度分布を持つ周辺部の一部であるとも規定できる。
有利には、測定フロント部分は、幅方向に、一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方の波長における回折限界の複数倍の大きさの拡がりを有する。理想的には、測定フロント部分は、測定範囲の幅全体をカバーする。
測定フロント部分は、測定範囲に渡って段階的に、或いは連続的にシフトさせることができ、段階的及び連続的なシフトの間の遷移は滑らかである。特に、パルス状の光信号の場合、測定フロント部分の連続的な送りは、直ちに測定フロント部分の段階的な送りに相当する。
有利には、測定フロント部分を連続的にシフトさせた場合でも、測定フロント部分の領域からの測定信号は、時間的に解像した形で検出される。それは、測定範囲内の測定フロント部分の各位置で、測定フロント部分の領域から測定信号の複数の分布を順番に取得することを意味する。測定信号の時間的な推移から、例えば、測定フロント部分の平均的な深さに関する、測定信号を供給する物質の相対的な位置を推定することもできる。それによって、この新しい方法で試料内の物質の分布を撮影する際の空間解像度の更なる向上を実現することができる。しかし、特に、測定信号の信号対雑音比は、典型的には、時間と共に変化し、測定信号の分布を検出する時点を合わせることによって最適化できる。しかし、そのためには、必ずしも測定範囲内の測定フロント部分の位置に関して、測定フロント部分の領域から測定信号の複数の分布を順番に撮影する必要は無く、測定フロント部分のシフト後の測定信号の単一の分布を撮影する時間スロットを最適化すれば、それで充分である。これと関連して、ドイツでも、しばしば測定信号のゲートが議論されている。この最適なゲートは、信号対雑音比を最適化する自動的なプロセスで設定することもできる。
具体的には、測定フロント部分の幅方向に配列されたライン検出器を用いて、測定フロント部分の領域から測定信号の分布を検出することができる。この新しい方法の(iii )の場合に関して、測定フロント部分に対して垂直な方向に階段状に形成された少なくとも二つの測定ラインを配備することが更なる利点も提供できる場合、平面検出器は不要である。この新しい方法では、平面検出器の代わりに、ライン検出器を使用することによって、個々のピクセルの非常に速い読み出しが可能となり、それは、測定フロント部分に沿った測定信号の強度分布の所望の時間解像度に関して有利である。
このライン検出器は、測定フロント部分に対して平行にずれた少なくとも一つの測定ラインを備えることもできる。即ち、確かに基本的には回折により制限される検知範囲は、それが主に測定範囲内の物質が最早測定信号を提供しない測定フロント部分の後に有るように、測定範囲内の測定フロント部分に対して相対的に配置することができる。それは、特に、測定フロント部分の前の物質が光信号の強度分布の極大値を提供する場合に有利である。例えば、測定フロント部分の位置は、光信号の絶対強度により測定フロント部分を構成するための光学系に対して変化するので、如何なる場合でも、測定範囲内の測定フロント部分の位置に対して相対的なライン検出器の位置を固定するのではなく、調整可能とするのが賢明である。そのようなライン検出器の相対位置の最適な調整は、例えば、信号対雑音比を最適化する自動的なプロセスで行なうこともできる。
ライン検出器の前のスリット開口を用いて、或いはそれに対応するライン検出器の小さいなサイズのピクセルを活用して、測定フロント部分に対して共焦点の形で測定フロント部分の領域から測定信号の分布を検出することができ、この場合の共焦点とは、測定フロント部分に対して垂直な全ての方向と関連する。そうすることによって、この新しい方法のz方向、即ち、測定信号の光軸方向における解像度を改善することができる。しかし、測定範囲から測定信号を共焦点の形で検出するために、ライン検出器自体を用いることもできる。そして、スリット開口は、依然として散乱光を抑制するのに有効である。
この新しい方法では、z方向の解像度を改善するために、例えば、蛍光色素の多光子励起や、例えば、4π蛍光顕微鏡での複数のレンズによる測定信号の記録などのそれ以外の基本的に周知の技術も使用可能である。
測定フロント部分の領域内の所望の一つ又は二つの遷移の多光子励起は、測定フロント部分の深さ方向における遷移確率を効果的に急峻にし、そのため測定フロント部分の深さを低下させるとの利点も有する。
それに対して、この新しい方法の(i)と(ii)の場合、有利には、測定フロント部分の推移に対して垂直に、即ち、測定フロント部分の深さ方向に位置を解像した形で測定範囲に渡って測定フロント部分を送ることによって測定信号の変化を検出するために、測定範囲全体を検出する平面検出器が配備される。(i)の場合、測定フロント部分によって実際にカバーされる領域内に測定フロント部分を送るのに応じて、測定フロント部分は、徐々に大きな割合の物質を測定状態に遷移させて、物質をその状態に留め、その結果、測定フロント部分は、測定範囲を物質が測定状態に有る部分範囲と物質が未だ測定状態でない部分範囲とに分割する。(ii)の場合は、これら二つの部分範囲の位置が測定フロント部分の移動方向に関して逆転していることだけが、(i)の場合と基本的に異なる。(i)と(ii)の両方の場合、検出器配列により検出した測定信号自体ではなく、測定フロント部分の送りに応じた、それらの測定信号の変化が重要である。この新しい方法の(iii )の場合でも、基本的に平面検出器を使用することができる。
この新しい方法では、測定フロント部分の深さは、出来る限り一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方の波長における回折限界の僅かに数分の1にしかならないことが分かっている。その拡がりは、回折限界の16分の1以下に制限することができる。測定フロント部分の深さが浅くなるのに応じて、本発明により取得した撮影対象の構造の画像の解像度が改善される。
この新しい方法では、物質は、非常に少ない回数しか一方の光信号又は他方の光信号を印加されないので、一方では、非常に敏感な物質を使用でき、他方では、一方の光信号又は他方の光信号が比較的高いエネルギーを有する、即ち、回折限界の絶対的な大きさに線形的な影響を与える一方の光信号又は他方の光信号の波長を比較的短くすることができる。即ち、波長は、例えば、450nmよりも短く、それどころか400nmよりも短く、具体的には、350〜400nmの範囲、即ち、可視光の範囲の下限とすることができる。そのような波長の光は、高出力のパルスレーザーと連続発振レーザーから得られる。しかし、この新しい方法は、そのようなUV領域からの光信号の外に、IR領域までの可視光範囲全体からの光信号を用いて実施することも可能である。
この新しい方法では、一方の光信号と他方の光信号用の光源として、パルスレーザーも連続発振レーザーも用いることができる。即ち、この新しい方法では、パルス形の、或いは強度が一定の全ての光信号を用いることができる。しかし、パルスの場合、測定範囲を隙間無く検出するためには、測定フロント部分のシフト速度と比べて、非常に速く光信号は連続して動かされる。
本発明による測定範囲内の物質の分布を計測する方法は、試料内の物質でマーキングされた構造を撮影するためだけでなく、物質の分布で符号化されたデータ記憶媒体から情報を読み出すためにも使用することができる。この場合、物質は、特に、少なくとも測定信号の波長における回折限界だけ互いに間隔を開けた一つ以上のトラックに分布させることができ、測定フロント部分は、それらのトラックに対して垂直な方向を向いている。
本発明による走査型光学顕微鏡は、一つの光源から放出された一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方から測定フロント部分を構成するための光学系を備えている。更に、試料の測定フロント部分の領域から放出される測定信号の分布を検出するための検出器が配備されており、それは、有利には、ライン検出器である。
本発明による遷移範囲内の物質の遷移を局所的に解像する方法では、遷移フロント部分が、一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方から遷移範囲内に構成され、一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方の波長における回折限界よりも小さい遷移フロント部分の深さに渡る一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方の強度が、一方の非活性状態から活性状態に物質を遷移させない強度から、活性状態から一方又は他方の非活性状態に完全に遷移させる強度まで増大される。この遷移フロント部分は、一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方の強度が増大する方向とは逆方向に遷移範囲に渡ってシフトされて、遷移フロント部分が遷移範囲内の選定された位置に有る場合に、活性状態での遷移を解像するための物理信号が、少なくとも遷移フロント部分の部分領域に印加される。
この物理信号は、有利には、一方の光信号と他方の光信号の一方又は両方の強度が増大する方向に対して交差して延びる遷移フロント部分に沿って位置を解像する形で印加される。
この遷移範囲内の物質の遷移を局所的に解像する新しい方法は、例えば、マイクロリソグラフィにおいて、或いはエフェクタ分子の局所的な遊離のために使用することができる。それを情報の保存のために使用することもでき、遷移を可逆的又は非可逆的とすることができる。情報を保存するために、少なくとも物理信号の波長における回折限界だけ互いに間隔を開けた一つ以上のトラックに物質を分布させることができ、遷移フロント部分は、それらのトラックに対して交差する方向を向き、物理信号は、それらのトラックの間を解像するために印加される。具体的には、遷移フロント部分の各位置で1バイトを保存できるように、例えば、8本のトラックを並べて配置することができる。情報を再び読み出すための同期信号を一つ以上の追加のトラックに書き込むことができる。
ここで説明した特徴を除いて、この新しい方法は、特許文献1、そのファミリー特許文献及びそのファミリー特許文献による検査方法で引用された文献において当業者に対して開示された事項、並びにそれらの文献の中の一つの更なる改善構成で開示された事項と同じである。この遷移を局所的に解像する新しい方法で使用可能な物質の活性状態には、配座状態の外に、電子的及び化学的な状態も含まれ、本明細書全体を通して、「電子的な状態」との用語は、イオン化状態も表すことができる程広く解釈するものとする。
本発明の有利な改善構成は、請求項、明細書及び図面から明らかとなる。本明細書の冒頭で述べた特徴及び複数の特徴の組合せの利点は、単なる例であって、それに代わる、或いはそれに追加される作用効果を奏することができ、その際、それらの利点は、必ずしも本発明による実施構成から得る必要はない。更に別の特徴は、図面、特に、図示された幾何学的形状と複数の構成要素相互の相対的なサイズ及びそれらの相対的な配置構成及び関連構成から読み取ることができる。同様に、本発明の異なる実施構成の特徴又は異なる請求項の特徴を請求項の選択されている引用関係と異なる形で組み合わせることが可能であり、そのため、それが推奨される。そのことは、別個の図面に図示されるか、或いはその図面の記載で述べられた特徴にも言えることである。これらの特徴は、異なる請求項の特徴と組み合わせることもできる。同様に、請求項に記載された特徴を本発明の別の実施構成から削除することもできる。
以下において、添付図面と関連した実施例に基づき、本発明を詳しく説明する。
回折により制限される一方の光信号の強度分布図 一方の光信号の絶対強度が非常に強い場合の図1の強度分布の周縁領域とそのような一方の光信号の強度分布から得られる測定信号の強度分布図 測定信号が、一方の光信号の外に、同じく強度分布が回折により制限される他方の光信号に依存する場合の図2に対応する図 強度分布が回折により制限される一方の光信号及び他方の光信号の外に、強度分布が均一な更に別の光信号を用いて測定信号が生成される場合の図2に対応する図 図1〜4の強度分布を有する測定フロント部分により試料とそこに含まれる撮影対象の構造を互いに直交する二つの方向に走査する手法の模式図 図1〜4の強度分布を有する測定フロント部分により試料とそこに含まれる撮影対象の構造を互いに直交する二つの方向に走査する手法の模式図 図5と6の測定フロント部分により試料を走査すると同時に、測定フロント部分の領域から測定信号を検出する走査型光学顕微鏡の模式図 図5と6の測定フロント部分により試料を走査すると同時に、測定フロント部分の領域から測定信号を検出する走査型光学顕微鏡の模式図 蛍光色素の分布を計測する新しい方法を実施する場合に使用される蛍光色素の電子的な状態の模式図
図1は、回折により制限される一方の光信号1の強度分布である。この強度分布は、ガウス形状であり、一つの領域2に渡って分布しており、その最小のサイズは、ここでは、光信号1の波長のほぼ半分であるアッベの回折限界によって制限される。
図2は、光信号1の強度が非常に大きい場合の模式図である。従って、その強度は、図2に図示されている通り、図1の強度分布の周辺で既に非常に速く増大している。即ち、例えば、光信号1が蛍光を自発的に放出するように蛍光色素を励起するための励起光である場合、x0 で強度0を上回った後非常に速くxSDで強度SD を上回り、そこでは、暗状態における蛍光色素の一時的な遷移の飽和に既に到達している。即ち、x0 とxSDの間の範囲内でのみ、測定信号3、即ち、この例では蛍光が蛍光色素から得られる。ここでは、そのようなx0 とxSDの間の範囲を測定フロント部分4と称する。光信号1の非常に大きな強度を考慮すると、x0 とxSDの間の強度分布の方向の測定フロント部分4の深さは時間に応じて変化する、即ち、光信号1の強度が大きい範囲の蛍光色素自体は、瞬間的に暗状態に遷移するのではなく、その前に蛍光を放出するので、光信号1の印加直後では、測定フロント部分の深さが、より広く可能性が有る。時間と共に、測定フロント部分の深さは狭くなる。しかし、その場合、測定信号3の強度も元に戻る。従って、理想的には、測定信号3は、光信号1の印加後に時間的に解像して検出され、次に、それに基づき分析され、その時点では、その信号は、空間的な大きさが測定フロント部分4の深さによって限定されると同時に最良の信号対雑音比を有する。
図3は、一方の光信号1だけでなく、基本的に強度分布が一方の光信号1と同じであるが、絶対強度が更に大きい他方の光信号5を印加した場合の模式図である。具体的には、他方の光信号5は、蛍光色素を暗状態に遷移させる信号である一方、一方の光信号1は、基本的に蛍光を発するように蛍光色素を励起する役割だけを果たす。この場合、一方の光信号1を導入することは測定フロント部分4の一方の限界x0 を決定する一方、蛍光色素をほぼ完全に暗状態に遷移させるための他方の光信号5の飽和強度SD は、測定フロント部分4の他方の限界xSDを決定する。この場合、測定フロント部分4の幅の変化に関しても同じことが言え、それは、既に図2に対して述べた。
図4は、一方の光信号1が、蛍光を発するように励起可能な状態に切換可能な蛍光色素をスイッチオンする一方、他方の光信号5が、再び元の状態又は蛍光を発しないように励起可能な状態に蛍光色素をスイッチオフする場合の模式図である。ここでは、光信号1と5に追加して、強度分布が均一な励起光の形の更に別の光信号6が印加されており、その信号は、スイッチオンされた状態に有る蛍光色素を蛍光を発するように励起する。それによっても、サイズが回折限界よりも著しく小さい測定フロント部分4に渡って、測定信号3の分布が得られる。しかし、多くの場合、切換可能な蛍光色素では、他方の光信号5を励起のためと元の状態に切り戻すための両方に使用することができ、そのため、更に別の光信号6の形の励起光を省略することができる。
図4は、光信号1と5が基本的に図3と同じ機能を有する場合、即ち、一方の光信号1が蛍光を発するように蛍光色素を励起し、他方の光信号5が蛍光色素を暗状態に切り換えることを説明する役割も果たしている。この場合、強度分布が均一な光信号6は、励起光ではなく、高い濃度で存在するスイッチオン可能な或る程度の割合の蛍光色素を主に初めて蛍光を発する状態に遷移させるスイッチオン信号である。この場合でも、測定信号3の分布は、回折限界と比べて明らかに低減されたサイズの測定フロント部分4に渡ってのみ得られている。
図5と6は、ここでは直線的に構成された測定フロント部分4により二つの異なる方向xとyに沿って測定範囲に関して試料7を走査する例の模式図であり、ここで使用している光信号1と5の強度分布の全体も図3に図示されている。破線8は、この強度分布の最大値を表している。蛍光色素の分子の形の物質10によりマーキングされた、試料7内に含まれる撮影対象の構造9は、その蛍光色素の蛍光を記録することによって、測定信号として撮影される。この場合、測定信号の記録は、少なくとも測定フロント部分4に沿って位置を解像する形で行なわれる。物質10の個々の分子だけからの測定信号がそれぞれ複数のピクセルにより検出されて、その強度分布の中心に関して評価されない限り、この記録時の空間解像度は、基本的に回折により制限され、それは、この新しい方法でも可能であり、ここでも、測定フロント部分4に沿った方向でのみ実施することができる。試料7に渡って動かされる測定フロント部分4に対して垂直な(矢印11で表示されている)方向において、即ち、試料内の測定フロント部分4の位置に渡って、試料の所定の位置への測定信号の対応付けが行なわれる。測定フロント部分4の拡がりは、回折限界を大きく下回っているので、そのような方向での撮影の解像度は、回折限界よりもずっと良好である。図5と6に図示されている通り、測定フロント部分4により、互いに直交する方向xとyに沿って試料を走査することによって、測定フロント部分4に対して垂直な解像度が回折限界を克服した形で、撮影対象の構造9を二つの方向に走査することができる。
図5と6の通り試料9を測定するための図7と8に図示された蛍光顕微鏡12は、横断面がほぼ直線形の光束の形の光信号1と5を一緒に供給する光源13を備えている。この光束は、横断面が主延伸方向に対して垂直なレンズ14によって、図3の光信号1と5の強度分布が生じる領域2に集束される。それと逆方向に試料9から放出される測定信号3は、ダイクロイックミラー15によって、ライン検出器16の方向に偏向され、ライン検出器16の前には、z方向への測定信号の対応付けと、そのためz方向における撮影対象の構造の解像度を改善するために、(図7にのみ図示された)スリット開口17を配置することができる。光学系18は、測定信号3を測定フロント部分の推移に対して垂直な方向にスリット開口17又はライン検出器16上に集束する。ライン検出器16は、並んで配置されたピクセル19から成る少なくとも一つの測定ラインを備えている。非常に多くの数のピクセル19が非常に密に配置される形で測定ライン20に配備されているので、図8の図面は実際の構成と一致しないことを理解されたい。ライン検出器16は、高い周波数で読出可能であり、それによって、既に図2と関連して述べた測定フロント部分4の深さに関する時間的な動きを解像することが可能である。試料9に渡って測定フロント部分4を送る速度も、構造9を撮影する際の信号対雑音比と空間解像度を最適化するために変更できる一つのパラメータである。
図9は、模式的に、即ち、例えば、或る程度の準安定状態を考慮せずに、光信号1を用いて、物質から測定信号が得られない一方の状態から測定状態に物質を遷移させることが可能である場合(a)と、光信号5を用いて、測定信号が最早得られない他方の状態に物質を遷移させることが可能である場合(b)に関して、本発明による測定範囲内の物質の分布を計測する方法での物質として使用できる蛍光色素の電子的な状態を図示している。物質の一方の状態とは、光信号1を用いて、測定状態としての励起された電子的な一重項状態S1 への励起を実行できる一重項基底状態S0 である。測定状態S1 から、蛍光色素は測定信号3としての蛍光を放出する。それに対して、蛍光色素は、光信号5を用いて、更に、エネルギー的に高い所に有る電子的な状態に励起される。その状態は、ここで図示されている通り、一重項状態Si とするか、さもなければ励起された三重項状態Ti とすることができる。蛍光色素は、遷移21によって、その状態から、長寿命の三重項基底状態T0 の形の暗状態に到達し、その状態は、遷移22によって、ゆっくりとしか再び一重項基底状態So に緩和しない。光信号5の強度を増大すると、蛍光色素が暗状態T0 に到達して、測定フロント部分は、観測している蛍光色素分子から再び非常に遠くに離れるまで、そこに留まる、即ち、測定信号としての蛍光を最早放出できない確率が大きく上昇する。それに代わって、光信号5の強度を飽和限界値を超えて増大させることによって、蛍光の放出を阻止するために、蛍光色素は、光信号5を用いて、蛍光を発することなく、励起された電子的な一重項状態S1 から基底状態S0 又は暗状態に遷移させて戻すことができる。
1 一方の光信号
2 領域
3 測定信号
4 測定フロント部分
5 他方の光信号
6 更に別の光信号
7 試料
8 破線
9 構造
10 物質
11 矢印
12 走査型光学顕微鏡
13 光源
14 レンズ
15 ダイクロイックミラー
16 ライン検出器
17 スリット開口
18 光学系
19 ピクセル
20 測定ライン
21 遷移
22 遷移

Claims (38)

  1. 測定範囲内の物質(10)の分布を計測する方法であって、
    物質(10)は、光を用いて、その物質から測定信号(3)が得られない一方の状態から、その物質から測定信号(3)が得られる測定状態に遷移させること(a)が可能であるとともに、その物質から測定信号が得られない一方又は他方の状態に遷移させること(b)が可能であり、
    測定範囲内に光から測定フロント部分(4)を構成する工程であって、測定状態の物質(10)の割合が、一方の状態から測定状態への物質(10)の遷移(a)によって、非占有状態から上昇するとともに、一方又は他方の状態への物質(10)の遷移(b)によって、再び非占有状態に低下するように、光信号の波長における回折限界よりも小さい測定フロント部分(4)の深さに渡って光の強度を増大させる工程と、
    測定範囲に渡って、光の強度が増大する方向と逆方向に測定フロント部分(4)をシフトさせる工程と、
    少なくとも測定フロント部分(4)の領域からの測定信号(3)を検出する工程と、
    検出した測定信号(3)を測定範囲内の測定フロント部分(4)の対応する位置に対応付ける工程と、
    を有する方法において、
    測定フロント部分(4)の深さに渡って強度を増大させる光が、波長の異なる少なくとも二つの光信号から構成され、それらの光信号の測定範囲内の強度分布が、同じ形態で構造化されており、物質(10)は、一方の光信号(1)を用いて、物質から測定信号(3)が得られない一方の状態から測定状態に遷移されるとともに(a)、他方の光信号(5)を用いて、一方又は他方の状態に遷移される(b)ことを特徴とする方法。
  2. 当該の二つの光信号の測定範囲内の強度分布が、同じ光学素子を用いて構造化されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 測定フロント部分(4)が、直線的な推移を有し、測定フロント部分(4)の深さに渡って強度を増大させる光が、測定フロント部分(4)に沿って一定であることと、
    測定フロント部分(4)が、測定範囲に渡って、少なくとも二つの直線的な独立した方向に、特に、二つの直交する方向にシフトされ、それによって、測定フロント部分(4)の領域からの測定信号(3)の分布が、測定フロント部分(4)に沿って位置を解像する形で検出されて、測定範囲内の測定フロント部分(4)の対応する位置に対応付けられることと、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 測定フロント部分(4)が、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方の波長における回折限界の少なくとも100倍をカバーすることと、測定フロント部分(4)が、その幅方向における二次元の測定範囲をカバーすることとの一方又は両方を特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
  5. 測定信号(3)が、測定範囲内の測定フロント部分(4)の各位置で時間的に解像される形で検出されることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
  6. 測定フロント部分(4)の領域からの測定信号(3)の分布が、測定フロント部分(4)の幅方向に配列されたライン検出器(16)を用いて検出されることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
  7. 測定範囲全体の領域(4)からの測定信号(3)の分布が、検出器配列を用いて検出されることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の方法。
  8. 一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方の波長における回折限界の1/2より小さい、特に、1/4以下、更に有利には、1/8以下、最も有利には、1/16以下である測定フロント部分(4)の深さに渡る一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の強度が、物質(10)を一方の状態から測定状態に遷移させない強さから、測定状態から一方又は他方の状態に完全に遷移させる強さまで増大されることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の方法。
  9. 当該の物質が、測定状態で蛍光を放出し、一方又は他方の状態で蛍光を放出しないこと、或いは当該の物質が、励起光を用いて、測定状態から蛍光を放出するように励起させることが可能であるとともに、励起光を用いて、一方又は他方の状態で蛍光を放出しないように励起させることが可能であり、その蛍光が、それぞれ測定信号であることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の方法。
  10. 測定フロント部分(4)をシフトさせた測定範囲内の物質(10)が、特に、青又は紫外(UV)の波長領域のリセットするための光信号を印加された後、測定フロント部分(4)が新たに測定範囲に渡ってシフトされることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載の方法。
  11. 当該の物質の分布を計測することによって、データ記憶媒体から情報を読み出すことを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載の方法。
  12. 当該の物質が、少なくとも測定信号の波長における回折限界だけ互いに間隔を開けた一つ以上のトラックに分布しており、当該の測定フロント部分が、これらのトラックに対して交差した方向に向けられていることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 光を供給する光源と、その光から測定範囲内に測定フロント部分を構成する光学系と、測定範囲に対して相対的に測定フロント部分をシフトさせる手段と、測定フロント部分に沿って位置を解像する形で少なくとも測定フロント部分からの測定信号の分布を検出する手段とを備えた、請求項1から12までのいずれか一つに記載の方法を実施するための走査型光学顕微鏡において、
    この光源からの光が、異なる波長の少なくとも二つの光信号から構成され、これらの光信号の測定範囲内の強度分布が、この光学系の同じ光学素子を用いて構造化されていることを特徴とする装置。
  14. 当該の測定フロント部分(4)の領域から測定信号の分布を検出する手段が、ライン検出器(16)を備えていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
  15. 遷移範囲内の物質の遷移を局所的に解像する方法であって、
    物質(10)が、一方の光信号(1)を用いて、物理信号を用いて遷移を解像できない非活性状態から、物理信号を用いて遷移を解像できる活性状態に遷移させること(a)が可能であるとともに、同じ一方の光信号(1)又は他方の光信号(5)を用いて、一方又は他方の非活性状態に遷移させること(b)が可能であり、
    遷移範囲内に一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方から遷移フロント部分(4)を構成する工程であって、活性状態の物質(10)の割合が、一方の非活性状態から活性状態への物質(10)の遷移(a)によって、非占有状態から上昇するとともに、一方又は他方の非活性状態への物質(10)の遷移(b)によって、再び非占有状態に低下するように、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方の波長における回折限界よりも小さい遷移フロント部分(4)の深さに渡って、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方の強度を増大させる工程と、
    遷移範囲に渡って、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方の強度が増大する方向と逆方向に遷移フロント部分(4)をシフトさせる工程と、
    測定フロント部分が遷移範囲内の選択された位置に有る場合に、少なくとも遷移フロント部分(4)の部分領域に物理信号を印加する工程と、
    を有する方法。
  16. 物質(10)が、一方の光信号(1)を用いて、非活性状態から活性状態に遷移される(a)とともに、他方の光信号(5)を用いて、一方又は他方の非活性状態に遷移される(b)ことと、
    遷移フロント部分(4)が、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)から構成され、これら二つの光信号の測定範囲内の強度分布が、同じ形態と同じ光学素子の一方又は両方により構造化されていることと、
    を特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 物理信号(3)が、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方の強度分布が増大する方向と交差して延びる遷移フロント部分(4)に沿って位置を解像する形で印加されることを特徴とする請求項15又は16に記載の方法。
  18. 請求項15から17までのいずれか一つに記載の方法をマイクロリソグラフィにおいて使用するか、或いはエフェクタ分子の局所的な遊離のために使用する方法。
  19. 請求項15から17までのいずれか一つに記載の方法を情報の保存のために使用する方法であって、当該の遷移が可逆的又は非可逆的である方法。
  20. 請求項15から17までのいずれか一つに記載の方法及びその方法を請求項19に記載の情報の保存のために使用する方法において、
    当該の物質が、少なくとも測定信号の波長における回折限界だけ互いに間隔を開けた一つ以上のトラックに分布しており、当該の測定フロント部分が、これらのトラックに対して交差した方向に向けられており、当該の物理信号が、これらのトラックの間を解像する形で印加されることを特徴とする方法。
  21. 測定範囲内の物質(10)の分布を計測する方法であって、
    物質(10)は、一方の光信号(1)を用いて、その物質から測定信号(3)が得られない一方の状態から、その物質から測定信号(3)が得られる測定状態に遷移させること(a)が可能であるか、同じ一方の光信号(1)又は他方の光信号(5)を用いて、その物質から測定信号が得られない一方又は他方の状態に遷移させること(b)が可能であるか、その両方が可能であり、
    測定範囲内に一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方から測定フロント部分(4)を構成する工程であって、
    (i)測定状態の物質(10)の割合が、一方の状態から測定状態への物質(10)の遷移(a)によって、非占有状態から飽和値に上昇するか、
    (ii)測定状態の物質(10)の割合が、一方又は他方の状態への物質(10)の遷移(b)によって、測定フロント部分前の初期値から非占有状態に低下するか、
    (iii )測定状態の物質(10)の割合が、一方の状態から測定状態への物質(10)の遷移(a)によって、非占有状態から上昇するとともに、一方又は他方の状態への物質(10)の遷移(b)によって、再び非占有状態に低下する、
    ように、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方の波長における回折限界よりも小さい測定フロント部分(4)の深さに渡って、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方の強度を増大させる工程と、
    測定範囲に渡って、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方の強度が増大する方向と逆方向に測定フロント部分(4)をシフトさせる工程と、
    少なくとも測定フロント部分(4)の領域から測定信号(3)を検出する工程と、
    検出した測定信号(3)を測定範囲内の測定フロント部分(4)の対応する位置に対応付ける工程と、
    を有する方法。
  22. 測定フロント部分(4)の領域からの測定信号(3)の分布が、一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方の強度が増大する方向と交差して延びる測定フロント部分(4)に沿って位置を解像する形で検出されて、測定範囲内の測定フロント部分(4)の対応する位置に対応付けられることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 物質(10)は、一方の光信号(1)を用いて、その物質から測定信号(3)が得られない一方の状態から測定状態に遷移させること(a)も、その物質から測定信号(3)が得られない他方の状態に遷移させること(b)も可能であり、
    測定状態の物質(10)の割合が、一方の状態から測定状態への物質(10)の遷移(a)によって、非占有状態から上昇するとともに、他方の状態への物質(10)の遷移(b)によって、再び非占有状態に低下するように、一方の光信号(1)の波長における回折限界よりも小さい測定フロント部分(4)の深さに渡って、一方の光信号(1)の強度を増大させることを特徴とする請求項21又は22に記載の方法。
  24. 当該の測定状態が、物質(10)が自発的にルミネッセンス光を放出する、励起された電子的な状態であり、当該の他方の状態が、測定範囲内の測定フロント部分(4)の位置から測定信号が検出される測定時間よりも長い寿命を有する暗状態である請求項23に記載の方法。
  25. 励起された電子的な状態から励起させることによって、当該の暗状態に到達させる請求項24に記載の方法。
  26. 物質(10)が、スイッチオン信号を用いて、測定状態に励起させることができない初期状態から測定状態に励起させることができる状態に切り換えることが可能であり、
    このスイッチオン信号によって、測定範囲内の励起可能な状態の物質の相対的な基本濃度を設定する、
    ことを特徴とする請求項21から25までのいずれか一つに記載の方法。
  27. 物質(10)が、スイッチオン信号を用いて、測定状態に励起させることができない初期状態から測定状態に励起させることができる状態に切り換えることが可能であり、
    このスイッチオン信号を一方の光信号(1)として使用するとともに、更に、物質を励起可能な状態から測定状態に励起するための励起信号を測定範囲に印加する、
    ことを特徴とする請求項21から25までのいずれか一つに記載の方法。
  28. 測定フロント部分(4)が直線的な推移を有することを特徴とする請求項21から27までのいずれか一つに記載の方法。
  29. 測定フロント部分(4)が、少なくとも一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方の波長における回折限界の100倍をカバーすることを特徴とする請求項21から28までのいずれか一つに記載の方法。
  30. 測定フロント部分(4)が、その幅方向の二次元の測定範囲をカバーすることを特徴とする請求項21から29までのいずれか一つに記載の方法。
  31. 測定信号(3)が、測定範囲内の測定フロント部分(4)の各位置で時間的に解像される形で検出されることを特徴とする請求項21から30までのいずれか一つに記載の方法。
  32. 測定フロント部分(4)の領域からの測定信号(3)の分布が、測定フロント部分(4)の幅方向に配列されたライン検出器(16)を用いて検出されることを特徴とする請求項21から31までのいずれか一つに記載の方法。
  33. 測定範囲全体の領域(4)からの測定信号(3)の分布が、検出器配列を用いて検出されることを特徴とする請求項21から32までのいずれか一つに記載の方法。
  34. 一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の一方又は両方の波長における回折限界の1/2より小さい、特に、1/4以下、更に有利には、1/8以下、最も有利には、1/16以下である測定フロント部分(4)の深さに渡る一方の光信号(1)と他方の光信号(5)の強度が、物質(10)を一方の状態から測定状態に遷移させない強さから、測定状態から一方又は他方の状態に完全に遷移させる強さまで増大されることを特徴とする請求項21から33までのいずれか一つに記載の方法。
  35. 測定フロント部分(4)が、測定範囲に渡って、少なくとも二つの方向にシフトされ、それにより、測定フロント部分(4)の領域からの測定信号(3)の分布が、測定フロント部分(4)に沿って位置を解像する形で検出されることを特徴とする請求項21から34までのいずれか一つに記載の方法。
  36. 測定フロント部分(4)をシフトさせた測定範囲内の物質(10)が、特に、青又は紫外(UV)の波長領域のリセットするための光信号を印加された後、測定フロント部分(4)が新たに測定範囲に渡ってシフトされることを特徴とする請求項21から35までのいずれか一つに記載の方法。
  37. 当該の物質の分布を計測することによって、データ記憶媒体から情報を読み出すことを特徴とする請求項21から36までのいずれか一つに記載の方法。
  38. 当該の物質が、少なくとも測定信号の波長における回折限界だけ互いに間隔を開けた一つ以上のトラックに分布しており、当該の測定フロント部分が、これらのトラックに対して交差した方向に向けられていることを特徴とする請求項37に記載の方法。
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