JP2015508173A - 遊離軽鎖生成の推定に関する補正方法 - Google Patents

遊離軽鎖生成の推定に関する補正方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、対象における遊離軽鎖(FLC)生成を推定する方法であって、(i)対象由来の試料中のFLCの量を決定し;及び(ii)糸球体濾過により及び細網内皮系(RE)クリアランスにより試料の給源から消失されたFLCに関して、試料中のFLCの量を補正すること、を含む方法を提供する。

Description

本発明は、対象における遊離軽鎖(FLC)生成を推定する方法、並びに移植を受けた対象が感染症を有する可能性を推定する方法又は増加したFLC生成の分析に関する。
本出願人は、患者における広範な単クローン性ガンマグロブリン血症に関してアッセイする方法として、遊離軽鎖を長年研究してきている。診断におけるそのような遊離軽鎖の使用は、A.R. Bradwellの著書「血清遊離軽鎖分析(Serum Free Light Chain Analysis)、第6版(2008)、ISBN 9780704427969」において詳細に検証されている。患者においてポリクローナル抗体生成の減少又は増加が存在する多クローン性異常も、知られている。
抗体は、重鎖及び軽鎖を含む。これらは通常、2倍対称を有し、かつ各々、可変領域ドメイン及び定常領域ドメインを含む、2本の同一重鎖及び2本の同一軽鎖により構成される。軽鎖/重鎖の各対の可変ドメインは連結し、抗原結合部位を形成し、その結果両鎖は、抗体分子の抗原結合特異性に寄与する。軽鎖には、2つの型κ及びλがあり、任意の所定の抗体分子は、いずれかの軽鎖を有するが、決して両方を有することはない。ヒトにおいては生成されるκ分子はλ分子よりもおよそ2倍多く存在するが、これは一部の哺乳動物においては異なる。通常軽鎖は、重鎖に結合している。しかし、一部の非結合「遊離軽鎖」は、個体の血清中又は尿中において検出可能である。通常は軽鎖の重鎖への結合により隠されている遊離軽鎖の表面に対する抗体を生じることにより、該遊離軽鎖が特異的に同定され得る。遊離軽鎖(FLC)において、この表面は露出され、それが免疫学的に検出されることが可能になる。κ又はλ遊離軽鎖の検出用の市販のキットとしては、例えば、The Binding Site社(バーミンガム、英国)により製造された「Freelite(商標)」が挙げられる。本出願人は先に、遊離κ、遊離λの量、及び/又は遊離κ/遊離λの比の測定は、患者における単クローン性ガンマグロブリン血症の検出を可能にすることを確定した。これは、例えば、インタクト免疫グロブリン型多発性骨髄腫(MM)、軽鎖MM、非分泌型MM、ALアミロイド症、軽鎖沈着症、くすぶり型MM、形質細胞腫及びMGUS(意義未確定の単クローン性ガンマグロブリン血症)の診断の補助として、使用されている。FLCの検出はまた、例えば他のB細胞悪液質の診断の補助として使用され、かつ実際に一般に単クローン性ガンマグロブリン血症の診断のための尿中ベンスジョーンズタンパク質分析の代替としても使用されている。
本出願人はまた、FLCのアッセイは、個体が明らかに健常対象である場合であっても、その個体の長期生存を予測するために使用することができることを先に確定している(WO 2011/021041)。本出願人はまた、総FLC濃度は、長期生存と統計学的に有意に関連付けられることを発見した。更にこの関連付けは、コレステロール、クレアチニン、及びC反応性タンパク質などの現存する長期生存の予後判定マーカーに関する関連付けに類似しているか又はそれらよりもより良いように見える。総FLC測定に関するアッセイは、該文献において明らかにされている。総FLCを測定するアッセイは、商品名「Combylite」で、The Binding Site社(バーミンガム、英国)から入手可能である。
2種以上の特異的抗体が増加した又は減少した生成を有するポリクローナル抗体関連疾患が、一般に知られている。例えばこれは、存在する2種の個別の腫瘍給源由来の、抗体生成の全般的増加によるか、又は2種以上のモノクローナル抗体により特徴付けられる。慢性感染症、自己免疫疾患及び多くの腫瘍は、多クローン性免疫グロブリンの増加を引き起こす。皮膚疾患、肺疾患及び腸管疾患は、IgA濃度の増加を引き起こす可能性がより大きいのに対し、全身性感染症は、特にIgG以外の、全ての免疫グロブリンを増加するであろう。
例えば血清又は血漿などの試料中で同定されたFLCの量は、数多くの要因により影響を受けるであろう。FLCは、B細胞系列の細胞により生成される。多クローン性FLCの生成は、感染症並びに急性及び慢性炎症のために、増加することができる。FLCは、健常対象においては、ほぼ全てが、腎臓を経た腎クリアランスにより消失される。しかし腎機能障害の対象においては、細網内皮系(RE)ネットワークを介したクリアランスが、より大きい作用を有するであろう。
従来、推定されたFLC生成は、糸球体濾過量(GFR)を用い、血清遊離軽鎖レベルを直接調節することにより、補正されている。GFRとは、水及び溶解物質が、腎臓を介し単位時間当たりに血液から濾過される量の測定値である。GFRを計算又は推定する典型的方法は、糸球体により濾過されるが、腎尿細管により吸収又は分泌されないことがわかっている、対象へ注射された化合物を、使用する。これらは、GFRを計算するためのCr−EDTA及びイヌリンを含む。クレアチニン及びシスタチンCなどの天然の内在性化合物も、GFRの推定に使用されている。
Hutchinsonら(Clin. J. A. Soc. Nephrol (2008)、3:1684−1690)は、慢性腎疾患(CKD)患者における血清中及び尿中の多クローン性FLCの定量的評価を研究した。これは、CKD病期を評価するために使用した。血清試料及び尿試料を、クレアチニン及びシスタチンCについて分析した。クレアチニン量を使用し、例えばクレアチニン−ベースのコックロフト−ゴールト(Cockroft−Gault)式を用い、推定GFR(eGFR)を計算した。これは、CKD患者におけるeGFRによる、血清κ及びFLCの相関関係を研究するために使用した。この論文は、κFLCは、λFLCのおよそ2倍の量で生成されるが、λFLCは、それらの腎クリアランスを遅くする二量体をより頻繁に形成することを注記している。更に、腎クリアランスはCKD患者においては低下するので、RE系は重要性が高くなり始める。REは、FLCの分子量により影響を受けない。
これは、FLCクリアランスとGFRの間の関係は、正比例しないこと、及び対象におけるFLC生成の正確な評価をするために、REクリアランスの作用を考慮することが必要であることを示している。
本出願人は、GFR因子及びREクリアランスに関して観察されたFLC濃度を補正することは、FLC生成の推定を向上し、より良いデータ分析並びに患者の診断及び予後判定を可能にすることを確定した。これは、この補正は、変動するGFR値を伴うがそれ以外は正常であるか又は見かけ上健常である個体由来のデータのデータセットに、モデルをフィットすることにより、より良く推定することができるという認識を利用している。
本発明は、対象における遊離軽鎖(FLC)生成を推定する方法であって:
(i)対象由来の試料中のFLCの量を決定する工程;並びに
(ii)糸球体濾過により及び細網内皮(RE)クリアランスにより試料の給源から消失されたFLCに関して、試料中のFLCの量を補正する工程:
を含んでなる方法を提供する。
糸球体濾過は、例えばクレアチニン又はシスタチンCを使用することにより、対象に関して推定することができる。典型的にはこれは、コックロフト−ゴールト式(Cockroft D.W.及びGault M.H、Nephron. (1976) 16:31−41)、又はクレアチニンベースMDRD式(Vervoort G.ら、Nephrol. Dial. Transplant (2002) 17(11):1909−13)を使用する。
GFR及び/又はREは、測定することができる。RE補正値は、予め決定された定数であることができる。
FLCは、λFLC、κFLC又は総FLC(λ+κ)であることができる。GFRは、λからκまで変動し、従ってGFRは、試料中で測定されたFLCの型について補正することができる。λ及びκは、個別に決定し、かつ任意に一緒に加算し、総FLC生成を決定することができる。あるいは、総FLCは、例えば、組合せられた抗−FLC抗体を用いて、測定することができる。
典型的には、対象におけるFLC生成の推定値を生じるために、補正されたGFRをRE補正因子に加算し、かつこの合計を、試料中で決定されたFLC量により積算することにより、生成されたFLCの量が推定される。
この試料は、尿であってよいが、典型的には血液、血漿又は血清である。
典型的には、推定FLC生成は、下記式を用いて決定される:
(式中、
P=対象により生成された推定されたFLC
FLC=試料中で決定されたFLCの量
α=FLCの型に関するGFR補正因子
GFR=対象について決定されたGFR
re=RE定数
ν=血管血漿容積と血管外体液容積間の容積比)。
reは、このモデルに関して一定であると仮定されてよく、これは仮定された定数であってよい(典型的には1.6×10-4-1)。あるいは、RE変数が、このモデルに関して決定されてよい。
ακは、典型的には0.000420011であり、αλは、典型的には0.00038141である。しかしこれらは、例えば集団差を考慮し、変動することができる。
REクリアランスは両方の場所で生じるが、GFRは血管空間内で生じるので、νは、この方式で決定される。平均的ヒトに関する、本計算式において典型的に使用される代表値は、およそ0.21である。
これは、本発明の工程(ii)において使用することができる。
本発明の方法を使用することを含むコンピュータが実装する方法も提供され、ここで工程(ii)及び/又は前記式は、コンピュータ上で実施される。
本発明の方法を実施するために構成された、コンピュータプロセッサ及び記憶装置を備える装置が、提供される。そのような装置を備える、試料中のFLC量を決定するためのアッセイ装置も提供される。FLCを決定するためのアッセイ装置は、当該技術分野において一般に公知である。これは、生成されたFLCの推定された量を表示するための、スクリーンなどの出力を備えてよい。
本発明はまた、コンピュータ上で実行した場合、コンピュータに、本発明の方法を実行させるコードを備える、コンピュータ読み取り可能な媒体製品も提供する。
試料中のFLCの測定値は、当該技術分野において一般に公知の方法を使用し、決定することができる。
κFLC又はλFLCに特異的な抗体、又は抗体断片は、一般に公知であり、かつ商品名Freelite(商標)で市販されている。
典型的にはFLCは、ELISAアッセイなどの免疫学的検定、又はLuminix(商標)ビーズなどの蛍光標識ビーズを利用し、決定される。
ELISAは例えば、特異的抗原を検出するために抗体を使用する。本アッセイにおいて使用される1種又は複数の抗体は、基質を、検出可能な被検体へ変換することが可能な酵素により標識されてよい。そのような酵素としては、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ及び当該技術分野において公知の他の酵素が挙げられる。あるいは、他の検出可能なタグ又はラベルも、酵素の代わりに又は酵素と一緒に使用されてよい。これらは、放射性同位元素;フルオレセイン、Alexa fluor、オレゴングリーン、BODIPY、ローダミンレッド、カスケードブルー、Marina Blue、Pacific Blue、カスケードイエロー、金を含む、当該技術分野において公知の広範な着色ラベル及び蛍光ラベル;並びに、ビオチン(例えばInvitrogen社、英国から入手可能)などの複合体が挙げられる。色素ゾル(dye sol)、金属ゾル、化学発光ラベル又は着色したラテックスも、使用されてよい。1種又は複数のこれらのラベルは、本明細書に説明された様々な発明に従い、ELISAアッセイにおいて、あるいは本明細書に説明された他のアッセイ、標識された抗体又はキットにおいて、使用されてよい。
ELISA型アッセイの構成は、それ自身当該技術分野において周知である。例えば、FLCに特異的な「結合抗体」は、基質上に固定されている。この「結合抗体」は、当該技術分野において周知である方法により、基質上に固定されてよい。試料中のFLCは、この「結合抗体」により結合され、このことはFLCを基質へ「結合抗体」を介して結合する。
結合していない免疫グロブリンは、洗浄除去される。
ELISAアッセイにおいて、結合した免疫グロブリンの存在は、結合抗体よりも、関心対象のFLCの異なる部分に特異的である標識された「検出抗体」を用いて、決定することができる。
フローサイトメトリーを使用し、関心対象のFLCの結合を検出することができる。この技術は、例えば細胞選別に関して当該技術分野において周知である。しかしこれは、ビーズなどの標識された粒子を検出するため、及びそれらのサイズを測定するために使用することもできる。「実践フローサイトメトリー(Practical Flow Cytometry)」、第3版(1994)、H. Shapiro、Alan R. Liss社、ニューヨーク、及び「フローサイトメトリー最初の原理(Flow Cytometry, First Principles)」(第2版)2001年、A.L. Given、Wiley Liss社などの、多くの教本が、フローサイトメトリーについて説明している。
FLCに特異的な抗体などの、結合抗体の1種が、ポリスチレン又はラテックスビーズなどのビーズに結合される。これらのビーズは、試料及び第二の検出抗体と混合される。この検出抗体は、検出可能なラベルにより標識されることが好ましく、これは試料中の検出されるべきFLCに結合する。これは、アッセイされるべきFLCが存在する場合、標識されたビーズを生じる。
その後標識されたビーズは、フローサイトメトリーにより検出することができる。様々な蛍光ラベルなどの様々なラベルを、例えば、抗−遊離λ抗体及び抗−遊離κ抗体のために使用することができる。本明細書に記載された他の被検体に特異的な他の抗体も、このアッセイ又はそれらの被検体の検出を可能にする本明細書に記載の他のアッセイにおいて使用することができる。これは、結合したFLCの各型の量を同時に決定すること、又は他の被検体の存在を決定することを可能にする。
あるいは、又は加えて、異なるサイズのビーズを、異なる抗体のために、例えば異なるマーカー特異性抗体のために使用してよい。フローサイトメーターは、異なるサイズのビーズ間で識別することができ、従って試料中の各FLC又は他の被検体の量を迅速に決定することができる。
代替方法は、例えば、市販のLuminex(商標)ビーズなどの、蛍光標識されたビーズに結合された抗体を使用する。異なるビーズが、異なる抗体と共に使用される。異なるビーズは、異なる発蛍光団混合物により標識され、その結果異なる被検体が、蛍光波長により決定されることが可能になる。Luminexビーズは、Luminex社(オースチン、テキサス州、米国)から入手可能である。
側方流動装置も、使用することができる。
使用されるアッセイは、ネフェロメトリー又は比濁法が好ましい。
本発明の更なる態様は、本発明の第一の態様に従う方法の使用を含んでなる、上昇したFLCレベルを伴う対象においてFLC生成レベルを確定する方法を提供する。この方法は、そのような患者における生成のより良い分析を示す。この患者は、単クローン性又は多クローン性B細胞疾患などの、感染症、HIV又は癌を有し得る。患者は、慢性リンパ球性白血病又はホジキンリンパ腫を有し得る。
本出願人は、腎移植した移植レシピエントからのFLC情報のコホートを研究するために本方法を使用することにより、本発明の方法を使用する妥当性も評価している。
これは、FLCのより低いレベルは、患者がその後30日間にわたり感染症を発症する増加したリスクを示したことを示唆した。
本発明の更なる態様は、患者由来の試料中の遊離軽鎖(FLC)の量を検出することを含んでなる、免疫抑制された患者が、重大な感染症(抗生物質及び/又は抗ウイルス薬による治療を必要とするもの)の感染を発症するリスクを有するかどうかを確定する方法を提供し、ここでより低量のFLCは、感染症を発症する患者の増大した尤度に関連している。
自己免疫疾患患者又は臓器移植レシピエントを含む、免疫抑制された患者は、感染症の増加したリスクにさらされ得る。本方法は、感染症を発症し得るそのような患者を確定する方式を提供する。
臓器移植されたとは、腎移植であってよい。FLCの総量が決定されるか、あるいはκFLC又はλFLCが決定される。試料は、尿であってよいが、典型的には血液、血漿又は血清である。FLCは、先に説明された方法により決定されてよい。
典型的には、正常値0.45〜0.92mg/分を下回る値は、その後30日以内の感染症発症の増大したリスクを、典型的に指摘している。
この移植患者は典型的には、B細胞関連疾患、又は多クローン性B細胞疾患の症状は存在していない。
単クローン性B細胞疾患は、骨髄腫(インタクト免疫グロブリン骨髄腫、軽鎖骨髄腫、非分泌型骨髄腫など)、MGUS(意義未確定の単クローン性ガンマグロブリン血症)、ALアミロイド症、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症、ホジキンリンパ腫、濾胞中心細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、前B細胞白血病又は急性リンパ芽球性白血病を含み、多クローン性関連疾患は、高ガンマグロブリン血症又は低ガンマグロブリン血症を含む。
本出願人は、FLC濃度を使用し、可能性のある感染症を予測することは可能であることを示した。このことは、抗生物質などの予防薬を提供することができるか、あるいは患者へ投与される免疫抑制薬の量を減少することを意味する。
本発明はここで、下記の図面を単に参照し、実施例により説明される。
図1は、ラムダ及びカッパに関する、FLC生成及びクリアランスのモデルを示す。 図2は、カッパ及びラムダに関する健常患者について得られた患者データに対する、λ及びκのフィッティングモデルを示す。 図3は、図2に示したデータセット及びフィッティングに関して、フィットしたモデルの残差を示す。 図4は、本発明の計算式により算出したFLC生成による、腎移植患者に関する経時的生存の解析を示す(上側の線は0.6335mg/分以上、下側の線は0.6335mg/分を下回る)。 図5は、シスタチンC eGFR計算を使用し補正されたFLC生成以外は同じ情報を示す(下側の線は、15.3未満、上側の線は、15.3以上)。 図6は、0.3での1−特異度の、FLCレベル、補正FLCレベル及び推定FLC生成に関する、CKD患者からのデータのROC解析を示す。ラインは、(i)MDRD eGFRについて補正された総FLC、総FLC(mg/L)、推定FLC生成(mg/分)、血清シスタチンCについて補正されたtFLC、参照ラインである。 図7a及び7bは、(a)総FLC[44.27]mg/L、及び(b)推定FLC生成についての、慢性腎疾患患者に関するカプラン・マイアー(Kaplan Meier)生存曲線を示す。
モデル作製
本出願人は、FLCのクリアランスの計算は、数多くのパラメータの考慮を必要とすることを確定した:GFRはFLCの各型について変動するので、GFRは、κ又はλについて調節した。このことを、図1にまとめている。
表1に示した基準値は、文献からか、又は入手可能なデータの最良の推定値である。
この情報を使用し、24時間にわたる、定常量の腎機能及び一定のFLC生成に関するモデルを作製した。血漿中に認められたカッパの量
又は
は、下記計算式を基にしている:
ν=血管血漿容積と血管外体液容積間の容積比
α=λ及びκに関するGFR補正値
P(T)=経時的FLC合成
re=REクリアランス。
これは、該計算式における信頼(confidence)を示しかつ未知のパラメータを推定するために、他の点では残差平方和解析によるにもかかわらず、GFRの変動するレベルを有する患者の集団セットからのFLC対GFRの実際のデータ(date)にフィットした。最小平方和を生じる値を伴うこの計算式は、最大の信頼を伴う計算式である。
図2及び図3は、そのようなデータセットのひとつへのフィッティングを示す。これは、該モデルのフィッティングを向上するために、いくつかの異なるデータセットに関して反復した(データは示さず)。炎症及び感染症の徴候を示す患者を除外するために、C−反応性タンパク質(CRP)レベルが>10mg/Lを上回る患者は、このデータセットには含まなかった。
次に、得られた患者のGFR及びFLC濃度で、κFLC及びλFLCの生成レベルを推定するために、下記計算式を適用した。
これはまた、総FLC生成を推定することを可能にした。
移植データの解析
先に説明された計算式を使用し、腎移植患者における重大な感染症のリスクに対する総FLCを研究した。
データを、新たな計算式を用いて解析し、FLC生成を推定し、シスタチンCを使用する先行技術のeGFR推定により補正した総FLC生成と比較した。
図4は、総推定FLC生成の0.6335mg/分(上側線)を上回り、かつ0.6335mg/分(下側線)を下回る総推定FLC生成に関する生存に対する感染を示す。これは、FLCは、次の30日間に重大な感染症を有する患者の尤度を指摘するために使用することができることを示し、このことはこれらの患者の更なる予防的治療の可能性を開いている。
図5は、同じデータを示しているが、総FLC生成を計算するために、先行技術のシスタチンC eGFR計算を用いて算出した。2つの集団内の差異を認めるのは著しくより困難であり、かつカプラン・マイアー解析を用い、統計学的有意性を示さなかった。これは、FLC生成を算出するための新規計算式は、提示されたデータからのトレンドの検出を向上し、その結果FLC値に関する患者の精度の向上を生じることを明らかにしている。
FLC生成を推定するためのデータの補正の有用性は、高レベルFLCを伴う患者におけるFLCの生成の計算を含むように拡大されてよい。例えばCKD患者は、高レベルのCKDを有することが多い。より高いレベルのFLCは、死亡率に関連している。このことは、図6に示されている。補正され推定された生成曲線は、観察された死亡例を、腎機能障害を随伴した症例及び上昇したFLC生成に関連した症例から区別している。このことは、向上されたデータの解析及びリスク因子の評価を可能にしている。
多変量解析は、FLC生成は、FLS腎クリアランスから総FLCレベルまでを区別することができることを示している。CRP及びシスタチンCは、FLCレベルとは無関係である。
i) エンターアウトプットによるコックス(Cox)回帰を使用する、腎移植集団における(低FLC生成後)30日目の重大な感染症に関連した因子の単変量解析。
ii) 変数減少選択法によるコックス回帰を使用する、感染症に関連した因子の多変量解析。多変量解析は、性別、WBC数、IgGレベル及び総FLC推定生成は、30日目の感染症に有意に関連していることを指摘した。他の因子は、有意性が認められなかった。
総FLC生成及び推定された生成に関する生存曲線を、図7a及び図7bに示している。

Claims (21)

  1. 対象における遊離軽鎖(FLC)生成を推定する方法であって:
    (i)対象由来の試料中のFLCの量を決定し;
    (ii)糸球体濾過により及び細網内皮系(RE)クリアランスにより試料の給源から消失されたFLCに関して、試料中のFLCの量を補正すること、
    を含む、方法。
  2. 糸球体濾過量(GFR)が、対象について推定される、請求項1記載の方法。
  3. 前記推定されたGFRが、正確なGFRを生じるように、試料中で決定されたFLCの型について補正される、請求項2記載の方法。
  4. 前記FLCが、λFLC、κFLC又は総FLCである、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 対象におけるFLC生成の推定値を生じるために、補正されたGFRをRE補正因子に加算し、かつその合計を、試料中で決定されたFLC量により積算することにより、生成されたFLCの量が推定される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記試料が、血液、血漿又は血清の試料である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記推定FLC生成が、下記式:
    (式中、
    P=対象により生成された推定されたFLC(mg/分)
    FLC=試料中で決定されたFLCの量(mg/L)
    α=FLCの型に関するGFR補正因子
    GFR=対象について推定されたGFR
    re=RE定数
    ν=血管血漿容積と血管外体液容積間の容積比)
    を用いて決定される、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項記載の方法を使用することを含んでなる、上昇したFLCレベルを有する対象におけるFLC生成レベルを確定する方法。
  9. 工程(ii)及び/又は前記式の使用が、コンピュータ上で実施される、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法を含んでなる、コンピュータに実装された方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項記載の方法を実施するために構成された、コンピュータプロセッサ及び記憶装置を備える装置。
  11. 請求項9記載の装置を備える、試料中のFLC量を定量することにより、対象におけるFLC生成のレベルを決定するためのアッセイ装置。
  12. 免疫抑制された患者が、感染症発症のリスクを有するかどうかを確定する方法であって、患者由来の試料中の遊離軽鎖(FLC)の量を決定することを含み、ここでより低いFLC量が、患者の感染症を発症する増大した尤度と関連している、方法。
  13. 前記患者が、臓器移植レシピエントである、請求項12記載の方法。
  14. 前記遊離軽鎖の量が、試料中の総遊離軽鎖の量である、請求項12又は13記載の方法。
  15. 前記感染症のリスクが、患者からの試料採取の90日、60日以内に又は30日以内に生じると見込まれる、請求項12〜14のいずれか1項記載の方法。
  16. 前記FLCが、対象由来の血清の試料において決定される、請求項11〜15のいずれか1項記載の方法。
  17. 前記総FLCが、抗−遊離軽鎖抗体を使用する免疫学的検定により決定される、請求項11〜16のいずれか1項記載の方法。
  18. 前記抗体が、抗−遊離κ軽鎖抗体及び抗−遊離λ軽鎖抗体の混合物である、請求項14記載の方法。
  19. 前記方法が、ネフェロメトリー又は比濁法によりFLCの量を決定することを含んでなる、請求項11〜15のいずれか1項記載の方法。
  20. 前記対象が、B細胞関連疾患の症状を有さない、請求項11〜16のいずれか1項記載の方法。
  21. コンピュータ上で実行される場合、コンピュータに、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法を実行させるコードを含む、コンピュータ読み取り可能な媒体製品。
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