JP2013515676A - 角膜内皮障害治療剤(y−39983) - Google Patents
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Abstract
【選択図】なし
Description
1)角膜内皮細胞(ウサギ、サル等)を培養すること、
2)培養したサル角膜内皮細胞において細胞接着を促進すること、
3)培養したサル角膜内皮細胞において細胞周期を促進すること、
4)培養したサル角膜内皮細胞においてアポトーシスを抑制すること、および
5)培養した角膜内皮細胞を、角膜内皮移植が必要な疾患の治療に応用し得ること
のように、in vitroでの作用が報告されている(特許文献1)。特許文献1では、Y−27632およびFasudilのin vivoでの作用について記載されていない。また、Y−27632およびFasudil以外のRhoキナーゼ阻害剤について、角膜内皮細胞に与える影響については検討されていない。
R2は水素、アルキルまたは環上に置換基を有していてもよいシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルもしくはアラルキルを示す。
または、R1とR2は結合して隣接する窒素原子とともに環中にさらに酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を含んでいてもよい複素環を形成する基を示す。
R3,R4は同一または異なって水素、アルキル、アラルキル、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキルオキシ、シアノ、アシル、メルカプト、アルキルチオ、アラルキルチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アルキルカルバモイルまたはアジドを示す。
Aは式(4):
または、R10とR11は結合してシクロアルキルを形成する基を示す。l,m,nはそれぞれ0または1〜3の整数を示す。)
により表される基を示す。)
により表される基を示す。
Rbは水素またはアルキルを示す。
Rcは置換基を有していてもよい含窒素複素環を示す。〕
で示される化合物またはその薬理学的に許容される塩(以下、化合物(1)と称する)を有効成分として含有してなる、角膜内皮障害の治療剤。
〔2〕 上記角膜内皮障害が水疱性角膜症または角膜内皮炎である、上記〔1〕に記載の治療剤。
〔3〕 点眼剤である、上記〔1〕または〔2〕に記載の治療剤。
〔4〕 上記化合物(1)が(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミド(以下、化合物(Ia)と称する)である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の治療剤。
〔5〕 化合物(1)を含有してなる、角膜内皮細胞の接着促進剤。
〔6〕 上記化合物(1)が化合物(Ia)である、上記〔5〕に記載の接着促進剤。
〔7〕 化合物(1)を含有してなる、角膜内皮細胞の培養液。
〔8〕 上記化合物(1)が化合物(Ia)である、上記〔7〕に記載の培養液。
〔9〕 化合物(1)を含有してなる、角膜保存液。
〔10〕 上記化合物(1)が化合物(Ia)である、上記〔9〕に記載の角膜保存液。
〔11〕 A)角膜内皮細胞、
B)足場、および
C)化合物(1)
を含む、角膜移植用移植物。
〔12〕 上記角膜内皮細胞がヒト由来である、上記〔11〕に記載の移植物。
〔13〕 上記化合物(1)が化合物(Ia)である、上記〔11〕または〔12〕に記載の移植物。
〔14〕 化合物(1)を含む培養液を用いて角膜内皮細胞を培養する工程を含む、角膜内皮製剤の製造方法。
〔15〕 上記角膜内皮細胞がヒト由来である、上記〔14〕に記載の製造方法。
〔16〕 上記化合物(1)が化合物(Ia)である、上記〔14〕または〔15〕に記載の製造方法。
〔17〕 化合物(1)を含有してなる、角膜内皮製剤および/または角膜移植用移植物を提供する工程、および当該角膜内皮製剤および/または角膜移植用移植物を、角膜内皮の移植を必要とする対象に移植する工程を含む、角膜内皮障害の治療方法。
〔18〕 上記角膜内皮細胞がヒト由来である、上記〔17〕に記載の治療方法。
〔19〕 上記角膜内皮障害が水疱性角膜症、角膜浮腫または角膜白斑である、上記〔17〕または〔18〕に記載の治療方法。
〔20〕 上記化合物(1)が化合物(Ia)である、上記〔17〕〜〔19〕のいずれかに記載の治療方法。
〔21〕 化合物(1)の有効量および角膜内皮細胞を、角膜内皮の創傷の治癒を必要とする対象に投与する工程を含む、角膜内皮障害の治療方法。
〔22〕 上記角膜内皮障害が水疱性角膜症または角膜内皮炎である、上記〔21〕に記載の治療方法。
〔23〕 上記投与工程が点眼投与である、上記〔21〕または〔22〕に記載の治療方法。
〔24〕 上記化合物(1)が化合物(Ia)である、上記〔21〕〜〔23〕のいずれかに記載の治療方法。
〔25〕 角膜内皮障害の治療剤を製造するための、化合物(1)の使用。
〔26〕 上記治療剤が点眼剤である、上記〔25〕に記載の使用。
〔27〕 角膜内皮細胞の接着促進剤を製造するための、化合物(1)の使用。
〔28〕 角膜内皮細胞の培養液を製造するための、化合物(1)の使用。
〔29〕 角膜移植用移植物を製造するための、
A)角膜内皮細胞、
B)足場、および
C)化合物(1)
の使用。
〔30〕 上記角膜内皮細胞がヒト由来である、上記〔29〕に記載の使用。
〔31〕 上記化合物(1)が化合物(Ia)である、上記〔25〕〜〔30〕のいずれかに記載の使用。
〔32〕 上記〔14〕〜〔16〕のいずれかに記載の製造方法により得られる角膜内皮製剤。
〔33〕 化合物(1)を含有してなる、眼灌流液。
〔34〕 上記化合物(1)が化合物(Ia)である、上記〔33〕に記載の眼灌流液。
〔35〕 化合物(1)を含有する、アポトーシス抑制剤。
〔36〕 上記化合物(1)が化合物(Ia)である、上記〔35〕に記載のアポトーシス抑制剤。
〔37〕 角膜内皮障害を治療するためのキットであって、化合物(1)、角膜内皮細胞及び指示書を備える、キット。
〔38〕 上記角膜内皮細胞が凍結されている、上記〔37〕に記載のキット。
〔39〕 上記化合物(1)が、洗浄液、培養液、または懸濁液に含まれている、上記〔37〕または〔38〕に記載のキット。
〔40〕 化合物(1)が化合物(Ia)である、上記〔37〕〜〔39〕のいずれかに記載のキット。
〔41〕 化合物(1)および角膜内皮細胞を含む、角膜内皮製剤。
〔42〕 上記化合物(1)が化合物(Ia)である、上記〔41〕に記載の角膜内皮製剤。
〔43〕 角膜内皮障害の治療のための化合物(1)。
〔44〕 角膜内皮障害の治療のための化合物(Ia)。
R2は水素、アルキルまたは環上に置換基を有していてもよいシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルもしくはアラルキルを示す。
または、R1とR2は結合して隣接する窒素原子とともに環中にさらに酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を含んでいてもよい複素環を形成する基を示す。
R3,R4は同一または異なって水素、アルキル、アラルキル、ハロゲン、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキルオキシ、シアノ、アシル、メルカプト、アルキルチオ、アラルキルチオ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アルキルカルバモイルまたはアジドを示す。
Aは式(4):
または、R10とR11は結合してシクロアルキルを形成する基を示す。l,m,nはそれぞれ0または1〜3の整数を示す。)
により表される基を示す。)
により表される基を示す。
Rbは水素またはアルキルを示す。
Rcは置換基を有していてもよい含窒素複素環を示す。〕
で示される化合物およびその薬理学的に許容される塩である。
R1,R2におけるアルキルとは炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルであって、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられ、炭素数1〜4個のアルキルが好ましい。
R1,R2におけるシクロアルキルとはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどの炭素数3〜7個のシクロアルキルを示す。
R1,R2におけるシクロアルキルアルキルとはシクロアルキル部が前記炭素数3〜7個のシクロアルキルであり、アルキル部が炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)であるシクロアルキルアルキルであって、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロプロピルエチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルエチル、シクロプロピルプロピル、シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルプロピル、シクロヘプチルプロピル、シクロプロピルブチル、シクロペンチルブチル、シクロヘキシルブチル、シクロヘプチルブチル、シクロプロピルヘキシル、シクロペンチルヘキシル、シクロヘキシルヘキシル、シクロヘプチルヘキシルなどがあげられる。
R1,R2におけるアラルキルとは、アルキル部として炭素数1〜4個のアルキルを有するものであって、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチルなどのフェニルアルキルを示す。
R1,R2における環上に置換基を有していてもよいシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル、アラルキルの置換基とは、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素、ヨウ素)、アルキル(R1,R2におけるアルキルと同義)、アルコキシ(炭素数1〜6個の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシであって、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第2級ブトキシ、第3級ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどを示す。)、アラルキル(R1,R2におけるアラルキルと同義)、ハロアルキル(R1,R2において示したアルキルに1〜5個のハロゲンが置換したものであり、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルなどを示す。)、ニトロ、アミノ、シアノ、アジドなどがあげられる。
R1とR2が結合して隣接する窒素原子とともに環中にさらに酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を含んでいてもよい複素環を形成する基としては、5〜6員環、これらの結合環が好適であり、具体的には1−ピロリジニル、ピペリジノ、1−ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、1−イミダゾリル、2,3−ジヒドロチアゾール−3−イル等が例示される。また、置換基を有していてもよい窒素原子における置換基としてはアルキル、アラルキル、ハロアルキルなどがあげられる。ここで、アルキル、アラルキル、ハロアルキルはR1,R2において示したものと同義である。
R3,R4におけるハロゲン、アルキル、アルコキシ、アラルキルはR1,R2において示したものと同義である。
R3,R4におけるアシルとは炭素数2〜6個のアルカノイル(アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ピバロイルなど)、ベンゾイル、またはアルカノイル部が炭素数2〜4個のフェニルアルカノイル(フェニルアセチル、フェニルプロピオニル、フェニルブチリルなど)を示す。
R3,R4におけるアルキルアミノとは、アルキル部に炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルを有するアルキルアミノであって、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、第2級ブチルアミノ、第3級ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノなどを示す。
R3,R4におけるアシルアミノとは、アシルとして炭素数2〜6個のアルカノイル、ベンジル、またはアルカノイル部が炭素数2〜4個のフェニルアルカノイルなどを有するアシルアミノであって、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、バレリルアミノ、ピバロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルアセチルアミノ、フェニルプロピオニルアミノ、フェニルブチリルアミノなどを示す。
R3,R4におけるアルキルチオとは、アルキル部に炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルを有するアルキルチオであって、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、第2級ブチルチオ、第3級ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオなどを示す。
R3,R4におけるアラルキルオキシとは、そのアルキル部に炭素数1〜4個のアルキルを有するアラルキルを有するものであって、ベンジルオキシ、1−フェニルエチルオキシ、2−フェニルエチルオキシ、3−フェニルプロピルオキシ、4−フェニルブチルオキシなどを示す。
R3,R4におけるアラルキルチオとは、そのアルキル部に炭素数1〜4個のアルキルを有するアラルキルを有するものであって、ベンジルチオ、1−フェニルエチルチオ、2−フェニルエチルチオ、3−フェニルプロピルチオ、4−フェニルブチルチオなどを示す。
R3,R4におけるアルコキシカルボニルとは、アルコキシ部に炭素数1〜6個の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシを有するものであって、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、第2級ブトキシカルボニル、第3級ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなどを示す。
R3,R4におけるアルキルカルバモイルとは、炭素数1〜4個のアルキルでモノまたはジ置換されたカルバモイルであって、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、ジプロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、ジブチルカルバモイルなどを示す。
RbにおけるアルキルとはR1,R2におけるアルキルと同義である。
Rcにおける含窒素複素環とは、単環の場合、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、トリアゾールを示し、縮合環の場合、ピロロピリジン(1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン、1H−ピロロ〔3,2−b〕ピリジン、1H−ピロロ〔3,4−b〕ピリジンなど)、ピラゾロピリジン(1H−ピラゾロ〔3,4−b〕ピリジン、1H−ピラゾロ〔4,3−b〕ピリジンなど)、イミダゾピリジン(1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジンなど)、ピロロピリミジン(1H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、1H−ピロロ〔3,2−d〕ピリミジン、1H−ピロロ〔3,4−d〕ピリミジンなど)、ピラゾロピリミジン(1H−ピラゾロ〔3,4−d〕ピリミジン、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジン、1H−ピラゾロ〔4,3−d〕ピリミジンなど)、イミダゾピリミジン(イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジン、1H−イミダゾ〔4,5−d〕ピリミジンなど)、ピロロトリアジン(ピロロ〔1,2−a〕−1,3,5−トリアジン、ピロロ〔2,1−f〕−1,2,4−トリアジンなど)、ピラゾロトリアジン(ピラゾロ〔1,5−a〕−1,3,5−トリアジンなど)、トリアゾロピリジン(1H−1,2,3−トリアゾロ〔4,5−b〕ピリジンなど)、トリアゾロピリミジン(1,2,4−トリアゾロ〔1,5−a〕ピリミジン、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリミジン、1H−1,2,3−トリアゾロ〔4,5−d〕ピリミジンなど)、シンノリン、キナゾリン、キノリン、ピリドピリダジン(ピリド〔2,3−c〕ピリダジンなど)、ピリドピラジン(ピリド〔2,3−b〕ピラジンなど)、ピリドピリミジン(ピリド〔2,3−d〕ピリミジン、ピリド〔3,2−d〕ピリミジンなど)、ピリミドピリミジン(ピリミド〔4,5−d〕ピリミジン、ピリミド〔5,4−d〕ピリミジンなど)、ピラジノピリミジン(ピラジノ〔2,3−d〕ピリミジンなど)、ナフチリジン(1,8−ナフチリジンなど)、テトラゾロピリミジン(テトラゾロ〔1,5−a〕ピリミジンなど)、チエノピリジン(チエノ〔2,3−b〕ピリジンなど)、チエノピリミジン(チエノ〔2,3−d〕ピリミジンなど)、チアゾロピリジン(チアゾロ〔4,5−b〕ピリジン、チアゾロ〔5,4−b〕ピリジンなど)、チアゾロピリミジン(チアゾロ〔4,5−d〕ピリミジン、チアゾロ〔5,4−d〕ピリミジンなど)、オキサゾロピリジン(オキサゾロ〔4,5−b〕ピリジン、オキサゾロ〔5,4−b〕ピリジンなど)、オキサゾロピリミジン(オキサゾロ〔4,5−d〕ピリミジン、オキサゾロ〔5,4−d〕ピリミジンなど)、フロピリジン(フロ〔2,3−b〕ピリジン、フロ〔3,2−b〕ピリジンなど)、フロピリミジン(フロ〔2,3−d〕ピリミジン、フロ〔3,2−d〕ピリミジンなど)、2,3−ジヒドロピロロピリジン(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−b〕ピリジンなど)、2,3−ジヒドロピロロピリミジン(2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔3,2−d〕ピリミジンなど)、5,6,7,8−テトラヒドロピリド〔2,3−d〕ピリミジン、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン、5,6,7,8−テトラヒドロキノリンなどがあげられ、これらの環が水素添加されている芳香族環を形成する場合、環中の炭素原子がカルボニルでもよく、たとえば2,3−ジヒドロ−2−オキソピロロピリジン、2,3−ジヒドロ−2,3−ジオキソピロロピリジン、7,8−ジヒドロ−7−オキソ−1,8−ナフチリジン、5,6,7,8−テトラヒドロ−7−オキソ−1,8−ナフチリジンなども含まれる。
また、これらの環はハロゲン、アルキル、アルコキシ、アラルキル、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ホルミル、アシル、アミノアルキル、モノまたはジアルキルアミノアルキル、アジド、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルバモイル、アルキルカルバモイル、置換基を有していてもよいヒドラジノなどの置換基によって置換されていてもよい。
ここで、置換基を有していてもよいヒドラジノの置換基としては、アルキル、アラルキル、ニトロ、シアノなどがあげられるが、アルキル、アラルキルはR1,R2におけるアルキル、アラルキルと同義であり、置換基を有していてもよいヒドラジノとしては、たとえばメチルヒドラジノ、エチルヒドラジノ、ベンジルヒドラジノなどが例示される。
R6におけるアルキルはR1,R2におけるアルキルと同義である。また、R8、R9におけるアルキルはR1,R2におけるアルキルと同義であり、R8、R9におけるアラルキルはR1,R2におけるアラルキルと同義である。
R7におけるアルキルはR1,R2におけるアルキルと同義であり、R7におけるアラルキルはR1,R2におけるアルキルと同義である。
R6とR7が結合して環中にさらに酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよい窒素原子を含有していてもよい複素環を形成する基としては、イミダゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、イミダゾリン−2−イル、3,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル、3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル、1,3−オキサゾリン−2−イル、1,3−チアゾリン−2−イルまたはハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、アミノ、フェニル、アラルキルなどの置換基を有していてもよいベンゾイミダゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イルなどがあげられる。ここで、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アラルキルとはR1,R2において示したものと同義である。
また、上記の置換基を有していてもよい窒素原子における置換基としては、アルキル、アラルキル、ハロアルキルなどがあげられる。ここで、アルキル、アラルキル、ハロアルキルとはR1,R2において示したものと同義である。
R10、R11におけるヒドロキシアルキルとは、炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキルに1〜3個のヒドロキシが置換したものであり、たとえばヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチルなどが挙げられる。R10、R11におけるアルキルはR1,R2におけるアルキルと同義であり、R10、R11におけるハロアルキル、アルコキシカルボニルはR1,R2において示したものと同義であり、R10、R11におけるアラルキルはR1,R2におけるアラルキルと同義である。R10とR11が結合して形成するシクロアルキルもR1,R2におけるシクロアルキルと同義である。
化合物(Ia)は、水和物であってもよく、化合物(Ia)の1水和物、2水和物、1/2水和物、1/3水和物、1/4水和物、2/3水和物、3/2水和物、6/5水和物等も本発明に含まれる。
本発明において用いる化合物(1)、好ましくは化合物(Ia)、特に好ましくは化合物(I)、及びそれらの薬理学的に許容される塩、並びにそれらの水和物を、本発明化合物とも称する。
本明細書において、「角膜内皮障害の治療」とは、角膜内皮障害の治療のみならず、当該障害の予防をも含む概念である。また、「角膜内皮障害」には「角膜内皮障害を伴う疾患」も含まれることを意味し、当該疾患としては、例えば水疱性角膜症、角膜内皮炎、角膜浮腫、角膜白斑等があげられ、本発明の態様に応じて適宜対象疾患として適用させることができる。
本発明の角膜内皮製剤において使用される本発明化合物および角膜内皮細胞等は、上記の本発明の治療剤における任意の形態が使用され得る。また、本発明の角膜内皮製剤に含有される本発明化合物の量も、例えば、上記治療剤と同様の含有量とすることができるが、これに限定されず、角膜内皮製剤の実施態様に応じて適宜設定することができる。
<1>角膜内皮細胞の採取および試験管内での培養
角膜内皮細胞はレシピエント自身または適当なドナーの角膜から常法で採取される。本発明における移植条件を考慮すれば、同種由来の角膜内皮細胞を準備すればよい。例えば、デスメ膜をインタクトな角膜内皮細胞と共に剥離した後、コラゲナーゼなどで処理する。角膜内皮細胞を単離した後、本発明の培養液中で角膜内皮細胞を培養する。培養液としては例えば市販のDulbecco’s Modified Eagle’s Medium(DMEM)にFBS(ウシ胎仔血清)、basic−fibroblast growth factor(b−FGF)、およびペニシリン、ストレプトマイシンなどの抗生物質を適宜添加し、さらに本発明化合物、好ましくは化合物(Ia)を添加したものを使用することができる。培養容器(培養皿)にはその表面にI型コラーゲン、IV型コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニンまたはウシ角膜内皮細胞の細胞外マトリックスなどをコーティングしてあるものを使用することが好ましい。あるいは、通常の培養容器をFNC coating mix(登録商標)等の市販のコーティング剤で処理したものを用いてもよい。かかるコーティングと本発明の培養液とを併用することにより、角膜内皮細胞の培養容器表面への接着が促され、良好な増殖が行われるからである。
培養に供された角膜内皮細胞が増殖した後に継代培養を行うことができる。好ましくはサブコンフルエントないしコンフルエントになった時点で継代培養を行う。継代培養は次のように行うことができる。まずtrypsin−EDTA等で細胞を処理し、細胞を回収する。回収した細胞に本発明の培養液を加えて細胞浮遊液とする。細胞を回収する際、あるいは回収後に遠心処理を行うことが好ましい。かかる遠心処理によって細胞密度の高い細胞浮遊液を調製することができる。この細胞浮遊液の細胞密度は、例えば、約1〜2×106個/mLである。尚、ここでの遠心処理の条件としては、例えば、500rpm(×30g)〜1000rpm(×70g)、1〜10分を挙げることができる。
以上のようにして培養を行うことにより、角膜内皮細胞および本発明化合物(好ましくは、化合物(Ia))を含む角膜内皮製剤が得られる。
一つの実施形態において、本発明のキットに含まれる本発明化合物は、例えば、角膜内皮細胞を洗浄するための洗浄液、角膜内皮細胞を培養するための培養液、角膜内皮細胞を懸濁するための懸濁液などに含まれた状態であってもよいし、固体(例えば、粉末)の状態であってもよい。本発明化合物と角膜内皮細胞とが治療の目的部位に存在し、それらが接触さえすれば、角膜内皮の創傷の治癒を促すからである。好ましい実施形態において、本発明化合物は、化合物(Ia)((R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドまたはその薬理学的に許容される塩)であり得る。また、別の実施形態において、本発明のキットに含まれる角膜内皮細胞は凍結された状態でもよい。本発明のキットにおいて使用される本発明化合物および角膜内皮細胞等は、上記の本発明の治療剤および角膜内皮製剤等における任意の形態が使用され得る。
本明細書において「角膜移植用移植物」とは、角膜に移入される本発明の組織片、細胞、組成物、医薬などを意味する。
(1)細胞層が単層構造である。これは生体の角膜内皮細胞層が備える生理学的な特徴の一つである。
(2)細胞層における細胞密度が、約1,000〜約4,000細胞/mm2である。特に、成人をレシピエント(移植者)とする場合には、約2,000〜約3,000細胞/mm2であることが好ましい。
(3)細胞層を構成する細胞形状が六角格子状である。これは生体における角膜内皮細胞層を構成する細胞が備える生理学的な特徴の一つである。この六角形という細胞形態を呈することにより、本発明の製剤は、生体内でも、生来の角膜内皮細胞層と同様の生理学的機能を発揮することができる。
(4)細胞層において細胞が敷石状の単層細胞層を形成している。生理的にも角膜内皮細胞は規則正しく整列している。これによって角膜内皮細胞の正常な機能と高い透明性が維持され、また角膜の水分調整機能が適切に発揮されると考えられている。したがって、このような形態的な特徴を備えることにより、本発明の角膜移植用移植物は、生体における角膜内皮細胞層と同様の機能を発揮することが期待される。本発明の角膜移植用移植物は、化合物(Ia)を含むので、移植後の角膜内皮細胞を良好に保持することができる。
角膜内皮細胞の細胞浮遊液は、上記角膜内皮製剤の<1>角膜内皮細胞の採取および試験管内での培養および<2>継代培養に従うことにより調製することができる。細胞浮遊液は、コラーゲンシート等の基材上に播種され、培養に供される。この際、最終的に製造される角膜内皮製剤において所望の細胞密度の細胞層が形成されるように播種する細胞数が調整される。具体的には細胞密度が約1,000〜約4,000細胞/mm2の細胞層が形成されるように細胞を播種する。培養は上記の初期培養などと同様の条件で行うことができる。培養時間は使用する細胞の状態などによっても異なるが、例えば3〜30日間である。当該角膜内皮細胞層は、培養液または細胞浮遊液等に、本発明化合物、好ましくは化合物(Ia)((R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドまたはその薬理学的に許容される塩)を添加することにより、より短期間に、かつ良好な形態および機能を維持した状態で調製することが可能となる。
本発明の角膜移植用移植物において使用される本発明化合物および角膜内皮細胞等は、上記の本発明の治療剤および角膜内皮製剤等における任意の形態が使用され得る。
移植工程においては、同種移植が好ましく、移植対象の動物と同種由来の角膜内皮細胞に由来する角膜内皮製剤を準備することが好ましい。ヒトを対象とする場合は、ヒト由来の血液型およびHLA型が同型のドナー由来の角膜内皮製剤が好ましく、自家移植がより好ましい。
本発明のアポトーシス抑制剤は、アポトーシスの発生又は進行を抑制し得る効果を有しており、アポトーシスの異常亢進に起因するか、或いは結果としてそのような状態を生じる疾患又は病態の治療及び予防に有用である。アポトーシスの異常亢進に関連する疾患としては、例えば、ウイルス感染症、内分泌疾患、血液疾患、臓器形成不全、移植臓器拒絶、移植片対宿主病、免疫不全、神経変性疾患、虚血性心疾患、放射線障害、紫外線障害、中毒性疾患、栄養障害、炎症性疾患、虚血性神経障害、血管系疾患、呼吸器系疾患、軟骨疾患等があげられる。本発明のアポトーシス抑制剤は、特に、細胞のアポトーシス抑制によって角膜内皮細胞の創傷治癒を促進させ得ることから、角膜内皮障害の治療及び予防に有用である。また、本発明のアポトーシス抑制剤は、特に限定されないが、上記治療剤と同様の添加剤(安定剤、溶解補助剤、懸濁化剤等)を加えることができ、その有効成分としての本発明化合物の含有量、投与量、投与対象等も上記治療剤と同様にすることができる。
各濃度の被験物質の組成を以下に示す。
被験物質
化合物(I) 0.003、0.01、0.03、
0.05または0.1g
(脱塩酸体としての含量)
塩化ナトリウム 0.85g
リン酸二水素ナトリウム二水和物 0.1g
塩化ベンザルコニウム塩化物 0.005g
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
全量100ml(pH 7.0)
基剤
塩化ナトリウム 0.85g
リン酸二水素ナトリウム二水和物 0.1g
塩化ベンザルコニウム塩化物 0.005g
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
全量100ml(pH 7.0)
1.被験物質および対照物質
被験物質として、(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミド一塩酸塩(化合物(I))を用いた。化合物(I)は、国際公開第95/28387号パンフレットおよび国際公開第2002/083175号パンフレットに記載の方法に準じて製造した。
本実施例では、0.95mM(0.03w/v%)化合物(I)点眼液およびこれを上記基剤で希釈した0.32mM(0.01w/v%)化合物(I)点眼液を用いた。
陽性対照物質としてY−27632二塩酸塩(和光純薬株式会社、Cat.# 253−00513)、塩酸ファスジル水和物注射液(エリル(登録商標)点滴静注液、旭化成ファーマ)を購入し、これらをリン酸緩衝生理食塩液(PBS、Invitrogen、Cat#14190)を用いて、Y−27632およびFasudilをそれぞれ10mMに調製した。また、PBSを陰性対照物質として用いた。
雄性日本白色種ウサギ(体重2.5〜3.0kg)21匹を(株)バイオテックより購入して使用した。動物は温度23±3℃、湿度55±10%、12時間照明(08:00 点灯、20:00 消灯)に設定された飼育室内で1ケージあたり1匹収容して飼育した。それぞれの動物には固型飼料(ラボR ストック;日本農産工業)を1日に100gずつ与え、水道水を自由に摂取させた。
試験開始前に、動物の両眼の瞬膜を切除した。すなわち、各動物を保定缶内に保定した後、局所麻酔点眼液(ベノキシール点眼液0.4%、参天製薬)を点眼して眼表面の局所麻酔を施し、ついで、瞬膜の根部を鉗子で30秒間圧迫した後、圧迫痕上を剪刀で切断した。瞬膜の切除後に感染予防の目的で抗生物質の眼軟膏(タリビッド眼軟膏、参天製薬)を点入した。瞬膜切除の4日後に切除部位を含む外眼部に異常がないことを確認した動物を使用した。
各動物の右眼の角膜厚を超音波角膜厚測定装置(DGH Technologies Inc.社製DGH−500)にて測定し、各群の角膜厚が偏らないように4群に群分けを行った。各群に使用した動物の内訳を以下に示す。
10mM Y−27632群 =5眼
0.32mM 化合物(I)群 =5眼
0.95mM 化合物(I)群 =6眼
10mM Fasudil群 =5眼
PBS群 =21眼(左眼)
動物に対し、体重1kg当たりケタラール筋注用500mg(第一三共)0.6mlとセラクタール2%注射液(バイエル)0.25mlを筋肉内投与して全身麻酔を施し、ついで、ベノキシール点眼液0.4%(参天製薬)を1滴点眼した後、開瞼器を用いて開瞼した。
液体窒素で冷却した直径7mmのステンレスプローブを、21匹の動物に対して眼球角膜中央部に15秒間接着させ、前房内に氷塊を作製し、角膜内皮細胞を脱落させ、角膜内皮創傷を作製した。
点眼投与は、創傷作製後、右眼に化合物(I)点眼液、Y−27632点眼液またはFasudil点眼液を、左眼にPBSを1日6回(創傷作製当日は4回)、1回50μLで行った。1日の投与間隔は2時間とした。
創傷作製46時間後に、5% ペントバルビタールナトリウム溶液(ペントバルビタール(ナカライテスク、Cat.#26427−14)を生理食塩水で溶解させたもの)を耳介静脈から過剰投与し、ウサギを安楽死させ、角膜を採取した。採取した角膜の角膜内皮細胞を0.5%アリザリンレッドS溶液(ナカライテスク、Cat.#01303−52)で染色した後、光学顕微鏡(Olympus、BX51)にて創傷部位の染色像を撮影した。創傷部位の測定には画像解析ソフトImageJ(NIH、ver.1.41o)を用い、アリザリンレッド染色された創傷領域外周をマニュアル操作でプロットした後、プロットにより囲まれた領域面積を創傷面積として算出した。創傷面積はDunnett法(両側)により統計解析(エクセル統計2008 for Windows、株式会社社会情報サービス、バージョン1.10)を行い、P値が0.05未満を統計学的有意とした。
創傷作製46時間後の角膜内皮創傷部のアリザリン染色像を図1に、角膜内皮の創傷面積を図2に示した。PBS点眼投与では未修復の創傷部面積が2.3mm2であったのに対し、0.95mM 化合物(I)点眼投与群では、0.4mm2と最も小さい値を示しており、PBS点眼投与群に比べて、統計学的に有意な創傷面積の減少が認められた。また、0.32mM 化合物(I)点眼投与群では、PBS点眼投与群に比較して、創傷面積は1.1mm2と小さく、10mM Y−27632点眼投与群の1.1mm2と同程度であった。一方、10mM Fasudil点眼投与群では1.7mm2とY−27632よりも未修復面積は広かった。
上記の結果より、化合物(I)は、Y−27632より低濃度で角膜内皮の創傷面積を小さくすることが示され、創傷治癒を促進している可能性が示唆された。
角膜内皮脱落ウサギモデルにて、0.05w/v%(1.58mM)化合物(I)を点眼(点眼投与;1日6回、2日間)し、その効果を確認することができる。
福崎養兔組合より雄性日本白色種ウサギ眼球組織(採取対象体重約2.5kg)を購入し使用した。眼球は20個使用した。入手したウサギ眼球組織より角膜組織を採取し、デスメ膜をインタクトな角膜内皮細胞と共に剥離した。分離したデスメ膜を2.5mg/mLのコラゲナーゼA(Roche、Cat.#1088793)とともに37℃、5%CO2の条件下で2時間インキュベートした。その後、遠心分離(1000rpm(×70g)3分間)により細胞を回収した。回収した細胞を培養液(DMEM(インビトロジェン、Cat.#12320−032)、10% FBS、2ng/mL bFGF(インビトロジェン、Cat.#13256−029)、1% ペニシリン・ストレプトマイシン(インビトロジェン、Cat.#15070−063))で希釈し、1wellあたり2眼分の密度で、FNC coating mix(Athena ES、Cat.#0407)でコートした6ウェルプレート(コーニング、Cat.#3516)へ播種し、37℃でコンフルエントまで培養した。
本実施例では、化合物(I)、Y−27632二塩酸塩(和光純薬株式会社、Cat.# 253−00513)、Fasudil(SIGMA−ALDRICH、Cat.#H139)をDMSO(ナカライテスク、Cat.#13406−55)に溶解し、さらに培養液で希釈した被験物質および対照物質を使用した。
実施例3で調製したウサギ角膜内皮細胞をリン酸緩衝生理食塩液(PBS、Invitrogen、Cat#14190)で2回洗浄した後、PBS 4mlを加え、37℃で10分間インキュベートした。PBSを除去し、0.05%トリプシン/EDTA(インビトロジェン、Cat.#25300−054)を加え、37℃で約5分間インキュベートした。そこへ培養液(DMEM(インビトロジェン、Cat.#12320−032)、10% FBS、2ng/mL bFGF(インビトロジェン、Cat.#13256−029)、1% ペニシリン・ストレプトマイシン(インビトロジェン、Cat.#15070−063))を10ml加え、細胞をチューブに回収し、遠心分離(1000rpm(×70g)3分間)により細胞を回収した。回収した細胞を培養液約3〜4mlで希釈した。
希釈したウサギ角膜内皮細胞に、各薬剤を、最終濃度0.09、0.32、0.95、3.16および9.47μM 化合物(I)、10μM Y−27632、10μM Fasudilになるようにそれぞれ添加した。これらの細胞を24ウェルプレート(コーニング、Cat.#3526)に、1ウェルあたり1mlずつ1:8の分割比となるように播種した。コントロールとして、0.04% DMSO/培養液を添加した。添加の1、3、5、7、および14日後に顕微鏡で写真撮影を行った。その結果を図3〜7に示す。
播種14日後までの観察では、コントロール群では細胞の大小不同や細胞間接着の形成が不十分であった。0.32、0.95および3.16μM 化合物(I)添加群では、継代後も角膜内皮細胞の形態を保持し、播種14日後までに細胞間接着が形成され、単層の細胞層を形成していた。
10μM Y−27632およびFasudilは、0.32、0.95および3.16μM 化合物(I)と同様の結果であった。
化合物(I)は、Y−27632およびFasudilよりも低濃度で、角膜内皮細胞の形態を保持することが可能と考えられる。
本実施例では、実施例4と同様の方法により調製したウサギ角膜内皮細胞を使用した。
また、本実施例では、実施例4と同様の方法により調製した被験物質および対照物質を使用した。
回収したウサギ角膜内皮細胞を、培養液(DMEM(インビトロジェン、Cat.#12320−032)、10% FBS、2ng/mL bFGF(インビトロジェン、Cat.#13256−029)、1% ペニシリン・ストレプトマイシン(インビトロジェン、Cat.#15070−063))約4mlで希釈し、6ウェルプレート(コーニング、Cat.#3516)に、1ウェルあたり2mlずつ1:4の分割比になるように播種した。細胞がコンフルエントになるまで、37℃、5%CO2の条件下でインキュベートした。コンフルエントになった細胞に1000μLチップ(Molecular BioProducts社、2279)を用いて傷を作製した。次いで、各薬剤を、最終濃度が0.09、0.32、0.95、3.16および9.47μM 化合物(I)、10μM Y−27632、10μM Fasudilとなるように培養液に添加した。コントロールとして、DMSOを最終濃度が0.04%になるように添加した。
各薬剤を添加した6時間後、12時間後、および24時間後に傷の幅を経時的に写真撮影を行い、画像解析により傷の幅を評価した。その結果を図8に示す。
化合物(I)の添加群では、添加の24時間後に低濃度(0.09〜3.16μM)で、Dunnett’s test法により有意に創傷部幅が減少した(図8)。9.47μMではコントロール群との間に統計学的有意差は認められなかった。student’s t−test法によると、0.95μM 化合物(I)において、添加の早い時期から創傷治癒効果を示した。
化合物(I)は、Y−27632およびFasudilよりも低濃度(0.09〜3.16μM)で創傷治癒効果を示すと考えられる。以上より、化合物(I)はin vitro角膜内皮創傷治癒モデルにおいても創傷治癒を促進した。
本実施例では、実施例4と同様の方法により調製したウサギ角膜内皮細胞を使用した。
また、本実施例では、実施例4と同様の方法により調製した被験物質および対照物質を使用した。
回収したウサギ角膜内皮細胞を希釈し、培養液(DMEM(インビトロジェン、Cat.#12320−032)、10% FBS、2ng/mL bFGF(インビトロジェン、Cat.#13256−029)、1% ペニシリン・ストレプトマイシン(インビトロジェン、Cat.#15070−063))約4mlを該細胞に添加した。次いで、各薬剤を、最終濃度0.09、0.32、0.95、3.16および9.47μMの化合物(I)、10μM Y−27632、10μM Fasudilになるように培養液に添加した。コントロールとして、DMSOを最終濃度が0.04%になるように添加した。
これらの細胞を96ウェルプレート(コーニング、Cat.#3595)に、1000細胞/ウェルとなるように播種した。播種3時間後に、浮遊している細胞を除去し、接着している細胞数をCellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(promega Cat.#G7572)を用いて計測した。
その結果を図9に示す。すべての化合物(I)添加群は、in vitroにおいて接着細胞数が増加していた。0.32μM化合物(I)での接着細胞数は、10μM Y−27632とほぼ同程度であった。化合物(I)は、0.32μM以上の濃度では接着細胞数はプラトーに達していた。
化合物(I)は、培養条件下での角膜内皮細胞の接着、形態および創傷治癒において、特に、0.32、0.95および3.16μMで効果を示した。そのうち、創傷治癒モデルでは、0.95μM 化合物(I)で添加後早期から創傷治癒効果を示した。
以上より、化合物(I)は、Y−27632およびFasudilと比較して、より低濃度で角膜内皮細胞の形態を維持し、接着を促進し、そして創傷を治療する効果を有するといえる。
本実施例では、実施例4と同様の方法により調製したウサギ角膜内皮細胞を使用した。
また、本実施例では、実施例4と同様の方法により調製した被験物質および対照物質を使用した。
ウサギ角膜内皮細胞を、1:1の分割比でVitrigelTM(旭硝子)上へ播種し、移植用培養角膜内皮細胞シートを作製した。該角膜内皮細胞シートの作製時には0.95μM 化合物(I)、10μM Y−27632又は0.04% DMSOを添加し、得られた角膜内皮細胞シートについて角膜内皮細胞の機能タンパクであるZO−1およびNa+/K+ ATPaseの蛍光免疫細胞染色を行い、発現を確認した。
角膜内皮細胞シートを、95%エタノール(−30℃)で10分間固定し、PBS洗浄の後、0.5% TritonX−100/PBSで5分間処理した。その後、1% BSA/PBSで1時間処理し、抗ZO−1抗体(インビトロジェン、Cat.#339100)または抗Na+/K+ ATPase抗体(ミリポア、Cat.#C464.6)で一晩処理した。PBS洗浄後、Alexa−488標識2次抗体で1時間処理した。PBS洗浄後、DAPI含有の封入剤(Vectasheild(登録商標))をシートに滴下し、カバーガラスで封入した。蛍光顕微鏡で写真を撮影し、ZO−1およびNa+/K+ ATPaseの発現を確認した。この免疫細胞染色は、播種をしてから48時間後及び14日後に行った(図10および図11)。
化合物(I)を含有する角膜内皮シート調製用培養液
本実施例では、常法により以下に示す培養液を調製し、使用した。
化合物(I) 0.5mg
FBS 10mL
ペニシリン−ストレプトマイシン溶液 1mL
FGF basic 200ng
DMEM 適量
全量 100mL
FBSはインビトロジェン製、ペニシリン−ストレプトマイシン溶液はインビトロジェン製(ペニシリン 5000U/mL,ストレプトマイシン 5000μg/mL含有)、FGF basicはインビトロジェン製、化合物(I)は田辺三菱製薬製、DMEMはインビトロジェン製を用いた。
以上の結果より、播種をしてから48時間後のコントロール群では細胞間接着が十分に形成されないことがわかった。一方、Y−27632処置群では細胞間接着が形成され、接着部位に機能タンパク質であるZO−1およびNa+/K+ ATPaseの発現は確認できた。ただし、Y−27632処置群では、一部細胞に覆われていない部分があり、移植用培養角膜内皮細胞シートとしては不十分であった。
これに対して、化合物(I)処置群では、形成された細胞間接着の接着部位にZO−1およびNa+/K+ ATPaseの発現が確認され、シートの全面に細胞が接着していたことから、移植用培養角膜内皮細胞シートとして十分に使用可能であると考えられた。従って、化合物(I)を培養液に添加すると、添加の48時間には移植用培養角膜内皮細胞シートの作製が可能であることがわかった。以上より、化合物(I)を用いると、移植に適した移植用培養角膜内皮細胞シートが早期に作製できることが実証された。
(1)ウサギ水疱性角膜症モデルの作製
雄性日本白色種ウサギ((株)バイオテック)8匹に対して下記のように瞬膜切除術を行った。各動物を保定缶内に保定した後、局所麻酔点眼液(ベノキシール点眼液0.4%、参天製薬)を点眼して眼表面の局所麻酔を施し、ついで、瞬膜の根部を鉗子で30秒間圧迫した後、圧迫痕上を剪刀で切断した。瞬膜の切除後に、感染予防の目的で抗生物質の眼軟膏(タリビッド眼軟膏、参天製薬)を点入した。
瞬膜切除の3日後に、左眼の水晶体乳化吸引術(PEA)を行った。全身麻酔下にて、角膜輪部に3mmの切開創を作製して、白内障手術装置(NIDEK社)にて水晶体の切除を行い、ナイロン糸(マニー社)にて切開創を縫合した。水晶体乳化吸引術(PEA)後には、感染予防の目的で抗生物質の点眼液(クラビット点眼薬、参天製薬)を点入した。PEAから5日後、動物に対し、体重1kg当たりケタラール筋注用500mg(第一三共)0.6mlおよびセラクタール2%注射液(バイエル)0.25mlを筋肉内投与して全身麻酔を施した。ついで、ベノキシール点眼液0.4%(参天製薬)を1滴点眼した後、開瞼器を用いて開瞼した。その後、角膜輪部に1mmの切開創を作製して、シリコン製手術器具にて角膜内皮細胞を掻爬して機械的に剥離した。トレパンブルー染色にて剥離範囲を確認した。
(2)ウサギ水疱性角膜症モデルへの角膜内皮細胞の注入
角膜内皮細胞を機械的に掻爬した後、継代培養したウサギ角膜内皮細胞を培養皿より0.05%tripsin−EDTA(インビトロジェン、Cat.#25300−054)により回収して細胞懸濁液を作製した。細胞は、Dulbecco’s modified Eagle’s medium(DMEM)(インビトロジェン、12320−032)を用い、10μM 化合物(I)/DMEM、100μM Y−27632/DMEM、及びDMEMの3群に培養ウサギ角膜内皮細胞をそれぞれ1.0×106細胞/mlなるように懸濁した。作製したウサギ水疱性角膜症モデルの角膜輪部より22ゲージ針にて、各群の細胞懸濁液を200μl(1眼あたり2.0×105細胞)前房内に注入して角膜内皮面が上、角膜上皮面が下となるようにウサギを3時間うつむき固定した。うつむき固定は動物愛護にも十分配慮しながら適宜麻酔薬の追加を行い実施した。
細胞注入から14日後に処置眼を摘出し、摘出した眼球から強角膜片を作製した。得られた強角膜片を4% パラホルムアルデヒド/PBSで10分間固定し、1% BSA(SIGMA,Cat.#A7906−50G)を含むPBS(インビトロジェン、Cat.#14190−144)で一晩ブロッキングを行った。その後、強角膜片を2分割し、アクチンを染色するAlexa−488標識phalloidin(インビトロジェン、Cat.#A12379)、または角膜内皮マーカーである抗Na+/K+ ATPase抗体(UP State、Cat.#05−369)を2時間処理した。抗Na+/K+ ATPase抗体処理群には、さらにAlexa−488標識2次抗体(インビトロジェン、Cat.#A−21202)を1時間処理した。その後、Vectasheild(登録商標)−DAPI(Vector Laboratories,Cat.#H−1200)溶液中に浸漬させ、カバーガラスで封入した。この標本を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。その染色画像を図12に示す。
そして、DAPIによって染色された核数を角膜内皮細胞数とし、DAPI染色画像をImage−Pro plus(Media Cybernetics,Inc.)を用いて解析し、角膜内皮細胞数を測定した。その結果を図13に示す。
以上の結果より、10μM 化合物(I)が、最も角膜内皮細胞の培養効果が高く、角膜内皮細胞注入療法に最も適していると考えられる。
本実施例では、実施例4と同様の方法により調製した被験物質および対照物質を使用した。
(1)ウサギ角膜内皮細胞の調製
フナコシ株式会社から購入したウサギ眼球10眼より強角膜片を採取した。強角膜片を、1% ペニシリン・ストレプトマイシン(インビトロジェン、Cat.#15140−122)を含むDMEM(インビトロジェン、Cat. #12320−032)中に浸漬させ、37℃で1時間インキュベートした。デスメ膜をインタクトな角膜内皮細胞と共に剥離し、2mg/mL Collagenase A(ロシュ、Cat.#1088793)を含む培養液(DMEM、10% FBS、2ng/mL bFGF(インビトロジェン、Cat.#13256−029)、1% ペニシリン・ストレプトマイシン)に浸漬させ、37℃で2時間インキュベートした。細胞を遠心回収し、培養液で洗浄した後、FNC coating mix(Athena ES、Cat.#0407)でコートしたT25フラスコ(コーニング、Cat.#430639)に播種した。37℃の5%CO2インキュベーターにそのフラスコを静置し、2〜3日ごとに培地交換を行い、コンフルエントになるまで培養した。コンフルエントになった細胞を回収し、FNC coating mixでコートした6ウェルプレート(ファルコン、Cat.#3046)2枚に播種し、コンフルエントになるまで培養した。
(2)in vitro創傷治癒モデルの作製
調製したウサギ角膜内皮細胞を回収し、1:4の分割比で6ウェルプレートに播種し、上記(1)と同じ培養液でコンフルエントになるまで培養した。コンフルエントになった細胞に、1000μLチップを用いて直線状の傷を1ウェルにつき6箇所作製した。
(3)薬剤の添加および創傷治癒効果の評価
直線状の傷を作製した後、培養液を交換して、0.95μM、1.58μMおよび3.16μM 化合物(I)、10μM Y−27632ならびに0.04% DMSOの各薬剤を添加した。なお、化合物(I)およびY−27632は事前にDMSOに溶解させており、いずれもDMSO濃度が0.04%となるように調製した。
添加をしてから0、6、12、24時間後に傷の幅を経時的に写真撮影し、Image−Pro plus(Media Cybernetics,Inc.)を用いて傷の幅を計測した。薬剤を添加してから0時間後の創傷幅を100%として、各時間における創傷幅の割合を算出し、創傷幅の経時的変化の評価を行った。各時点における創傷幅の割合をDunnett法に従い統計学的解析を行った。その結果を図14に示す。
したがって、化合物(I)は、Y−27632よりも低濃度(0.95〜1.58μM)で創傷治癒促進効果を示すと考えられる。なお、1.58μM 化合物(I)でも有意な効果は認められたが、0.95μM 化合物(I)よりはその効果は弱かった。そのため、in vitro創傷治癒モデルにおいて、化合物(I)が最も効果を示す濃度は0.95μM程度であると考えられる。
本実施例では、実施例4と同様の方法により調製した被験物質および対照物質を使用した。
5匹の雄性日本白色種ウサギ((株)バイオテック)から左右両方の眼球を摘出し、強角膜片を作製した。一方の強角膜片を保存液Optisol−GS(登録商標)(ボシュ・ロム)(コントロール)に入れ、他方の強角膜片を、0.95μM 化合物(I)を含むOptisol−GSに入れた。また別の5匹の雄性日本白色種ウサギから同様に強角膜片を作製し、一方の強角膜片をOptisol−GS(コントロール)に入れ、他方の強角膜片を、10μM Y−27632を含むOptisol−GSに入れた。
それぞれの強角膜片を含むサンプルを4℃にて保管し、2週間後及び3週間後に強角膜片をHoechst(ヘキスト33342、Sigma Cat.#B2261)、PI(propidium iodide、Sigma、Cat.#P4170)、及びAnnexinV(AnnexinV−FITC,MBL,Cat.#4700−100)で染色し、それぞれ生細胞、死細胞、及びアポトーシス細胞の分別を行った。3週間後の各種サンプルにおける強角膜片の染色画像を図15に示す。また、染色した角膜についてImageJ(ver.1.44i,NIH,http://imagej.nih.gov/ij)を用いて各種細胞数を測定し、5視野分の平均値と標準偏差を求めた。各種細胞数については、Student’s t−testに従い統計学的解析を行った。2週間後の結果を図16に示し、3週間後の結果を図17に示す。
以上の結果より、化合物(I)を保存液に添加することにより、従来の保存液よりも有意に細胞死及びアポトーシスを抑制できることが示された。さらに、化合物(I)はY−27632よりも低濃度で効果を示すことが示された。
Claims (19)
- (R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有してなる、角膜内皮障害の治療剤。
- 点眼剤である、請求項1に記載の治療剤。
- (R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドまたはその薬理学的に許容される塩を含有してなる、角膜内皮細胞の接着促進剤。
- 請求項3に記載の接着促進剤を含む、角膜内皮細胞の培養液。
- A)角膜内皮細胞、
B)足場、および
C)(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドまたはその薬理学的に許容される塩
を含む、角膜移植用移植物。 - 角膜内皮細胞がヒト由来である、請求項5に記載の移植物。
- (R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドまたはその薬理学的に許容される塩を含む培養液を用いて角膜内皮細胞を培養する工程を含む、角膜内皮製剤の製造方法。
- 角膜内皮細胞がヒト由来である、請求項7に記載の製造方法。
- (R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドまたはその薬理学的に許容される塩を含有してなる、角膜内皮製剤および/または角膜移植用移植物を提供する工程、および
当該角膜内皮製剤および/または角膜移植用移植物を、角膜内皮の移植を必要とする対象に移植する工程
を含む、角膜内皮障害の治療方法。 - 角膜内皮細胞がヒト由来である、請求項9に記載の治療方法。
- (R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドまたはその薬理学的に許容される塩の有効量を、角膜内皮の創傷の治癒を必要とする対象に投与する工程を含む、角膜内皮障害の治療方法。
- 投与工程が点眼投与である、請求項11に記載の治療方法。
- 角膜内皮障害の治療剤を製造するための、(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドまたはその薬理学的に許容される塩の使用。
- 治療剤が点眼剤である、請求項13に記載の使用。
- 角膜内皮細胞の接着促進剤を製造するための、(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドまたはその薬理学的に許容される塩の使用。
- 角膜内皮細胞の培養液を製造するための、(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドまたはその薬理学的に許容される塩の使用。
- 角膜移植用移植物を製造するための、
A)角膜内皮細胞、
B)足場、および
C)(R)−(+)−N−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル)−4−(1−アミノエチル)ベンズアミドまたはその薬理学的に許容される塩
の使用。 - 角膜内皮細胞がヒト由来である、請求項17に記載の使用。
- 請求項7または8に記載の製造方法により得られる角膜内皮製剤。
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