JP2013253488A - スクロール流体機械 - Google Patents

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Kiyosumi Kusano
清澄 草野
Toru Adachi
徹 足立
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Abstract

【課題】オルダムリングの寸法精度と面粗度を向上して、振動・作動音を抑制する。
【解決手段】主軸受部材34と旋回スクロール32との間にオルダムリング33を具備したスクロール流体機械であって、前記オルダムリングはリング部33cとキー部33a、33bの分割構造とし、前記キー部はロール構造として前記リング部に接合した構成としてある。これにより、キー部の摺動抵抗を低減させ、オルダムリングのキー部と旋回スクロールのキー溝部、及びオルダムリングのキー部と主軸受部材のキー溝部の摺動を円滑にして、運転中に発生する振動・騒音を抑制することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は空調及び冷凍装置に適用されるスクロール圧縮機等のスクロール流体機械に関するものである。
従来、この種のスクロール流体機械、例えばスクロール圧縮機は、固定スクロールに対し旋回スクロールを旋回運動させることにより圧縮を行うようになっており、旋回スクロールの自転防止機構としてオルダムリングが用いられている。オルダムリングは両面にそれぞれ1対のキー部を有し、一方のキー部は旋回スクロールに設けられたキー溝に摺動自在に嵌合し、もう一方のキー部は主軸受部材に設けられたキー溝に摺動自在に嵌合することによって、旋回スクロールの自転を防止してスクロール圧縮機を正常に機能させている(例えば、特許文献1参照)。
図5は上記オルダムリングの一例を示し、オルダムリング100は一般的に焼結等による製造方法でリング部101、キー部102a及び102bが一体成型されている。
特公平7−42943号公報
しかしながら前記従来の構成ではオルダムリングは、焼結等による製造方法で成型しているため、その製法上の理由からキー部の寸法精度及び面粗度は悪化する傾向がある。そのため、オルダムリングと主軸受部材及び旋回スクロールのキー部とキー溝の摺動を円滑にして、圧縮機運転中に発生する騒音・振動を抑制するためにはキー部の加工精度の向上が必要であるが、オルダムリングの特殊な形状のために、工程が複雑になりコストアップにつながるという課題を有していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、オルダムリングと主軸受部材及び旋回スクロールのキー部とキー溝の摺動を円滑にして、低騒音・低振動のスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスクロール流体機械は、オルダムリングを、リング部とキー部の分割構造とし、前記キー部はローラ構造とし前記リング部に取り付けた構成としてある。
これにより、キー部がローラー構造となっているのでキー部の摺動抵抗を低減させ、オルダムリングのキー部と旋回スクロールのキー溝部、及びオルダムリングのキー部と主軸受部材のキー溝部の摺動を円滑にして、圧縮機運転中に発生する振動・騒音を抑制することができる。
本発明のスクロール流体機械は、キー部とキー溝との摺動を円滑にして、圧縮機運転中に発生する騒音・振動を抑制することができる。
本発明の実施の形態1におけるスクロール流体機械の一例として示すスクロール圧縮機の縦断面図 同スクロール圧縮機における圧縮機構部の主要部品を示し、(a)は旋回スクロールとオルダムリングと軸受部材とを旋回スクロール側から見て示した分解斜視図、(b)は旋回スクロールとオルダムリングと軸受部材とを分解して背面側から見て示した分解斜視図要部分解斜視図 同スクロール圧縮機のオルダムリングを示す斜視図 同スクロール圧縮機のオルダムリングとキー部を示す分解斜視図 従来のスクロー圧縮機におけるオルダムリングの斜視図
第1の発明は、固定スクロールと主軸受部材との間にモータ部によって駆動される旋回スクロールを設け、前記固定スクロールと前記旋回スクロールとを、渦巻状のラップを互いに内側にして噛み合わせるとともに、前記主軸受け部材と前記旋回スクロールとの間に前記旋回スクロールの自転防止機構として配置したオルダムリングを具備したスクロール流体機械であって、前記キー部はローラ構造とし前記リング部に取り付けた構成としてある。
これにより、キー部がローラー構造となっているのでキー部の摺動抵抗を低減させ、オルダムリングのキー部と旋回スクロールのキー溝部、及びオルダムリングのキー部と主軸受部材のキー溝部の摺動を円滑にして、運転中に発生する振動・騒音を抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明において、オルダムリングのキー部は、円柱部と円柱部の外周に回転自在に設けたローラ部とで構成し、円柱部をリング部に圧入或いは螺合によって取り付けた構成としてあり、第1発明と同様、キー部の摺動抵抗を低減させ、運転中に発生する振動・騒音を抑制することができるとともに、キー部を接合する前にキー部が無い状態でオルダムリングの表面研磨加工が可能になり、オルダムリングの寸法精度と面粗度を向上させ、オルダムリングと旋回スクロール、及びオルダムリングと主軸受部材の摺動を円滑にして、圧縮機運転中に発生する振動・騒音を一段と抑制することができる。
第3の発明は、第2の発明において、円柱部はオルダムリングのリング部に一体形成した構成としてあり、円柱部を別形成する必要がないので生産性の向上が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、スクロール流体機械の一例としてスクロール圧縮機を例にしてその図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、本発明では横向き設置型のスクロール圧縮機を例にして説明するが他の形態であってもよい。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の断面図を示すものである。
図1において、本体ケース1内に圧縮機構部4及び圧縮機構部4を駆動するモータ部5を内蔵し、モータ部5は密封端子50に接続された図示しないモータ駆動回路部によって外部から駆動される。上記圧縮機構部4は、主軸受部材34と固定スクロール31との間に旋回スクロール32を挟み込み、かつ、固定スクロール31と前記旋回スクロール32とを、渦巻状のラップを互いに内側にして噛み合わせることによって構成している。そして、この圧縮機構部4は、固定スクロール31と旋回スクロール32の渦巻状ラップを互いに噛み合わせて形成した圧縮空間13が、旋回スクロール32をモータ部5により駆動
軸42を介して固定スクロール31に対し旋回運動をさせたときに、移動を伴い容積を変化させることにより、外部サイクルから帰還する冷媒の吸入、圧縮および外部サイクルへの吐出を、吸入ケース3に設けた吸入口11および吐出ケース2に設けた吐出口12を通じて行う。14は圧縮室13からの圧縮冷媒ガスが吐出する吐出口で、吐出口15から吐出した冷媒ガスは吐出室15、吐出通路16を介して本体ケース1の吐出口12から前記した如く吐出する。
上記モータ部5は本体ケース1の内周に固定された固定子6と、前記駆動軸42に固定された回転子7とで構成され、駆動軸42を前記旋回スクロール32の背面筒状部に偏心軸受21を介して嵌合連結することにより、旋回スクロール32を旋回駆動するように構成してある。
圧縮機構部4及びモータ部5を内蔵した本体ケース1内には潤滑油10を貯留する貯油部9を備え、潤滑油10はノズル45からポンプ41によって、前記駆動軸42内の駆動軸給油経路43を通じて圧縮機構部4に供給され、本体ケース1内の各摺動部及び圧縮機構部4を潤滑する構成となっている。
図2(a)(b)は上記圧縮機構部4の要部を示した分解斜視図であり、主軸受部材34と旋回スクロール32との間に旋回スクロール32の自転防止機構としてのオルダムリング33が設けてある。このオルダムリング33は、その両面に2対のキー部33aとキー部33bを有し、キー部33aを旋回スクロール32のキー溝32bに、キー部33bを主軸受部材34のキー溝34bにそれぞれ摺動自在に嵌合させて、旋回スクロール32の自転を防止し旋回スクロール32を旋回運動させるようになっている。
図3は上記オルダムリング33を示し、このオルダムリング33はリング部33cとキー部33a及び33bの分割構造とし、キー部33a及び33bは図4に示すように円柱部331と当該円柱部331に回転自在に挿入したローラ部332を備えているローラ構造としてある。そして、上記円柱部331を前記リング部33cの孔33dに圧入或いは螺合して一体化することによりオルダムリング33が構成してある。
従って、上記オルダムリング33は、キー部33a及び33bがローラ構造となっているから、この各キー部33a及び33bが嵌合する旋回スクロール32のキー溝32b及び主軸受部材34のキー溝34bとの摺動抵抗が低減する。これにより、オルダムリング33のキー部33aと旋回スクロール32のキー溝32b、及びオルダムリング33のキー部33bと主軸受部材34のキー溝34bとの摺動を円滑にして、圧縮機運転中に発生する振動・騒音を抑制することができる。
また、この実施の形態では、キー部33a及び33bの円柱部331はオルダムリング33のリング部33cとは別体形成して、リング部33cの孔33dに圧入或いは螺合によって一体化する構成としてあるから、オルダムリング33は、キー部33a及び33bを一体化する前のキー部33a及び33bが無い状態で表面研磨加工が可能になり、安価にオルダムリング33の寸法精度と面粗度を向上させることができる。その結果、オルダムリング33と旋回スクロール32、及びオルダムリング33と主軸受部材34の摺動をも円滑にして、圧縮機運転中に発生する振動・騒音を一段と抑制することができる。
(実施の形態2)
この実施の形態2は図示しないが、上記実施の形態で説明したキー部33a及び33bの円柱部331をオルダムリング33のリング部33cに一体形成したものである。
この構成によれば、実施の形態1で説明したような、オルダムリング33と旋回スクロ
ール32、及びオルダムリング33と主軸受部材34の摺動をも円滑にして、圧縮機運転中に発生する振動・騒音を一段と抑制する効果は得られないものの、円柱部331をリング部33cに一体形成するので、生産性が向上する利点がある。
以上のように、本発明にかかるスクロール流体機械は、オルダムリングのキー部と旋回スクロールのキー溝部、及びオルダムリングのキー部と主軸受部材のキー溝部の摺動を円滑にして、運転中に発生する振動・騒音を抑制することができるので、空調及び冷凍装置以外の電動スクロール圧縮機、スクロール型膨張機、真空ポンプ等のスクロール流体機械の用途に広く適用できる。
1 本体ケース
2 吐出ケース
3 吸入ケース
4 圧縮機構部
5 モータ部
31 固定スクロール
32 旋回スクロール
32b キー溝
33 オルダムリング
33a キー部
33b キー部
33c リング部
33d 孔
34 主軸受部材
34b キー溝
331 円柱部
332 ローラ部

Claims (3)

  1. 固定スクロールと主軸受部材との間にモータ部によって駆動される旋回スクロールを設け、前記固定スクロールと前記旋回スクロールとを、渦巻状のラップを互いに内側にして噛み合わせるとともに、前記主軸受け部材と前記旋回スクロールとの間に前記旋回スクロールの自転防止機構として配置したオルダムリングを具備したスクロール流体機械であって、前記オルダムリングはリング部とキー部の分割構造とし、前記キー部はローラ構造とし前記リング部に取り付けたスクロール流体機械。
  2. オルダムリングのキー部は、円柱部と円柱部の外周に回転自在に設けたローラ部とで構成し、円柱部をリング部に圧入或いは螺合によって取り付けた請求項1記載のスクロール流体機械。
  3. 円柱部はオルダムリングのリング部に一体形成した請求項2記載のスクロール流体機械。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104074759A (zh) * 2014-07-11 2014-10-01 湖南联力精密机械有限公司 十字环滚动运动的涡旋空气压缩机
CN106032798A (zh) * 2015-03-12 2016-10-19 比亚迪股份有限公司 空气压缩机
KR102083968B1 (ko) * 2018-09-07 2020-03-03 엘지전자 주식회사 스크롤 압축기

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