JP2013253764A - 空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一軸二段圧縮構造の圧縮機、室外熱交換器、中間熱交換器及びインジェクション管を有する冷暖切り換え可能な空気調和装置において、逆サイクル除霜運転時における中間熱交換器への冷凍機油の溜まり込みを防ぎ、中間熱交換器の除霜を十分に行えるようにする。
【解決手段】空気調和装置(1)では、切換機構(22)を冷房運転状態に切り換えることによって室外熱交換器(23)を除霜する逆サイクル除霜運転を行う際に、中間熱交換器(32)、室外熱交換器(23)及びインジェクション管(27)に冷媒を流すとともに、低段圧縮要素(21a)によって中間圧まで圧縮された冷媒の温度である低段吐出冷媒温度が、低段圧縮要素(21a)によって中間圧まで圧縮された冷媒の圧力である低段吐出冷媒圧力に相当する飽和温度である低段吐出冷媒飽和温度よりも高くなるように、インジェクション弁(27a)の開度を制御する。
【選択図】図7

Description

本発明は、空気調和装置、特に、一軸二段圧縮構造の圧縮機、室外熱交換器、中間熱交換器及びインジェクション管を有する冷暖切り換え可能な空気調和装置に関する。
従来より、特許文献1、2(特開2009−133581号公報、特開2009−229051号公報)に示すような、一軸二段圧縮構造の圧縮機、室外熱交換器、中間熱交換器及びインジェクション管を有する冷暖切り換え可能な空気調和装置がある。
特許文献1の空気調和装置では、逆サイクル除霜運転時に、室外熱交換器だけでなく、中間熱交換器及びインジェクション管にも冷媒を流すようにしている。
特許文献2の空気調和装置では、暖房運転時に、中間熱交換器を冷媒の蒸発器として機能させることができるように構成されている。
特許文献1に示すような逆サイクル除霜運転を行うと、室内熱交換器から圧縮機の低段圧縮要素に戻る冷媒が湿り状態になりやすいため、低段圧縮要素によって圧縮された中間圧の冷媒も湿り状態になりやすい。そうすると、低段圧縮要素における冷媒と冷凍機油との密度差が小さくなり、圧縮機内の冷凍機油が、低段圧縮要素を通じて、圧縮機外に持ち出されやすくなる。このため、圧縮機外に持ち出された冷凍機油が、冷媒と十分に分離されないままで中間熱交換器に流入し、中間熱交換器内に溜まり込むおそれがある。これにより、中間熱交換器における熱交換効率が低下して、中間熱交換器の除霜が十分に行えないおそれがある。特に、特許文献2に示すような、暖房運転時に中間熱交換器を冷媒の蒸発器として機能させることが可能な構成では、暖房運転時における中間熱交換器の着霜量が多いため、中間熱交換器の除霜が不十分になるおそれが非常に高くなる。
本発明の課題は、一軸二段圧縮構造の圧縮機、室外熱交換器、中間熱交換器及びインジェクション管を有する冷暖切り換え可能な空気調和装置において、逆サイクル除霜運転時における中間熱交換器への冷凍機油の溜まり込みを防ぎ、中間熱交換器の除霜を十分に行えるようにすることにある。
第1の観点にかかる空気調和装置は、一軸二段圧縮構造の圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換器と、切換機構と、中間熱交換器と、インジェクション管と、を有している。圧縮機は、単一の駆動軸に連結された低段圧縮要素及び高段圧縮要素を有しており、低圧の冷媒を低段圧縮要素によって中間圧になるまで圧縮し、中間圧まで圧縮された冷媒を高段圧縮要素によって高圧になるまで圧縮する二段圧縮を行う圧縮機である。室外熱交換器は、室外空気を熱源とする熱交換器であって、冷媒の放熱器又は蒸発器として機能する。室内熱交換器は、冷媒の蒸発器又は放熱器として機能する熱交換器である。切換機構は、圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器の順に冷媒を循環させる冷房運転状態と、圧縮機、室内熱交換器、室外熱交換器の順に冷媒を循環させる暖房運転状態と、を切り換える機構である。中間熱交換器は、室外空気を熱源とする熱交換器であって、低段圧縮要素の吐出側と高段圧縮要素の吸入側との間に接続されており、低段圧縮要素によって中間圧まで圧縮された冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。インジェクション管は、開度制御が可能なインジェクション弁を有しており、室外熱交換器又は室内熱交換器において放熱した冷媒の一部を分岐して、高段圧縮要素に送る冷媒管である。そして、この空気調和装置では、切換機構を冷房運転状態に切り換えることによって室外熱交換器を除霜する逆サイクル除霜運転を行う際に、中間熱交換器、室外熱交換器及びインジェクション管に冷媒を流すとともに、低段圧縮要素によって中間圧まで圧縮された冷媒の温度である低段吐出冷媒温度が、低段圧縮要素によって中間圧まで圧縮された冷媒の圧力である低段吐出冷媒圧力に相当する飽和温度である低段吐出冷媒飽和温度よりも高くなるように、インジェクション弁の開度を制御する。
ここでは、逆サイクル除霜運転を行う際に、インジェクション弁の開度が大きくなるため、インジェクション管を通じて高段圧縮要素に戻される中間圧の冷媒の流量、ひいては、高段圧縮要素に吸入される中間圧の冷媒の流量が大きくなる。そして、ここでは、二段圧縮を行う圧縮機として一軸二段圧縮構造の圧縮機を採用していることから、その特性上、高段圧縮要素に吸入される中間圧の冷媒の流量が大きくなるにつれて、低段吐出冷媒圧力が高くなる。そうすると、低段圧縮要素によって圧縮された中間圧の冷媒が過熱状態になり、そして、低段圧縮要素における冷媒と冷凍機油との密度差が大きくなり、低段圧縮要素から持ち出された冷凍機油が、冷媒と十分に分離されるようになる。このため、逆サイクル除霜運転時に、中間熱交換器内に溜まり込むおそれが小さくなる。
これにより、ここでは、中間熱交換器における熱交換効率が低下しにくくなり、中間熱交換器の除霜を十分に行うことができる。
第2の観点にかかる空気調和装置は、第1の観点にかかる空気調和装置において、中間熱交換器が、切換機構を冷房運転状態に切り換えている際に、低段圧縮要素によって中間圧まで圧縮された冷媒の放熱器として機能し、切換機構を暖房運転状態に切り換えている際に、室内熱交換器において放熱した冷媒の蒸発器として機能する。
ここでは、暖房運転時に中間熱交換器を冷媒の蒸発器として機能させる構成を採用していることから、暖房運転時における中間熱交換器の着霜量が多く、中間熱交換器の除霜が不十分になるおそれが非常に高い。
しかし、上記のように、逆サイクル除霜運転を行う際に、低段吐出冷媒温度が低段吐出冷媒飽和温度よりも高くなるように、インジェクション弁の開度を制御するようにしているため、中間熱交換器の除霜を十分に行うことができる。
第3の観点にかかる空気調和装置は、第1又は第2の観点にかかる空気調和装置において、低段吐出冷媒温度が、低段吐出冷媒飽和温度よりも2deg以上高い目標低段吐出冷媒温度になるように、インジェクション弁の開度を制御する。
ここでは、低段吐出冷媒温度の制御目標値として、低段吐出冷媒飽和温度よりも2deg以上高い目標低段吐出冷媒温度を設定している。
これにより、ここでは、低段圧縮要素によって圧縮された中間圧の冷媒を確実に過熱状態にすることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の観点にかかる空気調和装置では、中間熱交換器における熱交換効率が低下しにくくなり、中間熱交換器の除霜を十分に行うことができる。
第2の観点にかかる空気調和装置では、暖房運転時に中間熱交換器を冷媒の蒸発器として機能させる構成を採用しているにもかかわらず、中間熱交換器の除霜を十分に行うことができる。
第3の観点にかかる空気調和装置では、低段圧縮要素によって圧縮された中間圧の冷媒を確実に過熱状態にすることができる。
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の概略構成図である。 空気調和装置の制御ブロック図である。 冷房運転時における空気調和装置内の冷媒の流れを示す図である。 冷房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。 暖房運転時における空気調和装置内の冷媒の流れを示す図である。 暖房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。 逆サイクル除霜運転のフローチャートである。 逆サイクル除霜運転時における空気調和装置内の冷媒の流れを示す図である。 逆サイクル除霜運転時(低段吐出冷媒温度に基づくインジェクション弁の開度制御を行う場合)の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。 逆サイクル除霜運転時(低段吐出冷媒温度に基づくインジェクション弁の開度制御を行わない場合)の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。 変形例にかかる空気調和装置の概略構成図である。 変形例にかかる空気調和装置の概略構成図である。
以下、本発明にかかる空気調和装置の実施形態及びその変形例について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる空気調和装置の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)空気調和装置の構成
<全体>
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、建物等の室内の冷房及び暖房を行うことが可能な装置である。空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と、複数(ここでは、2台)の室内ユニット6a、6bとが接続されることによって構成されている。ここで、室外ユニット2と室内ユニット6a、6bとは、液冷媒連絡管7及びガス冷媒連絡管8を介して接続されている。すなわち、空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と、室内ユニット6a、6bとが冷媒連絡管7、8を介して接続されることによって構成されている。また、冷媒回路10は、超臨界域で作動する冷媒(ここでは、二酸化炭素)を使用した二段圧縮式冷凍サイクルによって、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うことができるように構成されている。
<室内ユニット>
室内ユニット6a、6bは、建物等の室内に設置されている。室内ユニット6a、6bは、冷媒連絡管7、8を介して、互いが並列に接続されるとともに室外ユニット2に接続されており、室外ユニット2との間で冷媒回路10を構成している。尚、ここでは、室内ユニット6a、6bが2台だけであるが、1台だけであってもよいし、また、3台以上の室内ユニットが並列に接続されていてもよい。
次に、室内ユニット6a、6bの構成について説明する。尚、室内ユニット6aと室内ユニット6bとは同様の構成であるため、ここでは、室内ユニット6aの構成だけを説明し、室内ユニット6bの構成については、室内ユニット6aの各部を示す添字「a」を「b」に読み替えるものとして、説明を省略する。
室内ユニット6a、は、主として、室内膨張弁61aと、室内熱交換器62aとを有している。
−室内膨張弁−
室内膨張弁61aは、冷房運転時には液冷媒連絡管7を介して室外ユニット2から送られた冷媒を冷凍サイクルの低圧になるまで減圧し、暖房運転時には室内熱交換器62aを通過した冷凍サイクルの高圧の冷媒を減圧する膨張弁である。ここでは、室内膨張弁61aとして、電動膨張弁が使用されている。室内膨張弁61aは、室内熱交換器62aの液側の端部に接続された室内ユニット液冷媒管63aに設けられている。室内ユニット6aは、室内ユニット液冷媒管63aの室内膨張弁61aの液側の端部に近い側の端部が、液冷媒連絡管7に接続されている。
−室内熱交換器−
室内熱交換器62aは、冷房運転時には室内膨張弁61aによって減圧された冷凍サイクルの低圧の冷媒を蒸発させ、暖房運転時には圧縮機21によって圧縮された冷凍サイクルの高圧の冷媒を放熱させる熱交換器である。室内熱交換器62aは。室内膨張弁61aのガス側の端部に接続されている。室内熱交換器62aは、ここでは、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、室内空気を加熱源又は冷却源として、冷凍サイクルの低圧の冷媒の蒸発又は冷凍サイクルの高圧の冷媒の放熱を行うようになっている。室内熱交換器62aの液側の端部は、室内ユニット液冷媒管63aに接続されており、室内熱交換器62bのガス側の端部は、室内ユニットガス冷媒管64aに接続されている。室内ユニット6aは、室内ユニットガス冷媒管64aの室内熱交換器62aのガス側の端部から遠い側の端部が、ガス冷媒連絡管8に接続されている。尚、ここでは、室内熱交換器62aとして、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器を採用しているが、他の型式の熱交換器であってもよい。
そして、室内熱交換器62aの加熱源又は冷却源としての室内空気は、室内ファン65aによって供給されるようになっている。室内ファン65aは、ここでは、室内ファン用モータ66aによって回転駆動される遠心ファンや多翼ファン等である。
このように、室内熱交換器62a、62bは、ここでは、冷媒の蒸発器又は放熱器として機能する熱交換器を構成している。
−室内側制御部等−
また、室内ユニット6aは、室内ユニット6aを構成する各部の動作を制御する室内側制御部67aを有している。そして、室内側制御部67aは、室内ユニット6aの制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有している。これにより、室内側制御部67aは、室内ユニット6aを個別に操作するためのリモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、他の室内ユニット6b及び室外ユニット2との間で伝送線91を介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<室外ユニット>
室外ユニット2は、建物等の室外に設置されている。室外ユニット2は、液冷媒連絡管7及びガス冷媒連絡管8を介して、室内ユニット6a、6bに接続されており、室内ユニット6a、6bとの間で冷媒回路10を構成している。尚、ここでは、室外ユニット2が1台だけであるが、2台以上の室外ユニットが並列に接続されていてもよい。
室外ユニット2は、主として、圧縮機21と、第1切換機構22と、室外熱交換器23と、第2室外膨張弁25を含むブリッジ回路24と、エコノマイザ熱交換器26と、インジェクション管27と、第1室外膨張弁28と、レシーバ29と、過冷却熱交換器30と、吸入戻し管31と、中間熱交換器32と、第2切換機構33とを有している。
−圧縮機−
圧縮機21は、ここでは、2つの圧縮要素で冷媒を二段圧縮する圧縮機から構成されている。圧縮機21は、ケーシング(図示せず)内に、低段圧縮要素21aと、高段圧縮要素21bと、圧縮機用モータ21cと、駆動軸21dとが収容された密閉式構造となっている。圧縮機用モータ21cは、駆動軸21dに連結されている。そして、駆動軸21dは、2つの圧縮要素21a、21bに連結されている。すなわち、圧縮機21は、低段圧縮要素21a及び高段圧縮要素21bが単一の駆動軸21dに連結されており、2つの圧縮要素21a、21bがともに圧縮機用モータ21cによって回転駆動される、いわゆる一軸二段圧縮構造となっている。圧縮要素21a、21bは、ここでは、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素である。そして、圧縮機21は、吸入冷媒管41から冷凍サイクルの低圧の冷媒を吸入し、この吸入された低圧の冷媒を低段圧縮要素21aによって冷凍サイクルの中間圧になるまで圧縮して、中間冷媒管42に吐出するように構成されている。そして、圧縮機21は、中間冷媒管42から冷凍サイクルの中間圧の冷媒を再度吸入し、この吸入された中間圧の冷媒を高段圧縮要素21bによって冷凍サイクルの高圧になるまで圧縮して、吐出冷媒管43に吐出するように構成されている。ここで、吸入冷媒管41は、冷凍サイクルの低圧の冷媒を、低段圧縮要素21aに吸入させるための冷媒管である。中間冷媒管42は、低段圧縮要素21aから吐出された冷凍サイクルの中間圧の冷媒を、高段圧縮要素21bに吸入させるための冷媒管である。また、吐出冷媒管43は、圧縮機21(ここでは、高段圧縮要素21b)から吐出された冷媒を第1切換機構22に送るための冷媒管である。
また、冷媒回路10には、圧縮機21の圧縮要素21a、21b等の摺動部を潤滑するための冷凍機油が冷媒とともに封入されている。この冷凍機油の大部分は、圧縮機21のケーシング(図示せず)内に溜まっているが、冷凍機油の一部は、圧縮機21の低段圧縮要素21aから冷媒に同伴して中間冷媒管42に吐出されたり、高段圧縮要素21bから冷媒に同伴して吐出冷媒管43に吐出されることで、圧縮機21外に持ち出されることがある。これに対して、中間冷媒管42には、中間圧側油分離機構44が設けられている。中間圧側油分離機構44は、低段圧縮要素21aから吐出される中間圧の冷媒に同伴する冷凍機油を冷媒から分離して圧縮機21へ戻す機構であり、主として、中間圧側油分離器44aと、中間圧側油戻し管44bとを有している。中間圧側油分離器44aは、低段圧縮要素21aから吐出される中間圧の冷媒に同伴する冷凍機油を冷媒から分離する油分離器である。中間圧側油戻し管44bは、中間圧側油分離器44bに接続されており、中間圧の冷媒から分離された冷凍機油を高段圧縮要素21bの吸入側に送る冷媒管である。中間圧側油戻し管44bには、中間圧側油戻し管44bを流れる冷凍機油を減圧するキャピラリチューブ等からなる中間圧側減圧機構44cが設けられている。また、吐出冷媒管43には、高圧側油分離機構45が設けられている。高圧側油分離機構45は、高段圧縮要素21bから吐出される高圧の冷媒に同伴する冷凍機油を冷媒から分離して圧縮機21へ戻す機構であり、主として、高圧側油分離器45aと、高圧側油戻し管45bとを有している。高圧側油分離器45aは、高段圧縮要素21bから吐出される高圧の冷媒に同伴する冷凍機油を冷媒から分離する油分離器である。高圧側油戻し管45bは、高圧側油分離器45bに接続されており、高圧の冷媒から分離された冷凍機油を高段圧縮要素21bの吸入側に送る冷媒管である。高圧側油戻し管45bには、高圧側油戻し管45bを流れる冷凍機油を減圧するキャピラリチューブ等からなる高圧側減圧機構45cが設けられている。
尚、圧縮機21の型式は、ケーシング内の冷凍機油が溜まる空間に充満する冷媒の圧力に応じて低圧ドーム型、中間圧ドーム型及び高圧ドーム型の3つに分類することができるが、ここでは、高圧ドーム型が採用されている。すなわち、圧縮機21は、圧縮要素21a、21bが共通のケーシング(図示せず)内に収容されるとともにケーシング内の冷凍機油が溜まる空間に高段圧縮要素21bから吐出される冷媒が充満する構成になっている。このため、低圧の冷媒は、吸入冷媒管41から低段圧縮要素21aに直接に吸入されて圧縮された後に、低段圧縮要素21aからケーシング外(ここでは、中間冷媒管42)に直接に吐出される。これに対して、中間圧の冷媒は、中間冷媒管42から高段圧縮要素21bに直接に吸入されて圧縮された後に、ケーシング内の冷凍機油が溜まる空間を通じてケーシング外(ここでは、吐出冷媒管43)に吐出されることになる。このため、圧縮機21において、高段圧縮要素21bから吐出される冷媒に同伴する冷凍機油は、ケーシング内の冷凍機油が溜まる空間において、冷媒との分離が行われるが、低段圧縮要素21aから吐出される冷媒に同伴する冷凍機油は、高段圧縮要素21bから吐出される冷媒に同伴する冷凍機油とは異なり、冷媒との分離が行われないため、低段圧縮要素21bから吐出される冷媒に同伴する冷凍機油の量が多くなる傾向がある。
このように、圧縮機21は、ここでは、単一の駆動軸21dに連結された低段圧縮要素21a及び高段圧縮要素21bを有している。そして、圧縮機21は、低圧の冷媒を低段圧縮要素21aによって中間圧になるまで圧縮し、中間圧まで圧縮された冷媒を高段圧縮要素21bによって高圧になるまで圧縮する二段圧縮を行う一軸二段圧縮構造を構成している。
−第1切換機構−
第1切換機構22は、冷媒回路10内における冷媒の流れの方向を切り換えるための機構である。第1切換機構22は、冷房運転時には、室外熱交換器23を圧縮機21によって圧縮された高圧の冷媒の放熱器として、かつ、室内熱交換器62a、62bを室外熱交換器23において放熱した低圧の冷媒の蒸発器として機能させる冷房運転状態への切り換えを行うことができる。すなわち、第1切換機構22は、圧縮機21(ここでは、高段側圧縮要素21b)の吐出側と室外熱交換器23のガス側の端部とを接続するとともに、圧縮機21(ここでは、低段側圧縮要素21a)の吸入側と室内熱交換器62a、62bのガス側の端部とを接続することができる(図1の第1切換機構22の実線を参照)。また、第1切換機構22は、暖房運転時には、室内熱交換器62a、62bを圧縮機21によって圧縮された高圧の冷媒の放熱器として、かつ、室外熱交換器23を室内熱交換器62a、62bにおいて放熱した低圧の冷媒の蒸発器として機能させる暖房運転状態への切り換えを行うことができる。すなわち、第1切換機構22は、圧縮機21(ここでは、高段側圧縮要素21b)の吐出側と室内熱交換器62a、62bのガス側の端部とを接続するとともに、圧縮機21(ここでは、低段側圧縮要素21a)の吸入側と室外熱交換器23のガス側の端部とを接続することができる(図1の第1切換機構22の破線を参照)。第1切換機構22は、ここでは、四路切換弁からなり、圧縮機21の吸入側(ここでは、吸入冷媒管41)、圧縮機21の吐出側(ここでは、吐出冷媒管43)、室外熱交換器23のガス側の端部(ここでは、室外ユニット第1ガス冷媒管46)、及び、室内熱交換器62a、62bのガス側の端部(ここでは、室外ユニット第2ガス冷媒管47)に接続された四路切換弁である。ここで、室外ユニット第1ガス冷媒管46は、第1切換機構22と室外熱交換器23のガス側の端部とを接続する冷媒管である。室外ユニット第2ガス冷媒管47は、ガス冷媒連絡管8及び室内ユニットガス冷媒管64a、64bを介して、第1切換機構22と室内熱交換器62a、62bのガス側の端部とを接続する冷媒管である。尚、第1切換機構22は、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせる等によって、上記と同様の冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。
このように、第1切換機構22は、ここでは、圧縮機21、室外熱交換器23、室内熱交換器62a、62bの順に冷媒を循環させる冷房運転状態と、圧縮機21、室内熱交換器62a、62b、室外熱交換器23の順に冷媒を循環させる暖房運転状態と、を切り換える機構を構成している。
−室外熱交換器−
室外熱交換器23は、冷房運転時には圧縮機21によって圧縮された冷凍サイクルの高圧の冷媒を放熱させ、暖房運転時には第2室外膨張弁25によって減圧された冷凍サイクルの低圧の冷媒を蒸発させる熱交換器である。室外熱交換器23のガス側の端部は、室外ユニット第1ガス冷媒管46を介して、第1切換機構22に接続されており、室外熱交換器23の液側の端部は、室外ユニット液冷媒管48に接続されている。ここで、室外ユニット液冷媒管48は、液冷媒連絡管7、及び、室内膨張弁61a、62を含む室内ユニット液冷媒管63a、63bを介して、室外熱交換器23の液側の端部と室内熱交換器62a、62bの液側の端部とを接続する冷媒管である。室外熱交換器23は、ここでは、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、室外空気を冷却源又は加熱源として、冷凍サイクルの高圧の冷媒の放熱又は冷凍サイクルの低圧の冷媒の蒸発を行うようになっている。尚、ここでは、室外熱交換器23として、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器を採用しているが、他の型式の熱交換器であってもよい。
そして、室外熱交換器23の冷却源又は加熱源としての室外空気は、室外ファン55によって供給されるようになっている。室外ファン35は、ここでは、室外ファン用モータ36によって回転駆動される遠心ファンや多翼ファン等である。
このように、室外熱交換器51は、ここでは、室外空気を熱源として、冷媒の放熱器又は蒸発器として機能する熱交換器を構成している。
−ブリッジ回路−
ブリッジ回路24は、室外ユニット液冷媒管48に設けられており、レシーバ29の入口に接続されたレシーバ入口管49、及び、レシーバ29の出口に接続されたレシーバ出口管50に接続されている。ブリッジ回路24は、ここでは、3つの逆止弁24a、24b、24cと、第2室外膨張弁25とを有している。そして、入口逆止弁24aは、室外熱交換器23からレシーバ入口管49への冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。入口逆止弁24bは、室内熱交換器62a、62bからレシーバ入口管49への冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。すなわち、入口逆止弁24a、24bは、室外熱交換器23及び室内熱交換器62a、62bの一方からレシーバ入口管49に冷媒を流通させる機能を有している。出口逆止弁24cは、レシーバ出口管50から室内熱交換器62a、62bへの冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。第2室外膨張弁25は、冷房運転時には全閉され、暖房運転時にはレシーバ出口管50から室外熱交換器23へ冷媒を流通させる際に冷媒を冷凍サイクルの低圧になるまで減圧する膨張弁である。ここでは、第2室外膨張弁25として、電動膨張弁が使用されている。すなわち、出口逆止弁24c及び第2室外膨張弁25は、レシーバ出口管50から室外熱交換器23及び室内熱交換器62a、62bの他方にレシーバ入口管49に冷媒を流通させる機能を有している。ここで、レシーバ入口管49は、ブリッジ回路24の入口逆止弁24a、24bの出口側の端部とレシーバ29の入口との間を接続している。また、レシーバ出口管50は、ブリッジ回路24の出口逆止弁24c及び第2室外膨張弁25の入口側の端部とレシーバ29の出口との間を接続している。
−エコノマイザ熱交換器、インジェクション管−
エコノマイザ熱交換器26は、レシーバ入口管49に設けられており、室外熱交換器23又は室内熱交換器62a、62bにおいて放熱した冷媒をさらに放熱させる熱交換器である。エコノマイザ熱交換器26は、ここでは、二重管型熱交換器やプレート型熱交換器からなり、放熱側流路26aを流れる冷媒と蒸発側流路26bを流れる冷媒とが熱交換するようになっている。放熱側流路26aには、レシーバ入口管49を流れる冷媒が流れるようになっている。蒸発側流路26bには、レシーバ入口管49から分岐されたインジェクション管27を流れる冷媒が流れるようになっている。すなわち、エコノマイザ熱交換器26は、インジェクション管27を流れる冷媒によってレシーバ入口管49を流れる冷媒の放熱を行わせる熱交換器となっている。
インジェクション管27は、ここでは、レシーバ入口管49のブリッジ回路24側の端部とエコノマイザ熱交換器26の放熱側流路26aとの間の部分から分岐している。尚、インジェクション管27は、エコノマイザ熱交換器26の放熱側流路26aと第1室外膨張弁28との間の部分から分岐していてもよい。また、インジェクション管27は、中間冷媒管42の中間熱交換器32と高段圧縮要素21bとの間の部分に合流している。これにより、インジェクション管27は、室外熱交換器23又は室内熱交換器62a、62bにおいて放熱した冷媒の一部を分岐して、高段圧縮要素21bに送ることができるようになっている。そして、インジェクション管27には、エコノマイザ熱交換器26の蒸発側流路26bの入口寄りの部分に、インジェクション弁27aが設けられている。インジェクション弁27aは、インジェクション管27に分岐された冷媒を冷凍サイクルの中間圧になるまで減圧する開度制御が可能な膨張弁である。ここでは、インジェクション弁27aとして、電動膨張弁が使用されている。
このように、インジェクション管27は、開度制御が可能なインジェクション弁27aを有しており、室外熱交換器23又は室内熱交換器62a、62bにおいて放熱した冷媒の一部を分岐して、高段圧縮要素21bに送る冷媒管である。
−第1室外膨張弁−
第1室外膨張弁28は、レシーバ入口管49に設けられた冷媒を減圧する膨張弁である。ここでは、第1室外膨張弁28として、電動膨張弁が使用されている。第1室外膨張弁28は、その一端がエコノマイザ熱交換器26及びブリッジ回路24を介して、室外熱交換器23に接続され、その他端がレシーバ29の入口に接続されている。そして、第1室外膨張弁28は、冷房運転時には、室外熱交換器23及びエコノマイザ熱交換器26において放熱した冷媒をレシーバ29に送る前に減圧する。また、第1室外膨張弁28は、暖房運転時には、室内熱交換器62a、62bにおいて放熱した冷媒をレシーバ29に送る前に減圧する。
−レシーバ−
レシーバ29は、冷房運転と暖房運転との間で冷媒回路10における冷媒量が異なることが原因となって発生する余剰冷媒を溜めることができるように、第1室外膨張弁28によって減圧された後の冷媒を一時的に溜めるために設けられた容器である。レシーバ29の入口は、レシーバ入口管49に接続されており、レシーバ29の出口は、レシーバ出口管50に接続されている。
−過冷却熱交換器、吸入戻し管−
過冷却熱交換器30は、レシーバ出口管50に設けられており、冷房運転時にレシーバ29において気液分離された液冷媒をさらに放熱させる熱交換器である。過冷却熱交換器30は、ここでは、二重管型熱交換器やプレート型熱交換器からなり、放熱側流路30aを流れる冷媒と蒸発側流路30bを流れる冷媒とが熱交換するようになっている。放熱側流路30aには、レシーバ出口管50を流れる冷媒が流れるようになっている。蒸発側流路30bには、レシーバ29の上部及びレシーバ出口管50から分岐された吸入戻し管31を流れる冷媒が流れるようになっている。すなわち、過冷却熱交換器30は、吸入戻し管31を流れる冷媒によってレシーバ出口管50を流れる冷媒の放熱を行わせる熱交換器となっている。
吸入戻し管31は、ここでは、第1吸入戻し管31aと、第2吸入戻し管31bと、両吸入戻し管31a、31bを流れる冷媒を合流させる合流吸入戻し管31cとを有している。第1吸入戻し管31aは、レシーバ29の上部から冷媒を抜き出す冷媒管である。第2吸入戻し管31bは、レシーバ29の出口管50のレシーバ29の出口と過冷却熱交換器30の放熱側流路30aとの間の部分からレシーバ出口管50を流れる冷媒を分岐する冷媒管である。尚、第2吸入戻し管31bは、レシーバ29の出口管50の過冷却熱交換器30の放熱側流路30aとブリッジ回路24側の端部との間の部分から分岐していてもよい。また、合流吸入戻し管31cは、吸入冷媒管41に合流している。そして、第1吸入戻し管31aには、過冷却熱交換器30の蒸発側流路30bの入口寄りの部分に、第1吸入戻し弁31dが設けられている。また、第2吸入戻し管31bには、過冷却熱交換器30の蒸発側流路30bの入口寄りの部分に、第2吸入戻し弁31eが設けられている。吸入戻し弁31d、31eは、吸入戻し管31a、31bを流れる冷媒を冷凍サイクルの低圧になるまで減圧する開度制御が可能な膨張弁である。ここでは、吸入戻し弁31d、31eとして、電動膨張弁が使用されている。
−中間熱交換器、第2切換機構−
中間熱交換器32は、中間冷媒管42に設けられており、低段圧縮要素21aから吐出されて高段圧縮要素21bに吸入される冷凍サイクルの中間圧の冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。中間熱交換器32は、ここでは、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、室外空気を冷却源として、冷凍サイクルの中間圧の冷媒の放熱を行うようになっている。また、中間熱交換器32は、室外熱交換器23と一体化されている。より具体的には、中間熱交換器32は、室外熱交換器23と伝熱フィンを共有することによって一体化されている。また、冷却源としての室外空気は、室外熱交換器23に室外空気を供給する室外ファン35によって供給されるようになっている。すなわち、室外ファン35は、室外熱交換器23及び中間熱交換器32の両方に室外空気を供給するようになっている。
また、中間冷媒管42には、中間熱交換器32をバイパスするように、中間熱交換器バイパス管51が接続されている。中間熱交換器バイパス管51は、中間熱交換器32を流れる冷媒の流量を制限する冷媒管である。そして、中間冷媒管42及び中間熱交換器バイパス管51には、第2切換機構33が設けられている。第2切換機構33は、低段圧縮要素21aから吐出された中間圧の冷媒を中間熱交換器32を通過させた後に高段圧縮要素21bに送るか、又は低段圧縮要素21aから吐出された中間圧の冷媒を中間熱交換器32を通過させずに高段圧縮要素21bに送るかを切り換える機構である。ここでは、第2切換機構33として、四路切換弁が使用されている。中間熱交換器バイパス管51には、バイパス逆止弁51aが設けられている。バイパス逆止弁51aは、第2切換機構33から高段圧縮要素21bへの冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。また、中間冷媒管42には、中間熱交換器32の高段圧縮要素21b側の端部と中間熱交換器バイパス管51の高段圧縮要素21b側の端部との接続部分との間に、中間冷媒管逆止弁42aが設けられている。中間冷媒管逆止弁42aは、中間熱交換器32の高段圧縮要素21b側の端部から高段圧縮要素21bへの冷媒の流通のみを許容する逆止弁である。また、インジェクション管27は、中間冷媒管42の中間冷媒管逆止弁42aと高段圧縮要素21bとの間の部分に合流している。
また、中間冷媒管42の中間熱交換器32の低段圧縮要素21a側の部分には、第2切換機構33を介して、第1中間熱交換器戻し管52が接続されている。また、中間冷媒管42の中間熱交換器32の高段圧縮要素21b側の端部と中間冷媒管逆止弁42aとの間の部分には、第2中間熱交換器戻し管53が接続されている。第1中間熱交換器戻し管52は、中間熱交換器32を通じて低段圧縮要素21aから吐出された中間圧の冷媒を高段圧縮要素21bに吸入させる中間熱交放熱状態(図1の第2切換機構33の実線を参照)に第2切換機構33を切り換えている際に、圧縮機21の吸入側(ここでは、吸入冷媒管41)と中間熱交換器32の低段圧縮要素21a側の端部との接続を遮断し、中間熱交換器バイパス管51を通じて低段圧縮要素21aから吐出された中間圧の冷媒を高段圧縮要素21bに吸入させる中間熱交蒸発状態(図1の第2切換機構33の破線を参照)に第2切換機構33を切り換えている際に、圧縮機21の吸入側(ここでは、吸入冷媒管41)と中間熱交換器32の低段圧縮要素21a側の端部とを接続する冷媒管である。また、第2中間熱交換器戻し管53は、第2切換機構33を中間熱交蒸発状態に切り換え、かつ、第1切換機構22を暖房運転状態に切り換えている際に、室内熱交換器62a、62bと室外熱交換器23との間(ここでは、レシーバ出口管50のブリッジ回路24との接続部分)と中間熱交換器32の高段圧縮要素21b側の端部とを接続する冷媒管である。第2中間熱交換器戻し管53には、電動膨張弁からなる中間熱交換器戻し弁53aが設けられており、第2切換機構33を中間熱交蒸発状態に切り換えている際に開けられる。これにより、レシーバ29から室外熱交換器23に送られる冷媒の一部は、中間熱交換器戻し管53に分岐され、中間熱交換器戻し弁53aによって冷凍サイクルの低圧まで減圧された後に、中間熱交換器32において蒸発し、室外熱交換器22において蒸発した冷媒と吸入冷媒管41で合流する。これにより、中間熱交換器32は、第1切換機構22を冷房運転状態に切り換えている際に、第2切換機構33を中間熱交放熱状態に切り換えるとともに中間熱交換器戻し弁53aを全閉することによって、低段圧縮要素21aから吐出されて高段圧縮要素21bに吸入される冷凍サイクルの中間圧の冷媒の放熱器として機能するようになっている。また、中間熱交換器32は、第1切換機構22を暖房運転状態に切り換えている際に、第2切換機構33を中間熱交蒸発状態に切り換えるとともに中間熱交換器戻し弁53aを開けることによって、室外空気を加熱源として、室外熱交換器23と並列の冷媒の蒸発器として機能するようになっている。
このように、中間熱交換器32は、ここでは、室外空気を熱源として、低段圧縮要素21aの吐出側と高段圧縮要素21bの吸入側との間に接続されており、低段圧縮要素21aによって中間圧まで圧縮された冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。また、中間熱交換器32は、ここでは、冷媒回路10に中間熱交換器バイパス管51、第2切換機構33及び中間熱交換器戻し管52、53を設けることによって、第1切換機構22を冷房運転状態に切り換えている際に、低段圧縮要素21aによって中間圧まで圧縮された冷媒の放熱器として機能し、第1切換機構22を暖房運転状態に切り換えている際に、室内熱交換器62a、62bにおいて放熱した冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。
−室外側制御部等−
また、室外ユニット2には、各種のセンサが設けられている。具体的には、室外熱交換器23には、室外熱交換器23を流れる冷媒の温度を検出する室外熱交温度センサ54が設けられている。室外熱交換器23及び中間熱交換器32の冷却源又は加熱源としての室外空気の温度を検出する外気温度センサ55が設けられている。中間冷媒管42の低段圧縮要素21aから第2切換機構33までの間の部分には、低段圧縮要素21aによって中間圧まで圧縮された冷媒の温度である低段吐出冷媒温度Td1を検出する低段吐出温度センサ56が設けられている。中間冷媒管42の中間冷媒管逆止弁42aと高段圧縮要素21bとの間の部分には、低段圧縮要素21aによって中間圧まで圧縮された冷媒の圧力である低段吐出冷媒圧力Pd1を検出する低段吐出圧力センサ57が設けられている。
また、室外ユニット2は、室外ユニット2を構成する各部の動作を制御する室外側制御部37を有している。そして、室外側制御部37は、室外ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有している。これにより、室外側制御部37は、室内側制御部67a、67bとの間で伝送線91を介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<冷媒連絡管>
冷媒連絡管7、8は、空気調和装置1を建物等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管であり、設置場所や室外ユニットと室内ユニットとの組み合わせ等の設置条件に応じて種々の長さや管径を有するものが使用される。
以上のように、室外ユニット2と、室内ユニット6a、6bと、冷媒連絡管7、8とが接続されることによって、空気調和装置1の冷媒回路10が構成されている。空気調和装置1は、上記のように、主として、一軸二段圧縮構造の圧縮機21、室外熱交換器23、中間熱交換器32及びインジェクション管27を有しており、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うことができるように構成されている。
<制御部>
空気調和装置1は、室内側制御部67a、67bと室外側制御部37とから構成される制御部9によって、室外ユニット2及び室内ユニット6a、6bの各機器の制御を行うことができるようになっている。すなわち、室内側制御部67a、67bと室外側制御部37との間を接続する伝送線91とによって、冷房運転や暖房運転を含む空気調和装置1全体の運転制御を行う制御部9が構成されている。
制御部9は、図2に示すように、各種センサ54〜57等の検出信号を受けることができるように接続されるとともに、これらの検出信号等に基づいて各種機器及び弁21c、22、25、27a、28、31d、31e、33、36、53a、61a、61b、66a、66b、等を制御することができるように接続されている。
(2)空気調和装置の動作及び制御
次に、空気調和装置1の動作及び制御について、図3〜図10を用いて説明する。ここで、図3は、冷房運転時における空気調和装置1内の冷媒の流れを示す図である。図4は、冷房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。図5は、暖房運転時における空気調和装置1内の冷媒の流れを示す図である。図6は、暖房運転時の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。図7は、逆サイクル除霜運転のフローチャートである。図9は、逆サイクル除霜運転時(低段吐出冷媒温度Td1に基づくインジェクション弁27aの開度制御を行う場合)の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。図10は、逆サイクル除霜運転時(低段吐出冷媒温度Td1に基づくインジェクション弁27aの開度制御を行わない場合)の冷凍サイクルが図示された圧力−エンタルピ線図である。
<冷房運転>
冷房運転時は、第1切換機構22が図3の実線で示される冷房運転状態に切り換えられ、第2切換機構33が図3の実線で示される中間熱交放熱状態に切り換えられる。また、第1室外膨張弁28、インジェクション弁27a、第1及び第2吸入戻し弁31d、31e、及び、室内膨張弁61a、61bは、開度調節される。また、第1切換機構22が冷房運転状態に切り換えられるため、第2室外膨張弁25及び中間熱交換器戻し弁53aが全閉される。
この冷媒回路10の状態において、冷凍サイクルの低圧の冷媒(図3及び図4の点A参照)は、吸入冷媒管41から圧縮機21に吸入され、まず、低段圧縮要素21aによって冷凍サイクルの中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管42に吐出される(図3及び図4の点B参照)。そして、この低段圧縮要素21aから吐出された中間圧の冷媒は、中間圧側油分離器44aに流入し、同伴する冷凍機油が分離される。また、中間圧側油分離器44aにおいて中間圧の冷媒から分離された冷凍機油は、中間圧側油戻し管44bに流入し、中間圧側油戻し管44bに設けられた中間圧側減圧機構44cで減圧された後に、高段圧縮要素21bの吸入側に送られる。次に、中間圧側油分離器44aにおいて冷凍機油が分離された後の中間圧の冷媒は、第2切換機構33を通じて、冷媒の放熱器として機能する中間熱交換器32に送られる。
この中間熱交換器32に送られた中間圧の冷媒は、中間熱交換器32において、室外ファン35によって供給される室外空気と熱交換を行うことで放熱する(図3及び図4の点C参照)。
この中間熱交換器32において放熱した中間圧の冷媒は、中間冷媒管逆止弁42aを通過した後に、インジェクション管27から高段圧縮要素21bに送られる中間圧の冷媒(図3及び図4の点I参照)と合流することでさらに冷却される(図3及び図4の点D参照)。このインジェクション管27から冷媒のインジェクションがなされた中間圧の冷媒は、高段圧縮要素21bに送られる。
この高段圧縮要素21bに送られた中間圧の冷媒は、高段圧縮要素21bに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機21から吐出冷媒管43に吐出される(図3及び図4の点E参照)。ここで、圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、圧縮要素21a、21bによる二段圧縮動作によって、臨界圧力(すなわち、図4に示される臨界点CPにおける臨界圧力Pcp)を超える圧力まで圧縮されている。そして、この高段圧縮要素21bから吐出された高圧の冷媒は、高圧側油分離器45aに流入し、同伴する冷凍機油が分離される。また、高圧側油分離器45aにおいて高圧の冷媒から分離された冷凍機油は、高圧側油戻し管45bに流入し、高圧側油戻し管45bに設けられた高圧側減圧機構45cで減圧された後に、高段圧縮要素21bの吸入側(すなわち、中間冷媒管42)に送られる。次に、高圧側油分離器45aにおいて冷凍機油が分離された後の高圧の冷媒は、第1切換機構22を通じて、冷媒の放熱器として機能する室外熱交換器23に送られる。
この室外熱交換器23に送られた高圧の冷媒は、室外熱交換器23において、室外ファン35によって供給される室外空気と熱交換を行うことで放熱する(図3及び図4の点F参照)。
この室外熱交換器23において放熱した高圧の冷媒は、ブリッジ回路24の入口逆止弁24aを通じてレシーバ入口管49に流入し、その一部がインジェクション管27に分岐される。そして、インジェクション管27を流れる高圧の冷媒は、インジェクション弁27aによって中間圧まで減圧された後に、エコノマイザ熱交換器26の蒸発側流路26bに送られる(図3及び図4の点H参照)。また、インジェクション管27に分岐された後のレシーバ入口管49を流れる高圧の冷媒は、エコノマイザ熱交換器26の放熱側流路26aに流入し、インジェクション管27を流れる中間圧の冷媒と熱交換を行って放熱する(図3及び図4の点G参照)。一方、インジェクション管27を流れる中間圧の冷媒は、エコノマイザ熱交換器26の放熱側流路26aを流れる高圧の冷媒と熱交換を行って蒸発して(図3及び図4の点I参照)、上記のように、中間冷媒管42を流れる中間圧の冷媒に合流することになる。
このエコノマイザ熱交換器26において放熱した高圧の冷媒は、第1室外膨張弁28によって気液二相状態になるまで減圧された後に、レシーバ29に流入して、ガス冷媒と液冷媒とに気液分離される(図3及び図4の点J、K、L参照)。そして、レシーバ29において気液分離されたガス冷媒は、第1吸入戻し管31aに送られ、レシーバ29において気液分離された液冷媒は、レシーバ出口管50に送られる。
このレシーバ出口管50に送られた液冷媒は、その一部が第2吸入戻し管31bに分岐される。そして、第1及び第2吸入戻し管31a、31bに送られたガス冷媒及び液冷媒は、第1及び第2吸入戻し弁31d、31eによって低圧まで減圧された後に(図3及び図4の点M、N参照)、合流吸入戻し管31cで合流して、過冷却熱交換器30の蒸発側流路30bに送られる。また、第2吸入戻し管31bに分岐された後のレシーバ出口管50を流れる液冷媒は、過冷却熱交換器30の放熱側流路30aに流入し、合流吸入戻し管31cを流れる低圧の冷媒と熱交換を行って放熱する(図3及び図4の点O参照)。一方、合流吸入戻し管31cを流れる低圧の冷媒は、過冷却熱交換器30の放熱側流路30aを流れる液冷媒と熱交換を行って蒸発して、吸入冷媒管41を流れる低圧の冷媒に合流することになる。
この過冷却熱交換器30において放熱した液冷媒は、ブリッジ回路24の出口逆止弁24c及び液冷媒連絡管7を通じて、室内膨張弁61a、61bに送られて、室内膨張弁61a、61bによって減圧されて低圧の冷媒となり、冷媒の蒸発器として機能する室内熱交換器62a、62bに送られる。
この室内熱交換器62a、62bに送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器62a、62bにおいて、室内ファン65a、65bによって供給される室内空気と熱交換を行うことで蒸発する。
この室内熱交換器62a、62bにおいて蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡管8及び第1切換機構22を通じて、吸入冷媒管41に送られ、吸入戻し管31から送られる低圧の冷媒と合流した後に、再び、圧縮機21に吸入される(図3及び図4の点A参照)。
<暖房運転>
暖房運転時は、第1切換機構22が図5の破線で示される暖房運転状態に切り換えられ、第2切換機構33が図5の破線で示される中間熱交蒸発状態に切り換えられる。また、第1室外膨張弁28、インジェクション弁27a、及び、室内膨張弁61a、61bは、開度調節される。また、第1切換機構22が暖房運転状態に切り換えられるため、第2室外膨張弁25及び中間熱交換器戻し弁53aが開度調節され、第1吸入戻し弁31dが開度調節され、第2吸入戻し弁31eが閉止される。
この冷媒回路10の状態において、冷凍サイクルの低圧の冷媒(図5及び図6の点A参照)は、吸入冷媒管41から圧縮機21に吸入され、まず、低段圧縮要素21aによって冷凍サイクルの中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管42に吐出される(図5及び図6の点B参照)。そして、この低段圧縮要素21aから吐出された中間圧の冷媒は、中間圧側油分離器44aに流入し、同伴する冷凍機油が分離される。また、中間圧側油分離器44aにおいて中間圧の冷媒から分離された冷凍機油は、中間圧側油戻し管44bに流入し、中間圧側油戻し管44bに設けられた中間圧側減圧機構44cで減圧された後に、高段圧縮要素21bの吸入側に送られる。次に、中間圧側油分離器44aにおいて冷凍機油が分離された後の中間圧の冷媒は、冷房運転時とは異なり、第2切換機構33及び中間熱交換器バイパス管51を通じて、中間熱交換器32において放熱することなく、中間冷媒管42の中間冷媒管逆止弁42aと高段圧縮要素21bとの間の部分に送られる。
この中間熱交換器32をバイパスした中間圧の冷媒は、インジェクション管27から高段圧縮要素21bに送られる中間圧の冷媒(図5及び図6の点I参照)と合流することで冷却される(図5及び図6の点D参照)。このインジェクション管27から冷媒のインジェクションがなされた中間圧の冷媒は、高段圧縮要素21bに送られる。
この高段圧縮要素21bに送られた中間圧の冷媒は、高段圧縮要素21bに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機21から吐出冷媒管43に吐出される(図5及び図6の点E参照)。ここで、圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、圧縮要素21a、21bによる二段圧縮動作によって、臨界圧力(すなわち、図6に示される臨界点CPにおける臨界圧力Pcp)を超える圧力まで圧縮されている。そして、この高段圧縮要素21bから吐出された高圧の冷媒は、高圧側油分離器45aに流入し、同伴する冷凍機油が分離される。また、高圧側油分離器45aにおいて高圧の冷媒から分離された冷凍機油は、高圧側油戻し管45bに流入し、高圧側油戻し管45bに設けられた高圧側減圧機構45cで減圧された後に、高段圧縮要素21bの吸入側(すなわち、中間冷媒管42)に送られる。次に、高圧側油分離器45aにおいて冷凍機油が分離された後の高圧の冷媒は、第1切換機構22及びガス冷媒連絡管8を通じて、冷媒の放熱器として機能する室内熱交換器62a、62bに送られる。
この室内熱交換器62a、62bに送られた高圧の冷媒は、室内熱交換器62a、62bにおいて、室内ファン65a、65bによって供給される室内空気と熱交換を行うことで放熱する(図5及び図6の点P参照)。
この室内熱交換器62a、62bにおいて放熱した高圧の冷媒は、室内膨張弁61a、61bを通過した後に、液冷媒連絡管7及びブリッジ回路24の入口逆止弁24bを通じてレシーバ入口管49に流入し、その一部がインジェクション管27に分岐される。そして、インジェクション管27を流れる高圧の冷媒は、インジェクション弁27aによって中間圧まで減圧された後に、エコノマイザ熱交換器26の蒸発側流路26bに送られる(図5及び図6の点H参照)。また、インジェクション管27に分岐された後のレシーバ入口管49を流れる高圧の冷媒は、エコノマイザ熱交換器26の放熱側流路26aに流入し、インジェクション管27を流れる中間圧の冷媒と熱交換を行って放熱する(図5及び図6の点G参照)。一方、インジェクション管27を流れる中間圧の冷媒は、エコノマイザ熱交換器26の放熱側流路26aを流れる高圧の冷媒と熱交換を行って蒸発して(図5及び図6の点I参照)、上記のように、中間冷媒管42を流れる中間圧の冷媒に合流することになる。
このエコノマイザ熱交換器26において放熱した高圧の冷媒は、第1室外膨張弁28によって気液二相状態になるまで減圧された後に、レシーバ29に流入する(図5及び図6の点J、L、K参照)。そして、レシーバ29において気液分離されたガス冷媒は、第1吸入戻し管31aに送られ、レシーバ29において気液分離された液冷媒は、レシーバ出口管50に送られる。
このレシーバ出口管50に送られた液冷媒は、第2吸入戻し管31bに分岐されることなく、過冷却熱交換器30の放熱側流路30aを通過する。一方、第1吸入戻し管31aに送られたガス冷媒は、第1吸入戻し弁31dによって低圧まで減圧された後に(図5及び図6の点M参照)、合流吸入戻し管31cで合流し、過冷却熱交換器30の蒸発側流路30bを通過する。この過冷却熱交換器30の蒸発側流路30bを通過したガス冷媒は、吸入冷媒管41を流れる低圧の冷媒に合流することになる。
そして、過冷却熱交換器30の放熱側流路30aを通過した液冷媒は、ブリッジ回路24の第2室外膨張弁25に送られるとともに、その一部が第2中間熱交換器戻し管53に送られる。そして、第2中間熱交換器戻し管53を流れる冷媒は、中間熱交換器戻し弁53aによって低圧まで減圧された後に、冷媒の蒸発器として機能する中間熱交換器32に送られる(図5及び図6の点C参照)。また、第2室外膨張弁25に送られた冷媒は、第2室外膨張弁25によって低圧まで減圧された後に、冷媒の蒸発器として機能する室外熱交換器23に送られる(図5及び図6の点F参照)。
この中間熱交換器32に送られた低圧の冷媒は、中間熱交換器32において、室外ファン35によって供給される室外空気と熱交換を行うことで蒸発する(図5及び図6の点Q参照)。また、この室外熱交換器23に送られた低圧の冷媒も、室外熱交換器23において、室外ファン35によって供給される室外空気と熱交換を行うことで蒸発する。そして、そして、この室外熱交換器23において蒸発した低圧の冷媒は、第1切換機構22を通じて、吸入冷媒管41に送られて、中間熱交換器32において蒸発した低圧の冷媒と合流した後に、再び、圧縮機21に吸入される(図5及び図6の点A参照)。
<除霜運転>
空気調和装置1において、室外熱交換器23の加熱源としての室外空気の温度が低い条件で暖房運転を行うと、冷媒の蒸発器として機能する室外熱交換器23に着霜が発生し、これにより、室外熱交換器23の伝熱性能が低下するおそれがある。このため、室外熱交換器23の除霜を行う必要がある。また、ここでは、上記のように、中間熱交換器32を室外熱交換器23と一体化しているため、また、中間熱交換器32を暖房運転時に室外熱交換器23と並列の冷媒の蒸発器として機能させるようにしているため、中間熱交換器32にも着霜が発生し、これにより、中間熱交換器32の伝熱性能が低下するおそれがある。このため、室外熱交換器23の除霜とともに中間熱交換器32の除霜を行う必要がある。
以下、除霜運転について、図7〜図10を用いて詳細に説明する。
まず、ステップST1において、暖房運転時に室外熱交換器23及び中間熱交換器32に着霜が発生しているかどうかを判定する。この判定は、室外熱交温度センサ54により検出される室外熱交換器23を流れる冷媒の温度や暖房運転の積算時間に基づいて行われる。例えば、室外熱交温度センサ54により検出される室外熱交換器23における冷媒の温度が着霜が生じる条件に相当する所定温度以下であることが検知された場合、又は、暖房運転の積算時間が所定時間以上経過した場合には、室外熱交換器23及び中間熱交換器32に着霜が発生しているものと判定し、このような温度条件や時間条件に該当しない場合には、室外熱交換器23及び中間熱交換器32に着霜が発生していないものと判定するものである。ここで、所定温度や所定時間については、加熱源としての室外空気の温度に依存するため、所定温度や所定時間を外気温度センサ55により検出される室外空気の温度の関数として設定することが好ましい。また、室外熱交換器23の出入口や中間熱交換器32に温度センサが設けられている場合には、室外熱交温度センサ54により検出される冷媒の温度に代えて、これらの温度センサにより検出される冷媒の温度を温度条件の判定に使用してもよい。そして、ステップST1において、室外熱交換器23及び中間熱交換器32に着霜が発生しているものと判定された場合には、ステップST2の処理に移行する。
次に、ステップST2において、除霜運転を開始する。この除霜運転は、第1切換機構22を暖房運転状態から冷房運転状態に切り換えることで室外熱交換器23を冷媒の放熱器として機能させる逆サイクル除霜運転である。しかも、ここでは、上記のように、中間熱交換器32を室外熱交換器23と一体化していること、また、中間熱交換器32を暖房運転時に室外熱交換器23と並列の冷媒の蒸発器として機能させるようにしていることから、中間熱交換器23にも着霜が発生するおそれがあるため、室外熱交換器23だけでなく中間熱交換器32の除霜を行う必要がある。そこで、除霜運転時においては、上記の冷房運転時と同様、第1切換機構23を暖房運転状態から冷房運転状態に切り換えることで室外熱交換器23を冷媒の放熱器として機能させるとともに、第2切換機構33を中間熱交換器蒸発状態から中間熱交換器放熱状態に切り換え、かつ、中間熱交換器戻し弁53aを全閉することで中間熱交換器32を冷媒の放熱器として機能させる運転を行う(図8中の冷媒の流れを示す矢印を参照)。
一方、逆サイクル除霜運転を採用すると、室内熱交換器62a、62bを冷媒の蒸発器として機能させることになるため、これによる室内側の温度低下を避けるために、室内ファン65a、65bを停止した状態で、逆サイクル除霜運転を行う。このため、室内熱交換器62a、62bから圧縮機21の低段圧縮要素21aに戻る低圧の冷媒が過度な湿り状態になりやすい(図8〜図10の点A参照)。そうすると、低段圧縮要素21aにおける冷媒と冷凍機油との密度差が小さくなり、圧縮機21外に持ち出された冷凍機油が、中間圧側油分離器44aにおいて、中間圧の冷媒と十分に分離されず、冷凍機油が多く含まれた状態の中間圧の冷媒が中間熱交換器23に流入し、中間熱交換器32内に溜まり込むおそれがある。これにより、中間熱交換器32における熱交換効率が低下して、中間熱交換器32の除霜が十分に行えないおそれがある。特に、ここでは、暖房運転時に中間熱交換器32を冷媒の蒸発器として機能させる構成を採用していることから、暖房運転時における中間熱交換器32の着霜量が多く、中間熱交換器32の除霜が不十分になるおそれが非常に高い。
そこで、ここでは、図8に示すように、逆サイクル除霜運転を行う際に、中間熱交換器32、室外熱交換器23及びインジェクション管27に冷媒を流すとともに、低段吐出冷媒温度Td1に基づいてインジェクション弁27aの開度制御を行うようにしている。具体的には、低段圧縮要素21aによって中間圧まで圧縮された冷媒の温度である低段吐出冷媒温度Td1が、低段圧縮要素21aによって中間圧まで圧縮された冷媒の圧力である低段吐出冷媒圧力Pd1に相当する飽和温度である低段吐出冷媒飽和温度Td1eqよりも高くなるように、インジェクション弁27aの開度を制御するようにしている。ここでは、低段吐出冷媒温度Td1が、低段吐出冷媒飽和温度Td1eqよりも2deg以上高い目標低段吐出冷媒温度Td1stになるように、インジェクション弁29aの開度を制御するようにしている。このインジェクション弁29aの開度制御では、低段吐出冷媒温度Td1が目標低段吐出冷媒温度Td1stよりも低い場合には、開度が大きくなるように制御され、低段吐出冷媒温度Td1が目標低段吐出冷媒温度Td1stよりも高い場合には、開度が小さくなるように制御される。
このようなインジェクション弁29aの開度制御によれば、逆サイクル除霜運転を行う際に、インジェクション弁29aの開度が大きくなるため、インジェクション管27aを通じて高段圧縮要素21bに戻される中間圧の冷媒の流量、ひいては、高段圧縮要素21bに吸入される中間圧の冷媒の流量が大きくなる。そして、ここでは、二段圧縮を行う圧縮機として一軸二段圧縮構造の圧縮機21を採用していることから、その特性上、高段圧縮要素21bに吸入される中間圧の冷媒の流量が大きくなるにつれて、低段吐出冷媒圧力Pd1が高くなる(図9の点B〜Dにおける冷媒圧力、及び、図10の点B〜Dにおける冷媒圧力参照)。そうすると、低段圧縮要素21aによって圧縮された中間圧の冷媒が過熱状態になり(図9の点B参照)、そして、低段圧縮要素21aにおける冷媒と冷凍機油との密度差が大きくなる。このため、低段圧縮要素21aから持ち出された冷凍機油が、中間圧側油分離器44aにおいて、中間圧の冷媒と十分に分離されるようになり、逆サイクル除霜運転時に、中間熱交換器32内に溜まり込むおそれが小さくなる。
これにより、ここでは、中間熱交換器32における熱交換効率が低下しにくくなり、中間熱交換器32の除霜を十分に行うことができる。また、ここでは、暖房運転時に中間熱交換器32を冷媒の蒸発器として機能させる構成を採用しているにもかかわらず、中間熱交換器32の除霜を十分に行うことができる。さらに、ここでは、低段吐出冷媒温度Td1の制御目標値として、低段吐出冷媒飽和温度Td1eqよりも2deg以上高い目標低段吐出冷媒温度Td1stを設定しているため、低段圧縮要素21aによって圧縮された中間圧の冷媒を確実に過熱状態にすることができる。
次に、ステップST3において、室外熱交換器23及び中間熱交換器32の除霜が完了したかどうかを判定する。この判定は、室外熱交温度センサ54により検出される室外熱交換器23を流れる冷媒の温度や除霜運転の運転時間に基づいて行われる。例えば、室外熱交温度センサ54により検出される室外熱交換器23における冷媒の温度が着霜がないとみなせる条件に相当する温度以上であることが検知された場合、又は、除霜運転が所定時間以上経過した場合には、室外熱交換器23及び中間熱交換器32の除霜が完了したものと判定し、このような温度条件や時間条件に該当しない場合には、室外熱交換器23及び中間熱交換器32の除霜が完了していないものと判定するものである。また、室外熱交換器23の出入口や中間熱交換器32に温度センサが設けられている場合には、室外熱交温度センサ54により検出される冷媒の温度に代えて、これらの温度センサにより検出される冷媒の温度を温度条件の判定に使用してもよい。そして、ステップST3において、室外熱交換器23及び中間熱交換器32の除霜が完了したものと判定された場合には、ステップST4の処理に移行して、除霜運転を終了し、再び、暖房運転を再開させる処理が行われる。より具体的には、第1切換機構22を冷房運転状態から暖房運転状態に切り換えることで室外熱交換器23を冷媒の蒸発器として機能させるとともに、第2切換機構33を中間熱交換器放熱状態から中間熱交換器蒸発状態に切り換え、かつ、中間熱交換器戻し弁53aを開けることで中間熱交換器32を冷媒の蒸発器として機能させる運転を行う。
(3)変形例
<変形例1>
上記の実施形態では、暖房運転時に中間熱交換器32を冷媒の蒸発器として機能させるようにしているが、この構成に限定されるものではない。
例えば、図11に示すように、第2中間熱交換器戻し管53を省略し、暖房運転時に中間熱交換器32を冷媒の蒸発器として機能させないようにしてもよい。
この場合には、暖房運転時における中間熱交換器32の着霜が、一体化された室外熱交換器23との境界部分及びその付近に限られるため、暖房運転時に中間熱交換器32を冷媒の蒸発器として機能させる場合に比べて、着霜量が少なくなる。しかし、この場合においても、中間熱交換器32の除霜は必要であるため、上記の実施形態よりも程度は小さくなるものの、中間熱交換器の除霜が不十分になるおそれがある。
このため、このような場合においても、上記の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
<変形例2>
上記の実施形態及び変形例1では、レシーバ29の入口側の減圧機構として、電動膨張弁からなる第1室外膨張弁28が設けられているが、この構成に限定されるものではない。
例えば、図12に示すように、レシーバ入口管49に第1室外膨張弁28をバイパスするように遠心式又は容積式の膨張機38を設けるようにしてもよい。
この場合においても、上記の実施形態及び変形例1と同様の作用効果を得ることができる。しかも、膨張機38を設けることによって、冷媒が等エントロピ的に減圧されることになり、これにより、冷凍サイクルのサイクル効率を向上させることができる。
本発明は、一軸二段圧縮構造の圧縮機、室外熱交換器、中間熱交換器及びインジェクション管を有する冷暖切り換え可能な空気調和装置に対して、広く適用可能である。
1 空気調和装置
21 圧縮機
21a 低段圧縮要素
21b 高段圧縮要素
21d 駆動軸
22 切換機構
23 室外熱交換器
27 インジェクション管
27a インジェクション弁
32 中間熱交換器
62a、62b 室内熱交換器
特開2009−133581号公報 特開2009−229051号公報

Claims (3)

  1. 単一の駆動軸(21d)に連結された低段圧縮要素(21a)及び高段圧縮要素(21b)を有しており、低圧の冷媒を前記低段圧縮要素によって中間圧になるまで圧縮し、前記中間圧まで圧縮された冷媒を前記高段圧縮要素によって高圧になるまで圧縮する二段圧縮を行う、一軸二段圧縮構造の圧縮機(21)と、
    室外空気を熱源とする熱交換器であって、冷媒の放熱器又は蒸発器として機能する室外熱交換器(23)と、
    冷媒の蒸発器又は放熱器として機能する室内熱交換器(62a、62b)と、
    前記圧縮機、前記室外熱交換器、前記室内熱交換器の順に冷媒を循環させる冷房運転状態と、前記圧縮機、前記室内熱交換器、前記室外熱交換器の順に冷媒を循環させる暖房運転状態と、を切り換える切換機構(22)と、
    室外空気を熱源とする熱交換器であって、前記低段圧縮要素の吐出側と前記高段圧縮要素の吸入側との間に接続されており、前記低段圧縮要素によって前記中間圧まで圧縮された冷媒の放熱器として機能する中間熱交換器(32)と、
    開度制御が可能なインジェクション弁(27a)を有しており、前記室外熱交換器又は前記室内熱交換器において放熱した冷媒の一部を分岐して、前記高段圧縮要素に送るインジェクション管(27)と、
    を備え、
    前記切換機構を前記冷房運転状態に切り換えることによって前記室外熱交換器を除霜する逆サイクル除霜運転を行う際に、前記中間熱交換器、前記室外熱交換器及び前記インジェクション管に冷媒を流すとともに、前記低段圧縮要素によって前記中間圧まで圧縮された冷媒の温度である低段吐出冷媒温度が、前記低段圧縮要素によって前記中間圧まで圧縮された冷媒の圧力である低段吐出冷媒圧力に相当する飽和温度である低段吐出冷媒飽和温度よりも高くなるように、前記インジェクション弁の開度を制御する、
    空気調和装置(1)。
  2. 前記中間熱交換器(32)は、前記切換機構(22)を前記冷房運転状態に切り換えている際に、前記低段圧縮要素(21a)によって前記中間圧まで圧縮された冷媒の放熱器として機能し、前記切換機構を前記暖房運転状態に切り換えている際に、前記室内熱交換器(62a、62b)において放熱した冷媒の蒸発器として機能する、
    請求項1に記載の空気調和装置(1)。
  3. 前記低段吐出冷媒温度が、前記低段吐出冷媒飽和温度よりも2deg以上高い目標低段吐出冷媒温度になるように、前記インジェクション弁(27a)の開度を制御する、
    請求項1又は2に記載の空気調和装置(1)。
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