JP2013511026A - 放射線シグネチャの異常検出 - Google Patents

放射線シグネチャの異常検出 Download PDF

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Abstract

方法において、ターゲットから、ターゲットガンマ線スペクトルが取得され、ターゲットガンマ線スペクトルから、ターゲットデータセットが用意される。このデータセットは複数の強度値を含み、各強度値は、ターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている。ターゲットデータセットは次いで前処理されて、主成分空間に投影された、前処理されたデータライブラリを含む、主成分空間に投影される。次いで、主成分空間において、投影された前処理されたターゲットデータセットと、投影された前処理されたデータライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離が測定され、この距離が、ターゲットに異常な放射線物質が存在するかどうかを判定するために、所定の閾値距離と比較される。

Description

本発明は、ガンマ放射線の異常ソースを検出するための方法に関する。
国境をまたぐ放射性物質の許可されない通過、またはそのような物質が禁止された地域に入るのを防ぐために、放射性物質の存在を検出する必要性が存在する。好適な方法は、車両が検出ゾーンを通過したときに、交通の流れを過度に遅らせないよう、好ましくはゾーンにおいて停止することなく、検出を実行できるであろう。したがって、方法は、好ましくは、およそ10秒またはそれ未満の時間内で、そのような物質の存在を検出できるであろう。方法は、好ましくは、高い精度を有する、すなわち、誤検出(疑いのある物質が存在しないときにアラームを発信する)および見逃し(疑いのある物質の存在を検出するのに失敗する)の両方の低いレベルを有するべきである。
そのような検出は、許容可能な物質が、たとえば、自然起源放射性物質(naturally occurring radioactive materials: NORM)の上昇した濃度の存在、または合法である放射性医薬製品などの存在に起因して一定レベルの電離放射線を発することがある、という事実によって複雑化する。簡単なプラスチックのシンチレーション検出器を使用するいくつかの既存のシステムは、ターゲットが発する、ガンマ線の形態における放射線の総レベルのみを測定する。そのようなシステムは、放射線検出の閾値レベルが低すぎる設定の場合には、高い率の誤検出を、または放射線検出の閾値レベルが高すぎる設定の場合には、高い率の見逃しを起こしやすい。そのようなシステムは、NORMの上昇した濃度を含む合法に取引される商品を、放射性物質を含む違法または不注意により認可されない商品と区別することができない。
第2世代の検出器は、ターゲットのガンマ線スペクトルを測定し、そのスペクトルを、既知の制御された、または対象の他の放射性物質のスペクトルと比較することに努めた。一般に分光検出器と呼ばれるそのような検出器は、測定されたガンマ線スペクトルに存在している特定のガンマ線ライン(エネルギー)の存在を通して、アイソトープを識別する。このタイプの高分解能の分光機器は、非常に高額であり、難しい動作条件のために、現場配置においては信頼性が低くなりやすい。より低分解能の分光機器は、より安価ではあるが、正しいアイソトープ識別に関してパフォーマンスがより低くなりやすく、誤検出および見逃しの予知率が共に高い率につながる。
本発明の目的は、上記の不都合のうちの1つまたは複数を、実質的に克服する、または少なくとも改善することである。
本発明の第1の態様において、検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するための方法が提供され、前記方法は、
(i)ターゲットから、ターゲットガンマ線スペクトルを取得するステップと、
(ii)各強度値がターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、ターゲットガンマ線スペクトルから用意するステップと、
(iii)ターゲットデータセットを前処理するステップと、
(iv)前処理されたターゲットデータセットを、多次元の、たとえば主成分の空間に投影された、前処理されたデータライブラリを含む、前記多次元の、たとえば主成分の空間に投影するステップと、
(v)多次元の、たとえば主成分の空間において、投影された前処理されたターゲットデータセットと、投影された前処理されたデータライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定するステップと、
(vi)ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、距離を所定の閾値距離と比較するステップと
を含む。
距離が閾値距離よりも大きい(または大きいかそれに等しい)場合に、ターゲットの異常な放射性物質の存在に応答して、信号が生成されてよい。変形形態においては、距離が閾値距離未満の場合にのみ、ターゲットに異常な放射性物質が無いことを示す信号が生成されてよい。
以下のオプションが、個別に、または任意の好適な組合せにおいて、第1の態様(および適切な場合、以下で説明する他の態様のうちのいずれか)と併せて使用されてよい。
方法は、ターゲットデータセットを前処理するステップの前に、ターゲットデータセットを再ビンする(rebinning)ステップをさらに含むことができる。再ビンするステップは、新しいエネルギービンを形成するように、少なくとも2つの隣接したエネルギービンの強度値を総計するステップを含むことができる。
(ターゲットデータセットまたはデータライブラリのいずれかを)前処理するステップは、正規化するステップを含むことができる。正規化するステップは、強度を正規化するステップを含むことができる。正規化するステップは、すべてのエネルギービンにわたって最も高い強度値に対して正規化するステップを含むことができる。前処理するステップは、すべてのエネルギービンにわたってゼロ平均および単位分散を有するように、それぞれの観測されるスペクトルを標準化するステップを含むことができる。前処理するステップは、データライブラリから、各エネルギービンの平均値および標準偏差に対して、各エネルギービン(変数)を標準化するステップを含むことができる。各強度値は、その関連付けられたエネルギービンについてのカウントの数を表すことができる。
前処理されたデータライブラリは、前処理されたターゲットデータセットを取得するために使用されたものと同様の手続きを使用して取得されてよい。したがって、前処理されたデータライブラリは、
iv-a)自然起源放射性物質およびオプションで他のソース(これらは正常なソースであっても、異常なソースであってもよく、またはいくつかが正常で他が異常であってもよい)から、基準ガンマ線スペクトルを含むデータライブラリを取得するステップと、
iv-b)基準ガンマ線スペクトルのそれぞれから基準データセットを用意するステップであって、各基準データセットは、各強度値が前記基準ガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含む、基準データセットを用意するステップと、
iv-c)前処理されたデータライブラリを取得するために、各基準データセットを前処理するステップと
を含むプロセスによって、取得されてよい。
方法は、基準データセットを前処理するステップの前に、各基準データセットを再ビンするステップをさらに含むことができる。前処理するステップは、ターゲットデータセットのために使用されたものと同じであるべきである。したがって、前処理するステップは、正規化するステップであってよく、または正規化するステップを含んでよく、それにより、前処理されたデータライブラリは、正規化されたデータライブラリであってよい。
主成分空間は、前処理されたデータライブラリの相関行列の主成分分析(PCA)によって取得される複数の主成分によって定義されてよい。PCAは、相関行列の固有分析(eigenanalysis)または固有分解(eigen decomposition)を含むことができる。PCAは、相関行列の固有値および固有ベクトルを生成することができる。主成分空間は、およそ20未満の主成分を含むことができる。
ターゲットデータセットとデータライブラリの両方は、ガンマ線スペクトルに由来していない補足データを含むことができる。補足データは、非スペクトルデータであってよい。補足データは、たとえば、ターゲットの温度、ターゲットの熱出力、ターゲットが検出ゾーンを通過するときのターゲットの時間変化、ターゲットの地理的起源、ターゲット供給元、総個数、積荷目録のうちの少なくとも1つを含むことができる。データライブラリは、少なくともデータ変数と同じだけの基準データセット(スペクトル)を含むことができる。このコンテキストにおいて、データ変数は、エネルギービンおよび補足データを含む。データライブラリとターゲットデータセットの両方の補足データは、(値においては必ずしもでないが)数およびタイプにおいて同じであるべきである。したがって、ターゲットについての、およびすべての基準サンプルについての補足データは、たとえば、温度および原産国であってよい。いくつかのケースにおいて、補足データは操作されてもよく、たとえば、原産国情報は、スレットスコアに変換されてもよい。補足データは、ターゲットデータセットおよび基準データセットの両方について同じ測定単位で表されるべきである。
ステップ(v)の距離は、ブレグマン距離であってよい。距離は、マハラノビス距離であってもよい。距離は、なんらかの他の特徴的な距離であってもよい。
方法のステップ(i)は、ターゲットが検出ゾーンを通過するときに、ターゲットガンマ線スペクトルを入手するステップを含むことができる。ターゲットは、たとえば、車両(たとえば、自動車、トラック、列車の客車)、積荷、小包、貨物コンテナ、手荷物、または人であってよく、またはそれらを含んでもよく、またはそれらの中に、および/またはそれらの上に位置していてもよい。ステップ(i)は、検出ゾーンにおいてターゲットが止まることなく行われてよい。ターゲットガンマ線スペクトルは、およそ10秒未満で入手されてよい。ターゲットガンマ線スペクトルは、およそ10秒を上回って入手されてもよい。ターゲットガンマ線スペクトルは、携帯型のガンマ放射線モニタシステムを用いて入手されても、据え置き型のガンマ放射線モニタシステムを用いて入手されてもよい。
距離が閾値距離未満の場合に、ターゲットに異常な放射性物質が無いことに応答して、信号が生成されてよい。
異常な放射性物質の存在に応答して生成される信号は、可聴式または視覚的のいずれか、またはその両方でアラームを作動することができる。信号は、検出ゾーンを通ったターゲットがそれ以上通過するのを妨げるために、ブームゲートの降下、またはなんらかの他のバリアの作動をトリガすることができる。信号は、局部信号であってよい。信号は、リモート信号であってもよい。信号は、電子信号であってもよい。信号は、上記のうちの2つ以上をトリガする、または作動させてよい。
ある実施形態において、検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するための方法が提供され、前記方法は、
(i)ターゲットから、ターゲットガンマ線スペクトルを取得するステップと、
(ii)各強度値がターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、ターゲットガンマ線スペクトルから用意するステップ、およびターゲットデータセットを再ビンするステップと、
(iii)ターゲットデータセットを前処理するステップと、
(iv)前処理されたターゲットデータセットを、主成分空間に投影された、前処理されたデータライブラリを含む、前記主成分空間に投影するステップと、
(v)主成分空間において、投影された前処理されたターゲットデータセットと、投影された前処理されたデータライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定するステップと、
(vi)ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、距離を所定の閾値距離と比較するステップと
を含み、ここで、
距離が閾値距離よりも大きい(または大きいかそれに等しい)場合に、ターゲットの異常な放射性物質の存在に応答して、信号が生成される、または、
距離が閾値距離未満の場合に、ターゲットに異常な放射性物質が無いことに応答して、信号が生成される。
別の実施形態において、検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するための方法が提供され、前記方法は、
(i)ターゲットから、ターゲットガンマ線スペクトルを取得するステップと、
(ii)各強度値がターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、ターゲットガンマ線スペクトルから用意するステップと、
(iii)ターゲットデータセットを正規化するステップと、
(iv)正規化されたターゲットデータセットを、主成分空間に投影された、正規化されたデータライブラリを含む、前記主成分空間に投影するステップと、
(v)主成分空間において、投影された正規化されたターゲットデータセットと、投影された正規化されたデータライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定するステップと、
(vi)ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、距離を所定の閾値距離と比較するステップと
を含み、それにより、
距離が閾値距離よりも大きい(または大きいかそれに等しい)場合に、ターゲットの異常な放射性物質の存在に応答して、信号が生成される、または、
距離が閾値距離未満の場合に、ターゲットに異常な放射性物質が無いことに応答して、信号が生成される。
別の実施形態において、検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するための方法が提供され、前記方法は、
(i)ターゲットから、ターゲットガンマ線スペクトルを取得するステップと、
(ii)各強度値がターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、ターゲットガンマ線スペクトルから用意するステップと、
(iii)ターゲットデータセットを正規化するステップと、
(iv)正規化されたターゲットデータセットを、主成分空間に投影された、正規化されたデータライブラリを含む、前記主成分空間に投影するステップと、
(v)主成分空間において、投影された正規化されたターゲットデータセットと、投影された正規化されたデータライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定するステップと、
(vi)ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、距離を所定の閾値距離と比較するステップと
を含み、それにより、距離が閾値距離よりも大きい(または大きいかそれに等しい)場合に、ターゲットの異常な放射性物質の存在に応答して、信号が生成される。
別の実施形態において、検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するための方法が提供され、前記方法は、
・自然起源放射性物質およびオプションで他のソース(たとえば、他の正常なソースであるものの、いくつかのケースでは、他の正常でない、または異常なソースが含まれてもよい)から、基準ガンマ線スペクトルを含むデータライブラリを取得するステップと、
・基準ガンマ線スペクトルのそれぞれから基準データセットを用意するステップであって、各基準データセットは、各強度値が前記基準ガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含む、基準データセットを用意するステップ、および基準データセットを再ビンするステップと、
・前処理されたデータライブラリを取得するために、各基準データセットを前処理するステップと、
・自然起源放射性物質およびオプションで他のソースから取得された補足データにより、オプションでデータライブラリを補足するステップと、
・複数の主成分を取得するために、前処理されたデータライブラリの相関行列に主成分分析(PCA)を行うステップと、
・ターゲットから、ターゲットガンマ線スペクトルを取得するステップと、
・各強度値がターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、ターゲットガンマ線スペクトルから用意するステップ、およびターゲットデータセットを再ビンするステップと、
・ターゲットデータセットを前処理するステップと、
・前処理されたターゲットデータセットを、主成分によって定義され、主成分空間に投影された、前処理されたデータライブラリを含む、前記主成分空間に投影するステップと、
・主成分空間において、投影された前処理されたターゲットデータセットと、投影された前処理されたデータライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定するステップと、
・ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、距離を所定の閾値距離と比較するステップと
を含み、ここで、距離が閾値距離よりも大きい(または大きいかそれに等しい)場合に、ターゲットの異常な放射性物質の存在に応答して、信号が生成される。データライブラリおよびターゲットデータセットは、補足データを含んでよい、同じ変数についての情報を所有することになる。
本発明の第2の態様において、検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するための装置が提供され、前記装置は、
・ターゲットから、ターゲットガンマ線スペクトルを取得するための検出器と、
・ターゲットガンマ線スペクトルおよび前処理されたデータライブラリを記憶するためのメモリと、
・各強度値がターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、ターゲットガンマ線スペクトルから用意し、ターゲットデータセットを前処理(たとえば、正規化する)し、前処理された(たとえば、正規化された)ターゲットデータセットを、多次元の、たとえば主成分の空間に投影された、前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリを含む、前記多次元の、たとえば主成分の空間に投影し、多次元の、たとえば主成分の空間において、投影された前処理された(たとえば、正規化された)ターゲットデータセットと、投影された前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定し、ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、距離を所定の閾値距離と比較するための、メモリに結合されたプロセッサであって、それにより、(a)距離が閾値距離よりも大きい(または大きいかそれに等しい)場合に、ターゲットの異常な放射性物質の存在に応答して、信号が生成される、あるいは、(b)距離が閾値距離未満の場合に、ターゲットに異常な放射性物質が無いことに応答して、信号が生成される、プロセッサと、
・(a)異常な放射性物質の存在に対する物理的な応答を生成するために、異常な放射性物質がターゲットに存在するときの信号を受け入れるための、または、(b)異常な放射性物質が無いことに対する物理的な応答を生成するために、異常な放射性物質がターゲットに無いときの信号を受け入れるための、出力デバイスと
を含む。
検出器は、自然起源放射性物質(NORM)およびオプションで他のソース(オプションで他の正常なソース、場合によっては他の正常でない、または異常なソース)から、基準ガンマ線スペクトルを取得することが可能であってよく、プロセッサは、前処理された基準スペクトルから、前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリを形成するために、基準ガンマ線スペクトルを処理する(たとえば、正規化する)ことが可能であってよい。
プロセッサは、主成分空間のための主成分を生成するために、前処理されたデータライブラリの相関行列に主成分分析(PCA)を実行することが可能であってよい。プロセッサは、異常な放射性物質の有無を判定するのに使用するための補足データを入力するための補助入力機能を含むことができる。プロセッサは、たとえば、ターゲットの、および/または基準物質のソースに関連するデータを入力するための機能を含むことができる。プロセッサは、非数値の入力データ(たとえば、原産国)を、方法で使用するために変換されるべき数値に変換するための機能を含むことができる。
装置は、ターゲットから、補足データを取得するための1つまたは複数の補助的検出器を有することができる。好適な補助的検出器は、たとえば、非接触温度計を含むことができる。
ある実施形態において、装置は、異常な放射性物質の通過を妨げるための装置である。この実施形態では、出力デバイスの物理的な応答がデバイスの作動を表して、異常な放射性物質および/またはそれを輸送している車両の通過を妨げる。通過を妨げるためのデバイスは、たとえば、ブームゲートもしくは道路スパイク、または可動ボラードもしくはスタンションを含むことができ、あるいは、前記通過を妨げることができる警備員にシグナルを送るためのシグナリングデバイスを含むことができ、または、なんらかの他のそのようなデバイスを含むことができる。したがって、方法における距離が、所定の閾値を超える(異常な放射性物質が存在することを示す)とき、異常な放射性物質および/またはそれを輸送する車両の通過を妨げるように、信号がデバイスを作動させる。変形形態においては、デバイスは通常、異常な放射性物質および/またはそれを輸送する車両の通過がバリアまたは他のデバイスによって妨げられる位置にある。この変形形態では、異常な放射性物質および/またはそれを輸送する車両の通過に対するバリア(または他のデバイス)を移動させるために、方法における距離が所定の閾値を下回る(異常な放射性物質が存在しないことを示す)ときに、信号が生成される。
本発明の第3の態様において、コンピュータプログラムが提供され、コンピュータプログラムは、
・各強度値がターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、ターゲットガンマ線スペクトルから用意するためのコードと、
・ターゲットデータセットを前処理する(たとえば、正規化する)ためのコードと、
・前処理された(たとえば、正規化された)ターゲットデータセットを、多次元の、たとえば主成分の空間に投影された、前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリを含む、前記多次元の、たとえば主成分の空間に投影するためのコードと、
・多次元の、たとえば主成分の空間において、投影された前処理された(たとえば、正規化された)ターゲットデータセットと、投影された前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定するためのコードと、
・ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、距離を所定の閾値距離と比較するためのコードと
を含む。
コンピュータプログラムは、
・複数の基準ガンマ線スペクトルから、基準データセットを用意するためのコードであって、各基準データセットは、各強度値が前記基準ガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含む、基準データセットを用意するためのコードと、
・前処理されたデータライブラリを取得するために、各基準データセットを前処理する(たとえば、正規化する)ためのコードと
をさらに含むことができる。
コンピュータプログラムは、前処理されたデータライブラリから、相関行列を生み出すためのコードをさらに含むことができる。コンピュータプログラムは、主成分空間のための主成分を生成するために、前処理されたデータライブラリの相関行列に主成分分析(PCA)を実行するためのコードをさらに含むことができる。
本発明の第4の態様において、コンピュータプログラムを記録しているコンピュータ可読記憶媒体が提供され、プログラムは、検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無をコンピュータに判定させるために、コンピュータ装置によって実行可能であり、前記プログラムは、
・各強度値がターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、ターゲットガンマ線スペクトルから用意するためのコードと、
・ターゲットデータセットを前処理する(たとえば、正規化する)ためのコードと、
・前処理された(たとえば、正規化された)ターゲットデータセットを、多次元の、たとえば主成分の空間に投影された、前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリを含む、前記多次元の、たとえば主成分の空間に投影するためのコードと、
・多次元の、たとえば主成分の空間において、投影された前処理された(たとえば、正規化された)ターゲットデータセットと、投影された前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定するためのコードと、
・ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、距離を所定の閾値距離と比較するためのコードと
を含む。
プログラムは、
・複数の基準ガンマ線スペクトルから、基準データセットを用意するためのコードであって、各基準データセットは、各強度値が前記基準ガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含む、基準データセットを用意するためのコードと、
・前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリを取得するために、各基準データセットを前処理するためのコードと
をさらに含むことができる。
プログラムは、前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリから、相関行列を生み出すためのコードをさらに含むことができる。プログラムは、主成分空間のための主成分を生成するために、前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリの相関行列に主成分分析(PCA)を実行するためのコードをさらに含むことができる。
本発明の第5の態様において、検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するのに使用するためのコンピュータプログラム要素が提供され、前記要素は、
・各強度値がターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、ターゲットガンマ線スペクトルから用意し、
・ターゲットデータセットを前処理(たとえば、正規化)し、
・前処理された(たとえば、正規化された)ターゲットデータセットを、多次元の、たとえば主成分の空間に投影された、前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリを含む、前記多次元の、たとえば主成分の空間に投影し、
・多次元の、たとえば主成分の空間において、投影された前処理された(たとえば、正規化された)ターゲットデータセットと、投影された前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定し、
・ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、距離を所定の閾値距離と比較する
ための手続きを、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムコード手段を含む。
コンピュータプログラム要素は、
・複数の基準ガンマ線スペクトルから、基準データセットを用意することであって、各基準データセットは、各強度値が前記基準ガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含む、基準データセットを用意し、
・前処理されたデータライブラリを取得するために、各基準データセットを前処理(たとえば、正規化)する
ための手続きを、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムコード手段をさらに含むことができる。
コンピュータプログラム要素は、前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリから相関行列を生み出すための手続きを、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムコード手段をさらに含むことができる。コンピュータプログラム要素は、主成分空間のための主成分を生成するために、前処理された(たとえば、正規化された)データライブラリの相関行列に主成分分析(PCA)を実行するための手続きを、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムコード手段をさらに含むことができる。
本発明の第6の態様において、検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するために、上記で説明したような本発明による装置の使用が提供される。
本発明の第7の態様において、異常な放射性物質を保持するターゲットの通過を妨げるための方法が提供され、方法は、
第1の態様の方法を行うステップと、
ターゲットの異常な放射性物質の存在に応答して信号が生成された場合に、ターゲットの通過を妨げるようにバリアを作動させるステップ、または
ターゲットに異常な放射性物質が無いことに応答して信号が生成された場合に、ターゲットの通過を許可するようにバリアを作動させるステップ
を含む。
第1の事例(ターゲットの異常な放射性物質の存在に応答して信号が生成された場合)では、作動させるステップは、たとえば、ブームゲートを降下させるステップ、ボラードもしくは道路スパイクを立てるステップ、「停止」サインを照らすステップ、または他のやり方でターゲットの通過に対するバリアもしくは障害物を作り出すステップを含むことができる。第2の事例(ターゲットに異常な放射性物質が無いことに応答して信号が生成された場合)では、作動させるステップは、たとえば、ブームゲートを上げるステップ、ボラードもしくは道路スパイクを下げるステップ、「停止」サインを消すステップ、または他のやり方でターゲットの通過に対するバリアもしくは障害物を取り除くステップを含むことができる。
次に、本発明の好ましい実施形態が、例のみとして、添付の図面を参照して説明される。
本発明による装置のブロック図である。 本発明による装置のブロック図である。 本発明の方法のデータ処理ステップを示すブロック図である。 説明される構成を実施することができる、汎用コンピュータシステムの概略ブロック図である。 説明される構成を実施することができる、汎用コンピュータシステムの概略ブロック図である。
付録Aは、図2の方法を実行するためのソフトウェアの疑似コード表現である。
サンプル中に許可されていない物質が存在するかどうかを判定するために、1つのアプローチは、許可されていない物質のガンマ線スペクトルを取得し、許可されていない物質のいずれかがスペクトルに存在するかどうかを判定するために、それらのスペクトルと、サンプルのガンマ線スペクトルとを比較することである。背景技術の節で論じたように、このアプローチには、いくつかの実際上の問題が存在する。本発明者によって採用された代替的なアプローチは、許容可能な放射能(たとえば、知られている自然起源放射性物質、または放射性医薬製品などの放射性物質を含む許容可能な商品)を表すデータライブラリを入手し、サンプルが許容可能な放射能とは十分に異なる放射能を発しているかどうかを識別して、さらなる調査を正当であるとすることである。データライブラリはまた、他のソース(正常なソースであっても、異常なソースであってもよく、またはそのうちのいくつかが正常で他が異常であってもよい)からのデータを含むことができる。したがって、本アプローチは、サンプルにおける放射性発光体の性質を識別することは求めず、それらが異常であるかどうかを判定するのみである。このコンテキストにおいて、用語「異常な」とは、正常でない、または許容可能でない、または許可されていない物質を指す。
データライブラリは、知られている許容可能でない(異常な)ソースから取得された基準ガンマ線スペクトルを含むことができる。これらは、特殊な核物質および/または工業用放射性同位体を含むことができる。これらの許容可能でないソースのガンマ線スペクトル(およびオプションで関連付けられた補足データ)をデータライブラリに含めることにより、本発明の方法を使用するとき、脅威となる(異常な)ソースと、良性の(許容可能な)ソースとの見分けを向上させることができる。
本発明で取られるアプローチは、サンプルをデータライブラリと比較することを含む。このことを効率的に遂行するために、ライブラリに貢献するガンマ線スペクトルは、標準的なプロトコルに従って処理され、主成分分析によって、いくつかの相関関係のない主成分に変換される。これは、処理を円滑化するために、問題の次元数を減少させる。いくつかの事例において、主成分分析(PCA)は、データライブラリの次元数を減少させるためのなんらかの他の方法、たとえば、遺伝的アルゴリズム、ニューラルネットワーク、部分最小二乗法(PLS)、逆最小二乗法、カーネルPCA、LLE、ヘシアンLLE(Hessian LLE)、ラプラシアン固有マップ、LTSA、アイソマップ(isomap)、最大分散展開、ボルツマンマシン、投影追跡、隠れマルコフモデルサポートベクトルマシン、カーネル回帰、線形判別分析および分類、k-最近傍分析、ファジイニューラルネットワーク、ベイジアンネットワーク、またはクラスタ分析に、置き換えられてもよい。
このアプローチは、さらに見分けを向上させて、誤検出の発生率を減少させるために、ガンマ線スペクトルに由来していない補足データが本方法に入力されるのを可能にする。そのような補足データは、たとえば、熱出力、検出ゾーンを通るソースの時間変化、ターゲットの地理的起源、ターゲット供給元、総個数、積荷目録などを含むことができる。
本方法の重要な特徴は、主成分を決定するための、PCAにおける相関行列の使用(本明細書では「相関方法」と呼ばれる)である。これは、以下を含むさまざまな利点をもたらす。
・相関方法は、データライブラリの標準化されたバージョンの主成分を見つけることに注目し、それにより、測定されたスペクトルの相対強度が主成分を支配し、パフォーマンスに悪影響を与える、先行技術の共分散を使用することによる問題を回避する。
・相関方法は、スペクトルの形状の違いにより集中し、それにより、異常のより正確な検出を可能にし、逆に言えば、誤アラームをより少なくする。
・相関方法は、ターゲットのエネルギースペクトルとの組合せにおいて、追加の入力変数が使用されるのを可能にする。
非スペクトルデータ、たとえば、ターゲットが検出ゾーンを移動するときの、ターゲットにより生成される熱および/またはこれらのスペクトルの時間変化が、分析に追加されてよい。これらを追加することによって、異常検出における信頼性を高める結果となり得る。方法の別の主要な特徴は、見分ける能力を最適化するために、それぞれの観測されるスペクトルが、データを操作する関数によって前処理されてよいことである。これらの関数は、限定はしないが、強度正規化、観測標準化、および変数標準化を含むことができる。強度正規化では、それぞれの観測されるスペクトルが、カウントの最大数を有するエネルギービンによって正規化される。この強度正規化は、測定される物質が検出ゾーンを移動する速度に起因するばらつきを取り除く。観測標準化では、それぞれの観測されるスペクトルが、ゼロ平均および単位分散を有するように標準化される。変数標準化では、観測されるスペクトルの各エネルギービンが、データライブラリのそれぞれのエネルギービンの平均値および標準偏差によって標準化される。この変数標準化により、異なる測定の変数をより直接的に比較可能にすることができる。
方法は、ガンマ線スペクトルを取得するために使用されるデバイスを較正するステップを含むことができる。方法は、ターゲットガンマ線スペクトルに、および/または基準ガンマ線スペクトルに較正を適用するステップを含むことができる。ターゲットガンマ線スペクトルの、または基準ガンマ線スペクトルのいずれか、または両方の較正は、ガンマ線スペクトルを取得するために使用されるデバイスを標準化する目的のためであってよい。較正は、定期的に行われてよい。較正は、スペクトルが入手される度に行われてもよい。較正は、スペクトルが入手される度に行われなくてもよい。較正は、たとえば、5スペクトルごとに、または、10、15、20、25、30、35、40、45、または50スペクトルごとに行われてもよい。較正は、毎時間、または、2、3、4、5、6、12、24、または48時間ごとに行われてもよい。したがって、経時的に、スペクトルのエネルギー軸がドリフトすることがあり、エネルギー軸の正しいエネルギー値を回復するために、上記で説明したような較正が必要となることがある。
ガンマ線スペクトルは、ガンマ線検出器の使用により取得されてよい。これは、たとえば、タリウムドープヨウ化ナトリウムベースのガンマ線検出器を含むことができる。検出器は、タリウムドープヨウ化ナトリウムベースの分光放射線ポータルモニタを含むことができる。検出器は、信号を増幅するための信号増幅器を含むことができる。入手される(ターゲットの、または基準サンプルのいずれかの)未処理のガンマ線信号は、多チャンネル分析器に通されてよい。信号は、検出器におけるエネルギー軸のドリフトを補償するために、較正されてよい。多チャンネル分析器は、スペクトルのデータを、いくつかのビン(すなわち、エネルギービン)に分割することができる。一般に、多チャンネル分析器は、およそ1024のデータビンを生成することになるが、分析器によっては、これより多いまたは少ないこともあり得る。エネルギービンの数を減少させる、すなわち、データを再ビンすることが好ましく、それにより、結果として得られるデータセットの変数の数を減少させる。これにより、計算速度を向上させることができる。元のスペクトルのエネルギービンは、カウントがそこに由来するガンマ線スペクトルのエネルギーインターバルの最小インクリメントを表す。一般に、各インターバル、または元のスペクトルのビンは、エネルギーにおける同一の幅を有する。スペクトルの再ビニングは、各エネルギービンの幅を均一に増やすことを含み、それにより、全エネルギー範囲にわたるビンの合計数を減少させ、新たに定義されるビン内のカウントの数を増やすことができる。この再ビニングは、必ずしも一次関数に限定されない。再ビンされたスペクトルは、たとえば、エネルギーの平方に、またはなんらかの他の好適な関数に比例してもよい、均一でないビン幅を含むことができる。再ビンされたスペクトルはまた、エネルギー範囲にわたって変化することがある、ユーザが定義したビン幅を含むことができる。他で説明したように、補足変数がまた追加されてもよいものの、再ビンされたスペクトルのエネルギービンの数は、事実上、データライブラリの変数の数である。変数の数が多くなるほど、PCAの計算時間も多くなる。ビンは、異なる関数に合うように、再ビンされてよい。これは、複数の検出器からのスペクトルを組み合わせることを可能にしてよい。基準データセットおよびターゲットデータセットの再ビニングは、すべてのデータセットが同じエネルギービンを使用するようなものであってよい。
データは次いで、すべてのエネルギービンにわたるカウントの最も大きい数を基準にして正規化されてよい。これは、進入するポートにおいて発生し得る、さまざまなRPM(放射線ポータルモニタ)入手時間からの影響、およびRPMの検出ゾーンをターゲットが通過する速度のばらつきの影響を取り除く。
それぞれの観測されるエネルギースペクトルのデータは、標準化されてもよいし、標準化されなくてもよい。この観測標準化は、すべてのエネルギービンにわたる分散を1に基準化(scale)する。
データは、標準化された各変数を有してもよいし、標準化された各変数を有さなくてもよい。この変数標準化は、異なる測定の変数を、より直接的に比較可能にすることができる。
データライブラリは、知られているソースから取得された基準ガンマ線スペクトル(およびオプションで関連付けられた補足データ)から取得される。これらは、自然起源放射性物質であっても、良性および/または許容可能として知られるソースであってもよく、かつ任意の他のタイプのソース、たとえば、異常なソースまたは許容可能でないソースを含むことができる。基準ガンマ線スペクトルは、ターゲットスペクトルと同様のやり方で扱われてよく、それにより、両者は比較可能となり、意味のある比較を提供することになる。データライブラリはまた、ターゲットが異常であるとみなされるべきかどうかの判定を補助することができる補足データを組み込むことができる。たとえば、特定の国からのターゲットが異常である可能性がより高いことが知られている場合、基準データセットに貢献するように、原産国データをデータライブラリに入力することができる。対応するデータを、次にまた、そのデータがターゲットデータセットにも同様に貢献することになるように、ターゲットをスキャンするときに入力することになる。同様に、より高い平均温度を有するターゲットが異常である可能性がより高いことが知られている場合、(温度検出器によって測定された)平均温度データをデータライブラリに入力することができる。データライブラリは、方法の(およびシステムの)見分ける能力を向上させるために、追加の基準データセットによって、間欠的に、または定期的に増大されてよい。データライブラリは、少なくともおよそ10の主成分、または少なくともおよそ11、12、13、14、もしくは15の主成分、あるいは、多くともおよそ20の主成分、または多くともおよそ19、18、17、16、もしくは15の主成分、または、およそ10からおよそ20の主成分、または、およそ10から15、15から20、または12から18の主成分、たとえば、およそ10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20の主成分に基づくことができる。いくつかのケースでは、20よりも多い主成分、たとえば、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30、またはそれ以上の主成分が使用されてもよい。分析の次元数を減少させることにより、迅速な、オプションではリアルタイムの処理を可能にするように、ターゲットを基準ラ
イブラリと比較するタスクが単純化され、それにより、異常なソースを、迅速に、時宜を得たやり方で識別することができる。
PCAは、入力データ(前処理された基準スペクトル、およびオプションでやはり他で説明したような補足データ)の相関行列に、固有分析を用いて行うことができる。次いで、相関行列の固有値および対応する固有ベクトルが取得される。これらは次いで、最も大きい値の固有値の順にランク付けされる。最も大きなn個の固有値を有するn個の固有ベクトルが、次いで主成分として選択され、ここで、nは、方法の十分な能力と、許容可能な処理時間との妥協点を提供するために選択される数である(主成分の好適な数は、上で説明された)。好適なnの選択は、したがって、方法を行うために使用されるプロセッサ(たとえば、コンピュータ)の能力および速度に依存してよい。
本発明の方法において行われるデータ処理の例として、多チャンネル分析器は、ガンマ線スペクトルにおける異なるガンマ線エネルギーのための一組のカウントを生成することができる。α個の異なるガンマ線エネルギーを表す、合計でα個のエネルギービンが存在する場合に、これらはS1からSαで示されてよい。S1からSαの単純な再ビニングは、エネルギービンのプーリングペア(pooling pair)を含んで、再ビンされたデータセットR1からRbを形成することができ、ここで、a=2b(それにより、再ビニングは、エネルギービンの数の二等分を表す)、およびRx=S2x-1+S2xである。他で論じたように、再ビニングの他の方法が使用されてもよい。再ビンされたデータは、R1からRbの最も大きな値に正規化されて、エネルギービンN1からNbを有するガンマ線スペクトルを提供することができる。このデータセットは、オプションで、最終的なデータセットN1, N2, …, Nb, A1, A2, …, Acを形成するように、ガンマ線スペクトルから取得されたのではない追加のデータA1からAcによって補足されてよい。
上のデータ処理が、m個の異なる基準サンプル(ここで、mは、好ましくはb+cより大きいかそれに等しい)で行われる場合、データ行列は、m行が異なるデータセット(または観測値)であり、b+c列が変数を表すところに構築され得る。このデータ行列の相関行列が取得され、結果として得られるこの相関行列の固有分析(または固有分解)が、p個の固有ベクトルおよび固有値のペアを生み出し、ここで、p=b+cである。これらは、それぞれ、V1からVpおよびe1からepで示されてよい(ここで、固有値exは、固有ベクトルVxに対応する)。固有値は次いで、数字順に(すなわち、大きいものから順に)ランク付けされ、最も大きいn個の固有値(一般的には、およそ1から20であるが、pまでであってよい)が保持される。この説明において、主成分は、最も大きい固有値の観点から並べられた固有ベクトルとして定義される。しかしながら、文献で何人かの著者は、主成分についての係数のベクトルまたはローディングとして、固有ベクトルを指しており、ここで、主成分は導出変数を指すことに留意すべきである。
データセットを新しい多次元の空間に投影することは、主成分(すなわち、選択された固有ベクトル)にデータセットを乗ずることによって実行される。データライブラリおよびターゲットスペクトルが主成分空間に投影されると、それらの間で比較を行うことができる。
たとえば共分散行列ではなく、相関行列を使用することの利点は、限定はしないが、(1)PCAからスケール依存性を取り除くこと、および(2)標準化された変数が無次元であり、主成分スコアを与えるために容易に組み合わせることができること(これは、共分散行列には当てはならない)を含むことができる。
前処理されたデータライブラリは、多次元の空間に投影される。多次元の空間は、物理的な空間ではなく、むしろ、有益な比較を提供するためにデータセット(ターゲットおよび基準の両方)を表すための、コンピュータ内、または他のプロセッサ内の数学的構造である。多次元の空間の次元数は、PCAから取得された(または選択された)主成分の数に対応することができる。データライブラリは、多次元の空間内の1つまたは複数のクラスタによって表されてよい。前処理されたターゲットスペクトルがこの多次元の空間に投影されるとき、特徴的な距離、たとえば、クラスタからの、投影されたターゲットスペクトルのマハラノビス距離が、測定されてよい。マハラノビス距離は、分類技法において使用される測定である。マハラノビス距離は、重み付けがサンプルの分散-共分散行列によって決定される場合の事実上の重み付けユークリッド距離である。この距離が大きいほど、ターゲットが異常である、すなわち、基準物質および(使用される場合は)補足データに照らして型にはまらないという尤度が大きくなる。したがって、距離が、閾値距離と比較される場合に、ターゲットが異常であるかどうかについて判定を行うことができ、ターゲットが異常であるとみなされる場合に、アラームが発動されてよい。いくつかのケースにおいて、距離が閾値距離よりも小さい場合に、ターゲットが異常ではないことを示す信号を提供することが有用であり得る。代替として、距離は、ターゲットが異常であるという確率に変換することができ、この確率が、出力として表示されてもよい。異常なターゲットに応答する好適なアラームは、たとえば、可聴式アラーム(たとえば、ホーン、サイレン、または類似物)、視覚的アラーム(たとえば、光、オプションで点滅光)、ターゲットまたはターゲットを保持する車両の通過を妨げるためのバリアの作動(たとえば、ブームゲートを降下する、道路スパイクを立てる、ゲートを閉める)、ターゲットまたは車両のドライバへの指示の作動(たとえば、「停止」サインのイルミネーション、前記ドライバへの可聴式の指示の作動)、またはなんらかの他のタイプのアラームであってよい。アラームはまた、アラーム状態または警報を発していることを認識する目的のために、別のシステムに提供される論理状態であってもよい。これらのタイプのアラームの2つ以上が使用されてよい。これらのタイプのアラームは、同時に作動してよい。これらのタイプのアラームは、同時でなく作動してもよい。これらのタイプのアラームは、連続的に作動してもよい。したがって、本発明の装置は、可聴式アラームデバイス、視覚的アラームデバイス、および作動可能なバリアなどの物理的なアラームデバイスのうちの1つまたは複数を含むことができる。方法は、それに応じて、ターゲットが異常であると識別されたとき、または車両が異常なソースを保持していると識別されたときに、作動可能なバリアを作動させるステップを含むことができる。先に言及した通り、代替的な動作モードでは、ターゲットが異常ではないと(すなわち、正常または許容可能であると)識別されたときにのみ、信号が生成される。このケースでは、作動可能なバリアは、信号に応答して取り除かれる、または引っ込められることになり、異常な物質を保持していない車両が通される。したがって、方法は、ターゲットが異常なソースを保持していると識別されたとき(すなわち、距離が所定の閾値よりも大きいかそれに等しいとき)に、ターゲットの通過を妨げるバリアデバイス、および、ターゲットが異常なソースを保持していないと識別されたとき(すなわち、距離が所定の閾値未満のとき)に、ターゲットの通過を許可するバリアデバイスに、信号を伝えるステップを含むことができる。このデバイスは、ターゲットが異常なソースを含まないという判定に応答して(ターゲットの通過を許可する、または促すために)デバイスを開くように信号が要求されるように、通常は閉じた状態(すなわち、ターゲットの通過が妨げられる、または阻止される状態にある)にあってもよく、あるいは、デバイスは、ターゲットが異常なソースを含むという判定に応答して(ターゲットの通過を阻止する、または妨げるために)デバイスを閉じるように信号が要求されるように、通常は開いた状態(すなわち、ターゲットの通過が許可される状態にある)にあってもよい。上で論じたように、確率を出力として提供することが可能であってよい。したがって、結果を尤度関数として表すことができる。異常な事象が発生したという尤度は、ターゲットに異常な物質が存在したか否かを定義するために使用されるプリセット値を有する整数として表されてよい。本発明の装置はまた、カメラ、または類似した写真用記録デバイスを含むことができる。これは、検出ゾーンを通過するすべてのターゲットもしくは車両の画像を記録するために、または、異常なソースが検出されたときに、検出ゾーンを通過するターゲットもしくは車両の画像を記録するために、使用されてよい。それは、検出ゾーンを通過するすべてのターゲットもしくは車両の画像をオペレータに送信するために、または、異常なソースが検出されたときに、検出ゾーンを通過するターゲットもしくは車両の画像を前記オペレータに送信するために使用されてもよい。このケースでは、信号は、(複数の)画像を表示するためのビデオディスプレイに送信されてよい。カメラもしくは類似した写真用デバイスからの情報は、補足データを入手するために、または、ターゲットが異常であるかどうかを判定するためのPCAにおいて使用するための補足データの性質を判定するために、使用されてよい。本発明の方法は、検出ゾーンを通過する車両もしくはターゲットごとに、あるいは、異常なソースであると識別された、または異常なソースを保持していると識別された、検出ゾーンを通過する車両もしくはターゲットごとに、車両もしくはターゲット、またはその一部(たとえばナンバープレート)の画像を、検出するステップ、および記録するステップ、および/または送信するステップを含むことができる。
ターゲットガンマ線スペクトルの入手の際、ターゲットは、検出器がスペクトルを検出することができる検出ゾーンを通過することができる。ソースは、およそ1からおよそ12km/hの平均速度で、またはおよそ1から8、1から5、5から10、1から3、3から5、もしくは2から4km/hの平均速度で、たとえば、およそ1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12km/hの平均速度で、検出ゾーンを通過することができる。ターゲットの検出ゾーンの通過時間は、およそ5からおよそ80秒、またはおよそ5から50、5から20、5から15、10から80、50から80、20から50、または5、5から15、15から20、5から10、10から15、もしくは7から12秒、たとえば、およそ5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、もしくは80秒であってよい。検出ゾーンは、およそ5からおよそ25mの長さ、またはおよそ5から20、5から15、5から10、10から25、15から25、もしくは10から10m、たとえば、およそ5、10、15、20、もしくは25mであってよい。ターゲットは、人、トラック、または自動車、または列車の客車、またはなんらかの他の車両であってよく、またはその一部であってよく、あるいはそれらによって輸送されていてよい。
図1は、本発明で使用するための好適な装置のブロック図を示す。このように、検出器10は、ソースから、たとえば、検出ゾーン30を通過する車両20から、ガンマ線スペクトルを入手するように配置された分光ポータル検出器、たとえば、NaI(Tl)ベースの検出器である。いくつかの実施形態において、メインの検出器(検出器10)は、基準スペクトルおよびターゲットスペクトルの両方を収集することができる。たとえば、検出ゾーン内にターゲットが無いとき、バックグラウンドの基準スペクトルが入手されてよい。基準検出器が使用される場合、それはポータルモニタからリモートであってもよい。基準検出器がある場合、それは、検出ゾーンから遮られていてもよい。
装置はまた、NORMの基準スペクトルを入手するための基準検出器40を含むことができるが、上で論じたように、これはいくつかのケースにおいては、省略されてもよい。装置はまた、補足データ、たとえば、車両20が検出ゾーン30を通過するときの車両20からの温度データを入手するための1つまたは複数の二次検出器(図示せず)を含むことができ、また、補足基準データを入手するための1つまたは複数の二次基準検出器(図示せず)を含むことができる。検出器10に結合された増幅器50が、検出器10からの、および基準検出器40がある場合は、基準検出器40からのデータを増幅するために提供される。これは次いで、増幅器50からの増幅されたデータの最初のビニングを提供するための多チャンネル分析器60に結合される。多チャンネル分析器60は、コンピュータ80のメモリ70に結合されて、それにより、分析器60から入力されたデータが記憶されてよい。メモリ70はまた、NORMから、および他の物質から取得されたデータライブラリを含む。メモリ70は、検出器10によって取得されたデータを処理し、ターゲット20が異常であるかどうかを判定するためのプロセッサ90に結合される。出力100は、ターゲット20が異常であると判定された場合に、アラームを合図するために提供される。出力100は、視覚的な出力、たとえば、アラーム光の形態を取ることができる。出力100は、サウンド出力、たとえば可聴式信号の形態を取ることができる。出力100は、たとえば、ターゲット20の通過を妨げるためにブームゲートを降下させる、措置の形態を取ることができる。出力100は、これらのうちの2つ以上の形態を同時に(または連続的に)取ることができる。図1aは、図1の装置と同様の装置のブロック図を示し、ここでは、異常なターゲットが識別された場合に車両20の通過を妨げるために、作動可能なバリア110が存在する。図1において、出力100は、可聴式アラームの形態であってよい。
したがって、動作において、ターゲット20は検出ゾーン30を通過する。これは、一般には、ターゲット20の前進する動きを止めることを伴わず、通常およそ5秒からおよそ80秒かかる。この期間中に、検出器10がターゲット20のガンマ線スペクトルを入手し、スペクトルの信号を増幅する増幅器50にスペクトルを渡す。増幅されたスペクトルは次いで、増幅されたスペクトルのデータの最初のビニングを実行する多チャンネル分析器60に渡され、ビンされたスペクトルは、記憶のためにメモリ70に渡される。検出器10はまた、データライブラリの作成に使用するための基準スペクトルを入手するために使用されてよい。代替として、またはそれに加えて、基準検出器40がこの目的のために使用されてもよい。いずれにしても、基準スペクトルが、ターゲットスペクトルのために上で説明したように処理され、次いでメモリ70に渡される。スペクトルデータ、およびオプションで補助的検出器から取得された他のデータは、処理のためにプロセッサ90に渡され、基準データは、プロセッサを使用することによって、多次元の空間に投影されるデータライブラリを生成するために使用される。ターゲットスペクトルは、投影されたデータライブラリからの、投影されたターゲットスペクトルの特徴的な距離を取得するために、同様に処理され、この多次元の空間に投影される。プロセッサ90は次いで、この距離から、ターゲット20が異常であるとみなされるかどうかを判定し、ターゲット20が異常である場合に、出力100への信号を生成する。次いで適切な措置が取られてよく、たとえば、ターゲット20をさらなる調査のために脇にそらすことができ、またはターゲット20の通過を妨げるためにバリアを降下させることができ、あるいは、なんらかの他の措置が取られてもよい。図1aの装置において、出力100は、可聴式アラームである。したがって、ターゲットが異常であると判定された場合に、アラーム100が鳴らされる。また、ターゲットが異常であると判定された場合に、ターゲット20の通過を妨げるように、作動可能なバリア110が作動する。
図2は、本発明の方法を示す流れ図を示す。最初に、基準スペクトルが、再ビンされ、前処理され、オプションで補足データと一緒に、主成分を生成するために、相関行列でPCAによって分析される。別々に、ターゲットスペクトルが、前処理されたターゲットデータセットを生成するために、再ビンされ、前処理される。前処理されたターゲットデータセットは次いで、前処理されたデータライブラリと一緒に、多次元の空間に投影され、多次元の空間において、前処理されたデータライブラリのクラスタからの、前処理されたターゲットデータセットの特徴的な距離が測定される。これは次いで、ターゲットスペクトルが異常なソースから取得されたかどうかを判定するために、閾値と比較される。
図3Aおよび3Bは、説明されたさまざまな構成を実施することができる、汎用コンピュータシステム300の概略ブロック図を共同で形成する。
図3Aに見られるように、コンピュータシステム300は、コンピュータモジュール301と、キーボード302、マウスポインタデバイス303、スキャナ326、カメラ327、およびマイクロフォン380などの入力デバイスと、プリンタ315、ディスプレイデバイス314、およびラウドスピーカ317を含む出力デバイスとによって形成される。外部の変調復調器(モデム)トランシーバデバイス316が、接続321を介して、通信ネットワーク320へ、および通信ネットワーク320から通信するために、コンピュータモジュール301によって使用されてよい。ネットワーク320は、インターネットまたはプライベートWANなどのワイドエリアネットワーク(WAN)であってよい。接続321が電話線である場合、モデム316は、従来の「ダイアルアップ」モデムであってよい。代替として、接続321が高容量(たとえば、ケーブル)接続である場合、モデム316は、ブロードバンドモデムであってもよい。ワイヤレスモデムがまた、ネットワーク320へのワイヤレス接続のために使用されてもよい。
コンピュータモジュール301は、一般に、少なくとも1つのプロセッサユニット305と、たとえば、半導体ランダムアクセスメモリ(RAM)および半導体読み出し専用メモリ(ROM)から形成されるメモリユニット306とを含む。モジュール301はまた、いくつかの入力/出力(I/O)インターフェースを含み、入力/出力(I/O)インターフェースは、ビデオディスプレイ314、ラウドスピーカ317、およびマイクロフォン380に結合するオーディオビデオインターフェース307と、キーボード302、マウス303、スキャナ326、カメラ327、およびオプションでジョイスティック(図示せず)のためのI/Oインターフェース313と、外部のモデム316およびプリンタ315のためのインターフェース308とを含む。いくつかの実装形態において、モデム316は、コンピュータモジュール301の内部、たとえば、インターフェース308の内部に組み込まれていてよい。コンピュータモジュール301はまた、接続323を介して、コンピュータシステム300と、ローカルエリアネットワーク(LAN)として知られるローカルコンピュータネットワーク322との結合を可能にするローカルネットワークインターフェース311を有する。さらに図示されるように、ローカルネットワーク322はまた、いわゆる「ファイヤウォール」デバイスまたは類似した機能性のデバイスを一般に含むことになる、ワイドエリアネットワーク320に、接続324を介して結合することができる。インターフェース311は、Ethernet(登録商標)回路カード、Bluetooth(登録商標)ワイヤレス構成、またはIEEE802.11ワイヤレス構成によって形成されてよい。
インターフェース308および313は、シリアル接続性およびパラレル接続性のいずれか、またはその両方を与えることができ、前者は、一般に、ユニバーサルシリアルバス(USB)標準に従って実装され、対応するUSBコネクタ(図示せず)を有する。記憶デバイス309が提供され、これは一般に、ハードディスクドライブ(HDD)310を含む。フロッピー(登録商標)ディスクドライブおよび磁気テープドライブ(図示せず)などの、他の記憶デバイスがまた使用されてもよい。光学ディスクドライブ312は、一般に、データの非揮発性ソースとして働くように提供される。たとえば、光学ディスク(たとえば、CD-ROM、DVD)、USB-RAM、およびフロッピー(登録商標)ディスクなどの携帯型のメモリデバイスが、システム300への適切なデータのソースとしてさらに使用されてよい。
コンピュータモジュール301のコンポーネント305から313は、一般に、相互接続されたバス304を介して、かつ当業者に知られたコンピュータシステム300の従来の動作モードをもたらすやり方で、通信する。説明した構成を実施することができるコンピュータの例は、IBM-PCおよびその互換機、Sun Sparcstations、Apple Mac(商標)、またはそれらから発展した同様のコンピュータシステムを含む。
本発明の方法は、コンピュータシステム300を使用して実装されてよく、方法において、上で説明した図2のプロセスは、コンピュータシステム300内で実行可能な1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションプログラム333として実装されてよい。とりわけ、方法のステップは、コンピュータシステム300内で実行されるソフトウェア333の命令331によって達成される。ソフトウェア命令331は、それぞれが1つまたは複数の特定のタスクを実行するための、1つまたは複数のコードモジュールとして形成されてよい。ソフトウェアはまた、2つの別個の部分に分割されてよく、そこでは、第1の部分および対応するコードモジュールが、方法を実行し、第2の部分および対応するコードモジュールが、第1の部分とユーザとの間のユーザインターフェースを管理する。
ソフトウェア333は、概して、コンピュータ可読媒体からコンピュータシステム300にロードされ、次いで、図3Aに示されるようなHDD310またはメモリ306に一般的に記憶され、その後、ソフトウェア333は、コンピュータシステム300によって実行され得る。いくつかの事例では、メモリ310または306に記憶される前に、1つまたは複数のCD-ROM325上で符号化され、対応するドライブ312を介して読み込まれたアプリケーションプログラム333が、ユーザに供給されてもよい。代替として、ソフトウェア333は、ネットワーク320もしくは322からコンピュータシステム300によって読み込まれる、または他のコンピュータ可読媒体からコンピュータシステム300にロードされてもよい。加えて、または代替として、データ、たとえばデータライブラリ、またはデータライブラリを用意するのに使用される基準スペクトルは、メモリ310もしくは306に記憶されてもよく、あるいは、CDもしくは他のコンピュータ可読媒体から、またはインターネット上で、またはなんらかの他のやり方によって、前記メモリにロードされてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、命令および/またはデータを、実行および/または処理のためにコンピュータシステム300に提供するのに関与する、任意の記憶媒体を指す。そのような記憶媒体の例は、そのようなデバイスがコンピュータモジュール301の内部または外部のいずれにあるにせよ、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、CD-ROM、ハードディスクドライブ、ROMもしくは集積回路、USBメモリ、磁気光学ディスク、またはPCMCIAカードなどのコンピュータ可読カードなどを含む。ソフトウェア、アプリケーションプログラム、命令および/またはデータを、コンピュータモジュール301に提供するのにやはり関与することができるコンピュータ可読伝送媒体の例は、別のコンピュータもしくはネットワーク化されたデバイス、ならびに電子メール伝送およびウェブサイトに記録された情報などを含むインターネットまたはイントラネットへの、無線または赤外線伝送チャンネル、ならびにネットワーク接続を含む。
上で言及したアプリケーションプログラム333の第2の部分および対応するコードモジュールは、1つまたは複数のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を実装してレンダリングされる、または別のやり方でディスプレイ314に表されるように、実行されてよい。一般には、キーボード302およびマウス303の操作を通して、コンピュータシステム300およびアプリケーションのユーザが、機能的に適応可能なやり方でインターフェースを操作して、GUIに関連付けられたアプリケーションに、制御するコマンドおよび/または入力を与えることができる。ラウドスピーカ317を介したスピーチプロンプト出力、およびマイクロフォン380を介したユーザの音声コマンド入力を利用するオーディオインターフェースなどの、他の形態の機能的に適応可能なユーザインターフェースがまた実装されてもよい。
図3Bは、プロセッサ305および「メモリ」334の詳細な概略ブロック図である。メモリ334は、図3Aのコンピュータモジュール301によってアクセスされ得る、すべてのメモリデバイス(HDD310および半導体メモリ306を含む)の論理的集合体を表す。
コンピュータモジュール301が最初に起動するとき、パワーオンセルフテスト(POST)プログラム350が実行される。POSTプログラム350は、一般に、半導体メモリ306のROM349に記憶されている。ROM349などのハードウェアデバイスに永続的に記憶されているプログラムは、時にファームウェアと呼ばれる。POSTプログラム350は、コンピュータモジュール301内のハードウェアを検査して適正に機能することを保証し、プロセッサ305、メモリ(309、306)、およびやはり一般にROM349に記憶されている基本入出力システムソフトウェア(BIOS)モジュール351を、正しい動作のために一般にチェックする。POSTプログラム350が正常に実行されると、BIOS351がハードディスクドライブ310を作動させる。ハードディスクドライブ310の作動は、ハードディスクドライブ310に常駐しているブートストラップローダプログラム352を、プロセッサ305を介して実行させる。これが、オペレーティングシステム353をRAMメモリ306にロードし、その時点で、オペレーティングシステム353は動作を開始する。オペレーティングシステム353は、プロセッサ管理、メモリ管理、デバイス管理、記憶管理、ソフトウェアアプリケーションインターフェース、および包括的なユーザインターフェースを含むさまざまな高レベル機能を遂行するために、プロセッサ305によって実行可能な、システムレベルのアプリケーションである。
オペレーティングシステム353は、コンピュータモジュール301で動作するそれぞれのプロセスまたはアプリケーションが、別のプロセスに割り当てられたメモリと衝突することなく、実行するのに十分なメモリを有することを保証するために、メモリ(309、306)を管理する。さらに、システム300で利用可能な異なるタイプのメモリが、それぞれのプロセスが効率的に動作できるように、適切に使用されなければならない。したがって、集合化されたメモリ334は、(特に明記しない限り)メモリの特定のセグメントがどのように割り当てられるかを示すことは意図せず、むしろ、コンピュータシステム300によってアクセス可能なメモリの全体像、およびそのようなものがどのように使用されるかを提供することを意図する。
プロセッサ305は、制御ユニット339、算術論理演算ユニット(ALU)340、および時にキャッシュメモリと呼ばれるローカルメモリまたは内部メモリ348を含む、いくつかの機能モジュールを含む。キャッシュメモリ348は、一般に、レジスタ部に、いくつかの記憶レジスタ344〜346を含む。1つまたは複数の内部バス341が、これらの機能モジュールを機能的に相互接続する。プロセッサ305はまた、一般に、接続318を使用し、システムバス304を介して外部デバイスと通信するための、1つまたは複数のインターフェース342を有する。
アプリケーションプログラム333は、条件付き分岐命令およびループ命令を含むことができる一連の命令331を含む。プログラム333はまた、プログラム333の実行に使用されるデータ332を含むことができる。命令331およびデータ332は、それぞれ、メモリロケーション328〜330および335〜337に記憶される。命令331およびメモリロケーション328〜330の相対的なサイズに応じて、特定の命令が、メモリロケーション330に示す命令により表されるように、単一のメモリロケーションに記憶されてよい。代替として、命令は、メモリロケーション328〜329に示す命令セグメントにより表されるように、そのそれぞれが別個のメモリロケーションに記憶される、いくつかの部分にセグメント化されてもよい。
概して、プロセッサ305は、その中で実行される一連の命令を与えられる。プロセッサ305は次いで、別の一連の命令を実行することによってそれに反応する、後続の入力を待つ。それぞれの入力は、入力デバイス302、303のうちの1つまたは複数によって生成されるデータ、ネットワーク320、322のうちの1つにわたって外部ソースから受信されるデータ、記憶デバイス306、309のうちの1つから取り出されるデータ、または対応するリーダ312の中に挿入された記憶媒体325から取り出されるデータを含む、いくつかのソースのうちの1つまたは複数から提供されてよい。一組の命令の実行は、いくつかのケースにおいて、データの出力をもたらすことができる。実行はまた、データまたは変数を、メモリ334に記憶することを含むことができる。
開示された構成は、メモリ334の、対応するメモリロケーション355〜358に記憶される入力変数354を使用する。構成は、メモリ334の、対応するメモリロケーション362〜365に記憶される出力変数361を生み出す。中間変数が、メモリロケーション359、360、366、および367に記憶されてよい。
プロセッサ305の、レジスタ部344〜346、算術論理演算ユニット(ALU)340、および制御ユニット339は、共に機能して、プログラム333を構成する命令組のすべての命令について、「フェッチ、デコード、および実行」サイクルを実行するのに必要とされるマイクロ動作のシーケンスを実行する。各フェッチ、デコード、および実行サイクルは、以下を含む。
(a)メモリロケーション328から命令331をフェッチする、または読み込む、フェッチ動作、
(b)制御ユニット339がどの命令がフェッチされたかを判定する、デコード動作、および
(c)制御ユニット339および/またはALU340が命令を実行する、実行動作。
その後、次の命令のためのさらなるフェッチ、デコード、および実行サイクルが実行されてよい。同様に、制御ユニット339が、メモリロケーション332に値を記憶する、または書き込むことにより、記憶サイクルが実行されてよい。
図2のプロセスにおける各ステップまたはサブステップは、プログラム333の1つまたは複数のセグメントに関連付けられ、プログラム333の言及したセグメントのために、命令組のすべての命令についてフェッチ、デコード、および実行サイクルを実行するために共に機能する、プロセッサ305の、レジスタ部344〜346、ALU340、および制御ユニット339によって実行される。
本発明の方法は、代替として、方法の機能またはサブ機能を実行する、1つまたは複数の集積回路などの専用ハードウェアにおいて実装されてもよい。そのような専用ハードウェアは、グラフィックプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、および関連付けられたメモリを含むことができる。
本明細書のコンテキストにおいて、単語「comprising(備える、含む)」は、「主に、しかし必ずしも単独ではなくincluding(含む)」、すなわち、「having(有する)」または「including」を意味し、「consisting only of(のみからなる)」を意味するものではない。「comprise」および「comprises」などの単語「comprising」の変化形は、それに応じて変化した意味を有する。
付録A
図2の方法を実行するためのソフトウェアの疑似コード表現
・基準ガンマ線スペクトルを較正する
・較正されたガンマ線スペクトルを再ビンする
・再ビンされたガンマ線スペクトルを前処理する
・前処理された基準ガンマ線スペクトルからなる前処理されたデータライブラリを、オプションで補足データと一緒に、行列形式で用意する
・主成分を生成するために、前処理されたデータライブラリの相関行列に主成分分析を行う
・主成分をメモリに記憶する
・ターゲットガンマ線スペクトルを較正する
・較正されたターゲットスペクトルを再ビンする
・再ビンされたターゲットスペクトルを前処理し、オプションで、データライブラリに使用された同じタイプの補足データにより補足する
・前処理されたデータライブラリおよび前処理されたターゲットスペクトルを、主成分分析によって取得された主成分により定義された多次元の空間に投影する
・多次元の空間において、前処理されたデータライブラリからのクラスタと、前処理されたターゲットスペクトルとの間の特徴的な距離を測定する
・特徴的な距離を閾値距離と比較する
・出力信号を生成する
10 検出器
20 車両/ターゲット
30 検出ゾーン
40 基準検出器
50 増幅器
60 多チャンネル分析器
70 メモリ
80 コンピュータ
90 プロセッサ
100 出力/アラーム
110 作動可能なバリア
300 コンピュータシステム
301 コンピュータモジュール
302 キーボード
303 マウスポインタデバイス
304 システムバス
305 プロセッサユニット
306 メモリユニット/RAMメモリ
307 オーディオビデオインターフェース
308 インターフェース
309 記憶デバイス/メモリ
310 ハードディスクドライブ/メモリ
311 ローカルネットワークインターフェース
312 光学ディスクドライブ/リーダ
313 I/Oインターフェース
314 ディスプレイデバイス/ビデオディスプレイ
315 プリンタ
316 変調復調器(モデム)トランシーバデバイス
317 ラウドスピーカ
318 接続
320 通信ネットワーク/ワイドエリアネットワーク
321 接続
322 ローカルコンピュータネットワーク
323 接続
324 接続
325 CD-ROM/記憶媒体
326 スキャナ
327 カメラ
328 メモリロケーション
329 メモリロケーション
330 メモリロケーション
331 ソフトウェア命令
332 データ
333 ソフトウェアアプリケーションプログラム
334 メモリ
335 メモリロケーション
336 メモリロケーション
337 メモリロケーション
339 制御ユニット
340 算術論理演算ユニット(ALU)
341 内部バス
342 インターフェース
344 記憶レジスタ/レジスタ部
345 記憶レジスタ/レジスタ部
346 記憶レジスタ/レジスタ部
347 レジスタ部
348 ローカルメモリ/内部メモリ/キャッシュメモリ
349 ROM
350 POSTプログラム
351 BIOSモジュール
352 ブートストラップローダプログラム
353 オペレーティングシステム
354 入力変数
355 メモリロケーション
356 メモリロケーション
357 メモリロケーション
358 メモリロケーション
359 メモリロケーション
360 メモリロケーション
361 出力変数
362 メモリロケーション
363 メモリロケーション
364 メモリロケーション
365 メモリロケーション
366 メモリロケーション
367 メモリロケーション
380 マイクロフォン

Claims (32)

  1. 検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するための方法であって、前記方法が、
    (i)前記ターゲットから、ターゲットガンマ線スペクトルを取得するステップと、
    (ii)各強度値が前記ターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、前記ターゲットガンマ線スペクトルから用意するステップと、
    (iii)前記ターゲットデータセットを前処理するステップと、
    (iv)前処理されたターゲットデータセットを、主成分空間に投影された、前処理されたデータライブラリを含む、前記主成分空間に投影するステップと、
    (v)前記主成分空間において、投影された前処理されたターゲットデータセットと、投影された前処理されたデータライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定するステップと、
    (vi)前記ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、前記距離を所定の閾値距離と比較するステップと
    を含み、それにより、
    前記距離が前記閾値距離よりも大きい、または前記閾値距離に等しい場合に、前記ターゲットの異常な放射性物質の存在に応答して、信号が生成される、または、
    前記距離が前記閾値距離未満の場合に、前記ターゲットに異常な放射性物質が無いことに応答して、信号が生成される、
    方法。
  2. 前記距離が前記閾値距離よりも大きい、または前記閾値距離に等しい場合に、前記ターゲットの前記異常な放射性物質の前記存在に応答して、信号が生成される、請求項1に記載の方法。
  3. 前処理する前記ステップが、前記前処理されたターゲットデータセットが正規化されたターゲットデータセットであり、前記前処理されたデータライブラリが正規化されたデータライブラリであるように、正規化するステップを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記ターゲットデータセットを前処理する前記ステップの前に、前記ターゲットデータセットを再ビンするステップをさらに含む請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記前処理されたデータライブラリが、
    iv-a)自然起源放射性物質およびオプションで他のソースから、基準ガンマ線スペクトルを含むデータライブラリを取得するステップと、
    iv-b)前記基準ガンマ線スペクトルのそれぞれから、基準データセットを用意するステップであって、各基準データセットは、各強度値が前記基準ガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含む、基準データセットを用意するステップと、
    iv-c)前記前処理されたデータライブラリを取得するために、各基準データセットを前処理するステップ
    を含むプロセスによって取得される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ステップiv-c)が、前記データセットを正規化するステップを含み、それにより、前記前処理されたデータライブラリが正規化されたデータライブラリである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ターゲットデータセットを前処理する前記ステップの前に、各基準データセットを再ビンするステップをさらに含む請求項5または請求項6に記載の方法。
  8. 前記主成分空間が、前記前処理されたデータライブラリの相関行列の主成分分析(PCA)によって取得された複数の主成分により定義される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記主成分空間が、およそ20より少ない主成分を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記ターゲットデータセットおよび前記データライブラリの両方が、ガンマ線スペクトルに由来していない補足データを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記補足データが、前記ターゲットの温度、前記ターゲットの熱出力、前記ターゲットが前記検出ゾーンを通過するときの前記ターゲットの時間変化、前記ターゲットの地理的起源、ターゲット供給元、総個数、および積荷目録のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の方法。
  12. ステップ(v)の前記距離が、マハラノビス距離である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. ステップ(i)が、前記ターゲットが前記検出ゾーンを通過するときに前記ターゲットガンマ線スペクトルを入手するステップを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. ステップ(i)が、前記検出ゾーンにおいて前記ターゲットが止まることなく行われる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ターゲットガンマ線スペクトルが、およそ10秒未満で入手される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記ターゲットガンマ線スペクトルが、携帯型または据え置き型のガンマ放射線モニタシステムを用いて入手される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するための装置であって、
    ・前記ターゲットから、ターゲットガンマ線スペクトルを取得するための検出器と、
    ・前記ターゲットガンマ線スペクトルおよび前処理されたデータライブラリを記憶するためのメモリと、
    ・各強度値が前記ターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、前記ターゲットガンマ線スペクトルから用意し、前記ターゲットデータセットを前処理し、前処理されたターゲットデータセットを、主成分空間に投影された、前記前処理されたデータライブラリを含む、前記主成分空間に投影し、前記主成分空間において、投影された前処理されたターゲットデータセットと、投影された前処理されたデータライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定し、前記ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、前記距離を所定の閾値距離と比較するための、前記メモリに結合されたプロセッサであって、それにより、(a)前記距離が前記閾値距離よりも大きい、または前記閾値距離に等しい場合に、前記ターゲットの異常な放射性物質の存在に応答して、信号が生成される、あるいは、(b)前記距離が前記閾値距離未満の場合に、前記ターゲットに異常な放射性物質が無いことに応答して、信号が生成される、プロセッサと、
    ・(a)異常な放射性物質の存在に対する物理的な応答を生成するために、異常な放射性物質が前記ターゲットに存在するときの信号を受け入れるための、または、(b)異常な放射性物質が無いことに対する物理的な応答を生成するために、異常な放射性物質が前記ターゲットに無いときの信号を受け入れるための、出力デバイスと
    を含む装置。
  18. 前記検出器が、自然起源放射性物質(NORM)およびオプションで他のソースから、基準ガンマ線スペクトルを取得することが可能であり、前記プロセッサが、前処理された基準スペクトルから前記前処理されたデータライブラリを形成するように、前記基準ガンマ線スペクトルを処理することが可能である、請求項17に記載の装置。
  19. 前記プロセッサが、前記主成分空間のための主成分を生成するために、前記前処理されたデータライブラリの相関行列に主成分分析(PCA)を実行することが可能である、請求項17または請求項18に記載の装置。
  20. ・各強度値がターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、前記ターゲットガンマ線スペクトルから用意するためのコードと、
    ・前記ターゲットデータセットを前処理するためのコードと、
    ・前処理されたターゲットデータセットを、主成分空間に投影された、前処理されたデータライブラリを含む、前記主成分空間に投影するためのコードと、
    ・前記主成分空間において、投影された前処理されたターゲットデータセットと、投影された前処理されたデータライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定するためのコードと、
    ・ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、前記距離を所定の閾値距離と比較するためのコードと
    を含むコンピュータプログラム。
  21. ・複数の基準ガンマ線スペクトルから、基準データセットを用意するためのコードであって、各基準データセットは、各強度値が前記基準ガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含む、基準データセットを用意するためのコードと、
    ・前記前処理されたデータライブラリを取得するために、各基準データセットを前処理するためのコードと
    をさらに含む請求項20に記載のコンピュータプログラム。
  22. 前記主成分空間のための主成分を生成するために、前記前処理されたデータライブラリの相関行列に主成分分析(PCA)を実行するためのコードをさらに含む請求項20または請求項21に記載のコンピュータプログラム。
  23. コンピュータプログラムを記録しているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムは、検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無をコンピュータに判定させるために、コンピュータ装置によって実行可能であり、前記プログラムが、
    ・各強度値がターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、前記ターゲットガンマ線スペクトルから用意するためのコードと、
    ・前記ターゲットデータセットを前処理するためのコードと、
    ・前処理されたターゲットデータセットを、主成分空間に投影された、前処理されたデータライブラリを含む、前記主成分空間に投影するためのコードと、
    ・前記主成分空間において、投影された前処理されたターゲットデータセットと、投影された前処理されたデータライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定するためのコードと、
    ・前記ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、前記距離を所定の閾値距離と比較するためのコードと
    を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
  24. 前記プログラムが、
    ・複数の基準ガンマ線スペクトルから、基準データセットを用意するためのコードであって、各基準データセットは、各強度値が前記基準ガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含む、基準データセットを用意するためのコードと、
    ・前記前処理されたデータライブラリを取得するために、各基準データセットを前処理するためのコードと
    をさらに含む、請求項23に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
  25. 前記プログラムが、前記主成分空間のための主成分を生成するために、前記前処理されたデータライブラリの相関行列に主成分分析(PCA)を実行するためのコードをさらに含む、請求項23または請求項24に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
  26. 検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するのに使用するためのコンピュータプログラム要素であって、
    ・各強度値がターゲットガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含むターゲットデータセットを、前記ターゲットガンマ線スペクトルから用意し、
    ・前記ターゲットデータセットを前処理し、
    ・前処理されたターゲットデータセットを、主成分空間に投影された、前処理されたデータライブラリを含む、前記主成分空間に投影し、
    ・前記主成分空間において、投影された前処理されたターゲットデータセットと、投影された前処理されたデータライブラリの1つまたは複数のクラスタとの間の距離を測定し、
    ・前記ターゲットに異常な放射性物質が存在するかどうかを判定するために、前記距離を所定の閾値距離と比較する
    ための手続きを、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム要素。
  27. ・複数の基準ガンマ線スペクトルから、基準データセットを用意することであって、各基準データセットは、各強度値が前記基準ガンマ線スペクトルにおけるガンマ線エネルギーまたはガンマ線エネルギーの範囲を表すエネルギービンに関連付けられている、複数の強度値を含む、基準データセットを用意し、
    ・前記前処理されたデータライブラリを取得するために、各基準データセットを前処理する
    ための手続きを、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムコード手段をさらに含む請求項26に記載のコンピュータプログラム要素。
  28. 前記主成分空間のための主成分を生成するために、前記前処理されたデータライブラリの相関行列に主成分分析(PCA)を実行するための手続きを、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムコード手段をさらに含む請求項26または請求項27に記載のコンピュータプログラム要素。
  29. 検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するための方法であって、例および/または図面のいずれか1つを参照して実質的に以上で説明された通りである、方法。
  30. 検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するための装置であって、例および/または図面のいずれか1つを参照して実質的に以上で説明された通りである、装置。
  31. 検出ゾーンにおけるターゲットの異常な放射性物質の有無を判定するための、請求項15、16、または24のいずれか一項に記載の装置の使用。
  32. 異常な放射性物質を保持するターゲットの通過を妨げるための方法であって、
    請求項1に記載の方法を行うステップ、および
    前記ターゲットの異常な放射性物質の存在に応答して信号が生成された場合に、前記ターゲットの通過を妨げるようにバリアを作動させるステップ、または
    前記ターゲットに異常な放射性物質が無いことに応答して信号が生成された場合に、前記ターゲットの通過を許可するようにバリアを作動させるステップ
    を含む方法。
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