JP2014136985A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

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喜文 阿部
Nobuaki Ogawa
信明 小川
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誠一郎 仲山
Hiroaki Murakami
弘明 村上
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Abstract

【課題】ジクシールを旋回スクロール端板背面の微小隙間変化に対して追従を可能とし、起動直後にジクシールを速やかに浮上させ性能の安定化を図るため、ジクシールの下部にジクシールバネを配置する必要がある。
【解決手段】固定スクロール9と、旋回スクロール10とを備え、旋回スクロール10端版の背面に微小隙間を介して軸方向に支持部を設け旋回スクロール10の背面の中心側に圧縮機構の吐出圧力が作用し、その外側に吐出圧力と吸入圧力との間の適当な中間圧が作用するように微小隙間を摺動自在に密封して仕切るジクシール51を設けたスクロール型圧縮機において、ジクシール51を微小隙間変化に追従可能なバネ特性を兼ね備えた形状で形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、スクロール型圧縮機に関するものである。
従来この種のスクロール型圧縮機は、固定スクロールのうず巻き体と旋回スクロールのうず巻き体との間に形成されるポケットが、旋回スクロールの公転運動に伴ってうず巻きの中心部へ移動し、当該移動に伴ってポケットの体積が減少し、ポケット内の冷媒ガスが圧縮される。旋回スクロール端版の背面には微小隙間を介して軸方向に支持部を設け旋回スクロール端板の背面の中心側に圧縮機構の吐出圧力が作用し、その外側に吐出圧力と吸入圧力との間の適当な中間圧が作用するように前記微小隙間を摺動自在に密封して仕切るジクシールを具備している。
起動直後にジクシールを速やかに浮上させるため、ジクシールの下部にジクシールバネを配置し、ジクシールに与圧を付加すると同時に、ジクシール背面に押圧が加わる微小空間を設ける。これにより、ジクシールのシ−ル性を向上させて旋回スクロール軸方向の適切な押圧を確保することで性能の安定化を図っている(例えば、特許文献1参照)。
特開平3−149382号公報
しかしながら、前記従来の構成では、起動直後のジクシールのシ−ル性を確保し性能を安定化するのにジクシールバネの設定が必要で、材料費や設置する工数が増加することにより、スクロール型圧縮機のコストが上昇するという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、性能を低下させることなく部品点数の削減が可能で、安価で高性能を維持したスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスクロール型圧縮機は、端板にうず巻き体が立設された固定スクロールと、端板にうず巻き体が立設され、前記うず巻き体どうしをかみ合わせて自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロールとを備え、旋回スクロール端板の背面には微小隙間を介して軸方向に支持部を設け旋回スクロール端板の背面の中心側に圧縮機構の吐出圧力が作用し、その外側に吐出圧力と吸入圧力との間の適当な中間圧が作用するように前記微小隙間を摺動自在に密封して仕切るジクシールを具備したスクロール型圧縮機において、前記ジクシールを前記微小隙間変化に追従可能なバネ特性を兼ね備えた形状で形成してある。これにより性能を低下させることなく部品点数の削減が可能で、安価で高性能を維持することができる。
本発明のスクロール型圧縮機は、性能を低下させることなく部品点数の削減を可能とすることができる。
本発明の実施の形態1におけるスクロール型圧縮機の断面図 同実施の形態1におけるジクシール部を拡大した断面図
第1の発明は、端板にうず巻き体が立設された固定スクロールと、端板にうず巻き体が立設され、前記うず巻き体どうしをかみ合わせて自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロールとを備え、旋回スクロール端版の背面には微小隙間を介して軸方向に支持部を設け旋回スクロール端板の背面の中心側に圧縮機構の吐出圧力が作用し、その外側に吐出圧力と吸入圧力との間の適当な中間圧が作用するように前記微小隙間を摺動自在に密封して仕切るジクシールを具備したスクロール型圧縮機において、前記微小隙間変化に追従可能なバネ特性を兼ね備えた形状で形成してバネ特性を持たせてある。これにより、前記ジクシールはジクシールバネを配置しなくても、前記微小隙間変化に対して追従が可能で、起動直後にジクシールを速やかに浮上させることができる。
第2の発明は、前記ジクシールは、前記微小隙間に対してU字型の断面形状にて構成している。
第3の発明は、前記ジクシールをPTFE(四フッ化エチレン)を基材とする樹脂材料で形成する。これにより、第1の発明と同様に前記ジクシールはジクシールバネを配置しなくても、前記微小隙間変化に対して追従が可能で、起動直後にジクシールを速やかに浮上させることができる。
第4の発明は、PEEK(ポリエ−テルエ−テルケトン)を基材とする樹脂材料で形成する。これにより、第1の発明と同様に前記ジクシールはジクシールバネを配置しなくても、前記微小隙間変化に対して追従が可能で、起動直後にジクシールを速やかに浮上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1、第2および第3の実施の形態におけるスクロール型圧縮機を示し、電動モータ4とインバータ7を内蔵し、胴部の周りにある取付け脚2aによって横向きに設置される横型のスクロール型電動圧縮機の1つの例を示している。
スクロール型電動圧縮機1はその主容器2内に圧縮機構部3およびこれを駆動する電動モータ4を内蔵し、主容器2の圧縮機構部側開口部2bおよび電動モータ側開口部2cには、それぞれ開口部と向かい合う形で吸入副容器5および吐出副容器6が装着され、主容器2、吸入副容器5、吐出副容器6で密閉の圧縮機容器を形成している。吸入副容器5内には電動モータ4を駆動するインバータ7を内蔵し、電動モータ側開口部2cには、圧縮機構部3を含む各摺動部の潤滑に供する液を供給する給油装置8を備えている。
取り扱う冷媒はガス冷媒であり、各摺動部の潤滑や圧縮機構部3の摺動部のシールに供する液としては潤滑油16などの液を採用している。また、潤滑油16は冷媒に対して相溶性のあるものとしてある。
しかし、本発明はこれらに限られることはない。基本的には、液体の吸入、圧縮および吐出を行うスクロール型圧縮機構部を備えた圧縮機であればよく、以下の説明は特許請求の範囲の記載を限定するものではない。
本実施の形態のスクロール型電動圧縮機1は、図1に示すように端板9aにうず巻き体
9bが立設された固定スクロール9と端板10aにうず巻き体10bが立設された旋回スクロール10を噛み合わせて形成した圧縮空間11が、旋回スクロール10を電動モータ4により駆動軸12を介して固定スクロール9に対し旋回運動をさせたときに、移動を伴い容積を変化させることにより外部サイクルから帰還する冷媒の吸入、圧縮および外部サイクルへの吐出を、吸入副容器5に設けた吸入口13および吐出副容器6に設けた吐出口14を通じて行う。
これに併せ、吐出副容器6の貯液部15に貯留されている潤滑油16が歯車ポンプ17などを駆動軸12にて駆動するか主容器2内の差圧を利用するなどして、駆動軸12の給油路18を通じ旋回スクロール10の旋回駆動に伴い旋回スクロール10の背面の液溜り19に供給し、この液溜り19に供給した潤滑油16の一部は旋回スクロール10の外周部のうず巻き体10bの反対面の背圧室20に、端板10aを通じ、絞り10cなどによる所定の制限の基に供給し、さらに旋回スクロール10に設けた連通穴10dを通じ、固定スクロール9に設けた凹部9cに供給する。旋回スクロール端板10aの背面には微小隙間を介して軸方向に主軸受部材24を設け旋回スクロール端板10aの背面の中心側に圧縮機構の吐出圧力が作用し、その外側に吐出圧力と吸入圧力との間の適当な中間圧が作用するように前記微小隙間を摺動自在に密封して仕切るジクシール51を具備し旋回スクロール10を押圧しバックアップしながら、潤滑油16を固定スクロール9と旋回スクロール10の間に供給して、固定スクロール9と旋回スクロール10間のシールおよび潤滑を図る。また、液溜り19に供給した潤滑油16の別の一部は、偏心ベアリング23、主ベアリング21を経ながらこれらを潤滑した後、電動モータ4側に流出し、貯液部15へと回収される。
さらに、主容器2内の電動モータ側開口部2cの端部壁2d側から給油装置8、副ベアリング22、電動モータ4、主ベアリング21を持った主軸受部材24を配置してある。給油装置8は、端部壁2dの外面から歯車ポンプ17を収容してその後に図示しないボルトなどによって取り付けたポンプ板25との間に保持し、吐出副容器6の内側に貯液部15に通じる油溜め室26を形成して油吸入通路27を介して貯液部15に通じるようにしてある。副ベアリング22は端部壁2dにて支持し、駆動軸12の歯車ポンプ17に連結している側を軸受するようにしてある。
電動モータ4は固定子4aを主容器2の内周にボルトあるいは焼き嵌めなどして固定し、駆動軸12に固定した回転子4bとによって駆動軸12を回転駆動できるようにしている。主軸受部材24は主容器2に挿入あるいは圧入されており、駆動軸12の圧縮機構部3側を主ベアリング21により軸受している。主軸受部材24の外面には前記固定スクロール9を図示しないボルトなどによって取付け、これら主軸受部材24と固定スクロール9との間に前記旋回スクロール10を挟み込んでスクロール型圧縮機を構成している。主軸受部材24と旋回スクロール10との間には、旋回スクロール10の自転を防止して旋回運動させるためのオルダムリング28が設けられている。
駆動軸12の端面には偏心軸12aが一体形成されており、偏心軸12aにはブッシュ29が嵌合して支持されている。ブッシュ29には旋回スクロール10が固定スクロール9と対向するように偏心ベアリング23を介して旋回運動可能に支持されている。旋回スクロール10の端板10aの背面には筒部10eが突設されており、偏心ベアリング23は筒部10e内に収容されている。偏心ベアリング23の内輪は、ブッシュ29に嵌合されており、偏心ベアリング23の外輪は、筒部10eに嵌合されている。
圧縮機構部3は、主容器2と開口どうしを突き合わせて図示しないボルトにて固定した吸入副容器5により覆われている。圧縮機構部3は吸入副容器5の吸入口13と吐出副容器6の吐出口14との間に位置し、固定スクロール9の端板9aに設けた図示しない吸入
孔が吸入副容器5の吸入口13と吸入通路を通じ接続され、端板9aのほぼ中央に設けた吐出孔9eがリード弁30を介して吐出室に開口している。吐出室は固定スクロール9および主軸受部材24ないしはこれらと主容器2との間に形成した吐出通路31を通じて圧縮機構部3と端部壁2dとの間の、電動モータ4側に通じている。
電動モータ4のリード線4cは、固定スクロール9および主軸受部材24ないしはこれらと主容器2との間に形成した連絡通路32を通じて吸入副容器5側へ引出し、リード線4c端に接続されたクラスタブロック4dは、吸入副容器5によって形成された仕切壁5aに貫装されたターミナル33の金属端子33aに接続されている。さらにターミナル33は吸入副容器5内のインバータ7と接続されている。
上記電動モータ4はインバータ7によって駆動され、駆動軸12を介して圧縮機構部3を旋回運動させるとともに、歯車ポンプ17を駆動する。このとき圧縮機構部3は歯車ポンプ17により貯液部15の潤滑油16を供給されて潤滑、シールおよび押圧作用を受けながら、吸入副容器5の吸入口13さらに自身の固定スクロール9に設けた図示しない吸入孔を通じ冷凍サイクルからの帰還冷媒を吸入して、圧縮し、自身の吐出孔9eから吐出室に吐出する。このときインバータ7は帰還冷媒により冷却される。さらに吐出室に吐出された冷媒は吐出通路31を通じて電動モータ4側に入り、電動モータ4を冷却しながら、さらに衝突、絞りなどの気液分離を図って潤滑油16の分離を受けながら吐出副容器6の吐出口14から吐出される。
ここで、本実施の形態では、図1、2に示すように、ジクシール51を旋回スクロール端板10aの背面の微小隙間に対してU字型の断面形状にて構成してある。
以上のように構成されたスクロール型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。ジクシール51を旋回スクロール端板10aの背面の微小隙間に対してU字型の断面形状にて構成したことによりジクシール51にバネ特性を付加し、旋回スクロール端板10aの背面の微小隙間変化に対して追従が可能で、起動直後にジクシールを速やかに浮上させることができる。
(実施の形態2)
ジクシール51をPTFE(四フッ化エチレン)を基材とするする樹脂材料で形成する。その他の構成は実施の形態1と同様であり、同一部分には同一番号を付記して説明は省略する。
このように構成したスクロール型電動圧縮機1は、実施の形態1と同様、ジクシール51を旋回スクロール端板10aの背面の微小隙間に対してU字型の断面形状にて構成したことによりジクシール51にバネ特性を付加し、旋回スクロール端板10aの背面の微小隙間変化に対して追従が可能で、起動直後にジクシールを速やかに浮上させることができる。
(実施の形態3)
ジクシール51をPEEK(ポリエ−テルエ−テルケトン)を基材とするする樹脂材料で形成する。その他の構成は実施の形態1と同様であり、同一部分には同一番号を付記して説明は省略する。
このように構成したスクロール型電動圧縮機1は、実施の形態1と同様、ジクシール51を旋回スクロール端板10aの背面の微小隙間に対してU字型の断面形状にて構成したことによりジクシール51にバネ特性を付加し、旋回スクロール端板10aの背面の微小隙間変化に対して追従が可能で、起動直後にジクシールを速やかに浮上させることができ
る。
以上説明したように本発明にかかるスクロール型圧縮機は、性能を低下させることなく、ジクシールバネを廃止しコスト低減を図ることができるので、電動モータを内蔵しない圧縮機にも適用できる。
1 スクロール型電動圧縮機
3 圧縮機構部
4 電動モータ
7 インバータ
9 固定スクロール
9a 端板
9b うず巻き体
10 旋回スクロール
10a 端板
10b うず巻き体
11 圧縮空間
12 駆動軸
12a 偏心軸
28 オルダムリング
51 ジクシール

Claims (4)

  1. 端板にうず巻き体が立設された固定スクロールと、端板にうず巻き体が立設され、前記うず巻き体どうしをかみ合わせて自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロールとを備え、
    前記旋回スクロール端版の背面に微小隙間を介して軸方向に支持部を設け前記旋回スクロールの背面の中心側に圧縮機構の吐出圧力が作用し、その外側に吐出圧力と吸入圧力との間の適当な中間圧が作用するように前記微小隙間を摺動自在に密封して仕切るジクシールを設けたスクロール型圧縮機において、
    前記ジクシールを前記微小隙間の変化に追従可能なバネ特性を兼ね備えた形状で形成したスクロール型圧縮機。
  2. 前記ジクシールは、前記微小隙間に対してU字型の断面形状にて構成している請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  3. 前記ジクシールはPTFE(四フッ化エチレン)を基材とする樹脂材料で形成したことを特徴とする請求項1記載のスクロール型圧縮機。
  4. 前記ジクシールはPEEK(ポリエ−テルエ−テルケトン)を基材とする樹脂材料で形成したことを特徴とする請求項1記載のスクロール型圧縮機。
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