JP2013257236A - 追尾レーダ装置および追尾方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】位置決定精度が低い目標であっても、複数の目標を区別して追尾可能な追尾レーダ装置を提供する。
【解決手段】目標の位置および視線速度を複数計測する目標計測部101と、観測時刻毎の複数の位置および複数の視線速度から、観測時刻毎の目標毎の重心位置および重心視線速度を算出する重心算出部102と、第1観測時刻における第1目標および第2目標の重心位置間の距離が所定の閾値以下の場合に、第1目標および第2目標が交錯していると判定する交錯判定部105と、交錯していると判定された場合には、第1観測時刻および第2観測時刻との間において第1目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性および第2目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性が維持されるように、第1観測時刻における第1目標および第2目標のそれぞれに、第2観測時刻におけるいずれかの目標を対応付ける対応関係決定部103とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、移動物体を検知し、検知した移動物体を追尾する追尾レーダ装置に関する。
近年、安全および快適に暮らせる住環境、または社会インフラの整備が重視されるようになっている。これに伴い、日常生活において、例えば高齢者の行動もしくは動作をモニタするような見守り用途、または多数の歩行者の中から不審な行動をする人物を追尾するようなセキュリティ用途などにおいて、人間をセンシングすることが望まれている。
このような用途では、見通しの良い空間のような良好な環境よりも、劣悪な環境で人間をセンシングすることが求められている。例えば、火災により煙の立ちこめた環境、夜間街灯のない暗闇、または壁もしくはカーテンにより隔てられた空間など、通常とは異なる条件の基で、人間をセンシングすることが求められている。すなわち、いかに劣悪な環境でも、人間をうまく検知および捕捉し、その行動または移動を追尾できることが必要である。
そのような環境にも適用できるセンシング手段としては、電波センサ(レーダ)がある。レーダは、相対速度と相対距離とを同時かつ瞬時に計測可能であることから、特に自動車用のセンシングシステムとして既に実用化されている。
また、目標物体(以下、「目標」という)を追跡する方法として、目標からの反射波の強度差を利用して、目標を追尾する方法(例えば、特許文献1参照)、または、走行軌道に沿って移動する列車などの目標の移動速度の履歴から、目標を追尾する方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特開2009−109293号公報 特開平8−179025号公報
しかしながら、追尾目標が歩行者の場合には、表面形状が複雑であったり、体の向きが変化したりするため、反射波の強度が安定しない。このため、特許文献1の方法によると、正確に目標を追跡することが困難である。また、歩行者は単一剛体ではなく、互いに異なった動きをする複数の部位から構成されるため、運動軌跡が必ずしも単調になるとは限らず、位置の変化が非連続的になる。このため、特許文献2の方法によっても、正確に目標を追跡することが困難である。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、目標からの反射波の強度が不安定で有意差がなく、位置決定精度が低い目標であっても、複数の目標を区別して追尾可能な追尾レーダ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に係る追尾レーダ装置は、各観測時刻において、目標の位置および追尾レーダ装置の視線方向に沿った前記目標の速度である視線速度を複数計測する目標計測部と、前記目標計測部で計測された、観測時刻毎の複数の前記位置および複数の前記視線速度から、観測時刻毎に複数の目標を特定し、観測時刻毎の前記目標毎の前記位置の重心である重心位置および前記視線速度の重心である重心視線速度を算出する重心算出部と、前記重心算出部で算出された第1観測時刻における第1目標および第2目標の重心位置間の距離が所定の閾値以下の場合に、前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定する交錯判定部と、前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定された場合には、前記第1観測時刻および前記第1観測時刻に連続する第2観測時刻との間において前記第1目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性および前記第2目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性が維持されるように、前記第1観測時刻における前記第1目標および前記第2目標のそれぞれに、前記第2観測時刻におけるいずれかの目標を対応付ける対応関係決定部とを備える。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明によれば、レーダからの反射波の強度が不安定で有意差がなく、位置決定精度が低い目標であっても、複数の目標を区別して追尾可能な追尾レーダ装置を提供することができる。
DDOA法を用いたレーダ装置の構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る追尾レーダ装置の概観図 追尾レーダ装置の機能的な構成を示すブロック図 2人の歩行者に対する散乱点データをプロットしたグラフ 2人の歩行者イメージのそれぞれに対応する散乱点データの重心データを示すグラフ 移動する2人の歩行者に対する重心データの位置をプロットした図 図4Cに示した軌跡Aにおいて、歩行者の実際の移動方向に対して重心データの位置が逆方向に遷移している例を示す図 追尾レーダ装置の利用想定シーンを表す概略図 予測点同士が極めて近い距離で近接しているために、アソシエーションが困難な状況を示す図 今回の観測点同士が極めて近い距離で近接しているために、アソシエーションが困難な状況を示す図 2つの観測点が交錯している状況を示す図 2つの観測点が交錯していない状況を示す図 3つの観測点のうち一組の観測点が交錯している状況を示す図 3つの観測点のうち二組の観測点が交錯している状況を示す図 交錯判定部による交錯判定処理のフローチャート 観測点同士が交錯状況にない場合の対応関係決定処理を説明するための図 近接している状況(交錯状況)にある観測点の重心合成速度の一例を示す図 前回の観測点と今回の観測点との組み合わせの一例を示す図 前回の観測点と今回の観測点との組み合わせの他の一例を示す図 対応関係決定部による対応関係決定処理のフローチャート カルマンフィルタにおける状態変数と観測データを説明するための図 カルマンフィルタにおける状態方程式と観測方程式を説明するための図 近接している状況(交錯状況)にある観測点の重心合成速度の一例を示す図 追尾予測部が予測した重心直交速度の一例を示す図 観測点と重心直交速度との組み合わせから得られる重心合成速度の一例を示す図 観測点と重心直交速度との組み合わせから得られる重心合成速度の他の一例を示す図 前回の観測点の重心合成速度と図13Cに示した今回の観測点の重心合成速度とのペアの一例を示す図 前回の観測点の重心合成速度と図13Cに示した今回の観測点の重心合成速度とのペアの他の一例を示す図 前回の観測点の重心合成速度と図13Dに示した今回の観測点の重心合成速度とのペアの一例を示す図 前回の観測点の重心合成速度と図13Dに示した今回の観測点の重心合成速度とのペアの他の一例を示す図 本発明の実施の形態3における対応関係決定部の処理を説明するフローチャート 前回の複数の観測点および今回の複数の観測点の重心視線速度がすべて同符号となる例を示す図 前回の複数の観測点および今回の複数の観測点の重心視線速度がすべて同符号となる他の例を示す図 各観測時刻において、観測点の重心視線速度が全て同符号となるが、観測時刻間では重心視線速度が異符号となる例を示す図 各観測時刻において、観測点の重心視線速度が全て同符号となるが、観測時刻間では重心視線速度が異符号となる他の例を示す図 前回の観測点の組み合わせにおいて重心視線速度が異符号であり、かつ今回の観測点の組み合わせにおいて重心視線速度が異符号である例を示す図 前回の観測点の組み合わせにおいて重心視線速度が異符号であり、かつ今回の観測点の組み合わせにおいて重心視線速度が異符号である他の例を示す図 前回の観測点の組み合わせにおいて重心視線速度が異符号であり、かつ今回の観測点の組み合わせにおいて重心視線速度が異符号であるさらに他の例を示す図
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した従来の目標の追跡方法に関し、以下の問題が生じることを見出した。
レーダ(電波)を用いて歩行者など人間の形状および運動を測定する試みとして、ドップラー(Doppler)シフトによる速度検知と、干渉計法による到来方向検知(DOA:Direction−of−Arrival)とを組み合わせたDDOA(Doppler and Direction−of−Arrival)法と呼ばれる方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
A. Lin and H. Ling, "Frontal imaging of human using three element Doppler and direction-of-arrival radar," Electronics Letters, vol.42, no.11, pp.660-661, (2006).
DDOA法によると、単独の人間を検知して追尾することが可能であっても、複数の人間のいる状況になると、それぞれの人間を区別して追尾するのは困難になる。これは、複数の人間が接近した場合に顕在化する。そこで、複数の目標(人間)が接近した場合にそれぞれを区別して追尾するため、目標からの反射波の強度差を利用する目標追尾方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、目標に強度差などの顕著な特徴の差異がないような場合には、目標の位置関係からそれぞれの目標を区別する。このため、過去の移動軌跡から移動速度を推定し、その移動速度を使って求めた推定位置と現在の検出位置との関係を利用して目標の正確な位置を決定する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、レーダ装置によると、追尾目標が歩行者の場合、その歩行中において体の向きが変化したり、歩行者の服装などの表面形状が変化したりするなどの影響で反射強度は安定していない。このため、従来の目標の追跡方法によると、複数の歩行者が接近したときに、歩行者からの反射波の強度差からそれらを区別して追尾することが困難である、という課題がある。また、歩行者は航空機または車両などのように単一剛体の目標ではないため、位置の変化が非連続的(特異的)になることがある。特に、DDOA法のような歩行者の運動状態を利用したイメージング手法を利用して歩行者検知を行う場合には、歩行者は無数の散乱点から構成されている。このため、歩行者の位置を厳密に決定することは難しく、多数の散乱点の平均的な位置から歩行者の仮想的な中心を求め、求めた位置を歩行者の位置と定める場合が多い。その結果、決定された位置に誤差およびばらつきが含まれるため、このような位置決定精度の影響を考えると、複数目標の区別に位置関係を利用し難い、という課題もある。
そこで、本開示では、前記従来の課題を鑑み、目標からの反射波の強度が不安定で有意差がなく、位置決定精度が低い目標であっても、複数の目標を区別して追尾可能な追尾レーダ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る追尾レーダ装置は、各観測時刻において、目標の位置および追尾レーダ装置の視線方向に沿った前記目標の速度である視線速度を複数計測する目標計測部と、前記目標計測部で計測された、観測時刻毎の複数の前記位置および複数の前記視線速度から、観測時刻毎に複数の目標を特定し、観測時刻毎の前記目標毎の前記位置の重心である重心位置および前記視線速度の重心である重心視線速度を算出する重心算出部と、前記重心算出部で算出された第1観測時刻における第1目標および第2目標の重心位置間の距離が所定の閾値以下の場合に、前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定する交錯判定部と、前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定された場合には、前記第1観測時刻および前記第1観測時刻に連続する第2観測時刻との間において前記第1目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性および前記第2目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性が維持されるように、前記第1観測時刻における前記第1目標および前記第2目標のそれぞれに、前記第2観測時刻におけるいずれかの目標を対応付ける対応関係決定部とを備える。
この構成によると、第1目標および第2目標が交錯している場合であっても、重心視線速度を要素に含む速度の連続性から、第1観測時刻における第1目標および第2目標のそれぞれに対応付けられる、第2観測時刻における目標を決定することができる。このように、異なる観測時刻間における複数の目標同士の対応付けを、速度の連続性に基づいて行うことにより、位置決定精度が低い目標であっても、複数の目標を区別して追尾することができる。
ここで、「連続性」とは、観測目標の移動方向に関する変化の程度を表す指標である。つまり、連続性が高いことは、連続的であることを意味し、連続性が低いことは、非連続的であること、または特異的であることを意味する。歩行者について言えば、何らかの運動中心(例えば、重心)で定める目標位置の誤差は概して大きい。そのため、位置の差分から運動方向を定めると、その誤差は必然的に大きくなる。このように位置の変化に着目することを、位置の連続性(位置による方向の連続性)、という。一方、何らかの運動中心(例えば、重心)で定める視線速度(ドップラー速度)は、反射断面積の大きな胴体の速度でほぼ決定され、目標の移動方向を代表している。すなわち、ドップラー速度は大きさに誤差があったとしても、方向(特に符号)に関する信頼性は高い。このように速度の変化に着目することを、速度の連続性(速度による方向の連続性)、という。目標を追尾する場合には、観測データの中から、尤もらしい連続性(連続性の高い組合せ)を見出すことにより、追尾性能を高めることができると考えられる。
例えば、上述の追尾レーダ装置は、さらに、前記目標毎に、当該目標の重心位置および重心視線速度を入力として当該目標を追尾し、前記重心視線速度に直交する重心直交速度を予測する追尾予測部を備え、前記対応関係決定部は、前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定された場合には、(i)前記第1観測時刻における第1目標および第2目標に対応付けが可能な、前記第2観測時刻における目標の候補の組を生成し、(ii)生成した各前記目標の候補の組について、前記第1観測時刻における前記第1目標の重心視線速度と前記重心直交速度との合成速度である重心合成速度と前記第2観測時刻における目標の候補の重心合成速度とのなす角と、前記第1観測時刻における前記第2目標の重心合成速度と前記第2観測時刻における目標の候補の重心合成速度とのなす角との和を算出し、(iii)算出した前記和が最小となる目標の候補の組を、前記第1観測時刻における前記第1目標および前記第2目標に対応付ける。
重心合成速度は、重心視線速度と重心直交速度の合成速度である。このため、例えば、追尾レーダ装置の視線方向には同じ動きをするが、上記視線方向の直交方向には異なる動きをするような複数の目標が交錯している場合に、重心合成速度の連続性を評価することで、複数の目標を精度良く区別して追尾することができる。
また、上述の追尾レーダ装置は、さらに、前記目標毎に、当該目標の重心位置および重心視線速度を入力として当該目標を追尾し、前記重心視線速度に直交する重心直交速度を予測する追尾予測部を備え、前記対応関係決定部は、前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定された場合には、(i)前記第1観測時刻における第1目標および第2目標に対応付けが可能な、前記第2観測時刻における目標の候補の組を生成し、(ii)生成した前記目標の候補の組毎に、当該組を構成する各目標について、前記追尾予測部が予測した重心直交速度の候補を生成し、(iii)生成した前記目標の候補の組毎の前記重心直交速度の候補毎に、前記第1観測時刻における前記第1目標の重心視線速度と前記重心直交速度との合成速度である重心合成速度と前記第2観測時刻における目標の候補の重心合成速度とのなす角と、前記第1観測時刻における前記第2目標の重心合成速度と前記第2観測時刻における目標の候補の重心合成速度とのなす角との和を算出し、(iv)算出した前記和が最小となるときの重心直交速度の候補を有する目標の候補の組を、前記第1観測時刻における前記第1目標および前記第2目標に対応付けても良い。
重心合成速度は、重心視線速度と重心直交速度の合成速度である。このため、例えば、追尾レーダ装置の視線方向には同じ動きをするが、上記視線方向の直交方向には異なる動きをするような複数の目標が交錯している場合に、重心合成速度の連続性を評価することで、複数の目標を精度良く区別して追尾することができる。また、追尾予測部が予測した重心直交速度が、目標に対応付けられておらず、いずれの目標の重心直交速度かが不明な場合であっても、重心合成速度の連続性を評価することで、重心直交速度と目標との対応付けを行うことができる。
例えば、前記対応関係決定部は、前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定され、かつ同一の観測時刻における複数の目標の重心視線速度の符号が互いに異なる場合には、目標ごとに、重心直交速度に0以上1以下の値を乗算した値と重心視線速度との合成速度から重心合成速度を算出しても良い。
重心直交速度に乗算する値を調整することにより、重心合成速度の連続性を評価する際の重心直交速度の重みを調整することができる。例えば、重心直交速度に0を乗算することで、重心視線速度のみの連続性に基づいた目標の対応付けを行うことができる。また、重心直交速度に0.5を乗算することにより、重心視線速度に対する重心直交速度の影響を半分にした重心合成速度の連続性に基づいて、目標の対応付けを行うことができる。
また、前記対応関係決定部は、さらに、前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定され、かつ前記第1観測時刻および前記第2観測時刻において複数の目標の重心視線速度の符号が同符号である場合には、目標の対応関係決定が困難であることを示す対応関係決定困難信号を出力しても良い。
この場合には、全ての目標の重心視線速度の符号が同じである。つまり、追尾レーダ装置を含むドップラーレーダにおいて、必然的に発現するドップラー干渉問題が起こりやすい、あるいは起こっている状況であることを示す。このため、目標の対応付けを行ったとしても信頼性が低い。このため、対応関係決定部は、上述の対応関係決定困難信号を出力する。
例えば、前記追尾予測部は、前記対応関係決定困難信号が出力された場合には、前記第1観測時刻および前記第2観測時刻における重心位置と重心視線速度を除外した上で、前記重心直交速度を予測する。
この構成によると、信頼性が低い重心位置と重心視線速度を除外した上でそれ以降の重心直交速度を予測している。このため、重心直交速度を高精度で予測することができる。
また、前記対応関係決定部は、前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していないと判定された場合には、(i)前記第1観測時刻における前記第1目標および前記第2目標に対応付けが可能な、前記第2観測時刻における目標の候補の組を生成し、(ii)前記第1目標および前記第2目標に対応付けを行った場合に、前記第1観測時刻と前記第2観測時刻との間での前記第1目標の移動距離および前記第2目標の移動距離の和が最小となる目標の候補の組を、前記第1目標および前記第2目標に対応付けても良い。
第1目標と第2目標とが交錯していない場合には、第1目標と第2目標とは十分離れた位置に存在している。また、目標が人間である場合には、目標の位置は急激に変化しない。このため、複数の目標の移動距離の和が最小になるように、目標の対応付けを行うことにより、精度良く目標の対応付けを行うことができる。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、本発明の一態様に係る追尾レーダ装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
(実施の形態1)
まず、DDOA法を用いたレーダ装置による人体検知方法について説明する。腕、脚、胴体および頭部などの人間の体を構成する部位は、それぞれ異なる速度で動く。よって、それぞれの運動を反映したドップラーシフトが、スペクトルの微細な構造(マイクロドップラー)として観測可能である。これにより、観測された微細構造を分析および解析することによって、人間の検出に加え、人間の動作同定を行うことができる。さらに、DDOA法により、人間とそれ以外の物体とを区別することもできる。
図1は、DDOA法を用いたレーダ装置の構成を示す図である。
図1に示すレーダ装置901は、送信器910と、受信器920および930と、送信アンテナ911と、受信アンテナ912および913とを備える。
レーダ装置901の検知対象は、目標931、932および933である。送信器910は、ある周波数の探知電波を出射する。受信器920および930は、当該探知電波が目標931〜933で反射された反射波を受信する。
レーダ装置901に対して、目標931〜933がある視線速度で動いている場合、受信器920および930で受信した反射波の周波数は、送信アンテナ911から放射された探知電波の周波数に対して、視線速度に対応する周波数だけシフトする。そのシフトした周波数(ドップラー周波数)から、目標931〜933のそれぞれの視線速度を検出できる。
ここで、「視線速度」とは、目標931〜933が持つ速度のうち、レーダ装置901から目標への方向に沿った速度成分のことである。つまり、視線速度は、レーダ装置901に対する、目標931〜933の相対的な速度成分である。具体的には、図1に示すように、目標931〜933の速度をそれぞれV1、V2およびViとすると、目標931〜933の視線速度は、当速度V1、V2およびViをレーダ装置901から目標931〜933への方向に沿って分解した速度であるV1f、V2fおよびVifである。
つまり、レーダ装置901は、探知電波の周波数に対する、受信器920および930で受信した反射波の周波数を用いて、目標931〜933の視線速度V1f、V2fおよびVifを検出する。
ところで、レーダ装置901は、図1に示すように、受信アンテナおよびその受信アンテナに対応する受信器を含む受信系統を2系統備える。さらに、それぞれの受信アンテナ912および913は、異なる場所に配置されている。
これにより、各目標931〜933から受信アンテナ912までの距離と、当該目標931〜933から受信アンテナ913までの距離とは、互いに異なる。
このように目標931〜933から2つの受信アンテナ912および913までの距離が異なることで、目標931〜933の方向検出が可能になる。以下、この方向検出の原理について具体的に説明する。
図1において、例えば、目標933は、受信アンテナ912より受信アンテナ913に近い位置に存在するので、目標933からの反射波は受信アンテナ912より受信アンテナ913に早く到着する。よって、受信アンテナ912で受信した反射波と受信アンテナ913で受信した反射波とを比較した場合、受信アンテナ912で受信した反射波は受信アンテナ913で受信した反射波より位相が遅れることになる。ここで、目標933が受信アンテナ912および受信アンテナ913の正面からθiの方向にあり、2つの受信アンテナ912および913が距離dだけ離れて配置されているとする。この場合、受信アンテナ912で受信した反射波と受信アンテナ913で受信した反射波との位相差は式1で表される。なお、φ1は受信アンテナ912で受信した反射波の位相であり、φ2は受信アンテナ913で受信した反射波の位相であり、λは送信アンテナ911から出射された探知電波の波長である。
φ2−φ1=2πd×sinθ/λ ・・・(式1)
この式1を変形すると、下記の式2となる。つまり、2つの受信アンテナ912および913で受信した2つの反射波の位相差φ2−φ1から目標933の方向θを検出できる。
θ=sin−1{(φ2−φ1)λ/(2πd)} ・・・(式2)
これが干渉計法を用いたDOAの推定である。
さらに、DDOA法では、各目標のドップラー周波数を検知する。そして、受信アンテナが受信した反射波のうち、各目標に対応するドップラー周波数の信号に対して、上記のDOAを行うことで、対応する目標の方向を検知できる。このように、従来のレーダ装置901は、複数の目標の識別したうえで、各目標の方向を検知することができる。
なお、図1では、レーダ装置901は、2つの受信アンテナ912および913を有するので1次元方向しか検知できないが、例えば受信アンテナ912と受信アンテナ913とを含む直線上以外に、もう一つの受信アンテナを配置することで、水平/垂直の2次元方向を検知することができる。このように、DDOA法によるイメージングは、3つという数少ない受信アンテナのみを用いて3次元のイメージングが可能であるという利点がある。
図2は、本発明の実施の形態1に係る追尾レーダ装置の概観図である。
追尾レーダ装置100は、その前面に、送信アンテナ111、受信アンテナ112aおよび受信アンテナ112bを備える。この追尾レーダ装置100は、図1に示したレーダ装置901と同様の構成を有し、レーダ装置901と同じDDOA法により目標の位置および目標の視線速度を検出する。送信アンテナ111、受信アンテナ112aおよび受信アンテナ112bは、それぞれ、送信アンテナ911、受信アンテナ912および受信アンテナ913と同じ構成を有する。
図3は、追尾レーダ装置100の機能的な構成を示すブロック図である。
追尾レーダ装置100は、受信アンテナ112aおよび112bと、目標計測部101と、重心算出部102と、対応関係決定部103と、追尾予測部104と、交錯判定部105と、送信アンテナ111(図示せず)とを備える。なお、追尾レーダ装置100は、さらに、送信器910と同様の構成(図示せず)を備える。
追尾レーダ装置100の詳細について説明する前に、追尾レーダ装置100によるデータ取得およびデータ処理の概要と、想定する追尾レーダ装置100の利用シーンとについて説明する。
まず、追尾レーダ装置100によるデータ取得とデータ処理の概要を説明する。
上述したように追尾レーダ装置100は、送信アンテナ111と、少なくとも2つの受信アンテナ112a、112bを備えており、受信アンテナ112a、112bで形成される干渉計によってDDOA法を実現する。
追尾レーダ装置100の目標計測部101は、受信アンテナ112aおよび112bで受信された目標からの反射波から、散乱点データ120を取得する。散乱点データ120は、目標の位置(2次元の場合、x座標とy座標、あるいは、方位角と距離)、目標の視線速度(ドップラー速度)および反射受信電力(受信した反射波の電力)の集合である。
図4Aは、2人の歩行者に対する散乱点データ120をプロットしたグラフである。このグラフは、横軸が歩行者のx座標を示し、縦軸が歩行者のy座標を示す。このグラフ上にプロットされた散乱点データ120を、歩行者イメージ(推定像)という。図4Aは、歩行者Aの歩行者イメージ120Aと、歩行者Bの歩行者イメージ120Bとを示している。
図4Bは、歩行者イメージ120Aおよび120Bのそれぞれに対応する散乱点データ120の重心データを示すグラフである。重心データは、各歩行者イメージの散乱点データ120に含まれる歩行者の位置および視線速度を、それぞれ反射受信電力で重み付けして加算平均したデータのことである。つまり、重心データは、加重平均された位置および視線速度を含む。図4Bのグラフの縦軸および横軸は、図4Aのグラフと同じであり、グラフ上に、歩行者Aの重心データ121Aおよび歩行者Bの重心データ121Bを示している。このように歩行者イメージから重心データを算出することにより、重心データを歩行者の代表点として扱うことができ、カルマンフィルタなどの予測フィルタの入力として用い易くなる。
図4Cは、移動する歩行者Aおよび歩行者Bに対する重心データの位置をプロットした図である。なお、歩行者Aの軌跡Aは図中下向きであり、歩行者Bの軌跡Bは図中上向きであるとする。
図4Dは、図4Cに示した軌跡Aにおいて、歩行者の実際の移動方向に対して重心データの位置が逆方向に遷移している例を示す。例えば、位置201から位置202への遷移のように、実際の移動方向である図中下向きとは逆向きに歩行者の重心データの位置が遷移している。このような逆行は、歩行者イメージそのものの影響と、重心データの位置を算出する方法に起因する誤差により起こる。つまり、重心データは、あくまでも歩行者の仮想的な重心にすぎないことを意味する。
次に、図5を用い、想定する追尾レーダ装置100の利用シーンを説明する。
図5に、追尾レーダ装置100の検知範囲内において、複数の歩行者A、Bが徐々に接近し、その後離れていくシーンを示す。本発明では、特に複数の歩行者が点対称に近い動きをする場合を想定する。このようなシーンでは、歩行者それぞれについて、2通りの移動軌跡が考えられる。図5に示す例では、歩行者同士が最接近した後、(a)歩行者Aが追尾レーダ装置100に近づく側に移動し、歩行者Bが追尾レーダ装置100から遠ざかる側に移動する軌跡と、(b)歩行者Aが追尾レーダ装置100から遠ざかる側に移動し、歩行者Bが追尾レーダ装置100に近づく側に移動する軌跡との2通りの移動軌跡を考えることができる。言い換えれば、歩行者Aと歩行者Bとが最接近したときに、歩行者Aと歩行者Bとを区別できなければ、追尾レーダ装置100は誤った歩行者を追尾してしまう可能性がある。このように、複数の歩行者が互いに接近し、先の軌跡を区別できない可能性がある状況を「交錯状況」と呼ぶことにする。
正しく追尾を行うために、刻々と取得される観測情報をそれぞれの歩行者に対応付けることを「対応関係決定」または「アソシエーション」という。本開示は、このアソシエーションの誤りを軽減する装置を提供することで、追尾性能を向上させようとするものである。
図6Aおよび図6Bを用いて、一般的な位置関係に基づくアソシエーションが困難となる例を説明する。予測点E1、E2は、過去の観測点P1、P2からそれぞれ速度を算出し、その速度に基づいて次の位置を算出することにより得られる。予測点の推定は、単純な線形推定に限られない。例えば、カルマンフィルタなどにおいても、目標は等速直線運動するという仮定をおくことが多い。このため、本開示では、各目標は等速直線運動するものとする。
図6Aは、予測点E1と予測点E2とが極めて近い距離で近接している状況を示す。図中の矢印は観測点の移動方向を示す。このような状況には、予測点E1から観測点N1までの距離と、予測点E2から観測点N1までの距離とはほぼ同じである。同様に、予測点E1から観測点N2までの距離と、予測点E2から観測点N2までの距離とはほぼ同じである。このため、予測点E1および予測点E2と、今回の観測点N1およびN2との間のそれぞれの組み合わせにおける予測点と観測点との間の距離を評価してアソシエーションすることはできない。
また、図6Bは、今回の観測点N1と観測点N2とが極めて近い距離で近接している状況を示す。図中の矢印は観測点の移動方向を示す。このような状況は、目標が追尾レーダ装置100から遠距離にある場合に想定される。このような状況には、予測点E1から観測点N1までの距離と、予測点E1から観測点N2までの距離とはほぼ同じである。同様に、予測点E2から観測点N1までの距離と、予測点E2から観測点N2までの距離もほぼ同じである。このため、このような状況であっても図6Aと同様、予測点E1および予測点E2と、今回の観測点N1およびN2との間のそれぞれの組み合わせにおける予測点と観測点との間の距離を評価してアソシエーションすることはできない。
実施の形態1に係る追尾レーダ装置100は、目標からの反射波を目標計測部101で解析し、重心算出部102が、目標計測部101の解析結果である散乱点データ120から重心データ121を算出する。
重心データは、目標(歩行者)の位置および目標の視線速度を含み、それぞれを重心位置および重心視線速度と表現する。実際の歩行者は重心視線速度と直交する速度成分との合成により得られる速度で移動しており、その直交成分を重心直交速度と表現する。この重心直交速度はドップラー効果から直接計測することはできない。重心直交速度は、後述するように、例えばカルマンフィルタにより推定される。
対応関係決定部103は、目標の重心位置、重心視線速度および重心直交速度を用いて、アソシエーションを行う。追尾予測部104は、対応関係決定部103でアソシエーションされた重心データを用いて、目標の追尾を行う。
交錯判定部105は、重心算出部102で算出された重心データ121と、追尾予測部104での追尾結果を用いて、同一観測時刻における複数の目標(観測点)がアソシエーション困難な状況にあるかどうかを判定する。対応関係決定部103は、交錯判定部105での判定結果に応じて処理を切り替える。
以下、各構成について、より詳細に説明する。
<目標計測部101>
目標計測部101は、各観測時刻において、目標の位置および追尾レーダ装置の視線方向に沿った前記目標の速度である視線速度を複数計測する。より具体的には、目標計測部101は、送信アンテナ111から出射された電波が目標で反射されることにより生成される反射波を受信する。目標計測部101は、反射波をDDOA法により処理することにより、散乱点データ120を取得する。
DDOA法の詳細は前述の通りである。したがって、目標計測部101からは、目標の散乱点データ120(歩行者イメージ)が出力される。散乱点データ120は、目標の位置、目標の視線速度および反射受信電力の集合である。
<重心算出部102>
重心算出部102は、目標計測部101で計測された、観測時刻毎の複数の位置および複数の視線速度から、観測時刻毎に複数の目標を特定し、観測時刻毎の目標毎の位置の重心である重心位置および視線速度の重心である重心視線速度を算出する。
つまり、重心算出部102は、散乱点データ120に含まれる複数の位置から、目標の重心データを算出する。重心データの算出方法は、図4Aおよび図4Bを用いて説明したとおりであり、目標の位置および視線速度を、反射受信電力を用いて加重平均することにより求められる。なお、同一観測時刻に複数の歩行者イメージが含まれる場合には、重心算出部102は、歩行者イメージの境界を設け、それぞれの境界で歩行者イメージを区切る。例えば、重心算出部102は、図4Aに示す歩行者イメージに、歩行者の一般的なサイズの矩形122Aおよび122Bを当てはめることにより、歩行者イメージ120Aおよび120Bに区切る。重心算出部102は、各歩行者イメージに対応する散乱点データ120から重心データを求める。
<交錯判定部105>
交錯判定部105は、重心算出部102で算出された第1観測時刻における第1目標および第2目標の重心位置間の距離が所定の閾値以下の場合に、第1目標および第2目標が交錯していると判定する。
図7A〜図7Dは、交錯判定部105における交錯判定について説明するための図である。図7Aおよび図7Bは観測点(重心データ)が2つの場合の例を示し、図7Cおよび図7Dは3以上の場合の例を示す。具体的には、交錯判定部105は、2次元平面上に交錯判定範囲を設定する。交錯判定範囲は真円であっても良いし、正方形であっても良い。交錯判定部105は、同一観測時刻の観測点が2つの場合、交錯判定範囲を2つ設定する。交錯判定部105は、図7Aに示すようにそれぞれの交錯判定範囲内(すなわち、ひとつの交錯判定範囲内)に2つの観測点が含まれる場合、「交錯状況にある(1)」と判定し、図7Bに示すようにそれ以外の場合、「交錯状況にない(0)」と判定する。例えば、交錯判定範囲を半径Rcの円形領域とし、観測点1および観測点2間の距離をg12とすると、交錯判定部105は、g12≦Rcのとき「1」を出力し、g12>Rcのとき「0」を出力する。なお、半径Rcは目標の大きさに応じて決定し、例えば目標の径がDのとき、半径RcをD/2程度に設定することが好ましい。
観測点が3以上の場合、観測点が2つの場合と交錯状況の判定処理そのものは同じである。ただし、交錯判定部105は、「1」または「0」で示される交錯判定結果に、どの観測点が交錯状況にあるのかを示す値を含めて出力する。例えば、図7Dに示すように観測点1と観測点2、および、観測点2と観測点3がそれぞれ交錯状況にあり(g12≦Rcおよびg23≦Rc)、かつ観測点1と観測点3は交錯状況にない(g23>Rc)場合、交錯判定部105は、交錯判定結果として「1(1−2)」、「1(2−3)」および「0(1−3)」を出力する。例えば、「1(1−2)」は、観測点1と観測点2とが交錯状況にある(1)ことを示している。このように、交錯状況が必ず2組(前回の観測点から1組(2点)、今回の観測点から1組(2点))で構成されるように、複数の観測点を分割して考えることにする。観測点が2つの場合、交錯判定結果は「0(1−2)」または「1(1−2)」となるが、以降は簡単のため、「0」または「1」のみで表す。
図8は、交錯判定部105による交錯判定処理のフローチャートである。
交錯判定部105は、二次元平面上に半径Rcの交錯判定範囲を設定する(S11)。交錯判定部105は、現在の観測時刻における観測点の個数を判断し(S12)、観測点の個数が0または1の場合には、交錯判定を行う必要が無いため(S12でno)、処理を終了する。
観測点の個数が2以上の場合には、交錯判定部105は、現在の観測時刻における観測点iと観測点jとの間の距離gijを計算する(S13)。
交錯判定部105は、距離gijと半径Rcとを比較する(S14)。距離gijが半径Rc以下であれば(S14でyes)、交錯判定部105は、観測点iと観測点jとが交錯状態にあると判断し、交錯判定結果として「1」を出力する(S15)。一方、距離gijが半径Rよりも大きければ(S14でno)、交錯判定部105は、観測点iと観測点jとが交錯状態にはないと判断し、交錯判定結果として「0」を出力する(S16)。
なお、観測点の個数が3以上の場合には、観測点iと観測点jの組み合わせが複数存在することになるため、距離gijも複数算出され、観測点iと観測点jの組み合わせごとに、観測点同士が交錯しているか否かが判定される。
<対応関係決定部103>
対応関係決定部103は、交錯判定部105での交錯判定結果「0」または「1」に応じて、アソシエーションの判定方法を切り替える。交錯判定結果が「0」のとき、複数の目標は交錯の恐れが無いため、対応関係決定部103は、位置関係に基づくアソシエーションを行う。対応関係決定部103は、例えば、図9に示すような位置関係(P1−N1間、P1−N2間、P2−N1間、P2−N2間の距離がそれぞれd11、d12、d21、d22)において、式3Aおよび式3Bに示す評価値Δ1およびΔ2を算出する。対応関係決定部103は、評価値Δ1およびΔ2のうち小さいほうの、観測点の位置関係を選択する。すなわち、Δ1<Δ2のとき、対応関係決定部103は、P1−N1およびP2−N2を選択する。つまり、対応関係決定部103は、観測点P1と観測点N1とが同一目標の観測点であると判断し、観測点P2と観測点N2とが他の同一目標の観測点であると判断する。また、Δ1≧Δ2のとき、対応関係決定部103は、P1−N2およびP2−N1を選択する。つまり、対応関係決定部103は、観測点P1と観測点N2とが同一目標の観測点であると判断し、観測点P2と観測点N1とが他の同一目標の観測点であると判断する。
Δ1=d11+d22 …(式3A)
Δ2=d12+d21 …(式3B)
一方、交錯判定結果が「1」のとき、対応関係決定部103は、速度関係に基づくアソシエーションを行う。
図10A〜図10Cは、速度関係に基づくアソシエーションを説明するための図である。図10Aは、観測点P1および観測点P2が近接し、観測点N1および観測点N2が近接している状況(交錯状況)を示している。観測点P1、P2、N1、N2の速度ベクトルがそれぞれv1p、v2p、v1n、v2nとして求められているとする。速度ベクトルは、重心視線速度と重心直交速度とを合成することにより算出される重心合成速度を意味する。追尾レーダ装置100は、視線速度を直接計測可能であるため、重心視線速度の信頼性が高い。したがって、重心視線速度と、観測点の差分速度(位置の差分÷観測時間間隔)とを比較すると、重心位置の連続性に関する脆弱さを加味すれば、重心合成速度(速度ベクトル)のほうが信頼性は高い。また、重心視線速度は観測の都度計測可能である。このため、今回の観測点の重心視線速度が重心データ121に含まれているというのも、重心合成速度を用いる大きな利点である。
このとき、前回の観測点と今回の観測点との間で構成できるペアの組み合わせは2通りあり、それぞれ速度ベクトルの起点を一致させて表示すると、図10Bおよび図10Cのようになる。
ここで、対応関係決定部103は、図10Bに示すペアの組み合わせから式4Aに従い評価値Γ1を算出し、図10Cに示すペアの組み合わせから式4Bに従い評価値Γ2を算出する。
Γ1=|∠(v1p,v1n)|+|∠(v2p,v2n)| …(式4A)
Γ2=|∠(v1p,v2n)|+|∠(v2p,v1n)| …(式4B)
ここで、∠(a,b)は、ベクトルaとベクトルbとのなす角度を示す。
各評価値は、観測点のペアに対応する重心合成速度のペアのなす角度の和を示している。
対応関係決定部103は、評価値Γ1およびΓ2のうち、小さいほうの観測点のペアの組み合わせに基づいてアソシエーションを実行する。すなわち、Γ1<Γ2のとき、対応関係決定部103は、P1−N1およびP2−N2を選択する。つまり、対応関係決定部103は、観測点P1と観測点N1とが同一目標の観測点であると判断し、観測点P2と観測点N2とが他の同一目標の観測点であると判断する。また、Γ1≧Γ2のとき、対応関係決定部103は、P1−N2およびP2−N1を選択する。つまり、対応関係決定部103は、観測点P1と観測点N2とが同一目標の観測点であると判断し、観測点P2と観測点N1とが他の同一目標の観測点であると判断する。このような方法により、観測点の位置関係によらず、目標の移動の流れ(慣性や連続性)を反映したアソシエーションが可能である。
図11は、対応関係決定部103による対応関係決定処理のフローチャートである。
ここで、前回の観測時刻における観測点をP1、P2とし、今回の観測時刻における観測点をN1、N2とする。
対応関係決定部103は、交錯判定部105での交錯判定結果を判断する(S21)。交錯判定結果が「0」の場合には(S21で「0」)、対応関係決定部103は、位置関係に基づくアソシエーションを行うために、上述の評価値Δ1およびΔ2を計算する(S22)。評価値Δ1が評価値Δ2よりも小さい場合には(S23でyes)、対応関係決定部103は、観測点P1と観測点N1とが同一目標の観測点であると判断し、観測点P2と観測点N2とが他の同一目標の観測点であると判断する(S24)。評価値Δ1が評価値Δ2以上の場合には(S23でno)、対応関係決定部103は、観測点P1と観測点N2とが同一目標の観測点であると判断し、観測点P2と観測点N1とが他の同一目標の観測点であると判断する(S25)。
交錯判定結果が「1」の場合には(S21で「1」)、対応関係決定部103は、速度関係に基づくアソシエーションを行うために、上述の評価値Γ1およびΓ2を計算する(S26)。評価値Γ1が評価値Γ2よりも小さい場合には(S27でyes)、対応関係決定部103は、観測点P1と観測点N1とが同一目標の観測点であると判断し、観測点P2と観測点N2とが他の同一目標の観測点であると判断する(S24)。評価値Γ1が評価値Γ2以上の場合には(S27でno)、対応関係決定部103は、観測点P1と観測点N2とが同一目標の観測点であると判断し、観測点P2と観測点N1とが他の同一目標の観測点であると判断する(S25)。
以上説明したように、対応関係決定部103は、交錯判定部105において第1目標および第2目標が交錯していると判定された場合には、第1観測時刻および第1観測時刻に連続する第2観測時刻との間において第1目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性および第2目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性が維持されるように、第1観測時刻における第1目標および第2目標のそれぞれに、第2観測時刻におけるいずれかの目標を対応付ける。
より具体的には、対応関係決定部103は、(i)第1観測時刻における第1目標および第2目標に対応付けが可能な、第2観測時刻における目標の候補の組を生成し、(ii)生成した各目標の候補の組について、第1観測時刻における第1目標の重心視線速度と重心直交速度との合成速度である重心合成速度と第2観測時刻における目標の候補の重心合成速度とのなす角と、第1観測時刻における第2目標の重心合成速度と第2観測時刻における目標の候補の重心合成速度とのなす角との和を算出し、(iii)算出した和が最小となる目標の候補の組を、第1観測時刻における第1目標および第2目標に対応付ける。
また、対応関係決定部103は、交錯判定部105において第1目標および第2目標が交錯していないと判定された場合には、(i)第1観測時刻における第1目標および第2目標に対応付けが可能な、第2観測時刻における目標の候補の組を生成し、(ii)第1目標および第2目標に対応付けを行った場合に、第1観測時刻と第2観測時刻との間での第1目標の移動距離および第2目標の移動距離の和が最小となる目標の候補の組を、第1目標および第2目標に対応付ける。
<追尾予測部104>
追尾予測部104は、アソシエーション済みの目標の重心データを入力として目標を追尾し、重心視線速度に直交する重心直交速度を予測する。具体的には、カルマンフィルタに重心データ(重心位置、重心視線速度)を入力することで、重心直交速度を推定する。この重心直交速度により、重心合成速度を構成できる。重心直交速度は追尾予測部104の推定に基づく量である一方、重心視線速度は実測に基づく量である。
図12Aおよび図12Bを参照して、カルマンフィルタを用いた重心直交速度の推定方法について説明する。
図12Aに示すように状態変数と観測データとを定義する。つまり、状態変数としてr、a、v、v、δr、δa、δv、δvの8つの変数を定義する。rは追尾レーダ装置100から目標までの距離を示す変数である。aは目標の方位角を示す変数である。vは目標の重心視線速度を示す変数である。vは目標の重心直交速度を示す変数である。δr、δa、δv、δvは、r、a、v、vのそれぞれの雑音成分を示すパラメータである。観測データとして、R、A、V、ΔR、ΔA、ΔVの6つのデータを定義する。Rは追尾レーダ装置100から目標までの観測された距離を示す。Rは目標の重心位置と追尾レーダ装置100の位置とから算出可能である。Aは目標の観測された方位角を示す。Vは、観測された目標の重心視線速度を示す。ΔR、ΔA、ΔVは、R、A、Vのそれぞれの雑音成分を示すパラメータである。なお、図12Aにおいてvは重心合成速度を示す。
図12Bは、図12Aに示した状態変数と観測データとに基づいて定義される状態方程式および観測方程式を示す図である。図12Bには、4つの状態方程式と、3つの観測方程式とが示されている。ここで、tはある観測時刻を表しており、Tは観測時間間隔を表す。つまり、各状態方程式は、目標が等速直線運動を行うものと仮定したときの状態変数の値を示している。また、各観測方程式は、状態変数と観測データとを結びつけるための式である。ここで、観測方程式の数が状態方程式の数よりも1つ少ないのは、目標の重心直交速度は観測することができないため、目標の重心直交速度の観測方程式が無いからである。
追尾予測部104は、状態変数の値を内部に保持しており、図12Bに示した状態方程式および観測方程式を解くことにより、目標の重心直交速度vを推定する。なお、図12Bから明らかなように、重心直交速度のみならず、重心位置の予測値も同時に算出可能である。
以上説明したように、本発明の実施の形態1に係る追尾レーダ装置100によると、複数目標のアソシエーションが速度ベクトルの連続性を考慮した原理に基づくものとなるため、位置や角度が目標を区別できる精度を有さない場合でも適切なアソシエーションを実現できる。つまり、複数目標が相互に接近した場合、位置の近さで目標の関係付けを行う場合に比べると、追尾誤りを低減することができる。
上記構成によると、第1目標および第2目標が交錯している場合であっても、重心視線速度を要素に含む速度の連続性から、第1観測時刻における第1目標および第2目標のそれぞれに対応付けられる、第2観測時刻における目標を決定することができる。このように、異なる観測時刻間における複数の目標同士の対応付けを、速度の連続性に基づいて行うことにより、位置決定精度が低い目標であっても、複数の目標を区別して追尾することができる。
また、重心合成速度は、重心視線速度と重心直交速度の合成速度である。このため、例えば、追尾レーダ装置の視線方向には同じ動きをするが、上記視線方向の直交方向には異なる動きをするような複数の目標が交錯している場合に、重心合成速度の連続性を評価することで、複数の目標を精度良く区別して追尾することができる。
また、第1目標と第2目標とが交錯していない場合には、第1目標と第2目標とは十分離れた位置に存在している。また、目標が人間である場合には、目標の位置は急激に変化しない。このため、複数の目標の移動距離の和が最小になるように、目標の対応付けを行うことにより、精度良く目標の対応付けを行うことができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1では、追尾予測部104で予測された重心直交速度と観測点との対応付けが予め分かっているものとして説明を行ったが、重心直交速度と観測点との対応付けが分からない場合もある。実施の形態2では、そのような場合の処理について詳細に説明する。つまり、実施の形態2では、実施の形態1の対応関係決定部103において、重心視線速度と重心直交速度から重心合成速度を算出する部分が異なる。そのため、図13A〜図13Dを用い、交錯判定部105で複数の観測点が交錯していると判定された場合の対応関係決定部103についてのみ説明を行う。その他の追尾レーダ装置100の構成は、実施の形態1で説明したとおりである。このため、その詳細な説明はここでは繰り返さない。
図13Aは、近接した観測点の速度ベクトル(重心合成速度)(v)を示し、さらにそれを視線方向(u)と直交方向(w)に分解した成分も合わせて示す。前回の観測点P1、P2について、重心合成速度v1p、v2pに対してそれぞれ視線方向u1p、u2pおよび直交方向w1p、w2pがそれぞれ確定している。今回の観測点N1、N2に関しては、重心視線速度u1n、u2nのみがそれぞれ確定しており、重心直交速度は確定していない。つまり、図13Bに示すように、追尾予測部104の出力である重心直交速度w1n、w2nに関しては、観測点N1、N2のどちらに対応するのかがまだ確定していない。
そこで、実施の形態2では、重心視線速度u1n、u2nおよび重心直交速度w1n、w2nの対応関係の決定を含めて、アソシエーションを行う。
図13Cおよび図13Dは、今回の観測点N1、N2について、重心視線速度u1n、u2nおよび重心直交速度w1n、w2nから構成可能な2通りの重心合成速度をそれぞれ示す。このときの重心合成速度をそれぞれ、v12n、v21n、および、v11n、v22nとする。つまり、重心合成速度v12nは、重心視線速度u1nと重心直交速度w2nの合成速度である。重心合成速度v21nは、重心視線速度u2nと重心直交速度w1nの合成速度である。重心合成速度v11nは、重心視線速度u1nと重心直交速度w1nの合成速度である。重心合成速度v22nは、重心視線速度u2nと重心直交速度w2nの合成速度である。
対応関係決定部103は、式5A〜式5Dに示すような評価値ΓA、ΓB、ΓC、ΓDを計算し、実施の形態1と同様にこれら評価値のうち最小のものを選択する。これにより、対応関係決定部103は、重心直交速度の観測点への対応付けを行うと共に、さらには、観測点のアソシエーションを行うことができる。
ΓA=|∠(v1p,v11n)|+|∠(v2p,v22n)| …(式5A)
ΓB=|∠(v1p,v12n)|+|∠(v2p,v21n)| …(式5B)
ΓC=|∠(v1p,v21n)|+|∠(v2p,v12n)| …(式5C)
ΓD=|∠(v1p,v22n)|+|∠(v2p,v11n)| …(式5D)
図14Aおよび図14Bはそれぞれ、図13Cに対応する重心合成速度によって構成される前回の観測点の重心合成速度と今回の観測点の重心合成速度とのペアについて、前回の観測点の重心合成速度と今回の観測点の重心合成速度とでベクトルの起点を一致させて表示したものである。図14Aおよび図14Bの評価値は、それぞれΓBおよびΓCに対応している。
また、図14Cおよび図14Dはそれぞれ、図13Dに対応する重心合成速度によって構成される前回の観測点の重心合成速度と今回の観測点の重心合成速度とのペアについて、前回の観測点の重心合成速度と今回の観測点の重心合成速度とでベクトルの起点を一致させて表示したものである。図14Cおよび図14Dの評価値は、それぞれΓAおよびΓDに対応している。
このように、ΓA、ΓB、ΓC、ΓDに対応して全部で4通りのアソシエーション候補を生成することができる。図14A〜図14Dに示した例では、ΓA<ΓB<<ΓC<ΓDである。このため、対応関係決定部103は、ΓAに対応する図14Cの構成が望ましいアソシエーション結果を与えると決定する。つまり、対応関係決定部103は、図13Dに示すように観測点N1およびN2の重心直交速度がそれぞれv11nおよびv22nであると判断する。また、対応関係決定部103は、観測点P1と観測点N1とが同一目標の観測点であると判断し、観測点P2と観測点N2とが同一目標の観測点であると判断する。
以上説明したように、対応関係決定部103は、交錯判定部105において第1目標および第2目標が交錯していると判定された場合には、(i)第1観測時刻における第1目標および第2目標に対応付けが可能な、第2観測時刻における目標の候補の組を生成し、(ii)生成した目標の候補の組毎に、当該組を構成する各目標について、追尾予測部が予測した重心直交速度の候補を生成し、(iii)生成した目標の候補の組毎の重心直交速度の候補毎に、第1観測時刻における第1目標の重心視線速度と重心直交速度との合成速度である重心合成速度と第2観測時刻における目標の候補の重心合成速度とのなす角と、第1観測時刻における第2目標の重心合成速度と第2観測時刻における目標の候補の重心合成速度とのなす角との和を算出し、(iv)算出した和が最小となるときの重心直交速度の候補を有する目標の候補の組を、第1観測時刻における第1目標および第2目標に対応付ける。
以上説明したように、本発明の実施の形態2に係る追尾レーダ装置100によると、重心合成速度を構成する際に、推定量である重心直交速度の可能性まで加味した評価を行うことができ、適切なアソシエーションを実現できる。さらに現在より先の時刻に対して重心直交速度の誤りが伝播していく可能性を抑えることができるため、追尾誤りも低減可能である。
重心合成速度は、重心視線速度と重心直交速度の合成速度である。このため、例えば、追尾レーダ装置の視線方向には同じ動きをするが、上記視線方向の直交方向には異なる動きをするような複数の目標が交錯している場合に、重心合成速度の連続性を評価することで、複数の目標を精度良く区別して追尾することができる。また、追尾予測部が予測した重心直交速度が、目標に対応付けられておらず、いずれの目標の重心直交速度かが不明な場合であっても、重心合成速度の連続性を評価することで、重心直交速度と目標との対応付けを行うことができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
実施の形態3では、対応関係決定部103がアソシエーションに用いる速度ベクトルについての、追尾予測部104の推定結果である重心直交速度の利用程度を可変する。これにより、対応関係決定部103は、観測(ドップラー効果)に基づいて定まる重心視線速度を、重心直交速度よりも優先的に使用して評価する構成を備えている。実施の形態3も、対応関係決定部103の機能として実現可能であるため、対応関係決定部103についてのみ説明する。
実施の形態3では、計測値の符号を用いて重心直交速度の利用程度の判定を行うため、符号の正負を次のように定義する。重心視線速度は追尾レーダ装置100から遠ざかる方向を正、近づく方向を負とする。方位角は、追尾レーダ装置100の真正面(12時方向)を0とし、追尾レーダ装置100の左側を正、右側を負とする。
図15は、本発明の実施の形態3における対応関係決定部103の処理を説明するフローチャートである。
対応関係決定部103は、交錯判定領域内の観測点について、前回の観測点の組み合わせにおいて重心視線速度が異符号であり、かつ今回の観測点の組み合わせにおいて重心視線速度が異符号であるか否かを判定する(S31)。
図16Aおよび図16Bは、前回の観測点P1、P2および今回の観測点N1、N2の重心視線速度がすべて同符号となる例を示す。つまり、図16Aおよび図16Bは、複数目標が同じ方向に移動、すなわち、線対称な移動をしている場合を示す。図16Aおよび図16Bにおいて、実線矢印は重心視線速度を示し、破線矢印は観測点の対応関係を示す。
図17Aおよび図17Bは、各観測時刻において、観測点の重心視線速度が全て同符号となるが、観測時刻間では重心視線速度が異符号となる例を示す。図17Aおよび図17Bにおいて、実線矢印は重心視線速度を示し、破線矢印は観測点の対応関係を示す。例えば、前回の観測点P1、P2の重心視線速度は同符号であり、今回の観測点N1、N2の重心視線速度は同符号であるが、前回の観測点P1、P2の重心視線速度と今回の観測点N1、N2の重心視線速度とは異符号である。このような場合には、重心視線速度が極めて小さく、移動情報のほとんどが重心直交速度に反映されていると予想される状況である。このような状況は、特に、追尾レーダ装置100の真正面で複数目標が真横に移動する場合に起こる。
図18A、図18Bおよび図18Cは、前回の観測点の組み合わせ(P1、P2)において重心視線速度が異符号であり、かつ今回の観測点の組み合わせ(N1、N2)において重心視線速度が異符号である例を示す。図18A、図18Bおよび図18Cにおいて、実線矢印は重心視線速度を示し、破線矢印は観測点の対応関係を示す。例えば、複数目標が互いに異なる方向に移動、すなわち、点対称な移動をしている場合を示す。
したがって、複数の目標が、図18A、図18Bおよび図18Cに示したような点対称的な移動を行った場合には、S31の判定結果が「yes」となり、それ以外は「no」となる。
この判定処理(S31)により、重心視線速度のみでアソシエーションできる場合と、重心視線速度のみではアソシエーションできない場合とが切り分けられる。重心視線速度のみでアソシエーションできる場合には、アソシエーションは単純化される。
S31で「yes」の場合、対応関係決定部103は、重心視線速度のみを用いてアソシエーションを行う(S32)。これは、式4Aおよび式4Bの算出に用いる重心合成速度を算出する際に、重心直交速度をゼロとすることに等しい。なお、重心視線速度のみを使用するのではなく、重心直交速度に重み(減衰係数)を乗算した速度と、重心視線速度とを合成することにより重心合成速度を算出しても良い。この減衰係数は0以上1以下の値とすれば良い。
つまり、対応関係決定部103は、交錯判定部105において第1目標および第2目標が交錯していると判定され、かつ同一の観測時刻における複数の目標の重心視線速度の符号が互いに異なる場合には、目標ごとに、重心直交速度に0以上1以下の値を乗算した値と重心視線速度との合成速度から重心合成速度を算出する。
重心直交速度に乗算する値を調整することにより、重心合成速度の連続性を評価する際の重心直交速度の重みを調整することができる。例えば、重心直交速度に0を乗算することで、重心視線速度のみの連続性に基づいた目標の対応付けを行うことができる。また、重心直交速度に0.5を乗算することにより、重心視線速度に対する重心直交速度の影響を半分にした重心合成速度の連続性に基づいて、目標の対応付けを行うことができる。
S31で「no」の場合、対応関係決定部103は、交錯判定領域内の観測点において、互いに異なる時刻(前回と今回)の観測点の組合せについて、重心視線速度の符号が同一となるものが1つでもあるか否かを判定する(S33)。
この判定処理(S33)により、図16Aおよび図16Bに示した状況は「no」と判定され、図17Aおよび図17Bに示した状況は「yes」と判定される。
すなわち、複数目標が追尾レーダ装置100に対して前後方向の移動をし、かつ、線対称に近い(同一方向への)移動を伴っている場合、判定処理(S33)によって「no」と判定される。S33で「no」であることは、追尾レーダ装置100を含むドップラーレーダにおいて、必然的に発現するドップラー干渉問題(同一の視線方向速度を有する目標が複数存在する場合、その速度を目標毎に分離同定できないために、結果として到来方向が不定になる現象)が起こりやすいあるいは起こっている状況であること示す。
したがって、S33で「no」の場合には、対応関係決定部103は、対応関係の決定が困難な状態を示す対応関係決定困難信号を出力する(S35)。これにより、アソシエーション結果の信頼性が低い状況を区別できるようにしておく。あるいは、対応関係決定部103は、対応関係の決定が困難な間は、重心データ121をマスクする、予測値のみを使用する、などの処置を施しても良い。つまり、追尾予測部104は、対応関係決定部103から対応関係決定困難信号が出力された場合には、前回および今回における重心位置と重心視線速度を除外した上で、重心直交速度を予測しても良い。
以上説明したように、対応関係決定部103は、さらに、交錯判定部105において第1目標および第2目標が交錯していると判定され、かつ第1観測時刻および第2観測時刻において複数の目標の重心視線速度の符号が同符号である場合には、目標の対応関係決定が困難であることを示す対応関係決定困難信号を出力する。この場合には、全ての目標の重心視線速度の符号が同じである。つまり、追尾レーダ装置100を含むドップラーレーダにおいて、必然的に発現するドップラー干渉問題が起こりやすい、あるいは起こっている状況であることを示す。このため、目標の対応付けを行ったとしても信頼性が低い。このため、対応関係決定部103は、上述の対応関係決定困難信号を出力する。
また、追尾予測部104は、対応関係決定困難信号が出力された場合には、第1観測時刻および第2観測時刻における重心位置と重心視線速度を除外した上で、重心直交速度を予測する。この構成によると、信頼性が低い重心位置と重心視線速度を除外した上で重心直交速度を予測している。このため、重心直交速度を高精度で予測することができる。
判定処理(S33)において「yes」の場合、正しいアソシエーションを行うには、前述の通り重心直交速度が必要である。すなわち、対応関係決定部103は、重心視線速度と重心直交速度を合成することにより重心合成速度を算出し、実施の形態1または2で説明したのと同様の方法により、アソシエーションを行う(S34)。
以上、本発明の実施の形態3の構成によると、推定成分である重心直交速度を除外することでアソシエーション誤りの軽減を実現する。それと共に、アソシエーションに必要な速度ベクトル(重心視線速度、重心直交速度)の成分が選択される。このため、アソシエーションが単純になるという利点もある。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の追尾レーダ装置を実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、各観測時刻において、目標の位置および追尾レーダ装置の視線方向に沿った前記目標の速度である視線速度を複数計測する目標計測ステップと、前記目標計測ステップにおいて計測された、観測時刻毎の複数の前記位置および複数の前記視線速度から、観測時刻毎に複数の目標を特定し、観測時刻毎の前記目標毎の前記位置の重心である重心位置および前記視線速度の重心である重心視線速度を算出する重心算出ステップと、前記重心算出ステップで算出された第1観測時刻における第1目標および第2目標の重心位置間の距離が所定の閾値以下の場合に、前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定する交錯判定ステップと、前記交錯判定ステップにおいて前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定された場合には、前記第1観測時刻および前記第1観測時刻に連続する第2観測時刻との間において前記第1目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性および前記第2目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性が維持されるように、前記第1観測時刻における前記第1目標および前記第2目標のそれぞれに、前記第2観測時刻におけるいずれかの目標を対応付ける対応関係決定ステップとを実行させる。
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る追尾レーダ装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
本発明に係る追尾レーダ装置は、移動物体の運動そのものを利用して物体の形状若しくは動きを計測または推定し、その結果を利用して物体を追尾することのできるセンシングシステム等に利用可能であり、特に、防犯システムまたは衝突回避システム用のセンサ等として有用である。
100 追尾レーダ装置
101 目標計測部
102 重心算出部
103 対応関係決定部
104 追尾予測部
105 交錯判定部
111、911 送信アンテナ
112a、112b、912、913 受信アンテナ
120 散乱点データ
120A、120B 歩行者イメージ
121、121A、121B 重心データ
122A 矩形
901 レーダ装置
910 送信器
920 受信器
931〜933 目標

Claims (9)

  1. 各観測時刻において、目標の位置および追尾レーダ装置の視線方向に沿った前記目標の速度である視線速度を複数計測する目標計測部と、
    前記目標計測部で計測された、観測時刻毎の複数の前記位置および複数の前記視線速度から、観測時刻毎に複数の目標を特定し、観測時刻毎の前記目標毎の前記位置の重心である重心位置および前記視線速度の重心である重心視線速度を算出する重心算出部と、
    前記重心算出部で算出された第1観測時刻における第1目標および第2目標の重心位置間の距離が所定の閾値以下の場合に、前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定する交錯判定部と、
    前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定された場合には、前記第1観測時刻および前記第1観測時刻に連続する第2観測時刻との間において前記第1目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性および前記第2目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性が維持されるように、前記第1観測時刻における前記第1目標および前記第2目標のそれぞれに、前記第2観測時刻におけるいずれかの目標を対応付ける対応関係決定部と
    を備える追尾レーダ装置。
  2. さらに、
    前記目標毎に、当該目標の重心位置および重心視線速度を入力として当該目標を追尾し、前記重心視線速度に直交する重心直交速度を予測する追尾予測部を備え、
    前記対応関係決定部は、前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定された場合には、(i)前記第1観測時刻における第1目標および第2目標に対応付けが可能な、前記第2観測時刻における目標の候補の組を生成し、(ii)生成した各前記目標の候補の組について、前記第1観測時刻における前記第1目標の重心視線速度と前記重心直交速度との合成速度である重心合成速度と前記第2観測時刻における目標の候補の重心合成速度とのなす角と、前記第1観測時刻における前記第2目標の重心合成速度と前記第2観測時刻における目標の候補の重心合成速度とのなす角との和を算出し、(iii)算出した前記和が最小となる目標の候補の組を、前記第1観測時刻における前記第1目標および前記第2目標に対応付ける
    請求項1記載の追尾レーダ装置。
  3. さらに、
    前記目標毎に、当該目標の重心位置および重心視線速度を入力として当該目標を追尾し、前記重心視線速度に直交する重心直交速度を予測する追尾予測部を備え、
    前記対応関係決定部は、前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定された場合には、(i)前記第1観測時刻における第1目標および第2目標に対応付けが可能な、前記第2観測時刻における目標の候補の組を生成し、(ii)生成した前記目標の候補の組毎に、当該組を構成する各目標について、前記追尾予測部が予測した重心直交速度の候補を生成し、(iii)生成した前記目標の候補の組毎の前記重心直交速度の候補毎に、前記第1観測時刻における前記第1目標の重心視線速度と前記重心直交速度との合成速度である重心合成速度と前記第2観測時刻における目標の候補の重心合成速度とのなす角と、前記第1観測時刻における前記第2目標の重心合成速度と前記第2観測時刻における目標の候補の重心合成速度とのなす角との和を算出し、(iv)算出した前記和が最小となるときの重心直交速度の候補を有する目標の候補の組を、前記第1観測時刻における前記第1目標および前記第2目標に対応付ける
    請求項1記載の追尾レーダ装置。
  4. 前記対応関係決定部は、前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定され、かつ同一の観測時刻における複数の目標の重心視線速度の符号が互いに異なる場合には、目標ごとに、重心直交速度に0以上1以下の値を乗算した値と重心視線速度との合成速度から重心合成速度を算出する
    請求項2または3に記載の追尾レーダ装置。
  5. 前記対応関係決定部は、さらに、前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定され、かつ前記第1観測時刻および前記第2観測時刻において複数の目標の重心視線速度の符号が同符号である場合には、目標の対応関係決定が困難であることを示す対応関係決定困難信号を出力する
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の追尾レーダ装置。
  6. 前記追尾予測部は、前記対応関係決定困難信号が出力された場合には、前記第1観測時刻および前記第2観測時刻における重心位置と重心視線速度を除外した上で、前記重心直交速度を予測する
    請求項5記載の追尾レーダ装置。
  7. 前記対応関係決定部は、前記交錯判定部において前記第1目標および前記第2目標が交錯していないと判定された場合には、(i)前記第1観測時刻における前記第1目標および前記第2目標に対応付けが可能な、前記第2観測時刻における目標の候補の組を生成し、(ii)前記第1目標および前記第2目標に対応付けを行った場合に、前記第1観測時刻と前記第2観測時刻との間での前記第1目標の移動距離および前記第2目標の移動距離の和が最小となる目標の候補の組を、前記第1目標および前記第2目標に対応付ける
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の追尾レーダ装置。
  8. 追尾レーダ装置を用いた目標の追尾方法であって、
    各観測時刻において、目標の位置および追尾レーダ装置の視線方向に沿った前記目標の速度である視線速度を複数計測する目標計測ステップと、
    前記目標計測ステップにおいて計測された、観測時刻毎の複数の前記位置および複数の前記視線速度から、観測時刻毎に複数の目標を特定し、観測時刻毎の前記目標毎の前記位置の重心である重心位置および前記視線速度の重心である重心視線速度を算出する重心算出ステップと、
    前記重心算出ステップで算出された第1観測時刻における第1目標および第2目標の重心位置間の距離が所定の閾値以下の場合に、前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定する交錯判定ステップと、
    前記交錯判定ステップにおいて前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定された場合には、前記第1観測時刻および前記第1観測時刻に連続する第2観測時刻との間において前記第1目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性および前記第2目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性が維持されるように、前記第1観測時刻における前記第1目標および前記第2目標のそれぞれに、前記第2観測時刻におけるいずれかの目標を対応付ける対応関係決定ステップと
    を含む追尾方法。
  9. 各観測時刻において、目標の位置および追尾レーダ装置の視線方向に沿った前記目標の速度である視線速度を複数計測する目標計測ステップと、
    前記目標計測ステップにおいて計測された、観測時刻毎の複数の前記位置および複数の前記視線速度から、観測時刻毎に複数の目標を特定し、観測時刻毎の前記目標毎の前記位置の重心である重心位置および前記視線速度の重心である重心視線速度を算出する重心算出ステップと、
    前記重心算出ステップで算出された第1観測時刻における第1目標および第2目標の重心位置間の距離が所定の閾値以下の場合に、前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定する交錯判定ステップと、
    前記交錯判定ステップにおいて前記第1目標および前記第2目標が交錯していると判定された場合には、前記第1観測時刻および前記第1観測時刻に連続する第2観測時刻との間において前記第1目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性および前記第2目標の重心視線速度を要素に含む速度の連続性が維持されるように、前記第1観測時刻における前記第1目標および前記第2目標のそれぞれに、前記第2観測時刻におけるいずれかの目標を対応付ける対応関係決定ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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