JP2013256480A - タンニン酸ベルベリン粒子及びその製造方法、錠剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タンニン酸ベルベリンからなる核粒子の表面に水溶性成分が付着したタンニン酸ベルベリン粒子。タンニン酸ベルベリンからなる核粒子に、水溶性成分を含む噴霧用水溶液を噴霧し、乾燥する工程を含むタンニン酸ベルベリン粒子の製造方法。該タンニン酸ベルベリン粒子を含有する錠剤。
【選択図】なし
Description
このような問題に対し、従来は、タンニン酸ベルベリンを造粒し、造粒粒子として錠剤に配合する方法が用いられている(例えば特許文献1〜3)。タンニン酸ベルベリンは結合力が低く造粒しづらいため、造粒に際しては、結合力の高い水溶性高分子を多量に用いる、造粒補助となる賦形剤を加える、攪拌造粒のようにシェアが強くかかる造粒法を用いる、といったことが行われている。
造粒粒子に用いる水溶性高分子や賦形剤の量を減らすことも考えられるが、その場合、造粒粒子の凝集性が高くなり、錠剤質量偏差の改善効果が不充分となる。
本発明は上記知見に基づくものであり、以下の態様を有する。
本発明の第一の態様は、タンニン酸ベルベリンからなる核粒子の表面に水溶性成分が付着したタンニン酸ベルベリン粒子である。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様のタンニン酸ベルベリン粒子を製造する方法であって、
タンニン酸ベルベリンからなる核粒子に、水溶性成分を含む噴霧用水溶液を噴霧し、乾燥する工程を含むタンニン酸ベルベリン粒子の製造方法である。
本発明の第三の態様は、前記第一の態様のタンニン酸ベルベリン粒子を含有する錠剤である。
かかる粒子(a)は、タンニン酸ベルベリンの原末粒子に比べて、凝集性が大幅に低減している。そのため、本発明の粒子(a)を用いることで、タンニン酸ベルベリンを原末のまま配合する場合に比べて、質量偏差が少ない錠剤を製造できる。
粒子(a)の表面において、水溶性成分は、微粒子状で存在すると考えられる。この微粒子状の水溶性成分によって、粒子(a)間の凝集が抑制され、該凝集による錠剤質量偏差を抑制できると考えられる。
また、本発明においては、水溶性成分の量が少ない場合(例えば核粒子に対して4〜16質量%程度)でも充分な質量偏差改善効果が得られるため、従来の造粒粒子を用いる場合に比べて、錠剤中のタンニン酸ベルベリンの配合量を増やすことができる。そのため、錠剤の小型化も可能である。
さらに、従来のようにタンニン酸ベルベリンを造粒粒子として配合した錠剤は、造粒粒子に含まれる水溶性高分子が崩壊遅延を引き起こす、多量の水溶性高分子や賦形剤により錠剤が大型になる、攪拌造粒により造粒粒子が硬くなり、崩壊性が悪くなる、といった問題があるが、粒子(a)を用いることで、これらの問題も解決できる。
そのため本発明の粒子(a)は、錠剤の製造用として有用であり、中でも口腔内崩壊錠の製造用として有用である。
すなわち、崩壊性の悪さ、特に造粒粒子の硬さは、口腔内崩壊錠を服用し、口腔内で崩壊させた時の食感の悪さ、例えばザラつきや粉っぽさの原因となる。粒子(a)は、造粒粒子に比べて脆く、また、核粒子自体の大きさが小さいため、これを用いることで、口腔内で崩壊させたときの食感が良好な口腔内崩壊錠が得られる。
[1−1]前記核粒子100質量%に対する前記水溶性成分の割合が4〜16質量%である。
[1−2]核粒子の平均粒子径が50μm以下であり、かつ当該タンニン酸ベルベリン粒子の平均粒子径が、前記核粒子の平均粒子径の150%以下である。
[1−3]前記水溶性成分は、10質量%水溶液としたときの20℃における粘度、飽和水溶液としたときの20℃における粘度のうち、低粘度の方の粘度が10mPa・s以下となるものである。
[1−4]前記水溶性成分が、糖、糖アルコール及びポリエチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
[1−5]前記水溶性成分が、糖及び糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
[2−1]タンニン酸ベルベリンの含有量が15〜45質量%である。
[2−2]口腔内崩壊錠である。
[2−3]さらに、(b)崩壊剤と、(c)結晶セルロースと、(d)糖及び糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む。
[2−4]前記(b)崩壊剤の含有量が3〜7質量%である。
[2−5]前記(c)結晶セルロースの含有量が10〜20質量%である。
[2−6]前記(d)糖及び糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量が35〜55質量%である。
[2−7]前記(d)糖及び糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種が、ショ糖、果糖、乳糖、トレハロース、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトールからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
粒子(a)は、タンニン酸ベルベリンからなる核粒子と、その表面に付着した水溶性成分とから構成される。
核粒子は、平均粒子径が50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。一般的にタンニン酸ベルベリンは、粒子径が小さくなると凝集しやすくなる傾向にあり、特に平均粒子径が50μm以下になると凝集性が非常に高くなる。このような粒子をそのまま配合すると、製造時に凝集して錠剤質量偏差が大きくなってしまう。そのため本発明の有用性が高い。また、粒子(a)を口腔内崩壊錠に用いる場合、平均粒子径が小さいほど、ザラつきがなく食感が良好となる傾向があり、平均粒子径が50μm以下であれば充分に良好な食感となる。
平均粒子径の下限は特に限定されないが、取扱い性等を考慮すると、1μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。
なお、本明細書において、平均粒子径は、レーザー散乱回析法粒度分布測定装置(例えばBECKMAN COULTER社製LS 13 320)により測定される体積基準粒径分布に基づいて求められる算術平均径である。
水溶性成分としては、凝集抑制効果、錠剤質量偏差を低くする効果の観点からは特に制限はないが、核粒子に、水溶性成分を含む水溶液を噴霧し、乾燥して粒子(a)を製造する場合、10質量%水溶液としたときの20℃における粘度、飽和水溶液としたときの20℃における粘度のうち、低粘度の方の粘度が10mPa・s以下となるものが好ましく、5mPa・s以下となるものがより好ましく、3mPa・s以下となるものが特に好ましい。10質量%水溶液の粘度が高すぎると、口腔内で少量の唾液に水溶性成分が溶解して高濃度の水溶液となった際に、錠剤内への水の浸入を妨げ、錠剤の口腔内での崩壊性を悪化させるおそれがある。
水溶液の粘度は、E型粘度計(東京計器(株)製、VISCONIC ELD型)により測定できる。
糖としては、例えば、果糖、ブドウ糖等の単糖;ショ糖、乳糖、トレハロース、マルトース、セロビオース、バラチノース等の二糖;マルトトリオース、フラクトオリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖等が挙げられる。
糖アルコールとしては、例えば、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール等が挙げられる。
ポリエチレングリコールとしては、通常、常温(15〜30℃)で固体であるものが用いられ、分子量が4000〜6000であるものが好ましく、例えばマクロゴール4000、マクロゴール6000等が挙げられる。
中でも、崩壊性への悪影響が特に少ないこと、造粒が進行しにくいこと等から、糖及び糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、単糖、二糖、糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、糖アルコールが特に好ましい。
本発明の粒子(a)の製造方法としては、凝集抑制効果や錠剤偏差抑制効果に優れること、製造の容易さ等の観点から、タンニン酸ベルベリンからなる核粒子に、水溶性成分を含む水溶液を噴霧し、乾燥する工程を含む製造方法が好ましい。
核粒子に前記水溶液を噴霧すると、核粒子表面が該水溶液でコーティングされる。これを乾燥すると、水溶性成分が析出し、粒子(a)が得られる。
このようにして得られる粒子(a)においては、核粒子の表面全体が、該表面に付着した水溶液の乾燥によって析出した水溶性成分の微粒子で覆われていると考えられる。
(1)水溶性成分を含む噴霧用水溶液を調製する工程。
(2)タンニン酸ベルベリンからなる核粒子の表面に、前記噴霧用水溶液を噴霧、乾燥する工程。
噴霧用水溶液は、噴霧しやすさ、核粒子表面の被覆しやすさ、造粒粒子となることを防ぐ等の観点から、20℃における粘度が10mPa・s以下であることが好ましく、5mPa・s以下であることがより好ましい。
噴霧用水溶液中、水溶性成分の含有量は、当該噴霧用水溶液が噴霧可能な範囲内であればよく、特に限定されないが、通常、10質量%以下であり、飽和水溶液の濃度が10質量%未満であれば飽和水溶液の濃度以下である。水溶性成分として、10質量%水溶液としたときの20℃における粘度、飽和水溶液としたときの20℃における粘度のうち、低粘度の方の粘度が10mPa・s以下となる化合物を使用すると、噴霧用水溶液の粘度は充分に低いものとなる。
内服固形製剤としては特に錠剤が好適である。粒子(a)は、タンニン酸ベルベリンの原末(核粒子)に比べて凝集性が低いため、粒子(a)を他の任意成分(賦形剤等)と混合して打錠して得られる錠剤は、質量偏差が少ないものとなる。
本発明の錠剤は、前記粒子(a)を含有する。
錠剤中の粒子(a)の含有量は特に限定されず、錠剤中のタンニン酸ベルベリンの所望の含有量に応じて適宜設定できる。
本発明の錠剤中、タンニン酸ベルベリンの含有量は特に限定されないが、従来は、タンニン酸ベルベリンの含有量が多いほど、錠剤質量偏差が大きくなる傾向があり、タンニン酸ベルベリンを高含有量で含有しつつ錠剤質量偏差の少ないものを得ることは難しかった。そのため、タンニン酸ベルベリンの含有量が多いほど、本発明の有用性が高い。その一方で、含有量が多すぎると、本発明の効果が不充分となるおそれがある。そのため、本発明の錠剤中、タンニン酸ベルベリンの含有量は、15〜45質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。
錠剤に含まれるタンニン酸ベルベリンは、粒子(a)に由来するもののみであってもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、粒子(a)に由来しないもの(原末)をさらに含んでもよい。
ただし、本発明の効果を考慮すると、錠剤に含まれるタンニン酸ベルベリンの総量のうち、粒子(a)に由来しないもの(原末)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量%が最も好ましい。すなわち、錠剤中のタンニン酸ベルベリンは全て粒子(a)として配合されていることが最も好ましい。つまり、錠剤中の粒子(a)の含有量が、核粒子であるタンニン酸ベルベリン換算量として15〜45質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることがより好ましい。
本発明の錠剤が口腔内崩壊錠である場合、粒子(a)に加えて、さらに、(b)崩壊剤(以下、(b)成分)と、(c)結晶セルロース(以下、(c)成分)と、(d)糖及び糖アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種(以下、(d)成分)とを含むことが好ましい。(b)成分を含有することで錠剤の崩壊性が向上する。また、(c)成分を含有することで、錠剤成形時の結合力が付与される。また、(d)成分を含有することで、口腔内崩壊錠として服用した時の食感がさらに向上する。
そのため、粒子(a)とともに(b)〜(d)成分を含有することで、優れた錠剤硬度(例えば6kgf以上)と、優れた崩壊性(例えば口腔内での崩壊時間が30秒以下)と、ザラつき、粉っぽさが抑制された良好な食感とを有する口腔内崩壊錠を実現できる。
(b)成分は、錠剤の崩壊性を向上させる成分である。
(b)成分としては、例えば、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分α化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、クロスポビドンが好ましい。クロスポビドンを用いることで、他の崩壊剤(例えばL−HPC、部分α化デンプン、クロスカルメロースNa等)を用いる場合に比べて、錠剤強度及び崩壊性に優れ、良好な食感となる錠剤が得られる。
(b)成分としては、特に、粒子(a)との混和性、錠剤の崩壊性、食感(ザラつきが少ない)等が良好であることから、平均粒子径が50μm以下のものが好ましい。
錠剤中、(b)成分の含有量は、3〜7質量%が好ましく、4〜6質量%がより好ましい。3質量%以上であると充分な崩壊性が得られる。7質量%以下であると食感が良好である。
(c)成分は、錠剤成形時の結合力を付与する成分である。
(c)成分としては、一般的に結晶セルロース、微結晶セルロースと呼ばれるものを用いることができる。
(c)成分としては、粒子(a)との混和性、食感(ザラつきが少ない)等が良好であることから、平均粒子径が100μm以下のものが好ましい。
錠剤中、(c)成分の含有量は、10〜20質量%が好ましく、10〜15質量%がより好ましい。10質量%以上であると充分な錠剤強度が得られる。20質量%以下であると食感が良好である。
(d)成分は、服用時の食感を改善する成分であり、粒子として配合される。
糖としては、例えば、果糖、ブドウ糖等の単糖;ショ糖、乳糖、トレハロース、マルトース、セロビオース、バラチノース等の二糖;マルトトリオース、フラクトオリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖等が挙げられる。
糖アルコールとしては、例えば、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール等が挙げられる。
(d)成分としては、上記のなかでも、冷涼感があり、より食感が良好となることから、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトールからなる群から選ばれる少なくとも1種の糖アルコールが好ましい。
錠剤中、(d)成分の含有量は、35〜55質量%が好ましく、35〜45質量%がより好ましい。35質量%以上であると食感が良好である。55質量%以下であると錠剤強度、崩壊性が良好である。
打錠は公知の打錠成型機、例えばリブラ(製品名、菊水製作所製)、L−41型(製品名、畑鐵工所製)などのロータリー式の打錠機等を用いて実施できる。
口腔内崩壊錠は、嚥下困難な患者あるいは高齢者や小児にとっても服用しやすいことから、近年開発が要望されている。その製造方法として、例えば、懸濁液を鋳型に流し減圧乾燥又は凍結乾燥させる方法、湿式造粒物を湿潤したまま打錠した後乾燥する方法、ならびに乾式打錠後温度管理が必要なエージング工程を経て口腔内崩壊錠を得る方法等が報告されているが、これらの方法は特殊な設備や工程が必要となる。より簡便な方法として崩壊性・溶解性の高い賦形剤を組み合わせる方法、成形性の高い糖類により成形性の低い糖類を造粒して成形性と崩壊性とをあわせ持つ賦形剤として利用する方法が知られているが、配合量の多い薬物の場合、その効果が不充分となる。
我々もこれまでに配合量の多い薬物を配合する口腔内崩壊錠技術として、(1)薬物造粒粒子と糖アルコール造粒粒子を及びクロスポビドンを配合する技術、(2)単糖を含む水溶液にて湿式造粒する技術、(3)造粒粒子内に乾燥水酸化アルミニウムゲルを配合する技術などを提案してきたが、(1)の方法は賦形剤量が多く錠剤が大型化してしまう、(2)、(3)の方法は造粒粒子が硬くなりやすい攪拌造粒法を用いていたため、ザラつきを抑制するために、造粒条件を精密に制御しなければならないといった問題がある。
これに対し本発明においては、上記のような特殊な装置や製造工程を必要とせず、より簡便な製造方法、すなわち、水溶液の噴霧により粒子(a)を製造し、これを任意成分と混合して打錠するという簡便な製造方法で、タンニン酸ベルベリンを高含量配合し、強度及び崩壊性に優れ、良好な食感の口腔内崩壊錠を安定に(錠剤質量相対標準偏差がない)得ることができる。
以下の各例で使用した原料を以下に示す。なお、粘度は、E型粘度計(東京計器(株)製、VISCONIC ELD型)を用いて20℃における値を測定した。
[粒子(a)の原料]
タンニン酸ベルベリン:アルプス薬品工業(株)製、平均粒子径25μm。
(水溶性成分)
マンニトール(50C):ロケットジャパン(株)製(商品名:ペアリトール50C)(10質量%水溶液、飽和水溶液のうち低粘度の方の粘度:1.4mPa・s)。
果糖:加藤化学(株)製(10質量%水溶液、飽和水溶液のうち低粘度の方の粘度:1.6mPa・s)。
マクロゴール6000:三洋化成工業社製(10質量%水溶液、飽和水溶液のうち低粘度の方の粘度:5.9mPa・s)。
(非水溶性成分(比較品))
軽質無水ケイ酸:富士シリシア化学(株)製(商品名:サイリシア350)。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:富士化学工業(株)製(商品名:ノイシリンUFL2)。
トウモロコシデンプン:松谷化学(株)製。
クロスポビドン(CL−SF):BASFジャパン(株)製(商品名:コリドンCL−SF)、平均粒子径25μm。
[(c)成分]
結晶セルロース(UF702):旭化成(株)製(商品名:セオラスUF−702)、平均粒子径90μm。
[(d)成分]
マンニトール(200SD):ロケットジャパン(株)製(ペアリトール200SD)、平均粒子径180μm。
[その他の成分]
ロートエキス3倍散C:アルプス薬品工業(株)製。
シャクヤク乾燥エキス:日本粉末薬品(株)製。
軽質無水ケイ酸:(有)ワイケイエフ製(商品名:サイリシア350)。
アスパルテーム:味の素(株)製。
l−メントール:長岡実業(株)製。
トウモロコシデンプン:松谷化学(株)製。
香料:塩野香料(株)製。
ステアリン酸マグネシウム:太平化学産業(株)製。
以下の手順で、表1〜2に示す組成の錠剤を製造した。
なお、表1〜3に示す組成は、錠剤1錠中の各成分の配合量(mg)を示す。
水溶性成分(マンニトール、果糖又はマクロゴール6000)を水に溶解して濃度4質量%の噴霧用水溶液を調製した。
次に、流動層造粒機MP−01(パウレック製)を用いて、タンニン酸ベルベリンの原末300gに対し、下記の噴霧・乾燥条件にて、前記噴霧用水溶液を所定量噴霧し、乾燥することにより、表1〜3に示す平均粒子径の粒子(a)を得た。
(噴霧・乾燥条件)噴霧用水溶液の噴霧速度20mL/min。吸気温度80℃。風量0.6m3/min。噴霧終了後、排気温度55℃に達した時点で乾燥を終了した。
粒子(a)、クロスポビドン、マンニトール、結晶セルロース、その他添加剤を所定の比にとり、ビニール袋に入れ20回程度手で振って混合したのち、滑沢剤を入れさらに10回混合した。この混合粉体を、LIBRA2(菊水製作所製)を用いて打錠し、円形錠を得た。円形錠は、実施例1、7については直径9mm、その他の実施例については直径11mmとした。打錠圧は、錠剤硬度測定器(ヤマト科学製)にて硬度6kgf以上になるように調整した(回転盤回転数:30rpm、杵本数:12本)。
得られた粒子(a)の凝集度と円形錠の錠剤質量相対標準偏差について、以下の手順で評価した。結果を表1〜2に示す。
[粒子の凝集度]
目開き150μmの篩を用い、サンプル2gを篩上に乗せ、ミクロ形電磁振動篩器(筒井理化学器械製)を用いて、目盛り5にて5分間振動させ、篩上に残ったサンプルの質量(g)を測定した。測定結果から、以下の式により粒子(a)の凝集度(%)を算出した。
凝集度={(篩上に残ったサンプルの質量)/2}×100
(基準)
○:10%未満。
△:10%以上、50%未満。
×:50%以上。
円形錠1錠の質量を20錠測定し、その相対標準偏差を算出した。
上記の相対標準偏差の値から、以下の基準で錠剤質量の均一性を評価した。○を許容範囲とする。
(基準)
○:1%未満。
△:1%以上、2%未満。
×:2%以上。
粒子(a)の代わりにタンニン酸ベルベリンの原末をそのまま用いた以外は実施例2と同様に、混合粉体を調製し、打錠して直径11mmの円形錠を得た。
タンニン酸ベルベリンの凝集度を前記粒子(a)の凝集度と同様に評価した。また、円形錠の錠剤質量相対標準偏差を前記と同様に評価した。結果を表3に示す。
非水溶性成分(軽質無水ケイ酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム又はトウモロコシデンプン)を水に分散させて濃度4質量%の水分散液を調製した。
この水分散液を前記水溶液の代わりに用いた以外は実施例2と同様にして、粒子(a)の製造と錠剤の製造を行って直径11mmの円形錠を得た。
粒子(a)の凝集度、円形錠の錠剤質量相対標準偏差を前記と同様に評価した。結果を表3に示す。
一方、粒子(a)の代わりに、凝集度が高いタンニン酸ベルベリンの原末をそのまま使用した比較例1の錠剤は、崩壊性は良好であったものの、質量偏差が大きかった。
水溶性成分の代わりに非水溶性成分を用いた比較例2〜4は、タンニン酸ベルベリンの原末を用いた場合よりは改善したものの、粒子(a)の凝集抑制効果や錠剤質量偏差抑制効果は不充分であった。
造粒により原末の凝集性等を改変して錠剤物性(製錠)をコントロールする場合、造粒粒子の適正な粒子径、かさ密度等を都度設計し制御する必要があり、その制御のために精密な造粒条件設定が必要になる。一方、本発明によれば、造粒によらず、水溶性成分を核粒子(原末)に付着させれば本発明の効果が得られるので、前記課題(粒子設計、精密な条件設定等)が無く、スケールアップも容易である。
実施例1〜9の錠剤について、口腔内崩壊時間を評価した。結果を表4に示す。
円形錠の口腔内崩壊時間を、成人男性10人により以下の手順で評価した。
円形錠を口腔内に入れ、舌で転がしながら錠剤を崩壊させ、錠剤が完全に崩壊するまでの時間を測定した。10人の平均値を算出し、その値から、以下の基準で錠剤の崩壊性を評価した
(基準)
◎:30秒未満。
○:30秒以上、45秒未満。
△:45秒以上、60秒未満。
×:60秒以上。
Claims (6)
- タンニン酸ベルベリンからなる核粒子の表面に水溶性成分が付着したタンニン酸ベルベリン粒子。
- 前記水溶性成分が、糖、糖アルコール及びポリエチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のタンニン酸ベルベリン粒子。
- 前記核粒子100質量%に対する前記水溶性成分の割合が4〜16質量%である請求項1又は2に記載のタンニン酸ベルベリン粒子。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンニン酸ベルベリン粒子を製造する方法であって、
タンニン酸ベルベリンからなる核粒子に、水溶性成分を含む噴霧用水溶液を噴霧し、乾燥する工程を含むタンニン酸ベルベリン粒子の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンニン酸ベルベリン粒子を含有する錠剤。
- 口腔内崩壊錠である請求項5に記載の錠剤。
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