JP2013518695A - 超高感度光学微小血管造影用の方法および装置 - Google Patents

超高感度光学微小血管造影用の方法および装置 Download PDF

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Abstract

【解決手段】本願明細書の実施の形態は、毛細血管中の血流に見られるような、遅い流れ情報に対して高感度な超高感度光学微小血管造影(OMAG)システムを提供する。しかし、比較的短いデータ取得時間も提供する。本システムは、高速スキャン軸上にて複数の高速スキャン(つまりBスキャン)を実行する。各高速スキャンは複数のAスキャンを含む。同時に、本システムは、低速スキャン軸上にて低速スキャン(つまりCスキャン)を実行する。低速スキャンは複数の高速スキャンを含む。検出器は、サンプルからスペクトルの干渉信号を受信することにより、三次元(3D)データセットを生成する。次に、3Dデータセットに対して低速スキャン軸にてイメージングアルゴリズムが適用されることにより、サンプルの少なくとも1つの画像が生成される。実施の形態によっては、イメージングアルゴリズムは流れ情報をサンプルの構造情報から分離してもよい。
【選択図】図2

Description

本出願の実施の形態は、イメージングの分野、より具体的には超高感度光学微小血管造影用の方法および装置に関する。
(特許に係る政府の権利)
本願発明は、米国国立衛生研究所によって与えられた許可/契約番号第R01HL093140号、第R01EB009682号および第R01DC010201号のもと、米国政府の支援を用いてなされた。米国政府は本願発明において特定の(certain)権利を有する。
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、「超高感度光学微小血管造影用の方法および装置」との題名が付けられ、2010年2月8日に出願された米国特許仮出願第61/302409号の優先権を請求する。この出願の開示全体は、参照によって本願明細書中に援用される。
本出願は、「生体組織における血液かん流の定量的イメージング用の方法および装置」との題名が付けられ、2009年5月4日に出願された米国特許仮出願第61/175229号、および「生体内の構造および流れイメージング」との題名が付けられ、2007年9月18日に出願された国際特許出願第2008/039660号に関連する。これらの出願の開示全体は、参照によって本願明細書中に援用される。
生体組織中の血流を評価することにより、診断法、治療および/または病状の管理に対して重要な情報がもたらされる。たとえば、皮膚の微小循環を評価することにより、皮膚科学における病状に対して、皮膚がん、ポートワイン母斑治療、糖尿病、および形成外科などの重要な情報がもたらされうる。同様に、ヒトの眼の網膜および脈絡膜の内部における眼球のかん流を評価することは、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、および緑内障などの診断、治療、および眼科学における多くの病状の管理において重要である。したがって、三次元(3D)微小血管ネットワークを生体内で非侵襲的にイメージングできる診断ツールおよび技術的ツールが求められている。
この要求を満たすために、いくつかの技術が開発されてきた。しかし、現在の技術は様々な欠点に悩まされている。これらの欠点によって、これらの技術はヒトでの生体内イメージングには不適切となっている。これらの欠点は、たとえば血流に対する感度の低さ、有用な深さ情報を得るためには不十分な分解能、および/または長すぎるデータ取得時間などである。
添付の図面と併せて以下の詳細な説明によって、実施の形態は容易に理解されるであろう。実施の形態は、添付の図面の図において、本願発明を限定するためではなく、一例として説明される。
本願発明の様々な実施の形態に従ったイメージング装置の機能ブロック図を示す。 様々な実施の形態に従った3Dデータセットの例を示す。 様々な実施の形態に従ったx−スキャナおよびy−スキャナに対する駆動信号の一例を示す。 様々な実施の形態に従ったx−スキャナおよびy−スキャナに対する駆動信号の別の例を示す。 図5(A)〜(C)は、様々な実施の形態に従った超高感度光学微小血管造影(UHS−OMAG)システムを用いて得られたヒトの真皮内における毛細血管の画像を示す。図5(A)は、フーリエドメイン光干渉断層撮影(FDOCT)の構造画像である。図5(B)は、UHS−OMAGの流れ画像である。図5(C)は、図5(B)のUHS−OMAG画像から得られた位相分解光ドップラートモグラフィ(PRODT)の断面流れ画像である。図5(D)および(E)は、図5(A)〜(C)の画像と比較するために、従来技術の光学微小血管造影(OMAG)システムを用いて得られたヒトの真皮内における毛細血管の画像を示す。図5(D)は、フーリエドメイン光干渉断層撮影(FDOCT)の構造画像である。図5(E)は、OMAGの流れ画像である。図5(F)は、図5(E)のOMAG画像から得られた位相分解光ドップラートモグラフィ(PRODT)の断面流れ画像である。 図6(A)は、流れ模型(flow phantom)のBスキャン構造画像である。図6(B)は、様々な実施の形態に従った、対応するUHS−OMAGの流れ画像である。 図7(A)は、様々な実施の形態に従ってUHS−OMAGによって評価された流れ模型(phantom)から得られた速度画像である。図7(B)は、様々な実施の形態に従って、図7(A)の横線として示す位置にて毛細血管チューブを横切る速度データのプロットである。図7(C)および(D)は、様々な実施の形態に従って同じ模型のPRODTイメージングにより得られた、それぞれ図7(A)および(B)に対応する結果である。 図8(A)は、ヒトの皮膚の血管系の略図である。図8(B)は、スキャン領域を示す手のひらの写真である。図8(C)は、様々な実施の形態に従った3D構造と血管の三次元(3D)レンダーリングOMAG画像である。図8(D)は、様々な実施の形態に従った、イメージングされた血管の断面図である。 図9(A)〜(D)は、様々な実施の形態に従った、それぞれ(A)400〜450μm(真皮乳頭層を詳細に示す);(B)450〜650μm;(C)650〜780μm(真皮網状層を詳細に示す);(D)780〜1100μm(皮下組織の一部)から得られた皮膚の異なる深さにおける微小循環ネットワークのUHS−OMAG詳細投影図を示す。 様々な実施の形態に従ったUHS−OMAGシステムの概略図を示す。 図11(A)および(B)は、様々な実施の形態に従った視神経頭に向かう黄斑部近傍の後眼部の生体内UHS−OMAGイメージングを示す。図11(A)は、形態学的特徴を示す微細構造のOMAG Bスキャンである。図11(B)は、対応するOMAG血流画像である。図11(C)および(D)は、様々な実施の形態に従った、黄斑部に近い約3×3mmのある領域の3Dスキャンから得られた(C)網膜および(D)脈絡膜の内部における血流分布の投影地図を示す。 図12(A)〜(F)は、様々な実施の形態に従った、図11(B)で注釈が付けられた指標(land−mark)深さにおける患者の網膜内部(図12(A)〜(C))および脈絡膜内部(図12(D)〜(F))の血管の深度分解画像を示す。図12(A)は、RPEよりも425μm超上側のR1を示す。図12(B)は、RPEよりも300〜425μm上側のR2を示す。図12(C)は、RPEよりも50〜300μm上側のR3を示す。図12(D)は、RPEよりも0〜70μm下側のC1を示す。図12(E)は、RPEよりも70〜200μm下側のC2を示す。図12(F)は、RPEよりも200μm超下側のC3を示す。
(開示された実施の形態の詳細な説明)
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図が参照される。添付の図には、実施されてもよい実施の形態が説明のために示されている。本願発明の範囲化から逸脱しない範囲で、他の実施の形態が利用されてもよいこと、および構造的または論理的な変更が加えられてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は制限的な意味で解釈されるべきではない。また、実施の形態の範囲は、添付の特許請求の範囲およびこれと同等なものによって規定される。
実施の形態を理解する手助けとなりうるように、様々な操作が多数の別々の操作として順に説明される。しかし、説明順は、これらの操作が順序に依存することを意味すると見なされるべきではない。
説明には、上に/下に、後部/前部、および上部/下部などの遠近(perspective)に基づく説明が使用されてもよい。そのような記載は、単に議論を促進するために使用されたものであって、開示された実施の形態の用途を制限することを意図するものではない。
「連結された(coupled)」および「接続された(connected)」との用語がこれらの派生語とともに使用されてもよい。これらの語句は、互いに同義語であることが意図されていないと理解されるべきである。そうではなく、特定の実施の形態では、「接続された」は、2つ以上の要素が互いに物理的にまたは電気的に直接接触していることを示すために使用されてもよい。「連結された」は、2つ以上の要素が物理的にまたは電気的に直接接触していることを意味してもよい。しかし、「連結された」はまた、2つ以上の要素が互いに直接接触してはいないが、それでもなお互いに協働するか相互作用することを意味してもよい。
説明のために、「A B」または「Aおよび/またはB」の形の表現は、「(A)、(B)、または(AおよびB)」を意味する。説明のために、「A、B、およびCのうち少なくとも1つ」という形の表現は、「(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A、BおよびC)」を意味する。説明のために、「(A)B」の形の表現は、「(B)または(AB)」、つまりAが任意的な要素であることを意味する。
説明には、「(1つの)実施の形態」または「(複数の)実施の形態」との語句が使用されてもよい。これらはそれぞれ、1つ以上の同じまたは異なる実施の形態を意味してもよい。さらに、実施の形態に関して使用される「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの語句は同義語であって、一般には「開いた(open)」語句を意図する(たとえば、「含む(including)」との語句は、「含むがこれには限られない」と解釈されるべきである。「有する(having)との語句は、「少なくとも〜を有する」と解釈されるべきである。「含む(includes)」との語句は、「含むがこれには限られない」と解釈されるべきである、など)。
本明細書中における任意の複数および/または単数の語句の使用に関して、文脈および/または用途に対して適切なように、当業者は複数から単数および/または単数から複数に変換可能である。様々な単数/複数の置換は、明確にするためにここではっきりと説明されてもよい。
様々な実施の形態において、超高感度光学微小血管造影(UHS−OMAG)用の方法、装置、およびシステムが提供される。例示的な実施の形態では、計算装置は、開示された装置および/またはシステムの1つ以上の部品を有してもよい。また計算装置は、本願明細書で開示されるように、1つ以上の方法を実行するために使用されてもよい。
本願明細書の実施の形態は、比較的短いデータ取得時間によって、高感度をもたらすUHS−OMAGシステムを提供する。OMAGは、光干渉断層撮影(OCT)の変法である画像診断法である。イメージングは、移動粒子によって散乱された光信号に基づく。移動粒子から後方散乱された光は、拍動周波数(beating frequency)を運んでもよい。拍動周波数は、動く要素による散乱信号を、静止した要素による散乱信号から区別するために使用されてもよい。したがって、OMAGは血流などの粒子の流れをイメージングするために使用することができる。
UHS−OMAGシステムの様々な実施の形態は、光源、サンプル部(arm)、参照部および検出部を含んでもよい。図1に示されるのは、超高感度2Dおよび3D流れイメージングに好適なUHS−OMAG装置100の例示的な実施の形態である。図示されたUHS−OMAG装置100は、当技術分野で周知のいくつかの特徴を含んでもよい。これらの特徴は、本願発明の実施の形態の理解に手助けとなる場合を除いて、ここではあまり詳細には説明しない。
図示されているように、UHS−OMAG装置100は光源10を含んでもよい。光源10は、広帯域光源または波長可変レーザー源を含む(がこれらには限られない)目的に好適な任意の光源を含んでもよい。好適な広帯域光源10は、超発光ダイオードを含んでもよい。ある実施の形態では、光源10は1310ナノメートル(nm)の中心波長および65nmの半値全幅バンド幅を有する超発光ダイオードを含む。様々な実施の形態において、光源10は1つ以上のより長い/短い波長を有する光源であってもよい。これによって、より深いイメージングが可能となってもよい。様々な他の実施の形態では、光源10はたとえばスウェプト(swept)レーザー光源などの波長可変レーザー源を含んでもよい。
UHS−OMAG装置100は、光源10からの光を本システム中に結びつけるための光学素子(optics)11を含んでもよい。装置100は光学素子11からの光を2つのビームへと分けるためのビームスプリッタ12を含んでもよい。つまり、第1のビームは参照部14に、第2のビームはサンプル部16に供給される。様々な実施の形態において、光学素子11は、本願の目的に好適な種々のレンズまたは光ファイバー関連部品を含んでもよいが、これらには限られない。ビームスプリッタ12は、本願の目的に好適な2×2の単一モードファイバー結合器または任意のファイバー結合器を含んでもよい。
参照部14は、サンプル18から後方散乱された光と組み合わせてスペクトルのインターフェログラムを生成するために、光源10によって供給された光から参照光を検出部30(以下においてより詳細に説明する)に供給するように構成されてもよい。参照部14は、光学素子20および参照光を提供するために光源10から光を反射するための鏡22を含んでいてもよい。光学素子20は、本願の目的に好適な様々なレンズを含んでもよいが、これらには限られない。
鏡22は固定されていてもよいし、調節されていてもよい。調節は、検出部30にて検出された信号の周波数の調節に相当してもよい。参照部14の調節された鏡22による一定のドップラー周波数によって、スペクトルの干渉信号(インターフェログラム)が調節されてもよいことが観察されてきた。次に、調節された信号を変調周波数にて復調することによって、スペクトルの干渉信号が回復されてもよい。復調は、たとえばデジタルまたは光学復調法を含む、任意の好適な方法を用いて実現されてもよい。スペクトルの干渉信号を調節または復調してSN比を改善することによって、構造イメージング、流れイメージング、および血管造影イメージングのために画質を向上させることが有利である。
サンプル部16は、光学素子24、スキャナ26、および光学素子28によって、光源10からサンプル18へと光を供給するように構成されていてもよい光学素子24は、ビームスプリッタ12からの光をスキャナ26と結びつけるために使用されてもよい。光学素子24は、たとえば光学コリメータなどの様々な光学レンズを含んでもよい。スキャナ26は、x−y軸方向にてサンプル28をスキャンするための一対のx−y検流計スキャナを含んでもよい。光学素子28は、スキャナ26からサンプル18上へと光を搬送するのに適切な光学素子を含んでもよい。様々な実施の形態において、スキャナ26はまた、後方散乱された光をサンプル18から受信してもよい。サンプル18に供給される光の特性は特定の用途に依存してもよいが、実施の形態によっては横方向のイメージング分解能は、約1ミリワット(mW)のサンプル18上の光パワーを有し、光の焦点をサンプル18上に合せる対物レンズにより決定された約16μmであってもよい。
参照部14から戻る光およびサンプル部16から戻る光(つまりスペクトル信号)は、検出部30に導入するために、再結合されてビームスプリッタ12へと連結されてもよい。図示されているように、検出部30は分光計34を含む。分光計34は、1つ以上の様々な光学素子36を含む。光学素子36は、1つ以上のコリメータ、1つ以上の回折/伝達格子、および1つ以上のレンズ(図示せず)を含む。例示的な実施の形態では、光学素子36は30mmの焦点距離コリメータ、1200列/mmの回折格子、および焦点距離150mmの色収差補正焦点レンズを含んでもよい。様々な実施の形態において、分光計34は、たとえば0.055nmの設計されたスペクトルの分解能を有していてもよい。これにより、空中で約6.4mmの光学範囲(optical range)となる。ここでは正の周波数空間は3.2mmであり、負の周波数空間は3.2mmである。そのようなパラメータは例示的であって、本願発明の実施の形態に従って様々な方法によって修正されてもよい。
広帯域光源を用いる実施の形態では、分光計34はスペクトルの干渉信号を検出するように構成された線形検出器38などの検出器を含んでもよい。線形検出器38は、1つ以上の列スキャンカメラおよび面スキャンカメラを含んでもよい。例示的で好適な線形検出器38は、電荷結合素子(CCD)であってもよい。
しかし、光源10が広帯域光源ではなく波長可変レーザーを含む実施の形態では、UHS−OMAG装置100は分光計34よりもむしろ1つ以上の単一要素(element)検出器を有しうる拡散増幅器を含んでもよい。たとえば、1つ以上の二重バランス(dual−balanced)光ダイオード検出器が使用されてもよい。
様々な実施の形態において、参照部14、サンプル部16、および検出部30は偏光制御器を含んでもよい(図示せず)。偏光制御器は、UHS−OMAG装置100において光の偏光状態を微調整するように構成されてもよい。本願発明の範囲に含まれるUHS−OMAG装置は、多少の偏光制御器を含んでもよい。しかし、参照部14、サンプル部16、および検出部30にそれぞれ偏光制御器を含めることにより、線形検出器38(または他の好適な検出器)におけるスペクトルの干渉縞コントラストが最大化されることが有利である。
様々な実施の形態において、線形検出器38およびスキャナ26の制御、アルゴリズムを用いたデータの計算、画像の表示、データの入力、および/またはデータの出力などを含む1つ以上の目的で、UHS−OMAG装置100は1つ以上のユーザインターフェース40を含んでもよい。
上述のように、UHS−OMAG装置100は、3−Dスペクトルのインターフェログラムデータセットを得るために、x、yおよびλ(z)方向のサンプル光を用いてサンプル18をスキャンすることによって、3Dデータボリューム(volume)セットを構築するように構成されてもよい。
様々な実施の形態において、スキャナ26はx−スキャナおよびy−スキャナを含んでもよい。複合スキャン中に、x−スキャナは高速スキャン軸に沿って少なくとも1つの高速スキャンを実行してもよい。y−スキャナは低速スキャン軸に沿って少なくとも1つの低速スキャンを実行してもよい。高速スキャン軸は低速スキャン軸に直行していてもよい(つまり、高速スキャン軸および低速スキャン軸はxy平面を規定してもよい)。高速スキャンはまた、ここではBスキャンと呼ばれてもよい。高速スキャン軸はまた、x軸、左右軸、および/またはBスキャン軸と呼ばれてもよい。同様に、低速スキャンはまた、ここではCスキャンと呼ばれてもよい。低速スキャン軸はまた、y軸、高度軸、および/またはCスキャン軸と呼ばれてもよい。各高速スキャンは、高速スキャン時間間隔に対して行われてもよい。各低速スキャンは、低速スキャン時間間隔に対して行われてもよい。ここでは低速スキャン時間間隔は高速スキャン時間間隔の少なくとも2倍の長さである。実施の形態によっては、スキャナは1つ以上の低速スキャンと同時に1つ以上の高速スキャンを実行してもよい。そのような実施の形態では、複数の高速スキャンが1つの低速スキャン中に実行されてもよい。
各Bスキャン(高速スキャン)には、N回のAスキャンが存在してもよい。Aスキャンは、x軸とy軸の両方に直交するz軸にて実行されてもよい。各Aスキャンは、z軸にてイメージング深度情報をもたらすK個のピクセル、つまりデータ点を含んでもよい。同様に、Cスキャン(低速スキャン)はM回のBスキャンを含んでもよい。様々な実施の形態において、N,K,Mは、2以上であってもよい。したがって、複合スキャン中に三次元(3D)データセットが生成されてもよい。3Dデータセットは、複合関数I(x,y,z)として表されてもよい。ここでは、i=1,2,...N,j=1,2,...,M,およびk=1,2,...,Kである。様々な実施の形態において、3Dデータセットの大きさ部分は、スカラー関数A(x,y,z)によって表されてもよい。ここで、I(x,y,z)=A(x,y,z)exp(iφ)である。
図2は、様々な実施の形態に従った3Dデータセット200の例を示す。データセット200は、1つのCスキャン202を含む。Cスキャン202は、M回のBスキャン204を含む。各Bスキャン204は、N回のAスキャン206を含む。各Aスキャン206は、K個のピクセル208、つまりデータ点208を含む。
様々な実施の形態において、イメージングアルゴリズムが3Dデータセットに対して適用されることにより、少なくとも1つの画像が生成されてもよい。イメージングアルゴリズムは、低速スキャン軸(つまりy軸)にて適用されてもよい。実施の形態によっては、イメージングアルゴリズムはサンプルの構造成分から移動成分を分離してもよい。画像は、完全な構造画像および/または分離された構造/流れ画像であってもよい。実施の形態によっては、画像は毛細血管中および/または眼の網膜中などの血流の画像であってもよい。
本願開示では、本出願人らによって開発され、「生体内構造およびフローイメージング」との題名が付けられた2007年9月18日に出願された国際特許出願第2008/039660号に記載された従来のOMAG法に言及する。この開示の全体は、参照によって本出願に援用される。従来のOMAG法に比べて、本出願の実施の形態は、より高い感度および短いデータ取得時間をもたらす。実施の形態によっては、Bスキャン中のAスキャン数Nは少なくされてもよい。一方、Cスキャン中のBスキャン数Mは、従来のOMAG法に比べて増やされてもよい。さらに、イメージングアルゴリズムは、従来のOMAG法のように速軸(つまりBスキャン軸/左右軸)ではなく遅軸(つまり、Cスキャン軸/高度軸)上に適用される。これによって、より短いデータ取得時間をもたらす一方で、画像の移動成分に高感度がもたらされる(つまり、より遅い速度でイメージングできる)。長いデータ取得時間は生体内の使用には適していない可能性がある。対象の不随意運動は避けられないからである。さらに、従来のOMAG法で使用されるイメージングアルゴリズムも実施の形態によっては使用されうるが、ここでは従来のOMAG法とは異なる追加的なイメージングアルゴリズムが提供される。
従来のOMAG法では、高域のフィルタリングは通常、(高速スキャン軸において得られた)Bスキャンフレームにおいて適用される。これにより、静的散乱−動的散乱間にて光学散乱信号が分離される。したがって、隣接するAスキャン間の時間間隔Δtによって、検出可能な流速vが決定される。つまり、v=λ/2nΔtである(式中、λは光源の中心波長である。nはサンプルの屈折率である)。赤血球がプローブビーム方向に沿って200μm/秒以下の速度v(つまりv≦200μm/秒)にて移動するなら、本システムが移動する血球をサンプリングするためには、少なくとも約1.5ミリ秒の時間間隔Δt(つまりΔt≧約1.5ミリ秒)が必要となる(λ=840nmおよびn=1.35と想定)。この時間間隔によって、スキャン速度が約643個のAスキャン/秒となる。したがって、組織塊(volume)の3D毛細血管流れ画像を得るための全イメージング時間はひどく長くなるであろう。この問題は、ヒトの眼の後部をイメージングする場合のように、OMAGシステムによってプローブされた有効な血流を非常に遅くする噴出(blow)流れに対して、プローブビームが実質的に垂直である状況下でさらに悪化する。なぜならドップラー角が90°に近づくからである。
しかし、この開示では、アルゴリズムは遅軸に適用される。したがって、検出可能な流れ信号は、隣接するBスキャン間の時間間隔Δtによって決定される。ある例示的な実施の形態では、Bフレーム率は300Hzであってもよい(以下の実施例を参照)。そのため、Δtは約3.3ミリ秒であってもよい。この場合、検出可能な流れは、約140μm/秒であろう。一方、本システムのスキャン速度(つまりAスキャン速度)には制限がない。したがって、組織容量(volume)の3D毛細血管流れ画像を得るための全イメージング時間は、劇的に減少するであろう。
様々な実施の形態において、UHS−OMAGシステムによって検出可能な最速の流れは、本システムのイメージング速度によって決定されてもよい。ある例示的な実施の形態では、イメージング速度は47000回/秒のAスキャン速度を有してもよい(以下の実施例1を参照)。この状況下で、最大検出速度は約30mm/秒であってもよい。
様々な実施の形態において、UHS−OMAGシステムによって検出可能な最も遅い速度は、UHS−OMAGシステムの位相ノイズレベルによって決定されてもよい。47000回/秒のイメージング速度を有するある例示的な実施の形態(以下の実施例1を参照)では、本システムのSN比は約85dBであってもよい。測定された最も遅い検出流速は、約4.0μm/秒であってもよい。
様々な実施の形態において、x−スキャナは高速スキャン信号によって駆動されてもよい。y−スキャナは低速スキャン信号によって駆動されてもよい。つまり、スキャナは、それぞれ高速スキャン信号および低速スキャン信号の電圧などの特性に従って、プローブビームを高速スキャン軸および低速スキャン軸に沿って向けてもよい。高速スキャン信号および低速スキャン信号は、三角波、方形波、ステップ波、および/または正弦波などの任意の好適な波形であってもよい。
高速スキャン信号と低速スキャン信号とを組み合わせて好適な3Dデータセットを生成するために、任意の好適なスキャナプロトコルが使用されてもよい。たとえば、図3は実施の形態を示す。ここでは高速スキャン信号302および低速スキャン信号304はそれぞれ三角波(つまり連続スキャン)である。高速スキャン信号302は低速スキャン信号304よりも高い周波数を有する。Cスキャンを得るために低速スキャンが実行されるように、複数のBスキャンを生成するために複数の高速スキャンが実行される。図3に示されるように、実施の形態によっては、複合スキャンにおいて1つのみの低速スキャンが実行されてもよい。他の実施の形態では、複数の低速スキャンが実行されて複合スキャンへと組み合わせられてもよい。
図4は、代替的な実施の形態を示す。ここでは、高速スキャン信号402が三角波であって、低速スキャン信号404はステップ波形である。低速スキャン信号はQ回のステップ406を有することにより、1つのCスキャンを完了させてもよい。各ステップにおいて、Bスキャン数Pが取得されてもよい。したがって、CスキャンにおけるBスキャン数Mは、Qを乗じたP(M=P×Q)であってもよい。実施の形態によっては、Pは2以上であってもよい。
様々な実施の形態において、任意の好適なイメージングアルゴリズムが3Dデータセットに対して適用されることにより、血流画像などのサンプルの画像が生成されてもよい。イメージングアルゴリズムは、低速スキャン軸(つまりy軸方向)にて適用されてもよい。イメージングアルゴリズムは、サンプルの移動成分における情報を抽出するために設計されてもよい。高速スキャン軸ではなく低速スキャン軸においてイメージングアルゴリズムを適用することによって、より高い感度がもたらされる。これにより、静止状態にて約100〜900μm/秒の範囲の典型的な流速、病気の状態ではより遅い流速を有する、真皮内部の毛細血管血流などの比較的遅い動きのイメージングが可能となる。
実施の形態によっては、イメージングアルゴリズムは絶対(absolute)操作に続いてy軸方向において微分(differentiation)操作を含んでもよい。実施の形態によっては、微分操作および絶対操作は、複合関数I(x,y,z)に対して実行されてもよい(つまり、j=1,2,...,Mに対してI’(x,y,z)=|I(x,y,z)−I(x,yj−1,z)|である)。他の実施の形態では、微分操作および絶対操作は、複合関数I(x,y,z)の大きさ部分A(x,y,z)に対して実行されてもよい(つまり、j=1,2,...,Mに対してI’(x,y,z)=|A(x,y,z)−A(x,yj−1,z)|である)。
他の実施の形態では、イメージングアルゴリズムは、微細構造、つまり静止粒子によって散乱された光信号から移動粒子によって散乱された光信号を分離するために、y軸方向(低速スキャン軸)にて3Dデータセットに適用されうる高域フィルタを含んでもよい。高域フィルタは、任意の好適なタイプの高域フィルタリング機能を使用してもよい。
さらに、イメージングアルゴリズムの実施の形態によっては、上述のように従来のOMAG法は、y軸方向(低速スキャン軸)にて3Dデータセットに適用されてもよい。
MがNに比べて大きい実施の形態では、つまりBスキャンがy軸方向に高密度に行われる場合には、イメージングアルゴリズムから得られた隣接するBスキャンを平均化することにより、最終的な流れ画像の質が改善されてもよい。平均化に使用されるBスキャンの数は、2以上の任意の数でありうる。
y−スキャナが(図4に示すように)段階的な関数によって駆動される実施の形態では、イメージングアルゴリズムは各ステップにおいて独立して適用されてもよい。次に、各ステップ(つまりI’(x,y,z))における画像が平均化されることによって、そのステップにて最終的な血流のBスキャン画像が得られてもよい。実施の形態によっては、平均化は以下の方程式(式(1))に従って行われてもよい。
したがって、最終的な3D画像は、y軸方向にQ個のBスキャン画像を含んでもよい。
様々な実施の形態において、上述のアルゴリズムは、スペクトル/周波数ドメインにて(つまり、データが波長(または波数)フォーマットである)3Dデータセットに対して適用されてもよい。
様々な他の実施の形態では、上述のアルゴリズムは、時間/距離ドメインにて(つまり、データが時間(または距離)フォーマットである)3Dデータセットに対して適用されてもよい。周波数/スペクトルドメイン光干渉断層撮影では、時間/距離ドメイン信号およびスペクトル/周波数ドメイン信号がフーリエ変換のペアであることが観察されてきた。
(実施例1:真皮内部で毛細血管のレベルにて皮膚の血流をイメージング)
真皮内の毛細血管の血流のイメージングに適用されるように、様々な実施の形態に従ってUHS−OMAGシステムを用いて行われた実験の説明および結果を以下に示す。理想的には、そのような用途用のイメージング手段は、通常非常に遅い(安静状態で約100〜900μm/秒の範囲、病気の状態ではもっと遅い)真皮内の毛細血管の血流を分解できなければならない。加えて、そのような手段は、毛細血管のスケール(約10μm)におけるイメージング分解能とともに、深度情報を提供できなければならない。さらに、対象の不随意運動が避けられないため、生体内の使用を可能とするために、イメージング手段は比較的短いデータ取得時間を有さなければならない。
本実験に使用されたUHS−OMAG用に設定された本システムは、R.K.WangおよびL.Anの「生体内における血管かん流の流量(volumetric)イメージング用のドップラー光学微小血管造影法」(Opt.Express 第17巻第8926頁〜第8940頁(2009年))(以下「論文1」)に説明された方法と類似する。論文1はその全体が参照によって本願明細書に援用される。ここでは、主なパラメータを簡潔に説明する。本システムには、光源として超発光ダイオードを使用した。超発光ダイオードは、1310nmの中心波長と65nmのバンド幅を有し、空中で約12μmの距離分解能をもたらす。サンプル部では、50mmの焦点距離対物レンズが使用されることによって、約16μmの方位分解能が実現された。干渉計からの出力光は、自作の分光計へと送られた。分光計は、設計されたスペクトル分解能が約0.141nmであった。このスペクトル分解能により、ゼロ遅延列の両側にて約3mmという検出可能な深さの幅がもたらされた。カメラの列スキャン速度は、47000回/秒(47kHz)であった。このイメージング速度を用いて、サンプルに対する約3mWの光力によって約85dBにてSN比が測定された。
本システムは、図3(上述)に似たスキャンプロトコルを適用した。このスキャンプロトコルは、血流に対する超高感度イメージングを実現するために設計された。まず、各Bスキャン(つまりx軸方向スキャン)に対して、隣接する列の間隔約15μmにて、したがって組織上で約2mmの長さをカバーするように128個のA列が取得された。このイメージング速度は、300フレーム/秒(fps)であった。47kHzの列スキャン速度によって、理論的なイメージング速度は367fpsであるべき点にここでは留意すべきである。イメージング速度が300fps減少したのは、カメラ−コンピュータ間のハンドシェイク中のデータ転送の限界が原因であった。
次に、y軸方向(つまりCスキャン方向)において、2.0mmの組織にわたって1500個のBスキャンが保存された。隣接するBスキャン間の間隔は約1.3μmであって、Cスキャン方向において約12回のオーバーサンプリング因子と同等であった。全3Dデータセットが5秒以内に保存された。
イメージングアルゴリズムは、速軸(Bスキャン方向)ではなく遅軸(Cスキャン方向)上にて適用された。論文1で議論されているように、CCDカメラによって保存されたBスキャンの干渉信号は、以下の方程式(式(2))によって表現できる。
式中、kは波数である。tはA列が保存されたタイミングである。Eは参照鏡から反射された光である。S(k)は使用された光源のスペクトル密度である。nは組織の屈折率である。zは深さ座標である。a(z,t)は後方散乱光の振幅である。vは深さZに位置する血管中を流動する血球の速度である。サンプル内の異なる位置から後方散乱された光同士の間の自己相互相関は、式(2)では考慮されていない。サンプルから後方散乱された光は、参照鏡から反射された光と比べて弱いからである。加えて、DC信号は考慮されていない。DC信号は有用なOMAG信号に寄与しないからである。
従来のOMAGシステムは、高速スキャン軸、つまりBスキャン方向において高域フィルタリング使用することにより、静止−移動散乱間で光学散乱信号を分離していた。したがって、検出可能な流速vは、隣接するAスキャン間の時間間隔Δtによって決定される。つまり、v=λ/2nΔt(式中、λは光源の中心波長であって、nはサンプルの屈折率)である。毛細血管中の流速が100μm/秒以下であれば、本システムが毛細血管中を流れる血球をサンプリングする機会を有するためには、4.7ミリ秒以上のΔtが必要となるであろう。この時間間隔は約213回のAスキャン/秒のスキャン速度となる。したがって、組織塊(volume)の3D毛細血管流れ画像を得るために必要な全データ取得時間がひどく長くなってしまうため、毛細血管血流の生体内イメージングには理想的ではない。
データ取得時間を短く保ちつつ、毛細血管内部の遅い血流をイメージングするために、Cスキャン方向(低速スキャン軸)に本イメージングアルゴリズムが実行される。この場合、ここでは1つのCスキャンにおいてBスキャン数に相当する時間変数tを除き、本システムにより保存されたスペクトルのインターフェログラム信号を表すために、式(2)を依然として使用することができる。この修正を用いて、従来のOMAGシステムに存在したBスキャン方向におけるオーバーサンプリングの要求が緩和される。これにより、分光計中の列スキャンカメラが制限または固定されているという条件下で、はるかに速いBスキャンイメージング速度を有することが可能となる。検出可能な流速は、隣接するBスキャン間の時間間隔Δtによって決定される。つまり、v=λ/2nΔtである。ここで説明した本システムの設定では、イメージング速度は300fpsであるため、Δtは約3.3ミリ秒である。従来のOMAG法で必要とされる213回のAスキャン/秒に対して、イメージング速度は47000回のAスキャン/秒である点に留意すべきである。
データ処理では、イメージングアルゴリズムは初めに、以下の方程式(式(3))に示すように、保存されたBスキャンスペクトルのインターフェログラムに対してCスキャン方向に沿って微分演算(differential operation)を行う。
式中、iはCスキャン方向におけるBスキャンの指数(index)を表す。微分演算によって、スキャンされた組織塊の内部における固定された要素からの光学散乱信号が抑制される。代わりに、高域フィルタリングが使用されてもよい。次に、高速フーリエ変換(FFT)が式(2)のすべての波数k(ここではtは定数である)に対して適用されることにより、流れに対して超高感度な深さ分解OMAG流れ画像が得られる。
検出限界血流は、本システムの位相ノイズレベルにより決定される。検出限界血流は、OMAG/OCTシステムのSN比の強度Sを用いて、σΔφ =1/Sによって表現することができる。したがって、本システムの85dBにおけるSN比を用いて、流速の検出限界は約4.0μm/秒となるであろう。しかし、血球が4μm/秒で移動するなら、ここで説明した本システムは、3DのOMAG流れ画像中においてこの血球に対して連続軌跡をもたらさないであろう。つまり、軌跡は破線のように見えるであろう。
本システムは動きに対して非常に高感度であるため、イメージングアルゴリズムが直接適用された場合には、サンプル全体としての動きが最終的な画像結果を著しく劣化させる可能性がある。この問題を解決するために、OMAGアルゴリズムを適用する前に、論文1に記載された位相補償法が生の干渉信号に対して適用される。
血流のイメージングに対して上述したUHS−OMAGシステムの性能を試験するために、男性ボランティアの手の裏側に位置する皮膚において、本システムが試験された。比較のため、従来のOMAGおよび位相分解光ドップラートモグラフィ(PRODT)の断面流れ画像も取得された。これら従来の方法に対するオーバーサンプリングの要求を満たすために、本システムは、これらの方法に対して31000回のAスキャン/秒のイメージング速度にて、2mmに対して2000回のAスキャンを保存した。
結果を図5(A)〜(F)に示す。上段の画像(図5(A)〜(C))は、UHS−OMAGシステムによる。一方、下段の画像(図5(D)〜(F))は、慣習的な従来のOMAGシステムによる。図5(A)および図5(D)は、それぞれUHS−OMAGシステムおよび従来のOMAGシステムに対して、保存されたインターフェログラムから得られたフーリエドメイン光干渉断層撮影(FDOCT)の構造画像である。これらは似てはいるが、異なる方法間で本システムを切り替えた場合の対象のわずかな動きのために、全く同一ではない。しかし、遅い流れ情報を抽出するこれらの方法の性能を公正に比較するためには十分である。図5(B)は、UHS−OMAGシステムによる処理後における図5(A)から得られた画像を示す。図5(C)は、UHS−OMAGシステムのPRODT画像を示す。この画像は、隣接するBスキャン間の位相差に基づく。同様に、図5(E)は、従来のOMAGシステムによる処理後における図5(C)から得られた画像を示す。図5(F)は、従来のOMAGシステムの慣習的なPRODT画像を示す。この画像は、1つのBスキャン中における隣接するAスキャン間の位相差に基づく。図5(C)および図5(F)では、これらの位相差は構造信号がノイズレベルよりも15dB高い場合にのみ計算される。
UHS−OMAG法が他の方法を凌ぐことは明らかである。図5(B)は、毛細血管のみが存在する真皮乳頭層(白い矢印で示す)内部の血流とともに、毛細血管とより大きな血管との両方が存在する真皮網状層(赤い矢印で示す)内部の血流を示す。隣接するBスキャン間で位相差を計算することによって、毛細血管内部における血流速度がUHS−OMAGによって算出可能となる(たとえば、図5(C)の白い矢印を参照)。
慣習的なOMAGには、高速スキャン方向におけるオーバーサンプリング(つまりBスキャン)が必要となる。そのため、慣習的なOMAGは、毛細血管内部の遅い血流(通常100μm/秒未満)に対して感度が低い。したがって、従来のPRODT法は、図5(F)に見られるように、あらゆる血管をイメージングすることが全くできない。たとえば図5(B)のUHS−OMAG流れ画像中には、大域的運動などの何らかの「動かない」散乱によって引き起こされうる広範囲のノイズ「流れ」バックグラウンドが存在することに留意すべきである。この場合、脱ノイズフィルタが使用されることによって、UHS−OMAG流れイメージングの質がさらに向上されてもよい。
UHS−OMAGの流れの感度が本システム位相ノイズレベル(上述の通り、この場合は約4μm/秒)に匹敵するかどうかを試験するために、イメージングの標的として高度に散乱した流れ模型(phantom)を用いて、第2の画像セットが取得された。この模型は、組織におけるバックグラウンドの光の不均一性を真似るために、約1%のミルクを混合したゼラチンによって作製された。このバックグラウンド組織を作製する過程で、バックグラウンドにて起こりうる粒子のブラウン運動を最小限に抑えるために、混合したゲルが十分に固定するために予防策が採られた。内径約400μmの毛細血管チューブがこのバックグラウンド組織中に浸され、精密測定用のシリンジポンプにより制御された約2%のTiO粒子の溶液がチューブ内を流された。そのような設定によって毛細血管チューブ内の流速を正確に制御することができるが、約4μm/秒と低い流速をもたらすことは難しい。これは、流れが止まると毛細血管チューブ内で粒子のブラウン運動が避けられないことを考慮すると、特に当てはまる。この実験条件では、ブラウン運動による粒子の運動速度は、数10ミクロン/秒の範囲内でランダムに分布する。これらの理由のために、これらの実験によってUHS−OMAGシステムが粒子のブラウン運動を測定する性能をテストした。
本実験では、チューブ内で散乱粒子の自由落下を避けるために、入射サンプルビームとほぼ垂直となるように毛細血管チューブが作製された。イメージング結果を図6(A)および(B)に示す。図6(A)は、流れ模型のOMAG/OCT微細構造画像である。一方、図6(B)は、対応するUHS−OMAG流れ画像である。この結果から、UHS−OMAGがバックグラウンド領域において信号をほとんど検出することなく、ブラウン運動による粒子の動きをイメージング可能であることが明らかである。
より詳細に試験するために、UHS−OMAG流れ画像の隣接するBスキャンに対して位相分解技術が適用されることにより、上述した流れ模型の速度画像が得られた。この結果を図7(A)に示す。ここでは、バックグラウンド領域における速度値は低いが、主に粒子のブラウン運動のために、毛細血管チューブ内の速度値は対照的に高いことが確認できる。図7(B)は、図7(A)において横線として印が付けられた位置にて、毛細血管チューブの中央を横切って計算された速度のプロットを示す。ここでは破線の長方形は毛細血管の管腔の位置を示す。粒子運動の速度値は、この交差線の位置では約−50〜約100μm/秒に及んだ。破線の長方形領域の外側における速度値の標準偏差は、約4.5μm/秒と評価された。この値は、約4μm/秒という理論値に近い。この実験により、UHS−OMAGシステムは、この研究で使用された本システムの設定に対して、約4μm/秒という低い流れを検出できると結論づけられた。
同じ模型の慣習的なPRODT画像も得られた。これを得るために、本システムのイメージング速度は31000回のAスキャン/秒に設定された。加えて、約2.5mmにわたるBスキャンにおけるA列の密度は4000個に設定された。これは約0.625μmの隣接するAスキャン間の間隔と同じである。対応する結果を図7(C)および図7(D)にそれぞれ示す。これらはPRODTが現在の実験設定の下では粒子のブラウン運動を全くイメージングできないことを示す。図7(D)に示す速度値の標準偏差が約180μm/秒であることに留意すべきである。そのため、PRODTが満足のいくイメージング性能を実現できないことは驚くべきことではない。
UHS−OMAGシステムのイメージング性能の評価に続いて、続く実験は本システムが真皮内部の毛細血管血流を3次元にてイメージングする性能を示す。図8(A)は、ヒトの皮膚における血管系の概略図を示す。ここでは血管の相互接続ネットワークがあらゆるレベルにおいて正規構造によって特徴づけられる。ヒトの皮膚は、真皮および皮下組織(HD)から構成される。真皮はさらに上皮(EP)と真皮(DR)に分けられる。真皮(DR)と皮下組織は血管の複雑なシステムによって満たされている。一方、上皮(EP)には血管が存在しない。表面のネットワークには、真皮乳頭層(PD)と真皮網状層(RD)との相互作用が含まれる。一方、より下側のネットワークは、真皮と皮下組織との境界に位置する。縦の血管が双方のネットワークを接続してネットワークを完成させる。図では、動脈が赤、静脈が青で示されている。上述したように、超高感度OMAGが患者の血管内部の血流をイメージングできるかどうかを示すため、図8(B)に示すように健康なボランティアの手のひらの上における3D血流画像が取得された。図中、黒い正方形はスキャン領域(約2×2mm)を示す。
血管網の3DのOMAGイメージング結果を、3D微細構造画像とともに図8(C)に示す。図8(D)は、皮膚内部の血管系における血流がはっきりと描写された断面図を示す。UHS−OMAGは約4m/秒と低い流速も検出できる感度であるため、汗腺の動きさえイメージングできる。
異なる指標(land−mark)深さにおける投影図が図9(A)〜(D)に示されている。図9(A)は、毛細血管の密度が高い(たとえば矢印で示す)真皮乳頭層に相当する400〜450μmの深さおける投影図を示す。図9(B)は、450〜650μmの深さを示す。ここでは真皮乳頭層と真皮網状層との間で血管網を接続する血管(図9(B)では輝点として見られる)は、ほぼ垂直である。真皮網状層(650〜780μm)および皮下組織(780〜1100μm)の内部の血管網がそれぞれ図9(C)および図9(D)に示されている。これらに示されるように、真皮網状層における血管の直径は、皮下組織における血管の直径よりも小さい。超高感度OMAGを用いたこれらの観察は、文献に記載された観察とほぼ同じである。これにより、皮膚科学の病状検査における超高感度OMAGの能力が実証された。
これらの実験は、超高感度OMAGシステムがヒトの皮膚の内部における流量(volumetric)微小循環をイメージングできることを実証した。これは、速軸(つまりBスキャン方向)ではなく低速スキャン軸(つまりCスキャン方向)に沿ってOMAGアルゴリズムを適用することにより実現された。従来のOMAG流れ画像と比較して、UHS−OMAG法は遅い流れ情報の抽出に関してはるかに高い性能を発揮する。UHS−OMAGシステムによってヒトの皮膚から得られた詳細な3D微小血管画像は、標準的な教科書に記載された画像に匹敵する。したがって、超高感度OMAGはヒトの皮膚の病状に関する将来の臨床試験において大きな価値を有する可能性がある。
(実施例2:ヒトの眼の網膜および脈絡膜における毛細血管網のイメージング)
別の実施例では、ヒトの眼の網膜および脈絡膜における毛細血管網の深さ分解画像を得るために、UHS−OMAGシステムが使用された。図10は、画像を得るために使用されたUHS−OMAGシステム1000の設定を示す。UHS−OMAGシステム1000は、L.AnおよびR.K.WangのOptics Express 第16巻第11438頁〜第11452頁(2008年)(以下、「論文2」)に記載されたシステムと類似する。使用されたUHS−OMAGシステム1000は、842nmに中心がある波長を有しバンド幅が46nmであるプローブビームを生成するための光源1002を含む。このプローブビームは、約8μmの空中での距離分解能をもたらす。サンプル部1004では、コリメータ1008、対物レンズ1010、および接眼レンズ1012によって、光がヒトの眼1006へと運ばれた。サンプル部は、それぞれx−軸およびy−軸に沿ってヒトの眼1006をスキャンするためのx−スキャナ1014およびy−スキャナ1016をさらに含む。
参照部1018では、眼によって生じた分散を補うために、20mmの水室1020が使用された。光源からの参照ビームが参照鏡1022に反射することにより、参照光が供給された。参照光とサンプルから後方散乱された光との間のインターフェログラムが、光循環装置1026を経由して自作の超高速分光計1024へと送られた。分光計には、コリメータ1027、(1200列/mmを有する)伝達回折格子1028、焦点距離100mmのカメラレンズ1030、および140kHzの列スキャン速度を備えた分光計1024の要素列スキャンCMOS検出器1032が含まれた。設計された分光計1024のスペクトルの分解能は、約0.055nmであった。この分解能は、空中にて約3mmのイメージング深度もたらした。本システムの感度は、対象に入射する約900μWの光力およびAスキャン間の時間間隔Δtが約7.4秒である6.9秒の露出時間によって測定して約90dBであった。本システム1000は、光線の偏向を制御するための偏光制御器1034、1036、および1038をさらに含む。
UHS−OMAGシステム1000には図4(上述)と類似し、流れの超高感度イメージングを実現するために設計されたスキャンプロトコルが使用された。最終的に、x−スキャナ1012は400Hzの鋸歯状波形により駆動された。これは、イメージング速度が400フレーム/秒(fps)であることを意味する。各Bスキャン(つまりX軸方向スキャン)を得るためのデューティサイクルは約75%であった。網膜上で約3mmの大きさに及ぶ、約12μmの隣接する列間の間隔を有する、256個のA列が得られた。次に、ステップ関数によってy−スキャナ駆動された。Cスキャン全体では、隣接するステップ間の間隔が約20μmである150個のステップを含む。各ステップでは、8個の反復したBスキャンが得られた。したがって、網膜上で約3×3mmの領域をカバーする1つの3Dデータセットを得るために、3秒を必要とした。
次に、3Dデータセットに対して低速スキャン軸、つまりCスキャン方向に沿って、あるイメージングアルゴリズムが適用された。この場合、検出可能な流速は、隣接するBスキャン間の時間間隔Δtによって決定される。イメージング速度が400fpsであったため、Δt=2.5ミリ秒であった。これは毛細血管中の遅い流れをイメージングするのに十分な時間である(上述)。最後に、各ステップにて計算されたOMAG信号が集団平均化(たとえば式(1))を通じて1つのBスキャンへと崩された(collapsed)。その結果、150個のBスキャンが最終的なCスキャン画像、つまり3DのOMAG血流分布を形成した。
UHS−OMAGシステムの性能を実証するために、本システムが使用されることによって健康なボランティアの画像が得られた。眼および頭部の動きを減らすため、ボランティアには実験中に固定された位置を凝視する(steer)ことが求められた。図11(A)〜(D)は、視神経頭に向かう黄斑部にて保存された1つの塊(volume)のデータセットによって生成された生体内イメージングの結果を示す。図11(A)は、OMAG構造塊の内部における典型的な断面画像(Bスキャン)を示す。この画像は、網膜および脈絡膜の内部における典型的な形態学的特徴が可視化される慣習的なOCT画像と同一である。図11(B)は、イメージングアルゴリズムから得られたこれに対応する血流画像を示す。ここでは、脈絡膜中の血流信号と同様に、網膜の横断面の内部を流れる毛細血管が多く存在する(矢印で示す)。
深度分解特性によって、網膜中の血流を脈絡膜中の血流から分離することができる。これを行うために、論文2に記載された分割アルゴリズムが最初に使用されることにより、網膜色素上皮(RPE)層が特定された。次に、網膜血管からの流れ信号が(光受容体内節および外節からの信号を除去するために)RPE層よりも50μm上のOMAG流れ信号として特定された。一方、RPE層よりも下の層は、脈絡膜血管として特定された。この分割によって、2つの流量(volumetric)流れ画像が生成された。一方は網膜の画像、他方は脈絡膜の画像であった。それぞれ、図11(B)では、標識RおよびCによって注釈が付けられている。最後に、それぞれ分割された網膜塊および脈絡膜塊にて最大振幅投射(MAP)が実行されることにより、それぞれ図11(C)(網膜)および図11(D)(脈絡膜)に示す血流分布地図が得られた。図11(C)では、直径約800μmの無血管帯周辺の黄斑領域において、窩(fovea)を示す血管の環が見られる。この観察は、標準的な網膜の病理と非常によく一致する。
文献によると、網膜は毛細血管網の3つの層から形成されている。つまり、放射状の傍乳頭毛細血管(RPCs:R1)、毛細血管の内層(R2)および外層(R3)である。RPCsは、神経線維層の内側部に存在する毛細血管の最表面層である。内側の毛細血管は、RPCsの下にあってRPCsに平行な神経節細胞層の内部にある。外側の毛細血管網は、内顆粒層を通って内網状層から外網状層へと走っている。しかし、黄斑部内の脈絡膜血管は、網膜の脈絡膜血管とは違い特殊化していない。動脈は視神経周辺にて強膜を貫通し、広がって脈絡膜中にて3つの血管板を形成する。つまり、(RPE層近くの)内部の毛細血管床(C1)、中央の細動脈および内側静脈(C2)、ならびに外部の動脈および静脈(C3)である。これらの説明を参照して、網膜層および脈絡膜層から得られたOMAG血流信号がRPE相に関してさらに分離された。それぞれ網膜に対してはR1(RPEの上側約425μm)、R2(RPEの上側300〜425μm)、およびR3(RPEの上側50〜300μm)、脈絡膜に対してはC1(RPEの下側0〜70μm)、C2(RPEの下側70〜200μm)、およびC3(RPEの200μm超下側)の標識を用いて、この分割が図11(B)に示されている。分割後、各指標深度内の血流地図(MAPs)が図12(A)〜(F)に示されている(図12(A)〜(C)は網膜、図12(D)〜(F)は脈絡膜)。この結果は、文献に見られる説明とよく相関している。
400fpsにて稼働するOMAGシステムには、網膜上の約3×3mmの領域を表す1つの3D血流画像を得るために、約3秒が必要となる。この速度において、最終結果に対する対象の動きの影響がはっきりと見える(図11(A)〜(D)および図12(A)〜(F)の横線は動きによるアーチファクトである)。この問題を修正するためには、いくつかの解決法がある。たとえば(1)イメージングアルゴリズムを適用する前に動きによるアーチファクトを最小化するために、論文2で開発された位相補償アルゴリズムを使用することができる。しかしこの場合、補償アルゴリズムが複雑であるために、意味のある3D血流画像を得るために、必要となる計算負荷が増大してしまうことは避けられない。(1)に加えて、または(1)に代えて、(2)動きによるアーチファクトを最小化するために、イメージング速度をさらに増大させてもよい。現在のシステムの速度は、140kHzの最大ライン速度を有する分光計に使用されるCMOSカメラによって制限される。しかし、4096要素(element)のCMOSカメラが240kHz超のライン速度を実現可能であることを示す報告がある。したがって、本システムにこのCMOSカメラが使用されれば、動きによるアーチファクトが軽減されうることが期待される。
上述したように、UHS−OMAGシステムは網膜および脈絡膜の内部にて眼球のかん流の詳細な分布をイメージングできてもよい。イメージングアルゴリズムを低速スキャン軸上で適用した場合、本システムは眼球の毛細血管の流れに敏感である。加えて、深度分解特性によって、本システムは異なる指標深度内にて詳細な微小循環を提供可能であってもよい。この結果は、文献に記載された結果と非常によく一致する。実証された優れたイメージング結果は、眼科学におけるUHS−OMAGに対する臨床用途の将来性を示す。
ここでは特定の実施の形態を示して説明してきた。当業者であれば、本願発明の範囲を逸脱しない範囲で、同じ目的を達成すると予想された様々な代替的および/または同等な実施の形態または実装が、ここに示されて説明された実施の形態に置き換えられてもよいことを理解するであろう。当業者であれば、実施の形態が様々方法によって実装されてもよいことを容易に理解するであろう。本出願では、本明細書中で説明した実施の形態のあらゆる改変または変形をカバーすることが意図されている。したがって、実施の形態は特許請求の範囲およびこれと同等なものによってのみ限定されることがはっきりと意図されている。

Claims (20)

  1. 光源からのプローブビームを用いてサンプルをスキャンする方法を含むイメージング方法であって、
    前記スキャンは、
    それぞれが複数のAスキャンを含む複数の高速スキャン(Bスキャン)を、高速スキャン軸上にて実行するステップと、
    高速スキャンと同時に、それぞれが複数の高速スキャンを含む1つ以上の低速スキャン(Cスキャン)を、高速スキャン軸と直行する低速スキャン軸上にて実行するステップと、
    スキャン中にサンプルから1つ以上のスペクトルの干渉信号を検出することにより、三次元(3D)データセットを生成するステップと、
    3Dデータセットに対して低速スキャン軸上にてイメージングアルゴリズムを適用することにより、サンプルの少なくとも1つの画像を生成するステップと、を含むイメージング方法。
  2. 高速スキャンは第1の三角波によって駆動され、低速スキャンは第2の三角波によって駆動され、
    第1の三角波は、第2の三角波よりも高い周波数を有する請求項1に記載の方法。
  3. 低速スキャンは、複数のステップを有するステップ波形(stepped waveform)によって駆動され、
    複数の高速スキャンは、ステップ波形の各ステップににて実行される請求項1に記載の方法。
  4. イメージングアルゴリズムは、サンプルの構造成分から得られたサンプルの移動成分を分離するように構成されている請求項1に記載の方法。
  5. イメージングアルゴリズムは、低速スキャン軸上における隣接する高速スキャンの微分演算を含む請求項4に記載の方法。
  6. 3Dデータセットは、1〜M(Mは低速スキャンにおける高速スキャン数)の整数値jに対して、複合関数I(x,y,z)およびI’(x,y,z)=|I(x,y,z)−I(x,yj−1,z)|を含む微分演算によって表される請求項5に記載の方法。
  7. 3Dデータセットは、複合関数I(x,y,z)によって表され、
    3Dデータセットの大きさ部分は、スカラー関数A(x,y,z)によって表され(ただし、I(x,y,z)=A(x,y,z)exp(iφ))、
    微分演算は、1〜M(Mは低速スキャンにおける高速スキャン数)の整数値jに対してI’(x,y,z)=|A(x,y,z)−A(x,yj−1,z)|を含む請求項5に記載の方法。
  8. イメージングアルゴリズムは、3Dデータセットの高域フィルタリングを含む請求項4に記載の方法。
  9. サンプルの画像は、流れ情報を含む請求項1に記載の方法。
  10. 生体内で適用される請求項1に記載の方法。
  11. 光学微小血管造影(OMAG)装置と、
    OMAG装置に連結された1つ以上の処理装置とを含み、
    前記OMAG装置は、
    光源からのプローブビームを用いてサンプルをスキャンし、
    複数のAスキャンをそれぞれ含む複数の高速スキャン(Bスキャン)を、高速スキャン軸上にて実行し、
    高速スキャンと同時に、高速スキャン軸と直行する低速スキャン軸上にて、複数の高速スキャンをそれぞれ含む1つ以上の低速スキャン(Cスキャン)を実行し、
    スキャン中にサンプルからの1つ以上のスペクトルの干渉信号を検出することによって三次元(3D)データセットを生成し、
    3Dデータセットに対してイメージングアルゴリズムを低速スキャン軸上にて適用することにより、サンプルの画像を生成するように構成されている生体内イメージング用のシステム。
  12. OMAG装置は、複数の高速スキャンを実行するためのx−スキャナと、1つ以上の低速スキャンを実行するためのy−スキャナとを含み、
    x−スキャナは高速スキャン信号によって駆動され、
    y−スキャナは低速スキャン信号によって駆動される請求項11に記載のシステム。
  13. 高速スキャン信号は第1の三角波を含み、
    低速スキャン信号は第2の三角波を含み、
    第1の三角波は、第2の三角波よりも高い周波数を有する請求項12に記載のシステム。
  14. 低速スキャン信号は、複数のステップを有するステップ波形を含み、
    高速スキャン信号は、ステップ波形の各ステップにおいて、x−スキャナに複数の高速スキャンを実行させるように構成されている請求項12に記載のシステム。
  15. イメージングアルゴリズムは、サンプルの構造成分から得られたサンプルの移動成分を分離するように構成されている請求項11に記載のシステム。
  16. イメージングアルゴリズムは、低速スキャン軸上における隣接する高速スキャンの微分演算を含む請求項15に記載のシステム。
  17. 3Dデータセットは、1〜M(Mは低速スキャンにおける高速スキャン数)の整数値jに対して、複合関数I(x,y,z)およびI’(x,y,z)=|I(x,y,z)−I(x,yj−1,z)|を含む微分演算によって表される請求項16に記載のシステム。
  18. 3Dデータセットは、複合関数I(x,y,z)によって表され、
    3Dデータセットの大きさ部分は、スカラー関数A(x,y,z)によって表され(ただし、I(x,y,z)=A(x,y,z)exp(iφ))、
    微分演算は、1〜M(Mは低速スキャンにおける高速スキャン数)の整数値jに対してI’(x,y,z)=|A(x,y,z)−A(x,yj−1,z)|を含む請求項16に記載のシステム。
  19. イメージングアルゴリズムは、3Dデータセットの高域フィルタリングを含む請求項15に記載の方法。
  20. サンプルの画像は、流れ情報を含む請求項11に記載の方法。
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