JP2013253800A - 箱内の能書検査装置と能書検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】箱1内の能書3の有無を検査する能書検査装置と方法に関する。テラヘルツ波発生手段6で発生されたテラヘルツ波Tは、箱1内の能書3の近傍で焦点fを形成するように照射されるとともに、その照射位置は、上記箱内の能書のない箇所から能書上へ連続的に移動される。箱とその収容物から反射されて散乱される散乱テラヘルツ波T’は散乱電磁波検出手段10によって検出され、判定手段11は、能書3の縁部3aで反射される急激な反射強度の上昇があったら、能書が有ると判定するようになっている。箱とその収容物から反射された反射テラヘルツ波T”を反射電磁波検出手段によって検出してもよく、判定手段は、能書が存在することによる反射強度の低下が検出されたら、能書が有ると判定することができる。
【選択図】図1
Description
従来、箱内の能書の有無を検査する能書検査装置として、重量を計測するものやX線を利用するものの他、ミリ波を利用したもの(特許文献1)およびテラヘルツ波を利用したもの(特許文献2)が知られている。
ミリ波を利用した能書検査装置は、発生させたミリ波を被検査物である箱に向けて送信し、箱内に収容されたビンの蓋と箱の外の反射板の間で複数回反射させてから受信するようにしている。その結果、蓋の上に能書があれば能書を通過する度にミリ波が減衰されるため、受信レベルの大小から能書の有無を検出するようにしている。
また、テラヘルツ波を利用した能書検査装置は、異なる2波長のテラヘルツ波を発生させ、それぞれのテラヘルツ波を被検査物である箱に照射してそれぞれの透過率を計測し、その透過率の相違からテラヘルツ波の吸収に波長依存性のある能書の有無を検出するようにしている。
またミリ波を利用したものではビンの蓋にミリ波を反射させて検査するため、収容する物品や能書の収納形態が限定されるものであり、テラヘルツ波を使用したものでは、異なる2波長のテラヘルツ波を発生させる必要があるため、高価にならざるを得なかった。
本発明はそのような事情に鑑み、被検査物を搬送させながら高速かつ安定的および安全に検査を実施できるものであって、収納物品や能書の収納形態が限定されることなく、より安価に製造することができる箱内の能書検査装置と能書検査方法を提供するものである。
また請求項2の発明は、箱内の能書の有無を検査する箱内の能書検査方法において、ミリ波帯域もしくはテラヘルツ波帯域に含まれる電磁波を、その焦点が上記箱内の能書近傍となるようにしながら上記箱内の能書のない箇所から能書上へ連続的に移動させながら照射させ、該箱とその収容物により反射されて散乱される散乱電磁波を検出して、能書の縁部で電磁波が散乱されることによる急激な散乱強度の上昇が検出されたら、能書有りと判定することを特徴とするものである。
請求項3の発明は、箱内の能書の有無を検査する箱内の能書検査装置において、ミリ波帯域もしくはテラヘルツ波帯域に含まれる電磁波を発生する電磁波発生手段と、この電磁波発生手段で発生された電磁波を、上記箱内の能書近傍で焦点を形成するように照射させる光学手段と、上記電磁波の照射位置を、上記箱内の能書のない箇所から能書上へ連続的に移動させる照射位置移動手段と、上記箱とその収容物により反射された反射電磁波を検出する反射電磁波検出手段と、この反射電磁波検出手段が検出した反射電磁波の反射強度により能書の有無を判定する判定手段とを備え、この判定手段は、能書が存在することによる反射強度の低下を検出して、能書有りと判定することを特徴とするものである。
さらに請求項4の発明は、箱内の能書の有無を検査する箱内の能書検査方法において、ミリ波帯域もしくはテラヘルツ波帯域に含まれる電磁波を、その焦点が上記箱内の能書近傍となるようにしながら上記箱内の能書のない箇所から能書上へ連続的に移動させながら照射させ、該箱とその収容物により反射される反射電磁波を検出して、能書が存在することによる反射強度の低下が検出されたら、能書有りと判定することを特徴とするものである。
箱内に能書がある場合には、電磁波は能書の縁部によって散乱されるようになるので、上記散乱電磁波検出手段は能書の縁部で電磁波が反射されることによる急激な散乱強度の上昇を検出するようになり、それによって上記判定手段は能書有りと判定することができる。他方、箱内に能書がない場合には、能書の縁部で電磁波が反射されることによる急激な散乱強度の上昇がないので、この場合には判定手段は能書無しと判定することができる。
請求項2の能書検査方法によれば、ミリ波帯域もしくはテラヘルツ波帯域に含まれる電磁波は、その焦点が上記箱内の能書近傍となるようにしながら上記箱内の能書のない箇所から能書上へ連続的に移動されながら照射されるとともに、該箱とその収容物により反射されて散乱される散乱電磁波が検出されるようになる。
そして箱内に能書がある場合には、電磁波は能書の縁部によって散乱されるようになるのでその際の急激な散乱強度の上昇を検出することができ、それによって能書有りと判定することができる。他方、箱内に能書がない場合には、能書の縁部で電磁波が反射されることによる急激な散乱強度の上昇がないので、この場合には能書無しと判定することができる。
請求項3の能書検査装置によれば、電磁波発生手段から発生された電磁波は、光学手段によって箱内の能書近傍で焦点を形成するように照射されるとともに、照射位置移動手段によってその照射位置が、上記箱内の能書のない箇所から能書上へ連続的に移動されるようになる。
箱内に能書がある場合には、電磁波は能書によって吸収されるようになるので上記反射電磁波検出手段は能書が存在することによる反射強度の低下を検出するようになり、それによって上記判定手段は能書有りと判定することができる。他方、箱内に能書がない場合には反射強度の低下がないので、この場合には判定手段は能書無しと判定することができる。
さらに請求項4の能書検査方法によれば、ミリ波帯域もしくはテラヘルツ波帯域に含まれる電磁波は、その焦点が上記箱内の能書近傍となるようにしながら上記箱内の能書のない箇所から能書上へ連続的に移動されながら照射されるとともに、該箱とその収容物により反射されて散乱される散乱電磁波が検出されるようになる。
そして箱内に能書がある場合には、電磁波は能書によって吸収されるので反射強度が低下するようになり、それによって能書有りと判定することができる。他方、箱内に能書がない場合には上記反射強度の低下がないので、この場合には能書無しと判定することができる。
このように、本発明によれば1つの電磁波によって能書の有無を判定することができるので、従来に比較して安価に製造することが可能となる。
本実施例では、能書3は、PTPシート2の搬送方向後部側が折り曲げられて複数枚積層されたPTPシート2の後部側を上下に包んでおり、該能書3の上方の先端縁部3aはPTPシート2の上面に位置して、かつPTPシート2の先端部及び箱1の先端部よりも後方側に位置している。
上記能書3の有無を、より具体的には能書3の上記縁部3aの有無を検出するための能書検査装置は、本実施例では540GHzのテラヘルツ波を発生する電磁波発生手段としてのテラヘルツ波発生手段6を備えており、このテラヘルツ波発生手段6で発生されたテラヘルツ波Tは、光学手段7によって、上記箱1内の能書3の高さ位置の近傍で焦点fが形成されるようになっている。
なお、箱の材質はテラヘルツ波が透過できるものであればよく、一般的な紙製の箱の他に樹脂等からなる箱であっても対応が可能である。
そして本実施例においては、上記箱1やその内部の能書3或いはPTPシート2によって反射されるとともに散乱されたテラヘルツ波のうち、散乱された散乱テラヘルツ波T’のみを散乱電磁波検出手段10によって検出できるようにしてある。
すなわち、上記箱1に向けて照射されたテラヘルツ波Tは、箱1などの表面により入射角と反射角との法則に基づいて反射される一方、その照射位置で散乱されるようになるが、本実施例においては箱1などの表面により反射された反射テラヘルツ波ではなく、照射位置から鉛直上方に散乱された散乱テラヘルツ波T’のみを上記散乱電磁波検出手段10で検出できるようにしてある。
上記散乱電磁波検出手段10で検出された信号は、散乱テラヘルツ波T’の散乱強度により能書の有無を判定する判定手段11に入力され、この判定手段11によって、後に詳述するように、能書3の縁部3aで反射される急激な散乱強度の上昇が検出された際に、能書有りと判定されるようになっている。
しかしながらこれに限定されるものではなく、例えば上記光学手段7及び散乱電磁波検出手段10を一体的に首振り可能に構成し、その首振りにより固定した箱1に対してテラヘルツ波の照射位置を連続的に移動させることも可能である。
また、上記テラヘルツ波は一般的には波長1mm〜100μm、周波数300GHz〜3THzの帯域の電磁波であるといわれているが、その範囲は多少流動的であり、本発明においても概ねその範囲の波長の電磁波をテラヘルツ波と称している。換言すれば、本発明におけるテラヘルツ波は厳密に波長1mm〜100μm、周波数300GHz〜3THzの範囲の電磁波に限定されるものではなく、本発明の作用効果を奏することができる範囲の電磁波であればよい。その意味において、本発明で用いられる電磁波は、例えば波長10mm〜1mm、周波数30GHz〜300GHzのミリ波の帯域に含まれる電磁波であってもよい。
そして上記コンベヤ4によって搬送される箱1がテラヘルツ波Tの焦点f位置を横切ると、該箱1とその収容物によって散乱された散乱テラヘルツ波T’が散乱電磁波検出手段10によって検出されるようになる。
同図において、最初の略平坦な散乱強度A1はコンベヤ4の表面によって散乱された散乱テラヘルツ波T’の散乱強度を示している。
そして最初の急激な散乱強度の上昇B1は、箱1の前面が上記焦点f位置を横切った際に検出されたものであり、次の平坦な散乱強度C1は箱1内のPTPシート2の表面によって散乱された散乱テラヘルツ波T’の散乱強度で、上記コンベヤ4の表面による散乱強度A1よりも大きくなっている。
さらに次の急激な反射強度の上昇D1は、箱1内の能書3の縁部3aが上記焦点f位置を横切った際に検出されたものであり、これに続く平坦な散乱強度E1は箱1内の能書3の表面によって散乱された散乱テラヘルツ波T’の散乱強度で、上記コンベヤ4の表面による散乱強度A1よりも大きく、かつPTPシート2による散乱強度C1よりも大きくなっている。
そして最後の急激な反射強度の上昇F1は、箱1の後面が上記焦点f位置を横切った際に検出されたものであり、この後の平坦な散乱強度A1はコンベヤ4による散乱強度である。
或いは、箱1の前面に対する能書3の縁部3aの位置が分かっていれば、最初の急激な反射強度の上昇B1が得られた時間から次の急激な反射強度の上昇D1が得られるであろう時間に、その上昇D1が有ったか否かによっても、能書3の有無を検出することができる。
すなわち本実施例における光学手段17は、5つの凸レンズL11〜L15と、3つのミラーM11〜M13と、1つのビームスプリッタBSとを備えており、テラヘルツ波発生手段16で発生されたテラヘルツ波Tは、凸レンズL11、ミラーM11、M12、凸レンズL12、L13、ミラーM13、ビームスプリッタBS及び凸レンズL14を介して、箱1の上方から該箱1に向けて真下に照射されるようになっている。
この場合においても、テラヘルツ波Tは箱1内の能書近傍で焦点fを形成するように照射される。
上記反射電磁波検出手段20で検出された信号は、反射テラヘルツ波T”の反射強度により能書の有無を判定する判定手段21に入力され、この判定手段21によって、後に詳述するように、能書3が存在することによる反射強度の低下を検出して、能書有りと判定するようになっている。
なお、上記実施例では鉛直方向に反射された反射テラヘルツ波T”を検出しているが、上記箱1の斜め上方から箱1内の能書近傍付近で焦点fを形成するようにテラヘルツ波Tを照射し、焦点位置の鉛直線の線対称位置に反射電磁波検出手段20を設けるようにしてもよい。またこのとき、上記反射電磁波検出手段20は線対称位置に設けることが望ましいが、必ずしもその位置に限定されるものではなく、反射テラヘルツ波T”が検出できるのであればどこに設けてもよい。
同図において、最初の略平坦な反射強度A2はコンベヤ4の表面によって反射された反射テラヘルツ波T’の反射強度を示している。
そして最初の局部的な反射強度の低下B2は、箱1の前面が上記焦点f位置を横切った際に検出されたものである。この際には箱1の前面によりテラヘルツ波Tが散乱されるので、反射電磁波検出手段20で検出される反射テラヘルツ波T’が減少し、それによって局部的な反射強度の低下B2が生じるからである。
次の平坦な反射強度C2は箱1内のPTPシート2が存在する部分によって得られた反射テラヘルツ波T”の反射強度で、テラヘルツ波Tが反射する際に物体が多く存在すると反射量が少なくなるので、当然に上記コンベヤ4の表面による反射強度A2よりも小さくなっている。
上記平坦な反射強度C2に続く平坦な反射強度E2は、箱1内のPTPシート2と能書3とが存在する部分によって得られた反射テラヘルツ波T”の反射強度で、上記PTPシート2が存在する部分の反射強度C2よりも、能書3が存在する分、さらに反射強度が小さくなっている。
そして最後の局部的な反射強度の低下F2は、箱1の後面が上記焦点f位置を横切った際の散乱によって生じたものであり、この後の平坦な反射強度A2はコンベヤ4による反射強度である。
3a 能書の縁部 4 コンベヤ(照射位置移動手段)
6、16 テラヘルツ波発生手段(電磁波発生手段)
7、17 光学手段 10 散乱電磁波検出手段
11、21 判定手段 20 反射電磁波検出手段
BS ビームスプリッタ
L1〜L6、L11〜L15 凸レンズ
M1〜M3、M11〜M13 ミラー T テラヘルツ波(電磁波)
T’ 散乱テラヘルツ波 T” 反射テラヘルツ波
f 焦点
Claims (4)
- 箱内の能書の有無を検査する箱内の能書検査装置において、ミリ波帯域もしくはテラヘルツ波帯域に含まれる電磁波を発生する電磁波発生手段と、この電磁波発生手段で発生された電磁波を、上記箱内の能書近傍で焦点を形成するように照射させる光学手段と、上記電磁波の照射位置を、上記箱内の能書のない箇所から能書上へ連続的に移動させる照射位置移動手段と、上記箱とその収容物により反射されて散乱される散乱電磁波を検出する散乱電磁波検出手段と、この散乱電磁波検出手段が検出した散乱電磁波の散乱強度により能書の有無を判定する判定手段とを備え、この判定手段は、能書の縁部で電磁波が散乱されることによる急激な散乱強度の上昇を検出して、能書有りと判定することを特徴とする箱内の能書検査装置。
- 箱内の能書の有無を検査する箱内の能書検査方法において、ミリ波帯域もしくはテラヘルツ波帯域に含まれる電磁波を、その焦点が上記箱内の能書近傍となるようにしながら上記箱内の能書のない箇所から能書上へ連続的に移動させながら照射させ、該箱とその収容物により反射されて散乱される散乱電磁波を検出して、能書の縁部で電磁波が散乱されることによる急激な散乱強度の上昇が検出されたら、能書有りと判定することを特徴とする箱内の能書検査方法。
- 箱内の能書の有無を検査する箱内の能書検査装置において、ミリ波帯域もしくはテラヘルツ波帯域に含まれる電磁波を発生する電磁波発生手段と、この電磁波発生手段で発生された電磁波を、上記箱内の能書近傍で焦点を形成するように照射させる光学手段と、上記電磁波の照射位置を、上記箱内の能書のない箇所から能書上へ連続的に移動させる照射位置移動手段と、上記箱とその収容物により反射された反射電磁波を検出する反射電磁波検出手段と、この反射電磁波検出手段が検出した反射電磁波の反射強度により能書の有無を判定する判定手段とを備え、この判定手段は、能書が存在することによる反射強度の低下を検出して、能書有りと判定することを特徴とする箱内の能書検査装置。
- 箱内の能書の有無を検査する箱内の能書検査方法において、ミリ波帯域もしくはテラヘルツ波帯域に含まれる電磁波を、その焦点が上記箱内の能書近傍となるようにしながら上記箱内の能書のない箇所から能書上へ連続的に移動させながら照射させ、該箱とその収容物により反射される反射電磁波を検出して、能書が存在することによる反射強度の低下が検出されたら、能書有りと判定することを特徴とする箱内の能書検査方法。
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