JP2013503460A - 照明システム、リソグラフィ装置、及び照明モード調整方法 - Google Patents

照明システム、リソグラフィ装置、及び照明モード調整方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】照明モードを形成するよう構成される複数の可動反射要素22a、22b、22cと、関連づけられたアクチュエータを有する照明システムが開示される。
一つ以上のアクチュエータは第1、第2、第3位置の間を動き、したがって関連づけられた可動反射要素22a、22b、22cを第1、第2、第3の向きの間で動かすよう構成される。第1および第2の向きは、可動反射要素22a、22b、22cから反射された放射が照明モードの一部を形成するような向きである。第3の向きは、可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成しないような向きである。
【選択図】図3

Description

本発明は照明システム、照明システムを含むリソグラフィ装置、および、照明モードを調整する方法に関する。
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板のターゲット部分に転写する機械である。リソグラフィ装置は例えば集積回路(IC)の製造に用いられる。この場合、マスクまたはレチクルとも称されるパターニングデバイスが、集積回路の個々の層に対応する回路パターンを形成するために使用されうる。このパターンが基板(例えばシリコンウエハ)の(例えばひとつまたは複数のダイもしくはダイの一部を含む)ターゲット部分に転写される。パターン転写は典型的には基板に形成された放射感応性材料(レジスト)層への結像による。一般に一枚の基板にはネットワーク状に隣接する一群のターゲット部分が含まれ、これらは連続的にパターン形成される。公知のリソグラフィ装置にはいわゆるステッパとスキャナとがある。ステッパにおいては、ターゲット部分にパターン全体が一度に露光されるようにして各ターゲット部分が照射を受ける。スキャナにおいては、所与の方向(「走査」方向)にビームによりパターンを走査するとともに基板をこの方向に平行または逆平行に同期して走査するようにして各ターゲット部分が照射を受ける。
リソグラフィはICや他のデバイスおよび/または構成の製造における重要なステップのひとつとして広く認知されている。しかしながら、リソグラフィを使用して作成されるフィーチャの寸法が小さくなるにつれて、リソグラフィは小型のICや他のデバイスおよび/または構成を製造可能とするためのよりクリティカルな要素となってきている。
パターン印刷の限界の理論推定値は、解像度に関するレイリー基準によって以下に示される式(1)で与えられる。
Figure 2013503460
ここでλは使用される放射の波長であり、NAはパターン印刷に使用される投影システムの開口数であり、k1はプロセスに依存する調整係数でありレイリー定数とも呼ばれ、CDは印刷されるフィーチャのフィーチャサイズ(または限界寸法)である。式(1)から以下のことがわかる。3つの方法、すなわち露光波長λを短くすることにより、または開口数NAを大きくすることにより、またはk1の値を小さくすることにより、印刷可能なフィーチャサイズの最小値を引き下げることができる。
露光波長を短くしそれによって印刷可能な最小サイズを小さくするために、極端紫外(EUV)放射源を使用することが提案されている。EUV放射は、5ー20ナノメートル(nm)の範囲、例えば13ー14nmの範囲の波長を有する電磁波である。さらに波長10nm以下、例えば6.7nmや6.8nmなど5ー10nmの範囲のEUV放射も使用可能であることが提案されている。そのような放射は極端紫外放射または軟X線放射と呼ばれる。実現可能なソースは例えばレーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングから供給されるシンクロトロン放射に基づくソースを含む。
EUV放射は、プラズマを用いて生成されてもよい。EUV放射を生成するための放射システムは、プラズマを供給する燃料を励起するためのレーザ装置と、プラズマを収容するためのソースコレクタモジュールとを含んでもよい。プラズマは例えば、レーザビームを適切な物質(例えばスズ)の粒子または適切な気体や蒸気(例えばXeガスやLi蒸気など)の流れ等の燃料に向けることにより生成されてもよい。結果として生じるプラズマは、例えばEUV放射などの出力放射を放出し、その出力放射は放射コレクタを用いて集められる。放射コレクタは、放射を受けてその放射をビームに集中させる鏡面垂直入射放射コレクタであってもよい。ソースコレクタモジュールは、プラズマを保持するための真空環境を提供するよう構成された囲い込み構造またはチャンバを含んでもよい。そのような放射システムは、典型的にレーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ばれる。
一般にリソグラフィ装置は照明システムを含む。照明システムは例えばエキシマレーザや極端紫外放射源などのソースから放射を受け、放射ビーム(ときに「投影」ビームと呼ばれる)を提供し、その放射ビームはパターニングデバイスに入射する。放射ビームはパターニングデバイスによってパターン付与され、次に投影システムによって基板上に投影される。
放射ビームを適切な照明モードで提供することによって、基板上に投影されるパターニングデバイスのイメージを改善できることがリソグラフィの分野において知られている。照明モードは、照明システムの瞳面における放射ビームの空間強度分布であり、この空間強度分布は照明システムの軸または光軸に関して中心をもつ。パターニングデバイスの面(照明システムのフィールド面)において、そのような空間強度分布は、放射の角強度分布と呼ばれる入射する放射の入射角の分布に対応する。望ましい照明モードは、例えば瞳面中央に照射部分を有する通常の照明モード、または瞳面に一つ以上の孤立した軸外照射部分を有する軸外照明モードであるかもしれない。したがって、典型的にはリソグラフィ装置の照明システムは強度分布調整装置を含む。この強度分布調整装置は、選択された照明モードが実現するよう照明システム内で放射ビームを方向付け、形成し、制御するよう構成される。
先行技術によると、所望の照明モードを獲得するために照明ビームを制御することができる種々の強度分布調整装置が既述されている。例えば、環状照明モードを生成するためにズームアキシコンデバイス(ズームレンズとアキシコンの組み合わせ)を使用することができる。これにより、瞳面における環状強度分布の内側半径および外側半径が制御可能となる。内側半径と外側半径の大きさは通常、それぞれ、σinnerとσouterで表される。これらの数はそれぞれ、投影システムの開口数に対応する半径に対する内側の半径の比と、投影システムの開口数に対応する半径に対する外側の半径の比を表す。ズームアキシコンデバイスは通常、個々に移動可能な複数の屈折光学素子を備える。したがって、ズームアキシコンデバイスは、EUV放射(例えば、約13.5nmの放射または5から20nmの間の波長)での使用には適していない。これらの波長の放射は屈折材質を通過する際に大きく吸収されるからである。
照明モードを生成するために空間フィルタが使用されてもよい。例えば、ダイポール照明モードを生成するために、ダイポール照明モードに対応する二つの反対方向の軸外開口を有する空間フィルタが照明システムの瞳面に提供されてもよい。異なる照明モードが望まれる場合、この空間フィルタを除去して異なる空間フィルタで置き換えてもよい。しかしながら、空間フィルタは放射ビームのかなりの割合を遮るので、放射ビームがパターニングデバイスに入射するときの放射ビームの強度は低減される。既知のEUVソースに関しては、リソグラフィ装置の効率的な動作を可能とするために十分な強度でEUV放射を提供するよう懸命に努力されている。したがって、照明モードを形成する際に放射ビームのかなりの部分を遮るのは望ましくない。
照明モードを形成し調整することができる照明システムおよび方法を提供することが望まれている。
ある態様によると、照明モードを形成するよう構成されうる複数の可動反射要素と、関連づけられたアクチュエータとを備える照明システムが提供される。一つ以上のアクチュエータは第1、第2、第3位置の間を動き、したがって関連づけられた可動反射要素を第1、第2、第3の向きの間で動かすよう構成される。第1および第2の向きは、可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成するような向きであり、第3の向きは、可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成しないような向きである。
ある態様によると、照明システムを備えるリソグラフィ装置が提供される。照明システムは、照明モードを形成するよう構成されうる複数の可動反射要素と、関連づけられたアクチュエータとを備える。一つ以上のアクチュエータは第1、第2、第3位置の間を動き、したがって関連づけられた可動反射要素を第1、第2、第3の向きの間で動かすよう構成される。第1および第2の向きは、可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成するような向きであり、第3の向きは、可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成しないような向きである。
ある態様によると、複数の可動反射要素で形成される照明モードを調整する方法が提供される。この方法は、一つ以上の可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成しないように該一つ以上の可動反射要素の向きを変えるステップを備える。
本発明の実施の形態は、例示のみを目的として添付の模式的な図面を参照して説明される。図面では、対応する参照符号は、対応する部分を示す。
本発明の実施形態にかかるリソグラフィ装置を模式的に示す図である。 図2aは、放電生成によるプラズマ源を含む図1のリソグラフィ装置の一部をより詳細に示す模式図である。図2bは、レーザ生成によるプラズマ源を含む図1のリソグラフィ装置の一部をより詳細に示す模式図である。 リソグラフィ装置の照明システムの可動反射要素の動作を示す図である。 リソグラフィ装置の照明システムの可動反射要素の動作を示す図である。 図5は図5aおよび5bを含み、リソグラフィ装置の照明システムの可動反射要素の動作およびその結果得られる照明モードを示す図である。 図6は図6aおよび6bを含み、リソグラフィ装置の照明システムの可動反射要素の動作、およびその結果得られる照明モードを示す図である。 瞳面の第1象限を示す図である。 図8は図8a、8b、8c、8d、8eを含み、照明システムの可動反射要素を用いて形成可能な5つの照明モードを示す図である。 図9は図9a、9bを含み、照明モードの調整を示す図である。 照明システムの可動反射要素およびアクチュエータを示す図である。 照明システムの可動反射要素およびアクチュエータを示す図である。 アクチュエータの磁石によって及ぼされる力を示すグラフである。 アクチュエータの磁石によって及ぼされる力を示すグラフである。 上から見たアクチュエータの一部を示す図である。 照明モードの第1象限が図14のアクチュエータの使用によってどのように調節されうるかを示す図である。 変更されたアクチュエータの一部を上から見た図である。 照明モードの第1象限が変更された図16のアクチュエータの使用によってどのように調節されうるかを示す図である。 照明モードの第1象限が代替的に変更されたアクチュエータの使用によってどのように調節されうるかを示す図である。
図1は、本発明の一実施形態に係るソースコレクタモジュールSOを含むリソグラフィ装置100を模式的に示す図である。
本装置は、
放射ビームB(例えばEUV放射)を調節するよう構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
パターニングデバイス(例えばマスクまたはレチクル)MAを正確に位置決めする第1ポジショナPMに接続され、パターニングデバイスMAを支持するよう構成されるサポート構造(例えばマスクテーブル)MTと、
基板(例えば、レジストでコーティングされたウエハ)Wを正確に位置決めする第2ポジショナPWに接続され、基板Wを保持するよう構成される基板テーブル(例えばウエハテーブル)WTと、
パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つまたは複数のダイを含む)ターゲット部分Cに投影する投影システム(例えば反射投影系)PSと、を備える。
照明システムは、放射を方向付けるか又は成形するか又は制御するための屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、あるいは他の種類の光学素子などの様々なタイプの光学素子、またはこれらの組合せの光学素子を含み得る。
サポート構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置のデザイン、及び、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されるか否か等その他の条件に応じた方式でパターニングデバイスMAを保持する。サポート構造は、機械的固定、真空固定、静電固定、またはパターニングデバイスを保持するその他の固定技術を利用可能である。サポート構造は、例えばフレームまたはテーブルであってもよく、これらは固定されていてもよいし必要に応じて移動可能であってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを例えば投影システムに対して所望の位置に確実に位置決めしうる。
「パターニングデバイス」という用語は、例えば基板のターゲット部分にパターンを生成するために放射ビームの断面にパターンを付与するのに使用されうる任意のデバイスを意味するものと広義に解釈されるべきである。放射ビームに付与されたパターンは、ターゲット部分において生成される集積回路等のデバイスにおける特定の機能層に対応してもよい。
パターニングデバイスは透過型であっても反射型であってもよい。パターニングデバイスの例にはマスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィの分野では周知であり、バイナリマスクやレベンソン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク、更に各種のハイブリッドマスクタイプが含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例としては、小型のミラーがマトリックス状に配列され、各ミラーが入射してくる放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜されるものがある。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスにより反射された放射ビームにパターンを付与する。
投影システムは照明システムと同様に、屈折光学システム、反射光学システム、磁気的光学システム、電磁気的光学システム、静電的光学システム、その他の光学素子などの各種の光学素子、またはこれらの組合せを含み得る。投影システムは使用される露光放射に応じて、あるいは真空の使用等のその他の要因に応じて適切とされる投影システムであってもよい。他の気体は放射を吸収しすぎる可能性があるため、EUV放射については真空を使用することが望ましい。したがって、真空壁および真空ポンプを用いてビーム経路の全体に真空環境が提供されてもよい。
図示されるように、本装置は(例えば反射型マスクを使用する)反射型である。
リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)またはそれ以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプのものであってもよい。このような「マルチステージ」型の装置においては、追加的なテーブルが並行して使用されてもよく、あるいは1以上のテーブルが露光に使用されている間に1以上の他のテーブルで準備工程が実行されてもよい。
図1を参照すると、イルミネータILはソースコレクタモジュールSOから極端紫外放射ビームを受け取る。EUV光を生成する方法は、例えばキセノン、リチウム、スズ等EUV域に一つ以上の輝線をもつ元素を少なくとも一種類含む物質をプラズマ状態に変化させるステップを含むが、必ずしもこれに限られるものではない。そのような方法の一つであり通例レーザ生成プラズマ(LPP)と呼ばれる方法においては、必要な輝線を放出する元素を有する物質の液滴、流れ、クラスタなどの燃料をレーザビームで照射することにより、必要なプラズマが生成されうる。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するためのレーザビームを提供する図1に図示されないレーザ装置を含むEUV放射システムの一部であってもよい。結果として生じるプラズマは、例えばEUV放射などの出力放射を放出し、その出力放射はソースコレクタモジュール内に配置される放射コレクタを用いて集められる。例えば、燃料を励起するためのレーザビームを提供するためにCO2レーザが用いられる場合には、レーザ装置とソースコレクタモジュールとは別体であってもよい。
このような場合、レーザ装置はリソグラフィ装置の一部を構成しているとはみなされず、放射ビームはビーム搬送系によりレーザ装置からソースコレクタモジュールへと到達する。このビーム搬送系は例えば適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含む。他の場合、例えば光源が通例DPP源と呼ばれる放電生成によるプラズマEUV生成装置である場合には、光源はソースコレクタモジュールと一体に構成されていてもよい。
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するアジャスタを備えてもよい。一般には、イルミネータの瞳面における照度分布の少なくとも前述の外側半径範囲および/または内側半径範囲(それぞれ値σouter、σinner)が調整されうる。さらにイルミネータILは、ファセットフィールド(facetted field)ミラーデバイスおよび瞳ミラーデバイスなどの種々の他の要素を備えてもよい。イルミネータは、パターニングデバイスへの入射としてビーム断面における所望の強度均一性及び角強度分布を得るべく放射ビームを調整するために用いられてもよい。
放射ビームBは、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、そのパターニングデバイスによりパターンが付与される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSはビームを収束させ基板Wのターゲット部分Cに投影させる。第2ポジショナPWと位置センサPS2(例えば、干渉計、リニアエンコーダ、静電容量センサなど)とにより基板テーブルWTは正確に移動される。例えば基板テーブルWTは放射ビームBの経路に異なる複数のターゲット部分Cをそれぞれ位置決めするように移動される。同様に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めするために、第1ポジショナPMと別の位置センサPS1とを用いることができる。パターニングデバイス(例えばマスク)MAおよび基板Wは、マスクアラインメントマークM1、M2および基板アラインメントマークP1、P2を用いて位置合わせされてもよい。
図示の装置は以下のモードのうち少なくとも1つで使用することができる。
1.ステップモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンの全体が1回の照射で1つのターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態とされる(すなわち1回の静的な露光)。そして、異なるターゲット部分Cが露光されるように基板テーブルWTがX方向及び/またはY方向に移動される。
2.スキャンモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期して走査される(すなわち1回の動的な露光)。サポート構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)特性及び像反転特性により定められてもよい。
3.別のモードにおいては、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、サポート構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して実質的に静止状態とされ、基板テーブルWTが移動され、または走査される。
このモードでは一般にパルス放射源が用いられ、プログラマブルパターニングデバイスは必要に応じて、走査中に基板テーブルWTが移動するたびに、または走査中の連続する放射パルスと放射パルスの間に更新される。この動作モードは、上述のタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に適用可能である。
上記の使用モードを組み合わせて適用してもよいし、使用モードに変更を加えて適用してもよく、また全く別の使用モードを適用してもよい。上述の通り、照明システムILは強度分布調整装置を備える。強度分布調整装置は、パターニングデバイスに入射する放射ビームの角強度分布を制御するために、照明システムの瞳面における放射ビームの空間強度分布を調整するよう構成される。強度分布調整装置を使用して、照明システムの瞳面において異なる照明モードを選択することができる。照明モードの選択は、例えばパターニングデバイスMAから基板W上へ投影されるべきパターンの性質に依存しうる。照明システム瞳面における放射ビームの空間強度分布は、放射ビームがパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射する前に、角強度分布に変換される。照明システムの瞳面とパターニングデバイスMA(パターニングデバイスはフィールド面にある)との間にはフーリエ関係が存在することは理解される。照明システムの瞳面はパターニングデバイスMAが配置されている対物面のフーリエ変換面であり、それは投影システムの瞳面と共役となっている。
図2aは装置100をより詳細に示す図である。装置は、ソースコレクタモジュールSOと、照明システムILと、投影システムPSとを含む。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの囲い込み構造220内で真空環境が保持されるよう構成、配置される。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成によるプラズマ源により形成されてもよい。EUV放射は、例えばXeガスやLi蒸気、Sn蒸気などのガスまたは蒸気により生成されてもよい。これらのガスまたは蒸気内には、電磁スペクトルのEUV範囲の放射を放出するために非常に熱い放電プラズマ210が生成される。非常に高温なプラズマ210は例えば放電によって生成される。放電は少なくとも部分的にイオン化されたプラズマをもたらす。放射を効率的に生成するためには、例えばXe、Li、Sn蒸気または他の任意の適切なガスまたは蒸気の例えば10Paの分圧が必要とされるであろう。ある実施の形態では、励起されたスズ(Sn)のプラズマがEUV放射を生成するために供給される。
高温プラズマ210によって放出された放射はソースチャンバ211から必須でないガスバリアまたは汚染物質トラップ230(汚染物質バリアまたはフォイルトラップとも呼ばれる)を通過してコレクタチャンバ212へと入る。必須でないガスバリアまたは汚染物質トラップ230は、ソースチャンバ211の開口内または開口の後に配置される。汚染物質トラップ230は、チャネル構造を含んでもよい。汚染物質トラップ230はまた、ガスバリアを含んでもよく、ガスバリアとチャネル構造の組み合わせを含んでもよい。ここでさらに示される汚染物質トラップまたは汚染物質バリア230は、本技術分野において知られているように、少なくともチャネル構造を含む。
コレクタチャンバ211は放射コレクタCOを含んでもよい。放射コレクタCOは、いわゆる斜入射型コレクタであってもよい。放射コレクタCOは上流放射コレクタサイド251と、下流放射コレクタサイド252とを有する。コレクタCOを通過する放射は、仮想ソース点IFに収束されるよう格子スペクトルフィルタ240で反射されうる。仮想ソース点IFは、一般的に中間焦点と呼ばれる。ソースコレクタモジュールは、仮想ソース点IFが囲い込み構造220の開口221またはその付近に位置するよう構成される。仮想ソース点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
続いて放射は放射システムILを通過する。放射システムILは、以下第1反射素子22とも呼ばれるファセットフィールドミラーデバイス22と、以下第2反射素子24とも呼ばれるファセット瞳ミラーデバイス24とを含みうる。ファセットフィールドミラーデバイス22およびファセット瞳ミラーデバイス24は、パターニングデバイスMAにおける放射強度に所望の均一性をもたらすのみならず、パターニングデバイスMAにおいて放射ビームBの所望の角度分布をもたらすよう構成される。第1反射素子22は照明システムILのフィールド面上にあってもよく、第2反射素子24は照明システムの瞳面P上にあってもよい。サポート構造に支持されるパターニングデバイスMAにおいて放射Bのビームが反射されると、パターンが付与されたビーム26が形成される。パターンが付与されたビーム26は、投影システムPSにより、反射要素28、30を介してウエハステージまたは基板テーブルWTに支持される基盤W上に結像される。
照明光学ユニットILおよび投影システムPSには、示されているよりも多くの要素が一般には存在しうる。リソグラフィ装置のタイプにより、必要に応じて格子スペクトルフィルタ240が設けられてもよい。さらに、図示されているよりも多くのミラーが設けられてもよい。例えば、図2aに示されるミラーと別に1ー6個の反射素子が投影システムPSに追加で設けられてもよい。
図2aに示されるコレクタ光学素子COは、コレクタ(または集光ミラー)の単なる例示として、斜入射型リフレクタ253、254および255がネスト化されたコレクタとして示されている。斜入射型リフレクタ253、254および255は、光軸Oの周りに軸対称に配置される。このタイプのコレクタ光学素子COは、好適には通例DPP源と呼ばれる放電生成によるプラズマ源と組み合わせて使用される。
あるいはまた、ソースコレクタモジュールSOは図2bに示されるようにLPP放射システムの一部であってもよい。レーザ装置LAは、例えばキセノン(Xe)、スズ(Sn)、リチウム(Li)等の燃料にレーザエネルギを与え、数十eVの電子温度をもつ高イオン化されたプラズマ210を生成するよう構成される。これらのイオンの脱励起および再結合過程において生成される高エネルギ放射がプラズマから放出され、近法線入射コレクタ光学素子COにより集められ、囲い込み構造220の開口221にて収束される。
本明細書ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用を具体例として説明しているが、ここで説明されるリソグラフィ装置は他の用途にも適用することが可能であるものと理解されたい。他の用途としては、集積光学システム、磁区メモリ用ガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドの製造などがある。これらの代替的な適用に際して、本明細書において「ウエハ」あるいは「ダイ」という用語が使用される場合はいつでも、それぞれ「基板」あるいは「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされうると、当業者であれば理解するであろう。本明細書で言及される基板は露光前または露光後において例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像するツール)、メトロロジツール、及び/またはインスペクションツールにおいて処理されてもよい。適用可能であれば、本明細書の開示はそのような又は他の基板処理装置にも適用され得る。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本明細書における基板という用語は、処理されている多数の層を既に含む基板をも意味してもよい。
上では特に光リソグラフィの文脈における本発明の実施の形態の使用を説明しているが、本発明は例えばインプリントリソグラフィなど他の用途にも適用可能であり、文脈が許す限り光リソグラフィに限られるものではないことは理解される。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスのトポグラフィが基板上に生成されるパターンを決める。パターニングデバイスのトポグラフィを基板に設けられているレジスト層に押しつけ、すぐに電磁放射や熱や圧力やそれらの組み合わせを加えることによりレジストを硬化させてもよい。レジストが硬化した後、レジストにパターンを残したまま、パターニングデバイスがレジストから取り外される。
「レンズ」という用語は文脈が許す限り、屈折光学素子、反射光学素子、磁気光学素子、電磁気光学素子および静電光学素子を含む種々のタイプの光学素子のひとつまたはそれらの組み合わせを指し示してもよい。
本発明の具体的な実施の形態が上述のように説明されたが、本発明は上述の形式以外の形式でも実施可能であると理解されたい。例えば、本発明はコンピュータプログラムの形式を取ってもよい。このコンピュータプログラムは機械により読み取り可能なインストラクションの1つもしくは複数のシーケンスを含む。インストラクションは、上述の方法を記述する。あるいはまた、本発明は、そのようなコンピュータプログラムを記憶保持するデータ記録媒体(例えば半導体メモリ、磁気もしくは光学ディスク)の形式を取ってもよい。上述の記載は例示を目的としており、それに限定されるものではない。したがって、下記の特許請求の範囲から逸脱することなく、記載された発明に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
図3は、第1および第2反射素子を含むリソグラフィ装置の部分をより詳細に模式的に示す。第1反射素子22は、一次反射要素22a、22b、22c、22dを含む複数の一次反射要素を備える。第2反射素子24は、二次反射要素24a、24b、24c、24d、および、24a′、24b′、24c′、24d′を含む複数の二次反射要素を備える。以降、一次反射要素および二次反射要素はそれぞれ、視野ファセット(field facet)ミラーおよび瞳ファセットミラーとも称されうる。一次反射要素22a−dは二次反射要素24aーd、a’ーd’に向けて放射を導く(反射する)よう構成される。4つの一次反射要素22a−dのみが示されているが、任意の数の一次反射要素が設けられてもよい。一次反射要素は、二次元アレイ(または他の二次元配列)に配置されてもよい。8つの二次反射要素24a−d、a’−d’のみが示されているが、任意の数(この数は典型的には一次反射要素の数の倍数である)の二次反射要素が設けられてよい。二次反射要素は、二次元アレイ(または他の二次元配列)に配置されてもよい。
一次反射要素22a−dの向きは調整可能であり、選択された二次反射要素24a−d、a’−d’に向けて放射を導くために用いられうる。
第2反射素子24は照明システムILの瞳面Pと一致する。あるいは第2反射素子24は、照明システムの瞳面の近傍に配置される。したがって第2反射素子24は、パターニングデバイスMA上に放射を導く仮想放射源(一般的に二次放射源とも呼ばれる)として作用する。第2反射素子24とパターニングデバイスMAとの間にさらなるミラー(図示せず)が設けられてもよい。後者のミラーは、複数のミラーのシステムであってもよく、使用中はパターニングデバイスMAが基板テーブルMTで支持される面上に、一次反射要素22a−dの像を投影するよう構成されてもよい。
第2反射素子24における放射ビームBの空間強度分布が放射ビームの照明モードを決定する。一次反射要素22a−dの向きは調整可能であるので、瞳面Pに異なる空間強度分布を形成するために使用されてもよく、それによって異なる照明モードが提供されうる。
使用中、放射ビームBは第1反射素子22の一次反射要素22a−dに入射する。各一次反射要素22a−dは、第2反射素子24の異なる二次反射要素24a−d、a’−d’に向けて放射のサブビームを反射する。第1サブビームBaは、第1一次反射要素22aによって第1二次反射要素24aに導かれる。第2、第3および第4サブビームBb、Bc、Bdは、第2、第3および第4一次反射要素22b、22c、22dによってそれぞれ第2、第3および第4二次反射要素24b、24c、24dに導かれる。
サブビームBa−dは、二次反射要素24a−dによってパターニングデバイスMAに向けて反射される。それらのサブビームはまとめて単一の放射ビームBを形成するものとみなされうる。この単一の放射ビームBはマスクMAの照明領域Eを照らす。照明領域Eの形状は、一次反射要素22a−dの形状により決定される。走査を行うリソグラフィ装置においては、照明領域Eは例えば、走査方向の幅が走査方向に垂直な方向の幅よりも狭い矩形あるいは湾曲した帯形状であってもよい。
各一次反射要素22a−dは、第2反射素子24の異なる二次反射要素24a−d、a’−d’に、中間焦点IFの像を形成する。実際には、中間焦点IFは有限の直径(例えば4−6mm)を有するプラズマ源の像となる。その結果、各一次反射要素22a−dは、二次反射要素24a−d、a’−d’に、(例えば3−5mmの)有限の直径を有する仮想ソース点IFの像を形成する。二次反射要素24a−d、a’−d’はそれぞれ、前述の像の直径よりも大きい直径を有する単一の瞳ファセットミラーとして構成されてもよい(放射が二次反射要素間に落ちて失われないようにするためである)。図では説明を容易にするため、中間焦点IF、および、中間焦点IFの像は点として示されている。
一次反射要素および二次反射要素は零でない光パワー(optical power)を有してもよい。例えば、各一次反射要素22a−dは照射を受けている二次反射要素またはその近傍に、仮想ソース点IFよりも小さい仮想ソース点IFの縮小像を形成してもよい。各二次反射要素24a−d、a’−d’は、フィールド面またはその近傍に、一次反射要素22a−dの一つの像を形成してもよい。フィールド面には、基板の露光中、パターニングデバイスが配置される。これらの像は実質的に重なり、まとまって照明領域Eを形成する。
一次反射要素22a−dの向きは、瞳面Pに形成される照明モードを決定する。例えば一次反射要素22a−dは、放射サブビームが4つの最も内側の二次反射要素24c、d、a’、b’に導かれるよう方向付けられてもよい。これにより、通常(ディスク形状)照明モードの1次元等価物とみなされうる照明モードが提供される。そのような通常照明モードは、光軸Oに集中する比較的高い照度の部分と、それを取り囲む比較的低い照度または照度ゼロの部分とを有する瞳面における強度分布により特徴づけられる。したがって通常照明モードは以下、通常「軸上」照明とも呼ばれうる。代替的な例では一次反射要素22a−dは、放射サブビームが第2反射素子24の左端の2つの二次反射要素24a−b、および、第2反射素子の右端の2つの二次反射要素24c’−d’に導かれるよう方向付けられてもよい。これにより、例えば環状照明モードの1次元等価物とみなされうる照明モードが提供される。そのような照明モードは、光軸Oに集中する比較的低い照度または照度ゼロの部分と、それを取り囲む領域とを有する強度分布であって、取り囲む領域は少なくとも一つの比較的高い照度の部分をもつような瞳面における強度分布により特徴づけられる。したがってこの照明モードは以降、「軸外」照明とも呼ばれうる。
例えば要素22a−dのいずれかのような一次反射要素はそれぞれ、それが2つの所定の向きすなわち第1の向きおよび第2の向きのうちのひとつに向けられうるように構成される。第1の向きは、一次反射要素が放射のサブビームを第2反射素子24上の第1所望区域に含まれる選択された二次反射要素に向けて反射するような向きである。第2の向きは、一次反射要素が放射のサブビームを第2反射素子24上の第2所望区域に含まれる選択された二次反射要素に向けて反射するような向きである。さらに、図3に示される視野ファセット22a−dのいずれかのような一次反射要素はそれぞれ、関連づけられた第1の向きと第2の向きとの間で動くことができる。さらに本発明のある態様によると、例えば要素22a−dのいずれかのような一次反射要素はそれぞれ、以下にさらに説明されるように、第3の向きをとりうるよう構成される。
第1の向きにある視野ファセットミラーは、使用されるとき、事前に選択された特定の二次反射要素であって、複数の二次反射要素のうちから特に選択された二次反射要素を照射する。以下この選択された二次反射要素を第1の「関連づけられた」二次反射要素とよぶ。同様に、視野ファセットミラーが第2の向きにあるときに照射される要素を第2の「関連づけられた」二次反射要素とよぶ。同様に、前述の第1および第2所望区域を以下、第1および第2の「関連づけられた」区域ともよぶ。
図4は、第1反射素子22の第1一次反射要素22aを例として用いて、一次反射要素の第1の向きおよび第2の向きの間での動きを説明する。第1一次反射要素22aが第1の向きを向いているとき、その第1一次反射要素22aは、第2反射素子24の第1二次反射要素24aに放射サブビームBaを導く。第1一次反射要素22aが第2の向きを向いているとき、その第1一次反射要素22aは、第2反射素子24の第2二次反射要素24a’に放射サブビームBa’(点線により示す)を導く。対応する第1および第2区域は、図4に明示されていない。図4において第1および第2区域は、それぞれ第1二次反射要素24aおよび第2二次反射要素24a’によって占められる区域に一致するものと仮定されてもよい。しかしながら以下にさらに詳細に議論されるように、第1および第2区域は、瞳面P上の別個の領域であってもよく、それぞれ複数の二次反射要素を含んでもよい。
要素22a−dのグループのような一次反射要素のグループの各一次反射要素は、放射サブビームを各一次反射要素22a−dに関連づけられた第1区域および第2区域に導くよう構成されてもよい。第1区域および第2区域は、他の一次反射要素から放射サブビームを受ける区域とは異なる固有の区域である。ここで他の一次反射要素とは、前述の要素22a−dのグループのような一次反射要素のグループに属さない要素である。各一次反射要素22a−dを適切に構成することにより、所望の照明モードに対応する空間強度分布を生成するように、放射を第2反射素子24上の要求される区域に導くことができる。
図3および図4は4個の一次反射要素22a−dのみを示しているが、第1反射素子22はより多くの一次反射要素を備えてもよい。第1反射素子22は例えば100個以下、200個以下または400個以下の一次反射要素を備えてもよい。第1反射素子22は例えば100−800個の範囲の任意の数の一次反射要素を備えてもよい。反射要素はミラーであってもよい。第1反射素子22は、1024(例えば32×32)個のミラーからなるアレイまたは4096(例えば64×64)個のミラーからなるアレイもしくは任意の適切な数のミラーを含んでもよい。一次反射要素は二次元格子形状に配列されてもよい。一次反射要素は、放射ビームを横切る面に配置されてもよい。
第1反射素子22は一次反射要素のアレイを一つ以上含んでもよい。例えば一次反射要素は、複数のアレイを形成するよう配置され、またはグループ化されてもよい。ここで各アレイは例えば32×32個のミラーを有してもよい。本明細書では、「アレイ」という用語は単一のアレイまたはアレイのグループを意味しうる。
二次反射要素24a−d、a’−d’は第2反射素子を取り付ける面に対して二次反射要素の向きが固定されるように取り付けられてもよい。
図5および図6は、瞳面Pにおける空間強度分布を変更することにより所望の照明モードを得るために、放射を再方向付けする原理を模式的に示す。図5bおよび図6bの図の平面は、図5aおよび図6aに示される瞳面Pと一致する。図の説明を容易とするため、図5bおよび図6bにおいて直交座標系が示されている。示されている直交座標系は、本発明を用いて得られうる空間強度分布の向きに対するいかなる制限の暗示をも意図するものではない。空間強度分布の半径範囲はσinner(内側半径範囲)およびσouter(外側半径範囲)によって定義される。内側および外側半径範囲は円形であってもよく、または他の形状であってもよい。
上述の通り、瞳面Pにおける放射ビームの空間強度分布(およびしたがって照明モード)は、例えば要素22a−dのような一次反射要素の向きによって決定される。例えば照明モードは、一次反射要素22a−dのそれぞれを選択し、選択された一次反射要素22a−dを必要とされる通りにその第1の向きまたは第2の向きに動かすことによって与えられ、制御されてもよい。
この例では16個の一次反射要素が存在し、図5aおよび図6aではそのうちの4つのみが示されている(一次反射要素22a−d)。図5bに示されるように、一次反射要素22a−dがそれぞれ第1の向きを向いているとき、放射のサブビームBa、Bb、Bc、Bdは関連付けられた第1区域724a、724b、724c、724dに向けて反射される。これらの区域はそれぞれ、図5aおよび図6aに示される二次反射要素24a、24b、24c、24dを含む。図5bを参照すると、第1区域724a−dは図5bの上部にあるかまたは上部に近い。他の一次反射要素(図示せず)もまた第1の向きにあり、放射のサブビームを隣接する第1区域のグループ73、74、75に導く。これらの第1区域には図5bの上部にあるかまたは上部に近いものがあり、また図5bの下部にあるかまたは下部に近いものもある。放射のサブビームを受ける区域は点線を用いて網掛け表示されている。図5bから、一次反射要素22a−dが第1の向きにあり、他の一次反射要素(図示せず)もまた第1の向きにあるとき、極(ポール)がy方向に分離されているダイポール照明モードが形成されることが分かる。
図6bに示されるように、一次反射要素22a−dが第2の向きを向いているとき、放射のサブビームは関連づけられた第2区域724a’、724b’、724c’、724d’に向けて反射される。これらの区域はそれぞれ、図5aおよび図6aに示される二次反射要素24a’、24b’、24c’、24d’を含む。図6bを参照すると、第2区域724a’−d’は図の右側にあるかまたは右側に近い。前述の他の一次反射要素もまた第2の向きにあり、放射のサブビームを隣接する第2区域のグループ76、77、78に導く。これらの第2区域には図の右端にあるかまたは右端に近いものがあり、また図の左端にあるかまたは左端に近いものもある。放射のサブビームを受ける区域は点線を用いて網掛け表示されている。図6bから、一次反射要素22a−dおよび他の一次反射要素が第2の向きにあるとき、極(ポール)がx方向に分離されているダイポール照明モードが形成されることが分かる。
y方向ダイポール照明モードからx方向ダイポール照明モードへの切り替えは、一次反射要素22a−dのそれぞれを第1の向きから第2の向きへ動かすステップを含む。同様に、x方向ダイポール照明モードからy方向ダイポール照明モードへの切り替えは、一次反射要素22a−dのそれぞれを第2の向きから第1の向きへ動かすステップを含む。
以下でさらに説明されるように、他のモードの形成は、一次反射要素22a−dのうちの一部を第1の向きへと動かし、一部を第2の向きへと動かすステップを含みうる。各一次反射要素に関連づけられた第1および第2区域、および、各一次反射要素の対応する第1の向きおよび第2の向きは、生成されうる有用な照明モードの数を最大化するように選択されてもよい。
一次反射要素を所定の軸の周りで回転させることによって一次反射要素を第1の向きと第2の向きとの間で動かしてもよい。一つ以上のアクチュエータを使用して一次反射要素を動かしてもよい。
一個以上の一次反射要素が同じ軸の周りに回転するよう駆動されるように、一次反射要素が構成されてもよい。一個以上の他の一次反射要素が、一つ以上の他の軸の周りに回転するよう駆動されてもよい。
ある実施の形態では一次反射要素は、その一次反射要素を第1の向きと第2の向きとの間で動かすよう構成されたアクチュエータを備える。アクチュエータは例えばモータであってもよい。第1および第2の向きはエンドストップによって規定されてもよい。第1エンドストップは、一次反射要素が第1の向きを越えて動くことを防ぐ機械装置を備えてもよい。第2エンドストップは、一次反射要素が第2の向きを越えて動くことを防ぐ機械装置を備えてもよい。
一次反射要素の動きがエンドストップによって制限されるので、一次反射要素の位置を監視する必要はなく(例えば、一つ以上の位置監視センサおよびフィードバックシステムを使用する必要はなく)、一次反射要素を正確に第1の向きまたは第2の向きへ動かすことができる。一次反射要素は十分正確に方向付けされうる。これにより一次反射要素は、パターニングデバイスから基板上へのパターンのリソグラフィ投影において使用されるのに十分な質を有する照明モードを形成しうる。
アクチュエータに供給される駆動信号はバイナリ信号であってもよい。アクチュエータは一次反射要素を第1エンドストップまたは第2エンドストップへ動かしさえすればよいので、可変アナログ電圧や可変デジタル電圧などのより複雑な信号を使用する必要はない。より複雑なシステムよりもむしろアクチュエータに対してバイナリ(2値)駆動信号を使用することにより、そうでない場合よりもシンプルな制御システムを使用することができる。
図5および図6に関連して上述した装置は、16個の一次反射要素と、第2反射素子24上の32個の区域とを備える。実際には、より多くの一次反射要素が設けられてもよい。また一方で、いくつかの異なる照明モードを獲得しうる方法を説明するためには、一次反射要素の個数は16個で十分である。第2反射素子24上の32個の区域のそれぞれに関連づけられた16個の一次反射要素を用いて、環状、cクァッド(c-quad)、クェーサ(quasar)、ダイポールyおよびダイポールxの照明モードを得ることができる。これらの照明モードは、放射を照明システムの瞳面における32個の関連づけられた区域のうち望ましい選択である16個に適切に導くように16個の一次反射要素を構成することにより形成される。第2反射素子24の瞳ファセットミラーの反射面は、瞳面またはその近傍に配置されるため、第2反射素子24上の区域は、照明システムの瞳面における区域として有効に特定され、指し示されることは理解される。簡単にするため、以下、第2反射素子上の「区域」と照明システムの瞳面における「区域」は区別されない。
図7は、照明システムの瞳面の第1象限Q1を示す図である。第1象限Q1は、瞳面に交差する光軸Oの周囲を囲む円環形に配置された多くの区域を含む。照明システムは、5つの異なる所望の照明モードを生成するよう構成される。この象限の区域724aーd、724a′ーd′は、各第1反射要素22aーdから、放射のサブビームBa、Bb、Bc、Bdを受けうる。区域の内側半径範囲はσinnerと呼ばれ、外側半径範囲はσouterと呼ばれる。簡単にするために図7においては、各区域はただ一つの二次反射要素と関連づけられるものと仮定する。図7において区域724aーdおよび724a’ーd’はそれぞれ、二次反射要素24aーdおよび二次反射要素24a’ーd’に関連付けられる。配置は、円環状でなくともよい。
しかしながら代替的に、各区域に複数の二次反射要素が関連付けられてもよいことは理解される。各区域に、例えば10個から20個の間の二次反射要素が設けられてもよい。この場合、それにしたがって一次反射要素の数は増減される。例えば、所与の区域に10個の二次反射要素が存在する場合、その区域へ放射を導くよう構成された10個の一次反射要素が存在する(各一次反射要素は放射をその区域内の異なる二次反射要素に導くよう構成される)。以下の説明では、「一次反射要素」という用語が使用される場合、この用語は一斉に動くよう構成された複数の一次反射要素を包含してもよい。
瞳面全体にわたる区域の相対表面積、すなわち投影レンズの開口数に対応する瞳面で正規化された構成区域の表面積は、(σouter −σinner )/2となる。したがって、使用されている瞳面面積の逆数で定義されるエタンデュ比Xは、X=2/(σouter −σinner )となる。
図7に示される象限Q1には8個の各二次反射装置24a−d、24a’−d’を含む8個の区域が存在する(瞳面全体では32個の区域に対応する)。一次反射要素によって反射された放射のサブビームによって各区域が照射されるよう各区域のサイズおよび形状が規定される。各一次反射要素は個々に、同じ象限の異なる部分の2つの異なる区域を照らすよう構成される。より具体的には、各一次反射要素は、第1の向きと第2の向きとの間で動くことによって、同じ象限にある第1の関連づけられた区域または第2の関連づけられた区域のいずれかに放射を導くことにより照射し、したがって第1の関連づけられた二次反射要素または第2の関連づけられた二次反射要素のいずれかを照射するよう構成される。
図7においては同じ象限Q1に対となる区域724a、a’、724b、b’、724c、c’、および724d、d’が設けられているが、必ずしもこれに限られない。例えば、第1区域がひとつの象限に設けられ、対応する第2区域は異なる象限に設けられてもよい。区域の対となる第1区域と第2区域との離間距離が大きくなると、放射サブビームをそれらの区域に導くために一次反射要素により要求される回転量もまた増える。区域の位置は、一次反射要素に要求される回転量が減少または最小化されるように、またはどの一次反射要素も最大回転量以上回転することが要求されないように選択されてもよい。区域の位置は、照明モードの所望のセットが得られうるような(例えば、図8に関連してさらに以下に説明されるような)ものであってもよい。
第1一次反射要素22a(図5および図6参照)は、第1の向きを向いている場合に象限Q1の第1の関連づけられた区域724aを照射し、第2の向きを向いている場合にその象限の第2の関連づけられた区域724a’を照射するよう構成される。第2一次反射要素22bは、第1の向きを向いている場合に第1の関連づけられた区域724bを照射し、第2の向きを向いている場合に第2の関連づけられた区域724b’を照らすよう構成される。第3一次反射要素22cは、第1の向きを向いている場合に第1の関連づけられた区域724cを照らし、第2の向きを向いている場合に第2の関連づけられた区域724c’を照らすよう構成される。第4一次反射要素22dは、第1の向きを向いている場合に第1の関連づけられた区域724dを照らし、第2の向きを向いている場合に第2の関連づけられた区域724d’を照らすよう構成される。
他の象限(図示せず)にも、区域および関連づけられた一次反射要素についての同等な構成が適用されてもよい。
各一次反射要素をある軸の周りで回転させることによってその一次反射要素を第1の向きと第2の向きとの間で動かしてもよい。複数の一次反射要素が同じ軸の周りに回転可能であるよう構成され、配置されてもよい。例えば、瞳面の同じ象限の隣接する区域の対に関連付けられた一次反射要素の対は、同じ軸の周りを回転するよう構成されてもよい。説明された例では、隣接する区域の対である区域724a、724bに関連付けられた第1および第2一次反射要素22a、22bは第1軸AAの周りで回転するよう構成され、隣接する区域の対である区域724c、724dに関連付けられた第3および第4一次反射要素22c、22dは第2軸BBの周りで回転するよう構成される。第1軸AAは象限Q1のx軸に対して56.25°をなすよう配置され、第2軸BBは象限Q1のx軸に対して33.75°をなすよう配置される。図7の平面には第1および第2軸AA、BBが示されているが、これは説明の容易化のみを目的とする。これらの軸は、第1反射素子22の面上またはその近傍にあり、より具体的には、対となる一次反射要素22a、22bおよび22c、22dの回転の中心を含む面上またはその近傍にある。
追加的にまたは代替的に、瞳面の対向する象限において対応する区域に関連づけられた一次反射要素が同じ軸の周りで回転するよう構成されてもよい。例えば、第1象限Q1に関連付けられた一次反射要素22a、b、および、第3象限に関連付けられた対応する各一次反射要素は、第1軸AAの周りで回転するよう構成されてもよい。同様に、第1象限Q1に関連付けられた一次反射要素22c、d、および、第3象限に関連付けられた対応する各一次反射要素が第2軸BBの周りで回転するよう構成されてもよい。
第2象限に関連付けられた一次反射要素および第4象限に関連付けられた一次反射要素は、第3軸(例えば、x軸に対して123.75°をなすよう配置された軸)の周りで回転されてもよい。さらに、第2象限に関連付けられた一次反射要素および第4象限に関連付けられた一次反射要素は、第4軸(例えば、x軸に対して146.25°をなすよう配置された軸)の周りで回転されてもよい。これらの象限は図7に示されていない。
一次反射要素は、同じ軸の周りで同じ向きまたは反対の向きに回転するよう構成されてもよい。
複数の一次反射要素が同じ軸の周りで同じ向きに回転するよう共にグループ化されている場合、一次反射要素を第1の向きと第2の向きとの間で動かすよう構成されたアクチュエータは単純化されうる。例えば、同じ軸の周りで回転するようグループ化された一次反射要素に関連付けられたアクチュエータは、それらの一次反射要素を一斉に動かすよう構成されてもよい。したがって、4つの所定の回転軸が存在する実施の形態においては、4つのアクチュエータが設けられてもよい。
図8は、5つの異なる照明モードが、説明された装置を使用して(すなわち16個の一次反射要素および4つの回転軸を用いて)、照明システムの瞳面においてどのように形成されうるかを示す。照明モードは以下の通りである。環状照明モード(図8a)、ダイポールx照明モード(図8b)、ダイポールy照明モード(図8c)、クェーサ照明モード(図8d)、および、cクァッド照明モード(図8e)。
図8aに示されるような環状照明モードを生成するために、第1象限に関連付けられた一次反射要素22a−dは、区域724b、724d、724a’、724c’が照らされるよう方向付けられる。これは、第1一次反射要素22aを第1軸AAの周りで第2の向きへ回転させ、第2一次反射要素22bを第1軸AAの周りで第1の向きへ回転させ、第3一次反射要素22cを第2軸BBの周りで第2の向きへ回転させ、第4一次反射要素22dを第2軸BBの周りで第1の向きへ回転させることにより達成される。第2、第3および第4象限の区域に関連付けられた一次反射要素も同様に方向付けられる。
図8b(図6bも参照)に示されるようなダイポールx照明モードを生成するために、第1象限に関連付けられた一次反射要素は、区域724b’、724a’724d’、724c’が照らされるよう方向付けられる。これは、第1一次反射要素22aを第1軸AAの周りで第2の向きへ回転させ、第2一次反射要素22bを第1軸AAの周りで第2の向きへ回転させ、第3一次反射要素22cを第2軸BBの周りで第2の向きへ回転させ、第4一次反射要素22dを第2軸BBの周りで第2の向きへ回転させることにより達成される。第2、第3および第4象限の区域に関連付けられた一次反射要素も同様に方向付けられる。
図8c(図5bも参照)に示されるようなダイポールy照明モードを生成するために、第1象限に関連付けられた一次反射要素は、区域724a、724b、724c、724dが照らされるよう方向付けられる。これは、第1一次反射要素22aを第1軸AAの周りで第1の向きへ回転させ、第2一次反射要素22bを第1軸AAの周りで第1の向きへ回転させ、第3一次反射要素22cを第2軸BBの周りで第1の向きへ回転させ、第4一次反射要素22dを第2軸BBの周りで第1の向きへ回転させることにより達成される。第2、第3および第4象限の区域に関連付けられた一次反射要素も同様に方向付けられる。
図8dに示されるようなクェーサ照明モードを生成するために、第1象限に関連付けられた一次反射要素は、区域724c、724d、724b’、724a’が照らされるよう方向付けられる。これは、第1一次反射要素22aを第1軸AAの周りで第2の向きへ回転させ、第2一次反射要素22bを第1軸AAの周りで第2の向きへ回転させ、第3一次反射要素22cを第2軸BBの周りで第1の向きへ回転させ、第4一次反射要素22dを第2軸BBの周りで第1の向きへ回転させることにより達成される。第2、第3および第4象限の区域に関連付けられた一次反射要素も同様に方向付けられる。
図8eに示されるようなcクァッド照明モードを生成するために、第1象限に関連付けられた一次反射要素は、区域724a、724b、724d’、724c’が照らされるように方向付けられる。これは、第1一次反射要素22aを第1軸AAの周りで第1の向きへ回転させ、第2一次反射要素22bを第1軸AAの周りで第1の向きへ回転させ、第3一次反射要素22cを第2軸BBの周りで第2の向きへ回転させ、第4一次反射要素22dを第2軸BBの周りで第2の向きへ回転させることにより達成される。第2、第3および第4象限の区域に関連付けられた一次反射要素も同様に方向付けられる。上記のいかなる例においても、(二次反射素子上の)区域の照明は、放射のサブビームを対応する二次反射要素へと導くステップを含むことは理解される。
図8に示される照明モードの上記の説明において、第2、第3および第4象限の区域に関連付けられた一次反射要素は第1象限と同様に方向付けられることに言及された。以下、これがどのようになされるか説明する。図8から、ダイポール、クェーサおよびcクァッドモードはx軸およびy軸について対称であることが分かる。しかしながら図8aの環状モードは、(90°またはその倍数の回転について)回転対称であるが、x軸、y軸のいずれについても対称ではない。
本発明のある態様によると、所望の複数の照明モードが一つの対称性を共有しないとき、区域の位置が以下のように構成されることは理解される。すなわち、各区域の対は関連付けられた区域の対を有し、その二つの対は象限を二等分する線SS(図7参照)について対称となるよう配置される。例えば、区域724a、a’からなる第1対は、区域724c、c’からなる第3対に関連付けられる。これら2つの対は線SSについて対称となっている。区域724b、b’からなる第2対は、区域724d、d’からなる第4対に関連付けられる。これら2つの対もまた線SSについて対称となっている。他の象限に対しても同じ制限が課される。
第2象限は第1象限の鏡像である。第3および第4象限は第1および第2象限の鏡像である。区域をこのように配置することにより、図8に示される全ての照明モードを得ることが可能となる。図8b−dに示される照明モードのいずれかが生成されるとき、各象限の対応する一次反射要素の向きは同じである。図8aの環状モードが生成されるとき、第1および第3象限の一次反射要素の向きは、第2および第4象限の一次反射要素に適用される向きと反対である。
上述の図では少数の一次反射要素のみ示しているが、より一層大きい数の一次反射要素が使用されてもよい。第1反射素子22は例えば100個以下、200個以下、400個以下、またはそれより多い一次反射要素を備えてもよい。一次反射要素は二次元格子形状に配列されてもよい。一次反射要素は、放射ビームを横切る面に配置されてもよい。各一次反射要素は、所与の区域の小さい部分に向けて放射を導いてもよい。例えば、図7を参照して、第1区域724aは、複数の部分(例えば数十個の部分)にさらに分割されてもよい。各部分は、異なる一次反射要素から放射を受ける。
一次反射要素はミラーであってもよく、その他適切な反射要素であってもよい。
場合によっては、照明モードを調整することが望ましいこともあるであろう。図9aを参照すると、左側ポール101および右側ポール102を備えるダイポールx照明モードが示されている。σouterが点線で示される値σ′outerに縮小されるよう照明モードを調整することが要求されるかもしれない。これは、本発明の実施の形態によると、ダイポールモード101a、102aのσouterの外側の部分に放射を導く一次反射要素を回転させることにより、放射が照明モードから外れるよう導くことで実現されうる。その放射は、結果として照明モードの一部を形成しない。例えば、一次反射要素は、照明モードの外側に設けられたビームダンプ(beam-dump)103に放射を導くように方向づけられてもよい。ビームダンプ103は放射に対して吸収剤となる物質で形成され、ビームダンプ上に入射する放射を吸収する。
図9bは、照明モードの調整結果を示す。ダイポールのポール101、102は、σ′outerの内部に収まっている。以前はσouterの外側の照明モードの一部であった放射は、ここではビームダンプ103に導かれ、照明モードの一部を形成しない。
照明モードの一部を形成しないよう放射を導くために一次反射要素が動かされる向きを、第3の向きとよぶ。したがって、所与の一次反射要素は、放射を照明モードの一部を形成する第1区域に導く第1の向きと、放射を照明モードの一部を形成する第2区域に導く第2の向きと、放射を照明モードの一部を形成しないよう(例えば放射が照明モードから外れるよう方向づけることにより)導く第3の向きと、のいずれかの向きをとりうる。
図9においてはただ一つのビームダンプが示されているが、照明モードの外側に数個のビームダンプが設けられてもよい。ビームダンプは照明モードの最大範囲の周囲に広がる位置に設けられてもよい。ビームダンプは任意の適切な形状であってよい。
追加的または代替的な構成においては、不要な放射は一次反射要素により、照明モードが形成される平面の中央に設けられたビームダンプ104に導かれてもよい。これは例えば、σinnerが十分大きいゼロでない値であり、瞳の中心にビームダンプ104を設けることができる使用されていない領域がある場合になされる。ビームダンプ104は放射に対して吸収剤となる物質で形成され、ビームダンプ上に入射する放射を吸収する。図示されているビームダンプ104は円形であるが、任意の適切な形状であってよい。
ビームダンプ103、104はそれぞれ、投影システムPLが不要な放射を受けず、不要な放射が基板W上に送られないように不要な放射をパターニングデバイスMA(図2参照)から外すよう構成されたリフレクタで置き換えられてもよい。このリフレクタは例えば、不要な放射を照明システムILの一つ以上の吸収壁に導いてもよい。
さらなる構成においては、不要な放射は、二次反射要素から反射された放射がパターニングデバイスMA(図2参照)に入射しないように方向づけられた二次反射要素に導かれる。従って、その放射は照明モードの一部を形成しない。放射は投影システムPLによって受け取られず、基板W上に送られない。二次反射要素は例えば、不要な放射を照明システムILの一つ以上の吸収壁に導いてもよい。
所与の二次反射要素は、それに関連づけられた一次反射要素から放射を受けた場合はその放射をパターニングデバイスMAに向けて反射するが、異なる一次反射要素から放射を受けた場合はその放射をパターニングデバイスMAから外すよう反射するように構成されてもよい。例えば図3および4を参照して、第1サブビームBaは、第1一次反射要素22aによって第1二次反射要素24aまたは第2二次反射要素24a′に導かれる。第1および第2二次反射要素は、サブビームBaをパターニングデバイスMAに向けて反射する。もし第1一次反射要素22aがサブビームBaを異なる二次反射要素に向けて導いたとすると、その二次反射要素はサブビームをパターニングデバイスMAから外すように反射するであろう。所与の二次反射要素は、特定の一次反射要素から放射を受けた場合のみその放射をパターニングデバイスMAに向けて反射してもよい。所与の二次反射要素は、特定の一次反射要素から放射を受けた場合を除き、放射をパターニングデバイスMAから外して反射してもよい。これは、二次反射要素の向きの角度の適切な選択により実現されうる。
本明細書において、放射をパターニングデバイスへ向けて反射する旨の言及は、二次反射要素とパターニングデバイスとの間の光コンポーネントの不存在を意味する意図ではない。例えば、放射は二次元反射要素によって、光コンポーネント(例えば追加的な反射要素)を介して反射されてもよい。
図10は、本発明の実施の形態に係るミラー110用のアクチュエータ109を示す図である。ミラー110は、図3に示される反射素子22の前述の複数の一次反射要素の一つである。具体的には、ミラー110は一次反射要素22a−dの一つであってもよい。アクチュエータは、ミラー110を第1の向きと第2の向きとの間で回転させ、また放射が照明モードから外れるよう導かれる第3の向きへとミラーを回転させるために用いられてもよい。
アクチュエータ109は、ミラー110が設けられたロッド111を備える。ロッド111はピボット112に回転可能に取り付けられる。図10の両方向矢印は、ロッド111とミラー110の回転方向を示す。ロッド111は、一つ以上のバネ(図示せず)によって図10に示される向き(すなわち第3位置)に向けて弾性的に付勢される。
ロッド111の最下端に永久磁石113が設置されている。以下、この磁石をロッド磁石113とよぶ。一対の永久磁石114、115がヨーク116の中に保持される。以降、永久磁石114、115を第1固定磁石114および第2固定磁石115とよぶ。第1コイル117が第1固定磁石114の下に配置され、第2コイル118が第2固定磁石115の下に配置される。第1および第2コイル117、118は、コントローラ119に接続される。コントローラ119は、第1および第2コイルへの電流供給を制御する。
ヨーク116は、三つのポール116aーcを有する。ヨークは、鉄、または他の適切な材質(例えば任意の強誘電材料)で形成されてもよい。
非磁性物質のシート120が、第1および第2固定磁石114、115の上、そしてヨーク116のポール116aーcの上に配置される。シート120は筐体の一部を構成する。筐体の内部には固定磁石114、115、およびヨークが保持される。筐体は、例えば固定磁石やヨークからの放出ガスから生じる汚染物質が、リソグラフィ装置の他の場所へ通過することを防ぐ。シートは、磁石113ー115およびコイル117、118によってもたらされる磁場に対して大きな影響は与えない。シート120は例えば、ステンレス鋼であってもよい。
図10に示されるミラー110とアクチュエータ109は、複数の一次反射要素および複数のアクチュエータの一つである。ある一次反射要素およびアクチュエータ(図示せず)が、図示されているミラー110とアクチュエータ109の左に設けられ、別の一次反射要素およびアクチュエータ(図示せず)が、図示される一次反射要素およびアクチュエータの右に設けられることになる。アクチュエータ109を、近接するアクチュエータによって生成される磁場から遮蔽するため、磁気遮蔽壁121、122がアクチュエータ109の右側および左側の端に設けられる。
コイル117、118に電流が流されていないとき、かつ、ロッド磁石113が第1および第2固定磁石114、115から等距離にあるとき、ロッド磁石に作用する正味の磁力はゼロである。さらにロッドの弾性的バイアスが、ロッドを図10に示す位置に向けて付勢する。ロッド磁石113およびロッド111に作用する正味の力はゼロであるため、この位置は(図10に示すように)ロッド111が静止しうる平衡位置である。このロッド111の平衡位置は、上述のミラー110の第3の向き(すなわち、放射が照明モードから外れるよう導く向き)に対応する。この平衡位置を、以下および図10において、ロッドの第3位置PRCとよぶ。簡単のため、以下、ロッド111の位置とロッド磁石113の位置とを区別しない。
図11は、ミラー110の第1の向きおよび第2の向きに対応する第1位置PRAおよび第2位置PRBにあるロッド111を示す。第1コイル117がにエネルギが与えられると(すなわち、電流が第1コイルを通るよう流されると)、ロッド磁石113を第1固定磁石114の方に引き付ける力の方が、ロッド磁石を第2固定磁石115の方に引き付ける力よりも大きくなる。よってロッド磁石は、第1固定磁石114の方に向かって、その動きがエンドストップ(図示せず)で止められるまで動く。これにより、ロッド111が第1位置に動き、ミラー110が第1の向きに動く。続いて、第1コイル117へのエネルギが断たれてもよい。ロッド磁石113は、第2固定磁石115よりも第1固定磁石114に近いため、ロッド磁石を第1固定磁石の方に引き付ける力の方が、ロッド磁石を第2固定磁石の方に引き付ける力よりも大きい。その結果、ロッド磁石113は第1位置にとどまり、ミラー110は第1の向きにとどまる。
ミラー110を第2の向きに動かすことが望まれる場合、第2コイル118にエネルギが与えられる。第2コイル118および第2固定磁石115によって作用する力の方が、第1固定磁石114により作用する力より大きい。したがって、ロッド磁石113は第2コイル118に向かって動く。ロッド111は、エンドストップ(図示せず)で止められるまで動き続ける。このようにロッド111は第2位置へと動き、ミラー110は第2の向きへと動く。続いて、第2コイル118へのエネルギが断たれてもよい。ロッド磁石113は、第1固定磁石114よりも第2固定磁石115に近いため、ロッド磁石を第2固定磁石の方に引き付ける力の方が、ロッド磁石を第1固定磁石の方に引き付ける力よりも大きい。その結果、ロッド磁石113は第2位置にとどまり、ミラー110は第2の向きにとどまる。
ロッド磁石113が第1位置にあるとき、第2コイル118によって作用する力が、第1固定磁石114により作用する力に打ち勝つほど十分大きくない場合もありうる。このような事態が生じる場合、ロッド磁石113を第1固定磁石114から遠ざけるように動かすために、追加的な力が用いられてもよい。追加的な力は、第1コイル117がロッド磁石113を押しのける反発力を生成するように、第1コイル117に一時的にエネルギを与えることにより生成されてもよい。これは、第1コイル117において引力を生成するために用いた電流の向きと反対の向きに第1コイル117に電流を流すことにより実現されてもよい。第2コイル118も同様に、ロッド磁石113の第1位置への動きを促進するために動作させることができる。
図12は、図10および図11に示す装置のシミュレーション結果を示すグラフである。図12のグラフは、コイル117、118に電流が供給されていないときに固定磁石114、115によって生成される力をNを単位として、mmを単位とするロッド111の位置の関数として示す力曲線(force curve)である。ロッド111とロッド磁石113の前述の平衡位置は、図12のx=0mmに位置づけられている。第1、第2、および第3位置PRA、PRB、PRCのそれぞれ、及びそれぞれの関連づけられた力は、図12に三つの円でそれぞれ示されている。図12から、第1コイル117と第2コイル118のいずれにもエネルギが与えられていないとき、ロッド磁石113は三つの示された位置のいずれかに位置しうることが分かる。第1位置においては、ロッドは第1固定磁石114に向かって引き寄せられるが、エンドストップによってそれ以上動くことを妨げられている。第2位置においては、ロッド磁石113は第2固定磁石115に向かって引き寄せられるが、異なるエンドストップによってそれ以上動くことを妨げられている。
図12からわかるように、力曲線の中央に変曲がある。第3位置PRCは、この変曲点の中心にある。変曲は、第1および第2固定磁石114、115がロッド磁石113を第3位置へと動かすためのスタート位置の範囲を提供する。力曲線が、力がゼロとなる軸と交差する左側の点および右側の点は、この範囲の外側限界である。ロッド磁石113がこの範囲内にあるときには、ロッド磁石113は第3位置に向かって動く。そして、ロッド磁石113に作用する正味の力はゼロであるため、ロッド磁石113は第3位置に留まる。
前述のように、ロッド111は一つ以上のバネ(図示せず)によって第3位置PRCに向けて弾性的に付勢される。これは、実際には、ロッド111およびロッド磁石113が第3位置へと動くためのスタート位置の範囲が、図12に示すよりも大きいことを意味する。
図13は、第1コイル117にエネルギが与えられている(すなわち、電流が第1コイルを通って流れている)こと以外は図12と同様のシミュレーションを示す。第1コイル117へのエネルギ付与は、力曲線を上に持ち上げる効果がある。ロッド磁石113のスタート位置の殆どにおいて、第1固定磁石114と第1コイル117の組み合わせの及ぼす力によってロッド磁石が第1位置に向かって引かれることがわかる。ロッド磁石113が第2位置からスタートする場合、第1固定磁石114および第1コイル117の及ぼす力は、ロッド磁石113を第1位置に動かすためには不十分である。しかしながらこの例で、もしロッド111に対して一つ以上のバネがおよぼす弾性的な付勢が0.6N以上であるならば、ロッドに作用する力の合力は、ロッドを第2位置から第1位置へと動かすために十分なほど強くなる。
第1コイル117へのエネルギ供給を断ち、第2コイル118にエネルギを与えると、力曲線が下に引き下げられる。第2コイル118および第2固定磁石115が及ぼす力と、一つ以上のバネがロッド111に及ぼす弾性的な付勢とが合成され、ロッドを第1位置から第2位置へと動かすために十分なほど強い力となる。
ロッド111を第2位置(または第1位置)から第3位置へと動かしうるための一つの方法は、以下のとおりである。第2コイル118がロッド磁石113に反発するように、電流のパルスが第2コイル118に供給される。同時に、第1コイル117がロッド磁石113を引き寄せるように、電流のパルスが第1コイル117に供給される。電流のパルスが、ロッド111が第2位置を離れるようにロッド111の移動を開始させる。いったんロッドがいくらかの速度を得て第2位置から移動すると、電流のパルスは断たれてもよい。慣性により、第2位置から遠ざかるロッドの運動が持続しうる。ロッド111は、ロッド111が第3位置へと動き始める最も外側のスタート位置(スタート位置については、上で詳細に説明されている)を通り過ぎることになる。ロッド111は次に、第3位置へと動く。ロッド111が第3位置で静止する前に、ロッドの減衰振動が生じうる。
第1および第2コイル117、118に流される電流は、ロッド111がエンドストップ(図示せず)に当たる速さを低減するために調整されてもよい。例えば図13を参照すると、力曲線は、第1位置に到達するときにロッド磁石113に作用する力はかなりの大きさであることを示している。したがって、ロッド111はエンドストップに当たる際もまだ加速されているかもしれない。しかしながら、第1コイル117に流される電流は、ロッド111が第1位置に近づくとき、ロッド111に負の力がかけられてロッドが減速するように調整されてもよい。これにより、ロッド111がエンドストップに当たるときの速さを低減され、ロッド111に「より穏やかな着陸」が提供される。ロッド111がエンドストップに当たるときの速さを低減することにより、汚染物質の粒子がロッドまたはエンドストップから放出される可能性を低減できる。
図14は、上から見たヨーク116の三つのポール116aーc、および、第1固定磁石114と第2固定磁石115を示す。ロッド磁石(図示せず)の第1位置PRA、第2位置PRB、および、第3位置PRCも示されている。第1、第2、および第3位置PRA、PRB、PRCは直線で結ばれていることが分かる。第1、第2、および第3位置PRA、PRB、PRCが直線で結ばれているとき、ピボット112は、単一の軸のまわりの回転をもたらす簡単なピボットであってよい。第3位置PRCは、第1位置PRAと第2位置PRBの間のアクチュエータの移動経路上にある。
図15は、リソグラフィ装置の瞳面の照明モードが形成される部分を示す(図15は、概ね図7に対応する)。図15においては、ミラー110が二つの区域724a、724a′の比較的小さい部分へと放射を導くと仮定する。区域のうちミラー110によって導かれる放射が横切る部分が円で示されている。ミラー110が第1の向きを向いているとき、放射は第1区域724aの部分POAに導かれる。ミラー110が第2の向きを向いているとき、放射は第2区域724a′の部分POBに導かれる。ミラー110が第3の向きを向いているとき、放射は第1区域724aと第2区域724a′との間の区域の部分POCに導かれる。上で詳細に説明されたように、部分POCに設けられる二次反射要素は、放射をパターニングデバイスMAから外して導くよう方向づけられてもよい(図2参照)。
変形例(図示せず)においては、ヨークの真ん中のポールは、x方向(または負のx方向)にオフセットされてもよい。この場合、ミラー110が第3の向きにあるときに、放射は第1および第2区域724a、724aの間の区域の部分ではあるが、それらの中間点ではない部分に導かれる。中間位置からのオフセットの度合いはヨークの真ん中のポールのオフセットの度合いに依存する。
図16は、上から見た回転可能ディスク130を備える本発明の実施の形態の一部を示す。回転可能ディスク130には磁石131(以下、ディスク磁石131とよぶ)が設けられる。回転可能ディスク130は、両方向矢印で示されるように、向きRDAから向きRDBまで180度回転可能である。180度にわたる回転可能ディスク130の回転により、ディスク磁石131が位置DMAから位置DMBまで動かされる。
図16と組み合わせて図10を参照し、第1および第2固定磁石114、115、第1および第2コイル117、118、および、ヨーク116が、ステンレス鋼シート120の下から除かれ、回転可能ディスク130
およびディスク磁石131で置き換えられてもよい。回転可能ディスクの平らな表面は、ステンレス鋼シート120と平行であってもよい。
ディスク磁石131およびロッド磁石113の極は、ディスク磁石131とロッド磁石113とが互いに引き合うように構成されてもよい。この引力は、ロッド111の弾性力に打ち勝つために十分な強さであってよい。その結果、ロッド磁石113はディスク磁石に向かって動くことになる。
回転可能ディスク130が第1の向きRDAにあるとき、ロッド磁石113はディスク磁石131に向かって、ロッド111のさらなる移動がエンドストップ(図示せず)で止められるまで引き寄せられる。したがってディスク磁石131は、ロッド111をエンドストップに対してその第1位置PRAにて保持する(第1位置は、そのエンドストップによって決定される)。
回転可能ディスク130が第2の向きRDBにあるとき、ロッド磁石113はディスク磁石131に向かって、ロッド111の移動がエンドストップ(図示せず)で止められるまで引き寄せられる。したがってディスク磁石は、ロッド111をエンドストップに対してその第2位置PRBにて保持する(第2位置は、そのエンドストップによって決定される)。
回転可能ディスク130が第3の向きRDCにあるとき、ロッド磁石113は再びディスク磁石131に向かって引き寄せられる。ロッド111の動きを制限するためのエンドストップはない。したがってロッド磁石113は、ロッド111に作用する正味の力がゼロとなるまでディスク磁石131に向かって動く(ここで正味の力には、磁力による引力とロッド111の弾性力が考慮されている)。例えばy方向のロッド111の動きを制限する中間ストップ(intermediate stop)が含まれてもよい。中間ストップは、本発明の別の実施形態に含まれてもよい。
回転可能ディスク130の第3の向きRDCは、第1の向きRDAと第2の向きRDB間の回転可能ディスクの移動経路上にある。同様に、ロッド111の第3位置PRCは、第1位置PRAと第2位置PRBの間のロッドの移動経路上にある。
ロッド111の第3位置PRCへの移動を可能とするため、ロッドを保持するピボットは、ロッド111を二つの異なる方向に回転可能としてもよい。図10を参照するとピボット112は、ロッドを両方向矢印で示されるように回転可能としてもよく、さらに、ロッドを図10の平面からはずれる方向に回転可能としてもよい。
図17は、図15に示されるリソグラフィ装置の瞳面の同じ部分を示す。区域のうちミラー110によって導かれる放射が横切る部分がやはり円で示されている。ロッド111が、図16の回転可能ディスク130により決定されたとおりの位置PRAにあるとき、放射は第1区域724aの部分POAに導かれる。ロッド111が、図16の回転可能ディスク130により決定されたとおりの位置PRBにあるとき、放射は第2区域724a′の部分POBに導かれる。ロッド111が、図16の回転可能ディスク130により決定されるたとおりの位置PRCにあるとき、放射は照明モードから外され、ビームダンプ103の部分BDCに導かれる。従って、その放射はいかなる照明モードの一部をも形成しない(使用中の照明モード(active illumination)は調整されている)。
図16に示される回転可能ディスクは、第1の向きRDAから第2の向きRDBへと時計回りに回転する。また一方で回転可能ディスクは、第1の向きRDAから第2の向きRDBへと反時計回りに回転してもよい。この場合、回転可能ディスクの第3位置(図示せず)において、図16に示される位置と反対側にディスク磁石131が設けられてもよい。この結果、回転可能ディスク130が第3の向きにあるとき、放射は照明モードの中央に向けて導かれるだろう。放射は例えば、照明モードの中央の設けられるビームダンプ(図示しないが、図9に模式的に示される)に向けて導かれてもよい。
回転可能ディスク130が向きRDAを越えて、または向きRDBを越えて回転するのを防止するため、エンドストップ(図示せず)が用いられてもよい。
回転可能ディスク130は、モータ(図示せず)によって回転されてもよい。回転可能ディスク130を第3の向きRDCへと動かすために、ディスクを第3の向きへと動かすために十分な時間モータにエネルギが与えられ、その後エネルギ供給が断たれてもよい。モータは、いったんモータへのエネルギが断たれた後に回転可能ディスク130を第3の向きに保持するために十分なほど高いギアの歯車装置(gearing)を含んでもよい。モータは例えば、ステッパモータであってもよい。
図16および図17の説明は、互いに引力を及ぼすロッド磁石113とディスク磁石131に言及しているが、これらは互いに斥力を及ぼしてもよい。同じことが本発明の別の実施形態についても適用されてもよい。
図10および17に関して上述したように、例えば一次反射要素22aのようなミラー110を動かすためにアクチュエータが用いられてもよい。アクチュエータは、放射を瞳面の異なる区域の三つの異なる部分POA、POB、POCに導くように、ミラー110を第1、第2、第3の向きの間で動かす。場合によっては、例えば一次反射要素22aに関連づけられた区域に言及する図15に示されるように、アクチュエータの第3位置によって、二次反射要素上に位置する部分POCに放射が導かれる。ここで、二次反射要素 (瞳ファセットミラー)は、 視野ファセットミラー22aから受けてその瞳ファセットミラーから反射された放射が照明モードの一部を形成しないように方向づけられている。ここで照明モードは、関連づけられた一次反射要素22aが、第1区域724aを照らす第1の向きまたは第2区域724a′を照らす第2の向きにあるときに形成される。瞳ファセットミラーは、放射をパターニングデバイスMAから外すよう反射してもよい(図2参照)。
一次反射要素の向きを決定するアクチュエータの第3位置は、曖昧に決定されるかもしれない。これは、例えばアクチュエータの構築における許容誤差(engineering tolerances)から生じうる。その結果、アクチュエータが第3位置にあるとき、視野ファセットミラーで導かれた放射は、幾つかの異なる瞳ファセットミラーのうちの一つに導かれうる(すなわち、どの視野ファセットミラーが放射を受けるのかは知り得ないかもしれない)。
放射が瞳ファセットミラーに入射する第3位置が曖昧に決定される結果、二次反射要素は、幾つかの異なる視野ファセットミラーから放射を受けるかもしれない。これが生じる場合、瞳ファセットミラーは、(例えばミラーの層の融合が引き起こされることにより)ミラーが破損されるのに十分なほど高い温度まで熱されるかもしれない。そうするとミラーを交換する必要が生じるかもしれず、望ましくない。
本発明のある実施形態においては、アクチュエータが第3位置にあるとき、放射が瞳ファセットミラーに入射する位置をより正確に決定するために、キャリブレーションが用いられてもよい。本発明の実施の形態は、ステッパモータによって動力を供給されるアクチュエータに関して説明される。しかしながら、本発明が他の形態のモータを用いても実現できることは理解される。
図15を参照して、ステッパモータは、アクチュエータ(および関連づけられた視野ファセットミラー)を第1位置から第2位置へと動かすために100ステップ要するかもしれない。第1位置は、放射を第1区域部分POAへと導き、第2位置は放射を第2区域部分POBへと導く位置である。キャリブレーションは、イメージセンサ(図示せず)を用いて実行されてもよい。イメージセンサは、照明システムのフィールド面に配置されてもよい。イメージセンサは例えば、リソグラフィ装置稼働中にパターニングデバイスMA(図2参照)が備えられる位置に設けられてもよい。イメージセンサは、視野ファセットミラーによって瞳ファセットミラーへと導かれ、瞳ファセットミラーによってイメージセンサへと反射された放射を検出するよう構成される。イメージセンサは、フィールド面(例えばパターニングデバイスMA)へと反射される放射の瞳面における強度分布を検出する。この強度分布は、(例えばパターニングデバイスMAの平面中または基板Wの平面中の)フィールド面における角度分布に対応する。
ステッパモータは、第1位置から第2位置へと100ステップで回転する。各ステップの後、瞳ファセットミラーによってイメージセンサへと反射された放射が検出される。場合によっては、瞳ファセットミラーの向きは、イメージセンサへの入射がないような向きとなりうる。しかしながら他の場合には、放射はイメージセンサへと入射する。失われたデータ点を推定するために、補間が用いられてもよい。こうしてステッパモータのステップの数(すなわちテッパモータの位置)と、視野ファセットミラーから反射された放射を受ける瞳面の区域との関係が構築されてもよい。
キャリブレーションにより、ステッパモータの各ステップと、視野ファセットミラーにより反射された放射を受ける瞳面の区域とが結びつけられる。これにより、ステッパモータが第3位置をとるときに、視野ファセットミラーから放射を受ける瞳ファセットミラーをより正確に特定できる。これによりまた、所望の瞳ファセットミラーが視野ファセットミラーから放射を受けるような第3位置の選択が可能となる。
ステッパモータが第1位置から第2位置へと100ステップで回転する例では、キャリブレーションがなされていないシステムにおいて第3位置が第1位置から50ステップとなるよう選択されてもよい。いったんキャリブレーションが実行されると、キャリブレーションの結果を用いて、40ステップの位置が放射を所望の瞳ファセットミラーへと導くことから、40ステップが好適なステップ数であると決定されるかもしれない。
上記の実施形態は、第1位置から第3位置まで100ステップで回転するステッパモータに関して説明されたが、発明の実施形態においては、任意の適切なステップ数のステッパモータが用いられてよい。本発明の実施の形態においては、任意の他の適切なモータまたは作動装置(actuating apparatus)が用いられてもよい。
キャリブレーションにより、放射が瞳面に入射するときの第3位置をそうでない場合よりも正確に決定できる。これにより、瞳ファセットミラーを損傷するのに十分なエネルギーの放射を瞳ファセットミラーが受けないような視野ファセットミラーの向きの選択が可能となる。例えば、視野ファセットミラーの向きは、瞳ファセットミラーが二つ以上の視野ファセットミラーから放射を受けないように選択されてもよい。代替的な例では、瞳ファセットミラーは二つまでの視野ファセットミラーから放射は受けても、三つ以上の視野ファセットミラーからの放射は受けないように、視野ファセットミラーの向きが選択されてもよい。さらに別の代替的な例では、瞳ファセットミラーはある他の個数までの視野ファセットミラーからの放射は受けても、その個数以上の視野ファセットミラーからの放射は受けないように、視野ファセットミラーの向きが選択されてもよい。
本発明の実施形態によると、第3位置において放射を特定の瞳ファセットミラーへ導くために用いられうるよう十分精度よく、視野ファセットミラーの向きが決定されうる。本発明の実施形態においては、精度が若干低くてもよい。例えば視野ファセットミラーの向きは、放射を特定の瞳ファセットミラーへ導くために、瞳ファセットミラープラスマイナス1個分の許容範囲をもって十分精度よく決定されてもよい(すなわち、放射は所望の瞳ファセットミラーに入射するかもしれず、または所望の瞳ファセットミラーの隣に位置する瞳ファセットミラーに入射するかもしれない)。
本発明の実施形態が提供するキャリブレーションにより、キャリブレーションが実行されない場合に比べて多くの視野ファセットミラーが第3の向きに保持されうる。
キャリブレーションは、自動化された方法で実行されてもよい。例えば、キャリブレーション装置は、コントローラと、イメージセンサと、メモリとを備えてもよい。コントローラは、アクチュエータを複数の位置へと動かす出力信号を提供するよう構成される。メモリは、コントローラの出力信号と、イメージセンサの出力との関係を記録するよう構成される。
キャリブレーションは、複数の視野ファセットミラーについて同時に実行されてもよい。
本発明のある実施形態においては、二個以上の瞳ファセットミラーの間で視野ファセットミラーから反射された放射により生じた熱を分散させるために、アクチュエータの第3位置が周期的に変調されてもよい。図18を参照して、アクチュエータは、視野ファセットミラーが、第3区域C1へと放射を導く向き(以下、第1中間区域C1とよぶ)と、第4区域C2へと放射を導く向き(以下、第2中間区域C2とよぶ)との間で動くよう変調されてもよい。変調により、このように放射が二つの異なる瞳ファセットミラーの間を移動し、その結果、それぞれの瞳ファセットミラーに蓄積される熱量が半分になる。熱が低減されることにより、過熱に起因するミラーの損傷を防止できる。
瞳ファセットミラーの熱的特性を用いて、単一の瞳ファセットミラーに放射を導いても差し支えのない最長時間を決定できる。いったん最長時間が決定されたら、最長時間に達しないために、また最長時間を越えないために十分なほど速いレートで、視野ファセットミラーが変調されてもよい。変調は、例えば毎分1回実行されてもよい。
ある実施形態では、視野ファセットミラーの向きは、二つの中間位置よりもむしろ、三つの中間位置の間で変調されてもよい。例えば視野ファセットミラーの向きは、図18に示すように三つの中間区域C1、C2、C3が照らされるように変調されてもよい。これにより、各瞳ファセットミラーに入射する熱が、変調がなされない場合に入射する熱の三分の一に低減される。変調は、任意の適切な数の瞳ファセットミラーに放射を導くために用いられてよい。
変調の結果として放射を受ける瞳ファセットミラーは、それらが放射を照明モードに導かないように選択されてもよい。これは例えば、特定の視野ファセットミラーから放射を受けたときに放射を照明モードから外すよう導く瞳ファセットミラーが二つ以上隣接して存在するように、視野ファセットミラーと瞳ファセットミラーとを構成することにより実現されうる。
本発明のさらなる構成(図示せず)においては、磁石を第1位置と第2位置との間で動かすためにモータが用いられてもよい。これにより、ロッド磁石が第1位置と第2位置との間で引かれる(または押される)。ロッド磁石を第1および第2位置の間の第3位置へと動かすために、モータに駆動される磁石を第1および第2位置の間の中間点へと動かすために十分な時間モータにエネルギが与えられ、その後エネルギ供給が断たれてもよい。モータは、いったんモータへのエネルギが断たれた後にモータに駆動される磁石を第3の向きに保持するのに十分なほど高いギアの歯車装置(gearing)を含んでもよい。モータと磁石とは、ロッド磁石に直線的な経路を移動させてもよく、また直線でない経路を移動させてもよい。モータは、磁石が取付られているクランクシャフトを駆動するよう構成された回転モータであってもよい。あるいはまたモータは歯を駆動する回転モータであってもよい。歯は磁石につながれている歯付きバー(ラック)を駆動する。
本発明のさらなる構成(図示せず)においては、ロッドを第1位置と第2位置との間で動かすためにバイメタルモータが用いられてもよい。バイメタルモータは、ロッドの一端の近傍に設けられたバイメタル帯板(strip)と、ロッドの反対側の端の近傍に設けられたバイメタル帯板と、を備えてもよい。各バイメタル帯板は、それを通って電流が流れているときにロッドに向かって屈曲し、屈曲の度合いはロッドを流れる電流の量に依存するよう構成されてもよい。バイメタル帯板はロッドを押し、それによりロッドにピボットの周りを回転させる。このようにして、バイメタル帯板がロッドの向きを制御するために用いられてもよい。バイメタル帯板は、ロッドを第1位置と、第2位置と、そしてまた第3位置との間で動かすために用いられてもよい。第3位置は、第1位置と第2位置との間のロッドの移動経路上にある。ロッドは弾性的に付勢されていてもよい。例えば、もしいずれのバイメタル帯板もロッドを押さない場合、ロッドが第3位置へと動くように付勢されてもよい。
本発明のさらなる構成(図示せず)においては、磁石を動かすためにバイメタルモータが用いられてもよい。磁石は、第1位置と第2位置との間でロッドを動かす。バイメタルモータは、一端に磁石を設けたバイメタル帯板を備えてもよい。バイメタル帯板は、バイメタル帯板に加えられる電流に反応して磁石を第1位置と第2位置との間で動かし、それによりロッド磁石を第1位置と第2位置との間で動かすよう構成されてもよい。バイメタル帯板は、磁石を(したがってロッド磁石を)ロッドの第1位置と第2位置との間の移動経路上にある第3位置へと動かすために用いられてもよい。
上述の実施形態では、ステンレス鋼シート120に言及した。ステンレス鋼シートは、ロッド111およびミラー110
を取り囲む気体環境または真空環境に対する遮蔽壁として作用する。ステンレス鋼は、例示としてあげられている。ステンレス鋼シートは、適切な非磁性遮蔽物質のシートで置き換えられてもよい。
上述の実施形態では、ミラー110に言及した。ミラー110は、反射要素の一例にすぎない。任意の適切な反射要素が使用されてもよい。
上述のミラー110と、関連づけられたアクチュエータ109とは、複数の一次反射要素および複数の関連づけられたアクチュエータの一つであってもよい。アクチュエータの電気で動力が供給される部分は、筐体(例えば真空封止筐体)の中に配置されてもよい。この場合、筐体内へ送る制御信号を多重化することで、筐体内へと通過させる必要があるワイヤの数を減らしてもよい。多重分離装置は、筐体内部に設けられてもよい。多重分離装置は、多重化された制御信号を受け取り、その信号を一次反射要素制御のために用いられうる複数の信号へと変換するように構成されてもよい。
上述の本発明の説明において、(例えばEUVリソグラフィ装置の一部を構成する)反射照明システムに言及した。しかしながら、本発明は、屈折要素を含む照明システムに提供されてもよい。例えば本発明は、DUVリソグラフィ装置において提供されてもよい。反射光学素子に代えてまたは加えて、屈折光学素子が照明システムの瞳面に提供されてもよい。いくつかの図において直交座標系が示されている。
これは図の説明を容易とするためのものであり、本発明のいかなる部分についても、特定の向きが必須であることを意図するものではない。
本発明の説明された実施の形態においてはリソグラフィ装置の照明システムに言及したが、本発明の実施の形態はリソグラフィ装置の任意の適切な位置に設けられてもよい。
反射要素のアレイはリソグラフィ装置の文脈の中で説明されたが、アレイは他の装置において設けられてもよい。本発明の具体的な実施の形態が上述のように説明されたが、本発明は上述の形式以外の形式でも実施可能であると理解されたい。本説明は本発明を限定することを意図するものではない。
本発明の好適な特徴は本発明の全ての態様に適用可能であり、任意の組み合わせで使用可能である。

Claims (23)

  1. 複数の可動反射要素と、関連づけられたアクチュエータとを備え、それらは照明モードを形成するよう構成されうる照明システムであって、
    前記アクチュエータのうちの一つ以上のアクチュエータは、第1、第2、第3位置の間を動き、それにより関連づけられた可動反射要素を第1、第2、第3の向きの間で動かすよう構成され、
    前記第1および第2の向きは、可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成するような向きであり、
    前記第3の向きは、可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成しないような向きであることを特徴とする照明システム。
  2. 請求項1に記載の照明システムであって、
    前記アクチュエータの第3位置は、第1位置と第2位置との間の該アクチュエータの移動経路上に位置することを特徴とする照明システム。
  3. 請求項1または2に記載の照明システムであって、
    前記アクチュエータは、電力が該アクチュエータに供給されない状態において第1位置、第2位置、第3位置のいずれかにとどまり得るように構成されることを特徴とする照明システム。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の照明システムであって、前記アクチュエータの第1位置および第2位置はエンドストップによって決定されることを特徴とする照明システム。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の照明システムであって、前記アクチュエータの第3位置は中間ストップによって決定されることを特徴とする照明システム。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の照明システムであって、照明モードの一部を形成しない放射を受けるよう構成されるビームダンプをさらに備えることを特徴とする照明システム。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の照明システムであって、前記アクチュエータの第1位置、第2位置、第3位置は、直線経路上に位置することを特徴とする照明システム。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載の照明システムであって、前記アクチュエータの第1位置、第2位置、第3位置は、非直線経路上に位置することを特徴とする照明システム。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の照明システムであって、
    前記アクチュエータは、
    枢動可能に取り付けられるロッドであって、可動反射要素が取り付けられるロッドと、
    前記ロッドの一端に設けられる磁石と、
    ヨーク内に設けられる第1磁石および第2磁石と、を備え、
    前記第1磁石、前記第2磁石および前記ヨークは、ロッド磁石およびロッドの安定的な第1位置と第2位置と第3位置とを定義する磁場をもたらすよう構成されることを特徴とする照明システム。
  10. 請求項9に記載の照明システムであって、
    前記アクチュエータはさらに、第1磁石と関連づけられた第1コイルと、第2磁石と関連づけられた第2コイルとを備え、
    前記第1コイルまたは前記第2コイルには、前記ロッド磁石に作用する力を調整するようにエネルギが与えられうることを特徴とする照明システム。
  11. 請求項9または10に記載の照明システムであって、前記第3位置は前記ヨークのポールに対応することを特徴とする照明システム。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の照明システムであって、前記アクチュエータは、前記第3位置に向けて弾性的に付勢されていることを特徴とする照明システム。
  13. 請求項1に記載の照明システムであって、
    前記アクチュエータは、第3位置と第4位置との間で変調されるよう構成され、
    前記第4位置は、前記可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成しないような向きであることを特徴とする照明システム。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の照明システムを備えるリソグラフィ装置。
  15. 請求項14に記載のリソグラフィ装置であって、
    アクチュエータを複数の位置へと動かす出力信号を提供するよう構成されるコントローラと、
    イメージセンサと、
    前記コントローラの出力信号と、前記イメージセンサの出力との関係を記録するよう構成されるメモリと、
    をさらに備えることを特徴とするリソグラフィ装置。
  16. 複数の可動反射要素で形成される照明モードを調整する方法であって、一つ以上の可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成しないように該一つ以上の可動反射要素の向きを変えるステップを備えることを特徴とする照明モード調整方法。
  17. 請求項16に記載の照明モード調整方法であって、
    アクチュエータは第1位置または第2位置から第3位置へと動き、したがって一つ以上の可動反射要素を第1の向きまたは第2の向きから第3の向きへと動かし、
    前記第1の向きおよび第2の向きは、可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成するような向きであり、
    前記第3の向きは、可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成しないような向きであることを特徴とする照明モード調整方法。
  18. 請求項17に記載の照明モード調整方法であって、
    前記アクチュエータの第3位置は、第1位置と第2位置との間の該アクチュエータの移動経路上にあることを特徴とする照明モード調整方法。
  19. 請求項17または18に記載の照明モード調整方法であって、
    前記アクチュエータは、電力が該アクチュエータに供給されない状態において第3位置にとどまることを特徴とする照明モード調整方法。
  20. 請求項16から19のいずれかに記載の照明モード調整方法であって、
    照明モードの一部を形成しない反射された放射はビームダンプにむけて導かれることを特徴とする照明モード調整方法。
  21. 請求項16から19のいずれかに記載の照明モード調整方法であって、
    前記複数の可動反射要素はリソグラフィ装置の一部を構成し、
    照明モードの一部を形成しない反射された放射は、放射を前記リソグラフィ装置のパターニングデバイスにむけて反射しない面へと、導かれることを特徴とする照明モード調整方法。
  22. 請求項17から21のいずれかに記載の照明モード調整方法であって、
    前記アクチュエータは、第3位置から第4位置へと変調し、したがって、前記可動反射要素の一つを第3の向きから第4の向きへと動かし、
    前記第4位置は、前記可動反射要素から反射された放射が照明モードの一部を形成しないような向きであることを特徴とする照明モード調整方法。
  23. 請求項17に記載のアクチュエータのキャリブレーション方法であって、
    アクチュエータを第1位置と第2位置との間の複数の位置に動かすステップと、
    イメージセンサを用いて、前記可動反射要素により反射された放射を検出するステップと、
    アクチュエータに送られる制御信号と、イメージセンサに入射する放射との関係を決定するステップと、
    を備えることを特徴とするキャリブレーション方法。
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