JP2013521801A - タンパク質及びポリペプチドの産生 - Google Patents

タンパク質及びポリペプチドの産生 Download PDF

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Abstract

所望の非スピドロインタンパク質又はポリペプチドを生産する方法が、適切な宿主中で融合タンパク質を発現し、融合タンパク質を含む混合物得て、任意で融合タンパク質を単離することを含んでなる。融合タンパク質は、スパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片に由来する少なくとも一つの溶解性増強部分を含む。それは、所望の非スピドロインタンパク質又はポリペプチドである少なくとも一つの部分を更に含んでいる。各溶解性増強部分は、望まれるタンパク質又はポリペプチド部分へ直接又は間接的に結合している。

Description

発明の技術分野
本発明は、タンパク質及びポリペプチドの産生の分野に関連し、より具体的には、スパイダーシルクタンパク質(スピドロイン(spidroins))とその他、非スピドロインタンパク質及びポリペプチドの産生に関する。本発明は、スピドロインタンパク質/ポリペプチド又は非スピドロインタンパク質/ポリペプチドであり得る、望みのタンパク質を生産する方法を提供する。また、望みのタンパク質及びポリペプチドの産生のための新規融合タンパク質中間体、並びにこれらの中間体をコードするポリ核酸分子が提供される。
発明の背景
DNAからのタンパク質及びポリペプチドの産生は、様々な宿主で成しえることができるが、共通の問題は、不溶性のタンパク質/ポリペプチド凝集体の形成である。これは、機能性タンパク質/ポリペプチドの産生を大幅に妨げうるか又は阻み得る。この問題に対する一つの解決策は、必要な溶解性を提供するタンパク質またはポリペプチドとの融合タンパク質として、望みのタンパク質又はポリペプチドを発現させることである。本融合タンパク質は開裂され得、そして望みのタンパク質が単離され得る。
問題は、一般的に、低溶解性タンパク質又はポリペプチド、例えば膜に結合したタンパク質及びポリペプチドにより悪化される。例えば、肺サーファクタントタンパク質C(SP−C:表6)は、肺胞II型細胞により産生され、サーファクタント(surfactant)の構成物である膜貫通タンパク質であり、呼気終末で肺胞の崩壊を防ぐために必要である。新生児はしばしば不十分な量のサーファクタントに起因する呼吸困難に苦しむ。今日、この病気は、動物の肺から抽出されたサーファクタント製剤で治療される。SP−C−33はSPーCの変異体であって、膜貫通へリックスの残基(通常は主にバリン)がロイシンと置換される。SP−C−33は、膜への適切な挿入を含む、天然のSP−Cの機能を保持するが、凝集を起こしにくく、従って、合成のサーファクタント製剤の開発のために大量に生産するすることが可能である。SP−C−33はこれまでに、DNAから生産することが可能ではなく、今日化学合成により製造されている。
組換えDNAから発現される場合に困難をもたらすタンパク質とペプチドの他の例は、Aβ−ペプチド、IAPP、PrP、αシヌクレイン、カルシトニン、プロラクチン、シスタチン、ATF及びアクチン;SP−B、αディフェンシン及びβディフェンシン、クラスAHアポリポタンパク質;LL−37、SP−C、SP−C33Leu、Brichos、GFP、ニューロセルピン:EPOとGHを含むホルモン;及びIGF−I及びIGF−IIを含む成長因子;アビジン及びストレプトアビジン;及びプロテアーゼ3Cである。
本発明の目的は、タンパク質及びポリペプチド、特に、非スピドロインタンパク質及びポリペプチドの生産のための新しい手段と方法を提供することである。
本発明の目的はまた、水における溶解度が低い、タンパク質及びポリペプチド、特に、非スピドロインタンパク質及びポリペプチド、例えば、組換えDNAから生産された場合凝集しやすいタンパク質及びポリペプチド、膜タンパク質及びポリペプチド、及びアミロイド形成タンパク質及びポリペプチドの生産のための新しい手段と方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、タンパク質又はポリペプチド薬物及び薬物標的の生産について代替の手段と方法を提供することである。
本発明の目的は、ジスルフィドを含有するタンパク質及びポリペプチドの生産のための新しい手段と方法を提供することである。
本発明の目的はまた、アポリポタンパク質の生産のための新しい手段と方法を提供することである。
以下の明細書から明らかであろうこれら及び他の目的について、本発明は、第一の態様によれば、望みのタンパク質又はポリペプチドを生産する方法において有用である融合タンパク質を提供する。融合タンパク質はそのように有用であり得、又は開裂されて望みのタンパク質又はポリペプチドを単離形態で得ることができる。本発明の融合タンパク質は、(i)スパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)の断片に由来する少なくとも一つの溶解性増強部分;及び(ii)望まれるタンパク質又はポリペプチドである少なくとも一つの部分を含み、各々の溶解性増強部分は、望まれるタンパク質又はポリペプチドに直接又は間接的に結合している。
融合タンパク質の所定の実施態様において、各溶解性増強部分は配列番号6に少なくとも80%の同一性、又は配列番号8に少なくとも50%の同一性を有する。融合タンパク質の特定の実施態様において、各溶解性増強部分は100から160アミノ酸残基を含有する。
一実施態様において、融合タンパク質は、融合タンパク質が、スパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片から由来する単一の溶解性増強部分を含む場合、スパイダーシルクタンパク質又はポリペプチドは、非スピドロインタンパク質又はポリペプチドであるという条件に従う。
好ましい実施態様において、望まれるタンパク質又はポリペプチドは非スピドロインタンパク質又はポリペプチドである。幾つかの実施態様において、望まれるタンパク質又はポリペプチドは、配列番号6から10の何れかに30%未満の同一性を有する。
所定の実施態様において、融合タンパク質は、少なくとも二つの溶解性増強部分を含み、各々はスパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片に由来する。特定の実施態様において、融合タンパク質は、少なくとも二つの連続する溶解性増強部分を含み、各々はスパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片に由来する。
融合タンパク質の幾つかの実施態様において、少なくとも一つの溶解性増強部分が、少なくとも一つの望みのタンパク質又はポリペプチド部分のアミノ末端又はカルボキシ末端に直接的又は間接的に結合している。特定の実施態様において、少なくとも一つの溶解性増強部分は、融合タンパク質のアミノ末端及び/又はカルボキシ末端を構成する。
一実施態様において、融合タンパク質は、(iii)少なくとも一つの望まれるタンパク質又はポリペプチド部分と少なくとも一つの溶解性増強部分との間に配置される少なくとも一つの開裂部位を含む。
融合タンパク質の所定の実施態様において、望まれるタンパク質又はポリペプチドは、海綿動物、有櫛動物、クラゲ、サンゴ、イソギンチャク、扁形動物、ワムシ、回虫、紐形動物、二枚貝、巻貝、タコ、条虫類、甲殻類、昆虫類、コケムシ、腕足類、箒虫動物、ヒトデ、ウニ、ホヤ、ナメクジウオ、ヒトを含む脊椎動物、植物、真菌、酵母、細菌、古細菌又はウイルスに由来するか、又は人工的なタンパク質又はポリペプチドである。特定の実施態様において、望まれるタンパク質又はポリペプチドは、軟体動物、昆虫、ヒトを含む脊椎動物、植物、真菌、酵母、細菌、古細菌又はウイルスに由来するか、又は人工タンパク質又はポリペプチドである。更なる特定の実施態様において、望まれるタンパク質又はポリペプチドは、ヒトを含む脊椎動物、植物、真菌、酵母、細菌、古細菌又はウイルスに由来するか、又は人工タンパク質又はポリペプチドである。
融合タンパク質の幾つかの実施態様において、望まれるタンパク質又はポリペプチドは、アミロイド形成タンパク質及びポリペプチド、ジスルフィド含有タンパク質及びポリペプチド、アポリポタンパク質、膜タンパク質及びポリペプチド、タンパク質及びポリペプチド医薬品及び薬物標的、凝集しやすいタンパク質及びポリペプチド、及びプロテアーゼからなる群から選択される。融合タンパク質の特定の実施態様において、望まれるタンパク質又はポリペプチドは、Aβ−ペプチド、IAPP、PrP、αシヌクレイン、カルシトニン、プロラクチン、シスタチン、ATF及びアクチン;SP−B、αディフェンシン及びβディフェンシン、クラスAHアポリポタンパク質;LL−37、SP−C、SP−C33、SP−C33Leu、Brichos、GFP、ニューロセルピン:EPOとGHを含むホルモン;及びIGF−IおよびIGF−IIを含む成長因子;アビジン及びストレプトアビジン;及びプロテアーゼ3Cから成る群から選択される。
融合タンパク質の好ましい実施態様は、配列番号26、28、30、34、37、39、42、及び47、及びこれらのタンパク質の何れかに対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の同一性を有するタンパク質からなる群から選択される。
特定の態様によれば、望まれるタンパク質又はポリペプチドはスピドロインタンパク質又はポリペプチドである。好ましい望まれるスピドロインタンパク質は、スパイダーシルクタンパク質の反復断片由来の70から300アミノ酸残基の反復断片;及び断片がスパイダーシルクタンパク質のC末端断片に由来する70から120アミノ酸残基のC末端断片、及び任意でスパイダーシルクタンパク質のN末端に由来する100から160アミノ酸残基のN末端断片を包含している。
更に好ましい望まれるスピドロインタンパク質は、式REP−CT及び式NT−REP−CTにより定められるタンパク質の群から選択され、ここでNTは100から160アミノ酸残基を有するタンパク質断片であり、その断片はスパイダーシルクタンパク質に由来するN末端断片であり;REPは70から300アミノ酸残基を有するタンパク質断片であり、ここで前記断片は、L(AG)L、L(AG)AL、L(GA)L、L(GA)GLからなる群から選択され、ここでnは2から10の整数であり;各個々のAセグメントは8から18アミノ酸残基のアミノ酸配列であり、ここで0から3のアミノ酸残基はAlaではなく、残りのアミノ酸残基がAlaであり;各個々のGセグメントは12から30アミノ酸残基のアミノ酸配列であり、ここで少なくとも40%のアミノ酸残基がGlyであり;かつ各個々のLセグメントが0から20アミノ酸残基のリンカーアミノ酸残基であり;かつCTが70から120アミノ酸残基を有するタンパク質断片であり、その断片はスパイダーシルクタンパク質由来のC末端断片である。
その他の態様によれば、本発明は、本発明による融合タンパク質をコードする単離されたポリ核酸を提供する。単離されたポリ核酸の好ましい実施態様は、配列番号26、28、30、34、37、39、42及び47、及び、これらのタンパク質の何れかに対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の同一性を有するタンパク質からなる群;及び配列番号27、29、31、38、40、43及び48からなる核酸の群から選択される融合タンパク質をコードする核酸からなる群から選択される。
一態様によれば、本発明は、望まれるタンパク質又はポリペプチドの生産のための融合タンパク質中の溶解性増強部分として、スパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片に由来する少なくとも一つの部分の新規な使用を提供する。好ましい実施態様において、望まれるタンパク質又はポリペプチドは非スピドロインタンパク質又はポリペプチドである。一実施態様において、融合タンパク質が、スパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片から由来する単一の溶解性増強部分を含む場合、スパイダーシルクタンパク質又はポリペプチドは、非スピドロインタンパク質又はポリペプチドである、という条件に従う。特定の実施態様において、望まれるタンパク質又はポリペプチドはスピドロインタンパク質又はポリペプチドである。
その他の態様において、本発明は、以下の工程を含む融合タンパク質を生産する方法を提供する:a)本発明による融合タンパク質を適切な宿主で発現し;そしてb)融合タンパク質を含む混合物を得て、任意で融合タンパク質を単離する。
関連する態様によれば、本発明は、以下の工程を含む望みのタンパク質又はポリペプチドを生産する方法を提供する:a)本発明による融合タンパク質を適切な宿主で発現し;そしてb)融合タンパク質又はポリペプチドを含む混合物を得て、任意で融合タンパク質又はポリペプチドを単離する。所定の実施態様において、この方法は更に以下の工程を含む:c)融合タンパク質を開裂し望みのタンパク質又はポリペプチドを与え;そしてd)望みのタンパク質又はポリペプチドを単離し;ここで前記融合タンパク質は、(iii)少なくとも一つの望みのタンパク質又はポリペプチド部分と少なくとも一つの溶解性増強部分との間に配置された少なくとも一つの開裂部位を含んでいる。
これらの方法の所定の実施態様において、工程b)は、固定化NT部分を持つ親和性媒体上で、及び/又は陰イオン交換媒体上での融合タンパク質の精製を更に含む。特定の実施態様において、親和性媒体上での融合タンパク質の精製は、pH6.3以下で、固定化NT部分による親和性媒体への会合と、その後、望まれる解離媒体による親和性媒体からの解離により実施される。更なる特定の実施態様において、解離媒体はpHが6.4以上、pHが4.1以下を有し、及び/又は高いイオン強度を有する。幾つかの実施態様において、陰イオン交換媒体上での融合タンパク質の精製は、pH6.4以上で陰イオン交換媒体への会合と、その後、高いイオン強度を有する解離媒体による陰イオン交換媒体からの解離により実施される。これらの方法の幾つかの実施態様において、工程b)での融合タンパク質の精製は、カラムの中、官能面を持つ磁気ビーズ上、又は官能面を持つフィルター上で起きる。
図1は、スピドロインN末端ドメインの配列アラインメントを示す。 図2は、スピドロインC末端ドメインの配列アラインメントを示す。 図3は、融合タンパク質の電気泳動ゲルを示す。 図4は、融合タンパク質から得られたSP−C33Leuタンパク質の電気泳動ゲルを示す。 図5は、融合タンパク質から得られた、SP−C33Leuを含むサーファクタント懸濁液のインビトロでの表面活性を示す。 図6は、SP−C33Leu融合タンパク質の電気泳動ゲルを示す。 図7は、Brichos融合タンパク質の電気泳動ゲルを示す。 図8は、融合タンパク質から得られたGFP融合タンパク質及びGFPの電気泳動ゲルを示す。 図9は、融合タンパク質から得られたニューロセルピン融合タンパク質及びニューロセルピンの電気泳動ゲルを示す。
発明の詳細な記述
本発明は、タンパク質及びポリペプチドの産生、特に非スピドロインタンパク質タンパク質及びポリペプチドに関する。この生産の目的に依存して、最終産物は異なり得る。例えば、脂質膜に挿入されたタンパク質又はポリペプチド、溶液状態でのタンパク質又はポリペプチド、又は他の生物分子と会合したタンパク質又はポリペプチドを得ることが望ましい場合がある。また、望みのタンパク質又はポリペプチドを、融合タンパク質の一部として得ることも非常に望まれ得ることも実現されるべきであり、それは精製、検出のために適したハンドルを与え、及び/又は望まれる特性、例えば、安定性及び溶解性を提供し得る。
本発明は、一般に、組換えDNAから作られる融合タンパク質中の溶解性増強部分としてスパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)の断片の有用性の見識に基づいている。従って、本発明は、第一の態様に従い、(i)スパイダーシルクタンパク質のNT断片に由来する少なくとも一つの溶解性増強部分;(ii)望まれるタンパク質又はポリペプチドである少なくとも一つの部分を含む融合タンパク質を提供する。好ましい実施態様において、融合タンパク質は、(i)スパイダーシルクタンパク質のNT断片に由来する少なくとも一つの溶解性増強部分;及び(ii)望まれるタンパク質又はポリペプチドであり、任意で、本明細書に開示された他の好ましい特徴、例えば、溶解性増強部分と望まれるタンパク質又はポリペプチドとの間にリンカーペプチド及び/又は開裂部位を含む、少なくとも一つの部分から成る。実験においては、大腸菌において、異なる融合タンパク質の驚くほど高い収量が得られている。融合タンパク質は、単離された形態で、例えば、可溶形態において他では凝集したか又は溶解性が貧弱なタンパク質の研究、又はX線結晶学に関する結晶化などで有用であり得る。融合タンパク質はまた、望むタンパク質を遊離するために切断することができる。
用語「融合タンパク質」は、ここでは、組換え核酸、すなわち、通常は一緒に生じるであろう二つ以上の核酸を組み合わせることにより人工的に創られる、DNA又はRNAからの発現により作成されるタンパク質を意味する(遺伝子操作)。本発明による融合タンパク質は、組み合えタンパク質であり、従って、天然に生じるタンパク質に同一ではない。特に、野生型スピドロインは、上記に定めた組換え核酸から発現されないため、本発明による融合タンパク質ではない。結合された核酸配列は、特定の機能的特性を持つ異なるタンパク質、部分的なタンパク質又はポリペプチドをコードしている。得られる融合タンパク質、又は組換え融合タンパク質は、もとのタンパク質、部分的タンパク質又はポリペプチドの各々から由来した機能特性を持つ単一タンパク質である。
所定の実施態様において、本発明及び対応する遺伝子による融合タンパク質は、キメラであり、すなわち、タンパク質/遺伝子断片は、少なくとも2つの異なる種に由来する。溶解性増強部分は、スパイダーシルクタンパク質のN末端断片から由来する。この態様によれば、望まれるタンパク質又はポリペプチドは非スピドロインタンパク質である。このことは、望まれるタンパク質又はポリペプチドは、スパイダーシルクタンパク質のC末端断片、反復性断片、又はN末端断片からは由来しないことを意味する。
本発明による融合タンパク質はまた、一以上のリンカーペプチドを含む。リンカーペプチドは、溶解性増強部分と望まれるタンパク質又はポリペプチドとの間に配置され得るか、又は溶解性増強部分と望まれるタンパク質又はポリペプチドのどちらかの終端に配置され得る。融合タンパク質が2つ以上の溶解性増強部分を含有する場合、リンカーペプチドはまた2つの溶解性増強部分との間に配置され得る。リンカーは、融合タンパク質の機能単位の間にスペーサーを提供することができるが、融合タンパク質の同定及び精製のためのハンドル、例えばHis及び/又はTrxタグ、を構成し得る。融合タンパク質が、融合タンパク質の同定と精製のために2つ以上のリンカーペプチドを含む場合、それらはスペーサー配列、例えば、His−スペーサー−His−、などのスペーサー配列により隔てられているのが望まれる。リンカーはまた、シグナル認識粒子などのシグナルペプチドをも構成し得、それは融合タンパク質を膜へと導き、及び/又は宿主細胞から周囲の培地への融合タンパク質の分泌を引き起こす、融合タンパク質はまた、そのアミノ酸配列中に、リンカー及び/又は溶解性増強部分の切断及び除去を可能にする、開裂部位を含み得る。様々な開裂部位が、例えば、化学試薬、例えばCNBrによるMet残基の後ろの開裂部位、及びヒドロキシルアミンによるAsn−Gly残基間の開裂部位、トロンビン又はプロテアーゼ3Cなどのプロテアーゼの開裂部位、及びインテイン自己スプライシング配列などの自己スプライシング配列が、当業者に知られている。
各溶解性増強部分は、望まれるタンパク質又はポリペプチド部分へ直接又は間接的に結合している。直接的結合は、リンカーなどの、介在配列無しで、2つの部分の間の直接共有結合を意味する。間接的な結合はまた、2つの部分が共有結合で結合されているが、リンカー及び/又は一以上の更なる溶解性増強部分などの介在配列があることを意味する。
少なくとも一つの溶解性増強部分は、望まれるタンパク質又はポリペプチドのどちらかの終端で配置され得、すなわち、C末端に配置されるか又はN末端に配置される。少なくとも一つの溶解性増強部分は、望まれるタンパク質又はポリペプチドのN末端に配置されることが好まれる。仮に融合タンパク質が、融合タンパク質の同定と精製のために一つ以上のリンカー、例えばHis又はTrxタグを含む場合、融合タンパク質のN末端に配置されることが好まれる。少なくとも一つの溶解性増強部分はまた、望まれるタンパク質又はポリペプチドの中に、例えば、望まれるタンパク質のドメイン又は部分の間に組込まれ得る。好ましい実施態様において、少なくとも一つの溶解性増強部分は、融合タンパク質のN末端及び/又はC末端を構成し、すなわち、溶解性増強部分の末端にはリンカーペプチド又は他の配列が存在しない。本発明による典型的な融合タンパク質は、1から6,例えば1から4,例えば1から2の溶解性増強部分を含み得る。
好ましい実施態様において、融合タンパク質は、少なくとも二つの溶解性増強部分を含み、各々はスパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片に由来する。溶解性増強部分、好ましくは2つの溶解性増強部分は、望まれるタンパク質又はポリペプチドのどちらかの終端に連続的に配置され得、すなわち、C末端に配置されるか又はN末端に配置される。連続的に配置された溶解性増強部分はまた、望まれるタンパク質又はポリペプチドの中に、例えば、望まれるタンパク質のドメイン又は部分の間に組込まれ得る。溶解性増強部分はまた、望まれるタンパク質又はポリペプチドの各終端のどちらかに、非連続的に配置され得、すなわち、C末端及びN末端に配置されるか、又は望まれるタンパク質又はポリペプチドの一つの終端に配置され、望まれるタンパク質又はポリペプチドの中に組込まれ得る。典型的な好ましい融合タンパク質は、2から6,例えば2から4の溶解性増強部分を含み得る。
好ましい実施態様において、融合タンパク質は、少なくとも一つの望まれるタンパク質又はポリペプチド部分と少なくとも一つの溶解性増強部分との間に配置される少なくとも一つの開裂部位を有する。このことは、融合タンパク質の開裂と望まれるタンパク質の精製を可能にする。しかしながら、望みのタンパク質又はポリペプチドを、融合タンパク質の一部として得ることも非常に望まれ得ることも実現されるべきであり、それは精製、検出のために適したハンドルを与え、及び/又は望まれる特性、例えば、安定性及び溶解性を提供し得ることが特記される。この場合、開裂部位は省くことができ得るか、又は開裂部位は包含され得るが開裂工程は省略され得る。
好ましい融合タンパク質は、N末端に溶解性増強部分が配置された形態を有し、1から30アミノ酸残基、例えば1から10アミノ酸残基のリンカーペプチドによって、C末端に配置された望まれるタンパク質又はポリペプチドへ結合している。リンカーペプチドは開裂部位を含み得る。任意で、融合タンパク質はN末端又はC末端に、Hisタグ、及び開裂部位などの精製タグを含み得るリンカーペプチドを有する。
その他の好ましい融合タンパク質は、C末端に配置された望まれるタンパク質又はポリペプチドへ直接結合した溶解性増強部分をN末端に配置した形態を有する。任意で、融合タンパク質はN末端又はC末端に、Hisタグ、及び開裂部位などの精製タグを含み得るリンカーペプチドを有する。
一つの好ましい融合タンパク質は、N末端に溶解性増強部分が2つ連続して配置された形態を有し、1から30アミノ酸残基、例えば1から10アミノ酸残基のリンカーペプチドによって、C末端に配置された望まれるタンパク質又はポリペプチドへ結合している。リンカーペプチドは開裂部位を含み得る。任意で、融合タンパク質はN末端又はC末端に、Hisタグ、及び開裂部位などの精製タグを含み得るリンカーペプチドを有する。
その他の好ましい融合タンパク質は、C末端に配置された望まれるタンパク質又はポリペプチドへ直接結合した溶解性増強部分をN末端に2つ連続して配置した形態を有する。任意で、融合タンパク質はN末端又はC末端に、Hisタグ、及び開裂部位などの精製タグを含み得るリンカーペプチドを有する。
溶解性増強部分は、スパイダーシルクタンパク質又はスピドロインのNT断片から由来する。実施例は必然的に特定のNT断片、ユープロステノプス オーストラリス(Euprosthenops australis)由来の主要スピドロイン1(MaSp1)に由来したタンパク質に関連するが、ここに開示された方法はいかなる類似タンパク質部分にも適用されると考えられる。用語「スピドロイン」及び「スパイダーシルクタンパク質」は、記述を通して同義に用いられ、全ての既知のスパイダーシルクタンパク質を包含し、典型的には「MaSp」、ニワオニグモ(Araneus diadematus)の場合「ADF」と略される主要アンプル型スパイダーシルクタンパク質を含む。これらの主要アンプル型スパイダーシルクタンパク質は一般に1と2の2つのタイプがある。これらの用語は更に、添付の特許請求の範囲と項目別の実施態様で定義されるように、本発明による新しいNTタンパク質断片、及び既知のスパイダーシルクNTタンパク質断片に高度な同一性及び/又は類似性を持つ他の非天然タンパク質を含む。
溶解性増強部分は、スパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)アミノ酸配列に高度な類似性を有する。図1に示されるように、このアミノ酸配列はMaSp1及びMaSp2を含む、様々な種及びスパイダーシルクタンパク質のあいだで良く保存されている。図1において、以下のスピドロインNT断片がアラインされ、必要に応じGenBankの受託エントリーで表示されている。
N末端ドメインに対応する部分のみが、シグナルペプチドを除いて、各配列について示されている。NcフラッグとNlmフラッグが、Rising A. et al. Biomacromolecules 7, 3120-3124 (2006)に従って翻訳され編集された。
溶解性増強部分が完全には欠失していない限り、本発明による融合タンパク質において、どの溶解性増強部分が存在するかは重大ではない。従って、本発明による溶解性増強部分は、図1に示されたアミノ酸配列又は高度な類似性を持つ配列の何れかから選択することができる。様々な溶解性増強部分が、本発明による融合タンパク質に使用することができる。図1の相同配列に基づいて、以下の配列が、コンセンサス溶解性増強アミノ酸配列を構成する:QANTPWSSPNLADAFINSF(M/L)SA(A/I)SSSGAFSADQLDDMSTIG(D/N/Q)TLMSAMD(N/S/K)MGRSG(K/R)STKSKLQALNMAFASSMAEIAAAESGG(G/Q)SVGVKTNAISDALSSAFYQTTGSVNPQFV(N/S)EIRSLI(G/N)M(F/L)(A/S)QASANEV(配列番号8)。
本発明による溶解性増強部分の配列は、図1のアミノ酸配列に基づき、コンセンサスアミノ酸配列の配列番号8に対して少なくとも50%同一性、好ましくは少なくとも60%同一性を有する。好ましい実施態様において、本発明による溶解性増強部分の配列は、コンセンサスアミノ酸配列の配列番号8に対して、少なくとも65%同一性、好ましくは少なくとも70%同一性を有する。好ましい実施態様において、本発明による溶解性増強部分は、コンセンサスアミノ酸配列の配列番号8に対して、更に70%、好ましくは80%の類似性を有する。
本発明による代表的な溶解性増強部分は、ユープロステノプス オーストラリス(Euprosthenops australis)配列の配列番号6である。本発明の好ましい実施態様によれば、溶解性増強部分は、配列番号6又は図1の個々の何れかのアミノ酸配列に対して、少なくとも80%同一性を有する。本発明の好ましい実施態様にて、溶解性増強部分は、配列番号6又は図1の個々の何れかのアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、例えば少なくとも95%の同一性を有する。本発明の好ましい実施態様において、溶解性増強部分は配列番号6又は図1の個々の何れかのアミノ酸配列に対して、特にEa MaSp1に対して同一である。
用語「%同一性」は、本明細書と添付された特許請求の範囲の全体を通して使用されるように、以下のように計算される。クエリ配列は、CLUSTAL Wアルゴリズムを使用して、標的配列にアラインされる(Thompson, J.D., Higgins, D.G. and Gibson, T.J., Nucleic Acids Research, 22: 4673-4680 (1994))。比較は、整列された配列の最短に対応するウィンドウを介して行われる。各位置でアミノ酸配列が比較され、標的配列において同一対応を有するクエリ配列における位置の割合いが、%同一性として報告される。
「%類似性」は、本明細書と添付された特許請求の範囲の全体を通して使用されるように、疎水性残基のAla、Val、Phe、Pro、Leu、Ile、Trp、Met及びCysは類似し;塩基残基のLys、Arg及びHisは類似し、;酸性残基のGluとAspは類似し;親水性残基、無電荷残基のGln、Asn、Ser、Thr及びTyrは類似していることを例外として、「%同一性」について説明されるように計算される。残りの天然アミノ酸のGlyはこの文脈中の他の何れのアミノ酸に対して似ていない。
この説明全体を通して、本発明による他の代わりの実施態様は、明記された同一性の割合の代わりに、対応する類似の割合を実行する。別の代わりの実施態様は、明記された同一性の割合並びに、各配列について好ましい同一性の割合の群から選択された、その他のより高い割合の類似性を実行する。例えば、配列はその他の配列に70%類似している可能性があり;又はそれはその他の配列に70%同一であり得;又はそれはその他の配列に70%同一で90%類似であり得る。
溶解性増強部分は100から160アミノ酸残基を含む。溶解性増強部分は、少なくとも100,又は110を上回る、好ましくは120を上回るアミノ酸残基を含むことが望まれる。また、溶解性増強部分は、多くても160、又は140未満のアミノ酸残基を含むことが望まれる。典型的な溶解性増強部分は約130から140アミノ酸残基を含む。
本発明の所定の実施態様において、望まれるタンパク質又はポリペプチドはスピドロインタンパク質又はポリペプチドである。本発明の望まれるスピドロインタンパク質又はポリペプチドの配列は、ここで開示されたスピドロインアミノ酸配列の何れかに対して、少なくとも50%の同一性、例えば少なくとも60%同一性、好ましくは少なくとも70%の同一性を有する。好ましい実施態様において、本発明の望まれるスピドロインタンパク質又はポリペプチドの配列は、ここで開示されたスピドロインアミノ酸配列の何れかに対して、少なくとも80%同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性を有する。
好ましい実施態様において、望まれるスピドロインタンパク質は、スパイダーシルクタンパク質の反復断片由来の70から300アミノ酸残基の反復断片;及び断片がスパイダーシルクタンパク質のC末端断片に由来する70から120アミノ酸残基のC末端断片を包含している。任意で、望まれるスピドロインタンパク質は、スパイダーシルクタンパク質のN末端断片由来の100から160アミノ酸残基のN末端断片を包含している。望まれるスピドロインタンパク質は、170から600アミノ酸残基、好ましくは280から600アミノ酸残基、例えば300から400アミノ酸残基、より好ましくは340から380アミノ酸残基からなる。長いスパイダーシルクタンパク質が、可溶化及び重合のための過酷な溶剤の使用を必要とする非晶質の凝集体を形成する傾向があるので、小さいサイズが有利である。タンパク質断片は、典型的んはペプチド結合により共有結合される。
特定の好ましい実施態様において、望まれるスピドロインタンパク質は、式NT−REP−CT(又はNT−NT−REP−CT)、NT−REP−CT及びREP−CTで定義されるタンパク質の群から選択される。
NT断片は、スパイダーシルクタンパク質のN末端アミノ酸配列に高度な類似性を有する。図1に示されるように、このアミノ酸配列はMaSp1及びMaSp2を含む、様々な種及びスパイダーシルクタンパク質のあいだで良く保存されており、図1もまた参照。
本発明による望まれるスピドロインタンパク質において、どの特定のNT断片が存在しているかは重大ではない。従って、本発明によるNT断片は、図1に示されたアミノ酸配列又は高度な類似性を持つ配列の何れかから選択することができる。様々なN末端配列が、本発明による所望のスピドロインタンパク質に使用することができる。図1の相同配列に基づいて、以下の配列が、コンセンサスNTアミノ酸配列を構成する:QANTPWSSPNLADAFINSF(M/L)SA(A/I)SSSGAFSADQLDDMSTIG(D/N/Q)TLMSAMD(N/S/K)MGRSG(K/R)STKSKLQALNMAFASSMAEIAAAESGG(G/Q)SVGVKTNAISDALSSAFYQTTGSVNPQFV(N/S)EIRSLI(G/N)M(F/L)(A/S)QASANEV(配列番号8)。
好ましい実施態様において、本発明によるNT断片の配列は、図1のアミノ酸配列に基づいて、コンセンサスアミノ酸配列の配列番号8に対して、少なくとも50%同一性、好ましくは少なくとも60%同一性を有する。好ましい実施態様において、本発明による溶解性増強部分の配列は、コンセンサスアミノ酸配列の配列番号8に対して、少なくとも65%同一性、好ましくは少なくとも70%同一性を有する。好ましい実施態様において、本発明によるNT断片は、コンセンサスアミノ酸配列の配列番号8に対して、更に70%、好ましくは80%の類似性を有する。
本発明による代表的なNT断片は、ユープロステノプス オーストラリス(Euprosthenops australis)配列の配列番号6である。本発明の好ましい実施態様によれば、NT断片は、配列番号6又は図1の個々の何れかのアミノ酸配列に対して、少なくとも80%の同一性を有する。本発明の好ましい実施態様において、NT断片は、配列番号6又は図1の個々の何れかのアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、例えば少なくとも95%の同一性を有する。本発明の好ましい実施態様において、NT断片は配列番号6又は図1の個々の何れかのアミノ酸配列に対して、特にEa MaSp1に対して同一である。
NT断片は100から160アミノ酸残基を含む。NT断片は、少なくとも100,又は110を上回る、好ましくは120を上回るアミノ酸残基を含むことが望まれる。また、NT断片は、多くても160、又は140未満のアミノ酸残基を含むことが望まれる。典型的なNT断片は約130から140アミノ酸残基を含む。
REP断片は、アラニンリッチストレッチとグリシンリッチストレッチを交互に反復特性を有する。REP断片は、一般に、70を上回る、例えば140を上回り、かつ300未満、好ましくは240未満、例えば200のアミノ酸残基を含み、下記により詳細に説明されるように、それ自身を幾つかのL(リンカー)セグメント、A(アラニンリッチ)セグメント及びG(グリシンリッチ)セグメントに分割することができる。典型的には、前記リンカーは任意であって、REP断片末端に位置しており、一方残りのセグメントは順にアラニンリッチ及びグリシンリッチである。従って、REP断片は一般的に以下の構造のどちらかを有することができ、ここでnは整数である。
L(AG)L、例えばLAL;
L(AG)AL、例えばLAL;
L(GA)L、例えばLGL;又は
L(GA)GL、例えばLGL.
当然、アラニンリッチセグメント又はグリシンリッチセグメントは、N-末端またはC-末端のリンカーセグメントに隣接しているかどうかは重要ではないということになる。nは2から10の整数、好ましくは2から8、同様に好ましくは4から8、より好まれるのは4から6であり、すなわちn=4、n=5、又はn=6である。
好ましい実施態様では、本発明によるREP断片のアラニン含有量は、20%を超え、好ましくは25%を超え、より好ましくは30%を超え、かつ50%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは35%未満である。アラニンの高い含有量は、硬く、及び/又は強力な、及び/又はより少ない伸展性繊維を提供することが想定されるので、このことは有利である。
所定の実施態様において、REPの断片はプロリン残基を欠いており、すなわち、REP断片にはPro残基は無い。
次に、本発明によるREP断片を構成するセグメントに目を向けると、各々のセグメントは個別であり、すなわち、特定のREP断片の任意の2つのAセグメント、任意の2つのGセグメント、又は任意の2つのLセグメントは同一であるか又は同一でない場合がある。従って、セグメントの各タイプが特定のREP断片内で同一であることは、本発明の一般的特徴ではない。むしろ、以下の開示は、どのように個々のセグメントを設計し、それらを、本発明による機能性スパイダーシルクタンパク質の一部であるREP断片に集めるかについて、当業者にガイドラインを提供している。
各個々のA断片は、8から18アミノ酸残基を有するアミノ酸配列である。個々のAセグメントは13から15アミノ酸残基を含有することが好ましい。また、Aセグメントの大半、又は2つ以上が、13から15個のアミノ酸残基を含有し、そしてAセグメントの少数、例えば1つ又は2つが、8から18アミノ酸残基、例えば8から12、又は16から18アミノ酸残基を含有することが可能である。これらのアミノ酸残基の大部分はアラニン残基である。より具体的には、アミノ酸残基の0から3はアラニン残基ではなく、残りのアミノ酸残基がアラニン残基である。従って、各個別のAセグメントの全てのアミノ酸残基は、例外なく、又は1つ、2つ又は3つのアミノ酸残基が任意のアミノ酸であって良い例外を除き、アラニン残基である。アラニン置換アミノ酸は天然のアミノ酸であり、好ましくは、セリン、グルタミン酸、システイン、及びグリシン、より好ましくはセリンから個別に選択される。もちろん、一以上のAセグメントが全てアラニンセグメントであり、一方、残りのAセグメントが1から3の非アラニン残基、例えばセリン、グルタミン酸、システイン又はグリシンなどを含有することは可能である。
好ましい実施態様において、各Aセグメントは、上に開示されたように10から15のアラニン残基、及び0から3の非アラニン残基を含む、13から15のアミノ酸残基を含む。より好ましい実施態様において、各Aセグメントは、上に開示されたように12から15のアラニン残基、及び0から1の非アラニン残基を含む、13から15のアミノ酸残基を含む。
各個々のAセグメントは、配列番号10のアミノ酸残基7−19、43−56、71−83、107−120、135−147、171−183、198−211、235−248、266−279、294−306、330−342、357−370、394−406、421−434、458−470、489−502、517−529、553−566、581−594、618−630、648−661、676−688、712−725、740−752、776−789、804−816、840−853、868−880、904−917、932−945、969−981、999−1013、1028−1042及び1060−1073の群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは95%、最も好ましくは100%の同一性を有する。この群の各配列は、ユープロステノプス オーストラリス(Euprosthenops australis)MaSp1タンパク質の天然に生じる配列のセグメントに対応し、これは対応するcDNAのクローニングから推定される。国際公開第2007/078239号を参照。あるいは、各個々のAセグメントは、配列番号3のアミノ酸残基143−152、174−186、204−218、233−247及び265−278の群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは95%、最も好ましくは100%の同一性を有する。この群の各配列は、本発明による、発現された、非天然スパイダーシルクタンパク質のセグメントに対応し、そのタンパク質は適切な条件下でシルク繊維を形成する能力を有する。従って、本発明による所定の実施態様において、各個々のAセグメントは、上述のアミノ酸セグメントから選択されたアミノ酸配列に対して同一である。いかなる特定の理論に束縛されることを望むことなく、本発明によるAセグメントは、らせん構造又はβシートを形成することが想定される。
更に、実験データから、各個々のGセグメントは12から30アミノ酸残基のアミノ酸配列であることが結論付けられている。個々のGセグメントは14から23アミノ酸残基から成ることが好ましい。各Gセグメントの少なくとも40%のアミノ酸残基はグリシン残基である。典型的には、各個々のGセグメントのグリシン含量は、40から60%の範囲にある。
各個々のGセグメントは、配列番号10のアミノ酸残基20−42、57−70、84106、121−134、148−170、184−197、212−234、249−265、280−293、307−329、343−356、371−393、407−420、435−457、471−488、503−516、530−552、567−580、595−617、631−647、662−675、689−711、726−739、753−775、790−803、817−839、854−867、881−903、918−931、946−968、982−998、1014−1027、1043−1059及び1074−1092の群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは95%、最も好ましくは100%の同一性を有する。この群の各配列は、ユープロステノプス オーストラリス(Euprosthenops australis)MaSp1タンパク質の天然に生じる配列のセグメントに対応し、これは対応するcDNAのクローニングから推定される。国際公開第2007/078239号を参照。あるいは、各個々のGセグメントは、配列番号3のアミノ酸残基153−173、187−203、219−232、248−264及び279−296の群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは95%、最も好ましくは100%の同一性を有する。この群の各配列は、本発明による、発現された、非天然スパイダーシルクタンパク質のセグメントに対応し、そのタンパク質は適切な条件下でシルク繊維を形成する能力を有する。従って、本発明による所定の実施態様において、各個々のGセグメントは、上述のアミノ酸セグメントから選択されたアミノ酸配列に対して同一である。
所定の実施態様において、本発明による各Gセグメントのアミノ酸残基は、−Gln−Gln−ではない。
本発明によれば、Gセグメント3つのサブタイプがある。この分類は、ユープロステノプス オーストラリス(Euprosthenops australis)MaSp1タンパク質配列(国際公開第2007/078239号)の注意深い解析に基づいており、その情報は、新規な非天然スパイダーシルクタンパク質の構築において用いられ検証されている。
本発明によるGセグメントの第一のサブタイプは、アミノ酸の一文字コンセンサス配列GQG(G/S)QGG(Q/Y)GG(L/Q)GQGGYGQGAGSS(配列番号11)により表わされる。この第一の、そして一般的に最長のGセグメントサブタイプは、典型的には、23アミノ酸残基を含むが、わずか17アミノ酸残基しか含まない場合もあり、荷電残基を欠損するか又は一つの荷電残基を含む。従って、この第一のGセグメントサブタイプは、17から23アミノ酸残基を含むことが望まれるが、わずか12又は30ものアミノ酸残基を含み得ることが意図されている。いかなる特定の理論に束縛されることを望むことなく、このサブタイプは、コイル構造又は3−ヘリックス構造を形成することが想定される。この第一のサブタイプの代表的なGセグメントは、アミノ酸配列10のアミノ酸残基20−42、84−106、148−170、212−234、307−329、371−393、435−457、530−552、595−617、689−711、753−775、817−839、881−903、946−968、1043−1059及び1074−1092である。所定の実施態様において、本発明によるこの第一のサブタイプの各Gセグメントの最初の2つのアミノ酸残基は、−Gln−Gln−ではない。
本発明によるGセグメントの第ニのサブタイプは、アミノ酸の一文字コンセンサス配列GQGGQGQG(G/R)YGQG(A/S)G(S/G)S(配列番号12)により表わされる。この第二の、一般には中規模の、Gセグメントサブタイプは、典型的には17アミノ酸残基を含み、荷電残基を欠損するか又は一つの荷電残基を含む。この第二のGセグメントサブタイプは、14から20アミノ酸残基を含むことが望まれるが、わずか12又は30ものアミノ酸残基を含み得ることが意図されている。いかなる特定の理論に束縛されることを望むことなく、このサブタイプは、コイル構造を形成することが想定される。この第二のサブタイプはの代表的なGセグメントは、配列番号10のアミノ酸残基249−265、471−488、631−647及び982−998、及び配列番号3のアミノ酸残基187−203である。
本発明によるGセグメントの第三のサブタイプは、アミノ酸の一文字コンセンサス配列G(R/Q)GQG(G/R)YGQG(A/S/V)GGN(配列番号13)により表わされる。この第三のGセグメントサブタイプは、典型的には14アミノ酸残基を含み、一般的には本発明によるGセグメントサブタイプの最短である。この第三のGセグメントサブタイプは、12から17アミノ酸残基を含むことが望まれるが、23ものアミノ酸残基を含み得ることが意図されている。いかなる特定の理論に束縛されることを望むことなく、このサブタイプは、ターン構造を形成することが想定される。この第三のサブタイプの代表的なGセグメントは、アミノ酸配列10のアミノ酸残基57−70、121−134、184−197、280−293、343−356、407−420、503−516、567−580、662−675、726−739、790−803、854−867、918−931、1014−1027;及び配列番号3のアミノ酸残基219−232である。
従って、好ましい実施態様において、各個々のGセグメントは、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13から選択されたアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは90%、より好ましくは95%の同一性を有する。
REP断片のAセグメントとGセグメントの交互配列の好ましい実施態様において、全ての第二のGセグメントは第一のサブタイプであり、一方残りのGセグメントは第三のサブタイプ、例えば、...A短い長い短い長い短い...である。REP断片のその他の好ましい実施態様において、第二のサブタイプの一つのGセグメントが、挿入、例えば...A短い長い中間短い長い...を介して規則的にGセグメントを中断する。
各個々のLセグメントは、任意のリンカーアミノ酸配列を表わし、0から20アミノ酸残基、例えば0から10アミノ酸残基を包含しうる。このセグメントは任意であって、スパイダーシルクタンパク質にとって機能的に重要ではないが、その存在は完全に機能的なスパイダーシルクタンパク質をさらに可能とし、本発明によるスパイダーシルク繊維を形成する。また、ユープロステノプス オーストラリス(Euprosthenops australis)由来のMaSp1タンパク質の推定アミノ酸配列の反復部分(配列番号10)に存在するリンカーアミノ酸配列もある。特に、リンカーセグメントのアミノ酸配列は、記載されたAセグメント又はGセグメントの何れかに似ている可能性があるが、一般的には、本明細書で定義されるような基準を満たすには十分でない。
国際公開第2007/078239号に示されるように、REP断片のC末端部分に配置されたリンカーセグメントは、アミノ酸の1文字コンセンサス配列ASASAAASAA STVANSVS及びASAASAAAにより表わされ、それらはアラニンに富んでいる。実は、第二の配列は本発明によるAセグメントであると考えることができ、一方、第一の配列は本発明によるAセグメントに高度な類似性を有する。本発明によるリンカーセグメントのその他の例では、1文字アミノ酸配列GSAMGQGSを有し、グリシンに富み、本発明によるGセグメントに高度な類似性を有する。リンカーセグメントのその他の例はSASAGである。
代表的なLセグメントは、配列番号10のアミノ酸残基1−6及び1093−1110;配列番号3のアミノ酸残基138−142であるが、当業者は、これらのセグメントについて多くの適切な代替アミノ酸配列があることを容易に認識するであろう。本発明によるREP断片の一実施態様において、Lセグメントの一つは0アミノ酸を含む、すなわちLセグメントの一つを欠いている。本発明によるREP断片のその他の実施態様において、両方のLセグメントが0アミノ酸を含む、すなわち両方のLセグメントの一つを欠いている。従って、本発明によるREP断片のこれらの実施態様は、以下のように模式的に表わすことができる;(AG)L、(AG)AL、(GA)L、(GA)GL;L(AG)、L(AG)A、L(GA)、L(GA)G;及び(AG)、(AG)A、(GA)、(GA)G。任意のこれらのREP断片は、以下に定められるように、任意のCT断片との使用に適している。
望まれるスピドロインタンパク質のCT断片は、スパイダーシルクタンパク質のC末端アミノ酸配列に高度な類似性を有する。国際公開第2007/078239号に示されるように、このアミノ酸配列はMaSp1及びMaSp2を含む、様々な種及びスパイダーシルクタンパク質のあいだで良く保存されている。MaSp1及びMaSp2のC末端領域のコンセンサス配列は、配列番号9として提供される。図2において、以下のMaSpタンパク質がアラインされ、必要に応じGenBankの受託エントリーで表示されている。
本発明によるスパイダーシルクタンパク質において、どの特定のCT断片が、もしあれば、存在しているかは重大ではない。従って、本発明によるCT断片は、図2及び表2に示されたアミノ酸配列又は高度な類似性を持つ配列の何れかから選択することができる。様々なC末端配列が、本発明によるスパイダーシルクタンパク質に使用することができる。
本発明によるCT断片の配列は、図2のアミノ酸配列に基づいて、コンセンサスアミノ酸配列の配列番号9に対して、少なくとも50%同一性、好ましくは少なくとも60%同一性、より好ましくは少なくとも65%の同一性、又は実に少なくとも70%の同一性を有する。
本発明による代表的なCT断片は、ユープロステノプス オーストラリス(Euprosthenops australis)配列の配列番号yである。従って、本発明による好ましい態様によれば、CT断片は、配列番号7又は図2及び表2の個々の何れかのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、例えば少なくとも95%の同一性を有する。本発明の好ましい実施態様において、CT断片は配列番号7又は図2及び表2の個々の何れかのアミノ酸配列に対して同一である。
CT断片は70から120アミノ酸残基からなる。CT断片は、少なくとも70,又は80を上回る、好ましくは90を上回るアミノ酸残基を含むことが望まれる。また、CT断片は、多くても120、又は110未満のアミノ酸残基を含むことが望まれる。典型的なCT断片は約100アミノ酸残基を含む。
その他の態様によれば、本発明による望まれるタンパク質又はポリペプチドは、融合タンパク質が、スパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片に由来する、単一溶解性増強部分を含む場合、非スピドロインタンパク質又はポリペプチドである。好ましい実施態様において、望まれるタンパク質又はポリペプチドは非スピドロインタンパク質又はポリペプチドである。本発明による望まれる非スピドロインタンパク質又はポリペプチドの配列は、ここで開示されたスピドロインアミノ酸配列の何れか、特に配列番号6から10の何れかに対して、30%未満の同一性、例えば20%未満の同一性、好ましくは10%未満の同一性を有する。
好ましい実施態様において、望まれる非スピドロインタンパク質又はポリペプチドは、海綿動物、有櫛動物、クラゲ、サンゴ、イソギンチャク、扁形動物、ワムシ、回虫、紐形動物、二枚貝、巻貝、タコ、条虫類、甲殻類、昆虫類、コケムシ、腕足類、箒虫動物、ヒトデ、ウニ、ホヤ、ナメクジウオ、ヒトを含む脊椎動物、植物、真菌、酵母、細菌、古細菌又はウイルスに由来するか、又は人工的なタンパク質又はポリペプチドである。「由来する」により、本発明による望まれる非スピドロインタンパク質又はポリペプチドが、天然に生じ維持された機能を有する対応するタンパク質に対して、好ましくは少なくとも50%の同一性、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%の同一性、又は実に少なくとも90%の同一性、例えば95ー100%の同一性を有することを意味する。一つの好ましい実施態様において、望まれる非スピドロインタンパク質又はポリペプチドは、軟体動物、昆虫、ヒトを含む脊椎動物、植物、真菌、酵母、細菌、古細菌又はウイルスに由来するか、又は人工タンパク質又はポリペプチドである。好ましい実施態様において、望まれる非スピドロインタンパク質又はポリペプチドは、ヒトを含む脊椎動物、植物、真菌、酵母、細菌、古細菌又はウイルスに由来するか、又は人工タンパク質又はポリペプチドである。
好ましい実施態様において、望まれる非スピドロインタンパク質又はポリペプチドは、アミロイド形成タンパク質及びポリペプチド、ジスルフィド含有タンパク質及びポリペプチド、アポリポタンパク質、膜タンパク質及びポリペプチド、タンパク質及びポリペプチド医薬品及び薬物標的、凝集しやすいタンパク質及びポリペプチド、及びプロテアーゼからなる群から選択される。
本発明に係るアミロイド形成タンパク質及びポリペプチドは、疾患及び機能性アミロイドに関連付けられているタンパク質又はポリペプチドが含まれる。アミロイド形成タンパク質及びポリペプチドの例は、アミロイドベータペプチド(Aβ−ペプチド)、膵島アミロイドポリペプチド(アミリン又はIAPP)、プリオンタンパク質(PrP)、α−シヌクレイン、カルシトニン、プロラクチン、シスタチン、心房性ナトリウム利尿因子(ATF)及びアクチンを含む。本発明によるアミロイド形成タンパク質及びポリペプチドの例は、表3に一覧される。
ジスルフィド含有タンパク質及びポリペプチドの例としては、サーファクタントタンパク質B(SP−B)及びその変異体、例えばMini−B、Mini−B27、Mini−BLeu、α−ディフェンシン及びβディフェンシンを含む。特定の理論に限定されるものではないが、溶解性増強部分はディフェンシン及び他のジスルフィド含有タンパク質及びポリペプチドにおける鎖間ジスルフィド結合よりも鎖内ジスルフィド結合の所望の形成を促進することが熟考されている。本発明によるジスルフィド含有タンパク質及びポリペプチドの例は、表4に一覧される。
アポリポタンパク質の例はクラスA−Hアポリポタンパク質を含む。本発明によるアポリポタンパク質の例は、表5に一覧される。
膜タンパク質とポリペプチドの例は、膜結合受容体を含み、サイトカイン受容体、KL4、LL−37、SP−C(Leu)、サーファクタントプロテインC(SP−C)及びこれらの変異体、例えば、SP−C(Leu)、SP−C33、SP−C30及びSP−C33Leuなどを含む。他の特定の例は、Mini−B、Mini−BLeu、1a AA、1b AA、0 AAAA、1a LL、1b LL、0 LLLL又はSP−Bタンパク質に、任意でGly、Leu、Gly−Alaなどのリンカーを介して融合したSP−C33Leuを含む。SP−C33Leuは、MiniB,Mini−BLeu、1a AA、1b AA、0 AAAA、1a LL、1b LL、0 LLLL又はSP−Bタンパク質のN末端か、又は好ましくはC末端に配置され得る。本発明による膜タンパク質及びポリペプチドの例は、表6に一覧される。
タンパク質及びポリペプチド薬物及び薬物標的の例は、組換え生産されるホルモンを含み、ペプチド及びタンパク質ホルモン、例えば、エリスロポエチン(EPO)及び成長ホルモン(GH)、サイトカイン、成長因子、例えばインスリン様増殖因子(IGF−I及びIGF−II)、KL4、LL−37、サーファクタントプロテインC(SPーC)及びその変異体、例えばSPC(Leu)、SP−C33、SP−C30及びSP−C33Leuを含む。他の特定の例は、Mini−B、Mini−BLeu、1a AA、1b AA、0 AAAA、1a LL、1b LL、0 LLLL又はSP−Bタンパク質に、任意でGly、Leu、Gly−Alaなどのリンカーを介して融合したSP−C33Leuを含む。SP−C33Leuは、MiniB,Mini−BLeu、1a AA、1b AA、0 AAAA、1a LL、1b LL、0 LLLL又はSP−Bタンパク質に対してN末端か、又は好ましくはC末端に配置され得る。本発明によるタンパク質及びポリペプチド薬物及び薬物標的の例は、表7に一覧される。
凝集しやすいタンパク質及びポリペプチドの例は、アビジン、ストレプトアビジンおよびサイトカイン受容体の細胞外リガンド結合部分を含む。本発明による凝集しやすいタンパク質及びポリペプチドの例は、表8に一覧される。
プロテアーゼの例は、コクサッキーウイルス又はヒトライノウイルス由来の3Cプロテアーゼを含む。本発明によるプロテアーゼの例は、表9に一覧される。
本発明の好ましい実施態様において、望まれる非スピドロインタンパク質は、サーファクタントタンパク質B(SP−B)及びその変異体、例えば、Mini−B、Mini−B27、Mini−BLeu、KL4、LL−37、及びサーファクタントタンパク質C(SP−C)及びその変異体、例えば、SPC(Leu)、SP−C33、SP−C30及びSP−C33Leuから選択される。本発明による他の好ましい非スピドロインタンパク質は、ニューロセルピン、GFP、及び1a AA、1b AA、0 AAAA、1a LL、1b LL及び0 LLLLタンパク質である。
本発明の所定の好ましい実施態様において、融合タンパク質は、配列番号26、28、30、34、37、39、42、及び47、及びこれらのタンパク質の何れかに対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の同一性を有するタンパク質からなる群から選択される。
その他の態様によれば、本発明は、本発明による融合タンパク質をコードする単離されたポリ核酸を提供する。好ましい実施態様では、単離されたポリ核酸は、配列番号27、29、31、38、40、43及び48からなる群から選択される。その他の好ましい実施態様では、単離されたポリ核酸は、配列番号14−16、18及び24からなる群から選択される。
一態様によれば、本発明は、望まれるタンパク質又はポリペプチドの生産のための融合タンパク質中の溶解性増強部分として、スパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片に由来する少なくとも一つの部分の新規な使用を提供する。好ましい実施態様において、望まれるタンパク質又はポリペプチドはスピドロインタンパク質又はポリペプチドである。融合タンパク質が、スパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片に由来した単一の溶解性増強部分を含む場合、所望のタンパク質が非スピドロインタンパク質又はポリペプチドであることは好ましい選択肢である。好ましい一実施態様では、所望のタンパク質またはポリペプチドは、非スピドロインタンパク質又はポリペプチドである。
その他の態様によれば、本発明は、融合タンパク質の生産方法を提供する。第一の工程は、本発明に係る融合タンパク質を適切な宿主で発現することを含む。適切な宿主は、当業者に周知であり、例えば、細菌細胞及び真核細胞、例えば、酵母、昆虫細胞株及び哺乳動物細胞株などを含む。典型的には、この工程は、大腸菌で融合タンパク質をコードするポリ核酸分子の発現を含む。
第二の方法の工程では、融合タンパク質を含有する混合物を得ることを含む。混合物は、例えば、宿主細胞を溶解又は機械的に破壊することによって得ることができる。融合タンパク質が宿主細胞によって分泌される場合に、混合物はまた、細胞培養培地を収集することによって得ることができる。このようにして得られたタンパク質は、標準的な手順を用いて単離することができる。必要であれば、この混合物を遠心分離にかけて、適切な画分(沈殿物又は上清)を収集することができる。融合タンパク質を含有する混合物はまた、分離させるために、ゲルろ過クロマトグラフィー、例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー、透析法、相分離又は濾過に供することができる。任意で、リポ多糖及び他の発熱物質がこの段階で積極的に除去される。必要ならば、リンカーペプチドは、この工程で切断することによって除去することができる。
好ましい実施態様では、得られた混合物は、液体培地、典型的には、塩緩衝液又は細胞培養培地中に溶解させた融合タンパク質を含む。好ましい一実施態様では、混合物は6.3未満のpH、好ましくは6未満のpHを有し、可溶性NTドメインの会合を促進する。その他の好ましい実施態様では、混合物は6.4を上回るpH、より好ましくは7を上回るpHを有し、可溶性NTドメインの会合を促進する。6.4を上回るpH、例えば7を上回るpHは、所望のタンパク質/ポリペプチドがスピドロインタンパク質に由来するか、又は所望のタンパク質/ポリペプチドがアミロイド形成又は凝集しやすいタンパク質/ポリペプチドである、本発明による融合タンパク質の溶解性を改善するために有用である。
関連する態様によれば、本発明は、所望のタンパク質又はポリペプチドを生産する方法を提供する。第一の工程は、本発明に係る融合タンパク質を適切な宿主で発現することを含む。適切な宿主は、当業者に周知であり、例えば、細菌細胞及び真核細胞、例えば、酵母、昆虫細胞株及び哺乳動物細胞株などを含む。典型的には、この工程は、大腸菌中で融合タンパク質をコードするポリ核酸分子の発現を含む。
第二の方法の工程では、融合タンパク質を含有する混合物を得ることを含む。混合物は、例えば、宿主細胞を溶解又は機械的に破壊すること、例えば超音波処理によって得ることができる。融合タンパク質が宿主細胞によって分泌される場合に、混合物はまた、細胞培養培地を収集することによって得ることができる。このようにして得られたタンパク質は、標準的な手順を用いて単離することができる。必要であれば、この混合物を遠心分離にかけて、適切な画分(沈殿物又は上清)を収集することができる。融合タンパク質を含有する混合物はまた、分離させるために、ゲルろ過クロマトグラフィー、例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー、透析法、相分離又は濾過に供することができる。任意で、リポ多糖及び他の発熱物質がこの段階で積極的に除去される。必要ならば、リンカーペプチドは、この工程で切断することによって除去することができる。上記に示したように、これは、所望のタンパク質又はポリペプチドの最も適した形態、すなわち融合タンパク質の一部としてであってよい。精製及び検出のための適切なハンドルを与え、及び/又は所望の特性、例えば安定性及び特に溶解性を与え得る。
好ましい実施態様において、本方法はまた、所望のタンパク質またはポリペプチドを与えるために、融合タンパク質を開裂する工程をも含み得る。この実施態様において、融合タンパク質は、少なくとも一つの望まれるタンパク質又はポリペプチド部分と少なくとも一つの溶解性増強部分との間に配置される少なくとも一つの開裂部位を含む。典型的な融合タンパク質において、このことは、溶解性増強部分又は複数の部分、及び所望のタンパク質又はポリペプチドの間の単一の開裂部位が存在することを意味する。開裂は、標準的な手順を用いて、例えば、臭化シアン(CNBr)によるMetの後ろでの開裂、ヒドロキシルアミンによるAsnとGlyの残基間の開裂、−XLETLFQGX−部位でのGlnとGlyの残基間でのプロテアーゼ3Cによる開裂、及び当業者に良く知られた様々な他のプロテアーゼ部位での開裂によってなし遂げることができる。
このようにして得られた所望のタンパク質又はポリペプチドは、標準的な手順を用いて単離することができる。必要であれば、この混合物を遠心分離にかけて、適切な画分(沈殿物又は上清)を収集することができる。所望のタンパク質又はポリペプチドを含有する混合物はまた、分離させるために、ゲルろ過、クロマトグラフィー、透析法、相分離又は濾過に供することができる。任意で、リポ多糖及び他の発熱物質がこの段階で積極的に除去される。必要ならば、リンカーペプチドは、この工程で切断することによって除去することができる。
好ましい実施態様では、得られた混合物は、液体培地、典型的には、塩緩衝液又は細胞培養培地中に溶解させた融合タンパク質を含む。好ましい一実施態様では、混合物は6.3未満のpH、好ましくは6未満のpH、例えば4.2から6.3又は4.2から6の間隔を有し、可溶性NTドメインの会合を促進する。その他の好ましい実施態様では、混合物は6.4を上回るpH、より好ましくは7を上回るpHを有し、可溶性NTドメインの会合を促進する。6.4を上回るpH、例えば7を上回るpHは、所望のタンパク質/ポリペプチドがスピドロインタンパク質に由来するか、又は所望のタンパク質/ポリペプチドがアミロイド形成又は凝集しやすいタンパク質/ポリペプチドである、本発明による融合タンパク質の溶解性を改善するために有用である。
従って、融合タンパク質は、典型的には、液体培地中の溶液として得られる。用語「可溶性」及び「溶液中」とは、融合タンパク質が目視で凝集されず、60000×gで溶媒から沈殿しないことを意味する。液体媒体は、任意の適切な媒体、例えば水性媒体、好ましくは生理学的媒体、典型的にはバッファリングされた水性媒体、例えば10−50mMのTrisHCl緩衝液又はリン酸緩衝液であり得る。液体媒体は好ましくはpHが6.4以上、例えば7以上を有し、及び/又は溶解性増強部分の重合を防ぐイオン組成物を有する。つまり、液体媒体は典型的にはpHが6.4以上、例えば7以上を有し、又は溶解性増強部分の重合を防ぐイオン組成物を有し、又は双方を有する。
溶解性増強部分の重合を防ぐイオン組成物は、当業者により容易に調製され得る。溶解性増強部分の重合を防止する好ましいイオン組成物は300mMを越えるのイオン強度を有する。溶解性増強部分の重合を防止するイオン組成物の具体的な例は、300mMを超えるNaCl、100mMのリン酸、及び溶解性増強部分の重合化において所望の防止効果を有するこれらのイオンの組合わせ、例えば10mMのリン酸及び300mMのNaclを包含する。
驚くべきことに、溶解性増強部分の存在が溶液の安定性を向上させ、これらの条件下でポリマー重合形成を防止することが見いだされている。このことは、即時重合が望まれ得ない場合、例えばタンパク質精製の間、大規模なバッチの調製において、又は別の条件が最適化される必要がある場合、有利であり得る融合タンパク質の高い安定性を達成するために、液体媒体のpHは6.7以上、例えば7.0以上に調整されることが望まれる。また、液体媒体のpHは、スパイダーシルクタンパク質の十分な溶解性を与えるが、6.3以下への続くpH調整を容易にする6.4から6.8の範囲へ調整されることも有利であり得る。
本発明のその他の態様は、pHが約(ca)7から6に下げられるか、又はより具体的には6.4以上から6.3未満へ下げられる場合に、NTドメインは大きな可溶性会合体を形成するであろうという見識に基づいている。この会合体は、4.2を超えるpH、すなわち、4.2から6.3の範囲、例えば4.2から6の範囲で最も効率的に生じる。この特性は、例えば、NTがカラム上に固定化されている場合、親和性精製について使用することができる。このアプローチは、会合体はpHが約6から7に上昇した場合に分離するため、生理学的に関連した間隔内でのpHの変化により結合タンパク質の遊離を可能にする。
本発明による方法の望まれる実施態様において、融合タンパク質を単離する工程は、親和性媒体、例えば固定化したNT部分を持つアフィニティーカラム上、及び/又は陰イオン交換カラムなど陰イオン交換媒体上での融合タンパク質の精製を包含する。親和性媒体上での融合タンパク質の精製は、好ましくは、pHが6.3以下、好ましくは4.2から6.3の範囲において、固定化NTドメインを持つ親和性媒体への会合と、続く、例えば、6.4以上のpH、4.1以下のpHを有し、及び/又は高いイオン強度を有する所望の解離媒体による親和性媒体からの解離により行うことができる。陰イオン交換媒体上での融合タンパク質の精製は、好ましくは、pH6.4以上での陰イオン交換媒体への会合と、その後、高いイオン強度を有する解離媒体による陰イオン交換媒体からの解離により実施される。必要に応じて、固定化NT部分を有するアフィニティーカラムなどの親和性媒体上での融合タンパク質の精製は、陰イオン交換カラムとなどの陰イオン交換媒体上での精製と組み合わせることができる。高いイオン強度を有する解離媒体は、典型的には、300mMを上回るイオン強度、例えば300mMのNaClなどを有する。
これらの2つの親和性に基づいた手順は、本発明による溶解性増強部分の固有の特性を利用する。とりわけ興味深いのは、スピドロインNTタンパク質断片の、pH6.3未満、特に4.2から6.3の範囲で会合する強い傾向である、このことは、強力な親和性精製ツールとして有利に利用することができ、複合体混合物から本発明による融合タンパク質を一工程で精製することを可能としている。クロマトグラフィーが好ましいが、クロマトグラフィー以外の親和性に基づく精製方法、例えば、機能化表面を持つ磁気ビーズ又は機能化表面を持つフィルター等を明らかに用いることができる。
また、NTドメインは、pHが約7から6に下げられ、又はより具体的には、6.4超から6.3未満に、好ましくは4.2から6.3の範囲、例えば4.2から6の範囲に下げられた場合に大きな可能性会合体を形成するであろうという見識も、巨視的なポリマー、例えば、本明細書に開示されるものなどのスパイダーシルクタンパク質の繊維、フィルム、発泡体、網又はメッシュなどを生産する方法において等、NT含有タンパク質の会合を促進することが望まれる場合に有用である。単離されたスパイダーシルクタンパク質のポリマーを生産する好ましい方法は、
(i)170から600アミノ酸残基からなり、
スパイダーシルクタンパク質のN末端断片由来の100から160アミノ酸残基のN末端断片、及び
アピドロインタンパク質の反復断片由来の70から300アミノ酸残基の反復断片、及び任意で、
断片がスパイダーシルクタンパク質のC末端断片から由来する、70から120アミノ酸残基のC末端断片
を包含するスパイダーシルクタンパク質を提供し、
(ii)pH6.4以上での液体媒体中に前記スパイダーシルクタンパク質の溶液、及び/又は、前記スパイダーシルクタンパク質の重合を防ぐイオン組成物を提供し、任意でリポ多糖及び他の発熱物質の除去を含み、
(iii)前記液体媒体の特性を、pH6.3以下、例えば4.2−6.3に、及び、前記スパイダーシルクタンパク質の前記重合を可能にするイオン組成物へ調整し、
(iv)液体媒体中でスパイダーシルクタンパク質に固体ポリマーを形成させ、前記液体媒体が、pH6.3以下、例えば4.2−6.3と、前記スパイダーシルクタンパク質の重合を可能にするイオン組成物を有し、及び
(v)前記液体媒体から固体スパイダーシルクタンパク質を単離する
工程を含んでいる。
本発明は、以下の非限定的実施例により、以下に更に説明されるであろう。
実施例1 SPーC33Leu融合タンパク質の生産
Hisへの融合体としてNT−MetSP−33Leuをコードする遺伝子を含有する発現ベクターが構築された(配列番号26−27)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が0.9から1まで増殖され、25℃で3時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。細胞は遠心分離によって回収され、20mMのTris−HCl、pH8に再懸濁された。
リゾチームが添加され、細胞を氷上で30分間インキュベートした。Tweenを0.7%の最終濃度まで添加した。細胞は、超音波処理により、氷上で5分間、2秒間オン、2秒オフを交互に、破砕された。細胞溶解液を20000×gで30分間遠心分離した。上清を、0.7%のTweenを含有する20mMトリス−HCl、pH8の緩衝液で平衡化したNi−NTAセファロースカラム上にロードした。カラムを、0.7%のTweenを含有する20mMのTris−HCl、pH8の緩衝液で洗浄し、結合したタンパク質は、0.7%のTweenを含有する20mMのTris−HCl、pH8、300mMイミダゾール緩衝液で溶出した。
溶出液を、還元条件下で12%のトリス−グリシンゲル上でSDS−PAGEに供した。図3A中で、融合タンパク質に対応する主要なバンドが矢印で示される収率は、OD600が1まで増殖された1リットル振盪フラスコ培養からのミリグラムの精製タンパク質よって決定した。収率は64mg/lであった。単一のNT部分を含む融合タンパク質は、細胞溶解液中の界面活性剤の存在において、驚くほど高収率をもたらすと結論される。
実施例2 SPーC33Leu融合タンパク質の生産
Hisへの融合体としてNT−MetSP−C33Leu(すなわち、NTNT−MetSP−C33Leu)をコードする遺伝子を含有する発現ベクターが構築された(配列番号28−29)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が0.9から1まで増殖され、25℃で3時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。細胞は遠心分離によって回収され、20mMのTris−HCl、pH8に再懸濁された。
リゾチームが添加され、細胞を氷上で30分間インキュベートした。Tweenは添加されないか、又は0.7%の最終濃度まで添加された。細胞は、超音波処理により、氷上で5分間、2秒間オン、2秒オフを交互に、破砕された。細胞溶解液を20000×gで30分間遠心分離した。上清を、20mMトリス−HCl、pH8の緩衝液±0.7%Tweenで平衡化したNi−NTAセファロースカラム上にロードした。カラムを、20mMのTris−HCl、pH8の緩衝液±0.7%Tweenで洗浄し、結合したタンパク質は、20mMのTris−HCl、pH8、300mMイミダゾール緩衝液±0.7%Tweenで溶出した。
溶出液を、還元条件下で12%のトリス−グリシンゲル上でSDS−PAGEに供した。図3B中で、融合タンパク質に対応する主要なバンドが矢印で示される収率は、OD600が1まで増殖された1リットル振盪フラスコ培養からのミリグラムの精製タンパク質よって決定した。収率はTweenの非存在下で40mg/lであり。0.7%のTweenの存在下で68mg/lであった。2つの連続したNT部分を含有する融合タンパク質は、細胞溶解物中の界面活性剤の非存在下において驚くほど高収率をもたらし、細胞溶解物中の界面活性剤の存在下において、更に増加した収率をもたらすと結論される。
実施例3 SPーC33Leu融合タンパク質の生産
NT−MetSP−C33Leu、NT−MetSP−C33Leu及びNT−MetSP−C33Leu−NTをそれぞれコードする遺伝子を含有する発現ベクターがそれぞれ構築される。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が0.9から1まで増殖され、25℃で3時間更にインキュベートされる大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられる。細胞は遠心分離によって回収され、20mMのTris−HCl、pH8に再懸濁される。
リゾチームが添加され、細胞は氷上で30分間インキュベートされる。Tweenは添加されないか、又は0.7%の最終濃度まで添加される。細胞は、超音波処理により、氷上で5分間、2秒間オン、2秒オフを交互に、破砕される。細胞溶解物は20000×gで30分間遠心分離される。
実施例4 NTセファロースの調製
CysHisNTコンストラクトが、大腸菌BL21(DE3)細胞(メルク・バイオサイエンス)を形質転換するために用いられる。細胞は、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が0.8から1まで増殖され、室温で4時間更にインキュベートされる。その後、細胞は回収され、20mMのトリス−HCl、pH8.0中に再懸濁され、リゾチームとDNase Iが補充される。完全に溶解した後、15000gの上清がNiセファロース(GE Healthcare)を充填したカラムにロードされる。カラムは広範に洗浄され、次いで結合タンパク質は100ー300mMのイミダゾールで溶出される。標的タンパク質を含む画分はプールされ、20mMのTris−HCl、pH8.0に対して透析される。精製されたCys−His−NTタンパク質は、標準的プロトコール(GE Healthcare)を使用して、活性化チオールセファロースへ結合される。
実施例5 NTセファロースを用いる融合タンパク質の精製
実施例3からの細胞溶解物が、20mMのNaPi、pH6で予め平衡化したNTセファロースを充填したカラムにロードされる。カラムは20mMのNaPi、pH6で広範に洗浄され、次いで結合タンパク質は20mMのNaPi、pH7で溶出される。標的タンパク質を含む画分がプールされる。タンパク質のサンプルはSDSーPAGE上で分離され、次いでクーマシーブリリアントブルーR-250で染色される。タンパク質の含有量は280nmでの吸光度から決定される。
実施例6 陰イオン交換体上での融合タンパク質の精製
実施例3からの細胞溶解物が、20mMのNaP、pH6.5で予め平衡化したHiTrap Q FFカラム(GE Healthcare)上にロードされる。カラムは広範に洗浄され、次いで結合タンパク質はNaClが最大1Mまでの線形勾配で溶出される。標的タンパク質を含有する画分がプールされる。タンパク質のサンプルはSDSーPAGE上で分離され、次いでクーマシーブリリアントブルーR−250で染色される。タンパク質の含有量は280nmでの吸光度から決定される。
実施例7 所望のタンパク質の開裂及び単離
実施例3、5、及び6の融合タンパク質は、70%ギ酸水溶液に溶解され、0.1g/mlのCNBrを補充され、室温で24時間放置される。その後、混合物は乾燥され、クロロホルム/メタノール/水が体積で8:4:3の2相系中で分離される。SPーC33Leuは有機相に見いだされ、その後任意で、C18カラムを使用する逆相HPLCで更に精製することができる。合成リン脂質を混合したSP−C33Leuの活性は、例えば、 J. Johansson et al., J. Appl. Physiol. 95, 2055-2063 (2003)に記載されるように、インビトロ又はインビボで試験することができる。
実施例8 LL−37融合タンパク質の生産
Hisへの融合体としてNT−LL37(すなわち、NTNT−LL37)をコードする遺伝子を含有する発現ベクターが構築された(配列番号30−31)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が0.9から1まで増殖され、25℃で3時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。細胞は遠心分離によって回収され、20mMのTris−HCl、pH8に再懸濁された。
リゾチームが添加され、細胞を氷上で30分間インキュベートした。細胞は、超音波処理により、氷上で5分間、2秒間オン、2秒オフを交互に、破砕された。細胞溶解液を20000×gで30分間遠心分離した。上清を、20mMのTris−HCl、pH8、250mMのNaClの緩衝液で平衡化したNi−NTAセファロースカラム上にロードした。カラムを、20mMのTris−HCl、pH8、250mMのNaClの緩衝液で洗浄し、結合したタンパク質は、20mMのTris−HCl、pH8、300mMイミダゾール緩衝液で溶出した。
実施例9 NT−REP−CTの生産
発現ベクターが、HisへのN末端融合体としてNT−REP−CTを生産するために構築された(配列番号17−18)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が〜1まで増殖され、室温で最大4時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。その後、細胞は回収され、20mMのTris−HCl(pH8.0)に再懸濁され、リゾチームとDNaseIが補充された。
完全に溶解した後、15000gの上清がNiセファロース(GE Healthcare、ウプサラ、スエーデン)を充填したカラムにロードされた。カラムは広範に洗浄され、その後結合タンパク質は300mMのイミダゾールで溶出された。標的タンパク質を含む画分はプールされ、20mMのTris−HCl、pH8.0に対して透析された。
タンパク質のサンプルはSDS−PAGEを経由して分離され、次いでクーマシーブリリアントブルーR−250で染色された。得られたNT−REP−CTタンパク質は、5kDaの分子量カットオフセルロースフィルター(ミリポア)を使用する限外ろ過による濃縮された。
実施例10 NT−REP−CTの生産
発現ベクターが、ZbasicへのC末端融合体としてNT−REP−CTを生産するために構築された(配列番号19)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が〜1まで増殖され、室温で最大2から4時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。その後、細胞は回収され、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.5)に再懸濁され、リゾチームとDNaseIが補充された。
完全に溶解した後、15000gの上清が陽イオン交換体(HiTrap S,GE Healthcare,ウプサラ、スエーデン)上にロードされた。カラムは広範に洗浄され、その後結合タンパク質は500mMのNaClに対する勾配で溶出された。標的タンパク質を含む画分はプールされ、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.5)に対して透析された。NT−REP−CTタンパク質(配列番号20)が、プロテアーゼ3Cを用いるタンパク質切断によりZbasicタグから遊離された:融合タンパク質の比率は1:50(w/w)で4℃で一晩。遊離されたZbasicタグを除去するために、切断混合物は第二の陽イオン交換体上でロードされ、素通り画分が回収された。
実施例11 NT−REP−CTの生産
発現ベクターが、HisTrxHisへのC末端融合体としてNT−REP−CTを生産するために構築された(配列番号21)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が〜1まで増殖され、室温で最大2から4時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。その後、細胞は回収され、20mMのTris−HCl(pH8.0)に再懸濁され、リゾチームとDNaseIが補充された。
完全に溶解した後、15000gの上清がNiセファロース(GE Healthcare、ウプサラ、スエーデン)を充填したカラムにロードされた。カラムは広範に洗浄され、その後結合タンパク質は500mMのNaClに対する勾配で溶出された。標的タンパク質を含む画分はプールされ、20mMのTris−HCl、pH8.0に対して透析された。NT−REP−CTタンパク質(配列番号22)が、トロンビンを用いるタンパク質切断によりHisTrxHisタグから遊離された:融合タンパク質の比率は1:1000(w/w)で4℃で一晩。遊離したHisTrxHisタグを除去するために、切断混合物は第二のNiセファロースカラム上にロードされ、素通り画分が回収された。
実施例12 NT−REP−CTの生産
Hisへの融合体としてNT−REP−CT(すなわちNTNT−REP−CT) をコードする遺伝子を含有する発現ベクターが構築された(配列番号23−24)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が0.9から1まで増殖され、25℃で3時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。細胞は遠心分離によって回収され、20mMのTris−HCl、pH8に再懸濁された。
リゾチームとDNaseが添加され、細胞を氷上で30分間インキュベートした。細胞溶解液を20000×gで30分間遠心分離した。上清を、20mMトリス−HCl、pH8の緩衝液で平衡化したNi−NTAセファロースカラム上にロードした。カラムを、20mMのTris−HCl、pH8の緩衝液で洗浄し、結合したタンパク質は、20mMのTris−HCl、pH8、300mMイミダゾール緩衝液で溶出した。
溶出液を、還元条件下で12%のトリス−グリシンゲル上でSDS−PAGEに供した。図3C中で、融合タンパク質に対応する主要なバンドが矢印で示される収率は、OD600が1まで増殖された1リットル振盪フラスコ培養からのミリグラムの精製タンパク質よって決定した。収率は30mg/lであった。スピドロインミニチュアタンパク質は、2つのNT部分を持つ融合体として有利に発現することができると結論される。
実施例13 NT−REP−CT、NT−REP−CT及びNT−REP−CTの生産
NT−REP−CT(配列番号20及び22)、NT−REP−CT(配列番号23)、及びNT−REP−CT(配列番号25)をコードする遺伝子を含む発現ベクターがそれぞれ構築される。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が0.9から1まで増殖され、25℃で3時間更にインキュベートされる大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられる。細胞は遠心分離によって回収され、20mMのTris−HCl、pH8に再懸濁される。
リゾチームが添加され、細胞は氷上で30分間インキュベートされる。Tweenは添加されないか、又は0.7%の最終濃度まで添加される。細胞溶解物は30分間20000×gで遠心分離される。上清の一部が、実施例6に従い、陰イオン交換カラムにロードされる。
NT親和性媒体が実施例4に記載のように調製される。上清のその他の部分が実施例5に従って、親和性カラム上でロードされる。
陰イオン交換カラム及びNT親和性カラムからの溶出物はゲル電気泳動に供される。
実施例14 NTHis、NT−REP−CT及びNT−Brichosの生産
A)NTHis
発現ベクターが、HisへのN末端融合体としてNTを生産するために構築された(配列番号32)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が〜1まで増殖され、室温で最大4時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。その後、細胞は回収され、20mMのTris−HCl(pH8.0)に再懸濁され、リゾチームとDNaseIが補充された。
完全に溶解した後、15000gの上清がNiセファロース(GE Healthcare、ウプサラ、スエーデン)を充填したカラムにロードされた。カラムは広範に洗浄され、その後結合タンパク質は300mMのイミダゾールで溶出された。標的タンパク質を含む画分はプールされ、20mMのTris−HCl(pH8.0)に対して透析された。タンパク質のサンプルはSDSーPAGEを経由して分離され、次いでクーマシーブリリアントブルーR−250で染色された。得られたNTタンパク質(配列番号32)は、5kDaの分子量カットオフセルロースフィルター(ミリポア)を使用する限外ろ過による濃縮された。収率は振盪フラスコでOD600が1まで増殖させ、112mg/リットルであった。
B)NT−REP−CT
発現ベクターが、HisへのN末端融合体としてNT−REP−CT(NTNT8REPCT)を生産するために構築された(配列番号33)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が〜1まで増殖され、室温で最大4時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。その後、細胞は回収され、20mMのTris−HCl(pH8.0)に再懸濁され、リゾチームとDNaseIが補充された。タンパク質のサンプルはSDSーPAGEを経由して分離され、次いでタンパク質の発現を確認するためにクーマシーブリリアントブルーR−250で染色された。
完全に溶解した後、15000gの上清がNiセファロース(GE Healthcare、ウプサラ、スエーデン)を充填したカラムにロードされた。カラムは広範に洗浄され、その後結合タンパク質は300mMのイミダゾールで溶出される。標的タンパク質を含む画分はプールされ、20mMのTris−HCl(pH8.0)に対して透析される。タンパク質のサンプルはSDSーPAGEを経由して分離され、次いでクーマシーブリリアントブルーR−250で染色された。
C)NT−Brichos
発現ベクターが、HisへのN末端融合体としてNT−Brichos(NT−NT−Brichos)を生産するために構築された(配列番号34)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)により誘導され、30℃で、OD600が〜1まで増殖され、室温で最大4時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。その後、細胞は回収され、20mMのTris−HCl(pH8.0)に再懸濁され、リゾチームとDNaseIが補充された。細胞は、超音波処理により、氷上で5分間、2秒間オン、2秒オフで、破砕された。
完全に溶解した後、15000gの上清がNiセファロース(GE Healthcare、ウプサラ、スエーデン)を充填したカラムにロードされた。カラムは広範に洗浄され、その後結合タンパク質は300mMのイミダゾールで溶出された。標的タンパク質を含む画分はプールされ、20mMのTris−HCl(pH8.0)に対して透析された。タンパク質のサンプルはSDSーPAGEを経由して分離され、次いでクーマシーブリリアントブルーR−250で染色された。得られたNT−Brichosタンパク質(配列番号34)は、5kDaの分子量カットオフセルロースフィルター(ミリポア)を使用する限外ろ過による濃縮された。収率は振盪フラスコでOD600が1まで増殖させ、20mg/リットルであった。
実施例15 pH依存性、可逆的キャプチャーのためのNT
目的:NT融合タンパク質を可逆的キャプチャーするための共有結合で固定化したNT(及びNTNT)の使用。
戦略:繊維(及びフィルム)に対するNT(及びNTNT)融合タンパク質の共有結合したNT(及びNTNT)によるpH依存性会合体を調べる。NT無しの繊維とフィルムが対照として用いられる。
A)繊維
NT−REP−CT(配列番号20)、NTREPCT(配列番号23)及びREPCT(配列番号2、対照)の繊維(〜0.5cmの長さ、〜50μg)が、5mg/mlの可溶性NTHis(配列番号32)又はNT−Brichos(配列番号34)の100μl溶液に、pH8で10分間浸された。pHを400μlのリン酸ナトリウム緩衝液(NaP)の添加により6まで減少させ、繊維に対する水溶性NTの会合を可能にするために10分間インキュベートした。繊維をpH6で500μlのNaPへ移し、二回洗浄した。最後に、繊維をpH7で500μlのNaPへ移し、可溶性NTを遊離させるために10分間インキュベートした。同じことを、300mMのNaClの存在下、全てpH6のNaP緩衝液で行った。異なる溶液からのサンプルが、SDS−PAGE上で分析された。
NT−REP−CT繊維及びNT−REP−CT繊維を用いて、NTHisとNTBrichosの両方がpH6で捕獲された。pHをpH7へ上昇させると、NTHis及びNT−Brichosは両方とも再び遊離され、SDSーPAGEで検出することができた。300mMのNaClの添加は、pH6で捕獲を減少させた。
B)フィルム:
NT−REP−CT(配列番号20)及びREP−CT(配列番号2、対照)のフィルムが、3mg/mlのタンパク質溶液を50μlをプラスチックウェルに流し込むことにより作成され、一晩放置して乾燥させた。翌日、5mg/mlの可溶性NTHis(配列番号32)の100μlがpH8でフィルムを有するウェルに添加され、10分間放置された。次いで、400μlのNaPの添加によりpHを6に減少させ、10分間インキュベートし、フィルムへ可溶性NTが会合できるようにした。フィルムは次いで500μlのNaPによりpH8で2回洗浄された。可溶性NTHisの遊離のために、500μlのNaPが添加され、10分間インキュベートした。同じことを、300mMのNaClの存在下、全てpH6のNaP緩衝液で行った。異なる溶液からのサンプルが、SDS−PAGE上で分析された。
SDS−PAGEの分析は、NT−REP−CTフィルムは、NTHisをpH6で捕獲し、pHが7へ上昇すると、再び遊離されることを可能にすることを示していた。
実施例16 融合タンパク質のpH依存性、可逆的会合のためのNT
目的:タンパク質の部分間の相互作用の解析、例えば、ベータシート構造を持つ標的、例えばサーファクタントタンパク質C(SP−C)とBrichosの相互作用の解析を可能にする可逆的タグとしてNTを使用する。
NT−Brichos(配列番号34)は、NT−MetSP−C33Leu(配列番号28)又はNTHis(配列番号32)のどちらかと、pH8で全容量が100μlに混合される。NaP緩衝液(400μl)が添加されて最終pH6を与え、その混合物はNT会合を可能にするために20分間インキュベートされる。次に、NT会合の逆転を可能とするために、pHは再びpH7に上げられる。異なる溶液からのサンプルは、天然ゲル及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)上で分析される。
実施例17 NT−MetSP−C33Leuの開裂及びSP−C33Leuの単離
実施例1で得られた約58mgの凍結乾燥されたHisNT−MetSP−C33Leu(配列番号26)が、70%のギ酸水溶液3mlに、ボルテックスと超音波処理により溶解された。この溶液へ、アセトニトリル中の5MのCNBrの200μlが添加され、混合物は室温で24時間インキュベートされた。その後、溶媒は、窒素気流下で蒸発させ、残渣は70%水性ギ酸に可溶化することにより3回洗浄され、窒素下で乾燥させた。
次に、乾燥させた残渣に、クロロホルム/メタノール/水(体積で8:4:3)の4.56mlが添加され、その後その混合物はボルテックスされ遠心分離された。上相が除去され、クロロホルム/メタノール/水(体積で8:4:3)の1mlが下相へ添加され、ボルテックス、遠心分離、及び上相の除去がくり返された。上相は合わせられ、真空下で乾燥させた。下相は窒素下で乾燥させた。
下相(左レーン)と上相(右レーン)の含有がSDS−PAGEで分析された(図4)。これは、下相が、SP−C33Leuの推定分子量とよく一致する推定分子量を持つ一つの主要なバンドを含むことを示していた。SP−C33Leuの同一性は、ESI質量分析及びアミノ酸配列決定によって確認され、これらは3594.6Daのモノアイソトピック質量(3594.4Daを算出)及び予想されるアミノ酸配列を示していた。
実施例18 SP−C33Leu/リン脂質混合物の表面活性の分析
1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)/1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホグリセロール(POPG)(68:31、w/w)が、クロロホルム:メタノール(1:1、v/v)に溶解され、同一溶媒中でSP−C33Leu(実施例17で得られた)と混合された。調製物のペプチド含量は、リン脂質重量に関して、2%であった。溶媒は窒素で蒸発させ、調製物は生理食塩水に、37℃での低速回転により、10mg/mlの最終リン脂質濃度に再懸濁した。
表面張力はキャプティブバブルサーファクトメーター(captive bubble surfactometer)(CBS)により、肺胞中で三通りに測定した(Schurch S et al., J. Appl. Physiol. 67: 2389-2396, 1989)。CBSにおいて、肺胞を表す界面活性剤と気泡は気密密閉容器中に存在している。動的な状況下で、表面活性を評価するために、チャンバーは圧縮され、表面張力は、気泡の形状と高さ/幅の比を調べることによって計算することができる。
実験では、SP−C33Leuの界面活性剤調製物(10mg/ml)の2μlが、スクロースを充填した試験チャンバー内に挿入された。挿入後に、気泡が作成され、表面張力が吸着の5分の間に測定された。続く準静的サイクリング実験では、気泡は最初の体積から5mN/m未満の表面張力に到達するまで、50%の最大面積の圧縮と続く拡張を5サイクルの間交互にし、段階的に圧縮された。
結果は図5に説明されており、3つの測定結果のうち、代表的な一例から第1及び第5サイクルが示されている。SP−C33Leu/DPPC/POPG混合物の表面活性(図5)は、同じリン脂質混合物における合成SP−C33のそれと非常ににており、例えば、J. Appl. Physiol, 95: 2055-2063 (2003)を参照。
実施例19 SPーC33Leu融合タンパク質の生産
A)NT無し(比較例)
発現ベクターが、2×Hisへの融合体としてチオレドキシン(TRX)−SP−C33Leuをコードする遺伝子を含有して構築された(配列番号35−36)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、IPTGにより誘導され、30℃で、OD600が0.9から1まで増殖され、25℃で3時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。細胞は回収され、20mMのTris−HCl(pH8.0)に再懸濁された。
リゾチームが添加され、細胞を氷上で30分間インキュベートした。Tweenを0.7%の最終濃度まで添加した。細胞は、超音波処理により、氷上で5分間、2秒間オン、2秒オフを交互に、破砕された。細胞溶解液を20000×gで30分間遠心分離した。上清を、20mMのTrix−HCl(pH8.0)+0.7%Tweenで平衡化したNi−セファロース(GE Healthcare,ウプサラ,スエーデン)を充填したカラム上にロードした。カラムは広範に洗浄され、その後結合タンパク質は300mMのイミダゾール+0.7%Tweenで溶出された。
標的タンパク質は、300mMのイミダゾール+0.7%Tweenで溶出し、SDS−PAGEで分析された(図6A)。溶出は標的タンパク質の少量の不純な量を含んでいた。
B)NTあり
発現ベクターが、2×Hisへの融合体としてTRX−NT−SP−C33Leuをコードする遺伝子を含有して構築された(配列番号37−38)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、IPTGにより誘導され、30℃で、OD600が0.9から1まで増殖され、25℃で3時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。細胞は回収され、20mMのTris−HCl(pH8.0)に再懸濁された。
リゾチームが添加され、細胞を氷上で30分間インキュベートした。Tweenを0.7%の最終濃度まで添加した。細胞は、超音波処理により、氷上で5分間、2秒間オン、2秒オフを交互に、破砕された。細胞溶解液を20000×gで30分間遠心分離した。上清を、20mMのTrix−HCl(pH8.0)+0.7%Tweenで平衡化したNi−セファロース(GE Healthcare,ウプサラ、スエーデン)を充填したカラム上にロードした。カラムは広範に洗浄され、その後結合タンパク質は300mMのイミダゾール+0.7%Tweenで溶出された。融合タンパク質を含む分画はプールされ、脱イオン水に対して透析した。
溶出液を、還元条件下で12%のトリス−グリシンゲル上でSDS−PAGEに供した。図6B中で、タンパク質に対応する主要なバンドが矢印で示される収率は、OD600が1まで増殖された1リットル振盪フラスコ培養からのミリグラムの精製タンパク質よって決定した。収率は30mg/lであった。
実施例20 Brichosの生産
HisLinkHisへの融合体としてNT−Brichos(すなわち、NTNT−Brichos)をコードする遺伝子を含有する発現ベクターが構築された(配列番号39−40)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、IPTGにより誘導され、30℃で、OD600が0.9から1まで増殖され、25℃で3時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。細胞は回収され、20mMのTris−HCl(pH8.0)に再懸濁された。
リゾチームが添加され、細胞を氷上で30分間インキュベートした。細胞は、超音波処理により、氷上で5分間、2秒間オン、2秒オフを交互に、破砕された。細胞溶解液を20000×gで30分間遠心分離した。上清を、Ni−セファロース(GE Healthcare,ウプサラ、スエーデン)を充填したカラム上にロードした。カラムは広範に洗浄され、その後結合タンパク質は300mMのイミダゾールで溶出された。融合タンパク質を含む画分はプールされ、20mMのTris−HCl(pH8.0)に対して透析された。
溶出液を、還元条件下で12%のトリス−グリシンゲル上でSDS−PAGEに供した。図7中で、融合タンパク質に対応する主要なバンドが矢印で示される収率は、OD600が1まで増殖された1リットル振盪フラスコ培養からのミリグラムの精製タンパク質よって決定した。収率は、融合タンパク質が28mg/lであった。
Brichosタンパク質(配列番号41)は、プロテアーゼ3Cを使用するタンパク質切断により2HisNTタグから遊離される:融合タンパク質の比率は4℃で1:100(w/w)。遊離した2HisNTタグを除去するために、開裂混合物は第二のNiセファロース上へロードされ、素通り画分が回収される。
実施例21 緑色蛍光タンパク質(GFP)の生産
この例で用いられるGFPは、S147変異体であり、Kimata, Y et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 232: 69-73 (1997)を参照。
A)NTあり
HisLinkHisへの融合体としてNT−GFP(すなわち、NTNT−GFP)をコードする遺伝子を含有する発現ベクターが構築された(配列番号42−43)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、IPTGにより誘導され、30℃で、OD600が0.9から1まで増殖され、25℃で3時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。細胞は回収され、20mMのTris−HCl(pH8.0)に再懸濁された。
リゾチームが添加され、細胞を氷上で30分間インキュベートした。細胞は、超音波処理により、氷上で5分間、2秒間オン、2秒オフを交互に、破砕された。細胞溶解液を20000×gで30分間遠心分離した。上清を、Ni−セファロース(GE Healthcare,ウプサラ、スエーデン)を充填したカラム上にロードした。カラムは広範に洗浄され、その後結合タンパク質は300mMのイミダゾールで溶出された。融合タンパク質を含む画分はプールされ、20mMのTris−HCl(pH8.0)に対して透析された。GFPタンパク質(配列番号44)は、プロテアーゼ3Cを使用するタンパク質切断により2HisNTタグから遊離された:融合タンパク質の比率は4℃で1:100(w/w)。遊離した2HisNTタグを除去するために、開裂混合物は第二のNiセファロース上へロードされ、素通り画分が回収された。
溶出液を、還元条件下で12%のトリス−グリシンゲル上でSDS−PAGEに供した(図8)。図8において、融合タンパク質に対応する主要バンド(第一の溶出、左のレーン)及び標的タンパク質(第二の溶出、右のレーン)が矢印により示されている。収率は、OD600が1まで増殖された1リットル振盪フラスコ培養からのミリグラムの精製タンパク質よって決定した。収率は融合タンパク質が44mg/l、標的タンパク質が16mg/lであった。
精製されたGFPは、強い蛍光を発し、発色団の自己触媒的形成に必須である、正しいフォールド(アルファヘリックスの連結を伴うベータバレル)を確証している。
B)他の精製タグあり:Zb及びHisABP(比較例)
ベクター(pT7ZbGFP、pT7His6ABPGFP)を有するBL21(DE3)細胞は、カナマイシンを補充したトリプシン大豆ブロス培地中で37℃で一晩増殖させた。翌朝、培養物は1リットル振とうフラスコ中の100mlの新鮮な培地に播種され、OD600が1に達するまで増殖させた。次にタンパク質の生産がIPTGを最終濃度1mMまで添加して誘導され、生産は18時間続いた。細胞は回収され、50mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に再懸濁された。細胞は、超音波処理により、氷上で3分間、1秒間オン、1秒オフを交互に、破砕された。細胞溶解物は10000×gで20分間遠心された。上清がカラムへロードされた。
ZbGFP(配列番号45)融合タンパク質は、50mMのリン酸ナトリウムpH7.5中で1mlのHiTrap S HPカラムで精製され、160mMのNaClを補充した同一緩衝液で溶出した。
HisABPGFP(配列番号46)融合タンパク質は、50mMのリン酸ナトリウムpH8中で1mlのTalonカラムで精製され、30mMの酢酸と70mMの酢酸ナトリウムが補充されpH5.0を与えた同一緩衝液で溶出した。
溶出液を、還元条件下で10ー20%の勾配ゲル上でSDS−PAGEに供した。収率は、OD600が1まで増殖された1リットル振盪フラスコ培養あたりのミリグラムの精製タンパク質よって決定した。収率はZbGFPについて10mg/lで、HisABPGFPについて7mg/lであった。
実施例22 ニューロセルピンの生産
HisLinkHisへの融合体としてNT−ニューロセルピン(すなわち、NTNT−ニューロセルピン)をコードする遺伝子を含有する発現ベクターが構築された(配列番号47−48)。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、IPTGにより誘導され、30℃で、OD600が0.9から1まで増殖され、25℃で3時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられた。細胞は回収され、20mMのTris−HCl(pH8.0)に再懸濁された。
リゾチームが添加され、細胞を氷上で30分間インキュベートした。細胞は、超音波処理により、氷上で5分間、2秒間オン、2秒オフを交互に、破砕された。細胞溶解液を20000×gで30分間遠心分離した。上清を、Ni−セファロース(GE Healthcare,ウプサラ、スエーデン)を充填したカラム上にロードした。カラムは広範に洗浄され、その後結合タンパク質は300mMのイミダゾールで溶出された。融合タンパク質を含む画分はプールされ、20mMのTris−HCl(pH8.0)に対して透析された。
ニューロセルピンタンパク質(配列番号49)は、プロテアーゼ3Cを使用するタンパク質切断により2HisNTタグから遊離された:融合タンパク質の比率は4℃で1:100(w/w)。遊離した2HisNTタグを除去するために、開裂混合物は第二のNiセファロース上へロードされ、素通り画分が回収された。
溶出液を、還元条件下で12%のトリス−グリシンゲル上でSDS−PAGEに供した(図9)。図9において、融合タンパク質に対応する主要バンド(第一の溶出、左のレーン)及び標的タンパク質(第二の溶出、右のレーン)が矢印により示されている。収率は、OD600が1まで増殖された1リットル振盪フラスコ培養からのミリグラムの精製タンパク質よって決定した。収率は融合タンパク質が8mg/l、標的タンパク質が4mg/lであった。比較として、Hisタグが付随するニューロセルピンの発現収率は、1.7mg/lであった (Belorgey et al. Eur J Biochem. 271(16):3360-3367 (2004)。
発現されたニューロセルピンによるtPA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)の阻害率が決定され、以前公開されたのと同じであった (Belorgey et al. J. Biol. Chem. 277, 17367-17373 (2002)。
実施例23 プロテアーゼ3C融合タンパク質の生産
HisNT−3C及びHisLinkHisNTNT3Cをそれぞれコードする遺伝子を含む発現ベクターが構築された(Graslund T. et al., Protein Expr Purif 9(1): 125-132 (1997); Cordingley MG. et al., J. Virol. 63(12): 5037-5045 (1989))。そのベクターは、カナマイシンを含むLB培地中、IPTGにより誘導され、30℃で、OD600が0.9から1まで増殖され、25℃で3時間更にインキュベートされた大腸菌BL21(DE3)細胞(メルクバイオサイエンス(Merck Biosciences))を形質転換するために用いられる。細胞は回収され、20mMのTris−HCl(pH8.0)に再懸濁される。
リゾチームとDNaseが添加され、細胞を氷上で30分間インキュベートされる。細胞は、超音波処理により、氷上で3分間、1秒間オン、1秒オフを交互に、破砕される。細胞溶解液が15000×gで30分間遠心分離される。上清が、20mMのTrix−HCl(pH8.0)で平衡化したNi−セファロース(GE Healthcare,ウプサラ、スエーデン)を充填したカラム上にロードされる。カラムは広範に洗浄され、その後結合タンパク質は300mMのイミダゾールで溶出される。融合タンパク質を含む分画はプールされ、脱イオン水に対して透析される。溶出物は還元条件下でSDS−PAGEに供される。収率は、OD600が1まで増殖された1リットル振盪フラスコ培養からのミリグラムの精製タンパク質よって決定される。

Claims (29)

  1. (i)スパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片に由来する少なくとも一つの溶解性増強部分;及び
    (ii)所望の非スピドロインタンパク質又はポリペプチドである少なくとも一つの部分
    を含み、
    各溶解性増強部分は、望まれるタンパク質又はポリペプチド部分へ直接又は間接的に結合している融合タンパク質。
  2. 各溶解性増強部分が配列番号6に少なくとも80%の同一性、又は配列番号8に少なくとも50%の同一性を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. 各溶解性増強部分が、100から160アミノ酸残基を含む、請求項1又は2の何れかに記載の融合タンパク質。
  4. 融合タンパク質が、少なくとも二つの溶解性増強部分を含み、各々はスパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片に由来する、請求項1から3の何れかに記載の融合タンパク質。
  5. 融合タンパク質が、少なくとも二つの溶解性増強部分を含み、各々はスパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片に由来する、請求項4に記載の融合タンパク質。
  6. 少なくとも一つの溶解性増強部分が、少なくとも一つの所望のタンパク質又はポリペプチド部分のアミノ末端又はカルボキシ末端に直接的又は間接的に結合している、請求項1から5の何れかに記載の融合タンパク質。
  7. 少なくとも一つの溶解性増強部分が、融合タンパク質のアミノ末端及び/又はカルボキシ末端を構成する、請求項6に記載の融合タンパク質。
  8. (iii)少なくとも一つの所望のタンパク質又はポリペプチド部分と少なくとも一つの溶解性増強部分との間に配置される少なくとも一つの開裂部位
    を更に含む、請求項1から7の何れかに記載の融合タンパク質。
  9. 所望のタンパク質又はポリペプチドが、配列番号6から10の何れかに30%未満の同一性を有する、請求項1から8の何れかに記載の融合タンパク質。
  10. 所望のタンパク質又はポリペプチドが、海綿動物、有櫛動物、クラゲ、サンゴ、イソギンチャク、扁形動物、ワムシ、回虫、紐形動物、二枚貝、巻貝、タコ、条虫類、甲殻類、昆虫類、コケムシ、腕足類、箒虫動物、ヒトデ、ウニ、ホヤ、ナメクジウオ、ヒトを含む脊椎動物、植物、真菌、酵母、細菌、古細菌又はウイルスに由来するか、又は人工的なタンパク質又はポリペプチドである、請求項9に記載の融合タンパク質。
  11. 所望のタンパク質又はポリペプチドが、軟体動物、昆虫、ヒトを含む脊椎動物、植物、真菌、酵母、細菌、古細菌又はウイルスに由来するか、又は人工タンパク質又はポリペプチドである、請求項10に記載の融合タンパク質。
  12. 所望のタンパク質又はポリペプチドが、ヒトを含む脊椎動物、植物、真菌、酵母、細菌、古細菌又はウイルスに由来するか、又は人工タンパク質又はポリペプチドである、請求項11に記載の融合タンパク質。
  13. 所望のタンパク質又はポリペプチドが、アミロイド形成タンパク質及びポリペプチド、ジスルフィド含有タンパク質及びポリペプチド、アポリポタンパク質、膜タンパク質及びポリペプチド、タンパク質及びポリペプチド医薬品及び薬物標的、凝集しやすいタンパク質及びポリペプチド、及びプロテアーゼからなる群から選択される、請求項9から12の何れか一項に記載の融合タンパク質。
  14. 所望のタンパク質又はポリペプチドが、Aβ−ペプチド、IAPP、PrP、αシヌクレイン、カルシトニン、プロラクチン、シスタチン、ATF及びアクチン;SP−B、αディフェンシン及びβディフェンシン、クラスAHアポリポタンパク質;LL−37、SP−C、SP−C33、SP−C33Leu、Brichos、GFP、ニューロセルピン:EPOとGHを含むホルモン;及びIGF−IおよびIGF−IIを含む成長因子;アビジン及びストレプトアビジン;及びプロテアーゼ3Cからなる群から選択される、請求項13に記載の融合タンパク質。
  15. 所望のタンパク質又はポリペプチドが、SP−B及びその変異体、及びSP−C及びその変異体から選択される、請求項13に記載の融合タンパク質。
  16. 所望のタンパク質又はポリペプチドが、ミニBLeuである、請求項15に記載の融合タンパク質。
  17. 所望のタンパク質又はポリペプチドが、SP−C33Leuである、請求項15に記載の融合タンパク質。
  18. 配列番号26、28、30、34、37、39、42、及び47、及びこれらのタンパク質の何れかに対して少なくとも80%の同一性を有するタンパク質からなる群から選択される、請求項1から14の何れかに記載の融合タンパク質。
  19. 請求項1から15の何れかに記載の融合タンパク質をコードする単離されたポリ核酸。
  20. 請求項15に記載の融合タンパク質をコードする核酸からなる群及び配列番号27、29、31、38、40、43、及び48からなる群から選択される、請求項19に記載の単離されたポリ核酸。
  21. 所望の非スピドロインタンパク質又はポリペプチドの生産のための融合タンパク質中の溶解性増強部分として、スパイダーシルクタンパク質のN末端(NT)断片に由来する少なくとも一つの部分の使用。
  22. a)適切な宿主において、請求項1から18の何れか一項に記載の融合タンパク質を発現し、及び
    b)融合タンパク質を含む混合物を得て、任意で融合タンパク質を単離する
    工程を含む、融合タンパク質を生産する方法。
  23. a)適切な宿主において、請求項1から18の何れか一項に記載の融合タンパク質を発現し、及び
    b)融合タンパク質又はポリペプチドを含む混合物を得て、任意で融合タンパク質又はポリペプチドを単離する
    工程を含む、所望のタンパク質又はポリペプチドを生産する方法。
  24. c)融合タンパク質を開裂し、所望のタンパク質又はポリペプチドを与え、及び
    d)所望のタンパク質又はポリペプチドを単離する
    工程を更に含み、
    前記融合タンパク質が、
    (iii)少なくとも一つの所望のタンパク質又はポリペプチド部分と少なくとも一つの溶解性増強部分との間に配置される少なくとも一つの開裂部位
    を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 工程b)が、固定化NT部分を持つ親和性媒体上で、及び/又は陰イオン交換媒体上での融合タンパク質の精製を更に含む、請求項22から24の何れか一項に記載の方法。
  26. 親和性媒体上での融合タンパク質の精製が、pH4.2から6.3での固定化NT部分による親和性媒体への会合と、その後の望まれる解離媒体による親和性媒体からの解離により実施される、請求項25に記載の方法。
  27. 解離媒体がpHが6.4以上、pHが4.1以下を有し、及び/又は高イオン強度を有する、請求項26に記載の方法。
  28. 陰イオン交換媒体上での融合タンパク質の精製は、pH6.4以上で陰イオン交換媒体への会合と、その後、高いイオン強度を有する解離媒体による陰イオン交換媒体からの解離により実施される、請求項25から27の何れか一項に記載の方法。
  29. 工程b)での融合タンパク質の精製が、カラムの中、官能面を持つ磁気ビーズ上、又は官能面を持つフィルター上で起きる、請求項25から27の何れか一項に記載の方法。
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