本発明の上記の及び他の目的、特徴、効果は、好適な実施例に関する以下の詳細な説明及び図面により明らかとなるであろう。
本発明の実施例において、タッチスクリーンは、赤外線管ペアアレイを有し、赤外線管ペアアレイは、タッチスクリーンの端部に設けられている。本発明の実施例において、タッチスクリーンは、例えば、電子式ホワイトボード、抵抗膜方式タッチスクリーン、静電容量方式タッチスクリーン、投影型静電容量方式タッチスクリーン、光学式タッチスクリーン、表面弾性波方式タッチスクリーン、屈曲波方式タッチスクリーン等を用いることができる。しかしながら、上記タッチスクリーンは、赤外線方式タッチスクリーンは含まない。
以下の説明では、光学式タッチスクリーンを例に挙げる。図4は、本発明の一実施例によるタッチスクリーンの概略的な構成図である。本実施例について、図面を用いて詳細に説明する。図4に示すように、光学式タッチスクリーンは、タッチパネル1200と、フレーム1100と、逆反射ストリップ1300と、イメージセンサとしての2つのカメラ1400と、2つの光源1500と、赤外線管ペアアレイ2600と、を有する。フレーム1100は、第1端部1101と、第2端部1102と、第3端部1103と、第4端部1104と、を含み、タッチパネル1200を囲んでいる。逆反射ストリップ1300は、フレーム1100の3つの端部、即ち、第2端部1102、第3端部1103、第4端部1104に設置されている。2つのカメラ1400は、それぞれフレーム1100の第1端部1101に配置されている。換言すれば、2つのカメラ1400は、それぞれ第1端部1101と2つの隣接する端部(即ち、第2端部1102及び第4端部1104)との間のコーナーに配置されている。2つの光源1500は、それぞれ2つのカメラ1400の近傍、例えば、カメラ1400の上に配置されている。赤外線管ペアアレイ2600は、逆反射ストリップ1300が設置されていないフレーム1100の端部(即ち、第1端部1101)に設置されている。つまり、赤外線管ペアアレイ2600は、フレーム1100の同一端部に配置されている。本実施例から、赤外線管ペアアレイがフレームの同一端部に配置されている場合、逆反射ストリップは赤外線管ペアアレイとは反対のフレームの端部に配置される必要があることがわかる。あるいは、赤外線管ペアアレイ2600は、フレーム1100の第2端部1102または第4端部1104に配置されるようにしてもよい。
他の実施例において、タッチスクリーンはフレーム1100を含まない。この場合、逆反射ストリップ1300はタッチパネル1200の3つの端部に配置され、2つのカメラ1400は、それぞれ逆反射ストリップ1300が設置されていないタッチパネル1200の端部と2つの隣接する端部との間のコーナーに配置され、2つの光源1500は、それぞれ2つのカメラ1400の近傍に配置され、赤外線管ペアアレイ2600は図4に示した実施例と同一であって、例えば、逆反射ストリップ1300が設置されていないタッチパネル1200の端部に配置される。
本実施例においては、赤外線管ペアアレイ2600が備えられる端部は、フレーム1100、またはタッチパネル1200の長手方向の端部である。
図5は、図4に示したタッチスクリーンにおける赤外線管ペアアレイ2600の配置図である。図5に示すように、赤外線管ペアアレイ2600は、複数の完全に同一の赤外線管ペア2601を含み、各赤外線管ペア2601は、フレーム1100の第1端部1101の内部に均等に配置されている。光制限孔2602が、各赤外線管ペア2601の照射範囲を制限するために、各赤外線管ペア2601の前に、即ち、フレーム1100の第1端部1101の前面に配置されている。図6は、赤外線管ペア2601及び光制限孔2602の断面図である。光制限孔2602がない場合、赤外線管ペア2601の照射角度範囲は(点線で示すように)θ1である。光制限孔2602がある場合、赤外線管ペア2601の照射角度範囲は(実線で示すように)θ2である。照射角度範囲は、赤外線管ペア2601と光制限孔2602との間の距離を調節することにより調節することができる。さらに、光制限孔2602を用いることにより、赤外線管ペア2601における赤外線受信管において、逆反射ストリップ1300によって反射された光線の干渉を減少させることができる。
図7は、赤外線管ペア2601の構成図である。図7に示すように、赤外線管ペア2601は、赤外線放射管Eと、赤外線受信管Rと、を含む。図8及び図9は、それぞれ赤外線管ペアアレイ2600における赤外線管ペア2601の2通りの配置を示す。図8に示す配置では、各赤外線管ペア2601の赤外線放射管E及び赤外線受信管Rは並行に配置され、遮光板Sが各赤外線管ペア2601の赤外線放射管Eの両側に配置されている。図9に示す他の配置では、各赤外線管ペア2601の赤外線放射管E及び赤外線受信管Rは互いに重なるように配置され、遮光板S1が赤外線放射管Eと赤外線受信管Rとの間に配置されている。遮光板S1を設置することによって、赤外線受信管R上での赤外線放射管Eから放射された赤外線の干渉を防止することができる。
図10は、図4に示したタッチスクリーンにおけるカメラ1400及び光源1500の配置図である。図10に示すように、光源1500はカメラ1400の上部表面に設置されており、遮光板S2がカメラ1400と光源1500との間に設けられ、カメラ1400の撮像方向に沿って延びている。遮光板S2は、独立して配置してもよいし、カメラ1400の上部表面と一体化させて配置してもよいし、光源1500の下部表面と一体化させて配置してもよい。遮光板S2を用いることによって、光源1500から放射された光の照射角度範囲を(実線で示すように)α1からα2に狭くすることができる。タッチオブジェクトがカメラ1400に接近するとき、遮光板S2は光源1500から放射された光をカメラ1400の近傍に制限するように遮光するため、タッチオブジェクトが光源1500からの光を反射することがなく、カメラ1400の位置での反射光の干渉を避けることができる。
他の実施例において、図4に示した光学式タッチスクリーンにおける逆反射ストリップを光源に置き換えることもできる。この実施例において、光源をタッチパネルまたはフレームの1つ以上の端部に配置することができる。この場合、赤外線管ペアアレイを赤外線放射管グループ及び赤外線受信管グループを含むように構成することができ、それぞれタッチパネルまたはフレームの2つの対向する端部に配置されるように構成することができる。換言すれば、赤外線放射管グループが配置されているタッチパネルまたはフレームの端部は、赤外線受信管グループが配置されているタッチパネルまたはフレームの端部と対向している。
図11は、本発明の実施例によるタッチシステムの構成図である。本実施例について、以下の段落で図面を用いて詳細に説明する。ここで、上記実施例の構成と同一の構成には同一の参照符号を使用し、これらの構成に関する説明は適宜省略する。
図11に示すように、本実施例のタッチシステムは、図4に示したタッチスクリーンと、タッチスクリーンの各カメラ1400にそれぞれ接続された画像処理モジュール2700と、タッチスクリーンの赤外線管ペアアレイ2600に接続された信号処理モジュール2800と、画像処理モジュール2700及び信号処理モジュール2800に接続されたメインコントローラ2900と、を有する。さらに、メインコントローラ2900にホスト2000を接続してもよい。
本実施例のタッチシステムにおいて、画像処理モジュール2700は、タッチスクリーン上のタッチオブジェクトの画像情報を収集するために、各カメラ1400を制御する。カメラ1400が画像情報のフレームを収集した後、カメラ1400の電荷結合素子(CCD)上に形成され、逆反射ストリップにタッチオブジェクトによって形成された影によって形成された画像の中心の座標値を決定するために、画像情報のフレームを受信し、処理し、メインコントローラ2900に座標情報を送信する。一方、信号処理モジュール2800は、赤外線管ペアアレイ2600において、赤外線管ペアの通し番号(serial number)など、赤外線を受信しない赤外線管ペアの番号情報を決定し、赤外線管ペアアレイが配置された端部に沿った方向におけるタッチオブジェクトの座標情報を決定する。メインコントローラ2900は、画像処理モジュール2700からの座標値、及び信号処理モジュール2800からの座標情報に従って、タッチオブジェクトの接点を決定する。さらに、メインコントローラ2900は、タッチオブジェクトの接点をホスト2000に伝達し、ホスト2000は、接点に従って対応するタスクを実行する。ホスト2000は、パーソナルコンピュータ(PC)、テレビ、プリンタ、スキャナ、GPSナビゲータ、携帯電話等の装置とすることができる。
図12は、図11に示したタッチシステムにおける無効なタッチエリアの除去を示す概略図である。図12に示したタッチシステムにおいて、タッチスクリーンの左上コーナーを原点、赤外線管ペアアレイ2600が備えられた端部1101に沿った方向をX軸、端部1102に沿った方向をY軸と仮定する。図12に示すように、タッチオブジェクトPが、2つのカメラ1400が設置された2つのコーナーの間の共通の端部(即ち、端部1101)の近傍に存在する場合、タッチシステムは、2つのカメラ1400によって収集された画像情報に基づいてタッチオブジェクトPの水平座標及び垂直座標を決定し、赤外線管ペアアレイ2600を用いてタッチオブジェクトPの他の水平座標を決定し、これら2つの水平座標の加重和に基づいてタッチオブジェクトPの実際の水平座標を決定し、これにより無効なタッチエリアを除去することができる。
図13は、図11に示したタッチシステムにおいて複数のタッチオブジェクトがタッチ操作を実行した場合における偽の接点の除去を示す概略図である。同様に、図13に示したタッチシステムにおいて、タッチスクリーンの左上コーナーを原点、赤外線管ペアアレイ2600が備えられた端部1101に沿った方向をX軸、端部1102に沿った方向をY軸と仮定する。図13に示すように、タッチスクリーン上にタッチ操作を実行する2つのタッチオブジェクトT3及びT4が存在する場合、2つのカメラ1400によって収集された画像情報に従って、三角測量法を用いることによって4点T3、T4、G3、G4の座標が得られる。同時に、赤外線管ペアアレイ2600によってT3及びT4の水平座標を決定することができ、2つの偽の接点G3及びG4を除去することができる。その後、取得したタッチオブジェクトT3及びT4の2つの水平座標に基づいて、それらの最終的な水平座標を決定し、これによりタッチオブジェクトの実際の座標位置が正確に決定される。
上記の説明からわかるように、赤外線管ペアアレイ2600を導入することによって、上記の実施例のタッチスクリーン及びタッチパネルは、既存のタッチスクリーンにおける無効なタッチエリア及び偽の接点の問題を解決する。
図14は、本発明の実施例によるタッチシステムにおける少なくとも1つのタッチオブジェクトの位置決定方法のフローチャートである。本実施例について、以下の段落で図面を用いて詳細に説明する。ここで、上記実施例の構成と同一の構成に関する説明は適宜省略する。
本実施例において、タッチシステムは、図11に示したタッチシステムを採用する。
図14に示すように、ステップ4100において、タッチシステムにおけるタッチスクリーンの逆反射ストリップ1300の画像情報及び赤外線管ペアアレイ2600の受信状態情報を取得する。
タッチスクリーンのタッチパネル1200上にタッチオブジェクトが存在する場合、タッチオブジェクトは光源1500から放射された光線を遮光するため、逆反射ストリップ1300上に影の領域が形成される。影の領域はカメラ1400のCCD上で撮像した後、黒色の領域を形成し、そのため逆反射ストリップ1300上で影がない領域は白色の背景を形成する。本実施例において、逆反射ストリップ1300の画像情報は、逆反射ストリップ1300上でタッチオブジェクトによって形成された影により、2つのカメラ1400上に形成された画像の中心の座標値である。さらに、タッチオブジェクトは、タッチオブジェクトと丁度反対側にある赤外線管ペアアレイ2600における赤外線管ペア2601の赤外線放射管Eによって放射された光線を遮光するため、あるいは逆反射ストリップ1300によって反射されタッチオブジェクトと丁度反対側にある赤外線管ペアアレイ2600における赤外線管ペア2601の赤外線受信管Rに向かう光線を遮光するため、あるいは、赤外線放射管Eによって放射された光線を遮光すると同時に、逆反射ストリップ1300によって反射され赤外線受信管Rに向かう光線を遮光するため、赤外線管ペアアレイ2600における赤外線管ペア2601の赤外線受信管Rは光線を受信することができない。この場合、タッチオブジェクトの水平座標は、赤外線を受信しない赤外線管ペア2601の番号を記録するだけで決定することができる。本実施例において、赤外線管ペアアレイ2600の受信状態情報は、赤外線を受信しない赤外線管ペア2601の番号情報である。
次に、ステップ4200において、タッチオブジェクトの実際の位置情報が、逆反射ストリップ1300の画像情報及び赤外線管ペアアレイ2600の受信状態情報に従って決定される。図15は、ステップ4200のフローチャートを示す。
図15に示すように、ステップ5100において、逆反射ストリップ1300の画像情報に従って、タッチオブジェクトの位置情報が決定される。本ステップについて図16を用いて詳細に説明する。
図16に示すように、2つのカメラ1400の光学的な中心をA及びBと仮定し、2つのカメラの視野角はそれぞれタッチパネル1200全体をカバーすることができると仮定する。タッチオブジェクトTがタッチパネル1200上に存在する場合、タッチオブジェクトTは逆反射ストリップ1300上に2つの影を形成し、これら2つの影の中心点はそれぞれSh1及びSh2である。カメラ1400のCCD上に2つの影によって形成される画像の中心は、それぞれSh1’及びSh2’である。線ABと、点Sh1及びSh1’を結ぶ線との間の角度をθ1、線BAの延長線と、点Sh2及びSh2’を結ぶ線との間の角度をθ3と仮定すると、θ1=θ3である。線ABと、点Sh2及びSh2’を結ぶ線との間の角度をθ2、線ABの延長線と、点Sh2及びSh2’を結ぶ線との間の角度をθ4と仮定すると、θ2=θ4である。点Aを原点、AB方向をX軸の正の方向、AC方向をY軸の正の方向とし、直交座標平面を定め、線分ABの長さをwとすると、タッチオブジェクトTの座標(x,y)は以下の式によって計算することができる。
θ1及びθ2の計算は同様であるため、ここでは例としてθ1の計算について説明する。カメラ1400のCCDの実効的利用エリアをV*20ピクセルと仮定し、点Sh1'の画素値をN1とし、tを以下のように定義する。
そうすると、θ1は下記の式によって計算される。
本実施例において、Aiの値は下記のキャリブレーション方法によって決定することができる。
具体的には、タッチ操作はタッチシステムにおいてn回実行される。ここで、m<nであって、各タッチ操作における点Sh1’の画素値nk及び対応する角度θ1kが記録される。ここで、k=1,2,3...nであり、数のペア(nk,θ1k)が各タッチ操作に対して生成される。
ここで、tkを以下のように定義する。
従って、数のペア(t
k,θ1
k)が得られ、式(4)に従って、θ1
kの計算された値であるθ1
k’が計算される。
θ1k’ とθ1kとの間の誤差を最小にするためには、式(7)が最小値をとればよい。
式(8)はA1,A2...Amの多変数関数であるため、I=I(A1,A2,L,Am)の極値を求めることが実際に問題となる。
式(10)はA1,A2...Amの線形方程式であり、方程式の係数行列は正定値対称行列であるため、方程式は単一の解を有し、A1,A2...Amの値を決定することができる。
従って、角度θ1の値は、逆反射ストリップ1300においてタッチオブジェクトによって形成された影により、カメラ1400に形成された画像の画素値N1によって計算することができる。同様にして、角度θ2の値も得ることができる。従って、タッチオブジェクトTの座標(x,y)を式(1)及び(2)によって計算することができる。
その後、ステップ5200において、赤外線管ペアアレイ2600の受信状態情報に従って、赤外線管ペアアレイ2600が備えられた端部に沿った方向におけるタッチオブジェクトの座標情報、即ち、水平座標情報が決定される。
上述のように、赤外線管ペアアレイ2600の受信状態情報は、赤外線を受信しない赤外線管ペア2601の番号情報である。タッチオブジェクトTの他の水平座標x1を上記の番号情報に基づいて決定することができる。複数のタッチオブジェクトがタッチ操作を実行する場合、タッチオブジェクトの偽の接点を水平座標によって除去することができる。
次に、ステップ5300において、タッチオブジェクトの実際の位置情報が、ステップ5100で決定されたタッチオブジェクトの位置情報及びステップ5200で決定されたタッチオブジェクトの他の水平座標に従って、決定される。本実施例において、タッチオブジェクトTの最終的な位置は、以下の式に従って決定される。
即ち、タッチオブジェクトの最終的な垂直座標は、ステップ5100で決定された垂直座標であり、タッチオブジェクトの最終的な水平座標は、ステップ5100で決定された水平座標及びステップ5200で決定された他の水平座標に基づいて決定される。
式(11)において、「r」は加重値を表し、rは、yの関数である。
さらに、kx=1の場合は、以下の式が成立する。
式(15)にf(w/2)=1を代入すると、以下の式が得られる。
図17は、図14に示す方法を用いることによって、複数のタッチオブジェクトがタッチ操作を実行した場合に、複数のタッチオブジェクトのそれぞれの位置情報を決定する方法を表す概略図である。図17に示すように、タッチパネル1200においてタッチ操作を実行する2つのタッチオブジェクトT5及びT6が存在する場合、まず、ステップ4100及び5100に従って、式(1)及び(2)を用いることによって、2つのタッチオブジェクトT5及びT6の4つの位置情報、即ち、T5、T6、T5’及びT6’が取得される。その後、ステップ5200に従って、タッチオブジェクトT5及びT6の他の水平座標が取得される。T5’及びT6’は赤外線管ペアアレイ2600によって放射された光線を遮光できない偽の接点であるため、偽の接点は、T5、T6、T5’及びT6’の水平座標をステップ5200において取得された水平座標と比較することによって除去することができる。最終的に、ステップ5300に従って各タッチオブジェクトの実際の位置情報は方程式(11)及び(12)を用いることによって決定される。
本実施例について、ステップ5100をステップ5200の前に実行するという順序で説明したが、実際には、ステップ5200はステップ5100の前に実行してもよく、あるいは2つのステップを同時に実行してもよい。
図18は、本発明の実施例による他のタッチシステムの構成図である。本実施例について、図面を用いて詳細に説明する。ここで、上記実施例の構成と同一の構成に関する説明は適宜省略する。
図18に示すように、本実施例のタッチシステムは、タッチオブジェクトの仮の位置情報を取得するためのタッチオブジェクトの位置決定用のメインタッチ位置決定システムと、タッチオブジェクトの1次元の位置情報を決定するための赤外線管ペアアレイと、メインタッチ位置決定システムからのタッチオブジェクトの仮の位置情報及び赤外線管ペアアレイからのタッチオブジェクトの1次元の位置情報に従ってタッチオブジェクトの位置情報を決定するための、メインタッチ位置決定システム及び赤外線管ペアアレイに接続された処理ユニット107と、を有する。
本実施例において、メインタッチ位置決定システムは、例えば、電子式ホワイトボード、抵抗膜方式タッチスクリーン、静電容量方式タッチスクリーン、投影型静電容量方式タッチスクリーン、光学式タッチスクリーン、表面弾性波方式タッチスクリーン、屈曲波方式タッチスクリーン等とすることができる。以下の説明においては、光学式タッチスクリーンを例に挙げる。図18に示すように、光学式タッチスクリーンは、タッチパネル101と、逆反射ストリップ102と、2つの光源103と、2つの赤外線カメラ104と、処理装置(図示せず)と、を有する。タッチパネル101は、第1端部110と、第2端部111と、第3端部108と、第4端部109と、を有する。逆反射ストリップ102は、タッチパネル101の3つの端部、例えば、第2端部111、第3端部108、第4端部109上に設置され、光源103から放射された光を光源103の近傍に反射させ、これにより赤外線カメラ104にタッチオブジェクトの画像情報を取得するために必要な光を提供する。赤外線カメラ104は、それぞれ、タッチパネル101の隣接する2つのコーナーに設置される。例えば、赤外線カメラ104は、それぞれ、第1端部110と第2端部111との間のコーナー及び第1端部110と第4端部109との間のコーナーに配置される。光源103は、それぞれ、2つの赤外線カメラ104の近傍に配置されており、本実施例では光源103は、赤外光源である。処理装置は、赤外線カメラからの画像情報に従って三角測量法を用いることにより、タッチオブジェクトの仮の位置情報を計算するために使用される。あるいは、処理装置は処理ユニット107の内部に配置されるようにしてもよい。
赤外線管ペアアレイは、赤外線放射管グループ105と赤外線受信管グループ106とを有し、タッチオブジェクトの1次元位置情報を取得する。赤外線放射管グループ105及び赤外線受信管グループ106は、それぞれ、タッチパネルの2つの対向する端部に配置される。図18において、赤外線放射管グループ105は、タッチパネル101の第3端部108に搭載され、赤外線受信管グループ106は、タッチパネル101の第1端部110に搭載される。タッチパネル101の第3端部108において、逆反射ストリップ102が赤外線放射管グループ105上に配置される。
処理ユニット107は、タッチオブジェクトの仮の位置情報及び1次元位置情報に従って、タッチオブジェクトの位置情報を決定する。図18において、処理ユニット107とタッチパネル101とは分離して配置されているが、当業者であれば一体化することもできることが理解できるであろう。
さらに、処理ユニット107は、赤外線放射管グループ105における全ての赤外線放射管が同時に発光するように制御するための制御ユニットを含む。
加えて、逆反射ストリップ102を光源に置き換えることもできる。この場合、光源はタッチパネルまたはフレームの1つ以上の端部に配置することができる。
図19は、図18に示したタッチシステムの変形例の概略図である。この変形例においては、メインタッチ位置決定システムは、表面弾性波方式タッチスクリーンである。
図19に示すように、表面弾性波方式タッチスクリーンは、タッチパネル101と、2つの超音波送信トランスデューサ201a及び203aと、2つの超音波受信トランスデューサ201b及び203bと、4つの反射アレイ202a、202b、204a及び204bと、処理装置(図示せず)と、を有する。2つの超音波送信トランスデューサ201a及び203aと、2つの超音波受信トランスデューサ201b及び203bは、タッチパネル101の3つのコーナー、例えば、第1端部110と第4端部109との間のコーナー、第2端部111と第3端部108との間のコーナー、及び第3端部108と第4端部109との間のコーナーに搭載することができる。4つの反射アレイ202a、202b、204a及び204bは、それぞれタッチパネル101の4つの端部に搭載される。この変形例において、タッチパネル101はもちろん、反射アレイ202a、202b、204a及び204bは、音波を送信することができる。
赤外線管ペアアレイは、赤外線放射管グループ105と赤外線受信管グループ106とを有し、赤外線放射管グループ105は、タッチパネル101の第3端部108に搭載され、赤外線受信管グループ106は、タッチパネル101の第1端部110に搭載される。タッチパネル101の第1端部110において、赤外線受信管グループ106は、反射アレイ202a上に搭載される。タッチパネル101の第3端部108において、赤外線放射管グループ105は、反射アレイ202b上に搭載される。
処理装置は、受信トランスデューサ201b及び203bによって受信された音波情報に従って仮の位置情報を決定する。
処理ユニット107は、2つの超音波受信トランスデューサ201b、203b及び赤外線管ペアアレイに接続され、タッチオブジェクトの仮の位置情報及び1次元位置情報に従ってタッチオブジェクトの位置情報を決定する。
図20は、本発明の実施例によるタッチシステムにおいて、マルチポイント位置決定方法のフローチャートである。本実施例について、図面を用いて詳細に説明する。ここで、上記実施例の構成と同一の構成に関する説明は適宜省略する。
図20に示すように、ステップ300において、複数のタッチオブジェクトがタッチシステムにおけるメインタッチ位置決定システムによって位置が決定され、複数のタッチオブジェクトの仮の位置情報が取得される。
本実施例において、タッチオブジェクトの仮の位置情報は、タッチオブジェクトの座標値であってもよいし、あるいはタッチオブジェクトの位置を表す他の情報であってもよい。
例えば、図18に示すタッチシステムにおいて、2つのタッチオブジェクトがタッチ操作を実行している。ステップ300が実行され、タッチオブジェクトの仮の位置情報、即ち、A(X1,Y1)、B(X2,Y2)、C(X3,Y3)及びD(X4,Y4)が決定される。
例えば、図19に示したタッチシステムにおいて、タッチ操作を実行する2つのタッチオブジェクトが存在する場合、ステップ300を実行することによって取得されるタッチオブジェクトの仮の位置は、E(X5,Y5)、F(X6,Y6)、G(X7,Y7)及びH(X8,Y8)である。
次に、ステップ301において、複数のタッチオブジェクトの1次元位置情報が、タッチシステムの赤外線管ペアアレイによって決定される。
本実施例において、タッチオブジェクトの1次元位置情報は、同一方向におけるタッチオブジェクトの位置情報である。タッチオブジェクトの1次元位置情報は、タッチオブジェクトの座標情報であってもよいし、タッチオブジェクトの1次元位置情報を表す他の情報であってもよい。しかしながら、タッチオブジェクトの1次元位置情報及びタッチオブジェクトの仮の位置情報は、同一の情報を利用するものとする。タッチオブジェクトの仮の位置情報がタッチオブジェクトの座標であるとすれば、タッチオブジェクトの1次元位置情報はタッチオブジェクトの水平または垂直座標となる。
例えば、図18に示したタッチシステムにおいて、ステップ301によって取得されるタッチオブジェクトの1次元位置情報は、それぞれX1及びX2である。
例えば、図19に示したタッチシステムにおいて、ステップ301によって取得されるタッチオブジェクトの1次元位置情報は、それぞれK11及びK21である。ここで、K11は点線205が配置される位置であり、K21は点線206が配置される位置である。
次に、ステップ302において、ステップ300において決定される複数のタッチオブジェクトの仮の位置情報及びステップ301において決定される複数のタッチオブジェクトの1次元位置情報に従って、複数のタッチオブジェクトの位置情報が決定される。
例えば、図18に示すタッチシステムにおいて、2つのタッチオブジェクトの仮の位置情報は、A(X1,Y1)、B(X2,Y2)、C(X3,Y3)及びD(X4,Y4)であり、2つのタッチオブジェクトの1次元位置情報は、X1及びX2である。従って、2つのタッチオブジェクトの位置情報は、A(X1,Y1)及びB(X2,Y2)と決定され、一方、C(X3,Y3)及びD(X4,Y4)は偽の接点の位置情報となる。
例えば、図19に示すタッチシステムにおいて、2つのタッチオブジェクトの仮の位置情報は、E(X5,Y5)、F(X6,Y6)、G(X7,Y7)及びH(X8,Y8)であり、2つのタッチオブジェクトの1次元位置情報は、K11及びK21である。E(X5,Y5)は点線206上にあり、F(X6,Y6)は点線205上にあるため、2つのタッチオブジェクトの位置情報は、E(X5,Y5)及びF(X6,Y6)と決定され、一方、G(X7,Y7)及びH(X8,Y8)は偽の接点の位置情報となる。
本実施例において、ステップ300をステップ301の前に実行すると説明したが、実際には、ステップ301をステップ300の前に実行してよく、あるいは2つのステップを同時に実行してもよい点に注意されたい。
以上説明したとおり、本実施例の方法は、タッチオブジェクトの仮の位置情報に基づいて、赤外線管ペアアレイによって得られた1次元位置情報を考慮することにより、タッチオブジェクトの位置を決定し、その結果、偽の接点を効果的に除去するものである。
当業者であれば、上記実施例はハードウエアまたは一般的なハードウエアプラットフォームによって実行可能であることが理解できるであろう。
本発明の好適な実施例について、図面を用いて詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例には限定されず、当業者は本発明の精神及び範囲内であらゆる種類の改良及び変更を行うことができる。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定されているに過ぎない。