JP2013505056A - 棺 - Google Patents

Abstract

棺は、第一の側壁と、第二の側壁と、第一の端壁と、第二の端壁と、複合ベースと、側壁、端壁および角部に沿った強化層と、を備え、複合ベースと強化層は棺の構造強化に適している。
【選択図】図３Ｂ

Description

本発明は、木材派生物により形成され、特に（これに限られないが）災害時や非常時に使用される棺に関する。

非常事態や災害は、生命の喪失という問題だけでなく、衛生状態を保ち伝染病の発生を防ぐために遺体をできるだけ早急に処理することも国家にとっては大きな問題である。また、遺体を“適切に”土葬したり火葬したりすることも懸念材料である。一般的には、非常事態の直後は、遺体をできるだけ早急に処理するために遺体袋が使用されている。遺体を遺体袋に入れることは、その遺体を“適切に”土葬あるいは火葬するのに十分とはいえないと思われる。その他の問題としては、乱暴な取り扱いにより遺体袋が破ける可能性があることが挙げられる。これは、中の遺体を露出させ、伝染病や不快な臭気の発生につながる。さらに、遺体袋は頑丈ではなく、遺体を持ち上げた時に遺体の重さを支えることができないため、多くの火葬場では遺体袋を取り扱うために板や箱を使用することが必要である。

ボール紙製の棺の使用や製造はすでに公知である。しかし、ボール紙製のみの構造は薄弱であり、載荷特性が良くない。特にこれは棺の搬送時に問題となる。

非常事態時に木製の棺を使用して火葬が行われる場合、使用される木材の種類によっては燃焼に時間がかかる。これは、火葬すべき遺体が数多くある場合には好ましくない。さらに、木製の棺に関しては、それらの大きさや重さといった特質のため保管や輸送が問題となる可能性がある。

木製の棺が非組立状態で搬送された場合、組み立てに時間がかかってしまう。多数の棺を短時間で組み立てないといけないような場合には、治具のような追加機器が必要となる可能性もある。

本発明は、棺の中の遺体の重さを支えるのに好適な棺を提供することを目的とする。

本発明は、独立項において定義される。本発明のいくつかの選択的な特徴は従属項において定義される。

上記の目的を達成するために、本発明の棺は、第一の側壁と、第二の端壁と、第一の側壁と、第二の側壁と、複合ベースと、を備えている。

以下の図面は、一例として、明細書の記載とともに本発明を図示し、本発明の本質を説明するためのものである。
第一の棺の平面図である。 二重壁を有する第二の棺の平面図である。 ベースを備えた図１Ａおよび１Ｂに記載の棺のうちいずれかを示す立面図である。 強化層を備えた図１Ａにおける棺を示す平面図である。 強化層を備えた図１Ｂにおける棺を示す平面図である。 一重の段ボール材料の断面図である。 二重の段ボール材料の断面図である。 図１Ａおよび１Ｂに記載の棺のうちいずれかについて、蓋の第一の底面を示す図である。 図１Ａおよび１Ｂに記載の棺のうちいずれかについて、蓋の第二の底面を示す図である。 液体不透過トレイを備えた図１Ａおよび１Ｂに記載の棺のうちいずれかを示す立面図である。

図１Ａは、第一の棺の平面図である。この棺は、第一の側壁５と、第二の側壁１０と、第一の端壁１５と、第二の端壁２０と、を有している。棺の側壁および端壁は、段ボール材料から形成されている。それらはボール紙、木質複合材、硬質繊維板のようなその他の木材派生物から形成されていてもよい。図１Ａは、長方形の棺を図示しているが、どのような形状であってもよい。

図１Ｂは、第二の棺の平面図である。この棺は、第一の側壁２５と、第二の側壁３０と、第一の端壁３５と、第二の端壁４０と、を有している。上述した壁は、それぞれ、その壁の二層間に隙間４１を有する二重壁として構成されている。この隙間の目的は後述する。棺の側壁および端壁は、段ボール材料で作られている。それらはボール紙、木質複合材、硬質繊維板のようなその他の木材派生物から形成されていてもよい。図１Ｂは、長方形の棺を図示しているが、どのような形状であってもよい。

図２は、ベースを備えた上記に示される棺のうちいずれかを示す立面図である。ベース５０は、複合ベースであり、段ボール材料および木材、もしくは木材派生物および木材でできている。さらに、複合ベースはプラスチックを含んでいてもよい。異なる材料が層状に配置されている。その層は、適切な順に配置することができる。複合ベースによりもたらされる利点は棺の構造を強化して棺の中の遺体の重さを支える点にある。段ボール材料あるいはボール紙のみからなるベースでは棺の中の遺体の重さを支えることができない可能性がある。第一および第二の棺は、それぞれ、図２に示すような上面５１を有しており、上面５１は第一の棺の壁５，１０，１５，２０および第二の棺の壁２５，３０，３５，４０の上端を構成している。

図３Ａは、第一および第二の強化層を備えた第一の棺を示す平面図である。図３Ａに示すように、第一の強化層５５は第一の側壁５および第二の側壁１０と隣接して配置されている。さらに、第二の強化層６０は第一の端壁１５および第二の端壁２０と隣接して配置されている。強化層５５，６０は段ボール材料からできており、一重の段ボール材料または二重の段ボール材料からできていてもよい。一重および二重の段ボール材料は図４Ａおよび図４Ｂにおいて図示されている。二重の段ボール材料は一重の段ボール材料よりも強く頑丈である。強化層は側壁および端壁に接着剤、ねじあるいはその他の機械的な留め具といった好適な固定部材により固定されていてもよい。もしくは、強化層は、プラスチック、あるいはボール紙、木質複合物、硬質繊維板等の木材派生物から形成することもできる。強化層は、棺の構造を強化し、棺の中の遺体の重さを支えるのに適している。強化層の位置は上記説明した配置に限られない。強化層は棺の構造的強化を確保するために好適な方法で配置することができる。

さらに、棺の側壁および端壁に設けられる第一および第二の強化層とは別に、第一の棺の角部のみを強化するために配置された角部強化片５６，５７，５８，５９が設けられている。これらは、側壁に拡がる強化層と端壁に拡がる強化層との間に取り付けられる細長い薄片である。強化片は棺の上面５１からベース５０へ伸びている。これらは第一および第二の強化層５５，６０と同一の材料から形成されていてもよい。角部において発生する弱さを防ぐため、角部も側壁および端壁とともに強化する必要がある。その弱さは棺の構造破壊につながりかねない。強化層は角部を覆うように配置することもでき、一つの側壁および一つの端壁とが交差する角を通過し、その側壁および端壁に部分的に拡がる強化層として構成されていてもよい。その他の例としては、二つの端壁に部分的に拡がり、一つの側壁に完全に拡がる強化層として構成されていてもよい。さらに、その他の例としては、二つの側壁に部分的に拡がり、一つの端壁に完全に拡がる強化層として構成されていてもよい。

図３Ｂは、第三および第四の強化層を備えた第二の棺を示す平面図である。図１Ｂに示すように、第一および第二の側壁２５，３０の二層間の隙間４１が第三の強化層６５を保持している。同様に、第一および第二の端壁３５，４０の二層間の隙間４１が第四の強化層７０を保持する役割を果たしている。これらの強化層は段ボール材料からできており、一重の段ボール材料または二重の段ボール材料からできていてもよい。一重および二重の段ボール材料は図４Ａおよび図４Ｂにおいて図示されている。強化層は、プラスチック、あるいはボール紙、木質複合物、硬質繊維板等の木材派生物から形成することもできる。強化層は、棺の構造を強化し、棺の中の遺体の重さを支えるのに適している。

さらに、棺の側壁および端壁に設けられる第三および第四の強化層とは別に、第二の棺の角部のみを強化するために配置された角部強化片６６，６７，６８，６９が設けられている。これらは、側壁を覆う強化層と端壁を覆う強化層との間に取り付けられる細長い薄片である。強化片は棺の上面５１からベース５０へ伸びている。これらは第一および第二の強化層６５，７０と同一の材料から形成されていてもよい。角部において発生する弱さを防ぐため、角部も側壁および端壁とともに強化する必要がある。その弱さは棺の構造破壊につながりかねない。強化層は角部を覆うように配置することもでき、一つの側壁および一つの端壁とが交差する角を通過し、その側壁および端壁を部分的に覆う強化層として構成されていてもよい。その他の例としては、二つの端壁に部分的に拡がり、一つの側壁に完全に拡がる強化層として構成されていてもよい。さらに、その他の例としては、二つの側壁に部分的に拡がり、一つの端壁に完全に拡がる強化層として構成されていてもよい。

図５Ａは、第一の棺あるいは第二の棺の蓋７１の底面を図示している。この構造はボール紙や木材のようないかなる材料からも形成されうる単一のブロック７５から構成されている。このブロックは、蓋の底面に取り付けられる際にブロック７５の端部７２と蓋７１の端部７３との間に隙間８０を設け、その隙間が棺の上面５１を受けるように構成されている。この特徴によれば、蓋と棺の上面との間の良好な嵌め合いを生み出すことによって、棺の搬送時の棺の構造強化がさらに図られる。図５Ｂに示すように、隙間８０を設けつつ、ブロックを複数片の形で形成することもできる。ブロックの形状や配置は上記説明された構造のみに限定されるものではない。蓋はボール紙、段ボール紙あるいは木材のいずれかで形成されている。

図６は、棺が載置される台となる液体不透過トレイ８５を図示している。このトレイは液体不透過性であり、棺のベースを損傷させる外からの液体の侵入を防ぐためのものである。液体不透過トレイはプラスチック等の材料からできている。このトレイは故人を見るための棺のカバーとして使用することもできる。

いくつかの好適な実施形態を説明した上記の記載は発明の本質を包括的に表現するためのものであり、変更や修正を加えることができることは本分野の当業者にとって明らかであり、本発明は以下の請求の範囲に明示的に記載されたもの以外に限定されるものではない、と理解されうるべきものである。

Claims (18)

1. 第一の端壁と、
   第二の端壁と、
   第一の側壁と、
   第二の側壁と、
   複合ベースと、
   を備えている棺。
2. 前記複合ベースは段ボール材料および木材から構成されている、請求項１に記載の棺。
3. 前記複合ベースは木材派生物および木材から構成されている、請求項１に記載の棺。
4. 前記複合ベースはさらにプラスチックを含む、請求項２または３に記載の棺。
5. 前記第一の側壁と前記第二の側壁と隣接する第一の強化層を備えている、請求項１から４のいずれか一項に記載の棺。
6. 前記第一の端壁と前記第二の端壁と隣接する第二の強化層を備えている、請求項５に記載の棺。
7. 前記棺の角部に設けられる強化片を備えている、請求項５または６に記載の棺。
8. 前記第一の強化層は、ある交差角を通過し前記第一の端壁と前記第二の端壁のうちいずれか一方に伸びるように配置されている、請求項５に記載の棺。
9. 前記第二の強化層は、ある交差角を通過し前記第一の側壁と前記第二の側壁のうちいずれか一方に伸びるように配置されている、請求項６に記載の棺。
10. 前記第一の側壁、第二の側壁、第一の端壁および第二の端壁は隙間を備えた二重壁を構成している、請求項１から４のいずれか一項に記載の棺。
11. 前記第一の側壁および前記第二の側壁の前記隙間に位置する第三の強化層を備えている、請求項１０に記載の棺。
12. 前記第一の端壁および前記第二の端壁の前記隙間に位置する第四の強化層を備えている、請求項１１に記載の棺。
13. 前記棺の前記角部に設けられる強化片を備えている、請求項１１または１２に記載の棺。
14. 前記第三の強化層は、ある交差角を通過し前記第一の端壁と前記第二の端壁のうちいずれか一方に伸びるように配置されている、請求項１１に記載の棺。
15. 前記第四の強化層は、ある交差角を通過し前記第一の側壁と前記第二の側壁のうちいずれか一方に伸びるように配置されている、請求項１２に記載の棺。
16. 前記強化層は、二重の段ボール材料、一重の段ボール材料、木材派生物、およびプラスチックのうちいずれか一つにより構成されている、請求項５から９、および１１から１５のいずれか一項に記載の棺。
17. 底面を有する蓋を備え、
    前記底面は前記棺の上面を受けるための蓋に適している構造を備えた、請求項１から１６のいずれか一項に記載の棺。
18. 液体不透過トレイを備え、
    前記液体不透過トレイは前記棺の台を構成する、請求項１から１７のいずれか一項に記載の棺。

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