図1から3に第1の実施態様の延伸自在な喫煙品10を示す。この喫煙品は、紙巻きタバコ、シガーまたはシガリロなどの喫煙品であってもよい。便宜上、これらを本明細書中では「喫煙品」とする。
延伸自在な喫煙品10は、第1フィルターセクション12が装着されたタバコロッド11を含む。タバコロッド11と第1フィルターセクション11は、例えば紙、好ましくはチッピング紙などのシート材のカバー層によって装着されている。
円筒状のスリーブ13を含む第1の部分が、タバコロッド11および/または第1フィルターセクション12の周囲に延びている。タバコロッド11と第1フィルターセクション12は、スリーブ13内をユニットとして長手方向にスライドするような大きさに構成されている。タバコロッド11および第1フィルターセクション12をタバコユニットまたは喫煙品の第2の部分とする場合もある。
さらに第1部分は、第1フィルターセクション12から離れたスリーブ13の吸い口端に第2フィルターセクション14を含む。第2フィルターセクション14は、スリーブ13内に強固に取り付けられ、固定されている。第1および/または第2フィルターセクション12、14は、好ましくは従来から使用されているセルロースアセテートトウで作製される。
チェンバー15が第1フィルターセクション12と第2フィルターセクション14間でスリーブ13内に形成されている。チェンバー15は、第1フィルターセクション12が円筒状のスリーブ13内を軸方向にスライドすることによって、長さおよび従って容積が変化する。チェンバー15の長さは、ゼロから所定の最大長まで変化する。第1部分と第2部分、即ちスリーブ13とタバコロッド11の相対移動は、上記最大長を越えないように後述するような制限手段、好ましくはタバコロッド11とスリーブ13上またはこれらに隣接する当接面によって制限される。
図2はタバコロッド11と第1フィルターセクション12が第2フィルターセクション14まで移動した格納状態にある喫煙品10を示している。この時チェンバー15の長さは、ゼロになっている。即ち喫煙品10の長さは、最も短くなっている。喫煙品10は、使用前にはこの格納状態でパッケージに入れてもよい。喫煙品10は、タバコロッド11が部分的にまたは完全に燃焼したら、使用後に格納状態に戻してもよい。
図3はタバコロッド11と第1フィルターセクション12が可能な限り第2フィルターセクション14から離れて移動した延伸状態にある喫煙品10を示している。チェンバー15の長さは、最大まで広がっている。そして喫煙品10の長さは、最も長くなっている。喫煙品10は、使用されている間、延伸状態にあってもよい。タバコロッド11と第1フィルターセクション12は、その格納状態と延伸状態の間の途中の不完全に延びた位置を取るようにスリーブ13内で連続的に位置することが可能である。
タバコロッドとそれに装着されたフィルターは、チッピング紙で接続されるものとして説明した。チッピング紙は、標準的なチッピング紙、比較的厚みのある凹部が設けられたチッピング紙または厚紙型のチッピング紙であってもよい。また別の材料で形成された管を喫煙材にフィルター材を装着するために使用してもよい。特に当該管は、例えばコーンスターチからなるプラスチックなどのプラスチック材からなるものであってもよい。また管は、セラミック材からなるものであってもよい。また管は、箔、金属、金属加工されたペーパーであってもよい。
図4は第2の実施態様の喫煙品20を示す。喫煙品20は、タバコロッドを形成するためにスリーブ23に囲まれ、これに取り付けられたタバコの筒21を含む。タバコ筒21は、スリーブに対して移動しない。スリーブ23は、タバコ21の後方に延びたセクション23aを有する。フィルター24がこのスリーブセクション23a内を長手方向にスライドできるように配置されている。チェンバー25は、タバコ21とフィルター24の間の管状セクション23aによって形成されている。
この喫煙品20は、喫煙品10と同じように機能する。喫煙品20は、チェンバー25を形成するスリーブがマウスピースフィルター24ではなく、タバコロッドに取り付けられている点で異なる。また喫煙品20は、タバコ21に直接フィルターが取り付けられていない点でも異なる。本発明の別の実施態様は、これらの特徴または違いを1つだけ有するものであってもよい。
上記実施態様は、スリーブの吸い口端にフィルターセクションを有するものとして説明した。これとは別にスリーブは、フィルターセクションを含まないものであってもよい。この場合スリーブは、タバコユニットとスリーブの吸い口端の間にチェンバーを形成する。またこれとは別に第2フィルターセクションは、ステインバインダーに代えてもよい。本発明の喫煙品は第1フィルターセクションを含まなくてもよい。上述の実施態様は、喫煙材およびスリーブの吸い口端の一方または両方に取り付けられた少なくとも1つのフィルターセクションを含む。これとは別に喫煙品はフィルターセクションを含まないものであってもよい。図5から11は喫煙品の構造および製造方法を示している。この喫煙品はその第1部分と第2部分が分離するのを防ぐための制限手段を含む。好ましくは第1部分はスリーブ13で、第2部分はタバコユニット11である。これとは別に第1部分がスリーブで第2部分がフィルターであってもよい。制限手段は、第1および第2部分(スリーブと喫煙材)間の相対的な長手方向の移動を制限する。制限手段は、スリーブと喫煙材を互いに回転移動させる。制限手段はタバコユニット11に取り付けられたスリーブ13を保持する。制限手段は第1係合面と第2係合面とを含み、第1係合面31はスリーブに取り付けられ、喫煙材に取り付けられた第2係合面32と係合可能である。
図5は喫煙材10の分解図であり、ここではタバコロッド11と第1フィルターセクション12が従来から知られているように好ましくはチッピング紙16であるシート材からなるストリップ形状のカバー層によって接合されている。チッピング紙16は、好ましくは比較的重量のある紙で作製したものが用いられる。チッピング紙16は、その重なり合う部分が例えば接着剤によって接着される重なり部分16aを有する。タバコロッド11、第1フィルターセクション12およびチッピング紙16は、従来の紙巻きタバコとして形成される。タバコロッド11の長さは、48mmで通常の紙巻きタバコより短い。第1および第2フィルターセクションは、通常の紙巻きタバコフィルターより硬いのが好ましい。この喫煙品は、タバコロッド11の端部に第1フィルターセクションまたはその他の比較的硬い物質のいずれかを含むのが好ましい。
シート材16は、喫煙材から半径方向外方に延びている。タバコロッド11と第1フィルターセクション12を連結するシート材は、制限手段の第2係合面32を形成している。第2係合面32は、喫煙材から半径方向外方に延び、軸方向前方に向いてタバコロッドとフィルターに巻かれたシート材の面である。
また第2係合面は、タバコユニットに巻かれたシート材の折り曲げられたセクションに形成してもよい。折り曲げは、シート材の後方端部に隣接して形成され、折り曲げられたセクションが外方および前方に延びるようになっている。第2係合面は、折り曲げられたセクションの前方対向縁部に形成される。
チッピング紙16に隣接する第1フィルターまたは他の硬質の物質は、タバコロッド11がスリーブ13から離れるのを防ぐためにスリーブ13が当接することができる第2係合面32を形成し、維持する役割を果たす。
図6はスリーブ13の断面斜視図である。スリーブ13は、組み立てられた際にタバコロッド11を囲む前方端部17aを有する。スリーブ13は第2フィルター14を受け、喫煙品の吸い口端を形成するための後方端部17bを有する。
スリーブ13はシート材から形成されるのが好ましく、特に紙材から形成される。スリーブ13は、比較的重量のある紙で形成してもよい。
スリーブ13の前方端部17aにおいて突出セクション18が半径方向内方に延びている。突出セクション18は、スリーブ材を前方端部17aで内方に折り曲げて重なる部分を形成することによって形成される。より具体的には突出セクション18は、スリーブ材13を半径方向内方に折り曲げて、シート材の折り曲げられた部分がスリーブ13の内面に隣接するように形成される。好ましくは突出セクションは、約180度折り曲げられる。
制限手段の第1係合面31は、突出セクション18に形成される。第1係合面31は、円筒状スリーブから半径方向内方に延び、軸方向後方に向いた面である。第1係合面31は、円筒状スリーブ内にある。
図4の喫煙品は、最大延伸幅を越えてスリーブ23とフィルター24が相対移動するのを防ぐ類似の制限手段を有する。
好ましくはこの制限手段は、スリーブ23aおよびフィルター24上にまたはこれらに隣接する係合面を含む。スリーブ23aは、内方に折り曲げられたセクションとして形成された第1係合面を形成する。この折り曲げられたセクションは、約180度折り曲げられるのが好ましい。フィルター24は、第1係合面と当接し、移動を制限することができる第2係合面を形成する。第2係合面は、フィルター24の前方端部に隣接して形成され、フィルターに巻かれている材料の外方に折り曲げられたセクションによって形成してもよい。この折り曲げられたセクションは、好ましくは約180度折り曲げられる。これとは別に第2係合面は、フィルター24の一部の周囲に巻かれた1層以上のシート材(例えばチッピング紙)に形成してもよい。第2係合面は、フィルター材を含み、支持するプラグラップ紙と称されるシート材の一部に形成してもよい。
これらフィルターセクションの1つ以上をフィルター材の単独のセグメントまたは複数のセグメントで形成してもよい。複数のセグメントで形成されたフィルターセクションは、異なる材料または異なるろ過性能を有する材料からなるセグメントを含んでもよい。特にフィルターセクションは、セルロースアセテートトウからなる標準的なセグメントとチャコールを含むろ過材料からなる別のセグメントを含んでもよい。これとは別にフィルターセクションは、チャコールが組み込まれた単独のセグメントからなるものであってもよい。
1つ以上の添加剤または風味剤が第1または第2フィルターセクション12、14の一方のみにまたは第1および第2フィルターセクションの両方に存在してもよい。特に第2フィルターセクション14だけがチャコールを含み、第1フィルターセクション12は、チャコールを含まなくてもよい。これとは別に第1フィルターセクション12だけがチャコールを含み、第2フィルターセクション14はチャコールを含まなくてもよい。これとは別にタバコ材、第1または第2フィルターを囲むシート材がタバコを含んでもよい。
図7はスリーブ13の前方端部17aの拡大図である。突出セクション18をより詳しく示している。突出セクション18は、スリーブの実質的に円周全体に亘って延び、円周に連続した第2係合面を設けている。スリーブ13は、円筒状に巻かれたストリップ材から形成されている。スリーブ13の長い方の側は、重なり部分19を形成するために互いに重なり合わされる。スリーブ13の重なり部分19となる一方の長い側は、もう一方の長い方の側と重なり、貼り付けられ、スリーブを形成する。重なり部分19は、接着剤で貼り付けられるのが好ましい。
図8は、第1係合面を形成する突出セクション18と重なり部分19の位置を示すスリーブ13の平面図である。重なり部分19はスリーブの前方端部の突出セクション18のための材料を提供しない。切り欠き120が重なり部分19に形成されている。切り欠き120は、スリーブのブランクを横断する横方向の重なり部分19の長さと同じまたはこれより僅かに高い高さを有する。切り欠き120は、突出セクション18を形成する材料のスリーブブランクに沿った長手方向の長さと実質的に同じ幅を有する。従って突出セクション18は、実質的にスリーブ13の円周全体に沿って均一な第1係合面を提供する。切り欠き120によって重なり部分19が突出セクション18に関与しないので、突出セクション18は、円周に沿って実質的に均一な半径方向の延長部を有する。従って切り欠き120によって突出セクション18で材料の厚みが2倍になるのを防ぐことになる。
図9は複数のスリーブ113に形成するために準備されたブランク材113の平面図である。ブランク材113は、複数の横方向の切れ込み(例えば線128およびそれに平行な線に沿って)が形成され、その後1つの長手方向の切れ込みが形成される。ブランクの幅は、スリーブの長さに対応している。ブランク材113には既に切り欠き120が形成されている。これら切り欠き120が個々の突出セクション18を形成している。各スリーブ113は、1つの突出セクション18と1つの切り欠き120を有することになる。ブランク材113は、線121に沿って穿孔されている。この穿孔の線121により突出セクション18が折り曲げられた際に確実に前方端部17aに明確に調整された縁部が形成される。穿孔線121は線上に形成される、または予め穿孔処理されたものである。突出セクション18は、図の左側に示すように完全に折り曲げられた状態から、図の右側に示すように折り曲げられていない状態まで種々の状態に示されている。突出セクション18は、折り曲げられ、スリーブの内面に接着されなくてもよい(例えば接着剤を使用せずに)。スリーブ材の弾性によって突出セクション18は半径方向内方に僅かに付勢され、チッピング紙16と係合するという突出セクション18の機能を向上させている。これとは別にスリーブ13を重ね合わせる際にその内面に突出セクション18を接着剤で接着してもよい。
図10はブランク材113の調製のさらなる段階を示している。接着剤122がブランク材113の部分113aに塗布されている。部分113bにはまだ接着剤122が塗布されていない。接着剤122は、ブランク材の長さに沿って中央の第1部分122aに塗布される。さらに第2の接着剤部分122bとして切り欠き120に位置合わせされた、即ち突出セクション18の間の横方向に延びた部分に接着剤が塗布される。第1部分および第2部分の接着剤の塗布は同時にまたは連続的に行ってもよい。接着剤(糊)は同期されたグルーローラーで塗布される。切断位置は糊の分布(接着剤領域)に合わされる。切り欠き位置も糊の分布(接着剤領域)に合わされる。
スリーブのブランク材113は、線128に沿って横方向に切断され、ストリップ123となり、このストリップ123は2つの突出セクション118(ストリップ123の各側部に1つづつ)とブランク材113の全幅に亘って延びた1つの接着剤セクション122bとを含む。1枚のストリップ123で2つのスリーブ13が形成される。ストリップ123は、タバコロッド11、チッピング紙16、第1および第2フィルターセクション114と位置合わせされる。中央の接着剤領域122aは、2本分の長さのフィルターユニット114と位置合わせされる。中央の接着剤部分122aは、ストリップ123の中央のセクションで2本分の長さのフィルターユニット114の長さと実質的に同じまたはそれより短い長さで延びている。従って中央の接着剤部分122aは2本分の長さのフィルターユニット114にのみ接着し、チッピング紙16には接着しない。シート材パッチ115が接着剤が塗布されない領域として形成されている。シート材パッチ115は、チッピング紙16とタバコロッド11の長さの一部と位置合わせされる。
図11は2本の単位長さの喫煙品110の形成を示している。この2単位長さの喫煙品110は、製造の最終段階でポイント117で半分に切断され、2本の延伸自在な喫煙品が形成される。
この2単位長さの喫煙品110は、2つのタバコロッド11と、各タバコロッドに第1フィルターを接合する2組のチッピング紙を含む。2単位分の長さの喫煙品110は、2本分の長さの第2フィルター114をさらに含む。
ストリップ123がタバコロッド110、チッピング紙16、第1および第2フィルターセクション114の周囲に巻かれる。接着剤領域112bが、ストリップ123のもう一方の長い側部の外面に接着し、重なり部分19が貼り付けられると、スリーブを形成する。
その後2単位長さの喫煙品110は、ポイント117で横方向に半分に切断され、2本の喫煙品10が形成される。切断は、2本分の長さのフィルター114と2本分の長さのスリーブ123を介して行われる。
形成された喫煙品10では接着剤がタバコロッドやチッピング紙16と接触しないので、タバコロッド11および第1フィルターセクションが第2フィルターセクション114に対して軸方向に移動することができる。突出セクション18がチッピング紙16、具体的にはチッピング紙の重なり部分16aに当接したときに喫煙品10は最大限延伸される。第1および第2フィルターセクションが当接しているとき、延伸は、最小となる。
フィルターおよび喫煙品の直径は、確実に喫煙品として機能するように予め正確に決められる。喫煙材の端部に位置する第1フィルターセクションの直径が小さ過ぎると、スリーブブランクがスライドする喫煙材にきつく巻かれてしまい、従って喫煙材がスリーブ内でスライドしにくくなる。第1フィルターセクションの直径が大き過ぎると、スライドする喫煙材はスリーブ内で緩い状態で保持されてしまう。
第1および/または第2係合面には、喫煙品の軸に直交する面に対して角度を付けてもよい。これらの角度が付けられた第1および/または第2係合面は、これらが相対的に回転することで相対的な長手方向移動を行うように構成されている。
図12は2つのスリーブを形成するための別の実施態様のブランク223の平面図であり、各スリーブは上述したようにタバコユニットに沿ってスライド可能である。ブランク223は、2本の喫煙品を製造する上述したようなブランク123と似た形状を有する。ブランク223は線217に沿って切断され、2つのスリーブを形成する。
スリーブブランクは、それが円筒状の管として巻かれるタバコユニットおよび/または第2フィルターの円周の約2倍の幅を有し、好ましくは少なくとも2つの完全な層を有するスリーブを形成する。ブランクはタバコユニットに2回巻かれるような寸法を有し、内層と外層の2つの層を有する円筒形状を有するのが好ましい。
複数の層を有するスリーブを形成することによって、単層のシート材から形成されるスリーブと比較して、低重量のシート材(好ましくは紙)を使用することができる。低重量の紙は、その縁部が上述したようにブランクのもう一方の側に重なり、接着される継ぎ目が上手く形成される。さらにブランクが低重量の紙であると、円筒状に巻きやすくなる。
接着剤が両方のスリーブに位置するブランク223の第1部分222aに塗布される。この第1部分222aの接着剤は、喫煙品の吸い口端に位置する第2フィルターに接着するようになっている。これとは別に第1部分222aの接着剤は、タバコユニットに接着するようにしてもよい。
接着剤が両方のスリーブに位置するブランク223の第2部分222bに塗布される。この第2部分222bの接着剤は、ブランクがスリーブに形成されるとブランクの下の層に接着するようになっている。第2部分222bは、スリーブの円周にほぼ対応する幅を有する。第2部分222bは、実質的に外層の全領域に亘って延びている。外層と内層は、実質的にそれらの全領域に亘って接着される。これとは別に接着剤の第2部分222bは、スリーブに形成された際に外層の一部のみに亘って延びてもよい。
ブランクには接着剤が塗布されないシート材パッチ領域215が形成されている。パッチ領域215は、喫煙品が組み立てられる際にタバコユニットに巻かれる。これとは別にパッチ領域215は喫煙品が組み立てられる際に第2フィルターに巻かれるようにしてもよい。領域215に接着剤が塗布されないことにより、喫煙品の第1部分が第2部分に対して自由にスライドすることができる。領域215は形成されるスリーブの内周に対応するまたは僅かにそれより大きい幅を有する。
喫煙品の第1および第2部分の長手方向の相対移動を制限するためにブランク223は、制限手段の一部を形成する第1係合面231を形成している。第1係合面231は、折り曲げられた突出セクション218に形成してもよい。突出セクション218は、第1係合面231が実質的に内層の円周全体に亘って延び、外層に延びないように、ブランク223の幅の一部にのみ亘って延びるようにしてもよい。セクション218を折り曲げることによって内層に対応するブランク223の長さが短くなる。従って外層は、内層を越えて長手方向に延び、内層の端部を覆い、内層を見えなくしている。
これとは別に第1係合面231は内層にエンボス加工を施すことによって形成してもよい。突出セクション218に実質的に対応するエンボス領域は、ストッパーとして機能する厚みの増した領域を有する。第1係合面231はエンボスセクションに形成され、喫煙品の第1および第2部分を制限するために第2係合面と係合可能になる。
図13および14はブランク223から形成されたスリーブ253を含む喫煙品250を示している。喫煙品250は、第1フィルター252に取り付けられた喫煙材251を有する。喫煙材251と第1フィルター252は、共に移動可能であり、タバコユニットと称してもよい。スリーブ253は、喫煙材251および/または第1フィルター252の周囲で長手方向にスライドすることができる。第2のフィルターがスリーブ253の吸い口である後方端部に取り付けられている。チェンバー255が第1および第2フィルター252、254の間にスリーブによって形成されている。チェンバー255の長さは、スリーブ253が喫煙材に対してスライドすることによって変わる。
スリーブ253は、複数の層からなるシート材で形成されている。好ましくはスリーブ253は、内層260および外層262の2つの層を含む。シート材は、紙であることが好ましい。図12を参照して上述したように外層262は、内層260にこれら層260、262の領域の大半に亘って接着している。内外層260、262は、フィルターに2度巻かれる単一のシート材から形成してもよく、あるいは互いに接着された2枚の別個のシート材から形成してもよい。
喫煙品250は、少なくとも1つの戻り制限機構を含んでもよい。この戻り制限機構は、タバコユニットがスリーブ253内を長手方向に移動することによって喫煙品を延伸させるように構成されている。予め定められた長さに延伸されると、戻り制限機構がこの予め定められた長さを越えてタバコユニットがスリーブ253内に格納されないようにする。従って喫煙品250は、格納状態から延伸することができ、予め定められた延伸位置まである程度格納されるだけである。予め定められた延伸長さは、実質的には最大延伸長さの位置であってもよい。この場合タバコユニットは最大延伸位置でロックされる。
戻り制限機構は、内層260から半径方向内方に延びた舌部266を含む。舌部266は、内層を構成する材料をD字形状(またはU字形状)に切り抜いた切り欠き264によって形成される。この舌部は、チェンバー255内に延び、内層260に接続されたフラップである。D字形状の切り欠き264は、舌部が実質的に前方に延び、その後方端部で内層260との接続部を中心に枢動できるように配向されている。舌部266は、内層260の面内に弾性によって付勢され、力が加えられていないときにはチェンバー255内にバネ作用によって戻る。舌部266は、外層262によってではなく、内層260によってのみ形成されるのが好ましい。外層262は、舌部266を覆い、舌部には貼り付けられない。
喫煙品が格納された状態では、舌部266はタバコユニットの上に位置し、半径方向外方の位置、実質的に内層260の面にタバコユニットによって保持される。舌部266は、喫煙品を延伸させるためにスリーブ253内でタバコユニット261がスライドするのを妨げない。予め定められた長さの延伸状態では、タバコユニットの後方端部251aが舌部266の前方に位置する。舌部266は、弾性によって半径方向内方のチェンバー内に戻る。タバコユニット251を格納のために後方に強制的に戻そうとすると、舌部266の前方端部がタバコユニットの後方端部251aと係合し、予め定められた長さの延伸を越えて格納されるのを妨げる。
喫煙品は1つ以上の舌部266を有してもよく、図13に2つの舌部266が設けられた喫煙品を示す。複数の舌部266を設ける場合、スリーブの円周に沿って間隔を置いて配置される。
外層262は、上記では内層を覆うものとして説明した。これとは別にスリーブは、単層のシート材で形成してもよい。タバコユニットが予め定められた延伸長まで延伸されていない場合、舌部266は、実質的にスリーブを形成するシート材の層の面内にあり、実質的にチェンバー内への空気の進入を防ぐ。タバコユニットが予め定められた長さを越えて延伸された場合、開口部がD字形状の切り欠きおよび半径方向内方に位置する舌部によって形成される。この開口部によってチェンバーが換気される。
戻り制限機構は、第2部分がスリーブ253内を移動可能な吸い口端フィルターである態様にも用いてもよい。1つ以上の舌部266は、これらが実質的に後方に延びるように反対方向に形成されたD字形状の切り欠き264に形成される。上述の戻り制限機構の特性も同じように適用され、第2フィルターの格納が制限される。
上記ではD字形状の切り欠き264は、内層260にのみ形成されると説明した。これとは別にD字形状の切り欠き264は、内層260および外層262の両方に形成してもよい。
図15は、実質的に図1から3および図5から8を参照して上述した延伸可能な喫煙品を製造するための装置300を略式に示す。また当該装置を使用した本発明による延伸可能な喫煙品の製造法も説明する。
本発明の製造装置300は、実質的に上述した延伸可能な喫煙品のスリーブを形成するよう構成された包装ステーションを含む。この装置300は、連結されたタバコロッドと第1フィルターセクションの周囲および別個の第2フィルターセクションの周囲にスリーブのシート材を巻くためのガーニチャーを含む。装置300は、タバコロッドとフィルターを連結するためにタバコロッドとフィルターの周囲にチッピング紙を巻くように構成された従来の装置を変形したものであってもよい。
装置300は、複数のスリーブに形成されるシート材源355を含む。シート材355は、好ましくは紙であり、より好ましくは例えば100g/m2以上の重量のある(即ち面密度)紙である。紙は、タバコロッドをフィルターに連結するために従来から使用されているチッピング紙であってもよい。シート材源は、保管用に連続長の長尺のシート材355が巻かれたボビン350であることが好ましい。シート材355は、空気不透過性であっても、空気透過性または予め設けられたまたは製造中に設けられた換気開口部を有するものであってもよい。シート材355は、接着剤が予め塗布されていない紙であることが好ましい。またシート材355は、接着剤が予め塗布されたものであってもよい。シートは、裏紙に巻かれた接着剤ラベルに供給してもよい。ボビン350は、準備装置360にシート材を供給するために回転可能である。
準備装置360は、スリーブを形成するための連続長のシート材を受けるように構成されている。準備装置360は、連続長のシート材を所定の長さの個々のセクション313に切断するように構成された切断装置を含む。各セクション313は、2つのスリーブ用のブランクであるので、セクション313の長さは、本発明による喫煙品のスリーブの長さの2倍に等しい。切断装置は、例えばクロスカットナイフのようなナイフを含む。また切断装置は、長尺のシート材の長さに対して実質的に垂直にシート材を切断するように構成された1つ以上のローラーまたは他の手段を含んでもよい。シート材とセクション313の長手方向軸(長さ)は、スリーブの長手方向軸に対応する。切断装置によってボビン350から準備装置へのシート材の移動方向に対してシート材の各個別のセクションの前方縁部および後方縁部が形成される。
準備装置360は、スリーブの第1係合面を作るように構成された係合面作製手段をさらに含む。係合面作成手段は、好ましくはシート材の個々のセクション313を折り曲げるように構成された折り曲げ装置を含む。この折り曲げ装置は、上述の突出セクション18と同一の突出セクション318を形成するように構成されている。折り曲げ装置は、ブランク313からなる2つのスリーブのそれぞれに対して折り曲げ部、即ちシート材355の各セクションの前方縁部に隣接し、これに平行な第1折り曲げ部318aおよびシート材355の各セクションの後方縁部に隣接し、これに平行な第2折り曲げ部318bを形成する。折り曲げ部318a、318bは、シート材のセクションの同じ側に2つの突出セクション318を折り曲げる。折り曲げ部318a、318bは、突出セクション318が実質的にセクション313の隣接部分に隣接し、重なるように、約180度折り曲げられる。第1折り曲げ部318aは、後方に延び、かつ、後方に向いた第1係合面を有する折り曲げセクションを作製する。第2折り曲げ部318bは、前方に延び、かつ、前方に向いた第2係合面を作製する。
折り曲げ装置は、1つ以上のローラーを含み、第1折り曲げ部318aをある程度作成するように構成された第1の組のローラーを含む。ある程度折り曲げられた第1セクション318aは、最終的な折り曲げの180度未満の折り曲げである。第1ローラーは、ある程度の折り曲げを作製するように構成された輪郭のギアを有する。1つ以上のローラーを含む第2の組のローラーは、第1折り曲げ部318aを完全にするように構成され、これによりシート材が実質的に180度折り曲げられる。第2ローラーは、一対の対向したローラーを含み、これはシート材の面から外れて延びたある程度折り曲げられた突出セクション318を有するシート材を収容する。第2ローラーは、セクション313を圧縮して、突出セクション318をシート材の面に強制的に移動させる。第2折り曲げ部318bは、同じ第1および第2ローラーまたは別の第1および第2ローラーによって同じ方法で形成される。これとは別にこれら折り曲げ部は、単一の組のローラーで形成してもよい。またこれとは別に折り曲げ部は、ローラーを使用しない、またはローラーだけを使用しない異なる機構で形成してもよい。第1の機構は、折り曲げ部または各折り曲げ部をある程度形成し、別個の第2機構が折り曲げを完成するようにしてもよい。好ましくはローラーを含む第1および第2機構は、間隔を置いて位置し、別々にそして連続的にある程度の折り曲げを形成し、その後折り曲げを完成させる。
これとは別に係合面作製手段は、シート材のセクション313をエンボス加工するように構成されたエンボス手段を含んでもよい。エンボス手段は、上述の折り曲げられたセクションと実質的に同じ領域に紙のシート材の第1および第2領域をエンボス加工するための従来から知られているシステムである。第1係合面は、シート材のセクション313の非エンボス加工部分に形成された段においてエンボス加工されたセクションの縁部に形成される。これとは別にシート材は、折り曲げに加えてエンボス加工されてもよい。またこれとは別に装置300は、表面作製手段を含まなくてもよい。ボビン350に集められたシート材に予め加えられた保持バンドを設けてもよい。この保持バンドは、横方向に延び、シート材355に固定された紙のストリップであることが好ましい。保持バンドは、ベースとなる喫煙品の正しい位置に合わせられる。第1係合面は、保持バンドのないシート材の部分に形成されたステップにおいて保持バンドの縁部に形成される。
組み立て装置360は、図7および8で説明したようにセクション313に切り欠き部120を設けるための手段を含んでもよい。切り欠き部120は、各折り曲げられたセクションに形成される。切り欠き部120は、あらゆる好適な切断手段、例えば打ち抜き型によって形成してもよい。切り欠きを設ける手段は、セクション313が円筒状に形成される前の製造工程のあらゆる段階にあってもよい。これとは別にシート材は、予め形成された切り欠きを有してもよく、この切り欠きは、ボビンのシート材に形成されたものであってもよい。
一組の形成された第1係合面を有するセクション313は、ガーニチャー装置390に供給される。ガーニチャー装置390は、複数のローラー394によって支持されたガーニチャーベルト392を含む。ガーニチャーベルトは、実質的に当業界で知られているエンドレステープである。好ましくは各セクション313は、ガーニチャーベルトと接触し、セクション313が装置360から解放される前にガーニチャーベルトによって強制的に移動させられる。各セクション313は、切断装置が後続のシート材からのセクション313を切断するときまたは折り曲げ装置が完全に折り曲げを終えたとき、解放されるようにしてもよい。ガーニチャーベルト392は、調製組み立て装置の供給速度より速い線速度で移動し、これにより解除される際にシート材セクション313が引っ張られ、ガーニチャーベルト392上で加速する。
ガーニチャーベルト392は、シート材セクション313を連続的に受け取り、各セクションをその長手方向軸を中心に丸めて円筒状の管またはスリーブに形成する。セクション313は、延伸可能な喫煙品のさらなる部材、即ちタバコロッド311と第1フィルターセクション312を含むタバコユニットおよび第2フィルターセクション314の周りにガーニチャーベルトによって巻かれる。
ボビン350からの準備装置360、即ち切断装置と折り曲げ装置の供給速度は、ガーニチャーベルト392の線速度より遅い。シート材セクション313は、ガーニチャーベルトの線速度より遅い速度(即ち単位時間当たりの長さ)で準備装置360内に供給される。従って連続するシート材のセクション313は、ガーニチャーベルト392上で互いに間隔を置いて位置する。シート材セクション313は喫煙品の長さの一部に亘って延び、従ってシート材セクション313の間隔によってシート材313によって覆われていない喫煙品の第2部分の長さが決まる。
ガーニチャー装置390は、1つ以上のホッパーシステムから喫煙品に組み立てるための部材を受ける。ホッパーシステムは、ベースとなる喫煙品および2本分の長さの第2フィルターセクションの部材を供給するように構成されたあらゆる従来のホッパーシステムであってもよい。ベースとなる喫煙品は、上述の従来の喫煙品、即ちシート材からなるラッパー(チッピング紙)で第1フィルターセクションに連結されたタバコロッドに似ている。ベースとなる喫煙品は、完全に形成された状態でガーニチャー装置390に供給される。ホッパーシステムは、ダブルアクションプラグ−チューブコンバイナー(DAPTC)またはマルチフィルターメーカ、例えばMulfiシステムをベースにしている。
本発明の装置は、セクション313および/または喫煙品の他の部材に接着剤を塗布する1つ以上の接着剤アプリケーターを含む。接着剤は、セクション313を円筒状管の状態に固定し、スリーブを形成するためのものである。また接着剤は、スリーブ内に第2フィルターセクション314を固定するためのものでもある。第1接着剤アプリケーターは、ガーニチャー装置の前にシート材セクション313に接着剤を塗布するように構成されているのが好ましく、接着剤は、スリーブ内に第2フィルターセクション314を固定するように位置するのが好ましい。これとは別に接着剤は、セクション313を円筒状に保持するために位置するのが好ましい。
第2接着剤アプリケーターは、ガーニチャー装置(ガーニチャーベルト)上のシート材セクション313に接着剤を塗布するように構成され、接着剤は、セクション313を円筒状に保持するように位置するのが好ましい。これとは別に接着剤は、スリーブ内に第2フィルターセクション314を固定するために位置する。また第1および第2接着剤アプリケーターは、ガーニチャー装置に位置してもよい。
第1接着剤アプリケーターは、シート材セクション313に第2フィルターセクション314を固定するために接着剤を塗布するように構成されている。第2フィルターセクション314は、完成した喫煙品のスリーブの吸い口端に永久的に固定される。使用する接着剤は、ポリ酢酸ビニル(PVA)接着剤、熱溶融接着剤であることが好ましく、またはあらゆる好適な接着剤であってもよい。第2フィルターセクション314は、シート材セクション313が円筒状のスリーブに丸められる前にシート材セクション上に位置する。接着剤は、第2フィルターセクションと同期するようにパルス状に塗布される。第2フィルターセクションを固定するための接着剤は、シート材セクション313が円筒状に形成される前にセクション313および/または第2フィルターセクション314に塗布される。
第2接着剤アプリケーターは、セクション313の長手方向に延びた継ぎ目に接着剤を塗布して、形成されたスリーブの円筒形状を維持するように構成されている。接着剤は、ポリ酢酸ビニル(PVA)接着剤、熱溶融接着剤であることが好ましく、またはあらゆる好適な接着剤であってもよい。接着剤は、第2フィルターセクションと同期するようにパルス式に塗布される。接着剤は、円筒状スリーブと第2フィルターがベースとなる喫煙品の周囲を長手方向にスライドできるように塗布される。
ガーニチャー装置390は、ベースとなる喫煙品にセクション313のブランクを巻いて、固定し、本発明による2本の延伸可能な喫煙品320を形成するように構成されている。
本発明の装置は、ガーニチャー装置390から2本分の長さの喫煙品320を受けるための処理装置をさらに含む。処理装置は、2本分の長さの喫煙品を受けるキャッチャードラム(図示せず)を含んでもよい。処理装置は、ガーニチャー装置からの一体に形成された2本の喫煙品を受けるように構成された分割機構をさらに含む。分割機構は、一体に形成された2本の喫煙品を線317に沿ってスリーブおよび2本分の長さの第2フィルターを介して個々の喫煙品310a、310bに切断するように構成されている。分割手段は、好ましくはナイフヘッドである切断装置を含むのが好ましい。切断装置は、2本分の長さの喫煙品をキャッチャードラム上で切断してもよい。分割手段は、スリーブも第2フィルターも持たない従来の2本分の喫煙品を半分に切断するように構成された従来の分割手段に類似するものであってもよい。
処理装置は、全ての喫煙品が装置300を出る際に同じ向きになるように分割された個々の喫煙品の一方または両方を回転させるように構成されている。
図16は、実質的に図1から3および5から8を参照して説明したような延伸可能な喫煙品を製造するための別の製造装置400を略式に示す。当該製造装置を使用した本発明の延伸可能な喫煙品の製造方法も説明する。
製造装置400は、実質的に上述したような延伸可能な喫煙品のスリーブを形成するように構成された包装ステーションを含む。装置400は、タバコロッドとフィルターの周囲にスリーブのシート材を巻くためのガーニチャーを含む。装置400は、タバコロッドとフィルターを連結するためにタバコロッドとフィルターの周囲にチッピング紙を巻くように構成された従来の装置を変形したものであってもよい。
装置400は、複数のスリーブに形成されるシート材455の供給源を含む。シート材455は、好ましくは紙であり、より好ましくは例えば100g/m2の重量のある紙である。この紙は、タバコロッドとフィルターを連結するために従来から使用されているチッピング紙であってもよい。シート材の供給源は、ボビン450であることが好ましく、これに保管のために連続長のシート材455が巻かれている。シート材455は、空気不透過性であっても、空気透過性または予め設けられたまたは製造中に設けられた換気開口部を有するものであってもよい。シート材455は、シート355と同じものであり、シート材355で説明したようなあらゆる種類のシートであってもよい。ボビン450は、供給ローラー460にシート材を供給するために回転可能である。
供給ローラー460がボビン450からシート材を引っ張る。供給ローラー460は、一組の対向したローラーを含み、その間でシート材と係合する。供給ローラー460は、スリーブの第1係合面をある程度または完全に形成するように構成された係合面作製手段として機能してもよい。供給ローラー460は、シート材を波形にするまたはエンボス加工し、第1係合面を設けるように構成されている。供給ローラー460は、連続長のシート材455を第1接着剤アプリケーター470に移送する。
第1接着剤アプリケーター470は、実質的に上述したように第2フィルターセクション314をシート材に固定するために接着剤をシート材455にパルス状に塗布するように構成されている。このパルスは、シート材のその部分を第2フィルターセクション341の露出した位置と位置合わせするために調時される。使用する接着剤は、熱溶融接着剤またはポリ酢酸ビニル(PVA)接着剤である。
第1接着剤アプリケーター470の後、シート材は、スリーブを形成するための連続長のシート材を受けるように構成された準備装置480内に入る。準備装置480は、回転自在な真空ドラム482を含む。この真空ドラム482は、連続したシート材を受け、真空ドラムの外面にシート材を張り付けるために真空を発生させるように構成されている。真空ドラムは回転してシート材をガーニチャー装置490に移送する。
準備装置480は、連続長のシート材を上述したように所定の長さの個々のセクション313に切断するように構成された切断装置を含む。切断装置は、破砕切断用のナイフまたは縁部を有するローラー484を含む。ローラー484は、アンビルとして機能する真空ドラムと協働するように構成されている。シート材は、真空ドラム482および反対方向に回転し、シート材を個々のセクション313に切断するローラーの間を通過する。シート材は、長尺のシート材の長さに対して直角に切断される。シート材およびセクション313の長手方向軸(長さ)は、スリーブの長手方向軸に対応している。切断装置は、シート材の移動方向に対してシート材の各個別のセクションのために前方縁部と後方縁部を形成する。
これとは別に準備装置480は、スリーブの第1係合面を形成するように構成された係合面形成手段を含んでもよい。好ましくは係合面形成手段は、シート材の個々のセクション313を折り曲げるように構成された折り曲げ装置を含む。折り曲げ装置は、上述の突出セクション18と同一の突出セクション318を形成するように構成されている。折り曲げ装置は、シート材455の各セクションの前方縁部に隣接し、これに平行な第1折り曲げ部318aおよびシート材355の各セクションの後方縁部に隣接し、これと平行な第2折り曲げ部318bを形成する。折り曲げ部318a、318bは、2つの突出セクション318をシート材のセクション313の同じ側に折り曲げる。折り曲げ部は、突出セクション318が実質的にセクション313の隣接部に隣接するまたは重なるように約180度折り曲げられる。第1折り曲げ部318aは、後方に延び、後方に向いた第1係合面を有する折り曲げられたセクションを形成する。第2折り曲げ部318bは、前方に延び、前方に向いた第1係合面を有する折り曲げられたセクションを形成する。
1つのローラーまたは複数のローラー(図示せず)をシート材が実質的に180度折り曲げられるように第1折り曲げ部318aを形成するように構成してもよい。折り曲げ部は、一組のローラーによって形成されるのが好ましい。これとは別に準備装置は、シート材の面から外れて延びた突出セクション318をある程度折り曲げる第1の組のローラーと折り曲げを完全にする別個の第2の組のローラーとを含んでもよい。第2の組のローラーは、セクション313を圧縮して、任意に真空ドラム482と協働して、突出セクション318をシート材の面に強制的に移動させる。第2折り曲げ部318bは、同じローラーまたは別のローラーによって同じ方法で形成される。
これとは別に装置300は、表面形成手段を含まなくてもよい。ボビン450に保管されたシート材には装置300で上述したような保持バンドを予め設けてもよい。
装置480は、図8で説明したようにセクション313に切り欠き部120を設ける手段を含んでもよい。切り欠き部120は、装置300で説明したように各折り曲げられたセクションのために形成される。
一組の第1係合面が形成されたセクション313は、ガーニチャー装置490に供給される。ガーニチャー装置490は、複数のローラー494によって支持されたガーニチャーベルト492を含む。ガーニチャーベルト492は、当業界で実質的に知られているようなエンドレステープである。好ましくは各セクション313がガーニチャーベルトと接触し、セクション313が装置360によって解放される前に強制的にガーニチャーベルトによって移動させられる。ガーニチャーベルト392と真空ドラム482は、実質的に同じ線速度で移動させ、これはボビン450からの第1接着剤アプリケーター470および供給ローラー460の供給速度より速い速度である。シート材セクション313は、切断装置によって解放されると真空ドラムによって引っ張られ、加速させられる。
従ってシート材313の連続したセクションは、ガーニチャーベルト492上で互いに間隔を置いて位置する。シート313のセクションは、喫煙品の長さの一部に亘ってのみ延び、従ってシート材313のセクションの間隔によって、シート材313によって覆われない喫煙品の長さが決まる。
ガーニチャーベルト392は、連続的にシート材セクション313を受け、長手方向軸を中心に各セクションを丸めて、円筒状管またはスリーブを形成するように構成されている。セクション313は、ガーニチャーベルトによって延伸可能な喫煙品の別の部材、即ちタバコロッド311と第1フィルターセクション312を含むタバコユニットおよび第2フィルターセクション314の周囲に巻かれる。
ガーニチャー装置490は、1つ以上のホッパーシステムから喫煙品に組み立てるための部材を受ける。ホッパーシステムは、ベースとなる喫煙品および2本分の長さの第2フィルターセクションの部材を供給するように構成されたあらゆる従来のホッパーシステムであってもよい。ベースとなる喫煙品は、上述の従来の喫煙品、即ちシート材からなるラッパー(チッピング紙)で第1フィルターセクションに連結されたタバコロッドに似ている。ベースとなる喫煙品は、完全に形成された状態でガーニチャー装置490に供給される。ホッパーシステムは、ダブルアクションプラグ−チューブコンバイナー(DAPTC)またはマルチフィルターメーカ、例えばMulfiシステムをベースにしている。
ガーニチャー装置は、接着剤をセクション313および/または喫煙品の他の部材に塗布するために1つ以上の第2接着剤アプリケーターをさらに含む。接着剤は、セクション313を円筒状に保持して、スリーブを形成するためのものである。
第2接着剤アプリケーターは、形成されたスリーブの円筒形状を保持するためにセクション313の長手方向の継ぎ目に接着剤を塗布するように構成されている。接着剤は、ポリ酢酸ビニル(PVA)接着剤、熱溶融接着剤であることが好ましく、またはあらゆる好適な接着剤であってもよい。接着剤は、円筒状スリーブと第2フィルターがベースとなる喫煙品の周囲を長手方向にスライドできるように塗布される。
ガーニチャー装置490は、ベースとなる喫煙品および2本分の長さの第2フィルターの周囲にブランクセクション313を巻いて、固定して本発明による2つの延伸可能な喫煙品を形成するように構成されている。
本発明の装置は、ガーニチャー装置390から2本分の長さの喫煙品320を受けるための処理装置(図示せず)をさらに含む。この処理装置は、2本分の長さの喫煙品を受けるキャッチャードラム(図示せず)を含んでもよい。処理装置は、ガーニチャー装置からの一体に形成された2本の喫煙品を受けるように構成された分割機構をさらに含む。分割機構は、一体に形成された2本の喫煙品を線317に沿ってスリーブおよび2本分の長さの第2フィルターを介して個々の喫煙品310a、310bに切断するように構成されている。分割手段は、好ましくはナイフヘッドである切断装置を含むのが好ましい。切断装置は、2本分の長さの喫煙品をキャッチャードラム上で切断してもよい。分割手段は、スリーブも第2フィルターセクションも持たない従来の2本分の喫煙品を半分に切断するように構成された従来の分割手段に類似するものであってもよい。
処理装置は、全ての喫煙品が装置300を出る際に同じ向きになるように分割された個々の喫煙品の一方または両方を回転させるように構成されている。
装置300、400は、図4で説明したような喫煙品20を製造するように変更してもよい。喫煙品20は、共通の2本分の長さのフィルターを共有する2本分の長さの喫煙品として形成される。スリーブ23は、ガーニチャー装置で円筒状のタバコの周囲に巻かれる。ガーニチャー装置390、490に入るスリーブは、1つの折り曲げられた端部を有する。これとは別に喫煙品20は、共通の2本分の長さのタバコロッドを共有する2本分の長さの喫煙品として形成してもよい。スリーブ23は、ガーニチャー装置上で2つの同軸の円筒状のタバコの周囲に巻かれる。ガーニチャー装置390、490に入ったスリーブは、上述のように2つの折り曲げられた端部を有し、第2フィルターセクションは、2本分の長さのタバコロッドの各端部に位置する。2本分の長さのタバコロッドは、2本の喫煙品を形成するために半分に切断される。
本発明の喫煙品の製造方法を図15および16を参照して説明する。本発明の装置300は、ホッパーシステム(図示せず)から喫煙品を形成するための部材を受ける。これとは別にホッパーシステムは、装置300の一部であってもよい。異なる部材が所定の順番および配向で受けられる。
2本の喫煙品を形成するためのガーニチャーベルト392、492の搬送順序を説明する。最初にガーニチャーベルト392、492が、当業界で知られているようなチッピング紙によって好ましくはすでに連結されているタバコロッド311および同軸の第1フィルターセクション312を含むベースとなる喫煙品301aを受ける。第1フィルターセクション312は、ガーニチャー装置内への移動方向において喫煙品301aの後方端部に位置する。次に2本分の長さの第2フィルターセクション314が受けられる。上述したように第2フィルターセクション314は、紙のプラグラッパーに巻かれた例えばセルロースアセテートトウなどの従来のフィルター材であることが好ましい。次に第2のベースとなる喫煙品301bが受けられ、これは当業界で知られているようなチッピング紙によって好ましくは連結されているタバコロッド311および同軸の第1フィルターセクション312を含む。第1フィルターセクション312は、ガーニチャー装置への移動方向において喫煙品301bの前方端部に位置する。さらに一連の3つの部材が、先の一連の部材と当接し、これら部材が連続的にガーニチャーベルト上に位置する。3つの別々の部材の流れが、繰り返され、連続的に喫煙品を製造する。
これらの部材は、第1および第2フィルターセクションが互いに隣接するように操作される。特に第1のベースとなる喫煙品301a、2本分の長さの第2フィルターセクション314および第2のベースとなる喫煙品301bが、この順番で互いに同軸になるように当接するように調整される。
折り曲げられたシート材313のセクションは、上述したように準備装置360またはドラム480から提供される。シート材313のセクションは、切断装置によって切断される前にガーニチャーベルト392、492と接触してもよく、従ってすぐにガーニチャー装置390、490内に引っ張られ、切断され、後続のシート材355から分離される。
ガーニチャー装置390、490は、シート材313のセクションを隣接する部材に貼り付ける。シート材313のセクションの前方端部は、第1のベースとなる喫煙品301aのタバコロッドの所定の第1位置合わせ位置と長手方向に位置合わせされる。第1位置合わせ位置は、タバコロッド311の前方端部と後方端部から間隔を置いて位置し、前方端部からタバコロッドの長さに沿って20%から80%、好ましくは20%から40%の所に位置する。
貼り付けられたシート材313のセクションは、第1のベースとなる喫煙品301aの一部、第2フィルターセクション314全体、第2のベースとなる喫煙品301bの一部に亘って延びる。シート材313のセクションの後方端部は、第2の喫煙品301bのタバコロッドの所定の第2の位置合わせ位置と長手方向に位置合わせされる。第2位置合わせ位置は、第2のベースとなる喫煙品301bの後方端部から同じ距離にあり、第1位置合わせ位置は、第1のベースとなる喫煙品301aの前方端部から同じ位置にある。シート材313のセクションは、第1フィルターセクション312から第1および第2ベースとなる喫煙品のタバコロッドの同じ長手方向の幅に亘って延びており、これにより本発明による各個々の喫煙品が同一になる。
ガーニチャー装置390は、第1のベースとなる喫煙品301a、2本分の長さの第2フィルターセクションおよび第2のベースとなる喫煙品301bの周囲にシート材313のセクションを巻き、円筒状スリーブがガーニチャーベルト392によって形成される。ガーニチャー装置は、2本分の長さの第2フィルターセクション314が第2フィルターセクション314の前方および後方端部の両方に隣接したスリーブに接着され、シート材313のセクションが円筒状スリーブとして固定されるように接着剤を塗布する。
2本分の長さの喫煙品がガーニチャー装置から出て、ナイフヘッド上で2本分の長さの第2フィルターを介して2つの等しい部分に切断される。個々の喫煙品は、同じ方向に配向され、梱包のために移送される。
切断装置と折り曲げ装置は、同じ装置の一部として説明した。これとは別に切断装置および折り曲げ装置は、別々の装置にあってもよい。
図17、18aおよび18bは、実質的に図1から3および5から14で説明したように形成された喫煙品500を示す。喫煙品500は、シート材513の第1内層およびシート材523の第2外層から形成されたスリーブ503を含む延伸可能な喫煙品である。喫煙品500は、第1フィルター512に装着された喫煙材511を有する。喫煙材511と第1フィルター512は、好ましくはシート材、例えばチッピング紙によって連結される。喫煙材511および第1フィルター512は、共に移動可能であり、タバコユニットとも称する。スリーブは、喫煙材511および/または第1フィルター512の周囲で長手方向にスライド可能である。第2フィルター514が吸い口端または後方端部でスリーブに装着されている。チェンバー515が第1および第2フィルターセクション512、514の間にスリーブによって形成されている。チェンバー515の長さは、スリーブが喫煙材に対してスライドすることによって変えることができる。
喫煙品500は、単一の喫煙品として形成されるのが好ましい。これとは別に喫煙品は、図5から14で説明したように対に形成して、個々の喫煙品に切断してもよい。
スリーブ503がシート材からなる複数の層から形成される。好ましくはスリーブ503は、内層513および外層523といったシート材の2つの層を含む。シート材は、紙であることが好ましい。内層513は、図5から12で説明し、示したスリーブ13と同じ構造を有し、同じ方法で形成してもよい。
図17は、形成されたスリーブ上で半径方向内方に延びた突出セクション518を含むスリーブの内層513を示す。突出セクション518は、重なり部分を形成するためにスリーブ材を前方端部で折り曲げることによって形成される。突出セクションは、好ましくは約180度折り曲げられる。突出セクションは、上述した制限手段の第1係合面を形成する。
突出セクション518は、スリーブの内層の実質的に円周全体に延びている。スリーブ513の長手方向の側部は、接合され、重ねられて内方の筒を形成する。内方スリーブの重なる部分は、内方スリーブ513を形成するシート材の対向する側に重ねられ、固定される。好ましくは重なる部分は、接着剤で対向側部に固定される。
内層513は、実質的に上述したように重なりセクションに切り欠き520を形成する。切り欠き520は、実質的にスリーブ513の全円周の周囲に均一な第1係合面を設け、重なりセクションに均一な厚みを提供する。切り欠き520によって重なりセクションが突出セクション518に確実に関与しなくなるので、突出セクション518は円周にに実質的に均一な半径方向の広がりを有する。
喫煙材511と第1フィルター512は、喫煙材511および第1フィルター512の周囲に巻かれ、固定されるシート材によって共に連結される。シート材は、喫煙材511から半径方向外方に延びている。タバコロッド511と第1フィルターセクション512を連結するシート材は、制限手段の第2係合面を形成する。第2係合面は、喫煙材から半径方向外方に延び、軸方向前方に向いて巻かれたシート材の面である。
スリーブの内層513と外層523は、別個の接合されていないシート材のセクションとして形成されている。内層513のシート材は、外層523のシート材と異なる材料であることが好ましい。
外層523は、内層513より、高密な紙であることが好ましい。外層523は、内方513より厚くてもよい。内層513は、30から50g/m2、好ましくは約40g/m2の面密度(坪量/重量)を有してもよい。外層523は、50から70g/m2、好ましくは約60g/m2の面密度を有するものであってもよい。
図18aは、長手方向軸を中心に円筒状に丸められる前の内層513のブランクの平面図である。内層513は、例えばプラグラッパーなどの多孔性紙から形成されるのが好ましい。接着剤が突出セクション518に対向する内層513の横方向縁部に隣接する第1部分522aに塗布される。接着剤の第1部分522aは、第2フィルター514を囲んで接着するように構成されている。さらに別の第2の接着剤部分522bが内層513の長手方向縁部に隣接して塗布される。接着剤の第2部分522bは、ブランクが円筒状に形成される際に重なりセクションとなり、内層513の対向縁部に接着するように構成されている。接着剤の第2部分522bは、重なり継ぎ目を形成する。接着剤の第1および第2部分は、同時にまたは連続的に塗布してもよい。接着剤(糊)は、同期された糊ローラーで塗布される。材料パッチ525が接着剤が塗布されない領域として形成される。材料パッチ525は、第1フィルター512およびタバコロッドの長さの一部と位置合わせされる。パッチ525は、シート材の特性によって空気を透過し、チェンバーおよび/または第1フィルターの換気を可能にする。内層513は、実質的に図5から12で説明したように製造される。
図18bは、長手方向軸を中心に円筒状に丸められる前の外層523のブランクの平面図である。外層523は、好ましくは例えばチッピング紙などの空気不透過性の紙から形成される。接着剤が、外層523を内層513に貼り付けるために外層523の1つ以上の領域に塗布される。接着剤は、複数の長手方向に間隔を置いて配されたセクションに塗布され、この長手方向に間隔を置いて配されたセクションは、横方向、好ましくは外層523の実質的に全幅に亘って延びている。好ましくは接着剤は、外層523の第1横方向縁部に隣接する第1セクション532aおよび第1横方向縁部に対向する第2の横方向縁部に隣接した第2セクション532cに位置する。第3セクション532bが第1セクション532aと第2セクション532cの間で横方向に延びている。
接着剤のさらに別の部分533が外層523の長手方向縁部に隣接して塗布される。この接着剤部分533は、ブランクが円筒状に丸められた際に重なりセクションに位置し、外層523の対向縁部に接着する。この接着剤部分533は、重なり継ぎ目を形成する。接着剤のこれらの部分は、同時にまたは連続的に塗布してもよい。接着剤(糊)は、同期された糊ローラーで塗布される。1つ以上のパッチ535a、535bが接着剤が塗布されない領域として形成される。好ましくは外方スリーブは、接着剤で覆われていない2つの別個のパッチ535a、535bを含む。
パッチ535a、535bは、空気を透過するように処理される。好ましくは開口部が静電穿孔によってシート材に形成され、所定の多孔度が得られる。これとは別にシート材は、レーザーまたは他の手段によって形成された開口部によって、または多孔性のシート材を選択することによって多孔性であるものであってもよい。シート材は、パッチ535a、535bの領域を除いて、空気流を遮断する不透過性の接着剤でその全面が多孔性になるように処理してもよい。これとは別に外層の領域の一部だけを好ましくはパッチ535a、535bの全領域が多孔性になるように例えばパッチのこれらの領域だけに静電穿孔を施してもよい。またこれとは別に接着剤で覆われていないパッチの領域の一部だけを処理して空気透過性にしてもよい。接着剤パターンは、外層523の全表面領域を覆わず、従ってスリーブ503を介した換気が可能になる。好ましくは換気は、接着剤で覆われていないスリーブの全領域に亘って外層および内層を介して行われる。
外層523は、喫煙品の延伸を制限する保持縁部を設けない。外層523は、内層との組み合わせでスリーブ503に構造的な強度を提供する。内層513だけで上述したような喫煙品の延伸を制限する保持縁部および/または戻り止め機構を設けてもよい。
内層513は、多孔性のプラグラッパー紙から形成され、外層523は、従来のチッピング紙から形成されると説明した。これとは別に内層513は、標準的(坪量)なチッピング紙、好ましくはタバコロッド511と第1フィルター512を連結する喫煙品のチッピング紙と同じ厚さを有するチッピング紙から形成することも可能である。外層523は、内層513より高密度であり、および/または厚い紙から形成される。内層513と外層は、例えばレーザーを使用して換気開口部を形成して空気透過性になるように処理してもよい。内層513と外層523は、一致する領域に亘って空気透過性であり、スリーブ503内に空気を流入させる。内層513は、30から50g/m2、好ましくは約40g/m2の面密度を有する。外層523は、50から70g/m2、好ましくは約60g/m2の面密度を有する。
喫煙品500の製造方法をここで説明する。上述の方法と同様に内層513は、接着剤でコートされ、タバコユニット511、512および第2フィルター514の周囲に巻かれる。内層513が円筒状に形成され、第2フィルターに接着され、重なり継ぎ目によって円筒状に固定される。内層513が円筒状に形成された後、外層523が内層に重ねられる。外層523は、接着剤がコートされ、内層513の周囲に巻かれ、接着剤のセクションによって内層に固定され、重なり継ぎ目によって円筒状に固定される。内層の筒および外層の筒を連続した別個の工程で形成することによって、厚く重量のある紙を外層として容易に使用することができる。内層は、円筒状に丸められる際に外層を案内し、支持する。紙の重量は、単位面積当たりの紙の重さを示すものとして理解されたい。
重なり継ぎ目を形成するための接着剤の部分522b、533は、内外層の長手方向縁部に沿って接着剤の別のセクションまで延びるものとして示した。重なり継ぎ目の形成は、好ましくは接着剤が層の全長に亘って延びることが求められ、接着剤の部分522b、533は、層の全長を延びるものとして考慮され、接着剤の別の部分522a、532a、532b、532cは、上述した残りの部分に延びる。外層の接着剤部分532a、532b、532cは、可能な接着剤パターンの例に過ぎず、外層を内層に固定し、少なくとも1つの接着剤のない領域を供するあらゆるパターンが本発明の範囲内である。
接着剤は、外層に塗布されるものとして説明した。これとは別に接着剤を内層の外面に塗布して、外層に貼付してもよい。
喫煙品500は、延伸可能であるとして説明した。これとは別にスリーブは、第1および第2部分の相対的な長手方向の移動を止めるように構成された喫煙品(上述したような第1および第2係合面)によって長手方向に移動せずに喫煙材に対して回転させてもよい。
喫煙品500は、2つの別個のシート材から形成された2つの層を有するものとして説明した。これとは別にこれら2つの層は、喫煙材およびフィルターに2回以上巻かれた単一の連続したシートから形成してもよい。
第2係合面は、いくつかの態様において喫煙材をフィルターに接続するシート材によって形成されるものとして説明してきたが、これとは別に第2係合面は、いくつかの態様では半径方向に延びたあらゆる面によって形成してもよい。特に第2係合面は、喫煙材または第1フィルターに1回以上巻かれ、喫煙材をフィルターに連結しないシート材で形成してもよい。すべての態様の第2係合面は、半径方向外方に折り曲げられ、タバコユニットまたはフィルター上に重なるように前方に折り曲げられるシート材の一部に形成してもよい。第2係合面用のブランクは、上述のような切り欠きを含んでもよい。
あらゆる態様において第1および/または第2係合面は、エンボス加工によって形成してもよい。特に第1または第2部分が単層のみのシート材から形成される場合を含む態様において、シート材を折り曲げる代わりにエンボス加工を用いてもよい。
本発明の喫煙品の喫煙時に発生する特定の物質の量、イールド(yield)は、スリーブ、フィルタープラグ紙および/またはタバコユニットの換気開口部またはパーフォレーションによって変わる。換気開口部は、スリーブで覆って、空気の進入を防いでもよい。
タバコユニットの少なくともいくつかの換気開口部は、常にスリーブで覆うようにしてもよい。当該換気開口部は、通常の使用の際、即ち最大および最小延伸の間の喫煙品のあらゆる延伸長さにおいて、またはスリーブとタバコユニット間のあらゆる相対移動のために、常に覆われてもよい。当該換気開口部は、スリーブがタバコに適切に装着されている場合には換気効果がない。特に第1部分が第2部分に取り付けられている場合、かつ、第1および第2部分のあらゆる相対的な長手方向の移動または回転が第1および第2係合面によって制限される場合には当該換気開口部は、換気を行わない。
スリーブがタバコユニットから取り外された場合、通常本発明の喫煙品はそのように使用されるように構成されていないが、当該換気開口部は露出する。これらの換気開口部は、例えば本発明の例において60%以上の換気率、70%以上の換気率、80%以上の換気率、90%以上の換気率といった非常に高いレベルの換気率を供し、スリーブの無い喫煙品のイールドを著しく低下させる。従ってこれらの換気開口部は、スリーブが不適切に取り外されたときにはタバコユニットのイールドを制御する。
少なくともいくつかの換気開口部が格納状態においてスリーブによって覆われないタバコユニットに含まれてもよい。これらの換気開口部によって確実に少なくとも最小限の換気が供され、または延伸に応じて予め定められた最小および最大換気率の間の換気率になる。従ってイールドは、予め定められた最小および最大イールドの間の範囲内になることが判るようになる。上述のすべての実施態様は、第1部分および/または第2部分に1つ以上の換気開口部を有してもよく、これら開口部は、第1および第2部分の相対的な長手方向位置によるもう一方の第1および第2部分および/または第1および第2部分の相対的な回転位置によって選択的に覆われる。これらの換気開口部によって、チェンバーおよび/または第1フィルター内に換気空気を流入する。喫煙品の換気は、第1部分および第2部分の相対的な長手方向位置および/または相対的な回転位置を選択することによって決まる覆われていない開口部の領域によって決まる。
いずれの実施態様のいずれかの特徴は、他の実施態様の他の特徴と組み合わせてもよい。特にいくつかの実施態様の喫煙品は、円筒状のタバコを接合するフィルターセクションを含んでも、含まなくてもよく、またはスリーブの吸い口端にフィルターセクションを含まなくてもよい。
本発明の喫煙品は、延伸自在なものとして説明した。これとは別に喫煙品は、全長が固定されたものであってもよい。スリーブまたはフィルターを喫煙品の長さを変えることなく回転させてもよい。制限手段は、スリーブを回転させるが、フィルターと喫煙品を長手方向に相対移動させないようにしてもよい。制限手段をチェンバーの長さを固定する、例えば長さがゼロになるように配置してもよい。喫煙品は、第1および第2部分を単一の長手方向の相対位置または形体に維持するように構成されている。制限手段の第1および第2係合面は、実質的に喫煙品の延伸を防ぐように構成されている。第1および第2係合面は、第1フィルターセクションが第2フィルターセクションに当接する間、当接する。第1および第2係合面は、第1の長手方向において延伸または長手方向の移動を止め、当接した第1および第2フィルターは、第1の方向とは反対の方向において長手方向の移動を止め、これにより回転させ、長手方向の移動を止める。制限手段は、2つの隣接するフィルターセクションを相対的に回転させてもよく、任意ではあるがこの相対的な回転によって喫煙品のフィルター特性に影響を与えるようにしてもよい。
スリーブは、後方端部にフィルターを有するものとして説明した。これとは別にフィルターは、スリーブに貼り付けずに、スリーブは、円筒状の管だけであってもよい。これとは別にフィルターは、タバコのロッドの後方端に固定してもよい。
本発明の喫煙品は、対に製造され、その後個々の喫煙品に切断されるものとして説明した。これとは別に喫煙品は、個々の喫煙品として製造してもよい。装置300、400は、1つのスリーブに対応する長さのブランクを切断し、ブランクに1つの係合面を形成することによって各喫煙品を別個に製造するように構成してもよい。