JP2013253507A - 内燃機関の過給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気通路に直列に配置されたタービンを有する過給装置において、タービンでの排気エネルギのロスを低減する。
【解決手段】本発明の過給装置は、排気通路7内に配置された上流側タービン32を備えた第一ターボチャージャ30と、上流側タービンよりも排気下流側において排気通路内に配置された下流側タービン42を備えた第二ターボチャージャ40と、上流側タービンよりも排気上流側において排気通路から分岐すると共に上流側タービンと下流側タービンとの間とにおいて排気通路に合流して上流側タービンをバイパスするバイパス通路20とを具備する。さらに、過給装置は、バイパス通路への分岐部とバイパス通路の合流部との間の排気通路とこの排気通路に連通する上流側タービンのタービン内通路とから成るメイン通路を遮断する遮断手段を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の過給装置に関する。
従来から、互いに容量の異なる高圧段ターボチャージャ及び低圧段ターボチャージャを具備し、高圧段ターボチャージャのタービンと低圧段ターボチャージャのタービンとを排気通路内に直列に配置した内燃機関の過給装置が知られている。斯かる過給装置としては、高圧段ターボチャージャと低圧段ターボチャージャとを機関負荷等に応じて適宜使い分けるため、高圧段ターボチャージャのタービンをバイパスするバイパス通路を設けると共に、バイパス通路への排気ガスの流量を調整するバイパス通路制御弁を設けたものが知られている。
例えば、特許文献1には、各ターボチャージャが可動ベーンを有し、過給圧を制御するにあたって、高圧段ターボチャージャの可動ベーンの開度、低圧段ターボチャージャの可動ベーンの開度、排気バイパスバルブの開度の優先順位でこれら開度を制御することが開示されている。
また、特許文献2には、高圧段ターボチャージャのタービンが配置された排気通路と、高圧段ターボチャージャのタービンをバイパスするバイパス通路とを一体的に設けたターボ過給器が開示されており、このうちバイパス通路のみにフラップ式バルブが設けられているターボ式過給器が開示されている。特許文献2では、このフラップ式バルブは、閉弁時にはバイパス通路の出口を覆い、開弁時にはバイパス通路の出口を開けてバイパス通路内を排気ガスが通過することができるようにしている。
特開2005−315163号公報 特開2011−231730号公報 特開2010−216450号公報
ところで、特許文献1及び特許文献2のいずれの文献においても、バイパス通路制御弁やフラップ式バルブは、バイパス通路の開閉を行っている。したがって、バイパス通路制御弁やフラップ式バルブを全閉すれば、排気ガス全量が、バイパス通路を流れずに、高圧段ターボチャージャのタービンが配置された排気通路のみを流れるようにすることができる。
一方、バイパス通路制御弁やフラップ式バルブを全開にした場合には、タービンの流通抵抗のため、バイパス通路を流れる排気ガスの方が多くなる。これについて、特許文献2では、フラップ式バルブが開いている場合には、排気ガスは、上流側タービンの流通抵抗により、上流側タービンを通過せずにバイパス通路を通って流れるとされている。
しかしながら、バイパス通路制御弁やフラップ式バルブは、タービンが配置された排気通路の開閉を行っているわけではない。このため、バイパス通路制御弁やフラップ式バルブを全開にした場合であっても排気ガスの全量をバイパス通路に流すことはできず、或る程度の量の排気ガスはタービンに流入することになる。
ところが、このように低圧段ターボチャージャのタービンに排気ガス全量を流入させるべきときに、排気ガスの一部が高圧段ターボチャージャのタービンに流入してしまうと、排気エネルギの一部が高圧段ターボチャージャのタービンでロスしてしまうことになる。
そこで、上記課題に鑑みて、本発明の目的は、排気通路に直列に配置されたタービンを有する過給装置において、タービンでの排気エネルギのロスを低減することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明では、内燃機関の排気通路内に配置された上流側タービンを備えた第一ターボチャージャと、前記上流側タービンよりも排気下流側において前記排気通路内に配置された下流側タービンを備えた第二ターボチャージャと、前記上流側タービンよりも排気上流側において前記排気通路から分岐すると共に前記上流側タービンと下流側タービンとの間において前記排気通路に合流して前記上流側タービンをバイパスするバイパス通路と、前記バイパス通路への分岐部と前記バイパス通路の合流部との間の前記排気通路と該排気通路に連通する上流側タービンのタービン内通路とから成るメイン通路を遮断する遮断手段と、を具備する、内燃機関の過給装置が提供される。
第2の発明では、第1の発明において、前記遮断手段は、前記タービン内通路を遮断する。
第3の発明では、第2の発明において、前記上流側タービンは、タービンインペラを収容すると共に前記タービン内通路を形成するハウジングと、前記タービンインペラの外周に沿って前記ハウジング内に設けられる回動可能な複数の可動ベーンとを具備し、前記可動ベーンは、これら可動ベーンによりタービンインペラの外周を包囲してタービン内通路を遮断することができるように構成され、前記遮断手段は前記可動ベーンである。
第4の発明では、第3の発明において、前記可動ベーンは、隣り合う可動ベーン間の隙間の大きさによって規定されるベーン開度を変更することによって前記タービンインペラに流入する排気ガスの流速を変更可能なように構成される。
第5の発明では、第1〜第4のいずれか一つの発明において、前記遮断手段は、機関運転状態が少なくとも第一ターボチャージャの過給効果を利用すべき第一機関運転領域にあるときには前記メイン通路の遮断を解除し、機関運転状態が第二ターボチャージャの過給効果のみを利用すべき第二機関運転領域にあるときには前記メイン通路を遮断する。
第6の発明では、第5の発明において、前記機関運転状態が、第二機関運転領域内にあるときであっても、予め定められた条件下では、前記遮断手段は前記メイン通路の遮断を解除する。
第7の発明では、第6の発明において、前記予め定められた条件は、機関運転状態が所定時間以内に第一機関運転領域内に変化すると予想されることである。
第8の発明では、第6又は第7の発明において、前記予め定められた条件は、上流側タービンの回転数が予め定められた許容回転数よりも低くなることである。
第9の発明では、第5〜第8の発明において、前記バイパス通路を開閉可能なバイパス通路制御弁をさらに具備し、該バイパス通路制御弁は、機関運転状態が第二機関運転領域内にあるときには全開又はほぼ全開とされる。
本発明によれば、排気通路に直列に配置されたタービンを有する過給装置において、タービンでの排気エネルギのロスを低減することができる。
図1は、本発明の過給装置を備えた内燃機関の全体を示す概略図である。 図2は、高圧段タービンの概略断面図である。 図3は、可動ベーンと駆動機構との組立体の上面図である。 図4は、可動ベーンと駆動機構との組立体の底面図である。 図5は、可動ベーンと駆動機構との組立体の上面図である。 図6は、機関回転数及び燃料噴射量と各運転領域との関係を示す図である。 図7は、各運転領域における各アクチュエータの制御内容を示す図である。 図8は、過給装置における過給制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。 図9は、特定の過給制御を行った場合の制御ルーチンを示すフローチャートである。 図10は、機関運転状態が二つの運転領域間で変化するときの機関負荷等のタイムチャートである。 図11は、特定の過給制御を行った場合の制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の第一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
図1は、本発明の過給装置を備えた内燃機関の全体を示す概略図である。図1を参照すると、機関本体1には4つの気筒2が直列に配置されている。各気筒2には、各気筒2内に燃料を噴射するための燃料噴射弁3が設けられている。各気筒2には、吸気ポートを介して吸気マニホルド4が連通すると共に、排気ポートを介して排気マニホルド5が連通している。吸気マニホルド4は吸気通路6に、排気マニホルド5は排気通路7にそれぞれ接続されている。
吸気通路6には、高圧段ターボチャージャ(第一ターボチャージャ)30の高圧段コンプレッサ31が設けられ、この高圧段コンプレッサ31の吸気上流側において低圧段ターボチャージャ(第二ターボチャージャ)40の低圧段コンプレッサ41が設けられている。低圧段コンプレッサ41の吸気上流側には吸気通路6内に流入する空気を清浄するエアクリーナ8が設けられる。一方、高圧段コンプレッサ31の吸気下流側には高圧段コンプレッサ31から流出した空気の温度を低下させるためのインタークーラ9が設けられており、インタークーラ9の下流には気筒2内に流入する空気の流量を制御するスロットル弁10が設けられている。なお、吸気通路6には、低圧段コンプレッサ41の吸気下流側であって高圧段コンプレッサ31の吸気上流側に、低圧段コンプレッサ41から流出した空気の温度を低下させるためのインタークーラが設けられてもよい。また、図示した例では、高圧段コンプレッサ31及び低圧段コンプレッサ41は吸気通路6に直列に設けられているが、これらコンプレッサ31、41は吸気通路6に並列に設けられてもよい。
一方、排気通路7には、高圧段ターボチャージャ30の高圧段タービン(上流側タービン)32が設けられ、この高圧段タービン32の排気下流側において低圧段ターボチャージャ40の低圧段タービン(下流側タービン)42が設けられている。低圧段タービン42の排気下流側には排気ガスを浄化するための排気浄化装置(例えば、三元触媒、NOX吸蔵触媒等)11が設けられている。
高圧段ターボチャージャ30は、高圧段コンプレッサ31及び高圧段タービン32を具備する。高圧段コンプレッサ31と高圧段タービン32とは、タービンシャフト33により同軸的且つ一体回転可能に連結されている。高圧段タービン32は排気通路7内を流通する排気ガスにより回転駆動されるように形成されている。一方、高圧段コンプレッサ31は、タービンシャフト33を介して高圧段タービン32により駆動せしめられ、吸気通路6内を流れる空気を加圧する。
一方、低圧段ターボチャージャ40は、低圧段コンプレッサ41及び低圧段タービン42を具備する。低圧段コンプレッサ41と低圧段タービン42とは、タービンシャフト43により同軸的且つ一体回転可能に連結されている。低圧段タービン42は排気通路7内を流通する排気ガスにより回転駆動されるように形成されている。一方、低圧段コンプレッサ41は、タービンシャフト43を介して低圧段タービン42により駆動せしめられ、吸気通路6内を流れる空気を加圧する。
本実施形態では、低圧段タービン42の外径は、高圧段タービン32に比べて大きい。すなわち、低圧段タービン42は、高圧段タービン32よりも大型であり、容量が大きい。同様に、低圧段コンプレッサ41の外径は、高圧段コンプレッサ31に比べて大きい。すなわち、低圧段コンプレッサ41は、高圧段コンプレッサ31よりも大型であり、容量が大きい。
また、本実施形態では、低圧段コンプレッサ41と高圧段コンプレッサ31との間において吸気通路6から分岐する吸気バイパス通路15が設けられる。吸気バイパス通路15は、高圧段コンプレッサ31よりも吸気下流側であって、インタークーラ9の吸気上流側において吸気通路6に合流する。したがって、吸気バイパス通路15は、高圧段コンプレッサ31をバイパスしているといえる。
吸気バイパス通路15には、吸気バイパス通路15を開閉可能な吸気バイパス通路制御弁16が設けられる。吸気バイパス通路制御弁16は、吸気バイパス通路15を通って流れる吸入空気の流量を制御することができる流量調整弁であってもよいし、開いた状態と閉じた状態との間で制御可能な開閉弁であってもよい。
一方、本実施形態では、高圧段タービン32の排気上流側において排気通路7から分岐する排気バイパス通路20が設けられる。排気バイパス通路20は、高圧段タービン32よりも排気下流側であって低圧段タービン42の排気上流側において排気通路7に合流する。したがって、排気バイパス通路20は、高圧段タービン32をバイパスしているといえる。
排気バイパス通路20には、排気バイパス通路20を開閉可能な排気バイパス通路制御弁21が設けられる。排気バイパス通路制御弁21は、排気バイパス通路20を通って流れる排気ガスの流量を制御することができる流量制御弁であるのが好ましい。
加えて、本実施形態では、高圧段タービン32よりも排気下流側であって低圧段タービン42の排気上流側において排気通路7から分岐する小バイパス通路22が設けられる。小バイパス通路22は、低圧段タービン42の排気下流側であって排気浄化装置11の排気上流側において排気通路7に合流する。したがって、小バイパス通路22は、低圧段タービン42をバイパスしているといえる。
小バイパス通路22にも、小バイパス通路22を開閉可能な小バイパス通路制御弁23が設けられる。小バイパス通路制御弁23は、小バイパス通路22を通って流れる排気ガスの流量を制御することができる流量制御弁であるのが好ましい。また、本実施形態では、小バイパス通路22の流路断面積は、排気バイパス通路20の流量断面積よりも小さい。したがって、排気バイパス通路20は、内燃機関の高負荷・高回転運転時であっても排気ガス全量を小さい流路抵抗で流通させることが可能であるが、小バイパス通路は、内燃機関の高負荷・高回転運転時においては流路抵抗が大きくなってしまう排気ガス全量を流通させるのは困難である。
また、本実施形態では、高圧段タービン32は、可変容量式のタービンとなっている。図2は、高圧段タービン32の概略断面図である。図2からわかるように、高圧段タービン32は、タービンインペラ39が配置された中央通路34と、中央通路34の周囲から排気ガスを半径内方向に中央通路34へ導くための環状通路35とを具備する。これら中央通路34及び環状通路35はハウジング36により区画形成される。
中央通路34と環状通路35との境界には、すなわち、タービンインペラ39の外周には、回動可能な複数の可動ベーン37が配置されている。また、高圧段タービン32は、全ての可動ベーン37を作動させるための駆動機構38を有する。なお、本明細書では、中央通路34及び環状通路35から成る通路をタービン内通路と称する。タービン内通路は、排気通路7に接続される。
図3は、可動ベーン37と駆動機構38との組立体の上面図であり、図4は、この組立体の底面図である。図1〜図3を参照すると、可動ベーン37は、長さ方向に互いに隣接して部分的に重なり合うことを可能とするように、タービンインペラ39の外周に沿って配置されている。また、各可動ベーン37は、高さ方向に延在する回動軸38aに固定されている。回動軸38aは、本実施形態において、30°の等角度間隔で位置しており、12枚の可動ベーン37が設けられている。回動軸38aはその軸線周りで回動可能であり、これに伴って回動軸38aに固定された可動ベーン37も回動軸38aの軸線回りで回動可能である(図3中の矢印で示した方向)。
各回動軸38aは、支持板38bを貫通してリンク38cの末端部に固定されている。一方、支持板38bのリンク38c側には回動環状部材38dが配置されている。回動環状部材38dには、回動軸38aと同様に30°の等角度間隔で位置する12個の円形断面を有する突起38eが設けられている。
各リンク38cの先端部は、U字形の切欠きを有し、この切欠きが回動環状部材38dの突起38eと係合している。それにより、回動環状部材38dを、ダイヤフラム式、油圧式、又は、電磁式等の駆動手段によって図4中の矢印の方向に回動させれば、各リンク38cを介して各回動軸38aと共に各可動ベーン37が回動する。このように各可動ベーン37が回動すると、ベーン開度、すなわち隣り合う可動ベーン37間の隙間の大きさを変化させることができ、タービンインペラ39へ流入する排気ガスの流速を変更、制御することができる。
特に、本実施形態によれば、可動ベーン37は、図5に示したように、ベーン開度が零になるまで、すなわち隣り合う可動ベーン37間の隙間が無くなるまで回動することができる。すなわち、可動ベーン37は、その端部が別の可動ベーン37の端部と密着するまで回動することができる。このようにベーン開度が零になると、タービンインペラ39の外周は可動ベーン37によって完全に包囲される。このため、中央通路34及び環状通路35の境界においてこれら通路、すなわちタービン内通路は遮断される。
なお、上記高圧段タービン32の構成は一例であり、可動ベーン37を用いてタービン内通路を遮断することができれば如何なる構成であってもよい。また、上記実施形態では、高圧段タービン32のみに可動ベーン及び駆動機構が設けられているが、低圧段タービン42にも可動ベーン及び駆動機構を設けてもよい。この場合、低圧段タービン42の可動ベーンは必ずしもタービン内通路を遮断することができる必要はない。
再び図1を参照すると、各燃料噴射弁3は燃料リザーバ45に連結される。この燃料リザーバ45は燃料供給管46を介して燃料タンク47に接続される。燃料供給管46には電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ48が配置され、この燃料ポンプ48によって燃料タンク47内の燃料が燃料リザーバ45に供給される。
ECU50は、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、CPU(マイクロプロセッサ)等から構成される。ECU50は、吸気通路6に設けられた、エアフロメータ51、圧力センサ52、53に接続されている。エアフロメータ51は、低圧段コンプレッサ41よりも吸気上流側において吸気通路6内を通過する吸入空気の流量(質量流量)を検出する。圧力センサ52は、低圧段コンプレッサ41よりも吸気上流側において吸気通路6内の圧力を検出し、圧力センサ53は、高圧段コンプレッサ31よりも吸気下流側において吸気通路6内の圧力を検出する。
また、ECU50は、アクセルペダル54に接続された負荷センサ55と、機関本体1に設けられたクランク角センサ56に接続されている。負荷センサ55は、アクセルペダル54の踏込み量(すなわち、機関負荷)に比例した出力電圧を発生する。クランク角センサ56は、クランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生し、このクランク角センサ56の出力パルスに基づいて機関回転数が算出される。加えて、ECU50は、排気浄化装置11に設けられた温度センサ57に接続されている。温度センサ57は、排気浄化装置11の温度を検出する。
一方、ECU50は、燃料噴射弁3、スロットル弁10、吸気バイパス通路制御弁16、排気バイパス通路制御弁21、小バイパス通路制御弁23、駆動機構38の駆動手段、燃料ポンプ48に接続され、各機器に対して駆動信号を送出する。
次に、図6〜図8を参照して、このように構成された過給装置の制御について説明する。過給装置の制御は、ECU50によって行われる。
本実施形態では、機関運転領域に応じて、過給効果を利用するターボチャージャを切り替えている。特に、本実施形態では、図6に示したように、機関回転数NE及び燃料噴射量Qの二つのパラメータによって定義される運転領域に応じて過給効果を利用するターボチャージャの切替を行っている。なお、本実施形態では、運転領域は、機関回転数NE及び燃料噴射量Qによって定義されるものとしているが、これらパラメータに限らず、他のパラメータ、例えば、機関負荷、過給圧や吸入空気量等によって定義されたものであってもよい。
具体的には、本実施形態では、図6に示したように、機関回転数NE及び燃料噴射量Qの二つのパラメータによって定義される機関運転領域全体に対して、主に高圧段ターボチャージャ30の過給効果を利用する運転領域(領域A)と、高圧段ターボチャージャ30及び低圧段ターボチャージャ40の両方の過給効果を利用する運転領域(領域B)と、低圧段ターボチャージャ40のみの過給効果を利用する運転領域(領域C)と、低圧段ターボチャージャ40のみの過給効果を利用すると共にその過給効果の一部を制限する運転領域(領域D)との4つの領域が設定される。
なお、運転領域A及び運転領域Bにおいては、低圧段ターボチャージャ40の過給効果の利用の有無にかかわらず、少なくとも高圧段ターボチャージャ30の過給効果を利用している。一方、運転領域C及び運転領域Dにおいては、高圧段ターボチャージャ30の過給効果を利用することなく低圧段ターボチャージャ40のみの過給効果を利用している。斯かる観点から、機関運転領域全体を、運転領域A及び運転領域Bから成る第一運転領域と、運転領域C及び運転領域Dから成る第二運転領域とに分けることも可能である。
本実施形態では、図6に示したように、運転領域Aは機関回転数NEが低く且つ燃料噴射量Qも少ない運転領域であり、運転領域Bは運転領域Aに比べて全体的に機関回転数NE及び燃料噴射量Qの多い領域である。また、運転領域Cは運転領域Bに比べて全体的に機関回転数NEの高い領域であり、運転領域Dは運転領域Cに比べて全体的に機関回転数NE及び燃料噴射量Qの多い領域である。
図7は、機関運転状態が各運転領域にある場合における、可動ベーン37のベーン開度VN、排気バイパス通路制御弁21の開度ECV、吸気バイパス通路制御弁16の開度ACV、及び小バイパス通路制御弁23の開度EBVをそれぞれ示したものである。
まず、機関回転数NE及び燃料噴射量Qの組み合わせである機関運転状態が運転領域A内にあるときには、主に高圧段ターボチャージャ30の過給効果を利用すべく、排気バイパス通路制御弁21が全閉され、その開度ECVが零とされる。これにより、機関本体1から排出された排気ガスは全て高圧段タービン32を通過する。また、高圧段タービン32の可動ベーン37のベーン開度VNは、機関本体1から排出される排気ガスのエネルギが低くても高圧段タービン32を或る程度回転させることができるように、機関回転数NEや燃料噴射量Q等に基づいてフィードバック制御される。なお、このときベーン開度VNは小さくなり過ぎないようにベーン開度VNの下限値が設定される。これは、排気バイパス通路制御弁21及び可動ベーン37の両方が全閉になると排気経路が閉塞してしまうためである。
加えて、機関運転状態が運転領域A内にあるときには、小バイパス通路制御弁23が全閉され、その開度EBVが零とされる。これにより、機関本体1から排出されて高圧段タービン32を通過した排気ガスは、全量、低圧段タービン42に流入する。このため、低圧段ターボチャージャ40によっても過給効果を得ることができる。さらに、このときには、吸気バイパス通路制御弁16が全閉され、その開度ACVが零とされる。これにより、吸入空気はその全量が高圧段コンプレッサ31を通過することになり、高圧段ターボチャージャ30によって適切に吸入空気の過給を行うことができるようになる。
次に、機関運転状態が運転領域B内にあるときには、高圧段ターボチャージャ30及び低圧段ターボチャージャ40の両方の過給効果を利用すべく、排気バイパス通路制御弁21の開度ECVが機関回転数NEや燃料噴射量Q等に基づいてフィードバック制御される。これにより、機関本体1から排出された排気ガスの一部は高圧段タービン32に流入すると共に、残りは排気バイパス通路20を通って低圧段タービン42に直接流入する。フィードバック制御により、例えば高圧段ターボチャージャ30及び低圧段ターボチャージャ40による過給効果が最大となるように、排気バイパス通路制御弁21が制御される。また、高圧段タービン32の可動ベーン37は、高圧段ターボチャージャ30による排気抵抗をできるだけ下げるために全開又はほぼ全開とされ、よってその開度VNは最大又はほぼ最大とされる。
加えて、機関運転状態が運転領域B内にあるときには、小バイパス通路制御弁23が全閉され、その開度EBVが零とされる。これにより、機関本体1から排出されて高圧段タービン32又は排気バイパス通路20を通過した排気ガスは、全量、低圧段タービン42に流入する。さらに、このときには、吸気バイパス通路制御弁16が全閉され、その開度ACVが零とされる。これにより、吸入空気はその全量が低圧段コンプレッサ41及び高圧段コンプレッサ31を通過することになり、低圧段ターボチャージャ40及び高圧段ターボチャージャ30によって適切に吸入空気の過給を行うことができるようになる。
機関運転状態が運転領域C内にあるときには、低圧段ターボチャージャ40のみの過給効果を利用すべく、排気バイパス通路制御弁21が全開又はほぼ全開とされ、その開度ECVが最大又はほぼ最大とされる。また、高圧段タービン32の可動ベーン37は全閉とされ、その開度VNは零とされる。これにより、機関本体1から排出された排気ガスの全量が排気バイパス通路20を通って流れ、高圧段タービン32には排気ガスが流入しなくなる。
加えて、機関運転状態が運転領域C内にあるときには、小バイパス通路制御弁23が全閉され、その開度EBVが零とされる。これにより、機関本体1から排出されて高圧段タービン32又は排気バイパス通路20を通過した排気ガスは、全量、低圧段タービン42に流入する。さらに、このときには、吸気バイパス通路制御弁16が全開又はほぼ全開とされ、その開度ACVが最大又はほぼ最大とされる。これにより、吸入空気のほとんどは、高圧段コンプレッサ31を通過することなく、吸気バイパス通路15を通って、機関本体1に流入することになる。このため、駆動されていない高圧段コンプレッサ31を通ることによる吸気抵抗を低減することができる。
機関運転状態が運転領域D内にあるときには、低圧段ターボチャージャ40のみの過給効果を利用すると共にその過給効果の一部を制限すべく、まず、排気バイパス通路制御弁21が全開又はほぼ全開とされ、その開度ECVが最大またはほぼ最大とされる。また、小バイパス通路制御弁23が機関回転数、燃料噴射量、過給圧等に基づいてフィードバック制御される。すなわち、機関運転状態が運転領域D内にあるときには、排気ガス全量が低圧段タービン42に流入するとタービンが回転しすぎて過給圧が高くなり過ぎてしまう。これに対して、小バイパス通路制御弁23の開度をフィードバック制御することにより、排気ガスの一部が低圧段タービン42に流入しないようにすることができ、よって過給圧の過度の上昇を防止することができる。
さらに、機関運転状態が運転領域D内にあるときには、高圧段タービン32の可動ベーン37は全閉とされ、その開度VNは零とされる。さらに、このときには、機関運転状態が運転領域D内にあるときと同様に、吸気バイパス通路制御弁16が全開又はほぼ全開とされ、その開度ACVが最大又はほぼ最大とされる。
加えて、排気浄化装置11の温度が予め定められた温度(例えば、触媒の活性温度)よりも低いときには、その暖機のために高温の排気ガスを排気浄化装置に供給することが必要になる。このときには、図7に示すように、排気バイパス通路制御弁21の開度ECVは、全開と全閉との間の任意の開度(全開及び全閉を含む)とされる。具体的には、機関運転状態に応じて排気浄化装置11の暖機に適した排気バイパス通路制御弁21の開度が予め求められてマップとしてECU50に保存され、機関運転状態に応じてこのマップに基づいて排気バイパス通路制御弁21の開度が設定される。また、高圧段タービン32の可動ベーン37は全閉とされ、その開度VNは零とされる。
さらに、排気浄化装置11の温度が低いときには、小バイパス通路制御弁23が機関回転数、燃料噴射量、過給圧、排気浄化装置11の温度等に基づいてフィードバック制御される。加えて、このときには、吸気バイパス通路制御弁16が全閉され、その開度ACVが零とされる。これは、排気浄化装置11の暖機がアイドリング状態、すなわち運転領域Aにおいて行われるため、これに合わせて吸気バイパス通路制御弁16も全閉としたものである。
次に、上述した本発明の過給装置による作用・効果について説明する。
上述したように、上記過給装置によれば、機関運転状態が運転領域C、D(第二運転領域)内にあるとき、すなわち、低圧段ターボチャージャ40のみの過給効果を利用する運転領域にあるときには、可動ベーン37のベーン開度が零とされ、その結果、高圧段タービン32のタービン内通路が遮断される。これにより、機関本体1から排出された排気ガス全量を、排気バイパス通路20に流入させることができ、排気ガスが少量でも高圧段タービン32を通過するのが防止される。このため、高圧段タービン32において排気エネルギの一部をロスしてしまうことが防止される。
なお、上記実施形態では、可動ベーン37を用いて高圧段タービン32のタービン内通路を遮断するようにしている。しかしながら、排気バイパス通路20への分岐部と排気バイパス通路20の合流部との間の排気通路7と高圧段タービン32のタービン内通路とから成る通路をメイン通路とすると、このメイン通路を遮断することができれば、可動ベーン37の代わりに如何なる遮断手段を用いてもよい。斯かる遮断手段としては、例えば、排気バイパス通路20への分岐部と排気バイパス通路20の合流部との間の排気通路7に設けられたバタフライ弁等を用いることができる。
また、上述したように、上記過給装置によれば、排気浄化装置11の温度が低いとき、すなわち、暖機のための高温の排気ガスを排気浄化装置11に供給することが必要であるとき、可動ベーン37のベーン開度が零とされ、その結果、高圧段タービン32のタービン内通路が遮断される。これにより、排気ガスが少量でも高圧段タービン32を通過するのが防止され、その結果、高圧段タービン32において排気ガスの温度が低下してしまうことが防止される。
図8は、上記過給装置における過給制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。まず、ステップS11において、ECU50によって、クランク角センサ56の出力信号に基づいて機関回転数NEが読み込まれ、燃料噴射弁3への駆動信号に基づいて燃料噴射量Qが読み込まれ、温度センサ57の出力信号に基づいて排気浄化装置11(例えば、三元触媒)の温度Tが読み込まれる。次いで、ステップS12において、排気浄化装置11が暖機中であるか否か、すなわち、ステップS11で読み込まれた排気浄化装置11の温度Tが予め定められた温度よりも低いか否かが判定される。
ステップS12において、排気浄化装置11が暖機中であると判定された場合には、ステップS13へと進む。ステップS13〜S15では、排気バイパス通路制御弁21の開度ECVが上述したように任意の開度とされると共に、吸気バイパス通路制御弁16の開度ACVが零(全閉)とされ、小バイパス通路制御弁23の開度EBVがフィードバック制御される。次いで、ステップS16では、可動ベーン37の開度VNが零(全閉)とされ、制御ルーチンが終了する。
一方、ステップS12において排気浄化装置11の暖機が終了していると判定された場合、すなわち、排気浄化装置11の温度Tが予め定められた温度以上であると判定された場合には、ステップS17〜S19へと進む。ステップS17〜S19では、ステップS11で読み込まれた機関回転数NE及び燃料噴射量Qによって定まる機関運転状態が運転領域A、B、C、Dのどの領域内にあるかが判定される。
ステップS17〜S19において、機関運転状態が運転領域A内にあると判定された場合にはステップS20へと進む。ステップS20〜S22では、排気バイパス通路制御弁21の開度ECV、吸気バイパス通路制御弁16の開度ACV及び小バイパス通路制御弁23の開度EBVがいずれもが零(全閉)とされる。次いで、ステップS23では、可動ベーン37の開度VNが上述したようにF/B制御され、制御ルーチンが終了する。
また、ステップS17〜S19において、機関運転状態が運転領域B内にあると判定された場合にはステップS24へと進む。ステップS24〜S26では、排気バイパス通路制御弁21の開度ECVがフィードバック制御されると共に、吸気バイパス通路制御弁16の開度ACV及び小バイパス通路制御弁23の開度EBVがいずれもが零(全閉)とされる。ステップS27では、可動ベーン37の開度VNが最大(全開)とされ、制御ルーチンが終了する。
また、ステップS17〜S19において、機関運転状態が運転領域C内にあると判定された場合にはステップS28へと進む。ステップS28〜S30では、排気バイパス通路制御弁21の開度ECV及び吸気バイパス通路制御弁16の開度ACVがいずれも最大(全開)とされると共に、小バイパス通路制御弁23の開度EBVが零(全閉)とされる。ステップS31では、可動ベーン37の開度VNが零(全閉)とされ、制御ルーチンが終了する。
また、ステップS17〜S19において、機関運転状態が運転領域D内にあると判定された場合にはステップS32へと進む。ステップS32〜S34では、排気バイパス通路制御弁21の開度ECV及び吸気バイパス通路制御弁16の開度ACVがいずれも最大(全開)とされると共に、小バイパス通路制御弁23の開度EBVがフィードバック制御される。ステップS35では、可動ベーン37の開度VNが零(全閉)とされ、制御ルーチンが終了する。
次に、図9〜図11を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態における過給装置の構成は基本的に第一実施形態における過給装置の構成と同様である。ただし、上記第一実施形態では、機関運転状態が第二運転領域(図6参照)内にあるときには可動ベーン37が常に全閉とされていたのに対して、本実施形態では、機関運転状態が第二運転領域内にあるときであっても可動ベーン37が予め定められた条件下で少なくとも部分的に開弁せしめられる(すなわち、メイン通路の遮断が解除される)。
まず、一つ目の予め定められた条件について説明する。本実施形態では、高圧段タービン32の回転数(正確には、高圧段タービン32のタービンインペラ39の回転数)が予め定められた許容回転数よりも低くなった場合には、機関運転状態が第二運転領域(領域C、D)内にあるときであっても可動ベーン37が開弁せしめられる。
ここで、上記第一実施形態のように、機関運転状態が第二運転領域内にあるときに可動ベーン37を全閉すると、高圧段タービン32の回転数はやがて極めて低下することになり、その結果、高圧段ターボチャージャ30内の潤滑油が流動しなくなる。高圧段ターボチャージャ30の高圧段タービン32は特に高温に晒されているため、高圧段タービン32の回転が極めて低くなると流動の低下した潤滑油が炭化する可能性がある。
これに対して、本実施形態では高圧段タービン32の回転数が許容回転数よりも低くなった場合には、可動ベーン37が開弁せしめられる。これにより、高圧段タービン32には排気ガスが流入し、高圧段タービン32の回転が促され、高圧段ターボチャージャ30内の潤滑油の流動性が確保される。なお、上記許容回転数は、例えば、高圧段タービン32の回転数がそれ以上低下すると高圧段ターボチャージャ30内の潤滑油の炭化を招くような回転数とされる。
図9は、上述したような過給制御を行った場合の制御ルーチンを示すフローチャートである。図9に示したフローチャートは、図8のXで示した部分に代わって用いられる。図9のステップS19、S28〜S30は、図8のものと同様であるため説明を省略する。
図9に示したように、ステップS17〜S19において、機関運転状態が運転領域C内にあると判定されて、ステップS28〜S30の制御が実行されると、次いで、ステップS40において現在の機関回転数NEが許容回転数NEmin以上であるか否かが判定される。ステップS40において、機関回転数NEが許容回転数NEmin以上であると判定された場合には、ステップS41へと進み、可動ベーン37の開度VNが零(全閉)とさる。一方、ステップS40において、機関回転数NEが許容回転数NEminよりも低いと判定された場合にはステップS42へと進み、可動ベーン37が開弁せしめられる。
次に、二つ目の予め定められた条件について説明する。本実施形態では、機関運転状態が第二運転領域(領域C、D)内にあるときであっても、所定時間以内に第一運転領域(領域A、B)内に変化すると予想される場合には、可動ベーン37が開弁せしめられる。
図10は、機関運転状態が運転領域C内から運転領域B内へと変化するときの機関負荷等のタイムチャートである。図示した例では、機関回転数NEがNE1以上であるときには運転領域Cと設定され、NE1よりも小さいときには運転領域Bと設定されている。
図10に示した例では、時刻t1からアクセルペダル54の踏み込み量が徐々に小さくされ、それに伴って機関負荷が徐々に低下し、時刻t2において機関負荷が零となる。これに伴って、上昇していた機関回転数は低下し始める。機関回転数の低下が続くと、やがて時刻t4において機関回転数NEがNE1となる。このため、時刻t4まで機関運転状態が運転領域C内であったのに対して、時刻t4以降には機関運転状態が運転領域B内となる。したがって、時刻t4においては、吸気バイパス通路制御弁16の開度ACVが全開から全閉へと切り替えられると共に、それまで全開となっていた排気バイパス通路制御弁21の開度ECVがフィードバック制御され始める。
一方、図示した例では、時刻t4よりも時間Δtだけ前の時刻t3において、機関回転数NEがNE1よりも所定回転数だけ大きいNE2まで低下している。このように、機関負荷が零であるか又は極めて小さくて機関回転数が低下している状態であって、且つ機関回転数がNE2以下となった場合には、所定時間以内に機関回転数がNE1にまで低下すると予想される。そこで、本実施形態では、時刻t4よりも前の時刻t3において、可動ベーン37の開度VNが全閉から全開へと変更せしめられる。
ここで、上記第一実施形態のように、機関運転状態が第二運転領域内にあるときに可動ベーン37を全閉すると、高圧段タービン32の回転数は低くなっている。このような状態で機関運転状態が第二運転領域内から第一運転領域内へと変化しても、高圧段タービン32の回転数は直ぐには上昇せず、よって高圧段ターボチャージャ30によっては直ぐには過給を開始できない場合がある。その結果、過給遅れが発生し、ドライバビリティの悪化を招く。
これに対して、本実施形態では、機関運転状態が第二運転領域内から第一運転領域内へと変化する場合には、予め可動ベーン37を開いて高圧段タービン32の回転数が上昇せしめられる。このため、機関運転状態が第二運転領域内から第一運転領域内へと変化した場合にも直ぐに高圧段ターボチャージャ30によって過給を開始することができ、よってドライバビリティの悪化を抑制することができる。
図11は、上述したような過給制御を行った場合の制御ルーチンを示すフローチャートである。図11に示したフローチャートは、図8のXで示した部分に代わって用いられる。図11のステップS19、S28〜S30は、図8のものと同様であるため説明を省略する。
図11に示したように、ステップS17〜S19において、機関運転状態が運転領域C内にあると判定されて、ステップS28〜S30の制御が実行されると、ステップS43において内燃機関が減速中であるか否か、すなわち機関回転数NEが低下中であるか否かが判定され、ステップS44において機関回転数NEが運転領域Bと運転領域Cとの境界の回転数NEboに所定回転数αを加えた値(NEbo+α)以下であるか否かが判定される。ステップS43及びS44において、内燃機関が減速中であり且つ機関回転数NEが値NEbo+α以下であると判定された場合には、ステップS45へと進み、可動ベーン37の開度VNが最大(全開)とされる。一方、ステップS43及びS44において、内燃機関が減速中ではないと判定されるか或いは機関回転数NEが値NEbo+αよりも大きいと判定された場合には、ステップS46へと進み、可動ベーン37の開度VNが零(全閉)とさる。
なお、上記実施形態では、機関回転数の低下中であって、機関回転数が第一機関運転領域と第二機関運転領域との境界となる機関回転数よりも所定回転数だけ高い判定回転数以下になったときを、機関運転状態が所定時間以内に第一機関運転領域内の状態に変化すると予想されるときとしている。しかしながら、機関運転状態が所定時間以内に第一機関運転領域内の状態に変化すると予想されるときは、必ずしもこの条件を満たしている場合に限られず、例えば低圧段タービン42の回転数や、機関負荷等の他のパラメータに基づいて設定してもよい。
1 機関本体
2 気筒
3 燃料噴射弁
6 吸気通路
7 排気通路
10 スロットル弁
15 吸気バイパス通路
16 吸気バイパス通路制御弁
20 排気バイパス通路
21 排気バイパス通路制御弁
22 小バイパス通路
23 小バイパス通路制御弁
30 高圧段ターボチャージャ
31 高圧段コンプレッサ
32 高圧段タービン
33 タービンシャフト
37 可動ベーン
39 タービンインペラ
40 低圧段ターボチャージャ
41 低圧段コンプレッサ
42 低圧段タービン
43 タービンシャフト

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路内に配置された上流側タービンを備えた第一ターボチャージャと、
    前記上流側タービンよりも排気下流側において前記排気通路内に配置された下流側タービンを備えた第二ターボチャージャと、
    前記上流側タービンよりも排気上流側において前記排気通路から分岐すると共に前記上流側タービンと下流側タービンとの間において前記排気通路に合流して前記上流側タービンをバイパスするバイパス通路と、
    前記バイパス通路への分岐部と前記バイパス通路の合流部との間の前記排気通路と該排気通路に連通する上流側タービンのタービン内通路とから成るメイン通路を遮断する遮断手段と、を具備する、内燃機関の過給装置。
  2. 前記遮断手段は、前記タービン内通路を遮断する、請求項1に記載の内燃機関の過給装置。
  3. 前記上流側タービンは、タービンインペラを収容すると共に前記タービン内通路を形成するハウジングと、前記タービンインペラの外周に沿って前記ハウジング内に設けられる回動可能な複数の可動ベーンとを具備し、
    前記可動ベーンは、これら可動ベーンによりタービンインペラの外周を包囲してタービン内通路を遮断することができるように構成され、前記遮断手段は前記可動ベーンである、請求項2に記載の過給装置。
  4. 前記可動ベーンは、隣り合う可動ベーン間の隙間の大きさによって規定されるベーン開度を変更することによって前記タービンインペラに流入する排気ガスの流速を変更可能なように構成される、請求項3に記載の過給装置。
  5. 前記遮断手段は、機関運転状態が少なくとも第一ターボチャージャの過給効果を利用すべき第一機関運転領域にあるときには前記メイン通路の遮断を解除し、機関運転状態が第二ターボチャージャの過給効果のみを利用すべき第二機関運転領域にあるときには前記メイン通路を遮断する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の過給装置。
  6. 前記機関運転状態が、第二機関運転領域内にあるときであっても、予め定められた条件下では、前記遮断手段は前記メイン通路の遮断を解除する、請求項5に記載の過給装置。
  7. 前記予め定められた条件は、機関運転状態が所定時間以内に第一機関運転領域内に変化すると予想されることである、請求項6に記載の過給装置。
  8. 前記予め定められた条件は、上流側タービンの回転数が予め定められた許容回転数よりも低くなることである、請求項6又は7に記載の過給装置。
  9. 前記バイパス通路を開閉可能なバイパス通路制御弁をさらに具備し、該バイパス通路制御弁は、機関運転状態が第二機関運転領域内にあるときには全開又はほぼ全開とされる、請求項5〜8のいずれか1項に記載の過給装置。
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