JP2013523741A - 非環式対称オレフィンの高炭素数オレフィンおよび低炭素数オレフィン生成物への変換 - Google Patents

非環式対称オレフィンの高炭素数オレフィンおよび低炭素数オレフィン生成物への変換 Download PDF

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Abstract

オレフィンメタセシスに効果的である条件下および触媒系と共に、非環式対称オレフィン(例:ブテン−2)を含む炭化水素供給原料の変換を行うためのプロセスについて記載する。低および高炭素数のオレフィン生成物(例:プロピレンおよびペンテン)が、固体担体および担体中に存在するアルミナと結合した水素化タングステンを含む触媒の存在下にて形成される。これは、非生産的な結果をもたらすオレフィンメタセシス反応機構にも関わらず、非環式対称オレフィンから予期される異なる炭素数の生成物を生成することなく行われる。
【選択図】図1

Description

優先権の記載
本出願は、2010年3月30日出願の米国特許出願第12/750,005号の優先権を主張するものである。
本発明は、オレフィンメタセシスのための条件下および触媒の存在下にて、非環式対称オレフィン(例:ブテン−2)を、低および高炭素数のオレフィン生成物(例:プロピレンおよびペンテン)に変換するための方法に関する。代表的な触媒は、担体中に存在するアルミナと結合した水素化タングステンを含む。
石油化学業界におけるプロピレンの需要は、包装材料およびその他の市販用製品のためのポリプロピレンの生産における前駆体として使用されることを主な理由として、大きく増加してきた。プロピレンのその他の下流部門での使用としては、アクリロニトリル、アクリル酸、アクロレイン、プロピレンオキシドおよびグリコール、可塑剤オキソアルコール、クメン、イソプロピルアルコール、およびアセトンの製造が挙げられる。現在、プロピレンの大部分は、天然ガス、液体石油、および炭素質物質(例:石炭、再生プラスチック、および有機物質)などの炭化水素供給原料の水蒸気分解または熱分解の過程で生産される。しかし、水蒸気分解の主生成物は、一般的にはエチレンであり、プロピレンではない。
水蒸気分解は、反応およびガス回収システムの非常に複雑な組み合わせを含む。供給原料は、熱分解反応器からの排出ガス混合物を生成するのに効果的な条件下にて、水蒸気の存在下、熱分解ゾーンに供給される。次に、この混合物は、一連の低温工程および慣用の分別工程を通して、安定化され、精製成分へ分離される。一般的に、生成物であるエチレンは、オーバーヘッド流などの低沸点留分として、エチレン/エタンスプリッターカラムから回収されるが、これは、分離されるエチレンとエタンの相対揮発性が類似しているために非常に数多くの理論段数を必要とする。水蒸気分解およびその他のプロセスからのエチレンおよびプロピレンの収率は、Cおよびそれより重いオレフィンのメタセシスまたは不均化のための公知の方法を、ゼオライト系触媒の存在下での分解工程と組み合わせることで改善することができ、例えば、米国特許第5,026,935号および米国特許第5,026,936号に記載されている。炭化水素供給原料中のオレフィンの分解により、製油所および水蒸気分解ユニットで得られたC混合物からこのようなより軽いオレフィンを生成することは、米国特許第6,858,133号、米国特許第7,087,155号、および米国特許第7,375,257号に記載されている。
水蒸気分解では、従来のメタセシスおよび/またはオレフィン分解工程と組み合わせるかどうかに関わらず、全世界の需要を満たすのに十分なプロピレンは得られない。従って、この他の相当量のプロピレン源が必要とされている。このようなプロピレン源としては、通常はガソリンの生産を目的とするものである流動接触分解(FCC)および残油流動接触分解(RFCC)の副生成物が挙げられる。FCCは、例えば、米国特許第4,288,688号および他所に記載されている。FCCのオレフィン性C/C混合副生成物流は、C炭化水素、プロパン、エタン、およびその他の化合物を分離することにより、ポリマーグレードの基準までのプロピレンに精製することができる。
現在のプロピレンの生産の多くは、従って、「意図的なもの」ではなく、エチレンおよびガソリンの生産の副生成物としてのものである。このことが、プロピレンの生産能力を市場の需要に結びつけることを困難にしている。さらに、新たな水蒸気分解能力の多くは、供給原料としてエタンを用いることに基づいており、これは、通常、最終生成物としてエチレンのみが生産されるものである。エチレンよりも重い炭化水素のいくつかが存在するが、それらは、一般に、経済的な形での回収が可能となるほどの十分な量で生産されない。現在のプロピレン需要の高い増大率から考えると、水蒸気分解から共生産されるプロピレンの量がこのように減少することは、プロピレンの需要および市場での価格の増大を加速させるように作用するだけである。
プロピレンを含む軽オレフィンのために特化された経路は、米国特許第3,978,150号および他所にて記載されるように、パラフィンの脱水素化である。しかし、プロパン脱水素プラントの設備コストは大きいため、通常これは、大スケールのプロピレン生産ユニット(例:典型的には1年あたり250000メートルトン以上)の場合にのみ妥当なものとなる。この能力を維持するために必要とされる十分な量のプロパン供給原料は、通常、ガスプラント源からのプロパンが豊富な液化石油ガス(LPG)流から入手可能である。目的とする軽オレフィン生産のためのその他のプロセスは、ナフサおよびその他の炭化水素留分の高過酷度接触分解(high severity catalytic cracking)を含む。商業的な重要性を有するナフサの接触分解プロセスは、米国特許第6,867,341号に記載されている。
より最近では、別の選択肢としての非石油由来の供給原料からのプロピレンおよびその他の軽オレフィンが望まれていることから、アルコール、より詳細にはメタノール、エタノール、および高級アルコール、またはこれらの誘導体などの酸素化物(oxygenates)が使用されてきた。特にメタノールは、例えば米国特許第5,914,433号に記載のメタノールからオレフィンへ(methanol-to-olefin)(MTO)の変換プロセスに有用である。そのようなプロセスからの軽オレフィンの収率は、米国特許第7,268,265号に記載のように、オレフィン分解反応器中にてMTOのC 生成物の一部またはすべてを変換するオレフィン分解を用いることによって改善することができる。エチレンの二量体化、ならびにいずれも変換プロセスの生成物であるエチレンおよびブチレンのメタセシスを使用することでプロピレンの収率が高められる、酸素化物から軽オレフィンへの変換プロセスは、米国特許第7,586,018号に記載されている。
軽オレフィンを工業的に生産するための様々な特化されたおよび特化されない経路の使用にも関わらず、プロピレンの需要は、そのような従来のプロセスの能力を引き続き上回っている。さらに、プロピレンの需要はさらに伸びることが見込まれている。従って、既存の原油に基づく製油所由来の炭化水素、ならびに非石油由来の供給源の両方からのプロピレンの収率を高めることができる費用対効果の優れた方法が求められている。
本発明は、プロピレンなどのオレフィン生成物を、炭化水素供給原料中の異なる炭素数を有するオレフィンから生成するための方法に関する。より詳細には、驚くべきことに、非環式対称オレフィン(例:ブテン−2)を、特定のオレフィンメタセシス触媒系を用いることにより、低および高炭素数のオレフィン生成物へ変換可能であることが明らかとなった。現在理解されているところによると、オレフィンメタセシス反応は、非環式オレフィンの炭素−炭素二重結合の開裂によって作り出されることになるアルキリデンラジカルの再配列をもたらすものである。例えば、自己メタセシスの場合、単一のオレフィン反応体がそれ自体と反応して、以下の反応に従うオレフィン性炭素原子置換基の転位が引き起こされる:
Figure 2013523741
この反応は、例えば、米国特許第2008/0255328号に記載されており、ここで、R〜Rは、水素または炭化水素ラジカルを表し、これらの各々は、オレフィン性炭素−炭素二重結合の炭素原子と結合している。従って、プロピレン(R、R、およびRはすべて−Hであり、Rは−CHである)などの非対称オレフィンの自己メタセシスは、米国特許第2008/0255328号の実施例で確認されるように、アルミナ担持水素化タングステン触媒を用いることにより、低炭素数のオレフィン(例:エチレン)および高炭素数のオレフィン(例:ブテン−2)の両方を生成する。しかし、シスおよびトランス配置に関わらず、RおよびR基がRおよびRと同じであること(すなわち、R=RおよびR=R、またはR=RおよびR=R)を意味する対称オレフィンのメタセシスの場合、炭素−炭素二重結合の開裂から発生する2つのアルキリデン断片が同一であることから、非生産的な(degenerative)結果が予測される。この予測は、実験的に確認されており、例えば、従来のオレフィンメタセシス触媒および反応系で得られるように、エチレンの反応からのエチレンの生成、ブテン−2の反応からのブテン−2の生成、ヘキセン−3の反応からのヘキセン−3の生成などである。非環式対称オレフィンのメタセシスが非生産的であるという本技術分野で認識されている理解から考えると、以下の式、
C=CR
の非環式対称オレフィンの変換から新規の生成物を効果的に生成するメタセシス触媒系は期待されない。
米国特許第2008/0255328号に記載のオレフィンメタセシスのための水素化タングステン/アルミナ触媒は、これまでに、アルカンのメタセシスにも効果的であることが米国特許第2007/129584号にて示された。この刊行物によると、1つ炭素数の多いおよび少ないホモログを生成するための水素化タングステン/アルミナ触媒を用いたアルカンのメタセシスでは、ノルマル(非分岐鎖状)炭化水素に対する高い選択性が得られる。
従って、本技術分野では、(i)水素化タングステン/アルミナ触媒が、パラフィンおよびオレフィンのメタセシスに効果的であること、ならびに(ii)各オレフィン性炭素原子上の置換基が同じである非環式オレフィン(すなわち、本開示の目的のためには「非環式対称オレフィン」)のメタセシスが、測定可能な量の高および/または低炭素数生成物を形成しないこと、が認識されている。しかし、驚くべきことに、ここでの実験から、この知見に基づく予測にまったく相反する結果が得られる。特に、1つ以上の非環式対称オレフィンを主として(例:50重量%超)含む炭化水素供給原料を、オレフィンメタセシス条件下にて公知のオレフィンメタセシス機能を有する特定の種類の触媒と接触させることで、異なる炭素数を有する測定可能な量のオレフィン生成物(例:1もしくは複数の非環式対称オレフィンと比較して低および高炭素数を有する第一および第二のオレフィン生成物)を生成することができることが見出された。予想外にこの結果をもたらすことが見出された触媒は、固体担体、および担体中に存在するアルミナと結合した水素化タングステンを含む。
特定の非環式対称オレフィン、ブテン−2の場合、得られる低炭素数生成物は、プロピレンである。本発明に従う代表的な方法は、従って、有利に、エチレンとブチレンとの反応からプロピレンを生成する場合のように異なる炭素数のオレフィンのクロスメタセシスに依存するのではなく、単一の炭素数のオレフィン(例:炭素数4のオレフィン)からプロピレンを生成することができる。このことは、オレフィンメタセシスを介する従来のプロピレン生成法と比較して、数多くの経済的利点をもたらすものであり、同じ現場で異なる供給原料成分源を必要とすることがなくなることが挙げられる。例えば、エチレンは、通常、水蒸気分解の生成物として得られ、特に、エチレン/エタンスプリッターからの低沸点留分として回収される。他方、ブチレンは、原油精製作業または非石油由来のプロセスから得ることができる。任意の現場にエチレン源およびブチレン源の両方が存在する場合もあるが、必ずしもそうとは限らない。さらに、ブチレンは、一般に、エチレンよりも安価な供給原料成分であり、このことは、全体の経済性が、エチレンとブチレンとの反応が関与する従来のオレフィンメタセシスプロセスのそれと比較して、ブチレンからのプロピレンの生成では大きく改善可能であることを意味する。
従って、本発明の実施形態は、オレフィンを生成するための方法に関し、固体担体、および担体中に存在するアルミナと結合した水素化タングステンを含有する触媒と炭化水素供給原料とを接触させることを含む。この供給原料は、非環式対称オレフィンを含有し、この供給原料を触媒と接触させることにより、非環式対称オレフィンに対して低および高炭素数を有する第一および第二のオレフィン生成物がそれぞれ生成される。代表的な実施形態では、非環式対称オレフィンは、炭化水素供給原料中の全オレフィンの少なくとも80重量%の量で存在する。
上記で考察したように、本発明のより特定の実施形態は、プロピレンを生成するための方法に関し、主としてブテン−2を含有する炭化水素供給原料を、固体担体および担体中に存在するアルミナと結合した水素化タングステンを含有する触媒と接触させることを含む。本実施形態に従うブテン−2の変換率は、1パスあたり15から50重量%であり、ブテン−2は、少なくとも45重量%の選択性でプロピレンに変換される。上記の実施形態のいずれにおいても、触媒は、1から10重量%の量でタングステンを含有してよく、担体は、100m/gから450m/gの表面積を有してよい。
本発明に関連するこれらのおよびその他の態様および実施形態は、以下の詳細な説明から明らかである。
図1は、運転時間の関数としての、(i)ブテン−2の変換率および(ii)ターンオーバー数(すなわち、触媒中のタングステン金属1モルあたりの変換されたブテン‐2の総モル数)を示すグラフである。この変換データは、ブテン−2からのプロピレンの生成で得られたものである。 図2は、運転時間の関数としての、主生成物、プロピレンおよびペンテン(全Cオレフィン)、ならびにエチレンおよびヘキセン(全Cオレフィン)の選択性を示すグラフである。この選択性データは、図1に示す変換率およびターンオーバーのデータを得るために用いたものと同じ実験で得られたものである。
図1および2で示されるデータを得るために用いた触媒は、担体中に存在するアルミナと結合した水素化タングステンを含有する触媒であった。
上記で考察したように、本発明は、炭化水素供給原料がメタセシス反応器または反応ゾーンで接触される、オレフィンメタセシス(または不均化)プロセスのための触媒系に関する。重要なことには、ここで、水素化タングステンが触媒担体中に存在するアルミナと結合したそのような触媒系が、非環式対称オレフィンを含有する炭化水素供給原料を、炭素数の異なる所望の生成物(すなわち、非環式対称オレフィンと比較して低および高炭素数を有するオレフィン生成物)へ効果的に変換することが見出された。
非環式対称オレフィンとは、(i)環構造の一部ではなく、および(ii)同じ炭素原子置換基を、これらの置換基のシスまたはトランス配向に関わらず、炭素−炭素二重結合の各炭素原子上に有する、オレフィン性炭素−炭素二重結合を含有する化合物全般を意味する。従って、炭素−炭素二重結合の分裂により、同一のアルキリデンラジカルが発生する。例えば、式RC=CRの化合物は、本開示の目的のために、必然的に非環式対称オレフィンであり、ここで、RおよびR置換基は、以下で示すように、シスまたはトランスの関係である。
Figure 2013523741
上記で示す代表的な非環式対称オレフィンの置換基RおよびRは、独立して、水素ラジカル、または、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状(例:シクロパラフィンまたは芳香族)炭化水素の末端炭素原子から1もしくは2つの水素原子を除去することから得られる炭化水素ラジカルであってよく、所望に応じて、1つ以上の炭素−炭素二重結合および/または1つ以上の炭素−炭素三重結合を有していてよい。従って、炭化水素ラジカルの場合、末端炭素原子は、炭化水素ラジカルとオレフィン性炭素−炭素二重結合の炭素原子との間の一重結合または二重結合のための部位を有する。その部位が一重結合のためである場合、炭素原子は、2つの置換基(RおよびR)を有し、一方、部位が二重結合のためである場合、炭素原子は置換基を1つだけ有している(例:単一の置換基はRであり、Rは存在しない)。他の実施形態によると、Rおよび/またはRは、上述の炭化水素ラジカルの1つ以上の炭素原子が、独立して、(i)所望応じて、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状炭化水素ラジカルで置換されていてよく、(ii)所望に応じて、−OH、−SH、−SOH、−SOH、−SOH、−NH、−NO、−COH、−CONH、−CN、−F、−Cl、−Br、−I、=O、=S、=NH、=NOH、もしくは=NNHなどのヘテロ原子基で置換されていてよく、および/または(iii)所望に応じて、−O−、−S−、−SO−、−SO−、もしくは−NH−などの二価のヘテロ原子基で置換されていてよい、ラジカルであってよい。多くの場合、RおよびRは、独立して、水素ラジカルまたはアルキルラジカル(例:メチル、エチル、プロピルなど)であり、好ましくは、1から6個の炭素原子を有するアルキルラジカルである。代表的な非環式対称オレフィンは、従って、ブテン−2(R=−HおよびR=−CH)およびヘキセン−3(R=−HおよびR=−C)であり、ブテン−2が好ましい。
非環式対称オレフィンは、さらに、高および低炭素数オレフィンの両方を生成することができることを特徴とする。エチレンは、それより低い炭素数のオレフィンが存在しないことから、これに含まれないことは理解されるであろう。
上記で考察した非環式対称オレフィンを含む炭化水素供給原料は、本明細書で述べる触媒を有するオレフィンメタセシスに通常効果的であるものを含む反応条件下の反応器または反応ゾーンへの、いずれの再循環炭化水素流をも含むすべての組み合わされた供給物を意味する。炭化水素供給原料には、ある実施形態では添加される場合もある非炭化水素気体希釈剤(例:窒素)はいずれも含まれない。炭化水素供給原料は、必須ではないが、炭化水素のみを含有し得る。炭化水素供給原料は、一般に、主として炭化水素を含有し(すなわち、少なくとも50重量%)、通常は少なくとも80%(例:80%から100%)の炭化水素を含有し、多くの場合、少なくとも90%(例:90重量%から100重量%)の炭化水素を含有する。
また、本発明に従うプロセスにおいて、炭化水素供給原料中に含有される炭化水素は、一般に、大部分(すなわち、60重量%から100重量%などの少なくとも50重量%)が、非環式対称オレフィンと同じ炭素数を有するオレフィン(例:構造および位置異性体)である。例えば、ブテン−2の場合、この非環式対称オレフィンは、ブテン−1およびイソブチレンに加え、合わせて、炭化水素供給原料の全炭化水素の大部分を表す。より特定の実施形態では、非環式対称オレフィンと同じ炭素数を有するオレフィンは、炭化水素供給原料の全炭化水素に対して少なくとも75重量%(例:75%から100%)の量で、多くの場合、少なくとも85重量%(例:85%から100%または95%から100%)の量で存在する。他の実施形態では、非環式対称オレフィンと同じ炭素数を有するオレフィンの上記のパーセントの範囲は、炭化水素供給原料中に存在する全オレフィンに対するその寄与を表す。さらに他の実施形態では、非環式対称オレフィンと同じ炭素数を有するオレフィンの上記のパーセントの範囲は、炭化水素供給原料中に存在する全炭化水素または全オレフィンに対するその寄与ではなく、全炭化水素供給原料に対するその寄与を表す。
なおさらなる実施形態では、上記のパーセントの範囲、すなわち、少なくとも50重量%(例:60%から100%)、少なくとも75重量%(例:75%から100%)、および少なくとも85重量%(例:85%から100%または95%から100%)は、(i)炭化水素供給原料中の全炭化水素、(ii)炭化水素供給原料中の全オレフィン、または(iii)全炭化水素供給原料に対する、非環式対称オレフィン(例:ブテン−2)のパーセントを表す。なおさらなる実施形態では、炭化水素供給原料は、すべて、または実質的にすべてが非環式対称オレフィンであり得る。すなわち、非環式対称オレフィンは、炭化水素供給原料中、少なくとも90重量%(例:95%から100%)の量で存在してよい。
炭化水素供給原料中(または、以下で考察するように、再循環流と組み合わされて炭化水素供給原料を提供する炭化水素供給原料成分中)の非環式対称オレフィンの十分な濃度を得るために、このオレフィン反応体を、炭素数が同じである他のオレフィン、すなわち上記で考察した構造および位置異性体から精製する必要があり得る。例えば、多くの場合では、目的とする非環式対称オレフィンは、これらの他の異性体と平衡もしくは平衡に近い状態の混合物として製油所または非石油由来のプロセス流中に存在する。そのような混合物を、いずれの1もしくは複数の所望される異性体の分離または精製をも行うことなしに、炭化水素供給原料として用いる(または、そのような混合物を、以下で考察するように、炭化水素供給原料成分として再循環流と組み合わせて炭化水素供給原料を提供する)ことは有利であり得る。反応器または反応ゾーンの上流にて、非環式対称オレフィンを分離してその平衡濃度を実質的に超える純度とすることは、蒸留および吸着分離を含む公知の技術を用いて行うことができる(本技術分野で公知の移動床式および疑似移動床式を含む)。そのような分離のいずれにおいても、一般に、非環式対称オレフィン以外の異性体が豊富な流れ(すなわち、これらのその他の異性体の1つ以上のいずれかを平衡を超える濃度で含有する)も生成される。この流れに異性化を施して異性体の平衡または平衡に近いレベルを回復すると、本明細書で述べるように、水素化タングステン/アルミナ触媒と接触させるための非環式対称オレフィンの追加量を生成することができる。例えば、非環式対称オレフィンであるブテン−2の、この非環式対称オレフィンの濃度が平衡未満であるブテン混合物中における含有量を増加させるための適切な異性化触媒およびプロセスは、本技術分野にて公知であり、例えば、米国特許第4,217,244号に記載の酸化マグネシウム含有異性化触媒が挙げられる。
従って、本発明の態様に従う一体化されたプロセスは、分離プロセス(例:蒸留または吸着分離)を用いて、非環式対称オレフィン(例:ブテン−2)を、このオレフィンおよび炭素数が同じであるその他のオレフィン異性体の不純混合物から分離して、非環式対称オレフィンが豊富な流れ(すなわち、非環式対称オレフィンが、その他のオレフィン異性体との平衡濃度よりも高い濃度である)、および非環式対称オレフィンが少ない流れ(すなわち、非環式対称オレフィンが、その他のオレフィン異性体との平衡濃度よりも低い濃度である)を提供することを含む。水素化タングステン/アルミナ触媒と接触される炭化水素供給原料は、本実施形態によると、非環式対称オレフィンが豊富な流れの少なくとも一部を含む。所望に応じて、非環式対称オレフィンが少ない流れを次に異性化して、非環式対称オレフィンの追加量を含む異性化生成物を提供してよく、この異性化生成物は、上述のように不純混合物も供給される分離プロセスへ再循環してよい。
他の実施形態では、炭化水素供給原料中のブテン−2の含有量を、このオレフィンおよび炭素数が同じであるその他のオレフィン異性体の不純混合物(例:不純混合物が、その他のオレフィン異性体との平衡濃度よりも非環式対称オレフィンの濃度が低い非環式対称オレフィンが少ない流れの場合)に異性化を施して、例えばブテン−1およびイソブチレンを追加のブテン−2へ変換することで、増加させることが望ましい場合がある。異性化は、水素化タングステン/アルミナ触媒を含有する反応器または反応ゾーンとは別の(例:すぐ上流)反応器または反応ゾーンで実施してよい。別の選択肢として、異性化は、例えば、異性化触媒を水素化タングステン/アルミナ触媒の上流に組み込むことにより、またはさらにはこの2つの触媒を単一の触媒床にまとめることによって、この触媒を含有するものと同じ反応器で実施してもよい。
従って、本発明の態様は、上述の非環式対称オレフィンからの少なくとも第一および第二のオレフィン生成物の生成に関する。第一および第二のオレフィン生成物は、それぞれ、非環式対称オレフィン反応体と比較して低および高炭素数を有する。代表的な実施形態では、非環式対称オレフィン反応体は、ブテン−2(4つ炭素を有する)であり、第一および第二のオレフィン生成物は、プロピレン(2つの炭素を有する)およびペンテン(5つの炭素を有する)である。「ペンテン」の用語は、ペンテン−2、ペンテン−2、2−メチルブテン−1、3−メチルブテン−1、2−メチルブテン−2、3−メチルブテン−2などを含む、Cオレフィンの様々な構造および位置異性体のすべてを包含することを意図している。
非環式対称オレフィンは、石油または非石油源から得てよい。オレフィン、特にブチレン(Cオレフィン、ブテン−1、ブテン−2、およびイソブチレンの混合物として)を得る原油精製作業としては、実質的に水素の非存在下で実施される炭化水素分解プロセスが挙げられ、流動接触分解(FCC)および残油接触分解(RCC)などである。ブチレンを含む種々のオレフィンが、これらのプロセスからのすべての反応器排出物を、分画を含む公知の方法によって分離することで濃縮された濃度で回収される。ブチレンの非石油源としては、酸素化物からオレフィンへの変換プロセスの生成物、特にメタノールから軽オレフィンへの変換プロセスの生成物が挙げられる。そのようなプロセスは、上記で考察したように、本技術分野で公知であり、所望に応じて、米国特許第7,568,018号に記載のように、エチレンの二量体化および/またはブタジエンの選択的飽和などによってブチレンの収率を増加させる追加の変換工程を含めてもよい。従って、本発明の特定の実施形態によると、炭化水素供給原料中の非環式対称オレフィン(例:ブテン−2)の少なくとも一部は、酸素化物からオレフィンへの変換プロセスより得られる。
典型的なプロセスがより価値の高い生成物プロピレンの生成のための非環式対称オレフィン、ブテン−2の変換である代表的なオレフィン生成プロセスでは、固体担体および担体中に存在するアルミナに結合した水素化タングステンを含む触媒(すなわち、水素化タングステン/アルミナ触媒)を用いて、オレフィンメタセシスに効果的であることが公知であるプロセス条件を含む商業的プロセス条件下にて経済的に有利である生成物収率を達成することができる。非環式対称オレフィンの1パスあたりの変換レベルは、一般に、少なくとも15重量%であり、通常は15重量%から50重量%である。1パスあたりの変換レベルは、非環式対称オレフィンと同じ炭素数を有する炭化水素供給原料中のオレフィンの総量の1パスあたりの変換率に基づく。
炭化水素供給原料が水素化タングステン/アルミナ触媒と接触される反応器または反応ゾーンの下流における反応器または反応ゾーン排出物の1つ以上の分離(例:分画)では、(I)非環式対称オレフィンと同じ炭素数を有する未変換オレフィン、および(II)その他の反応生成物(例:ペンテン、ならびにオレフィンオリゴマーおよびアルキルベンゼンを含むC 炭化水素)の除去および回収により、所望される生成物(例:プロピレン)を、実質的に純粋な形態で回収することができる。多くの場合、(I)のすべてまたは一部を反応器または反応ゾーンへ戻して再循環させることが、完全もしくは実質的に完全な全体としての変換率、または上記で示した1パスあたりの変換レベルと比較して少なくとも相当に高い全体としての変換率(例:80重量%から100重量%、または95重量%から100重量%)を達成するために望ましいであろう。他の実施形態では、(I)を、非環式対称オレフィンまたは非環式対称オレフィンが豊富である流れ(Ia)、および非環式対称オレフィンが少ない流れ(Ib)にさらに分離することが望ましい場合があり、(Ia)および(Ib)の流れは、それぞれ、他のオレフィン異性体との平衡濃度よりも高いおよび低い非環式対称オレフィンの濃度を有する。この場合、(Ia)のすべてもしくは一部を、反応または反応ゾーンへ直接戻して再循環し、一方(Ib)のすべてもしくは一部を、上述のように異性化して、非環式対称オレフィンの追加量を含む異性化生成物を提供してよく、ならびに、この異性化生成物のすべてもしくは一部を、反応器もしくは反応ゾーンへ、またはそうでなければ、反応器もしくは反応ゾーンの上流の分離プロセスへ上述のように再循環させて、非環式対称オレフィンを精製された形態へ分離してよい。
反応器もしくは反応ゾーン排出物から、第一および/または第二の生成物を下流において1もしくは複数回分離することが、上述の分離に加えて通常は実施され、特にプロピレンの場合に、所望される1もしくは複数の生成物のそれぞれの高い純度が達成される。例えば、生成物プロピレンは、通常、少なくとも99体積%の純度を有し、多くの場合少なくとも99.5体積%であり、ポリマーグレードの基準に適合する。他の実施形態によると、プロピレンの純度は、この生成物の最終用途に応じてこれよりも低い場合がある。例えば、少なくとも95体積%の純度(例:95%から99%の範囲)は、アクリロニトリル生成などの非ポリマー技術において、またはそれ以外では、低純度プロピレンに適合可能であるポリプロピレン生成プロセスにおいて許容され得る。
上記で考察した1パスあたりの変換レベルにおいて、非環式対称オレフィン(例:ブテン−2)と同じ炭素数を有する変換された供給原料オレフィン成分の所望される1もしくは複数のオレフィン、特に低炭素数を有する第一のオレフィン生成物(例:プロピレン)への選択性は、一般的には少なくとも45重量%である(例:45%から60%の範囲)。高炭素数を有する第二のオレフィン生成物(例:ペンテン)の選択性は、一般的には少なくとも30重量%である(例:30%から45%の範囲)。所望される1もしくは複数のオレフィン生成物の1パスあたりの収率は、上記で考察した範囲内であり得る、この/これらのオレフィン生成物への選択性と1パスあたりの変換率との積である。上記で考察したように、非環式対称オレフィンと同じ炭素数を有する未変換オレフィンの分離および再循環を用いることで、本質的に完全な変換(炭化水素供給原料および1もしくは複数の生成物のある程度のパージロスおよび溶解ロス、ならびに下流の分離の非効率性に起因するロスが差し引かれる)が得られることから、全体の収率を、この/これらのオレフィン生成物選択性に近づけることが可能である。
上記で考察した変換率および選択性の値は、上述の炭化水素供給原料を、連続的にまたはバッチごとに、固体担体および担体中に存在するアルミナと結合した水素化タングステンを含む本明細書で述べる水素化タングステン/アルミナ触媒と接触させることによって達成される。一般的に、この接触は、通常はオレフィンメタセシスに効果的である条件下にて、反応器または反応ゾーン中の触媒の固定床に連続的に炭化水素供給原料を通すことで行われる。例えば、揺動床(swing bed)システムを用いてよく、この場合、炭化水素供給原料の流れは、(i)消費または不活性化された触媒床をバイパスし、(ii)新しい触媒床と接触するように、周期的に経路変更される。炭化水素供給原料/触媒の接触を行うために適する数多くのその他のシステムが本技術分野で公知であり、最適な選択は、特定の供給原料、触媒不活性化速度、およびその他の因子に応じて異なる。そのようなシステムとしては、移動床システム(例:向流システム、放射状流システムなど)および流動床システムが挙げられ、これらのいずれも、本技術分野で公知であるように、連続触媒再生と一体化することができる。
上記で考察したように、オレフィンメタセシスに一般的に有利である触媒/供給原料接触条件と組み合わせて水素化タングステン/アルミナ触媒系を用いることで、驚くべきことに、非環式対称オレフィンを含む供給原料から低および高炭素数オレフィン生成物が生成される結果となる。非環式対称オレフィンによるオレフィンメタセシス反応機構の非生産的な性質に起因して、測定可能な量での他の炭素数のオレフィン生成物は生成されないと考えられる。これは、すべてまたは大部分(例:80%から100%、またはさらには90%から100%)が非環式対称オレフィン(例:ブテン−2)である炭化水素供給原料の場合に特に言えることである。
上記の変換および選択性レベルを得ることができる、炭化水素供給原料と水素化タングステン/アルミナ触媒との接触のための代表的な条件は、75℃(167°F)から250℃(482°F)、および多くの場合100℃(212°F)から200℃(392°F)の温度;0.1バール(1.5psi)からx100バール(1450psi)、および多くの場合0.5バール(7.3psi)から35バール(508psi)の絶対圧力;ならびに1時間−1から100時間−1、および多くの場合5時間−1から25時間−1の単位時間あたり重量空間速度(WHSV)を含む。本技術分野で理解されるように、WHSVは、炭化水素供給原料の重量流量を触媒床の重量で除したものであり、1時間あたりに処理される供給原料に対応する触媒床重量を表す。WHSVは、反応器滞留時間の逆数の関係にある。上述のオレフィンメタセシス条件下にて、炭化水素供給原料は、通常、オレフィンメタセシス反応器または反応ゾーン中、部分的にまたは完全に気相であるが、例えばより重い(高炭素数)オレフィン供給原料の場合、液相でもあり得る。
重要なことには、本発明の実施形態に従い、上記で考察したように大きな利益をもたらすものである水素化タングステン/アルミナ触媒は、担体中に存在するアルミナの酸素原子と結合している水素化タングステンを含む。一般的に、担体は、主として(すなわち、少なくとも50重量%)アルミナを含み、所望に応じて、その他の無機耐熱性金属酸化物(例:シリカ、ジルコニア、チタニア、ボリア、トリア、セリア)および/または助触媒もしくは触媒修飾剤(例:アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、またはタングステンに追加しての遷移金属)などのその他の成分を追加してよい。通常、担体は、アルミナを、少なくとも90重量%(例:90%から100%)、および多くの場合は少なくとも95重量%(例:95%から100%)の量で含む。
従って、この触媒は、水素化タングステンが共有結合(グラフト)したアルミナ(酸化アルミニウム)を含む担体を含有する。「水素化タングステン」の用語は、触媒上に担持されたタングステン化合物を意味する。タングステン化合物のタングステン原子は、少なくとも1つの単結合、二重結合、または三重結合によって少なくとも1つの水素原子または炭化水素残基と結合する。タングステン原子はまた、酸素結合を通して、アルミナ担体のアルミニウム原子とも結合する。水素化タングステンは、以下で述べるように、赤外線(IR)分光法下、(W−H)結合に特徴的である1つ以上の吸収バンドによって識別することができる。それ以外では、水素化タングステン(W−H)結合は、500MHzのプロトン核磁気共鳴(固体1H−NMR)で検出することができ、この場合、水素化タングステンのケミカルシフトδW−Hの値は、通常、10.6百万分率(ppm)の値で観測される(例:10.3〜10.9ppmの範囲)。
代表的な担体において、アルミナ(酸化アルミニウム)は、担体の表面にて水素化タングステンと接触可能である。担体は、担体の塊全体にわたって(例:担体のコアから表面まで)アルミナを含む、比較的に均質な組成であってよい。別の選択肢として、担体は、例えば表面層のみに存在するアルミナを含む、比較的に不均質な組成であってもよい。後者の場合、担体は、それ自体が例えば金属、酸化物、硫化物、および塩から選択される無機固体担体であってよい無機固体上に析出、担持、またはグラフトされた酸化アルミニウムを含んでよい。従って、代表的な無機固体としては、アルミナ以外のその他の耐熱性金属酸化物が挙げられる。
担体の表面積は、一般に、0.1から1000m/gの範囲内、および多くの場合100m/gから450m/gの範囲内である。表面積は、窒素吸着に基づくブルナウアー・エメット・テーラー(BET)法に従って測定される(ASTM D1993−03(2008))。担体は、すべて、もしくは実質的にすべてが酸化アルミニウムであってよく、または、1つ以上のその他の無機耐熱性金属酸化物(例:シリカ)の2重量%超を例とするその他の担体成分と混合されていてもよい。また、担体の酸化アルミニウムは、元素周期律表の第14から17族までの1つ以上の元素によって修飾されていてもよい。代表的な元素は、第14族のゲルマニウムおよびスズである。本明細書で述べる元素の族の名称については、周期律表の族に1から18までの番号が付与されている、"CRC Handbook of Chemistry and Physics", 76thEdition (1995-1996), by David R. Lide, published by CRC Press, Inc. (USA)、を参照されたい。
担体のアルミナは、例えば、多孔性アルミナ、非多孔性アルミナ、メソ多孔性アルミナ、またはこれらのアルミナの2つもしくは3つすべてのいずれかの混合物であってよい。多孔性アルミナは、「活性化アルミナ」、または別の選択肢として「遷移アルミナ」と称されることが多い。多孔性アルミナは、多くの場合、部分的にヒドロキシル化されており、水酸化アルミニウム(例:三水酸化アルミニウム)、酸化アルミニウムの水酸化物、またはゲル形態の水酸化アルミニウムから選択される前駆体の加熱および脱水を含む「活性化」処理によって得られる。活性化処理により、前駆体中に存在する水が、比例する量のヒドロキシル基と共に除去され、それによってその後に得られるのが、ある程度の残留ヒドロキシル基および特定の多孔性構造である。多孔性アルミナの表面は、一般的に、アルミニウム原子および酸素原子の複雑な混合物、ならびにヒドロキシルイオンを含んでおり、これらすべてがアルミナの特定の結晶形態に従って組み合わされ、酸性および塩基性の両方の部位を提供している。固体担体のアルミナは、Y−アルミナ(ガンマ−アルミナ)、η−アルミナ(イータ−アルミナ)、δ−アルミナ(デルタ−アルミナ)、θ−アルミナ(シータ−アルミナ)、K−アルミナ(カッパ−アルミナ)、ρ−アルミナ(ロー−アルミナ)、およびX−アルミナ(カイ−アルミナ)から選択される多孔性アルミナであってよく、好ましくは、Y−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、およびこれらの混合物から選択される。これらの様々な結晶形態は、本質的に、前駆体の選択、ならびに活性化処理の条件、特に温度および圧力に依存する。活性化処理は、例えば、空気流または不活性ガスなどの別のガス流下、一般的には100℃(212°F)から1000℃(1832°F)、通常は200℃(392°F)から1000℃(1832°F)の範囲内であってよい温度で実施してよい。
また、特に500℃(932°F)から1000℃(1832°F)の温度まで加熱することを含む、これまでに述べた活性化処理によって生成された多孔性または別の選択肢として半多孔性(semi-porous)のアルミナを用いることも可能である。このような多孔性または半多孔性アルミナは、Y−アルミナ、η−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、K−アルミナ、ρ−アルミナ、またはX−アルミナなどのこれまでに述べた結晶形態の少なくとも1つを取る多孔性アルミナと、アルミナ中にて広範囲にわたる様々な量(例:20重量%から80重量%)で存在してよい非多孔性アルミナ(例:α−アルミナ)との混合物を含んでよい。多孔性アルミナは、一般的には、三水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム(または、酸化アルミニウム水和物)、およびゲル形態の水酸化アルミニウム(またはアルミナゲル)の熱分解生成物である。一般式Al(OH)=Al・3HOの三水酸化アルミニウムは、ギブサイトもしくはハイドラーギライト(α−Al(OH))、バイヤライト(β−Al(OH))、またはノードストランド石などの様々な結晶形態で存在し得る。三水酸化アルミニウムは、一般的にはアルカリ性溶液中のアルミニウム塩からの析出によって得ることができる。一般式AlO(OH)=Al・HOの水酸化酸化アルミニウムもまた、ダイアスポア(β−AlO(OH))またはベーマイト(またはα‐AlO(OH))などの様々な結晶形態で存在し得る。ダイアスポアは、特定の種類のクレイおよびボーキサイト中に見出すことができ、ならびにギブサイトを150℃(302°F)で熱処理することにより、またはベーマイトを380℃(716°F)、500バール(7250psi)の圧力下にて水熱処理することにより合成することができる。ベーマイトは、アルミニウム塩溶液のアンモニアによる冷処理で得られたゲル形態の析出物を加熱することで容易に得ることができる。水酸化酸化アルミニウムはまた、アルミニウムアルコラートの加水分解によっても得ることができる。
ゲル形態の水酸化アルミニウム(またはアルミナゲル)は、一般的にはポリ水酸化アルミニウム、特に一般式:nAl(OH)・(n−1)HOであり、ここで、nは、1から8の範囲の数字である。ゲル形態の水酸化アルミニウムは、塩化アルミニウムなどのアルミニウム塩の熱分解、硫酸アルミニウムと硫酸アルカリ金属との混合物などのアルミニウム塩の電気分解、アルミニウムメチラートなどのアルミニウムアルコラートの加水分解、アルカリ金属またはアルカリ土類金属アルミン酸塩などのアルミン酸塩からの析出、ならびにアルミニウム塩からの析出の中から選択される方法の1つによって得ることができ、例えば、Al(SOおよびアンモニアの水溶液、またはNaAlOおよび酸の水溶液、またはNaAlOおよびAl(SOの水溶液を接触させることによるものであり、その後、得られた析出物に熟成および乾燥を施して水を除去することができる。ゲル形態の水酸化アルミニウムは、一般的に、アモルファスアルミナゲルの形態を呈し、特に擬ベーマイトの形態である。
多孔性アルミナの比表面積(BET)は、一般的に、50m/gから1000m/gの範囲、通常は75m/gから600m/g、および多くの場合100m/gから450m/gの範囲であってよく、代表的な範囲は、100m/gから250m/gである。さらに、多孔性アルミナの一般的な比細孔体積は、1cm/g以下、通常は0.9cm/g以下、多くの場合0.75cm/g以下であってよい。
非多孔性アルミナとしては、一般的には「焼成アルミナ」または「フレームアルミナ(flame alumina)」として知られるα−アルミナ(アルファ−アルミナ)が挙げられ、「コランダム」として知られる自然状態で存在する。これらは、一般的に、アルミニウム塩、水酸化酸化アルミニウム、三水酸化アルミニウム、およびY−アルミナなどの酸化アルミニウムから選択される前駆体の、1000℃(1832°F)超、および多くの場合1100℃(2012°F)超の温度における熱処理、特に焼成によって合成することができる。非多孔性アルミナは、Fe、SiO、TiO、CaO、NaO、KO,MgO、SrO、BaO、およびLiOを例とするその他の酸化物などの不純物を、2重量%未満、および多くの場合1重量%未満の割合で含有し得る。これらの比表面積(BET)は、一般的に、0.1m/gから300m/g未満、通常は0.5m/gから300m/g、および多くの場合0.5m/gから250m/gの範囲内であってよい。担体はまた、例えば表面積(BET)が一般的に100m/gから800m/gの範囲内である、メソ多孔性アルミナを含んでいてもよい。メソ多孔性アルミナは、一般的に、平均幅が2nmから0.05μmの細孔を有する。
上記で考察したように、担体はまた、混合酸化アルミニウム、または一般的には2重量%から80重量%未満、通常は2重量%から50重量%未満、および多くの場合2重量%から40重量%未満の量であり、代表的には2重量%から30重量%未満の量である少なくとも1つのその他の酸化物と組み合わせた酸化アルミニウムを含んでもよい。1もしくは複数のその他の酸化物は、炭素を除く元素周期律表の第1族から13族の金属、および第14族の元素の中から選択される元素Mの酸化物であってよい。より詳細には、これらは、炭素を除く、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ならびに第13および14族の元素から選択される元素Mの酸化物であってよい。遷移金属は、一般的には、第3から11族の金属、ならびに多くの場合21から29、39から47、57から79(ランタニドを含む)、およびアクチニドの元素を含む。1もしくは複数のその他の酸化物は、多くの場合、炭素を除く、第3から7族の遷移金属、ランタニド、アクチニド、ならびに第13および14族の元素から選択される元素Mの酸化物である。より詳細には、これらは、ケイ素、ホウ素、ガリウム、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、セリウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、およびタングステンの酸化物から選択されてよい。
担体は、担体の塊全体にわたって均質な組成を有していてよく、または、それは、不均質であって、例えば、これまでに述べたように、酸化アルミニウム、混合酸化アルミニウム、もしくは修飾酸化アルミニウムを、球状担体の直径未満もしくは円柱状担体の円形断面の直径未満を例とする担体の最小寸法未満である厚さを有する担体の表面層の形態で含んでもよい。担体が不均質組成である場合、担体のコア(例:表面層ではない部分)は、金属、酸化物、硫化物、および塩から選択される無機固体を含むか、またはそれから成っていてよい。代表的には、無機耐熱性金属酸化物である。不均質担体の生成は、上述のように、無機固体上への酸化アルミニウム前駆体のうちの1つの分散、析出、および/またはグラフトによって行ってよい。適切な前駆体としては、三水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、およびゲル形態の水酸化アルミニウムなどの水酸化アルミニウムを挙げることができる。これまでに述べたように、ゲル形態の水酸化アルミニウム(アルミナゲルまたはアモルファスアルミナとして知られる)が好ましい。不均質担体の生成は、例えば、ゾルゲル法によって、または無機固体上へのグラフトを促進する有機金属化合物の補助によってそのような前駆体を処理することで行ってよい。
アルミナを含有する固体担体を含む触媒は、一般的に、様々な形状およびサイズである個々の粒子の形態を有する。例えば、粒子は、一般的には10nmから5mm、および多くの場合20μmから4mmの平均サイズを有してよい。粒子は、その自然の形状を呈してよく、または球状、楕円状、半球状、半楕円状、円柱状、もしくは立方体状を含む数多くの形態のいずれかを有するように成形されてよく、または触媒は、リング、タブレット、ディスク、またはペレットの形態を呈してもよい。
触媒は、一般的には少なくとも1つの単結合によって担体中に存在するアルミナへグラフト(共有結合)する水素化タングステンを本質的に含む。水素化タングステンの酸化状態は、2から6、および多くの場合4から6の範囲の値を有してよく、これは、アルミナ担体と結合するタングステン原子の平均酸化状態を示す。水素化タングステンは、さらに、単結合によって1つ以上の水素原子へ結合してよく(W−H)、および所望に応じて単もしくは多重炭素−タングステン結合によって1つ以上の炭化水素残基Rへ結合してよい。タングステン原子と結合する水素原子の数は、タングステンの酸化状態、タングステン原子と担体との間の単結合数、および場合によってはタングステン原子と炭化水素残基Rとの間の単もしくは多重結合数に依存する。従って、タングステン原子と結合する水素原子の数は、少なくとも1と等しく最大で5と等しくてよく、通常は1から4の範囲、および多くの場合1から3の範囲である。固体担体上への水素化タングステンのグラフトまたは結合とは、一般的に、タングステン原子が、少なくとも1つの単結合によって担体中に存在するアルミナと結合していることを、より詳細には、少なくとも1つの単結合によって(W−OAl)アルミナの少なくとも1つの酸素原子と結合していることを意味する。タングステン原子と担体中に存在するアルミナとの間の、特に単結合(W−OAl)による単結合の数は、タングステンの酸化状態、およびタングステン原子のその他の結合の数に依存し、この数は、一般的には1、2、または3である。
水素化タングステンのタングステン原子は、所望に応じて、1つ以上の単、二重、もしくは三重炭素−タングステン結合により、1つ以上の炭化水素残基Rと結合してよい。1もしくは複数の炭化水素残基Rは、同一もしくは異なる、飽和もしくは不飽和の炭化水素残基であってよく、例えば、一般的には1から20個、および多くの場合1から10個の炭素原子を含む。炭化水素残基は、所望に応じて、有機シラン残基の場合のように、ケイ素を含んでよい。炭化水素残基は、(i)例えば1から10個の炭素原子を有するアルキル、アルキリデン、もしくはアルキリジン残基を例とする直鎖状もしくは分岐鎖状、脂肪族もしくは脂環式残基などのアルキル残基、(ii)例えば6から12個の炭素原子を有するアリール残基、および(iii)例えば7から14個の炭素原子を有するアラルキル、アラルキリデン、またはアラルキリジン残基から選択することができる。
水素化タングステンのタングステン原子は、触媒担体中に存在するアルミナと結合しているのに加えて、1つ以上の単、二重、もしくは三重炭素−タングステン結合により、炭化水素残基Rと結合してよい。この結合は、炭素−タングステン単結合であってよい。この場合、炭化水素残基Rは、直鎖状もしくは分岐鎖状を例とするアルキル残基、またはフェニル残基を例とするアリール残基、またはベンジル残基を例とするアラルキレン残基、または式(C−CH−CH−)の残基であってよい。アルキル残基とは、一般的に、アルカン、アルケン、もしくはアルキンの分子中の炭素原子から1つの水素原子を取り除くことで得られる一価の脂肪族残基を意味するために用いられる。炭化水素残基Rの特定の場合では、アルキル残基はまた、有機シランの分子中の炭素原子から1つの水素原子を取り除くことで得られる一価の脂肪族残基も含む。従って、アルキル残基としては、例えば、メチル(CH−)、エチル(C−)、プロピル(C−CH−)、ネオペンチル((CHC−CH−)、アリル(CH=CH−CH−)、アルキニル(R−C≡C−)(例:エチニル(CH≡C−))、およびネオシリル(CHSi−CH−)残基が挙げられる。アルキル残基は、例えば、式(R’−CH−)であってよく、ここで、R’は、直鎖状または分岐鎖状アルキル残基を表す。
また、炭素−タングステン二重結合が、水素化タングステンを炭化水素残基Rへ結合させていてもよい。この場合、炭化水素残基Rは、直鎖状もしくは分岐鎖状であってよいアルキリデン残基、またはアラルキリデン残基であってよい。アルキリデン残基は、一般的に、アルカン、またはアルケン、またはアルキン、またはさらには有機シランの分子中の同じ炭素原子から2つの水素原子を取り除くことに由来する二価の脂肪族残基である。従って、アルキリデン残基としては、例えば、メチリデン(CH=)、エチリデン(CHCH=)、プロピリデン(C−CH=)、ネオペンチリデン((CHC−CH=)、またはアリリデン(CH=CH−CH=)残基が挙げられる。アルキリデン残基は、例えば、式(R’−CH=)であってよく、ここで、R’は、直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル残基を表す。アラルキリデン残基は、一般的に、芳香族基に結合したアルキル、アルケニル、またはアルキニル残基の同じ炭素から2つの水素原子を取り除くことに由来する二価の脂肪族残基を意味するために用いられる。
また、炭素−タングステン三重結合が、水素化タングステンを炭化水素残基Rへ結合させていてもよい。この場合、炭化水素残基Rは、直鎖状もしくは分岐鎖状であってよいアルキリジン残基、またはアラルキリジン残基であってよい。アルキリジン残基は、一般的に、アルカン、またはアルケン、またはアルキン、またはさらには有機シランの分子中の同じ炭素原子から3つの水素原子を取り除くことに由来する三価の脂肪族残基であって、例えば、エチリジン(CH−C≡)、プロピリジン(C−C≡)、ネオペンチリジン((CHC−C≡)、またはアリリジン(CH=CH−C≡)残基である。アルキリジン残基は、例えば、式(R’−C≡)であってよく、ここで、R’は、直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル残基を表す。アラルキリジン残基は、一般的に、芳香族基に結合したアルキル、アルケニル、またはアルキニル残基の同じ炭素から3つの水素原子を取り除くことに由来する三価の脂肪族残基である。
代表的な炭化水素残基Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ネオペンチル、アリル、ネオペンチリデン、アリリデン、ネオペンチリジン、およびネオシリルから選択される。
触媒担体中に存在するアルミナへグラフト(結合)した水素化タングステンのタングステン原子は、芳香族またはカルボニルリガンドを例とする1つ以上の炭化水素リガンドと錯体形成していてよい。W−OAl結合を介しての水素化タングステンのアルミナとの結合の特定の種類は、以下のように表すことができる:
Figure 2013523741
担体のアルミナと結合した水素化タングステンは、従って、上記の式で表すことができ、ここで、W、Al、O、およびHは、それぞれ、タングステン、アルミニウム、酸素、および水素の原子を表し、Mは、これまでに定められたように、担体中に存在する別の酸化物の1つ以上の元素の原子を表す。Rは、これまでに定められたように、炭化水素残基を表し、w、x、y、およびzは、整数であり、それらの合計(w+x+y+z)は、2から6に等しく(すなわち、タングステンの酸化状態)、ここで、x=1から3、y=1から5、w=0から4、およびz=0から2である。例えば、水素化タングステンが、酸素結合を介して触媒担体中のアルミニウム以外の金属と結合していない場合、zの値は0である。この状態は、例えば、担体のすべて、または実質的にすべてがアルミナである場合に発生する。上記の式において、−(Al−O)および−(M−O)結合は、それぞれ、アルミニウム原子および金属原子Mを、アルミナを含む担体の原子成分の1つと、特に、この担体の酸素原子成分の1つと結合させる1つ以上の単または多重結合を表す。
赤外分光法下にて、本明細書で述べる水素化タングステンを含む触媒は、一般的に、(W−H)結合に特徴的な1つ以上の吸収バンドを示し、そのバンドの周波数は、タングステンの配位圏に応じて、特に、担体、炭化水素残基R、および他の水素原子とタングステンとの結合の数に応じて様々であり得る。従って、少なくとも2つの吸収バンドが1903cm−1および1804cm−1にて観測され、これらは、(W−H)結合に、特に(W−OAl)結合の環境下において特徴的であり、これは水素化タングステンの同じタングステン原子を酸素原子と結合させ、それが今度はα−アルミナのアルミニウム原子と結合している。比較として、同じ条件下にてシリカ担体へグラフト(結合)した水素化タングステンは、赤外分光法下にて、少なくとも1つの吸収バンドを1940cm−1または1960cm−1にて示し、これは、(W−H)結合に、特に(W−OSi)結合の環境下において特徴的であり、これは水素化タングステンの同じタングステン原子を酸素原子と結合させ、それが今度はシリカ担体のケイ素原子と結合している。
触媒担体中のアルミナと結合した水素化タングステンの(W−H)結合の存在はまた、500MHzにおけるプロトン核磁気共鳴(固体1H−NMR)を用いて検出することもでき、ここで、水素化タングステンのケミカルシフトδW−Hの値は、通常、10.6百万分率(ppm)の値で観測される(例:10.3〜10.9ppmの範囲)。
触媒は、水素化タングステンに加えて水素化アルミニウムを、例えば担体の表面に、および/またはグラフトした水素化タングステンの近傍に、さらに含んでいてもよい。理論に束縛されるものではないが、水素化アルミニウムは、担体表面に存在し得るアルミノキサンブリッジ(式Al−O−Al)の開裂、および開裂したアルミノキサンブリッジとグラフトした水素化タングステンの水素原子との反応によって形成することができると考えられる。水素化タングステンに加えて、触媒中に水素化アルミニウムが存在することを検出するための簡便な方法は、触媒の重水素化反応の実施を含む。特定の方法によると、触媒は、66.7kPa(10psi)の絶対圧下、および一般的には25℃(77°F)から80℃(176°F)、および多くの場合60℃(140°F)の温度にて、15分間、重水素雰囲気下に置かれる。このような条件下における選択的重水素化により、(W−H)結合の水素原子が重水素原子で置換され、それによって(W−D)結合が形成され、これは、IR分光法下、1293cm−1および1393cm−1に吸収バンドを有する。選択的重水素化では、(Al−H)結合の水素原子は変化せずに残され、これらの結合は、IR分光法下、1914cm−1の吸収バンドによって特定することができる。
担体中に存在するアルミナにグラフト(結合)する水素化タングステンを含む固体担持触媒は、有機金属タングステン前駆体(Pr)をアルミナ含有担体上へ分散、およびグラフトすることを含む方法によって生成することができる。前駆体中のタングステンは、少なくとも1つの炭化水素リガンドと結合しているか、またはそうでなければ錯体形成していてよく、それによって、それぞれ、担体上にグラフトしたタングステンの炭化水素化合物、または炭化水素錯体が形成される。続いて、ここまでの分散およびグラフトによって得られたグラフトしたタングステンの炭化水素化合物または炭化水素錯体を水素化分解することにより、担体のアルミナ上へグラフトした水素化タングステンが形成される。
有機金属タングステン前駆体Prは、1つ以上の炭化水素リガンドと結合したタングステン原子を含んでよい。タングステン原子は、炭化水素リガンドの炭素と、単、二重、または三重(炭素−タングステン)結合によって結合していてよい。炭化水素リガンドは、同一もしくは異なる、飽和もしくは不飽和の炭化水素残基であってよく、例えば、一般的には1から20個の炭素原子、および多くの場合1から10個の炭素原子を有する脂肪族または脂環式残基である。炭化水素リガンドは、これまでに述べた炭化水素残基Rから選択してよい。タングステン原子と結合する炭化水素リガンドの数は、前駆体Pr中のタングステンの酸化状態に依存し、最大でこの酸化状態に等しくてよい。炭化水素リガンドの数は、従って、1から6、通常は2から6、および多くの場合4から6である。
前駆体Prはまた、1つ以上の炭化水素リガンドと錯体形成したタングステン原子を含んでもよく、この場合、タングステンの酸化状態はゼロに等しい。炭化水素リガンドは、芳香族リガンドまたはカルボニルリガンドの中から選択してよい。前駆体Prは、従って、ビスアレーンタングステンおよびヘキサカルボニルタングステンの中から選択してよい。
有機金属前駆体の分散およびグラフトの前に、アルミナ含有担体に、焼成および/または脱水酸化を施してよい。担体の焼成は、場合によっては担体中に存在し得るいずれの炭素をも酸化し、それによって二酸化炭素として除去するために行ってよい。焼成は、担体の焼結温度未満の温度での乾燥空気流下を例とする酸化熱処理を担体に施すことを含み得る。適切な温度は、一般的には、二酸化炭素を除去するのに十分な持続時間での、100℃(212°F)から1000℃(1832°F)、および通常は、200℃(392°F)から800℃(1472°F)である。持続時間は、0.1から48時間の範囲であってよく、焼成は、大気圧、またはそうでなければ高圧もしくは亜大気圧にて行ってよい。
担体にはまた、有機金属前駆体Prの分散およびグラフトの前に、脱水酸化を施してもよい。脱水酸化は、所望に応じて残留水、および比例する量のヒドロキシル基を担体から除去するために実施してよい。残量のヒドロキシル基は、一般的には担体の表面に残され、所望に応じてアルミノキサンブリッジ(式Al−O−Al)が形成されてよい。脱水酸化は、窒素、アルゴン、またはヘリウム流中を例とする不活性ガス流中、大気圧未満が好ましい圧力下、例えば10−4Pa(1.5×10−8psia)から10kPa(14.5psia)、好ましくは10−2Pa(1.5×10−6psia)から50kPa(7.3psia)の絶対圧力下、担体の焼結温度未満の温度、例えば、一般的には、100℃(212°F)から1000℃(1832°F)、および通常は、200℃(392°F)から800℃(1472°F)の温度にて、適切な残量のヒドロキシル基および/またはアルミノキサンブリッジを担体中に残すのに十分な持続時間の熱処理を担体に施すことによって実施してよい。持続時間は、0.1から48時間の範囲であってよい。また、脱水酸化工程は、焼成工程の後に実施することが有利であり得る。
有機金属前駆体Prの分散、およびグラフトまたは結合は、昇華、溶媒の補助による含浸、または乾式混合によって行ってよい。昇華の場合、通常条件下では一般的に固体状態である前駆体Prは、通常は亜大気圧下、ならびにその昇華および気相中での担体上への移動を引き起こす温度にて加熱される。昇華は、−30℃(−22°F)から200℃(392°F)の温度、および10−4Pa(1.5×10−8psia)から10kPa(1.45psia)の絶対圧力にて行ってよい。前駆体Prの担体上へのグラフトは、IR分光法によってモニタリングすることができる。担体上へグラフト(結合)しなかったいずれの過剰の前駆体Prも、逆昇華(inverse sublimation)によって除去することができる。
分散およびグラフトはまた、溶媒の補助による含浸によって行ってもよい。この場合、前駆体Prは、ペンタンまたはエチルエーテルを例とする極性または非極性有機溶媒中に溶解してよい。含浸は、アルミナ含有担体を前駆体Prの含浸溶液と接触させることによって行ってよい。含浸は、−80℃(−122°F)から200℃(392°F)の温度にて、窒素、アルゴン、および/またはヘリウム雰囲気を例とする不活性雰囲気下、好ましくは攪拌しながら行ってよい。この方法により、担体上へグラフトしたタングステンの炭化水素化合物または錯体の懸濁液が得られる。担体上へグラフト(結合)しなかったいずれの過剰の前駆体Prも、含浸時に用いたものと同一であっても異なっていてもよい有機溶媒で洗浄することによって除去することができる。
分散およびグラフトはまた、液体または液体溶媒の非存在下における機械的乾式混合を含む乾式混合によって行ってもよい。この場合、一般的には標準条件下にて固体状態である前駆体Prを、液体または液体溶媒の非存在下にてアルミナ含有担体と混合する。窒素、アルゴン、および/またはヘリウム雰囲気を例とする不活性雰囲気下での機械的攪拌を用いて、2つの固体の混合物を形成する。乾式混合の間または後に、熱および/または亜大気圧を用いて、前駆体Prの移動、ならびに担体とのその反応および共有結合を引き起こしてよい。担体上へグラフト(結合)しなかったいずれの過剰の前駆体も、逆昇華または有機溶媒による洗浄によって除去することができる。
触媒の生成は、これまでに述べた方法で生成された担体上にグラフトしたタングステンの炭化水素化合物もしくは別の選択肢としての炭化水素錯体の水素化分解、または反応をさらに含んでよい。この反応は、担体上にグラフト(結合)した水素化タングステンを形成するために行われる。水素化分解は、一般的に、分子の開裂、およびそれに伴う2つの開裂末端への水素の結合を含む反応を意味するものであると理解される。この場合の開裂は、担体上にグラフトしたタングステン原子と、タングステン原子と結合またはそうでなければ錯体形成した炭化水素リガンドの炭素原子との間で発生する。水素化分解は、水素、またはグラフトしたタングステンの炭化水素化合物もしくは炭化水素錯体をグラフトした水素化タングステンへ変換する能力を有する還元剤の補助と共に行ってよい。水素化分解は、グラフトしたタングステンの炭化水素化合物もしくは炭化水素錯体を、水素または還元剤と接触させることで行ってよい。これは、水素雰囲気下、または還元剤が用いられる場合は不活性雰囲気下、10−2Pa(1.5×10−6psia)から10MPa(145psia)の絶対圧を用い、20℃(68°F)から500℃(932°F)の温度にて、0.1から48時間行ってよい。
本発明の全体としての態様は、非環式対称オレフィンの高および低炭素数オレフィン生成物への変換において、オレフィンメタセシスに効果的であることが公知である特定の触媒系を用いることと関連することが見出された予想外の知見を利用するプロセスに関する。より具体的には、触媒担体中に存在するアルミナと結合した水素化タングステンを含む触媒の存在下、オレフィンメタセシスを促進することが期待されるプロセス条件下にて操作することにより、非環式対称オレフィン(例:ブテン−2)を異なる炭素数を有する1もしくは複数の所望される生成物(例:プロピレン)へ良好な選択性で変換するという点において、重要な商業的利点が提供される。本開示から得られる知識を有する当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、上記の触媒、およびこの触媒を用いるプロセスに様々な変更を行うことが可能であることは認識するであろう。
以下の実施例は、本発明およびそれに伴う利点を代表するものであり、添付の特許請求の範囲に示される本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
実施例1
W−H/Al触媒によるブテン−2のプロピレンおよびその他の生成物への変換
アルミナへグラフト(結合)した水素化タングステンを含む固体触媒を、米国特許第2007/0129584号の実施例3に記載のように調製した。この場合に用いたアルミナは、表面積が125m/gであるAeroxide(登録商標)Alu C(エボニックデグッサ社(Evonik Degussa GmbH)、エッセン,ドイツ)であった。触媒のタングステン含有量は、触媒の総重量に対して3.0重量%であった。一般的にオレフィンメタセシスに有利である条件下、マイクロ反応器スケールでの実験プロトコルに従い、純粋ブテン−2の供給原料からのプロピレンおよびその他の生成物の生成についてこの触媒を評価した。詳細には、ブテン−2を、150℃(302°F)の温度、および7時間−1の単位時間あたり重量空間速度(WHSV)に相当する7.6Nml/分の流速にて、150mgのサンプル充填量である触媒上に通した。これらの条件および1バールg(15psig)を、45時間の実験時間全体を通して維持した。
反応器から排出される組成物をガスクロマトグラフィーで定期的に分析し、(i)ブテン−2の変換レベル(1パスあたり)、および(ii)触媒中のタングステン金属1モルあたりの変換されたブテン‐2の総モル数として定義されるターンオーバー数の両方を、運転時間の関数として測定した。これらの結果を図1に示す。反応器排出物の分析結果はまた、これを用いて、プロピレン(プロピレン選択性)、Cオレフィン、およびCオレフィンの形成をもたらした変換されたブテン−2の総パーセントに基づく、生成物の選択性の算出も行った。これらの結果を図2に示す。
このデータは、ブテン−2が、非生産的なオレフィンメタセシスを引き起こすこと考えられる条件下および触媒の存在下にて、様々な炭素数を有する生成物を測定可能な量で形成することなく、プロピレン、および相当量のペンテンを含むその他の生成物へ効果的に変換されることを示している。

Claims (10)

  1. オレフィンを生成するための方法であって、前記方法は:
    炭化水素供給原料を、固体担体および前記担体中に存在するアルミナと結合した水素化タングステンを含有する触媒と接触させて、前記非環式対称オレフィンと比較して、それぞれ低い炭素数および高い炭素数を有する第一および第二のオレフィン生成物を生成させることを含み、
    ここで、前記炭化水素供給原料は非環式対称オレフィンを含有し、前記非環式対称オレフィンは前記炭化水素供給原料中の全オレフィンの少なくとも80重量%の量で存在する、方法。
  2. 前記触媒が、1重量%から10重量%の量のタングステンを含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記非環式対称オレフィンが、前記炭化水素供給原料に対して少なくとも85重量%の量で存在する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記炭化水素供給原料が、75℃(167°F)から250℃(482°F)の温度、0.5バール(7.3psi)から35バール(508psi)の圧力、および1時間−1から100時間−1の単位時間あたり重量空間速度にて、前記触媒と接触される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記非環式対称オレフィンがブテン−2であり、前記第一のオレフィン生成物がプロピレンであり、および、前記第二のオレフィン生成物がペンテンである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ブテン−2が、1パスあたり少なくとも15%の変換率で変換される、請求項5に記載の方法。
  7. 1パスあたりの変換率が15%から50%である、請求項6に記載の方法。
  8. ブテン−2が、少なくとも45%の選択性でプロピレンへ変換される、請求項6または7に記載の方法。
  9. ブテン−2が、少なくとも30%の選択性でペンテンへ変換される、請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. プロピレンを生成するための方法であって、前記プロセスは、主としてブテン‐2を含有する炭化水素供給原料を、固体担体および前記担体中に存在するアルミナと結合した水素化タングステンを含有する触媒と接触させることを含み、
    ここで、ブテン−2の1パスあたりの変換率は15%から50%であり、および、ここで、前記ブテン−2は少なくとも45%の選択性でプロピレンへ変換される、方法。
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