JP2013522496A - ポリアリーレンスルフィド繊維を形成するための改善された方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド繊維を形成するための改善された方法 Download PDF

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Abstract

ポリアリーレンスルフィド繊維を形成するための改善された方法が提供される。本方法は、ポリアリーレンスルフィドと、分枝状カルボン酸スズ(II)を含む少なくとも1つのスズ添加剤と、を含むポリマー溶融物から少なくとも1つの繊維を形成することを含む。かかる溶融物を使用すると、繊維形成連続性が、同一条件下で加工された未変性のポリアリーレンスルフィド溶融物と比較して改善される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2010年3月22日出願の米国仮特許出願第61/316,059号明細書の優先権の利益を主張する。
本発明は、ポリマー溶融物から形成されるポリアリーレンスルフィド繊維に関する。
工業的熱可塑性ポリマーのポリフェニレンスルフィド(PPS)は、熱安定性および熱酸化安定性が限られており、その結果、高温(たとえば、約180℃を超える)および空気が存在する用途においてその有用性が限られる。一般に、PPSは、成形および繊維紡糸によって約300℃以上d溶融え物で加工され、部分的な分解が起こり、その結果、ポリマーの特性が低下し、生産性が低下する。繊維形成作業中、材料は、ポリマーがそれを通して押出されるオリフィス付近に時間が経つにつれて付着する。ダイ付着物がダイドリップを引き起こし、それによって繊維形成プロセスが乱されることから、ダイ付着物のこの形成は、繊維形成プロセスの生産性および/または製品品質を妨げる。その結果として、ダイドリップを防ぐためにダイ付着物を物理的に除去するため、繊維紡糸を頻繁に中断しなければならない。これらの中断によって、繊維製造コストは著しく増加する。更なる経済費用および環境問題は、ダイ付着物の除去時またはダイドリップが生じた時に蓄積するポリマー廃棄物の処理である。
押出し成形におけるダイ付着物の堆積に関する文献が、J.D.GanderおよびA.J.Giacominによって概説されている(非特許文献1)。
ポリマー加工中の物理的性質の変化に対してポリフェニレンスルフィド(PPS)などのポリアリーレンスルフィド組成物を安定化するために、様々な方法が用いられている。例えば、特許文献1には、加熱時の樹脂の硬化および架橋を遅らせる、少なくとも1種類の有機スズ化合物の安定化有効量での添加によって、アリーレンスルフィド樹脂の熱安定性が改善されることが開示されている。硬化遅延剤および熱安定剤として使用される多くのジアルキルスズジカルボキシレート化合物、ならびにジ−n−ブチルスズ−S,S’−ビス(イソオクチルチオアセテート)およびジ−n−ブチルスズ−S,S’−ビス(イソオクチル−3−チオプロピオネートが開示されている。
特許文献2には、構造[CH(CHCOO−]−M(Mは第IIA族または第IIB族金属であり、nは8〜18の整数である)によって表される脂肪酸の第IIA族または第IIB族金属を含む硬化遅延剤の添加によって、アリーレンスルフィド樹脂の熱安定性が改善されることが開示されている。ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸カルシウムの有効性が開示されている。
特許文献3は、化学的に安定化されたポリ−p−フェニレンスルフィド樹脂組成物およびそれから製造されたフィルムに関する。この参考文献には、PPS樹脂組成物は、亜鉛、鉛、マグネシウム、マンガン、バリウム、およびスズからなる群から選択される少なくとも1つの金属成分を0.05〜40重量%の総量で含有すべきであることが開示されている。これらの金属成分は、あらゆる形態で含有されることができる。
特許文献4および5は、熱劣化に対するエチレンスルフィドポリマーの耐性の向上に有用な組成物に関する。かかるポリマーは、長鎖における連結されたエチレンスルフィド単位(CHCH−S)(nは、その鎖におけるかかる単位の数を表す)で構成され、したがって、ポリマーエチレンチオエーテルの性質のポリマーである。しかしながら、この参考文献では、適切な機械的強度を欠いていることから、工業用途用のプラスチック材料としてのこれらのポリマーの有用性はひどく制限されていることが言及されている。この参考文献には、スズカルボキシレート、フェノラートまたはアルコラートなど、酸素を介してスズに結合された有機ラジカルを有する有機スズ化合物が、エチレンスルフィドポリマーの熱劣化に対する耐性を高めるために用いられることが開示されている。この参考文献では、有機スズ化合物の有効性は、他の多価金属の化合物または他のスズ化合物によって高められる場合が多いことを言及している。第2の多価金属は、周期表の第II〜VIII族から選択されるいずれかの金属とすることができる。ポリアリーレンスルフィドと比較して、エチレンスルフィドポリマーの化学的反応性および物理的性質が異なるということからして、同じ添加剤が、エチレンスルフィドポリマーにおいて効果を有するのと同様に、ポリアリーレンスルフィドにおいて同じ効果を有するかは明らかではないだろう。
米国特許第4,411,853号明細書 米国特許第4,418,029号明細書 米国特許第4,426,479号明細書 米国特許第3,405,073号明細書 米国特許第3,489,702号明細書
Polymer Engineering and Science,July 1997,vol.37,no.7,p.1113−1126.
ポリアリーレンスルフィド繊維形成の連続性を改善する方法が望まれている。特に、ダイ付着物を形成する傾向を低減し、かつポリアリーレンスルフィド繊維の形成におけるダイドリップ間の時間間隔を長くする方法が求められている。ダイ付着物の問題および関連するダイドリップの問題の解決への新たな化学的アプローチが必要とされている。
本発明は、ポリアリーレンスルフィドと、本明細書に記載のカルボン酸スズ(II)を含む少なくとも1種類のスズ添加剤と、を含むポリマー溶融物から繊維を形成する方法を提供する。
一実施形態において、本発明は、ポリアリーレンスルフィドと、Sn(OCR)、Sn(OCR)(OCR’)、Sn(OCR)(OCR”)、およびその混合物(そのカルボキシレート部位OCRおよびOCRは独立して、分枝状カルボキシレートアニオンを表し、カルボキシレート部位OCR”は直鎖状カルボキシレートアニオンを表す)からなる群から選択される分枝状カルボン酸スズ(II)を含む少なくとも1種類のスズ添加剤と、を含むポリマー溶融物から少なくとも1種類の繊維を適切な条件下で形成することを含む方法であって、その繊維形成連続性が、同一条件下で加工される天然のポリアリーレンスルフィド溶融物と比較して改善される、方法である。
一実施形態において、スズ添加剤はさらに、直鎖状カルボン酸スズ(II)Sn(OCR”)を含み、R”は、炭素原子6〜30個を含む第1級アルキル基である。
一実施形態において、カルボン酸スズ(II)は、Sn(OCR)、Sn(OCR)(OCR’)、またはその混合物を含み、ラジカルRまたはR’は独立して、またはその両方が、式(I)
Figure 2013522496
によって表される構造を有し、
式中、R、R、およびRは独立して:
H;
フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換されている、炭素原子6〜18個を有する第1級、第2級、または第3級アルキル基;
アルキル、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換されている、炭素原子6〜18個を有する芳香族基;
フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換されている、炭素原子6〜18個を有する脂環式基;であり、
ただし、RおよびRがHであるとき、Rは:
フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換されている、炭素原子6〜18個を有する第2級または第3級アルキル基;
炭素原子6〜18個を有し、かつ炭素原子6〜18個を有する第2級または第3級アルキル基で置換されている芳香族基であって、その芳香族基および/または第2級または第3級アルキル基が、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換されている、芳香族基;
フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換されている、炭素原子6〜18個を有する脂環式基;である。
一実施形態において、ラジカルRまたはR’またはその両方が、式(I)によって表される構造を有し、かつRはHである。
一実施形態において、カルボン酸スズ(II)は、Sn(OCR)、Sn(OCR)(OCR’)、またはその混合物を含み、かつラジカルRまたはR’またはその両方が、式(II)
Figure 2013522496
によって表される構造を有し、
式中、Rは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、およびヒドロキシル基で任意選択的に置換されている、炭素原子4〜6個を有する第1級、第2級、または第3級アルキル基であり;
は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、およびヒドロキシル基で任意選択的に置換されている、メチル、エチル、n−プロピル、s−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル基である。
一実施形態において、カルボン酸スズ(II)はSn(OCR)を含み、Rは、式(II)(Rはn−ブチルであり、Rはエチルである)によって表される構造を有する。
一実施形態において、本方法はさらに、少なくとも1種類の亜鉛(II)化合物および/または亜鉛金属を添加剤およびポリアリーレンスルフィドと合わせることを含む。一実施形態において、亜鉛(II)化合物はステアリン酸亜鉛を含み、添加剤はSn(OCR)を含み、Rは、式(II)
Figure 2013522496
(式中、Rはn−ブチルであり、Rはエチルである)
によって表される構造を有する。一実施形態において、亜鉛(II)化合物および/または亜鉛金属は、ポリアリーレンスルフィドの重量に対して約10重量%以下の濃度で存在する。
一実施形態において、ポリアリーレンスルフィドはポリフェニレンスルフィドである。一実施形態において、ポリアリーレンスルフィドの含水量は、約600ppm以下である。一実施形態において、適切な条件は、温度約280℃〜約310℃を含む。一実施形態において、繊維形成の連続性は、最初のダイ付着物の形成までの時間の低減によって改善される。一実施形態において、繊維形成の連続性は、ダイドリップまでの時間の低減によって改善される。
本発明は、ポリアリーレンスルフィド繊維の形成における改善に関する。改善された方法において、繊維は、ポリアリーレンスルフィドと、分枝状カルボン酸スズ(II)を含む少なくとも1種類のスズ添加剤と、を含むポリマー溶融物から形成される。かかる溶融物を使用すると、繊維形成連続性が、同一条件下で加工された添加剤不含ポリアリーレンスルフィドの繊維形成連続性と比較して向上する。
本発明は、ポリアリーレンスルフィドと、分枝状有機カルボン酸の少なくとも1種類のスズ(II)塩と、を含むポリマー溶融物から繊維を形成するための改善された方法に関する。かかる溶融物を使用すると、繊維形成連続性が、スズ添加剤を含有することなく、同一条件下で加工されたポリアリーレンスルフィド溶融物の繊維形成連続性と比較して向上する。
本発明の方法における工程の存在の提示または記述に関して不定冠詞「a」または「an」が使用される場合、提示または記述がその逆を示していない限り、かかる不定冠詞が方法における工程の存在を数字の1に限定しないことを理解されたい。
数値の範囲が本明細書に記載されている場合、別段の指定がない限り、その範囲はその終点、およびその範囲内のすべての整数および少数を包含することが意図される。本発明の範囲は、ある範囲を定義する場合に記載される特定の値に制限されることを意図しない。
以下の定義が本明細書で用いられ、特許請求の範囲および明細書の解釈のために参照される。
「PAS」という用語はポリアリーレンスルフィドを意味する。
「PPS」という用語はポリフェニレンスルフィドを意味する。
「天然の」という用語は、いずれの添加剤も含有しないポリマーを意味する。
「第2級炭素原子」という用語は、単結合で他の2つの炭素原子に結合されている炭素原子を意味する。
「第3級炭素原子」という用語は、単結合で他の3つの炭素原子に結合されている炭素原子を意味する。
本明細書で使用される「熱安定性」という用語は、酸素の非存在下で高温によって誘発されるPASポリマーの重量平均分子量の変化の程度を意味する。所定のPASポリマーの熱安定性が向上する場合には、ポリマーの重量平均分子量が時間の経過にしたがって変化する程度が減少する。一般に、酸素の非存在下では、分子量の変化は主に、一般にPASポリマーの分子量を減少する、鎖の切断によるものであるとみなされることが多い。
本明細書で使用される「熱酸化安定性」という用語は、酸素の存在下で高温によって誘発されるPASポリマーの重量平均分子量の変化の程度を意味する。所定のPASポリマーの熱酸化安定性が向上する場合には、ポリマーの重量平均分子量が時間の経過にしたがって変化する程度が減少する。一般に、酸素の存在下では、分子量の変化は、ポリマーの酸化と鎖の切断の組み合わせによるものであり得る。ポリマーの酸化は一般に、分子量を増加する架橋を生じ、鎖の切断は一般に分子量を低減し、酸素の存在下での高温でのポリマーの分子量の変化は、解釈するのが難しい。
「ダイ付着物」という用語は、ポリマーが押出されるオリフィス付近に時間が経つにつれて付着する、繊維形成などのポリマー押出し成形プロセスにおける不要な材料を意味する。
「ダイドリップ」という用語は、繊維形成などのポリマー押出し成形プロセスにおいてオリフィスを出てくる押出し成形ポリマーと物理的接触をするダイ付着物の不要な現象を意味する。
「℃」という用語は、摂氏温度を意味する。
「kg」という用語は、キログラムを意味する。
「g」という用語は、グラムを意味する。
「mg」という用語は、ミリグラムを意味する。
「mol」という用語は、モルを意味する。
「s」という用語は、秒を意味する。
「min」という用語は、分を意味する。
「hr」という用語は、時間を意味する。
「rpm」という用語は、毎分回転数を意味する。
「cc/rev」という用語は、立法センチメートル/回転を意味する。
「rad」という用語は、ラジアンを意味する。
「Pa」という用語は、パスカルを意味する。
「psi」という用語は、ポンド/平方インチを意味する。
「mL]という用語は、ミリリットルを意味する。
「ft」という用語は、フィートを意味する。
「ppm」という用語は、100万分の1を意味する。
本明細で使用される「重量パーセント」という用語は、別段の指定がない限り、組成物の全重量に対する組成物の成分の重量を意味する。重量パーセントは、「重量%」と省略される。
本発明は、ポリアリーレンスルフィドと、分枝状カルボン酸スズ(II)を含む少なくとも1種類のスズ添加剤と、を含むポリマー溶融物から繊維を形成する改善された方法を提供する。かかる溶融物の使用によって、スズ添加剤を含有しないが同一条件下で加工されたポリアリーレンスルフィド溶融物と比較して繊維形成連続性が向上する。繊維形成連続性の向上は、例えば、最初のダイ付着物が形成するまでの時間の減少によって、または繊維形成の開始と、ダイ付着物堆積から生じるダイドリップの発生との間の時間間隔の減少によって定量化することができる。繊維形成連続性が向上すると、プロセス稼動時間および効率の向上によって経済的な利点が得られる。
本発明は、フィルムブローイング、押出しコーティング、吹込み成形、ワイヤーおよびケーブルコーティング、カレンダー加工、射出成形、および射出吹込み成形などのポリアリーレンスルフィド押出し成形プロセスに、関連する改善も提供し、類似のダイ付着物は、分枝状カルボン酸スズ(II)を含む少なくとも1種類のスズ添加剤を含むポリアリーレンスルフィド溶融物を使用することによって低減され得る。
ポリアリーレンスルフィド(PAS)としては、アリーレンスルフィド単位を含む、直鎖状、分枝状または架橋ポリマーが挙げられる。ポリアリーレンスルフィドポリマーおよびその合成は当技術分野で公知であり、かかるポリマーは市販されている。ポリアリーレンスルフィド繊維は、優れた耐熱性抗、耐薬品性、および電気絶縁性が必要とされる様々な用途で有用である。
本発明において有用な例示的なポリアリーレンスルフィドとしては、式−[(Ar−X]−[(Ar−Y]−(Ar−Z]−[(Ar−W]−(式中、Ar、Ar、Ar、およびArは、同一または異なり、かつ炭素原子6〜18個のアリーレン単位であり;W、X、Y、およびZは同一または異なり、かつ−SO−、−S−、−SO−、−CO−、−O−、−COO−または炭素原子1〜6個のアルキレンまたはアルキリデン基から選択される二価結合性基であり、その結合性基の少なくとも1つが−S−であり;その総和が2以上であるという条件で、n、m、i、j、k、l、o、およびpが独立して、ゼロまたは1、2、3、または4である)の反復単位を含有するポリアリーレンチオエーテルが挙げられる。アリーレン単位Ar、Ar、Ar、およびArは、選択的に置換されてもよいし、または置換されなくてもよい。有利なアリーレンシステムは、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、アントラセンおよびフェナントレンである。ポリアリーレンスルフィドは一般に、アリーレンスルフィド(−S−)単位を少なくとも30モル%、特に少なくとも50モル%、さらに詳しくは少なくとも70モル%含有する。好ましくは、ポリアリーレンスルフィドポリマーは、2つの芳香族環に直接結合するスルフィド結合を少なくとも85モル%含有する。有利には、ポリアリーレンスルフィドポリマーが、フェニレンスルフィド構造−(C−S)−(nは1以上の整数である)をその構成要素として含有すると本明細書で定義されるポリフェニレンスルフィド(PPS)である。
主要構成要素として1種類のアリーレン基を有するポリアリーレンスルフィドポリマーが好ましくは使用される。しかしながら、加工性および耐熱性を考慮して、2種類以上のアリーレン基を含有するコポリマーも使用することができる。優れた加工性を有し、かつ工業的に容易に入手されることから、主要構成要素としてp−フェニレンスルフィド反復単位を含むPPS樹脂が特に好ましい。さらに、ポリアリーレンケトンスルフィド、ポリアリーレンケトンケトンスルフィド、ポリアリーレンスルフィドスルホン等も使用することができる。
可能性のあるコポリマーの具体的な例としては、p−フェニレンスルフィド反復単位およびm−フェニレンスルフィド反復単位を有するランダムまたはブロックコポリマー、フェニレンスルフィド反復単位およびアリーレンケトンスルフィド反復単位を有するランダムまたはブロックコポリマー、フェニレンスルフィド反復単位およびアリーレンケトンケトンスルフィド反復単位を有するランダムまたはブロックコポリマー、ならびにフェニレンスルフィド反復単位およびアリーレンスルホンスルフィド反復単位を有するランダムまたはブロックコポリマーが挙げられる。
ポリアリーレンスルフィドは任意選択的に、その望ましい特性に悪影響を及ぼさない他の成分を含んでもよい。更なる成分として使用することができる例示的な材料としては、限定されないが、抗菌剤、顔料、酸化防止剤、界面活性剤、ワックス、流動促進剤、微粒子、およびポリマーの加工性を高めるために添加される他の材料が挙げられる。従来の量でこれらのおよび他の添加剤を使用することができる。
上記のように、PPSは、ポリアリーレンスルフィドの一例である。PPSは、その高い耐薬品性、優れた機械的性質、および良好な熱的性質のために、フィルム、繊維、射出成形および複合材用途に広く使用されるエンジニアリング熱可塑性ポリマーである。しかしながら、空気の存在下および高温では、PPSの熱安定性および熱酸化安定性はかなり低下する。これらの条件下では、激しい劣化が起こり、PPS材料の脆化および強度の激しい低下が引き起こされる。高温および空気の存在下でのPPSの向上した熱安定性および酸化安定性が望まれる。少なくとも1種類の亜鉛(II)化合物または亜鉛金属と任意選択的に組み合わせて、本明細書に記載のスズ添加剤を使用する更なる利点は、これらの添加剤によりPPSの熱安定性および熱酸化安定性が向上することである。
一実施形態において、本方法は、ポリアリーレンスルフィドと、Sn(OCR)、Sn(OCR)(OCR’)、Sn(OCR)(OCR”)、およびその混合物(そのカルボキシレート部位OCRおよびOCRは独立して、分枝状カルボキシレートアニオンを表し、カルボキシレート部位OCR”は直鎖状カルボキシレートアニオンを表す)からなる群から選択される分枝状カルボン酸スズ(II)を含む少なくとも1種類のスズ添加剤と、を含むポリマー溶融物から少なくとも1種類の繊維を適切な条件下で形成することを含む。一実施形態において、分枝状カルボン酸スズ(II)はSn(OCR)、Sn(OCR)(OCR’)、またはその混合物を含む。一実施形態において、分枝状カルボン酸スズ(II)はSn(OCR)を含む。一実施形態において、分枝状カルボン酸スズ(II)はSn(OCR)(OCR’)を含む。一実施形態において、分枝状カルボン酸スズ(II)はSn(OCR)(OCR”)を含む。
任意選択的に、スズ添加剤はさらに、直鎖状カルボン酸スズ(II)Sn(OCR”)を含み得る。一般に、分枝状カルボキシレート部位[OCR+OCR’]の合計が、添加剤に含有されるカルボキシレート部位[OCR+OCR’+OCR”]全体に対して少なくとも約25モル%であるように、分枝状および直鎖状カルボン酸スズ(II)の相対量が選択される。分枝状カルボキシレート部位の合計が、スズ添加剤に含有されるカルボキシレート部位全体に対して少なくとも約33%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約66%、または少なくとも約75%、または少なくとも約90%であり得る。
一実施形態において、ラジカルRとR’のどちらも、炭素原子6〜30個を含み、どちらも少なくとも1つの第2級または第3級炭素を含有する。第2級または第3級炭素(1つまたは複数)は、カルボキシレート部位OCRおよびOCR’におけるいずれかの位置(1つまたは複数)、例えばカルボキシレート炭素に対してα位、カルボキシレート炭素に対してω位、およびいずれかの中間位置(1つまたは複数)に位置し得る。ラジカルRおよびR’は、置換されていなくてもよいし、または不活性基、例えばフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシレート基で任意選択的に置換されていてもよい。適切な有機RおよびR’基の例としては、脂肪族、芳香族、脂環式、酸素含有複素環式、窒素含有複素環式、および硫黄含有複素環式ラジカルが挙げられる。複素環式ラジカルは、環構造に炭素および酸素、窒素、または硫黄を含有し得る。
一実施形態において、ラジカルR”は、不活性基、例えばフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシレート基で任意選択的に置換されている、炭素原子6〜30個を含む第1級アルキル基である。一実施形態において、ラジカルR”は、炭素原子6〜20個を含む第1級アルキル基である。
一実施形態において、ラジカルRまたはR’は独立して、またはどちらも、式(I)
Figure 2013522496
によって表される構造を有し、
式中、R、R、およびRは独立して:
H;
フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換されている、炭素原子6〜18個を有する第1級、第2級、または第3級アルキル基;
アルキル、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換されている、炭素原子6〜18個を有する芳香族基;および
フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換されている、炭素原子6〜18個を有する脂環式基;であり、
ただし、RおよびRがHであるとき、Rは:
フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換されている、炭素原子6〜18個を有する第2級または第3級アルキル基;
炭素原子6〜18個を有し、かつ炭素原子6〜18個を有する第2級または第3級アルキル基で置換されている芳香族基であって、その芳香族基および/または第2級または第3級アルキル基が、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換されている、芳香族基;および
フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換されている、炭素原子6〜18個を有する脂環式基;である。
一実施形態において、ラジカルRまたはR’またはその両方が、式(I)によって表される構造を有し、RはHである。
他の実施形態において、ラジカルRまたはR’またはその両方が、式(II)
Figure 2013522496
によって表される構造を有し、
式中、Rは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、およびヒドロキシル基で任意選択的に置換されている、炭素原子4〜6個を有する第1級、第2級、または第3級アルキル基であり;
は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、およびヒドロキシル基で任意選択的に置換されている、メチル、エチル、n−プロピル、s−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル基である。
一実施形態において、ラジカルRおよびR’は同一であり、両方が式(II)(Rはn−ブチルであり、Rはエチルである)によって表される構造を有する。この実施形態では、本明細書でエチルヘキサン酸スズ(II)とも呼ばれる分枝状カルボン酸スズ(II)2−エチルヘキサン酸スズ(II)が説明される。
カルボン酸スズ(II)は、商業的に入手することも、スズ(II)カチオンの適切な供給源と所望のカルボキシレートに相当するカルボン酸から現場で生成することもできる。スズ添加剤は、熱酸化安定性および/または熱安定性を提供するのに十分な濃度でポリアリーレンスルフィド中に存在し得る。一実施形態において、スズ添加剤は、ポリアリーレンスルフィドの重量に対して約10重量%以下の濃度で存在し得る。例えば、スズ添加剤は、約0.01〜約5重量%、または例えば約0.25〜約2重量%の濃度で存在し得る。一般に、スズ添加剤の濃度は、マスターバッチ組成物中でそれより高くてもよく、例えば約5〜約10重量%、またはそれ以上であってもよい。スズ添加剤は、固形物、スラリー、または溶液として、溶融または固形ポリアリーレンスルフィドに添加され得る。
一実施形態において、ポリアリーレンスルフィド組成物はさらに、少なくとも1種類の亜鉛(II)化合物および/または亜鉛金属[Zn(0)]を含む。有機または無機対イオンがポリアリーレンスルフィド組成物の望ましい特性に悪影響を及ぼさない限り、亜鉛(II)化合物は有機化合物、例えばステアリン酸亜鉛、または硫酸亜鉛もしくは酸化亜鉛などの無機化合物であってもよい。亜鉛(II)化合物は、商業的に入手することも、現場で生成することもできる。亜鉛(II)イオンの供給源として、単独で、または少なくとも1種類の亜鉛(II)化合物と併せて、亜鉛金属を組成物中に使用することができる。一実施形態において、亜鉛(II)化合物は、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、およびその混合物からなる群から選択される。
亜鉛(II)化合物および/または亜鉛金属は、ポリアリーレンスルフィドの重量に対して、約10重量%以下の濃度にてポリアリーレンスルフィド中に存在し得る。例えば、亜鉛(II)化合物および/または亜鉛金属は、約0.01〜約5重量%、または例えば約0.25〜約2重量%の濃度で存在し得る。一般に、亜鉛(II)化合物および/または亜鉛金属の濃度は、マスターバッチ組成物中でそれより高くてもよく、例えば約5〜約10重量%、またはそれ以上であり得る。その少なくとも1種類の亜鉛(II)化合物および/または亜鉛金属は、固形物、スラリー、または溶液として溶融または固形ポリアリーレンスルフィドに添加され得る。
亜鉛(II)化合物および/または亜鉛金属は、添加剤と共に、または別々に、ポリアリーレンスルフィドに添加され得る。亜鉛およびスズ化合物は、溶融および押出し成形前に、ポリアリーレンスルフィドと乾燥混合物として予めブレンドされ得る。代替方法としては、マスターバッチ配合物中でスズおよびスズ化合物をポリアリーレンスルフィドと配合し、次いで乾燥固形物または溶融物として更なるポリアリーレンスルフィドで希釈してもよい。
ポリアリーレンスルフィド繊維を製造する方法はよく知られており、本明細書では詳細に説明しない。一般に、従来の紡織繊維紡糸方法および装置を使用して、任意選択的に当技術分野で公知の機械的延伸技術を用いて、繊維が製造される。ポリアリーレンスルフィドポリマーの溶融押出し成形および繊維形成の加工条件は当技術分野でよく知られており、用いることができる。
ポリアリーレンスルフィドと、少なくとも1種類のスズ添加剤と、任意選択的に上述の亜鉛(II)化合物または亜鉛金属とを含むポリマー溶融物から少なくとも1種類の繊維を形成するために、ポリマーは溶融押出し成形され、ポリマー分配システムに供給され、そこでポリマーは紡糸口金プレートに導入される。紡糸口金は、押出し物が所望の形状を有するように構成される。繊維を形成するのに適切な条件としては、約260℃〜約350℃の範囲、または例えば約280℃〜約310℃の範囲の温度が挙げられる。その下限は一般に、ポリアリーレンスルフィド組成物が、加工するのに十分に溶融される温度によって決定される。上限は一般に、ポリマー劣化の許容可能な程度によって決定される。
ダイを通しての押出し成形に続いて、取り囲む流動媒体中で冷却することによって固化される前、得られた細い流体ストランドまたはフィラメントは溶融状態のままであり、ストランドを通して空気ブローによって、または水などの液体の浴に浸すことによって冷却してもよい。固化すると、フィラメントは、ゴデットまたは他の巻取り面に巻き取られる。連続フィラメントプロセスにおいて、巻取りゴデッドの速度に比例して細い流体ストリームをドローダウンするゴデット上に、ストランドが巻き取られる。ジェットプロセスでは、ストランドは、例えばエアガンなどのジェットに集められ、ローラーまたは移動ベルトなどの巻取り面上にブローされ、スパンボンドウェブが形成される。メルトブロープロセスでは、紡糸口金の表面に空気が放出され、それらが冷却空気の経路において巻取り面に付着されるにしたがって、細い流体ストリームを同時にドローダウンし、冷却する役割を果たし、その結果、繊維ウェブが形成される。
用いられる溶融紡糸手順の種類に関わらず、細い流体ストリームは、溶融状態で、つまり凝固が起こる前に、メルトドローダウンされて、良好なテナシティが得られるようにポリマー分子が配向される。当技術分野で公知の一般的なメルトドローダウン比を用いることができる。連続フィラメントまたはステープルが用いられる場合には、例えば、異なる速度で作動する逐次的ゴデットなどの従来の延伸装置を使用して固形状態のストランドを延伸することが望ましい。
固形状態での延伸に続いて、連続フィラメントをけん縮してもかさ高加工してもよく、望ましい繊維長に切断し、それによってステープルファイバーが製造される。繊維は所望のとおりにそれより長くても短くてもよいが、ステープルファイバーの長さは、約25〜約50ミリメートルの範囲である。
繊維は、ステープルファイバー、連続フィラメント、またはメルトブロー繊維とすることができる。一般に、改善された方法に従って形成されたステープルおよびスパンボンド繊維は、繊度約0.5〜約100デニールを有し得る。メルトブローフィラメントは、繊度約0.001〜約10.0デニールを有し得る。繊維は、約20〜約10,000デニールの範囲の繊度を有し得るモノフィラメントとすることもできる。
かかる繊維を含むPPS繊維または不織布は、焼却炉またはバッグフィルターを有する石炭だきボイラーからの排気ガスの濾過においてと同様に、例えば高温で用いられる濾過媒体において有用である。
本発明は、以下の実施例でさらに定義される。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すと同時に、実例としてのみ示されていることを理解されたい。上記の説明およびこれらの実施例から、当業者であれば、本発明の本質的な特徴を理解し、その精神および範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更および修正を加えて、様々な用途および条件にそれを適応させることができる。
材料
以下の材料を実施例で使用した。別段の指定がない限り、受け取った状態のまま、すべての市販の材料を使用した。Fortron(登録商標)309ポリフェニレンスルフィドおよびFortron(登録商標)317ポリフェニレンスルフィドは、ペレットとしてTicona(Florence,KY)から入手された。2−エチルヘキサン酸スズ(II)(90%)および酸化亜鉛(99%)は、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手された。ステアリン酸スズ(II)(98%)は、Acros Organics(Morris Plains,NJ)から入手された。ステアリン酸亜鉛(99%)は、Honeywell Reidel−de Haen(Seelze,Germany)から入手された。
2−エチルヘキサン酸スズ(II)は、本明細書においてエチルヘキサン酸スズ(II)とも呼ばれる。
分析方法
カール・フィッシャー滴定法によって、Fortron(登録商標)PPS樹脂の含水量を決定した。
ダイ表面を高強度ランプによって照射しながら、ダイ付着物の観察を視覚的に行った。観察者は、繊維紡糸中、ダイから約1フィート離れて立ち、ダイ付着物について数分毎にダイ表面を目視検査した。所定の試料については、繊維紡糸全体にわたって同一人物によって、ダイ付着物の観察を行った。大部分の試料は、同一人物によって観察された。紡糸パックを所定の位置に位置付け、ポリマーがダイを通って流れ始める時からの経過時間として、最初のダイ付着物までの時間を測定した。一般に、最初のダイ付着物は、1、2、または3つの穴の上に形成されることが確認され、経過時間が長くなるにしたがって、ダイ表面の他の穴にさらにダイ付着物が形成することが確認された。その値の前に付けられた記号「〜(約)」を伴う、表1に示される「最初のダイ付着物までの時間」の値は、約+/−5分の誤差を有すると推定される。
比較例および実施例において、繊維は温度330℃で形成された。一般に、加工中に起こり得るポリマーの劣化を極力抑えるために、繊維形成には、それより低い温度が好ましい。ダイ付着物の形成、次いで起こるダイドリップを促進する方法として、試験条件をより厳しくするために、実験の実施にそれより高い温度が選択された。
表において、「Ex」は「実施例」を意味し、「Comp Ex」は「比較例」を意味し、「wt%」は「重量%」を意味し、「NA」は「該当なし」を意味する。
比較例A
この比較例は、添加剤を含有しない乾燥ポリフェニレンスルフィドを使用した結果を示す対照である。Fortron(登録商標)317およびFortron(登録商標)309樹脂はどちらも、100℃で真空下(揮発性物質を除去するための小さな窒素ブリードを有し、Hg15〜20インチ)にて一晩乾燥させ、含水量を500ppm未満まで減少させた。次いで、樹脂を乾燥Fortron(登録商標)317ペレット30重量部、乾燥Fortron(登録商標)309ペレット70重量部とプラスチック袋内で合わせ、約2分間振盪してブレンドを得た。一般に、ブレンドの総量は1〜10ポンドの範囲であった。
次いで、ポリマーブレンドを16mm PRISM二軸スクリュー押出で330℃にて溶融し、12個の穴からなる紡糸パックを通して押出し成形した。メルトポンプを0.58cc/回転に設定した。紡糸パックは、それぞれが直径14ミル、長さ対直径比4:1を有する12個のダイ穴を有する、50/325メッシュスクリーンパックからなった。
溶融ポリマーの流量を1g/分/穴に設定した。その実施中にダイの面を目視検査し、ダイ付着物の形成を決定した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
比較例B
この比較例は、添加剤を含有しない乾燥ポリフェニレンスルフィドを使用した結果を示す対照である。Fortron(登録商標)317およびFortron(登録商標)309樹脂を受け取った状態のまま、乾燥することなく使用したことを除いては、比較例Aに記載のように、ブレンドされたPPSを調製し、溶融し、押出し成形した。ブレンド樹脂の一般的な含水量は、約1200ppmであることが判明した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
比較例C
この比較例は、PPSの重量に対してステアリン酸亜鉛を1%含有するポリフェニレンスルフィド組成物を使用した結果を示す。ステアリン酸亜鉛1重量部をブレンドポリマー99重量部と合わせたことを除いては、比較例Bに記載のように、PPS組成物を調製し、溶融し、押出し成形した。供給物を準備するためのバッチサイズは1〜10ポンドであった。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
比較例D
この比較例は、ステアリン酸亜鉛を1重量%含有するポリフェニレンスルフィド組成物を使用した結果を示す。ステアリン酸亜鉛1重量部、「乾燥」ブレンドポリマー99重量部を除いては、比較例Aに記載のように、PPS組成物を調製し、溶融し、押出し成形した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
比較例E
この比較例は、ステアリン酸亜鉛を0.5重量%含有するポリフェニレンスルフィド組成物を使用した結果を示す。ステアリン酸亜鉛0.5重量部を「乾燥」ブレンドポリマー99.5重量部と合わせたことを除いては、比較例Aに記載のように、PPS組成物を調製し、溶融し、押出し成形した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
比較例F
この比較例は、ステアリン酸亜鉛を1重量%含有し、かつテアリン酸亜鉛とPPSのプレブレンド組成物を使用して調製されたポリフェニレンスルフィド組成物を使用した結果を示す。100℃にて小さな窒素ブリードを有する真空下で、Fortron(登録商標)317およびFortron(登録商標)309樹脂をどちらも一晩乾燥させ、含水量を500ppm未満に低減した。ステアリン酸亜鉛1重量%を含有するPPS組成物を押出し成形プロセスによって製造した。Fortron(登録商標)309PPS(70部)、Fortron(登録商標)317PPS(30部)、およびステアリン酸亜鉛(1部)をガラス広口瓶内で合わせて、手作業で混合し、Stonewareボトルローラー上に5分間置いた。続いて、Coperion 18mmかみ合い同時回転二軸スクリュー押出機を使用して、得られた混合物を溶融混合した。真空孔を用いて、揮発性物質を除去した。押出し条件は、滞留時間約1分および単一ストランドダイでのダイ圧力14〜15psiと共に、最高バレル温度300℃、最高溶融温度310℃、スクリュー回転数300rpmを含んだ。Conairチョッパーでペレット化する前に、6フィートの水道水槽内でストランドを凝固させ、100〜120ペレット/グラムのペレット数を得た。
次いで、ペレット化組成物を330℃にて16mm PRISM二軸スクリュー押出機で溶融し、12個の穴からなる紡糸パックを通して押出し成形した。溶融ポリマー流量を1g/分/穴に設定した。その実施中にダイの面を目視検査し、ダイ付着物の形成を決定した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
比較例G
この比較例は、ステアリン酸亜鉛を1重量%含有し、かつテアリン酸亜鉛とPPSのプレブレンド組成物を使用して調製されたポリフェニレンスルフィド組成物を使用した結果を示す。100℃にて小さな窒素ブリードを有する真空下で、Fortron(登録商標)317およびFortron(登録商標)309樹脂をどちらも一晩乾燥させ、含水量を500ppm未満に低減した。配合中に揮発性物質を除去するために真空をかけなかったことを除いては、ステアリン酸亜鉛とのPPSブレンドを比較例Fのように調製した。
次いで、ペレット化組成物を330℃にて16mm PRISM二軸スクリュー押出機で溶融し、12個の穴からなる紡糸パックを通して押出し成形した。溶融ポリマー流量を1g/分/穴に設定した。その実施中にダイの面を目視検査し、ダイ付着物の形成を決定した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
比較例H
この比較例は、ステアリン酸亜鉛を1重量%含有し、かつステアリン酸亜鉛を添加するマスターバッチ法を用いて調製されたポリフェニレンスルフィド組成物を使用した結果を示す。押出し成形プロセスによって、ステアリン酸亜鉛10重量%を含有するPPSマスターバッチを製造した。Fortron(登録商標)309PPS(90部)をCoperion 18mmかみ合い同時回転二軸スクリュー押出機に供給した。添加剤供給装置を使用して、ステアリン酸亜鉛10部を押出機に添加した。押出し成形の条件は、滞留時間約1分および単一ストランドダイでのダイ圧力14〜15psiと共に、最高バレル温度300℃、最高溶融温度310℃、スクリュー回転数300rpmを含んだ。Conairチョッパーでペレット化する前に、6フィートの水道水槽内でストランドを凝固させ、100〜120ペレット/グラムのペレット数を得た。
次いで、ステアリン酸亜鉛の10%マスターバッチを以下のようにステアリン酸亜鉛1%に希釈した:比較例Aと同様に、マスターバッチ組成物10部をFortron(登録商標)309 60部およびFortron(登録商標)317 30部と合わせ、PRISM押出機に供給した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
実施例1
この実施例は、PPSの重量に対してエチルヘキサン酸スズ(II)0.5重量%を含有するポリフェニレンスルフィド組成物を使用した結果を示す。ステアリン酸亜鉛の代わりに、エチルヘキサン酸スズ(II)0.5重量部を使用したことを除いては、比較例Fについて記載のように、PPS組成物を調製し、溶融し、押出し成形した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
実施例2
この実施例は、エチルヘキサン酸スズ(II)0.5重量%を含有するポリフェニレンスルフィド組成物を使用した結果を示す。エチルヘキサン酸スズ(II)0.5重量部をFortron(登録商標)309PPS(70部)およびFortron317(登録商標)PPS30部と合わせたことを除いては、比較例Cについて記載のように、PPS組成物を調製し、溶融し、押出し成形した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
実施例3
この実施例は、エチルヘキサン酸スズ(II)0.5重量%を含有するポリフェニレンスルフィド組成物を使用した結果を示す。エチルヘキサン酸スズ(II)0.5重量部をFortron(登録商標)309PPS(70部)およびFortron317(登録商標)PPS(30部)と合わせたことを除いては、比較例Dについて記載のように、PPS組成物を調製し、溶融し、押出し成形した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
実施例4
この実施例は、エチルヘキサン酸スズ(II)0.5重量%を含有するポリフェニレンスルフィド組成物を使用した結果を示す。受け取った状態のままのFortron(登録商標)309 35部を乾燥Fortron(登録商標)309 35部、受け取った状態のままのFortron(登録商標)317 15部、乾燥Fortron(登録商標)317 15部、および、エチルヘキサン酸スズ(II)0.5部と袋の中で合わせた。ポリマーブレンドの測定含水量は546ppmであった。次いで、ポリマーブレンドを16mm PRISM二軸スクリュー押出機で330℃にて溶融し、12個の穴からなる紡糸パックを通して押出し成形した。溶融ポリマー流量を1g/分/穴に設定した。その実施中にダイの面を目視検査し、ダイ付着物の形成を決定した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
実施例5
この実施例は、エチルヘキサン酸スズ(II)を含有するポリフェニレンスルフィド組成物を使用した結果を示す。受け取った状態のままのFortron(登録商標)309 7部を乾燥Fortron(登録商標)309 63部、受け取った状態のままのFortron(登録商標)317 3部、乾燥Fortron(登録商標)317 27部、およびエチルヘキサン酸スズ(II)0.5部と袋の中で合わせた。ポリマーブレンドの測定含水量は207ppmであった。次いで、ポリマーブレンドを16mm PRISM二軸スクリュー押出機で330℃にて溶融し、12個の穴からなる紡糸パックを通して押出し成形した。溶融ポリマー流量を1g/分/穴に設定した。その実施中にダイの面を目視検査し、ダイ付着物の形成を決定した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
実施例6
この実施例は、エチルヘキサン酸スズ(II)0.33重量%およびステアリン酸亜鉛0.66重量%を含有するポリフェニレンスルフィド組成物を使用した結果を示す。エチルヘキサン酸スズ(II)0.33部およびステアリン酸亜鉛0.66部をFortron(登録商標)309(70部)およびFortron317(登録商標)(30部)と袋内で合わせたことを除いては、比較例Aについて記載のように、PPS組成物を調製し、溶融し、押出し成形した。次いで、ポリマーブレンドを16mm PRISM二軸スクリュー押出機で330℃にて溶融し、12個の穴からなる紡糸パックを通して押出し成形した。溶融ポリマー流量を1g/分/穴に設定した。その実施中にダイの面を目視検査し、ダイ付着物の形成を決定した。最初のダイ付着物までの時間を表1に示す。
Figure 2013522496
この結果から、少なくとも1種類のポリフェニレンスルフィド繊維を形成するプロセスにおいてエチルヘキサン酸スズ(II)を含むPPS組成物を使用することによって、スズ添加剤を含有しないPPS組成物を使用する場合と比較して、最初のダイ付着物の形成までの時間が著しく増加することが示されている。ステアリン酸亜鉛をさらに含むエチルヘキサン酸スズ(II)含有PPS組成物を使用することによっても、最初のダイ付着物の形成までの時間が増加する。添加剤の有効性は、低い含水量、例えば約600ppm未満の水分を有するPPSを使用した場合に向上する。
本発明の特定の実施形態は、上述の明細書において説明されているが、本発明の本質的な特質の精神から逸脱することなく、本発明に多くの修正、置換、および再配列を加えることができることは、当業者によって理解されよう。本発明の範囲を示す場合には、上述の明細書ではなく、添付の特許請求の範囲を参照されたい。

Claims (15)

  1. ポリアリーレンスルフィドと、Sn(OCR)、Sn(OCR)(OCR’)、Sn(OCR)(OCR”)、およびその混合物からなる群から選択される分枝状カルボン酸スズ(II)を含む少なくとも1つのスズ添加剤と、を含むポリマー溶融物から少なくとも1つの繊維を形成する工程;を含む方法であって、カルボキシレート部分OCRおよびOCR’が独立して、分枝状カルボキシレートアニオンを表し、カルボキシレート部分OCR”が直鎖状カルボキシレートアニオンを表す、上記方法。
  2. スズ添加剤がさらに、直鎖状カルボン酸スズ(II)Sn(OCR”)を含み、かつR”が、炭素原子6〜30個を含む第1級アルキル基である、請求項1に記載の方法。
  3. カルボン酸スズ(II)が、Sn(OCR)、Sn(OCR)(OCR’)、またはその混合物を含み、かつ基RまたはR’が独立して、またはその両方が、式(I)
    Figure 2013522496
    によって表される構造を有し、
    式中、R、R、およびRは独立して:
    H;
    フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換される、炭素原子6〜18個を有する第1級、第2級、または第3級アルキル基;
    アルキル、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換される、炭素原子6〜18個を有する芳香族基;
    フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換される、炭素原子6〜18個を有する脂環式基;であり、
    ただし、RおよびRがHであるとき、Rは:
    フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換される、炭素原子6〜18個を有する第2級または第3級アルキル基;
    炭素原子6〜18個を有し、かつ炭素原子6〜18個を有する第2級または第3級アルキル基で置換される芳香族基であって、芳香族基および/または第2級もしくは第3級アルキル基が、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換される、芳香族基;および
    フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、ヒドロキシル、およびカルボキシル基で任意選択的に置換される、炭素原子6〜18個を有する脂環式基;である、請求項1に記載の方法。
  4. 基RまたはR’またはその両方が、式(I)によって表される構造を有し、かつRがHである、請求項1に記載の方法。
  5. カルボン酸スズ(II)が、Sn(OCR)、Sn(OCR)(OCR’)、またはその混合物を含み、かつ基RまたはR’またはその両方が、式(II)
    Figure 2013522496
    によって表される構造を有し、
    式中、Rは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、およびヒドロキシル基で任意選択的に置換される、炭素原子4〜6個を有する第1級、第2級、または第3級アルキル基であり;
    は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ニトロ、およびヒドロキシル基で任意選択的に置換される、メチル、エチル、n−プロピル、s−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、またはt−ブチル基である、請求項1に記載の方法。
  6. カルボン酸スズ(II)がSn(OCR)を含み、かつRが、式(II)(式中、Rはn−ブチルであり、Rはエチルである)によって表される構造を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 少なくとも1つの亜鉛(II)化合物および/または亜鉛金属を添加剤およびポリアリーレンスルフィドと組み合わせる工程;をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 亜鉛(II)化合物がステアリン酸亜鉛を含み、添加剤がSn(OCR)を含み、かつRが、式(II)
    Figure 2013522496
    (式中、Rはn−ブチルであり、Rはエチルである)
    によって表される構造を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 亜鉛(II)化合物および/または亜鉛金属が、ポリアリーレンスルフィドの質量に基づいて約10質量%以下の濃度で存在する、請求項7に記載の方法。
  10. ポリアリーレンスルフィドがポリフェニレンスルフィドである、請求項1に記載の方法。
  11. ポリアリーレンスルフィドの含水量が約600ppm以下である、請求項1に記載の方法。
  12. 適切な条件が、温度約280℃〜約310℃を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 繊維形成連続性が、最初のダイ付着物の形成までの時間の減少を通して改善される、請求項1に記載の方法。
  14. 繊維形成連続性が、ダイドリップまでの時間の減少を通して改善される、請求項1に記載の方法。
  15. 繊維形成連続性が、同一条件下で加工された未変性のポリアリーレンスルフィド溶融物と比較して改善される、請求項1に記載の方法。
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