JP2013256628A - オレフィン系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
下記一般式(2)で表される脂肪族カルボン酸金属塩の1種類以上からなる脂肪族カルボン酸金属塩、又はアルカリ金属含有ハイドロタルサイトを、オレフィンモノマーを重合して得られた重合体100質量部に対して0.001〜10質量部添加して溶融混練する第二工程と、
を含むことを特徴とするものである。
(式中、R1〜R4は各々独立して、水素原子又は分岐を有してもよい炭素原子数1〜9のアルキル基を表し、R5は水素原子又はメチル基を表し、mは1又は2を表し、mが1の場合、M1は水素原子を表し、mが2の場合、M1は、二族元素、Al(OH)又はZnを表す。)
(式中、R6は、分岐鎖を有してもよく、ヒドロキシル基およびシクロアルキル基から選ばれる1種以上の置換基を有してもよい炭素原子数1〜30の脂肪族基を表し、M2は、金属原子を表し、nは、1〜4の整数であって、M2の金属原子の価数を表す。)
(式中、R1〜R4は各々独立して、水素原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基を表し、R5は水素原子又はメチル基を表し、mは1又は2を表し、mが1の場合、M1は水素原子を表し、mが2の場合、M1は、二族元素、Al(OH)又はZnを表す。)で表される1種類又は2種類以上を含むものである。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法においては、有機アルミニウム化合物でマスキング処理されたものを水、アルコール、酸等の水素性供与化合物で処理することにより、再生可能となるような有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。
上記有機溶媒のうち、n−ヘキサン、又は、n−ヘプタンが好ましく用いられる。有機溶媒中の有機アルミニウム化合物の濃度は、0.001〜0.5mol/Lの範囲が好ましく、特に好ましくは、0.01〜0.1mol/Lである。
(式中、R6は、分岐鎖を有してもよく、ヒドロキシル基およびシクロアルキル基から選ばれる1種以上の置換基を有してもよい炭素原子数1〜30の脂肪族基を表し、M2は、金属原子を表し、nは、1〜4の整数であって、M2の金属原子の価数を表す)で表される1種類又は2種類以上のものである。
(式中、x1およびx2は各々下記式で表される条件を満たす数を表し、pは0または正の数を表す。0≦x2/x1<10,2≦x1+x2≦20である。)
(式中、Aq−は、q価のアニオンを表し、pは0または正の数を表す。)
また、上記ハイドロタルサイトにおける炭酸アニオンは、一部を他のアニオンで置換したものでもよい。
〔実施例1〜2、比較例1〜5〕
(固体触媒成分の調製)
無水塩化マグネシウム4.76g(50mmol)、デカン25mL及び2−エチルへキシルアルコール23.4mL(150mmol)を加えて、130℃で2時間加熱反応を行い均一溶液とした後、さらに無水フタル酸1.11g(7.5mmol)を添加し、130℃を維持しながら1時間撹拌して、無水フタル酸を該均一溶液に溶解させた。次に、均一溶液を室温に冷却し、―20℃に保持された四塩化チタン200mL(1.8mol)中に1時間にわたって全量滴下装入した。装入終了後、4時間かけて110℃まで昇温した。110℃に到達後、ジイソブチルフタレート2.68mL(12.5mmol)を加え、110℃を維持しながら2時間撹拌して反応させた。反応終了後、熱時ろ過にて残渣を採取し、該残渣を200mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、再び110℃まで加熱して2時間反応させた。反応終了後、再び熱時ろ過で残渣を採取し、110℃のデカン及びヘキサンにて、洗液中に遊離しているチタン化合物が検出されなくなるまで充分に洗浄して固体触媒成分を得た。この固体チタン触媒成分の一部をサンプリングして乾燥し、触媒組成を分析したところ、チタン3.1重量%、塩素56.0重量%、マグネシウム17.0重量%及びイソブチルフタレート20.9重量%であった。
窒素置換したフラスコに、ヘプタン10mg、トリエチルアルミニウム22mg及び表1記載の化合物を加え、混合撹拌して、表1記載の化合物が16mg/mlの結晶核剤成分の溶液を調製した。P−2は、上記で例示した結晶核剤成分の具体例の1つである。
表1の重合時に添加した添加剤の欄に化合物が記載されていない場合は、ヘプタン10mg及びトリエチルアルミニウム22mgの混合液を用いた。
窒素置換したオートクレーブにヘプタン600mL、トリエチルアルミニウム303mg、前記結晶核剤溶液を重合体100質量部に対して、表1に記載の配合量になるように添加し、ジシクロペンチルジメトキシシラン0.26mmol及び固体触媒成分のヘプタンスラリー(Ti換算で0.013mmol)を順次加え、撹拌した。オートクレーブ内をプロピレン雰囲気に置換し、プロピレンで1kgf/cm2Gの圧力をかけ、50℃で5分間プレ重合した。プロピレンをパージした後、水素340ml(23℃)を吹き込み、70℃まで昇温し、オートクレーブ内にプロピレンで6kgf/cm2Gの圧力をかけ、70℃で1時間重合反応を行った。窒素ガスで系内を置換してから40℃でエタノール5mlを加え重合反応を停止させた後、50℃で減圧脱溶媒を行ない、次いで、真空中、40℃でポリマーを5時間乾燥することにより、重合体を得た。
〔実施例3〕
(結晶核剤成分の溶液の調製)
上記製造例1と同様の手順にて、結晶核剤成分がP−2の溶液を調製した。
窒素置換したフラスコに、ヘプタン10ml、トリエチルアルミニウム54mg及びフェノール系酸化防止剤のステアリル−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド161mgを混合・撹拌してフェノール系酸化防止剤をマスキングし、フェノール系酸化防止剤の濃度が16mg/mlの安定剤溶液を調製した。
窒素置換したフラスコに、リン系酸化防止剤のトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト144mgを加え、ヘプタン6mLを添加して混合・撹拌して、リン系酸化防止剤24mg/mLのホスファイト溶液を調製した
窒素置換したオートクレーブに、ヘプタン600ml、トリエチルアルミニウム303mg、前記結晶核剤溶液、前記フェノキシド溶液及び前記ホスファイト溶液を重合体100質量部に対して、表1に記載の配合量になるように添加し、ジシクロペンチルジメトキシシラン0.26mmol及び固体触媒成分のヘプタンスラリー(Ti換算で0.013mmol)を順次加え、撹拌した。固体触媒成分は、実施例1で調製したものと同一のものを使用した。オートクレーブ内をプロピレン雰囲気に置換し、プロピレンで1kgf/cm2Gの圧力をかけ、50℃で5分間プレ重合した。プロピレンをパージした後、水素340ml(23℃)を吹き込み、70℃まで昇温し、オートクレーブ内にプロピレンで6kgf/cm2Gの圧力をかけ、70℃で1時間重合反応を行った。窒素ガスで系内を置換してから40℃でエタノール5mlを加え重合反応を停止させた後、50℃で減圧脱溶媒を行ない、次いで、真空中、40℃でポリマーを5時間乾燥することにより重合体を得た。
上記製造例1、2で製造したそれぞれの重合体100質量部に対して、表1に記載の配合量で各添加剤を添加・混合し、ラボ用小型射出成形機(DSM Xplore社製Compounder15,Injection molder 12)にて230℃で溶融混練してストランドを得た。また、上記ラボ用小型射出成形機を用いて、射出温度230℃、金型温度40℃の条件で射出成形して、50mm×90mm×2mmの平板状試験片を得た。
上記の製造方法で得られたストランド及び平板状試験片を用いて、下記の評価を行った。これらの結果について、それぞれ表1に示す。
上記の得られたストランドを少量切り取り、示差走査熱量測定機(ダイアモンド;パーキンエルマー社製)を用いて結晶化温度を測定した。測定方法は、室温から50℃/minの速度で230℃まで昇温し、10分間保持後−10℃/minの速度で50℃まで冷却して得られたチャートにおいて、吸熱反応がピークトップとなる温度を結晶化温度とした。これらの結果について下記の表1にそれぞれ示す。
上記の得られた平板上試験片は、射出成形後23℃の恒温槽で48時間以上静置してから、ヘイズ・ガードII(株式会社東洋精機製作所製)にて、試験片のHazeを求めた。これらの結果について下記の表1にそれぞれ示す。
2)Li−St:ステアリン酸リチウム塩
3)AO−1: テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
4)AO−2:トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト
5)AO−3: ステアリル−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド
6)DHT−4A:ハイドタルサイト(協和化学工業社製)
また、比較例3及び比較例4より、第一工程で結晶核剤成分を重合時に添加しなかった場合は、結晶化促進効果は満足できるものではなかった。
これらに対して、実施例1〜2より、本発明の方法で製造した重合体は、結晶化促進効果に優れ、透明性の改善効果も優れることが確認できた。以上より、本発明の製造方法で得られた重合体を成形加工することにより、結晶化促進効果及び透明性に優れた成形品を得ることができる。
また、実施例3より、一般式(1)で表される結晶核剤成分と他の添加剤を重合系に添加した場合であっても、成形品の物性に対する影響は小さいことが確認できた。
Claims (6)
- 下記一般式(1)で表される化合物の1種以上からなる結晶核剤成分を有機アルミニウム化合物または有機アルミニウム化合物と有機溶剤に溶解させたものを、重合により得られる重合体100質量部に対して、結晶核剤成分が0.001〜10質量部となるように、オレフィンモノマーの重合前又は重合中に配合する第一工程と、
下記一般式(2)で表される脂肪族カルボン酸金属塩の1種類以上からなる脂肪族カルボン酸金属塩、又はアルカリ金属含有ハイドロタルサイトを、オレフィンモノマーを重合して得られた重合体100質量部に対して0.001〜10質量部添加して溶融混練する第二工程と、
を含むことを特徴とするオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
(式中、R1〜R4は各々独立して、水素原子又は分岐を有してもよい炭素原子数1〜9のアルキル基を表し、R5は水素原子又はメチル基を表し、mは1又は2を表し、mが1の場合、M1は水素原子を表し、mが2の場合、M1は、二族元素、Al(OH)又はZnを表す。)
(式中、R6は、分岐鎖を有してもよく、ヒドロキシル基およびシクロアルキル基から選ばれる1種以上の置換基を有してもよい炭素原子数1〜30の脂肪族基を表し、M2は、金属原子を表し、nは、1〜4の整数であって、M2の金属原子の価数を表す。) - 前記一般式(1)で表される化合物の1種以上からなる結晶核剤成分を有機アルミニウム化合物または有機アルミニウム化合物と有機溶剤に溶解させたものにおいて、結晶核剤成分と有機アルミニウム化合物の比率が、結晶核剤成分と有機アルミニウム化合物のアルミニウム分のモル比で、1/1000〜1/0.3の範囲内である請求項1記載のオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
- 前記一般式(2)で表される脂肪族カルボン酸金属塩が、ステアリン酸リチウム塩、ミリスチン酸リチウム塩、ステアリン酸ナトリウム塩、ミリスチン酸ナトリウム塩、および、これらのヒドロキシ置換化合物からなる群から選択されるものである請求項1または2記載のオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
- 前記アルカリ金属含有ハイドロタルサイト中のアルカリ金属が、リチウムまたはナトリウムである請求項1〜3の何れか一項記載のオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
- 前記有機アルミニウム化合物がトリアルキルアルミニウムである請求項1〜4の何れか一項記載のオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜5の何れか一項記載のオレフィン系樹脂組成物の製造方法で得られたオレフィン系樹脂組成物を成形してなる成形品。
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