JP2013514801A - 添加剤を含むシート状フィルター材 - Google Patents

Abstract

本発明は、フィルター材として不織シート材または紙を含むフィルターエレメントに添加剤を含有させることに関し、これによりフィルターエレメントを介して吸引される煙の半揮発性化合物の選択的除去を高め、味覚特性を向上させる。フィルターエレメントを介して吸飲される煙からの半揮発性化合物の選択的除去は、ポリエチレングリコールによって高められる。ＴＥＣおよび／またはトリアセチンは、フィルターエレメントを介して吸引される煙の味覚特性を向上させることが判明している添加剤である。

Description

本発明は、タバコ煙フィルターエレメント、これを含むフィルターおよびフィルターおよび／またはフィルターエレメントを含む喫煙品に関する。より具体的には本発明は、フィルター材として不織シート材または紙を含み、かつ、フィルターのろ過特性および煙の味覚特性の両方を向上させる添加剤を含むフィルターエレメントおよび／またはフィルターに関する。本発明に使用する好適なフィルター材は、例えば紙、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）またはポリ乳酸（ＰＬＡ）などである。

本明細書で使用する「喫煙品」なる用語は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているか、していないかに関係なく紙巻きタバコおよびシガリロおよび熱せられるが燃焼しない製品などの喫煙可能な製品を含む。

多種多様の繊維材が紙巻きタバコの煙用のフィルターとして提案されている。セルロースアセテートトウは、最も一般的に使用されているフィルター材である。しかしながら、このフィルター材には分解速度が遅いという欠点がある。使用済みの喫煙品の部材のほとんどは、水分および／または機械的摩耗に晒されると、比較的短い時間でそれらの個々の構成部分に分離し、分解するが、セルロースアセテートフィルター材は、セルロースアセテート繊維自体が水に溶けにくく、従って生分解しにくい。

不織シート材および紙も喫煙品のフィルター材として使用可能である。例えばクリープ紙（クリンプ紙またはギャザード紙とも言われている）がフィルター材として使用されている。

不織シート材および紙は、セルロースアセテートより生分解しやすい。しかしながら、これらはフィルター材として使用した場合に欠点がある。不織シート材および紙からフィルターエレメントを構成する場合に所望の構造的剛性を得るためには、そのフィルター材は、非常に密な状態になるように圧縮しなければならず、これはこれらのフィルターエレメントがセルロースアセテートからなるフィルターエレメントとは全く異なる性状を有することを意味する。これらのフィルターエレメントは、煙の流れに対して抵抗が大きく、従来のセルロースアセテートフィルターより圧力降下が高くなり、ユーザーはその喫煙品をより強く吸い込まなければならない。このようなフィルター材を介して吸引される煙は、従来のセルロースアセテートフィルター材を介して吸引される煙と比較して異なる味覚特性を有することが顕著であることが判っている。またさらにフィルター材として不織シート材または紙を含むフィルターエレメントは、従来のセルロースアセテートトウフィルター材より半揮発性化合物の選択的除去性能が著しく劣る。

上記に鑑み本発明の少なくとも１つの実施態様は、従来のセルロースアセテートフィルター材を含むフィルターエレメントではなく、より容易に分解可能なフィルターエレメントを提供し、このフィルターエレメントは、半揮発性化合物の選択的除去に優れ、従来のセルロースアセテートフィルターが供する味覚特性と同じ味特性を有する煙を発生させる。

従来のセルロースアセテート（ＣＡ）フィルターにトリアセチン（グリセリントリアセテート）、ＴＥＣ（トリエチルシトレート）およびＰＥＧ４００（低分子量ポリエチレングリコール）などの添加剤を使用することが知られている。これらの添加剤は、可塑剤であり、紙巻きタバコの製造および使用の際にフィルターロッドに十分な強度を与えるために隣接する繊維を結合させるためにＣＡフィルターに使用される。可塑化されたセルロースアセテートトウは、煙中に見られる半揮発性化合物（例えばフェノール、ｏ−クレゾール、ｐ−クレゾールおよびｍ−クレゾールなど）の選択的除去を向上させることが知られている。この効果のために可塑剤はＣＡ繊維の表面に存在する必要がある。

可塑剤の繊維結合効果のためにＣＡ繊維は、１０％未満の可塑剤を含むものとして一般には認識されている。それ以上の可塑剤を含むものは、セルロースアセテートトウに対して穴が形成されてしまうなどの有害な作用をもたらす。

ＣＡフィルターにトリアセチン、ＴＥＣまたはＰＥＧ４００などの可塑剤を含有させることは比較的一般的であるが、不織シートおよび紙からなるフィルター材にこれらを含有させることは、あまり注目されていない。まず第一に可塑剤は、繊維を結合するためにＣＡフィルターに使用されるが、可塑剤は、不織シート材または紙（繊維がすでにシート構造内で結合されている）に加えた場合に明らかにこのような有利な効果を発揮しない。第二にトリアセチンおよびＴＥＣは、紙フィルター材に使用した場合に半揮発性化合物の選択的除去の向上に寄与しないことが示されている。第三にこれら一般に使用される可塑剤は、液体であり、これらの不織シートおよび紙フィルター材は、それらがこれのフィルター材を濡らし、その構造的一体性を失わせてしまうので、その使用が制限される。

本発明の第１の態様では、フィルターエレメントを提供し、これは不織シートまたは紙材であるフィルター材と、
（ｉ）フィルターエレメントを介して吸引される煙からの半揮発性化合物の選択的除去を向上させるのに十分な量のポリエチレングリコールと、
（ｉｉ）フィルターエレメントを介して吸引される煙の味特性を向上させるのに十分な量のＴＥＣと、
（ｉｉｉ）フィルターエレメントを介して吸引される煙の味特性を向上させるのに十分な量のトリアセチンとを含む。

本発明の第２の態様では第１の態様によるフィルターエレメントを１つ以上含むフィルターを提供する。

本発明の第３の態様では喫煙材ロッドに取り付けられる第１の態様によるフィルターエレメントおよび／または第２の態様によるフィルターを含む喫煙品を提供する。

本発明の第４の態様は不織シートまたは紙フィルター材を含み、吸引される煙の味覚特性を向上させるために半揮発性化合物の選択的除去を向上させるためのポリエチレングリコール、ＴＥＣおよび／またはトリアセチンの使用に関する。

本発明は、不織シートまたは紙フィルター材を含むフィルターエレメントに添加剤を含有させてフィルターエレメントを介して吸引される煙からの半揮発性化合物の選択的除去を向上させ、かつ、フィルターエレメントを介して吸引される煙の味特性を向上させることに関する。

半揮発性化合物の選択的除去は、ポリエチレングリコール添加剤によって行われる。ＴＥＣおよび／またはトリアセチンは、フィルターエレメントを介して吸引される煙の味特性を向上させることが判明している添加剤である。

これらの添加剤によって不織シートまたは紙フィルターの微調整が可能になり、これにより不織シートまたは紙フィルター材の性能が、よりセルロースアセテートフィルターエレメントの性能に近くなるようにすることができる。またこれらの添加剤は、これら別の選択肢であるフィルター材の用途に関し、より多くの順応性を与え、利用可能性の範囲を広げつつ有益な生分解性を維持している。

さらに驚くことに紙または不織シート材に添加剤を含有させることによってフィルターエレメントの生分解性を増加させる利点が得られることが判っている。ＰＥＧ、ＴＥＣまたはトリアセチンの３つの添加剤の内の１つを含有させた本発明のフィルターエレメントは、添加剤を含まない同等のフィルターエレメントより、環境条件に晒された際に極めて早く生分解する。

紙フィルターは、通常、ギャザー紙、プリート紙、クリンプ紙または細断された紙を含む。紙フィルター材は、低通気度を有する傾向があり、塩基性のｐＨを示し、フィルターエレメントを形成するめに容易にひだ付けまたは成形することができる。

本発明のフィルターエレメントの好ましいフィルター材は、ギャザード紙またはプリート紙である。好適な紙の例としては、プラセル紙（Puracel（商品名））およびミリア（Myria（商品名））（英国、Filtrona ｐｌｃ社）などが挙げられる。

他の不織シート材をフィルター材として使用してもよい。不織シート材は、広義に繊維またはフィラメントを機械的、熱または化学的に絡ませるまたはこれらを組み合わせることによって結合させたシートまたはウェブ構造として定義される。これらのシート材は、平坦で多孔性のシートになりやすい個別の繊維から直接作製される。これらのシート材は、織りまたは編みによって作製されるものではなく、繊維を糸に変える必要がない。本発明で使用される不織シート材は、容易に生分解するのものが好ましい。そのような材料の例としては、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）、ポリ乳酸またはポリラクチド（ＰＬＡ）、ポリ（ε−カプロラクトン）（ＰＣＬ）、ポリ（１−４ブタンジオールスクシナート）（ＰＢＳ）およびポリ（ブチレンアジペート−ｃｏ−テレフタレート）（ＰＢＡＴ）などが挙げられる。他の好適なフィルター材としてはデンプン繊維およびアルギン酸カルシウムなどがある。

好ましい実施態様では本発明のフィルター材は、ＰＥＧとトリアセチンを含み、またＰＥＧとＴＥＣを含む。より好ましくはフィルター材は、ＰＥＧ、トリアセチンおよびＴＥＣを含む。

本発明の好ましい実施態様ではポリエチレングリコールは、高分子ポリエチレングリコールであり、好ましくは室温で個体のものである。そのようなポリエチレングリコールは、ＰＥＧ６００またはそれ以上のものであり、好ましくはＰＥＧ１０００またはそれ以上のものである。これらの特定のポリエチレングリコールは、室温で個体（または半固体）であり、従ってこれらを加えても不織シートまたは紙フィルター材の構造的一体性について妥協しないですむので有利である。室温で液体の添加剤は、フィルター材が紙または不織シートである場合にフィルターエレメントの構造的一体性および強度に悪影響を与えるので、フィルターエレンの必要な剛性および強度を維持しながら含有させることができるこのような添加剤の量は制限される。

当然、不織シートまたは紙フィルター材を弱化させるというよりも、高分子ポリエチレングリコールを使用することによってフィルター材の構造的一体性および剛性を実際に増加することができるという利点が得られ、これによりフィルターエレメントに使用するフィルター材の量を減らすことができる。このことはフィルターエレメントを形成する際の所望の硬度および剛性を得るために必要なフィルター材の量に関しさらなる柔軟性を供することができる。特にこれにより製造者は、フィルターエレメントの圧力降下を調節することが可能になる。また本発明によるフィルターエレメントを従来のＣＡフィルターエレメントの特性に極めて近い特性を有するように設計することが可能になる。

さらにフィルターエレメントにＰＥＧを加えることによって得られる半揮発性化合物の選択的除去性能は、混入されるＰＥＧの量に比例する。より多くの量のＰＥＧ、特に高分子ＰＥＧを加えることができるという適応性は、半揮発性化合物を選択的に除去するフィルターエレメントの性能を所望のレベルに容易に調節されることを意味する。

ＰＥＧは、水溶性であるので、フィルターエレメントにこれを含有させても製品の生分解性に悪影響を与えるものではない。当然のことながらフィルター材として不織シート材または紙を含むフィルターエレメントにＰＥＧを加えることによって実際に生分解能を向上させるということは驚異的な発見であった。この現象については、後で詳しく説明する。

本発明の１つの実施態様においてＰＥＧは、フィルターエレメントの重量の最大で３０％、好ましくは最大で２０％、より好ましくは５−１０％の量でフィルターエレメントのフィルター材内またはフィルター材上に含有される。これらの数値は、ＰＥＧを含まないフィルターエレメント（フィルター材と紙ラッパーを含む）の乾式重量をＰＥＧ添加剤を含むフィルターエレメントの重量と比較することによって決定される。

ＴＥＣおよび／またはトリアセチンを加えることによって本発明のフィルターエレメントのフィルター材に異なる効果が得られる。これらの添加剤は、フィルターエレメントを通して吸引される煙の味および匂いに有益な効果をもたらすということが判っている。紙からなるフィルターエレメントには、一般的にこれらエレメントがまずい味の煙を発生させるという批判がある。トリアセチンおよびＴＥＣは、煙の味覚特性に異なる効果を有しており、これら２つの添加剤は、所望の煙味分布を得るために異なる量で加えてもよい。

従来のセルロースアセテートフィルター材において含有させることできるトリアセチンまたはＴＥＣの量は、これら添加剤が有する繊維材料の繊維を結合させる効果によって限定され、トリアセチンの量が約７％を超えるとセルロースアセテート材に孔が形成されてしまう。これとは対照的に本発明のフィルター材内またはフィルター材上に含有されるＴＥＣおよびトリアセチンの量は、制限されない。もちろん、室温で固体であるＰＥＧを含有させる場合、液体添加剤によるフィルター材を湿らす影響は、最小限になり、最大で３０重量％のＴＥＣおよび／またはトリアセチンを含有させてもよいが、フィルターエレメントの最大で２０％または約１２％の量が好ましい。これらの数値は、ＰＥＧを含まないフィルターエレメント（フィルター材と紙ラッパーを含む）の乾式重量をＰＥＧ添加剤を含むフィルターエレメントの重量と比較することによって決定される。

本発明の１つの有利な実施態様ではフィルターエレメントは、ＴＥＣおよびトリアセチンの両方の組み合わせを含む。

好ましい１つの実施態様ではシートフィルター材は、セルロースアセテート繊維でコーティングされない。好ましくはフィルター材および／またはフィルターエレメントは、セルロースアセテートを全く含まない。

必要に応じてさらに別の添加剤をフィルター材内またはフィルター材上に組み入れることも可能であり、そのような添加剤としては、タバコ抽出物、グリセリン、メンソール、カーボンファイバー、カーボン粒子などがある。このような添加剤は、シート材の製造時または製造が完了した後にシートに組み入れることができる。

好ましくはフィルター材は、約０．０５ｍｍ、好ましくは約０．０６から０．０８ｍｍの厚さの紙または不織シート材を含む。紙からなるフィルター材は、約１５ｇ／ｍ^２から約４０ｇ／ｍ^２、好ましくは約２０ｇ／ｍ^２から約３５ｇ／ｍ^２の坪量を有する紙である。

本発明の１つの実施態様においてフィルターエレメントは、フィルター材を含む長手方向に延びたコアと、このコアを囲むラッパーとを有する。フィルターエレメントのラッパーは、好ましくは紙のラッパーである。１つの実施態様においてラッパーは、通常のプラグラッパーである。

本発明のフィルターエレメントに使用するラッパーは、多孔性であっても非多孔性であってもよい。フィルターエレメントに使用するラッパーは、換気されていても、換気されていなくてもよい。

１つの実施態様においてラッパーは、コアを３６０°覆う従来のプラグラッパーであってもよく、この場合プラグラッパーは、これをコアに周りに保持する重なり合った継ぎ目を有する。接着剤をラッパーを所定の位置に保持するために使用する場合、その接着剤は、水分散性であることが好ましい。

また別の実施態様ではラッパー（特にプラグラッパー）は、コアの周りを３６０°延びないことが好ましい。言い換えれば１つの実施態様ではラッパーは、分割されたラッパーであることが好ましい。分割されたラッパーは、コアの周りを円周方向に延びるが、コアの円周の３６０°未満しか延びていないラッパーである。このような実施態様ではコアの周りでラッパーを保持する重なり合う継ぎ目は、存在しない。その代りに分割ラッパーは、他の公知の手段、例えばラッパーをコアに直接、接着することによって保持してもよい。

１つの実施態様において本発明によるフィルターエレメントは、さらに粒状材を含む。好ましい粒状材としては、吸着剤（例えば活性炭、チャコール、シリカゲル、海泡石、アルミナ、イオン交換材などから選択される）、ｐＨ変性剤（Ｎａ_２ＣＯ_３などのアルカリ性材、酸性材）、風味剤、他の固体添加剤およびこれらの混合物などである。

粒状材は、高度の特異性を持たずに煙成分を吸着することができる比較的表面積の大きい材料からなる群から選択すると有利である。好適な一般的な吸着材は、カーボン、活性炭、活性チャコール、活性ヤシカーボン、活性コールベースカーボンまたはチャコール、ゼオライト、シリカゲル、海泡石、酸化アルミニウム（活性化または非活性化）、炭素性樹脂またはこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。

１つの実施態様において本発明で使用される粒状材は、カーボン、例えば活性炭またはチャコールまたは他の吸着材である。１つの実施態様において活性炭は、活性ヤシカーボンであることが好ましい。

使用されるすべての粒状材は、単独の物質または混合物であってもよく、および／または他の材料との混合物であってもよい。

粒状材は、フィルター材からなるコアの全体に亘って分散させてもよい。これとは別に粒状材をコアのある部分（全体ではなく）に分散させてもよい。これらの部分は、均一または不均一に配分してもよい。

粒状材は、コアの長手方向の長さ全体に亘って延びてもよい。これとは別に粒状材をコアの一端から他端の手前のセクションまで延びるようにしてもよい。またこれとは別に粒状材は、コアの一端から延びず、または一端に存在する必要のない分離した複数の領域に存在してもよい。領域ごとに粒状材の充填量を変えてもよく、および／または粒状材の種類を変えてもよい。

フィルターエレメントに粒状材を含有させるための別の選択肢としては、フィルターを囲むラッパーに粒状材を接着することが挙げられる。下記特許文献１および２は、接着剤による接着の種々の構成について記載している。本発明の１つの実施態様ではフィルターエレメントのラッパーは、その１つ以上の部分に接着された粒状材を含む。好ましくは粒状材は、ラッパーの２つ以上の部分に接着され、これらの部分は、円周方向に互いに間隔をおいて位置し、これら２つ以上の部分の少なくとも１つは、ラッパーの長手方向の長さ全体に亘って延びる。

いくつかの実施態様ではラッパーに吸着性粒状材を接着させることに加えて、コアは紙フィルター材に分散した粒状材をさらに含んでもよい。コアの粒状材は、ラッパーに接着させた粒状材と同じものであってもよい。これとは別にコアの粒状材は、ラッパーに接着させた粒状材と異なるものであってもよい。

コアの粒状材は、実質的に同じ成分（いくつかの実施態様では全て同じ）からなるという意味で均一であってもよい。これとは別に２つ以上の異なる成分からなるという意味で不均一であってもよい。

粒状材は、ラッパーおよび／または紙フィルター材に熱溶融接着剤（例えば種々のポリエステル接着剤）、高融点ポリエチレングリコールまたはＰＶＡなどのエマルジョン型接着剤で接着してもよい。

粒状材をラッパーおよび／またはシートフィルター材に直接または間接的に接着させてもよい。直接接着させる例としては、粒状材をシートフィルター材および／またはラッパー（例えばその内面に）に好適な接着剤で固定してもよい。間接的に接着させる例としては、粒状材を中間層（紙または織物材などの他の好適な支持マトリックスまたはそれらの組み合わせからなるものでもよい）に好適な接着剤で固定し、その中間層をフィルター材および／またはラッパー（例えばその内面に）に好適な接着剤で固定してもよい。

本発明によるいくつかのフィルターエレメントは、フィルター材０．１ｇ当たり１７．５ｃｍ^３／ｓの空気量で４０ｍｍ超の水の圧力降下を示すものであってもよい。またこれらのフィルター材は、フィルター材０．１ｇ当たり約１５％未満の主流煙の粒状物のろ過効率を示すものであってもよい。

本発明によるフィルターは、本発明の第１の態様によるフィルターエレメントを１つ以上含む。

１つの実施態様においてフィルターエレメントは、喫煙品ロッドに形成される際にフィルターの単独のフィルターエレメントであってもよい。

別の実施態様においてフィルターエレメントは、より大きなフィルターの一部を構成するものであってもよい。言い換えれば本発明のフィルターエレメントは、複合体フィルターまたはマルチコンポーネントフィルターの一部であってもよい。好適には複合フィルターのフィルターエレメントは、各フィルターエレメントの端部が隣のフィルターエレメントの端部と当接するように互いに長手方向に配置される。好適には複合フィルターは、２、３、４またはそれ以上の個別または離隔したセクションを有する。しかしながら、本発明によるフィルターは、一般的に見た目が複合フィルターであるが、一体構造のものであってもよい。１つの実施態様においてフィルターは、３つのセクションからなる３重フィルターである。別の実施態様ではフィルターは、２つのセクションからなる２重フィルターである。

複合フィルターにおいて、好適には本発明のフィルターエレメントが１つ以上存在する。複合フィルターに２つ以上の本発明によるフィルターエレメントがある場合、これらフィルターエレメントは、長手方向に互いに隣りに位置しても、または別のフィルターエレメントによって離されてもよい。

本発明のフィルターエレメントが複合フィルターに使用される場合、その１つ以上の他のセクションは、クリープ紙、クリンプ紙またはギャザード紙材などの生分解性フィルター材であることが望ましい。これら１つ以上の他のセクションは、任意に吸着材または風味剤などの添加剤を１つ以上含んでもよい。

さらにまたこれとは別に複合フィルターは、粒状材を含むキャビティーを形成するセクションを含んでもよい。

好適にはFiltrona社によって販売され、The Ratio Filterとして知られているフィルターなどの特定の圧力降下特性を有するフィルターエレメントも利用可能である。

さらにフィルタープラグセクションの圧力降下および／または機械的ろ過効率は、必要な特定の製品設計によって要求される所望の喫煙機構およびろ過特性を得るために選択することができる。

複合フィルター構造においてフィルター材プラグ／セクションの圧力は、異なってもよい。

フィルターエレメントおよび／またはこのフィルターエレメントを含む複合フィルターの一部は、触媒を含んでもよい。この触媒は、煙の蒸気相中で一酸化炭素（ＣＯ）を二酸化炭素（ＣＯ_２）に変換することができる利点を有する。触媒は、一酸化炭素に対して高度に選択的であることが好ましい。好ましくは触媒は、遷移金属酸化物、シリカ、アルミナ、ゼオライト、含浸カーボン、例えば金属が含浸したカーボンからなる群の内の１つである。

本発明のいくつかの実施態様において複合フィルターのタバコロッド側端部は、吸着剤および／または触媒を含むキャビティーであってもよく、またこれとは別に内部で分散した吸着材および／または触媒を有する煙ろ過材を含んでもよい。吸着材は、煙の蒸気相の少なくとも一部を保持できると有利である。

本発明の喫煙品は、喫煙可能な充填材（例えばタバコ）を含むロッドに取り付けられた本発明の第１の態様によるフィルターエレメントおよび／または第２の態様によるフィルターを含む。この喫煙品は、紙巻きタバコであってもよい。

フィルターエレメントおよび／またはこのフィルターエレメントを含むフィルターは、包装された喫煙可能な充填材ロッド（即ち包装されたタバコロッド）に従来のチッピングオーバーラッパーによって取り付けられ、喫煙品を形成してもよい。チッピングオーバーラッパーは、換気または非換気オーバーラッパーであってもよい。

好適には喫煙可能な充填材は、タバコ材またはタバコ代替材であってもよい。好ましくは喫煙材は、タバコ材である。好適にはタバコ材は、葉柄、葉身およびタバコダストの内の１つ以上を含む。好ましくはタバコ材は、次の内の１種類以上を含む、ヴァージニアまたは熱硬化タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコ、再生タバコ。さらに好ましくは喫煙材は、タバコ材ブレンドを含む。喫煙材は、１０〜８０％のヴァージニアタバコと、１０〜６０％のバーレータバコと、０〜２０％のオリエンタルタバコと、０〜１２０％の再生タバコと、０〜３０％の膨張タバコとを含むと有利である。

本発明によるフィルターエレメントおよび／または本発明によるフィルターエレメントを含むフィルターを含む喫煙品の喫煙材は、一部が膨張タバコである刻みタバコを含むまたは一部が膨張タバコである刻みタバコからなるものでもよい。喫煙材は、再生タバコまたはタバコ代替え材を含んでもよい。

喫煙可能な充填材は、次の内の１つ以上を含んでもよい、燃焼添加剤、灰形成向上剤、無機充填材、有機充填材、エアロゾル発生手段、バインダーおよび／または着色剤。

本発明の実施態様によるフィルターの知覚特性を示す。 本発明の実施態様によるフィルターの知覚特性を示す。 本発明の実施態様によるフィルターの知覚特性を示す。 本発明の実施態様によるフィルターの知覚特性を示す。 本発明の実施態様によるフィルターの知覚特性を示す。 本発明の実施態様によるフィルターの知覚特性を示す。 本発明の実施態様によるフィルターの知覚特性を示す。 本発明の実施態様によるフィルターの知覚特性を示す。 本発明の実施態様によるフィルターの知覚特性を示す。 本発明の実施態様によるフィルターの知覚特性を示す。 本発明の実施態様によるフィルターの知覚特性を示す。 本発明の実施態様によるフィルターの崩壊を示す。

実施例１
この実験の目的は、対照セルロースアセテートフィルターと４つのテストサンプルとの間に知覚的に違いがあるかを調べるために行った。
対照： セルロースアセテートフィルター
テスト１： 添加剤を含まないプラセル（Ｐｕｒａｃｅｌ，商品名）
テスト２： ＰＥＧ４００を５％含むプラセル
テスト３： トリアセチンを６％含むプラセル
テスト４： ＴＥＣを６％含むプラセル

手順
このテストで使用した製品を２００９年９月２８、２９日に喫煙した。２つの記述的一対比較テストを各サンプルに対して１５、１６人のパネリストによって実施した。コードが付された紙巻きタバコを使用し、あらゆる違いの優位性を２項検定によって評価した。

このテストの際に考慮された属性は、１）吸いにくさ、２）口中の煙の感じ、３）刺激、４）衝撃、５）口の渇きおよび６）味強度である。

結果
ＣＡ（対照）対添加剤を含まないプラセル（テスト１）−図１Ａ参照
衝撃および味強度について、対照とこのテストサンプルとの間に統計的に顕著な違いがあることが判った（５％の優位水準で）。テスト１サンプルは、これら２つの属性に関し性能が対照より劣ると考えられた。

ＣＡ（対照）対ＰＥＧ４００を５％含むプラセル（テスト２）−図１Ｂ参照
衝撃、口の渇きおよび味強度について、対照とテストサンプル２との間に５％の優位水準で統計的に顕著な違いがあることが判った。テスト２サンプルは、これら３つの属性に関し性能が対照より劣ると考えられた。

ＣＡ（対照）対トリアセチン６％を含むプラセル（テスト３）−図１Ｃ参照
衝撃および味強度について、対照とテストサンプル３との間に統計的に顕著な違いがあることが判った（５％の優位水準で）。テストサンプル３は、これら２つの属性に関し性能が劣ると考えらた。

ＣＡ（対照）対ＴＥＣ６％を含むプラセル（テスト４）−図１Ｄ参照
試験した属性のいずれにも５％の優位水準で統計的に顕著な違いはなかった。

結論
これらの結果は、試験したＣＡ対照フィルターと紙ベースのフィルターである４つのプラセルフィルターの内３つのフィルターとの間に統計的に顕著な違いがあったことを示している。

添加剤を含まないプラセルおよびトリアセチンを６％含むプラセルを含むテストサンプルは、ＣＡ対照に対して極めて類似した違いを示した。両テストサンプルは、衝撃および味強度において極めて低く評価された。ＰＥＧ４００を５％含むプラセルからなるテストサンプルは、対照より衝撃および味強度が極めて低いという同じような違いを示したが、対照よりかなり高い口の渇きを示した。

ＴＥＣを６％含むプラセルは、ＣＡ対照フィルターと最も類似した知覚特性を持ったサンプルのようであった。

実施例２
この一連の実験の目的は、「パリシエン（Ｐａｒｉｓｉｅｎｎｅ）」と言われているセルロースアセテート対照フィルターと７つの別のテストサンプル間に感覚的違いがあるかを調べることである。

対照： ＣＡ対照
テスト１： 可塑剤０％のプラセル
テスト２： ＴＥＣを９％含むプラセル
テスト３： ＴＡを９％含むプラセル
テスト４： ＴＥＣを４．５％、ＰＥＧを４．５％含むプラセル
テスト５： ＴＥＣを４．５％、ＴＡを４．５％含むプラセル
テスト６： ＴＡを４．５％、ＰＥＧ４００を４．５％含むプラセル
テスト７： ＴＥＣを３％、ＰＥＧ４００を３％、ＴＡを３％含むプラセル

手順
このテストで使用した製品を２０１０年６月２９日から７月１日および２０１０年７月６日に喫煙した。記述的一対比較テストを各サンプルに対して２０人のパネリストによって実施した。コードが付された紙巻きタバコを使用し、あらゆる違いの優位性を２項検定によって評価した。

このテストの際に考慮された属性は、１）吸いにくさ、２）口中の煙の感じ、３）刺激、４）衝撃、５）口の渇きおよび６）味強度である。

結果
ＣＡ対照（対照１）対可塑剤０％を含むプラセル（テスト１）−図２Ａ参照
上記６つの属性に関し、対照とテストサンプルとの間に統計的に顕著な違い（５％の優位水準で）を示す充分な証言がないことが判明した。

ＣＡ対照（対照１）対ＴＥＣを９％含むプラセル（テスト２）−図２Ｂ参照
吸いにくさに関し、対照とテストサンプルとの間に統計的に顕著な違い（５％の優位水準で）を示す充分な証言がないことが判明したが、１０％の優位水準ではある程度の違いが認められた。

ＣＡ対照（対照１）対ＴＡを９％含むプラセル（テスト３）−図２Ｃ参照
口中の煙の感じ、衝撃および味強度に関し、対照とテストサンプルとの間に統計的に顕著な違い（５％の優位水準で）があった。

ＣＡ対照（対照１）対ＴＥＣを４．５％、ＰＥＧを４．５％含むプラセル（テスト４）−図２Ｄ参照
吸いにくさ、口中の煙の感じ、衝撃、刺激および味強度に関し、対照とテストサンプルとの間に統計的に顕著な違い（５％の優位水準で）があった。

ＣＡ対照（対照１）対ＴＥＣを４．５％、ＴＡを４．５％含むプラセル（テスト５）−図２Ｅ参照
吸いにくさに関し、１０％の優位水準である程度の違いが認められたが、５％の優位水準では対照とテストサンプルとの間に統計的に顕著な違いを示す充分な証言はなかった。

ＣＡ対照（対照１）対ＴＡを４．５％、ＰＥＧ４００を４．５％含むプラセル（テスト６）−図２Ｆ参照
５％の優位水準で対照とテストサンプルとの間に統計的に顕著な違いを示す充分な証言はなかった。

ＣＡ対照（対照１）対ＴＥＣを３％、ＰＥＧ４００を３％、ＴＡを３％含むプラセル（テスト７）−図２Ｇ参照
５％の優位水準で対照とテストサンプルとの間に統計的に顕著な違いを示す充分な証言はなかった。

結論
目的に基づいてＣＡ対照と７つのテストサンプルの内の３つのサンプル、即ちテスト１、テスト６およびテスト７との間には顕著な違いはなかった。

２つのサンプルは、ＣＡ対照に対して顕著な違いのない方向性のある傾向があることを示した、即ちテスト２とテスト５は、両方とも対照より吸いにくさが方向性的に高くなることを示した。

テスト３は、ＣＡ対照と比較して口中の煙の感じの評価が対照より低く、その結果吸いにくさが高くなるという機構上、顕著な違いを示し、強度属性である衝撃および味属性である味強度も対照より低くなった。

最後にテスト４は、統計的に最も大きい知覚的違いを示し、機構上、吸いにくさが対照より高く、その結果口中の煙の感じの評価が対照より極めて低くなった。またテスト４は、強度属性である衝撃、刺激および味属性である味強度が対照より小さいことを示した。

実施例３
この実験は、従来のセルロースアセテートに代えて紙フィルター材を使用した場合の生分解性への効果を調べるために行った。そのために環境条件下での崩壊度を対照セルロースアセテートフィルターと３つのテストサンプルについて評価した。

対照： セルロースアセテートフィルター
テスト１： 添加剤を含まないプラセル（７ｍｇ）
テスト２： トリアセチンを７％含むプラセル
テスト３： ＰＥＧ４００を７％含むプラセル

手順
以下の手順で喫煙済み紙巻きタバコの吸い殻が、容易に分散する認識できない程度の構成成分にまで崩壊する度合を測定した。

試験は、芝生の上で行い、吸い殻は、６つのサブコンパートメントを有するステンレススチール製のケージ（４５ｃｍ×３０ｃｍ）の中に入れた。芝を定期的に刈るときには、サンプルに触れないように注意を払った。

試験場所は、水はけのよい、高いビルおよび木から離れた空き地を使用した。人および動物の行動による妨害は、試験領域の周囲に境界フェンスを設置することによって最小限に抑えた。

各サンプル合計１００本の紙巻きタバコをＩＳＯ標準（６０秒ごとに２秒間３５ｍｌの吸煙容量）で喫煙した。喫煙後、各吸い殻を喫煙装置から取り除き、残りのタバコと紙の部分をカミソリの刃で切断して取り外し、フィルターに戻した。これによりプラグ、プラグラッパーおよびチッピング紙がそのまま残った。これらの残片を２２°Ｃ±１°Ｃの温度、６０％±２％の相対湿度で４８時間、状態調整した。各サンプルから２０個の残片の重量を計り、平均重量を算出した。

３か月が経過した後、サンプル残片をケージの各セクションから取り出した。これらの残片をオーブンで乾燥し、再度状態調整し、重量を計り、写真に撮った。紙巻きタバコの吸い殻を１０５°Ｃで３時間乾燥させた。乾燥した吸い殻は、柔らかいティッシュペーパーで丁寧に拭き泥や植物を除去した。きれいにされた吸い殻は、２２°Ｃ±１°Ｃの温度、６０％±２％の相対湿度で４８時間、状態調整した。その後５本の吸い殻の重量を測定した。これらの重量を試験の始めに算出した崩壊していない５つの吸い殻の平均重量と比較した。
残重量（％）＝風化後の５本の吸い殻の質量×１００
風化前の５本の吸い殻の質量

結果
結果を下記表１および図３のグラフに示す。

サンプルの吸い殻を３か月後に評価したところ、テスト２およびテスト３は、以外にも分解した。従ってこれら吸い殻の重量は、分解していない吸い殻の平均重量の０％であった。対照的にテスト１の吸い殻の残重量は、分解前の平均重量の３５％を超え、対照セルロースアセテート吸い殻の残重量は、分解前の平均重量の７０％を超えた。

結論
上記結果は、従来のセルロースアセテートの代わりに紙フィルター材（プラセル）を使用した場合、試験条件下での崩壊度に顕著な効果が得られることを示し、これは紙フィルター材が、可塑化されたセルロースアセテートトウより生分解しやすいという事実を考慮することにより予測されたことである。

さらに驚異的なことにこれらの結果は、紙フィルター材にトリアセチンおよびＰＥＧ添加剤を加えることによって芝生の上での吸い殻の生分解度を高めることを示している。これは吸い殻を餌とする微生物、昆虫などの存在およびテスト２および３に微生物および昆虫の注意を引く添加剤の存在によるものであると推測される。例えばＰＥＧは、吸い殻に高い栄養価を付与するものとして認識されている脂肪質である。

実施例４
４本の喫煙済みサンプルを３つの環境、土、コンクリートおよび芝生での屋外表面試験用に用いた。サンプルＩＤは、以下の通りである。
プラセル ７ｍｇ
プラセル ７％のトリアセチンを含む、７ｍｇ
プラセル ７％のＰＥＧ４００を含む、７ｍｇ、
ＣＡ対照

この方法は、「実際」の屋外試験条件下での喫煙済み紙巻きタバコフィルターの分解を調べるためのものである。各試験環境に対してサンプル毎に少なくとも１００個の機械で喫煙されたフィルターを必要とした。各フィルターは、タバコを取り除き、チッピング紙も切り取ってフィルターロッドだけにしたものである。フィルターをＩＳＯ標準３４０２に状態調整し、重量を測定し、５つのフィルターの平均値を算出した。少なくとも２０個のフィルターをケージの各セクションに入れた（各サンプルについて５反復試験ｘ２０個のフィルター）。反復試験毎に５つのフィルターを上記標準に特定されている時点で取り除いた。各期限でフィルターを乾燥し、状態調整し、よごれを取り、重量を測定し、写真に撮った。その後サンプルの重量を元の風化処理していないサンプルと比較した。

結果

表中の０％は、環境表面上に認識できるフィルター材が見つけられなかったことを意味する。あらゆる重量増加は、クリーニングでは除去できなかったフィルター内に入り込んだ泥の粒によるものである。

実施例５
本発明によるサンプルフィルターの種々の特性を評価し、そのデータを下記表５から表１８に示す。フィルターサンプルは、実施例２で使用したものと同じであり、対照は従来の「パリシエン」ＣＡフィルターであり、テスト１は、可塑剤を含まないプラセルからなるフィルター材であり、テスト２はＴＥＣを９％含むプラセルであり、テスト３はＴＡを９％含むプラセルであり、テスト４はＴＥＣを４．５％、ＰＥＧを４．５％含むプラセルであり、テスト５はＴＥＣを４．５％、ＴＡを４．５％含むプラセルであり、テスト６はＴＡを４．５％、ＰＥＧ４００を４．５％含むプラセルであり、テスト７はＴＥＣを３％、ＰＥＧ４００を３％、ＴＡを３％含むプラセルである。

所定の煙および物理データを表５から表８に示す。テストフィルター材および対照の煙分析物を表９から表１３に示す。これらの測定された分析物の標準偏差を表１４から表１８に示す。

紙巻きタバコを標準ＩＳＯ喫煙形態にしたがって喫煙した（６０秒ごとに２秒間３５ＭＬの吸煙容量）。

本実施例は、本発明によるテストフィルターの少なくともいくつかは、従来のセルロースアセテートフィルター材を含むフィルターエレメントより容易に分解し、半揮発性化合物の良好に選択除去することができ、従来のセルロースアセテートフィルターが供する煙と類似の味特性を有する煙を供することを示している。

上述の全ての公報は、本明細書中に参照によって引用する。本発明の上述の方法およびシステムの種々の変更、修正は、本発明の範囲を逸脱することなく当業者には明白である。本発明を特定の好ましい実施態様に関連して説明したが、特許請求の範囲に記載されているように本発明は、このような特定の実施態様に限定されるものではない。当然のことながら当業者に明白な本発明を実施するための上述の形態の種々の変更も以下の特許請求の範囲内にある。

英国特許第２２６０４７７号 英国特許第２２６１１５２号

Claims (15)

1. 喫煙材に使用するフィルターエレメントであって、不織シートまたは紙材であるフィルター材と、
   （ｉ） フィルターエレメントを介して吸引される煙からの半揮発性化合物の選択的除去を高めるのに充分な量のポリエチレングリコールと、
   （ｉｉ） フィルターエレメントを介して吸引される煙の味覚特性を向上させるのに充分な量のＴＥＣおよび／または
   （ｉｉｉ） フィルターエレメントを介して吸引される煙の味覚特性を向上させるのに充分な量のトリアセチンとを含むフィルターエレメント。
2. 前記フィルター材がギャザード紙またはプリーツ紙またはＰＶＯＨ、ＰＬＡ、ＰＣＬ、ＰＢＳ、ＰＢＡＴ、スターチ繊維およびアルギン酸カルシウムを含む不織シート材であることを特徴とする請求項１記載のフィルターエレメント。
3. （ｉ） ＰＥＧおよびトリアセチン、
   （ｉｉ） ＰＥＧおよびＴＥＣまたは
   （ｉｉｉ） ＰＥＧ、トリアセチンおよびＴＥＣを含む請求項１または２記載のフィルターエレメント。
4. 前記ポリエチレングリコールは、室温で固体である高分子ポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項１乃至３いずれか１項記載のフィルターエレメント。
5. 前記ポリエチレングリコールがＰＥＧ１００であることを特徴とする請求項１乃至４いずれか１項記載のフィルターエレメント。
6. 前記ポリエチレングリコールがフィルターエレメントの重量の最大で３０％の量でフィルターエレメントに含まれることを特徴とする請求項１乃至５いずれか１項記載のフィルターエレメント。
7. トリアセチンおよび／またはＴＥＣがフィルターエレメントの重量の最大で３０％の量でフィルターエレメントに含まれることを特徴とする請求項１乃至６いずれか１項記載のフィルターエレメント。
8. トリアセチンおよび／またはＴＥＣがフィルターエレメントの重量の最大で２０％の量でフィルターエレメントに含まれることを特徴とする請求項７記載のフィルターエレメント。
9. 少なくとも１つの吸着材を含むことを特徴とする請求項１乃至８いずれか１項記載のフィルターエレメント。
10. タバコ抽出物、グリセリン、風味剤、カーボン粒子およびカーボンファイバーなどの添加剤を１つ以上含むことを特徴とする請求項１乃至９いずれか１項記載のフィルターエレメント。
11. 請求項１乃至１０いずれか１項記載のフィルターエレメントを含むフィルター。
12. 請求項１乃至１０いずれか１項記載のフィルターエレメントおよび／または請求項１１記載のフィルターと喫煙可能な充填材からなるロッドとを含む喫煙品。
13. 前記喫煙可能な充填材がタバコを含むことを特徴とする請求項１２記載の喫煙品。
14. 不織シートまたは紙材を含むフィルターエレメントによって半揮発性化合物の選択的除去を高めるためおよびこのフィルターエレメントを介して吸引される煙の味覚特性を向上させるためのポリエチレングリコール、ＴＥＣおよび／またはトリアセチンの使用。
15. フィルターエレメントの生分解能もＰＥＧ、ＴＥＣおよび／またはトリアセチンの存在により向上することを特徴とする請求項１４記載の使用。

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