JP2013522617A - バイオマーカーとしてのflc - Google Patents

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Abstract

本発明は、肝疾患を有すると可能性がある被検者を同定する方法、または以前肝疾患を有すると同定された被検者の予後を判定するための方法であって、前記方法は前記被検者からの試料中の遊離軽鎖の量を検出することを含み、ここでFLCの量が多い場合に前記被検者が肝疾患を有する可能性が高い、または肝疾患の予後が不良である可能性が高いと関連づけられる方法を提供する。このような方法において使用するためのアッセイキットも提供される。

Description

本発明は、肝疾患を有する患者において、より深刻な疾患および不良な予後を同定するための新規バイオマーカーに関する。
肝疾患は、放置すると最終的に肝移植を要する状態へと至る深刻な状態であり、肝疾患の程度を同定および評価するための利用しやすい方法は有益である。自己免疫性肝疾患においてはB細胞活性化異常が起こることが知られており、これは多くの慢性肝疾患において自己抗体の出現および高値の免疫グロブリンが観察されることによって示される。sFLC濃度は肝疾患において上昇する場合があり、そのため疾患の過程の病理学的指標を提供すると考えられている。
本出願人らは長年にわたり、患者の広範な単クローン性高ガンマグロブリン血症を評価する方法として遊離軽鎖を研究してきた。このような遊離軽鎖を診断に用いることについては、書籍「Serum Free Light Chain Analysis, Fifth Edition (2008) A.R. Bradwell et al,
ISBN 0704427028」に詳細なレビューがある。
抗体は重鎖と軽鎖を有する。それらは二回転対称を示し、2個の同一の重鎖と2個の同一の軽鎖とからなり、それぞれが可変および定常領域ドメインを有する。各軽鎖/重鎖ペアの可変ドメイン同士は組み合わさって抗原結合部位を形成し、両鎖が抗体分子の抗原結合特異性に貢献する。軽鎖にはκおよびλという2つのタイプがあり、ある任意の抗体分子はいずれかの、しかし決して両方ではない、軽鎖より産生される。ヒトではκがλ分子の約2倍産生されるが、一部の哺乳類においてはそうではない。通常、軽鎖は重鎖に結合している。しかし、一部の未結合の「遊離軽鎖」が、個体の血清または尿において検出され得る。遊離軽鎖は、通常は重鎖への軽鎖の結合により隠れている、遊離軽鎖の表面に対して抗体を産生することにより特異的に同定することができる。遊離軽鎖(FLC)においてこの表面が露出すると、それが免疫学的に検出可能になる。κまたはλ遊離軽鎖のための市販のキットの例としては、英国バーミンガムのThe Binding Site
Limited製の「Freelite(登録商標)」が挙げられる。本出願人らは以前、遊離κ/遊離λの量比を決定することが患者における単クローン性高ガンマグロブリン血症の診断の一助となることを同定した。これは例えば、完全免疫グロブリン多発性骨髄腫(intact immunoglobulin multiple myeloma)(MM)、軽鎖MM、非分泌性MM、ALアミロイドーシス、軽鎖沈着症、くすぶり型多発性骨髄腫、形質細胞腫およびMGUS(monoclonal gammopathies of undetermined significance)の診断の一助として使用された。FLCの検出はまた、例えば、他のB細胞障害診断の一助として、さらには単クローン性高ガンマグロブリン血症一般の診断のための尿中ベンス-ジョーンズ蛋白質分析の代替としても使用された。
従来、λまたはκ軽鎖のどちらかの増加と、その結果生ずる比の異常が探索されてきた。例えば、多発性骨髄腫は悪性形質細胞の単クローン増殖の結果生じ、単一種類の免疫グロブリンを生成する単一種類の細胞の増加が結果として起こる。これは、1個体内で観察されるλまたはκいずれかの遊離軽鎖の量の増加をもたらす。この濃度の増加は測定可能であり、通常は遊離κの遊離λに対する比率が測定され、通常範囲との比較が行われる。それが、単一クローン病(monoclonal disease)の診断の一助となる。さらに、遊離軽鎖アッセイは患者における前記疾患の治療後の追跡にも使用され得る。例えば、ALアミロイドーシスの治療後の患者の予後診断を行うことが出来る。
Katzmannほか(Clin. Chem. (2002); 48(9): 1437−1944)は、単クローン性高ガンマグロブリン血症診断における遊離κおよび遊離λ免疫グロブリンの血清基準範囲(serum reference intervals)と診断範囲(diagnostic range)を議論している。21〜90才の個人をイムノアッセイにより調査し、免疫固定により得られた結果と比較することによって、モノクローナル遊離軽鎖(FLC)をB細胞障害を有する個人において検出するための前記イムノアッセイの最適化が行われた。B細胞障害の検出のための基準範囲が決定できるようにκおよびλFLCの量ならびにκ/λ比が記録された。
明らかに健常な個人由来の血清中のFLCの濃度は、その個人の腎臓がFLCを濾過して排出する能力に影響される。FLCクリアランスが制限されている個人においては、血清中にFLC濃度の上昇が観察される。そのため、FLCは腎機能の良好なマーカーであると現在信じられている。単量体のFLCκ分子(25kDa)は二量体のλ分子(50kDa)と異なるサイズであることから、その組み合わせは、例えばクレアチニン(113kDa)と比べ、糸球体濾過に対するより良好なマーカーとなる。しかし、クレアチニンとは対照的に、FLCの産生は多くの疾患の結果生ずる場合があり、血清FLCは典型的には腎機能マーカーとして単独では用いられない。
しかしながら、B細胞増殖/活性に対するマーカーは重要であり、B細胞はFLC生成に関与しているため、FLCは臨床的に有用である。FLC産生はB細胞上方制御の早期指標である。この点において、FLCは炎症反応のT細胞媒介マーカーであるCRPの使用を補完することができる。
高FLC濃度は、慢性腎疾患、または疾患病態もしくはB細胞障害による慢性B細胞活性化の良い指標となり得る。従って、FLCアッセイの結果に異常があることは、現在のところいくつかの試験を組み合わせることが必要な各種疾患に対する、マーカーであり得る。逆に言えば、FLCアッセイの結果が正常な場合、良好な腎機能、炎症状態が存在しないこと、およびB細胞障害の証拠が存在しないことが示される。
本出願人らは、異なる肝疾患を有する多数の患者からの試料を調査した。特定の肝疾患でFLC濃度の比較を行った。FLC濃度は報告されているFLC濃度を有意に上回ることが示された。腎機能に対する補正後のFLC値も、健常集団における腎機能に対する補正後の値を上回ったままであった。
本発明は、肝疾患を有する可能性がある被検者を同定する方法、または以前肝疾患を有すると同定された被検者の予後を判定するための方法を提供するものであり、該方法は被検者からの試料中の遊離軽鎖の量を検出することを含み、ここでFLCの量が多い場合に被検者が肝疾患を有する可能性が高い、または肝疾患の予後が不良である可能性が高いと関連づけられる。すなわち、FLC濃度が高いことは被検者が肝疾患を有すること、また
は低濃度FLCの場合と比べて肝疾患がさらに進行していることを示す。
前記方法は、このような疾患の治療をフォローするためにも用いてよい。例えばFLCが治療後に低濃度であることは前記治療が成功していることを示す。
肝疾患は肝実質細胞等の肝臓の細胞の細胞死の割合が過剰であることにより特徴付けられる。肝疾患は、その背景となる原因が、肝炎等のウイルス感染、自己免疫性肝炎等の自己免疫状態、もしくはアルコール性肝疾患等の物質乱用と関連があるか、または原因不明である。
前記肝疾患はアルコール関連肝疾患、自己免疫性肝炎、自己免疫性硬化性胆管炎、非アルコール性脂肪肝、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、特発性肝硬変、肉芽腫性肝炎および非アルコール性脂肪性肝炎等の肝疾患であってよい。
典型的には、それを超えるとFLC濃度が有意と考えられる標準値は、κFLCで19.4mg/L、λで26.3mg/L、そして全FLCで45.7mg/Lである。
前記FLC値は、たとえばFLC濃度をシスタチンC値で除算することにより、腎機能に対して補正してもよい。
前記FLCはκまたはλであってよい。しかし、全FLC濃度を測定することが好ましい。なぜなら、κFLCまたはλFLCのみを単独で検出した場合、例えば、どちらか一方のFLCが患者において単クローン的に産生されたことなどにより、異常な高値となっていることが見逃される場合があるためである。
全遊離軽鎖とは、試料中の遊離κおよび遊離λ軽鎖の総量を意味する。
好ましくは、被検者はB細胞関連疾患の症状を必ずしも示さない。前記症状の例として反復性感染症、骨の痛みおよび疲労がある。このようなB細胞関連疾患は、好ましくは骨髄腫(完全免疫グロブリン骨髄腫(intact immunoglobulin myeloma)、軽鎖骨髄腫、非分泌性骨髄腫等)、MGUS、ALアミロイドーシス、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ホジキンリンパ腫、濾胞中心細胞リンパ腫、慢性リンパ球性白血病、マントル細胞リンパ腫、プレB細胞白血病または急性リンパ芽球性白血病ではない。さらに、前記個人は典型的には骨髄機能の低下を示さない。前記個人は、典型的には、このような疾患の多くで典型的に観察されるようなκ:λFLC比の異常を示さない。
「全遊離軽鎖」という語は、被検者からの試料中のκおよびλ遊離軽鎖の量を意味する。
前記試料は典型的には被検者からの血清の試料である。しかし、全血、血漿、尿、または、組織もしくは体液の他の試料も潜在的に利用可能である。
典型的には、FLC、例えば全FLCの測定を、ELISAアッセイ等のイムノアッセイで、またはLuminex(登録商標)ビーズ等の蛍光標識ビーズを用いて行う。
例えばサンドイッチアッセイでは、抗体を用いて特定の抗原の検出を行う。このアッセイで使用される1種または複数種の抗体の標識を、基質を検出可能な分析物に変換できる酵素によって行ってよい。このような酵素の例として、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよび他の公知の酵素が挙げられる。あるいは、他の検出可能なタグまたは標識を、前記酵素の代わりに、または前記酵素とともに、使用してよい。これらの例としては放射性同位元素;公知の広範な着色(coloured)および蛍光標識、例えばフルオレセイン、Alexa fluor、Oregon Green、BODIPY、ローダミンレッド、Cascade Blue、Marina Blue、Pacific Blue、Cascade Yellow,gold;ならびにビオチン(例えば英国のInvitrogen Ltd.より入手可能)等の複合体が挙げられる。色素ゾル、化学発光標識、金属ゾルまたは着色ラテックスを用いてもよい。これら標識の1または複数種を、ここに記載される各種発明のELISAアッセイにおいて、あるいはここに記載される他のアッセイ、標識抗体またはキットにおいて、使用してよい。
サンドイッチ式アッセイの構築はそれ自体当業者に周知である。例えば、FLCに対して特異的な「捕捉抗体」を支持体上に固定する。「捕捉抗体」は当業者に周知の方法により、支持体上に固定してよい。試料中のFLCは「捕捉抗体」によって結合し、該「捕捉抗体」を介してFLCが前記支持体に結合することとなる。
未結合の免疫グロブリンは洗い落としてよい
ELISAまたはサンドイッチアッセイにおいて、結合した免疫グロブリンの存在は、目的のFLC上の、前記結合抗体とは異なる部分に特異的な、標識された「検出抗体」を用いて決定してよい。
フローサイトメトリーを用いて目的のFLCの結合を検出してよい。この技術は、例えば細胞選別において、当業者に周知である。しかし、これはビーズ等の標識粒子の検出およびそれらのサイズの測定にも用いることができる。多数の教科書がフローサイトメトリーについて記述しており、例として、Practical Flow Cytometry, 3rd Ed. (1994), H. Shapiro, Alan R. Liss, New York;およびFlow Cytometry, First Principles (2nd Ed.) 2001, A.L. Given, Wiley Liss;が挙げられる。
FLCに対して特異的な抗体等の結合抗体の1種を、ビーズ、例えばポリスチレンまたはラテックスビーズ等に結合させる。該ビーズを試料および第2の検出抗体と混合する。前記検出抗体は、好ましくは、検出可能な標識により標識され、これが試料中の検出対象FLCを結合する。結果として、アッセイ対象のFLCが存在する場合にビーズが標識される。
ここに記載される他の分析物に対して特異的な他の抗体を用いて、それらの分析物の検出を可能にしてもよい。
その後、標識されたビーズをフローサイトメトリーで検出してよい。異なる標識、例えば異なる蛍光標識を、抗遊離λおよび抗遊離κ抗体等に対して使用してよい。一般的に知られる肝機能試験等の他のアッセイを、この方法と組み合わせて用いてよい。
その代わりに、またはそれに加えて、異なるサイズのビーズを異なる抗体、例えば異なるマーカー特異的抗体に対して用いてもよい。フローサイトメトリーでは異なるサイズのビーズを区別することができ、そのため試料中の各FLCまたは他の分析物の量を速やかに測定することができる。
他の方法では、前記抗体を市販のLuminex(登録商標)ビーズ等の蛍光標識ビーズなどに結合したものを用いる。異なるビーズを異なる抗体に対して用いる。異なるビー
ズを異なる蛍光団混合物で標識してよく、それにより、異なる分析物をその蛍光波長によって測定することができる。Luminexビーズは米国テキサス州オースティンのLuminex Corporationより入手可能である。
好ましくは、使用される前記アッセイは比ろう法または比濁法である。λまたはκFLCの検出のための比ろう法および比濁法アッセイは広く当業者に公知であるが、全FLCアッセイについてはそうではない。これらは前記アッセイに対して最高水準の感度を有する。λおよびκFLC濃度は別々に測定してもよいし、単一のアッセイで全FLCを測定してもよい。このようなアッセイにおいては、抗κおよび抗λFLC抗体が典型的には60:40の比率で含まれるが、50:50等の他の比率も使用してもよい。
抗体を遊離λおよび遊離κ軽鎖の混合物に対して産生させてもよい。
全FLCの量を標準の所定の値と比較し、全量が正常値よりも高いか低いか決定してもよい。50mg/L以上の量の血清中FLCを有する患者は、例えば、有意に生存率が低いことが示される。
歴史的に見て、アッセイキットは、κおよびλFLCを別々に測定し、比率を算出可能にするために製造されてきた。それらは従来、既に症状を呈している個人において使用されてきた。
好ましくは、前記アッセイは、試料中の例えば約1mg/L〜100mg/L、または1mg/L〜80mg/LのFLC、例えば全FLC、を測定できる。これにより、異なる希釈濃度の試料の再アッセイを必要とすることなく、大部分の個人で血清FLC濃度が検出されると期待される。
好ましくは、前記方法は、イムノアッセイを用いて、例えば抗遊離κ軽鎖および抗遊離λ軽鎖抗体、またはその断片の混合物を利用することにより、試料中の全遊離軽鎖の量を検出することを含む。このような抗体は、50:50の比率の抗κ:抗λ抗体であってよい。FLCに結合した抗体、または断片は、標識抗体または断片を用いて直接、あるいは抗遊離λまたは抗遊離κ抗体に対する標識抗体を用いて間接的に、検出してよい。
前記抗体はポリクローナルまたはモノクローナルであってよい。ポリクローナルを用いてよい理由は、それが同一鎖の異なる部分に対して産生されたものであるために、検出対象である同一タイプの軽鎖間にある程度の変異があっても許容されるためである。ポリクローナル抗体の製造は、例えばWO97/17372に記載されている。
FLCに対するアッセイキット、例えば本発明の方法において用いるためのものも提供される。該キットは試料中のFLC全量を検出するものであってよい。それらは本発明の方法において用いるための説明書と組み合わせて提供されてよい。
前記アッセイキットは、試料中の25mg/L未満、最も好ましくは20mg/L未満、または約10mg/L、5mg/Lもしくは4mg/L未満の全遊離軽鎖(FLC)の量を検出するのに適したものであってよい。較正材料は典型的には1〜100mg/Lの範囲を測定するものである。前記アッセイキットは例えば比ろう法用アッセイキットであってよい。好ましくは、前記キットはFLCに対する1または複数種の抗体を含むイムノアッセイキットである。典型的には、前記キットは抗κおよび抗λFLC抗体の混合物を含む。典型的には、抗遊離κおよび抗遊離λ抗体の50:50混合物が用いられる。前記キットは、試料中の1〜100mg/L、好ましくは1〜80mg/Lの量の全遊離軽鎖を検出するのに適していてよい。
FLCを結合できる(Fab)またはFab抗体等の抗体の断片を用いてもよい。
前記抗体または断片は、例えば上記の標識等により標識されたものであってよい。標識された抗免疫グロブリン結合抗体またはその断片を、FLCに結合した抗遊離λまたは抗遊離κの検出のために提供してもよい。
前記キットは、示された範囲にアッセイを較正できるようにするための較正液を含んでいてよい。前記較正液は、好ましくは、例えば100mg/Lから1mg/L、25mg/L未満、20mg/L未満、10mg/L未満、5mg/L未満または1mg/Lまでの所定濃度のFLCを含んでいてよい。前記キットは、抗体の量やラテックス粒子上を被覆する「ブロッキング」タンパク質の量を最適化することにより、および、例えばポリエチレングリコール(PEG)濃度等の補助的な試薬の濃度を最適化することにより、適合させてよい。
前記キットは、例えばFLCのための複数の標準対照を含んでいてよい。該標準対照を用いて、FLC、または生成される他の成分の濃度に対する標準曲線を確認してもよい。このような標準対照により、あらかじめ較正された標準曲線が使用される試薬や条件に対して有効かどうか確認する。これらは典型的には、被検者からの試料のアッセイと実質的に同時に使用される。前記標準は、アッセイでより低濃度の遊離軽鎖を検出できるようにするため、FLCに対して20mg/L未満、より好ましくは15mg/L未満、約10mg/L未満、または5mg/L未満の1または複数種の標準を含んでいてよい。
前記キットは、GAM、CRP、ビリルビン、シスタチンC、クレアチニン、アルブミン、INR、ASTおよびALT、好ましくはGAM、CRP、ビリルビン、シスタチンC、アルブミンおよび/またはINRから選択される、1または複数のマーカーに対する1または複数の抗体またはアッセイも含んでいてよい。このような抗体およびアッセイは当業者に広く公知であり、市販されている。
前記アッセイキットは比ろう法または比濁法用キットであってよい。これはELISA、フローサイトメトリー、蛍光、化学発光またはビーズ型のアッセイまたは尿試験紙であってよい。このようなアッセイは当業者に広く公知である。
前記アッセイキットは、本発明の方法において用いるための説明書も含んでいてよい。該説明書は、全遊離軽鎖の濃度が正常値と考えられるかどうかの指標を含んでいてよく、その正常値を下回る場合、または実際に上回る場合、例えば肝疾患が存在する可能性が高い、あるいは低いということが示される。このような濃度は上記定義の通りであってよい。
以下、本発明を単なる実施例により次の図面を参照しながら記述する。
図1は、肝疾患における全血清FLC濃度の水準を示す。中央値を黒線で示す。 図2は、肝疾患における、腎障害に対する補正後のFLC濃度を示す。中央値を黒線で示す。 図3は、死亡した患者および生存が確認される患者における、全遊離軽鎖(κ+λ、mg/L)および全免疫グロブリン(IgG、IgAおよびIgM)の濃度の比較である。 図4は、肝疾患を有する患者における全遊離軽鎖濃度(κ+λ、mg/L)を、試料採取時点から200111までにおける死亡および生存患者の区別を強調しつつ示したものである。白抜きの記号は死亡者を示し、黒塗りの記号は生存が確認される患者を示す。中央値を黒線で示す。 図5は、肝疾患における、50mg/L超および50mg/L未満の遊離軽鎖濃度に対するカプラン・マイヤー生存分析である。生存時間を月単位で示す。 図6は、市販の抗遊離κおよび抗遊離λアッセイキットを別々に使用して得られた全FLC濃度を、抗λおよび抗κ遊離軽鎖抗体の組み合わせを用いた全FLCアッセイキットと比較したものである。値はmg/Lで表し、血清遊離軽鎖の合計をx軸上に、全遊離軽鎖をy軸上に示す。
肝疾患
方法
肝疾患を有する80人の患者からの血清試料を、英国バーミンガムのUniversity Holpitalより入手した。この患者らはアルコール関連肝疾患、自己免疫性肝炎、自己免疫性硬化性胆管炎、非アルコール性脂肪肝、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、特発性肝硬変、肉芽腫性肝炎および非アルコール性脂肪性肝炎等を含む肝疾患を有していた。
以下を含む試験評価を行った:
血清FLC濃度、κおよびλの両者(Freelite, The Binding Site,英国バーミンガム)。
全血清FLC濃度はκFLCおよびλFLCの値を合計することで算出した。値を、確立されている正常範囲(κ:3.3〜19.4mg/L、λ:5.71〜26.3mg/L、比率:0.26〜1.65)と比較した。
腎障害の尺度としてのシスタチンC(Cystatin C アッセイ, The Binding Site,英国バーミンガム)
シスタチンCの結果を用いて、腎障害に対するFLC値の補正を行った。FLC濃度をシスタチンC値で除算し、腎障害に対する補正を行った。
免疫グロブリンIgG、IgAおよびIgM(当該分野における標準試験)。スピアマンの順位相関分析を用いてsFLCと免疫グロブリン濃度との間の関連を試験した。
結果
79/80試料が正常なFLC比を有していた。しかし、sFLC濃度は39%の患者において合計正常範囲を超えていた(図1)。腎機能に対して標準化されたデータにより、34%の患者が腎障害とは関係しないsFLCの上昇を有することが示された。いくつかの群の個人は特に高いsFLC濃度を有していた;アルコール性LDにおいては一貫して最高濃度が検出された(中央値濃度:59.9mg/L、範囲:20.4〜256.4mg/L)。
肝疾患におけるFLCの補正濃度を図2に示す。
一部の例を除き、sFLC濃度とIgG(r=0.68、P<0.0001)およびIgA(r=0.56、P<0.0001)濃度との相関が観察されたが、IgM(r=0.28、P<0.0001)については弱い相関しか観察されなかった。示した相関値は、FLC濃度を腎障害に対して補正したあとに算出されたものである。
生存に対するFLCおよび他の肝機能のマーカーの濃度の分析をさらに行った(例えば図3を参照)。死亡した、および生存が確認される肝疾患患者について行った各種B細胞または肝機能の比較を、下記表1に示す。
Figure 2013522617

略号
K+L − 全遊離κおよび遊離λ
GAM − 全免疫グロブリン(IgA、IgG、IgM)
CRP − C反応性タンパク質
INR − 国際標準比(血液凝固時間の尺度)
AST − アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
ALT − アラニンアミノトランスフェラーゼ
MELDスコア − Model for End Liver Diseaseスコア
図4は、死亡した患者と生存が確認される患者との比較である。
図5は、死亡した患者と生存している患者におけるFLC濃度(>50mg/L)を評価するためのカプラン・マイヤー生存分析であり、低濃度FLCで生存率が高いことを示す。
Cox回帰分析は、FLCが50mg/Lを超えることが死亡に対する有意なマーカーであることを示した(ハザード比4.09、P=0.008)。
考察
血清FLCは肝疾患、特にアルコール関連肝疾患においてポリクローナルに上昇していた。クリアランスの低下はその原因の一部でしかなく、主にどちらか一方の産生量の増加が原因であった。一部を除く多くの患者で、sFLC産生の増加は免疫グロブリン濃度の上昇と関連していた。このことから、sFLCは肝疾患における免疫活性化の鋭敏なマーカーであり、炎症性/免疫媒介性肝疾患患者の診断およびモニタリングのための有用なバイオマーカーであり得る。
アッセイキット
本発明の方法では次のアッセイキットを用いてよい。該アッセイキットは、患者の試料、例えば血清中に存在する全遊離κ+遊離λ軽鎖を定量するものである。これは、100nmのカルボキシル基修飾ラテックス粒子を抗遊離κおよび抗遊離λ軽鎖ヒツジ抗体の50:50混合物で被覆することにより達成してよい。以下に例示するアッセイにおいて、全遊離軽鎖の測定範囲は1〜80mg/Lである。しかし、他の測定範囲も同等に考慮することができる。
抗遊離κおよび抗遊離λ抗血清は、このヒツジの具体例においては、当業者に広く公知の技術を用いて生成することができる。一般的な免疫化プロセスがWO97/17372に記載されている。
抗κおよび抗λ抗血清を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で等しい濃度に希釈した。それらの抗体を組み合わせて50%抗κ抗体および50%抗λ抗体を含む抗血清を生成した。
抗体を、10mg/ロットの被覆量(coat load)でカルボキシル基修飾ラテックス上に被覆した。これは標準的な手順で達成された。例えば「Microparticle Reagent Optimization: A laboratory reference manual from the authority on microparticles」,Caryl Griffin, Jim Sutor, Bruce Shull編,版権 Seradyn Inc, 1994 (P/N 0347835(1294)を参照のこと。
この参照により、前記アッセイキットをポリエチレングリコール(PEG)を用いて最適化することの詳細も提供される。
前記組み合わせ抗体を、市販のκおよびλFreelite(登録商標)キット(英国バーミンガムのThe Binding Site Group Limitedより入手)を用いて得られた結果と比較した。このようなFreelite(登録商標)キットはκ遊離軽鎖の量およびλ遊離軽鎖の量を別々のアッセイで同定する。全FLCキットを用いて曲線を生成し、それを対照濃度を用いて確認した。検量線を、1〜80mg/lの範囲で全軽鎖に対して得ることができた。下記結果表において、結果はκ遊離軽鎖(KFLC)、λ遊離軽鎖(LFLC)および全FLCに対して、κFreelite(登録商標)、λFreelite(登録商標)および全遊離軽鎖アッセイを用いて得られた。これらの結果を15個の異なる正常血清試料に対して示す。比濁法で測定された結果を下記の表2および図2に示す。
予備的な結果は、抗κおよび抗λ遊離軽鎖抗体を基盤とした全遊離軽鎖アッセイ利用の原理が実行可能であることを示す。
結果
Figure 2013522617

Claims (11)

  1. 肝疾患を有する可能性がある被検者を同定する方法、または以前肝疾患を有すると同定された被検者の予後を判定するための方法であって、前記方法は前記被検者からの試料中の遊離軽鎖の量を検出することを含み、ここでFLCの量が多い場合に前記被検者が肝疾患を有する可能性が高い、または肝疾患の予後が不良である可能性が高いと関連づけられる方法。
  2. 前記被検者における肝疾患の治療をフォローするために用いるための、請求項1記載の方法であって、例えば治療後にFLCが低濃度であることが前記治療が有効であったことを示す、方法。
  3. 前記遊離軽鎖の量が試料中の全遊離軽鎖の量である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記FLCが前記被検者からの血清の試料中で測定される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記全FLCが抗遊離軽鎖抗体を用いたイムノアッセイにより測定される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記抗体が抗遊離κ軽鎖および抗遊離λ軽鎖抗体の混合物である、請求項5記載の方法。
  7. 前記方法が比ろう法または比濁法によりFLCの量を検出することを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記患者がB細胞関連疾患の症状を有していない、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記方法において使用するための説明書をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法において使用するためのアッセイキット。
  10. 正常値をさらに含む、請求項9に記載のアッセイキットであって、前記アッセイキットを使用して得られたFLCの濃度が前記正常値ではない場合に被検者において肝疾患の危険が高いことが示される、アッセイキット。
  11. GAM、CRP、ビリルビン、シスタチンC、クレアチニン、アルブミン、INR、ASTおよびALTから選択される1または複数種のマーカーに対する1または複数種の抗体をさらに含む、請求項9または10に記載のアッセイキット。
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