以下、本発明の一実施形態を図1〜図38に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせて多色のカラー画像を形成するタンデム方式のカラープリンタであり、4つの感光体ドラム(K1、C1、M1、Y1)、4つのドラム帯電装置(K2、C2、M2、Y2)、4つの現像装置(K4、C4、M4、Y4)、4つのドラムクリーニング装置(K5、C5、M5、Y5)、4つの転写装置(K6、C6、M6、Y6)、光走査装置2010、中間転写ベルト2040、転写ローラ2042、搬送装置2044、定着装置2050、給紙コロ2054、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、通信制御装置2080、速度・変位検出装置2245及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、増幅回路、アナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換器などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの画像情報を光走査装置2010に送る。
感光体ドラムK1、ドラム帯電装置K2、現像装置K4、ドラムクリーニング装置K5、及び転写装置K6は、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラムC1、ドラム帯電装置C2、現像装置C4、ドラムクリーニング装置C5、及び転写装置C6は、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラムM1、ドラム帯電装置M2、現像装置M4、ドラムクリーニング装置M5、及び転写装置M6は、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラムY1、ドラム帯電装置Y2、現像装置Y4、ドラムクリーニング装置Y5、及び転写装置Y6は、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
各ドラム帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて色毎に変調された光により、対応する帯電された感光体ドラムの表面をそれぞれ走査する。これにより、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像装置の方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
現像装置K4は、感光体ドラムK1の表面に形成された潜像にブラックのトナーを付着させて顕像化させる。
現像装置C4は、感光体ドラムC1の表面に形成された潜像にシアンのトナーを付着させて顕像化させる。
現像装置M4は、感光体ドラムM1の表面に形成された潜像にマゼンタのトナーを付着させて顕像化させる。
現像装置Y4は、感光体ドラムY1の表面に形成された潜像にイエローのトナーを付着させて顕像化させる。
各現像装置によってトナーが付着した像(以下、便宜上「トナー画像」という)は、感光体ドラムの回転に伴って対応する転写装置の方向に移動する。
各転写装置は、トナー画像を中間転写ベルト2040に転写する。
ここでは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで中間転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出す。該記録紙は、所定のタイミングで中間転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出される。これにより、中間転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。カラー画像が転写された記録紙は、搬送装置2044を介して定着装置2050に送られる。
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイに送られ、排紙トレイ上に順次積み重ねられる。
各ドラムクリーニング装置は、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
速度・変位検出装置2245は、中間転写ベルト2040の近傍に設けられ、中間転写ベルト2040の移動速度及び変位量に関する情報を含むデータを出力する。速度・変位検出装置2245の出力データは、プリンタ制御装置2090に送られる。なお、この速度・変位検出装置2245の詳細については後述する。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、光偏向器2104、4つの走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、6枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108b、2108c)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。
ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向(回転軸方向)に沿った方向をY軸方向、光偏向器2104の回転軸に沿った方向をZ軸方向として説明する。また、以下では、便宜上、各光学部材における主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源2200aとカップリングレンズ2201aと開口板2202aとシリンドリカルレンズ2204aと走査レンズ2105aと折り返しミラー2106aは、感光体ドラムK1に潜像を形成するための光学部材である。
光源2200bとカップリングレンズ2201bと開口板2202bとシリンドリカルレンズ2204bと走査レンズ2105bと折り返しミラー2106bと折り返しミラー2108bは、感光体ドラムC1に潜像を形成するための光学部材である。
光源2200cとカップリングレンズ2201cと開口板2202cとシリンドリカルレンズ2204cと走査レンズ2105cと折り返しミラー2106cと折り返しミラー2108cは、感光体ドラムM1に潜像を形成するための光学部材である。
光源2200dとカップリングレンズ2201dと開口板2202dとシリンドリカルレンズ2204dと走査レンズ2105dと折り返しミラー2106dは、感光体ドラムY1に潜像を形成するための光学部材である。
各カップリングレンズは、対応する光源から射出された光の光路上に配置され、該光を略平行光とする。
各開口板は、開口部を有し、対応するカップリングレンズを介した光を整形する。
各シリンドリカルレンズは、対応する開口板の開口部を通過した光を、光偏向器2104の偏向反射面近傍にY軸方向に関して結像する。
各光源と光偏向器2104との間に配置された光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。
光偏向器2104は、2段構造の多面鏡を有している。各多面鏡は、4面の偏向反射面を有している。そして、1段目(下段)の多面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光及びシリンドリカルレンズ2204cからの光がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の多面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光及びシリンドリカルレンズ2204dからの光がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目の多面鏡及び2段目の多面鏡は、互いに位相が略45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光は、走査レンズ2105a、及び折り返しミラー2106aを介して、感光体ドラムK1に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラムK1の長手方向に移動する。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光は、走査レンズ2105b、及び2枚の折り返しミラー(2106b、2108b)を介して、感光体ドラムC1に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラムC1の長手方向に移動する。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光は、走査レンズ2105c、及び2枚の折り返しミラー(2106c、2108c)を介して、感光体ドラムM1に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラムM1の長手方向に移動する。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光は、走査レンズ2105d、及び折り返しミラー2106dを介して、感光体ドラムY1に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラムY1の長手方向に移動する。
各感光体ドラムにおける光スポットの移動方向が、「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が、「副走査方向」である。
光偏向器2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。
次に、前記速度・変位検出装置2245の詳細について説明する。
先ず、速度・変位検出装置2245の構成について説明する。この速度・変位検出装置2245は、一例として図6に示されるように、光源10、コリメートレンズ12、結像レンズ14、イメージセンサ16、制御装置18を有している。そして、これらは、ケース19の中に収容されている。
なお、ここでは、便宜上、中間転写ベルト2040のベルト面に直交する軸方向を「a軸方向」とし、中間転写ベルト2040の移動方向に平行な軸方向を「b軸方向」とする。そして、a軸方向及びb軸方向のいずれにも直交する軸方向を「c軸方向」とする。また、中間転写ベルト2040は、+b方向に向かって移動するものとする。
光源10は、半導体レーザを有している。コリメートレンズ12は、光源10から射出された光の光路上に配置されている。コリメートレンズ12を介した光は、ケース19に形成されている開口部を通過して、中間転写ベルト2040のベルト面に照射される。一例として、図6における符号θ1は45°である。なお、以下では、コリメートレンズ12から射出される光を「照明光」ともいう。
結像レンズ14は、中間転写ベルト2040のベルト面で拡散反射され、ケース19に形成されている開口部を通過した光を集光する。一例として、図6における符号θ2は90°である。
イメージセンサ16は、結像レンズ14を介した光を受光する。中間転写ベルト2040は表面に微細でランダムな凹凸があり、また、中間転写ベルト2040からの拡散反射光は干渉性があるので、イメージセンサ16の受光面ではスペックルパターンが生じる。すなわち、イメージセンサ16は、スペックルパターンを撮像する。
イメージセンサ16は、一定の時間間隔Δtでスペックルパターンを撮像し、その撮像データを出力する。イメージセンサ16の撮像データは、制御装置18に送られる。なお、イメージセンサ16の撮像データは、「フレーム」とも呼ばれている。
制御装置18は、プリンタ制御装置2090の指示に基づいて、光源10の半導体レーザを点灯及び消灯させる。また、制御装置18は、イメージセンサ16から出力される撮像データ(フレーム)をプリンタ制御装置2090に送る。
このように、速度・変位検出装置2245の構成は、移動体からの拡散光を結像レンズを介して撮像する構成であり、いわゆる結像領域におけるスペックル運動を検出するものである。
次に、速度・変位検出装置2245の特性について説明する。
図7に示されるように、中間転写ベルト2040に代えて、ステッピングモータによってb軸方向に移動可能なリニアステージ上にエア吸着プレートを介して固定されている紙を検出対象(被検体)とし、プリンタ制御装置2090に代えて、実験用のプログラムを実行する処理装置(例えば、パソコン)を用いて、速度・変位検出装置2245の特性を調べるための種々の実験を行った。なお、以下では、被検体の表面(ここでは、紙の+a側の面)を「被検面」ともいう。
ステッピングモータは、処理装置の指示に基づいて、リニアステージに一端が固定されているシャフトを回転させる。このシャフトが回転すると、リニアステージがb軸方向に移動し、紙も同様に移動する。
紙は表面に微細でランダムな凹凸があり、また、紙からの拡散反射光は干渉性があるため、イメージセンサ16の受光面にはスペックルパターンが生じる。
イメージセンサ16の撮像データ(フレーム)は、制御装置18を介して処理装置に送られる。
先ず、速度・変位検出装置2245において、一例として図8に示されるように、照明光が平行光となるように、光源10とコリメートレンズ12の位置関係を設定した。また、結像レンズ14は、紙面がイメージセンサ16の受光面に共役結像するように設定した。以下では、便宜上、この場合を「デフォーカス量が0の場合」という。この場合、白色光で紙を照明し、イメージセンサ16で撮像すると、紙の表面の凹凸が最もシャープに見える。
そして、処理装置は、一例として図9(A)及び図9(B)に示されるように、b軸方向に関して互いに異なる2地点(b1とb2)間を、所定の移動速度でリニアステージを4往復させる。すなわち、リニアステージをb1とb2の間を8回移動させる。
なお、以下では、便宜上、リニアステージの移動について、図10に示されるように、時刻t1からt2での移動をステージ移動M1、時刻t3からt4での移動をステージ移動M2、時刻t5からt6での移動をステージ移動M3、時刻t7からt8での移動をステージ移動M4、時刻t9からt10での移動をステージ移動M5、時刻t11からt12での移動をステージ移動M6、時刻t13からt14での移動をステージ移動M7、時刻t15からt16での移動をステージ移動M8とする。
イメージセンサ16は、リニアステージの移動中に、一定のフレームレートでスペックルパターンを連続撮像する。ここでは、イメージセンサ16は、リニアステージの1回の移動中にn個のフレーム(F1〜Fn)を出力するものとする。
処理装置は、時間的に隣接するフレーム間で相関演算を行い、該隣接するフレーム間におけるスペックルパターンの移動量をそれぞれ算出する。なお、以下では、便宜上、フレームF1とF2間におけるスペックルパターンの移動量をS1、フレームF2とF3間におけるスペックルパターンの移動量をS2、・・・・、フレームF(n−1)とFn間におけるスペックルパターンの移動量をSmとする。そして、処理装置は、S1+S2+・・・・・+Smから、リニアステージの1回の移動での、スペックルパターンの累積移動量を算出する。
ここでは、ステージ移動M1でのスペックルパターンの累積移動量をD1、ステージ移動M2でのスペックルパターンの累積移動量をD2、ステージ移動M3でのスペックルパターンの累積移動量をD3、ステージ移動M4でのスペックルパターンの累積移動量をD4、ステージ移動M5でのスペックルパターンの累積移動量をD5、ステージ移動M6でのスペックルパターンの累積移動量をD6、ステージ移動M7でのスペックルパターンの累積移動量をD7、ステージ移動M8でのスペックルパターンの累積移動量をD8とする(図11参照)。
そして、処理装置は、(D1+D2+D3+D4+D5+D6+D7+D8)÷8から、スペックルパターンの累積移動量の平均値を求める。該平均値が紙の変位量の検出結果である。
ところで、上記スペックルパターンの移動量(S1〜Sm)をΔtで割った値は、隣接するフレーム間における紙の移動速度を示している。また、例えば、累積移動量D1を(t2−t1)で割った値は、ステージ移動M1での紙の移動速度を示している。このように、速度・変位検出装置2245の出力データから、紙の変位量と移動速度とを求めることができる。
次に、図12に示されるように、速度・変位検出装置2245を−a方向に1mmシフトさせる。以下では、便宜上、この場合を「デフォーカス量が−1mmの場合」という。そして、上述した「デフォーカス量が0の場合」と同様にして紙の変位量を求める。
続いて、図13に示されるように、速度・変位検出装置2245を+a方向に1mmシフトさせる。以下では、便宜上、この場合を「デフォーカス量が+1mmの場合」という。そして、上述した「デフォーカス量が0の場合」と同様にして紙の変位量を求める。
ここでは、デフォーカス量が0の場合に得られた紙の変位量(以下では、「基準変位量」ともいう)を1とし、デフォーカス量が0でない場合に得られた紙の変位量を上記基準変位量との差で表したものを「変位量偏差」という。
図14には、デフォーカス量と上記変位量偏差との関係が示されている。なお、以下では、デフォーカス量と変位量偏差との関係を「デフォーカス特性」ともいう。
図14からわかるように、デフォーカス特性は、若干右下がりの傾向を示している。この場合、リニアステージの移動量が同じであっても、速度・変位検出装置2245を用いて得られる紙の変位量は、デフォーカス量によって変化する。
ここで、デフォーカス特性が右下がりの傾向を示す理由について考察する。
イメージセンサ16の受光面上のスペックルパターンは倒立結像しているので、例えば、紙が+b方向に移動すると、該スペックルパターンは紙の移動速度に結像倍率が乗算された速度で紙とは逆方向である−b方向に移動する。図15(A)〜図15(C)に模式図的に示されるように、「デフォーカス量が−1mmの場合」の受光面位置でのスペックルパターンの移動速度をVp−、「デフォーカス量が0の場合」の受光面位置でのスペックルパターンの移動速度をVp0、「デフォーカス量が+1mmの場合」の受光面位置でのスペックルパターンの移動速度をVp+とすると、Vp−>Vp0>Vp+、の関係にあることが幾何学的にわかる。
そして、受光面位置でのスペックルパターンの移動量は、「スペックルパターンの移動速度」×「スペックルパターンの移動時間」であり、スペックルパターンの移動時間は一定であるため、「デフォーカス量が−1mmの場合」の受光面位置でのスペックルパターンの移動量>「デフォーカス量が0の場合」の受光面位置でのスペックルパターンの移動量>「デフォーカス量が+1mmの場合」の受光面位置でのスペックルパターンの移動量、の関係が成立する。
そして、検出される紙の変位量は、受光面位置でのスペックルパターンの移動量に比例していることから、「デフォーカス量が−1mmの場合」に検出される紙の変位量>「デフォーカス量が0の場合」に検出される紙の変位量>「デフォーカス量が+1mmの場合」に検出される紙の変位量、の関係が成立する。すなわち、デフォーカス特性は、右下がりの傾向を示すこととなる。
ところで、デフォーカス量が0でない場合は、通常の結像では像がボケることになるが、スペックルパターンは3次元的に形成されているので、通常の意味のボケは生じない。
図16には、照明光が平行光のときのデフォーカス特性の詳細が示されている。
次に、一例として図17に示されるように、照明光が収束光となるように、光源10とコリメートレンズ12の位置関係を設定した。なお、図17には、比較のため、照明光が平行光の場合が破線で示されている。このときのデフォーカス特性の詳細が図18に示されている。デフォーカス特性は極端な右下がりの傾向を示している。
次に、一例として図19に示されるように、照明光が発散光となるように、光源10とコリメートレンズ12の位置関係を設定した。なお、図19には、比較のため、照明光が平行光の場合が破線で示されている。このときのデフォーカス特性の詳細が図20に示されている。デフォーカス特性は右上がりの傾向を示している。
これらのことから、発明者らは、デフォーカス特性が、照明光のコリメート状態に大きく影響されていることを新規に見出した。そして、発明者らは、照明光のコリメート状態を調整することによって、デフォーカス特性を調整するという新規な方法を見出した。
図16と図20とから、図16での照明光のコリメート状態と図20での照明光のコリメート状態との間に、デフォーカス特性がフラットになる照明光のコリメート状態があるのではないかと考え、次に検証実験を行った。
《検出実験1》
この検出実験1では、光源10の半導体レーザとして、発振波長が655nm帯の赤色半導体レーザを用いた。また、カップリングレンズ12の焦点距離を4mm、結像レンズ14の焦点距離を25mm、結像倍率を0.799とした。
また、半導体レーザとカップリングレンズ12の間隔を、照明光が平行光のときの間隔よりもΔLだけ短くして、デフォーカス特性を求めた。
ΔL=5.0μmの場合が図21に示され、ΔL=10.0μmの場合が図22に示され、ΔL=15.0μmの場合が図23に示されている。
ΔL=5.0μmの場合は、デフォーカス特性はまだ若干の右下がり傾向を示している。ΔL=10.0μmの場合は、デフォーカス特性はほぼフラットになっている。ΔL=15.0μmの場合は、デフォーカス特性は若干の右上がり傾向を示している。そこで、半導体レーザとカップリングレンズ12の間隔を、照明光が平行光のときの間隔よりも10.0μm短くし、照明光を弱発散光とさせたときが、デフォーカス特性がフラットになるコリメート条件ということになる。
このときの照明光は、カップリングレンズ12から紙の表面までの距離を90mmとすると、紙の表面での曲率半径が1686mmの波面を持つ発散光である。
図24には、ΔL=10.0μmの場合に、デフォーカス量を、−2.0mm〜+2.0mmまで拡大したときのデフォーカス特性が示されている。±5μm程度のバラツキはあるが、デフォーカス量が−2.0mm〜+2.0mmの範囲内では、デフォーカス特性はほぼフラットである。この場合、リニアステージの移動量が同じであれば、速度・変位検出装置2245を用いて得られる紙の変位量は、デフォーカス量が異なってもほぼ同じである。すなわち、例えば、紙がa軸方向に±2mm程度動いても、誤差が±5μm以下の高い精度で、紙の変位量の検出が可能となる。
図25には、デフォーカス量が−1mm〜+1mmのときの変位量偏差の最大値ΔDmaxと、紙の表面での照明光の波面の曲率半径Rの逆数との関係が示されている。なお、ΔDmaxの符号は、デフォーカス特性が右下がり傾向を示す場合を負(−)、右上がり傾向を示す場合を正(+)とした。また、照明光が平行光のときは(1/R)=0であり、照明光が収束光のときは(1/R)<0であり、照明光が発散光のときは(1/R)>0である。
図25から、ΔDmaxと1/Rとの関係は、ほぼ線形であることがわかる。最小自乗法を用いて直線近似を行うと、次の(1)式が得られた。
ΔDmax=27.981×(1/R)−17.869 ……(1)
照明光が平行光のとき及び照明光が収束光のときは、いずれもΔDmaxの符号は常に負(−)である。一方、照明光が発散光のときは、1/Rが大きくなるにつれて、ΔDmaxの符号は負(−)から正(+)に変化する。
上記(1)式から、1/R≒0.639m−1のとき、ΔDmax=0になる。すなわち、R≒1566mのときに、デフォーカス特性がフラットになる。なお、前記ΔL=10.0μmのとき(図22、図24参照)は、R=1686mmであり、上記(1)式から得られたデフォーカス特性がフラットになるときのRの値である1566mmに近い。
《検出実験2》
この検出実験2では、光源10の半導体レーザとして、発振波長が655nm帯の赤色半導体レーザを用いた。また、カップリングレンズ12の焦点距離を4mm、結像レンズ14の焦点距離を24mm、結像倍率を1.0とした。
また、半導体レーザとカップリングレンズ12の間隔を、照明光が平行光のときの間隔よりもΔLだけ短くして、デフォーカス特性を求めた。
ΔL=30μmの場合のデフォーカス特性が図26に示され、ΔL=35μmの場合のデフォーカス特性が図27に示され、ΔL=40μmの場合のデフォーカス特性が図28に示されている。
ΔL=30μmの場合は、デフォーカス特性はまだ若干の右下がり傾向を示している。ΔL=35μmの場合は、デフォーカス特性はほぼフラットになっている。ΔL=40μmの場合は、デフォーカス特性は若干の右上がり傾向を示している。そこで、半導体レーザとカップリングレンズ12の間隔を、照明光が平行光のときの間隔よりも35μm短くし、照明光を弱発散光とさせたときが、デフォーカス特性がフラットになるコリメート条件ということになる。
このときの照明光は、カップリングレンズ12から紙の表面までの距離を90mmとすると、紙の表面での曲率半径が543mmの波面を持つ発散光である。
図29には、ΔL=35μmの場合に、デフォーカス量を、−2.0mm〜+2.0mmまで拡大したときのデフォーカス特性が示されている。±5μm程度のバラツキはあるが、デフォーカス量が−2.0mm〜+2.0mmの範囲内では、デフォーカス特性はほぼフラットである。この場合、リニアステージの移動量が同じであれば、速度・変位検出装置2245を用いて得られる紙の変位量は、デフォーカス量が異なってもほぼ同じである。すなわち、例えば、紙がa軸方向に±2mm程度動いても、誤差が±5μm以下の高い精度で、紙の変位量の検出が可能となる。
図30には、デフォーカス量が−1mm〜+1mmのときの変位量偏差の最大値ΔDmaxと、紙の表面での照明光の波面の曲率半径Rの逆数との関係が示されている。なお、ΔDmaxの符号は、デフォーカス特性が右下がり傾向を示す場合を負(−)、右上がり傾向を示す場合を正(+)とした。また、照明光が平行光のときは(1/R)=0であり、収束光のときは(1/R)<0であり、発散光のときは(1/R)>0である。
図30から、ΔDmaxと1/Rとの関係は、ほぼ線形であることがわかる。最小自乗法を用いて直線近似を行うと、次の(2)式が得られた。
ΔDmax=54.359×(1/R)−103.06 ……(2)
上記(2)式から、1/R≒1.896m−1のとき、ΔDmax=0になる。すなわち、R≒527mのときに、デフォーカス特性がフラットになる。なお、前記ΔL=35μmのとき(図27、図29参照)は、R=543mmであり、上記(2)式から得られたデフォーカス特性がフラットになるときのRの値である527mmに近い。
ところで、従来、照明光は平行光に設定されていた(例えば、特許文献3参照)。図30では、照明光が平行光のとき、ΔDmaxは−100μmである。
図30では、1/R≒1.896m−のときにデフォーカス特性はフラットとなるが、さらに1/Rを大きくしていく(Rを小さくしていく)と、ΔDmaxは増大する。そして、1/R=3.736m−1のとき(R=268mmのとき)に、ΔDmaxは100μmとなり、ΔDmaxの大きさ(絶対値)は、照明光が平行光のときと同じになる。そこで、0<(1/R)<3.736m−1となるようにすれば、従来よりもデフォーカス特性を改善することができる。
ここでは、2つの検出実験について説明したが、デフォーカス特性がフラットになる照明光のコリメート条件は、光源から射出される光の波長、結像レンズの焦点距離、及び結像倍率などによって異なる。
次に、デフォーカス量が0でない場合、照明光のコリメート条件が紙の変位量の検出結果に大きく影響し、コリメート条件を最適化するとデフォーカス特性がフラットになることの理由について検討する。ここでは、スペックルのボイリング面の関与で定性的に説明する。
結像領域のスペックルのボイリング面については、非特許文献1に、スペックル特性の一般論として記述されている。ボイリング面とは、光源からのレーザ光を拡散反射させる拡散面を持つ被検面が結像レンズで結像される像領域において、被検面が該被検面の面内で移動してもスペックルパターンが並進しない面のことであり、光源位置にある面の結像レンズによる結像共役面がこのボイリング面となる。なお、上記実験では、紙の表面が被検面である。
被検面が移動しても、ボイリング面では、スペックルの強度だけが変化し、スペックルパターンは並進せず、スペックルの移動速度はゼロである。スペックルパターンの動的な特性は、結像レンズの光軸方向に関して、このボイリング面からの距離が大きくなるに従って、被検面の移動によるスペックルパターンの並進速度が大きくなることである。
なお、この非特許文献1では、一般論の記述に留まり、デフォーカス特性についてまで言及した記述は全く見られない。そこで、デフォーカス量が0でない場合のスペックルの並進速度の変化について、具体的に考察する。
図31(A)及び図31(B)には、半導体レーザLDから射出された光が、カップリングレンズCLにより収束光に変換されて被検面を照射している場合が示されている。なお、図31(A)及び図31(B)では、分かりやすくするため、カップリングレンズCLの光軸と結像レンズの光軸とを同軸にしているが、実際は、カップリングレンズCLの光軸は、結像レンズの光軸に対して傾斜している(図6参照)。
図31(A)では、被検面が結像レンズにより観測面(=撮像面)ER’に共役結像されている。すなわち、デフォーカス量が0である。ここでは、照明光が収束光であるため、図32に示されるように、光学的に光源に等価な点(以下では、「光学的等価光源点」という)は観測面(=撮像面)ER’の右側にある。この光学的等価光源点の結像レンズによる共役結像面は、結像レンズの後側主点と後側焦点面の中間位置となる。ここがボイリング面Eb’である。
また、デフォーカス量が0であるため、被検面の共役結像面EGは、観測面(=撮像面)ER’と一致している。ここで、共役結像面EGから観測面(=撮像面)ER’までの距離をD1、共役結像面EGからボイリング面Eb’までの距離をDb1とする。なお、共役結像面EGから紙面右側に向かう方向をプラス(+)とする。デフォーカス量が0の場合は、D1=0である。
図31(B)は、被検面が結像レンズに近づく方向にシフト(デフォーカス)したときの状態である。デフォーカス量の符号はマイナスである。この場合、被検面の共役結像面EGは観測面(=撮像面)ER’の右側にある。また、光学的等価光源点の共役結像面であるボイリング面Eb’は、図31(A)の場合から右側にずれて形成される。但し、ボイリング面Eb’の形成位置は、結像レンズの後側主点と後側焦点面の間にある。ここで、共役結像面EGから観測面(=撮像面)ER’までの距離をD1’、共役結像面EGからボイリング面Eb’までの距離をDb1’とする。なお、共役結像面EGから紙面右側に向かう方向をプラス(+)とする。
図33(A)及び図33(B)には、半導体レーザLDから射出された光が、カップリングレンズCLにより平行光に変換されて被検面を照射している場合が示されている。なお、図33(A)及び図33(B)では、分かりやすくするため、カップリングレンズCLの光軸と結像レンズの光軸とを同軸にしているが、実際は、カップリングレンズCLの光軸は、結像レンズの光軸に対して傾斜している(図6参照)。
図33(A)では、被検面が結像レンズにより観測面(=撮像面)ER’に共役結像されている。すなわち、デフォーカス量が0である。ここでは、照明光が平行光であるため、光学的等価光源点は紙面左側の無限遠位置にある。この光学的等価光源点の結像レンズによる共役結像面は、結像レンズの後側主点から焦点距離だけ後方の結像レンズの後側焦点面上に形成される。ここがボイリング面Eb’である。
また、デフォーカス量が0であるため、被検面の共役結像面EGは、観測面(=撮像面)ER’と一致している。ここで、共役結像面EGから観測面(=撮像面)ER’までの距離をD2、共役結像面EGからボイリング面Eb’までの距離をDb2とする。なお、共役結像面EGから紙面右側に向かう方向をプラス(+)とする。デフォーカス量が0の場合は、D2=0である。
図33(B)は、被検面が結像レンズに近づく方向にシフト(デフォーカス)したときの状態である。デフォーカス量の符号はマイナスである。この場合、被検面の共役結像面EGは、観測面(=撮像面)ER’の右側になる。また、光学的等価光源点の共役結像面であるボイリング面Eb’は、依然として結像レンズの後側焦点面上に形成され、観測面(=撮像面)ER’との距離は不変である。ここで、共役結像面EGから観測面(=撮像面)ER’までの距離をD2’、共役結像面EGからボイリング面Eb’までの距離をDb2’とする。なお、共役結像面EGから紙面右側に向かう方向をプラス(+)とする。
図34(A)及び図34(B)には、半導体レーザLDから射出された光が、カップリングレンズCLにより発散光に変換されて被検面を照射している場合が示されている。なお、図34(A)及び図34(B)では、分かりやすくするため、カップリングレンズCLの光軸と結像レンズの光軸とを同軸にしているが、実際は、カップリングレンズCLの光軸は、結像レンズの光軸に対して傾斜している(図6参照)。
図34(A)では、被検面が結像レンズにより観測面(=撮像面)ER’に共役結像されている。すなわち、デフォーカス量が0である。ここでは、照明光が発散光であるため、図35に示されるように、光学的等価光源点は被検面より左側にある。この光学的等価光源点の結像レンズによる共役結像面は、結像レンズの後側焦点面と観測面(=撮像面)ER’の中間位置に形成される。ここがボイリング面Eb’である。
またデフォーカス量が0であるため、被検面の共役結像面EGは、観測面(=撮像面)ER’と一致している。共役結像面EGから観測面(=撮像面)ER’までの距離をD3、共役結像面EGからボイリング面Eb’までの距離をDb3とする。なお、共役結像面EGから紙面右側に向かう方向をプラス(+)とする。デフォーカス量が0の場合は、D3=0である。
図34(B)は、被検面が結像レンズに近づく方向にシフト(デフォーカス)したときの状態である。デフォーカス量の符号はマイナスである。この場合、被検面の共役結像面EGは観測面ER’(=撮像面)の右側になる。また、光学的等価光源点の共役結像面であるボイリング面Eb’は、図34(A)の場合よりも観測面(=撮像面)ER’に近づいて形成される。しかし、ボイリング面Eb’は、依然として結像レンズの後側焦点面と観測面(=撮像面)ER’の間に形成される。ここで、共役結像面EGから観測面(=撮像面)ER’までの距離をD3’、共役結像面EGからボイリング面Eb’までの距離をDb3’とする。なお、共役結像面EGから紙面右側に向かう方向をプラス(+)とする。
非特許文献1には、「3.像領域におけるスペックルの運動」で、被検面の面内移動の結像レンズによる結像領域でのスペックルの並進運動について論じられている。そして、観測面ER’における並進スペックルの速度Vt’の一般式として、次の(3)式が示されている。なお、以下では、Mを右辺第1項、(D/Db−1)を右辺第2項ともいう。この右辺第2項は、ボイリング面に関する項である。
Vt’=M(D/Db−1)v ……(3)
ここで、Mは結像レンズの結像倍率であり、vは被検面の移動速度である。また、Dは被検面の共役結像面EGから観測面(=撮像面)ER’までの距離であり、Dbは被検面の共役結像面EGからボイリング面Eb’までの距離である。
上記(3)式は、あくまで被検面への照明光の光路が結像レンズの光軸と同軸の場合の定式化であり、速度・変位検出装置2245のように照明光の光路が結像レンズの光軸に対して傾斜している場合に厳密には適用はできない。しかしながら、上記(3)式は、結像領域におけるスペックルの運動の特性を知る上では有用な式であり、この(3)式を使ってデフォーカス特性を以下に説明する。
図31(A)の場合、観測面(=撮像面)ER’でのスペックル並進速度V1は、次の(4)式で示される。
V1=M(D1/Db1−1)v ……(4)
この場合、D1=0なので、上記(4)式は、次の(5)式となる。すなわち、スペックルは、被検面の移動速度vに結像倍率Mが乗算された速度で、被検面とは逆方向に動く。
V1=−Mv ……(5)
図31(B)の場合、観測面(=撮像面)ER’でのスペックル並進速度V1’は、次の(6)式で示される。
V1’=M1’(D1’/Db1’−1)v ……(6)
この場合、D1’<0、Db1’<0であるから、(D1’/Db1’)>0となる。また、|Db1’|>|D1’|であるから、(D1’/Db1’)<1、すなわち、(D1’/Db1’−1)<0となる。デフォーカス量が0のときの結像倍率Mと、マイナス符号のデフォーカスがあるときの結像倍率M1’との間には、|M|<|M1’|の関係がある。
図33(A)の場合、観測面(=撮像面)ER’でのスペックル並進速度V2は、次の(7)式で示される。
V2=M(D2/Db2−1)v ……(7)
この場合、D2=0なので、上記(7)式は、次の(8)式となる。すなわち、スペックルは、被検面の移動速度vに結像倍率Mが乗算された速度で、被検面とは逆方向に動く。
V2=−Mv ……(8)
図33(B)の場合、観測面(=撮像面)ER’でのスペックル並進速度V2’は、次の(9)式で示される。
V2’=M2’(D2’/Db2’−1)v ……(9)
この場合、D2’<0、Db2’<0であるから、(D2’/Db2’)>0となる。また、|Db2’|>|D2’|であるから、(D2’/Db2’)<1となり、すなわち、(D2’/Db2’−1)<0となる。また、デフォーカス量が0のときの結像倍率Mと、マイナス符号のデフォーカスがあるときの結像倍率M2’との間には、|M|<|M2’|の関係がある。
図34(A)の場合、観測面(=撮像面)ER’でのスペックル並進速度V3は、次の(10)式で示される。
V3=M(D3/Db3−1)v ……(10)
この場合、D3=0なので、上記(10)式は、次の(11)式となる。すなわち、スペックルは、被検面の移動速度vに結像倍率Mが乗算された速度で、被検面とは逆方向に動く。
V3=−Mv ……(11)
図34(B)の場合、観測面(=撮像面)ER’でのスペックル並進速度V3’は、次の(12)式で示される。
V3’=M3’(D3’/Db3’−1)v ……(12)
この場合、D3’<0、Db3’<0であるから、(D3’/Db3’)>0となる。また、|Db3’|>|D3’|であるから、(D3’/Db3’)<1となり、すなわち、(D3’/Db3’−1)<0となる。また、デフォーカス量が0のときの結像倍率Mと、マイナス符号のデフォーカスがあるときの結像倍率M3’との間には、|M|<|M3’|の関係がある。
図31(B)、図33(B)及び図34(B)におけるデフォーカス量が同じであれば、D1’=D2’=D3’、M1’=M2’=M3’である。
また、ボイリング面は、照明光が収束光のときは結像レンズの後側主点と後側焦点面の間にあり、照明光が平行光のときは結像レンズの後側焦点面上にあり、照明光が発散光のときは結像レンズの後側焦点面と撮像面の間にある。すなわち、|Db1’|>|Db2’|>|Db3’|となる。
そこで、(D1’/Db1’)<(D2’/Db2’)<(D3’/Db3’)となる。また、(D1’/Db1’−1)<0、(D2’/Db2’−1)<0、(D3’/Db3’−1)<0なので、|(D1’/Db1’−1)|>|(D2’/Db2’−1)|>|(D3’/Db3’−1)|となり、その結果、|V1’|>|V2’|>|V3’|となる。
そこで、マイナス符号のデフォーカスがあるとき、観測面(=撮像面)ER’でのスペックルの並進速度は、照明光が発散光のときが最も遅く、平行光、収束光の順に速くなる。
また、照明光が収束光、平行光、及び発散光のいずれであっても、デフォーカス量が0の場合は、D1=D2=D3=0であり、V1=V2=V3=−Mvである。
図36には、半導体レーザLDから射出された光が、カップリングレンズCLにより収束光に変換されて被検面を照射するとともに、被検面が結像レンズから遠ざかる方向にシフト(デフォーカス)したときの状態が示されている。デフォーカス量の符号はプラスである。なお、図36では、分かりやすくするため、カップリングレンズCLの光軸と結像レンズの光軸とを同軸にしているが、実際は、カップリングレンズCLの光軸は、結像レンズの光軸に対して傾斜している(図6参照)。
この場合は、被検面の共役結像面EGは観測面(=撮像面)ER’の左側になる。また、光学的等価光源点の共役結像面であるボイリング面Eb’は、図31(A)の場合から左側にずれて形成される。但し、ボイリング面Eb’の形成位置は、結像レンズの後側主点と後側焦点面の間にある。ここで、共役結像面EGから観測面までの距離をD1”、共役結像面EGからボイリング面Eb’までの距離をDb1”とする。なお、共役結像面EGから紙面右側に向かう方向をプラス(+)とする。
図36の場合、観測面(=撮像面)ER’でのスペックル並進速度V1”は、次の(13)式で示される。
V1”=M1”(D1”/Db1”−1)v ……(13)
この場合、D1”>0、Db1”<0であるから、(D1”/Db1”)<0となる。そこで、|(D1”/Db1”−1)|>1となる。また、デフォーカス量が0のときの結像倍率Mと、プラス符号のデフォーカスがあるときの結像倍率M1”との間には、|M|>|M1”|の関係がある。
図37には、半導体レーザLDから射出された光が、カップリングレンズCLにより平行光に変換されて被検面を照射するとともに、被検面が結像レンズから遠ざかる方向にシフト(デフォーカス)したときの状態が示されている。デフォーカス量の符号はプラスである。なお、図37では、分かりやすくするため、カップリングレンズCLの光軸と結像レンズの光軸とを同軸にしているが、実際は、カップリングレンズCLの光軸は、結像レンズの光軸に対して傾斜している(図6参照)。
この場合は、被検面の共役結像面EGは観測面(撮像面)ER’の左側になる。また、光学的等価光源点の共役結像面であるボイリング面Eb’は、依然として結像レンズの後側焦点面上に形成され、観測面(撮像面)ER’との距離は不変である。ここで、共役結像面EGから観測面(撮像面)ER’までの距離をD2”、共役結像面EGからボイリング面Eb’までの距離をDb2”とする。なお、共役結像面EGから紙面右側に向かう方向をプラス(+)とする。
図37の場合、観測面(=撮像面)ER’でのスペックル並進速度V2”は、次の(14)式で示される。
V2”=M2”(D2”/Db2”−1)v ……(14)
この場合、D2”>0、Db2”<0であるから、(D2”/Db2”)<0となり、|(D2”/Db2”−1)|>1となる。また、デフォーカス量が0のときの結像倍率Mと、プラス符号のデフォーカスがあるときの結像倍率M2”との間には、|M|>|M2”|の関係がある。
図38には、半導体レーザLDから射出された光が、カップリングレンズCLにより発散光に変換されて被検面を照射するとともに、被検面が結像レンズから遠ざかる方向にシフト(デフォーカス)したときの状態が示されている。デフォーカス量の符号はプラスである。なお、図38では、分かりやすくするため、カップリングレンズCLの光軸と結像レンズの光軸とを同軸にしているが、実際は、カップリングレンズCLの光軸は、結像レンズの光軸に対して傾斜している(図6参照)。
この場合は、被検面の共役結像面EGは観測面(=撮像面)ER’の左側になる。また、光学的等価光源点の共役結像面であるボイリング面Eb’は、観測面(=撮像面)ER’から遠ざかって形成される。しかし、ボイリング面Eb’は、依然として結像レンズの後側焦点面と観測面(=撮像面)ER’の間に形成される。ここで、共役結像面EGから観測面(=撮像面)ER’までの距離をD3”、共役結像面EGからボイリング面Eb’までの距離をDb3”とする。なお、共役結像面EGから紙面右側に向かう方向をプラス(+)とする。
図38の場合、観測面(=撮像面)ER’でのスペックル並進速度V3”は、次の(15)式で示される。
V3”=M”(D3”/Db3”−1)v ……(15)
この場合、D3”>0、Db3”<0であるから、(D3”/Db3”)<0となり、|(D3”/Db3”−1)|>1となる。また、デフォーカス量が0のときの結像倍率Mと、プラス符号のデフォーカスがあるときの結像倍率M3”との間には、|M|>|M3”|の関係がある。
図36、図37及び図38におけるデフォーカス量が同じであれば、D1”=D2”=D3”、M1”=M2”=M3”である。
また、ボイリング面は、照明光が収束光のときは結像レンズの後側主点と後側焦点面の間にあり、照明光が平行光のときは結像レンズの後側焦点面上にあり、照明光が発散光のときは結像レンズの後側焦点面と撮像面の間にある。すなわち、|Db1”|>|Db2”|>|Db3”|となる。
そこで、|(D1”/Db1”)|<|(D2”/Db2”)|<|(D3”/Db3”)|となる。また、(D1”/Db1”)<0、(D2”/Db2”)<0、(D3”/Db3”)<0なので、|(D1”/Db1”−1)|<|(D2”/Db2”−1)|<|(D3”/Db3”−1)|となり、その結果、|V1”|<|V2”|<|V3”|となる。
そこで、プラス符号のデフォーカスがあるとき、観測面(=撮像面)ER’でのスペックルの並進速度は、照明光が発散光のときが最も速く、平行光、収束光の順に遅くなる。
続いて、デフォーカス量が0でないときについて、総合的に考察する。
デフォーカスの符号がマイナスで照明光が収束光の場合、上記(6)式では、右辺第1項は|M1’|>|M|であり、右辺第2項は|(D1’/Db1’−1)|<1である。この場合は、デフォーカス量が0の場合より、右辺第1項は大きくなり、右辺第2項は小さくなる。
デフォーカスの符号がマイナスで照明光が平行光の場合、上記(9)式では、右辺第1項は|M2’|>|M|であり、右辺第2項は|(D2’/Db2’−1)|<1である。この場合は、デフォーカス量が0の場合より、右辺第1項は大きくなり、右辺第2項は小さくなる。
デフォーカスの符号がマイナスで照明光が発散光の場合、上記(12)式では、右辺第1項は|M3’|>|M|であり、右辺第2項は|(D3’/Db3’−1)|<1である。この場合は、デフォーカス量が0の場合より、右辺第1項は大きくなり、右辺第2項は小さくなる。
すなわち、照明光が収束光、平行光、及び発散光のいずれであっても、デフォーカスの符号がマイナスのときは、デフォーカス量が0の場合よりも右辺第1項は大きくなり、右辺第2項は小さくなる。そして、デフォーカス量が同じならば、照明光が収束光、平行光、及び発散光のいずれであっても、右辺第1項は同じである。そして、右辺第2項は、(D1’/Db1’)<(D2’/Db2’)<(D3’/Db3’)であり、かつ(D1’/Db1’)>0、(D2’/Db2’)>0、(D3’/Db3’)>0なので、右辺第2項の絶対値は、収束光での右辺第2項>平行光での右辺第2項>発散光での右辺第2項となり、発散光の場合が最も小さい。
そこで、デフォーカスの符号がマイナスの場合は、結像レンズ及び撮像素子が被検面に近づくことによる結像倍率の増大を補償(キャンセル)するには、右辺第2項の絶対値が最も小さくなる発散光を照明光に用いるのが好ましいことがわかる。
デフォーカスの符号がプラスで照明光が収束光の場合、上記(13)式では、右辺第1項は|M1”|<|M|であり、右辺第2項は|(D1”/Db1”−1)|>1である。この場合、デフォーカス量が0の場合より、右辺第1項は小さくなり、右辺第2項は大きくなる。
デフォーカスの符号がプラスで照明光が平行光の場合、上記(14)式では、右辺第1項は|M2”|<|M|であり、右辺第2項は|(D2”/Db2”−1)|>1である。この場合、デフォーカス量が0の場合より、右辺第1項は小さくなり、右辺第2項は大きくなる。
デフォーカスの符号がプラスで照明光が発散光の場合、上記(15)式では、右辺第1項は|M3”|<|M|となり、右辺第2項は|(D3”/Db3”−1)|>1となる。この場合、デフォーカス量が0の場合より、右辺第1項は小さくなり、右辺第2項は大きくなる。
すなわち、照明光が収束光、平行光、及び発散光のいずれであっても、デフォーカスの符号がプラスのときは、デフォーカス量が0の場合より右辺第1項は小さくなり、右辺第2項は大きくなる。そして、デフォーカス量が同じならば、照明光が収束光、平行光、及び発散光のいずれであっても、右辺第1項は同じである。そして、右辺第2項は、|(D1”/Db1”)|<|(D2”/Db2”)|<|(D3”/Db3”)|であり、かつ(D1’/Db1’)<0、(D2’/Db2’)<0、(D3’/Db3’)<0なので、右辺第2項の絶対値は、収束光での右辺第2項<平行光での右辺第2項<発散光での右辺第2項となり、発散光の場合が最も大きい。
そこで、デフォーカスの符号がプラスの場合は、結像レンズ及び撮像素子が被検面から遠ざかることによる結像倍率の減少を補償(キャンセル)するには、右辺第2項の絶対値が最も大きくなる発散光を照明光に用いるのが好ましいことがわかる。
このように、デフォーカスの符号がマイナス及びプラスのいずれの場合でも、デフォーカス量が0の場合に対する被検面の移動速度及び変位量の検出値の変動を少なくするには、照明光を発散光とするのが最も適していることになる。
速度・変位検出装置2245を用いて中間転写ベルト2040の移動速度を求める際のデフォーカス特性のフラット化については、上述したようにスペックルのボイリング面も考慮することにより定性的に説明することができ、その妥当性を確認することができた。
速度・変位検出装置2245では、光源10から射出される光の波長、結像レンズ14の焦点距離、及び結像倍率など基づいて、デフォーカス特性がフラットになるような照明光のコリメート条件が決定され、該コリメート条件の照明光が得られるように、光源10とコリメートレンズ12の間隔が設定されている。
プリンタ制御装置2090は、印刷ジョブが要求されると、所定のタイミング毎に速度・変位検出装置2245を用いて中間転写ベルト2040の移動速度を求める。ここでは、プリンタ制御装置2090は、所定時間内での中間転写ベルト2040の変位量を上記処理装置と同様にして求め、中間転写ベルト2040の移動速度を得る。そして、プリンタ制御装置2090は、予め設定されている移動速度が維持されるように、中間転写ベルト2040の駆動ローラを制御する。
以上説明したように、本実施形態に係る速度・変位検出装置2245によると、光源10、コリメートレンズ12、結像レンズ14、イメージセンサ16、制御装置18を有している。そして、光源10から射出される光の波長、結像レンズ14の焦点距離、及び結像倍率など基づいて、デフォーカス特性がフラットになるような照明光のコリメート条件が決定され、該コリメート条件の照明光が得られるように、光源10とコリメートレンズ12の間隔が設定されている。
この場合は、検出対象物である移動体が、移動平面に直交する方向にシフトしても、検出結果に影響するのを抑制することができる。そこで、移動体の移動速度及び変位量を高精度に検出することができる。
そして、カラープリンタ2000は、速度・変位検出装置2245を備えているため、中間転写ベルト2040の移動速度の変動を抑制でき、結果として、色ずれが抑えられた高品質の画像を形成することができる。
ところで、一例として図39に示されるように、中間転写ベルト2040は、2つのローラの中央部では、ベルト面に直交する方向へのベルトのバタツキが生じやすい。このような場所に従来の速度検出装置を設置すると、検出誤差が大きかった。しかしながら、速度・変位検出装置2245は、ベルトのバタツキが生じやすい場所に設置されても、検出誤差は非常に小さい。
なお、速度・変位検出装置2245の設置場所は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図40に示されるように、速度・変位検出装置2245が、中間転写ベルト2040の駆動ローラ近傍に設置されても良い。
また、上記実施形態において、光走査装置2010の偏向器前光学系が、一例として図41(A)及び図41(B)に示されるように、開口板とシリンドリカルレンズとの間の光路上に、光の入射方向とZ軸方向とが含まれる面内で光の進行方向を変えることができる光偏向素子(2203a〜2203d)を更に含んでいても良い。各光偏向素子での偏向角(図42参照)は、プリンタ制御装置2090から指示される。
この場合は、プリンタ制御装置2090は、速度・変位検出装置2245を用いて得られた中間転写ベルト2040の移動速度に基づいて、中間転写ベルト2040上に転写されたカラー画像における色ずれの程度を予測し、中間転写ベルト2040の駆動ローラを制御するのに代えて、あるいは駆動ローラを制御するとともに、少なくともいずれかの光偏向素子を制御し、中間転写ベルト2040上に転写されたカラー画像における色ずれが低減されるように、感光体ドラム表面への書き込み開始位置を補正することができる。
例えば、光偏向素子として、図43に示されるような液晶素子を用いることができる。この液晶素子は、液晶層(不図示)を間に挟んで保持する2枚の透明基板と、抵抗部材と、透明基板上に形成され、抵抗部材を介して電気的に接続されている複数の透明電極(透明電極1〜透明電極n)などを有している。図43において、端子1と端子2との間に電位差を生じさせると、各透明電極における電位が、端子1から端子2に向かって階段状(実用的には直線状)に変化する。液晶は、電圧が印加されると、液晶の光学軸に沿った偏光の光に対する屈折率が変化するため、透明電極がある部分の屈折率は、端子1から端子2に向かって階段状(実用的には直線状)に変化する。そこで、透明電極が存在する部分を透過した光は偏向される。また、端子1と端子2との間の電位差を変化させることで偏向角を変化させることができる。ここでは、偏向角を調整することで、画像の形成位置や画像の伸び縮みを補正することができる。
また、光偏向素子として、LiNbO3等の電気光学結晶を含む素子を用いても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置が、中間転写ベルト方式の画像形成装置である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、一例として図44に示されるように、直接転写方式の画像形成装置2000Aであっても良い。
この画像形成装置2000Aでは、前記中間転写ベルト2040に代えて、搬送ベルト2040Aを有しており、該搬送ベルト2040A上の記録紙に、各感光体ドラム上のトナー画像が順次転写される。この場合は、搬送ベルト2040Aの近傍に速度・変位検出装置2245が配置されている。
プリンタ制御装置2090は、印刷ジョブが要求されると、所定のタイミング毎に速度・変位検出装置2245を用いて搬送ベルト2040Aの移動速度を求める。そして、プリンタ制御装置2090は、予め設定されている移動速度が維持されるように、搬送ベルト2040Aの駆動ローラを制御する。これにより、画像形成装置2000Aでは、搬送ベルト2040Aの移動速度の変動を抑制でき、結果として、色ずれが抑えられた高品質な画像を形成することができる。
また、画像形成装置が、一例として図45に示されるように、インクを吐出する印字ヘッドにより、記録紙に画素を直接印字する画像形成装置2000Bであっても良い。なお、図45には、要部のみが示されている。印字ヘッドは、図45の紙面に直交する方向に移動(走査)可能である。
用紙トレイに装填されている記録紙は、フィードローラによって1枚のみが取り出され、送りローラ対1に挟まれて、印字ヘッドに対向する位置に送られる(図46(A)参照)。記録紙はさらに送りローラ対2に挟まれて(図46(B)参照)、間欠的に搬送される。
印字ヘッドは、上記移動(走査)しながら記録紙に画素を印字する。印字ヘッドによって印字されている間は、記録紙の送りは停止される。そして、印字ヘッドの1回の移動(走査)が終わると、記録紙は、各送りローラ対によって所定量送られる。この印字ヘッドによる印字と、記録紙の所定量の送りは、記録紙1枚分の印字が完了するまで、繰返し行われる。
速度・変位検出装置2245は、印字ヘッドの近傍に配置され、記録紙の移動速度及び(あるいは)変位量を直接検出する。そして、不図示の制御装置は、速度・変位検出装置2245の検出結果に基づいて、例えば、記録紙が所定の送り量で間欠的に搬送されるように、各送りローラ対を制御する。この場合は、記録紙を高い精度で送ることができ、その結果、画像品質を向上させることが可能となる。
ところで、図46(B)に示されるように、記録紙が送りローラ対1と送りローラ対2の両方で搬送されているときは、記録紙の表面に直交する方向への記録紙のバタツキは小さい。
しかし、図46(A)に示されるように、記録紙が送りローラ対1のみで搬送されているときは、記録紙の先端がフリーな状態なので、記録紙の表面に直交する方向に、記録紙がバタツキながら搬送される。このような状態のときに、従来の速度検出装置を用いて記録紙の変位量を求めると、大きな誤差を生じていた。一方、速度・変位検出装置2245を用いると、記録紙の先端がフリーな状態であっても、記録紙の変位量を高精度で求めることができる。その結果、画像形成装置2000Bは、画素ずれの少ない高精細な画像を形成することができる。
なお、上記実施形態において、中間転写ベルト2040の移動速度を求める際に、プリンタ制御装置2090で行われる処理の少なくとも一部が、速度・変位検出装置2245の制御装置18で行われても良い。