JP2013517003A - 魚胚の大量生成のための方法およびシステム - Google Patents

魚胚の大量生成のための方法およびシステム Download PDF

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Abstract

大量の水生動物胚を生成するための方法およびシステムは、種々の構成でオスおよびメスの水生動物を保持するように適合された、水を満たした産卵タンクを提供することを含む。本システムは、胚は通過させるが水生動物は通過させない、多孔または有孔要素を含む産卵プラットフォームと、呼び水段階中にメスの水生動物からオスの水生動物を分離するために使用することができる多孔または有孔要素を含む、セパレータとを含むことができる。動作に際し、胚を採集することができ、かつ水生動物が胚を食べることができないまたは他の方法で傷つけることができない底部採集領域を提供するために、産卵プラットフォームをタンクの底部に配置することができる。メスの水生動物は、タンクの中で産卵プラットフォームの上側に配置することができる。セパレータは、タンクの中でメスの水生動物の上側に配置することができ、オスの水生動物は、タンクの中でその上側に配置することができ、メスの水生動物から分離したままで、呼び水段階を開始する。胚が必要な時には、セパレータを取り除いて、オスの水生動物をメスの水生動物と混生させることができ、産卵プラットフォームの多孔または有孔要素の上側の水の高さは、産卵段階で、産卵プラットフォームを上げるか、または水位を下げることによって変化させることができる。産卵プラットフォームの多孔または有孔要素は、産卵プラットフォームの多孔または有孔要素の表面の上に様々な深さの領域を形成して、胚生成を向上させるために、水平に対して起伏または傾斜させることができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、合衆国法典第35巻第119条(e)の下で、2010年1月20日に出願の米国特許仮出願第61/296,628号の利益を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
政府支援
本発明は、米国国立衛生研究所によって授与された契約5P01HL32262および2P30DK49216の下で、米国政府の支援によってなされたものである。米国政府は、本発明の特定の権利を有する場合がある。
発明の分野
本発明は、水生動物の生殖生物学および産卵に関する。より具体的には、本発明の実施形態は、魚胚の生成の増大のための方法、装置、およびキットを提供する。本発明は、ゼブラフィッシュ胚の大量生成を効率的な様式で提供することができる、デバイス、システム、方法、およびキットを対象とする。本発明の1つの利点は、発生を同期させた大量の胚を生成できることであり、実質的により短い時間で実験結果を達成し得ることを可能にする。
発明の背景
ゼブラフィッシュ(ダニオレリオ(Danio rerio))モデルは、ヒトの発生および疾患の性質を解明することを目的とした生物学的研究において有用である。特に、化学薬品のヒトの(特に初期発生中の)健康に対する影響を評価するための、新しく、頑健で、かつ対費用効果の高い方法に対する要求が増大している。毒理学のための従来の哺乳類のモデルは高価で、胚形成期中に連動させることが困難であるので、ゼブラフィッシュモデルは、ますます現実的な代替物になってきている。
ゼブラフィッシュの実験的利点としては、それらの小さいサイズ、迅速な外部発生、初期発生中の光学的透明性、小分子に対する透過性、高スループットスクリーニングに適すること、ヒトに対する遺伝的類似性、ならびに拡大する一連の適切なツールおよび方法が挙げられる。さらに、700個を超える胚の個々の一腹卵数を可能にする、ゼブラフィッシュの高い繁殖能は、実験に対する高スループットスクリーニングおよび増加した統計的検出力を可能にする。この驚異的な生殖能は、任意の他の主な脊椎動物のモデル生物には例がなく、ゼブラフィッシュの胚および幼生を、特に、高スループット率および自動化が有利である場合の研究で使用するのに適したものにする。こうした特色の活用は、実験室の交配ストックの堅実な管理に依存し、動物の生殖生物学および振る舞いの完全な理解に基づかなければならない。しかしながら、実験室において新しく産卵したゼブラフィッシュ胚を回収するために一般的に使用される方法および機器は、この可能性を完全に実現することは不可能である。
実験室ゼブラフィッシュの交配ストックを産卵させるための方策には、現在2つの広義のカテゴリがある。インタンクに基づく方策は、魚を「オンシステム」または流れの中に保持したまま、産卵場所または基質を保持タンクの中に提供する。この基本的な手法の改善は、それらが予測不可能であること、および種々のモードの実験的設計に対して柔軟性のないことにより、限定される。代替として、静止タンク方策は、魚をそれらの保持タンクから取り除くことと、システム外または「静水」交配チャンバの中で魚に産卵させることとを含む。静止タンク方策は、時間の経過とともに水質の低下の影響を受けやすく、定常的な処理を伴い、多数の胚が実験に必要である時には、多大な労力と空間を要する。
したがって、空間および労力要件を大幅に削減しながら、短期間での極めて多数の胚の安定した生成を促進するために、浅い区域および深い区域といった起伏のある勾配に沿って、ゼブラフィッシュの自然な傾向を利用して浅水で産卵させる、ゼブラフィッシュの産卵および採胚システムが必要である。さらに、本発明は、緊密に発生を同期させた胚の迅速な採集、および数ヵ月ではなく、数日〜数週間での実験の完了を可能にする。
ゼブラフィッシュの胚生成のためのこれまでの手法
ゼブラフィッシュの胚の産卵に対するこれまでの手法は、概して、インタンクに基づく方策と、静止タンクに基づく方策とに分けることができる。これらの手法は、野生で産卵するゼブラフィッシュの環境および行動選好を前提としていないので、効率的でない。
インタンク方策:インタンクに基づく方策は、魚を「オンシステム」または流れの中に保持したまま、産卵場所または基質を保持タンクの中に提供することだけを含む。この種の技術は、個々の操作が最小限であり混合した性別群に保たれた魚の「自然」生成に依存する。この基本的な手法の別の重要な特徴は、魚が流れの中に保持されるので、交配イベント全体を通して水質が調節および維持されることである。最後に、ストレスの多いイベントであり得る魚の取り扱いは、概ね最小化される。
最初に形式的に説明した実験室ゼブラフィッシュを交配させるための技術は、インタンク交配方法の最も基本的な実施例である。この手法では、動物のための産卵基質を提供するために、ガラス球が保持タンクの底部に配置される。魚は、このガラス球の上に産卵し、胚は、それらの間の空間の中に落ち、胚の共食いを防止し、かつサイフォニングによる以降の胚の採集を容易にする(29−30)。この方法は、ある程度効果的であり得るが、概して、数百または数千のタンクを伴う大規模な培養施設での使用には非実用的である。
わずかに進歩したインタンク手法は、交配イベント中にわたって魚が産卵する交配ボックスまたはコンテナを保持タンクの中に配置することを含む。この方法の共通の特徴は、ボックスまたはコンテナが、産卵された胚がそれを通って落ち、その後に共食いから保護する、メッシュ型の頂部を有することである。ボックスはまた、一般的に、産卵場所としてより魅力的にするためにボックス取り付けられる、いくつかのプラスチック製の植物を有する。この種の方法は、所望に応じてボックスを保持タンクの内外に自由に移動させることができるので、ガラス球に基づく技術よりも容易である。また、魚群からの段階的な胚の採集をより良好に促進し、つがいを交配させるために使用することもできる。
インタンク交配の別の形態は、保持タンクの内側に嵌合するように設計された特製の交雑ケージの使用を含む。交雑させる魚は、保持タンクから網で捕獲して、交雑ケージに移す。胚は、交配させた後にサイフォニングによってまたは魚をタンクから取り除いた後に、採集される。この方法は、胚が実験に必要となるまでオスおよびメスを分離する仕切りを含むことができるので、時間段階的な胚の生成を可能にする。この技術は、数多くの欠点を有し、胚が共食いされないように、交配が行われている収容タンクの中の全ての魚を交雑ケージの中に入れておくか、または他のタンクに移さなければならないという事実が挙げられる。これは、多数の動物の取り扱いを必要とし、インタンク交配方法論の1つの固有の利点を打ち消してしまう。第2に、ほとんどの場合、産卵された胚がタンクからフラッシングされるのを防止するために、タンクへの清浄な水の流れを遮断または減少させなければならない。流れる状態が続く時には、これらの胚を採集するための手段があり得るが、そうでない場合、この方法を使用した時に、インタンクシステムの別の長所が奪われる。
インタンク交配技術の最近の発展は、水生動物収容システム製造業者であるAquatic Habitatsによって設計された、大量胚生成システム(Mass Embryo Production System:MEPS(商標))である。MEPS(商標)は、保持容量が80リットルまたは250リットルである大型の産卵容器であり、任意の既存の再循環またはフロースルーシステムに直接配管することができる。MEPS(商標)は、大集団(最高で1000匹以上)の交配魚を収容することができ、容器内側の種々の深さに位置することができるプラスチック製メッシュスクリーンで覆った特別に製作された漏斗である、1つ以上の産卵プラットフォームを含む。産卵プラットフォームが容器の中に配置された時に、魚は、プラットフォームの上で交配し、産卵された胚は、メッシュを通って関連する漏斗の中に落ちる。次いで、胚は、漏斗の中に方向付けられた加圧空気によって、付属の管を通して別個の採集スクリーンの中にポンプ圧送され、魚を動揺させずに胚を採集することを可能にする。このユニットはまた、プログラム可能な光サイクル調光器を伴う付属の光サイクルドームの使用を介して、変化する光周期で動作する能力を有する。
MEPS(商標)システムは、安定した水質、および動物の最小限の取り扱いを含む、一般的なインタンク交配手法のいくつかの特徴を利用し、減少した労力投入量および増大した空間効率といったさらなる利益を伴う。適切に使用した時に、この技術は、イベントあたり約数万の胚という高レベルの胚生成に対応することが可能であり、したがって、多数の時間段階的な胚を必要とする実験的応用によく適している。しかしながら、この手法は、制限および特定の課題を伴わないというわけではない。例えば、その使用は、両親の個々の同一性が必要でない実験に限定され、ゼブラフィッシュモデルの重要な構成要素である、特定の種類の遺伝子スクリーニングに使用することから除外される。この種の交配ユニットにおける魚の能力は、管理にも大きく依存する。効率を最大化するためには、魚の生殖行動および生物学を詳細に理解することが不可欠であり、したがって、MEPS(商標)は、そのような専門知識を利用できない新しく確立されたゼブラフィッシュ実験室にはあまり適切ではない場合がある。
静止タンク方策:静止タンク方策は、保持タンクから魚を取り出すことと、魚をシステム外または「静水」交配チャンバの中で産卵させることとを含む。この一般的な手法は、大部分のゼブラフィッシュ交配施設で利用され、以下の一般的原理に従う。メッシュまたはグリル状の底部を伴う、小さい(一般的に1L未満)プラスチック製配偶ケージまたはインサートが、水を満たしたわずかに大きいコンテナの内側に配置される。次いで、魚(つがいまたは小群)を、夜にインサートに加える。魚が産卵した時に、受精した胚は、インサートの「床面」を通って落ち、それによって成魚による共食いから保護される(31)。
この技術は、概ね効果的であることが証明されており、結果的に、静止タンク設計の派生物が、数多くの水産養殖および実験室製品供給企業によって製造されている。利用可能な製品は、サイズ、形状、深さ、および総容量、ならびに静止産卵チャンバにおけるインサートの調整性がわずかに異なる。ごく少数の研究が、これらのパラメータの変動が生殖成功および産卵効率に及ぼす影響を調査した。Sessa他(25)は、浅水勾配に深さを提供するために産卵インサートを傾斜させた交雑ケージの中に準備した魚が、インサートを傾斜させなかった(勾配のない)ケージの中に準備した魚と比較した時に、胚生成が統計的に有意な増加を示したことを明らかにしている。傾斜させたインサートを伴うチャンバの中に準備した魚は、浅水で産卵する選好および傾斜させた物理的構成に限定される特定の交配行動を示した。
この分野ではほとんど公開されなかったが、交配インサート自体のサイズ変動の産卵成功および胚生成に対する影響の研究は、3.5Lの対照ケージと、500、400、300、200、および100mLの試験ケージとの間の産卵成功にはいかなる差もなく、200および100mLでは減少した生成を示している(32)。しかしながら、この特定の研究は、再循環水で行われたので(試験チャンバは、大型オンシステムタンクの内側に配置された)、チャンバサイズの静止タンクにおける交配効率に対する影響の明らかな様相は示していない。
静止タンク手法には数多くの長所がある。任意の所望の遺伝子型の魚を、種々の交雑数のつがいまたは小群で準備できるので、この技術を使用して、実質的にあらゆる種類の実験を補助することができる。魚は、保持タンクから取り除かれるので、交配に逆効果である可能性のある、保持タンクの中で確立される行動階層の影響が打ち消される。静止タンク技術はまた、水質パラメータ、すなわち、モンスーンの気候レジームに適合した魚の産卵を促進すると考えられる、塩分、pH、および温度の低下等の水化学の変化といった、水質パラメータの直接的な操作を可能にする(33)。これらの因子は、ゼブラフィッシュの生殖にも影響を及ぼし得る。
しかしながら、静止タンク交配方策には欠点がある。チャンバには流れがないので、産卵セットアップの水質状態は経時的に悪化する。これは正式には調査されていないが、総アンモニア、窒素、および二酸化炭素等の代謝物質は、水の中に蓄積して、産卵に対して負の影響を有する可能性が高い。タンクは、これらの潜在的な問題を打ち消すために清水でフラッシングしてもよいが、これはさらなる労力となる。静止セットアップの使用はまた、魚を常に取り扱うことを必要とし、交配集団の長期にわたるストレス源になり得る。最後に、現在の静止交配技術を使用して、多数の胚を必要とする実験を補助することが可能であるが、特にインタンク交配技術と比較した時に、それを行うには多大な労力および空間を要する。
インタンクに基づく方策の欠点としては、生殖行動の生物学的実体との不十分な整合の結果としての予測不可能性、および高度な管理の必要性が挙げられる。インタンク方策はまた、実験的設計に関してそれらに柔軟性のないことを特徴とする。代わりに、静止タンクに基づくシステムの欠点としては、過剰な魚の取り扱い、水質条件の悪化、大きい設置面積、および実験室管理者側の労働要件が挙げられる。インタンク手法および静止タンク手法の双方に対するこれらの欠点は、実験に不安定性を与え、研究のツールとしてゼブラフィッシュモデルの潜在性の完全な実現を妨げる。
概要
本発明は、水生動物の環境的および行動的産卵を利用することによる、発生を同期させた水生動物胚(例えば、ゼブラフィッシュ胚)の大量生成のための方法、装置、およびキットを対象とする。当業者は、浅水で産卵することを好む他の魚からの胚もまた、本明細書で説明される方法、装置、およびキットに従って生成できることを認識するであろう。
本発明の一態様は、ゼブラフィッシュ胚を大量生成するための方法を含み、
(i) 産卵水プロファイルに対してより深い水深を特徴とする呼び水プロファイルで、両性別の魚種を同じタンクの中に提供するステップと、
(ii) 呼び水プロファイルに対してより浅い水深を特徴とする産卵水プロファイルで、両性別の魚種を提供するステップと、
(iii)胚を採集するステップと、を含む。
本方法のいくつかの実施形態では、魚に不透過性であり胚に透過性である産卵プラットフォームは、魚が産卵水プロファイルにある間、魚と胚堆積場所との間に位置する。
本方法のいくつかの実施形態では、魚の各性別は、産卵の開始まで、呼び水プロファイルにいる間、他の性別から隔離される。本発明のいくつかの実施形態では、魚が視覚、聴覚もしくは振動感覚、または嗅覚感覚を用いて、異性の存在に気付くことができるように、各性別の魚は、同じタンクの中で分離される。
本発明のいくつかの実施形態では、魚は、ゼブラフィッシュを含む。
本発明の第2の態様は、魚胚の大量生成のための装置を含み、
(i) ゼブラフィッシュを呼び水プロファイルで保持するための十分な深さを提供する容器と、
(ii) プラットフォームを上昇させることによって呼び水プロファイルを産卵水プロファイルに変化させるための、深さ調整可能な産卵プラットフォームと、を備える。
本発明の第3の態様は、ゼブラフィッシュ胚の大量生成のためのキットを含み、
(i) 呼び水プロファイルでゼブラフィッシュを保持するために十分な深さの、少なくとも1つの容器と、
(ii) 産卵水プロファイルでゼブラフィッシュを保持するために十分な深さの、少なくとも1つの容器と、
(iii)魚を呼び水プロファイル容器から産卵水プロファイル容器に移すための、取り外し可能な産卵プラットフォームと、を備える。
いくつかの実施形態では、産卵水プラットフォームは、胚に透過性であり魚に不透過性である底面を含むことができ、胚を魚から分離して、かつ保護することを可能にする。
本方法、装置、およびキットのいくつかの実施形態では、産卵プラットフォームは、ゼブラフィッシュに不透過性であり、胚に透過性である。いくつかの実施形態では、産卵プラットフォームは、メッシュから成る。いくつかの実施形態では、産卵プラットフォームは、浅い区域およびより深い区域といった起伏のあるトポグラフィを有する。いくつかの実施形態では、産卵プラットフォームは、容器の一方から他方までの一貫した軸に沿って傾斜する。いくつかの実施形態では、産卵プラットフォームは、ある容器から別の容器まで安全にゼブラフィッシュを輸送するのに十分である。
本発明の方法、装置、およびキットのいくつかの態様では、産卵の開始まで、呼び水プロファイルである間、オスおよびメスを互いに隔離するために、セパレータプラットフォームを利用する。いくつかの実施形態では、セパレータプラットフォームは、シースルーである。いくつかの実施形態では、セパレータプラットフォームは、有孔材料から成る。いくつかの実施形態では、セパレータプラットフォームは、メッシュから成る。
いくつかの実施形態では、水に透過性であり胚に不透過性である胚採集器は、ゼブラフィッシュと胚の堆積場所との間に位置する。いくつかの実施形態では、胚は、重力によって堆積する。いくつかの実施形態では、胚が容器壁に付着するのを防止するために、水圧が容器壁に印加される。いくつかの実施形態では、胚採集器は、メッシュから成る。
いくつかの実施形態では、本発明は、1つのラックシステムまたは複数のラックシステムで用いられる。いくつかの実施形態では、1つのラックシステムまたは複数のラックシステムの一部として様々なサイズの複数の容器が用いられる。
1つの限定的でない実施形態では、容器は、円形または楕円形である。
本明細書で説明される方法、装置、およびキットのいくつかの実施形態では、不透明な内部、および産卵のタイミングを操作するための光源を伴う容器が用いられる。
いくつかの実施形態では、廃棄物を含まない水の流入および廃棄物を含む水の流出があるように、連続または断続に基づく流れシステムが用いられる。
本方法、装置、およびキットのいくつかの実施形態では、少なくとも呼び水プロファイルを形成するために、0〜50リットルの水を保持するように適合される容器を利用する。いくつかの実施形態では、50〜100リットルを保持するように適合される容器が利用される。いくつかの実施形態では、容器は、100〜200リットルを保持するように適合される。いくつかの実施形態では、容器は、200リットルを超えて保持するように適合される。
本方法、装置、およびキットのいくつかの実施形態では、デスクトップまたはテーブルトップ等が挙げられるが、これに限定されない、平坦な表面上に適合させることが可能な容器が利用される。
いくつかの実施形態では、本方法は、屋内もしくは屋外プール、湖、天然の水体、または天然の水体を複製するように設計された人工水体の中で行われる。
本明細書で説明される方法、装置、およびキットのいくつかの実施形態では、方法のステップまたは装置もしくはキットの動作は、自動化されてもよい。
深さが浅く、起伏のあるトポグラフィを特徴とする、産卵水プロファイル内で単離したゼブラフィッシュの高められた胚生成を実証するグラフである。オスおよびメスのゼブラフィッシュを、産卵水プロファイルよりも深いことを特徴とする呼び水プロファイル内で、一晩混合させた。次の朝、胚の数を数えた。次いで、魚を産卵水プロファイル内で単離し、1時間後、および2時間後に、それぞれ胚の数を数えた。呼び水プロファイル内で一晩単離している間に生成された胚の数に対して、起伏のあるトポグラフィを伴う浅水プロファイル内で単離したものは、1時間目の胚生成が2倍を超えて増加する結果となった。1時間目の産卵水プロファイル内で単離したものに対して、2時間目のものは、2倍を超える胚生成の減少が見られた。 呼び水プロファイル内で一晩単離した後に、産卵水プロファイル内で単離して最初の10分以内に、本発明による図4、図5A−5Cに示される装置を使用した、胚生成のグラフである。オスおよびメスのゼブラフィッシュを、呼び水プロファイル内で一晩混合させた。6つの(またはどのグラフを使用するかに応じて5つの)別々の産卵イベントの最初の10分後に、胚の数を数えた。 産卵水プロファイル内で単離した後の、最初の10分間のゼブラフィッシュの9つの異なる系統について、本発明による図7A−7Dに示される装置を使用した、胚生成のグラフである。オスおよびメスのゼブラフィッシュを、呼び水プロファイル内で単離している間、一晩互いに隔離した。産卵の開始時に、オスおよびメスを混合させ、産卵水プロファイル内で単離した。産卵の最初の10分後に、胚の数を数えた。 本発明の一実施形態による呼び水プロファイルを有する、養魚装置を示す図である。 本発明の一実施形態による産卵水プロファイルを有する、図4の養魚装置を示す図である。 本発明の一実施形態による産卵水プロファイルを有する、図4の養魚装置を示す図である。 本発明の一実施形態による産卵水プロファイルを有する、図4の養魚装置を示す図である。 図6A−6Cは、本発明の一実施形態による産卵プラットフォームを示す図である。図6Aは、支持要素を露出させた切取り部分を伴う(メッシュの下部分を除去した)上面図である。図6Bおよび図6Cは、それぞれ、図6Aの断面A−Aおよび断面B−Bを示す図である。 図7A−7Dは、本発明の代替の実施形態による、養魚装置を示す図である。図7Aは、本発明の一実施形態による呼び水プラットフォームを有する、養魚装置を示す図である。 図7A−7Dは、本発明の代替の実施形態による、養魚装置を示す図である。図7B−7Cは、本発明の一実施形態による産卵水プラットフォームを有する、養魚装置を示す図である。 図7A−7Dは、本発明の代替の実施形態による、養魚装置を示す図である。図7B−7Cは、本発明の一実施形態による産卵水プラットフォームを有する、養魚装置を示す図である。 図7A−7Dは、本発明の代替の実施形態による、養魚装置を示す図である。図7Dは、本発明による養魚装置の支持フレーム上のU字形およびL字形支持要素の詳細図である。
詳細な説明
本明細書で提示される本発明は、本明細書で説明される特定の方法論、プロトコル、および試薬等に限定されず、すなわち、変動する場合がある。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、かつ本発明の範囲を限定することを意図せず、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合に、文脈上特に指示のある場合を除き、単数形は複数への言及を包含し、かつ逆もまた同様である。動作実施例または別途指示される場合以外において、本明細書で使用される成分の量または反応条件を表す全ての数値は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。
全ての特許および特定された他の刊行物は、例えば本発明との関連において使用され得るそのような刊行物に記載される方法論を説明および開示する目的で、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日以前のそれらの開示のみに関して提供される。この点に関して、先行発明によって、または他の何らかの理由によって、本発明者らがそのような開示に先行する権利がないことを認めるものとして解釈すべきではない。これらの文書の日付に関する全ての説明または内容に関する表現は、本出願人らが入手可能な情報に基づいており、かつこれらの文書の日付または内容の正確性に関していかなる承認も構成するものでもない。
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。本発明の実践または試験では、任意の既知の方法、デバイス、および材料が使用され得るが、この点に関して、該方法、該装置、および該材料は、本明細書で説明されるものである。
本発明は、魚胚を生成するための方法、装置、およびキットに関し、例証を目的として、本発明は、ダニオレリオ(ゼブラフィッシュ)胚の生成という状況で説明する。ゼブラフィッシュ胚の生成方法、装置、およびキットは、当技術分野で知られているが、本発明は、他の手法よりも高容量、効率的で、時間および労力を要することが少ない、ゼブラフィッシュ胚の生成を提供する。ゼブラフィッシュの産卵選好(浅い区域および深い区域からなる起伏のあるトポグラフィ)と一致する浅水の表面領域トポグラフィを最大化することによって、さらに本発明は、緊密に発生を同期させた胚の迅速な採集、および数ヵ月ではなく、数日〜数週間での実験の完了を可能にする。
本明細書で説明されるように、生物学的に好ましいゼブラフィッシュの産卵習性に従って本方法、装置、およびキットを利用することは、本技術分野では知られていない。当業者は、本明細書で説明される基準による広範囲の種類の実験に適応するように、野生のゼブラフィッシュの環境的および行動的産卵選好に従うことによって、本明細書で説明される方法、装置、およびキットを容易に調整することができる。
自然史
ゼブラフィッシュは、南アジア原産で、主にインド、バングラデシュ、およびネパールの大部分の主な河川流域の下流域の全体を通して分布している。この地理的領域は、そのモンスーン気候を特徴とし、顕著な雨季および乾季を伴う。そのような雨量の季節性は、ゼブラフィッシュの生息環境の物理化学的条件、ならびに資源利用性の両方に著しく影響を及ぼす。これらの因子はまた、生殖の生物学および行動を形作る。
比較的に少数の現地調査からこれまで収集されたデータは、ゼブラフィッシュが主に氾濫原種であり、最も一般的には、水中植物および沈泥で覆われた下層を伴う、浅く、淀んだ、または動きの遅い水体に見られることを示唆している。これらの生息環境の環境条件は、空間および時間がどちらも非常に変動し易い。例えば、夏の雨季のインドおよび冬の乾季のバングラデシュにおけるゼブラフィッシュ採集場所からのプール環境データは、pHが5.9〜8.5の範囲であり、伝導性が10〜2000uSの範囲であり、温度が16〜38℃の範囲であることを示している。季節性および地勢の変化を反映するこれらの差は、ゼブラフィッシュが、広範囲の環境条件の変動に適合しているという強力な証拠を提供する。熱およびイオン変動の両方に対するそれらの許容度を実証する実験室的実験の結果は、この仮説を補助する。
ゼブラフィッシュは、主に、様々な動物プランクトンおよび昆虫(水生および陸生両方の)、またより低い程度で、藻、デトリタス、種々の他の有機物質を餌とする。野生の収集した動物の消化器官内容物の分析は、ゼブラフィッシュが、主に水柱の中で餌を取るが、表層および底生生物からも品目を取ることを示している。
ゼブラフィッシュは、群れを成す種であり、多くの場合、5〜20個体の小群で存在するが、より多い数の群れも観察されている。生殖は、主に、資源が豊富な期間であるモンスーン中に行われる。{Talwar、1991、Inland fishes of India and adjacent countries}。魚は小群で、早朝の間に、浸水した水体の縁に沿って、しばしば浅く、静止した、植物がよく繁った領域で産卵する。また、豪雨期間の後の午後に魚が産卵するという少なくとも1つの報告もなされている。メスは、胚の一腹卵を下層土の上に散乱させて、子育ては行わない。沈性で、非付着性である胚は、28.5℃で48〜72時間で発生して、孵化する。孵化の後に、幼生は、頭部の特殊化細胞によって利用可能な水中の表面に付着する。孵化後24〜48時間以内に、幼生は、浮き袋を膨張させて、小さい動物プランクトンの活発な摂食を開始する。幼魚は、成長する時にはこれらの生育領域の中にとどまり、成熟して、洪水の水が引いた時に、より深い開放水の中に移動する。
最適な胚生成のための適切なゼブラフィッシュの維持
生殖サイクルおよび制御因子:ゼブラフィッシュは、一般的に、実験室設定では、受精後3〜6ヵ月以内で性的成熟に達するが、これは、環境条件(最も重要なのは、飼育密度、温度、および食物入手可能性である)により大幅に変動する場合がある。結果的に、生殖成熟を年齢ではなくサイズと関連付けることがより適切であり得る。数多くの研究からのデータは、約23mmの標準的な長さが、この種の生殖成熟への到達と一致することを示している。
好ましい条件下で、ゼブラフィッシュは、性的成熟への到達時に連続的に産卵する。メスは、日常的に産卵することが可能である。EatonおよびFarleyは、オスとともに継続的に収容した場合に、メスが1.9日毎に産卵することを発見しており、またSpenceおよびSmithは、胚生成は相当変動したが、メスが少なくとも12日間にわたって毎日一腹卵を生成することが可能であったことを報告している。この間隔は、環境(水化学、栄養素、行動設定等)が最適以下である時、または魚が頻繁に生成に使用される場合に、より長くなる可能性が高い。
嗅覚キューは、ゼブラフィッシュの生殖および産卵行動において決定的な役割を果たす。オスによる水中へのステロイドグルクロニドの放出は、メスの排卵を誘発する。Gerlachは、メスを単離して保持した時と比べて、オスのフェロモンに露出させたメスが、産卵頻度、一腹卵数、胚の生存度においてかなりの増加を示したことを報告している。{Gerlach、2006、Pheromonal regulation of reproductive success in female zebrafish:female suppression and male enhancement}。排卵時にメスは、今度は直前の放卵および産卵を誘発するオスの配偶行動を促すフェロモンを放出する。いくつかの場合では、フェロモン放出はまた、「支配的な」メスのゼブラフィッシュからの水を保持すると、従属するメスの産卵を抑えることが示されていることから、生殖を抑制するようにも思われる。
ゼブラフィッシュの生殖はまた、光周期の影響も受ける。排卵は、最も一般的には、夜明け前に起こり、産卵は、昼間の最初の数時間内に始まる。しかしながら、産卵は、この期間に厳密に限定されない。ゼブラフィッシュは、実験室では、1日の全体を通して、特に夜間に交配するが、産卵は、早朝が最も確実かつ活発である(個人的見解)。また、野生では、ゼブラフィッシュが、豪雨の発生した後の午後の間に産卵することも観察されている。
栄養素および給餌:栄養素および給餌は、ゼブラフィッシュ施設における生殖成功−または失敗−の最も重要な決定要素のうちの1つである。したがって、交配ストックの効率的かつ科学的に完全な管理を確実にするためには、管理者および技術者が、魚の栄養素、および利用可能な異なる種類の餌、ならびに餌を送達するための技術の完全な理解を有することが不可欠である。
ゼブラフィッシュの特定の栄養要件はまだ決定されていないが、高レベルの生成を補助する食餌および給餌法の設計に存在するゼブラフィッシュの特定のデータに沿って、魚の栄養の科学的原則を適用することが可能である。最も一般的なレベルで、ストックは、十分なレベルの必須栄養素(すなわち、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、および鉱物)を伴うバランスのよい食餌が与えられるべきである。必須栄養素の欠乏は、いくつかの他の問題の中で、減少した生成、低い成長、および減少した免疫機能をもたらす。
また、最低でも、ゼブラフィッシュの交配集団に使用される食餌が、魚の生殖機能を補助することが知られている特定の栄養素の十分なレベルを含有することを確実にすることが重要である。とりわけ、栄養素としては、高度不飽和脂肪酸(HUFA)のエイコサペンタエン酸(20:5n−3;EPA)、ドコサヘキサエン酸(22:6n−3;DHA)、およびアラキドン酸(20:4n−6;AA)が挙げられ、これらは全て、高品質な配偶子および子孫を生成するために非常に重要なものであり、特に、ゼブラフィッシュの生殖を高めることを示している。特にレチノイドおよびアスコルビン酸を含む、特定のビタミンは、長期にわたる生殖品質および健康にとって極めて重要であることも知られており、食餌を選択する際に検討されるべきである。
餌の種類も極めて重要である。ゼブラフィッシュは、生きた餌食品目、加工された食餌、またはこれら2つの混合物が給餌されてもよい。ゼブラフィッシュの特定の栄養要件がまだ決定されておらず、密接に関連する種とも根本的に異なる場合があるので、これらの食餌に関する大人のゼブラフィッシュの能力の系統的な研究を利用することができないため、排他的に加工された食餌を給餌することは賢明ではない場合がある。アルテミア(Artemia)等の生きた餌食品目は、一般的に、比較的にバランスのよい栄養プロファイルを有し、したがって、ゼブラフィッシュの要件の多くを満たす可能性が最も高い。加工された食餌は、アルテミアまたは他の生きた餌食品目の中に十分なレベルが存在しない場合がある特定の栄養素を送達するために使用することができるので、アルテミアに対するサプリメントとして含まれてもよい。例えば、アルテミアは、DHAおよび安定化ビタミンCが不足している。これらの不足に対処するための1つの方法は、これらの食餌の要件が十分に満たされ、かつ生殖機能が補助されるのを確実にするのに役立つように、既知のレベルのこれらの栄養素を含む調製された餌を、食餌の中に組み込むことである。
最後に、餌は、適切に貯蔵および投与されることが不可欠である。これは、特に加工された餌について重要である。加工された餌の一般的な保管寿命は、涼しく乾燥した状態で維持した時に、3ヵ月以下である。餌の成分(特に、脂肪酸)の酸化は、温度とともに増加する。したがって、餌は、魚のストックがそれらの適用によって最大限の栄養的な利益を得ることを確実にするように、気密コンテナの中に保管し、冷蔵して、3ヵ月後に廃棄すべきである。送達に関して、加工された餌は、投与時に水溶性アミノ酸およびビタミンの浸出を最小化するために、乾燥状態で給餌するべきである。
遺伝子管理:遺伝子管理に関して、ゼブラフィッシュ等の実験室の動物系統の小さい閉鎖された集団は、創設者効果、遺伝的浮動、およびボトルネック効果から生じる遺伝的多様性の連続的な損失を受ける。この遺伝的多様性の損失は、ゼブラフィッシュ交配ストックの生殖可能性に対して、数多くの問題を引き起こす可能性がある。近縁種間の継続的な交配は、交配集団における有害な対立遺伝子の蓄積につながる。これらの対立遺伝子は、減少した胚の数および品質を含む、生殖に関連する数多くの因子に直接影響を及ぼし得る。減少した遺伝的多様性はまた、ゼブラフィッシュが、同胞または近縁種の個体よりも非近縁種と結び付く選好を示すので、減少した産卵率となって現れる場合もある。自然集団における同系交配を回避するのに役立つと考えられる、この血縁認識方法は、交配集団の中の魚が近縁種である時に、減少した産卵率をもたらす。
遺伝的多様性の損失に関連するこれらのおよび他の問題は、1)有効集団サイズを最大化し、2)同胞または近縁種間の交配を最小化する、綿密な遺伝的交配プログラムによってある程度解消され得る。遺伝的多様性はまた、魚を外部集団から定期的に取り込み、それらを既存のストックとプログラム的に交配させることによって維持または高められ得る。
行動管理:行動管理も、重要な考慮事項である。ゼブラフィッシュの生殖行動は、複雑であり、間違いなく交配ストックの生殖可能性に多大な影響を及ぼしている。この種の力学の最も顕著な事例は、保持タンクの中での魚同士の社会的相互作用を含む。支配的なメスは、フェロモンの放出を介して、下位のメスの胚の生成を抑制することが知られている。さらに、オスメス両方によって優位階層の形成および縄張りの確立中に起こる攻撃性は、同じく生殖生産を減少させ得る急性および慢性の両方のストレス源である。
行動管理の種々の方策を用いると、そのような相互作用の交配ストックの生殖能力に対する潜在的な負の影響を最小化するのに役立ち得る。例えば、交配に有害な優位階層の確立は、異なるタンクからの魚を定期的に混合し、水中を循環する抑圧的なホルモンの濃度を減少させるために、定期的にタンクおよびシステムを清水でフラッシングすることによって、ある程度防止され得る。加えて、魚を保持タンクの中で中程度の密度に維持することも、密度が低く、縄張りを守るのが最も容易な時に最も高くなる拮抗的相互作用の頻度および強度を減少させ得る。
水質:水質に関して、ゼブラフィッシュは、広範囲にわたる飼育環境条件に耐える。この柔軟性は、局所的地質および雨量パターンの顕著な季節的変動の結果として物理化学的性質が大幅に変動する、広い範囲の生殖環境型にわたってゼブラフィッシュが見つかっているように、それらの野生での分布を反映している。しかしながら、それらの最適な範囲の環境パラメータから外れて運営する際に、魚に対してエネルギーコストがかかることを認識されたい。次善の条件の下で維持される動物は、成長、生殖、および免疫機能に対してではなく、恒常性を維持することに対して、増加した割合のエネルギーを充てなければならない。結果的に、次善の条件の下で保持されている魚の1つの主な結果は、子孫の数および品質の減少である。したがって、魚が資源を生殖機能に割り当てることを確実にするために、できる限り最適なものに近い水化学を管理することが不可欠である。
各パラメータの所与の範囲内における安定性も重要であり、また、特にゼブラフィッシュのようなゼネラリスト種の場合、最適に維持するよりも重要である場合がある。常に変動する環境条件に適合することは、エネルギーを大量に消費し、子孫の品質および数の減少となって現れる、慢性のストレス源となる可能性がある。
最適な範囲内の安定性のために水質の管理は概念的には複雑ではないが、主に、ゼブラフィッシュの最適な環境条件は、大部分がまだ実験的に実証されていないので、実際には、達成することがやや困難である。そのようなデータが利用可能になるまで、最も堅実な実践は、最良の利用可能な科学的情報に基づいて管理することである。しかしながら、ゼブラフィッシュの生物学的研究から収集された概念に加えて、長年にわたる実験的使用からの観察的データは、相応な出発点となる。ゼブラフィッシュの管理に対するこれらの因子のそれぞれの詳細な処理は、Lawrenceによるレビューに与えられており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる(Harper,C,and Lawrence,C.(2010)The Laboratory Zebrafish.CRC Press,Boca Raton,Florida)。当業者は、最適な産卵のために、一晩のうちに堆積した過剰な代謝物質は取り除くべきであり、これは手作業で達成できることを認識するであろう。代替として、一貫して、または間隔に基づいて、排水および給水の補充の双方の正しいバランスを可能にするために、流れシステムを用いることができる。当業者は、過度の実験を伴わずに、入容量と出容量との比率を容易に調整することができる。
生殖行動:ゼブラフィッシュは、産卵前および産卵中に、儀式的求愛行動を示す。求愛中に、オスは、狭い円をかくように回って泳ぐか、または近隣のメスの明確な視界の中の産卵場所の上でひれを立てた状態で浮遊する。メスが接近しない場合、オスは、鼻で横腹をつついて産卵場所へとメスを追う。産卵する時に、オスは、メスと平行して泳ぎ、オスの体をメスの体に巻き付け、放卵を誘発し、同時に精子を放出する。この儀式的配偶行動、およびオスが縄張りを確立して守ることが知られているという事実は、メスが選択的であることを示している。これは、メスを、特定のオスとつがいにした時に、大きい一腹卵を生成し、より頻繁に産卵するという事実によって補助される。
メスは、複数の組み合わせた因子に基づいて選択を行う場合がある。産卵場所の品質は、オスおよびメスどちらのゼブラフィッシュも放卵場所に対する強い選好を示すので、明らかに重要であり、実験室および現場に基づく実験の双方において、沈泥に対して砂利の上を選択して選好的に産卵する。選択肢が与えられた場合、魚はまた、植物の生育していない場所に対して植物が生育している場所、および深水に対して浅水で、選好的に産卵する。
オスの縄張りの防衛は、メスがオスを選択するために使用する1つのキューであり得る。SpenceおよびSmithは、低密度において、縄張りを持つオスが縄張りを持たないオスよりもわずかに高い生殖成功を有し、また、オスの優勢順位は、メスの胚生成と相関しなかったことを見出した。この事実は、産卵するための基質、深さ、および構造に対するメスの選好と組み合わせて、メスが選り好む所望の産卵場所をオスが守ることは、ゼブラフィッシュの配偶システムの基礎となる可能性があることを示唆する。
メスは、それらの遺伝子型に基づいてオスを選択するように思われる。ゼブラフィッシュを含む多数の魚は、血縁と非血縁とを区別するために嗅覚キューを使用し、この機構は、異種交配を回避するために、交配中に利用される場合がある。ゼブラフィッシュはまた、社会的決定および生殖決定を行うために、嗅覚キューを使用すると思われる。GerlachおよびLysiakは、匂いプルーム試験を使用して、大人のメスゼブラフィッシュが、配偶するために、未知の兄弟の匂いよりも、関連のない未知の(別々に育てられて、維持された)オスの匂いを選ぶことを示した。この選好の根幹にある遺伝的な根拠は不明であるが、他の魚種の血縁認識において重要である、主組織適合性複合体(MHC)遺伝子であり得る。
方法の説明
特に、浅い区域と深い区域からなる深さ勾配に沿った浅水に産卵する、ゼブラフィッシュの自然な傾向を利用することによって、本発明によれば、発生を同期させたゼブラフィッシュの胚を大量生成するための方法が提供され、
(i) 産卵水プロファイルに対してより深い水深を特徴とする呼び水プロファイルで、両性別のゼブラフィッシュを提供するステップと、
(ii) 呼び水プロファイルに対してより浅い水深を特徴とする産卵水プロファイルで、両性別のゼブラフィッシュを提供するステップと、
(iii)胚を採集するステップと、を含む。
呼び水プロファイル:呼び水プロファイルはまた、深水プロファイルとみなすことができる。しかしながら、本明細書で説明される本発明による胚生成の最適化には、いかなる特定の深さも容量もない。むしろ、呼び水プロファイルが、産卵水プロファイルの作製を可能にするのに十分な深さであれば十分であり、産卵水プロファイルは、呼び水プロファイルよりも深さが浅いことおよび起伏のあるトポグラフィを特徴とする。
よって、呼び水プロファイルを作製するためのいかなる決定要因もない。当業者は、本明細書で説明される基準に注意を払うことによって、過度の実験を伴わずに、呼び水プロファイルの特定の深さおよび容量を決定することができる。産卵システムのタンクの中で交配させる魚のサイズおよび数を考慮することで、魚が自由に泳ぐことができ、かつメスの魚が、産卵させようとするオスから比較的に容易に離れて泳ぐことができるように、呼び水プロファイルを決定することができる。例えば、ゼブラフィッシュの場合、呼び水プロファイルは、約2インチ以上の水深とすることができる。より若いゼブラフィッシュ(および、概してより小さい魚)の場合、呼び水プロファイルの深さは、1インチという浅い深さとすることができる。
本明細書で説明される方法、装置、およびキットは、両性別の魚をタンクまたは容器の中に導入した時に混合させるが、魚は、産卵の開始まで、呼び水プロファイル内で分離させた時に、最も良く産卵の準備が整う。一実施形態では、分離は、各性別のゼブラフィッシュが他方の性別を見る、または感知できるようにし、かつ性別間でのフェロモン交換を可能にする、物理的障壁によって達成される。したがって、ゼブラフィッシュは、視覚、聴覚、もしくは振動感覚、または嗅覚を使用して、タンクの中の異性の存在を感知することができる。産卵は、両性別の魚を混合させ、産卵水プロファイルで単離することによって開始される。いくつかの実施形態では、セパレータプラットフォームは、シースルーである。いくつかの実施形態では、セパレータプラットフォームは、有孔材料から成る。いくつかの実施形態では、セパレータプラットフォームは、メッシュから成る。
産卵水プロファイル:呼び水プロファイルに対して全体的により浅い深さを有することを特徴とすることを除いて、呼び水プロファイルと同様に、産卵水プロファイルのいかなる唯一の決定要因もない。好ましい実施形態では、産卵水プロファイルは、起伏のあるトポグラフィを有する。当業者は、浅い区域およびより深い区域の起伏のある勾配が維持されるのであれば、起伏高さの変動が容易に調整可能であることを認識するであろう。交配させる魚のサイズおよび数を考慮することで、魚が自由に泳ぐことができず、かつメスの魚が、産卵させようとするオスから容易に離れて泳ぐことができないように、産卵水プロファイルを決定することができる。例えば、ゼブラフィッシュの場合、産卵水プロファイルは、水−空気界面の下側で約2インチ以下の水深とすることができる。より若いゼブラフィッシュ(および、概してより小さい魚)の場合、産卵水プロファイルの深さは、0.5〜2インチの範囲とすることができる。一実施形態では、起伏の最低点は水−空気界面の約1〜3インチ下側とすることができ、メッシュの「高い部分」を空気に露出する。
採胚:胚は、様々な方法で胚の堆積場所から採集することができる。いくつかの実施形態では、ゼブラフィッシュに不透過性であり胚に透過性である物理的障壁は、ゼブラフィッシュと胚堆積場所との間に位置する。いくつかの実施形態では、付加的な、水に透過性であり胚に不透過性である物理的障壁が、胚の堆積場所を構成する。いくつかの実施形態では、胚の堆積前に胚が容器の側部に付着するのを防ぐために、当業者によって決定される水圧が、本方法が行われるチャンバの側部に印加される。いくつかの実施形態では、タンクの水および魚を空にすることができ、胚が採集されるようにする。他の実施形態では、タンクは、弁を開くことによって胚を採集できるようにする弁に通じる漏斗状の採集領域を含むことができる。
装置およびキットの説明
以下の装置の詳細な説明は、添付図面の図4−7Dを参照する。説明は、例示的実施形態を含むが、他の実施形態が可能であり、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、説明される実施形態に対して変更が行われ得る。可能な場合は、同一または同様の部品を指すのに、図面および以下の説明の全体を通して同一の参照符号が使用される。
図4および図5A−5Cは、本発明による養魚デバイスの一実施形態を示す。養魚デバイス400は、交配タンク410と、産卵プラットフォーム420と、セパレータ430とを含むことができる。交配タンク410は、タンク410がある容量の水を所定の水位416(水−空気界面)で保持することを可能にする、底面412および側壁を含むことができる。産卵プラットフォーム420は、タンク410の中に配置することができ、かつタンク410の底面412の真上に座すように適合させることができる。産卵プラットフォームは、タンク410を2つのチャンバ、すなわち、産卵プラットフォーム420の下側の下部チャンバ402と、産卵プラットフォーム420の上側の第1の上部チャンバ404とに分割するように位置付けることができる。セパレータ430は、タンク410の中で産卵プラットフォーム420の上側に配置することができ、かつ産卵プラットフォームの上側に第2の上部チャンバ406を形成するために使用することができる。動作に際し、セパレータ430は、本発明による方法の単離または呼び水段階中に、第2の上部チャンバ406の中のオスの魚を第1の上部チャンバ404の中のメスの魚から分離する役目をする。呼び水段階の終了時に、本発明による方法の産卵段階で魚が混生することを可能にするために、セパレータ430を取り除くことができる。
産卵プラットフォーム420は、交配タンク410の内側に嵌合し、交配タンク410の内側と同じ全体的形状を有するように設計することができる。産卵プラットフォーム420は、多孔要素422を支持するフレーム424を含むことができ、この多孔要素は、胚(または卵)が孔を通過してタンク410の底部に定着することを可能にし、同時に、産卵魚が胚を食べる、または別様に傷つけることを防止する。本発明の一実施形態では、多孔要素422は、魚を通過させずに胚を通過させる最大孔サイズを含む、メッシュ材料とすることができる。多孔要素422は、魚を通過させずに胚を通過させるのに十分なサイズの穴を伴う固体材料とすることができる。この穴は、交配プラットフォーム420の底面の中への先細穴または皿穴とすることができる。本発明のいくつかの実施形態では、多孔要素422は、起伏のあるプロファイルを含むことができる。
セパレータ430は、多孔要素432を支持する、フレーム434を含むことができる。フレーム434は、メスの魚442からオスの魚444を上部チャンバの中で分離するために、交配タンク410の内側で嵌合し、交配タンク410の内側と同じ全体的形状を有するように設計することができる。セパレータ430の多孔要素432の孔または穴は、オスの魚444およびメスの魚442が、呼び水段階の一部としてセパレータ430を通過することを伴わずに、視覚、聴覚、および嗅覚を通して異性の存在を感知することを可能にするように選択することができる。多孔要素432は、メスの魚442からオスの魚444を分離して、メスが産卵することを防止する、穴を伴う固体材料またはメッシュ材料とすることができる。セパレータ430は、魚が混生して産卵することを可能にするために、セパレータを取り除くことを可能にする、1つ以上のハンドル436を含むことができる。
図4に示されるように、水位416は、魚が自由に泳ぐことを可能にするように十分に高く、よって、セパレータ430が取り除かれた後であっても、魚が自由に泳ぐことが可能であり、呼び水プロファイルを提供する。本発明の一実施形態によれば、呼び水プロファイルは、多孔要素422上の最高点から水−空気界面まで、少なくとも2インチの水深を提供する。いくつかの実施形態では、呼び水プロファイルは、少なくとも3インチの水深を提供し、この深さは、魚の年齢、サイズ、および産卵選好に適応するように調整することができる。本発明の他の実施形態では、呼び水プロファイルは、魚がより小さい場合にはより浅い水深を提供し、魚がより大きい場合にはより深い水深を提供することができる。本発明のいくつかの実施形態では、呼び水プロファイルの深さは、オスおよびメスの魚が混生することを可能にし、かつメスの魚が、産卵させようとするオスの魚から離れることを可能にするのに十分である。
所定の時間の経過後に、セパレータ430は、オスおよびメスの魚が混生することを可能にするために、取り除くことができる。図5Aに示されるように、産卵プラットフォーム520は、産卵水プロファイルに従って、水位516がより低い、異なる交配タンク510へ移動させることができる。代替として、水位516は、ポンプで水を汲み上げる(例えば、サクションポンプを使用して)、またはタンク510から水を排出する等によって、交配タンク510から水を取り除いて低くすることができる。本発明の一実施形態によれば、産卵水プロファイルは、水−空気界面の多孔要素522上の最下点から2インチの最大水深を提供する。本発明の他の実施形態では、産卵水プロファイルは、魚がより小さい場合にはより浅い最大深さを提供し、魚がより大きい場合にはより深い最大深さを提供することができる。本発明のいくつかの実施形態では、産卵水プロファイルの深さは、呼び水プロファイルよりも密接にオスおよびメスの魚を混生させ、かつ産卵させようとするオスの魚から離れるメスの魚の能力を制限するのに十分に浅くなる。産卵の結果、胚546は、産卵プラットフォーム520の多孔要素522の孔または開口部を通って落ち、交配タンク510の底部512に堆積して採集される。
図5Bは、本発明の代替の実施形態を示す。この実施形態では、図5Aに示されるように産卵プラットフォーム520を移動させるか、または水位を下げる代わりに、産卵プラットフォーム520は、フック526A、526B等の、産卵プラットフォーム520を上昇させて定位置に保持することを可能にする、ハンドル526、または、産卵プラットフォーム520を上昇させた位置に保持することができる、他の締結もしくは支持要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハンドル526および/またはフック526A、526Bは、産卵水プラットフォーム520の高さおよび産卵水プロファイルと関連付けられる水の深さを調整することを可能にするように、調整可能とすることができる。
図5Cは、本発明の代替の実施形態を示す。この実施形態では、産卵プラットフォーム520の多孔要素522は、水平に対してある角度を成すかまたは傾斜する。この実施形態では、産卵プラットフォーム520または水位が産卵水プロファイルに従って位置付けられた時に、多孔要素522の上側の水の深さは、交配タンク510の場所に従って変動させることができる。本発明の一実施形態では、産卵水プロファイルの水深は、0〜3インチの範囲とすることができる。本発明の他の実施形態では、産卵水プロファイルは、魚がより小さい場合にはより浅い最大深さを提供し、魚がより大きい場合にはより深い最大深さを提供することができる。本発明のいくつかの実施形態では、産卵水プロファイルの深さは、呼び水プロファイルよりも密接にオスおよびメスの魚を混生させ、かつ産卵させようとするオスの魚から離れるメスの魚の能力を制限するのに十分に浅くなる。産卵の結果、胚546は、産卵プラットフォーム520の多孔要素522の孔または開口部を通って落ち、交配タンク510の底部512に堆積して採集される。
本発明のいくつかの実施形態では、多孔要素422または522は、例えば、交配タンク510との場所に応じて、より深い領域およびより浅い領域を提供する起伏のある表面等のような、非平坦とすることができる。図6A−6Cは、本発明の一実施形態による、起伏のある表面を示す。図6Aは、本発明の一実施形態による産卵プラットフォーム620の上面図を示す。この実施形態では、多孔要素622は、魚を通過させずに、魚の胚を通過させることを可能にするのに十分なサイズである孔または開口部を有する、メッシュ材料から形成される。図6Aに示されるように、産卵プラットフォーム620は、メッシュ材料628を支持するように、産卵プラットフォーム620の底部に沿って延在する1つ以上の支持部材626を含むことができる。図6Bおよび図6Cに示されるように、支持部材626は、一部の領域626Aで隆起させることができ、様々な水深を産卵水プロファイルに提供する。図6Bは、産卵プラットフォーム620の中心を通る断面A−Aを示し、図6Cは、産卵プラットフォーム620の偏心場所を通る断面B−Bを示す。この実施例において、複数の隆起したまたは起伏のある領域が提供される。図4、図5A、および図5Bは、代替の起伏のある構成を有する、産卵プラットフォーム420および520を示す。
図7A−7Cは、本発明による養魚デバイスの代替の実施形態を示す。養魚デバイス700は、交配タンク710と、産卵プラットフォーム720と、セパレータ730と、支持フレーム760とを含むことができる。交配タンク710は、タンク710がある容量の水を所定の水位716(水−空気界面)で保持することを可能にする、底部採集領域712および側壁を含むことができる。産卵プラットフォーム720は、タンク710の中に配置することができ、かつタンク710の底部採集領域712の真上に座すように適合させることができる。産卵プラットフォーム720は、タンク710を2つのチャンバ、すなわち、産卵プラットフォーム720の下側の下部チャンバ702と、産卵プラットフォーム720の上側の第1の上部チャンバ704とに分割するように位置付けることができる。セパレータ730は、タンク710の中で産卵プラットフォーム720の上側に配置することができ、かつ産卵プラットフォームの上側に第2の上部チャンバ706を形成するために使用することができる。動作に際し、セパレータ730は、本発明による方法の単離または呼び水段階中に、第2の上部チャンバ706の中のオスの魚を第1の上部チャンバ704の中のメスの魚から分離する役目をする。呼び水段階の終了時に、本発明による方法の産卵段階で魚が混生することを可能にするために、セパレータ730を取り除くことができる。
産卵プラットフォーム720は、交配タンク710の内側に嵌合し、交配タンク710の内側と同じ全体的形状を有するように設計することができる。産卵プラットフォーム720は、多孔要素722を支持するフレーム724を含むことができ、この多孔要素は、胚(または卵)が孔を通過してタンク710の底部採集領域712に定着することを可能にし、同時に、産卵魚が胚を食べる、または別様に傷つけることを防止する。本発明の一実施形態では、多孔要素722は、魚を通過させずに胚を通過させる最大孔サイズを含む、メッシュ材料とすることができる。多孔要素722は、魚を通過させずに胚を通過させるのに十分なサイズの孔を伴う固体材料とすることができる。この穴は、交配プラットフォーム720の底面の中への先細穴または皿穴とすることができる。本発明のいくつかの実施形態では、多孔要素722は、図6A−6Cに示されるような、起伏のあるプロファイルを含むことができる。他の実施形態では、多孔要素722は、平坦な水平面とすることができる。さらに他の実施形態では、多孔要素722は、図7Cに示されるように、ある角度を成した、または傾斜した平坦な水平面とすることができる。傾斜の角度は、水平に対して1度から水平に対して45度の範囲とすることができる。代替として、傾斜は、産卵水プロファイルと関連付けられる水深の範囲を提供するために選択することができる。例えば、いくつかの実施形態では、深さは、深さ0.5インチ未満から深さ2インチの範囲とすることができる。他の実施形態では、深さは、深さ0インチから傾斜した表面の範囲を超えて深さ4.25インチ以上の範囲とすることができる。さらに他の実施形態では、傾斜させることに加えて、多孔要素722は、図6A−6Cに示されるように起伏のあるものとすることができる。
産卵プラットフォーム720は、産卵プラットフォームを上昇させて産卵水プロファイルを提供すること、または産卵プラットフォームを下降させて呼び水プロファイルを提供することを可能にする、ハンドル726を含むことができる。ハンドル726は、産卵水プラットフォーム720の外形寸法を超えて延在し、交配タンク710の内側の1つ以上の位置で産卵プラットフォーム720を支持するために使用することができる、突起726Aを含むことができる。図7Aに示されるように、呼び水プロファイルと関連付けられる下部位置では、突起726Aは、交配タンク710の頂縁部に静置することができる。図7Bに示されるように、産卵水プロファイルと関連付けられる1つの上部位置では、突起726Aは、支持フレーム760の頂部に静置することができる。支持フレーム760は、図7Dに示されるように、産卵プラットフォーム720を上部位置で支持して、産卵プラットフォームが支持フレーム760から落下する可能性を減少させるために、U字形のブラケット762を含むことができる。加えて、図7Dに示されるように、産卵プラットフォーム720を他の上部位置で支持する、L字形の、または類似したブラケットを提供することができる。
セパレータ730は、多孔要素732を支持する、フレーム734を含むことができる。フレーム734は、メスの魚742からオスの魚744を上部チャンバの中で分離するために、交配タンク710の内側で嵌合し、交配タンク710の内側と同じ全体的形状を有するように設計することができる。セパレータ730の多孔要素732の孔または穴は、オスの魚744およびメスの魚742が、呼び水段階の一部としてセパレータ730を魚が通過することを可能にせずに、視覚、聴覚、および嗅覚を通して異性の存在を感知することを可能にするように選択することができる。多孔要素732は、メスの魚742からオスの魚744を分離して、メスが産卵することを防止する、穴を伴う固体材料またはメッシュ材料とすることができる。セパレータ730は、魚が混生して産卵することを可能にするために、セパレータ730を取り除くことを可能にする、1つ以上のハンドル736を含むことができる。
図7Aに示されるように、水位716は、魚が自由に泳ぐことを可能にするように十分に高く、よって、セパレータ730が取り除かれた後であっても、魚が自由に泳ぐことが可能であり、呼び水プロファイルを提供する。本発明の一実施形態によれば、呼び水プロファイルは、多孔要素722上の最高点から水−空気界面まで、少なくとも2インチの水深を提供する。いくつかの実施形態では、呼び水プロファイルは、少なくとも3インチの水深を提供し、この深さは、魚の年齢、サイズ、および産卵選好に適応するように調整することができる。本発明の他の実施形態では、呼び水プロファイルは、魚がより小さい場合にはより浅い水深を提供し、魚がより大きい場合にはより深い水深を提供することができる。本発明のいくつかの実施形態では、呼び水プロファイルの深さは、オスおよびメスの魚が混生することを可能にし、かつメスの魚が、産卵させようとするオスの魚から離れることを可能にするのに十分である。
所定の時間の経過後に、セパレータ730は、オスおよびメスの魚が混生することを可能にするために、取り除くことができる。図7Bに示されるように、産卵プラットフォーム720は、突起726Aを支持フレーム760の頂部に静置することを可能にするように上昇させることができ、産卵水プロファイルに従って、多孔要素722に対するより低い水位716を提供する。代替として、水位は、ポンプで水を汲み上げる(例えば、サクションポンプ(図示せず)を使用して)、または弁718を通して、タンク710から水を排出する等によって、交配タンク710から水を取り除いて低くすることができる。本発明の一実施形態によれば、産卵水プロファイルは、水−空気界面の多孔要素722上の最下点から2インチの最大水深を提供する。本発明の他の実施形態では、産卵水プロファイルは、魚がより小さい場合にはより浅い最大深さを提供し、魚がより大きい場合にはより深い最大深さを提供することができる。本発明のいくつかの実施形態では、産卵水プロファイルの深さは、呼び水プロファイルよりも密接にオスおよびメスの魚を混生させ、かつ産卵させようとするオスの魚から離れるメスの魚の能力を制限するのに十分に浅くなる。産卵の結果、胚746は、産卵プラットフォーム720の多孔要素722の孔または開口部を通って落ち、交配タンク710の底部採集領域712に堆積して採集される。胚は、弁718を開くことによって採集することができる。
実施例1:キットおよび方法の実施形態の評価
実施例1の一般的な材料および方法。
一実施形態によれば、産卵プラットフォームは、5ガロンバケツから一部分を切断することによって構築することができる。第1の切断は、バケツ床面を取り除くために、バケツの底部の1インチ上側で行った。第2の切断は、プラスチック製帯(高さ4インチ×直径〜12インチ)を残して、第1の切断の約4インチ上側で行った。次いで、わずかに起伏あるトポグラフィを伴う1/8インチのプラスチック製メッシュを、プラスチック製帯の内側底部に接着した(図4および5A−5Cを参照されたい)。
本発明の一実施形態によれば、オス/メスセパレータは、5ガロンバケツの別の部分を切断して、さらなるラスチック製帯(高さ2インチ×直径〜12インチ)を作製することによって構築することができる。1/8インチのメッシュを、帯の頂部および底部に接着し、2層セパレータを形成した。ハンドルは、図5Aに示されるように、2つのジップタイをプラスチック製帯の両端で環状にすることによって、またはワイヤを使用して作製することができる。
交配タンクは、図4および図5A−5Cに示されるように、切断されていない5ガロンバケツとすることができる。交配システムは、以下のように準備することができる。胚が所望される少なくとも4〜6時間前までに、5ガロンバケツを水で満たすことができ、産卵プラットフォームを、バケツの底部に向かって押し込むことができ、容量を最大にして、呼び水プロファイルを作製する。メスのゼブラフィッシュを加えることができ、オス/メスセパレータを、メスの上側の容器内側に押し込むことができる。次いで、オスを、容器に加えることができ、下側のメスから効果的かつ物理的に分離された。
胚が所望された時には、オス/メスセパレータを傾斜させて、バケツ内から取り除くことができ、オスの魚をメスの魚と混合させる。次いで、産卵プラットフォームを、魚とともに、バケツから持ち上げて、より少ない清水で満たされた第2のバケツに移すことができる。産卵プラットフォームは、産卵プラットフォームの底部が水−空気界面の真下にあり、メッシュの「高い部分」を空気に晒すように、第2のバケツの内側に配置することができる。本発明のこの実施形態では、産卵プラットフォームのメッシュは、プラスチック製帯に強固に配置および接着せず、メッシュと水−空気界面との間の水の深さが1〜3インチの範囲となり、産卵水プロファイルをもたらすように、緩く取り付けた。したがって、結果として生じた物理的環境は、魚の産卵行動および放卵を促進した。魚は、卵子が所望される間、または魚が交配を止めるまで、産卵水プロファイルで保つことができる。
随意に、魚は、次いで、段階的なタイムポイントに従って、胚の生成および採集を容易にするために、別のバケツ(または第1のバケツ)に移すことができる。このタイムポイントは、呼び水プロファイル(交配なし)を伴うバケツから、産卵水プロファイル(交配あり)を伴うバケツに魚を交互に移すことによって、数時間に延ばすことができる。
実施例1の特定の材料および方法
種々の出生日であるTuebingen(Tu)、AB、およびCasperの異なる集団を、産卵イベント毎に使用した。各セットアップは、オス対メスの比を1:3で構成し、イベント毎に合計40匹の魚を使用した。3つの胚採集に関して12の別々のイベントを行った。第1の採集は、当日の準備後(準備から19時間後)の朝に行い、それぞれ2つの60分の産卵間隔の後に、2回の付加的な採集を行った。
実験1の結果。
図1は、実施例1の結果を示す。準備から9時間後の胚の平均採集数は、2092±1759個であった。産卵水プロファイル内での1時間目において、胚の平均採集数は、4650±1690個であった。その1時間後の胚の採集(2時間後の採集)数は、平均688±463個に、一貫して減少した。
実施例2。産卵水プロファイル内での最初の10分間のキットおよび方法の実施形態の評価。
実施例2の材料および方法。
実施例1の一般的な材料および方法を利用した。さらに、胚は、6つの別々の産卵イベント(イベントあたり、オス10匹/メス30匹)について、10分の間隔の後に産卵群から採集した。
実施例2の結果。
平均収量は、3250±480個の胚で、最大一腹卵数は、3600個の胚であった。最初の10分後の採集は、実験1に見られるように減少したが、結果は記録しなかった。実施例2の結果を図2に例証する。
実施例3。ゼブラフィッシュは、セパレータを伴わない呼び水プロファイルで胚の生成を呈するが、産卵水プロファイルに導入した時にさらに産卵する。
実施例3の材料および方法。
呼び水プロファイル内で魚の性別を分離するためのセパレータを伴わないことを除いて、実施例1の一般的な材料および方法を利用した。10匹のオスおよび30匹のメスを、AB実験室ストックから使用した。
実施例3の結果。
呼び水プロファイルである間に、4500個の胚が生成された。産卵水プロファイル内で、最初の10分間に2100個の胚が生成された。最初の10分の採集に続く50分で、300個の胚が生成された。1時間目と2時間目との間に、さらに300個の胚が生成された。
実施例4。ゼブラフィッシュは、午後に産卵する。
実施例4の材料および方法。
実施例1の一般的な材料および方法を利用した。さらに、準備は、午前7:00または午前8:00に行い、胚の採集は、同日の午後2:00に始めた。10匹のオスおよび30匹のメスを評価した。
実施例4の結果。
1日を通じて、250個の胚が生成された。産卵水プロファイルへの導入後の最初の10分間に、3000個の胚が生成された。産卵水プロファイル内で、1時間目と2時間目との間に、さらに150個の胚が生成された。
実施例5。交配することが困難であることが知られているゼブラフィッシュ系統に関するキットおよび方法の有効性。
実施例5の材料および方法。
実施例1の一般的な材料および方法を利用した。braf/p53二重変異系統(15匹のオスおよび40匹のメス)を使用した。次いで、浅水から深水までの繰り返しトライアルを行った。
実施例5の結果。
産卵水プロファイル内で、30分のトライアルの後に、合計1800個の胚が採集された。
実施例6。発生が段階的な多数のゼブラフィッシュ胚の迅速な採集
数多くの特徴、特にその高い繁殖能は、ゼブラフィッシュ(ダニオレリオ(Danio rerio))を、優れた被実験体にする。健康で、性的に成熟したメスの魚は、毎日数百の子孫を生成することが可能であり、個々の一腹卵サイズは700個の胚を超える場合がある。この驚異的な生殖能は、任意の他の主な脊椎動物のモデル生物には例がなく、ゼブラフィッシュの胚および幼生を、特に、高スループット率および/または自動化が有利である場合の研究で使用するのに適したものにする。しかしながら、実験室において新しく産卵したゼブラフィッシュ胚を回収するために一般的に使用される従来技術の方法および機器は、この可能性を完全に実現することは不可能である。最も一般的な手法は、メッシュ底部を伴う小さい(一般的に1〜2Lの)ポリカーボネート製配偶ケージまたはインサートを、水を満たしたわずかに大きいコンテナの内側に配置することを含む。次いで、胚が所望された時に、オスおよびメスのつがいまたは小さい混合性別群(一般的に、合計で5匹の魚)を、前日の夜に配偶ケージに加える。オスおよびメスの魚は、小さい仕切りによって一晩分離してもよい。次の朝、仕切りを取り除いて、魚が産卵することを可能にする。新しく受精した胚は、インサートのメッシュ「床面」に落ち、成魚による共食いから保護しながら採集することを容易にする2,3
この先行技術は、概ね効果的であるが、必要とする時間、空間、および労力の量は、生成される発生を同期させた胚の数を制限すること、したがって、胚を使用することができる実験のサイズを制限することをすぐに証明している。この効率の損失は、魚の集団が、実際には、所与の研究を補助するのに十分な胚を生成することが可能であったとしても、所与の時点で採集することができる胚の数に関して、大規模な実験に対する運搬上の障害を生じさせる。実験が、処理、操作、または分析の目的で、胚を同じ発生段階にすることを必要とする時に、さらなる問題が生じる。これらの障害を克服するために、発明者らは、浅水で産卵する魚の自然傾向を利用する、革新的で特殊な交配容器の使用を中心とする、ゼブラフィッシュの産卵および胚の採集のための新しい方法を開発した。本発明は、先行技術に勝る以下の利点を提供する。1)本発明は、極めて多数の胚の生成および採集を可能にし、2)本発明は、胚がいつ受精したのかを、ユーザが正確に定義することを可能にする。
実施例6の材料および方法。
交配容器および動作。交配容器は、3つの主な構成要素、すなわち、容器またはタンク、産卵プラットフォーム、およびセパレータから成る(図4−7D)。タンクは、ボール弁によって排出される円錐形の底部を伴う、透明アクリル製で円筒の100Lタンクとすることができる。タンクは、ステンレス鋼製フレームの内側に座して、それによって支持することができる。産卵プラットフォームは、タンクの内側にぴったりと嵌合する、プラスチック製メッシュ底部を伴う円筒のポリエチレン製バスケットとすることができる。プラットフォームの底部または「床面」は、交互に高い領域と低い領域とを伴う起伏のあるトポグラフィを提供するように構築することができる(図6A−6C)。産卵プラットフォームは、それをタンク内で下降または上昇させることを可能にする、ハンドルを含むことができる。交配容器の第3の主な構成要素は、セパレータであり、産卵プラットフォームの頂部リップ上に静置するように設計された、円筒の二重層状プラスチック製メッシュインサートとすることができる。セパレータはまた、チャンバ内で上昇または下降させることを可能にする、ハンドルを有することができる。
動作中、タンクは、調整した水で満たした。産卵プラットフォームは、その底部が、円筒の基部から延在するチャンバの円錐部分と同一平面になるように、円筒タンクの中に挿入して押し下げることができる。予め分類された、大人のメスのゼブラフィッシュを、タンクに移すことができ、よって、該ゼブラフィッシュは、産卵プラットフォーム円筒内を泳ぐことになる。セパレータは、タンクの内側の途中まで、産卵プラットフォームの頂部リップ上に着座させるように、タンクに挿入して押し下げることができる。次いで、メスは全て、セパレータの底部の下側の、第1の上部チャンバ704内に含有される(図4Aおよび図7A)。予め分類された、オスをタンクに加えることができ、よって、該ゼブラフィッシュは、セパレータの上側の第2の上部チャンバ706の内側を泳ぐことになる。胚が所望された時には、オスおよびメスがともに深水で泳ぐように、セパレータを取り除くことができる。プラットフォームは、産卵プラットフォームの上側の魚のための水深が急激に減少するレベルまで、タンク内で直ちに上昇させることができる(図5A−5Cおよび図7B−7C)。この設定では、起伏のある産卵プラットフォーム床面の隆起した領域は、水面またはそのわずか上側であり、くぼんだ領域は、深さがわずか0.5〜3インチである。この「浅い」物理的配列で産卵プラットフォームを配置すると、直ちに魚の産卵行動を誘発する。新しく受精した胚は、プラットフォームのメッシュ床面の開口部を通って落ち、チャンバの底部に静置させることができる。産卵は、タンクからプラットフォームおよび魚を取り除くか、産卵プラットフォームを下降させて深水プロファイルを提供することによって、任意の時に止めることができる。胚は、チャンバの底部のボール弁を開いて、篩の中に水を排出することによって採集することができる。
動物。野生型系統ゼブラフィッシュの2つの異なる集団(ABおよびAB)、およびトランスジェニックrps29リボソーム変異のゼブラフィッシュの1つの集団(rps29hi2903Tg/+)を、交配容器検証トライアルで使用した。AB、AB、およびrps29hi2903Tg/+集団からの魚は、それぞれ、トライアル時に24ヵ月、18ヵ月、および10ヵ月であった。各群の平均集団サイズは、約250匹の動物とした。
動物の管理および調整。魚は、4500Lの再循環水産養殖システム(Aqua Schwarz GmbH、Gottingen、Germany)の中で維持した。トライアルで使用した各集団からの動物は、1Lあたり6〜7匹の魚程度の密度で、複数の9L保持タンクのシステム上で、混合した性別群で収容した。光周期は、15L:9D(明:暗)とし、システムの伝導性、pH、および温度の平均範囲は、それぞれ、1100〜1300μS、7.5〜8.0、および26〜29℃とした。魚は、毎日4回、飽食まで給餌し、3回は、アルテミア(Artemia)franciscana nauplii(Artemia International LLC、Fairview、TX、USA)であり、1回は、NRD400−600ペレット(INVE Aquaculture Inc.,Salt Lake City、UT、USA)である。週に1度、各集団からの全ての魚をそれらのタンクから取り除き、一緒にプールし、そして、交配成功に潜在的に逆効果である支配階層が確立されることを防止するために同じ密度で、ランダムに再分配してタンクに戻した。
交配容器トライアル。交配容器トライアルでは、3つの前述の集団からの魚を使用した。各産卵イベントの約24時間前に、所与の集団からの180匹の魚(100匹のオス、80匹のメス)を、朝に性別を分類して、再循環システムに戻し(100匹のオスを1つのタンクに、80匹のメスを2つのタンクに)、魚は、その日の午後に交配容器の中に準備するまでそのままにした。産卵の18時間前に、交配容器の外部チャンバを、システム外の予備タンクからの調整した水で満たし(1100〜1300μS、pH7.5〜8.0、26〜29℃)、魚を、前述したようにチャンバに順次加えた。次の朝、保持室の照明をオンにして約2時間後に、交配容器を、30%の水が交換されるように、システム外の予備タンクからの新しい調整した水でフラッシングした。その後直ちにセパレータを取り除き、オスおよびメスがともに深水で泳げるようにした。次いで、プラットフォームを浅水位置まで上昇させ、魚が10分の間隔にわたって産卵することを可能にした。次いで、魚を交配容器から取り除き、ボール弁を開いて、200ミクロンのメッシュフィルタを通して容器の中の水を排出することによって、胚を採集した。採集した胚は、容量分析的に測定した(1mL=600胚)。容量測定の後、100個の胚をランダムに選択して、50mmのペトリ皿で24時間保存して生存度を評価した。生存可能であるとみなされる時点まで、胚を標準的に発生させた。発生を止めたもの、または異常に発生したものは、生存不可能なものとして数えた。
完了するために1人必要であるこの手順を、各集団について、1週間に1度、3回繰り返した。AB集団からの魚によるトライアル中に、開始(試験魚の性別分類)から終了(胚の採集)までの手順を計時した。
従来の交雑の比較。交配容器トライアルで使用される、AB集団からのゼブラフィッシュによる比較の産卵トライアルは、従来の2.5L静止水産卵ケージ(Aqua Schwarz GmbH、Gottingen、Germany)で行った。前述のように、トライアルの24時間前に、180匹の魚(100匹のオス、80匹のメス)を、朝に性別を分類した。トライアルの約18時間前に、40個のケージを準備し、システム外の予備タンクからの調整した水で満たし、予め分類した魚をそれらに加えた。魚は、それぞれが2匹のオスおよび2匹のメス、または3匹のオスおよび2匹のメスのいずれかを含有するように、産卵ケージに加えた。魚を一晩ケージの中で分類したままにするために、仕切りを使用した。次の朝、準備の18時間後に、(保持室の照明をオンにして約2時間後に)、タンクを床面上に配列して、30%の水の交換が達成されるように、システム外の予備タンクからの水でフラッシングした。その後直ちに、過剰な水をタンクから取り除いて、深さ約15mmの浅水プロファイルを形成した。次いで、仕切りを取り除いて、魚が1つの10分の間隔にわたって産卵することを可能にした。次いで、各産卵ケージから魚を取り除き、全ての胚を採集し、そして、前述した方法と同じように容量分析的に測定した。胚は、前述した方法と同じように生存度を評価した。完了するために2人必要であるこの手順を、この集団について、1週間に1度、3回繰り返した。各トライアル中に、開始(試験魚の性別分類)から終了(胚の採集)までの手順を計時した。
胚生成および時間段階別トライアル。AB集団からの100匹の魚(60匹のオス、40匹のメス)を、交雑型(交配容器:従来の2.5Lの静止水産卵ケージ)および産卵間隔(10分、1時間、および3時間)の、総胚生成数および胚の発生の同期に対する影響を分析するために、一連の異なる交雑イベントで準備した。この一組のトライアルで使用する魚は、トライアルの24時間前の朝に性別を分類した。トライアルの約18時間前に、15匹のオスおよび10匹のメスを、前述した方法と同じように交配容器に加えた。残りの75匹の魚は、それぞれが3匹のオスおよび2匹のメスを含有するように、前述した方法と同じように15の従来の産卵ケージに加えた。次の朝、準備の約18時間後に、再び、前述した同じそれぞれのイベントの手順に従って、全ての魚が、10分間(交配容器、および5つの産卵ケージ)、1時間(5つの産卵ケージ)、または3時間(5つの産卵ケージ)にわたって産卵することを可能にした。産卵間隔の完了直後に、魚を交雑から取り除き、結果として生じた胚を採集し、そして、容量分析的に定量化した。次いで、各交雑型からの100個の生存可能な胚を各プールからランダムに選択して、室温で、1皿あたり50個の胚という密度で、50mmのペトリ皿で保存した。産卵間隔が始まって6時間後に、このようにして保存した全ての胚を、標準解剖顕微鏡の下で検査して、発生段階について記録した。
実施例6の結果。
ゼブラフィッシュの3つの別々の集団を使用して、この方法を試験した。3つの集団は、2つの一般に使用される野生系統(ABおよびAB)のコーホートと、1つのrps29遺伝子(rps29hi2903Tg/+)のトランスジェニック挿入変異の全てのヘテロ接合担体とを含む。このトライアルでは、各集団からの100匹のオスおよび80匹のメスの魚を、交配容器に準備して、1つの10分の産卵間隔にわたって産卵することを可能にした。各イベントについて、産卵間隔中に生成された胚の総数を、採集後に容量分析的に測定し(1mL=600胚)、ランダムにサンプリングしたサブセット(100個)を保存して、24時間後に生存度を評価した。AB、AB、およびrps29hi2903Tg/+の魚は、それぞれ、8600±917個の胚、8400±794個の胚、および6800±1997個の胚の間隔あたりの平均一腹卵サイズを生成した(±.s.d.、n=3)。採集した胚の平均生存度は、AB、AB、およびrps29hi2903Tg/+の魚について、それぞれ、0.82±0.09、0.86±0.006、および0.61±0.25であった(±.s.d.、n=3)。複数の従来の交雑で同じAB魚を準備した時に、発明者らの新しい方法は、非常に多数の胚を得ただけでなく、それを行うために必要とされる時間および空間を大幅に減少させた(表1)。さらに、発明者らの装置は、産卵および受精がいつ起こったのかを正確に定義するので、そのようなイベントから採集した胚は全て、同じ発生タイムポイントである。従来の方法は、時間段間的なイベント、ならびに多数の胚を同じように発生させるために使用されてもよいが、これらの両方を同じ数の魚で同時に達成することは不可能である。
(表1)従来の交雑と交配容器との比較
Figure 2013517003
時間、生成された総胚数、および胚の生存度のデータは、平均±標準偏差である。胚の生成数および生存度の値について、各列内で異なる上付き文字を伴う平均値は、大幅に異なる(スチューデントt検定、p<0.05)。
この新しい方法は、ゼブラフィッシュモデルシステムを使用して行われる特定の種類の実験のペースおよびスケールを大幅に促進する可能性を有する、重要な前進である。例えば、発明者らが実験室で現在行っている科学遺伝的スクリーニングでこの交配容器を使用することによって、所与の化合物のライブラリをスクリーニングするためにかかる平均時間が大幅に削減され、かつ胚の発生の非同期性から生じる表現型のスコアリング問題が完全に排除された。この手法はまた、高スループットの操作、分析、および自動化に対するゼブラフィッシュの従順性を利用するための、既存および将来の取り組みを捕捉する役目をするはずである。
実施例7。ゼブラフィッシュの種々の系統に関する装置および方法の実施形態の評価
実施例6の装置を用いた実施例7の一般的な材料および方法。
胚が所望される前日に、主タンクを、新しい非循環魚水で満たす。産卵プラットフォームを、主タンクの底部に向かって押し込み、容量を最大にして、呼び水プロファイルを作製する。所望の系統のメスのゼブラフィッシュを加える。オス/メスセパレータを、産卵プラットフォームの頂部に置いて、全てのメスの魚を一時的に閉じ込める。十分な圧力が産卵プラットフォームのハンドルの底部に印加されるまで蝶ねじを上方に回して、メスの魚を効果的に密閉し、オス/メスセパレータが表面に浮き上がるのを防止する。次いで、オスを、主タンクに加えるが、セパレータによって下側のメスから物理的に分離される。
胚が所望された時には、十分な空間が現れるまで蝶ねじを下方へ回して、オス/メスセパレータを取り除く。セパレータは、チャンバ内で傾斜させて取り除き、オスの魚を下側のメスと混合させる。水柱は、産卵プラットフォームを持ち上げて、鋼製フレームから延在する2つの腕の頂部にハンドルを静置することによって、より浅い産卵水プロファイルまで減少させる。過剰な水を排出するために主タンクの底部のボール弁を開いて、最大限の産卵に寄与する必要な水プロファイルを生じさせる。魚は、産卵間隔の間、この産卵プロファイル位置で産卵プラットフォームに保たれる。産卵間隔の終了時には、全ての魚を別個の保持タンクに移し、ボール弁を介して、主タンクから全ての水を排出する。200μmメッシュの篩を伴う特製の胚採集器を排水漏斗の頂部に配置して、産卵間隔中に産卵された全ての胚を採集する。全ての胚を、容量測定管に移して、容量を測定する(およそ1mL=約600個の胚)。
実施例7の特定の材料および方法。
合計9つの別々の魚のプールから7つの異なるゼブラフィッシュの系統を評価した。各トライアルでは、最高収量のための最適な条件を確立するために、オス対メスの比、および魚の総数を変動させた。魚は、チャンバの中に一晩準備して、次の日に、1つの10分の間隔の間、産卵することを可能にした。間隔の終了後、魚を取り除き、チャンバを排水し、全ての胚を採集し、そして、容量分析的に測定した、(1mLの定着した胚=約600個の胚)。
実験7の結果。
ゼブラフィッシュ1系統あたりの採集される胚の平均数は、最低1,200〜10,500の範囲であった(図3)。任意の系統に対する最良の10のトライアルは、10分で6,900個の胚〜10,500個の胚の範囲であった。
実施例8。胚の生成に対するタイミング条件を変動させての装置および方法の実施形態の評価。
実施例8の材料および方法。
手順は、30の独立したトライアルについて、縦列の見出しに示されるように、交配条件を変動させながら、実施例7の一般的な材料および方法と同じものとした。
実施例8の結果。
表2は、30のトライアルに関する、トライアルで使用される魚の系統、月単位の魚のおよその年齢、トライアルにおけるメスの数、トライアルにおけるオスの数、トライアルにおける魚の総数、および組み合わせた全ての産卵間隔に対する総胚生成数を示す。表3は、同じ30のトライアルに関する、トライアルの前日の準備の時間、産卵イベントで最後に魚を準備する間の日単位のおよその間隔、トライアルの朝にフラッシングした容器の水の割合、フラッシングと放出時間との間の間隔、放出の時間(セパレータを取り除いた時間、および産卵のために魚を産卵水プロファイルに移動させた時間を示す)、第1の産卵間隔の分単位の継続期間(魚が産卵水プロファイルにいる時間の量)、および関連するメス1匹当たりの胚の数を伴う、産卵間隔中に生成された胚の数を示す。表4は、同じ30のトライアルに関する、第1の産卵間隔と第2の産卵間隔(行った場合)との間で、魚を呼び水プロファイル内で保った分単位の時間量、第1の産卵間隔と第2の産卵間隔との間でフラッシングした容器の中の水の割合、第2の産卵間隔で生成された胚の数、第2の産卵間隔と第3の産卵間隔(行った場合)との間で、魚を呼び水プロファイル内で保った分単位の時間量、第3の産卵間隔(行った場合)の継続期間、第2の産卵間隔と第3の産卵間隔との間でフラッシングした容器の中の水の割合、および第3の産卵間隔中に生成された胚の数を示す。
これらの30のトライアルからのデータは、当業者が、特定の使用または実験について最適化するために多数の変数を容易に認識および調整することができることを示している。例えば、ユーザは、産卵のタイミングおよび強さを管理するために性別比を調整することができる。
(表2)表3および表4と同じ30のトライアルのデータであり、トライアルで使用した魚の系統(系統)、月単位の魚のおよその年齢(およその年齢)、トライアルにおけるオスの数(オスの数)、トライアルにおけるメスの数(メスの数)、トライアル中の容器の中のオスとメスの比(オス:メスの比)、トライアルにおける魚の総数(総胚数)、および3つの産卵イベントの後の胚生成数(総胚数)を検討する。
Figure 2013517003
(表3)表2および表4と同じ30のトライアルに関するデータであり、トライアルの前日の準備の時間(準備時間)、産卵イベントで最後に魚を準備する間の日単位のおよその間隔(およその産卵間隔)、トライアルの朝にフラッシングした容器の水の割合(フラッシング)、フラッシングと放出時間との間の間隔、フラッシングと放出時間との間の間隔(フラッシングと放出との間の間隔)、セパレータを取り除いた時間、および魚を産卵水プロファイルに移動させた時間を示す、放出の時間(放出時間)、第1の産卵間隔の継続期間(第1の間隔)、および胚生成/第1の産卵間隔中にメス1匹あたりの生成された胚(胚の数/メス1匹あたりの胚の数)を検討する。
Figure 2013517003
(表4)表2および表3と同じ30のトライアルに関するデータであり、第1の産卵間隔と第2の産卵間隔(行った場合)との間で、魚を呼び水プロファイル内で保った分単位の時間量(中断)、第2の産卵間隔(行った場合)の継続期間(第2の間隔)、第1の産卵間隔と第2の産卵間隔との間でフラッシングした容器の中の水の割合(フラッシュ)、第2の産卵間隔で生成された胚の数(胚の数)、第2の産卵間隔と第3の産卵間隔(行った場合)との間で、魚を呼び水プロファイル内で保った分単位の時間量(中断)、第3の産卵間隔(行った場合)の継続期間(第3の間隔)、第2の産卵間隔と第3の産卵間隔との間でフラッシングした容器の中の水の割合(フラッシュ)、および第3の産卵間隔中に生成された胚の数(胚の数)を検討する。
Figure 2013517003

Claims (26)

  1. ある容量の水と、産卵プラットフォームの下側の第1の水チャンバおよび前記産卵プラットフォームの上側の第2の水チャンバを画定するように交配タンク内に位置付けられ、水生動物胚に対して透過性でありかつ前記胚を生成する水生動物に対して不透過性である多孔要素を含む、取り外し可能な産卵プラットフォームと、を含む、交配タンクを提供する段階と、
    呼び水プロファイルに従って、前記産卵プラットフォームの上に前記第2の水チャンバの深さを提供するように、前記産卵プラットフォームを前記タンクの中に位置付ける段階と、
    両性別の前記水生動物種を前記第2の水チャンバに提供する段階と、
    産卵水プロファイルに従って、前記産卵プラットフォームの上に前記第2の水チャンバの深さを提供するように、前記産卵プラットフォームを前記タンクの中に位置付ける段階と、
    前記胚を採集する段階と
    を含む、水生動物胚生成のための方法。
  2. 前記水生動物種の一方の性別を前記第2のチャンバの中に置く段階と、
    セパレータを前記第2のチャンバの中に提供する段階と、
    前記セパレータが異なる性別の前記水生動物種の混生を防止するように、前記水生動物種の他方の性別を前記第2のチャンバの中に置く段階と
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記セパレータが、透明材料を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記セパレータが、有孔材料を含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記セパレータが、有孔材料を含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記セパレータが、メッシュ材料を含む、請求項2に記載の方法。
  7. 多孔要素の少なくとも一部分が、起伏のあるトポグラフィを有する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記多孔要素が、メッシュ材料を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記多孔要素が、有孔材料を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記水生動物種が、魚の種である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記水生動物種がダニオレリオ(Danio rerio)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  12. ある容量の水を含有するように適合される、タンクと、
    前記容量の水を、産卵プラットフォームの下側の第1のチャンバと、産卵プラットフォームの上側の第2のチャンバとに分割するように、前記タンクの中に位置付けられ、魚胚に対して透過性でありかつ前記魚胚を生成する魚に対して不透過性である多孔要素を含む、移動可能な産卵プラットフォームと
    を備える、魚胚生成のための装置。
  13. 前記多孔要素が、メッシュ材料を含む、請求項12に記載の装置。
  14. 前記多孔要素が、有孔材料を含む、請求項12に記載の装置。
  15. 前記多孔要素の少なくとも一部分が、起伏のあるトポグラフィを有する、請求項12に記載の装置。
  16. 前記移動可能な産卵プラットフォームが、支持要素を含み、
    前記支持要素が、前記タンクの第1の部分上に載置され、かつ前記魚のための呼び水プロファイルに対応する前記第2のチャンバの水深を提供し、
    前記支持要素が、前記タンクの第2の部分上に載置され、かつ前記魚のための産卵水プロファイルに対応する前記第2のチャンバの浅い水深を提供する、
    請求項12に記載の装置。
  17. 前記タンクが、支持フレームを含み、かつ前記移動可能な産卵プラットフォームが、支持要素を含み、
    前記支持要素が、前記タンク上に載置され、かつ前記魚のための呼び水プロファイルに対応する前記第2のチャンバの水深を提供し、
    前記支持要素が、前記支持フレーム上に載置され、かつ前記魚のための産卵水プロファイルに対応する前記第2のチャンバの浅い水深を提供する、
    請求項12に記載の装置。
  18. 産卵の開始まで前記魚の一方の性別を他方の性別から隔離するために、前記産卵プラットフォームの上側の前記第2のチャンバを、第2のチャンバ上部と、第2のチャンバ下部とに分割するように適合された、取り外し可能なセパレータ
    をさらに備える、請求項12に記載の装置。
  19. 前記取り外し可能なセパレータが、透明材料を含む、請求項16に記載の装置。
  20. 前記取り外し可能なセパレータが、有孔材料を含む、請求項16に記載の装置。
  21. 前記取り外し可能なセパレータが、メッシュ材料を含む、請求項16に記載の装置。
  22. 前記第1のチャンバが、採胚装置を含む、請求項16に記載の装置。
  23. 前記魚が、ゼブラフィッシュであり、多孔要素が、ゼブラフィッシュ胚に対して透過性でありかつゼブラフィッシュに対して不透過性である、請求項12に記載の装置。
  24. 前記魚と関連付けられる呼び水プロファイルを形成するのに十分な深さの第1の容器と、
    前記魚と関連付けられる産卵水プロファイルを形成するのに十分な深さの第2の容器と、
    胚に対して透過性であり魚に対して不透過性である多孔要素を含み、前記魚と関連付けられる呼び水プロファイルおよび前記産卵水プロファイルに従って、前記容器の中に位置付けられるように適合される、産卵プラットフォームと
    を備える、魚胚生成のためのキット。
  25. 前記呼び水プロファイル内にある間、前記魚の各性別を他の性別から隔離するように適合される、水に対して透過性であり魚に対して不透過性であるセパレータ
    をさらに備える、請求項24に記載のキット。
  26. 前記多孔要素が、起伏のあるトポグラフィを含む、請求項24に記載のキット。
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