JP2013507273A - デジタル印刷機構及びデジタル印刷機を駆動制御する方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、少なくとも１つの駆動される移送装置（１１０，１１５）と割り当てられた動作制御装置（１５０）とを有するデジタル印刷機（１００）の少なくとも１つのデジタル印刷機構（１１１，１１２，１１３，１１４）を駆動制御する方法に関する。本発明は、前記少なくとも１つの印刷機構（１１１，１１２，１１３，１１４）をデータ回線（１５１）を介して前記動作制御装置（１５０）に接続し、移送特性量の値を、前記動作制御装置（１５０）から前記データ回線（１５１）を介して前記少なくとも１つのデジタル印刷機構（１１１，１１２，１１３，１１４）にデジタルで伝送し、前記少なくともデジタル印刷機構（１１１，１１２，１１３，１１４）において印刷プロセスの制御のために使用する。本発明はさらに相応するデジタル印刷機にも関する。

Description

印刷技術では、主に、印刷像として例えば刷版または活版の形態の完全な版下が存在する所謂アナログ印刷機構が使用される。しかし最近はその他に所謂デジタル印刷機構が使用される。デジタル印刷機構では、印刷像は計算機内で生成され、その後例えばインクジェット印刷方式または電子写真印刷方式で素材または転写胴上に塗布される。デジタル印刷方式では、見当合わせを維持するために印刷像の始まりと内部ラスタ、例えば印刷行をシート移送と同期させるのが困難である。

先行技術では、そのために、実物のインクリメンタルエンコーダまたはインクリメンタルエンコーダのエミュレーションが用いられる。その場合ふつうは、印刷機構内部での処理に容易に換算しうるエンコーダ分解能が選択される。例えば印刷機構が６００ｄｐｉ（ドット毎インチ）で動作する場合には、エンコーダまたはエンコーダエミュレーションを６００の倍数、または通常そうであるように６００の約数とすることが適切である。つまり、デジタル印刷機構のエンコーダ入力のインクリメントの数は、素材ロールまたは素材シートの毎インチ送り速度に相応する数となることが予想される。６００ｄｐｉの場合には、例えば１５インクリメント毎インチの分解能を選択することができる。印刷機構内部での典型的なエンコーダ評価では、これが所謂４倍評価によって６０インクリメント毎インチまで上昇する。６００インクリメント毎インチまでの上昇は一般に位相制御ループ（ＰＬＬ）を用いて行われる。

インクリメンタルエンコーダを介してシート移送にリンクしたデジタル印刷機構は例えばDE 10 2006 009 773 A1またはEP 1 157 837 A2に記載されている。

しかし、この解決手段はいくつかの欠点を有している。まず最初に気付くことは、印刷素材上での印刷像の位置も印刷像の内部ラスタ構成もエンコーダ分解能に依存することである。さらに、エンコーダ入力の評価は時間離散的に行われるのでジッタを伴う。エンコーダ入力の評価はさらに雑音を伴う。エンコーダ信号を改善するフィルタリングはシステム全体にむだ時間ないし遅延をもたらす。また、印刷機構に適した分解能を有するエンコーダまたはエンコーダエミュレーションをつねに用意できるわけではない。このような場合、正確さはさらに悪化する。実物のエンコーダの場合のシート移送における機械的障害や、エンコーダの関連付けにおけるエラーも、印刷像にエラーをもたらす。最後に、実物のインクリメンタルエンコーダまたはエンコーダエミュレーションは印刷機構において必要なエンコーダ評価と相俟ってコスト集約的である。

それゆえ、デジタル印刷機構をより正確かつ特により簡単に製品ウェブないし素材シートの移送にリンクさせることができることが望ましい。

発明の概要
本発明によれば、独立請求項に記載の特徴を有する、デジタル印刷機構及びデジタル印刷機の駆動制御方法が提案される。有利な実施形態は従属請求項及び以下の説明の対象である。

発明の利点
本発明は基本的に、有利には波のない移送装置を使用し、印刷機構を動作制御装置（Motion Control, SPS）に直接リンクさせれば、特にリアルタイムバス接続を介してリンクさせれば、より正確かつ簡単にデジタル印刷機構をシート移送にリンクさせることができるという認識に基づいている。インクリメンタルエンコーダを介した従来の間接的な、したがってまた不正確な関連付けは回避される。印刷プロセス、つまり、電子写真方式におけるシリンダでの画像形成又はインクジェット方式におけるインク塗布は、デジタル伝送された値を用いて直接制御される。

好適には、デジタル印刷機構は動作制御部及び／又は駆動部及び／又は通信システム（例えばフィールドバス）に直接接続される。ここで、直接接続とは、デジタル印刷機構に（２進）インクリメンタルエンコーダ情報が伝送されるのではなく、数値と任意選択的にはさらに別の（２進）情報が伝送されることを意味する。これら数値は例えば機械速度、ガイド軸位置、加速度、ジャーク等であってよい。前記別の情報は例えばステータス情報の伝送に使用することができる（加速度経過のシグナリング、ＳＰＳからの画像形成の制御等）。

これに関して有利なことは、エンコーダの場合に比べて、伝送される情報の分解能を格段に高く選択することができることである。伝送される情報はジッタや雑音を含んでおらず、デジタル的に正確である。

デジタル印刷技術では、従来のアナログ印刷記述とはまったく対照的に、フォーマット長がガイド軸の動きとは無関係であるという原理が当てはまる。通常、デジタル印刷機構には、次のラスタ要素の印刷時点の目印とするために、単に印刷ラスタの、例えば１つの印刷行の、間隔でパルスが供給されるだけである。このため、デジタル印刷技術においては、印刷機構をパルスに関連付けるという確たる慣習が古くから存続している。本発明は意識的にこの伝統から離反するものである。直接的なデジタル関連付けによって、明らかにより正確な印刷機構の位置データを受信することができる。印刷機構はこの位置データに基づいて内部的にラスタ要素の印刷時点を決定する。

周期的な伝送の利点は正確な外挿及び内挿である。予め設定可能な既知の時点、特に等時間間隔の時点に位置データを伝送することで、位置データを受信する印刷機構又は印刷機構の制御装置は、小さなずれで印刷像を出力することができる。リアルタイム通信システムでは、情報は一般に所謂通信サイクルにおいて伝送される。大抵、通信されるデータが（通信サイクル内の）どの時点において有効であるか（その同じサイクルにおいて）、有効であったか（以前のサイクルにおいて）、又は有効となるか（後続のサイクルにおいて）は、既知である。それゆえ、デジタル印刷機構では高精度の内挿を行うことができる。通信サイクルの高精度のサイクル時間ないしは通信サイクル内の実際の処理時点に関する情報により、デジタル印刷機構では、画像形成（例えば印刷ヘッド駆動制御）のためのデータ処理を例えばＰＬＬによって改善することも可能である。リアルタイム通信システムでの周期的伝送の別の利点は、伝送サイクルの情報（例えばリアルタイム通信システムSERCOS IIIの同期情報）を用いた、ＰＬＬのほぼジッタのないクロッキングである。

有利なことに、直接的関連付けはさらに診断のための関連付けの可能性をもたらす。また、デジタル印刷機構は動作制御装置によって制御することもできる。したがって、従来必要であった重複する制御装置は必要ない。

本発明の更なる利点及び実施形態は以下の説明と添付図面とから明らかになる。

これまで述べてきた特徴ならびに以下で説明する特徴が、それぞれ記載した組み合わせにおいてだけでなく、別の組み合わせにおいても或いは単独でも、本発明の範囲を逸脱することなく利用できることは自明である。

本発明を実施形態に基づいて図面に概略的に示し、以下図面を参照して詳細に説明する。

印刷機として形成された本発明の処理機械の好適な一実施形態の概略図を示す。

図１には、本発明によるデジタル印刷機の好適な一実施形態が概略的に示されており、全体として参照符号１００で表されている。印刷素材、例えば紙１０１が、インフィード装置（Infeed）１１０を介して印刷機に供給される。紙１０１はデジタル印刷機構１１１、１１２、１１３、１１４によってガイド及び印刷され、アウトフィード装置１１５（Outfeed）によって再び外に出される。

インフィード装置１１０は駆動部１１０’’’を有しており、アウトフィード装置１１５は駆動部１１５’’’を有している。これら駆動部はそれぞれデータ回線１５１を介して（移送）制御装置１５０、例えばＳＰＳに接続されている。データ回線１５１はとりわけリアルタイムフィールドバス接続として、例えばSERCOS III接続として実施されていてよい。例えばガイド軸位置がデータ回線１５１を介してインフィード装置１１０とアウトフィード装置１１５にデジタル伝送される。

デジタル印刷機構１１１〜１１４は例えばインクジェット方式又は電子写真方式に従って動作するものであってよい。印刷機構は印刷像を例えば行毎に素材１０１上に転写する。しかし、重要なことは、デジタル印刷機構１１１〜１１４も同様に通信構造又はデータ回線１５１と接続されており、制御装置１５０からデジタル値を受信するということである。リアルタイム通信システムの場合、データは一般に周期的に伝送されるので、伝送された値に対して、値の有効性に関する正確な時間情報がつねに存在している。また、値と時間情報とをペアで伝送してもよい。これにより、例えば行毎のデジタル印刷を正確に行うことができるように、内挿を行うことができる。印刷プロセス、すなわち画像形成又はインクの塗布は、伝送された値を用いて制御される。そのために（インクリメンタル）エンコーダのパルスは不要である。

Claims (10)

1. 少なくとも１つの駆動される移送装置（１１０，１１５）と割り当てられた動作制御装置（１５０）とを有するデジタル印刷機（１００）の少なくとも１つのデジタル印刷機構（１１１，１１２，１１３，１１４）を駆動制御する方法において、
   前記少なくとも１つの印刷機構（１１１，１１２，１１３，１１４）をデータ回線（１５１）を介して前記動作制御装置（１５０）に接続し、
   移送特性量の値を、前記動作制御装置（１５０）から前記データ回線（１５１）を介して前記少なくとも１つのデジタル印刷機構（１１１，１１２，１１３，１１４）にデジタルで伝送し、前記少なくともデジタル印刷機構（１１１，１１２，１１３，１１４）における印刷プロセスの制御のために使用する
   ことを特徴とする方法。
2. 印刷プロセスの制御のためにエンコーダパルスを前記少なくとも１つのデジタル印刷機構（１１１，１１２，１１３，１１４）に伝送しない、請求項１に記載の方法。
3. 前記値をリアルタイムで伝送する、請求項２に記載の方法。
4. 前記値を周期的に伝送する、請求項１から３のいずれか１項に記載の方法。
5. 前記移送特性量は機械速度、ガイド軸位置、加速度及び／又はジャークである、請求項１から４のいずれか１項に記載の方法。
6. さらに別の情報を前記データ回線（１５１）を介して伝送する、請求項１から５のいずれか１項に記載の方法。
7. 割り当てられた動作制御装置（１５０）を有する少なくとも１つの駆動される移送装置（１１０，１１５）と、
   少なくとも１つのデジタル印刷機構（１１１，１１２，１１３，１１４）と
   を有するデジタル印刷機（１００）において、
   前記少なくとも１つのデジタル印刷機構（１１１，１１２，１１３，１１４）における印刷プロセスを制御するために、移送特性量の値を前記動作制御装置（１５０）から前記少なくとも１つのデジタル印刷機構（１１１，１１２，１１３，１１４）へデジタル伝送するためのデータ回線（１５１）が設けられている
   ことを特徴とするデジタル印刷機（１００）。
8. 前記データ回線（１５１）はリアルタイム接続として形成されている、請求項７に記載のデジタル印刷機構（１００）。
9. 前記データ回線（１５１）はフィールドバス接続として形成されている、請求項７又は８に記載のデジタル印刷機構（１００）。
10. 前記データ回線（１５１）はサーコス接続として形成されている、請求項７、８又は９に記載のデジタル印刷機構（１００）。

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