JP2013255925A - 中空ばね用シームレス鋼管の製造方法 - Google Patents

中空ばね用シームレス鋼管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼管内表層部(内周面表層部)における金属組織を制御することによって、成形されるばねにおいて十分な疲労強度を確保できるような中空ばね用シームレス鋼管の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の中空ばね用シームレス鋼管の製造方法は、C:0.2〜0.7%(「質量%」の意味、化学成分組成について以下同じ)、Si:0.5〜3%、Mn:0.1〜2%、Cr:3%以下(0%を含まない)、Al:0.1%以下(0%を含まない)、P:0.02%以下(0%を含まない)、S:0.02%以下(0%を含まない)、およびN:0.02%以下(0%を含まない)を夫々含有し、鋼管内表層部における残留オーステナイト含有率が5体積%以下であると共に、鋼管内表層部に存在する円相当直径で500nm以上の炭化物の個数密度が1.8×10-2個/μm2以下である鋼管に、減面率15〜60%の冷間加工を施すこと。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車等の内燃機関の弁ばねや懸架ばね等に使用される中空ばね用シームレス鋼管の製造方法に関するものである。
近年、排ガス低減や燃費改善を目的とする自動車の軽量化や高出力化の要請が高まるにつれて、エンジンやクラッチ、サスペンション等に使用される弁ばね、クラッチばね、懸架ばね等においても高応力設計が志向されている。そのため、これらのばねは、高強度化・細径化していく方向であり、負荷応力が更に増大する傾向にある。こうした傾向に対応するため、耐疲労性や耐へたり性においても一段と高性能なばね用鋼が強く望まれている。
また、耐疲労性や耐へたり性を維持しつつ軽量化を実現するために、ばねの素材としてこれまで用いられている棒状の線材(即ち、中実の線材)ではなく、中空にしたパイプ状の鋼材であって溶接部分のないもの(即ち、シームレスパイプ)をばねの素材として用いられるようになっている。
上記のような中空シームレスパイプを製造するための技術についても、これまでにも様々提案されている。例えば、特許文献1には、穿孔圧延機の代表というべきマンネスマンピアサを用いて穿孔を行なった後(マンネスマン穿孔)、冷間でマンドレルミル圧延(延伸圧延)を行ない、更に820〜940℃に10〜30分の条件で再加熱し、その後仕上げ圧延する技術について提案されている。
一方、特許文献2では、熱間での静水圧押出しを行なって、中空シームレスパイプの形状とした後、球状化焼鈍を行ない、引続き冷間でピルガーミル圧延や引抜き加工等によって伸展(抽伸)することで、生産性、品質ともに改善する技術について提案されている。また、この技術では最終的に、所定の温度で焼鈍を行なうことも示されている。
上記のような各技術では、マンネスマン穿孔や熱間静水圧押出しを行う際に、1050℃以上に加熱したり、冷間加工前・後に焼鈍を行う必要があり、熱間での加工あるいは加工時に、更にはその後の熱処理工程において、中空シームレスパイプの内周面および外周面に脱炭が生じやすいという問題がある。また加熱処理後の冷却時においても、フェライトとオーステナイト中への炭素の固溶量の違いに起因する脱炭(フェライト脱炭)が生じる場合がある。
上記のような脱炭が生じると、ばね製造時の焼入れ段階で、外周面および内周面で表層部が十分硬化しないという事態が生じ、成形されるばねにおいて十分な疲労強度を確保できないという問題が生じる。また、疵が存在すると応力集中部となり、早期折損の要因となる。
また通常のばねでは外面にショットピーニングなどで残留応力を付与し、疲労強度を向上させることが行なわれているが、中空シームレスパイプで成形したばねでは、内周面にショットピーニングができないこと、および従来の加工方法では内周面で疵が発生しやすいことから、中実材よりも脱炭や疵などの品質を厳しく制御する必要がある。
上記のような問題を解決する方法として、特許文献3のような技術も提案されている。この技術では、棒材を熱間圧延した後、ガンドリルで穿孔して、冷間加工(抽伸、圧延)によってシームレス鋼管を製造することで、穿孔や押出し時における加熱を回避するものである。しかしながら、この技術では、750℃以下の比較的低温で焼鈍が行われており(この点については、特許文献2の技術についても同様)、このような低温焼鈍を行うと、炭化物の粗大化が進行しやすいという別の問題がある。
粗大な炭化物は、焼入れ加熱時に未固溶状態で残存し、硬さ低下や不完全焼入れ組織生成を引き起こし、疲労強度の低下(「耐久性劣化」と呼ぶことがある)の原因となる。特に、近年では、ばね製造時における焼入れ工程において、脱炭低減や設備のコンパクト化を図る観点から、高周波加熱による短時間熱処理が主流となっており、未固溶状態の炭化物の残存が顕著になりやすい傾向がある。
しかも現在では、従来の要求レベルよりも高度な疲労強度が求められており、これまで提案されているような技術では、要求される疲労強度を満足できるものではなく、耐久性の点で不十分である。
特開平1−247532号公報 特開2007−125588号公報 特開2010−265523号公報
本発明はこうした状況の下になされたものであって、その目的は、鋼管(パイプ)内表層部(内周面表層部)における金属組織を制御することによって、成形されるばねにおいて十分な疲労強度を確保できるような中空ばね用シームレス鋼管を製造するための方法を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の中空ばね用シームレス鋼管の製造方法とは、C:0.2〜0.7%(「質量%」の意味、化学成分組成について以下同じ)、Si:0.5〜3%、Mn:0.1〜2%、Cr:3%以下(0%を含まない)、Al:0.1%以下(0%を含まない)、P:0.02%以下(0%を含まない)、S:0.02%以下(0%を含まない)、およびN:0.02%以下(0%を含まない)を夫々含有し、鋼管内表層部における残留オーステナイト含有率が5体積%以下であると共に、鋼管内表層部に存在する円相当直径で500nm以上の炭化物の個数密度が1.8×10-2個/μm2以下である鋼管に、減面率15〜60%の冷間加工を施すことに要旨を有するものである。なお、前記「円相当直径」とは、炭化物の大きさに着目し、これを同一面積の円に換算したときの直径を意味する。
更に本発明の製造方法は、前記化学成分組成を有する鋼材を熱間押し出しした後に冷間加工し、更に焼鈍して冷却することによって前記減面率15〜60%の冷間加工を施す前の前記鋼管を製造する工程を含み、前記熱間押出しを、加熱温度が1050℃未満、および押出後から720℃までの平均冷却速度が1.5℃/秒以上の条件で行うと共に、前記焼鈍を、加熱温度900℃〜1100℃の温度域で行い、前記焼鈍後の冷却を、750℃〜600℃の温度域における平均冷却速度が1℃/秒未満の条件で行うことも好ましい。
本発明の製造方法において、素材として用いる鋼材には、必要によって更に(a)B:0.015%以下(0%を含まない)、(b)V:1%以下(0%を含まない)、Ti:0.3%以下(0%を含まない)およびNb:0.3%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、(c)Ni:3%以下(0%を含まない)および/またはCu:3%以下(0%を含まない)、(d)Mo:2%以下(0%を含まない)、(e)Ca:0.005%以下(0%を含まない)、Mg:0.005%以下(0%を含まない)およびREM:0.02%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、(f)Zr:0.1%以下(0%を含まない)、Ta:0.1%以下(0%を含まない)およびHf:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、等を含有することも有用であり、含有される元素の種類に応じて、中空シームレス鋼管(すなわち、成形されるばね)の特性が更に改善される。
本発明では、素材としての鋼材の化学成分組成を適切に調整すると共に、鋼管内表層部の金属組織(残留オーステナイト、粗大炭化物)を適切に制御した中空シームレス鋼管に、冷間加工を施すことによって、中空シームレス鋼管から成形されるばねにおいて十分な疲労強度を確保できるようになる。
本発明者らは、高疲労強度化を図って耐久性を向上させるのに必要な制御因子について多角的に検討した。従来、耐久性向上の支配因子としては、これまでは脱炭深さや疵深さ等が考えられ、こうした観点から様々な技術が提案されてきた。しかしながらより高い応力域下では、これまで提案されてきた耐久性向上技術では限界があり、より高い耐久性を達成するには他の要因についても検討する必要があった。
その結果、鋼管内表層部(内周面の表層部)における粗大炭化物の個数密度、及び残留オーステナイト量を制御した中空シームレス鋼管に、所定の減面率で冷間加工を施すことが、成形されるばねの疲労強度向上に有用であることが判明した。
まず、粗大炭化物について説明する。これまでの製造方法では、750℃以下の比較的低温で焼鈍が行われていた(前記特許文献2、3)。このような低温焼鈍を行うと、鋼管内表層部に存在する炭化物の粗大化が進行しやすいという問題がある。この点に関して本発明者らが検討した結果、粗大炭化物が、焼入れ時に未固溶で残存すると耐久性向上を阻害する要因となることがわかった。そして焼鈍条件を適切にすることによって、粗大な炭化物の低減が図れ、耐久性が更に向上し得ることを見出した。具体的には、後述するように焼鈍条件などを適切に制御することによって、円相当直径で500nm以上となるような粗大炭化物の個数密度を1.8×10-2個/μm2以下に低減でき、その結果、耐久性を向上することができたのである。なお、粗大炭化物の個数密度は、好ましくは、1.5×10-2個/μm2以下、より好ましくは1.2×10-2個/μm2以下、更に好ましくは1.0×10-2個/μm2以下である。また、本発明で対象とする炭化物とは、金属組織中に存在するセメンタイト(Fe3C)の他、鋼材成分中の炭化物形成元素(例えばMn、Cr、V、Ti、Nb、Mo、Zr、Ta、Hf)の炭化物を含む趣旨である。
次に、残留オーステナイトについて説明する。本発明者らが検討した結果、鋼管内表層部における残留オーステナイトは、耐久性向上阻害要因であり、残留オーステナイトが多いと、耐久性が向上し難いことがわかった。また残留オーステナイト量が多いと、後記する冷間加工の効果も十分に得られないこともわかった。したがって鋼管内表層部における残留オーステナイトの割合は5体積%以下、好ましくは3体積%以下、更に好ましくはゼロとする。
なお、残留オーステナイト以外の金属組織としては、主にフェライトとパーライトの混合組織であるが(「主に」とは、金属組織全体中最も多い体積割合を意味する)、更にベイナイトやマルテンサイトを含む場合がある。耐久性向上阻害要因である残留オーステナイトを低減し、他の要件(粗大炭化物や冷間加工)を満足することによって、耐久性を向上できるため、本発明では、オーステナイト以外の金属組織の割合については特に限定されない。
もっとも、上記のように粗大炭化物と残留オーステナイト量を低減するだけでは、ばねの耐久性を十分に向上できない。本発明者らの検討の結果、鋼管内表層部の粗大炭化物の個数密度や残留オーステナイト量を制御した後、所定の減面率で最終冷間加工を行って得られる鋼管をばねの製造に用いると、ばねの耐久性を向上できることがわかった。その詳細なメカニズムは明らかでないが、上記のように粗大炭化物の個数密度や残留オーステナイト量を制御した後、冷間加工を施すことによって、金属組織(フェライトとパーライトの混合組織)が加工された組織となると共に、粒内の転位密度が高まり、その結果、ばね製造工程において焼入れ等の熱処理によって金属組織が微細化される。その結果、得られたばねなどは高応力下での局所的なひずみ集中が緩和されて耐久性が向上すると推察される。
冷間加工による上記効果を得るには、上記所定の粗大炭化物と残留オーステナイト量に制御された鋼管に対して、少なくとも15%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上の減面率で冷間加工する必要がある。一方、冷間加工率を高くし過ぎると微細化効果がなくなり耐久性向上効果がかえって減少し、加工硬化によって加工性が劣化する悪影響もあることから、減面率は60%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下とする。
本発明は後記するように焼鈍条件などの製造条件を適切に制御することによって、鋼管内表層部の粗大炭化物、及び残留オーステナイト量を低減できると共に、所定の減面率で冷間加工を施すことで、鋼管内表層部にショットピーニング処理を施さなくても、耐久性を向上できる。
本発明の中空シームレス鋼管の製造方法は、化学成分組成を適切に調整した鋼材に対して(適切な化学成分組成については後述する)、下記手順に従って製造することが望ましい。この製造方法における各工程について、より具体的に説明する。
[中空化手法]
まず中空化手法としては、熱間押出しによって素管を作製した後、圧延または抽伸等の冷間加工、および軟化焼鈍、酸洗処理を複数回繰り返し、所定のサイズ(外径、内径、長さ)まで成形する。
[熱間押出し時の加熱温度:1050℃未満]
上記の熱間押出しにおいて、その加熱温度は1050℃未満とすることが推奨される。このときの加熱温度が1050℃以上となると、トータル脱炭が多くなる。加熱温度は好ましくは、1020℃以下、より好ましくは1000℃以下である。好ましい加熱温度の下限は特に限定されないが、加熱温度が低すぎると押出しが困難となるため、好ましくは900℃以上である。
[熱間押出し後の冷却条件:押出し後720℃までの平均冷却速度を1.5℃/秒以上]
上記のような条件で、熱間押出しを行なった後、720℃までを比較的速やかに冷却することによって、冷却中の脱炭を軽減することができる。こうした冷却効果を発揮させるためには、720℃までの平均冷却速度を1.5℃/秒以上、好ましくは2℃/秒以上とする。720℃までの平均冷却速度の上限は特に限定されないが、製造コストや制御容易性の観点から工業的には5℃/秒以下が好ましい。なお、720℃以降の冷却は特に限定されず、例えば0.1〜3℃/秒程度で冷却すればよい。
[冷間加工条件]
上記のように熱間押出しによって素管を作製した後、冷間加工を施すが、このときの冷間加工としては、抽伸や冷間圧延を繰り返し実施し、所定寸法の鋼管を製造してもよいし、1回の冷間加工で所定寸法の鋼管を製造してもよい。
[焼鈍工程]
上記冷間加工によって所定寸法の鋼管を製造した後、更に焼鈍を行って、粗大炭化物の個数密度や残留オーステナイト量を制御する。また焼鈍を行うことによって、材料の硬度低減を図ることができる。上記の冷間加工後は、材料の硬度が高くなり加工し難くなるため焼鈍を行なう。この際、焼鈍をArや窒素、水素などの非酸化性雰囲気で実施することで、焼鈍中に発生する脱炭を顕著に軽減できる。また、生成スケールが極めて薄くなるため、焼鈍後に実施する酸洗時の浸漬時間を短縮でき、深い酸洗ピット生成抑制に有利である。
また、焼鈍時の加熱最高温度(焼鈍温度)は、900℃以上とすることが望ましい。焼鈍温度については、従来技術では(前記特許文献2、3)、750℃以下の比較的低温で焼鈍されている。しかしながら、焼鈍温度が750℃以下では、炭化物の粗大化が進行される。本発明では、この点に着目し、焼鈍温度については従来のような低温ではなく、炭化物が溶解するような高温(900℃以上)で焼鈍するようにした。好ましい加熱温度は950℃以上である。一方、加熱温度が高温になり過ぎると、残留オーステナイト量が増加し、耐久性が悪くなる。したがって焼鈍温度は1100℃以下、好ましくは1050℃以下、更に好ましくは1000℃以下とする。
焼鈍時間については特に制限されないが、900℃以上で長時間加熱すると残留オーステナイト量が増加するなどして金属組織の制御が難しくなることから、好ましくは30分以下、より好ましくは10分以下である。一方、加熱時間が短すぎると粗大炭化物の残存や、材料内の材質不均一を招くため、少なくとも所望の効果が得られるように加熱時間を確保する必要がある。具体的には5秒以上、好ましくは10秒以上、更に好ましくは20秒以上とする。
[焼鈍後の冷却]
上記温度域での焼鈍後の冷却速度を制御して所定の温度域まで冷却することが望ましい。冷却速度を制御することで、耐久性に悪影響を及ぼす残留オーステナイトの生成を更に抑制することができる。具体的には750℃〜600℃の温度域を1℃/秒未満の平均冷却速度で徐冷することにより、高温域で十分に変態を進行させて残留オーステナイトの生成を抑制できる。好ましい平均冷却速度は、0.1℃/秒以上である。なお、本発明では焼鈍終了温度から750℃までの冷却速度、および600℃以降の冷却速度の組み合わせについては特に限定されず、生産性を考慮して適宜設定することができる。したがって750〜600℃以外の温度域では本発明の上記組織等に影響を及ぼさない限り、急冷・徐冷・放冷のいずれでもよい。例えば焼鈍終了後、750℃までを0.5℃/秒〜10℃/秒程度(平均冷却速度)で冷却した後、750℃〜600℃までを上記所定の平均冷却速度で冷却し、その後、放冷してもよい。
以上のように、本発明の焼鈍工程では、非酸化性雰囲気中にて、900℃以上に加熱し、750℃〜600℃は平均冷却速度を1℃/秒未満とすることを特徴とし、これにより、上記所定の粗大炭化物の個数密度、残留オーステナイト量を満足する中空シームレス鋼管が得られる。
[酸洗工程]
上記のような焼鈍を行った後は、材料表層に少なからずスケールが生成しており、圧延、抽伸等の次工程に悪影響を及ぼすため、硫酸や塩酸等を用いて酸洗処理を実施する。ただし、酸洗処理が長くなると、大きな酸洗ピットが生成し、疵として残存することになる。こうした観点から、酸洗時間を短くすることが有利であり、具体的には30分以内とすることが好ましい。
なお、本発明では上記冷間加工、焼鈍(焼鈍後の冷却)、酸洗を必要に応じて上記条件で複数回行ってもよい。
[内表層研磨]
また本発明では、高疲労強度が要求される場合など、必要に応じて、内表面の疵や脱炭層を除去する目的で内表層を研磨・研削する工程を採用してもよい。内表層の研磨・研削量は0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.15mm以上とするのがよい。更に必要に応じて脱脂工程や皮膜処理工程などを行ってもよい。
[冷間加工]
上記工程によって、粗大炭化物、及び残留オーステナイト量が制御された鋼管を作製した後、減面率15〜60%の冷間加工(例えば圧延や抽伸なの加工)を施す。上記耐久性向上効果を得るには、上記所定の粗大炭化物量と残留オーステナイト量を有する鋼管に対して、少なくとも15%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上の減面率で冷間加工する必要がある。一方、冷間加工率を高くし過ぎると、耐久性向上効果がかえって減少すると共に、加工硬化によって加工性が低下することから、減面率は60%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下とする。
本発明の中空シームレス鋼管の製造方法は、素材となる鋼材の化学成分組成も適正に調整されていることも重要である。以下、化学成分の範囲限定理由を説明する。
[C:0.2〜0.7%]
Cは、高強度を確保するのに必要な元素であり、そのためには0.2%以上含有させる必要がある。C含有量は、好ましくは0.30%以上であり、より好ましくは0.35%以上である。しかしながら、C含有量が過剰になると、延性の確保が困難になので、0.7%以下とする必要がある。C含有量は、好ましくは0.65%以下であり、より好ましくは0.60%以下である。
[Si:0.5〜3%]
Siは、ばねに必要な耐へたり性の向上に有効な元素であり、本発明で対象とする強度レベルのばねに必要な耐へたり性を得るには、Si含有量を0.5%以上とする必要がある。好ましくは1.0%以上、より好ましくは1.5%以上である。しかしながら、Siは脱炭を促進させる元素でもあるため、Siを過剰に含有させると鋼材表面の脱炭層形成を促進させる。その結果、脱炭層削除のためのピーリング工程が必要となるので、製造コストの面で不都合である。こうしたことから、本発明ではSi含有量の上限を3%以下とした。好ましくは2.5%以下、より好ましくは2.2%以下である。
[Mn:0.1〜2%]
Mnは、脱酸元素として利用されると共に、鋼材中の有害元素であるSとMnSを形成して無害化する有益な元素である。このような効果を有効に発揮させるには、Mnは0.1%以上含有させる必要がある。好ましくは0.15%以上、より好ましくは0.20%以上である。しかしながら、Mn含有量が過剰になると、偏析帯が形成されて材質のばらつきが生じる。こうしたことから、本発明ではMn含有量の上限を2%以下とした。好ましくは1.5%以下であり、より好ましくは1.0%以下である。
[Cr:3%以下(0%を含まない)]
冷間加工性を向上させる観点からは、Cr含有量は少ない程好ましいが、Crは焼戻し後の強度確保や耐食性向上に有効な元素であり、特に高レベルの耐食性が要求される懸架ばねに重要な元素である。こうした効果は、Cr含有量が増大するにつれて大きくなるが、こうした効果を優先的に発揮させるためには、Crは0.2%以上含有させることが好ましい。更に好ましくは0.5%以上とするのがよい。しかしながら、Cr含有量が過剰になると、過冷組織が発生し易くなると共に、セメンタイトに濃化して塑性変形能を低下させ、冷間加工性の劣化を招く。またCr含有量が過剰になると、セメンタイトとは異なるCr炭化物が形成されやすくなり、強度と延性のバランスが悪くなる。こうしたことから、本発明で用いる鋼材では、Cr含有量を3%以下に抑えることが好ましい。より好ましくは2.0%以下、更に好ましくは1.7%以下である。
[Al:0.1%以下(0%を含まない)]
Alは、主に脱酸元素として添加される。また、NとAlNを形成して固溶Nを無害化すると共に組織の微細化にも寄与する。特に固溶Nを固定させるには、N含有量の2倍を超えるようAlを含有させることが好ましい。しかしながら、AlはSiと同様に脱炭を促進させる元素でもあるため、Siを多く含有するばね鋼ではAlの多量添加を抑える必要があり、本発明では0.1%以下とした。好ましくは0.07%以下、より好ましくは0.05%以下である。
[P:0.02%以下(0%を含まない)]
Pは、鋼材の靭性や延性を劣化させる有害元素であるため、極力低減することが重要であり、本発明ではその上限を0.02%以下とする。好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.008%以下に抑えるのが良い。なお、Pは鋼材に不可避的に含まれる不純物であり、その量を0%にすることは工業生産上困難である。
[S:0.02%以下(0%を含まない)]
Sは、上記Pと同様に鋼材の靭性や延性を劣化させる有害元素であるため、極力低減することが重要であり、本発明では0.02%以下に抑える。好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.008%以下である。なお、Sは鋼に不可避的に含まれる不純物であり、その量を0%とすることは工業生産上困難である。
[N:0.02%以下(0%を含まない)]
Nは、Al、Ti等が存在すると窒化物を形成して組織を微細化させる効果があるが、固溶状態で存在すると、鋼材の靭延性及び耐水素脆化特性を劣化させる。本発明では、N量の上限を0.02%とする。好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.0050%以下である。
本発明で適用する鋼材において、残部は、鉄および不可避的不純物(例えば、Sn,As等)からなるものであるが、その特性を阻害しない程度の微量成分(許容成分)も含み得るものであり、こうした鋼材も本発明の範囲に含まれるものである。
また必要によって、更に(a)B:0.015%以下(0%を含まない)、(b)V:1%以下(0%を含まない)、Ti:0.3%以下(0%を含まない)およびNb:0.3%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、(c)Ni:3%以下(0%を含まない)および/またはCu:3%以下(0%を含まない)、(d)Mo:2%以下(0%を含まない)、(e)Ca:0.005%以下(0%を含まない)、Mg:0.005%以下(0%を含まない)およびREM:0.02%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、(f)Zr:0.1%以下(0%を含まない)、Ta:0.1%以下(0%を含まない)およびHf:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、等を含有させることも有効である。これらの成分を含有させるときの範囲限定理由は、次の通りである。
[B:0.015%以下(0%を含まない)]
Bは、鋼材の焼入れ・焼戻し後において旧オーステナイト粒界からの破壊を抑制する効果がある。このような効果を発現させるには、Bを0.001%以上含有させることが好ましい。しかしながら、Bを過剰に含有させると、粗大な炭硼化物を形成して鋼材の特性を害する。またBは、必要以上に含有させると圧延材の疵の発生原因にもなる。こうしたことから、B含有量の上限を0.015%以下とした。より好ましくは0.010%以下、更に好ましくは0.0050%以下とするのが良い。
[V:1%以下(0%を含まない)、Ti:0.3%以下(0%を含まない)およびNb:0.3%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上]
V,TiおよびNbは、C,N,S等と炭・窒化物(炭化物、窒化物および炭窒化物)、或は硫化物等を形成して、これらの元素を無害化する作用を有する。また上記炭・窒化物を形成して中空鋼管製造時の焼鈍工程やばね製造時の焼入れ工程における加熱時にオーステナイト組織を微細化する効果も発揮する。更に、耐遅れ破壊特性を改善するという効果も有する。これらの効果を発揮させるには、Ti,VおよびNbの少なくとも1種を0.02%以上(2種以上含有させるときは合計で0.2%以上)含有させることが好ましい。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、粗大な炭・窒化物が形成されて靭性や延性が劣化する場合がある。よって本発明では、V,TiおよびNbの含有量の上限を、夫々1%以下、0.3%以下、0.3%以下とすることが好ましい。より好ましくは、V:0.5%以下、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下である。更には、コスト低減の観点からして、V:0.3%以下、Ti:0.05%以下、Nb:0.05%以下とすることが好ましい。
[Ni:3%以下(0%を含まない)および/またはCu:3%以下(0%を含まない)]
Niは表層脱炭を抑制したり、耐食性を向上するのに有効な元素である。Niは、コスト低減を考慮した場合には、添加を控えるためその下限を特に設けないが、表層脱炭を抑制したり耐食性を向上させる場合には、0.1%以上含有させることが好ましい。しかしながら、Ni含有量が過剰になると、圧延材に過冷組織が発生したり、焼入れ後に残留オーステナイトが存在し、鋼材の特性が劣化する場合がある。こうしたことから、Niを含有させる場合には、その上限を3%以下とする。コスト低減の観点からは、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.0%以下とするのが良い。
Cuは、上記Niと同様に表層脱炭を抑制したり、耐食性を向上するのに有効な元素である。このような効果を発揮させるには、Cuを0.1%以上含有させることが好ましい。しかしながら、Cuの含有量が過剰になると、過冷組織が発生したり、熱間加工時に割れが生じる場合がある。こうしたことから、Cuを含有させる場合には、その上限を3%以下とする。コスト低減の観点からは、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.0%以下とするのが良い。
[Mo:2%以下(0%を含まない)]
Moは焼戻し後の強度確保、靭性向上に有効な元素である。しかしながら、Mo含有量が過剰になると靭性が劣化する。こうしたことからMo含有量の上限は2%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.5%以下とするのが良い。
[Ca:0.005%以下(0%を含まない)、Mg:0.005%以下(0%を含まない)およびREM:0.02%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上]
Ca、MgおよびREM(希土類元素)は、いずれも硫化物を形成し、MnSの伸長を防ぐことで、靭性を改善する効果を有し、要求特性に応じて添加することができる。しかしながら、夫々上記上限を超えて含有させると、逆に靭性を劣化させる。夫々の上限は、Caで0.005%以下、好ましくは0.0030%以下、Mgで0.005%以下、好ましくは0.0030%以下、REMで0.02%以下、好ましくは0.010%以下である。なお、本発明において、REMとは、ランタノイド元素(LaからLuまでの15元素)およびSc(スカンジウム)とY(イットリウム)を含む意味である。
[Zr:0.1%以下(0%を含まない)、Ta:0.1%以下(0%を含まない)およびHf:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上]
これの元素は、Nと結びついて窒化物を形成し、中空鋼管製造時の焼鈍工程やばね製造時の焼入れ工程における加熱時にオーステナイト組織を微細化する効果がある。但し、いずれも0.1%を超えて過剰に含有させると窒化物が粗大化し、疲労特性を劣化させるため好ましくない。こうしたことから、いずれもその上限を0.1%以下とした。より好ましい上限はいずれも0.050%以下であり、更に好ましい上限は0.025%以下である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記表1に示す化学成分組成を有する各種溶鋼(中炭素鋼)を、通常の溶製法によって溶製し、この溶鋼を冷却して分塊圧延後に断面形状が155mm×155mmの角柱形状のビレットとした後、熱間鍛造によって直径:150mmの丸棒に成形し、押し出し用ビレットを機械加工により作製した。なお、表1において、REMはLaを20%程度とCeを40〜50%程度含有するミッシュメタルの形態で添加した。また表1中、「−」は元素を添加していないことを示す。
上記ビレットを用いて、1000℃に加熱して熱間押出しを行い、外径:54mmφ、内径35mmφの押出し管を作製し(押出し後、720℃までの平均冷却速度:1.5℃/秒、720℃から600℃までの平均冷却速度:0.5℃/秒、その後は放冷)、次に冷間加工(抽伸加工:非連続型ドローベンチ、圧延加工:ピルガー圧延機)、焼鈍、酸洗(酸液の種類:5%塩酸、酸洗条件:15分)を複数回繰返(3回)し、中空シームレス鋼管を作製した。なお、焼鈍時の雰囲気はAr雰囲気とし、焼鈍時間は900℃以上の滞在時間を10分未満とした以外は、表2に記載の条件(焼鈍温度(加熱最高温度)、加熱後の平均冷却速度(冷却速度1、冷却速度2))で行った。得られた中空シームレス鋼管(1)について、更に表2記載の所定の減面率で冷間加工を施し、外径16mmφ、内径8.0mmφの中空シームレス鋼管(2)を得た。
上記中空シームレス鋼管(1)について、粗大炭化物の個数密度、残留オーステナイト量を下記の方法によって調査した。また中空シームレス鋼管(2)を用いて疲労強度(耐久性)を調査した。
(粗大炭化物の個数密度)
鋼管内表層部の炭化物の個数密度に関しては、任意の横断面(パイプの軸直角断面)を観察するため、切断、樹脂埋め込み、鏡面研磨した後、ピクラール腐食にてエッチングした観察試料を作製した。走査型電子顕微鏡(SEM)で、内周面の最表面から深さ100μm位置の表層部を観察(倍率3000倍)した。SEM写真に基づき(測定箇所:3箇所)、画像解析ソフト(Image−Pro)を用いて炭化物面積を測定し、円相当直径に換算した。そして円相当直径で500nm以上の炭化物について、個数密度を測定し、平均した。
(残留オーステナイト量)
鋼管内表層の残留オーステナイト量に関しては、任意の横断面(パイプの軸直角断面)を観察するため、切断、樹脂埋め込み、湿式研磨の後、電解研磨仕上げを施した観察試料を作製した。X線回折によって残留オーステナイト量(単位は体積%)を測定した。残留オーステナイト量が5%以下の場合を○、5%超の場合を×と評価した。
(疲労強度試験:耐久性)
上記各シームレス鋼管(2)を中空ばねに付与される熱処理を想定した下記条件で焼入れ・焼き戻しを行い、JIS試験片(JIS Z2274疲労試験片)に加工した。
(焼入れ・焼戻し条件)
焼入れ条件:925℃で10分間保持し、その後、油冷
焼戻し条件:390℃で40分間保持し、その後、水冷
上記試験片(焼入れ・焼戻しした試験片)に、応力:900MPa、回転速度:1000rpmで回転曲げ疲労試験を行なった。破断までの繰り返し数が1.0×105回以上を疲労強度が良好(「○」)、1.0×105回までに破断したものを疲労強度が不十分(「×」)として評価した。そして、この評価結果を、表2(「耐久試験結果」)に示す。
Figure 2013255925
Figure 2013255925
これらの結果から明らかなように、適切な成分組成を有する鋼材を適切な条件で製造して得られた中空シームレス鋼管(No.1、3、7〜10、12、16、18〜20、22)では、ばねの疲労強度が良好なものが得られた。
これに対して試験No.2、4〜6、11、13〜15、17、21では、製造方法が適切でないので、本発明で規定する要件を満足しないものとなって、疲労強度が劣化していることがわかる。
すなわち、試験No.2、5、11、17は、冷間加工率(減面率)が低かった例である。これらの試験例は、冷間加工による組織制御が不十分であったため、その後熱処理(焼入れ・焼き戻し)を施しても十分な疲労強度が得られなかった。
試験No.4、13は冷間加工率(減面率)が高かった例である。これらの試験例は、冷間加工による組織制御が不十分であったため、疲労強度が低かった。
試験No.6、21は冷却速度2が速すぎた例である。これらの試験例では、残留オーステナイト量が多くなってしまい、疲労強度が低かった。
試験No.14、15は、焼鈍時の加熱最高温度が低い例である。これらの試験例では、粗大炭化物の個数密度が多くなっており、疲労強度が低かった。
特に試験No.2、4、5、11、13、17からは、粗大炭化物および残留オーステナイト量が規定の範囲内にある鋼管であっても、所定の減面率で冷間加工を行わなかった場合は、所望の耐久性が得られないことがわかる。

Claims (8)

  1. C:0.2〜0.7%(「質量%」の意味、化学成分組成について以下同じ)、Si:0.5〜3%、Mn:0.1〜2%、Cr:3%以下(0%を含まない)、Al:0.1%以下(0%を含まない)、P:0.02%以下(0%を含まない)、S:0.02%以下(0%を含まない)、およびN:0.02%以下(0%を含まない)を夫々含有し、鋼管内表層部における残留オーステナイト含有率が5体積%以下であると共に、鋼管内表層部に存在する円相当直径で500nm以上の炭化物の個数密度が1.8×10-2個/μm2以下である鋼管に、減面率15〜60%の冷間加工を施すことを特徴とする中空ばね用シームレス鋼管の製造方法。
  2. 前記化学成分組成を有する鋼材を熱間押し出しした後に冷間加工し、更に焼鈍して冷却することによって前記減面率15〜60%の冷間加工を施す前の前記鋼管を製造する工程を含み、
    前記熱間押出しを、加熱温度が1050℃未満、および押出後から720℃までの平均冷却速度が1.5℃/秒以上の条件で行うと共に、
    前記焼鈍を、加熱温度900℃〜1100℃の温度域で行い、
    前記焼鈍後の冷却を、750℃〜600℃の温度域における平均冷却速度が1℃/秒未満の条件で行うものである請求項1に記載の中空ばね用シームレス鋼管の製造方法。
  3. さらに、B:0.015%以下(0%を含まない)を含有する鋼材からなるものである請求項1または2に記載の中空ばね用シームレス鋼管の製造方法。
  4. さらに、V:1%以下(0%を含まない)、Ti:0.3%以下(0%を含まない)及びNb:0.3%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上を含有する鋼材からなるものである請求項1〜3のいずれかに記載の中空ばね用シームレス鋼管の製造方法。
  5. さらに、Ni:3%以下(0%を含まない)および/またはCu:3%以下(0%を含まない)を含有する鋼材からなるものである請求項1〜4のいずれかに記載の中空ばね用シームレス鋼管の製造方法。
  6. さらに、Mo:2%以下(0%を含まない)を含有する鋼材からなるものである請求項1〜5のいずれかに記載の中空ばね用シームレス鋼管の製造方法。
  7. さらに、Ca:0.005%以下(0%を含まない)、Mg:0.005%以下(0%を含まない)及びREM:0.02%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上を含有する鋼材からなるものである請求項1〜6のいずれかに記載の中空ばね用シームレス鋼管の製造方法。
  8. さらに、Zr:0.1%以下(0%を含まない)、Ta:0.1%以下(0%を含まない)及びHf:0.1%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上を含有する鋼材からなるものである請求項1〜7のいずれかに記載の中空ばね用シームレス鋼管の製造方法。
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