JP2013255337A - 振動波モータ、レンズ鏡筒及びカメラ - Google Patents

振動波モータ、レンズ鏡筒及びカメラ Download PDF

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Abstract

【課題】向上した性能を有するとともに、より広い種類の圧電材料を使用可能な振動波モータを提供する。
【解決手段】本発明の振動波モータ1は、駆動信号が入力される電気機械変換素子11と、前記電気機械変換素子11に接合され、前記駆動信号により駆動面12aに振動波を生じる弾性体12と、前記電気機械変換素子11に駆動信号を供給し、前記電気機械変換素子11の一部に接合される信号供給部14と、前記弾性体12の駆動面12aに加圧接触される摺動面を有し、前記振動波によって駆動される相対運動部材20と、を備える振動波モータ1において、前記信号供給部14と前記電気機械変換素子11とは、常温硬化の導電性接着材料により接合されていること、を特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、振動波モータ、レンズ鏡筒及びカメラに関するものである。
従来、振動波モータの振動子は、金属製の弾性体と圧電体から構成され、弾性体と圧電体とは、接着剤により接合させている(特許文献1参照)。駆動信号を圧電体へ供給するための駆動信号供給用に、リード線またはフレキシブルプリント基板が用いられている。
特開昭62−201072号公報
弾性体と圧電体とが接着された振動子に、リード線またはフレキシブルプリント基板を接合する場合、半田や熱圧着が用いられ、摂氏200度以上の温度が加えられる。
圧電体にこの様な高温が加えられると、弾性体と圧電体との熱膨張率の違いにより、接着層に大きなせん断力が生じ、接着層が部分的に破壊される可能性がある。部分的に破壊されると振動波モータの性能が発揮できなかったり、個体によるばらつきが生じたりする。
また、キュリー点(相転移が発生して、分極が解けてしまう温度)が低い圧電材料は、高温を加えることができないため、振動波モータへの搭載が制限されている。
本発明の課題は、向上した性能を有するとともに、より広い種類の圧電材料を使用可能な振動波モータ及びそれを用いたレンズ鏡筒及びカメラを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、駆動信号が入力される電気機械変換素子(11,250)と、前記駆動信号により駆動面(12a,243a)に振動波を生じる振動子(12,235)と、前記電気機械変換素子(11,250)に駆動信号を供給し、前記電気機械変換素子(11,250)の一部に接合される信号供給部(14,214)と、前記振動子(12,235)の駆動面(12a,243a)に加圧接触される摺動面を有し、前記振動波によって駆動される相対運動部材(20,236)と、を備える振動波モータ(1,210)において、前記信号供給部(14,214)と前記電気機械変換素子(11,250)とは、常温硬化の導電性接着材料により接合されていること、を特徴とする振動波モータ(1,210)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の振動波モータ(1,210)において、前記信号供給部(14,214)と前記振動子(12,235)とを常温硬化の接着材料により結合されていること、を特徴とする振動波モータ(1,210)である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の振動波モータ(1,210)において、前記信号供給部は、フレキシブルプリント基板(14,214)であって、前記電気機械変換素子(11,250)の駆動振動発生面と平行な第一部と、前記第一部と垂直な第二部とを有し、前記第一部が前記常温硬化の導電性接着材料により前記電気機械変換素子(11,250)に接合され、前記第二部が前記常温硬化の接着材料により該振動子(12,235)に接合されていること、を特徴とする振動波モータ(1,210)である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の振動波モータ(1,210)において、前記第二部は、前記電気機械変換素子(11,250)の前記駆動振動発生面に垂直且つ前記電気機械変換素子(11,250)の駆動方向に平行な面であること、を特徴とする振動波モータ(1,210)である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動波モータ(1,210)を備えるレンズ鏡筒(110,230)である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動波モータ(1,210)を備えるカメラ(110,110A、230,230A)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
本発明によれば、向上した性能を有するとともに、より広い種類の圧電材料を使用可能な振動波モータ及びそれを用いたレンズ鏡筒及びカメラを提供することができる。
本発明の第一実施形態の振動波モータを説明する図である。 第一実施形態の圧電体を説明する図であり、(a)は表面側、(b)は裏面側である。 第一実施形態の振動波モータの駆動装置を説明するブロック図である。 第一実施形態の振動波モータをレンズ鏡筒に搭載した実施形態を示す。 第一実施形態のFPCの接合方法を説明する図であり、(a)は側面図、(b)は表面から見た平面図であり、(c)はFPC14の貼着部分の側面図である。 第二実施形態の振動波モータを説明する図である。 図6のA−A方向から見た図である。 第二実施形態の振動子を説明する図である。 (a)〜(e)は振動子における振動の発生を説明する図である。
(第一実施形態)
以下、本発明にかかる振動波モータの実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の第一実施形態の振動波モータ1を説明する図である。
本実施形態では振動子10側を固定とし、相対運動部材(移動子)20を駆動する様になっている。
振動子10は、後で説明する様に電気エネルギ−を機械エネルギ−に変換する圧電素子や電歪素子等を例とした電気機械変換素子(以下、圧電体と称する)11と、圧電体11を接合した弾性体12とから構成され、振動子10には進行性振動波が発生するようにされている。
弾性体12は、共振先鋭度が大きな金属材料から成り、形状は、円環である。弾性体12における圧電体11が接合される反対面には溝12bが切ってあり、突起部分(溝12bがない箇所)の先端面が駆動面12aとなり移動子20に加圧接触される。弾性体12の溝12bが切られていない側に圧電体11を接合する。
弾性体12の溝12bが切られてない部分は、ベース部12dであり、そのベース部12dから内径側にフランジ12eが延伸され、フランジ12eの最内径部にて固定部材13により固定されている。
弾性体12には摺動部材として塗装膜や潤滑メッキが施されており、突起部全体を覆う様にされている。
圧電体11は、PZTと呼ばれるチタン酸ジルコン酸鉛、または、近年では環境問題から鉛フリーの材料であるチタン酸バリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム等から構成されている。
図2は、第一実施形態の圧電体11を説明する図であり、(a)は圧電体11における弾性体12が貼着される側と反対側(表面側)、(b)は弾性体12が貼着される側裏面側)である。
圧電体11の表面には、後に詳細に説明するが、電極111(111a,111b)が配置され、それは円周方向に沿って2つの相(A相、B相)に分かれている。各相においては、1/2波長毎に交互に分極され、A相とB相との間は、1/4波長分間隔が空く様に電極111gが配置されている。電極111には、駆動信号を伝達するためにフレキシブルプリント基板(FPC)14が接合されている(図1)。また、これについても後に詳細に説明するが、FPC14は、弾性体12の側面を沿わせて弾性体12に接着剤14bで補強させ、回路基板121(図4参照)に延びている。
移動子20は、アルミニウムといった軽金属からなり、摺動面の表面には耐摩耗性向上のための表面処理が成されている。
出力軸21は、ゴム部材22と出力軸21のDカットにはまるように挿入されたストッパー部材23を介して移動子20に結合され、出力軸21とストッパー部材23はEクリップ24等により固定されていて、移動子20と一体に回転する様にされている。
ストッパー部材23と移動子20との間のゴム部材22は、ゴムによる粘着性で移動子20とストッパー部材23と結合する機能があり、かつ移動子20からの振動を出力軸21へ伝えないための振動吸収との機能があるブチルゴム等が好適である。
加圧部材25は、出力軸21のギア部51とベアリング27の間に設けられている。
この様な構造とることで、移動子20が振動子10駆動面12aに加圧接触する様にされる。
図3は、第一実施形態の振動波モータ1の駆動装置100を説明するブロック図である。まず、振動波モータ1の駆動/制御部102について説明する。
発振部101は、制御部102の指令により所望の周波数の駆動信号を発生する。移相部103は、該発振部101で発生した駆動信号を位相の異なる2つの駆動信号に分ける。増幅部104は、移相部103によって分けられた2つの駆動信号をそれぞれ所望の電圧に昇圧する。
増幅部104からの駆動信号は、振動波モータ1に伝達され、この駆動信号の印加により振動子10に進行波が発生し、移動子20が駆動される。
回転検出部105は、光学式エンコーダや磁気エンコ−ダ等により構成され、移動子20の駆動によって駆動された駆動物の位置や速度を検出し、検出値を電気信号として制御部102に伝達する。
制御部102は、レンズ鏡筒110内またはカメラ本体のCPUからの駆動指令を基に振動波モータ1の駆動を制御する。制御部102は、回転検出部105からの検出信号を受け、その値を基に、位置情報と速度情報を得て、目標位置に位置決めされるように発振部101の周波数を制御する。
次に、第一実施形態の振動波モータ1の動作を説明する。
制御部102からの駆動指令により、発振部101から駆動信号が発生される。その駆動信号は移相部103により90度位相の異なる2つの駆動信号に分割される。分割された駆動信号は、増幅部104により所望の電圧に増幅される。
増幅された駆動信号は、振動波モータ1の圧電体11に印加され、圧電体11は励振され、その励振によって弾性体12には4次の曲げ振動が発生する。
圧電体11はA相とB相とに分けられており、駆動信号はそれぞれA相とB相に印加される。A相から発生する4次曲げ振動とB相から発生する4次曲げ振動とは位置的な位相が1/4波長ずれるようになっており、また、A相駆動信号とB相駆動信号とは90度位相がずれているため、2つの曲げ振動は合成され、4波の進行波となる。
進行波の波頭には楕円運動が生じている。従って、駆動面12aに加圧接触された移動子20は、この楕円運動によって摩擦的に駆動される。移動子20の駆動により駆動された駆動体には、光学式エンコ−ダが配置されていて、そこから、電気パルスが発生し、制御部102に伝達される。制御部102は、この信号を基に、現在の位置と現在の速度を得ることが可能となる。
図4は、第一実施形態の振動波モータ1をレンズ鏡筒110に搭載した実施形態を示す。レンズ鏡筒110は、カメラ本体110Aに着脱可能である。
振動波モータ1はギアユニットモジュール113に取り付けられ、ギアユニットモジュール113はレンズ鏡筒110の固定筒114に取り付けられる。振動波モータ1のギア部51は、ギアユニットモジュール113の減速ギア115を介して、カム環116に連結されている。振動波モータ1の回転運動はカム環116に伝達され、カム環116は回転駆動する。
カム環116には、周方向に対して斜めにキー溝117が切られており、該キー溝117に固定ピン118が挿入されたAF環119は、カム環116が回転駆動することにより、光軸OA方向に直進方向に駆動され、所望の位置に停止できる様にされている。
回路基板121は、レンズ鏡筒110の外側固定筒114aと内側固定筒114bの間に設けられ、振動波モータ1の駆動、制御、回転数の検出、振動センサーの検出等を行う。
図2に戻り、第一実施形態の圧電体11を説明する。
圧電体11の素地は、PZTと呼ばれるチタン酸ジルコン酸鉛、または、近年では環境問題から鉛フリーの材料であるチタン酸バリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム等から構成されている。
圧電体11素地の表面(弾性体12が貼着される側と反対側、FPCが貼着される側)には、電極111(111a,111b,111g)が配置され、銀ペーストが印刷されている。電極111はNiPや金等の金属メッキでも良い。
電極111は円周方向に沿って2つの相(A相、B相)に分かれている。各相においては、1/2波長毎に交互に分極され、A相とB相との間には1/4波長分間隔が空く様に電極111が配置されている。
電極111の裏面(弾性体12が貼着される側)は、電極パターンはなく、外周側と内周側とに圧電体11素地が見えた形状となっている。本実施形態では、こちらの面を弾性体12に常温硬化性の接着剤により接合している。
図5は、第一実施形態のFPC14の接合方法を説明する図である。図5(a)は側面図、図5(b)は表から見た平面図(弾性体12が貼着される側と反対側、FPC14が貼着される側)であり、図5(c)はFPC14の貼着部分の側面図である。
FPC14は、圧電体11に駆動信号を供給するものである。本実施形態では、FPC14を圧電体11の電極パターン面(表面)に導電性常温接着剤により接合させる。この接合により、圧電体11のA相、B相およびGNDとFPC14の各ランドとの導通を得る様にしている。
ここで、導電性常温接着剤は、接合強度が比較的弱い。FPC14に外力がかかると、FPC14と圧電体11との接合面に剥がれが生じる可能性がある。
そこで、FPC14と圧電体11との接合強度を上げるため、図5(a)に示すように、FPC14を弾性体12の外周面に沿って折り曲げる。そして、その折曲げ部14aを接着剤14bで弾性体12の外周面に固定することで補強する。接着剤14bは、常温弾性接着剤が好適である。
FPC14の折曲げ部14aを接着剤14bにより接着する弾性体12の外周面は、駆動振動発生面(駆動面12a)に対して垂直で、駆動方向(方向X)に対して平行である面が良い。
その理由は、駆動振動発生面(駆動面12a)には、その駆動面12aに対して垂直方向(いわゆる加圧方向)に振動が発生している。その方向に対して垂直な面に接着剤のような振動減衰部材を塗布すると、振動が減衰され、振動波モータ1の駆動性能(発生トルクや効率)が大きく劣化するからである。このため、加圧方向である振動方向に対して平行な面が好適である。
また、駆動方向(方向X)には、駆動力を発生させる振動が発生している。これも同様に、駆動方向(方向X)の振動に対して垂直な面に接着剤のような振動減衰部材を塗布すると、振動が減衰され、振動波モータ1の駆動性能(発生トルクや効率)が大きく劣化する。
従って、接着剤を塗布しても駆動性能が劣化しにくい面は、第一実施形態の場合、加圧方向、すなわち振動方向に対して平行で、駆動方向(方向X)の振動方向に対して平行な弾性体12の外周面となる。
比較形態として、圧電体11に導電性接着剤を塗布し、その上にFPC14を載せ熱圧着させる場合について説明する。この比較形態の場合、摂氏200度程度の熱が加えられるため、圧電体11と弾性体12との接合部に熱衝撃が加わり、接着剥がれが発生する可能性がある。
また、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム等のキュリー点が摂氏200度以下の圧電体の場合には、熱により分極が劣化したりする可能性がある。
しかし、本実施形態によれば、圧電体11とFPC14との接合を、常温の導電性接着剤14bを用いることで、圧電体11と弾性体12との熱衝撃による接着剥がれを防止でき、キュリー点が低い圧電体11を振動波モータ1に搭載することが可能となる。
また、FPC14に折曲げ部14aを設け、弾性体12外周面に接着剤14bにより補強したことで、FPC14に外力が加わっても、FPC14の剥がれを防止することが出来る。
さらに、接着剤14bによる補強部を、加圧方向の振動方向と平行で、駆動方向の振動方向と平行である弾性体12外周面としたため、補強による駆動性能劣化を防止することが出来る。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態を説明する。第二実施形態は、リニア型の振動波モータ210である。
図6は、第二実施形態の振動波モータ210を説明する図であり、振動波モータ210をレンズ鏡筒230に組み込んだ状態の図である。本実施形態のレンズ鏡筒230は、カメラ本体230Aに着脱可能である。また、図7は図6のA−A方向から見た図である。
振動子235は、支持部233に設置された設けられた加圧バネ234により、移動子236に加圧され、加圧バネ234が振動子235中央部の溝235bに嵌ることで、長手方向に支持されている。
振動子235への加圧の方向は、レンズ鏡筒230の周方向の接線方向に一致させていて、加圧バネ234の配置によってレンズ鏡筒230の径方向への大型化を防止している。支持部233は、固定筒231に取り付けられている。
移動子236は、アルミニウムといった軽金属からなり、摺動面236aの表面には耐摩耗性向上のための摺動メッキが設けられている。また、移動子236は、リニアガイド240に押圧されており、リニアガイド240は固定筒231に固定され、移動子236は固定筒231に対して直線方向に移動可能となっている。
移動子236には、突起部237が設けられている。その突起部237には、AF環238に接続されたフォーク239が嵌合しており、移動子236の直進駆動に伴ってAF環238は直進駆動される。
AF環238は、固定筒231に設けられた第1直線レール241および第2直線レール242に沿って可動な構造となっている。
直線レールに241,242は、AF環238に設けられたガイド部243,244が嵌合し、移動子236の直進駆動に伴って、光軸OA方向に直進方向に駆動され、所望の位置に停止できる様にされている。
図8は、第二実施形態の振動子235を説明する図である。
振動子235は、PZTと呼ばれるチタン酸ジルコン酸鉛、または、近年では環境問題から鉛フリーの材料であるチタン酸バリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム等の圧電体250と、端部に設置された摺動部材251,252から構成されている。
振動子235には縦1次モード振動の定在波と、曲げ2次モード振動の定在波が発生するようにされている。
圧電体250は数枚の積層から構成され、内部の各圧電体250には4分割された内部電極255(255a,255b,255c,255d)が設けられており、これら電極255(255a,255b,255c,255d)には側面から導通がとれ、FPC214よりA相とB相との駆動信号を印加させることができる。
振動子235の中央部には、上述したように、溝235bが設けられており、加圧バネ234がこの溝235bに嵌ることで、加圧位置のずれ防止ととともに、長手方向への支持も出来る様にされている。
摺動部材251,252は、耐摩耗性の良いエンジニアプラスチック材料から構成され、縦1次モード振動の定在波の振幅が最大になり、かつ曲げ2次モード振動の定在波の振幅が最大になる位置である図の場所に設けられている。
本発明の振動子235の振動の発生について、時系列的に説明する。図9(a)〜(e)は振動子における振動の発生を説明する図である。
(a)t=1:A相の電圧が−でB相の電圧が+の場合
圧電体250の電極255aが設けられた部分P1は長手方向に縮み、電極255bが設けられた部分P2は長手方向に伸び、電極255cが設けられた部分P3は長手方向に伸び、電極255dが設けられた部分P4は長手方向に縮むため、図9(a)中央右側の様な曲げ変位が発生する。
また、部分P1は長手方向に縮み、部分P2は長手方向に伸び、部分P3は長手方向に伸び、部分P4は長手方向に縮み、長さ方向の変位は相殺されるため、図9(a)中央左側の様に縦方法変位は発生しない。
(b)t=2:A相の電圧が+、B相の電圧が+の場合
部分P1は長手方向に伸び、部分P2は長手方向に伸び、部分P3は長手方向に伸び、部分P4は長手方向に伸びる。このため、図8(b)中央右側の様に曲げ変位は発生しない。
部分P1は長手方向に伸び、部分P2は長手方向に伸び、部分P3は長手方向に伸び、部分P4は長手方向に伸びるため、図9(b)中央左側の様な長さ方向の変位が発生する。
(c)t=3:A相の電圧が+、B相の電圧が−の場合
部分P1は長手方向に伸び、部分P2は長手方向に縮み、部分P3は長手方向に縮み、部分P4は長手方向に伸びるため、図9(c)中央右側の様な曲げ変位が発生する。
部分P1は長手方向に伸び、部分P2は長手方向に縮み、部分P3は長手方向に縮み、部分P4は長手方向に伸びるため、長さ方向の変位は相殺されるため、図9(c)中央左側の様に縦方法変位は発生しない。
(d)t=4:A相の電圧が−、B相の電圧が+の場合
部分P1は長手方向に縮み、部分P2は長手方向に縮み、部分P3は長手方向に縮み、部分P4は長手方向に縮むため、図9(d)中央右側の様に曲げ変位は発生しない。
部分P1が長手方向に縮み、部分P2が長手方向に縮み、部分P3が長手方向に縮み、部分P4が長手方向に縮むため、図9(d)中央左側の様な長さ方向の変位が発生する。
(e)t;5:t=1の場合、上記(a)に戻る
この様に振動を発生させた場合、摺動部材251,252が貼られたC点、D点は図9の最も右側に示す図の様に楕円運動が発生する。この摺動部材251,252に移動子236を加圧接触させると、移動子236は楕円運動により摩擦力を受け、駆動される。
FPC214は、圧電体250に駆動信号を供給するものである。本実施形態では、FPC214を圧電体250の電極255パターン面に導電性常温接着剤により接合させる。この接合により、圧電体250のA相、B相およびGNDとFPC214の各ランドとの導通を得る様にしている。
また、第一実施形態と同様に、図8に示すように、FPC214を圧電体250の表面に沿って折り曲げ、その折曲げ部214aを接着剤214bで圧電体250の表面に固定することで補強する。接着剤214bは、常温弾性接着剤が好適である。
接着剤214bにより補強する部分は、第一実施形態と同様に、駆動振動発生面253aに対して垂直方向で、駆動方向Xに対して平行方向である面が良い。
その理由は、第一実施形態と同様に、駆動振動発生面253aには、振動面に対して垂直方向(いわゆる加圧方向)に振動が発生している。その方向に対して垂直な面に接着剤のような振動減衰部材を塗布すると、振動が減衰され、振動波モータ210の駆動性能(発生トルクや効率)が大きく劣化するからである。
したがって、加圧方向の振動方向に対して平行な面が好適である。
第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、圧電体250とFPC214との接合を、常温の導電性接着剤を用いたことで、各圧電体250の積層を接合する接着接合部に対して熱衝撃による接着剥がれを防止でき、キュリー点が低い圧電体250を振動波モータ210に搭載することが可能となる。
また、FPC214に折曲げ部を設け、弾性体外周面に接着剤により補強したことで、FPC214に外力が加わっても、FPC214の剥がれを防止することが出来る。
さらに接着剤214bによる補強部を、加圧方向の振動方向と平行で、駆動方向の振動方向と平行である振動子235の表面としたため、補強による駆動性能劣化を防止することが出来る。
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、進行性振動波を用いた振動波モータ1で、波数4の場合を開示したが、他の波数、5、6、7、8、9、または10以上でも、同様な構成で、同様な効果が得られる。
(2)第1実施形態では、本発明をレンズの外周における所定箇所に取り付ける小型の振動波モータに適用する例について説明したが、これに限らず、レンズの外周の全周に取り付ける円環型の振動波モータにも適用可能である。
(3)また、本実施形態では、カメラ本体に着脱可能なレンズ鏡筒において使用される振動波モータについて説明したが、これに限定されず、カメラ本体とレンズ鏡筒とが一体になったカメラ内部に用いられる振動波モータであってもよい。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
1:振動波モータ、10:振動子、11:圧電体、12:弾性体、12a:駆動面、14a:折曲げ部、14b:導電性接着剤、20:移動子、110:レンズ鏡筒、110A:カメラ本体、111:電極、210:振動波モータ、214a:折曲げ部、214b:接着剤、230:レンズ鏡筒、230A:カメラ本体、235:振動子、236:移動子、236a:摺動面、250:圧電体、251:摺動部材、252:摺動部材、255:電極

Claims (6)

  1. 駆動信号が入力される電気機械変換素子と、
    前記駆動信号により駆動面に振動波を生じる振動子と、
    前記電気機械変換素子に駆動信号を供給し、前記電気機械変換素子の一部に接合される信号供給部と、
    前記振動子の駆動面に加圧接触される摺動面を有し、前記振動波によって駆動される相対運動部材と、
    を備える振動波モータにおいて、
    前記信号供給部と前記電気機械変換素子とは、常温硬化の導電性接着材料により接合されていること、
    を特徴とする振動波モータ。
  2. 請求項1記載の振動波モータにおいて、
    前記信号供給部と前記振動子とを常温硬化の接着材料により結合されていること、
    を特徴とする振動波モータ。
  3. 請求項1または2記載の振動波モータにおいて、
    前記信号供給部は、フレキシブルプリント基板であって、
    前記電気機械変換素子の駆動振動発生面と平行な第一部と、
    前記第一部と垂直な第二部とを有し、
    前記第一部が前記常温硬化の導電性接着材料により前記電気機械変換素子に接合され、前記第二部が前記常温硬化の接着材料により前記振動子に接合されていること、
    を特徴とする振動波モータ。
  4. 請求項3に記載の振動波モータにおいて、
    前記第二部は、前記電気機械変換素子の前記駆動振動発生面に垂直且つ前記電気機械変換素子の駆動方向に平行な面であること、
    を特徴とする振動波モータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動波モータを備えるレンズ鏡筒。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動波モータを備えるカメラ。
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