(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる通信システムの構成を示した図である。第1の実施形態にかかる通信システムでは、通信装置としてのネットワークデバイスのアクセス頻度に基づいて、ゲートウェイサーバが負荷を分散する例とする。
通信システム10は、複数のネットワークデバイス(第1のネットワークデバイス11−1、第2のネットワークデバイス11−2、第3のネットワークデバイス11−3)と、複数のゲートウェイサーバ(第1のゲートウェイサーバ14−1、第2のゲートウェイサーバ14−2、第3のゲートウェイサーバ14−3)と、管理サーバ15と、を備えている。そして、複数のネットワークデバイス11−1〜11−3と、複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3と、の間は、IP網/公衆通信網12を介して通信可能に接続されている。さらに、複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3と、管理サーバ15と、の間は、基幹ネットワーク13を介して通信可能に接続されている。
ここで、複数のネットワークデバイス11−1〜11−3は、(図示しない)外部の通信装置との間で通信を行う際に、IP網/公衆通信網12及びいずれかのゲートウェイサーバ14−1〜14−3を介して基幹ネットワーク13にアクセスする。この場合、ネットワークデバイス11−1〜11−3は、複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3のうちいずれかを選択して基幹ネットワーク13との間の通信を確立する。
このため、ネットワークデバイス11−1〜11−3は、初期立ち上げ時に、それぞれ基幹ネットワーク13に接続されている管理サーバ15に対して通信を確立し、初期登録処理を実施する。なお、本実施形態では、この初期登録が複数のネットワークデバイス11−1〜11−3においてほぼ同時に立ち上げる場合のゲートウェイサーバ14−1〜14−3における負荷分散を実現する。
さらに、本実施形態では、立ち上げた後、ネットワークデバイス11−1〜11−3に接続された端末から、接続要求を受け付けた際に、ネットワークデバイス11−1〜11−3と外部の通信装置との間でセッションを確立する際の負荷分散も実現する。
ところで、負荷分散を実現する手法としては、従来、ネットワークデバイス11−1〜11−3がDNS(Domain Name System)ラウンドロビン方式や、負荷分散装置(ロードバランサー)を用いて、接続するゲートウェイサーバを決定していた。しかしながら、ラウンドロビン等で選択しても、同一の装置に負荷が集中する可能性があった。そこで、本実施形態では、ネットワークデバイス11−1〜11−3のアクセス頻度に基づいて、接続先を決定する手法を切り替えることとした。さらに、本実施形態では、セッション切断時にゲートウェイサーバの決定手法を特定することで、負荷分散を管理する装置(本実施形態ではゲートウェイサーバ14−1〜14−3)に対して接続要求によるアクセス集中を抑止する。
本実施形態にかかる通信システム10では、複数のネットワークデバイス11−1〜11−3の各々のアクセス頻度に基づいて、負荷分散方式の手法を切り替えることで、効率的な負荷分散を実現する。
本実施形態にかかる通信システム10においては、端末16からの外部の通信装置に対する接続要求に応じて、第1のネットワークデバイス11−1が、IP網/公衆通信網12を介して複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3のうちいずれか一つに接続する。そして、第1のネットワークデバイス11−1は、接続したゲートウェイサーバを介して基幹ネットワーク13にアクセスし、当該基幹ネットワーク13を介して、端末16の接続要求先の外部の通信装置との間で通信を開始する。そして、本実施形態にかかる通信システム10では、第1のネットワークデバイス11−1が、複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3のうちいずれか1つと接続する際、当該第1のネットワークデバイス11−1のアクセス頻度を利用して、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3の負荷分散を実現する。
図2は、第1のゲートウェイサーバ14−1のハードウェア構成を示した図である。なお、複数のゲートウェイサーバ14−2、14−3は、第1のゲートウェイサーバ14−1と同一の構成のため、説明を省略する。
第1のゲートウェイサーバ14−1は、第1のゲートウェイサーバ14−1全体を制御するMPU21と、MPU21を制御するための制御プログラム等を不揮発的に記憶するROM22と、ワークエリアとして機能し、各種データを一時的に記憶するRAM23と、各種データを更新可能、かつ、不揮発的に記憶するフラッシュROM24と、様々なデータを記憶するHDD25と、IP網/公衆通信網12又は基幹ネットワーク13との間の通信インタフェース動作を行う通信インタフェース部27と、を備えている。
なお、複数のネットワークデバイス11−1〜11−3、及び管理サーバ15も、複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3と同様のハードウェア構成を備えているものとする。
そして、複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3、複数のネットワークデバイス11−1〜11−3、及び管理サーバ15は、各々が備えているROM22に記憶された制御プログラムを実行することで、様々なソフトウェア構成が実現される。実現されるソフトウェア構成は、図3に示すものとする。
図3は、第1の実施形態にかかる、複数のネットワークデバイス11−1、11−2、複数のゲートウェイサーバ14−1、14−2、及び管理サーバ15の構成を示したブロック図である。なお、図3に示す例では、ネットワークデバイス11−3、及びゲートウェイサーバ14−3を省略しているが、ネットワークデバイス11−1、11−2、及び複数のゲートウェイサーバ14−1、14−2と同様の構成を備えているものとする。
第1のネットワークデバイス11−1は、制御プログラムを実行することで、通信制御部301と、アクセス頻度算出部303と、接続先判定部304と、パス形成部305と、リスト情報更新部306と、を実現する。接続先情報記憶部302は、第1のネットワークデバイス11−1のHDD25に備えられている。なお、第2のネットワークデバイス11−2は、第1のネットワークデバイス11−1と同様の構成を備えているため、説明を省略する。
図3に示す例では、通信システム10に複数存在するネットワークデバイス11−1、11−2は、複数のゲートウェイサーバ14−1、14−2から、いずれか一つのゲートウェイを選択して、基幹ネットワーク13との間の通信を確立する。これにより、ネットワークデバイス11−1、11−2は、基幹ネットワーク13を介して外部の通信装置とデータの送受信が可能となる。
本実施形態にかかるネットワークデバイス11−1〜11−3は、端末16からの接続要求に応じて、IP網/公衆通信網12と接続する通信装置とする。本実施形態にかかるネットワークデバイス11−1〜11−3は、端末(例えば携帯電話端末)16等と接続するターミナルの例とするが、ターミナルに制限するものではなく、ネットワークと通信可能な通信装置であればよい。
本実施形態にかかるネットワークデバイス11−1〜11−3は、ネットワークデバイス各々のアクセス頻度に基づいて、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3から指示されたゲートウェイサーバ14−1〜14−3のいずれか一つを次のセッションの接続先として用いる方式と、ラウンドロビン方式と、を切り替える。つまり、アクセス頻度が高いほど、次のセッションに接続するまでの間隔が短いと考えられるため、本実施形態にかかる通信システム10では、アクセス頻度が高いネットワークデバイスに対して、セッションの切断時に、次のセッション接続時に、現在負荷が低いゲートウェイサーバに接続するように指示することとした。つまり、アクセス頻度が高いネットワークデバイスは、次にセッションを確立するまでの間隔が短いため、負荷が低い状態を維持したゲートウェイサーバに対して接続する可能性が高くなる。このため負荷を分散することが可能となる。
なお、アクセス頻度とは、端末16からネットワークデバイス11−1〜11−3に対して、外部の通信装置と接続するための接続要求の頻度とする。
一方、本実施形態にかかる通信システム10では、アクセス頻度が低いネットワークデバイスに対しては、上述した接続方式を用いない。これは、セッション切断時に次のセッションの接続するゲートウェイサーバを指示する方式では、次のアクセスまでの間隔が長い場合に負荷状況が変わっている可能性があるためである。また、時間差により負荷分散先の装置へのアクセスが集中してしまう可能性も考えられる。
そこで、セッション切断時に次のセッションの接続時のゲートウェイサーバを指示するのは、アクセス頻度が高いネットワークデバイスに限り、アクセス頻度が低いネットワークデバイスについては、通常のラウンドロビン方式で、次のセッション接続時のゲートウェイサーバを特定することとした。
これにより、従来一般的にラウンドロビンを用いていた場合でも生じていた、負荷が一つのゲートウェイに集中することを抑止できる。
さらに、本実施形態では、セッションの切断時に、次のセッションの接続先を決定することで、セッションを確立する際に複数の通信装置からの要求が、負荷分散制御装置に集中することを抑止できる。
通信制御部301は、通信インタフェース部27を制御して、IP網/公衆通信網12を介して、外部の通信装置との間のデータの送受信を制御する。
接続先情報記憶部302は、接続先ゲートウェイリストと、接続先利用フラグと、接続先ゲートウェイと、を記憶する。
接続先利用フラグは、次のセッションの接続時に、接続先ゲートウェイリストと、接続先ゲートウェイと、のうちどちらを利用するのかを示したフラグとする。接続先情報記憶部302に記憶される接続先ゲートウェイは、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3から指示された次のセッションの接続先を示したゲートウェイとする。
図4は、第1の実施形態にかかる接続先ゲートウェイリストのテーブル構造の例を示した図である。図4に示す様に、接続先ゲートウェイリスト307は、検索順を示す番号(No.)31と、ゲートウェイサーバの名称と、当該ゲートウェイサーバのIPアドレス33と、ネットワークアドレスデータ32と、を対応付けて記憶する。
番号31は、最初の接続先のゲートウェイアドレスの検索順を示している。ネットワークアドレスデータ32は、最初に接続する際に用いられる、検索キーとしてのネットワークデバイス11―1〜11−3に予め割り当てられるIPアドレスの少なくとも一部を格納している。
ネットワークアドレスデータ32は、ネットワークデバイス11―1〜11−3に予め割り当てられたIPアドレスの一部(例えば、IPv4でサブネットマスクが255.255.255.0の場合、ネットワークアドレスデータ32の24ビットの内、下位16ビット)が用いられ、さらに上位8ビット及び下位8ビットのうち少なくとも一方が必要に応じて用いられる。
図4に示す例では、検索キーとして、ネットワークデバイス11―1〜11−3に割り当てられたネットワークアドレスのうち下位nビット、具体的には、n=16、すなわち、下位16ビットを用いると、例えば、検索順を示す番号31=1の場合に、ネットワークアドレスの下位16ビット=「16.100」のIPアドレスが割り当てられているネットワークデバイス(図1の例においては、「172.16.100.XX」のIPアドレスが割り当てられているネットワークデバイス)11―1の接続先のゲートウェイサーバのアドレス=「XX.XX.XX.101」となる。すなわち、図1に示した例では、ゲートウェイサーバ14−1が最初の接続先のゲートウェイサーバとなる。
また、接続先ゲートウェイリスト307は、最初の接続以降については、アクセス頻度が低い場合のラウンドロビンに用いる。その際は、検索順を示す番号(No.)31や、ネットワークアドレスデータ32を用いず、単なるゲートウェイサーバのリストとして参照する。
本実施形態にかかる通信システム10では、アクセス要求を受け付ける前に負荷を振り分ける方式として、上述した処理を行うことで、立ち上げ時にネットワークデバイス側から能動的に接続先を分散することを実現した。そして、本実施形態では、立ち上げ時以降については、ネットワークデバイスのアクセス頻度に応じて、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3に対する接続方式を切り替えることとした。
本実施形態にかかる通信システム10では、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3とのセッション切断時に、ネットワークデバイス11−1のアクセス頻度に応じて、次に接続するゲートウェイサーバの特定手法が決定される。なお、特定手法は後述する。
アクセス頻度算出部303は、ネットワークデバイス11−1からゲートウェイサーバ14−1〜14−3を介して外部の通信装置にアクセスするアクセス頻度を算出する。本実施形態では、アクセス頻度は、単位時間あたりのアクセス数から算出する。本実施形態ではアクセス数とはセッションの接続に成功した回数とするが、接続に失敗した回数を含めても良い。
アクセス頻度の計算式として以下の(1)式を用いる。なお、F1iは、ネットワークデバイスiのアクセス数に基づくアクセス頻度とし、Tiは、ネットワークデバイスiのアクセス時間とする。
F1i=Ti/ΣTn……(1)
また、本実施形態と異なる手法として、アクセス頻度をアクセス時間から算出しても良い。アクセス時間とは、セッションの接続を開始してから切断するまでの時間の総和とする。
この場合、アクセス頻度の計算式として以下の(2)式を用いる。なお、F2iは、ネットワークデバイスiのアクセス時間に基づくアクセス頻度とし、Ciは、ネットワークデバイスiのアクセス数とする。
F2i=Ci/ΣCn……(2)
さらに他の手法として、アクセス時間とアクセス数との組み合わせを用いても良い。この場合、アクセス頻度の計算式として以下の(3)式を用いる。なお、F3iは、ネットワークデバイスiのアクセス数とアクセス時間の組み合わせに基づくアクセス頻度とし、Tiは、ネットワークデバイスiのアクセス時間とし、Ciはネットワークデバイスiのアクセス数とする。
F3i=Ti×Ci/ΣTn×Ci……(3)
本実施形態は、アクセス頻度の算出を、ネットワークデバイス11−1側で算出する例について説明するが、アクセス頻度の算出を、ネットワークデバイス11−1側に制限するものではなく、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3や管理サーバ15側で行っても良い。
そして、通信制御部301が、セッション切断時に算出されたアクセス頻度を、予め定められたゲートウェイサーバに送信する。本実施形態にかかる送信先は、負荷分散を行うための構成を備えたゲートウェイであれば良く、図3に示す第1のゲートウェイサーバ14−1及び第2のゲートウェイサーバ14−2のどちらでも良い。
そして、本実施形態においては、アクセス頻度が所定の閾値以上の場合に、第1のゲートウェイサーバ14−1及び第2のゲートウェイサーバ14−2で、次のセッションの接続先となるゲートウェイサーバが特定される。このため、通信制御部301は、アクセス頻度を送信したゲートウェイサーバから、複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3のうち、次のセッションの接続先となるゲートウェイサーバのIPアドレス等が示された接続先ゲートウェイ情報を受信する。
そして、接続先ゲートウェイ情報を受信した場合に、通信制御部301は、受信した接続先ゲートウェイ情報を、接続先情報記憶部302の“接続先ゲートウェイ”として記憶させる。そして、通信制御部301は、接続先情報記憶部302に記憶された接続先利用フラグを、次のセッションで“接続先ゲートウェイ”を利用する旨を設定する。
その後、接続先判定部304は、端末16から接続要求を受け付けた際に、外部の通信装置との通信に用いるゲートウェイサーバを、複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3から判定する。
本実施形態にかかる接続先判定部304は、接続先利用フラグを参照し、“接続先ゲートウェイ”を利用するか、接続先ゲートウェイリスト307を利用するかを判定する。
通信制御部301は、接続先判定部304が“接続先ゲートウェイ”を利用すると判定した場合に、端末16からの要求に応じて次のセッションを確立する際に、接続先ゲートウェイに格納されたゲートウェイサーバのIPアドレスに対して接続要求を送信する。これにより通信制御部301が受信した接続先ゲートウェイ情報で示されたゲートウェイサーバに対する接続を実現する。
一方、通信制御部301は、接続先判定部304が“接続先ゲートウェイ”を利用しないと判定した場合に、接続先ゲートウェイリスト307からラウンドロビン方式で選択されたゲートウェイサーバに対して接続要求を送信する。これにより、本実施形態では、通信制御部301が接続先ゲートウェイ情報を受信しない場合に、接続先ゲートウェイリスト307から、ラウンドロビン方式で特定されたゲートウェイサーバに対して接続要求を送信することになる。
パス形成部305は、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3と通信を行う。
リスト情報更新部306は、接続先ゲートウェイリスト307を更新する。本実施形態では、定期的に接続先ゲートウェイリスト307を更新する。
ネットワークデバイス11−1〜11−3の各構成について説明したので、次にゲートウェイサーバ14−1〜14−3について説明する。
第1のゲートウェイサーバ14−1は、通信制御部311と、アクセス頻度判定部312と、負荷情報取得部313と、接続先判定部314と、分散方式特定部315と、通知部316と、を備える。なお、第2のゲートウェイサーバ14−2は、第1のゲートウェイサーバ14−1と同様の構成を備えているため、説明を省略する。
通信制御部311は、IP網/公衆通信網12及び基幹ネットワーク13を介して、ネットワークデバイス11−1〜11−3と外部の通信装置との間のデータの送受信を制御する。
また、通信制御部311は、セッションを切断した後のネットワークデバイス11−1〜11−3から、当該ネットワークデバイス11−1〜11−3がゲートウェイサーバ14−1〜14−3を介して外部の通信装置にアクセスしていたアクセス頻度情報を受信する。
負荷情報取得部313は、ネットワークデバイス11−1〜11−3から接続可能な複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3各々の通信に基づく負荷を示した負荷情報を取得する。本実施形態にかかる負荷情報取得部313は、通信制御部311を介して、管理サーバ15から負荷情報を取得する。
アクセス頻度判定部312は、受信したアクセス頻度情報に基づいて、当該アクセス頻度情報の送信先のネットワークデバイス11−1〜11−3のアクセス頻度が高いか否かを判定する。
分散方式特定部315は、判定されたネットワークデバイス11−1〜11−3のアクセス頻度の高さに応じて、次のセッションの接続時の負荷分散方式を特定する。上述したように、アクセス頻度が所定の閾値以上の場合に、次に接続するゲートウェイサーバを指示し、アクセス頻度が所定の閾値より小さい場合に、ラウンドロビン方式を用いることとする。
接続先判定部314は、アクセス頻度が所定の閾値以上の場合に、次に接続するゲートウェイサーバを、各ゲートウェイサーバの負荷情報に基づいて判定する。
これにより、通知部316が、通信制御部311を制御して、ネットワークデバイス11−1〜11−3のアクセス頻度が所定の閾値以上の場合に、複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3に負荷が分散するように、負荷情報に基づいて定められたゲートウェイサーバが次のセッションの接続先として示された接続先ゲートウェイ情報を、アクセス頻度情報の送信元のネットワークデバイス11−1〜11−3に送信する。
特に本実施形態にかかる通知部316は、通信制御部311を制御して、取得した負荷情報を参照し、複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3のうち、通信の負荷が最も低いゲートウェイサーバを接続先として示された接続先ゲートウェイ情報を、アクセス頻度情報の送信元のネットワークデバイス11−1〜11−3に送信する。
通信制御部311は、さらに、ネットワークデバイス11−1〜11−3のアクセス頻度が予め定められた閾値より小さい場合に、接続先ゲートウェイ情報を送信しない。代わりに、通信制御部311は、次のセッションの接続先をラウンドロビンで特定するような指示を送信する。
管理サーバ15は、通信制御部321と、負荷情報管理部322と、を備える。
通信制御部321は、基幹ネットワーク13を介して、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3等の外部の通信装置との間のデータの送受信を制御する。
そして、通信制御部321は、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3から、各ゲートウェイサーバの通信の負荷状況を定期的に受信する。
負荷情報管理部322は、受信した各ゲートウェイサーバ14−1〜14−3の負荷状況を示した負荷情報を記憶する。
そして、管理サーバ15の通信制御部321は、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3からの要求に応じて、各ゲートウェイサーバ14−1〜14−3の負荷情報を送信する。
次に、各ネットワークデバイス11−1〜11−3の起動時に行われる処理について説明する。図5は、第1の実施形態にかかる通信システム10において、ネットワークデバイスの起動時に行われる処理を示したシーケンス図である。
図5において、各ネットワークデバイス11−1〜11−3の通信インタフェース部27は、IPアドレス設定部として機能し、MPU21は、接続先判定部304として機能し、さらに通信インタフェース部27及びMPU21は、共働してパス(通信経路)形成部305として機能している。以下の説明においては、主として、ネットワークデバイス11−1を例として説明する。
ネットワークデバイス11−1の通信インタフェース部27は、MPU21の制御下でIPアドレス設定部として機能し、IP網/公衆通信網12の図示しないDHCPサーバに対して、自己にIPアドレスを割り当てるようにDHCP要求を行う(ステップS501)。
これによりDHCPサーバは、DHCP応答を行い(ステップS502)、IPアドレスを、IPアドレス設定部として機能する通信インタフェース部27に通知する。
これにより通信インタフェース部27は、接続先判定部304に、IPアドレスを通知する(ステップS503)。そして、接続先判定部304は、接続先ゲートウェイリスト307を参照し、接続先ゲートウェイサーバを判定する(ステップS504)。
具体的には、接続先判定部304は、ネットワークデバイス11−1に割り当てられたIPアドレス=「172.16.100.AA/24」からネットワークアドレス部である「172.16.100」を参照し、予め設定された負荷分散単位である下位nビット部分を抽出する。ここでは、n=16の場合、かつ、接続先ゲートウェイリスト307が図4に示すようなものの場合、接続先判定部304は、抽出したネットワークアドレスの下位16ビット=「16.100」を検索キーとして、図4に示した接続先ゲートウェイリスト307を検索順を示す番号31の参照番号順に参照する。
この場合には、検索順を示す番号31=「1」に対応するデータを参照した時点で、ネットワークアドレス部の下位16ビットが一致するので、接続先ゲートウェイサーバのIPアドレス=「XX.XX.XX.101」を取得する。
これにより、接続先判定部304は、取得した接続先ゲートウェイサーバのIPアドレス=「XX.XX.XX.101」を、パス形成部305に通知する(ステップS505)。そして、パス形成部305は、取得した接続先ゲートウェイアドレス=「XX.XX.XX.101」に対応するゲートウェイサーバ14−1に対してパス確立要求を行う(ステップS506)。
これによりゲートウェイサーバ14−1は、パス形成部305にパス確立を行う旨のパス確立応答を行うとともに(ステップS507)、通信パスを確立する(ステップS508)。
このネットワークデバイス11−1とゲートウェイサーバ14−1との間の通信パスの確立に伴い、パス形成部305は、IP網/公衆通信網12、ゲートウェイサーバ14−1及び基幹ネットワーク13を介して管理サーバ15に対して初期登録要求を行う(ステップS509)。
この結果、管理サーバ15は、初期登録を行って、以降、ネットワークデバイス11−1の情報管理を行う。
そして、初期登録が完了すると、管理サーバ15は、基幹ネットワーク13、ゲートウェイサーバ14−1及びIP網/公衆通信網12を介してネットワークデバイス11−1に対して初期登録完了通知を行い(ステップS510)、処理を終了する。
図6は、IPアドレスによりゲートウェイサーバの負荷分散を行う場合の通信経路の一例の説明図である。図6に示すように、上述した手順により、ネットワークデバイス11−1は、IP網/公衆通信網12、ゲートウェイサーバ14−1及び基幹ネットワーク13を介して管理サーバ15に対する通信経路を構築する。
同様にして、ネットワークデバイス11−2のMPU21は、ネットワークデバイス11−2に割り当てられたIPアドレス=「172.16.200.BB/24」からネットワークアドレス部である「172.16.200」を参照し、下位16ビット部分を抽出する。そして、ネットワークデバイス11−2のMPU21は、抽出したネットワークアドレスの下位16ビット=「16.200」を検索キーとして、図4に示した接続先ゲートウェイリスト307を検索順データ31の参照番号順に参照する。
この場合には、検索順データ31=「2」に対応するデータを参照した時点で、ネットワークアドレス部の下位16ビットが一致するので、接続先ゲートウェイアドレス=「XX.XX.XX.102」を取得する。
したがって、ネットワークデバイス11−2のMPU21及び通信インタフェース部27は、IP網/公衆通信網12、ゲートウェイサーバ14−2及び基幹ネットワーク13を介して管理サーバ15に対して初期登録要求を行い(ステップS509)、管理サーバ15は、基幹ネットワーク13、ゲートウェイサーバ14−2及びIP網/公衆通信網12を介してネットワークデバイス11−2に対して初期登録完了通知を行い(ステップS510)、処理を終了する。
また、ネットワークデバイス11−3のMPU21は、ネットワークデバイス11−3に割り当てられたIPアドレス=「172.17.100.CC/24」からネットワークアドレス部である「172.17.100」を参照し、下位16ビット部分を抽出する。そして、ネットワークデバイス11−3のMPU21は、抽出したネットワークアドレスの下位16ビット=「17.100」を検索キーとして、図4に示した接続先ゲートウェイリスト307を検索順を示す番号31の参照番号順に参照する。
この場合には、検索順を示す番号31=「3」に対応するデータを参照した時点で、ネットワークアドレス部の下位16ビットが一致するので、接続先ゲートウェイのIPアドレス=「XX.XX.XX.103」を取得する。
したがって、ネットワークデバイス11−3のMPU21及び通信インタフェース部27は、IP網/公衆通信網12、ゲートウェイサーバ14−3及び基幹ネットワーク13を介して管理サーバ15に対して初期登録要求を行い(ステップS509)、管理サーバ15は、基幹ネットワーク13、ゲートウェイサーバ14−3及びIP網/公衆通信網12を介してネットワークデバイス11−3に対して初期登録完了通知を行い(ステップS510)、処理を終了する。
以上の説明のように、ネットワークデバイス11−1〜11−3が接続するIP網/公衆通信網12のネットワーク体系による負荷分散を実現でき、出荷時に各個別にネットワークデバイス11−1〜11−3に異なるゲートウェイアドレスを設定しなくても、IP網/公衆通信網12への接続時に各ネットワークデバイス11−1〜11−3は己が接続すべきゲートウェイサーバがゲートウェイサーバ14−1〜14−3のいずれであるかを自律的に判断してゲートウェイサーバ14−1〜14−3の負荷分散を実現することが可能となる。
次に、立ち上げ以降のネットワークデバイスにおいて、アクセス頻度に基づいた負荷分散について説明する。図7は、本実施形態にかかる通信システム10における、ネットワークデバイスのアクセス頻度に基づいた通信経路の確立手法の例を示した図である。
図7に示す例では、第1のゲートウェイサーバ14−1の負荷が小さく、第2のゲートウェイサーバ14−2の負荷が大きく、第3のゲートウェイサーバ14−3の負荷が小さいものとする。一方、第1のネットワークデバイス11−1のアクセス頻度が高く、第2のネットワークデバイス11−2のアクセス頻度が低く、第3のネットワークデバイス11−3のアクセス頻度が高いものとする。
本実施形態では、このような状況において、第1のネットワークデバイス11−1のセッションを確立させる場合、図7に示す様に通信の負荷が小さい第3のゲートウェイサーバ14−3が接続先として指示されるように制御を行う。
図8は、ネットワークデバイス毎に適用される負荷分散方式の例を示した図である。図8に示す様に、アクセス頻度が高い第1のネットワークデバイス11−1及び第3のネットワークデバイス11−3は、通信(セッション)の切断時に負荷分散を考慮して、次の接続先が指示される。一方、アクセス頻度が低い第2のネットワークデバイス11−2は、図8に示す様に、ラウンドロビン方式で接続先を決定する。このように、本実施形態では、ネットワークデバイス毎のアクセス頻度に基づいて、接続先の決定手法を切り替える。
そして、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3は、アクセス頻度が高いネットワークデバイス11−1、11−3に対して、管理サーバ15から取得した負荷情報を参照して特定された負荷が小さいゲートウェイサーバ14−1のIPアドレスを特定する。そして、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3の通知部316が、特定したIPアドレスを、接続先ゲートウェイ情報として、ネットワークデバイス11−1、11−3に通知する。これにより、アクセス頻度が高いネットワークデバイス11−1、11−3は、次のセッション確立時に、負荷の低いゲートウェイサーバ(例えば14−3)に対して接続要求を送信することが可能となる。
次に、アクセス頻度が高い第1のネットワークデバイス11−1が、通信パスを確立するまでの処理について説明する。図9は、第1のネットワークデバイス11−1が、通信パスを確立するまでの処理を示したシーケンス図である。
まずは、第1のネットワークデバイス11−1のパス形成部305と、第1のゲートウェイサーバ14−1との間で通信パス(セッション)が確立しているものとする(ステップS901)。
そして、第1のネットワークデバイス11−1のパス形成部305が、通信制御部301を介して、セッションの切断を第1のゲートウェイサーバ14−1に対して要求する(ステップS902)。これにより、第1のゲートウェイサーバ14−1は、パス形成部305に対して、セッションの切断応答を送信する(ステップS903)。
セッションの切断応答を受信したパス形成部305は、アクセス頻度情報の送信を、アクセス頻度算出部303に対して要求する(ステップS904)。
その後、アクセス頻度算出部303が、第1のネットワークデバイス11−1のアクセス頻度を算出する(ステップS905)。そして、アクセス頻度算出部303が、通信制御部301を介して、アクセス頻度情報を、第2のゲートウェイサーバ4−2に通知する(ステップS906)。本実施形態では、負荷分散制御を行う装置が、第2のゲートウェイサーバ14−2の場合について説明するが、第2のゲートウェイサーバ14−2以外のゲートウェイサーバであっても良い。
そして、第2のゲートウェイサーバ14−2のアクセス頻度判定部312は、受信したアクセス頻度情報に基づいて、第1のネットワークデバイス11−1のアクセス頻度が高いか否かを判定する(ステップS907)。なお、本シーケンスでは、アクセス頻度が高いと判定された場合について説明する。
その後、アクセス頻度判定部312が、第1のネットワークデバイス11−1のアクセス頻度が高いことを、分散方式特定部315に通知する(ステップS908)。そして、分散方式特定部315は、通知された情報(アクセス頻度が高いか否か)に基づいて、負荷分散方式を特定する(ステップS909)。本実施形態ではアクセス頻度が高い場合に、次のセッションを確立するための接続先ゲートウェイサーバを指示する旨が決定される。
そこで、分散方式特定部315が、管理サーバ15に対して負荷情報の送信を要求する(ステップS910)。当該要求を受け付けた管理サーバ15は、負荷情報管理部322から負荷情報を読み込み(ステップS911)、読み込んだ負荷情報を第2のゲートウェイサーバ14−2に対して通知する(ステップS912)。
当該通知を受け付けた、第2のゲートウェイサーバ14−2の接続先判定部314が、負荷情報を参照して、通信の負荷が小さいゲートウェイサーバを、次のセッション確立時の接続先として判定する(ステップS913)。
そして、通知部316が、通信制御部311を介して、通信の負荷が最も小さいゲートウェイサーバのIPアドレスが示された接続先ゲートウェイ情報を、第1のネットワークデバイス11−1に対して通知する(ステップS914)。
当該通知を受信した際に、第1のネットワークデバイス11−1は、接続先情報記憶部302の接続先利用フラグに対して、接続先ゲートウェイを利用する旨を設定すると共に、接続先ゲートウェイに、通知された接続先ゲートウェイ情報で示されたIPアドレスを設定する。
その後、第1のネットワークデバイス11−1が、端末16から通信要求を受け付ける(ステップS915)。そして、接続先判定部304が、接続先情報記憶部302を読み込み、接続先を判定する(ステップS916)。本実施形態では、接続先利用フラグを参照することで、接続先ゲートウェイを利用する旨を特定すると共に、接続先情報記憶部302の接続先ゲートウェイに格納された接続先ゲートウェイサーバを示すIPアドレスを読み出す。
そして、パス形成部305が、読み出したIPアドレスに対して、パスの確立要求を送信する(ステップS917)。図9に示すシーケンスでは、パスの確立要求を、第3のゲートウェイサーバ14−3に送信する例とする。
そして、第3のゲートウェイサーバ14−3は、第1のネットワークデバイス11−1に対して、パスの確立応答を送信する(ステップS918)。これにより、第1のネットワークデバイス11−1と、第3のゲートウェイサーバ14−3との間で通信パスを確立する(ステップS919)。
次に、アクセス頻度が低い第2のネットワークデバイス11−2が、通信パスを確立するまでの処理について説明する。図10は、第2のネットワークデバイス11−2が、通信パスを確立するまでの処理を示したシーケンス図である。なお、図10に示す、シーケンスにおいては、既に第2のネットワークデバイス11−2と第2のゲートウェイサーバ14−2との間でセッションが確立しているものとする。
図10に示す例では、図9のステップS901〜S907と同様の手順でアクセス頻度の判定まで行う(ステップS1001〜S1007)。なお、本シーケンスでは、アクセス頻度が低いと判定された場合について説明する。
その後、アクセス頻度判定部312が、第2のネットワークデバイス11−2のアクセス頻度が低いことを、分散方式特定部315に通知する(ステップS1008)。そして、分散方式特定部315は、通知された情報(アクセス頻度が高いか否か)に基づいて、負荷分散方式を特定する(ステップS1009)。本実施形態ではアクセス頻度が低い場合に、次のセッションを確立するためにはラウンドロビンを用いることが決定される。
そして、通知部316が、通信制御部311を介して、ラウンドロビンの利用の要求を、第2のネットワークデバイス11−2に対して通知する(ステップS1010)。
当該通知を受信した際に、第2のネットワークデバイス11−2は、接続先情報記憶部302の接続先利用フラグに対して、ラウンドロビンを利用する旨を設定する。
その後、第2のネットワークデバイス11−2が、端末16から通信要求を受け付ける(ステップS1011)。そして、接続先判定部304が、接続先情報記憶部302を読み込み、接続先を判定する(ステップS1012)。本実施形態では、接続先利用フラグを参照することで、ラウンドロビン利用する旨を特定すると共に、接続先情報記憶部302の接続先ゲートウェイリスト307を参照して、接続先となるゲートウェイサーバを示すIPアドレスを特定する。そして、接続先判定部304は、特定されたIPアドレスを示された接続先ゲートウェイ情報として、パス形成部305に通知する(ステップS1013)。
そして、パス形成部305が、読み出したIPアドレスに対して、パスの確立要求を第3のゲートウェイサーバ14−3に送信する(ステップS1014)。
そして、第3のゲートウェイサーバ14−3は、第2のネットワークデバイス11−2に対して、パスの確立応答を送信する(ステップS1015)。これにより、第2のネットワークデバイス11−2と、第3のゲートウェイサーバ14−3との間で通信パスを確立する(ステップS1016)。
上述したシーケンスにより、ネットワークデバイス11−1〜11−3のアクセス頻度に応じた通信パスの確立が行われるため、負荷を分散することが可能となる。
次に、ネットワークデバイス11−1〜11−3における接続先ゲートウェイリスト307の更新手法について説明する。本実施形態にかかる更新手法では、各ゲートウェイサーバの負荷情報を管理する管理サーバ15から定期的に送信されるリストに基づいて更新する。
図11は、接続先ゲートウェイリスト307の更新手法の例を示したシーケンス図である。図11に示す様に、管理サーバ15が、基幹ネットワーク13及びIP網/公衆通信網12を介して接続されている第1のネットワークデバイス11−1に対して、定期的に接続先ゲートウェイリスト307を送信する(ステップS1101、1103、1105)。なお、本実施形態では、接続先ゲートウェイリスト307には、当該リスト送信時に接続可能なゲートウェイサーバのIPアドレス等が示されている。
そして、第1のネットワークデバイス11−1は、接続先ゲートウェイリスト307を受信した場合に、受信した接続先ゲートウェイリストに基づいて、接続先情報記憶部302の接続先ゲートウェイリスト307を更新する(ステップS1102、1104、1106)。これにより、接続先情報記憶部302に記憶された接続先ゲートウェイリスト307には、接続可能なゲートウェイサーバに関する情報が格納されることになる。これによりラウンドロビン方式で接続先を決める際に、接続先ゲートウェイリスト307を参照することで、確実にゲートウェイサーバに接続することが可能となる。
なお、本実施形態は、接続先ゲートウェイリスト307の更新を定期的に行う手法に制限するものではない。ネットワークデバイス側の要求に応じて、接続先ゲートウェイリスト307を更新しても良い。図12は、接続先ゲートウェイリスト307の更新手法の第2の例を示したシーケンス図である。図12に示す様に、第1のネットワークデバイス11−1の通信制御部301が、接続先ゲートウェイリスト307の要求を、管理サーバ15に対して送信する(ステップS1201)。
これにより、管理サーバ15の通信制御部321が、基幹ネットワーク13及びIP網/公衆通信網12を介して接続されている第1のネットワークデバイス11−1に対して、接続先ゲートウェイリスト307を送信する(ステップS1202)。そして、第1のネットワークデバイス11−1は、受信した接続先ゲートウェイリストに基づいて、接続先情報記憶部302の接続先ゲートウェイリスト307を更新する(ステップS1203)。
このように、接続先ゲートウェイリスト307の更新手法は、定期更新を行っても良いし、ネットワークデバイスからの能動的な更新要求に応じて更新を行っても良いし、他の手法を用いても良い。
本実施形態にかかる通信システム10では、上述した構成及び手順により負荷分散を実現する。
本実施形態にかかる通信システムでは、アクセス要求を受け付ける前に負荷を振り分ける方式として、立ち上げ時にネットワークデバイス側から能動的に接続先を分散する手法を示した。これにより、立ち上げ時にゲートウェイサーバに負荷が集中することを抑止し、負荷分散を可能とした。
さらに、本実施形態にかかる通信システムでは、立ち上げた後の継続した負荷分散を実現するために、アクセス頻度に応じて、ゲートウェイサーバに接続する手法を異ならせることとした。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、ネットワークデバイス11−1〜11−3のアクセス頻度が低い場合に、ラウンドロビン方式でゲートウェイサーバを特定する例について説明した。しかしながら、アクセス頻度が低い場合に、ラウンドロビン方式を用いることに制限するものではない。そこで、第2の実施形態では、アクセス頻度が低い場合に、各ゲートウェイサーバの負荷を考慮して、接続先を決定しても良い。
本実施形態にかかるネットワークデバイス11−1〜11−3の接続先情報記憶部302に記憶された接続先ゲートウェイリスト1301について説明する。図13は、第2の実施形態にかかる接続先ゲートウェイリスト1301のテーブル構造を示した図である。図13に示す例では、第1の実施形態の図4に示した接続先ゲートウェイリスト1301と比べて、負荷を示す項目が追加されている。
そして、図13に示す接続先ゲートウェイリスト1301が更新されてから、所定の時間以内は、各ゲートウェイサーバの負荷状態が信頼できると考えられる。そこで、本実施形態では、接続先ゲートウェイリスト1301を更新してから所定の時間に限り、ネットワークデバイス11−1〜11−3の接続先判定部304は、接続先ゲートウェイリスト1301を参照して、負荷が小さいゲートウェイサーバを、接続先として判定する。なお、所定の時間は、実施の態様に応じて決定されるものとする。
このように、本実施形態にかかるネットワークデバイス11−1〜11−3の通信制御部301が、複数のゲートウェイサーバ14−1〜14−3の各々の通信に基づく負荷が示された接続先ゲートウェイリスト1301を受信(取得)する。
そして、通信制御部301は、接続先判定部304の判定結果により、接続先ゲートウェイリスト1301を受信してから所定の時間に限り、複数のゲートウェイサーバに負荷が分散するように、接続先ゲートウェイリスト1301に基づいて定められたゲートウェイサーバに対して接続要求を送信することとした。
本実施形態においては、アクセス頻度が少ない場合に、接続先ゲートウェイリスト1301が更新されてから所定の時間内に限り、負荷が小さいゲートウェイサーバを接続先として特定できることで、より一層の負荷分散を実現する。
(第3の実施形態)
第1〜第2の実施形態では、負荷情報を管理サーバ15が管理し、ゲートウェイサーバ14−1〜14−3が、ネットワークデバイス11−1〜11−3の次のセッションの接続先を判定する例について説明した。しかしながら、このような構成に制限するものではない。第3の実施形態では、負荷情報をゲートウェイサーバで管理する例とする。
図14は、第3の実施形態にかかる複数のネットワークデバイス11−1、11−2、複数のゲートウェイサーバ14−1、14−2、1401−1及び管理サーバ15の構成を示したブロック図である。なお、複数のゲートウェイサーバ14−1、14−2、及びネットワークデバイス11−1、11−2の構成については第1の実施形態と同様として同一符号を割り当て、説明を省略する。
図14に示す例では、第3のゲートウェイサーバ1401−1が、第1の実施形態の管理サーバ15と同様の構成(通信制御部321,負荷情報管理部322)を備え、各ゲートウェイサーバ14−1、14−2、1401−1の負荷情報を取得し、その他のゲートウェイサーバ14−1、14−2に対して提供する。なお、第3のゲートウェイサーバ1401−1は、ゲートウェイサーバ14−1、14−2が備えるアクセス頻度判定部312、負荷情報取得部313、接続先判定部314、分散方式特定部315、及び通知部316を備えても良い。
第3の実施形態においては、上述した構成を備えることで、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、ゲートウェイサーバが、アクセス頻度に基づいて、各ネットワークデバイス11−1〜11−2の接続先を判定する例について説明した。しかしながら、当該判定を行う装置をゲートウェイサーバに制限するものではなく、負荷分散を制御する装置であればよい。そこで第4の実施形態では、管理サーバが、接続先の判定を行う例について説明する。
図15は、第4の実施形態にかかる複数のネットワークデバイス11−1、11−2、複数のゲートウェイサーバ1511−1、1511−2及び管理サーバ1550の構成を示したブロック図である。なお、ネットワークデバイス11−1、11−2の構成については第1の実施形態と同様として同一符号を割り当て、説明を省略する。
そして、第1のゲートウェイサーバ1511−1、第2のゲートウェイサーバ1511−2は、通信制御部1521を備え、通信制御部1521がネットワークデバイス11−1、11−2と、管理サーバ1550との間で送受信されるデータを中継する。
管理サーバ1550は、通信制御部1551と、負荷情報管理部1552と、アクセス頻度判定部1553と、負荷情報取得部1554と、接続先判定部1555と、分散方式特定部1556と、通知部1557と、を備える。
そして、管理サーバ1550が備える通信制御部1551、及び負荷情報管理部1552は、第1の実施形態の管理サーバ15が記憶する通信制御部321、及び負荷情報管理部322と同様の制御を行うものとする。また、管理サーバ1550が備えるアクセス頻度判定部1553、接続先判定部1555、分散方式特定部1556、及び通知部1557は、第1の実施形態のゲートウェイサーバ14−1が備えるアクセス頻度判定部312、接続先判定部314、分散方式特定部315及び通知部316と同様の制御を行うものとする。
負荷情報取得部1554は、第1のゲートウェイサーバ1511−1、第2のゲートウェイサーバ1511−2から、通信の負荷状態を示した負荷情報を取得して、負荷情報管理部1552に格納する。
次に、アクセス頻度が高い第1のネットワークデバイス11−1が、通信パスを確立するまでの処理について説明する。図16は、第1のネットワークデバイス11−1が、通信パスを確立するまでの処理を示したシーケンス図である。
まずは、第1のネットワークデバイス11−1のパス形成部305と、第1のゲートウェイサーバ1511−1との間で通信パス(セッション)が確立しているものとする(ステップS1601)。
そして、第1のネットワークデバイス11−1のパス形成部305が、通信制御部301を介して、セッションの切断を第1のゲートウェイサーバ1511−1に対して要求する(ステップS1602)。これにより、第1のゲートウェイサーバ1511−1は、パス形成部305に対して、セッションの切断応答を送信する(ステップS1603)。
セッションの切断応答を受信したパス形成部305は、アクセス頻度情報の送信を、アクセス頻度算出部303に対して要求する(ステップS1604)。
その後、アクセス頻度算出部303が、第1のネットワークデバイス11−1のアクセス頻度を算出する(ステップS1605)。そして、アクセス頻度算出部303が、通信制御部301を介して、アクセス頻度情報を、図示しない第3のゲートウェイサーバに通知する(ステップS1606)。なお、第3のゲートウェイサーバは、第1のゲートウェイサーバ1511−1及び第2のゲートウェイサーバ1511−2と同様の構成とする。
そして、第3のゲートウェイサーバは、受信したアクセス頻度情報を、管理サーバ1550に通知する(ステップS1607)。
そして、管理サーバ1550のアクセス頻度判定部1553は、受信したアクセス頻度情報に基づいて、第1のネットワークデバイス11−1のアクセス頻度が高いか否かを判定する(ステップS1608)。なお、本シーケンスでは、アクセス頻度が高いと判定された場合について説明する。
その後、アクセス頻度判定部1553が、第1のネットワークデバイス11−1のアクセス頻度が高いことを、分散方式特定部1556に通知する(ステップS1609)。そして、分散方式特定部1556は、通知された情報(アクセス頻度が高いか否か)に基づいて、負荷分散方式を特定する(ステップS1610)。本実施形態ではアクセス頻度が高い場合に、次のセッションを確立するための接続先ゲートウェイサーバを指示する旨が決定される。
そして、分散方式特定部1556が、負荷情報管理部1552に対して、各ゲートウェイサーバの負荷情報の読み出しを要求する(ステップS1611)。そして、負荷情報管理部1552から負荷情報を読み込み(ステップS1612)、読み込んだ負荷情報を接続先判定部1555に対して通知する(ステップS1613)。
当該通知を受け付けた、接続先判定部1555が、負荷情報を参照して、通信の負荷が小さいゲートウェイサーバを、次のセッション確立時の接続先として判定する(ステップS1614)。
そして、通知部1557が、通信制御部1551を介して、通信の負荷が最も小さいゲートウェイサーバのIPアドレスが示された接続先ゲートウェイ情報を、第3のゲートウェイサーバに対して通知する(ステップS1615)。そして、第3のゲートウェイサーバが、当該接続先ゲートウェイ情報を、第1のネットワークデバイス11−1に対して通知する(ステップS1616)。
当該通知を受信した際に、第1のネットワークデバイス11−1は、接続先情報記憶部302の接続先利用フラグに対して、接続先ゲートウェイを利用する旨を設定すると共に、接続先ゲートウェイに、通知された接続先ゲートウェイ情報で示されたIPアドレスを設定する。
その後、第1のネットワークデバイス11−1が、端末16から通信要求を受け付ける(ステップS1617)。そして、接続先判定部304が、接続先情報記憶部302を読み込み、接続先を判定する(ステップS1618)。本実施形態では、接続先利用フラグを参照することで、接続先ゲートウェイを利用する旨を特定すると共に、接続先情報記憶部302の接続先ゲートウェイに格納された接続先ゲートウェイサーバを示すIPアドレスを読み出す。
そして、パス形成部305が、読み出したIPアドレスに対して、パスの確立要求を送信する(ステップS1619)。図16に示すシーケンスでは、パスの確立要求を、第3のゲートウェイサーバに送信する例とする。
そして、第3のゲートウェイサーバは、第1のネットワークデバイス11−1に対して、パスの確立応答を送信する(ステップS1620)。これにより、第1のネットワークデバイス11−1と、第3のゲートウェイサーバとの間で通信パスを確立する(ステップS1621)。
上述した実施形態にかかる通信システムでは、アクセス頻度が高いネットワークデバイスに対して、セッション切断時に、ゲートウェイサーバ側から次に接続するゲートウェイサーバを指示することとした。これにより、当該指示により、負荷分散を実現し、且つアクセス要求の集中を抑止できる。
一方、アクセス頻度が低いネットワークデバイスに対して、セッション切断時に指示すると、次のアクセスまでの間隔が長い場合に負荷状況が変わっている可能性があるため、ラウンドロビン方式で次に接続するゲートウェイサーバを特定することとした。
このように、アクセス頻度が高い場合に接続先ゲートウェイサーバを指示する一方、アクセス頻度が低い場合に通常のラウンドロビン方式等を用いるように指示することで、ネットワークデバイスに対してアクセス頻度に応じた負荷分散を実現できる。
上述した実施形態のネットワークデバイス及びゲートウェイサーバで実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、上述した実施形態のネットワークデバイス及びゲートウェイサーバで実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のネットワークデバイス及びゲートウェイサーバで実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態の制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。