JP2013255984A - 切削装置及び切削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像装置により得られた画像とレーザ変位計の計測データとを合わせて用いることにより、生産性が高く高精度な切削装置を提供する。
【解決手段】ワーク10を切削する切削装置100であって、ワーク10を切削するブレード22と、ブレード22を回転させるモータを備えたスピンドル20と、ワーク10の表面の形状を計測するレーザ変位計35と、ワーク10の表面を撮像する撮像装置30と、レーザ変位計35により計測して得られたデータと、撮像装置30により得られた画像とを用いてワーク10の切削位置を特定し、特定された切削位置においてワーク10を切削するようにブレード22を制御する制御部40とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワークを切削する切削装置及び切削方法に関する。
従来、焼成前の積層セラミックコンデンサなどのワークを切削して個片化する場合、ワーク上に印刷されたアライメントマークを基準としてアライメントマーク間の距離を均等分割することにより、ワークの切削位置を決定していた。
例えば、特許文献1には、積層コンデンサのような表面に切削すべき領域が現れない積層被加工物(ワーク)を個々のチップ状に分割する切削方法が開示されている。特許文献1の切削方法では、積層被加工物の向かい合う一組の辺それぞれの近傍に、アライメントマークとして用いられる傾斜溝を形成して、この積層被加工物の切削工程でのアライメントを行う。
また、特許文献2には、2点間の深さ方向の位置の差を求めることができる深さ計測装置を備えた切削装置が開示されている。特許文献2の切削装置では、切削位置を正確に制御するため、計測対象物(ワーク)の表面を撮像して得られた第一の焦点検出位置と、計測対象物の表面に形成された溝(溝底)を撮像して得られた第二の焦点検出位置との差を算出して溝の深さを求める。
特開2000−252241号公報 特開2003−214822号公報
しかしながら、積層セラミックコンデンサを製造する際の前工程において、内部電極および誘電体ペーストを備えたシート部材を積層して圧力を加える際に、積層後のシート部材(積層部材)が互いにずれたり、全体が平面視で樽型や糸巻型に歪んだりすることがある。積層部材が互いにずれたり歪んだりした状態で、アライメントマークを基準とした均等分割を行って切削すると、積層セラミックコンデンサの外形精度および歩留まりが悪化するおそれがある。
また、切削精度を向上させるため、レーザ変位計を用いて積層部材の全面スキャンを行うことにより積層部材を切削する方法や、積層部材の端部をハーフカットしてその内部を露出させた状態でアライメントを行う方法などもある。しかし、これらの方法では、生産性や精度の観点で問題がある。
また、レーザ変位計を点の深さ計測ではなく、ある程度の長さを持った線の計測として用いる場合には、データの計測開始(または、終了)のトリガが重要となるが、計測開始位置と実際に検出した位置との照合が困難である。
以上のような問題は、焼成前のセラミックコンデンサだけでなく、スリット入りの試料(導光板などのガラスや樹脂のワーク)など、他の部材を切削する場合にも生じうる。
そこで本発明は、撮像装置により得られた画像とレーザ変位計の計測データとを合わせて用いることにより、低コストで高精度な切削装置および切削方法を提供する。
本発明の一側面としての切削装置は、ワークを切削する切削装置であって、前記ワークを切削するブレードと、前記ブレードを回転させるモータを備えたスピンドルと、前記ワークの表面の形状を計測するレーザ変位計と、前記ワークの表面を撮像する撮像装置と、前記レーザ変位計により計測して得られたデータと、前記撮像装置により得られた画像とを用いて前記ワークの切削位置を特定し、該切削位置において該ワークを切削するように前記ブレードを制御する制御部とを有する。
本発明の他の側面としての切削方法は、ワークを切削する切削方法であって、レーザ変位計を用いて前記ワークの表面の形状を計測する計測工程と、撮像装置を用いて前記ワークの表面を撮像する撮像工程と、前記レーザ変位計により計測して得られたデータと、前記撮像装置により得られた画像とを用いて前記ワークの切削位置を特定するアライメント工程と、前記アライメント工程で特定された前記切削位置において前記ワークを切削する切削工程とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、撮像装置により得られた画像とレーザ変位計の計測データとを合わせて用いることにより、低コストで高精度な切削装置および切削方法を提供することができる。
本実施例における切削装置の概略構成図である。 本実施例の切削方法における前準備工程のフローチャートである。 本実施例の切削方法における切削線調整工程のフローチャートである。 本実施例において、レーザ変位計によるスキャン計測、及び、レーザ変位計により計測されたデータと撮像装置により得られた画像との位置合わせの説明図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図の説明において、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、本実施例における切削装置について説明する。図1は、本実施例における切削装置100の概略構成図である。切削装置100は、積層セラミックコンデンサを製造するためのワーク10(焼成前の積層セラミックコンデンサ)を、画像処理によりその切削位置それ自体を直接特定して切削するように構成されている。なお、ワーク10としては、セラミック誘電体と内部電極部材が積層された積層体を使用することができる。
ワーク10は、切削装置100により、図1中の破線12に沿って切削されて個片化される。ワーク10において、破線12に相当する格子状の部分(および、その周辺部分)は、内部構造が他の部分と異なり、他の部分よりも例えば数μm程度低くなっている。このように、破線12に相当する部分と他の部分との段差は非常に小さい。このため、実際に切削しようとする破線12の部分は特定しにくく、通常の撮像手段で単に撮像し又はレーザ変位計で変位を計測するだけで切削位置を正確に特定するのは困難である。
本実施例において、ワーク10の四隅には、アライメントマーク14が設けられている。アライメントマーク14は、切削装置100を用いてワーク10を切削する際の位置合わせを行うために設けられている。本実施例の切削装置100は、後述のように、アライメントマーク14による所定の画像処理による位置合わせを行い、撮像装置30により取得されたワーク10の画像に対して画像処理を行うことによりワーク10の切削位置を特定する。また、レーザ変位計35の計測データを併用することで、ワーク10の切削位置を高精度に検出する。そして、切削装置100を用いてワーク10をX軸方向及びY軸方向に切削することにより、多数の積層セラミックコンデンサ(個片化ワーク)が製造される。
なお、本実施例のワーク10は積層セラミックコンデンサを製造するための積層構造体であるが、同様の構造や凸凹の溝や条を有するワークであればこれに限定されるものではない。本実施例は、ワークの切削部それ自体を画像処理およびレーザ変位計の計測により検出可能な構造体に広く適用することができる。このような構造体(ワーク)であれば、本実施例は、例えば、スリット入りの試料(導光板などのガラスや樹脂ワーク)や、リードフレームの上に複数の半導体素子(ICチップ)を搭載して樹脂封止された半導体パッケージを製造するためのワークにも適用可能である。なお導光板とは、液晶バックライトなどにおいて光源から発光面に光を導くために用いられるものである。
切削装置100において、20a、20bは、装置の枠体に対してX方向に進退可能に取り付けられているスピンドル(第1のスピンドル、第2のスピンドル)である。スピンドル20a、20bは互いに向かい合うように設けられており、X方向に互いに独立して移動可能に構成されている。22a、22bは、ダイシングブレード(切削刃:以下、単に「ブレード」という)である。ブレード22a、22bは、それぞれ、スピンドル20a、20bの先端部に取り付けられている。このように、本実施例の切削装置100は、2つのスピンドル20a、20bのブレード22a、22b同士を対向して設け、ワーク10を同時に切削可能なツインスピンドル構成を有する。ただし本実施例は、これに限定されるものではなく、1つのスピンドルのみを備えたシングルスピンドル構成を有する切削装置にも適用可能である。
15は、ワーク10をθ方向に回転可能に構成されたθテーブル(回転テーブル)である。ブレード22a、22bは、スピンドル20a、20bのそれぞれの内部に設けられたモータ(不図示)によりスピンドル20a、20bの回転とともに回転し、θテーブル15上に載置されたワーク10を切削することが可能である。スピンドル20a、20bは、位置決めモータ(不図示)によりX方向に移動可能に構成されており、ワーク10の切削位置をX方向に移動させることができる。位置決めモータとしては、回転数が可変可能であって任意の値に設定できる例えばサーボモータやリニアモータが用いられる。このため、位置決めモータは、スピンドル20a、20bをX方向に任意の一定速度で移動させることができる。また本実施例において、1つのスピンドル(スピンドル20a、20bの少なくとも一方)に複数のブレードを取り付けたマルチブレード構成としてもよい。この場合、積層セラミックコンデンサの間隔に基づいてブレードの間隔が設定される。
θテーブル15は、テーブルモータ(不図示)により駆動されることで、Y軸方向に送り移動可能に構成されている。またθテーブル15は、テーブル回転モータ(不図示)により駆動されることで、XY平面内でθ方向に回転可能に構成されている。このため、θテーブル15に載置されたワーク10の切削方向を任意に設定することが可能となる。
30は、スピンドル20aに取り付けられた撮像装置(カメラ)である。また撮像装置30により得られたワーク10の画像は、制御部40を介して表示部60に出力される。撮像装置30はスピンドル20aに取り付けられているため、撮像装置30により得られた画像の位置は、ブレード22aの位置に対してX方向にXa/Y方向にYaだけシフトした位置となる。
35は、スピンドル20bに取り付けられたレーザ変位計である。レーザ変位計35は、ワーク10の表面の形状を計測するように構成されている。レーザ変位計35は、ワーク10の表面までの距離を計測するセンサとして用いられ、切削装置100にレーザ変位計35を設けることにより、ワーク10の表面までの距離が計測可能となる。レーザ変位計35はスピンドル20bに取り付けられているため、レーザ変位計35による計測位置は、ブレード22bの位置に対して−X方向にXb/Y方向にYbだけシフトした位置となる。
θテーブル15のθ軸は、撮像装置30により得られた画像およびレーザ変位計35により計測されたデータから得られた位置情報に基づいて制御される。なお本実施例において、撮像装置30はスピンドル20aに取り付けられ、レーザ変位計35はスピンドル20bに取り付けられており、2つのスピンドル20a、20bを同時に駆動して移動などの動作を並行させることで後述の処理の高速化を図ることが可能となっている。ただし本実施例は、これに限定されるものではなく、いずれか一方のスピンドルに撮像装置30及びレーザ変位計35の両方を取り付けるように構成してもよい。
制御部40は、切削装置100の各部の動作を制御する。特に本実施例において、制御部40は、撮像装置30により取得されたワーク10の画像およびレーザ変位計35により計測されたワーク10のデータの両方を用いてワーク10の切削位置を特定する。このとき制御部40は、撮像装置30の画像データから得られた絶対位置をレーザ変位計35の計測データに反映させることにより、高精度な絶対位置検出が可能となる。そして制御部40は、特定された切削位置においてワーク10を切削するようにブレード22a、22bを制御する。
記憶部50は、例えば半導体メモリやハードディスク等により構成されており、所定の制御プログラムを記憶している。また、記憶部50は、制御部40が各種の信号処理や画像処理を行う間、制御部40との間で情報のやり取りを行いながら、順次、情報を記憶していく。
表示部60には、例えば、ワーク10の切削状況、ワーク10の切削位置、スピンドル20a、20bの回転数、負荷電流、切削速度、切削トータル距離、ブレード外径、及び、切削加速度等の各加工条件情報や後述する画像処理結果などが表示される。
例えば、表示部60には、計測処理結果が確認容易となるように位置データの軸とワークWの高さの軸とにより示されるグラフとして表示される。具体的には、表示部60には、補正された位置データとワークWの計測高さを表すグラフが表示されると共に、後述の第1のトリガと第2のトリガの間における生データ、フィルタ処理後のデータおよび溝部Aの中心位置(すなわち切削線の中心となる位置)が表示/非表示を選択可能に表示される。また、表示部60には、その他一箇所又は複数箇所に対して、その表面形状により検出が必要な処理に応じて、凸凹の中心位置、凸凹間隔とピッチ、極小値、極大値が表示/非表示選択可能に表示してもよい。
次に、図2乃至図4を参照して、本実施例におけるワーク10の切削方法(アライメント方法)について説明する。なお、本実施例の切削方法は、オペレータによって行われる一部の工程を除き、切削装置100の制御部40の指令に基づいて行われる。
図2は、ワーク10の切削方法における前準備工程のフローチャートである。この前準備工程は、大まかな位置合わせのために、切削装置100を立ち上げ時に一度だけ行われる。この前準備工程により得られた結果は、制御部40の内部メモリ又は記憶部50に記憶され、後述の切削線調整の際に用いられる。
まずステップS101において、θテーブル15の上にワーク10を載置して、ブレード22a、22bに対するワーク10のθ角度(XY平面内の角度)を調整する。このとき制御部40は、撮像装置30で取得した画像を用いてワーク10の四隅に配置されたアライメントマーク14の位置を認識し、これらのアライメントマーク14の位置に基づいて、ワーク10のθ角度を調整する(ワーク10の位置合わせを行う)。該当するアライメントマークが無い場合 には、ワークのコーナ(角)や辺のエッジから画像処理により位置決めした結果を使いθ角度を調整しても良い。なお、図2に示していないが、本工程の前提として、撮像装置30が取り付けられたスピンドル20aの切削線位置(ブレード22aの位置)と撮像装置30の中心位置との位置合わせ(シフト量Xa/Ya)は行われているものとする。
続いて、レーザ変位計35を用いて、すなわちスピンドル20bをX方向に移動させて、ワーク10のスリット(溝部)を端からスキャンし、1本目のスリットが存在する位置を検出する。具体的には、まずステップS102において、レーザ変位計35に計測開始のトリガを出力する。続いてステップS103において、ワーク10に対して、レーザ変位計35によるスキャン計測を行う。その後、ステップS104において、レーザ変位計35に計測終了のトリガを出力し、レーザ変位計35による計測が終了する。そしてステップS105において、制御部40は、レーザ変位計35の計測データの処理を行う。
続いて、撮像装置30(スピンドル20a)を用いて、同じ位置、すなわち1本目のスリットが存在する位置を認識し、レーザ変位計35による計測データとのシフト量を補正する。具体的には、ステップS106において、制御部40は、撮像装置30を用いてスキャンした特徴点(溝部など)を所定の画像処理を行って認識する。続いてステップS107において、制御部40は、撮像装置30で得られた画像を処理して認識した絶対位置をレーザ変位計35による計測データに反映させる。以上の前準備工程により、2つのスピンドル20a、20bのそれぞれの位置X1、X2の大まかな位置合わせが完了する。
図3は、ワーク10の切削方法における切削線調整工程のフローチャートである。図2の前準備工程が完了すると、続いて、図3の切削線調整工程に進む。この切削線調整工程は、例えばブレードを交換する度に、毎回行われる。
まずステップS201において、ステップS101と同様に、θテーブル15の上にワーク10を載置して、ブレード22a、22bに対するワーク10のθ角度を調整する。このとき制御部40は、撮像装置30で取得した画像を用いてアライメントマーク14の位置を認識し、これらのアライメントマーク14の位置に基づいて、ワーク10のθ角度を調整する(ワーク10の位置合わせを行う)。
続いてステップS202において、レーザ変位計35が取り付けられたスピンドル20b(ブレード22b)を用いて、所定の位置にて実際にワーク10の切削(試し切削)を行う。所定の位置とは、例えば、前準備工程で検出した1本目のスリット(溝部)に隣接するスリットの位置であるが、これに限定されるものではない。
続いてステップS203において、制御部40は、同じ位置(ステップS202にてスピンドル20bで切削された切削線の位置)を撮像装置30からの画像を用いて画像処理を行うことで認識する。そしてステップS204において、切削線の中心位置と画像処理により認識された中心位置とを合わせる。
続いてステップS205において、制御部40は、レーザ変位計35がデータの計測を開始するため、計測開始のトリガ(第1トリガ)をレーザ変位計35に出力し、その際のX方向の位置を記憶部50に記憶する。そしてステップS206において、ワーク10の切削線に対して、レーザ変位計35によるスキャン計測を行う。その後、ステップS207において、制御部40は、レーザ変位計35がデータの計測を終了するため、計測終了のトリガ(第2トリガ)をレーザ変位計35に出力する。そしてステップS208において、制御部40は、レーザ変位計35の計測データの処理を行う。なお、レーザ変位計35によるスキャン計測(計測開始から計測終了まで)、及び、計測データ処理(ステップS205〜S208)の詳細については、図4を参照して後述する。
続いてステップS209において、制御部40は、ステップS208で得られたデータ処理結果から、切削線の中心位置を算出する。すなわちレーザ変位計35は、スピンドル20bによる実際の切削線をスキャンすることで、切削線の中心位置を算出する。なお、切削線の中心位置の算出(ステップS209)の詳細については、図4を参照して後述する。
続いてステップS210において、制御部40は、撮像装置30で得られた画像を処理して認識した絶対位置をレーザ変位計35による計測データに反映させる。すなわち、レーザ変位計35が取り付けられたスピンドル20bを用いて切削した位置(切削線の中心位置)を、スピンドル20aに取り付けられた撮像装置30を用いて画像認識させて、レーザ変位計35により計測位置と撮像装置30により認識される位置とのずれ(シフト量)を補正する。この補正工程(ステップS210)の詳細は、図4を参照して後述する。
以上の切削線調整工程により、スピンドル20a、20bに取り付けられる(交換後の)ブレード22a、22bを用いた補正処理が完了する。このような構成によれば、スピンドル20aに取り付けられた撮像装置30により画像認識された位置をスピンドル20bに指定することにより、指定された位置をレーザ変位計35で正確に認識された中心位置において切削することが可能となる。
次に、図4を参照して、レーザ変位計35によるスキャン計測(主に、ステップS205〜S210)について詳述する。図4は、レーザ変位計35によるスキャン計測、及び、レーザ変位計35により計測されたデータと撮像装置30により得られた画像との位置合わせの説明図である。
図4(a)は、レーザ変位計35により計測されたデータであり、縦軸は高さZ、横軸は計測開始から計測終了までの時間tをそれぞれ示している。図4(a)に示されるように、レーザ変位計35の計測データは、設定した高精度な周期毎にサンプリング計測されて、ワーク10の高さZ(凹凸)と時間tとの関係として出力される。このため、レーザ変位計35の計測データを撮像装置30による画像を合わせる(計測データと画像を関連付ける)には、まず、レーザ変位計35の時間tに対する計測データを、位置xに対するデータに変換し、位置データを算出する必要がある。
図4(b)は、図4(a)のレーザ変位計35の計測データを変換して得られた位置データであり、縦軸は高さZ、横軸は計測開始位置を基準とした距離x(X方向の位置)をそれぞれ示している。計測開始位置は、図3のステップS205にて制御部40からレーザ変位計35に対して計測開始のトリガ(第1トリガ)が出力された位置である。第1トリガは、スピンドル20bの位置決めモータ(サーボモータ)による回転が一定速度になり、スピンドル20bに取り付けられたレーザ変位計35が一定速度でX方向に移動している状態になった後に出力される。
レーザ変位計35が取り付けられたスピンドル20bは、ステップS207にて制御部40から第2トリガ(計測終了のトリガ)が出力されるまで、一定速度を保つ。すなわち、第1トリガ及び第2トリガは、スピンドル20bが任意の一定速度で移動している間に出力される。このため、レーザ変位計35の時間tと距離xとの関係は位置決めモータの回転による移動速度を係数とした比例関係となり、図4(a)の計測データと図4(b)の速度で正規化した位置データは互いに同様の形状を有するグラフとなる。このように制御部40は、レーザ変位計の時間tに対する計測データを距離xに対する位置データに変換する。
ただし、図4(a)の計測データと図4(b)の位置データとの間には、計測速度、レーザ変位計のサンプリング周期、各機器の応答遅れなどに起因する理由により、計測速度やサンプリング周期の条件が同じであれば一定のオフセットΔtが生じる。このため、図4(b)中の溝部Aの位置は、実際の位置からオフセットΔtの分だけずれて算出される。このため制御部40は、オフセットΔtを校正して、レーザ変位計35の計測データから位置データを生成する。すなわち制御部40は、オフセットΔtを校正した後の位置データと撮像装置30の画像から得られた画像データとのずれを補正する。図3のステップS208における計測データ処理は、図4(a)に示されるような高さZと時間tとの関係を、図4(b)に示されるような高さZと位置xとの関係に変換すること、すなわち位置データを求めることに相当する。
以上を式で表すと次のような変換式(1)となる。
x=v(t−Δt)+x0 …(1)
x :位置
x0:計測開始位置
v :速度
t :時間(「サンプリング周期×サンプリング数」で算出)
Δt:オフセット
図4(c)は、図4(b)中の溝部Aの拡大図である。図4(c)中の実線は、生データ、すなわち図4(b)の位置データそのものを示す。図4(c)中の破線は、生データに対して所定の平滑化フィルタ処理を行って得られたフィルタ処理後のデータを示す。本実施例において、制御部40は、フィルタ処理後のデータに基づいて、溝部Aの中心位置(図4(c)中の一点鎖線)すなわち切削線の中心となる位置を算出する。この算出工程は、図3のステップS209に相当する。
図4(d)は、撮像装置30により得られた画像(表示部60の画像)とレーザ変位計35による計測データから得られた溝部Aの位置を同時に表示したものである。図4(d)に示されるように、溝部Aの位置は、画像の中心Oから距離xdだけずれている。このずれ、すなわち撮像装置30により得られた画像とレーザ変位計35による計測データから得られた結果のずれを補正する(シフトさせる)ことで、図4(e)に示されるように溝部Aの位置を画像の中心Oに合わせることができる。この校正工程は、図3のステップS210に相当する。
また、表示部60には、図4に示されるレーザ変位計35の計測処理結果のグラフ表示と共に、以下の各種処理を行ったデータを表示してもよい。例えば、ワークWの表面形状によって検出が必要となった場合には、導いた変換式(1)からフィルタ処理をして平滑化した後に、数学的手法として、レベル判定、一次微分、二次微分などを組み合わせた手法により、凸凹部中心位置、凸凹間隔とピッチ、極小値、極大値などを計算して表示することで中心位置の検出をより確実に行うことができる。
本実施例において、制御部40は、レーザ変位計35のデータ計測の開始及び終了のトリガ(第1トリガ、第2トリガ)をスピンドル20bのX方向の位置に応じてリアルタイムに自由な設定が可能である。例えば、撮像装置30により得られた画像に基づいて、画像の中心Oから数mm前(図4(d)における左側)の位置にて第1トリガを出力するように設定することができる。このため、ワーク10の種類に応じて適切な位置合わせが可能となる。すなわち、制御部40におけるレーザ変位計35からのデータの処理量を極力少なくして処理時間を短くすることができリアルタイムな処理が可能となる。
撮像装置30を用いた画像処理方式は、認識しようとする場所の画像を表示部60(モニタ)で確認することができ、また、絶対位置の検出が容易であるという点で有利である。ただし、画像処理方式は、ワーク10の高さ(凹凸)の程度によっては、高さ(凹凸)を正確に検出することができない場合がある。一方、レーザ変位計35を用いた検出方式は、ワーク10の表面をスキャンすることにより、ワーク10の高さ(凹凸)のプロファイルを正確に検出でき、また、高さの相対値(頂点部と底面部との差)を正確に検出できるという点で有利である。ただし、検出された高さ(凹凸)と実際の位置との照合は困難であり、また、絶対位置の検出も容易ではない。
このため、本実施例の切削装置100は、撮像装置30に加えてレーザ変位計35を備える。そして、レーザ変位計35の計測データ結果を、撮像装置30を用いた画像処理結果と組み合わせることで、撮像装置30及びレーザ変位計35による結果を相互に補完することができる。また、撮像装置30を用いた画像処理結果により得られた絶対位置をレーザ変位計35の計測データに反映させる(関連付ける)ことにより、レーザ変位計を用いて積層部材の全面スキャンを行う場合と比較して大幅に工程を簡略化することができ、短時間で位置合わせをすることができる。このため、低コストで高精度な位置合わせ(アライメント)が可能となる。
この撮像装置30とレーザ変位計35の単独、又は相互に補完して得られた高精度な位置合わせ結果を、例えば全体が樽型や糸巻型に歪んだワークに適用すると以下のようなことが可能となる。第一に、ワークの向かい合う一組の辺それぞれの近傍に、アライメントマークとして用いられる傾斜溝を形成せずに、一組の辺それぞれの近傍をレーザ変位計の計測データに基づいて、対応する溝の凹んだ部分の底部の二点間を結んだ直線で切削する。第二に、切削線に三本以上の計測ラインでスキャンした結果に基づいて、三点以上から形成される折線から平均値、中央値、最頻値、又は最小二乗法による近似などの統計処理により切削する。以上のように個別のワークの歪みの程度に応じた切削装置や切削方法が実現可能となる。
なお本実施例の切削装置100は、凹凸が無いか小さい十字マークなど、撮像装置30による画像処理のみで正確な位置検出が可能な部分については、画像処理結果を優先利用するように構成してもよい。このように本実施例によれば、撮像装置30とレーザ変位計35の得意な検出方法を組み合わせた位置合わせ方法(アライメント方法)を実行可能な切削装置を提供することもできる。
本実施例によれば、撮像装置により得られた画像とレーザ変位計の計測データとを合わせて用いることにより、低コストで高精度な切削装置および切削方法を提供することができる。
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例として記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
10 ワーク
14 アライメントマーク
20a、20b スピンドル
22a、22b ダイシングブレード(ブレード)
30 撮像装置
35 レーザ変位計
40 制御部
50 記憶部
60 表示部
100 切削装置

Claims (10)

  1. ワークを切削する切削装置であって、
    前記ワークを切削するブレードと、
    前記ブレードを回転させるモータを備えたスピンドルと、
    前記ワークの表面の形状を計測するレーザ変位計と、
    前記ワークの表面を撮像する撮像装置と、
    前記レーザ変位計により計測して得られたデータと、前記撮像装置により得られた画像とを用いて前記ワークの切削位置を特定し、該切削位置において該ワークを切削するように前記ブレードを制御する制御部と、を有することを特徴とする切削装置。
  2. 前記制御部は、前記レーザ変位計が前記データの計測を開始するための第1トリガ及び前記データの計測を終了するための第2トリガを、前記スピンドルの位置に応じてリアルタイムに出力することを特徴とする請求項1に記載の切削装置。
  3. 前記制御部は、前記スピンドルが一定速度で移動している間に、前記第1トリガ及び前記第2トリガを出力することを特徴とする請求項2に記載の切削装置。
  4. 前記制御部は、
    前記レーザ変位計の時間tに対する計測データを距離xに対する位置データに変換し、
    前記計測データから前記位置データへの変換の際に生じるオフセットΔtを校正し、
    前記オフセットΔtを校正した後の位置データと前記撮像装置の前記画像から得られた画像データとのずれを補正する、ことを特徴とする請求項3に記載の切削装置。
  5. 前記制御部は、前記レーザ変位計による前記データから得られた切削位置を、前記撮像装置により得られた前記画像の中心に合わせることを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の切削装置。
  6. 前記スピンドルは、互いに向かい合うように設けられて独立して移動可能な第1のスピンドル及び第2のスピンドルを備え、
    前記レーザ変位計は、前記第1のスピンドルに取り付けられ、
    前記撮像装置は、前記第2のスピンドルに取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の切削装置。
  7. ワークを切削する切削方法であって、
    レーザ変位計を用いて前記ワークの表面の形状を計測する計測工程と、
    撮像装置を用いて前記ワークの表面を撮像する撮像工程と、
    前記レーザ変位計により計測して得られたデータと、前記撮像装置により得られた画像とを用いて前記ワークの切削位置を特定するアライメント工程と、
    前記アライメント工程で特定された前記切削位置において前記ワークを切削する切削工程と、を有することを特徴とする切削方法。
  8. 前記アライメント工程では、前記レーザ変位計が前記データの計測を開始するための第1トリガ及び前記データの計測を終了するための第2トリガを、該レーザ変位計が取り付けられたスピンドルの位置に応じてリアルタイムに出力することを特徴とする請求項7に記載の切削方法。
  9. 前記アライメント工程では、前記スピンドルが一定速度で移動している間に、前記第1トリガ及び前記第2トリガを出力することを特徴とする請求項8に記載の切削方法。
  10. 前記アライメント工程では、
    前記レーザ変位計の時間tに対する計測データを距離xに対する位置データに変換し、
    前記計測データから前記位置データへの変換の際に生じるオフセットΔtを校正し、
    前記オフセットΔtを校正した後の位置データと前記撮像装置の前記画像から得られた画像データとのずれを補正する、ことを特徴とする請求項9に記載の切削方法。
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