JP2013504361A - Mpiを用いた非侵襲的心臓内心電図検査法のための装置及び方法 - Google Patents

Mpiを用いた非侵襲的心臓内心電図検査法のための装置及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、磁性且つ導電性の干渉デバイス(210)の使用による非侵襲的な心臓内での心電図検査法(ECG)のための装置及び対応する方法に関する。MPIに基づくECGマッピング技術が提案され、例えば軟磁性材料を含有する導電性ロッドといった干渉デバイス(210)が、磁性粒子撮像(MPI)システムによって生成される磁場を用いて、血管系及び心臓の中で操舵され、それにより、並行して測定されるECG信号が影響を受ける。適切に適応された評価手段(153)を用いて、このECG信号への干渉デバイス(210)による影響を評価することで、心臓の電気活動についての空間的に分解された情報を得ることができる。

Description

本発明は、磁性且つ導電性の干渉デバイスの使用による、非侵襲的な心臓内の心電図検査法(ECG)用の装置及び方法に関する。さらに、本発明は更に、上記方法をコンピュータ上で実行するため、及び上記装置を制御するための、コンピュータプログラムに関する。
心電図検査法(ECG)は、心臓の経時的な電気活動を記録するための、広く一般に使用される周知の技術である。ECG測定は、故に、鬱血性心不全のような心不全、例えば心収縮の同期性異常によって引き起こされる異常心拍、動脈細動、又は動脈粗動の診断を信頼性高く支援することができる。ECG装置は、洞房結節に始まって内在伝導系を介して心筋へと進む心臓の電気インパルス(刺激)を経時的に記録する。従来のECGにおいては、通常、患者の皮膚上の複数の選択位置に置かれた複数の電極を介して、電気的脱分極波面が測定される。ECG装置は、そして、経時的に送られるこれら電極の対の間の電圧を表示する。従って、標準的なECGは心臓の電気活動の時間依存特性を記述する。ECG測定データはまた、用途に応じて、電気的な心臓活動の空間特性を記述する所謂ベクトルECGにも使用されることができる。換言すれば、ベクトルECGにおいては、ECG測定データは、脱分極波面の経時的な空間伝播を画像化するために使用される。それにより、脱分極波面はしばしば、全ての時点で定められた方向(伝播の方向)と定められた長さ(波面での電圧降下に依存する)とを有する3次元ベクトル(通常、平均電気ベクトルと呼ばれる)として画像化される。
より正確な診断が必要とされる多くの用途で、標準的なECGは十分に正確ではない。これらの状況においては、心臓内ECGが実行される。心臓内ECG(ECGマッピングとも呼ばれる)は、心臓カテーテルを介して心臓内に複数の電極を配置することによって、特定の心臓領域内の電位を測定する。この技術は特に、体表面の電極を用いる標準的なECG装置を用いることではECG信号を収集することができない心臓の伝導系内の領域、例えばHiS束の周りの領域など、で心臓の電気活動を推定する必要があるときに適用される。このように、心臓内マッピングの精度は、標準的なECGを遙かに上回る。ECGマッピングは、故に、心臓から欠陥ある電気経路を除去するために使用されるカテーテルアブレーション(焼灼)手順の計画作成のための非常に重要な技術である。
心臓内ECGの主な欠点は、心臓へと延びる患者の血管内にカテーテルを導入する(通常は大腿静脈、内頸静脈又は鎖骨下静脈の何れかを通して)という侵襲的な手順を必要とすることである。これは、複雑で時間を消費するだけでなく患者にとって不快でリスクを伴う本格的な外科的介入(インターベンション)を意味する。
心臓内ECGと同等の高い精度を有する非侵襲的測定技術は、残念ながら、これまで知られていない。
磁気粒子撮像(magnetic particle imaging;MPI)は、新興の医用撮像モダリティである。最初のバージョンのMPIは、2次元画像を生成するものであったという点で、2次元であった。将来バージョンは3次元(3D)になるであろう。対象物が単一の3D画像の収集中に有意に変化しないと仮定すれば、3D画像の時系列を映像へと結合することによって、非静止物体の時間依存画像すなわち4D画像を作り出すことができる。
MPIは、コンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴撮像(MRI)のように、再構成による撮像方法である。従って、対象物の関心ボリュームのMP画像は2段階で生成される。MPIスキャナを用いて、データ収集と呼ぶ第1段階が実行される。MPIスキャナは、当該スキャナのアイソセンタ位置に単一の無磁場点(field free point;FFP)を有した“選択(selection)磁場”と呼ぶ静的な傾斜磁場を生成する手段を有する。また、このスキャナは、時間に依存した空間的にほぼ均一な磁場を生成する手段を有する。実際には、この磁場は、“駆動(drive)磁場”と呼ぶ小さい振幅を有した急速に変化する磁場と、“フォーカス(focus)磁場”と呼ぶ大きい振幅を有したゆっくり変化する磁場とを重畳することによって得られる。静的な選択磁場に、時間依存の駆動磁場及びフォーカス磁場を付加することにより、FFPは、アイソセンタを取り囲むスキャン対象ボリュームの全体で、所定のFFP軌道に沿って移動され得る。このスキャナはまた、例えば3つといった1つ以上の受信コイルを含む構成を有し、これらのコイル内に誘起される電圧を記録することができる。データ収集において、撮像対象は、その関心ボリュームが、スキャン対象ボリュームの一部であるスキャナの視野(フィールド・オブ・ビュー)によって包囲されるように、スキャナ内に配置される。
対象物は磁性ナノ粒子を含有していなければならず、対象物が動物又は患者である場合、そのような粒子を含有する造影剤が、スキャンに先立って、その動物又は患者に投与される。データ収集中、MPIスキャナは、スキャン対象ボリューム又は少なくとも視野を描く慎重に選定された軌道に沿ってFFPを操舵する。対象物内の磁性ナノ粒子は、変化する磁場を受け、該粒子の磁化を変化させることによって応答する。ナノ粒子の磁化が変化することは、受信コイルの各々に、時間に依存した電圧を誘起する。この電圧が、受信コイルに結合された受信器でサンプリングされる。受信器によって出力されるサンプルは、記録され、収集データを構成する。データ収集の詳細を制御するパラメータがスキャンプロトコルを構築する。
画像再構成と呼ぶ画像生成の第2段階において、第1段階で収集されたデータから画像が計算すなわち再構成される。この画像は、視野内の磁性ナノ粒子の位置依存濃度に対するサンプリングされた近似を表す別個の3Dデータ配列である。再構成は一般に、好適なコンピュータプログラムを実行するコンピュータによって実行される。コンピュータ及びコンピュータプログラムは再構成アルゴリズムを実現する。再構成アルゴリズムは、データ収集の数学モデルに基づく。再構成による全ての撮像方法と同様に、このモデルは、収集されたデータに作用する積分作用素であり、再構成アルゴリズムは、可能な範囲で、モデルの動作を取り消そうとする。
このようなMPI装置及び方法は、例えば人体といった任意の検査対象について、その表面付近及びその表面から遠隔のところの双方において、非破壊的に、如何なる損傷をも生じさせることなく、且つ高い空間解像度で、検査対象を検査するために使用することができるという利点を有する。このような装置及び方法は、特許文献1及び非特許文献1に最初に記載され、一般に知られている。この刊行物に記載された磁性粒子撮像(MPI)用の装置及び方法は、小さい磁性粒子の非線形な磁化曲線を利用するものである。
独国特許出願公開第10151778号明細書
Gleich,B、Weizenecker,J、「Tomographic imaging using the nonlinear response of magnetic particles」、nature、第435巻、2005年、pp.1214-1217
本発明の1つの目的は、既知の心臓内ECGマッピング技術と同等の精度を提供し、より容易且つ迅速に適用でき、外科的介入を必要とせず、ひいては、患者にとって一層快適な、非侵襲的心臓内心電図検査法(ECG)のための装置及び方法を提供することである。
本発明の第1の態様において、
− ECG信号を記録するECG手段と、
− 低磁場強度を有する第1の部分領域と、より高い磁場強度を有する第2の部分領域とが視野内に形成されるよう、磁場強度の空間パターンを有する選択磁場を生成する、選択磁場信号発生器ユニットと特には選択磁場磁石又はコイルである選択磁場素子とを有する選択手段と、
− 前記視野内の前記干渉デバイスの磁化が局所的に変化するよう、駆動磁場によって、前記視野内の2つの前記部分領域の空間位置を変化させる、駆動磁場信号発生器ユニットと駆動磁場コイルとを有する駆動手段と、
− 検出信号を収集する、少なくとも1つの信号受信ユニットと少なくとも1つの受信コイルとを有する受信手段であり、前記検出信号は、前記第1及び第2の部分領域の空間位置の変化によって影響される前記視野内の前記干渉デバイスの磁化に依存する、受信手段と、
− 制御電流を生成してそれぞれの磁場コイルに供給し、それにより、血管系及び心臓内で、移動コマンドによって指示される方向に前記干渉デバイスを移動させ且つ/或いは一定の位置に前記干渉デバイスを保持するのに適した磁場を生成するように、前記選択磁場信号発生器ユニット及び前記駆動磁場信号発生器ユニットを制御する制御手段と、
− 適した磁場が印加されたときに収集された前記検出信号を処理し、処理した検出信号から、前記血管系及び心臓内での前記干渉デバイスの位置を決定する処理手段と、
− 前記ECG手段によって記録された前記ECG信号に対する前記干渉デバイスによる影響を評価する評価手段と、
を有する装置が提示される。
本発明の更なる一態様において、対応する方法が提示される。
本発明の更なる他の一態様において、プログラムコードを有するコンピュータプログラムが提示される。当該コンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されるときに、該コンピュータに、本発明に係る装置を制御させて、本発明に係る方法のステップ群を実行させる。
本発明の好適な実施形態が従属請求項にて規定される。理解されるように、請求項に記載の方法及びコンピュータプログラムは、従属請求項に規定される特許請求に係る装置と同様且つ/或いは等しい好適実施形態を有する。
本発明の発明者によって、既知の心臓内ECGマッピングの主な制約である、複雑で時間を消費する、カテーテルを用いた侵襲的手術が、MPI技術を使用することによって解決され得ることが認識された。従って、本発明の発明者は、磁性且つ導電性の干渉デバイスを追加で使用することによって標準的な非侵襲的なECG装置を使用するソリューションを見出した。この干渉デバイスは、検査に先立って検査対象に導入され、そして検査中に、該干渉デバイスがECG信号に評価可能な影響を及ぼすように特別に適応されたMPI装置を用いて、アクティブに移動され、追跡され且つ画像化される。本発明に従ったMPI装置の適切な磁場を用いて、患者の心臓内で干渉デバイスを操舵し且つ位置決めすることによって、干渉デバイスは、心臓の電界を変化させ、故に、空間的に位置特定されたECG信号の再構成を可能にする。換言すれば、本発明の発明者は、軟磁性材料を含有する導電性のロッドとして画像化され得る干渉デバイスが、ECG信号に影響を及ぼすように、MPIシステムのフォーカス及び選択磁場を用いて、血管系及び心臓の内部で操舵されるMPIベースのECGマッピング技術を見出した。本発明に係る装置の適応された評価手段を用いることで、この干渉デバイスによるECG信号への影響を評価し、心臓の電気活動についての空間的に分解された情報を得ることができる。
本発明に係る装置の主な利点は、標準的なECGと比較して精度が有意に向上されることである。磁性干渉デバイスの使用により、本発明が必要とするECGは心臓内のものではあるとは言っても、侵襲的介入は必要とされない。それにより、精度及び信号品質は、既知の侵襲的心臓内ECGマッピング技術と同等でありながら、カテーテルを用いた外科的介入は不要である。さらに、提示する方法は、より少なき時間のみを消費し、患者にとって一層快適且つ低リスクである。
好ましくは、干渉デバイスは、非常に小型の磁性且つ導電性のロッドであり、本発明に係る装置の選択手段及び駆動手段を用いて移動される。故に、干渉デバイスは、患者の血管又は心臓内の如何なる領域にも移動され、それによって心臓の組織及び状態に関する情報を提供することができる。既知の技術においてはカテーテルを使用しなければならないことを思い起こすに、提示する方法は遙かに柔軟性を有し、カテーテルを導入することができない領域でもECG信号を収集することを可能にする。
提示する装置及び方法は、例えば、カテーテルアブレーション手順の計画作成に適用され得る。これは、既知の方法とは対照的に、カテーテルアブレーション手順の計画作成とインターベンションとを切り離すことができるという利点をもたらす。技術的に知られた方法によれば、これら2つのステップは切り離すことができず、心臓内ECGマッピングは常に、カテーテルアブレーションそのものと同時に実行される。これは、アブレーション手順中に不整脈の原因を全て発見することができずに複数回の手術が必要になり得ることしばしばであるという欠点を有する。それとは対照的に、本発明に係る装置を用いると、実際のインターベンションから切り離された、より長期の安全且つ快適な計画作成フェーズを何日かに分散させ、不整脈の原因を信頼性高く診断することができる。
磁性且つ導電性の干渉デバイスは、既に述べたように、軟磁性材料を含有する小型のロッド(例えば純鉄で製造された小型ワイヤとし得る)と想定され得る。干渉デバイスのサイズに関しては、一実装例において、3mmの長さ及び200μmの直径が使用される。なお、干渉デバイスの直径は、関連する血管をブロックすることがないよう、200μmを超えるべきでない。長さは好ましくは1mmから10mmの範囲内である。より長いデバイスは、より多くの信号を生成し得るものの、組織、血管を害する過大なリスクを課すことがある。なお、干渉デバイスは、ヒトの心臓とは異なる検査対象内に投じられる場合には、上で指定したサイズより大きいものとしてもよい。また、望ましくは、干渉デバイスは短時間の間に人体内で分解する純鉄からなり、それにより干渉デバイスは血液内で分解される。
本発明の好適な一実施形態によれば、干渉デバイスは、磁性且つ導電性の微小粒子が統合された、例えばポリ乳酸などの生物分解性の高分子材料からなる。これは、組織や血管を害するリスクを更に低減する。何故なら、上述の材料は人体内で非常に速く(数分以内)分解するからである。
本発明に係る装置の更なる利点はMPI技術に由来する。血管系及び心臓内で、移動コマンドによって指示される方向に干渉デバイスを移動させ且つ/或いは一定の位置に干渉デバイスを保持するのに適した磁場(選択磁場及び駆動磁場)を生成するように制御手段が設けられるので、干渉デバイスは、磁力を印加するのみで心臓内の任意の場所に移動されることができ、それにより、既知のカテーテル介入と比較して、計画作成手順が大いに容易化されるとともに干渉デバイスの配置精度が有意に向上される。制御手段は、干渉デバイスの移動及び配置が非常に短時間で行われ得るように、磁場を非常に高速に変更するように適応される。既に述べたように、測定は、その非侵襲性により、患者にリスクを与えることなく何度も繰り返されることができる。
干渉デバイスの移動は、好ましくは、計画作成ステップで規定され得る移動コマンドによって指示される。好ましくは、そのような移動コマンドを制御ユニットに入力するためのインタフェースが設けられる。そのようなインタフェースは、例えばキーボード、ポインタ、コンピュータマウス若しくはジョイスティックなどのユーザインタフェース、又は例えば、MR若しくはCTなどの別の撮像モダリティを使用して得られた患者の画像データの使用によって干渉デバイスの移動を計画するためのコンピュータ上のナビゲーションユニット若しくはナビゲーションツールなどの、別の装置への接続用のインタフェースとし得る。
設けられる処理手段により、干渉デバイスは、ECG測定中の如何なる時点でも位置特定されて視覚化され得る。既知の心臓内ECGマッピングと比較して、干渉デバイスの視覚化及び/又は位置特定のために、例えばカメラシステム又はX線システムなどの追加のハードウェアは必要とされない。何故なら、干渉デバイスの移動と位置特定とを、追加の機器なしで、交互に、あるいは更にはほぼ同時に行うことができるからである。X線を用いてカテーテルを撮像しなければならない既知の方法と比較して、X線が不要であるため、患者の被曝量も低減される。
本発明の好適な一実施形態によれば、上述のECG信号は、ECG手段によって、患者の皮膚上に配置される皮膚電極を用いて記録される。これは、体表面の電極を用いる通常のECG手段によってECG信号を記録することができることを意味する。そうは言うものの、上述のように、精度及び信号品質は通常のECG装置のそれを遙かに上回る。また、通常のECG装置が使用され、それが本発明に従って適応されることのみを必要とする場合、本発明に係る装置の製造コストを節減することができる。信号品質及び測定精度を向上させるために、複数のECG皮膚電極を適用することが望ましい。
本発明の好適な更なる一実施形態によれば、ECG信号は、干渉デバイスの複数の位置に関して測定される。これは、測定中にECG信号への干渉デバイスの影響が、評価手段によって、心臓内の全ての領域で記録され得るように、干渉デバイスが心臓内の複数の位置にアクティブに位置付けられることを意味する。それにより、ECG信号への干渉デバイスの影響を示す空間的に分解された“マップ”を構築することができる。故に、可能性ある不整脈を生じさせている領域、又は損傷組織が発生している領域を見付けることが可能である。
本発明の好適な更なる一実施形態によれば、評価手段は、干渉デバイスによって引き起こされる電界の変化から生じるECG信号の信号変調を評価するように適応される。干渉デバイスが心臓内に配置されると、該デバイスの電気伝導特性により、その位置における導電率が変化され、その結果、心臓の脱分極波面が干渉デバイスの位置を通るときにECG信号が変調される。このように、干渉デバイスは、脱分極波面の電界の力線を変化させ、ひいては、ECG信号を変調する。干渉デバイスは、測定中、脱分極波面が干渉デバイスを少なくとも一度通るまで(磁場を用いて)所定の位置に維持されるか、解放されて血流とともにランダムな経路で移動しながら、処理手段を用いて位置及び向きを正確に追跡されるか、の何れかである。この場合には干渉デバイスの速度は1m/sを上回る場合があり、その場合、ECG信号は300Hzを超える周波数で変調される。故に、変調周波数はECG信号とは別の周波数帯域にあり、干渉デバイスの“痕跡”をフーリエ空間で容易に抽出することができる。
ECG信号上にこれらの信号変調を生じさせることの利点の1つは、損傷組織などを決定可能なことである。何故なら、組織が損なわれている位置に干渉デバイスが位置付けられると、変調が起こらない、あるいは、かなり弱い変調が起こるからである。これは、損傷組織は有意に低下した導電率を有するため、脱分極波面が損傷組織を動き回る(伝播波面が脱分極波面を“避ける”)と想定されることに由来する。
干渉デバイスによって引き起こされる電界の変化から生じる信号変調を評価するため、本発明の一実施形態によれば、更に好ましくは、評価手段は、干渉デバイスによって引き起こされるECG信号の信号変調についての情報を、処理された検出信号から決定された血管系及び心臓内での干渉デバイスの位置についての情報と、時間的に関係付けるように適応される。この方策による主な改良点は、この実施形態によれば、MPI追跡技術を用いて収集される干渉デバイスの位置に関する空間的な情報が、時間に依存したECG信号の信号変調と関係付けられることである。これが意味することには、干渉デバイスが或る特定の位置にある時に特定のECG特徴が最も変調されるとき、そのECG特徴はMPI追跡技術によって取得されたその位置を起源としている。
例えば、干渉デバイスが洞房結節付近に配置されていると、ECG信号のP波が最も変調され、P波から離れるにつれて変調の強さが低下する。この例において空間情報と時間依存情報とを関係付けることは、脱分極波面が、洞房結節から、干渉デバイスが配置された特定位置まで伝播するのに要する時間を、ECG信号の開始から最も強い変調の点までの時間を測定することによって、ECG信号から取得し得ること、またその一方で、MPI装置の処理手段を用いて干渉デバイスの位置を正確に決定することができることを意味する。斯くして、時間及び空間に依存した正確な脱分極波面の伝播を決定することが可能である。
本発明の更なる一実施形態によれば、評価手段が、干渉デバイスによって引き起こされるECG信号の信号変調についての情報を、処理された検出信号から決定された血管系及び心臓内での干渉デバイスの位置についての情報と時間的に関係付ける、ことによって空間的に決定された位置で、経時的な心臓の脱分極波面の平均電気ベクトルを決定するように適応されることが提案される。脱分極波面の経時的な空間伝播を画像化するためにECGデータを使用する従来のベクトルECGと同様に、全ての時点での伝播方向及び波面における電圧降下を表す平均電気ベクトルを、心臓内の全ての位置に関して、非常に正確に決定することができる。この平均電気ベクトルを近似的なシミュレーションモジュールのみに基づいて再構成する既知の非侵襲的な(通常の)ECGとは対照的に、本発明によれば、具体的な測定信号と具体的な数学演算とに基づいて平均電気ベクトルを決定することができる。これが可能であることは、これまでは、本格的な外科的介入が必要という欠点を有する侵襲的なカテーテルECGマッピングから知られるのみであった。脱分極波面の平均電気ベクトルが心臓内の十分な複数の位置に関して決定される場合、脱分極波面の非常に正確な伝播が経時的に再構成され得る。
本発明の更なる一実施形態によれば、本発明に係る装置は更に、測定された信号変調と予期される信号変調とを比較することによって信号変調の評価を改善する品質改善手段を有する。故に、脱分極波面の再構成の品質が有意に向上される。実際には、これは例えば、平均電気ベクトルの測定値を、例えば補間を用いて、予期される変調値と適応させることによって行われる。
本発明の好適な更なる一実施形態によれば、当該装置は、脱分極波面の経時的な伝播を画像化する画像化手段を有する。それにより、例えばコンピュータのスクリーン上で、脱分極波面の伝播のシミュレーション結果を画像化することができ、異常又はその他の心不全が写実的に画像化され得る。斯くして、心臓疾患の診断が有意に向上され得る。
本発明の好適な更なる一実施形態によれば、当該装置は更に、フォーカス磁場によって視野の空間位置を変化させる、フォーカス磁場信号発生器ユニットとフォーカス磁場コイルとを有するフォーカス手段を有する。このフォーカス磁場は、駆動磁場と同じあるいは同様の空間分布を有する。フォーカス磁場は、基本的に、視野の空間位置を移動させるために使用される。これは特に必要であるのは、視野は非常に限られた大きさを有するので、より長い距離にわたって検査対象(患者)内で標的素子を移動させる必要がある場合、患者の心臓内の所望位置に到達するまでの経路全体にわたって干渉デバイスをアクティブに移動・追跡するためには、フォーカス磁場によって視野の空間位置を変化させる必要があるからである。
換言すれば、フォーカス磁場は、患者のアクティブな機械的動作を置き換えるものである。これが意味することは、フォーカス磁場手段が設けられない場合には、視野を移動させるために患者を物理的に動かす必要があるということである。駆動磁場コイルと同様に、あるいは更に良好には、フォーカス磁場コイルは、患者内での干渉デバイスの移動のために使用されることが可能である。これらのコイルは、干渉デバイスの移動のために必要な十分な高速性及び十分に大きな磁場強度で、様々な方向で十分に均一な磁場を生成することができる。故に、如何なる方向にも生成され得るので、これらのフォーカス磁場コイルの使用は高い柔軟性を提供する。
既に述べたように、フォーカス磁場は、駆動磁場と同じあるいは同様の空間分布を有する。駆動磁場を生成するために使用されるコイルと同じ磁気コイルを使用することも可能である。基本的な相違は、フォーカス磁場の場合には、駆動磁場の場合より、周波数は遙かに低い(例えば、1kHz未満、典型的に100Hz未満)が、フォーカス磁場の振幅は遙かに大きい(例えば、駆動磁場の20mTに対して200mT)ことである。
本発明の上述及びその他の態様は、以下にて説明される実施形態を参照することで明らかになる。
MPI装置の第1実施形態を示す図である。 図1に示すような装置によって作り出される選択磁場パターンの一例を示す図である。 MPI装置の第2実施形態を示す図である。 本発明に係る装置の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係る装置の実適用を模式的に示す図である。 心臓内の異なる位置での、本発明に係る導電性干渉デバイスの位置決めを示す図である。 心臓内の異なる位置での、本発明に係る導電性干渉デバイスの位置決めを示す図である。 心臓内の異なる位置での、本発明に係る導電性干渉デバイスの位置決めを示す図である。 本発明に係る干渉デバイスによるECG信号への影響を示す図である。 本発明に係る干渉デバイスによるECG信号への影響を示す図である。 本発明に係る干渉デバイスによるECG信号への影響を示す図である。 心臓の脱分極波面の平均電気ベクトルを経時的に示す図である。 心臓の脱分極波面の伝播を経時的に示す図である。
本発明の詳細を説明する前に、図1−3を参照して、磁性粒子撮像の基礎を詳細に説明する。特に、医療診断用のMPIスキャナの2つの実施形態を説明する。データ収集の形式張らない説明も提示する。これら2つの実施形態間の類似点及び相違点を指摘する。
図1に示すMPIスキャナの第1実施形態10は、図1に示すように各々が配置された同軸の平行な円形コイルの、突出した3つの対12、14、16を有している。これらのコイル対12、14、16は、選択磁場と駆動磁場及びフォーカス磁場とを生成するように作用する。3つのコイル対の軸18、20、22は、互いに直交し、且つMPIスキャナ10のアイソセンタ24と呼ぶ単一の点で交わっている。また、これらの軸18、20、22は、アイソセンタ24に付随する3次元デカルトx−y−z座標系の軸としての役割を果たす。縦方向の軸20をy軸と指定する。故に、x軸及びz軸は水平方向である。コイル対12、14、16はまた、それらの軸にちなんだ名前を付けられる。例えば、スキャナの頂部にあるコイルと底部にあるコイルとによって、yコイル対14が形成される。また、正(負)のy座標を有するコイルをyコイル(yコイル)と呼び、残りのコイルについても同様に呼ぶ。
スキャナ10は、これらのコイル12、14、16の各々に、何れかの向きで、所定の時間依存電流を導くように設定されることができる。そのコイルの軸に沿って見たときに、電流がコイルを時計回りに流れる場合に正の向きとし、逆の場合には負の向きとする。静的な選択磁場を生成するため、zコイルに一定の正電流Iが流され、zコイルに電流−Iが流される。そのとき、zコイル対16は逆並列の円形コイル対として作用する。
図2に、一般に傾斜磁場である選択磁場を磁力線50によって表す。選択磁場は、選択磁場を生成するzコイル対16の(例えば、水平方向の)z軸22の方向で実質的に一定の勾配を有し、この軸22上のアイソセンタ24で値ゼロに至る。この無磁場点(図2には個別に示さない)から始めて、選択磁場50の磁場強度は、3つの空間方向の全てにおいて、該無磁場点からの距離が増大するに連れて増大する。アイソセンタ24の周りの破線によって示す第1のサブゾーン(部分領域)52においては磁場強度が小さいため、該第1のサブゾーン52内に存在する粒子の磁化は飽和しないが、第2のサブゾーン54(領域52の外側)内に存在する粒子の磁化は飽和状態にある。無磁場点又はスキャナの視野28の第1のサブゾーン52は、好ましくは空間的にコヒーレントな領域であり、また、点状領域又は直線状あるいはフラットな領域であり得る。第2のサブゾーン54(すなわち、第1のサブゾーン52の外側の、スキャナの視野28の残り部分)においては、選択磁場の磁場強度は磁性粒子を飽和状態に維持するのに十分な強さである。
視野28内で2つのサブゾーン52、54の位置を変化させることにより、視野28内の(全体的な)磁化が変化する。視野28内の磁化又は該磁化によって影響される物理パラメータを測定することにより、視野28内の磁性粒子の空間分布に関する情報を得ることができる。視野28内の2つのサブゾーン52、54の相対的な空間位置を変化させるため、更なる磁場である駆動磁場、及び適用可能な場合にはフォーカス磁場が、視野28内又は視野28の少なくとも一部内で選択磁場50に重畳される。
駆動磁場を生成するため、双方のxコイル12に時間依存電流I が流され、双方のyコイル14に時間依存電流I が流され、双方のzコイル16に時間依存電流I が流される。故に、3つのコイル対の各々が、並列円形コイル対として機能する。同様に、フォーカス磁場を生成するためには、双方のxコイル12に電流I が流され、双方のyコイル14に時間依存電流I が流され、双方のzコイル16にI が流される。
なお、zコイル対16は特別であり、駆動磁場及びフォーカス磁場のうちのその割当て分だけでなく、選択磁場をも生成する。z±コイルを流れる電流は、ID +I +ISである。残りの2つのコイル対12、14を流れる電流は、k=1,2として、ID +I である。それらの幾何学構成及び対称性により、3つのコイル対12、14、16は良好に減結合(デカップリング)される。これは望ましいことである。
逆並列円形コイル対によって生成され、選択磁場は、z軸の周りで回転対称であり、そのz成分は、アイソセンタ24の周りのかなり大きなボリューム内で、x及びyには独立して、zにほぼ線形である。特に、選択磁場はアイソセンタ位置に単一の無磁場点(FFP)を有する。対照的に、並列円形コイル対によって生成される駆動磁場及びフォーカス磁場への寄与分は、アイソセンタ24の周りのかなり大きな領域内で空間的にほぼ均一であり、それぞれのコイル対の軸に平行である。3つの並列円形コイル対の全てが合わさって生成する駆動磁場及びフォーカス磁場は、空間的にほぼ均一であり、何らかの方向及び幾らかの最大強度までの何らかの強度を与えられ得る。駆動磁場及びフォーカス磁場はまた、時間に依存する。フォーカス磁場と駆動磁場との間の相違は、フォーカス磁場は時間的にゆっくり変化し且つ大きい振幅を有するのに対し、駆動磁場は急速に変化し且つ小さい振幅を有することである。これらの磁場を異なるように取り扱うことには、物理的及び生物医学的な理由が存在する。大きい振幅を有する急速に変化する磁場は、生成が困難であるとともに患者に有害である。
MPIスキャナの実施形態10は、やはりx軸、y軸及びz軸の方向に向けられた、少なくとも1つの更なる対、好ましくは3つの更なる対、の平行な円形コイルを有する。これらのコイル対は、図1に示していないが、受信コイルとして機能する。駆動磁場及びフォーカス磁場のためのコイル対12、14、16と同様に、これらの受信コイル対のうちの1つを流れる一定の電流によって生成される磁場は、視野内で空間的にほぼ均一であり、且つそれぞれの受信コイル対の軸に平行である。受信コイルは良好に減結合されると考えられる。或る受信コイル内に誘起される時間依存電圧は、そのコイルに取り付けられた受信器によって増幅され且つサンプリングされる。より正確には、この信号の大きなダイナミックレンジに対処するよう、受信器は受信信号と基準信号との差分をサンプリングする。受信器の伝達関数は、DCから、予期される信号レベルが雑音レベルを下回る点まで、非ゼロである。
図1に示したMPIスキャナの実施形態10は、z軸22に沿った、すなわち、選択磁場の軸に沿った円筒形のボア26を有している。全てのコイルはこのボアの外側に配置される。データ収集のため、撮像(又は取扱)される患者(又は対象物)は、患者の関心ボリューム、―撮像(又は取扱)される患者(又は対象物)のボリューム(体積部)―がスキャナの視野28―スキャナが撮像可能な体積を有するスキャナのボリューム―によって包囲されるように、ボア26内に配置される。患者(又は対象物)は、例えば、患者テーブル上に配置される。視野28は、例えば立方体、球又は円筒形など、幾何学的に単純な、ボア26の内部のアイソセントリックなボリュームである。図1には立方体の視野28が例示されている。
第1のサブゾーン52の大きさは、一方で、選択磁場の勾配強度に依存し、他方で、飽和に要する磁場の磁場強度に依存する。80A/mの磁場強度と50×10A/mまで達する選択磁場の(所与の空間方向での)勾配とにおける磁性粒子の十分な飽和の場合、粒子の磁化が飽和しない第1のサブゾーン52は(上記の所与の空間方向で)約1mmの寸法を有する。
患者の関心ボリュームは磁性ナノ粒子を含むようにされる。とりわけ、例えば腫瘍の治療及び/又は診断処置に先立ち、関心ボリューム内に磁性粒子が位置付けられる。これは例えば、患者の体内(又は対象物内)に注入される、あるいはその他の方法(例えば経口)で投与される、磁性粒子を有する液体によって行われる。
磁性粒子の一実施形態は、例えば、軟磁性層を備えた、例えばガラスの、球状基板を有し、該軟磁性層は、例えば5nmの厚さを有し、例えば鉄ニッケル合金(例えば、パーマロイ)からなる。この層は、例えば、酸などの化学的且つ/或いは物理的に攻撃的な環境から粒子を保護する被覆層によって覆われていてもよい。このような粒子の磁化の飽和に必要な選択磁場50の磁場強度は、例えば粒子の直径、磁性層に使用される磁性材料及びその他のパラメータなどの、様々なパラメータに依存する。
例えば、10μmの直径の場合、およそ800A/m(近似的に1mTの磁束密度に相当する)の磁場が必要とされるが、100μmの直径の場合には、80A/mの磁場で十分である。より低い飽和磁化を有する材料の被覆が選択されるとき、又は上記の層の厚さが低減されるとき、更に低い値が得られる。概して使用可能な磁性粒子は、Resovistという商品名で市場で入手可能である。
概して使用可能な磁性粒子及び粒子組成の更なる詳細については、先述の特許文献1の対応部分、特に、特許文献1の優先権を主張する欧州特許出願公開第1304542号、国際公開2004/091386号、国際公開2004/091390号、国際公開2004/091394号、国際公開2004/091395号、国際公開2004/091396号、国際公開2004/091397号、国際公開2004/091398号、国際公開2004/091408号を参照することができる。なお、これらの文献をここに援用する。一般的なMPI方法の更なる詳細についても、これらの文献中に見出すことができる。
データ収集は時間tに始まり、時間tに終了する。データ収集中、x、y及びzコイル対12、14、16は位置及び時間に依存した磁場である印加磁場を生成する。これは、コイルを流れるように好適な電流を導くことによって達成される。実際には、視野の上位集合(スーパーセット)であるスキャンボリュームを描く予め選定されたFFP軌道に沿ってFFPが移動するよう、駆動磁場及びフォーカス磁場が選択磁場をあちこちに押しやる。印加磁場は患者内の磁性ナノ粒子を配向する。印加磁場が変化すると、得られる磁化も変化するが、それは印加磁化に非線形に応答する。変化する印加磁場と変化する磁化との和が、x軸に沿った受信コイル対の端子間に時間依存電圧Vを誘起する。付随する受信器が、この電圧を信号Sk(t)に変換し、それをサンプリングして出力する。
第1のサブゾーン52内に位置する磁性粒子からの信号を、駆動磁場変動の周波数帯域とは別の(より高い周波数にシフトされた)周波数帯域で受信あるいは検出することが有利である。これが可能であるのは、磁化特性の非線形性の結果としてのスキャナの視野28内の磁性粒子の磁化の変化により、駆動磁場の周波数の高調波の周波数成分が発生するためである。
図3に示すMPIスキャナの第2実施形態30は、図1に示した第1実施形態10と同様に、相互に直交する3つの円形コイル対32、34、36を有しているが、これらのコイル対32、34、36は選択磁場及びフォーカス磁場のみを生成する。zコイル36は、この場合も選択磁場を生成するが、強磁性材料37で充たされている。この実施形態30のz軸42は鉛直方向に向けられており、x軸38及びy軸40は水平方向に向けられている。スキャナのボア46はx軸38に平行であり、故に、選択磁場の軸42に垂直である。駆動磁場は、x軸38に沿ったソレノイド(図示せず)と、それ以外の2つの軸40、42に沿ったサドルコイルの対(図示せず)とによって生成される。これらのコイルは、ボアを形成するチューブの周囲に巻かれる。駆動磁場コイルは受信コイルとしても機能する。受信コイルによって取得された信号は、印加磁場によって引き起こされる寄与分を抑圧する高域通過フィルタを介して送られる。
このような実施形態の数個の典型的なパラメータを与えると、選択磁場Gのz勾配はG/μの強さを有する。ただし、μは真空透磁率である。生成される選択磁場は、時間的に全く変化しない、あるいは、その変化はかなり低速であり好ましくはおよそ1Hzとおよそ100Hzとの間である、かの何れかである。駆動磁場の時間周波数スペクトラムは、約25kHz(最大でおよそ100kHz)の狭い帯域内に集中される。受信信号の有用な周波数スペクトラムは、50kHzと1MHz(ゆくゆくは最大でおよそ10MHz)との間にある。ボアは120mmの直径を有する。ボア46に収まる最大の立方体28の辺の長さは120mm/√2≒84mmである。
上述の実施形態にて示したように、同じコイル対のコイルによって、また、これらのコイルに近似的に生成された電流を供給することによって、様々な磁場を生成することができる。しかしながら、特に、より高い信号対雑音比での信号解釈の目的のため、時間的に一定(あるいは準一定)の選択磁場と時間変化する駆動磁場及びフォーカス磁場とが別々のコイル対によって生成されると有利になり得る。一般に、これらのコイルにはヘルムホルツ型のコイル対を使用することができる。このタイプのコイルは、無線周波数(RF)コイル対が関心領域の上下に置かれ、該RFコイル対によって時間変化する磁場を生成することが可能な、オープン磁石を有する磁気共鳴装置(オープンMRI)分野などから広く知られている。故に、そのようなコイルの構成は、ここで更に明らかにする必要のないものである。
代替的な一実施形態において、選択磁場の生成のために永久磁石(図示せず)を使用することができる。そのような(対向する)永久磁石(図示せず)の対向する極が同じ極性を有するとき、永久磁石の2つの極の間の空間内に、図2に示したのと同様の磁場が形成される。代替的な他の一実施形態においては、選択磁場は、少なくとも1つの永久磁石と少なくとも1つのコイルとを混合したものによって生成され得る。
図4は、本発明の一実施形態に従った装置100のブロック図を示している。上述の磁性粒子撮像の一般原理は、特に断らない限り、この実施形態にも当てはまり適用可能である。
図4に示す装置100の実施形態は、所望の磁場を生成するための様々なコイルの組(セット)を有する。先ず、コイルとMPIモードにおけるその機能とを説明する。
上述の選択磁場を生成するため、好ましくは少なくとも一対のコイル素子を有するものである、選択磁場(SF)コイルセット116を有する選択手段が設けられる。選択手段は更に、選択磁場信号発生器ユニット110を有する。好ましくは、選択磁場コイルセット116の各コイル(又は、各対のコイル素子)に対して別個の発生器サブユニットが設けられる。選択磁場信号発生器ユニット110は、制御可能な選択磁場電流源112(一般的に、増幅器を含む)及びフィルタユニット114を有しており、これらは、所望の方向で選択磁場の勾配強度を個別に設定するように、選択的な選択磁場コイル素子に選択磁場電流を供給する。好ましくは、DC電流が供給される。選択磁場コイル素子が、例えば視野の反対側にある、対向するコイルとして構成される場合、対向するコイルの選択磁場電流は好ましくは反対向きにされる。
選択磁場信号発生器ユニット110は制御ユニット150によって制御され、制御ユニット150は好ましくは、選択磁場の全ての空間部分の磁場強度の和及び勾配強度の和が所定レベルに維持されるように、選択磁場電流の生成を制御する。
フォーカス磁場の生成のため、装置100は更に、フォーカス磁場(FF)コイルセットを有するフォーカス手段、好ましくは、対向配置されたフォーカス磁場コイル素子の3つの対126a、126b、126cを有するフォーカス手段を有する。フォーカス磁場コイルは、フォーカス磁場信号発生器ユニット120によって制御される。フォーカス磁場信号発生器ユニット120は好ましくは、フォーカス磁場コイルセットの各コイル素子(又は、少なくとも各対のコイル素子)に対して別個のフォーカス磁場信号発生器サブユニットを有する。フォーカス磁場信号発生器ユニット120は、フォーカス磁場電流源122(好ましくは電流増幅器を有する)及びフィルタユニット124を有し、これらは、コイル126a、126b、126cのうちの、フォーカス磁場を生成するために使用されるサブセット(部分集合)のそれぞれのコイルに、フォーカス磁場電流を供給する。フォーカス磁場電流ユニット120も制御ユニット150によって制御される。
フォーカス磁場及び上述のフォーカス磁場生成手段は本発明において必須のものではない。フォーカス磁場手段は、(詳細に後述するように)患者300の心臓220内の最終的な所望位置に到達するまで干渉デバイス210を患者300の血管内で移動させるために駆動磁場手段が使用されるのと同様に使用され得る。従って、干渉デバイス210は、印加されるフォーカス磁場(及び印加される駆動磁場のそれぞれ)によって発生する磁力によって移動される。さらに、好ましくは、視野28は非常に限られた大きさを有するので、より長い距離にわたって患者300の血管内で干渉デバイス210を移動させる必要がある場合、患者300の心臓220内の所望位置に到達するまでの経路全体にわたって干渉デバイス210をアクティブに移動・追跡することができるように、フォーカス磁場によって視野28の空間位置を変化させる必要がある。換言すれば、フォーカス磁場は、患者300のアクティブな機械的動作を置き換えるものである。フォーカス磁場手段が設けられない場合には、視野28を移動させるために患者300を物理的に動かすことが必要になる。
駆動磁場の生成のため、装置100は更に、駆動磁場(DF)コイルセットを有する駆動手段、好ましくは、対向配置された駆動磁場コイル素子の3つの対136a、136b、136cを有する駆動手段を有する。駆動磁場コイルは、駆動磁場信号発生器ユニット130によって制御される。駆動磁場信号発生器ユニット130は好ましくは、駆動磁場コイルセットの各コイル素子(又は、少なくとも各対のコイル素子)に対して別個の駆動磁場信号発生器サブユニットを有する。駆動磁場信号発生器ユニット130は、それぞれの駆動磁場コイルに駆動磁場電流を供給する駆動磁場電流源132(好ましくは電流増幅器を含む)及びフィルタユニット134を有する。駆動磁場電流源132は、AC電流を生成するように適応され、やはり、制御ユニット150によって制御される。
信号検出のため、特には受信コイルである受信手段148と、受信手段148によって検出された信号を受信する信号受信ユニット140とが設けられる。信号受信ユニット140は、受信した検出信号をフィルタリングするフィルタユニット142を有する。このフィルタリングの目的は、2つの部分領域52、54の位置の変化に影響される検査領域内の磁化によって生じる測定値を、その他の干渉信号から分離することである。この目的のため、フィルタユニット142は、例えば、受信コイル148が動作される時間周波数より低い、あるいは該時間周波数の2倍より低い、時間周波数を有する信号が当該フィルタユニット142を通過しないように設計され得る。その後、信号は増幅器ユニット144を介してアナログ/デジタル変換器(ADC)146に伝送される。アナログ/デジタル変換器146によって生成されたデジタル化された信号は画像処理ユニット(再構成手段とも呼ぶ)152に送られる。画像処理ユニット152は、測定中に絶えず且つ精度良く干渉デバイス210を追跡することができるよう、干渉デバイス210の位置の画像を再構成する。磁性干渉デバイス210の位置の再構成画像は、最終的に、制御手段150を介してコンピュータ154に伝送され、コンピュータ154によってモニタ156上に表示される。斯くして、干渉デバイス210の位置を示す画像を表示することができる。
さらに、例えばキーボードといった入力ユニット158が設けられる。故に、ユーザは、所望の、最も高い分解能の方向を設定することができ、そして、作用領域の該当する画像をモニタ156上で受け取る。最も高い分解能が必要とされる重要方向が、ユーザが最初に設定した方向から逸脱している場合、ユーザは、改善された撮像分解能で更なる画像を生成するために、方向を手動で変更することができる。この分解能の改善処理はまた、制御ユニット150及びコンピュータ154によって自動的に行われることも可能である。
本発明によれば、制御ユニット150は、制御電流を生成してそれぞれの磁場コイル、特に、フォーカス磁場コイル126a、126b、126c及び/又は駆動磁場コイル136a、136b、136cに供給し、それにより、血管系及び心臓220内で移動コマンドによって指示される方向に干渉デバイス210を移動させ且つ/或いは一定の位置に干渉デバイス210を保持するのに適した磁場を生成するように、信号発生器ユニット110、120、130、特に、フォーカス磁場信号発生器ユニット120及び/又は駆動磁場信号発生器ユニット130を制御するよう適応される。それにより、患者300の心臓220内の所望位置に干渉デバイス210を移動させることができる。この移動は、非常に高速に実行されることができ、さらに、患者300にとって一層快適であり且つリスクがない。
移動コマンドを入力するため、インタフェース162が設けられる。インタフェース162は様々な手法で実装され得る。例えば、インタフェース162は、例えばキーボード、コンソール、ジョイスティック、又は別個のコンピュータ(図示せず)にインストールされるなどしたナビゲーションツールを介してなど、ユーザがユーザコマンドを手動入力するのに用いるユーザインタフェースとし得る。
従って、実際には、本発明に係る装置は、移動コマンドが何れの形態で誰若しくは何によって提供されるかにかかわらず、特に移動コマンドに基づいて干渉デバイス210の移動方向を制御するように、患者300内で干渉デバイス210を移動させることができる。
移動コマンドはまた、インタフェース162に接続される外付けの移動制御ユニット170から受信されてもよい。移動制御ユニット170は、例えば事前収集された患者の心臓220の画像データを表示するためのディスプレイ172と、干渉デバイス210の移動を計画するための制御コマンドを入力するためのオペレータ制御装置174とを有する。
実際のインターベンションにおいて、移動制御ユニット170を用いて、測定を前もって計画することができる。ナビゲーション計画、特に、移動制御コマンドが、インタフェース162を介して、装置100の制御ユニット150に提供される。所望の(例えば、規則的な)間隔(インターバル)で、干渉デバイス210の移動が停止され、その現在位置が、MPIシーケンスを適用し(好ましくは干渉デバイス210が現在位置している可能性ある領域内の軌道に沿ってFFPを移動させながら)、且つ検出信号(その後、干渉デバイス210の現在位置を得るために処理される)を収集することによって取得される。
故に、干渉デバイス210の実際の位置が所望の位置に一致するか否かの直接的なフィードバックを取得し、手動あるいは制御ユニット150によっての何れかで直ちに補正することができる。
上述のように、装置100は、MPI撮像と追跡技術とを用いて実現される。本発明によれば、装置100は更に、患者の心臓220のECG信号を記録するECG手段151を有する。ECG手段151は、皮膚電極230(図5参照)を用いてECG信号を記録する標準的なECG装置を使用することによって実現されることが可能である。ECG信号は、干渉デバイス210によるECG信号への影響を評価するように適応された評価手段153へと伝送される。評価手段153は、例えば、制御ユニット150及び受信手段にも接続される別の処理ユニットとし得る。評価手段153において、患者の心臓の活動と、ECG手段151によって受信されたECG信号への干渉デバイス210の影響とに関する情報が、受信手段によって受信された干渉デバイス210の位置特定情報と結び付けられる。
評価手段153によって実行されるこの評価の原理を理解するため、以下、例を挙げて原理を更に詳述する。
図5は、本発明に係る装置の実測定構成の一実施形態を模式的に示している。それによれば、装置100は、図1及び3により説明したもののようなMPI手段10、30と、ECG装置151と、MPI手段10、30から受信した情報及びECG装置151から受信した情報を相互に関係付けて測定結果を評価するコンピュータ200とを含んでいる。詳細には、干渉デバイス210が、好ましくは測定に先立って患者300内に導入され、上述のMPI技術を用いて患者の心臓220まで(好ましくは、絶えず追跡されながら)移動される。制御ユニット150、画像処理ユニット152及び評価ユニット153は、この実施形態においてコンピュータ200に含まれており、再び詳細に図示するようなことはしていない。また、装置100は、標準的であるか少々適応されているかの皮膚電極230を用いてECG信号を測定するECG装置151を有している。なお、好適な電極230は、望ましくは、例えばMRI(磁気共鳴撮像)分野で知られている電極など、非磁性のものである。
干渉デバイス210は、患者300の心臓220内に位置付けられると、その電気伝導特性により、その位置における導電率を増大させる。結果として、干渉デバイス210は、心臓220の脱分極波面が干渉デバイス210を通るときに、心臓活動の電界を変化させる。この影響は、ECG装置151によって収集されるECG信号の変調をもたらす。この変調は、干渉デバイス210が心臓内の一定の位置に維持されながら(MPI装置の磁場を用いて)回転させられる場合に、更に増強され得る。図7Aにこの変調240を例示する。図7Aは、典型的なECG信号のP波の変調240を示している。干渉デバイス210によって誘起される変調周波数は、図7Aに例示したものより更に高い(300Hz超)。また、変調の振幅は、図7では説明のために誇張されているに過ぎず、実際には通常、図7に示したものより小さい。図7Aに示した測定信号は、図6Aに例示した干渉デバイス210の位置に対応し得る。図6Aにおいて、干渉デバイス210は洞房結節付近に配置されている。ECG信号のP波は洞房結節付近の脱分極に対応しているので、干渉デバイス210がこの領域に位置している場合に、P波が図7に示したように変調されることを理解し得る。
図7Aは、干渉デバイス210が図6Aに示した位置にあるときに干渉デバイス210によって引き起こされる信号変調240を示しており、図7Bは、干渉デバイス210が図6Bに示した位置にあるときの信号変調240を示しており、図7Cは、干渉デバイス210が図6Cに示した位置にあるときに干渉デバイス210によって引き起こされる信号変調240を示している。
なお、図7における変調240は単に模式的に示されている。実際には、(ECG信号のP波だけでなく)ECG信号全体が変調される。そうは言うものの、最も強い変調240は、上述の例においてのように、ECG信号の対応する部分(この例ではP波)にある。測定中、上述のMPI技術を用いて、干渉デバイス210が患者の心臓220内で複数の位置(例を図6A、6B及び6Cに示している)に移動される。同時に、干渉デバイス210の位置がMPI装置10、30によって追跡され、干渉デバイス210の全ての位置で、ECG信号がECG装置151によって記録される。そして、上述のように、これら2つの情報ピース(断片)が評価手段153にて相互に関係付けられる。これは以下のように行われる。
第1のステップにて、ECG信号内で最大の変調240の位置が決定される。ECG信号の開始から、決定された最大の変調240の発生位置までの時間を測定することにより、脱分極波面が洞房結節から干渉デバイス210が位置している場所までに要する時間を決定することができる。次のステップにて、MPI撮像を用いて、患者300の心臓220内での干渉デバイス210の位置を正確に決定することができる。故に、時間依存情報を、干渉デバイスの空間位置についての情報と結び付けることは、確かに知られた位置まで脱分極波が伝播するのにどれだけの時間を要するかを正確に決定できることを意味する。この測定手順が患者300の心臓220内の多数の位置に対して繰り返される場合、患者の心臓220の脱分極波面の伝播を経時的に示す非常に正確な画像を再構成することができる。
脱分極波面の伝播のこのシミュレーション内で、多くの心不全を検出することができる。例えば、心臓組織が特定の領域内で損なわれている場合、脱分極波面はこの領域を通り過ぎないので、すなわち、この領域を動き回るので、それをシミュレーション内で見て取ることができる。
脱分極波面の伝播のシミュレーションを図8Bに例示する。図8Bにおいて、陰影を付けた領域は、波面に通過された電気陰性領域を表している。
実際には、このシミュレーションは通常、評価手段(例えば、コンピュータ)によって実行される。通常のベクトルECGと同様に、全ての時点での測定値から平均電気ベクトルが決定される。図8Aは、時点tからt10での平均電気ベクトルを例示している。図8において、平均電気ベクトルは、矢印によって模式的に示されている。矢印の長さは電界の強さを指し示し、矢印の向きは波面における電位の和を指し示している。
まとめるに、磁性且つ導電性の干渉デバイスの使用によって非常に正確な心臓内心電図測定法を可能にする装置及び方法を提示した。測定が心臓内で行われるため、心不全の非常に正確な検出が達成され得る。測定が心臓内で実現されるのであっても、カテーテルを用いるECGマッピング手順と異なり、本格的な外科的介入は必要とされない。さらに、MPI技術を用いて、患者の心臓内で非常に正確に全ての所望位置で干渉デバイスを位置決めすることができるので、提示した装置及び方法は有利である。故に、本発明に係る装置及び方法は、最新の心臓診断システムにおける真の成果を意味する。
図面及び以上の記載にて本発明を詳細に図示して説明したが、これらの図示及び説明は、限定的なものではなく、例示的あるいは典型的なものと見なされるべきである。本発明は、開示した実施形態に限定されるものではない。図面、明細書及び特許請求の範囲を調べて請求項に係る発明を実施する当業者によって、開示した実施形態へのその他の変形が理解されて実現され得る。
特許請求の範囲において、用語“有する”はその他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞“a”又は“an”は複数であることを排除するものではない。単一の要素又はその他のユニットが、請求項中に列挙された複数の項目の機能を果たしてもよい。特定の複数の手段が相互に異なる従属項にて列挙されているという単なる事実は、それらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないということを指し示すものではない。
請求項中の如何なる参照符号も、範囲を限定するものとして解されるべきでない。

Claims (11)

  1. 磁性且つ導電性の干渉デバイスの使用による、非侵襲的な心臓内での心電図検査法(ECG)のための装置であって:
    − ECG信号を記録するECG手段と、
    − 低磁場強度を有する第1の部分領域と、より高い磁場強度を有する第2の部分領域とが視野内に形成されるよう、磁場強度の空間パターンを有する選択磁場を生成する、選択磁場信号発生器ユニットと特には選択磁場磁石又はコイルである選択磁場素子とを有する選択手段と、
    − 前記視野内の前記干渉デバイスの磁化が局所的に変化するよう、駆動磁場によって、前記視野内の2つの前記部分領域の空間位置を変化させる、駆動磁場信号発生器ユニットと駆動磁場コイルとを有する駆動手段と、
    − 検出信号を収集する、少なくとも1つの信号受信ユニットと少なくとも1つの受信コイルとを有する受信手段であり、前記検出信号は、前記第1及び第2の部分領域の空間位置の変化によって影響される前記視野内の前記干渉デバイスの磁化に依存する、受信手段と、
    − 制御電流を生成してそれぞれの磁場コイルに供給し、それにより、血管系及び心臓内で、移動コマンドによって指示される方向に前記干渉デバイスを移動させ且つ/或いは一定の位置に前記干渉デバイスを保持するのに適した磁場を生成するように、前記選択磁場信号発生器ユニット及び前記駆動磁場信号発生器ユニットを制御する制御手段と、
    − 適した磁場が印加されたときに収集された前記検出信号を処理し、処理した検出信号から、前記血管系及び心臓内での前記干渉デバイスの位置を決定する処理手段と、
    − 前記ECG手段によって記録された前記ECG信号に対する前記干渉デバイスによる影響を評価する評価手段と、
    を有する装置。
  2. 前記ECG信号は、前記ECG手段によって、患者の皮膚上に配置される皮膚電極を使用して記録される、請求項1に記載の装置。
  3. 前記ECG信号は、前記干渉デバイスの複数の位置に関して測定される、請求項1に記載の装置。
  4. 前記評価手段は、前記干渉デバイスによって引き起こされる電界の変化から生じる前記ECG信号の信号変調を評価するように適応される、請求項1に記載の装置。
  5. 前記評価手段は、前記干渉デバイスによって引き起こされる前記ECG信号の前記信号変調についての情報を、前記処理した検出信号から決定された前記血管系及び心臓内での前記干渉デバイスの位置についての情報と、時間的に関係付けるように適応される、請求項4に記載の装置。
  6. 前記評価手段は、前記干渉デバイスによって引き起こされる前記ECG信号の前記信号変調についての情報を、前記処理した検出信号から決定された前記血管系及び心臓内での前記干渉デバイスの位置についての情報と時間的に関係付ける、ことによって空間的に決定された位置で、経時的な心臓の脱分極波面の平均電気ベクトルを決定するように適応される、請求項4に記載の装置。
  7. 測定された前記信号変調と予期される信号変調とを比較することによって前記信号変調の評価を改善する品質改善手段、を更に有する請求項4に記載の装置。
  8. 前記脱分極波面の経時的な伝播を画像化する画像化手段、を更に有する請求項6に記載の装置。
  9. フォーカス磁場によって前記視野の空間位置を変化させる、フォーカス磁場信号発生器ユニットとフォーカス磁場コイルとを有するフォーカス手段、を更に有する請求項1に記載の装置。
  10. 磁性且つ導電性の干渉デバイスの使用による、非侵襲的な心臓内での心電図検査法(ECG)のための方法であって:
    − ECG信号を記録するステップと、
    − 低磁場強度を有する第1の部分領域と、より高い磁場強度を有する第2の部分領域とが視野内に形成されるよう、磁場強度の空間パターンを有する選択磁場を生成するステップと、
    − 前記視野内の前記干渉デバイスの磁化が局所的に変化するよう、駆動磁場によって、前記視野内の2つの前記部分領域の空間位置を変化させるステップと、
    − 検出信号を収集するステップであり、前記検出信号は、前記第1及び第2の部分領域の空間位置の変化によって影響される前記視野内の前記干渉デバイスの磁化に依存する、ステップと、
    − 血管系及び心臓内で、移動コマンドによって指示される方向に前記干渉デバイスを移動させ且つ/或いは一定の位置に前記干渉デバイスを保持する、のに適した磁場の生成を制御するステップと、
    − 適した磁場が印加されたときに収集された前記検出信号を処理し、処理した検出信号から、前記血管系及び心臓内での前記干渉デバイスの位置を決定するステップと、
    − 記録された前記ECG信号に対する前記干渉デバイスによる影響を評価するステップと、
    を有する方法。
  11. プログラムコードを有するコンピュータプログラムであって、前記プログラムコードは、当該コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、請求項10に記載の方法のステップを実行するように前記コンピュータに請求項1に記載の装置を制御させる、コンピュータプログラム。
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