JP2013254883A - 導電性シート及びその製造方法、並びに合成樹脂成形品及びその成形方法 - Google Patents

導電性シート及びその製造方法、並びに合成樹脂成形品及びその成形方法 Download PDF

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充 梶田
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Abstract

【課題】絶縁性を有する基材の表裏面に導電層を有し、かつ2つの導電層を部分的に導通可能として、多用途化を図ることができる導電性シートを提供する。
【解決手段】導電性シート100は、絶縁性および含浸性を有する基材1と、基材1の表裏面に導電性塗工材を塗布することにより形成された第1導電層2および第2導電層3と、を有する。第1導電層2と第2導電層3は、加熱及び加圧されることにより、基材1を介して導通している。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁性および含浸性を有するシート基材に導電性を付与した導電性シート及びその製造方法、並びに合成樹脂の表面に当該導電性シートを積層した合成樹脂成形品及びその成形方法に関する。
近年のデジタルデバイスの発展とともに、情報量の増加や処理速度の高速化で電子機器は益々高密度実装化され、扱う周波数もMHz帯から数十GHz帯に及ぶ様になっている。電子機器金属筐体や導体シールドによる漏洩電磁波ノイズ閉じ込めだけでなく、多種の機能を持ったデジタル回路が複合され、高周波域での自家中毒や近接空間に於けるノイズの結合、伝導に起因する電磁波ノイズ漏洩が問題視されている。
機器外へのノイズ遮蔽や抑制だけでなく、電子機器内での自家中毒症状による干渉現象の対策手段としても軽量でスペースの取らないノイズ抑制部材の必要性が望まれている。
そこで本発明者等は、含浸性基材と、その上に塗布された導電性付与剤とからなり、且つ、該導電性付与剤を塗布された含浸性基材が加熱及び加圧された電磁波シールド材を提案している(特許文献1参照)。
特開平5−102694号公報
ところで、特許文献1の電磁波シールド材は、絶縁性を有する含浸性基材の片面のみに、例えば網目状の導電層が形成されている。
電子機器の筐体を構成する合成樹脂成形品に電磁波シールド材を付与する場合は、通常、使用者が触れる面に絶縁性をもたせるため、合成樹脂の表面に導電層側が接するように配する。したがって、導電層は外面に露出していないため、内面側の導電層を接地するためには、別途、合成樹脂成形品に端子部を形成するなどの工夫を施さなければならなかった。
また、特許文献1の電磁波シールド材は、絶縁性を有する含浸性基材の片面のみに導電層を有するため、電子機器の電磁波シールドやノイズ遮蔽以外の用途を見出し難く、用途が限られていた。
そこで、本発明の目的は、絶縁性を有する基材の表裏面に導電層を有し、かつ2つの導電層を部分的に導通可能として、多用途化を図ることができる導電性シート、及び当該導電性シートを極めて簡便に製造することができる導電性シートの製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、絶縁性を有する基材の表裏面に導電層を有し、かつ2つの導電層が部分的に導通可能な導電性シートを積層した合成樹脂成形品、及び合成樹脂の表面に当該導電性シートを簡便に積層できる合成樹脂成形品の成形方法を提供することにある。
上記の目的を達成すべく成された本発明の構成は以下の通りである。
すなわち、本発明に係る導電性シートは、絶縁性および含浸性を有する基材と、該基材の表裏面に導電性塗工材を塗布することにより形成された第1導電層および第2導電層と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る導電性シートの製造方法は、絶縁性および含浸性を有する基材の表裏面に導電性塗工材を塗布する工程により、第1導電層および第2導電層を形成することを特徴とする。
さらに、本発明に係る合成樹脂成形品の成形方法は、合成樹脂を成形するための金型内に、少なくとも上記の導電性シートを導入し、合成樹脂成形品の成形時に該合成樹脂成形品の表面に上記導電性シートを積層すると共に、上記導電性シートの第1導電層と第2導電層を導通させることを特徴とする。
そして、本発明に係る合成樹脂成形品は、上記の合成樹脂成形品の成形方法により、合成樹脂の表面に上記導電性シートが積層されると共に、該導電性シートの第1導電層と第2導電層が基材を介して導通していることを特徴とする。
本発明によれば、導電性塗工材を塗布する工程による簡便な方法で、絶縁性および含浸性を有する基材の表裏面に第1導電層および第2導電層を形成することができる。さらに、加熱及び加圧する工程による簡便な方法で、絶縁性および含浸性を有する基材を介して、第1導電層と第2導電層とを部分的に導通させることができる。
したがって、絶縁性および含浸性を有する基材の表裏面には第1導電層および第2導電層が形成され、かつ絶縁性を確保しながら第1導電層と第2導電層とが部分的に導通しているので、導電性シートの多用途化を図ることができる。
樹脂成形の金型内に絶縁性を有する基材の表裏面に第1導電層および第2導電層を有し、かつ第1導電層と第2導電層とを部分的に導通可能な導電性シートを導入することにより、合成樹脂の表面に導電性シートを積層した合成樹脂成形品を簡便に成形することができる。
第1実施形態の導電性シートの積層状態を模式的に示す断面図である。 第1実施形態の導電性シートの表面状況の一例を示す平面図である。 第1実施形態の導電性シートの裏面状況の一例を示す平面図である。 第2実施形態における合成樹脂成形品の成形方法に用いる金型を模式的に示す断面図である。 第2実施形態における合成樹脂成形品の成形工程を示す概略図である。 実施例2における合成樹脂成形品の抵抗値の測定点を示す概略図である。 実施例3における合成樹脂成形品の抵抗値の測定点を示す概略図である。 実施例4における合成樹脂成形品の抵抗値の測定点を示す概略図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る導電性シート及びその製造方法、並びに合成樹脂成形品及びその成形方法の実施形態を説明する。なお、本明細書で特に図示または記載されない部分に関しては、当該技術分野の周知または公知技術を適用する。
<第1実施形態>
[導電性シートの構成]
まず、図1から図3を参照して、第1実施形態の導電性シート1の構成について説明する。図1は第1実施形態の導電性シートの積層状態を模式的に示しており、(a)は導電性塗工材を塗布した状態の断面図、(b)は加熱及び加圧を施した状態の断面図である。図2は第1実施形態の導電性シートの表面状況の一例を示す平面図である。図3は第1実施形態の導電性シートの裏面状況の一例を示す平面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態の導電性シート100は、基材1と、当該基材1の表裏面に形成された第1導電層2および第2導電層3と、を有している。
基材1は、絶縁性および含浸性を有する。
含浸性を有する基材1は、当該基材1上に塗布される塗工材が加熱及び加圧された際、その中に含まれるビヒクル(バインダー)を浸み込ませることができる基材である。具体的には、紙、不織布及び織物もしくは編物等の布地、或いは木材等であるが、特に好ましくは不織布である。
基材1は絶縁性を有するため、例えばナイロン、ポリオレフィン、ポリエステル、天然素材等の不織布である。
基材1は、シート状の薄手のものを用いることが好ましい。また、薄く且つ引張り強度に優れる基材であれば、大判で製造可能なため、生産効率に優れるし、シート使用時の加工性にも優れる。
基材1の平均厚みは、特に限定はされず、用途によって適宜選定すればよいが、好ましくは、10〜500μm程度である。平均厚さが10μm未満であると、導電性シートの剛性が小さくなり、変形、しわが発生し易くなるおそれがあり、また、基材の絶縁性を確保しにくくなるおそれがある。平均厚さが500μmを超えると、導電性シートの剛性が大きくなり、また、第1導電層と第2導電層を基材を介して導通させにくくなり、更には、薄さと軽量化の要望に対応しにくくなる。
第1導電層2および第2導電層3は、シート基材1の表裏面にそれぞれ導電性塗工材を塗布することにより形成される。
導電性塗工材としては、ビヒクルまたはバインダー中に導電性材料を含有する塗料、ペースト、インク等が挙げられる。
導電性材料としては、特に限定されないが、従来から用いられている導体、例えば、Cu、Au、Al等の金属或いはこれらの金属を含む合金、カーボン等の、粒状、鱗片状、細線状等任意の形状のものが挙げられる。これらの中でも、イオンマイグレーションの危険性が低く、比較的安価で優れた導電性を発揮することができるCuが好ましい。
また、ビヒクルまたはバインダーとしては、例えばポリアクリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリビニルアセタール系、フェノール樹脂系等の熱可塑性または熱硬化性の樹脂を用いることができる。
導電層2,3の厚さは、特に限定されないが、30μm〜60μmであることが好ましい。
導電層2,3中の導電性材料の含有量は、特に限定されないが、20重量%〜80重量%であることが好ましい。20重量%より少ないと十分な導電性を得ることができなくなり、80重量%より大きくなると塗膜が脆くなり、また印刷性が悪くなる。
図1(b)に示すように、第1導電層2と第2導電層3の形成された基材1が加熱及び加圧されることにより、第1導電層2と第2導電層3は基材1を介して導通する。したがって、第1導電層2と第2導電層3の間の基材部分には、導電性材料が含浸された導通部1aが形成されていると考えられる。
第1導電層2および第2導電層3のうち、一方は電磁波抑制層として機能し、他方は端子部として機能する。本実施形態では、図2及び図3に示すように、例えば、裏面側の第2導電層3が電磁波抑制層3aとして機能し、表面側の第1導電層2が端子部2aとして機能する。
なお、第1導電層2と第2導電層3の形成された基材1に加熱及び加圧を施すと、基材1の厚みによっては、図3の基材1の裏面には表面側の第1導電層2が裏写りして観え、同様に図2の基材1の表面には裏面側の第2導電層3が裏写りして観える場合もある。
端子部2aとして機能する第1導電層2は、当該端子部2aとなる必要箇所のみに導電層を形成する。
電磁波抑制層3aとして機能する第2導電層3は、ベタ塗りで形成してもよいし、例えばパンチングメタル状、メッシュ状、格子状等に形成してもよい。
導電層2,3は、アンテナ部など電波受信部には形成しないことにより、軽量化や導電性材料の省資源化を図ることができる。また導電層を多層化することで電磁波遮蔽の効果を付与することができる。
導電層2,3の電気抵抗値は、抑制しようとする電磁波ノイズの特性インピーダンスに適合させる様に適宜調整すればよい。電磁波遮蔽効果を大きくする場合は、電気抵抗値を小さくする必要があるが、本発明では、反射損失による影響を抑えるため、電気抵抗値はある程度大きくても構わず、0.1〜1kΩであることが好ましい。このような値は、金属板、金属箔、金属蒸着では達成が困難である。導電層の電気抵抗値は、導電性材料の種類・配合量、印刷版のメッシュ、塗布パターン、塗膜厚、後述する加熱・加圧条件を変えることで調整することができる。
また、第1導電層2および第2導電層3のうち、一方または双方が電気回路として機能するように構成してもよい。この場合、第1導電層2と第2導電層3の形成された基材1に加熱及び加圧を施すと、第1導電層2と第2導電層3は導通するので、当該導通部は例えば、プリント基板の両面実装におけるスルーホールのような役割を担う。
[導電性シートの製造方法]
次に、上記導電性シート100の作用と共に、本実施形態の導電性シート100の製造方法について説明する。
本実施形態の導電性シート100の製造方法は、まず、導電性塗工材を調合する工程を実施する。導電性塗工材を調合する工程は、ビヒクルまたはバインダー中に導電性材料を含有する塗料、ペースト、インク等を混合して、所望の導電性塗工材を調合する。ビヒクルまたはバインダー、導電性材料については既述した通りである。
次に、本実施形態の導電性シート100の製造方法は、導電性塗工材を塗布する工程を実施する。導電性塗工材を塗布する工程は、絶縁性および含浸性を有する基材1の表裏面に導電性塗工材を塗布することにより、基材1の表裏面に第1導電層2および第2導電層3を形成する。
導電性塗工材の塗布方法としては、公知の塗布方法または印刷方法が用いられる。例えば、一般の塗装方法、コーターを用いる方法、スクリーン印刷法等が用いられるが、特にスクリーン印刷法、コーター印刷法が簡便で好ましい。
導電性塗工材を塗布する工程を終了した段階では、図1(a)のように、第1導電層2と第2導電層3は導通していない。
さらに、本実施形態の導電性シート100の製造方法は、加熱及び加圧する工程を実施する。加熱及び加圧する工程は、第1導電層2と第2導電層3を表裏面に形成した基材1を加熱及び加圧することにより、基材1を介して第1導電層2と第2導電層3を導通させる。
加熱及び加圧する工程には、例えば、熱プレス等の加熱と加圧が同時に行える手段を用いる。なお、第2実施形態では、加熱及び加圧する工程として、射出成形を用いている。
加熱条件は、例えば120℃以上であり、特に150℃〜250℃程度であることが好ましい。実際には、導電性塗工材のビヒクルまたはバインダーの流動開始温度、基材の耐熱性等を考慮して、予備テストを行って最適な加熱温度を設定することが好ましい。
加圧条件は、例えば0.490〜9.81MPa(5〜100kgf/cm2)が好ましいが、実際には加熱条件と同様に予備テストを行って最適な加圧力を設定することが好ましい。
加圧方向は、第1導電層2と第2導電層3を表裏面に形成した基材1を表裏面側から積層方向内方へ圧縮するように加圧することが好ましい。
加熱及び加圧する工程を終了した段階で、第1導電層2と第2導電層3は第1導電層2と第2導電層3は基材1を介して導通する。したがって、図1(b)に示すように、第1導電層2と第2導電層3の間の基材部分には、導電性材料が含浸された導通部1aが形成されていると考えられる。尚、加熱及び加圧する工程において、シートを成形して所望の形状としてもよい。
本実施形態の導電性シート100の第1導電層2と第2導電層3は、加熱及び加圧する工程で形成された導通部1aのみが導通しており、他の部分は基材1によって絶縁されている。
以上説明したように、第1実施形態によれば、導電性塗工材を塗布する工程による簡便な方法で、絶縁性および含浸性を有する基材1の表裏面に第1導電層2および第2導電層3を形成することができる。さらに、加熱及び加圧する工程による簡便な方法で、絶縁性および含浸性を有する基材1を介して、第1導電層2と第2導電層3とを部分的に導通させることができる。
したがって、絶縁性および含浸性を有する基材1の表裏面に第1導電層2および第2導電層3が形成されており、かつ絶縁性を確保しながら第1導電層2と第2導電層3とが部分的に導通しているので、導電性シート100の多用途化を図ることができる。すなわち、本実施形態の導電性シート100は、電子機器の電磁波シールドやノイズ遮蔽のみならず、例えば、電気回路を実装した絶縁性シート基材として機能するものである。
<第2実施形態>
[合成樹脂成形品及びその成形方法]
図4を参照して、第2実施形態の合成樹脂成形品の成形方法に用いる金型について説明する。図4は第2実施形態における合成樹脂成形品の成形方法に用いる金型を模式的に示す断面図である。図5は第2実施形態における合成樹脂成形品の成形工程を示す概略図である。
図4に示すように、第2実施形態における金型10は、キャビティ13内で合成樹脂を射出成形する成形金型である。金型10は、可動型11と固定型12とから成っている。固定型12には、合成樹脂をキャビティ13内へ射出する射出口14が設けられている。
なお、可動型11と固定型12は逆に設けてもよい。本実施形態では、一方の型が固定型であるが、双方が可動型であっても構わない。また射出口14は、可動型11に設けられていても構わない。さらに、キャビティ13の形状は図示を簡単にするための例示であって、実際のものとは異なる。
本実施形態の金型10は、必ずしも射出成形金型に限定されず、熱成形金型等の他の成形方法を実施する成形金型であってもよい。
次に図4を参照して、上記金型10を用いて実施する本実施形態の合成樹脂成形品の成形方法を作用と共に説明する。
まず、金型10内に、第1実施形態の導電性シート100を導入する。具体的には、図5(a)に示すように、可動型11と固定型12とを型開きした状態で、可動型11のパーティング面に導電性シート100を、第2導電層3が成形体の表面側となるように導入する。
図4において、本実施形態で可動型11と固定型12の間に導入する導電性シート100は、図1(b)のように加熱及び加圧する工程を経ている必要はなく、図1(a)のように基材1の表裏面に第1導電層2および第2導電層3が形成されていればよい。導電性シート100の状態で加熱及び加圧する工程を経なくとも、本実施形態の射出成形で加熱及び加圧されるからである。
導電性シート100は、金型10内へ導入される前に、あらかじめ熱プレスや真空成形により成形しておいてもよい。導電性シート100の基材1を事前に成形しておけば、成形された基材1の形状に合わせて合成樹脂を沿わせることができる。この際、基材1が成形さえされていれば、第1導電層2と第2導電層3とは導通していても良いし、導通していなくてもよい。
金型10内で成形される合成樹脂は、熱可塑性樹脂であれば、いずれも用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PC/ABS、PA(ポリアミド)、POM(ポリオキシメチレン)等の樹脂が挙げられる。
合成樹脂は、不図示の加熱シリンダ内で、例えば、200〜220℃に加熱されて、溶融流動化される。実際の加熱条件は、合成樹脂の流動化温度、導電性塗工材のビヒクルまたはバインダーの流動開始温度、基材1(図1参照)の耐熱性等を考慮して、予備テストを行って最適な加熱温度を設定することが好ましい。
加圧条件は、金型10のキャビティ13内へ射出された溶融樹脂の圧力が掛かることになる。
可動型11を固定型12側へ移動させて型締めした後、固定型12の射出口14からキャビティ13内へ溶融樹脂が射出される。金型10内に溶融樹脂が射出されると、図5(b)に示すように、樹脂圧が導電性シート100に掛かり、合成樹脂成形品100の表面に導電性シート100が積層される。
溶融状態の合成樹脂成形品200は、金型10を温水で60℃に冷却することにより、キャビティ13内で固化される。キャビティ13側から合成樹脂成形品200が冷却されるので、図5(c)に示すように、合成樹脂成形品200の表面には、導電性シート100がそのまま残存することになる。
合成樹脂が固化した後型開きして、導電性シート100を積層した合成樹脂成形品200が取り出される。
以上説明したように、第2実施形態の合成樹脂成形品の成形方法によれば、金型10内における該金型10と溶融樹脂との間に、第1導電層2及び第2導電層3を有する導電性シート100が導入される。金型10内への溶融樹脂の射出により、樹脂圧が導電性シート100に掛かり、合成樹脂成形品200の表面には導電性シート100が積層される。
よって、第2実施形態の合成樹脂成形品の成形方法は、射出成形の金型10内に、絶縁性および含浸性を有する基材1の表裏面に第1導電層2および第2導電層3を有する導電性シート100を導入することにより、合成樹脂の表面に導電性シート100を積層した合成樹脂成形品200を簡便に成形することができる。
本実施形態の導電性シート100を積層した合成樹脂成形品200は、合成樹脂と接する内面に電磁波抑制層を備え、外面に端子部を備えることができ、かつ電磁波抑制層と端子部とを簡単に導通させることができる。したがって、外面の端子部を介して、内面の電磁波抑制層の接地を容易に行うことができる。また、内面に電磁波抑制層を備えるため、電磁波抑制層のはがれが生じにくい。
すなわち、本実施形態の合成樹脂成形品200は表面に導電性シート100を積層しているので、電磁波シールドやノイズ遮蔽特性を備えた電子機器の筐体として最適である。また、合成樹脂成形品の表面に電気回路を実装した絶縁性シート基材を積層することができるので、アンテナ等の実装に適している。
また、第2実施形態の合成樹脂成形品の成形方法によれば、基材1の表裏面に第1導電層2および第2導電層3を有する導電性シート100を射出成形により加熱及び加圧するので、基材1を介して第1導電層2と第2導電層3とを容易に導通させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
以下、本発明に係る導電性シート及び合成樹脂成形品について、実施例を挙げて、さらに詳しく説明する。
<実施例1>
実施例1は、基材1の表裏面に第1導電層2および第2導電層3を有する導電性シートを作成して、抵抗値の測定を行った(図1参照)。
基材1としては、ポリエステル製不織布(ユニセル(株)製:RT−0113W、目付60g/m2)を採用した。
導電性塗工材としては、銅粉(福田金属箔粉工業(株)製FCC115A)とアクリルシート印刷用インキ(帝国インキ製:VGメジウム)を重量比7:3にて配合した塗工材を用いた。
上記導電性塗工材を用いて、ポリエステル製不織布の表面に150メッシュのパンチアート印刷版でスクリーン印刷し、パンチアート状の第1導電層2を形成した。さらに、上記導電性塗工材を用いて、ポリエステル製不織布の裏面に同じパンチアート印刷版で部分的にスクリーン印刷し、第2導電層3を部分的に形成した。
この状態で、テスター(エーアンドディ製:AD−5523)により抵抗値の簡易測定を行ったところ、表面、裏面、表面と裏面に導電性のある箇所はなかった。
次に、導電層2,3の印刷を施した不織布に170℃、3.92MPa(40kgf/cm2)で60分間の熱プレスを行った。熱プレス後の導電性シート100について、テスターにより表、裏のそれぞれの100mm間の抵抗値、及び表裏間の抵抗値を測定したところ、下記表1の通り導電性が確認された。
Figure 2013254883
<実施例2>
実施例2は、合成樹脂成形品の表面に、基材1の表裏面に第1導電層2および第2導電層3を有する導電性シートを積層して、抵抗値の測定を行った。図6は、実施例2における導電性シートを積層した合成樹脂成形品の抵抗値の測定点を示す概略図である。
基材1としては、ポリエステル製不織布(旭化成せんい(株)製:Y15050、目付50g/m2)を採用した。
導電性塗工材としては、銅粉(福田金属箔粉工業(株)製FCC115A)とPETシート印刷用インキ(帝国インキ製:EGメジウム)を重量比7:3にて配合した塗工材を用いた。
上記導電性塗工材を用いて、ポリエステル製不織布の表面に150メッシュの全面(ベタ)印刷版でスクリーン印刷し、裏面全面に第2導電層3を形成した。さらに、上記導電性塗工材を用いて、ポリエステル製不織布の裏面に150メッシュの印刷版で6箇所の四角(10mm角)をスクリーン印刷し、6箇所の端子部としての第1導電層2を形成した。
この状態で、テスターにより抵抗値の簡易測定を行ったところ、表面、裏面、表面と裏面に導電性のある箇所はなかった。
次に、インサート成形の前処理として、導電層2,3の印刷後の不織布を、端子部を形成した側が成形品の表面になるように熱プレスを行い、その後、外周をトリミングした。印刷後の不織布の熱プレスは、上型温度:80℃、下型温度:90℃、1.47MPa(15kgf/cm2)で行った。
この状態で、テスターにより測定したところ、導電性は確認できなかった。
さらに、熱プレスにより事前成形した不織布を金型内に挿入し、PS樹脂(PSジャパン製:679)にて射出成形を行った。射出成形の樹脂温度は210℃、射出圧は83.4MPa(850kgf/cm2)であった。
図6において、抵抗値の測定点は、

A−B間(50mm)、C−D間(50mm)、E−F間(50mm)、A−E間(100mm)、B−F間(100mm)、A−F間(112mm)、B−E間(112mm)である。
合成樹脂成形品200の射出成形後に、テスターにより6箇所の端子部A〜Fについて上記測定点の抵抗値を測定すると、下記表2の通り導電性が確認された。
Figure 2013254883
<実施例3>
実施例3は、合成樹脂成形品の表面に、基材1の表裏面に第1導電層2および第2導電層3を有する導電性シートを積層して、抵抗値の測定を行った。図7は、実施例3における導電性シートを積層した合成樹脂成形品の抵抗値の測定点を示す概略図である。
基材1としては、(旭化成せんい(株)製:Y15100、目付100g/m2)を採用した。
導電性塗工材としては、上記実施例2同様に、銅粉(福田金属箔粉工業(株)製FCC115A)とPETシート印刷用インキ(帝国インキ製:EGメジウム)を重量比7:3にて配合した塗工材を用いた。
上記導電性塗工材を用い、ポリエステル製不織布の裏面に150メッシュの全面(ベタ)印刷版でスクリーン印刷し、裏面全面に第2導電層3を形成した。さらに、上記導電性塗工材を用い、ポリエステル製不織布の表面に150メッシュの印刷版でスクリーン印刷し、8箇所の円形の端子部(φ10mm)としての第1導電層2を形成した。なお、円形の端子部としての第1導電層2は、合成樹脂成形品200の一側面に相当する位置に形成した。
この状態で、テスターにより抵抗値の測定を行ったところ、表面、裏面、表面と裏面に導電性のある箇所はなかった。
導電層2,3の印刷後の不織布を、円形端子部が成形品の表面側になるように金型内へ挿入し、PP樹脂(プライムポリマー製:R−250G)およびPBT樹脂(三菱エンプラ製:5810GN6−30)にて、射出成形した。射出成形において、PP樹脂温度は230℃、PBT樹脂温度は250℃、射出圧は127MPa(1295kgf/cm2)であった。
図7において、抵抗値の測定点は、A−B間(80mm)、A−C間(160mm)、A−D間(240mm)、B−C間(80mm)、B−D間(160mm)、C−D間(80mm)である。
合成樹脂成形品200の射出成形後に、テスターにより8箇所の円形端子部A〜Dについて上記測定点の抵抗値を測定したところ、下記表3の通り導電性が確認された。
Figure 2013254883
<実施例4>
実施例4は、合成樹脂成形品の表面に、基材1の表裏面に第1導電層2および第2導電層3を有する導電性シートを積層して、抵抗値の測定を行った。図8は、実施例4における導電性シートを積層した合成樹脂成形品の抵抗値の測定点を示す概略図である。
基材1としては、(旭化成せんい(株)製:Y15150、目付150g/m2)を採用した。
導電性塗工材としては、上記実施例2同様に、銅粉(福田金属箔粉工業(株)製FCC115A)とPETシート印刷用インキ(帝国インキ製:EGメジウム)を重量比7:3にて配合した塗工材を用いた。
上記導電性塗工材を用いて、ポリエステル製不織布の裏面に150メッシュの回路印刷版でスクリーン印刷し、裏面に電気回路としての第2導電層3(線幅3mmまたは5mm)を形成した。さらに、上記導電性塗工材を用いて、ポリエステル製不織布の表面に150メッシュの印刷版で上記電気回路上の位置にスクリーン印刷し、8箇所の円形の端子部(φ10mm)としての第1導電層2を形成した。
この状態で、テスターにより抵抗値の測定を行ったところ、表面、裏面、表面と裏面に導電性のある箇所はなかった。
導電層2,3の印刷後の不織布を、実施例3と同様に円形端子部が成形品の表面側になるように金型内に挿入し、PP樹脂(プライムポリマー製:R−250G)およびPBT樹脂(三菱エンプラ製:5810GN6−30)にて、射出成形を行った。射出成形において、PP樹脂温度は230℃、PBT樹脂温度は250℃、射出圧は127MPa(1295kgf/cm2)であった。
図8において、抵抗値の測定点は、A−B間(80mm)、A−C間(160mm)、A−D間(240mm)、B−C間(80mm)、B−D間(160mm)、C−D間(80mm)である。
合成樹脂成形品200の射出成形後に、テスターにより8箇所の円形端子部A〜Dについて上記測定点の抵抗値を測定したところ、下記表4の通り導電性が確認された。
Figure 2013254883
1 基材
2 第1導電層
3 第2導電層
100 導電性シート
200 合成樹脂成形品

Claims (11)

  1. 絶縁性および含浸性を有する基材と、該基材の表裏面に導電性塗工材を塗布することにより形成された第1導電層および第2導電層と、を有することを特徴とする導電性シート。
  2. 前記第1導電層と前記第2導電層は、加熱及び加圧されることにより、前記基材を介して導通していることを特徴とする請求項1に記載の導電性シート。
  3. 前記第1導電層および前記第2導電層のうち、一方は電磁波抑制層として機能し、他方は端子部として機能することを特徴とする請求項1または2に記載の導電性シート。
  4. 前記第1導電層および前記第2導電層のうち、一方または双方が電気回路として機能することを特徴とする請求項1または2に記載の導電性シート。
  5. 導電性塗工材を塗布する工程により、絶縁性および含浸性を有する基材の表裏面に第1導電層および第2導電層を形成することを特徴とする導電性シートの製造方法。
  6. 前記第1導電層と前記第2導電層を表裏面に形成した前記基材を加熱及び加圧する工程により、前記基材を介して前記第1導電層と前記第2導電層を導通させることを特徴とする請求項5に記載の導電性シートの製造方法。
  7. 合成樹脂を成形するための金型内に、請求項1に記載の導電性シートを導入し、合成樹脂成形品の成形時に該合成樹脂成形品の表面に前記導電性シートを積層すると共に、前記導電性シートの第1導電層と第2導電層を導通させることを特徴とする合成樹脂成形品の成形方法。
  8. 前記導電性シートは、前記金型内へ導入される前に、熱プレスまたは真空成形により成形されることを特徴とする請求項7に記載の合成樹脂成形品の成形方法。
  9. 請求項7または8に記載の成形方法により、合成樹脂の表面に前記導電性シートが積層されると共に、該導電性シートの第1導電層と第2導電層が基材を介して導通していることを特徴とする合成樹脂成形品。
  10. 前記第1導電層および前記第2導電層のうち、一方は電磁波抑制層として機能し、他方は端子部として機能することを特徴とする請求項9に記載の合成樹脂成形品。
  11. 前記第1導電層および前記第2導電層のうち、一方または双方が電気回路として機能することを特徴とする請求項9に記載の合成樹脂成形品。
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