JP2013503741A - 水性システムにおけるシリカおよび/またはケイ酸塩化合物の堆積を阻害するための方法 - Google Patents

水性システムにおけるシリカおよび/またはケイ酸塩化合物の堆積を阻害するための方法 Download PDF

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Abstract

方法は、水性システムにおける表面上のシリカおよび/またはケイ酸塩化合物の堆積を阻害する。当該方法は、ポリマーを水性システムに添加するステップを含む。ポリマーは、天然油成分およびアルキレンオキシドの反応生成物を含む。本発明のポリマーは、脂肪酸またはそのエステルを含むコア、およびこのコアに結合した複数のポリマー側鎖を有する。複数のポリマー側鎖は、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、およびそれらの組み合わせの群から選択されるアルキレンオキシ基を含む。

Description

本発明は、概して、水性システムにおける表面上のシリカおよび/またはケイ酸塩化合物の堆積を阻害する方法に関する。さらに詳細には、本発明は、天然油アルコキシレートを含むポリマーを水性システムに添加することにより、水性システムにおける表面上のシリカおよび/またはケイ酸塩化合物の堆積を阻害する方法に関する。
背景技術
スケールの形成、沈殿および堆積は、蒸気発生システム、冷却水システム、膜分離システムなどの水性システムにおいて問題である。水性システムにおけるスケールの堆積を防止するために多くのアプローチが開発されてきた。
水性システムにおけるスケールの形成は、いくつかの原因に由来する。典型的には、天然に存在するかまたは他の目的のために水性システムの水に添加されたかのいずれかの硫酸塩、シリカ、ケイ酸塩、高濃度のリン酸塩、ならびに炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムは、反応して、スケールを形成する。スケールは、カルシウム、マグネシウム、シリカおよび/またはケイ酸塩化合物、ならびに他の化合物を含む。
スケールの1つの特定の種類であるシリカスケールは、シリカおよび/またはケイ酸塩化合物を含む。シリカおよび/またはケイ酸塩は、天然では水中に存在する。水が水性システム中で循環される場合、シリカおよび/またはケイ酸塩の濃度は、水性システムの水からのシリカスケールの沈殿が起こる地点まで上昇する。時には、シリカスケールの沈殿は、シリカ自体の重合によって進行し、その結果シリカゲル(すなわち、ケイ酸塩化合物)が生じる。典型的には、シリカスケールの沈殿が起こるには、水性システムの水中のシリカおよび/またはケイ酸塩の濃度が、200ppm超でなければならない。しかし、水のpHの変化は、シリカスケールの沈殿に影響を及ぼす。さらに、水性システムの水中にカチオンが存在する場合、シリカスケールの沈殿は、シリカおよび/またはケイ酸塩濃度が200ppm未満である場合に起こり得る。シリカスケール沈殿を促進するカチオンとしては、これらに限定されるものではないが、Al2+、Mg2+、Zn2+、およびFe3+が挙げられる。
シリカスケールの形成および沈殿に続いて、水性システムのパイプ、膜、パッキング材料、および類似の部品などの内部部品の表面上にシリカスケールが堆積する。典型的には、シリカスケールの堆積が内部部品の表面上で起こり、その結果、シリカスケールの硬い付着物が生じる。内部部品上のシリカスケールの堆積は、水性システムの水の循環を制限する。場合により、水性システムは、様々な目的のために水の加熱および/または冷却を必要とし、内部部品上のシリカスケールの堆積は、水性システムの伝熱機能を妨げる。他の場合、内部部品上のシリカスケールの堆積の結果、不十分な水質となる。このように、シリカスケールの堆積は水性システムの操作効率を低下させる。
一旦シリカスケールが水性システムの内部部品上に堆積すると、シリカスケールを除去するのに、酸洗浄剤を使用する。多くの場合、シリカスケールが堆積すると、水性システムの内部部品の交換が必要となる。
水性システムにおけるシリカスケールの堆積を防止する一方法は、水の外部処理を利用する。典型的には、外部処理には、水性システム中での使用前の水の凝固、濾過、および軟化などの方法が含まれる。外部処理の使用は、水性システムにおけるシリカスケールの形成、沈殿、および堆積の防止にやや効果があるだけである。全ての場合、外部処理は、シリカスケールの形成、沈殿、および堆積を防止するわけではない。なぜなら、泥、スラッジおよび硬度を付与するイオンは外部処理を免れ、水性システム中に導入されるからである。
水性システムにおけるシリカスケールの堆積を防止する別の方法は、水の内部処理を利用する。典型的には、内部処理には、シリカスケール阻害剤を水性システムの水に添加することが含まれる。シリカスケール阻害剤の添加により、シリカおよび/またはケイ酸塩は水性システムの水中に溶解した状態に保たれる。
種々のモノマー、オリゴマーおよびポリマーがシリカスケール阻害剤として水性システムに添加されてきた。一般的に、これらのモノマー、オリゴマーおよびポリマーは、石油などの再生不能資源を用いて製造されたフィードストックから形成され、これは望ましくない。最初は、モノマーおよび/またはオリゴマーシリカスケール阻害剤(多くの場合、アミンおよび1以上の直鎖脂肪酸を含む)を水性システムに添加した。最終的に、ポリマーシリカスケール阻害剤、例えばエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの反応生成物を含むポリマーが導入された。最近、複雑なポリマーシリカスケール阻害剤、例えばポリエーテル骨格に沿って規則的またはランダムに間隔を置いた疎水性基を有するポリエーテル骨格を有するポリマーおよびポリカルボキシレートポリマーが導入された。複雑なポリマーシリカスケール阻害剤は、典型的には、特定の化学構造を有する複数の化合物の反応生成物を含む。
市場におけるシリカスケール阻害剤の改善に関わらず、シリカスケール阻害剤のさらな改善が依然として必要とされている。前記事項を考慮して、前記の必要性に対処するポリマーを含むシリカスケール阻害剤を用いて水性システムにおけるシリカスケールの形成および堆積を阻害するための改善法を提供することが有利であろう。
発明の要約及び利点
本発明は、水性システムにおける表面上のシリカおよび/またはケイ酸塩化合物の堆積を阻害する方法を提供する。当該方法は、ポリマーを水性システムに添加するステップを含む。ポリマーは、天然油成分およびアルキレンオキシドの反応生成物を含む。
本発明のポリマーは、資源をほとんど必要としない基本的化学的方法で形成することができる。有利には、本発明のポリマーは、既存のシリカおよび/またはケイ酸塩化合物阻害剤の性能をさらに改善する。本発明の優れたシリカおよび/またはケイ酸塩化合物阻害特性は、一つには、ポリマーの構造の結果である。ポリマーの構造は、天然油成分に起因する。
ポリマーの天然油成分は、環境的観点からも有利である。天然油成分は再生可能資源由来のフィードストックである。次に、水性システムにおけるシリカおよび/またはケイ酸塩化合物阻害剤の使用およびその後のそのような水性システムからの水の廃棄に関連する潜在的な環境問題は、本発明のポリマーで軽減することができる。
本発明の他の利点は、添付の図面に関連して検討する場合に、以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるようになるので、容易に理解されるであろう。ここで:
図1は、実施例1〜5の阻害性能を表すグラフである。
発明の詳細な説明
本発明による方法は、水性システムにおける表面上にシリカおよび/またはケイ酸塩化合物が堆積するのを阻害する。シリカおよび/またはケイ酸塩化合物の表面上の堆積が、水性システムにおいてしばしば起こる。水性システムにおける表面上のシリカおよび/またはケイ酸塩化合物の堆積は、通常、スケールまたはシリカスケールと呼ばれる。水性システムは、水性成分および表面を含む。水性成分は、典型的には、水ならびに、沈泥、粘土、有機廃棄物、無機塩、シリカおよび/またはケイ酸塩化合物などの、水中に溶解および/または懸濁される材料を含む。
シリカおよび/またはケイ酸塩化合物の堆積が阻害される表面は、水性成分と接触する任意の表面としてさらに定義される。例えば、水性システムは、水性システムの水性成分と接触する表面を有する任意の装置を含み得る。装置は、これらに限定されるものではないが、冷却水装置、ボイラー水装置、蒸気発生装置、脱塩装置、ガススクラバー装置、エバポレーター装置、製紙装置、採鉱装置、ならびに逆浸透装置、限外濾過装置、およびナノ濾過装置などの膜を有する分離または濾過装置をはじめとする任意の装置であり得る。表面は、その上にシリカおよび/またはケイ酸塩化合物が堆積し得る装置の任意の部品であり得、これらに限定されるものではないが、パイプ、収集装置、撹拌装置、フィルター、膜、およびパッキング材料が挙げられる。表面は、これらに限定されるものではないが、鉄、スチール、銅、セラミック、プラスチック、ガラス、および膜を形成するために通常使用される材料などの任意の種類の材料を含み得る。
水性システムにおける表面上のシリカおよび/またはケイ酸塩化合物の堆積を阻害する方法は、ポリマーを水性システムに添加するステップを含む。例えば、ポリマーを、閉じた循環ループを有する冷却塔または熱交換器などの水性システムに添加することができる。ポリマーは、天然油成分とアルキレンオキシドとの反応生成物を含む。
天然油成分は、非石油系油として定義される。一般的に、天然油成分は、少なくとも1つの天然油ならびに/または少なくとも1つの天然油および天然油と反応性である化合物の反応生成物を含む。天然油成分は、大豆油などの再生可能資源および/または作物の収穫などの手段により生成可能な他の再生可能資源から形成されるフィードストックである。再生可能資源から形成されるフィードストックの使用は、石油および他の再生不能資源の需要を減少させることにより、環境影響を低減する。天然油成分は、典型的には、ヒドロキシル官能性である。ヒドロキシル官能基は、ポリマー側鎖が結合可能な、天然油成分上の1以上の反応部位を提供する。天然油成分は、ポリマーの構造および阻害性能に影響を及ぼす。一般的に、天然油成分は、疎水性であり、水に不溶性である。
典型的には、天然油成分は天然油を含む。1つの特に好適な天然油はヒマシ油である。ヒマシ油はトリグリセリドを含む。トリグリセリドは、グリセロールが3つの脂肪酸でエステル化されているグリセリドである。すなわちヒマシ油は、脂肪酸を含むトリグリセリドを含む。これらの脂肪酸の約90パーセントはリシノール酸を含み、これらの脂肪酸の残りの約10パーセントは、オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、および/またはジヒドロキシステアリン酸を含む。当該技術分野で周知のように、ヒマシ油は、ヒマ種子から直接製造され、そしてヒドロキシル官能性である。
ヒドロキシル基を有さず、炭素−炭素二重結合を有する他の天然油は、典型的には、活性水素含有官能基を導入するために化学的修飾を必要とする。一例は、将来のアルコキシル化のために天然油を活性水素含有官能基で官能化するための炭素−炭素二重結合の酸化である。当業者に周知の任意の化学的修飾を用いて、天然油を活性水素含有官能基で官能化することができる。本発明に好適な活性水素含有官能基としては、これらに限定されるものではないが、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、およびそれらの組み合わせが挙げられる。活性水素含有官能基は、ポリマー側鎖が、例えば前述のアルコキシル化により結合可能な天然油上の1以上の反応部位を提供する。本発明に好適な他の天然油としては、これらに限定されるものではないが、キャノーラ油、ココナツ油、コーン油、ヤシ油、ピーナッツ油、大豆油、トール油、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
天然油成分は、少なくとも1つのモノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドを含み得る。天然油成分は、異なるモノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドの混合物を含み得る。特に好適な天然油成分はトリグリセリドを含む。トリグリセリドの化学式は、RCOO−CH2CH(−OOCR’)CH2−OOCR"である(式中、R、R’、およびR"はアルキル鎖である)。3つの脂肪酸、RCOOH、R’COOHおよびR"COOHは全て異なり得るか、全て同じであり得るか、または2つだけが同じであり得る。天然に存在するトリグリセリド中の脂肪酸の鎖長は、様々な長さのものであり得るが、16、18および20個の炭素分子が一般的である。
天然油成分は脂肪酸を含み得る。脂肪酸は、典型的には、7〜100個の炭素原子、更に典型的には10〜25個の炭素原子、そして最も典型的には14〜22個の炭素原子を有するカルボン酸(一および/または二塩基性)である。脂肪酸は、飽和もしくは不飽和、脂肪族もしくは脂環式であり得、および/または非置換もしくはヒドロキシル基などの他の官能基で置換され得る。好適な脂肪酸としては、これらに限定されるものではないが、セチル酸、ラウリン酸、リノール酸、ミリストレイン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルモトエン酸、リシノール酸、およびステアリン酸が挙げられる。2以上の前記脂肪酸の混合物が、天然油成分中に存在してもよい。本発明の特に好適な脂肪酸はリシノール酸である。
すでに記載したように、ポリマーは天然油成分とアルキレンオキシドとの反応生成物である。フィードストックは再生可能資源から形成されるため、天然油成分の組成の変動はよくあることである。理論によって拘束されることなく、天然油成分の変動の結果、ポリマーおよびポリマーの構造が変動し、ポリマーおよびポリマーの構造のこれらの変動は、ポリマーの阻害性能に有益であると考えられる。
好ましくは、天然油成分と反応してポリマーを形成するアルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびそれらの組み合わせの群から選択される。これらに限定されるものではないが、テトラヒドロフラン、エピハロヒドリン、アラルキレンオキシド、およびそれらの組み合わせをはじめとする他のアルキレンオキシドも同様に好適であり得る。もちろん、本発明は前記アルキレンオキシドのいずれか1つに限定されず、アルキレンオキシドの任意の組み合わせを用いることができる。しかし、当該技術分野で公知の任意の好適なアルキレンオキシドを本発明で使用することができることも想定される。
本発明のポリマーはアルコキシル化により形成される。アルコキシル化は、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを天然油成分、例えばヒマシ油に付加する化学反応である。アルコキシル化は、天然油成分を予熱し、触媒、例えば水酸化カリウム(KOH)の存在下でアルキレンオキシドと反応させることにより完了する。典型的には、アルコキシル化は化学反応器中で起こり、この化学反応器を加熱し、窒素で加圧する。しかし、本発明のポリマーの形成は、任意の特定の化学反応に限定されないと理解されるべきである。
典型的には、アルコキシル化により形成されるポリマーは、脂肪酸またはそのエステルを含むコア、およびこのコアに結合したアルキレンオキシ基を含む複数のポリマー側鎖を含む。アルキレンオキシ基という用語は、ポリマー側鎖のマー(単位)を表す。アルキレンオキシ基は、アルキレンオキシドの反応から生じる単位である。複数のポリマー側鎖は、好ましくは、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、およびそれらの組み合わせの群から選択されるアルキレンオキシ基を含む。ポリマーの複数のポリマー側鎖の末端は水素原子である。水溶性であるポリマーは、かつては疎水性であったコアを含み、親水性である複数のポリマー側鎖も含む。
ポリマーの複数のポリマー側鎖は、ランダム基を有するポリマー、繰り返し基を有するポリマー、およびブロック基を有するポリマーの群から独立して選択される。ポリマーの複数のポリマー側鎖は分枝であっても直鎖であってもよい。さらに、複数のポリマー側鎖は互いに架橋していてもよい。特に好適なポリマーは、複数の側鎖を有し、これらは直鎖であり、ランダムに配置されたエチレンオキシ基およびプロピレンオキシ基を含む。典型的には、天然油成分のプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドでのアルコキシル化により、エチレンオキシド単独で形成される複数のポリマー側鎖の分子量よりも大きな分子量を有する複数のポリマー側鎖を有するポリマーが形成される。エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの両方で天然油成分を前記の様に異なってアルコキシル化することにより、エチレンオキシドだけで天然油成分をアルコキシル化することにより形成される側鎖よりも長い側鎖が形成される。任意の特定の理論により拘束されることなく、複数のポリマー側鎖は、水性システムの水性成分中に溶解および/または懸濁し、他の方法では沈殿しやすいシリカおよび/またはシリカ化合物の分子および/または小粒子の周りにポリマーが巻き付くことを可能にし、それによりポリマーはシリカおよび/またはシリカ化合物の沈殿を阻害すると考えられる。
ポリマーの分子量は、ポリマーのシリカおよび/またはケイ酸塩化合物阻害特性に影響を及ぼすことも考えられる。本発明のポリマーは、典型的には約300〜約15,500、更に典型的には約400〜約12,500、そして最も典型的には約500〜約9,500の分子量を有する。
特に好ましい実施形態では、ポリマーは、ヒマシ油とアルキレンオキシドとの反応生成物を含む。この実施形態のアルキレンオキシドは、エチレンオキシドである第1アルキレンオキシドおよびプロピレンオキシドである第2アルキレンオキシドを含む。エチレンオキシドは、典型的には、ポリマー中、100質量部のアルキレンオキシドを基準として、約22〜約92の量で、更に典型的には約42〜約72の量で、そして最も典型的には約52〜約62質量パーセントの量で存在する。プロピレンオキシドは典型的には、ポリマー中、100質量部のアルキレンオキシドを基準として、約8〜約78の量で、更に典型的には約28〜約58の量で、そして最も典型的には約38〜約48質量パーセントの量で存在する。この実施形態では、コアは分枝であり、複数のポリマー側鎖は直線状であり、ランダムに配置されたエチレンオキシ基およびプロピレンオキシ基を含む。前記実施形態では、エチレンオキシ基およびプロピレンオキシ基は、約4:1〜約1:4、更に典型的には約2.5:1〜約1:2、そして最も典型的には約2:1〜約1:1のエチレンオキシ基のプロピレンオキシ基に対するモル比でポリマー中に存在する。この実施形態では、ポリマーは、典型的には、約500〜約15,000、更に典型的には約3,000〜約10,500、そして最も典型的には約4,000〜約9,500の分子量を有する。そのような1つのポリマーは、商標POLYTERGENT(登録商標)で販売され、BASF Corporationから市販されているPOLYTERGENT(登録商標)777である。本発明に関して、他のヒマシ油系ポリマーも同様に好適であり得る。
別の実施形態では、ポリマーは、ヤシ油由来の天然油成分、およびエチレンオキシドの反応生成物を含む。この実施形態の天然油成分は、パームステアリンのモノグリセリドおよびジグリセリドを含む。この実施形態では、コアは分枝であり、そして複数のポリマー側鎖は直線状であり、エチレンオキシ基を含む。また、この実施形態では、ポリマーは、典型的には、約250〜約15,000、更に典型的には約500〜約10,000、そして最も典型的には約750〜約1,500の分子量を有する。そのようなポリマーの1つは、商標MAZOL(登録商標)で販売され、BASF Corporationから市販されているMAZOL(登録商標)80 MGKである。
別の実施形態では、ポリマーは、ココナツ油由来の天然油成分、およびエチレンオキシドの反応生成物を含む。この実施形態の天然油成分は、セトステリルアルコールを含む。この実施形態では、コアは直線状であり、そしてポリマー側鎖は直線状であり、エチレンオキシ基を含む。また、この実施形態では、ポリマーは、典型的には、約500〜約15,000、更に典型的には約700〜約10,000、そして最も典型的には約900〜約1,250の分子量を有する。そのようなポリマーの1つは、商標MACOL(登録商標)で販売され、BASF Corporationから市販されているMACOL(登録商標)CSA 20である。
さらに別の実施形態では、ポリマーは、ヒマシ油およびエチレンオキシドの反応生成物を含む。この実施形態では、コアは分枝であり、そして複数のポリマー側鎖は直線状であり、エチレンオキシ基を含む。この実施形態のポリマーは、典型的には、約500〜約15,000、更に典型的には約1,000〜約10,000、そして最も典型的には約1,500〜約3,000の分子量を有する。そのようなポリマーの1つは、商標EMULAN(登録商標)で販売され、BASF Corporationから市販されているEMULAN(登録商標)ELである。
さらに別の実施形態では、ポリマーは、天然油成分およびエチレンオキシドの反応生成物を含む。この実施形態の天然油成分は、ソルビタンモノオレエートを含む。この実施形態では、コアは分枝であり、そして複数のポリマー側鎖は直線状であり、エチレンオキシ基を含む。この実施形態のポリマーは、典型的には、約250〜約15,000、更に典型的には約500〜約10,000、そして最も典型的には約750〜約1,500の分子量を有する。そのようなポリマーの1つは、商標T−MAZ(登録商標)で販売され、BASF Corporationから市販されているT−MAZ(登録商標)80である。
前述の本発明の実施形態は例証と説明の目的で提示した。実施形態は、網羅的または本発明を制限することを意図するものではない。発明の原理およびその実際的応用を最もよく説明して、他の当業者が本発明をその種々の実施形態で、想定される特定の使用に適合するように種々の修飾を加えて最大限に利用可能にするために、実施形態を選択し、記載した。
もちろん、本発明のポリマーは、1以上のポリマーの組み合わせを含み得る。例えば、ポリマーは単独で使用することができるか、または他の水処理剤と組み合わせて使用することができる。ポリマーは、リン酸およびそれらの塩、金属キレート化剤、腐食防止剤、ポリマースケール制御分散剤、殺菌剤、凝集剤、凝固剤、酸素スカベンジャー、中和アミン、スケール阻害剤、アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、マレイン酸および無水マレイン酸ポリマーおよびコポリマー、ならびに他の水処理剤と組み合わせて使用することができる。
すでに記載したように、方法は、ポリマーを水性システムに添加するステップを含む。ポリマーを水性成分に、水性成分の約0.5〜約500の量で、更に典型的には約0.8〜約350の量で、そして最も典型的には約1〜約100ppmの量で添加する。ポリマーを前述のように水性成分に直接添加することができる。あるいは、ポリマーをまず流体担体と混合して溶液を形成し、この溶液を水性成分に添加してもよい。
任意の特定の理論に拘束されることなく、限定量または一定量のポリマーが溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩とともに水性成分中に存在する場合、ポリマーは溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩をまとめると考えられる。過剰量の溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩が水性成分に存在する場合、ポリマーは、ポリマーがシリカおよび/またはケイ酸塩と完全にまたは実質的に結合する地点、すなわち「使い果たされる」地点まで圧倒され得る。この地点で、任意の残存する溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩は、カチオンまたは類似の溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩と自由に反応し、かくして最終的に、シリカおよび/またはケイ酸塩化合物の沈殿および堆積に至る。
図1は、実施例1〜5の阻害性能を表すグラフである。
以下の実施例は、本発明を説明することを意図するものであり、本発明の範囲を決して制限するものと見なされるべきでない。
実施例
種々のポリマーを形成する。実施例1〜5は、本発明によるポリマーである。本発明のポリマーは、天然油成分とアルキレンオキシドとの反応生成物を含む。実施例1〜5の天然油成分およびアルキレンオキシドの一般的な説明を下記第1表に示す。
Figure 2013503741
比較例1〜10は、本発明によらない、市販のポリマーであり、再生不能(すなわち、石油系)資源から形成する。比較例1〜10を含め、実施例1〜5のポリマーの予期せぬ有益な効果の比較の基礎を提供する。
実施例1は、ヒマシ油ならびにエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのヘテロアルコキシレートである。
実施例2は、パームステアリンモノグリセリドおよびパームステアリンジグリセリドのエトキシレートである。
実施例3は、20モルのセトステアリルアルコールのエトキシレートである。
実施例4は、33モルのヒマシ油のエトキシレートである。
実施例5は、20モルのソルビタンモノオレエートのエトキシレートである。
比較例1は、VERSAFLEX(登録商標)Si(商標VERSAFLEX(登録商標)で販売され、Akzo Nobelから市販されているシリカスケール阻害剤)である。
比較例2は、ACUMER(登録商標)5000(商標ACUMER(登録商標)で販売され、Dow Chemical Companyから市販されているシリカスケール阻害剤)である。
比較例3は、CARBOSPERSE(登録商標)KXP−212(商標CARBOSPERSE(登録商標)で販売され、Lubrizol Corporationから市販されているシリカスケール阻害剤)である。
比較例4は、アクリル酸、メタクリル酸、およびタウリン−アクリルモノマーのターポリマーである。
比較例5は、約50,000g/molの数平均分子量を有するナトリウム塩形態のアクリル酸/マレイン酸のコポリマーである。
比較例6は、約4,000g/molの数平均分子量を有するポリアクリル酸である。
比較例7は、約3,000g/molの数平均分子量を有する修飾ポリアクリル酸である。
比較例8は、約20,000g/molの数平均分子量を有する修飾ポリアクリル酸である。
比較例9は、約13,000g/molの数分子量を有する、アクリル酸、メタクリル酸、およびメタクリル酸のメチルポリエチレングリコールエステルのターポリマーである。
比較例10は、約4,000g/molの数分子量を有する、マレイン酸およびイソブテンのコポリマーである。
実施例1〜5のポリマーおよび比較例1〜10のポリマーを評価して、pH7.0および40℃で、水、溶解シリカ(ケイ酸ナトリウム)、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、および塩化物イオン(Cl-)を含む水性成分からのシリカおよび/またはケイ酸塩化合物の沈殿の阻害を含む阻害特性を決定する。試験を実施するために、3つの水性ストック溶液:0.2MのNa2SiO3溶液、0.2MのCaCl2および0.2MのMgCl2溶液、ならびに水中約1,000ppmのポリマーを含むポリマー溶液を調製する。
5.0mLのポリマー溶液、8.6mLの0.2M Na2SiO3溶液、および5.0mLの0.2M CaCl2/0.2M MgCl2溶液を含むようにし、体積を蒸留水で200.0mLに調節して、200.0mLの試験水性成分を調製する。試験水性成分をpH7.0に調節し、試験全体を通して維持する。試験水性成分は、以下の濃度を含む:450〜640ppmのSiO2として存在する溶解シリカ、200ppmのCa2+、120ppmのMg2+、および25ppmのポリマー。試験水性成分を、2穴ゴム栓を含むビーカーに入れる。一方の穴はpHプローブのために使用し、もう一つの穴はサンプリングのために使用する。試験水性成分を、循環浴中で40℃にて加熱しながら撹拌する。3.0〜5.0mLの試料を定期的に取り出し、そして0.22μmフィルターに通す。濾液の2.0mLの試料をとり、蒸留水で25.0mLに希釈する。ハイレンジシリカ(Hach Co.(コロラド州ラブランド)から入手可能)用の1つのモリブデン試薬ピローの内容物を10mLの試料に添加し、試料を振とうして、モリブデン試薬ピローの内容物を溶解する。1つの酸試薬ピロー(これも、Hach Co.(コロラド州ラブランド)から入手可能)の内容物を試料に添加し、試料を振とうして、酸試薬ピローの内容物を溶解する。試料を10分間静置した後、1つのクエン酸ピロー(これも、Hach Co.(コロラド州ラブランド)から入手可能)の内容物を試料に添加し、試料をおだやかに振とうして、気泡の形成を避け、クエン酸ピローの内容物を溶解する。試料を次いで2分間静置する。モリブデン試薬は任意のケイ酸/ケイ酸塩と反応し、定量的に黄色化合物を形成する。黄色化合物の色の強度は、試験水性成分中に存在する溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩の量に比例する。分光光度計を用いて450nmで黄色化合物の吸光度を測定することにより、色の強度を定量する。
試験水性成分について調製した直後および調製の22時間後に吸光度を得る。調製の22時間後に存在する溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩の量は、安定化シリカ濃度である。一般的に、より高い安定化シリカ濃度は、シリカおよび/またはケイ酸塩化合物の堆積の損害剤としてのポリマーのさらに高い有効性の指標である。
阻害試験全体にわたって用いられるポリマーの濃度は、溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩の濃度に関係なく一定のままであるため、調製の22時間後に存在する溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩の量は、シリカおよび/またはケイ酸塩化合物の堆積の阻害剤としてのポリマーの有効性を正確に示す。
実施例1〜5および比較例1〜10を評価し、前述の試験を用いて22時間後の阻害性能を定量する。評価の結果を下記第2表に示し、図1でグラフにより図示する。
Figure 2013503741
第2表に示されるデータからわかるように、比較例1〜10のポリマーと対照的に、実施例1〜5のポリマーは阻害性能が優れている。ヒマシ油、エチレンオキシド、およびプロピレンオキシドの反応生成物である実施例1のポリマーは、試験した全ての他の実施例および比較例のポリマーより優れ、400ppmの安定化シリカ濃度を有する。実施例1のポリマーは、直線状であり、ランダム配置のエチレンオキシ基およびプロピレンオキシ基を含む複数のポリマー側鎖を有する。実施例1のポリマーの優れた阻害性能は、ポリマーの構造の結果である。
実施例2のポリマーも同様に優れた阻害性能を示し、275の安定化シリカ濃度を有する。実施例1および2のポリマーは優れた阻害性能を有する他、どちらも直線状であるポリマー側鎖を有する。
実施例3のポリマーは、実施例2のポリマーと同じ阻害性能を示す。実施例3のポリマーは、セトステリルアルコールから形成され、そして直線状であり、エチレンオキシ基を含む複数のポリマー側鎖を有する。
ヒマシ油およびエチレンオキシドの反応生成物である実施例4のポリマーは、237.5ppmの安定化シリカ濃度を有する。実施例1のポリマーのように、実施例4のポリマーをヒマシ油から形成する。しかし、実施例4のポリマーは、直線状でありエチレンオキシ基を有する複数のポリマー側鎖を有する。また、実施例4のポリマーは、実施例1のポリマーよりも低い平均分子量を有する。実施例4のポリマーと実施例1のポリマーとの阻害性能の差異は、複数のポリマー側鎖の差異に起因すると考えられる。
実施例5のポリマーは、比較例のポリマー全てと同様に、またはより良好に機能する。実施例5のポリマーは、トール油から形成される天然油成分から形成されるポリマーを含み、分枝コアならびに直線状であり、エチレンオキシ基を含む複数のポリマー側鎖を有する。
本発明による実施例1〜5のポリマーは、比較例1〜10のポリマーの阻害性能と等しいまたはより良好な阻害性能を示す。シリカおよび/またはケイ酸塩化合物阻害剤として、実施例1のポリマーは、他の全ての実施例および比較例のポリマーよりも優れている。実施例1〜5の阻害性能は、一つには、実施例1〜5のポリマーおよび構造から生じると考えられる。実施例は、ポリマーの使用が(a)天然油成分およびアルキレンオキシドの反応生成物であり、(b)優れた阻害性能を示すことを示す。
本発明を例示的方法で記載し、そして使用された用語は、制限ではなくむしろ説明の用語の性質を帯びていることを意図すると理解されるべきである。明らかに、本発明の多くの修正および変更が前記教唆を考慮して可能である。したがって、添付の請求の範囲内で、本発明を具体的に記載されている以外で実施することができると理解されるべきである。

Claims (32)

  1. シリカおよび/またはケイ酸塩化合物を含むシリカスケールが水性システムにおける表面上に堆積するのを阻害する方法であって、水性システムが、水性成分および前記水性成分と接触する表面を含み、前記方法が、ポリマーを水性システムの水性成分に添加することによりシリカスケールをまとめて、シリカスケールが水性システムにおける表面上に堆積するのを防止するステップを含み、ポリマーが天然油成分およびアルキレンオキシドの反応生成物を含む、方法。
  2. シリカおよび/またはケイ酸塩化合物を含むシリカスケールの水性システムにおける表面上の堆積を阻害する方法であって、前記方法が:
    水性システム中に水を提供するステップ;
    水性システム中で水を循環させるステップ;および
    ポリマーを水に導入することによりシリカスケールをまとめて、シリカスケールが水性システムにおける表面上に堆積するのを防止するステップ
    を含み、前記ポリマーが、天然油成分およびアルキレンオキシドの反応生成物を含む、方法。
  3. 分離または濾過装置が、逆浸透装置としてさらに定義される、請求項32記載の方法。
  4. 天然油成分が非石油系油としてさらに定義される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 天然油成分が脂肪酸またはそのエステルを含む、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 天然油成分がモノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドの少なくとも1つを含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 天然油成分がヒマシ油を含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 天然油成分が天然油を含む、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 天然油が、キャノーラ油、ヒマシ油、ココナツ油、コーン油、ヤシ油、ピーナッツ油、大豆油、トール油およびそれらの組み合わせの群から選択される、請求項8記載の方法。
  10. 天然油成分が天然油および天然油と反応性である化合物の反応生成物を含み、前記反応生成物が1以上の活性水素含有官能基を有する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびそれらの組み合わせの群から選択される、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. アルキレンオキシドがエチレンオキシドである、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. アルキレンオキシドがプロピレンオキシドである、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  14. アルキレンオキシドがエチレンオキシドである第1アルキレンオキシドおよびプロピレンオキシドである第2アルキレンオキシドを含む、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  15. 100質量部のアルキレンオキシドを基準として、エチレンオキシドがアルキレンオキシド中、約42〜約72質量パーセントの量で存在し、そしてプロピレンオキシドアルキレンオキシド中、約28〜約58質量パーセントの量で存在する、請求項14記載の方法。
  16. ポリマーが約500〜約10,000の分子量を有する、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
  17. ポリマーが約4,000〜約9,500の分子量を有する、請求項16記載の方法。
  18. ポリマーを水性システムに添加するステップが、ポリマーを水性システムの水性成分に水性成分の約0.8ppm〜約350ppmの量で添加することを含む、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  19. 当初シリカおよび/またはケイ酸塩化合物で飽和した水性システムの水性成分が、少なくとも210ppmの水性成分中に溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩化合物を、約20〜約30ppmのポリマーを水性成分に添加した22時間後に保持する、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
  20. 当初シリカおよび/またはケイ酸塩化合物で飽和した水性システムの水性成分が、少なくとも230ppmの水性成分中に溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩化合物を、約20〜約30ppmのポリマーを水性成分に添加した22時間後に保持する、請求項19記載の方法。
  21. シリカおよび/またはケイ酸塩化合物を含むシリカスケールが水性システムにおける表面上に堆積するのを阻害する方法であって、水性システムが水性成分および前記水性成分と接触する表面を含み、前記方法が、ポリマーを水性システムの水性成分に添加することにより、シリカスケールをまとめて、シリカスケールが水性システムにおける表面上に堆積するのを防止するステップを含み、ポリマーが:
    A.脂肪酸またはそのエステルを含むコア;
    B.ポリマーコアに結合した複数のポリマー側鎖(前記複数のポリマー側鎖は、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、およびそれらの組み合わせの群から選択されるアルキレンオキシ基を含み、前記側鎖は末端が水素原子である)
    を含む、方法。
  22. アルキレンオキシ基がエチレンオキシ基およびプロピレンオキシ基である、請求項21記載の方法。
  23. エチレンオキシ基およびプロピレンオキシ基が、ポリマー中、約2.5:1〜約1:2のモル比で存在する、請求項21または22記載の方法。
  24. 複数のポリマー側鎖のアルキレンオキシ基がランダムに配置されている、請求項21から23までのいずれか1項に記載の方法。
  25. 複数のポリマー側鎖が直線状である、請求項21から24までのいずれか1項に記載の方法。
  26. ポリマーが約500〜約10,000の分子量を有する、請求項21から25までのいずれか1項に記載の方法。
  27. ポリマーが約4,000〜約9,500の分子量を有する、請求項26記載の方法。
  28. ポリマーを水性システムに添加するステップが、ポリマーを水性システムの水性成分に水性成分の約0.8ppm〜約350ppmの量で添加することを含む、請求項21から27までのいずれか1項に記載の方法。
  29. 当初シリカおよび/またはケイ酸塩化合物で飽和した水性成分が、少なくとも210ppmの水性成分中に溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩化合物を、ポリマーを約20〜約30ppmの量で水性成分に添加した22時間後に保持する、請求項21から28までのいずれか1項に記載の方法。
  30. 当初シリカおよび/またはケイ酸塩化合物で飽和した水性成分が、少なくとも230ppmの水性成分中に溶解したシリカおよび/またはケイ酸塩化合物を、ポリマーを約20〜約30ppmの量で水性成分に添加した22時間後に保持する、請求項29記載の方法。
  31. シリカおよび/またはケイ酸塩化合物を含むシリカスケールが水性システムにおける表面上に堆積するのを阻害する方法であって、水性システムが水性成分および前記水性成分と接触する表面を含み、前記方法が、ポリマーを水性システムの水性成分に添加することにより、シリカスケールをまとめて、水性システムにおける表面上に堆積するのを防止するステップを含み、ポリマーが次式:
    x[(By)H]z
    (式中、
    Aは脂肪酸またはそのエステルであり、そして
    xは少なくとも1であり;
    Bは、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、およびそれらの組み合わせの群から選択されるアルキレンオキシ基であり、
    そしてyは少なくとも1であり、そして
    zは少なくとも1であり;そして
    Hは水素原子である)を有する、方法。
  32. 水性システムとして、冷却水装置、ボイラー水装置、蒸気発生装置、脱塩装置、ガススクラバー装置、エバポレーター装置、製紙装置、採鉱装置、および分離もしくは濾過装置、またはこれらの組み合わせが挙げられる、請求項1、2、21、または31に記載の方法。
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