JP2013253564A - 動力システムの制御装置 - Google Patents

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【課題】状態変数フィードバックによって制限変数を補正する動力システムの制御装置において、フィードバック補正値に含まれる定常成分の学習に関し、学習への外乱の影響を抑えつつ学習の範囲を拡大する。
【解決手段】現在の学習値を基準に設定された第1上限ガード値及び第1下限ガード値を用いて、学習に用いるフィードバック補正値の上限及び下限を制限する。また、固定の基準値を基準に設定された第2上限ガード値及び第2下限ガード値を用いて、学習に用いるフィードバック補正値の上限及び下限、或いは学習値の上限及び下限を制限する。第1上限ガード値及び第1下限ガード値によって規定される第1ガード幅は、第2上限ガード値及び第2下限ガード値によって規定される第2ガード幅よりも狭い幅に設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、動力システムの制御装置に関し、特に、状態変数フィードバック制御によって制御変数を決定するようにプログラムされた制御装置に関する。
動力システムの制御装置では、制御変数が影響する状態変数のうちの特定の状態変数のフィードバックによって制御変数を補正する状態変数フィードバック制御が行われている。動力システムの1つである内燃機関の場合は、空燃比のフィードバックによって指令燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御が知られている。この場合の制御変数は指令燃料噴射量であり、フィードバックされる状態変数は空燃比である。空燃比フィードバック制御は、ガソリンエンジンにおいてもディーゼルエンジンにおいても行われている。
ガソリンエンジンの空燃比フィードバック制御では、エアフローメータによって計測された新気量と目標空燃比とに基づいて燃料噴射装置に対する指令燃料噴射量が決定される。そして、指令燃料噴射量に従い燃料噴射装置が実際に燃料を噴射することで生じた排気ガスの空燃比が空燃比センサによって計測され、空燃比センサによる計測空燃比と目標空燃比との間の空燃比誤差が計算される。この空燃比誤差には、燃料噴射装置の噴射特性やエアフローメータの出力特性のバラツキ等、内燃機関の機差や経年変化に伴い生じる誤差も含まれている。ガソリンエンジンの空燃比フィードバック制御では、計測空燃比と目標空燃比との間の空燃比誤差に基づいてフィードバック補正値が算出され、フィードバック補正値を用いて指令燃料噴射量が補正されるとともに、運転領域毎にフィードバック補正値に含まれる定常成分が学習される。
ディーゼルエンジンの空燃比フィードバック制御では、空燃比センサによって排気ガスの空燃比が計測されるとともに、エアフローメータによって計測された新気量と燃料噴射装置に対する指令燃料噴射量とから空燃比の推定値が計算される。そして、空燃比センサによる計測空燃比と計算で求めた推定空燃比との間の空燃比誤差が計算される。この空燃比誤差には、指令値に対して燃料噴射装置が実際に噴射した燃料量の誤差による影響分や、エアフローメータの計測誤差による影響分が含まれている。ディーゼルエンジンの空燃比フィードバック制御では、計測空燃比と推定空燃比との間の空燃比誤差に基づいてフィードバック補正値が算出され、フィードバック補正値を用いて所定の補正割合で指令燃料噴射量と新気量のそれぞれが補正されるとともに、運転領域毎にフィードバック補正値に含まれる定常成分が学習される。
ガソリンエンジンの空燃比フィードバック制御では計測空燃比と目標空燃比との間で空燃比誤差が計算されるのに対し、ディーゼルエンジンの空燃比フィードバック制御では計測空燃比と推定空燃比との間で空燃比誤差が計算される点で相違する。しかし、目標空燃比は制御変数である指定燃料噴射量の計算の基礎となった値であり、推定空燃比は制御変数である指定燃料噴射量から計算された値である。これらは指定燃料噴射量と数学的に関係する空燃比の値である点において、つまり、制御変数と数学的に関係する空燃比の値である点において共通する。
上記の2つの空燃比フィードバック制御は、運転領域毎にフィードバック補正値に含まれる定常成分を学習する点において共通している。運転領域毎にフィードバック補正値に含まれる定常成分を学習してマップに記憶しておくことで、次回同一運転領域になった際には、マップから読み出した学習値を用いて指定燃料噴射量が補正される。これによれば、運転領域が変わるたびに改めてフィードバック制御を行う必要がなくなり、指定燃料噴射量を運転領域に応じた適正な値に速やかに補正することができる。
ところで、フィードバック補正値に含まれる定常成分の学習に関しては、外乱の影響によって正確な学習が妨げられてしまうという問題がある。外乱の原因としては、内燃機関の空燃比フィードバック制御の場合であれば、燃料噴射装置により噴射された燃料以外の燃料(例えばブローバイガスとともに吸気通路に流入する燃料)の影響で排気ガスの空燃比が変動してしまうことが挙げられる。このような外乱の影響による学習精度の悪化を防止する方法としては、例えば、特開2006−233849号公報に記載されているように、学習値に対してガード値を設定し、そのガード値を超えない範囲内で学習を行うことが1つの方法として知られている。
しかしながら、上記の従来の方法では、上記の問題が十分に解消されているとは言い難い。外乱の影響をより抑えるにはガード値によるガード幅は狭くした方が良いが、学習可能な範囲は狭くなってしまう。逆に、学習可能な範囲を広げるためにガード幅を広くしてしまうと、外乱の影響をより受けやすくなってしまう。つまり、従来の方法では、外乱の影響を抑えることと、学習の範囲を広げることとを両立させることができなかった。
特開2006−233849号公報 特開2003−106201号公報 特開2001−107779号公報 特開平09−079071号公報
本発明は、状態変数フィードバックによって制限変数を補正する動力システムの制御装置において、フィードバック補正値に含まれる定常成分の学習に関し、学習への外乱の影響を抑えつつ学習の範囲を拡大することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、次のように動作するように構成された動力システムの制御装置を提供する。
本発明に係る制御装置は、出力に関係する制御変数と同制御変数が影響する状態変数とを有する動力システムに適用される制御装置である。本発明に係る制御装置は、センサを用いて計測された状態変数の第1値と、制御変数と数学的に関係する状態変数の第2値との差に基づいてフィードバック補正値を算出する。制御変数と数学的に関係する状態変数の第2値には、制御変数の計算の基礎になった状態変数の目標値が含まれ、また、制御変数から計算された状態変数の推定値が含まる。本発明に係る制御装置は、状態変数の第1値と第2値との差に基づいて算出されたフィードバック補正値を用いて制御変数を補正するとともに、フィードバック補正値の定常成分の学習を行う。制御変数或いは状態変数が動力システムの運転領域によって変化するのであれば、フィードバック補正値の定常成分の学習は運転領域ごとに行うことが好ましい。
フィードバック補正値の定常成分の学習において、本発明に係る制御装置は、現在の学習値を基準に第1上限ガード値及び第1下限ガード値を設定し、第1上限ガード値及び第1下限ガード値を用いて学習に用いるフィードバック補正値の上限及び下限を制限する。そして、同時に、固定の基準値を基準に第2上限ガード値及び第2下限ガード値を設定し、第2上限ガード値及び第2下限ガード値を用いて学習に用いるフィードバック補正値の上限及び下限を制限する。或いは、第2上限ガード値及び第2下限ガード値を用いて学習値の上限及び下限を制限する。第1上限ガード値及び第1下限ガード値によって規定される第1ガード幅は、第2上限ガード値及び第2下限ガード値によって規定される第2ガード幅はよりも狭い幅とする。なお、第1ガード幅は固定値でもよいし、動力システムの運転状態に応じて変更される変数でもよい。同様に、第2ガード幅は固定値でもよいし、動力システムの運転状態に応じて変更される変数でもよい。
本発明に係る制御装置では、外乱を除去するためガード値と学習値の発散を防ぐためのガード値とを別々に用意している。本発明に係る制御装置によれば、フィードバック補正値に重畳される外乱は、現在の学習値を基準とする第1上限ガード値及び第1下限ガード値によって除去される。このように現在の学習値を基準にガード値を設定することにより、ガード幅(第1ガード幅)は外乱を最大限に除去できる程度まで狭くすることができる。一方、学習可能な範囲は固定の基準値を基準とする第2上限ガード値及び第2下限ガード値によって制限される。学習に用いるフィードバック補正値からは第1上限ガード値及び第1下限ガード値によって外乱が除去されるので、第2ガード幅によって規定される学習範囲は外乱について考慮することなく大きく広げることができる。つまり、本発明に係る制御装置によれば、学習への外乱の影響を抑えることと、学習の範囲を拡大することとを両立させることができる。
本発明の実施の形態に係る制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置により設けられるガード値と学習値の挙動のイメージを示す図である。 従来の方法によるガード値と学習値の挙動のイメージを示す図である。
本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本実施の形態に係る制御装置は、動力システムの一種である自動車用の過給機付きディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)に適用される。本実施の形態に係るエンジンの吸気通路の入口にはエアフローメータが取り付けられ、吸気通路の途中にはディーゼルスロットル弁(以下、Dスロ弁)が設けられている。また、本実施の形態に係るエンジンの排気通路には空燃比センサが取り付けられている。さらに、本実施の形態にエンジンは排気通路と吸気通路とを接続して排気ガスを再循環させるEGR通路と、EGR通路内のEGRガスの流量を調整するためのEGR弁とを備えている。
図1は、本実施の形態に係る制御装置の構成を示す機能ブロック図である。図1において本実施の形態に係る制御装置10を構成している各要素は、制御装置10が有する種々の機能的な要素のうち、空燃比学習とEGR制御とに関する要素のみを特別に図で表現したものである。したがって、図1は、本実施の形態に係る制御装置10がこれらの要素のみで構成されていることを意味するものではない。なお、本実施の形態に係る制御装置10は自動車用のECUであり、各要素はメモリに記憶された専用のソフトウェアがCPUで実行されたときに仮想的に実現される。
本実施の形態に係る制御装置10は、空燃比学習に関係する要素として空燃比学習ユニット100、指令燃料噴射量演算ユニット120及び新気量演算ユニット130を備えている。空燃比学習ユニット100は、さらに複数の演算ユニット102,104,106,108,110,112に分けられる。まずは、空燃比学習ユニット100を構成する各演算ユニットの機能について説明する。
空燃比学習ユニット100を構成する演算ユニット102では、空燃比センサの信号が取り込まれてその信号より排気ガスの空燃比が計測される。以下、演算ユニット102で計測される空燃比を計測空燃比と呼ぶ。計測空燃比は本発明に係る状態変数の第1値に相当する。
演算ユニット104は、後述する指令燃料噴射量演算ユニット120で計算された指令燃料噴射量と、後述する新気量演算ユニット130で計算された新気量とを取り込む。指令燃料噴射量はインジェクタに対して指示される燃料噴射量である。以下、指令燃料噴射量は指令Qと表記する場合がある。そして、演算ユニット104は、指令Qで新気量を除算することによって空燃比を計算する。以下、演算ユニット104で計算される空燃比を推定空燃比と呼ぶ。推定空燃比は本発明に係る状態変数の第2値に相当する。
演算ユニット106は、演算ユニット102から計測空燃比を取り込み。演算ユニット104から推定空燃比を取り込む。そして、計測空燃比と推定空燃比とのズレ比(以下、空燃比ズレ比)を次の式によって算出する。この式によれば、計測空燃比に対して推定空燃比がリッチであれば空燃比ズレ比は負の値となる。逆に、計測空燃比に対して推定空燃比がリーンであれば空燃比ズレ比は正の値となる。
式: 空燃比ズレ比=推定空燃比/計測空燃比−1
演算ユニット108は、演算ユニット106で計算された空燃比ズレ比に基づいてPI制御を行い、PI項を算出する。PI項はP制御で得られるP項とI制御で得られるI項との和を意味する。なお、本発明の実施にあたって演算ユニット108が行うPI制御の具体的方法について特に限定は無い。
演算ユニット110は、エンジンの運転領域毎に学習値を記憶することのできる学習マップを備えている。学習マップからは現在の運転領域に応じた学習値が学習項として読み出されてPI項に足し合わされる。学習項にPI項を足し合わせた値がフィードバック補正値であり、演算ユニット110はこのフィードバック補正値に含まれる定常成分を運転領域毎に学習して学習マップの学習値を更新する。学習値は空燃比ズレ比に含まれる定常成分に相当し、学習が進むにつれてPI項の定常成分が学習値へと移し変えられていく。本明細書における“空燃比学習”とは、フィードバック補正値に含まれる定常成分、すなわち、空燃比ズレ比の定常成分を学習することを意味する。
演算ユニット110で行われる学習は、本実施の形態に係る制御装置10が行う処理のうちでも特に重要な処理である。よって、これについては追って詳細に説明する。
空燃比学習ユニット100では、学習項とPI項との和であるフィードバック補正値にさらに1を加えた値がフィードバック補正係数Kとして用いられる。指令Qに対する実際の燃料噴射量にもエアフローメータ58による計測新気量にも誤差が含まれていない場合、フィードバック補正係数Kの値は標準値である1となる。しかし、何れかに誤差が含まれており計測空燃比が推定空燃比よりもリッチになっている場合、フィードバック補正係数Kの値は1よりも大きい値となる。逆に、計測空燃比が推定空燃比よりもリーンになっている場合、フィードバック補正係数Kの値は1よりも小さい値となる。
演算ユニット112は、フィードバック補正係数Kを所定の比率で燃料量補正係数と新気量補正係数とに振り分ける。振り分け比率は予め決められており、エンジンの運転領域に応じて変更される。
演算ユニット112で算出された燃料量補正係数は、指令燃料噴射量演算ユニット120に送られる。指令燃料噴射量演算ユニット120は、アクセル開度に基づいて指令Qの基本値を決定し、指令Qの基本値を燃料量補正係数で補正して得られる値を指令Qとして算出する。前述の演算ユニット104には、このようにして算出された指令Qが入力される。
演算ユニット112で算出された新気量補正係数は、新気量演算ユニット130に送られる。新気量演算ユニット130は、エアフローメータの信号を取り込み、その信号より新気量を計測する。そして、計測した新気量を新気量補正係数で補正し、補正後の新気量を前述の演算ユニット104に入力する。
本実施の形態に係る制御装置10は、EGR制御に関係する要素としてEGR制御ユニット140を備えている。EGR制御ユニット140は、さらに複数の演算ユニット142,144,146,148に分けられる。以下、EGR制御ユニット140を構成する各演算ユニットの機能について説明する。
EGR制御ユニット140を構成する演算ユニット142は、主として指令Qとエンジン回転数とに基づき目標EGR率を演算する。指令Qは前述の指令燃料噴射量演算ユニット120から送られる補正後の指令Qである。演算ユニット142はベースマップを備えている。ベースマップには、目標EGR率の基本値がエンジン回転数及び指令Qに関連付けて記憶されている。演算ユニット142は、このベースマップを用いて現在のエンジン回転数及び指令Qに応じた目標EGR率の基本値を算出し、この基本値に対して過渡補正や環境補正を行うことによって最終的な目標EGR率を算出する。
EGR制御ユニット140を構成する演算ユニット144は、主としてエンジン回転数と過給圧と新気量とに基づき推定EGR率を演算する。新気量は前述の新気量演算ユニット130から送られる補正後の新気量である。演算ユニット144は、筒内空気量と補正後新気量との差と、新気量とEGRガス量とを合わせた筒内空気量との比を推定EGR率として算出する。
演算ユニット146は、演算ユニット142から目標EGR率を取り込み。演算ユニット144から推定EGR率を取り込む。そして、目標EGR率と推定EGR率との偏差であるΔEGR率を算出する。
演算ユニット148は、演算ユニット146で計算されたΔEGR率に基づいてPI制御を行い、フィードバック項であるPI項を算出する。そして、EGR率を制御可能なアクチュエータの操作量、具体的には、EGR弁20若しくはDスロ弁30或いはその両方の操作量がPI項に基づいて算出される。なお、本発明の実施にあたって演算ユニット148が行うPI制御の具体的方法について特に限定は無い。
以上述べた構成を有することによって、本実施の形態に係る制御装置10は空燃比学習とEGR制御とを並行して実施することができる。
次に、本実施の形態に係る制御装置10により行われる空燃比学習の内容について、特に、演算ユニット110で行なわれる処理の内容について詳細に説明する。演算ユニット110では、前述のように、PI項と学習項の和であるフィードバック補正値を用いて空燃比学習を行っている。空燃比学習では、フィードバック補正値に含まれる定常成分が学習マップに運転領域ごとに用意された学習値に徐々に移し変えられていく。定常成分を学習値に移し変えていく方法、つまり、学習値の更新の方法については、本発明の実施にあたって特に限定はない。
演算ユニット110で行なわれる処理における特徴的な内容は、学習への外乱の影響を抑えるためのガード値と、学習値の発散を防ぐためのガード値とを別々に用意したことである。前者としては第1上限ガード値と第1下限ガード値とが設けられている。後者としては第2上限ガード値と第2下限ガード値とが設けられている。
第1上限ガード値及び第1下限ガード値は学習に用いられるフィードバック補正値の上限及び下限を制限する。第1上限ガード値及び第1下限ガード値は現在の学習値を基準に設定される点において特徴がある。以下の式で表されるように、現在の学習値よりも所定値Aだけ大きい値が第1上限ガード値とされ、現在の学習値よりも所定値Bだけ小さい値が第1下限ガード値とされる。つまり、第1上限ガード値及び第1下限ガード値は、学習値の変化に応じて上下に変化する相対的なガード値である。所定値A,Bはエンジン回転数と指令Qとに応じて変化する変動値であり、それぞれエンジン回転数と指令Qとを引数とするマップを用いて算出される。
第1上限ガード値=現在の学習値+所定値A
第1下限ガード値=現在の学習値−所定値B
第2上限ガード値及び第2下限ガード値は、第1上限ガード値及び第1下限ガード値と同じく、学習に用いられるフィードバック補正値の上限及び下限を制限する。ただし、第2上限ガード値及び第2下限ガード値は固定の基準値を基準に設定される点において特徴がある。以下の式で表されるように、固定の基準値よりも所定値Cだけ大きい値が第2上限ガード値とされ、固定の基準値よりも所定値Dだけ小さい値が第2下限ガード値とされる。固定の基準値はここではゼロとされる。つまり、第2上限ガード値及び第2下限ガード値は、学習値の変化に応じて変化することのない絶対的なガード値である。所定値C,Dはエンジン回転数と指令Qとに応じて変化する変動値であり、それぞれエンジン回転数と指令Qとを引数とするマップを用いて算出される。
第2上限ガード値=ゼロ+所定値C
第2下限ガード値=ゼロ−所定値D
なお、第1上限ガード値及び第1下限ガード値はフィードバック補正値に含まれる外乱を削除するためのものであるから、学習への外乱の影響を抑えるためには第1上限ガード値から第1下限ガード値までのガード幅(第1ガード幅)は狭いほうが良い。一方、第2上限ガード値及び第2下限ガード値はフィードバック補正値の上限及び下限を制限して学習値の発散を防止するものであるから、学習可能な範囲をできるだけ広くするためには、第2上限ガード値から第2下限ガード値までのガード幅(第2ガード幅)は広いほうが良い。このため、第1ガード幅は第2ガード幅よりも狭い幅に設定されている。
図2には、演算ユニット110で設定されるガード値と学習値の挙動のイメージを示している。これに対して、図3には、従来の方法によるガード値と学習値の挙動のイメージを示している。
従来の方法では、図3に示すように、1組のガード値(上限ガード値及び下限ガード値)によってフィードバック補正値に含まれる外乱を削除し、且つ、学習値の発散を防いでいる。しかし、外乱を削除するには上限ガード値と下限ガード値とで定まるガード幅は広すぎ、外乱の一部しか削除できていない。このため、外乱によって学習値が上下に変動してしまい安定した学習値を得ることができなくなっている。さらに、上限ガード値及び下限ガード値は学習の範囲も狭い範囲に制限してしまうため、有効なフィードバック補正値であっても学習値に反映することができず、その分、学習値の収束を遅らせることにもなる。
一方、本実施の形態に係る制御装置10によれば、図2に示すように、フィードバック補正値に含まれる外乱は、ガード幅の狭い第1上限ガード値及び第1下限ガード値に削り取られる。第1上限ガード値及び第1下限ガード値は学習値の上下に連動して上下する相対的なガード値であるため、フィードバック補正値の本来学習したい成分への影響を極力抑えながら外乱のみを大きく削り取ることができる。これにより、外乱の影響で学習値が上下に変動することを抑えて安定した学習値を得ることができる。さらに、学習に用いるフィードバック補正値から外乱を削り取ることは第1上限ガード値及び第1下限ガード値が担うので、第2上限ガード値及び第2下限ガード値は学習値の発散を防ぐためだけを目的として設定することができる。よって、第2上限ガード値から第2下限ガード値までのガード幅を広く取って学習の範囲を拡大することができる。
以上述べたように、本実施の形態に係る制御装置10によれば、学習への外乱の影響を抑えることと、学習の範囲を拡大することとを両立させることができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、第2上限ガード値及び第2下限ガード値は学習値の上限及び下限を制限するものであってもよい。また、第1上限ガード値及び第1下限ガード値を定める所定値A,Bは固定値でもよい。同様に、第2上限ガード値及び第2下限ガード値を定める所定値C,Dも固定値でもよい。
また、学習値が発散して第2上限ガード値或いは第2下限ガード値に当たった場合は、燃料を噴射しているインジェクタに何らかの異常が生じているか、或いは、新気量を計測しているエアフローメータに何らかの異常が生じている可能性がある。この場合は、学習値を第2上限ガード値或いは第2下限ガード値に固定してしまうことが好ましい。そうすることで、インジェクタやエアフローメータに故障が生じた状態でのエンジンの制御性の悪化を抑えることができる。
本発明に係る制御装置は、ディーゼルエンジンの空燃比制御だけでなく、ディーゼルエンのEGR制御や過給圧制御にも適用可能である。また、ガソリンエンジンの空燃比制御やEGR制御或いは過給圧制御にも適用可能である。ガソリンエンジンの空燃比制御の場合は、空燃比センサによる計測で得られた計測空燃比(状態変数の第1値)と、制御変数である指令燃料噴射量の計算の基礎になった目標空燃比(状態変数の第2値)との差に基づいてフィードバック補正値が算出され、フィードバック補正値に含まれる定常成分が運転領域ごとに学習される。つまり、フィードバック補正値を用いて制御変数を補正するとともに、同フィードバック補正値に含まれる定常成分を学習するフィードバック制御システムであれば、本発明に係る制御装置を適用することができる。
さらに、本発明に係る制御装置は、出力に関係する制御変数と同制御変数が影響する状態変数とを有する動力システムであり、状態変数フィードバックによって制限変数を補正することのできる動力システムであるならば、ハイブリッドシステムや燃料電池システム、或いは定置プラント等、エンジン以外の動力システムにも広く適用可能である。
10 制御装置
20 EGR弁
30 ディーゼルスロットル弁
100 空燃比学習ユニット
120 指令燃料噴射量演算ユニット
130 新気量演算ユニット
140 EGR制御ユニット

Claims (1)

  1. 出力に関係する制御変数と同制御変数が影響する状態変数とを有する動力システムに適用される制御装置であって、センサを用いて計測された前記状態変数の第1値と、前記制御変数と数学的に関係する前記状態変数の第2値との差に基づいてフィードバック補正値を算出し、同フィードバック補正値を用いて前記制御変数を補正するとともに、同フィードバック補正値に含まれる定常成分を学習するように構成された制御装置において、
    現在の学習値を基準に設定された第1上限ガード値及び第1下限ガード値を用いて、学習に用いるフィードバック補正値の上限及び下限を制限する第1のガード手段と、
    固定の基準値を基準に設定された第2上限ガード値及び第2下限ガード値を用いて、学習に用いるフィードバック補正値の上限及び下限、或いは学習値の上限及び下限を制限する第2のガード手段と、を備え、
    前記第1上限ガード値及び第1下限ガード値によって規定される第1ガード幅は、前記第2上限ガード値及び第2下限ガード値によって規定される第2ガード幅よりも狭い幅に設定されることを特徴とする動力システムの制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016223362A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 トヨタ自動車株式会社 エンジン制御ユニットの監視装置
JP2017048800A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 ダイハツ工業株式会社 制御装置

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