JP2013522626A - 人員検査システム - Google Patents

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グレイ、スティーブン、ジェイ.
ヒューズ、ロン
スミス、ジャエル
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ラピスカン システムズ、インコーポレイテッド
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/16Measuring radiation intensity
    • G01T1/167Measuring radioactive content of objects, e.g. contamination
    • G01V5/222

Abstract

【解決手段】
本明細書は、二軸走査ビームが使用される検出器及び線源ユニットを含むモジュール式部品を備える人員検査システムに関する。一構成では、検査中の対象者は静止し、2つの走査モジュールの間に位置する。X線源は、必要な視野、低い放射線被曝レベル、及び必要な解像度を得つつ、システム全体の設置スペースを最小限にするように設計される。モジュール式の構成部品により、輸送のため分解可能であり、検査が必要な現場にて単純に再び組み立てられるコンパクト、軽量だが十分に丈夫な全体構造が可能となる。
【選択図】図4

Description

関連出願に対する相互参照
本願は、2010年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/313,772号に優先権のため依拠し、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
また、本願は、2010年12月15日に出願された米国仮特許出願第61/423,585号に優先権のため依拠し、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
加えて、本願は、2010年12月15日に出願された米国仮特許出願第61/423,582号に優先権のため依拠し、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
加えて、本願は、2010年12月15日に出願された米国仮特許出願第61/423,586号に優先権のため依拠し、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
更に、本願は、「人員を検査するための保安システム」という名称を有し、本発明の出願人に譲渡された米国特許出願第12/887,510号の部分継続出願であり、米国特許出願第12/887,510号は、同一の名称を有し、同じく本発明の出願人に譲渡された米国特許第7,826,589号の継続出願である。両出願について、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
更に、本願は、「プライバシーを向上させた人員検査システム」という名称を有し、本発明の出願人に譲渡された米国特許出願第12/849,987号の部分継続出願であり、米国特許出願第12/849,987号は、同一の名称を有し、同じく本発明の出願人に譲渡された米国特許第7,796,733号の継続出願である。両出願について、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
本発明は、一般に、人間が携帯する危険物を検査するための保安システムに関し、より具体的には、可搬性を向上させたモジュール式構成部品を備えた人員検査システムに関する。
人間を検査するために空港、裁判所等の通過点で今日使用される放射線に基づくシステムは、概して、非常に大型で、持ち運ぶ用途には役立たない門型のシステムである。
残念なことに、そのような従来技術による検査システムは、あまりコンパクトではなく(例えば、光電子増倍管を中央アナログ−デジタル変換及び電力装置に接続するための重い後端ケーブル及び導線を有する)、使用及び/又は輸送するのに困難且つ時間を要することが多い。
また、保安システムは、現状、衣服の下に隠された密輸品、武器、爆発物、及び他の危険物を検出する能力が限られている。金属探知機及び化学嗅覚性探知機は、一般的に大型の金属製物体及びある種の爆発物の検出に使用されるが、これらの装置を用いて検出することができない広範な危険物が存在する。プラスチック及びセラミック武器は、保安員が検出しなければならない非金属製物体の種類を増している。手で対象者を検査するのは、遅く、不便であり、特に、空港のような通行人の多い場所での標準手続としては一般大衆に許容されにくいだろう。
X線散乱を用いて様々な種類の物質の画像を発生させられることが本技術分野において知られている。散乱されるX線の強度は、X線を散乱する物質の原子数(Z)に関連する。一般に、25未満の原子数に対して、X線後方散乱の強度即ちX線反射率は、原子数が増えるにつれて減少する。画像は、主に、対象者の身体の原子数の変化によって変調される。低Z物質は、人員検査において特別な問題を呈する。何故なら、低Zを有する対象者の身体の背景から低Z物体を識別することが困難であるためである。
人間に隠し持たれた物体を検出するための公知の従来技術によるX線システムは、健康上の要請である低い放射線量を達成することを阻んだり、商業的に受け入れられるための前提条件である高画質の生成を妨げたりする設計及び方法上の制約を有している。低レベルの放射線被曝で動作する検査システムは、検査中の人に向けることができる放射線量が小さいことにより、その精度において制限されている。X線の吸収及び散乱が、対象者及び隠された物体の画像を形成するのに使用可能なX線の量を更に減らしてしまう。従来技術のシステムでは、このように検出されるX線量が低いことによって、許容できないほど低い画質という結果になる。
この問題は、X線検査システムが、スタジアム、ショッピングモール、屋外の展示会、祭りなど開放された場所で使用されている場合、更に重大となる。そのような場所では、装置の近くにも装置から離れた位置にも人々がいる可能性がある。もし走査中の対象者がX線装置にあまり近くなければ、その人に届く放射線量が非常に低いため、得られる画像が十分に明確ではない可能性がある。このことにより、システムの走査範囲は、装置の前面から数フィートに限定される。しかしながら、走査される人がX線装置に近すぎると、その人に当たる放射線量が安全ではない可能性がある。
更に、自動危険物検出を行うためにアメリカ合衆国内の空港に配備されるX線検査システムは、運輸保安局(TSA)が定めた基準に準拠しなければならない。現在のTSAの基準では、身長が少なくとも6フィート6インチの人を、肘から肘まで即ち少なくとも103センチメートルの走査幅で走査可能であることが要求されている。また、空港での混雑の増加を考慮すると、空港又はそのような他の処理人数の多い場所に配置される検査システムは、好ましくは一回の走査当たり約10秒という高速な走査時間を提供しなければならない。その上更に、検査システムは、好ましくは身体障害者を司る法律に準拠すべきである。米国では、検査システムは、米国障害者法(ADA)に規定される規則に準拠しなければならない。
それ故、検出効率を向上させ、軽量だが十分に丈夫であり、輸送のため容易に分解可能でその後現場にて単純に再び組み立てられる、コンパクトなX線検出器/線源検査システムの必要性がある。
また、モジュール方式、小型化したサイズ、重量の低減及び迅速な組立のおかげで容易に配備できると同時に、より高速な走査速度(より多い処理人数)及び最新の処理用電子部品を提供することのできる検査システムが必要とされている。
また、放射線被曝を安全な限度内に保ちつつ、良好な解像度並びに大きな視野及び高速な走査速度を提供するX線検査システムの必要性もある。つまり、システムは、近距離の人に対して安全というのみならず、離れた距離での良好な解像度及び透過も得られるものでなければならない。とりわけ、従来のシステムは、許容できる解像度レベルを得るために許容できる放射線被曝レベルで、要求される走査速度で、検査システムから所定の距離で、(所定身長及び幅の人を走査する)必要な視野を得ることができなかった。
本発明の実施の形態について、本明細書では、静止した人間が携帯する物体を検出するための検査システムであって、前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第一検出システムであって、前記第一検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第一検出システムと、前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第二検出システムであって、前記第二検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第二検出システムと、前記第一検出システムと前記第二検出システムとの間の筐体内に位置するX線源であって、前記X線源は、直径を有するビームチョッパに連結されるとともに、前記第一検出システムと前記第二検出システムとの間の空間を通るX線ビームを発するように構成され、前記空間は、前記ビームチョッパの前記直径の1/2から2倍の範囲の幅によって規定されているX線源と、前記第一検出システム及び前記第二検出システムによって生成される前記電子信号を解析し、表示装置上に画像を生成するための処理システムと、を備える検査システムについて記載している。
一例として、前記ビームチョッパはホイールであり、前記ホイールは3つのスリットを有し、各スリットは隣接するスリットから120度離間した位置にある。前記スリットは、少なくとも2つの平行コリメータスリットと整列されており、前記X線源から発せられたX線は、前記コリメータスリットを円錐状に照射して、時間的に交互配置された少なくとも2つの平行走査ビームを生成する。ビームチョッパは、少なくとも1個の螺旋開口が形成された中空円筒を備える。前記第一検出システムは第一筐体内に収容され、前記第二検出システムは第二筐体内に収容されている。前記第一筐体は、前記第二筐体から物理的に分離しており且つ独立している。前記X線源の筐体は、前記第一及び第二筐体から物理的に分離しており且つ独立している。前記第一、第二、及び第三筐体の各々は、重さが88ポンド未満である。前記第三筐体は、前記第一筐体及び前記第二筐体に着脱自在に接続することができる。前記第一、第二、及び第三筐体の各々は、フレームに着脱自在に接続することができる。前記ビームチョッパは、モータによって回転されるように構成されたディスクチョッパを備える。前記チョッパホイールの速度は、前記X線ビームの走査速度を最適化するように、制御装置によって動的に制御される。
一例として、前記第一筐体は、前記人間を向く外側面と内側面とを有する平坦面によって規定される第一側部であって、前記人間から散乱された前記放射線を受け取るように構成された第一側部と、前記第一側部と鋭角関係にある第二側部であって、前記第二側部は、前記第一側部を通過する放射線を受け取るように構成された内側面を有する平坦面によって規定され、放射線が前記第一側部を通過した後で初めて放射線を受け取るように構成された第二側部と、前記第一側部の前記内側面上に位置する第一基板であって、前記放射線を受け取って光に変換するための活性領域を更に備える第一基板と、前記第二側部の前記内側面上に位置する第二基板であって、前記放射線を受け取って光に変換するための活性領域を更に備える第二基板と、光反応領域及び非光反応領域を有する少なくとも1つの光検出器であって、前記光反応領域は、前記第一基板及び前記第二基板から発せられた前記光を受け取るように位置している光検出器と、を備える。
一例として、前記放射線はX線光子を含み、前記第一基板は、前記第一側部に衝突する前記X線光子のうち30〜60%を検出する。前記第二基板は、前記第一側部に衝突する前記X線光子のうち10〜30%を検出する。前記X線源は、第一の点から第二の点まで揺動することによって垂直ビームスポットパターンを生成し、前記揺動は所定の回転点を中心としてなされる。前記X線源及び前記ビームチョッパは、案内部材に対して垂直方向に且つモータに応答して傾くように構成された面に連結されている。前記X線源は垂直昇降機構に連結され、前記昇降機構は、前記X線源と釣り合うように構成された重りに連結されている。前記X線源は垂直昇降機構に連結され、前記昇降機構は少なくとも1つの昇降ベルトに連結されている。前記X線源は垂直昇降機構に連結され、前記昇降機構はギア減速機及びモータに連結され、前記昇降機構は平衡重りに連結されていない。
別の実施の形態として、本明細書は、身長6フィート8インチ以下及び幅45インチ以下の静止した人間が携帯する物体を検出するための検査システムであって、前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第一検出システムであって、前記第一検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第一検出システムと、前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第二検出システムであって、前記第二検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第二検出システムと、前記第一検出システムと前記第二検出システムとの間の、表面を有する筐体内に位置するX線源であって、前記X線源は、直径を有するビームチョッパに連結されるとともに、前記人間が前記筐体の前記表面から1フィート以下の位置にある場合に、前記人間の前記身長及び前記幅を走査することが可能な視野を生成するように構成された、X線源と、前記第一検出システム及び前記第二検出システムによって生成される前記電子信号を解析し、表示装置上に画像を生成するための処理システムであって、前記画像は、前記人間の身体と爆発物とを視覚的に区別するのに十分な解像度を有する、処理システムと、を備える検査システムについて記載している。実効原子番号が8未満の低原子番号材料と人体組織との視覚的な区別を可能にするに十分な画像解像度として、十分な解像度が規定できる。十分な解像度は米国特許第7110493号や第5181234号に記載されている複数の画像パラメータによっても規定され、これら米国特許に記載された内容は本件に導入されるべきものである。
一例として、前記X線源はビームチョッパホイールに連結され、前記ホイールは3つのスリットを有し、各スリットは隣接するスリットから120度離間した位置にある。前記スリットは、少なくとも2つの平行コリメータスリットと整列されており、前記X線源から発せられたX線は、前記コリメータスリットを円錐状に照射して、時間的に交互配置された少なくとも2つの平行走査ビームを生成する。X線源はビームチョッパと組合され、ビームチョッパは少なくとも1個の螺旋開口が形成された中空円筒を備える。前記第一検出システムは第一筐体内に収容され、前記第二検出システムは第二筐体内に収容されている。前記第一筐体は、前記第二筐体から物理的に分離しており且つ独立している。前記X線源の筐体は、前記第一及び第二筐体から物理的に分離しており且つ独立している。前記第一、第二、及び第三筐体の各々は、重さが88ポンド未満である。前記第三筐体は、前記第一筐体及び前記第二筐体に着脱自在に接続することができる。前記第一、第二、及び第三筐体の各々は、フレームに着脱自在に接続することができる。前記X線源はビームチョッパに連結され、前記ビームチョッパは、モータによって回転されるように構成されたディスクチョッパを備える。前記チョッパホイールの速度は、前記X線ビームの走査速度を最適化するように、制御装置によって動的に制御される。
一例として、前記第一筐体は、前記人間を向く外側面と内側面とを有する平坦面によって規定される第一側部であって、前記人間から散乱された前記放射線を受け取るように構成された第一側部と、前記第一側部と鋭角関係にある第二側部であって、前記第二側部は、前記第一側部を通過する放射線を受け取るように構成された内側面を有する平坦面によって規定され、放射線が前記第一側部を通過した後で初めて放射線を受け取るように構成された第二側部と、前記第一側部の前記内側面上に位置する第一基板であって、前記放射線を受け取って光に変換するための活性領域を更に備える第一基板と、前記第二側部の前記内側面上に位置する第二基板であって、前記放射線を受け取って光に変換するための活性領域を更に備える第二基板と、光反応領域及び非光反応領域を有する少なくとも1つの光検出器であって、前記光反応領域は、前記第一基板及び前記第二基板から発せられた前記光を受け取るように位置している光検出器と、を備える。
前記放射線はX線光子を含み、前記第一基板は、前記第一側部に衝突する前記X線光子のうち30〜60%を検出する。前記第二基板は、前記第一側部に衝突する前記X線光子のうち10〜30%を検出する。前記X線源は、第一の点から第二の点まで揺動することによって垂直ビームスポットパターンを生成し、前記揺動は所定の回転点を中心としてなされる。前記X線源及びビームチョッパが、案内部材に対して垂直方向に且つモータに応答して傾くように構成された面に連結されている。前記X線源垂直昇降機構に連結され、前記昇降機構は、前記X線源と釣り合うように構成された重りに連結されている。前記X線源は垂直昇降機構に連結され、前記昇降機構は少なくとも1つの昇降ベルトに連結されている。前記X線源は垂直昇降機構に連結され、前記昇降機構はギア減速機及びモータに連結され、前記昇降機構は平衡重りに連結されていない。
別の実施の形態として、本明細書では、身長6フィート8インチ以下及び幅45インチ以下の静止した人間が携帯する物体を検出するための検査システムについて記載しており、前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第一検出システムであって、前記第一検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第一検出システムと、前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第二検出システムであって、前記第二検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第二検出システムと、前記第一検出システムと前記第二検出システムとの間の、表面を有する筐体内に位置する放射線源であって、前記放射線源は、ビーム形成装置に連結されるとともに、前記人間が前記筐体の前記表面から1フィート以下の位置にある場合に、前記人間の前記身長及び前記幅を走査することが可能な視野を生成するように構成され人体にわずか20マイクロレム程度の放射線を照射している間20秒未満で人体に対して走査を実行する放射線源と、第1検出システムと第2検出システムで生成された複数の電子信号を解析し、またディスプレイ上に画像を生成する処理システムとを備え、処理システムは、第1検出システムと第2検出システムで生成された複数の電子信号を解析し、またディスプレイ上に画像を生成し、この画像は人体と爆発物とを視覚的に区別するのに十分な解像度を有している。
別の実施の形態について本明細書は、身長6フィート8インチ以下及び幅45インチ以下の静止した人間が携帯する物体を検出するための検査システムについて記載しており、前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第一検出システムであって、前記第一検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第一検出システムと、前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第二検出システムであって、前記第二検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第二検出システムと、前記第一検出システムと前記第二検出システムとの間の、表面を有する筐体内に位置する放射線源であって、前記放射線源は、ビーム形成装置に連結されるとともに、前記人間が前記筐体の前記表面から1フィート以下の位置にある場合に、前記人間の前記身長及び前記幅を走査することが可能な視野を生成するように構成された放射線源と、20秒以下の時間で前記人間の少なくとも1回の走査を行い、前記人間を20マイクロレムを超える放射線に被曝させないように前記放射線源を制御する制御装置と、前記第一検出システム及び前記第二検出システムによって生成される前記電子信号を解析し、表示装置上に画像を生成するための処理システムであって、前記画像は、前記人間の身体と爆発物とを視覚的に区別するのに十分な解像度を有する処理システムと、を備える検査システムである。
一例として、前記制御装置は、10秒以下の時間で前記人間の1回の走査を行うように前記放射線源を制御するように構成されている。前記制御装置は、前記人間を5マイクロレムを超える放射線に被曝させないように前記放射線源を制御するように構成されている。前記放射線源は、前記人間が前記筐体の前記表面から10インチ以下の位置にある場合に、6フィート6インチ以下の身長及び40.5インチ以下の幅を走査することが可能な視野を生成するように構成されている。前記制御装置は、10秒以下の時間で前記人間の1回の走査を行うように前記放射線源を制御するように構成され、前記制御装置は、前記人間を5マイクロレムを超える放射線に被曝させないように前記放射線源を制御するように構成されている。
本発明のこれら及び他の特徴及び効果は、以下の詳細な説明を、添付図面と関連付けて検討しながら参照することによってより良く理解されることが分かるだろう。
本発明の検査システムの検出システム及びタワーを含む、典型的なX線後方散乱システム構成を示す図。 本発明の実施形態による検出器タワーを示す複数の図。 光電子増倍管、取付プレート及び信号処理カードを示す分解図。 検出器タワー内部の光電子増倍管、取付プレート及び信号処理カードの組立品をカバーする構造を示す分解図。 本発明の実施形態による光電子増倍管の組立品を示す。 本発明の実施形態による信号処理基板を示す。 4つの光電子増倍管の信号処理基板との配線接続を示す。 図2Aから2Fに印のついた対応する品目番号に関する第一組の部品リストを含む表1を示す。 図2Aから2Fに印のついた対応する品目番号に関する第二組の部品リストを含む表2を示す。 図3Aは本発明の人員検査システムの検出システム及びタワーを含む、典型的なモジュール式X線後方散乱システム構成の組立前であって梱包された図であり、図3Bは図3Aに示す典型的なモジュール式X線後方散乱システム構成を組み立てた図。 本発明の検査システムのモジュール式構成部品への点検アクセスを容易にするために、放射線ハウジングから引き出された検出器タワーを示す図。 本発明の検査システムにおいて使用される典型的なチョッパホイールを示す上面図。 統合された電磁モータ及び軸受とともに、典型的なディスクチョッパ組立品を示す図。 本発明の一実施形態によるディスクチョッパに連結されたX線源を示す図。 典型的な危険物検出システムにおけるチョッパホイールと連動して使用されるX線源を示し、更に線源に連結された傾斜「CAM」機構を更に示す図。 拡大図における金属フレーム傾斜CAM機構600を示し、線源の垂直運動を可能とするようにCAMアームに当たっている駆動ホイールを更に示す図。 線源及び対応する電源を回転させるための回転台を更に示す、図6Aに図示されたモジュールの別の図。 典型的なビーム形成装置の一実施形態の典型的な設計の機械図。 X線源とともに典型的なビーム形成装置を示す図。 一実施形態による、単一の線源を有する本発明のスピンロールチョッパを用いたビームの軌道の数学的表現。 本発明の一実施形態による検査システムの実施例を示す図であり、検査中の対象者が静止した姿勢をとっている。 図8Aに示す本発明の検査システムの静止姿勢による実施例を用いた方法を示すフローチャート。 使用時の本発明の検査システムの別の実施形態を示し、検査中の対象者がシステムを歩いて通過している。 図9Aに示す本発明の検査システムの歩行通過による実施例を用いた方法を示すフローチャート。 図10Aは本発明の一実施形態による分割アルゴリズムを使用して得られた画像であり、図10Bは本発明の一実施形態による分割アルゴリズムを使用して得られた画像であり、図10Cは本発明の一実施形態による分割アルゴリズムを使用した、図10Bに示す画像から分割された物体の拡大図。 本発明の一実施形態による分割アルゴリズムを使用して得られた画像。 本発明の一実施形態による分割アルゴリズムを使用して得られた画像。 単一の放射線源を使用する垂直走査を示す側面図。 本発明において使用される典型的な検査構成を示す上面図。
本明細書は、検出器及び源ユニットを含む、モジュール式構成部品を備える人員検査システムに関する。本発明のモジュール式構成部品は、運搬を容易にするため分解することができ、また、所望の場所で検査のため簡単に再組立ができる、小型、軽量なおかつ十分に頑丈な全体構造を可能とする。本発明の検査システムの新規なモジュール式構造はまた、モジュール式構成部品が別々に制作され、スナップ式で素早く組み立てられることを可能とする。同様に、モジュール式構成部品は、選択された構成部品に対する点検アクセスをし易くするために、及び/又は、その後の運搬用に梱包するために容易に分解することができる。
本明細書はまた、高い放射線に個人を被曝させることなく、検査手順の効率を保ちつつ、保安検査場にて個人を検査するための改良方法である。開示されるシステムは、検査システムからの個人への距離があるにもかかわらず、最大の危険物検出性能及び画像明瞭性を可能とする。よって、一実施形態では、本発明は、検査中の人体に隠し持たれた物体を検出するためのモジュール式撮像装置である。
隠された物体を検出するためのX線後方散乱システムにおいて、X線ペンシルビームは、検査中の人の身体の表面を走査する。対象者の身体から散乱されたり反射されたりしたX線は、例えばシンチレータと光電子増倍管との組合せといった検出器によって検出される。X線検出器によって生成されて生じた信号は、その後、対象者と対象者が隠し持った物体とのシルエットのような身体画像を生成するために使用される。
一実施形態では、本発明は、放射線を前記人体に向けるための放射線源及びコリメーション手段を収容するハウジングを更に備える第一モジュールを含み、前記ハウジングは第一及び第二の斜めの側部を備える。
一実施形態では、X線散乱、赤外線撮像、ミリ波撮像、無線撮像、レーダー撮像、ホログラフィック撮像、CT撮像、及びMRIといった、しかしこれらには限定されない、「身体撮像」用の利用可能な任意の放射線撮像技術を用いてX線画像が形成される。身体の詳細を表示する可能性を有する任意の「身体撮像」システムを利用してよい。一実施形態では、任意の光検出可能な放射線又は光ビームとともに任意の放射線源を本発明において利用してよい。
一実施形態では、本発明は、第一及び第二涙滴型検出器タワーを更に備える第二モジュールを含み、各前記タワーは斜めに互いに接続された第一、第二及び第三側部領域を更に備え、第一側部領域は、前記人体から後方散乱された放射線を検出するために検査中の人体に対向する第一シンチレータ画面を備え、第二側部領域は、前記人体から後方散乱されたが検出されずに前記第一シンチレータ画面を透過した放射線を検出するための各前記タワー内部の第二シンチレータ画面を備える。
一実施形態では、本発明は、前記第一及び第二検出器タワーの各々の内部に収容されるとともに、前記人体から後方散乱され前記第一及び第二シンチレータ画面で検出された放射線の強度を表す信号を生成する前記第三側部領域に近接して置かれた第一及び第二組の複数の光電子増倍管を含む。
一実施形態では、本発明は、前記第一及び第二組の複数の光電子増倍管の後端電子機器を収容する第一及び第二の略半円状ハウジングを更に備える第三モジュールを含む。
一実施形態では、本発明は、前記第一及び第二検出器タワーを分けるとともに、前記放射線源からの放射線が前記人体を通過したり当たったりすることを可能とするための限られた開口を備える前端ストリップを含む。
一実施形態では、本発明は、前記第一及び第二組の複数の光電子増倍管からの前記信号を処理するとともに、表示手段上に画像を生成するための処理装置を含む。
別の実施形態では、本発明は、検査中の人体に隠し持たれた物体を検出するためのモジュール式撮像装置を使用する方法であり、前記方法は、前記人体に放射線を向けるために、ハウジングに収容され第一モジュールを構成する放射線源及びコリメーション手段を動作させる工程であって前記ハウジングは第一及び第二の斜めの側部を備える工程と、第一シンチレータ画面にて前記人体から後方散乱された放射線を第二モジュールで検出する工程と、前記人体から後方散乱されたが検出されることなく前記第一シンチレータ画面を透過した放射線を第二シンチレータ画面にて検出する工程とを含み、第二モジュールは第一及び第二涙滴検出器タワーを備え、各前記タワーは、斜めに互いに接続された第一、第二及び第三側部領域を更に備え、第一側部領域は、前記人体に対向する前記第一シンチレータ画面を備え、第二側部領域は前記第二シンチレータ画面を備える。
一実施形態では、前記方法はまた、前記人体から後方散乱され、前記第一及び第二検出器タワーの各々の内部に収容されるとともに前記第三側部領域に近接して置かれた第一及び第二組の複数の光電子増倍管を使用して前記第一及び第二シンチレータ画面にて検出される放射線の強度を表す信号を生成する工程を含む。
一実施形態では、前記方法はまた、前記第一及び第二組の複数の光電子増倍管からの信号を処理して表示手段上に画像を生成する工程を含み、前記第一及び第二組の複数の光電子増倍管の後端電子部品は、第三モジュールを構成する第一及び第二の略半円状ハウジングに収容され、前端ストリップは、前記第一及び第二検出器タワーを分けるとともに、前記放射線源からの放射線が前記人体を通過したり当たったりすることを可能とするための限られた開口を備える。
本発明の一実施形態では、第一シンチレータ画面に当たる後方散乱された放射線のうち40%が前記第一シンチレータ画面によって検出され、後方散乱された残りの放射線のうち約20%が前記第二シンチレータ画面によって検出される。
一実施形態では、コリメーション手段はチョッパホイールである。一実施形態では、第一及び第二検出器タワーは、チョッパホイールの直径の1/2から2倍の範囲の距離だけ、前記前端ストリップによって隔離されている。
一実施形態では、後端電子部品は、前記第一及び第二組の複数の光電子増倍管に近接して位置する第一及び第二信号処理基板を備え、前記第一及び第二信号処理基板は、それぞれ、少なくとも1つのアナログ−デジタル変換カード及び電源モジュールを装備する。
一実施形態では、本発明のシステムは、検査中の対象者がただ1つの姿勢を取ることを要求し、2つの別々に処理された走査ビーム及び関連する画像を生成するために、検出器、回路及び処理装置のうち単一の群とともに単一の線源を使用する。
一実施形態では、本発明のシステムは、2つの別々に処理された走査ビーム及び関連する画像を生成するために、検出器、回路及び処理装置のうち単一の群とともに単一の線源を使用する歩行通過検査システムである。
別の実施形態では、本システムは、二重線源モードで動作するが、検出器、回路及び処理装置のうち単一の群を使用する。
本システムは、ダイナマイト、C−4、並びに、セラミックス、グラファイト繊維、プラスチック容器、プラスチック兵器、ガラス製薬瓶、注射器、包装された麻薬、紙幣の束、そして木製の物体であっても、爆発物を効率的に撮像することによって危険物の検出を可能とする。
一実施形態では、本発明のX線後方散乱撮像システムは、人間又は物体が動いている間、情報を得るための放射線ビームでそれらの半リアルタイム撮像を行うのに最適化されるように設計されている。本システムはまた、半リアルタイムで画像データに関する検出アルゴリズムを処理することによって、危険物を自動的に検出することが可能である。
本発明は複数の実施形態に関する。以下の開示は、当業者が本発明を実施するのを可能とするために提供される。この明細書で使用される文言は、1つの特定の実施形態を一般的に否定するものとして解釈されるべきでないし、クレームが明細書中で使用される用語の意味を越えるのを制限するために使用されるべきでもない。本明細書で規定される一般的な原理は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の実施形態及び用途にも適用することができる。また、使用される用語及び表現は、典型的な実施形態を説明するためのものであって、限定的に考慮すべきではない。よって、本発明には、開示された原理及び特徴と整合する多くの代替手段、変形例及び同等手段を包含する最大の範囲が与えられる。本発明を不必要に分かりにくくしないように、明確さのため、本発明に関連する技術分野で知られている技術的内容に関する詳細については詳しくは説明しない。
図1は、本発明の新規なモジュール式検査システム100の典型的なX線後方散乱システム構成を示す。図1に示すように、X線源160は、モジュール式ハウジング165に収容され、検査中の対象者103に向けられる細型のX線ペンシルビーム102を発生するのに利用される。
一実施形態では、ペンシルビーム102は、X線管とビーム切断機構167とを組み合わせることによって形成される。ペンシルビーム102は、対象者上を水平又は垂直に画素変換される(rastered)。この画素変換(rastering)は、X線ビームが出射するための最小限の出射孔しかあけていないことによるビーム切断機構の結果である。後述のように、もしチョッパホイールを用いると、直径1mmの出射孔が約7mmに広がったX線ビームとなる。一実施形態では、対象者103は人間である。対象(走査される人)103が検査システム100の前でポーズをとったり検査システム100のそばを歩くと、生じたペンシルビーム102がその対象に当り、X線の少なくとも一部が後方散乱される。典型的な実施形態によるビーム切断機構167を以下により詳細に説明する。
任意の数の電離放射線源を使用してよいことが当業者には理解されるだろう。電離放射線源は、ガンマ放射線、電磁放射線、及び紫外放射線を含むが、これらに限定されるものではない。好ましくは、使用されるX線エネルギは、30kVから100kVである。
一実施形態では、人が検査システムの前でポーズをとったり検査システムのそばを歩く際にその人の存在を検出するために、センサ104a及び104bを用いる。
散乱されたX線105の少なくとも一部が、検出器構成106に当たる。一実施形態では、本発明の検査システム内の検出器構成106は、検出を可能とするための第一及び第二検出器筐体110及び120を備える。一実施形態では、第一及び第二検出器筐体110及び120は、少なくとも1つのシンチレータ画面を備えるモジュール式検出器タワーの形で具体化されている。別の実施形態では、第一及び第二検出器筐体110及び120は、少なくとも2つの検出器画面を備えるモジュール式検出器タワーである。代替的な実施形態では、検出器筐体は、複数の検出器画面を含む任意の数の構成を備えていてよいが、これに限定されるものではない。「複数画面検出システム」という名称を有し本発明の出願人に譲渡された米国特許出願第12/262,631号を、参照することにより本明細書に援用する。加えて、「複数画面検出システム」という名称を有し2010年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/313,733号を、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
図1に示すように、検出器タワー110及び120はそれぞれ、互いに斜めに接続されて三角形の断面を形成する第一側部領域141、第二側部領域142、及び第三側部領域143を備える。第一側部領域141は、画面147を備え、検査中の対象者103に対向する。第二側部領域142は、タワーの内側に第二画面148を備える。一実施形態では、画面147,148は最小の画像劣化で放射線ビームの素早い走査を可能とする、10マイクロ秒という比較的短い減衰時間を有する比較的厚みのあるCaWOシンチレータ画面である。一実施形態において、このCaWO画面は、後方散乱され又は透過された放射線のうち約70%を検出することが可能であり、従って、30keVのX線につき約250の使用可能な光量子を生成する。加えて、より厚みのある画面を使用することで、光出力が低いことを犠牲にして、検出器に入射する放射線をより多く検出することが可能となる。一実施形態では、画面の面密度は、1平方センチメートル当り80ミリグラムである。
一実施形態では、検出器タワーをベースに固定するために、検出器タワーを「ねじって」ベース上に固定できるように、大径の段付きボルトをベースに仮固定する。一旦放射線源及びハウジングがベースに取り付けられると、検出器タワーを移動したりねじって外したりすることはできない。放射線ハウジング領域165は、第一斜め側部170及び第二斜め側部171を備える。第一斜め側部170及び第二斜め側部171は、検出器タワー及び放射線源ハウジングが統合され組み合わされた際に、検出器タワー110及び120の側部142と容易に当接し重なる。対象者103に対向する前端側部ストリップ172は、X線ビーム102が対象者103に当たる前に通過する開口173を有する。開口173が限定されていることにより、電磁干渉及び放射線ノイズの低減の一助となる。側部ストリップ172は2つの検出器タワーの分離手段としても機能し、2つの検出器タワーは、後方散乱されたX線105を検出するとともにX線反射率の電子信号特性を提供するように、入射するX線ペンシルビーム102の周りに対称的に組み立てられる。
一実施形態では、検出器タワー110及び120は、チョッパホイール又は他のビームコリメーション手段が2つのタワーの中間にあるように、ストリップ172によって離隔している。2つのタワー110,120は、一実施形態では、チョッパホイールの直径の1/2から2倍の範囲にある距離dだけ離間している。距離dは、X線源の視野を規定し、検出器の露出過度を防止しつつ十分な視野を得られるように最適化されている。
本発明の一実施形態では、検出器タワー110,120及び放射線ハウジング165は、頑丈だが軽量という最適な全体構造を提供する複合壁又は当業者にとって明らかな任意の他の類似の非伝導性材料からできている。具体的には、複合壁内の光電子増倍管及び放射線源に関連する後端電子部品、電線及びケーブルを収容することによってファラデー箱を形成し、それによって実質的に電磁干渉を低減する。
本発明の一実施形態では、検出器タワー110,120はまた、検査システムが作動中である及び/又は検査が進行中であることを示す照明として、前部領域141の周囲又は縁部のうち何れか一つ上に、LED等の照明手段を備える。タワー110,120の各々は、第三側部領域143に近接してタワーの内側に置かれた光電子増倍管150を備える。光電子増倍管150の後端電子部品は、略半円状のハウジング151に収容されている。
図2Aから2Fは、本発明の種々の実施形態による検出器タワーの構造的詳細を示す。図2G及び2Hは、図2Aから2Fに印のついた対応する品目番号に関する部品リストを示す。具体的には、図2Aは、同一の検出器タワー210及び220の斜視図とともに、それぞれの前面図205、上面図215及び側面図216を示す。一実施形態では、タワーは、67インチの高さh、30インチの横幅w、及び、16インチの最大厚さtを有する。
次に図2B及び2Cの検出器タワーの分解図を参照すると、取付プレート225は、「独立して」、また組立時にプレート225に取り付けられる4つの光電子増倍管組立品230から分離して示されている。本発明の実施形態によると、光電子増倍管230の後端電子部品は、光電子増倍管に近接して取付プレート225上に共に設置された信号処理基板235を含む。図2Dは光電子増倍管組立品230のより詳細な図であり、一方、図2Eは、本実施形態では4つの光電子増倍管に対応する4チャンネルカードである信号処理基板235の詳細図である。
少なくとも1つのアナログ−デジタル変換カード及び電源モジュールが、信号処理基板235上に取り付けられている。電源モジュールは、光電子増倍管に対して動作電圧を印加し、一方、アナログ−デジタル変換カードは、更なる処理のために、光電子増倍管からのパルス電流出力をデジタル信号へ変換する。従来は、光電子増倍管から離れた位置にある中央アナログ−デジタルコンバータ及び電源装置と光電子増倍管とを接続するのに、がっしりとしたケーブルが利用されていた。電源並びにアナログ−デジタルコンバータを光電子増倍管の近くに設けることによって、より小型の電線でよくなり、それによって信号過渡ノイズが低減し、全体的な信号・ノイズ比(SNR)も向上する。同様に、図2Fは、信号処理基板235とともに4つの光電子増倍管230の配線接続を示す。
再び図2B及び2Cを参照すると、シール226によって、取付プレート225,光電子増倍管230及び信号処理基板235を含む組立品が、対応するタワー施設227内へきつく嵌め込まれる。相互接続可能な構造の組が、カバーし保護するとともに、必要時には、取付プレート組立品上にある光電子増倍管への容易なアクセスを可能とする。これらの構造の組は、コネクタ角部カバー241を有する角部カバー240、対応するコネクタ246を有する閉鎖カバー245、2つのトリム側部プレート250、及び、上面及び底面把持フレーム255を含む。
図1に戻り、一実施形態では、検査システム100は、移動性及び可搬性のため分解することができ、所望の場所で再び組み立てることができるモジュール式構成部品を有する。よって、涙滴形状の検出器タワー110,120と関連する電子部品及びケーブルを備えた放射線源ハウジング165とは、システム100を構成するように素早く統合可能な別個のモジュール又はキャビネットとして製造される。新規な涙滴モジュール式構造によって、小型且つ軽量の全体システム100が可能となる。
図3Aは本発明の検査システムの分解図300aを示しており、検出器タワー310,320並びに放射線源ハウジング365といったそのモジュール式構成部品が、分解され、運搬し易くするために梱包されている。例えば、検出器タワー310,320の三角形状断面により、運搬時のスペースが最小となるような方法で、互いに当接して梱包されることが可能となる。図3Bは、図3Aの運搬用梱包300aから組み立てられた検査システムの組立図300Bを示す。本発明の検査システムのモジュール式構成部品又はキャビネットは、迅速な組立ができるように、スナップボタンで互いに固定できるなど、単純且つ直感的な接続箇所となるように設計されている。一実施形態では、運搬用に梱包された状態から検査システムを組み立て/展開するのに30分もかからない。一実施形態では、運搬用に梱包された状態から検査システムを組み立て/展開するのに約15分から30分である。一実施形態では、組立/展開の時間は、ユニットが安全な動作温度になるようにユニットを暖めたり冷やしたりしなければならないか否かによる。
本発明の検査システムのモジュール式構成部品の設計により修理及びメンテナンスのための点検アクセスが容易になることも、当業者は理解するだろう。
例えば、図4は本発明の検査システムの組立/展開図400を示しており、検出器タワー410が、ハウジング465への点検アクセスのため、及び/又は、タワー410の選択的な修理及びメンテナンスのため、放射線ハウジング465から引き出されている。
図1に戻り、動作時、対象者103が検出器タワー110,120のそばを歩いたり検出器タワー110,120の前に立ったりする際、対象者103に当たるX線のペンシルビーム102のうち一部が、コンプトン散乱のため線105として後方散乱され、検出器タワーの前側部領域141にて第一画面147に衝突する。散乱されたX線のうち一部は第一画面147によって検出されるが、これらのうちの一部は検出されることなく第一画面147を透過して、検出器タワーの内部で(側部142にて)第二画面148に衝突する。一実施形態では、第一画面147に衝突するX線光子のうち約40%が第一画面147によって検出され、一方、残りのX線光子のうち約24%が第二画面148によって検出される。なお、これらのパーセンテージは、X線のエネルギ及びシンチレータ画面の厚さに応じて変わりうる。
光電子増倍管150は、初めに光に変換される検出線に応じて電子信号を生成する。画面147,148にてシンチレーションにより発せられた光は、光電子増倍管150で捕捉されるまで、三角形状の筐体/タワー110,120周辺で反射する。
2つの検出器タワー110,120によって生成された電子信号は、処理装置へ送られる。処理装置は、受け取った信号を解析して、表示手段上に画像を生成する。表示された画像中の各点の強度は、対象者上をビームが画素変換される(rastered)際に検出される散乱X線の相対強度に対応する。一実施形態では、X線源160は、処理装置へ同期信号を伝える。処理装置は、検出された信号を解析して、それらを同期信号と比較し、表示画像を決定する。一実施形態では、表示手段はモニタであり、処理装置によって送られた画像を表示するのに用いられる。表示手段は、陰極線管モニタ、LCDモニタ又はLEDモニタを含む、当該分野で一般に知られている任意のディスプレイ又はモニタとすることができる。一実施形態では、表示手段によって表示されるデジタル化散乱画像は、好ましくは、1画素当り8ビットを有する480行×160列から構成される。以下に、画像処理技術をより詳細に説明する。
上述のように、ペンシルビーム102は、ビーム切断機構を利用し、X線ビームが出射するための出射孔を最小限しか許容しないことによって、対象者上を水平又は垂直に画素変換される。一実施形態では、ビーム切断機構は、120度離間した位置にある3つのスリットを有するとともに、各チョッパスリットが平行コリメータスリットの一方を出て、他方は反対の平行スリットに丁度入ろうとするように2つの平行コリメータスリットと整列されたチョッパホイールである。これにより、時間的に交互配置されるとともに、2つの平行スリットを円錐状に照射する単一の線源を何れも使用する単一の共通検出器アレイ、回路及び処理であっても別々に処理可能な2つの平行走査ビームが生成される。
図5Aは、単一の線源を使用して二重の図(2つの平行な交互配置された走査ビームを使用する)を得るために使用可能な典型的なチョッパホイール500の上面図を示す。チョッパホイール500は、互いに120度の角度距離の位置にある3つのスリット501a,501b及び501cを有する。また、2つの平行コリメータスリット502a及び502bもある。矢印503はチョッパホイールの運動方向を表し、本実施形態では時計回りである。かかる構成によって、上述のように時間的に交互配置され、よって共通の検出器、回路及び処理装置用部品を使用して別々に処理することが可能な2つの「ずれた」(staggered)平行走査ビームが生成される。
一実施形態では、ディスクチョッパ組立品は、電磁モータ駆動を用いて動的に回転が制御される。図5Bは、統合された電磁モータ及び軸受を備える典型的なディスクチョッパ組立品を示す。図5Bに示すように、ディスクチョッパ501は、一実施形態ではX線管を備える放射線源502に連結されている。電磁モータ503は、X線管502及びチョッパ501と統合されている。モータ組立品は、3つの圧縮軸受504及びベルト駆動予備用のV溝505を更に備える。
一実施形態では、放射線源は、好ましくはX線制御装置によって制御されるX線管を備える。X線管の周囲に発生した熱を消散させるために、2つの冷却ファンが設けられる。X線源は、ディスクチョッパに連結される。チョッパホイールの回転を実行するためにチョッパモータが設けられる。そして、チョッパモータは制御装置ユニットによって制御され、制御装置ユニットも適切な電源を備えている。検出ユニット全体用のAC分配及びDC電源は、筐体の底部に設置される。図5Cは、モータ組立品を外した状態の、ディスクチョッパ502に連結されたX線管(源)501を示す。
一実施形態では、X線検査システムは、それぞれ発せられたビームの補正及び監視を行い、検査領域内で発せられた放射線を監視するための放射線モニタとしても機能する基準検出器を更に備える。基準検出器は、一実施形態では、ビームチョッパディスクのようなビーム切断装置の前のビーム経路内に位置する。また、基準検出器は、形成される走査線の始めにて、ビームチョッパディスクのようなビーム切断装置の後に位置していてもよい。その場合、放射線検出器は、ビームの始めの2度を十分に遮断する。
図6Aは、典型的な危険物検出システムにおいて図5A,5B及び5Cに示されるように、チョッパホイールと連動して使用されるX線源を示す。線源及びチョッパホイールは、X線ビームの垂直運動を通して走査線間で略等間隔になるように、傾斜「CAM」機構に連結されている。図6Aに示すように、モジュールは、全てフレーム620上に収容されるX線源組立品610と連結された傾斜CAM機構602を備える。傾斜CAM機構602は、CAMガイド604を更に備える。加えて、CAM機構を駆動するためのモータと線源を昇降するのに使用されるベルトも、フレーム620上に収容されている。一実施形態では、金属製CAMガイドフレーム604に線源組立品を嵌め込んだり、金属製CAMガイドフレーム604から線源組立品を取り外したりできるように、取っ手が線源組立品610に取り付けられている。種々の実施形態において、線源組立品の全ての部品は、所定サイズのナット、ネジ及び留め金を用いて確実に取り付けられる。加えて、更に線源の昇降及びつり合いを可能とするために、昇降ベルト606が設けられる。
図6Bは、傾斜CAM機構602の拡大図であり、線源の垂直運動を可能とするようにCAMアーム642に対して上向きに当接した駆動ホイール640を更に示している。
別の実施形態では、線源のバランスをとるとともに昇降モータにかかる応力を軽減するために、つり合いおもりが用いられる。別の実施形態では、線源のバランスをとるために2つの昇降ベルトを用いてもよく、つり合いおもりの必要がなくなり、結果として線源がずっと軽くなる。別の実施形態では、線源はモータに対して15倍軽いと考えられるため、つり合いおもりを使用しないようにギヤ減速機(減速比15:1)及び大トルクモータを用いてもよい。しかしながら、モータは、この場合、同じ放射線パターンを得るためには15倍高速に回転しなければならない。
再び図6Aを参照して、線源組立品610は、X線源612と、X線源によって生成されたX線616を所望の方向に案内するために金属又はプラスチック等の適切な材料で作られたディスクホイール切断機構614とを備える。一実施形態では、線源組立品610はまた、線源組立品を動作させる高圧電源を備える。実施形態において、X線源612は、ビーム切断機構614とともに、走査線を生成するために線源回転又はビーム走査によって検査中の対象者へ向けられる細型のX線ペンシルビームを生成する。一実施形態では、ディスクホイール切断機構614は、任意で、回転するチョッパホイールが発生する熱を消散させる冷却プレートと連結されてもよい。図6Cは、図6Aに示すモジュールの別の図を示しており、図13に基づき以下に詳細に説明するように、線源を回転させる回転台650と、生成される視野を向上させるための対応する電源とを更に示す。
放射線源は典型的に非常に重いことを当業者は理解しているだろう。X線源の重量に対応するために上述したチョッパホイールの構成はかなり重くする必要があり、従って、システム全体の重量の一因と成る。よって、別の実施形態では、本発明の検査システムは、X線ビーム走査器用の螺旋状開口シャッタを提供するために設計され、軽量且つ展開が容易なスピンロールチョッパを装備している。加えて、スピンロールチョッパを使用することにより、線源の回転が不要となり、それどころか、ビームは−45度から+45までを走査する。
一実施形態では、スピンロールチョッパは、ビームチョッパ装置の物理的特性又は幾何学的配置を変更することによって、速度及びビームスポット寸法の変更が可能である。加えて、スピンロールチョッパは、対象に対して一様な照明が可能となるように一定のサイズ及び速度を有する垂直運動を行うビームスポットを提供し、動作中、より広い視野を生成する。
図7Aは、本発明の種々の実施形態で使用されるスピンロールチョッパの一実施形態による典型的な設計を示す。一実施形態では、ビームチョッパ702は、螺旋状チョッパスリット704を有する中空円筒の形に製造される。円筒形状によってビームチョッパ702はZ軸回りに且つ螺旋状開口704とともに回転することが可能となり、スピン回転運動を生ずる。
よって、本発明のスピンロールチョッパを用いるX線ビーム走査器は、少なくとも2つの螺旋状スリット704が機械加工された中空円筒702を回転することによって、ビーム切断を行い、これによって、一定及び可変双方のリニア走査ビーム速度及び走査ビームスポット寸法でのX線ビーム走査が可能となる。スピンロールチョッパは、螺旋状開口の幾何学的配置を操作することによって、一定及び可変双方のリニア走査ビーム速度を可能とする。一実施形態では、スピンロールチョッパの長手方向に沿って螺旋状開口のピッチ及びロールを操作することによって、速度を変更したり一定に保持したりする。よって、一定速度にすることもできるし、より高い解像度が要求される領域に向かって走査速度を落とすこともできる。
スピンロールチョッパはまた、螺旋状開口の幾何学的配置を操作することによってビームスポット寸法を可変及び一定とし、結果として生じるビーム出力を変更することも可能である。一実施形態では、ビームスポット寸法を変更するために開口の実際の幅を操作することが可能である。一実施形態では、線源の中心からの開口の距離が異なるのを補正して、走査線に沿って一様なビームスポット出射が得られるように、スピンロールチョッパ円筒の長手方向に沿って螺旋状開口の幅を変える。よって、一実施形態では、開口が線源から離れるほど、ビームスポット寸法を小さくするために螺旋状開口の幅を狭くする。一実施形態では、開口が線源に近いほど、ビームスポット寸法を大きくするために螺旋状開口の幅を広くする。
身体走査システムで使用される場合、高い精密さ及び解像度を必要とする身体領域(髪、足等)に対してはビーム走査出力を高くし、より放射線に敏感な身体領域(中央部等)に対しては出力が低くなるように、ピッチ及びロールと螺旋状開口の幅とを変化させることが可能である。
螺旋状スリット704はまた、X線ビームの出射が2つのスリットの二重コリメーションによって制限されないようにする。以下により詳細に説明するように、二重コリメーションとは、任意の時点でX線ビームが2つの螺旋状スリットを通過しようとする概念を指す。生成されたX線ビームの軌道730を図7Aに示し、以下に図7Cを参照しながらより詳細に説明する。
本発明の実施形態では、スピンロールチョッパの螺旋状スリットを通して、60度から90度にわたる範囲の複数の視角を得ることができる。一実施形態では、走査角は、スピンロールチョッパと線源及び対象との間の距離の関数である。加えて、スピンロールチョッパの全高及び幅が視角に影響する。スピンロールが線源の近くに置かれていればいるほど、スピンロールチョッパを小さくする必要があり、同様に、スピンロールチョッパが線源から遠くに置かれていればいるほど、スピンロールチョッパを大きくする必要がある。
図7Bは、図7Aを参照して説明されるスピンロールチョッパを用いるビーム切断機構を示す。図7Bに示すように、円筒状スピンロールチョッパ752は、放射線源754の前に設置される。一実施形態では、放射線源754はX線管を備える。一実施形態では、電磁モータのような適切なモータ758を備えることによって、チョッパ752の回転が容易となる。別の実施形態では、以下により詳細に説明するように、本発明のスピンロールチョッパの回転運動を容易にするために磁気軸受が用いられる。スピンロールチョッパシステムの回転速度又は回転数(RPM)は、走査速度を最適化するように動的に制御される。一実施形態では、スピンロールチョッパシステムは、最大80000RPMの速度を得ることが可能である。
一実施形態では、線源から扇形の放射線ビームのみが生成されるように、放射線源754に放射線遮蔽が設けられる。扇形の放射線ビームはX線を発し、その後、アクティブシャッタとして機能するスピンロールチョッパを通過する。よって、スピンロールチョッパひいては螺旋状開口が回転している時、小さな開口しかなく、これによって飛び動くスポットビームが得られる。
図7Bはまた、スピンロールチョッパとともに線源上に重ねられたディスクチョッパホイール760を示す。図7Bから分かるように、チョッパホイール760は、スピンロールチョッパ752よりも実質的に大きい。
本発明の実施形態によれば、ビームの中心からの或る距離において、(スピンロールチョッパの)螺旋状スリットは他よりも幅広いように保たれる。図7Cは、一実施形態による単一の線源を用いたビームの軌道770を数学的に表現したものである。スピンロール円筒の螺旋状切れ目の寸法を得るために、この軌道の1つの寸法が取り除かれている。より具体的には、ビームが進む距離がより大きいことから、スリットは頂部775においてより狭くなっている。なお、X線ビームが任意の開口を通過して進むとき、ビームはコリメートされる。ビームが遠くまで進めば進むほど、ビームの端において生じる「スポット」(扇形ビーム)は広くなる。頂部775においてスリットを狭く形成することによって、このような大きな距離や幅広いビームが補償される。加えて、点780のような目標への距離が短い位置では、スリットは幅広く形成される。また、スリットの大きさを調整することによって、一直線に出射されるビームの密度を調整できることを当業者は理解するだろう。
「歩行通過人員検査システム」という名称で2010年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/313,772号及びその対応する子出願を、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
本発明のシステムは、対象からのビーム切断機構の距離が最小走査高さと直接に相関するように設計されている。これによって線源から対象への距離をより長くして、それによって対象への線量率に対して被写界深度を延ばすことが可能となる。よって、本技術分野で知られている他のシステムと比較して、本発明のシステムでは、所与の撮像深度に対して要求される放射線量が小さい。
一実施形態では、検査システムはX線後方散乱法に基づいている。隠された物体を検出するためのX線後方散乱システムでは、X線ペンシルビームが検査中の対象者の身体表面上を走査される。対象者の身体で散乱されたり反射されたりしたX線は、例えばシンチレータと光電子増倍管との組合せといった検出器によって検出される。その後、X線検出器によって生成された生じた信号は、対象者と対象者が隠し持った物体との、シルエットのような身体画像を生成するために使用される。本発明のX線後方散乱撮像システムの設計は、情報を得るための放射線ビームで人又は物体の半リアルタイム撮像を行うのに最適化されるようになっている。本システムはまた、半リアルタイムで画像データに関する検出アルゴリズムを処理することによって、危険物を自動的に検出することが可能である。
本発明の第一実施形態では、X線検査システムは静止検査システムとして実施され、対象者は所定の位置で止まって走査が可能な姿勢を取る必要がある。
本発明の第二実施形態では、X線検査システムは歩行通過システムとして実施され、対象者は、検査時にシステムを歩いて通過する必要がある。
散乱された放射線の二次元画像を得るため、検出器システムは、二軸走査ビームを利用する。
第一実施形態
図8Aは、本発明の第一実施形態によって実施される検査システムを示し、検査中の対象者は静止姿勢を取る。よって、本発明の一実施形態では、X線検査システムは静止検査システムとして実施される。図8Aは、本発明の検査システムの静止姿勢による実施の典型的な設計を示す。検査システム800は、第一走査側部802、第二走査側部804及び操作者ステーション806を備える。操作者ステーション806に設けられた画面810に、走査中の人808のX線画像が表示される。
各走査側部は、少なくとも1つの放射線源及び複数の検出器(図示せず)を備える。
一実施形態では、本発明の検査システムは、任意で靴走査器を備える。よって、一実施形態では、本発明の検査システムに靴走査器が組み込まれる。本発明の検査システムと組み合わせて、種々の靴走査器を使用することができる。
「航空保安上の危険物に対して人の靴を検査するためのX線に基づくシステム及び方法」という名称を有し、本発明の出願人に譲渡された米国特許出願第12/948,738号について、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
一実施形態では、2つの走査側部802及び804は、アーチ道を形成する平板又はアーチ状の天井によって頂部で接続される。
図8Bは、図8Aに示す本発明の検査システムの静止姿勢による実施を用いた方法を示すフローチャートである。図8A及び8Bに示すように、ステップ820で、走査される最初の対象者が、図8Aを参照して説明された2つの走査モジュール802及び804によって規定された検査領域内へ歩いて入る。
図8Bに戻り、ステップ822では、対象者は止まって一つの側部の方を向く。ステップ824では、対象者は、自分の手を前にやって指で頭部を触る。ステップ824にて走査中の対象者の位置を、図8Aの参照番号808として示す。
ステップ826では、走査処理がなされている間、対象者は約6秒間その姿勢を保持する。
ステップ828では、対象者の身体及び任意で靴についての自動対象認識(ATR:Automatic Target Recognition)が解析用画面に表示される間、最初の対象者は検査システム800を出て待機領域へ移動する。
任意で、ステップ828では、走査される次の対象者が、2つの走査モジュール802及び804によって規定される検査領域に入る。
ステップ830では、最初の対象者がクリアになったか、即ち、最初の対象者の走査画像に危険物が表示されなかったかを判断する。もし最初の対象者がクリアになれば、その人はステップ832で待機領域を出る。もし最初の対象者がクリアにならなければ、その人はステップ834で更なる検査のため案内される。
任意の実施形態において、検査中の対象者には、レーザ投影システムによって、装置に入り、側部の方を向き、手を上げる指示等の走査用指示が与えられる。一実施形態によるレーザ投影システムは、検査システム800の天井に埋め込まれており、走査処理中、側部802又は804上に指示を表示する。一実施形態では、レーザ投影システムは、走査処理中に表示される情報が走査中の対象者に見えるように、走査モジュール802,804の壁に、指示、ステータス情報、広告、又は任意の他のデータを表示するように設計されている。
別の実施形態では、走査前及び走査中に走査中の対象者の姿勢を評価するために、検査システム800においてビデオ解析が使用される。ビデオ解析は、a)対象者の姿勢の形を判断し、b)対象者の姿勢の形をライブラリに保存された複数の許容可能な形と比較し、c)もし対象者の姿勢の形が複数の許容可能な形のうち少なくとも1つと誤差の範囲内で合致しないか否かの前記比較に基づき信号を生成し、d)対象者に許容可能な形を作るように姿勢を修正することを促すための警告音、指示、又は他の指標を提供するために、赤外光及び可視光を含む様々な形式の光学検査を実施することができる。
第二実施形態
別の実施形態では、本発明のX線検査システムは、対象者がシステムを歩いて通過する歩行通過システムとして実施される。本発明の別の実施形態では、図9Aにより詳細に示すように、対象が歩いて通過する単軸走査ビームが用いられる。対象の歩行運動は、第二の運動軸を提供する。よって、不変の垂直走査ビームが一つの運動軸を構成し、意図された対象者が、垂直走査ビームを通過して歩いたり搬送されることによって第二の運動軸を提供する。上述のように、開口を小さくし、最適な検出器の位置を可能とするために、ビームは垂直運動を行うような向きにすることができる。
図1に戻り、検査中の対象者103又は対象が垂直運動するペンシルX線ビーム102を通過する任意の瞬間において、ビームの正確な位置は、チョッパホイールを制御するモータを通して知られる(以下により詳細に説明する)。各瞬間において、検出器構成106は、後方散乱されたX線の測定された応答を提供する。後方散乱されたX線の強度は、生成された画像に表される。システムは、後方散乱されたX線が検出される何れの瞬間においてもペンシルビームがどこに位置するか正確に分かっているので、対象の包括的な画像を形成するために画像を合わせて「切り替える」ことができる。
一実施形態では、不変の垂直走査ビームが一つの運動軸を構成し、意図された対象者が、垂直走査ビームを通過して歩いたり搬送されることによって第二の運動軸を提供する。この構成は有利である。何故なら、機械組立品が走査ビームが出射できるように検出器間にかなりの開口を必要とする二軸走査ビームを用いる現在の後方散乱検出システムと比べて、単軸ビームは、検出器パネルにおいて非常に小さな方形の開口しか必要としないからである。かなりの開口が必要とされるのは、二軸走査ビームシステムでは、対象が静止しているときに(回転中のチョッパホイールが一つの運動軸を提供し、この回転中のチョッパホイールの垂直運動が第二の運動軸を提供する)、X線ペンシルビームが水平方向に出射されるからである。よって、人間の大きさの対象をカバーするためには、ビームが人間全体をカバーできるように開口を広くしなければならない。加えて、従来の大型の開口は、後方散乱した放射線の大部分が検出されずに漏れてしまう。
本発明の単軸走査システムは、検出器領域110及び120間に、X線が出射するための小型の方形開口172を採用する。更に、小型開口172は、直接後方散乱経路に追加及び/又はより大型の検出器を置き、それによって画質を向上させることができる。
図9Aは、使用時に検査中の対象者がシステムを歩いて通過する、本発明の一実施形態による検査システムを示す。図9Aに示すように、走査される対象者が歩いて通過する検査領域を形成するために、第一走査側部910及び第二走査側部920が用いられる。第一走査側部910は、2つの検出器パネルタワー911及び912を備える。一実施形態では、X線筐体913も、第一走査側部910に近接して配置される。第二走査側部920は、第一走査側部910から通路を越えた位置にあり、従って検査領域又はボリューム940を形成する。第二走査側部920は、2つの検出器パネルタワー921及び922を備える。第二X線筐体は、第二走査側部920に近接した位置にある。
操作者用画面960はまた、全体画像956に加えて前面画像952及び後面画像954を個別に表示する。更に、このタイプの歩行通過構成では、単に検査領域を列になって歩いて通過させることによって、数人の対象者を迅速に検査することができる。典型的な用途では、操作者用画面960はまた、列になった3人の対象者の前面画像952及び後面画像954を表示する。
図9Bは、図9Aに示され図9Bと組み合わせて参照される、本発明の検査システムの歩行通過による実施を利用した方法を示すフローチャートである。
ステップ970では、図9Aに示すように、最初に走査される対象者が、2つの走査側部910及び920によって規定される検査領域を歩いて通過する。一実施形態では、走査される対象者は、動く歩道などによって、検出領域を搬送又は移動される。
ステップ972では、対象者930がシステムを歩いて通過する際、第一走査側部及び第二走査側部の双方で対象者を走査して、対象者の左前及び右後図の両画像を取得する。一実施形態では、第一走査側部910及び第二走査側部920は、走査間の時間的遅延を最小限にして、対象者を順次走査する。よって、対象者930が走査のために向きを変えたり止まったりする必要がなく、対象者が検査領域940を歩いて通過するのみで完全な画像が生成される。
ステップ974では、最初の対象者が検査システム900を出て待機領域へ移動し、その間、その対象者に対する自動対象認識(ATR)の結果が解析のため操作者用画面に表示され、生成された画像は操作者ステーション950において見ることができる。線源及び検出器アレイを備える走査側部が撮像に使用されているため、各走査側部によって生成された画像も個別に見ることができる。
ステップ974では、走査される次の人が、2つの走査モジュールによって規定される検査領域を歩いて通過する。
ステップ976では、最初の対象者がクリアになったか、即ち、最初の対象者の走査画像に危険物が表示されなかったかを判断する。もし最初の対象者がクリアになれば、その人はステップ978で待機領域を出る。もし最初の対象者がクリアにならなければ、その人はステップ980で更なる検査のため案内される。
歩行通過システムの新規な設計によって、武器及び危険物が金属、高Z又は低Z物質から構成されるか否かにかかわらず、それらを検出するために低レベルの放射線量を用いることが可能となる。放射線量は、20マイクロレム未満、好ましくは10マイクロレム未満、より好ましくは5マイクロレム未満、そして更に好ましくは1マイクロレム未満の範囲内である。この門型構成では、各被験者は単に門を歩いて通過すればよいため、従来のシステムと比べて高い処理人数に対応可能である。更に、対象者は、走査器システム操作者に命令されて止まったり体の向きを変えたりする必要がない。加えて、対象が歩いて通過するそのような門型構成をその比較的狭い領域で用いる際、金属検出器、麻薬・爆発物嗅覚性探知機、及びビデオカメラを含む他の歩行通過装置と組み合わせることがより容易となる。
本検査システムは、衣服を脱ぐことなく、対象者上(衣服の中又は衣服の下を含む)の金属及び非金属物体(爆発物及び非金属武器を含む)の双方を撮像可能であり、また、個人的な身体の特徴を隠しつつ身体の輪郭のみを表示するとともに有機及び無機物質の双方を含む危険物又は違法物を目立たせるように生成された画像を処理することによってプライバシーに配慮した画像を生成することが可能であることが理解されるだろう。本検査システムは、プライバシーに配慮した画像のみが操作者に利用可能となるように構成することが可能である。代替的に、本システムは、プライバシーに配慮した画像がデフォルトの画像であるが、身体の輪郭及び危険物又は違法物のみを表示する処理の前に生成された生画像も操作者が利用可能であるように構成してもよい。
種々の実施形態において、本発明の検査システムは向上した画像解像度を提供し、より良い画像判断につながる。一実施形態では、検査システムで用いられる一以上のX線管によって生成される焦点を小さくすることによって、向上した画像解像度が得られる。焦点を小さくすると、より細かい解像度及び画質の向上した画像の生成につながる。また、画像の解像度が細かいと、これに限定するものではないがナイフの刃のような画像中の縁部の検出が可能となる。一実施形態では、焦点をより小さくするために一以上のX線管が変更される。もしX線管の出力が140kVから70kVに減少すると、焦点の大きさは1.5mm×1.5mmから0.8mm×0.8mmに減少する。X線管は、検査システムの十分な動作のために140kVもの出力を必要としないため、出力を減らせば、少なくとも20ゲージワイヤ(gauge wire)という良好な画像解像度を達成するだろう。
本発明で用いられる画像解析アルゴリズムはまた、画像を生成するのに概して1秒もかからないため、迅速な検査を促進する。本発明の検出システムの画像処理ソフトウェアは、別々の前面及び後面画像を組み合わせて完全な画像を生成したり、危険物を判断するのに画像解析をする等、画像を再構成するために適切なアルゴリズムを利用する。一実施形態では、分割アルゴリズムは、危険物を見分けるために使用される。分割アルゴリズムの使用の一例を、図10Aから10Cに示す。図10Aを参照すると、画像1001は、体に携帯した危険物のない対象者(良い対象者)を示す。図10Bでは、画像1002は、バックパック1003を持つ対象者を示す。バックパックが危険か否かを判断するために、ソフトウェアは、分割アルゴリズムを用いて、画像1002からバックパック1003を分割し、図10Cに示すように別画像1004を生成する。その後、物体の大きさと分割された物体の画素明度とを用いて危険物を特定する。
分割アルゴリズムはまた、白い背景上の暗い物体を見分けるためにも使用される。この特徴は、金属ナイフ及び銃及びセラミックナイフのように吸収物質を含む危険物を正確に特定するのに役立つ。分割アルゴリズムのこの特徴の使用の一例を図11A及び11Bに示す。図11Aに示すように、検査中の対象者1104上に、3つの潜在的な危険物1101,1102及び1103が検出されている。図11Bでは、検査中の対象者1107上に、2つの危険物1105,1106が検出されている。図11A及び11Bの双方において、撮像のため、同じパラメータ設定で同じアルゴリズムが使用される。これらの画像から、本発明の検出システムによって使用される画像解析アルゴリズムは、背景のレベルには重大な影響を受けないことが当業者には明らかであろう。これは、背景は当初の画像自体から計算され、潜在的な危険物があれば強調されるためである。当業者には明らかであるが、図11A及び11Bに示すように、対象者の身体は、画像のうち一部の領域を占めるに過ぎない。画像のバランスは、X線後方散乱信号が考慮される。平均化又は局所平滑化(局所領域での平均化)といった単純な計算法によって、背景信号レベルの正確な基準が得られる。
従来より、走査中の対象者の身体に隠された金属製品を検出するため、X線検査システムと組み合わせて電子金属検出器(EMD:electronic metal detector)が使用され、更に、データ融合法が用いられている。しかしながら、本発明の検査システムは、「アクティブ背景」という名称の新規な方法を提供する。アクティブ背景法では、X線後方散乱走査の間、通常は動作していない本検査システムの対向する検出器の組を利用する。この技術を用いることにより、走査中の対象者のそばを通過するX線は反対側の検出器で捕捉され、身体から離れた無機物質を特定するのがより容易になる。アクティブ背景画像は、後方散乱画像を処理して単一の統合判断決定を生成する同じ自動危険物検出(ATR)アルゴリズムによって利用される。
本発明の出願人に譲渡された米国特許第6,094,472号、第6,665,373号及び第7,110,493号について、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
共に本発明の出願人に譲渡された「人を検査するための保安システム」という名称を有する米国特許出願第12/887,510号と同じ名称の米国特許第7,826,589号とについて、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
本発明の出願人に譲渡された「プライバシーを向上させた人員検査システム」という名称を有する米国特許出願第12/849,987号と同じ名称を有する米国特許第7,796,733号について、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
加えて、「統合型機内持ち込み荷物カート及び乗客検査ステーション」という名称を有し、本発明の出願人に譲渡された米国特許第7,418,077号及び第7,660,388号について、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
種々の実施形態において、本発明の検査システムでは、複数の要素によって、より良好な信号・ノイズ比(SNR)が得られる。第一に、本発明のシステムは、より広い視野を有する。立体視野角は、対象者で測定される。一実施形態では、検出器がカバーする立体角の値は、対象者上の特定の場所(床面からの高さ)に対する立体角と、検出器がカバーするその立体角のパーセンテージと規定することによって数量化される。
一実施形態では、本発明のX線検査システムの2つの走査側部間の間隔を小さくすることによって、動作時の設置スペースが最小限に減る。一実施形態では、本発明の検査システムの寸法は、長さ6.5フィート及び幅7フィートである。本技術分野で知られているように、X線ビームの角度範囲は、X線ビームがX線源を出射してコリメータを通過する際の広がり角度によって決まる。本発明によって提供されるユニークなチョッパホイール・コリメータによって、生成されるX線ビームがより広い視野を有することが可能となる。広い視野によって、少なくとも身長6フィート6インチの人を、一般的には103センチメートルの距離である腕から腕まで走査することが可能である。従来のシステムでは、視野は一般的に54度であるが、これは十分は広さでなく、上記のような幅の走査は可能でなく、通常は18センチメートルをカバーするのみである。また、従来の検査システムでは、広い走査が行えるように視野を大きくするためには、X線源と走査中の対象者との距離を比例的に増加させなければならず、これによってシステムの動作設置スペースが大きくなっていた。
本発明の検査システムでは、走査中の対象者がシステムで用いるX線源からわずか36インチの距離にいたまま、少なくとも103センチメートル幅の視野が得られる。よって、本発明の検査システムは、従来技術のシステムより薄く、設置スペースが小さい。2つの走査側部間で検査される領域は、2つの走査側部間に大きな距離を要することなく、幅広く走査可能である。
上述したように、図1を参照すると、本発明の設計は、直接後方散乱経路により多くの検出器パネルを許容することによって画質に貢献する。別の実施形態では、検出視野(detection field)の領域と利用可能な検出器の数を増やすという方法を用いることによって、更に画質が向上する。この新規な方法について、図12及び13を参照して説明する。図12は、単一の線源1201での垂直走査を示す側面図である。この構成では、単一の線源1201を用いて走査可能な対象者1203の高さ1202は、視幅(view width)1204又は線源の照射幅に制限される。
この制限を克服するため、本発明の一実施形態では、図13に示す新規な構成を採用する。図13は、典型的な走査構成の上面図を示す。図13に示すように、単軸走査線源組立品1301は、システムの前面パネルにある回動中心1303を中心として、点1302aから点1302bまで揺動する。図13から分かるように、1304aは線源1301が不変である場合に対象者1306に対して利用可能な視幅であり、一方、1304bは線源が揺動する場合に利用可能な視幅である。よって、所与の線源に対する視幅は、線源が揺動すると拡大する。この場合、多数の検出器1305をシステムに追加することによって、検出領域を大きくすることができる。更に、前面パネルに不変の方形開口が設けられており、方形開口は、少なくとも1つの軸上に焦点を非常に小さく保つ開口としても機能する。更に、図13に示す任意の揺動線源では、対象者が動いている(線源は揺動していない)場合又は対象者が静止している(線源は揺動している)場合に、対象の走査を行うのに同じシステムを用いることができる。静止対象では、対象が動いている場合よりも画質が名目上は良い。動く対象の一部(例えば脚や腕)における差速によって歪みが生じるためである。よって、ある動作状況下では、もし最初の走査で(対象が動いているとき)異常物体が見つかった場合は、同じシステムでより詳細な走査(対象が静止)を行うこともできる。システムの選択は走査の要件に依存し、危険物の検出と高い処理人数とのトレードオフである。
第二に、電子構成部品の配置により、従来技術のシステムよりも良好なSN比が達成された。従来より、検査システムにおいては、走査画像は伝送信号によって影響を受けるため、高いSN比につながる検出器から距離を置いてビデオカードが設置される。本発明の種々の実施形態において、より良好なSN比を達成するための検査システム回路に対して複数の変更がなされる。第一に、光電子増倍管(PMT)カードがPMTプラグに統合される。第二に、過渡ノイズを低減するために、線源に近い4チャンネルカードによってアナログ−デジタル変換がなされる。第三に、特に過渡ノイズを低減するために、配線の変更がなされる。第四に、電磁環境耐性(EMI)のためのファラデー箱を形成するため、合成/炭素繊維壁内に金網を入れる。第四に、配線内の信号による配線干渉及び電子干渉を最小限にするため、運動制御装置を他の電子部品から離して制御対象の近くに移動する。上記変更により、従来技術のシステムよりも良好と考えられ、また、より大きなコントラストを有する画像が得られる結果となる。
第三に、本発明の検査システムにおいて可変的に増加するX線量を使用することにより、従来技術のシステムに対してSN比が向上するという結果となった。従来技術の検査システムは、最大10マイクロレムの放射線量の使用に制限されていた。しかしながら、より近年のシステムでは、最大25マイクロレムの使用であった。本発明の種々の実施形態では、可変のX線量を使用する、即ち、足部等のあまり敏感でない体の部分を走査するとき、X線量(又は滞留時間)を増加させる。
本発明の一実施形態では、PMTから来る検出信号は、体のどの部分が走査されいるかという点とX線源の相対位置とに基づき、重みをつけられる。例えば、もし線源が特定の第一領域の方を向いていれば、第一領域からの信号は、第一領域外からの信号よりも大きな重みをつけられる。よって、重みづけは、X線源の瞬間的位置に依存する。更に、X線源によって生成されるビームが速く動くほど、より速い応答のシンチレータが必要となる。シンチレータの応答時間は、1つの焦点から次の焦点へ進む時間として定義される。本発明の検査システムでは、従来技術のシステムよりも速い応答時間が得られ、それによって検査システムのSN比が増加する。
加えて、本システムは、a)各走査中、システム安全及び放射線レベルを継続的に監視する内部安全監視回路を備え、b)検査中の対象者に対して一回の走査あたりの電離放射線量を5マイクロレム以下とし、c)対象者の一方の側部を8秒以下で走査し、d)長さ(走査中の対象者に面する長さ寸法)は125cm以下であり、e)幅は100cm以下であり、f)高さは205cm以下であり、g)検査中の対象者のプライバシーに役立ち背景からの干渉を防止するための任意の壁を有し、その壁は、身体の側縁上の無機物体を画像中でより目立たせることによってシステムの検出能力を向上させ、壁を使用しない場合の4回の走査に対して2回の走査で体全体をカバーすることが可能となり、h)遠隔の調査者と現場の操作者との通信を促進するとともに、棒人間(stick man)ではなく実際の身体の画像輪郭、又は探索位置を強調した単純化した即ち「棒人間」画像を伝達するための任意の通信モニタを有し、画像は、棒人間の身長に対して対象者の異なる身長を調整するように「標準化され(calibrated)」、i)検出器の壁から対象者の鼻まで計測して2フィート未満、好ましくは1フィート未満、より好ましくは10インチ以下の距離に立つ対象者を走査可能であり、j)走査システムから遠隔の場所に配置された作業机と通信を行うことが可能であり、k)遠隔の作業机から走査を開始することが可能であり、l)次の対象者に移る前に完了しなければならない一人あたりの所定回数の走査を設定することができ、m)次の対象者に移る前に、操作者に利用可能なオプションとして追加の走査を行うことができ、n)たとえ対象者に複数回の走査が必要であっても、操作者が各走査を独立に合格させたりクリアしたりするように強いるように構成可能であり、o)現場のシステム上で遠隔の操作者が遠隔から見ることのできる視覚ランプ表示(即ち「不合格」は赤ランプで「合格」は緑ランプ)によって遠隔の操作者へ捜査結果(合格又は不合格)を伝達し、p)どの期間にどの操作者がシステムにログインしていたか、その期間に操作者によって何人の人が走査されたか、一日の各時間で合計何人の人が走査されたか、また、任意の所定期間(時間、日、又は月など)における走査数及び走査された人数を記録可能であり、q)少なくとも100研修用画像の画像ライブラリを有する研修用シミュレータとしてのオプションを備え、r)高さが6フィート8インチ又は6フィート6インチ以下、幅が45インチ又は41インチ以下の静止物体を走査可能であり、s)20秒、好ましくは10秒以下で走査を行うことができる。米国特許第7,110,493号を参照することにより本明細書に援用する。
一実施形態では、システムは高度自動検出を有する。一実施形態では、高度自動検出は、検査に加えて乗客又は個人識別を含む。一実施形態では、網膜スキャン、生体スキャン、指紋その他といった生体認証手段によって識別を行う。一実施形態では、身分証が認証に用いられる。一実施形態では、RFIDブレスレットが識別手段として用いられる。一実施形態では、関連する人に関する情報を保存するのに識別手段が用いられる。その人に関する情報を自動的に生成するコンピュータ装置内に、所定の情報を保存してもよい。
一実施形態では、システムが動作するレベルを判断するための方法として識別手段を使用する。例えば、所定の信用地位を有する航空会社のパイロットが身分証をスキャンしたり生体認証手段によって身元を明らかにしたりすれば、この人は既に入念に検査され完全な走査を必要としないという理解の下に、彼は、低レベルの放射線で走査器を通過することができる。よって、一実施形態では、本発明の検査システムは、異なる人々に対して異なるレベルで使用することができる。
「自動人員検査システム及び方法」という名称を有し、本発明の出願人に譲渡された米国特許出願第12/888,412号について、その全体を参照することにより本明細書に援用する。
一実施形態では、本発明の検査システムの配置を「ゼロクリアランス」とし、壁に対して直にシステムを設置することができる。空港や鉄道の駅、スタジアムやショッピングモールなど開放され混雑した場所で客の検査に使用される他にも、本発明のシステムの用途は、港、国境、税関など通過地点における車両及びコンテナの中身を検査することにも拡大されてよい。一実施形態では、本検出システムは、「ドライブスルー」システムとして実施され、走査される貨物車両を運転して通過することができ、それによって第二の運動軸が提供される。本発明の検出システムは、医療目的にも使用することができる。
上記の例は、本発明のシステムの多くの応用例を例示するものに過ぎない。本明細書では、本発明の幾つかの実施形態のみを説明したが、本発明は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の多くの具体的な形式で具体化されうることが理解されるだろう。よって、本例及び実施形態は例示的なものであって限定するものではないと考えなければならない。

Claims (43)

  1. 静止した人間が携帯する物体を検出するための検査システムであって、
    前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第一検出システムであって、前記第一検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第一検出システムと、
    前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第二検出システムであって、前記第二検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第二検出システムと、
    前記第一検出システムと前記第二検出システムとの間の筐体内に位置するX線源であって、前記X線源は、直径を有するビームチョッパに連結されるとともに、前記第一検出システムと前記第二検出システムとの間の空間を通るX線ビームを発するように構成され、前記空間は、前記ビームチョッパの前記直径の1/2から2倍の範囲の幅によって規定されているX線源と、
    前記第一検出システム及び前記第二検出システムによって生成される前記電子信号を解析し、表示装置上に画像を生成するための処理システムと、を備えることを特徴とする検査システム。
  2. 前記ビームチョッパはホイールであり、前記ホイールは3つのスリットを有し、各スリットは隣接するスリットから120度離間した位置にあることを特徴とする請求項1記載の検査システム。
  3. 前記スリットは、少なくとも2つの平行コリメータスリットと整列されており、前記X線源から発せられたX線は、前記コリメータスリットを円錐状に照射して、時間的に交互配置された少なくとも2つの平行走査ビームを生成することを特徴とする請求項2記載の検査システム。
  4. 前記第一検出システムは第一筐体内に収容され、前記第二検出システムは第二筐体内に収容されていることを特徴とする請求項1記載の検査システム。
  5. 前記第一筐体は、前記第二筐体から物理的に分離しており且つ独立していることを特徴とする請求項4記載の検査システム。
  6. 前記X線源の筐体は、前記第一及び第二筐体から物理的に分離しており且つ独立していることを特徴とする請求項5記載の検査システム。
  7. 前記第一、第二、及び第三筐体の各々は、重さが88ポンド未満であることを特徴とする請求項6記載の検査システム。
  8. 前記第三筐体は、前記第一筐体及び前記第二筐体に着脱自在に接続することができることを特徴とする請求項6記載の検査システム。
  9. 前記第一、第二、及び第三筐体の各々は、フレームに着脱自在に接続することができることを特徴とする請求項6記載の検査システム。
  10. 前記ビームチョッパは、モータによって回転されるように構成されたディスクチョッパを備えることを特徴とする請求項1記載の検査システム。
  11. 前記チョッパホイールの速度は、前記X線ビームの走査速度を最適化するように、制御装置によって動的に制御されることを特徴とする請求項10記載の検査システム。
  12. 前記第一筐体は、
    前記人間を向く外側面と内側面とを有する平坦面によって規定される第一側部であって、前記人間から散乱された前記放射線を受け取るように構成された第一側部と、
    前記第一側部と鋭角関係にある第二側部であって、前記第二側部は、前記第一側部を通過する放射線を受け取るように構成された内側面を有する平坦面によって規定され、放射線が前記第一側部を通過した後で初めて放射線を受け取るように構成された第二側部と、
    前記第一側部の前記内側面上に位置する第一基板であって、前記放射線を受け取って光に変換するための活性領域を更に備える第一基板と、
    前記第二側部の前記内側面上に位置する第二基板であって、前記放射線を受け取って光に変換するための活性領域を更に備える第二基板と、
    光反応領域及び非光反応領域を有する少なくとも1つの光検出器であって、前記光反応領域は、前記第一基板及び前記第二基板から発せられた前記光を受け取るように位置している光検出器と、を備えることを特徴とする請求項1記載の検査システム。
  13. 前記放射線はX線光子を含み、前記第一基板は、前記第一側部に衝突する前記X線光子のうち30〜60%を検出することを特徴とする請求項11記載の検査システム。
  14. 前記第二基板は、前記第一側部に衝突する前記X線光子のうち10〜30%を検出することを特徴とする請求項13記載の検査システム。
  15. 前記X線源は、第一の点から第二の点まで揺動することによって垂直ビームスポットパターンを生成し、前記揺動は所定の回転点を中心としてなされることを特徴とする請求項1記載の検査システム。
  16. 前記X線源及び前記ビームチョッパは、案内部材に対して垂直方向に且つモータに応答して傾くように構成された面に連結されていることを特徴とする請求項1記載の検査システム。
  17. 前記X線源は垂直昇降機構に連結され、前記昇降機構は、前記X線源と釣り合うように構成された重りに連結されていることを特徴とする請求項1記載の検査システム。
  18. 前記X線源は垂直昇降機構に連結され、前記昇降機構は少なくとも1つの昇降ベルトに連結されていることを特徴とする請求項1記載の検査システム。
  19. 前記X線源は垂直昇降機構に連結され、前記昇降機構はギア減速機及びモータに連結され、前記昇降機構は平衡重りに連結されていないことを特徴とする請求項1記載の検査システム。
  20. 身長6フィート8インチ以下及び幅45インチ以下の静止した人間が携帯する物体を検出するための検査システムであって、
    前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第一検出システムであって、前記第一検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第一検出システムと、
    前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第二検出システムであって、前記第二検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第二検出システムと、
    前記第一検出システムと前記第二検出システムとの間の、表面を有する筐体内に位置するX線源であって、前記X線源は、直径を有するビームチョッパに連結されるとともに、前記人間が前記筐体の前記表面から1フィート以下の位置にある場合に、前記人間の前記身長及び前記幅を走査することが可能な視野を生成するように構成された、X線源と、
    前記第一検出システム及び前記第二検出システムによって生成される前記電子信号を解析し、表示装置上に画像を生成するための処理システムであって、前記画像は、前記人間の身体と爆発物とを視覚的に区別するのに十分な解像度を有する、処理システムと、を備えることを特徴とする検査システム。
  21. 前記X線源はビームチョッパホイールに連結され、前記ホイールは3つのスリットを有し、各スリットは隣接するスリットから120度離間した位置にあることを特徴とする請求項20記載の検査システム。
  22. 前記スリットは、少なくとも2つの平行コリメータスリットと整列されており、前記X線源から発せられたX線は、前記コリメータスリットを円錐状に照射して、時間的に交互配置された少なくとも2つの平行走査ビームを生成することを特徴とする請求項21記載の検査システム。
  23. 前記第一検出システムは第一筐体内に収容され、前記第二検出システムは第二筐体内に収容されていることを特徴とする請求項20記載の検査システム。
  24. 前記第一筐体は、前記第二筐体から物理的に分離しており且つ独立していることを特徴とする請求項23記載の検査システム。
  25. 前記X線源の筐体は、前記第一及び第二筐体から物理的に分離しており且つ独立していることを特徴とする請求項24記載の検査システム。
  26. 前記第一、第二、及び第三筐体の各々は、重さが88ポンド未満であることを特徴とする請求項25記載の検査システム。
  27. 前記第三筐体は、前記第一筐体及び前記第二筐体に着脱自在に接続することができることを特徴とする請求項25記載の検査システム。
  28. 前記第一、第二、及び第三筐体の各々は、フレームに着脱自在に接続することができることを特徴とする請求項25記載の検査システム。
  29. 前記X線源はビームチョッパに連結され、前記ビームチョッパは、モータによって回転されるように構成されたディスクチョッパを備えることを特徴とする請求項20記載の検査システム。
  30. 前記チョッパホイールの速度は、前記X線ビームの走査速度を最適化するように、制御装置によって動的に制御されることを特徴とする請求項29記載の検査システム。
  31. 前記第一筐体は、
    前記人間を向く外側面と内側面とを有する平坦面によって規定される第一側部であって、前記人間から散乱された前記放射線を受け取るように構成された第一側部と、
    前記第一側部と鋭角関係にある第二側部であって、前記第二側部は、前記第一側部を通過する放射線を受け取るように構成された内側面を有する平坦面によって規定され、放射線が前記第一側部を通過した後で初めて放射線を受け取るように構成された第二側部と、
    前記第一側部の前記内側面上に位置する第一基板であって、前記放射線を受け取って光に変換するための活性領域を更に備える第一基板と、
    前記第二側部の前記内側面上に位置する第二基板であって、前記放射線を受け取って光に変換するための活性領域を更に備える第二基板と、
    光反応領域及び非光反応領域を有する少なくとも1つの光検出器であって、前記光反応領域は、前記第一基板及び前記第二基板から発せられた前記光を受け取るように位置している光検出器と、を備えることを特徴とする請求項23記載の検査システム。
  32. 前記放射線はX線光子を含み、前記第一基板は、前記第一側部に衝突する前記X線光子のうち30〜60%を検出することを特徴とする請求項31記載の検査システム。
  33. 前記第二基板は、前記第一側部に衝突する前記X線光子のうち10〜30%を検出することを特徴とする請求項32記載の検査システム。
  34. 前記X線源は、第一の点から第二の点まで揺動することによって垂直ビームスポットパターンを生成し、前記揺動は所定の回転点を中心としてなされることを特徴とする請求項20記載の検査システム。
  35. 前記X線源及びビームチョッパが、案内部材に対して垂直方向に且つモータに応答して傾くように構成された面に連結されていることを特徴とする請求項20記載の検査システム。
  36. 前記X線源垂直昇降機構に連結され、前記昇降機構は、前記X線源と釣り合うように構成された重りに連結されていることを特徴とする請求項20記載の検査システム。
  37. 前記X線源は垂直昇降機構に連結され、前記昇降機構は少なくとも1つの昇降ベルトに連結されていることを特徴とする請求項20記載の検査システム。
  38. 前記X線源は垂直昇降機構に連結され、前記昇降機構はギア減速機及びモータに連結され、前記昇降機構は平衡重りに連結されていないことを特徴とする請求項20記載の検査システム。
  39. 身長6フィート8インチ以下及び幅45インチ以下の静止した人間が携帯する物体を検出するための検査システムであって、
    前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第一検出システムであって、前記第一検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第一検出システムと、
    前記人間から散乱される放射線を検出するように構成された第二検出システムであって、前記第二検出システムは、前記検出された放射線に反応して電子信号を生成するように構成されている第二検出システムと、
    前記第一検出システムと前記第二検出システムとの間の、表面を有する筐体内に位置する放射線源であって、前記放射線源は、ビーム形成装置に連結されるとともに、前記人間が前記筐体の前記表面から1フィート以下の位置にある場合に、前記人間の前記身長及び前記幅を走査することが可能な視野を生成するように構成された放射線源と、
    20秒以下の時間で前記人間の少なくとも1回の走査を行い、前記人間を20マイクロレムを超える放射線に被曝させないように前記放射線源を制御する制御装置と、
    前記第一検出システム及び前記第二検出システムによって生成される前記電子信号を解析し、表示装置上に画像を生成するための処理システムであって、前記画像は、前記人間の身体と爆発物とを視覚的に区別するのに十分な解像度を有する処理システムと、を備えることを特徴とする検査システム。
  40. 前記制御装置は、10秒以下の時間で前記人間の1回の走査を行うように前記放射線源を制御するように構成されていることを特徴とする請求項39記載の検査システム。
  41. 前記制御装置は、前記人間を5マイクロレムを超える放射線に被曝させないように前記放射線源を制御するように構成されていることを特徴とする請求項40記載の検査システム。
  42. 前記放射線源は、前記人間が前記筐体の前記表面から10インチ以下の位置にある場合に、6フィート6インチ以下の身長及び40.5インチ以下の幅を走査することが可能な視野を生成するように構成されていることを特徴とする請求項39記載の検査システム。
  43. 前記制御装置は、10秒以下の時間で前記人間の1回の走査を行うように前記放射線源を制御するように構成され、前記制御装置は、前記人間を5マイクロレムを超える放射線に被曝させないように前記放射線源を制御するように構成されていることを特徴とする請求項42記載の検査システム。
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