JP2013253874A - 原子力プラントおよび原子炉格納容器減圧冷却機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】原子力プラントの苛酷事故発生時に、原子炉格納容器の過圧を防止して、系外への放射性物質拡散を最小限に抑える。
【解決手段】実施形態に係る原子力プラントは、原子炉格納容器2と、原子炉格納容器2の外に配置されたPCCS熱交換器5と、ドライウェル3内の蒸気をPCCS熱交換器5へ導く格納容器内蒸気導入配管4と、PCCS熱交換器5内の凝縮水をドライウェル3内に戻す凝縮水戻り配管6と、PCCS熱交換器5内の非凝縮ガスをサプレッションプール8内に導くサプレッションプール流入配管7と、放射性物質除去プール13を収容する放射性物質除去タンク12と、サプレッションプール流入配管7から分岐して、非凝縮ガスの一部を放射性物質除去プール13内に導く非凝縮ガスベント配管10と、非凝縮ガスベント配管10に取り付けられた非凝縮ガスベント弁11と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態に係る原子力プラントは、原子炉格納容器2と、原子炉格納容器2の外に配置されたPCCS熱交換器5と、ドライウェル3内の蒸気をPCCS熱交換器5へ導く格納容器内蒸気導入配管4と、PCCS熱交換器5内の凝縮水をドライウェル3内に戻す凝縮水戻り配管6と、PCCS熱交換器5内の非凝縮ガスをサプレッションプール8内に導くサプレッションプール流入配管7と、放射性物質除去プール13を収容する放射性物質除去タンク12と、サプレッションプール流入配管7から分岐して、非凝縮ガスの一部を放射性物質除去プール13内に導く非凝縮ガスベント配管10と、非凝縮ガスベント配管10に取り付けられた非凝縮ガスベント弁11と、を有する。
【選択図】図1
Description
この発明の実施形態は、原子炉格納容器の減圧および冷却を行なう格納容器減圧冷却機構、および、かかる格納容器減圧冷却機構を備えた原子力プラントに関する。
一般に、原子力プラントの原子炉格納容器には、苛酷事故時の高温・高圧環境下での原子炉格納容器の破損を防止すべく、減圧冷却機構が設置されている。上記機構は全交流電源喪失時の作動を考慮し、動的操作を必要とせず駆動することが望まれている。
このような減圧冷却機構としては、既設炉においては直接原子炉格納容器の非凝縮性ガスを含む蒸気を大気へ放出させて、一方で失われた保有水を外部から原子炉または原子炉格納容器へ補給させる方式、いわゆる格納容器ベントによる格納容器の減圧冷却方式が知られている(特許文献1参照)。
一方、今後建設される炉の減圧冷却機構としては、原子炉格納容器内のガスを蒸気復水器内に導き、復水プール水との熱交換により蒸気を凝縮させ原子炉格納容器の温度・圧力を低減し、原子炉格納容器を保護する装置、すなわち静的格納容器冷却装置が計画されている。
上述した静的格納容器冷却装置においては、発生した非凝縮性ガスを含む蒸気の冷却が装置内復水プールのみで行われる。しかし、原子炉格納容器の圧力抑制室に貯留される水素の量が圧力抑制室の空間部のキャパシティを越えて過大となれば、格納容器の圧力はそれだけで原子炉格納容器の設計圧力を超えてしまう。このため、原子炉格納容器の耐圧を高めるか、一部の非凝縮性ガスを含む蒸気を大気へベントして圧力を下げる必要があった。
一方、上述した格納容器ベント方式においては、格納容器の減圧に加えて冷却を兼ねるために、大量の蒸気を大気へ放出する必要があった。このため、同量の外部からの注水を継続する必要があり、大口径ベント配管および外部注水配管などの設備、ベントに際しての弁の開閉等の手順やタイミング、格納容器の圧力抑制室から行うのか、あるいはドライウェル側から行うのか、ベントした蒸気内の水素濃度が高く燃焼爆発が生じないような工夫等、実際に行う運転員への負担および解決すべき課題が多かった。水素は事故後、高温による水・金属反応で発生する他、水の放射線分解により長期間に渡って発生する分量もあり、格納容器内での爆発防止を考慮する必要があった。
また、ベントに際してはいかに放射能を低減して放出できるかが重要であり、一つには圧力抑制室側からのベントによりスクラビング効果によって放射能を低減する方法、もう一つにはフィルタベント装置を介して放射能を低減する方法、あるいはそれらの併用が考えられている。特にドライウェル側からのベントはスクラビング効果が得られず、いわばそのまま大気へ放出となってしまうので、フィルタベント装置を通すことは必須であるものの、さらなる放射能低減が望まれていた。
この発明の実施形態は上述した課題を解決するためになされたものであり、静的格納容器冷却装置を備えた原子力プラントの苛酷事故発生時に、原子炉格納容器の過圧を防止して、系外への放射性物質拡散を最小限に抑えることを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明の実施形態による原子力プラントは、原子炉圧力容器を収容するドライウェルと、サプレッションプールを収容するウェットウェルと、前記ドライウェルと前記サプレッションプールとを連絡するLOCAベント管とを備えた原子炉格納容器と、前記原子炉圧力容器および前記サプレッションプールよりも上方で前記原子炉格納容器の外に配置されて冷却水プール中に浸漬された伝熱管を備えたPCCS熱交換器と、前記ドライウェル内の蒸気を前記PCCS熱交換器へ導く格納容器内蒸気導入配管と、前記PCCS熱交換器内で前記蒸気が凝縮することによって生成された凝縮水を前記ドライウェル内に戻す凝縮水戻り配管と、前記PCCS熱交換器内で前記蒸気が凝縮する際に凝縮せずに残った非凝縮ガスを前記サプレッションプール内に導くサプレッションプール流入配管と、前記原子炉格納容器の外に配置されて放射性物質除去プールを収容して当該放射性物質除去プールの上方にガス空間を形成する放射性物質除去タンクと、前記サプレッションプール流入配管の途中から分岐して、前記非凝縮ガスの一部を前記放射性物質除去プール内に導く非凝縮ガスベント配管と、前記非凝縮ガスベント配管に取り付けられた非凝縮ガスベント弁と、を有することを特徴とする。
また、この発明の他の実施形態による原子力プラントは、原子炉圧力容器を収容して上部に着脱可能なドライウェルヘッドを備えたドライウェルと、サプレッションプールを収容するウェットウェルと、前記ドライウェルと前記サプレッションプールとを連絡するLOCAベント管とを備えた原子炉格納容器と、前記原子炉圧力容器および前記サプレッションプールよりも上方で前記原子炉格納容器の外に配置されて前記ドライウェルヘッドに取り付けられたPCCS熱交換器と、前記ドライウェルヘッドに取り付けられて前記ドライウェル内の蒸気を前記PCCS熱交換器へ導く格納容器内蒸気導入配管と、前記ドライウェルヘッドに取り付けられて前記PCCS熱交換器内で前記蒸気が凝縮することによって生成された凝縮水を前記ドライウェル内に戻す凝縮水戻り配管と、前記PCCS熱交換器内で前記蒸気が凝縮する際に凝縮せずに残った非凝縮ガスを前記サプレッションプール内に導くサプレッションプール流入配管と、を有し、原子炉通常運転時に、前記ドライウェルの上方に水が貯められて原子炉ウェルプールが形成され、前記PCCS熱交換器が前記原子炉ウェルプール内に浸漬され、前記サプレッションプール流入配管は、原子炉停止時に途中で切り離し、再結合が可能であること、を特徴とする。
また、この発明の他の実施形態による原子炉格納容器減圧冷却機構は、原子炉圧力容器を収容するドライウェルと、サプレッションプールを収容するウェットウェルと、前記ドライウェルと前記サプレッションプールとを連絡するLOCAベント管とを備えた原子炉格納容器の減圧および冷却を行なう原子炉格納容器減圧冷却機構であって、前記原子炉圧力容器および前記サプレッションプールよりも上方で前記原子炉格納容器の外に配置されて冷却水プール中に浸漬された伝熱管を備えたPCCS熱交換器と、前記ドライウェル内の蒸気を前記PCCS熱交換器へ導く格納容器内蒸気導入配管と、前記PCCS熱交換器内で前記蒸気が凝縮することによって生成された凝縮水を前記ドライウェル内に戻す凝縮水戻り配管と、前記PCCS熱交換器内で前記蒸気が凝縮する際に凝縮せずに残った非凝縮ガスを前記サプレッションプール内に導くサプレッションプール流入配管と、前記原子炉格納容器の外に配置されて放射性物質除去プールを収容して当該放射性物質除去プールの上方にガス空間を形成する放射性物質除去タンクと、前記サプレッションプール流入配管の途中から分岐して、前記非凝縮ガスの一部を前記放射性物質除去プール内に導く非凝縮ガスベント配管と、前記非凝縮ガスベント配管に取り付けられた非凝縮ガスベント弁と、を有することを特徴とする。
この発明の実施形態によれば、静的格納容器冷却装置を備えた原子力プラントの苛酷事故発生時に、原子炉格納容器の過圧を防止して、系外への放射性物質拡散を抑えることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1および図2を参照して、本発明に係る原子力プラントの第1の実施形態について説明する。図1は、本発明に係る原子力プラントの第1の実施形態の模式的立断面図である。図2は、図1の原子力プラントの静的格納容器冷却装置(PCCS)熱交換器およびその周辺の状況を具体的に示す部分立断面図である。
図1および図2を参照して、本発明に係る原子力プラントの第1の実施形態について説明する。図1は、本発明に係る原子力プラントの第1の実施形態の模式的立断面図である。図2は、図1の原子力プラントの静的格納容器冷却装置(PCCS)熱交換器およびその周辺の状況を具体的に示す部分立断面図である。
この実施形態の原子力プラントは沸騰水型原子力発電プラントである。原子炉圧力容器1は原子炉格納容器2内に格納されている。原子炉格納容器2は、原子炉圧力容器1を格納するドライウェル3と、サプレッションプール8を収容するウェットウェル9とに区画され、ドライウェル3とサプレッションプール8は、冷却材喪失事故(LOCA)ベント管30によって連通している。ウェットウェル9内にはサプレッションプール8の水面31が形成され、その上に気相部32が形成されている。
原子炉圧力容器1には主蒸気配管33が接続され、主蒸気配管33は、原子炉格納容器2の外側に配置された蒸気タービン(図示せず)に連絡している。原子炉格納容器2内で、主蒸気配管33に逃し安全弁34が取り付けられ、逃し安全弁34の下流側は、LOCAベント管30内を通る逃し安全弁放出配管35によりサプレッションプール8内に連絡している。
ウェットウェル9内の気相部32内で、LOCAベント管30に真空破壊弁36が取り付けられている。真空破壊弁36は、通常時は閉じているが、原子炉事故時等に、ドライウェル3内が負圧になったときに開いてウェットウェル9内の気相部32からドライウェル3への流れを許容するものである。
ドライウェル3の頂部には着脱可能なドライウェルヘッド40が配置されて密閉されている。
原子炉格納容器2の上方にPCCS熱交換器5が配置されている。PCCS熱交換器5の具体的な構成は、図2に示すように、上部水室17aと、上部水室17aの下に設けられた下部水室17bと、上部水室17aと下部水室17bとを連絡するU字管状の複数の伝熱管18とからなっている。伝熱管18は冷却水プール42内に浸漬されている。冷却水プール42は、たとえばPCCS熱交換器5専用のものであって、大気に開放されている。
上部水室17aの上部は格納容器内蒸気導入配管4によりドライウェルヘッド40の頂部と連絡している。下部水室17bの底部には凝縮水戻り配管6が接続されている。凝縮水戻り配管6は、下部水室17bの底部から下方に延びてドライウェルヘッド40を貫通し、ドライウェル3内で開放している。下部水室17bの上部にはサプレッションプール流入配管7が接続され、サプレッションプール流入配管7の下端はサプレッションプール8内に連絡している。
さらに、原子炉格納容器2の外に放射性物質除去タンク12が配置されている。放射性物質除去タンク12内に放射性物質除去プール13が形成されていて、放射性物質除去タンク12内の放射性物質除去プール13の上方にガス空間43が形成されている。サプレッションプール流入配管7の途中から非凝縮ガスベント配管10が分岐していて、非凝縮ガスベント配管10の先端は放射性物質除去プール13内で開放している。非凝縮ガスベント配管10の途中に、非凝縮ガスベント弁11が取り付けられている。非凝縮ガスベント配管10は、好ましくはサプレッションプール流入配管7よりも小口径である。放射性物質除去タンク12の上部にはガス放出配管14が接続され、ガス放出配管14は放射性物質除去タンク12内のガス空間43で開放している。ガス放出配管14の下流にはスタック16が配置され、スタック16から大気に開放している。ガス放出配管14の途中にはガス放出弁15が配置されている。
上述の構成で、原子炉の通常運転時には、非凝縮ガスベント弁11およびガス放出弁15は閉じていて、原子炉格納容器2内には窒素ガスが封入されている。
苛酷事故の発生により原子炉格納容器2に放射性物質を含む高温・高圧の蒸気および非凝縮性ガスの混合流体が流入した場合、原子炉格納容器2のガスは格納容器内蒸気導入配管4を経て、PCCS熱交換器5の上部水室17aに流入する。このガスはさらに、上部水室17aから伝熱管18内に流入し、冷却水プール42内の冷却水によって冷却され、蒸気が凝縮する。これにより、下部水室17b内の下部には凝縮水が溜まり、下部水室17b内の上部には非凝縮性ガスが溜まる。
下部水室17b内の凝縮水は凝縮水戻り配管6を通ってドライウェル3内に還流する。この凝縮水の戻り先をたとえば原子炉圧力容器1の外壁に当てるようにすれば、原子炉圧力容器1の過熱防止に寄与することができる。
下部水室17b内の非凝縮ガスはサプレッションプール流入配管7を経てサプレッションプール8内へ流入する。非凝縮ガスはサプレッションプール8内から気泡として上昇しウェットウェル9の気相部32内の蒸気と混合する。このとき非凝縮ガス中の放射性物質の一部は、スクラビング効果によってサプレッションプール8内の水に溶け、非凝縮ガス中の放射性物質の量は低減する。
苛酷事故の際に、系外にベントする必要がある場合は、非凝縮ガスベント弁11およびガス放出弁15を開く。これにより、サプレッションプール流入配管7を流れるガスの一部が非凝縮ガスベント配管10を経て放射性物質除去プール13内に送られる。放射性物質除去プール13から気泡として上昇したガスは、ガス空間43からガス放出配管14を経て、スタック16から大気に放出される。
本実施形態によれば、原子炉格納容器2内の蒸気を、動的な操作を必要とすることなく冷却する。これにより、苛酷事故発生時にも信頼性の高い設備として、原子力プラントの安全性が高まる。また、原子炉格納容器2、PCCS熱交換器5およびサプレッションプール8が閉ループを構成することから、閉ループ内の循環冷却により圧力維持および減圧が可能である。これにより、系外へのベント開始に際して時間余裕を確保することができる。
事故時のブロー蒸気により、LOCAベント管30あるいは逃し安全弁34を介してドライウェル3からウェットウェル9に水素が送り込まれて貯留される。この水素は、真空破壊弁36を通してウェットウェル9からドライウェル3に還流され、そこで蒸気と混合した後にPCCS熱交換器5に流入する。そのため、一度水素濃度は大幅に低減され、PCCS熱交換器5内の凝縮により若干濃くなるものの可燃限界までには至らず、非凝縮ガスベント配管10およびガス放出配管14を通してベントする時に、水素の燃焼リスクを低減する効果が期待される。
原子炉格納容器2のベント機能に着目した場合、原子炉格納容器2内に流入した蒸気は冷却によりほとんどが凝縮してドライウェル3に還流し、ベント流出は主に非凝縮性ガスから構成されることから、ベント流量、つまりは蒸気の系外放出量を大幅に低減することが可能である。
また、従来のシステムと比較してPCCS熱交換器5による蒸気冷却機能を有することから、放射性物質除去プール13の容量低減および周辺配管の小口径化が可能である。
また、仮に大量の水素発生により一時的に原子炉格納容器2が設計圧を超えて過圧されたとしても、希ガスの放出に対して事故後1日程度耐えて減衰させた後に本システムを用いて系外にベントすることにより、その後1日程度で設計圧以下まで冷却を継続しながら減圧することが可能である。
ここで、希ガスについて説明すると、苛酷事故時に、原子炉格納容器2内にキセノンXe133、クリプトンKr85等の希ガスが流入することが考えられる。この場合に、希ガスに対してはスクラビング効果をあまり期待できない。このため、原子炉格納容器2の過圧防止と過温防止のために原子炉格納容器2内のガスを即時に放出すると、放射性物質がそのまま外部に放出される危険がある。この実施形態では、希ガスに対して、原子炉格納容器2内に一定時間保持し、時間経過による放射性物質の減衰を行うことができる。
さらにこの実施形態では、非凝縮ガスベント配管10を従来設備に比較して小口径とすることができ、非凝縮性ガスの緩やかな放出が可能であることから、系外放出時に水素濃度が急激に上昇する可能性が低く、スタック16での水素の燃焼リスクを低減する効果がある。
さらに、苛酷事故発生後は、一般に、原子炉格納容器2内での水の放射線分解により、長期に渡って水素が発生することが考えられる。さらに、ここで発生した水素は比重が小さいためにドライウェルヘッド40内側に溜まることが考えられる。この実施形態では、PCCS熱交換器5への格納容器内蒸気導入配管4の貫通口をドライウェルヘッド40に設けたので、原子炉格納容器2内での水の放射線分解で発生した水素を効率よく原子炉格納容器2からスタック16に継続して放出することができる。これにより、原子炉格納容器2内での水素燃焼の可能性を低減する効果が期待される。
以上説明したように、この実施形態によれば、苛酷事故発生時には原子炉格納容器2内の蒸気をPCCS熱交換器5で冷却しつつ、原子炉格納容器2がさらに大量の水素により過圧されるような場合には必要に応じて非凝縮性ガスを系外へベントすることができる。これにより、原子炉格納容器2の過圧を防止するとともに、系外への放射性物質拡散を最小限に抑えることが可能となる。
[第2の実施形態]
図3を参照して、本発明に係る原子力プラントの第2の実施形態について説明する。図3は、本発明に係る原子力プラントの第2の実施形態の模式的立断面図である。
図3を参照して、本発明に係る原子力プラントの第2の実施形態について説明する。図3は、本発明に係る原子力プラントの第2の実施形態の模式的立断面図である。
この実施形態では、格納容器内蒸気導入配管4がドライウェルヘッド40ではなくて原子炉格納容器2の側部に取り付けられている点が第1の実施形態と異なる。また、格納容器内蒸気導入配管4の途中からウェットウェル蒸気導入配管50が分岐して、ウェットウェル蒸気導入配管50がウェットウェル9の気相部32に接続されている。また、格納容器内蒸気導入配管4のウェットウェル蒸気導入配管50との分岐部よりもドライウェル3側にドライウェル蒸気導入弁51が配設され、ウェットウェル蒸気導入配管50にはウェットウェル蒸気導入弁52が配設されている。ここで、ドライウェル蒸気導入弁51とウェットウェル蒸気導入弁52はともに、運転員の選択により開閉可能な開閉弁である。
その他の構成は第1の実施形態と同様である。
この実施形態では、ドライウェル蒸気導入弁51およびウェットウェル蒸気導入弁52の一方を選択して開くことができる。したがって、原子炉事故が発生したときに、その事故の事象によって、PCCS熱交換器5への蒸気の取入れ元として、ドライウェル3あるいはウェットウェル9を選択できる。
このように構成された本実施形態において、たとえば長期の全交流電源喪失事象で原子炉格納容器2からの除熱ができない場合に、静的格納容器冷却装置が有効な原子炉格納容器除熱手段になり得る。このような場合には原子炉が隔離され、逃し安全弁34からの蒸気は逃し安全弁放出配管35を経てサプレッションプール8に吹き出され、サプレッションプール8を加熱加圧していく。
第1の実施形態では、ウェットウェル9内の蒸気および窒素等の非凝縮性ガスは、真空破壊弁36からLOCAベント管30を通してドライウェル3側に還流し、その蒸気と非凝縮性ガスはPCCS熱交換器5によって冷却される。そして、蒸気はPCCS熱交換器5で凝縮し、非凝縮性ガスは非凝縮性ガスベント配管10を通って放射性物質除去プール13に排出される。
この第2の実施形態では、どのような事象であるかは、運転員が原子炉圧力容器1および原子炉格納容器2の状況を監視しながら判断する。そして、ドライウェル蒸気導入弁51およびウェットウェル蒸気導入弁52のいずれかを開く操作が行なわれる。
本実施形態によれば、長期の全交流電源喪失による原子炉の高温待機継続中にも原子炉格納容器2からの除熱が静的格納容器冷却装置により可能となる。しかも、このときに選択的にウェットウェル9から蒸気および非凝縮性ガスを取り込めるので、ドライウェル3内に非凝縮性ガスを残すことができる。これにより、万一のドライウェルスプレイ等の誤作動による原子炉格納容器2の負圧破壊事象の潜在的恐れを取り除くことができる。
また一旦苛酷事故が起きた場合にも、ドライウェル蒸気導入弁51を開くことにより、原子炉格納容器2を除熱し、また、大量の非凝縮性ガスを放射性物質除去プール13を介して排出することができる。
特に、既設の沸騰水型原子力プラントに対して静的格納容器冷却装置を追加設置しようとする場合は、格納容器内蒸気導入配管4およびウェットウェル蒸気導入配管50は、既設の不活性ガス系の配管からとることができ、不活性ガス系の隔離弁をドライウェル蒸気導入弁51およびウェットウェル蒸気導入弁52に替えることで、その外側から静的格納容器冷却装置への蒸気を取り込むことができる。
その他、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第3の実施形態]
図4を参照して、本発明に係る原子力プラントの第3の実施形態について説明する。図4は、本発明に係る原子力プラントの第3の実施形態の模式的立断面図である。
図4を参照して、本発明に係る原子力プラントの第3の実施形態について説明する。図4は、本発明に係る原子力プラントの第3の実施形態の模式的立断面図である。
この実施形態は第2の実施形態の変形である。
この第3の実施形態では、第2の実勢形態におけるウェットウェル蒸気導入弁52に相当するウェットウェル蒸気導入弁52の手前にウェットウェル蒸気導入逆止弁54を設置する。このウェットウェル蒸気導入逆止弁54は、ウェットウェル蒸気導入弁52を開としたままで、ウェットウェル蒸気導入配管50内の流れがウェットウェル9に向かおうとするときは閉となり、ウェットウェル9から出て行く向きの流れに対しては開となる。
その他の構成は第2の実施形態と同様である。
第2の実施形態では、原子炉事故時にドライウェル蒸気導入弁51とウェットウェル蒸気導入弁52のいずれかの弁の開閉操作が必要になる。一方、第3の実施形態では、苛酷事故が起きる前には、ウェットウェル蒸気導入弁52の手前に設置されたウェットウェル蒸気導入逆止弁54の効果により自動的にウェットウェル9側からPCCS熱交換器5へ蒸気を取り込むことができる。そして、万一の苛酷事故が起きた場合には、ドライウェル蒸気導入弁51を開くだけで、ドライウェル3側からの蒸気をPCCS熱交換器5へ取り込むことができる。これにより、苛酷事故発生の際の運転員による操作が単純化される。
その他、本実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第4の実施形態]
図5および図6を参照して、本発明に係る原子力プラントの第4の実施形態について説明する。図5は、本発明に係る原子力プラントの第4の実施形態の模式的立断面図である。図6は、図5の原子力プラントのPCCS熱交換器およびその周辺の状況を具体的に示す部分立断面図である。
図5および図6を参照して、本発明に係る原子力プラントの第4の実施形態について説明する。図5は、本発明に係る原子力プラントの第4の実施形態の模式的立断面図である。図6は、図5の原子力プラントのPCCS熱交換器およびその周辺の状況を具体的に示す部分立断面図である。
この実施形態は第1の実施形態の変形であって、PCCS熱交換器5の設置位置が第1の実施形態と異なる。すなわち、この第4の実施形態では、PCCS熱交換器5が、原子炉ウェルプール19内に配置されている。図6に示す例ではPCCS熱交換器5が2個設置されているが、PCCS熱交換器5は1個でも、3個以上でもよい。
原子炉ウェルプール19は、原子炉通常運転時にドライウェルヘッド40の上に形成されている。サプレッションプール流入配管7はサプレッションプール流入配管フランジ60によって切り離しおよび再接続が可能である。
PCCS熱交換器5、格納容器内蒸気導入配管4、凝縮水戻り配管6は、ドライウェルヘッド40に支持されている。さらに、サプレッションプール流入配管7のうち、サプレッションプール流入配管フランジ60で切り離されるPCCS熱交換器5寄りの部分もドライウェルヘッド40に支持されている。すなわち、原子炉停止中の原子炉点検時などに、サプレッションプール流入配管フランジ60を切り離すことにより、ドライウェルヘッド40、PCCS熱交換器5、格納容器内蒸気導入配管4、凝縮水戻り配管6、およびサプレッションプール流入配管7の一部を一体として移動することができる。これにより、原子炉停止中の原子炉点検時などに、ドライウェルヘッド40を取り外す作業が容易である。
PCCS熱交換器5の位置は、図6に示す例ではドライウェルヘッド40の上方で中央からやや外れた位置にあるが、ドライウェルヘッド40の中央の真上でもよい。
この実施形態の苛酷事故時の作用・効果は第1の実施形態と同様である。なお、原子炉ウェルプール19は、プールそのものにより、ドライウェルヘッド40を上側から冷却する。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、苛酷事故発生時に動的な操作を必要とすることなく、原子炉格納容器2の冷却・減圧が可能である。また、その設置に関しては、ドライウェルヘッド40の上側に機器を追加するのみであり、ドライウェル3の側部に新たな格納容器貫通口や機器設置スペースを設ける必要がない。したがって、本実施形態は新規プラントだけではなく既設プラントへの適用が容易である。
また、サプレッションプール流入配管フランジ60を外すことにより、PCCS熱交換器5、格納容器内蒸気導入配管4、凝縮水戻り配管6などの設備はドライウェルヘッド40と一体で移動できる。このため、原子力プラントの定期検査の作業を効率よく行うことができる。
[第5の実施形態]
図7を参照して、本発明に係る原子力プラントの第5の実施形態について説明する。図7は、本発明に係る原子力プラントの第5の実施形態の模式的立断面図である。
図7を参照して、本発明に係る原子力プラントの第5の実施形態について説明する。図7は、本発明に係る原子力プラントの第5の実施形態の模式的立断面図である。
この実施形態では、PCCS熱交換器5が、既設の冷却水プール20内に浸漬されている。既設の冷却水プール20としては、例えば定期検査用の機器ピットを利用しても良い。
その他の構成は第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、PCCS熱交換器5を既設の冷却水プール20に設置するので、既設プラントへの適用が容易である。したがって、本実施形態では、新規の大幅改造をすることなく、苛酷事故発生時に原子炉格納容器2の静的な冷却・減圧が可能となる。また、新規プールを設置しての利用に際しても、そのプールを苛酷事故時以外には別用途に使用できることから、十分なコスト対効果を期待できる。
[第6の実施形態]
図8を参照して、本発明に係る原子力プラントの第6の実施形態について説明する。図8は、本発明に係る原子力プラントの第6の実施形態のPCCS熱交換器の周辺の状況を示す部分立断面図である。
図8を参照して、本発明に係る原子力プラントの第6の実施形態について説明する。図8は、本発明に係る原子力プラントの第6の実施形態のPCCS熱交換器の周辺の状況を示す部分立断面図である。
この実施形態は第4の実施形態(図5、図6)の変形であって、補給水貯蔵タンク21および補給水配管(補給水流路)22が追加されている。また、補給水配管22には補給水弁70が配設されている。その他の構成は第4の実施形態と同様である。
補給水貯蔵タンク21は原子炉ウェルプール19よりも高い位置に配置されている。
原子炉苛酷事故時に、PCCS熱交換器5で原子炉格納容器2の除熱が行なわれた場合、原子炉格納容器2内の熱が原子炉ウェルプール19に伝わり、原子炉ウェルプール19内の水は蒸発して徐々に失われる。そのため、原子炉ウェルプール19への水補給を行なわないと、原子炉ウェルプール19内の水量が次第に減少する。
この実施形態では、原子炉ウェルプール19内の水量低下を補うために、補給水弁70を開き、補給水配管22を通して補給水貯蔵タンク21内の補給水を原子炉ウェルプール19内に送ることができる。補給水貯蔵タンク21は原子炉ウェルプール19よりも高い位置に配置されているので、ポンプなどの動的な機器を用いずに水頭差を利用して、補給水貯蔵タンク21内の補給水を原子炉ウェルプール19内に送ることができる。
[第7の実施形態]
図9を参照して、本発明に係る原子力プラントの第7の実施形態について説明する。図9は、本発明に係る原子力プラントの第7の実施形態のPCCS熱交換器の周辺の状況を示す部分立断面図である。
図9を参照して、本発明に係る原子力プラントの第7の実施形態について説明する。図9は、本発明に係る原子力プラントの第7の実施形態のPCCS熱交換器の周辺の状況を示す部分立断面図である。
この実施形態は第5の実施形態(図7)の変形であって、補給水貯蔵タンク21および補給水配管22が追加されている。また、補給水配管22には補給水弁70が配設されている。その他の構成は第5の実施形態と同様である。この第7の実施形態における補給水貯蔵タンク21、補給水配管22、補給水弁70は第6の実施形態と同様の構成、機能を備えている。
[第8の実施形態]
図10を参照して、本発明に係る原子力プラントの第8の実施形態について説明する。図10は、本発明に係る原子力プラントの第8の実施形態のPCCS熱交換器の周辺の状況を示す部分立断面図である。
図10を参照して、本発明に係る原子力プラントの第8の実施形態について説明する。図10は、本発明に係る原子力プラントの第8の実施形態のPCCS熱交換器の周辺の状況を示す部分立断面図である。
この実施形態は第6の実施形態(図8)の変形であって、第6の実施形態の補給水貯蔵タンク21に代えて機器ピット23を利用する。機器ピット23と原子炉ウェルプール19との間には開閉ゲート24が配置されている。
この実施形態では、機器ピット23を補給水貯蔵タンクとして利用し、開閉ゲート24を開くことにより、苛酷事故時に原子炉ウェルプール19内の水を補給することができる。
[他の実施形態]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
たとえば、上述の複数の実施形態の特徴を組み合わせることもできる。より具体的には、第1の実施形態(図1)では、格納容器内蒸気導入配管4がドライウェルヘッド40に接続されているが、その接続先を、第2または第3の実施形態(図3、図4)と同様にドライウェル3の側部としてもよい。
また逆に、第2および第3の実施形態(図3、図4)では格納容器内蒸気導入配管4がドライウェル3の側部に接続されているが、この接続部を第1の実施形態(図1)と同様にドライウェルヘッド40に変更してもよい。
1…原子炉圧力容器、2…原子炉格納容器、3…ドライウェル、4…格納容器内蒸気導入配管、5…静的格納容器冷却装置(PCCS)熱交換器、6…凝縮水戻り配管、7…サプレッションプール流入配管、8…サプレッションプール、9…ウェットウェル、10…非凝縮ガスベント配管、11…非凝縮ガスベント弁、12…放射性物質除去タンク、13…放射性物質除去プール、14…ガス放出配管、15…ガス放出弁、16…スタック、17a…上部水室、17b…下部水室、18…伝熱管、19…原子炉ウェルプール、20…冷却水プール、21…補給水貯蔵タンク、22…補給水配管(補給水流路)、23…機器ピット、24…開閉ゲート、30…冷却材喪失事故(LOCA)ベント管、31…水面、32…気相部、33…主蒸気配管、34…逃し安全弁、35…逃し安全弁放出配管、36…真空破壊弁、40…ドライウェルヘッド、42…冷却水プール、43…ガス空間、50…ウェットウェル蒸気導入配管、51…ドライウェル蒸気導入弁、52…ウェットウェル蒸気導入弁、54…ウェットウェル蒸気導入逆止弁、60…サプレッションプール流入配管フランジ、70…補給水弁
Claims (9)
- 原子炉圧力容器を収容するドライウェルと、サプレッションプールを収容するウェットウェルと、前記ドライウェルと前記サプレッションプールとを連絡するLOCAベント管とを備えた原子炉格納容器と、
前記原子炉圧力容器および前記サプレッションプールよりも上方で前記原子炉格納容器の外に配置されて冷却水プール中に浸漬された伝熱管を備えたPCCS熱交換器と、
前記ドライウェル内の蒸気を前記PCCS熱交換器へ導く格納容器内蒸気導入配管と、
前記PCCS熱交換器内で前記蒸気が凝縮することによって生成された凝縮水を前記ドライウェル内に戻す凝縮水戻り配管と、
前記PCCS熱交換器内で前記蒸気が凝縮する際に凝縮せずに残った非凝縮ガスを前記サプレッションプール内に導くサプレッションプール流入配管と、
前記原子炉格納容器の外に配置されて放射性物質除去プールを収容して当該放射性物質除去プールの上方にガス空間を形成する放射性物質除去タンクと、
前記サプレッションプール流入配管の途中から分岐して、前記非凝縮ガスの一部を前記放射性物質除去プール内に導く非凝縮ガスベント配管と、
前記非凝縮ガスベント配管に取り付けられた非凝縮ガスベント弁と、
を有することを特徴とする原子力プラント。 - 前記格納容器内蒸気導入配管の途中で分岐して前記サプレッションプールよりも上方で前記ウェットウェルに接続されたウェットウェル蒸気導入配管と、
前記ウェットウェル蒸気導入配管に配置されたウェットウェル蒸気導入弁と、
前記格納容器内蒸気導入配管の前記ウェットウェル蒸気導入配管との分岐部よりも前記ドライウェル寄りに配置されたドライウェル蒸気導入弁と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の原子力プラント。 - 前記ウェットウェル蒸気導入弁は、前記ウェットウェルからの流れを許容して前記ウェットウェルに向かう流れを阻止する逆止弁であること、を特徴とする請求項2に記載の原子力プラント。
- 原子炉圧力容器を収容して上部に着脱可能なドライウェルヘッドを備えたドライウェルと、サプレッションプールを収容するウェットウェルと、前記ドライウェルと前記サプレッションプールとを連絡するLOCAベント管とを備えた原子炉格納容器と、
前記原子炉圧力容器および前記サプレッションプールよりも上方で前記原子炉格納容器の外に配置されて前記ドライウェルヘッドに取り付けられたPCCS熱交換器と、
前記ドライウェルヘッドに取り付けられて前記ドライウェル内の蒸気を前記PCCS熱交換器へ導く格納容器内蒸気導入配管と、
前記ドライウェルヘッドに取り付けられて前記PCCS熱交換器内で前記蒸気が凝縮することによって生成された凝縮水を前記ドライウェル内に戻す凝縮水戻り配管と、
前記PCCS熱交換器内で前記蒸気が凝縮する際に凝縮せずに残った非凝縮ガスを前記サプレッションプール内に導くサプレッションプール流入配管と、
を有し、
原子炉通常運転時に、前記ドライウェルの上方に水が貯められて原子炉ウェルプールが形成され、前記PCCS熱交換器が前記原子炉ウェルプール内に浸漬され、
前記サプレッションプール流入配管は、原子炉停止時に途中で切り離し、再結合が可能であること、
を特徴とする原子力プラント。 - 前記原子炉格納容器の外に配置されて放射性物質除去プールを収容して当該放射性物質除去プールの上方にガス空間を形成する放射性物質除去タンクと、
前記サプレッションプール流入配管の途中から分岐して、前記非凝縮ガスの一部を前記放射性物質除去プール内に導く非凝縮ガスベント配管と、
前記非凝縮ガスベント配管に取り付けられた非凝縮ガスベント弁と、
をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の原子力プラント。 - 原子炉定期検査用ピットが設けられていて、前記冷却水プールは前記原子炉定期検査用ピット内に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子力プラント。
- 原子炉通常運転時に、前記ドライウェルの上方に冷却水が貯められて原子炉ウェルプールが形成され、前記冷却水プールは前記原子炉ウェルプールであること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子力プラント。
- 前記冷却水プールに冷却水を補給する補給水貯蔵タンクと、
前記冷却水プールと前記補給水貯蔵タンクとを連絡する補給水流路と、
前記補給水流路の途中に設けられた弁と、
をさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の原子力プラント。 - 原子炉圧力容器を収容するドライウェルと、サプレッションプールを収容するウェットウェルと、前記ドライウェルと前記サプレッションプールとを連絡するLOCAベント管とを備えた原子炉格納容器の減圧および冷却を行なう原子炉格納容器減圧冷却機構であって、
前記原子炉圧力容器および前記サプレッションプールよりも上方で前記原子炉格納容器の外に配置されて冷却水プール中に浸漬された伝熱管を備えたPCCS熱交換器と、
前記ドライウェル内の蒸気を前記PCCS熱交換器へ導く格納容器内蒸気導入配管と、
前記PCCS熱交換器内で前記蒸気が凝縮することによって生成された凝縮水を前記ドライウェル内に戻す凝縮水戻り配管と、
前記PCCS熱交換器内で前記蒸気が凝縮する際に凝縮せずに残った非凝縮ガスを前記サプレッションプール内に導くサプレッションプール流入配管と、
前記原子炉格納容器の外に配置されて放射性物質除去プールを収容して当該放射性物質除去プールの上方にガス空間を形成する放射性物質除去タンクと、
前記サプレッションプール流入配管の途中から分岐して、前記非凝縮ガスの一部を前記放射性物質除去プール内に導く非凝縮ガスベント配管と、
前記非凝縮ガスベント配管に取り付けられた非凝縮ガスベント弁と、
を有することを特徴とする原子炉格納容器減圧冷却機構。
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---|---|---|---|
JP2012129912A JP2013253874A (ja) | 2012-06-07 | 2012-06-07 | 原子力プラントおよび原子炉格納容器減圧冷却機構 |
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JP2013253874A true JP2013253874A (ja) | 2013-12-19 |
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ID=49951491
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JP2012129912A Pending JP2013253874A (ja) | 2012-06-07 | 2012-06-07 | 原子力プラントおよび原子炉格納容器減圧冷却機構 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101659864B1 (ko) * | 2015-05-13 | 2016-09-26 | 한국원자력연구원 | 원전 |
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2012
- 2012-06-07 JP JP2012129912A patent/JP2013253874A/ja active Pending
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