JP2013511324A - 吻合接合部を形成するための装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、2本のピン(11)を備えたリング(10)を備え、ETS吻合接合およびSTS吻合接合のうち少なくともいずれか一方を形成するための器具に関する。各ピン(11)は、自由端(12)、およびリングに固定される固定端(13)を有し、固定端から自由端に向かって見て、ピンは相互に隣り合って離間して同じ方向に延びる。各ピンは、クランプ部を有し、ピンは、リングとクランプ部との間にて受容血管の壁の組織を挾持できるように、第1の位置において、リングの第1の側から同第1の側の正反対に配置されるリングの第2の側に沿って且つ平行に延びる。ピンのクランプ部は、第2の位置において、リングによって形成される平面に対して角度をなし、これによりリングと共に固定端から自由端への方向から見て幅広となるあごを形成する。ピンは、第2の位置からあごを閉じる第1の位置へ回動して移動することによってリングに対して回動自在である。

Description

本発明は、血管移植片と受容血管(目的の血管とも呼ぶ)の側壁との間にETS吻合接合(ETS=端部に対する側部)およびSTS吻合接合(STS=側部に対する側部)のうちの少なくともいずれか一方を形成する器具に関する。
器具は、2本の片持ち梁ピンを備えたリングを含み、ピンはそれぞれ、自由端およびリングに固定される固定端を有する。固定端から自由端に向かって見て、ピンは相互に隣り合って離間して同じ方向に延びる。各ピンは、クランプ部を有し、ピンは、リングとクランプ部との間にて受容血管の壁の組織を挾持できるように、第1の位置において、リングの第1の側から同第1の側の正反対に配置されるリングの第2の側に沿って且つ平行に延びる。このタイプの器具は特許文献1により周知である。
固定器具ではないが、ピンを備えないリングは特許文献2により周知である。特許文献1は、ELANA技術(Elana=非閉鎖の吻合の、エキシマレーザーによる支援)と呼ばれる技術を開示する。本発明は、特にELANA技術と組み合わせて使用することを意図しているが、他の医療技術に使用することも可能である。
ELANA技術は目的の血管とも呼ばれる受容血管を一時的に閉じることなく、吻合するために使用される。ELANA技術により、吻合が行なわれている間に、受容血管の血流は遮断されない。他の外科医と同様に神経外科医も、バイパス術を行うためにこの技術を使用する。しかしながら、ELANA技術も、心臓外科および一般的な血管手術のような外科の他の領域で応用することができる。本発明は、これらの医学的処置の場合にも使用することができる。
ELANA技術は、血管移植片の先端部の周囲に移植可能なリングを配置する工程と、リングによって強化される血管移植片の先端側の口を形成するべく、リングの先端側の血管移植片の壁の部分を約90度より大きく、あるいは約180度リングに対して折り返す工程とを含む。該強化された先端側の口は、通常約8針だけ受容血管に血管移植片を縫合することにより、受容血管の壁に取り付けられる。外科医の能力、受容血管の位置、および患者の状態に応じて、取り付けは、通常15分乃至1時間以上行われる。この取り付け処置時に、血管移植片と受容血管との間は、血流を通すようにまだ接合されていない。取り付け処置の後に、レーザー・カテーテルが、血管移植片の先端側の口の前に配置されている受容血管の壁部を焼き払うことにより血管移植片と受容血管との間に血流のある接合部を形成するべく、血管移植片に挿入される。手術全体において、受容血管を通過する血流により、受容血管の一時的閉鎖が防止される。
請求項1の前文による固定器具は、特許文献1より周知である。請求項1の前文に開示される実施形態は、想定される通り二等分に分割され、且つ2本のピンが設けられるリングを含む。ピンは、この例においてリングに対して移動可能なピンを伴わず、固定端と呼ばれる一端にて固定される。ピンは、同じ方向に互いに隣り合ってピンの固定端から自由端まで延びる。本発明と同様に、ピンは片持ち梁ピンである。つまり、ピンは、固定端から自由端まで妨害されることなく、すなわち固定端と自由端との間にて、あるいは自由端にて支持されることなく延びると共に、水平に延びる場合においても、ピンの重量下にて垂れ下がらないかあるいは僅かにのみ垂れ下がるように十分な剛性を備える。特許文献1に開示されるように、ピンの尖らせた端部が、使用時にピンによって形成される入口穴を介して受容血管の壁に挿入され、その後に、ピンの固定端が入口穴に配置されるか、入口穴をまさに通過するまで、リングおよびピンによって形成される要素全体が受容血管の長手方向にさらに摺動する。受容血管の長手方向にてピンと共にリングをさらに摺動させる間に、受容血管の壁は、リングと、ピンのリングに沿って延びる部分(クランプ部と呼ぶ)との間に形成される空隙内に摺動する。受容血管への血管移植片の固定は(手作業により)縫合する従来の技術と比較して、このように非常に単純化される。しかしながら、空隙内への摺動は、必ずしも一様に直線的に進むものではなく、また、血管移植片と受容血管との間の接合部の漏れ防止のシールは、必ずしも、一様に好適であるものではない。
国際公開第2009/123434号明細書 欧州特許第750467号明細書
本発明の課題は、受容血管に血管移植片を迅速に、且つより単純に固定する処置を実行し、処置において血管移植片と受容血管との間に確実な接合を確立するべく、請求項1の前文に記載の固定器具をさらに改善することにある。
本発明において、上記課題は、血管移植片の端部と受容血管の側壁との間のETS吻合接合、および血管移植片と受容血管の側壁との間のSTS吻合接合のうち少なくともいずれか一方をなす器具を提供することによって解決される。器具は、2本のピンを備えたリングを備える。各ピンは、自由端、およびリングに固定される固定端を有する。固定端から自由端に向かって見て、ピンは相互に隣り合って離間して同じ方向に延びる。各ピンは、クランプ部を有し、ピンは、リングとクランプ部との間にて受容血管の壁の組織を挾持できるように、第1の位置において、リングの第1の側から同第1の側の正反対に配置されるリングの第2の側に沿って且つ平行に延びる。本発明による器具は、ピンのクランプ部が、第2の位置において、リングによって形成される平面に対して角度をなし、これによりリングと共に固定端から自由端への方向から見て幅広となるあごを形成し、また、ピンが、第2の位置からあごを閉じる第1の位置へ回動して移動することによってリングに対して回動自在であることを特徴とする。上述したように、ピンは、国際公開第2009/123434号明細書と同様に片持ち梁の発明による。しかしながら、国際公開第2009/123434号明細書において、ピンは、リングに対して堅固であるようにリングに直接的または間接的に固定される。しかし、本発明によるピンは、リングに対してピンが回動可能であるようにリングに直接的または間接的に固定される。
本発明による器具において、受容血管への固定は、第2の位置においてピンによりなされる。ピンは、第2の位置において、リングによって形成される平面に対して角度をなし、これによりリングと共に開放したあごを形成する。この開放したあごは、ピンの固定端から自由端に向かって見て幅広となる。入口開口が形成されると、受容血管の壁が第2の位置にある開放したあごに容易に収容されるため、ピンはさらに内部へ容易に摺動される。ピンが内部に十分深く摺動すると、ピンは、ピンとリングとの間に配置される組織(すなわち、リングとピンとの間に配置される受容血管の壁、および任意によりリングとピンとの間に配置される血管移植片の壁)を包囲するために、第2の位置(「開放したあご」)から第1の位置(「閉鎖したあご」)へ回動することができ、特に一方をピンのクランプ部、他方をリングとしてこれらの間に組織を挾持することができる。他の方法をさらに説明するが、ピンは任意に第2の位置から第1の位置へ手作業により、すなわち受容血管を圧搾することにより回動され、例えば縫合ワイヤによって第1の位置に固定されるか、確実に挾持される(例えば、ワイヤは受容血管内に挿入され、1本以上のピンの下方を通過するように張引され、締め付けられ結び目に結ばれるべく血管外に戻される)。このタイプの縫合作業は、ETS吻合あるいはSTS吻合の接合の公知の縫合と比較して、時間がほとんど要求されるものではない。
第2の位置において、リングによって形成される平面に対するピンのクランプ部の角度が、少なくとも5度である場合に、あご内の受容血管の壁の収容部は、特に直線的に進む。上述した角度が少なくとも10度である場合に、外科医は処置の位置にて好適な視界を有する。これにより、外科医は、受容血管内へのピンの挿入時、およびこれに続く本発明による器具の所定位置への摺動時において、自身による処置を明瞭に視認可能である。
あごの最大範囲に関して、すなわちピン(つまり、ピンのクランプ部)のリングとの広範囲な重なりに関して、リングによって形成される平面に平行に見て、回動の回動軸線から同回動軸線と平行に延びリングの中央部を通過する横断方向軸線までの距離は、リングの半径の少なくとも70%であり、特に少なくとも90%である。ピンがそれぞれリングの第1の側からリングの正反対側まで延びるとは、すなわちピンがその固定端から見てリングの正反対側までまたは正反対側を超えて延びる場合に、あごが第1の位置において閉鎖するときに、内部への挾持が、リングの径の少なくとも85%あるいは少なくとも95%にわたってそれぞれ行われることである。あごの範囲が大きいほど、第1の位置において、受容血管への血管移植片のシールはより好適なものとなる。
あごの最大範囲に関して、リングによって形成される平面に平行に見て、上述した回動の回動軸線から同回動軸線と平行に延びリングの中央部を通過する横断方向軸線までの距離は、リングの半径より大きい。上述した距離が大きいほど、てこにより比較的高い挾持力が容易に得られるであろう。この接合において、リングによって形成される平面に平行に見て、上述した回動の回動軸線から同回動軸線と平行に延びリングの中央部を通過する横断方向軸線までの距離は、リングの半径の2倍より大きい。
例えば第1の位置において上述した縫合ワイヤによるピンの固定を伴うことなく単純な方法によりピンを保持することができるように、本発明のさらなる実施形態において、器具には、第1の位置から第2の位置へのピンの戻りを防止するように構成される保持機構が設けられる。このタイプの保持機構は、後述する方法、およびさらなる他の方法等の幅広い方法により具体化することができる。このタイプの保持機構は、手術に先立って、あるいは器具の製造時に既に、本発明による器具に予め取り付けられてもよい。このタイプの保持機構はさらに、リングおよびピンと一体的に形成されてもよい。
一方では、あごの偶然の開放を防止するべく、また、他方では、確実に堅固にあごに挾持させるべく、保持機構は、第1の位置においてピンをロックするように構成されるロック部を含んでもよい。このタイプのロック部は、例えば1つ以上のロック位置にスナップ機構またはラチェット機構(すなわち、スナップ機構、スナップはクリック音によって聞くことができる)を含む。
あごを自動的に閉鎖するべく、さらなる実施形態による保持機構は、ピンを第2の位置から予め張引する方向に第1の位置に向かって予め張引する張引部材を含む。この場合におけるあごの閉鎖位置(第1の位置)において確実に十分に挾持するために、より詳細な実施形態において、張引部材は、上述した張引する方向に第1の位置におけるピンを(さらに)予め張引する。要求に応じて、予め張引する力は、(ピンが第2の位置から第1の位置へ時期尚早に回動することを防止するべく)挿入される標準的な手術具により、あるいは外科医の指により、第2の位置において一時的に吸収される。
さらなる実施形態において、張引部材は、屈曲し弾性を備えたシートまたはワイヤ部、特に金属製のシートまたはワイヤ部を含む。このタイプのシートまたはワイヤ部は、多くの空間を占めることなく比較的高い予め作用される張力を生じさせる。さらに、このタイプのシートまたはワイヤ部により、本発明による器具全体は、単一のシート材料から形成可能であり、例えばエッチング技術、レーザー技術や、その他の技術によって平坦な1枚の金属のシート材料(例えば、チタン、チタン合金や、人体の移植に好適な他の金属や、合金から形成される)から好適な形状を切断し、続いて屈曲作業により要求される形状に屈曲し、(後に、あるいは同時に)任意にこれを熱処理にさらにさらすことにより形成可能である。さらなる実施形態において、シートまたはワイヤ部が巻線の1つ以上の円弧を含む場合に、張力はこの例において高められる。
第2の位置から予め作用される張力を確実に妨害されることなく解放することに関して、本発明のさらなる実施形態による器具は、妨害位置から解放位置へ操作可能である解放部材をさらに備え、ピンは、妨害位置において、第2の位置にあり、第2の位置から第1の位置へ回動することが防止され、解放位置において、第1の位置へ回動するべく解放される。
本発明のさらなる実施形態において、各ピンには、ピンのクランプ部と固定端との間に第1の屈曲部が設けられ、この第1の屈曲部は、クランプ部から固定端に向かって見て、リングによって形成される平面の方向から離間するように、特に少なくとも20度を超える角度をなして屈曲する。このタイプの屈曲部は、特に、少なくとも20度を超えて急峻に屈曲する場合に、本発明による器具が受容血管に固定されるときに、リングが受容血管の長手方向と平行に確実に配置されることを補助し、これにより、血管移植片および受容血管の接合時に、漏出の危険性を低減する。さらに、屈曲部は、本発明による器具が受容血管に固定されると、器具が移動する危険性がほとんどないため、受容血管へのより安定した固定が促進され、さらに漏出の危険性が低減される。上述したものの視点から、第1の屈曲部が第1の位置に、且つリングによって形成される平面に横断方向に見て、リング(すなわちリングを形成する本体)の略真下に配置されることが、特に好適である。
第1の屈曲部に対応する方法において、各ピンに、ピンのクランプ部と自由端との間に第2の屈曲部が設けられ、この第2の屈曲部が、クランプ部から自由端に向かって見て、リングによって形成される平面の方向から離間するように、特に少なくとも20度を超える角度をなして屈曲する場合に、同じ効果が得られ、あるいは第1の屈曲部と組み合わせることにより、よりよい効果が得られる。第1の屈曲部と同様の対応する方法において、上述したものの視点から、第1の屈曲部が第1の位置に、且つリングによって形成される平面に横断する方向において見て、リング(すなわちリングを形成する本体)の略真下に配置されることが、特に好適である。
本発明のさらなる実施形態において、上述した第2の屈曲部により、ピンは、第2の屈曲部からリングによって形成される平面の方向に自由端まで、特に略直線的に連続し、自由端には、第1の位置において、リングによって形成される平面内にて終端するか、リングによって形成される平面の上方に突出する尖端が設けられる。この尖端が、第1の位置において、リングによって形成された平面の上方に突出する場合に、尖端は、受容血管に接合される血管移植片の端部に固定され、全体としての実体を固定することを補助する。この尖端が、リングによって形成された平面において突出する場合に、尖端は、血管移植片の壁に固定され、全体としての実体を固定することが補助される。
本発明のさらなる実施形態において、上述した第2の屈曲部に関して、ピンの自由端の方向にて見て、ピンを後方に屈曲させる第3の屈曲部が、クランプ部と略平行に延びる部分の反対方向にて、第2の屈曲部に連続して設けられる。受容血管への取り付け時において、クランプ部に略平行に後方に屈曲される各ピンのこの部分は、受容血管の外側の縁に沿って隣接するように、受容血管の壁に形成された出口穴を介して、受容血管の外側の縁に向かって、後方に案内される。これにより、本発明による器具を受容血管により安定して位置決めすることが補助される。この場合に、取り付け後に受容血管に対してリングが傾動することを広範囲に防止するべく、さらなる実施形態において、この場合に、クランプ部に略平行に折り返され、第1の位置においてリングによって形成される平面に延びる部分に対して準備がなされる。受容血管の壁の破壊(これは、ピンに反力を生じさせ、且つ受容血管内の十分な血圧でリングを傾動させ得る)が、こうして防止される。この場合に、受容血管に対する外傷の危険性を低減するべく、さらなる実施形態において、この場合に自由端には、クランプ部に略平行に後方に屈曲する部分からリングによって形成される平面の上方に斜めに突出する尖端が設けられる。
本発明において、リングへの血管移植片の固定は、周囲を覆うように取り付けられ配置され、且つリングの軸方向および径方向、並びにピンから離間する方向の点に対して斜めに直立する複数の突出部がリングに設けられる場合に改善される。リングは、この場合に一種の王冠の形状にあり、また、突出部は、リングの周囲にて折り返される血管移植片の部分に固定される。
さらなる実施形態において、器具は、リングを通して先端部が挿入される血管移植片をさらに含む。ピンは、この場合にリングから先端側に配置される血管移植片の壁の部分を通して挿入されるが、好適に、ピンは、血管移植片の先端部に形成される切開部を通して延びる。本実施形態における血管移植片は、人工血管のような人工脈管、および動物由来またはヒト由来の(自然の)ドナーの血管の両者であり得る。好ましくは、血管移植片は、患者自身に由来するものか、あるいは人工血管であろう。本発明による血管移植片、および器具の残部は、組立体を形成するべく完全に患者の体外にて準備される。この準備は、患者から遠隔に実験室にて行うことができ、患者が治療を受けていない、例えば在宅である場合にも可能である。しかしながら、この準備は、患者が手術用の手術台の上に横たわっている間に、患者に隣接して行われてもよい。血管移植片は、患者に由来する場合において、通常患者の脚に由来する血管であり、これは、患者から完全に分離された後に、患者の心臓や頭部のような、同じ患者の任意の位置にて使用されるべく準備される。
本発明のさらなる実施形態による組立体において、リングから先端側に配置される血管移植片の壁の部分は、リングから基端側に配置される血管移植片の壁の部分に対して隣接するように折り返される。準備された組立体は、これによりピンにおける好適な視界が得られるように受容血管に固定される。
本発明のさらなる実施形態において、器具は、カテーテル、特にレーザー・カテーテルをさらに備え、血管移植片は、カテーテルの先端部に挿入される。この組立体も完全に患者の体外にて準備することができる。血管移植片に既に挿入されたカテーテルは、受容血管内へのピンの挿入時における血管移植片の処理を促進する。
本発明による第1の器具を示す斜視図。 解放されたあごを備える器具を示す図。 閉じたあごを備える器具を示す図。 本発明による第2の器具を示す側面図。 あごが開いた状態の器具を示す図。 あごが閉じた状態の器具を示す図。 本発明による第3の器具を示す側面図。 あごが開いた状態の器具を示す図。 あごが閉じた状態の器具を示す図。 本発明による第4の器具を示す側面図。 あごが閉じた状態の器具全体を示す図。 図4Aの円で囲まれた部分IVbを示し、あごが開いた状態(実線)およびあごが閉じた状態(破線)を示す図。 4つの工程(各図5A、5B、5Cおよび5D)において、血管移植片が、どのように本発明による器具によって受容血管に固定され得るかを示す概略図。 本発明による第5の器具を示す概略図。 あごが開いた状態の器具を示す側面図。 あごが閉じた状態の器具を示す側面図。 あごが閉じた状態の器具を示す正面図。
本明細書に示す発明は、図面を参照して以下により詳細に開示される。
図1は本発明による第1の器具を示し、この器具は、チタン合金、別の好適な合金、あるいは他の好適な金属からなるシート材料から一体的に形成され、打ち抜かれ、続いて、図示のような形状に屈曲される。器具1は、リング10と2本のピン11とを含む。ピンはそれぞれ自由端12および固定端13を有する。各ピン11の固定端13は、傾斜したアーム18、U字状のシート部19、傾斜したシート部20、および2本の連結アーム21を次々介して、リング10に固定される。
図1Bは、第1の位置における器具を示す。第1の位置において、クランプ部14は、リング、すなわちリングによって形成される平面に対して平行に、且つリングの第1の側15から同第1の側15の正反対側に位置する、リングの第2の側16までリング10に沿って延びる。国際公開第2009/123434号明細書の例えば図8Cから既に周知であるように、さらに本発明の図5dに示すように、血管壁、すなわち、受容血管の壁の一部、および締め付けられるべく端部にて折り返される血管移植片の壁の一部は、器具が血管移植片を受容血管に接合させることに使用されるときに、ピンとリングのクランプ部14との間に挾持される。クランプ部14は、ここでは大部分が直線的ではないが、リングの曲率半径と等しい曲率半径を備えるように好適に湾曲して延びる。
閉じたあごとも呼ばれる第1の位置において、クランプ部14とリング10との間の間隙は、比較的狭小である。十分に締め付けるべく、この間隙は、収容される1つ以上の血管壁の厚みより狭小であることが望ましい。血管壁組織を間隙内に容易に導入するべく、あご(ピン11およびリング10)は、まず開放されたあごとも呼ぶ開放位置に配置される(図1Aに示す第2の位置を参照)。
国際公開第2009/123434号明細書に既に開示されるように、血管移植片の折り返し部の血管壁は、ピンが設けられていない側から(すなわち、図1の上方から)リングを通して血管移植片の端部を挿入し、リングの下方に突出する血管移植片の部分を折り返すことにより間隙内に挿入される。折り返し部に形成される折り目は、間隙に進入する血管移植片の壁部の部分である。これはあごが閉まっている(図1B)ときより、あごが開いている(図1A)ときに実行する方がより容易である。図1Bにおいて、クランプ部14(より正確には、クランプ部14によって形成される平面)とリングにより形成される平面との間の角度は、約20度であるため、あごは約20度開く。受容血管への血管移植片と共に上述したように準備される全体的な要素の取り付けにおいて、国際公開第2009/123434号の図8に特に示され、またさらに本明細書において図5に関して開示するが、開放されたあご(図1A)を備えた全体的な要素は、ピン11が受容血管内に挿入されると、「受容血管上」を容易に摺動する。受容血管の壁の部分は、続いて開放されたあご内に妨害されることなく摺動する。本出願の図1Bおよび国際公開第2009/123434号の図8に示すような狭小な間隙を備える閉じたあごの場合において、例えば血管移植片の底部における折り目と受容血管の壁との間、および受容血管の壁とピンとの間のうち少なくともいずれか一方に、摩擦接触が生じることは非常にあり得ることである。「受容血管上」における摺動は、この摩擦接触によって妨害される。
図1Aおよび図1Bから明らかであるように、U字状のシート部19を締めつけることにより器具1を第1の位置(図1B)から第2の位置(図1A)に容易に至らしめることができる。U字状のシート部19の締めつけは、この目的のために全体的な要素が小さ過ぎなければ、例えば操作者の指の間にて行われ、あるいはプライヤを使用することによって行われる。しかしながら、器具1が、図1Aに示す第2の位置において工場渡しで搬送されることも考えられる。クランプが、この目的のために例えばU字状のシート部19に配置されてもよい。
あごの閉鎖を促進する一方、あごが閉じられる場合に、確実に十分に挾持するために、U字状のシート部は、張引部材として機能する。圧縮時においてU字状のシート部において生じるバネ力は、第1の位置に配向された予め張引する方向Aに、ピン11を予め張引する。すなわち、ピンは、リング10の方へ回動しようとするべく方向Aに予め張引される。この回動の想像上の回動軸線22は、この場合固定位置を有さず、回動時に移動する。軸線22によって示すように、この回動軸線はU字状のシート部外の任意の位置に配置され得るであろう。
ピン11の自由端12の尖端23が、ともにクランプ部14より接近して配置されるため、ピン11は血管移植片内への挿入時に多少圧搾されるであろう。傾斜したシート部が各場合において23の部分にて、すなわち傾斜したシート部20が傾斜したアーム18と交差する第1の位置において十分な幅Bを有することを確認することによって、ピンがあごの閉鎖時に再度離間するように駆動されることを確認することが可能である。傾斜したシート部20の側部の端24は、続いて傾斜したアーム18のための案内部を形成する。傾斜したシート部20の幅Bは、この場合において、傾斜したシート部の全長にわたって一定であり、例えば第2の位置における尖端23間の距離と略等しいか、領域23への上向きの方向に徐々に増加する。あごの閉鎖時にピンを再び広げる一因として、傾斜したアーム18と傾斜したシート部の側部の端24との間の接触点からピン11までの距離が、あごの閉鎖時により短くなることが挙げられる。
図1Aおよび図1Bに示すように、リングには、リング10の軸方向(軸線26)に対して、且つ突出部の部分における各場合においてリングの径方向Rに対して、傾斜して直立する様々な突出部25が設けられる。突出部は、このように外方および上方に傾斜して直立する。図5Bに、これらの突出部25が、血管移植片の折り返し端部を固定することを示す。図1Bにて視認されるように、クランプ部14の両端に隣接して、各ピンには第1の屈曲部30および第2の屈曲部29(この場合よじれ)がそれぞれ設けられ、これらを介してピンの傾斜部27あるいは29がそれぞれクランプ部の両側に隣接する。この点において、ねじれは各場合においてリング10によって形成される面の方向において約22.5度であり、これにより、ピンはクランプ部14の両端にて上方へ傾斜してよじれた部分27および28を有する。ピンの自由端において、この傾斜してよじれた部分は、各場合において、約22.5度のさらに同様のよじれを介して尖端と融合する。傾斜してよじれた部分27および28は、あごが閉じられた第1の位置(図1B)から見て、且つリング10の軸方向から見て、ちょうどリング10を形成する本体の略真下に位置される。
図2Aおよび図2Bは、本発明による第2の位置(あごが開いた)および第1の位置(あごが閉じた)における第2の器具2をそれぞれ示す。本発明によるこの第2の器具2は、図1Aおよび図1Bによる第1の器具1とおおまかに2つの点において異なる。すなわち、相違点a)第2の器具2はより長いピンを有する点、およびb)張引機構を備える点である。したがって、一致する名称、同じ参照符号、参照文字、および参照記号は、図1Aおよび図1Bと同様に図2Aおよび図2Bにおいて使用される。
傾斜してよじれた部分27が、クランプ部14(あるいは少なくともクランプ部14によって形成された平面)と平行に延びる直線的な部分32と、第3の屈曲部31(ここでもよじれとして形成される)を介して31にて融合する点で、ピン11は延長される。上方へよじれた尖端23は、自由端12に設けられる。図2Aにおいて、リング10によって形成される平面と、クランプ部14によって形成される平面との間の角度αは、約25度である。
図2Aおよび図2Bにおいて、張引機構は、参照符号33によって示される。第1の器具1のU字状の部分19は、張引機構33を形成するためにいわば1回半巻いた巻線(装置1において、これはいわば半分巻いた巻線であった)によって一体的に連結される2体の脚部35に代えられる。巻線はより高いバネ力を生じ、これにより、より高い予め作用される張力を生じる。
さらに、第2の器具2には、相互に対して横断方向に傾斜するアーム18および20を保持する案内部36が設けられる。図2Aおよび図2Bによる器具に、傾斜したアーム18、傾斜したアーム20、および連結アーム21のみが設けられる。リングは単一の連結アーム21によって支持される。2本のピン11は、図2Aおよび図2Bに概略的に示す横断方向アーム37に固定され、図面の平面に直交して延び、傾斜したアーム18の底部に固定される。
図3Aおよび図3Bは、本発明による第2の位置(あごが開いた)および第1の位置(あごが閉じた)における第3の器具3をそれぞれ示す。本発明によるこの第3の器具3は、図2Aおよび図2Bによる第2の器具2とおおまかに一点において異なる。相違点は張引機構である。したがって、一致する名称、同じ参照符号、参照文字、および参照記号は、図1Aおよび図1B、並びに図2Aおよび図2Bと同様に図3Aおよび図3Bにおいて使用される。
本発明による器具3は、第2のプライヤとして機能し、プライヤのあごは、リング10およびピン11によって形成され、プライヤの把持/作動手段は、ヒンジ・ピン40によりヒンジにより連結される2つの部分41および42からなり、バネ43は、ヒンジ・ピン40の周囲に巻かれ、部分41の一端44に、および部分42の多端45に作用する。図3Aにおいて、角度αは約30度である。図3Aは、閉鎖を防ぐために把持/作動手段の自由端間に配置され、且つあごの閉鎖のための第2の位置において閉鎖を防止するべく予め作用される張力Aを吸収する解放部材46をさらに示す。解放部材46が取り払われると、バネ43の予め作用される張力により、あごが押圧され、閉じられる。
図4は、国際公開第2009/123434号明細書の図5、特に図5Bに由来する本発明の第4の実施形態を示す。より完全な説明および記載については、国際公開第2009/123434号に開示され、その全体がここに開示されたものとする。
図4Bに示すように、ピン11は、器具4の位置50において、支柱55にヒンジにより固定され、これにより90度、あるいはそれ以上開放するように回動することができる。したがって、角度αは、ここでは90度である。張引機構が設けられないため、ピン11は、第2の位置から第1の位置に自動的に移動することができない。しかしながら、ピンは手によって、あるいは器具や他の補助手段によって図4Aに示す位置まで移動させることができる。国際公開第2009/123434号の図8Cに示すように、ピン11は、図示の位置にて受容血管内に挿入されると、例えば、国際公開第2009/123434号の図8の参照符号31の位置にて、ピンの下方の縫合ワイヤを張引し、受容血管の外側にて結び目に結ぶことによって、またはその位置においてクリップを使用することによって、あるいは異なる方法によって固定することができる。したがって、第1の位置から第2の位置にピンが戻ることを防止する保持機構を本発明による器具に一体的に組み込む必要はない。これは個別に位置決め可能な要素である。実地における理由により、保持機構が、本発明による器具の残りの部分に通常予め取り付けられるであろう(すなわち、一体的に組み込まれるであろう)。図4に示すように、保持機構は、ピンに取り付けられ且つ隆起部53を有するリップ部52からなる単純なロック部であり、隆起部53は、(図4においてリップ部の背面にて視認不能な裏側に位置され、図4Bにおいて、破線にて示され、)支柱55に形成される溝54に連結されるように嵌入する。
あごが開かれると、角度αは、少なくとも5度、好適には少なくとも10度となるが、角度は実地の観点から高々180度であろうことは上述した例より明らかであろう。実地における角度αに対して、5度乃至45度までの範囲、10度乃至45度までの範囲、あるいは10度乃至30度までの範囲が準備される。
図5A、図5B、図5Cおよび図5Dに関して、血管移植片がまずどのようにリングに固定されるか、また、続いてこの全体的な要素が、どのように受容血管に固定されるかを説明する。これは、図1Aおよび図1Bに示す器具1に基づいて示される。
図5Aは、あごが開いた状態の第2の位置における器具1を示す。この位置において、矢印Xによって示されるように、血管移植片60の先端部61はリング10を通して挿入される。続いて、図5Aの右側の破線によって示されるように、リングの下方に突出する血管移植片60の部分は、反転され、約180度折り返される。突出部は、血管移植片60の反転した部分62をこの場合に貫通し、これにより、固定した反転部分62を保持する。
図5Bにおいて、ピン11は、後に図5Cに示す位置に押圧付勢するべく受容血管64の壁を通して挿入される。U字状の部分19にて蓄積した予め作用される張力が続いて解放され、その後に、ピン11は矢印Cによって示すように上向きにリング10に向かって回動するが、血管移植片を取り付けられたリングは、受容血管の方へ引き動かされる。図5Dにおいて、尖端23は、受容血管64の壁の内側に固定され、これにより、確実な固定がなされる。血管移植片60は折り返し時に生じた折り目63によって形成される下側と共に、位置1になお残る予め作用される張力により強く押圧される。押圧は、どの部分においても一様であるため、全体にわたって確実且つ好適なシールがなされる。要求に応じて、シールは、受容血管への血管移植片への接合部に沿って好適な組織接着剤をシーラントとして塗布することによりさらに改善され得る。実際、血管移植片が経過する時間にわたって受容血管と一体的に成長するので、シールが恒久的である必要はない。血管移植片と受容血管との間を血流が生じるように接合するべく受容血管64の壁から血管移植片の延長部における組織円板70を焼き払うために、ELANA技術により、図5Dの矢印Yによって示されるように、レーザー・カテーテルが血管移植片に挿入可能である。これは頻繁に参照する国際公開第2009/123434号明細書に開示される。要求に応じて、この組織円板70は異なる方法にて取り払うこともできる。
図6A、図6Bおよび図6Cは、第2の位置(図6Aに示すあごが開いた)および第1の位置(図6Bおよび図6Cに示すあごが閉じた)における本発明による第5の器具5を示す。本発明によるこの第5の器具5は、図2Aおよび図2Bによる第2の器具2とおおまかに2つの点において異なる。これらの相違点は次のとおりである、すなわちa)突出部25が設けられない点(しかしながら、任意に設けられてもよい)、およびb)ピン11のクランプ部14が異なるように構成される点である。したがって、一致する名称、同じ参照符号、参照文字、および参照記号は、図1乃至5において使用される。
各ピン11には、ピン11のクランプ部14と固定端13との間に第1の屈曲部30が設けられる。この第1の屈曲部30は別例の第1の屈曲部30とは異なる。第5の実施形態の第1の屈曲部30は、第1の位置にて見て、すなわちクランプ部14から固定端13に向かって見て、リング10によって形成される空間の内部からリング10の下方に移動するように下方に屈曲する。したがって、第1の位置において、クランプ部14はリング10内に配置される。これにより、リングとクランプ部との間の挾持作用が高められる。さらに、ELANA技術を使用する場合に、リングの内部に位置するクランプ部は、レーザー・カテーテルが目的の血管に挿入されることを防止するべくレーザー・カテーテルのより下端に隣接する部分として、且つ/またはレーザー・ビームが、目的の血管に侵入することを防止するべく遮断部として機能してもよい。最後に、このクランプ部により、より狭小な目的の血管に器具を取り付けることができる。さらにリングの外側にてピン11を延ばすべく、各ピン11には、ピン11のクランプ部14と自由端12との間に第2の屈曲部29が設けられる。
この第2の屈曲部29は、別例の第2の屈曲部29とは異なる。第1の位置にて見て、すなわちクランプ部14から自由端12に向かって見て、第5の実施形態の第2の屈曲部29は、リング10によって形成される空間の内部からリング10の下方に移動するように下方に屈曲する。リング10の外側において、第2の屈曲部29は、別例の第2の屈曲部29と同様にさらに上方に屈曲する。第5の実施形態において、クランプ部14は、(第1の位置に配置される場合に)略直線的に延び且つリング内に位置される部分であるものといえる。したがって、このクランプ部14は、別例におけるものよりも少し短いが、第5の実施形態の第1の屈曲部30および第2の屈曲部29によってもクランプが得られるものといえる。
第5の実施形態に関して、第1の屈曲部30および第2の屈曲部29が取り払われると、これにより第1の位置においてクランプ部はリング10の内部に代えてリング10の下方に配置される。クランプ部14がリングの半径より小さな半径に沿って湾曲すること、およびクランプ部14が、第1の位置においてリング10に平行に、且つリング10に沿って延びることを考慮すると、これらは、クランプ部がレーザー・カテーテルの隣接する部分として、且つ/またはレーザー・ビームの遮断部としてなお機能することを示す。さらに、この変形した第5の実施形態により、より小さな目的の血管に使用可能である。
本出願に開示される発明は、さらに付記にて開示される。
付記1. 血管移植片(60)の端部と受容血管(64)の側壁との間のETS吻合接合、および血管移植片(60)と受容血管(64)の側壁との間のSTS吻合接合のうち少なくともいずれか一方を形成する器具(1,2,3,4)であって、同器具は、リング(10)および2本のピン(11)を備え、各ピン(11)は、自由端(12)、およびリング(10)に固定される固定端(13)を有し、固定端(13)から自由端(12)に向かって見て、ピン(11)は相互に隣り合って離間して同じ方向に延び、各ピン(11)は、クランプ部(14)を有し、ピン(11)は、リング(10)とクランプ部(14)との間にて受容血管(64)の壁の組織を挾持できるように、第1の位置において、リング(10)の第1の側(15)から同リング(10)の第1の側(15)の正反対に配置されるリング(10)の第2の側(16)に沿って且つ平行に延び、開放したあご(17)をピン(11)とリングとの間に形成するべく、ピン(11)のクランプ部(14)からリング(10)までの第2の位置における距離は、第1の位置における距離よりも大きく、ピン(11)は、あごを閉じるべく第2の位置から第1の位置へリング(10)に向かって移動可能であることを特徴とする器具(1,2,3,4)。
付記2. 前記ピン(11)のクランプ部(14)は、第2の位置において、リング(10)によって形成される平面に対して角度(α)をなし、これによりリング(10)と共に固定端(13)から自由端(12)への方向から見て幅広となる前記あご(17)を形成し、前記ピン(11)は、第2の位置からあご(17)を閉じる第1の位置へ回動して移動することによってリング(10)に対して回動自在であることを特徴とする付記1に記載の器具(1,2,3,4)。
付記3. 血管移植片(60)の端部と受容血管(64)の側壁との間のETS吻合接合、および血管移植片(60)と受容血管(64)の側壁との間のSTS吻合接合のうち少なくともいずれか一方を形成する器具(1,2,3,4)であって、同器具は、2本のピン(11)を備えたリング(10)を備え、各ピン(11)は、自由端(12)、およびリング(10)に固定される固定端(13)を有し、固定端(13)から自由端(12)に向かって見て、ピン(11)は相互に隣り合って離間して同じ方向に延び、各ピン(11)は、クランプ部(14)を有し、ピン(11)は、リング(10)とクランプ部(14)との間にて受容血管(64)の壁の組織を挾持できるように、第1の位置において、リング(10)の第1の側(15)から同リング(10)の第1の側(15)の正反対に配置されるリング(10)の第2の側(16)に沿って且つ平行に延び、ピン(11)のクランプ部(14)は、第2の位置において、リング(10)によって形成される平面に対して角度(α)をなし、これによりリング(10)と共に固定端(13)から自由端(12)への方向から見て幅広となる前記あご(17)を形成し、前記ピン(11)は、第2の位置からあご(17)を閉じる第1の位置へ回動して移動することによってリング(10)に対して回動自在であることを特徴とする器具(1,2,3,4)。
付記4. 前記第2の位置において、リング(10)に対するクランプ部(14)の角度(α)は、少なくとも5度であり、例えば少なくとも10度であることを特徴とする付記1または2に記載の器具(1,2,3,4)。
付記5. 前記リング(10)によって形成される平面に平行に見て、前記回動の回動軸線(22)から同回動軸線(22)と平行に延びリング(10)の中央部を通過する横断方向軸線までの距離は、リング(10)の半径(R)の少なくとも70%であり、特に少なくとも90%であることを特徴とする付記2乃至4のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4)。
付記6. 前記リング(10)によって形成される平面に平行に見て、前記回動の回動軸線(22)から同回動軸線(22)と平行に延びリング(10)の中央部を通過する横断方向軸線までの距離は、リング(10)の半径(R)より大きく、特にリング(10)の半径(R)の2倍より大きいことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4)。
付記7. 前記第1の位置から第2の位置へピン(11)が戻ることを防止するように構成される保持機構(19;33;43;53,54)をさらに備えることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4)。
付記8. 前記保持機構はロック部(53、54)、例えば1つ以上のロック位置を備えるスナップ部またはラチェット機構を含むことを特徴とする付記7に記載の器具(1,2,3,4)。
付記9. 前記保持機構は、ピン(11)を第2の位置から予め張引する方向(A)に第1の位置に向かって予め張引する張引部材(19,33,43)を含むことを特徴とする付記7または8に記載の器具(1,2,3,4)。
付記10. 前記張引部材(19,33,43)は、第1の位置において、ピン(11)を前記予め張引する方向(A)に予め張引することを特徴とする付記9に記載の器具(1,2,3,4)。
付記11. 前記張引部材(19、33、43)は、屈曲したシートまたはワイヤ部を含み、特に金属製のシートまたはワイヤ部を含むことを特徴とする付記9または10に記載の器具(1,2,3,4)。
付記12. 前記シートまたはワイヤ部は巻線(34)の少なくとも1つの円弧をなすことを特徴とする付記11に記載の器具(1,2,3,4)。
付記13. 妨害位置から解放位置へ操作可能である解放部材(46)をさらに備え、前記ピン(11)は、妨害位置において、第2の位置にあり、第2の位置から第1の位置へ回動することが防止され、解放位置において、第1の位置へ回動するべく解放されることを特徴とする付記9乃至12のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4)。
付記14. 各ピン(11)には、ピン(11)のクランプ部と固定端(13)との間に第1の屈曲部(30)が設けられ、同第1の屈曲部(30)は、クランプ部(14)から固定端(13)に向かって見て、リング(10)によって形成される平面の方向から離間するように、特に少なくとも20度を超える角度をなして屈曲することを特徴とする付記1乃至13のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4)。
付記15. 血管移植片(60)の端部と受容血管(64)の側壁との間のETS吻合接合、および血管移植片(60)と受容血管(64)の側壁との間のSTS吻合接合のうち少なくともいずれか一方を形成する器具(1,2,3,4)であって、同器具は、リング(10)および2本のピン(11)を備え、各ピン(11)は、自由端(12)、およびリング(10)に固定される固定端(13)を有し、固定端(13)から自由端(12)に向かって見て、ピン(11)は相互に隣り合って離間して同じ方向に延び、各ピン(11)は、クランプ部(14)を有し、ピン(11)は、リング(10)とクランプ部(14)との間にて受容血管(64)の壁の組織を挾持できるように、リング(10)の第1の側(15)から同第1の側(15)の正反対に配置されるリング(10)の第2の側(16)に沿って且つ平行に延び、各ピン(11)には、ピン(11)のクランプ部(14)と固定端(13)との間に第1の屈曲部(30)が設けられ、同第1の屈曲部(30)は、クランプ部(14)から固定端(13)に向かって見て、リング(10)によって形成される平面の方向から離間するように、特に少なくとも20度を超える角度をなして屈曲することを特徴とする器具(1,2,3,4)。
付記16. 各ピン(11)には、ピン(11)のクランプ部(14)と固定端(13)との間に第1の屈曲部(30)が設けられ、同第1の屈曲部(30)は、第1の位置において、クランプ部(14)から固定端(13)に向かって見て、リング(10)によって形成される平面の内部からリング(10)の下方に移動するべく、下方に屈曲することを特徴とする付記1乃至14のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4,5)。
付記17. 血管移植片(60)の端部と受容血管(64)の側壁との間のETS吻合接合、および血管移植片(60)と受容血管(64)の側壁との間のSTS吻合接合のうち少なくともいずれか一方を形成する器具(1,2,3,4,5)であって、同器具は、リング(10)および2本のピン(11)を備え、各ピン(11)は、自由端(12)、およびリング(10)に固定される固定端(13)を有し、固定端(13)から自由端(12)に向かって見て、ピン(11)は相互に隣り合って離間して同じ方向に延び、各ピン(11)は、クランプ部(14)を有し、ピン(11)は、リング(10)とクランプ部(14)との間にて受容血管(64)の壁の組織を挾持できるように、リング(10)の第1の側(15)から同第1の側(15)の正反対に配置されるリング(10)の第2の側(16)に沿って且つ平行に延び、各ピン(11)には、ピン(11)のクランプ部(14)と固定端(13)との間に第1の屈曲部(30)が設けられ、同第1の屈曲部(30)は、第1の位置において、クランプ部(14)から固定端(13)に向かって見て、リング(10)によって形成される平面の内部からリング(10)の下方に移動するべく、下方に屈曲することを特徴とする器具(1,2,3,4,5)。
付記18. 前記第1の屈曲部(30)は、第1位置において、リング(10)によって形成される平面の横断方向から見てリング(10)の略真下に配置されることを特徴とする付記14乃至17のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4)。
付記19. 各ピン(11)には、ピン(11)のクランプ部と自由端(12)との間に第2の屈曲部(29)が設けられ、同第2の屈曲部(29)は、クランプ部(14)から自由端(12)に向かって見て、リング(10)によって形成される平面の方向から離間するように、特に少なくとも20度を超える角度をなして屈曲することを特徴とする付記1乃至18のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4)。
付記20. 血管移植片(60)の端部と受容血管(64)の側壁との間のETS吻合接合、および血管移植片(60)と受容血管(64)の側壁との間のSTS吻合接合のうち少なくともいずれか一方を形成する器具(1,2,3,4)であって、同器具は、リング(10)および2本のピン(11)を備え、各ピン(11)は、自由端(12)、およびリング(10)に固定される固定端(13)を有し、固定端(13)から自由端(12)に向かって見て、ピン(11)は相互に隣り合って離間して同じ方向に延び、各ピン(11)は、クランプ部(14)を有し、ピン(11)は、リング(10)とクランプ部(14)との間にて受容血管(64)の壁の組織を挾持できるように、リング(10)の第1の側(15)から同第1の側(15)の正反対に配置されるリング(10)の第2の側(16)に沿って且つ平行に延び、各ピン(11)には、ピン(11)のクランプ部と自由端(12)との間に第2の屈曲部(29)が設けられ、同第2の屈曲部(29)は、クランプ部(14)から自由端(12)に向かって見て、リング(10)によって形成される平面の方向から離間するように、特に少なくとも20度を超える角度をなして屈曲することを特徴とする器具(1,2,3,4)。
付記21. 各ピン(11)には、ピン(11)のクランプ部(14)と自由端(12)との間に第2の屈曲部(29)が設けられ、同第2の屈曲部(29)は、第1の位置において、クランプ部(14)から自由端(12)に向かって見て、リング(10)によって形成される平面の内部からリング(10)の下方に移動するべく、下方に屈曲することを特徴とする付記1乃至20のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4,5)。
付記22. 血管移植片(60)の端部と受容血管(64)の側壁との間のETS吻合接合、および血管移植片(60)と受容血管(64)の側壁との間のSTS吻合接合のうち少なくともいずれか一方を形成する器具(1,2,3,4,5)であって、同器具は、リング(10)および2本のピン(11)を備え、各ピン(11)は、自由端(12)、およびリング(10)に固定される固定端(13)を有し、固定端(13)から自由端(12)に向かって見て、ピン(11)は相互に隣り合って離間して同じ方向に延び、各ピン(11)は、クランプ部(14)を有し、ピン(11)は、リング(10)とクランプ部(14)との間にて受容血管(64)の壁の組織を挾持できるように、リング(10)の第1の側(15)から同第1の側(15)の正反対に配置されるリング(10)の第2の側(16)に沿って且つ平行に延び、各ピン(11)には、ピン(11)のクランプ部(14)と自由端(12)との間に第2の屈曲部(29)が設けられ、同第2の屈曲部(29)は、第1の位置において、クランプ部(14)から自由端(12)に向かって見て、リング(10)によって形成される平面の内部からリング(10)の下方に移動するべく、下方に屈曲することを特徴とする器具(1,2,3,4,5)。
付記23. 前記第2の屈曲部(29)は、第1位置において、リング(10)によって形成される平面の横断方向から見てリング(10)の略真下に配置されることを特徴とする付記19乃至22のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4)。
付記24. 前記ピン(11)は、第2の屈曲部(29)からリング(10)によって形成される平面の方向に自由端(12)まで連続し、該自由端(12)には、第1の位置において、リング(10)によって形成される平面内にて終端するか、リング(10)によって形成される平面の上方に突出する尖端が設けられることを特徴とする請求項19乃至23のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4)。
付記25. 前記ピンの自由端(12)の方向にて見て、ピン(11)を後方に屈曲させる第3の屈曲部(31)は、クランプ部と略平行に延びる部分の反対方向にて、第2の屈曲部に連続して設けられることを特徴とする付記19乃至24のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4)。
付記26. 前記クランプ部に略平行に後方に屈曲する部分は、リング(10)によって形成される平面において第1の位置において延びることを特徴とする付記25に記載の器具(1,2,3,4)。
付記27. 前記自由端(12)には、前記クランプ部に略平行に後方に屈曲する部分からリング(10)によって形成される平面の上方に斜めに突出する尖端が設けられることを特徴とする付記26に記載の器具(1,2,3,4)。
付記28. 前記リング(10)には、周囲を覆うように取り付けられ配置され、且つリング(10)の軸方向および径方向、並びにピン(11)から離間する方向の点に対して斜めに直立する複数の突出部(25)が設けられ、同突出部(25)は、特に尖らせられることを特徴とする付記1乃至27のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4)。
付記29. 血管移植片(60)の端部と受容血管(64)の側壁との間のETS吻合接合、および血管移植片(60)と受容血管(64)の側壁との間のSTS吻合接合のうち少なくともいずれか一方を形成する器具(1,2,3,4)であって、同器具はリング(10)からなり、同リング(10)には、周囲を覆うように取り付けられ配置され、且つリング(10)の軸方向および径方向に対して斜めに直立する複数の突出部(25)が設けられ、同突出部(25)は、特に尖らせられることを特徴とする器具(1,2,3,4)。
付記30. 前記器具(1,2,3,4)は、さらに2本のピン(11)を備え、各ピン(11)は、自由端(12)、およびリング(10)に固定される固定端(13)を有し、固定端(13)から自由端(12)に向かって見て、ピン(11)は相互に隣り合って離間して同じ方向に延び、各ピン(11)は、クランプ部(14)を有し、ピン(11)は、リング(10)とクランプ部(14)との間にて受容血管(64)の壁の組織を挾持できるように、リング(10)の第1の側(15)から同第1の側(15)の正反対に配置されるリング(10)の第2の側(16)に沿って且つ平行に延びることを特徴とする付記25に記載の器具(1,2,3,4)。
付記31. 前記突出部(25)は、ピン(11)から離間する方向に配向されることを特徴とする付記30に記載の器具(1,2,3,4)。
付記32. 先端部と共にリング(10)に挿入される血管移植片(60)をさらに備え、リング(10)から先端側に配置される血管移植片(60)の壁の部分は折り返され突出部(25)に掛けられることを特徴とする付記31に記載の器具(1,2,3,4)。
付記33. 前記リング(10)を通して先端部が挿入される血管移植片(60)をさらに含むことを特徴とする付記1乃至32のいずれか1つに記載の器具(1,2,3,4)。
付記34. 前記リング(10)から先端側に位置される血管移植片(60)の壁の部分は、リング(10)から基端側に位置される血管移植片(60)の壁の部分に平行に位置決めされるように折り畳まれることを特徴とする付記32または33に記載の器具(1,2,3,4)。
付記35. カテーテル、特にレーザー・カテーテルをさらに備え、前記血管移植片(60)は、カテーテルの先端部に挿入されることを特徴とする付記33または34に記載の器具(1、2、3、4)。
上記付記から明らかであるように、第1の屈曲部、第2の屈曲部、およびリングに設けられる突出部を有する(特許請求の範囲に記載の)実施形態は、リングに対して回動可能なピンから完全に独立して適用することができ、(すなわち、回動可能なピンを伴うことなく)、リングに設けられる突出部を有する実施形態は、それ自体が任意のピンから完全に独立して適用することができ、付加的に、これらの3つの実施形態は、相互に完全に独立して、または相互に任意に組み合わせて適用されてもよい。将来分割特許出願がなおこれに関係してもよい。さらに、上記付記、特に付記1からあごは回動以外の方法により閉じられてもよいことが明らかであろう。本出願に開示される発明の概念内において、さらに、あごが直進運動によって閉じられ、ピンのクランプ部が第2の位置においてリング(リングによって形成される平面)に平行に延びることも考えられる。側側吻合術における使用に関して、リングが血管移植片の側壁に取り付けられてもよく、端側吻合術に関して上述したものと同じ方法により目的の血管の側壁への取り付けがなされてもよいものといえる。
本出願に開示される発明は、上述した実施形態に制限されるものではないものといえる。本出願や本出願による分割出願に付与される特許の保護範囲は、付与される特許の請求の範囲によって画定される。

Claims (27)

  1. 血管移植片(60)の端部と受容血管(64)の側壁との間のETS吻合接合、および血管移植片(60)と受容血管(64)の側壁との間のSTS吻合接合のうち少なくともいずれか一方を形成する器具(1,2,3,4)であって、
    同器具は、リング(10)および2本のピン(11)を備え、
    各ピン(11)は、自由端(12)、およびリング(10)に固定される固定端(13)を有し、
    固定端(13)から自由端(12)に向かって見て、ピン(11)は相互に隣り合って離間して同じ方向に延び、
    各ピン(11)は、クランプ部(14)を有し、ピン(11)は、リング(10)とクランプ部(14)との間にて受容血管(64)の壁の組織を挾持できるように、第1の位置において、リング(10)の第1の側(15)から同リング(10)の第1の側(15)の正反対に配置されるリング(10)の第2の側(16)に沿って且つ平行に延び、
    開放したあご(17)をピン(11)とリングとの間に形成するべく、ピン(11)のクランプ部(14)からリング(10)までの第2の位置における距離は、第1の位置における距離よりも大きく、
    ピン(11)は、あごを閉じるべく第2の位置から第1の位置へリング(10)に向かって移動可能であることを特徴とする器具(1,2,3,4)。
  2. 前記ピン(11)のクランプ部(14)は、第2の位置において、リング(10)によって形成される平面に対して角度(α)をなし、これによりリング(10)と共に固定端(13)から自由端(12)への方向から見て幅広となる前記あご(17)を形成し、
    前記ピン(11)は、第2の位置からあご(17)を閉じる第1の位置へ回動して移動することによってリング(10)に対して回動自在であることを特徴とする請求項1に記載の器具(1,2,3,4)。
  3. 前記第2の位置において、リング(10)に対するクランプ部(14)の角度(α)は、少なくとも5度であり、例えば少なくとも10度であることを特徴とする請求項2に記載の器具(1,2,3,4)。
  4. 前記リング(10)によって形成される平面に平行に見て、前記回動の回動軸線(22)から同回動軸線(22)と平行に延びリング(10)の中央部を通過する横断方向軸線までの距離は、リング(10)の半径(R)の少なくとも70%であり、特に少なくとも90%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の器具(1,2,3,4)。
  5. 前記リング(10)によって形成される平面に平行に見て、前記回動の回動軸線(22)から同回動軸線(22)と平行に延びリング(10)の中央部を通過する横断方向軸線までの距離は、リング(10)の半径(R)より大きく、特にリング(10)の半径(R)の2倍より大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の器具(1,2,3,4)。
  6. 前記第1の位置から第2の位置へピン(11)が戻ることを防止するように構成される保持機構(19;33;43;52,53,54)をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の器具(1,2,3,4)。
  7. 前記保持機構はロック部(52,53,54)を含むことを特徴とする請求項6に記載の器具(1,2,3,4)。
  8. 前記保持機構は、ピン(11)を第2の位置から予め張引する方向(A)に第1の位置に向かって予め張引する張引部材(19,33,43)を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の器具(1,2,3,4)。
  9. 前記張引部材(19,33,43)は、第1の位置において、ピン(11)を前記予め張引する方向(A)に予め張引することを特徴とする請求項8に記載の器具(1,2,3,4)。
  10. 前記張引部材(19,33,43)は、屈曲したシートまたはワイヤ部を含み、特に金属製のシートまたはワイヤ部を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の器具(1,2,3,4)。
  11. 前記シートまたはワイヤ部は巻線の少なくとも1つの円弧をなすことを特徴とする請求項10に記載の器具(1,2,3,4)。
  12. 妨害位置から解放位置へ操作可能である解放部材(46)をさらに備え、前記ピン(11)は、妨害位置において、第2の位置にあり、第2の位置から第1の位置へ回動することが防止され、解放位置において、第1の位置へ回動するべく解放されることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の器具(1,2,3,4)。
  13. 各ピン(11)には、ピン(11)のクランプ部と固定端(13)との間に第1の屈曲部(30)が設けられ、同第1の屈曲部(30)は、クランプ部(14)から固定端(13)に向かって見て、リング(10)によって形成される平面の方向から離間するように、特に少なくとも20度を超える角度をなして屈曲することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の器具(1,2,3,4)。
  14. 各ピン(11)には、ピン(11)のクランプ部(14)と固定端(13)との間に第1の屈曲部(30)が設けられ、同第1の屈曲部(30)は、第1の位置において、クランプ部(14)から固定端(13)に向かって見て、リング(10)によって形成される平面の内部からリング(10)の下方に移動するべく、下方に屈曲することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の器具(1,2,3,4,5)。
  15. 前記第1の屈曲部(30)は、第1の位置において、リング(10)によって形成される平面の横断方向から見てリング(10)の略真下に配置されることを特徴とする請求項13または14に記載の器具(1,2,3,4)。
  16. 各ピン(11)には、ピン(11)のクランプ部と自由端(12)との間に第2の屈曲部(29)が設けられ、同第2の屈曲部(29)は、クランプ部(14)から自由端(12)に向かって見て、リング(10)によって形成される平面の方向から離間するように、特に少なくとも20度を超える角度をなして屈曲することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の器具(1,2,3,4)。
  17. 各ピン(11)には、ピン(11)のクランプ部(14)と自由端(12)との間に第2の屈曲部(29)が設けられ、同第2の屈曲部(29)は、第1の位置において、クランプ部(14)から自由端(12)に向かって見て、リング(10)によって形成される平面の内部からリング(10)の下方に移動するべく、下方に屈曲することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の器具(1,2,3,4,5)。
  18. 前記第2の屈曲部(29)は、第1の位置において、リング(10)によって形成される平面の横断方向から見てリング(10)の略真下に配置されることを特徴とする請求項16または17に記載の器具(1,2,3,4)。
  19. 前記ピン(11)は、第2の屈曲部(29)からリング(10)によって形成される平面の方向に自由端(12)まで連続し、該自由端(12)には、第1の位置において、リング(10)によって形成される平面内にて終端するか、リング(10)によって形成される平面の上方に突出する尖端が設けられることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一項に記載の器具(1,2,3,4)。
  20. 前記ピンの自由端(12)の方向にて見て、ピン(11)を後方に屈曲させる第3の屈曲部(31)は、クランプ部と略平行に延びる部分の反対方向にて、第2の屈曲部に連続して設けられることを特徴とする請求項16乃至19のいずれか一項に記載の器具(1,2,3,4)。
  21. 前記クランプ部に略平行に後方に屈曲する部分は、リング(10)によって形成される平面において第1の位置において延びることを特徴とする請求項20に記載の器具(1,2,3,4)。
  22. 前記自由端(12)には、前記クランプ部に略平行に後方に屈曲する部分からリング(10)によって形成される平面の上方に斜めに突出する尖端が設けられることを特徴とする請求項21に記載の器具(1,2,3,4)。
  23. 前記リング(10)には、周囲を覆うように取り付けられ配置され、且つリング(10)の軸方向および径方向、並びにピン(11)から離間する方向の点に対して斜めに直立する複数の突出部(25)が設けられることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか一項に記載の器具(1,2,3,4)。
  24. 前記リング(10)を通して先端部が挿入される血管移植片(60)をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至23のいずれか一項に記載の器具(1,2,3,4)。
  25. 前記リング(10)から先端側に位置される血管移植片(60)の壁の部分は、リング(10)から基端側に位置される血管移植片(60)の壁の部分に対して隣接するように折り畳まれることを特徴とする請求項24に記載の器具(1,2,3,4)。
  26. カテーテル、特にレーザー・カテーテルをさらに備え、前記血管移植片(60)は、カテーテルの先端部に挿入されることを特徴とする請求項24または25に記載の器具(1,2,3,4)。
  27. 前記クランプ部は、リングの半径より小さな半径に沿って湾曲することを特徴とする請求項1乃至26のいずれか一項に記載の器具。
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