JP2013519832A - ピストンアセンブリ - Google Patents

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Abstract

例示的なピストンアセンブリおよび該ピストンアセンブリを形成する方法が開示される。ピストンアセンブリは、ピストンクラウンおよびピストンスカートを有している。クラウンは、少なくとも冷却ギャラリの一部を形成するリングベルト部分と、半径方向内側および外側のクラウン合わせ面とを有している。上側の燃焼ボウル面を形成するためにクラウンおよびスカートが協働するように、スカートは、クラウンの中心開口内に収容される。スカートは、半径方向内側および外側のクラウン合わせ面にそれぞれ隣接する半径方向内側および外側のスカート合わせ面を有している。これにより、冷却ギャラリはスカートによって概して閉じられている。

Description

本発明は、2010年2月17日に出願された米国仮特許出願第61/305445号明細書の優先権を主張し、該仮特許出願の全ての内容は、引用したことにより開示内容全体が本明細書に記載されたものとする。
背景技術
内燃機関のパワーシリンダアセンブリは、概してエンジンブロックの円筒状キャビティ内に配置された往復運動するピストンを有している。円筒状キャビティの一方の端部が閉じられているのに対して、円筒状キャビティの他方の端部は開かれていてよい。円筒状キャビティの閉じられた端部と、ピストンの上側部分またはクラウンとは、燃焼室を形成する。円筒状キャビティの開いた端部は、ピストンの下側部分をクランクシャフトに結合するコネクティングロッドの揺動運動を可能にする。クランクシャフトは部分的にオイルサンプ内に浸されている。クランクシャフトは、(燃焼室内における燃料の燃焼から生じる)ピストンの線形運動を回転運動に変換する。
摩擦損失はパワーシリンダの総合効率を減少させる。たとえば、ピストンと円筒状キャビティとの間の摩擦は、吸気ガスの燃焼から、パワーシリンダの出力シャフトへ伝達される力量を減じる。したがって、たとえばピストンの重量を最小限にし、シリンダボアに関する潤滑を増大させ、かつ/または燃焼温度および圧力を上昇させることにより総合エネルギ効率を最大化するために、摩擦は最小限にされなければならない。さらに製造者は、製造柔軟性を向上し、製造コストを減じるための方法を常に追求している。
それ故、エンジンおよび特にピストンは、当該ピストンの重量の減少ならびにエンジン運転に関連する増大した圧力および温度の結果として高められた応力下にあり、かつ生産効率を向上するためにピストンアセンブリを単純化するための試みがなされている。したがって、ピストン冷却は、エンジンの寿命にわたるこのような運転状態の増大する応力に耐えるために、ますます重要になっている。ピストン構成要素の運転温度を減じるために、ピストンの周縁部に沿って冷却ギャラリが設けられていてよい。クランクケースオイルが冷却ギャラリに導入され、ピストンの往復運動により冷却ギャラリに沿って分配され得る。その結果、ピストンの運転温度が減じられる。しかし、冷却ギャラリを設けることは、製造の複雑さも増大させ得る。
したがって、ピストンのためには、製造の複雑さを最小限にする一方で、エンジンボア内でのピストンの運動に関連する摩擦損失を減少させ、かつたとえば冷却ギャラリを設けることによる適当な冷却を可能にすることが必要である。
図面の簡単な説明
請求項は例示された実施形態に限定されないが、発明の様々な例を論じることによって様々な態様が認められる。ここで図面を参照すると、例示としての実施形態が詳細に示されている。図面は実施形態を示しているが、図面は必ずしも実寸ではなく、ある特徴は、より詳細に示しかつ実施形態の革新的な態様を説明するために、誇張されている場合がある。さらに、ここで説明される実施形態は、排他的であるか、または図面に示されかつ以下の詳細な説明に開示された正確な形状および構成に制限または限定されることは意図されていない。本発明の典型的な実施形態は、以下の図面を参照することによって詳細に説明される。
例示的なピストンアセンブリを部分的に切り取った断面図である。 図1の部分的な断面図の拡大された部分を示す図である。 ピストンクラウンおよびピストンスカートとの間の例示的な溶接部の断面図である。 ピストン冷却ギャラリとピストン外面との間に延びる潤滑通路を有する例示的なピストンを示す部分的な断面図である。 図3に示した例示的なピストンの概略図である。 ピストン冷却ギャラリとピストン外面との間に延びる通路を有する例示的なピストンスカートの断面図である。 ピストン冷却ギャラリと、スカート外面との間に延びる通路を有する例示的な別のピストンスカートを示す断面図である。 溶接スパッタ捕集部を有する例示的なピストンアセンブリの断面図である。 ピストンアセンブリを製造する例示的な方法のプロセスフローチャートである。
詳細な説明
明細書中の「例示的な実施の形態」または「例示的な」等の用語は、例示的なアプローチに関連して説明された特別な特徴、構造または特性が少なくとも1つの図面に含まれることを意味している。明細書中の様々な箇所における「例示」等のフレーズの使用は、必ずしも同一の図面または実施の形態を参照しない。
ピストンクラウンおよびピストンスカートを備えたピストンアセンブリの種々の例示的な実施の形態が提供される。クラウンは、冷却ギャラリの少なくとも一部を形成するリングベルト部分と、半径方向内側および外側のクラウン合わせ面とを有していてよい。スカートは、上側の燃焼ボウル面を形成するためクラウンおよびスカートが協働するように、クラウンに設けられた中心開口内に収容される。スカートも、半径方向内側および外側のスカート合わせ面を有していてよく、これらのスカート合わせ面は、冷却ギャラリが、概してスカートによって閉鎖されるように、それぞれ内側および外側のクラウン合わせ面に隣接させられる。
ピストンアセンブリを形成する例示的な方法は、冷却ギャラリの少なくとも一部を形成するリングベルト部分と、半径方向内側および外側のクラウン合わせ面とを備えたピストンクラウンを提供することを含んでよい。さらにこの方法は、ピストンクラウンに設けられた中心開口内にピストンスカートを収容することを含み、クラウンおよびピストンは、連続的な上側の燃焼ボウル面を形成するために協働する。ピストンスカートは、半径方向内側および外側の合わせ面を有していてよい。さらにこの方法は、クラウンおよびスカートに設けられた対応する半径方向内側および外側の合わせ面に沿ってスカートをクラウンに隣接させられることを含み、スカートは概して冷却ギャラリを閉鎖する。
図1を参照すると、例示的なピストンアセンブリ100が示されている。ピストンアセンブリ100は、ピストンクラウン102と、ピストンスカート104とを備えてよく、ピストンスカート104は、クラウン102により画成された中心開口C内に収容されている。ピストンクラウン102は、燃焼ボウル120と、リングベルト部分106とを有していてよい。リングベルト部分106は、ピストンアセンブリ100を収容するエンジンボア(図示せず)に対するシールのために構成されている。たとえば、リングベルト部分106は、1つまたは複数の周方向の溝107を画成することができる。これらの溝107は、ピストンリング(図示せず)を収容し、ピストンリングは、エンジンボア内でのピストンアセンブリ100の往復道運動中にエンジンボア面に対してシールする。
ピストンスカート104は、概して、ボア内での往復道運動中にピストンアセンブリ100を安定させるために、たとえばエンジンボア(図示せず)の面に接触することによって、エンジン運転中にクラウン102を支持する。たとえば、ピストンスカート104は、概してピストンアセンブリ100の周縁部の少なくとも一部に沿った円形の外形を形成する外面126を有している。外形は、概してシリンダ形であるエンジンボア面に一致してよい。円形のスカート外面126は、ピストンがボア内で往復運動すると、概してボア面に沿って摺動することができる。したがって、スカート外面126は、潤滑を促進し、かつ/またはエンジンボア面に接触するスカート104の面の間の摩擦を減じるために、表面加工されるか、もしくは凹凸を付けられていてよい。
スカート104は、ピストンピンボス105を画成することができる。ピストンピンボス105は、概して、ピストンピン(図示せず)を収容するように構成された開口を備えて形成され得る。たとえば、ピストンピンは、ピストンピンボス105における開口を通って挿入され得る。これによって、概してピストンスカート104がコネクティングロッド(図示せず)に取り付けられる。
クラウン102のリングベルト部分106は、少なくとも一部において、冷却ギャラリ108を形成することができる。冷却ギャラリ108は、概して、ピストンクラウン102の周縁部に沿って延びていて、運転中に冷却剤、たとえばエンジンオイルを循環させることができる。これによって、ピストンの運転温度は低下される。さらに、冷却剤の循環は、ピストン100に沿って、かつ特にピストンアセンブリ100の上側部分、たとえばクラウン102および燃焼ボウル120において、より安定的または均一な温度の維持を可能にすることができる。
冷却ギャラリ108は、クラウン102内に概して完全に閉じられている。たとえば、冷却ギャラリ108は、スカート104の上側部分140によって閉じられていてよい。すなわち、上側スカート部分140は、冷却ギャラリ108の下側の境界線を形成することができ、これによって、クラウン102内の冷却ギャラリ108を閉じ、冷却剤が冷却ギャラリ108から自由に出入りすることを阻止する。同時に、1つまたは複数の開口142が設けられていてよく、この開口は、オイルまたは別の冷却剤が、冷却ギャラリ108からエンジンへ、かつ/またはエンジンから冷却ギャラリへ制御された形態で出入りすることを可能にする。これによって、さらにピストン100および当該ピストンの構成要素に関連した運転温度を低下しかつ/または安定化する。
クラウン102およびスカート104は、好適なあらゆる形式で互いに固定されていてよい。1つの例示的な実施の形態では、クラウン102およびスカート104は、それぞれ半径方向内側および外側の合わせ面110,111,114および115を画成することができる。これらの各合わせ面110,111,114および115は、クラウン102およびスカート104の円周の少なくとも一部に沿って延びている。すなわち、クラウン102は、半径方向内側および外側のクラウン合わせ面110,111をそれぞれ画成することができ、これらのクラウン合わせ面110,111は、概してクラウン102の外周円に関して(沿って)延びている。スカート104は、半径方向内側および外側のスカート合わせ面114,115を画成することができ、これらのスカート合わせ面114,115も、ピストンアセンブリ100および/またはスカート104の外周円に関して(沿って)延びていて、概してクラウン合わせ面110,114に、以下で詳しく説明するように対応している。
図1Bから最もよく判るように、半径方向内側の合わせ面110,114は、概して半径方向内側の接触領域190内で隣接するのに対して、半径方向外側の合わせ面111,115は、概して半径方向外側の接触領域192内で隣接してよい。換言すれば、半径方向内側の接触領域190は、クラウン102およびスカート104の半径方向内側の合わせ面110,114をそれぞれ含んでいる。さらに、半径方向外側の接触領域192は、クラウン102およびスカート104の半径方向外側の合わせ面111,115をそれぞれ含んでいる。クラウン102およびスカート104が堅固に固定されている場合、クラウン102およびスカート104は、両接触領域190,192のうちの一方の接触領域を介して互いに対して固定されていてよい。
クラウン合わせ面110,111は、少なくとも図1Bに示した横断面で見た場合に、概して平坦な面を画成することができ、クラウン合わせ面110,111は、ピストンスカート104に設けられた相応する半径方向内側および外側の合わせ面114,115に合致する。以下でさらに説明するように、スカート合わせ面114,115およびクラウン合わせ面110,111は、他方の構成要素上の対応する合わせ面に対して概して平行に整列されていてよく、これにより、クラウン合わせ面110,111と、スカート合わせ面114,115との突合せもしくは隣接をそれぞれ可能にする。クラウン合わせ面110,111の一方または両方が、各スカート合わせ面114,115に、好適なあらゆる形式で、たとえば単に例として溶接作業または接着結合によって固定されていてよく、これによりクラウン102とスカート104とは互いに固定される。
スカート104は、クラウン102に固定されていてよく、クラウン102およびスカート104は、ピストンアセンブリ100の燃焼ボウルエリア120において連続的な上側の燃焼ボウル面Sを形成するために協働する。たとえば、対応する合わせ面110,114は、燃焼ボウル120内で、または燃焼ボウル120に隣接して当接することができ、この場合、クラウン102が、燃焼ボウル面Sの半径方向外側の第1の部分を形成し、スカート104が、燃焼ボウル面Sの半径方向内側の部分124を形成するようにされる。
燃焼ボウル面Sは、スカート104およびクラウン102の間の接触部(インターフェース)をほぼ滑らかに横断することができ、これによって、たとえば面Sにおける分断および/または切れ目は最小限にされている。このような分断または切れ目を最小限にすることは、概して、通常は長期間の運転中における、合わせ面110,114に沿ったクラウン102およびスカート104の間の接触面のクラックまたは解離を減じることができる。したがって、たとえばピストンアセンブリ100を使用するエンジンの運転中に生じる摩耗による、燃焼ボウル面Sにおけるあらゆる不良または欠陥は最小限にされる。たとえば、機械加工作業が、ピストンアセンブリ100の形成の前または後に、たとえばクラウン102およびピストン104の溶接の前または後に行われてよく、これにより、燃焼ボウル面Sにおける表面の不規則性を減じることができる。
ピストンクラウン102およびピストンスカート104は、単に例としてビーム溶接、レーザ溶接、半田付けのような溶接法、または接着剤結合のような非溶接法を含むが、これらに限定されない好適なあらゆる方法により互いに固定されているか、堅固に接合されていてよい。1つの例示的な実施の形態では、ピストンクラウン102またはピストンスカート104は、溶接プロセスにおいて、たとえばレーザ溶接で接合されている。レーザ溶接は、溶接工具が、下記に詳細に説明するように、関連する溶接接合部上への長手方向での作用中に、概して滑らかな燃焼ボウル面120を形成することを可能にする。
レーザ溶接作業は、概して、クラウン102とスカート104との間で固体金属溶接部の形成を可能にする一方、関連する熱影響領域のサイズを最小限にする。たとえば光ファイバレーザが使用され得る。例示的な1つの実施の形態では、約200〜約400μmの波長および4.8キロワット(kW)のパワーを有する溶接レーザが使用され得る。溶接接合部は、予め加熱されていてもよく、例示的な1つの実施の形態では、摂氏約500度にまで予め加熱される。
溶接レーザは、概して、半径方向内側の合わせ面110,114に隣接する熱影響領域を、たとえば半径方向内側の接触領域190内に伝搬するように使用される。これによって、クラウン102およびスカート104は、半径方向内側の合わせ面110,114に沿って一緒に溶接される。択一的にまたは付加的には、溶接レーザは、概して、合わせ面111,115に隣接する熱影響領域を、たとえば半径方向外側の接触領域192内に伝搬するように使用されてよく、これによって、クラウン102とスカート104は、合わせ面111,115に沿って一緒に溶接される。合わせ面110,111,114または115が互いに溶接されていない場合、これらの合わせ面は、他方の合わせ面の固定に基づいて互いに隣接したままであるか、または別の方法、たとえば接着、機械的な固定等によって固定されてよい。
例示的な1つの実施の形態では、一連の溶接部が、半径方向内側の合わせ面110,114の周方向の延在部分(範囲)に沿って形成されている。択一的には、溶接レーザが、半径方向内側の合わせ面110,114のほぼ全周に沿って延びる、概して連続的な溶接プロセスにおいて使用され得る。この場合、形成された溶接部も、クラウン102およびスカート104のほぼ全体に沿って延びている。
クラウン102およびスカート104がたとえば溶接によって互いに結合されている場合、クラウン102は、当該クラウン102に設けられた固定フランジ150に沿ってスカート104に対して固定されていてよい。クラウン102の固定フランジ150は、たとえば概して鉛直方向、つまりピストンアセンブリ100に関して長手方向に溶接することによって、スカート104に対して固定されていてよい。さらに、固定フランジ150は、スカートに沿って、半径方向では所定の距離L、かつ長手方向では所定の高さHだけ延びている。この高さHの大きさは、固定フランジ150の半径方向の延在距離L、言い換えれば固定フランジ150がスカート104に接触する箇所よりも小さい。したがって、クラウン102およびスカート104が接合されている場合、クラウン102およびスカート104の、組み合わせられた長手方向または鉛直方向の厚さ全体を、最小限にすることができ、これによって、概して長手方向または鉛直方向の溶接プロフィールが可能になる。すなわち、長手方向または鉛直方向の溶接方向は、クラウン102の上方または下方の位置からクラウン102およびスカート104を溶接することを可能にし、これにより溶接部および/または接触領域190,192は、クラウン102およびスカート104の最大の延在部分を包含する。
長手方向または鉛直方向に向けられた溶接部は、ピストン軸線に関して長手方向に延びる、概して延長された溶接プロフィールをもたらす。さらに、溶接作業が単にクラウン102の下側かつ燃焼ボウル面Sの下方で実施されていた、たとえば摩擦溶接のような従来のピストン溶接作業とは異なり、鉛直方向に向けられた溶接部は、概して溶接工具、たとえばレーザが、クラウン104の上側または下側から、スカート104に対してクラウン102を溶接することを可能にする。
図1Aに示した例示的な第1の実施の形態では、溶接レーザLAが、クラウン102とスカート104との間の半径方向内側の接触領域190上で、クラウン102の上方から、つまり燃焼ボウルエリア120の上方から作用する。溶接レーザLAは、クラウン102および/またはスカート104の燃焼ボウル面120上で、たとえば合わせ面100,114に隣接し、かつ/または固定フランジ150に沿って作用することにより、概してクラウン102をスカート104に溶接する。これによって、クラウン120およびスカート104が接合される。
択一的または付加的に、溶接レーザLBが、溶接接合部上で、たとえば半径方向内側の接触領域190において、クラウン102とスカート104との間で、クラウン102の下側から、言い換えればスカート104の下方から作用することができる。すなわち、溶接レーザLBは、スカート上側部分140の下面143、たとえば隣接する合わせ面110,114に、かつ/または固定フランジ150に沿って作用する。これにより、クラウン102およびスカート104が一緒に溶接される。
上述のように、溶接部は、クラウン102の周縁部に沿って間隔を置いた一連の別個の溶接部として、たとえば固定フランジ150に沿って、クラウン102に設けられた中心開口Cに隣接して形成され得る。図2は、たとえば、クラウン102に沿って互いに間隔を置いて配置された例示的な2つの溶接部を示している。すなわち、図2は、隣接する2つの溶接部180,182を形成したあとの、クラウン102およびスカート104のごく一部の断面図である。これらの溶接部180,182は、概して鉛直方向または長手方向に向けられている。すなわち、図2に示されているように、各溶接部180,182は、クラウン102の周縁部に沿って、半径方向の幅、すなわちW1,W2を規定する。各幅W1,W2の大きさは、ピストンアセンブリ100に関して長手方向で測定した溶接部の鉛直方向の高さH1,H2よりも小さい。溶接部180,182は、好適なあらゆるサイズまたは構成であってよい。図2に示した例示的な形態では、幅W1,W2は比較的に小さく、いくつかのケースでは、約5ミリメートルよりも小さい。溶接部180,182に類似した比較的に小さな溶接幅は、概して、複数の溶接部がクラウン102の周縁部に沿って間隔を置いて配置されている場合に可能にされ得る。
上述のように、クラウン102およびスカート104の半径方向外側の各合わせ面111,115は、半径方向内側の合わせ面110,114の固定に基づき隣接されるかもしくは突き合わせられていてよいが、堅固に固定されている必要はない。択一的には、半径方向外側の合わせ面110,114は、たとえば溶接、接着または好適なあらゆる形式で堅固に固定されていてよい。たとえば特に最大限の耐久性が所望される重荷重ピストン用途のためには、半径方向外側の合わせ面および半径方向内側の合わせ面110,111,114,115の両ペアの堅固な固定が望ましい。
ピストンクラウン102とピストンスカート104との堅固な接合によって、ピストンアセンブリ100は概して一体的または「モノブロック」のアセンブリとして形成されており、この場合、クラウン102およびスカート104の構成要素は、接触領域190,192において接合されている。接触領域190,192は、それぞれ半径方向内側の合わせ面110,114と、半径方向外側の合わせ面111,115とを含む。つまり、クラウン102とスカート104とが別個の構成要素であるにも拘わらず、ピストンスカート104が、クラウン102への固定後にピストンクラウン102に対して相対的に不動であるように、ピストンクラウン102は、ピストンスカート104と共に概してユニット化されている。
ピストンクラウン102およびピストンスカート104は、好適なあらゆる材料から構成され得る。1つの例示的な実施の形態では、クラウン102およびスカート104は、同じ材料、たとえば鋼から形成されていてよい。別の例示的な実施の形態では、ピストンクラウン102は、ピストンスカート104とは異なる材料で形成されていてよい。したがって、ピストンクラウン102のために使用される材料は、ピストンスカート104の材料とは異なる機械的な特性、たとえば降伏点、引張強度または切欠靱性を有していてよい。好適なあらゆる材料または材料の組合せを、クラウン102およびスカート104のために使用することができる。単に例として、クラウン102および/またはスカート104が、鋼材料、鋳鉄、アルミニウム材料、複合材料または粉末金属材料から成っていてよい。クラウン102およびスカート104は、種々異なるプロセスで形成されていてよく、たとえばクラウン102は概して単独の鋳造部分であってよいのに対して、スカート104は鍛造されていてよい。好適なあらゆる材料および/または成形の組合せが推奨され得る。
図3,図4A,図4Bおよび図4Cを参照すると、例示的な別のピストンアセンブリ200が図示されている。ピストンアセンブリ200は、クラウン202およびスカート204を有している。これらのクラウン202およびスカート204は、上述のピストンアセンブリ100と同様に、冷却ギャラリ208を形成するために協働する。クラウン202およびスカート204は、好適なあらゆる形式で互いに対して固定されていてよい。たとえば、ピストンアセンブリ100と同様に、ピストンアセンブリ200のクラウン202およびスカート204は、半径方向内側および外側の合わせ面210,222,214,215に沿って互いに対して固定され得る。各半径方向内側および外側の合わせ面210,222,214,215は、クラウン202およびスカート204の円周の少なくとも一部に沿ってそれぞれ延びている。1つまたは両方のクラウン合わせ面110,111は、好適なあらゆる形態で、たとえば単に例として、溶接作業または接着剤結合により各スカート合わせ面114,115に対して固定されていてよい。これによって、クラウン102とスカート104とは互いに固定される。
ピストンアセンブリ100と同様に、スカート204およびクラウン102は、概してピストンアセンブリ200の燃焼ボウルエリア220内で連続的な上側の燃焼ボウル面Sを形成するために協働する。たとえば、対応する合わせ面210,214は、燃焼ボウル220の内側で、または燃焼ボウル220に隣接して当接し、これにより、クラウン202は、燃焼ボウル面Sの半径方向外側の第1の部分222を形成する。さらに、スカート204は、燃焼ボウル面Sの半径方向内側の部分224を形成する。
さらに、図3,図4A,図4Bおよび図4Cから最もよく判るように、スカート204には、当該スカート204内に形成された1つまたは複数の潤滑通路250が設けられている。潤滑通路250は、ピストンアセンブリ200の運転中に、冷却ギャラリ208と、ピストンスカートの外面226との間の流体接続を可能にする。通路250は、概して、冷却剤または潤滑剤がスカート204を通ってピストンスカート204の外面226へ移動することを可能にする。これによって、スカート204とシリンダボア壁(図示せず)との間の潤滑が改善される。さらに、通路250は、概して、ピストンの所定のエリア、たとえばピストンアセンブリ200のスラスト側、ピストンアセンブリ200のアンチスラスト側等の意図的な潤滑を可能にする。
潤滑通路250は、好適なあらゆるプロセスで形成され得る。例示的な1つの実施の形態では、通路250は、穿孔プロセスで形成され、この場合、当該通路250は、通路250の冷却ギャラリ208内への開口252(つまり、潤滑剤が冷却ギャラリから流出する箇所)と、スカートの外面226における通路の開口254(つまり、潤滑剤が通路から流出する箇所)との間の概して真っ直ぐな通路を画成する。通路250は、角度を付けられていてよく、たとえば冷却ギャラリ開口252からスカート外面の開口254に向かって下方に延びている。
図4A,図4Bおよび図4Cから最もよく判るように、潤滑通路250は、概してスカートの外面226に沿って終わっている。比較的に狭い凹設部またはポケット256が、スカートの外面において形成されていてよく、運転中に、潤滑剤または冷却剤を付加的に蓄えることを可能にする。たとえば、図4Aから最もよく判るように、スカート204の外面226におけるポケット256は、スカート内に形成された3つの通路250のそれぞれの開口254を含んでいる。したがって、冷却ギャラリからの通路を出た潤滑剤は、ポケット256内に蓄えられるようになっている。これによって、ポケット256のエリアにおける潤滑が強化される。
ポケット256は、好適なあらゆるサイズ、形状等であってよい。たとえば、ポケットは、概してスカートの外面、たとえばポケット256に隣接する外面226から半径方向に間隔を置いている。別の例示的な実施の形態では、ポケット256は、面226から半径方向内側に約20〜80マイクロメートルの間隔を空けていてよい。この深さは、概してスカート204の外面226に沿った潤滑を改善するために、ほぼ十分な潤滑剤の量を蓄えることを可能にすることができる一方で、たとえばスカート104の壁を薄くすることによるポケット256の形成に基づく、スカート204の構造的な弱点を最小限にする。
図4Bから最もよく判るように、例示的なポケット256は、スカートの外面226に関して角度を付けられていてよい。すなわち、ポケット256は、スカート外面226に対して概して角度を付けられた内面258を有していてよい。択一的には、図4Cに示すように、ポケット256は、概して長手方向に方向付けられていてよく、これにより、内面258は、概して鉛直方向にかつ/またはスカート外面226に対して平行に方向付けられている。
図5を参照すると、例示的な別のピストンアセンブリ300が示されている。ピストンアセンブリ100,200と同様に、ピストンアセンブリ300は、クラウン302と、スカート304とを有している。クラウン302およびスカート304は、概して冷却ギャラリ308を形成するために協働する。冷却ギャラリ308を通じて、冷却剤、たとえばエンジンオイルがピストンアセンブリ300の運転中に循環され得る。
クラウン302は、半径方向内側および半径方向外側の合わせ面310,311を含んでいてよい。これらの合わせ面310,311は、スカート304の半径方向内側および半径方向外側の合わせ面314,315にそれぞれ接合されている。しかし、上記のピストンアセンブリ100,200のために概して上述された合わせ面とは異なり、クラウン302およびスカート304の半径方向内側の合わせ面310,314は、ピストンアセンブリ300に関して概して長手方向に方向付けられている。すなわち、半径方向内側の合わせ面310,314は、ピストンアセンブリ300に関して概して長手方向に方向付けられた平坦な面を画成する。
さらに、溶接スパッタ捕集部(トラップ)360が、合わせ面310,314に隣接して設けられていてよく、これにより、合わせ面310,314に関連する溶接作業中にあらゆる溶接スパッタを捕集することを可能にする。すなわち、クラウン302およびスカート304は、溶接作業中に溶接スパッタが流れ込むギャップまたはスペースを形成する相応するキャビティ(室)を形成することができる。例示的な1つの実施の形態では、溶接レーザLAは、クラウン302およびスカート304の上方の位置から半径方向内側の合わせ面310,314上で作用し、あらゆる溶接スパッタは溶接スパッタ捕集部360内に蓄積させる。
溶接スパッタ捕集部360は、合わせ面310,314上で溶接作業が施されるあらゆる箇所に設けられていてよい。たとえば、溶接スパッタ捕集部360は、当該溶接スパッタ捕集部360がピストンクラウン302およびスカート304の円周の少なくとも一部に沿って、概して連続的に延びるように設けられていてよく、溶接部は、ピストンクラウン302およびスカート304またはその一部の対応する円周に沿って延びるように形成されていると有利である。択一的には、一連の溶接スパッタ捕集部360が、クラウン302およびスカート304の円周に沿って、たとえば溶接部がクラウン302およびスカート304の円周に沿って設けられている位置に相応して、間隔を置いて配置されていてよい。
さらに、第2の溶接スパッタ捕集部362が、クラウン302およびスカート304の半径方向外側の合わせ面311,315に隣接して設けられていてもよい。図5から判るように、半径方向外側の合わせ面311,315は概して水平方向に方向付けられていて、かつレーザLCによって作用される。レーザLCは、合わせ面311,315に関連して概して半径方向外側の位置から、合わせ面311,315に作用する。したがって、溶接スパッタを、概して溶接スパッタ捕集部362内に捕集することができる。この場合、溶接スパッタは、合わせ面311,315から半径方向内方に向かって流れるので、溶接スパッタ捕集部362は合わせ面311,315に関連して半径方向内方に位置している。
溶接スパッタ捕集部360,362は、好適なあらゆる方法を用いて形成され得る。たとえば、溶接スパッタ捕集部360,362は、スカート304および/またはクラウン302に関連する成形プロセスの一部として形成され得る。択一的には、溶接スパッタ捕集部360,362は、クラウン302および/またはスカート304内に、たとえば機械加工により別個に形成され得る。
1つまたは複数の溶接スパッタ捕集部360,362を設けることは、バット溶接(butt welding)の使用を可能にするので有利である。バット溶接は、たとえば重ね接合に比べて、溶接接合部の増大された強度および硬度を提供することができる。
図6を参照すると、ピストンアセンブリを形成する例示的なプロセス600のフローチャートが示されている。プロセス600は、概してブロック602で開始し、ブロック602においてピストンクラウンが提供される。たとえば、概して冷却ギャラリ108の少なくとも一部を形成するリングベルト部分106を有するピストンクラウン102を提供することができる。さらに、ピストンクラウン102は、上述のように半径方向内側および半径方向外側のクラウン合わせ面110,111を含んでいてよい。
ブロック604に進むと、ピストンスカートが、クラウンに設けられた中心開口内に収容され得る。たとえば上述のように、ピストンスカート104,204,304が、クラウン102,202,302の中心開口C内に収容され得る。さらに、クラウンおよびスカートは、連続的な上側の燃焼ボウル面、たとえば燃焼ボウル面Sを形成するために協働する。半径方向内側および半径方向外側のクラウン合わせ面およびスカート合わせ面は、それぞれクラウンおよびスカートのほぼ全周に沿って延びている。クラウン102は、中心開口Cを取り囲んで、たとえばクラウン102およびスカート104の半径方向内側の合わせ面110,114に隣接して延びる固定フランジ150を有している。さらに、固定フランジ150の長手方向の高さは、スカート104に接触する固定フランジ150の半径方向の延在長さよりも小さくてよい。プロセス600は、次いでブロック606に進む。
ブロック606では、1つまたは複数の溶接スパッタ捕集部が、クラウンおよびスカートの半径方向内側および外側の合わせ面の少なくとも一方に隣接して形成され得る。たとえば、上述のように、溶接スパッタ捕集部360および/または362が、クラウン302およびスカート304内に形成され、これによって、溶接スパッタ捕集部360,362は、合わせ面に隣接して、関連する溶接作業中に溶接スパッタが向かう可能性のある箇所に位置している。上述のように、溶接スパッタ捕集部360,362は、好適なあらゆるプロセスを用いて、たとえばクラウン302および/またはスカート304に関連した成形プロセスの一部として、または機械加工のような別個の成形プロセスにおいて形成され得る。プロセス600は次いでブロック608に進む。
ブロック608では、少なくとも1つの通路が、スカート内に形成され得る。たとえば、上述のように、通路250が設けられており、該通路250は、冷却ギャラリ面から、外面、たとえばピストンアセンブリのスカート外面226に向かって延びている。さらに、通路250から受け取った冷却材または潤滑剤を蓄えるために凹設部またはポケット256が設けられていてよい。
ブロック610に進むと、クラウンおよびスカートは、当該スカートおよび/またはクラウンに設けられた対応する半径方向内側および外側の合わせ面に沿って隣接されるか、もしくは突き合わせられて、これにより、スカートは概して冷却ギャラリを閉じる。たとえば、上述のように、クラウン102の半径方向内側および外側の合わせ面110,111は、スカート104の半径方向内側および外側の合わせ面114,115にそれぞれ隣接させられている。さらに、スカート104の上側の部分140は、概してクラウン102により形成される冷却ギャラリ108を閉じることができる。さらに、クラウン102の固定フランジ150は、スカート104の上側部分140に対して隣接させられていてよい。プロセス600は、次いでブロック612に進む。
ブロック612では、クラウンおよびスカートが、当該クラウン102およびスカート104に設けられた半径方向内側の合わせ面110,114に沿ってそれぞれ互いに堅固に固定され得る。たとえば、上述のようにクラウン102およびスカート104は、当該クラウン102およびスカート104の半径方向内側の合わせ面110,114に沿ってそれぞれ互いに溶接され得る。さらに、溶接作業は、レーザ溶接工具を使用することがでる。レーザ溶接工具は、概して、レーザビーム、たとえば溶接レーザLAおよび/またはレーザLBを、概してピストンアセンブリ100に関連して長手方向に、それぞれクラウン102およびスカート104の半径方向内側の合わせ面110,114に対して向ける。1つまたは複数の溶接スパッタ捕集部、たとえば溶接スパッタ捕集部360が設けられている場合、半径方向内側の合わせ面を互いに溶接することは、溶接スパッタを溶接スパッタ捕集部内に向かわせることを含む。プロセス600は、次いでブロック614に進む。
ブロック614では、クラウン102とスカート104とが、クラウンおよびスカートの半径方向外側の合わせ面に沿って堅固に結合され得る。たとえば、上述のように、クラウン102およびスカート104の半径方向外側の合わせ面111,115は、互いに溶接されていてよい。さらに、上述の別の例示的な形態では、クラウン102およびスカート104の半径方向外側の合わせ面311,315は、それぞれ、溶接レーザLCを用いて互いに溶接されていてよい。この溶接レーザLCは、合わせ面311,315に対して半径方向に向けられていて、溶接スパッタは、隣接する溶接スパッタ捕集部362内に向かう。プロセス600は、次いで終了する。
ここに図示された例示的なピストン100,200,300およびプロセス600は、概して、ピストンアセンブリ内に形成された冷却ギャラリによって改善された冷却パフォーマンスを可能にする。さらに、ピストンアセンブリ100,200,300は、ピストンアセンブリに関する潤滑の最適化の結果、改善されたピストンガイド、ダイナミクス、改善された摩耗のための最適化された粘性力を提供する。さらに、開示された溶接方法は、鉛直方向の溶接作業による製造のフレキシビリティの結果として、製造コストを減じ得る。
ここに記載されたプロセス、システム、方法、発見的方法に関して、このようなプロセスのステップ等はある順序に従って行われるように説明されているが、このようなプロセスは、記載されたステップが、ここに記載された順序とは異なる順序で行われることによって実行できることが理解されるべきである。さらに、あるステップを同時に行うことができるか、他のステップを加えることができるか、またはここで記載されたあるステップを省略できることが理解されるべきである。言い換えれば、ここでのプロセスの説明は、ある実施形態を例示する目的で提供されており、請求項に記載された発明を限定するものと解釈されるべきではない。
したがって、上記説明は例示的であり限定的ではないことが意図されていることが理解されるべきである。提供された例以外の多くの実施形態および用途が、上記説明を読んだ場合に当業者に明らかになるであろう。発明の範囲は、上記説明に関して決定されるべきではなく、添付の請求項に関して、このような請求項が権利を与えられた均等物の全ての範囲にしたがって、決定されるべきである。ここで説明された技術において将来の発展が生じ、開示されたシステムおよび方法がこのような将来の実施形態に組み込まれることが予期および意図されている。要するに、本発明は、変更が可能であり、以下の請求項によってのみ限定されることが理解されるべきである。
請求項において使用された全ての用語は、そうでないとの明確な表示がここでなされない限り、当業者によって理解されるような最も広い合理的な構成および通常の意味が与えられていることが意図されている。特に、"a"、"the"、"said"等の単数形の冠詞の使用は、請求項がそうでないとの明確な限定を述べていない限り、1つまたは2つ以上の示されたエレメントを述べるように読まれるべきである。

Claims (20)

  1. 冷却ギャラリの少なくとも一部を形成するリングベルト部分を有し、半径方向内側および外側のクラウン合わせ面を有するピストンクラウンと、
    上側の燃焼ボウル面を形成するために前記クラウンおよびピストンスカートが協働するように、前記クラウンに設けられた中心開口内に収容されるピストンスカートと、
    を備えるピストンアセンブリであって、
    前記ピストンスカートは、半径方向内側の接触領域に沿って、前記半径方向内側のクラウン合わせ面と隣接する半径方向内側のスカート合わせ面を有し、
    前記ピストンスカートは、前記冷却ギャラリがほぼ閉じられるように、半径方向外側の接触領域に沿って、前記半径方向外側のクラウン合わせ面と隣接する半径方向外側のスカート合わせ面を有する、
    ことを特徴とする、ピストンアセンブリ。
  2. 前記内側および外側のクラウン合わせ面および前記内側および外側のスカート合わせ面はそれぞれ、前記クラウンおよびスカートのほぼ全周に沿って延びている、請求項1記載のピストンアセンブリ。
  3. 前記クラウンは、前記クラウンおよびスカートの半径方向内側の合わせ面に隣接する前記中心開口を取り囲んで延びる固定フランジを有し、前記固定フランジの長手方向の高さは、前記固定フランジの半径方向の延在距離よりも小さく、前記固定フランジの半径方向の延在部分は、前記スカートに接触する、請求項1記載のピストンアセンブリ。
  4. 前記クラウンおよびスカートは、前記半径方向内側の接触領域によって互い堅固に固定されていて、該半径方向内側の接触領域は、前記クラウンおよびピストンの半径方向内側の合わせ面を有する、請求項1記載のピストンアセンブリ。
  5. 前記クラウンおよびスカートは、前記クラウンおよびスカートの半径方向内側の合わせ面に沿って互いに溶接されている、請求項4記載のピストンアセンブリ。
  6. 前記クラウンおよびスカートは、前記クラウンおよびスカートの半径方向外側の合わせ面に沿って互いに堅固に固定されている、請求項4記載のピストンアセンブリ。
  7. 前記ピストンスカートが、冷却ギャラリ面からピストンアセンブリの外面に向かって延びる少なくとも1つの通路を画成しており、前記冷却ギャラリ面は、前記冷却ギャラリの少なくとも一部を形成している、請求項1記載のピストンアセンブリ。
  8. 前記外面は、エンジン運転中にシリンダボア面に沿って摺動するように形成されている、請求項7記載のピストンアセンブリ。
  9. スカートがポケットを形成するように、ピストンアセンブリの前記外面は、前記ピストンスカートの半径方向の外面から間隔を空けられている、請求項7記載のピストンアセンブリ。
  10. 前記クラウンは、前記燃焼ボウル面の半径方向外側の部分を形成し、前記スカートは前記燃焼ボウル面の半径方向内側の部分を形成する、請求項1記載のピストンアセンブリ。
  11. 冷却ギャラリの少なくとも一部を形成するリングベルト部分を有するピストンクラウンを提供し、該ピストンクラウンが、半径方向内側および外側のクラウン合わせ面を有し、
    連続的な上側の燃焼ボウル面を形成するために前記クラウンおよびスカートが協働するように、ピストンスカートを前記ピストンクラウンに設けられた中心開口内に収容し、前記燃焼ボウル面は、スカートによって形成される半径方向内側の部分と、クラウンによって形成される半径方向外側の部分とを有し、前記ピストンスカートは、半径方向内側および外側のスカート合わせ面を有し、かつ
    前記スカートおよび前記ピストンが、クラウンおよびピストンの半径方向内側の合わせ面を含む半径方向内側の接触領域に沿って隣接し、かつ前記スカートおよびクラウンが、スカートが概して冷却ギャラリを閉じるようにクラウンおよびピストンの半径方向外側の合わせ面を含む半径方向外側の接触領域に沿って隣接するように、前記スカートおよびクラウンの対応する半径方向内側および外側の合わせ面に沿って前記スカートを前記ピストンに隣接させる、
    を含むことを特徴とする、方法。
  12. 前記半径方向内側および外側のクラウン合わせ面と、前記半径方向内側および外側のスカート合わせ面とをそれぞれ、それぞれ前記クラウンおよびスカートのほぼ全周に沿って延びるように形成することをさらに含む、請求項11記載の方法。
  13. 前記クラウンを、前記クラウンおよびスカートの半径方向内側の合わせ面に隣接する前記中心開口を取り囲んで延びる固定フランジを有するように形成することをさらに含み、該固定フランジの長手方向の高さは、該固定フランジの半径方向の延在距離よりも小さく、該固定フランジの半径方向の延在部分は、前記スカートに接触する、請求項11記載の方法。
  14. 前記クラウンおよびスカートの半径方向内側の合わせ面を含む半径方向内側の接触領域によって前記クラウンとスカートとを堅固に固定することをさらに含む、請求項11記載の方法。
  15. 前記クラウンとスカートとを互いに堅固に固定することは、前記クラウンとスカートとを前記クラウンおよびスカートの半径方向内側の合わせ面に沿って互いに溶接することを含む、請求項14記載の方法。
  16. クラウンとスカートとの溶接を、クラウンとスカートとのレーザ溶接として行うことをさらに含む、請求項15記載の方法。
  17. クラウンとスカートとのレーザ溶接は、溶接レーザをピストンに関して概して長手方向に、クラウンおよびスカートの半径方向内側の合わせ面に対して向けることを含む、請求項16記載の方法。
  18. 前記クラウンおよびスカートを、前記クラウンおよびスカートの半径方向外側の合わせ面に沿って互いに堅固に固定することをさらに含む、請求項14記載の方法。
  19. 前記スカート内に少なくとも1つの通路を形成することをさらに含み、該通路が、冷却ギャラリ面からピストンアセンブリの外面に向かって延びていて、冷却ギャラリ面が冷却ギャラリの少なくとも一部を形成している、請求項11記載の方法。
  20. 溶接スパッタ捕集部を、前記クラウンおよびスカートの半径方向内側および外側の合わせ面の少なくとも一方に隣接して形成し、
    前記半径方向内側および外側の合わせ面の少なくとも一方を溶接することを更に含み、これにより、加熱された材料を、前記半径方向内側および外側の合わせ面の少なくとも一方に関連した溶接接合部とは反対の側に位置する溶接スパッタ捕集部内に向ける、請求項11記載の方法。
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