JP2013252734A - ハイブリッド車の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関を再始動する際の摩擦損失を抑制し、かつ要求に応じた始動制御応答性を達成できるハイブリッド車の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の燃焼運転が停止され、かつクラッチが解放されて内燃機関に対する動力の入出力が遮断されている状態で車両が走行している際に、電動機によってクラッチの入力側回転部材と出力側回転部材との間の回転数差を予め定めた所定値まで減少させる差回転低減手段(ステップS8)と、その回転数差が所定値に減少した状態で、クラッチの伝達トルク容量を次第に増大させて内燃機関の回転数を燃焼運転が可能な回転数に上昇させる押しがけ手段(ステップS11)とを備え、所定値は、要求駆動量の変化量が大きい場合に、要求駆動量の変化量が小さい場合に比較して、大きい値に設定されるように構成されている。
【選択図】図4
【解決手段】内燃機関の燃焼運転が停止され、かつクラッチが解放されて内燃機関に対する動力の入出力が遮断されている状態で車両が走行している際に、電動機によってクラッチの入力側回転部材と出力側回転部材との間の回転数差を予め定めた所定値まで減少させる差回転低減手段(ステップS8)と、その回転数差が所定値に減少した状態で、クラッチの伝達トルク容量を次第に増大させて内燃機関の回転数を燃焼運転が可能な回転数に上昇させる押しがけ手段(ステップS11)とを備え、所定値は、要求駆動量の変化量が大きい場合に、要求駆動量の変化量が小さい場合に比較して、大きい値に設定されるように構成されている。
【選択図】図4
Description
この発明は、走行のための駆動力源として内燃機関および発電機能のある電動機を備えているハイブリッド車の走行を制御する制御装置に関し、特に、内燃機関の運転を停止した状態で電動機のみを駆動力源として走行するEV走行が可能なハイブリッド車の制御装置に関するものである。
ハイブリッド車は、駆動力源としてガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関、およびモータ・ジェネレータなどの発電機能のある電動機を搭載した車両であり、内燃機関と電動機とが持つそれぞれの特性を生かすことにより、燃費を向上させることができ、また排ガスの低減を図ることができる車両である。例えば、内燃機関を燃焼効率の良い運転点で運転し、かつ車両に要求される駆動トルクを電動機で付加することができる。さらに、減速時にエネルギ回生を行いその際に発生させた電力を走行のために使用することもできる。そのため、走行に対する要求を満たしつつ、燃費を向上させ、かつ排ガスの低減を図ることが可能である。そのようなハイブリッド車に関する発明の一例が特許文献1に記載されている。
この特許文献1に記載されたハイブリッド駆動装置は、エンジンと、第1モータ・ジェネレータと、第2モータ・ジェネレータと、駆動輪に動力伝達可能に連結された出力ギヤと、3つの回転要素を有する遊星歯車装置と、入力軸とエンジンとを選択的に連結するクラッチと、遊星歯車装置のキャリアに連結されたエアコン用コンプレッサやオイルポンプなどの補機と、それら補機を駆動する動力を取り出すための駆動プーリとを備え、遊星歯車装置のサンギヤに第1モータ・ジェネレータが連結され、遊星歯車装置のリングギヤに出力ギヤが連結されている。そして、エンジンが停止している場合に、クラッチが解放状態にされ、補機が必要とする回転速度で遊星歯車装置のキャリアが回転するよう第1モータ・ジェネレータが駆動されるように構成されている。
また、この特許文献1には、車両の駆動力源として第2モータ・ジェネレータのみの出力トルクが駆動輪に伝達される電動走行モードから、エンジンの出力トルクが第1モータ・ジェネレータと出力ギヤすなわち駆動輪とに分配されて伝達されるスプリット走行モードへの切り替えの際に、クラッチを解放状態から係合状態に切り替え、第1モータ・ジェネレータの出力トルクによりエンジンを始動させる制御例が記載されている。また、そのエンジンを始動させるためのクラッチの係合の際には、係合ショックを抑制するために、クラッチを滑らせながら係合させることが記載されている。
なお、特許文献2には、エンジンと、補機駆動用モータと、エンジンの出力軸と補機駆動用モータの出力軸とを選択的に連結する電磁式クラッチとを備え、エンジンの再始動時には、電磁式クラッチを係合してエンジンの出力軸と補機駆動用モータの出力軸とを連結させた後に、補機駆動用モータを駆動してエンジンを再始動させるように構成されたエンジンの始動装置が記載されている。そして、この特許文献2には、エンジンを再始動させる際には、係合ショックやクラッチ板の摩耗を抑制するために、補機駆動用モータの回転数を低下させた後に電磁式クラッチを係合させることが記載されている。
さらに、特許文献3には、モータの動力で走行するモータ走行モードから、エンジンの動力で走行する機関走行モードに切り替える場合におけるエンジンの始動、二組の遊星歯車機構におけるリングギヤ同士を連結するクラッチの解放、および一方のリングギヤを制動するブレーキの係合の順序を規定した制御装置が記載されている。この特許文献3に記載された装置は、クラッチを係合させて二つのリングギヤ同士を連結した状態で、第2のモータ・ジェネレータの出力トルクによりエンジンをモータリングしてエンジンを始動し、その後にブレーキを係合させ、ついでクラッチを解放し、あるいはクラッチの解放ならびにブレーキの係合の後にエンジンを始動するように構成されている。
上記の特許文献1に記載されているハイブリッド駆動装置のように、エンジンと他の駆動力源および駆動輪との間の動力伝達経路にクラッチが設けられていれば、走行中にエンジンを動力伝達経路から切り離すことができる。したがって、モータ・ジェネレータなどエンジン以外の他の駆動力源の出力により走行する場合や、エンジンの運転を停止して惰力走行する場合に、いわゆるエンジンの連れ回りを回避し、エネルギ効率を向上させることができる。また、そのクラッチを係合させれば、動力伝達経路からエンジンに動力を伝達してエンジンをモータリングすることができるから、エンジンを再始動する場合、クラッチを滑らせながら係合させることにより、エンジンの再始動を行うことができるとともに、その際のクラッチの係合ショックを抑制し、ドライバビリティの低下を防ぐことができる。しかしながら、上記のクラッチが摩擦力によってトルクを伝達するように構成されていることにより滑り制御が可能であるとしても、滑り状態では入力された動力の一部を熱として消費することになるので、いわゆる摩擦損失が生じる。その摩擦損失は、車速が十分に低くてクラッチにおける入力側の摩擦板と出力側の摩擦板との回転数差が小さい場合には、小さくなるが、高車速状態などのために上記の回転数差が大きい場合には、摩擦損失が増大し、車両の燃費の悪化要因となる可能性がある。
一方、特許文献2に記載されているように、クラッチを係合させるにあたり、モータの回転数を低下させておくとすれば、クラッチでの回転数差が小さくなるので、摩擦板の摩耗や動力損失を低減することができる。しかしながら、エンジンの回転数を制御するモータを使用してエンジンのモータリングを行うように構成されたハイブリッド車では、クラッチのうちエンジンに連結されているいわゆる入力側の部材もしくは摩擦板の回転数がゼロもしくはほぼゼロであるのに対して、モータによって回転させられるいわゆる出力側の部材もしくは摩擦板の回転数は、車速に応じて高回転数になっているので、これらの部材の回転数を同期させ、あるいはその回転数差を小さくするとすれば、モータの回転数を高くする必要がある。そして、そのように高回転数にした状態でモータのトルクによってエンジンをモータリングすることになるので、そのモータとしては高回転数・高トルク型のものが必要になり、あるいは既存のモータの容量を超えた出力が要求されることになってしまう。すなわち、モータが大型化したり、あるいはモータの出力が不十分なためにモータ走行が制限を受けるなどの可能性がある。また、モータの回転数をエンジン始動のために変化させることになるので、制御が複雑化したり、それに伴ってエンジンの始動に応答遅れが生じたりする可能性がある。
なお、特許文献3に記載された装置は、エンジンとモータとが常時連結されているので、上述したクラッチの摩耗や動力損失あるいはモータの大型化などの課題が生じないものの、いわゆるモータ走行時にエンジンを連れ回すことになって、モータ走行時のエネルギ効率が低下する可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、動力伝達経路から内燃機関を切り離すことが可能なクラッチを設けたハイブリッド車において、走行中に内燃機関を始動することに伴うクラッチの摩擦による動力損失を抑制でき、またエンジンの始動応答性を良好にすることのできるハイブリッド車の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内燃機関および第1の電動機を駆動力源として備え、前記内燃機関と前記第1の電動機と駆動軸との間で動力を分割もしくは合成して伝達する動力分割機構と、その動力分割機構と前記内燃機関との間で動力を伝達しまた動力の伝達を遮断するように伝達すると容量を変化させられるクラッチとを備え、前記第1の電動機の出力を制御することにより前記内燃機関の回転数を制御することが可能なハイブリッド車の制御装置において、前記内燃機関の燃焼運転が停止され、かつ前記クラッチが解放されもしくは伝達トルク容量が所定量以下に低下させられて前記内燃機関に対する動力の入出力が遮断もしくは低下させられている状態で、前記車両が走行している際に、前記第1の電動機の出力を制御することにより、前記クラッチの入力側回転部材と出力側回転部材との間の回転数差を予め定めた所定値まで減少させる差回転低減手段と、前記入力側回転部材と前記出力側回転部材との間の回転数差が前記所定値に減少した状態で、前記クラッチの伝達トルク容量を次第に増大させて前記内燃機関の回転数を燃焼運転が可能な回転数に上昇させる押しがけ手段とを備え、前記所定値は、前記ハイブリッド車に対する要求駆動量の変化量が大きい場合に、前記要求駆動量の変化量が小さい場合に比較して、大きい値に設定されるように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記動力分割機構は、第1回転要素と、前記第1回転要素が回転する際に反力要素となる第2回転要素と、前記第1回転要素および前記第2回転要素の回転速度に基づいて決まる回転速度で回転する第3回転要素とを有する差動歯車装置から構成され、前記第1回転要素に前記クラッチを介して前記内燃機関が連結され、前記第2回転要素に前記第1の電動機が連結され、前記第3回転要素に前記駆動軸が連結され、前記差回転低減手段は、前記要求駆動量の変化量が大きいほど前記内燃機関の回転方向に対して逆方向の前記第1の電動機の回転数増大量が小さくなって前記クラッチにおける入力側部材と出力側部材との回転数差が大きくなるように、前記第1の電動機の出力を制御する手段を含むことを特徴とするハイブリッド車の制御装置である。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記内燃機関の燃焼運転が停止され、かつ前記クラッチが解放されもしくは伝達トルク容量が所定量以下に低下させられて前記内燃機関に対する動力の入出力が遮断もしくは低下させられている状態で、前記車両が走行している際に、前記車速が低速走行状態を判断するために設定した所定車速よりも低い場合には、前記クラッチを係合させもしくは伝達トルク容量を増大させた後に前記第1の電動機の出力により前記内燃機関の回転数を上昇させるモータリング手段を更に備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置である。
そして、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記駆動軸と直接動力伝達可能に連結された第2の電動機と、前記第1の電動機の出力により前記入力側回転部材と前記出力側回転部材との間の回転数差を減少させる際に、前記第2の電動機の出力により前記ハイブリッド車の駆動力を補償する補償手段とを更に備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置である。
請求項1の発明によれば、内燃機関を停止させてハイブリッド車を走行させている状態で内燃機関を始動させる場合、クラッチの伝達トルク容量を増大させて第1の電動機側から内燃機関にトルクを伝達して内燃機関をモータリングする。その場合、クラッチの入力側回転部材は内燃機関が停止していることにより回転数がゼロになっており、これに対してクラッチの出力側回転部材は車両が走行していることにより所定の回転数で回転している。この発明で対象としているハイブリッド車は、第1の電動機によって内燃機関の回転数を制御できるように構成されているから、上記の出力側回転部材の回転数を第1の電動機によって制御することができ、したがってクラッチの伝達トルク容量を増大させるように係合させるにあたり、第1の電動機の出力を変化させてクラッチにおける回転数差が低下させられる。クラッチにおける入力側回転部材と出力側回転部材との回転数差が予め定めた所定値にまで低下すると、クラッチの伝達トルク容量が増大させられて内燃機関の回転数が燃焼運転可能な回転数もしくはそれ以上になるようにモータリングされる。
この発明における上記の所定値は、要求駆動量の変化量が大きい場合には、その変化量が小さい場合に比較して大きい値に設定される。したがって例えばアクセルペダル踏み込み量が大きいなどのことにより要求駆動量の変化量が大きい場合には、回転数が大きい出力側回転部材によって入力側回転部材の回転数すなわち内燃機関の回転数を引き上げることになるので、内燃機関の回転数が燃焼運転可能な回転数に迅速に引き上げられ、内燃機関の始動制御応答性や駆動力に対する要求を充足する駆動力制御応答性が良好になる。これに対して、要求駆動量の変化量が小さい場合、すなわち例えばアクセルペダルの踏み込み量が小さい場合には、伝達トルク容量を増大させるべくクラッチを係合させる際の上記の回転数差が小さくなり、その結果、クラッチにおける滑りが低減されて摩擦損失を少なくし、またクラッチの耐久性の低下を抑制することができる。
また、請求項2の発明では、クラッチにおける回転数差を上記のように要求駆動量の変化量に応じた所定値にまで変化させる場合、第1の電動機の回転数をいわゆる逆方向に増大させるが、要求駆動量の変化量が大きい場合には、第1の電動機の回転数を変化させる量が小さくなるので、上述した始動制御応答性あるいは駆動力制御応答性が向上する。
また、請求項3の発明によれば、ハイブリッド車が十分に低車速で走行している場合には、クラッチが係合されもしくは伝達トルク容量が増大させられて第1の電動機の出力によって内燃機関の回転数が上昇させられる。すなわち、内燃機関が第1の電動機によりいわゆるモータリングされる。車速が十分に低い場合は、クラッチを係合させもしくは伝達トルク容量を増大させる際の摩擦損失や係合ショックの影響も十分に小さいため、したがって、この請求項3の発明では、低車速時には、上記のように、先にクラッチを係合させもしくは伝達トルク容量を増大させ、第1の電動機の出力によって内燃機関をモータリングすることにより、内燃機関の回転数を応答性良く上昇させることができる。
そして、請求項4の発明によれば、上記のように第1の電動機の出力によりクラッチの各回転部材の回転を同期させる場合に、第2の電動機の出力により駆動力が補償される。そのため、第1の電動機の出力が駆動力以外に使われる際の駆動力の落ち込みを抑制することができ、ドライバビリティの悪化を回避することができる。
次に、この発明を図を参照して具体的に説明する。図1にこの発明で制御の対象とするハイブリッド車のドライブトレーンおよび制御系統を示してある。この図1に示す車両Veは、いわゆる2モータタイプのハイブリッド車であって、駆動力源としてエンジン1と2基のモータ・ジェネレータ2,3とを備え、エンジン1が出力する動力を第1モータ・ジェネレータ(MG1)2と駆動軸4とに分割するとともに、第2モータ・ジェネレータ(MG2)3の出力する動力を直接駆動軸4に伝達できるように構成されている。
エンジン(ENG)1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいはLPGエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する内燃機関である。この図1では、スロットル開度や燃料噴射量などの負荷を電気的に制御することが可能な電子制御式のスロットルバルブや電子制御式の燃料噴射装置等を備え、所定の負荷に対して回転数を電気的に制御することにより燃費が最も良好な最適運転点に設定できるガソリンエンジンが搭載された例を示している。
第1モータ・ジェネレータ(MG1)2および第2モータ・ジェネレータ(MG2)3は、いずれも、駆動電力が供給されることによりトルクを出力するモータとしての機能と、トルクが与えられることにより発電電力を発生する発電機としての機能との両方を兼ね備えた電動機である。それら第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3としては、例えば、永久磁石式同期モータ(PM)あるいは誘導モータ(IM)などの交流モータが用いられる。
エンジン1が出力する動力を第1モータ・ジェネレータ2と駆動軸4とに分割するための動力分割機構5が設けられている。この動力分割機構5は、第1回転要素、第2回転要素、および第3回転要素の3つの回転要素を有する差動歯車装置により構成されていて、この図1に示す例では、サンギヤ5sとリングギヤ5rとの間に配置したピニオンギヤをキャリア5cによって自転および公転が可能なように保持したシングルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。
動力分割機構5のキャリア5cにエンジン1の出力軸1aが後述するクラッチK0を介して連結され、サンギヤ5sに第1モータ・ジェネレータ2の回転軸2aが連結され、そしてリングギヤ5rに駆動軸4および第2モータ・ジェネレータ3の回転軸3aがそれぞれ互いに連結されている。すなわち、この図1に示す例では、キャリア5cがこの発明における第1回転要素に相当し、サンギヤ5sがこの発明における第2回転要素に相当し、そしてリングギヤ5rがこの発明における第3回転要素に相当している。このような遊星歯車装置から構成される動力分割機構5の各回転要素が差動機構として機能することにより、サンギヤ5sすなわち第1モータ・ジェネレータ2の回転数に応じて、キャリア5cすなわちエンジン1の回転数が変化するようになっている。したがって、第1モータ・ジェネレータ2の出力を制御することにより、エンジン1のエンジン回転数を制御できるように構成されている。
上記の動力分割機構5に対して駆動軸4が連結されている。具体的には、動力分割機構5のリングギヤ5rに、駆動軸4がカウンタギヤ6およびデファレンシャル7を介して動力伝達可能に連結されている。カウンタギヤ6は、共に一体回転するようカウンタ軸6aに固定された大径ギヤ6bと、その大径ギヤ6bよりも径が小さい小径ギヤ6cとから構成されていて、大径ギヤ6bと動力分割機構5のリングギヤ5rとが噛み合わされ、小径ギヤ6cと駆動軸4が組み込まれたデファレンシャル7のリングギヤ7aとが噛み合わされている。したがって、エンジン1および第1モータ・ジェネレータ2は、それぞれ、動力分割機構5、カウンタギヤ6、およびデファレンシャル7を介して、駆動軸4と互いに動力伝達可能に連結されている。
上記のように、第1モータ・ジェネレータ2が、動力分割機構5、カウンタギヤ6、およびデファレンシャル7を介在させて駆動軸4との間で動力伝達を行うように構成されているのに対して、第2モータ・ジェネレータ3は、動力分割機構5を介さずに、カウンタギヤ6およびデファレンシャル7のみを介在させて駆動軸4との間で直接動力伝達を行うように構成されている。すなわち、第2モータ・ジェネレータ3の回転軸3aには、その回転軸3aと一体に回転するドライブギヤ3bが固定されていて、そのドライブギヤ3bとカウンタギヤ6の大径ギヤ6bとが噛み合わされている。したがって、第2モータ・ジェネレータ3は、カウンタギヤ6およびデファレンシャル7を介して、駆動軸4と互いに動力伝達可能に連結されるとともに、カウンタギヤ6を介して、動力分割機構5のリングギヤ5rに対しても互いに動力伝達可能に連結されている。
なお、第2モータ・ジェネレータ3のドライブギヤ3bは、カウンタギヤ6の大径ギヤ6bよりも径が小さい歯車により構成されていて、それらドライブギヤ3bと大径ギヤ6bとのギヤ対は、第2モータ・ジェネレータ3に対する減速機構(リダクションギヤ)となっている。したがって、第2モータ・ジェネレータ3の出力トルクを増幅させてデファレンシャル7および駆動軸4へ伝達することができ、第2モータ・ジェネレータ3の出力トルクによる大きな駆動力を発生させることができる。
そして、この発明における車両Veのドライブトレーンでは、エンジン1に対する動力の入出力を選択的に遮断するクラッチK0が設けられている。すなわち、このクラッチK0は、解放状態となることにより車両Veのドライブトレーン上からエンジン1を切り離すことができる係合装置である。具体的には、このクラッチK0は、入力側の回転部材K0aと、出力側の回転部材K0bとを有し、それら入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとを互いに滑らせながら係合させることが可能な摩擦式のクラッチ、すなわち伝達トルク容量を変化させることのできる摩擦クラッチが用いられている。したがってこのクラッチK0は、入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとが係合し、それら入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとが一体に回転する完全係合状態、入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとが切り離された解放状態、および入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとが互いに滑りながら係合する半係合(スリップ係合)状態を実現することが可能な構成となっている。
クラッチK0の入力側回転部材K0aは、エンジン1の出力軸1aに連結されている。そして出力側回転部材K0bは、前述の動力分割機構5のキャリア5cに連結されている。言い換えれば、エンジン1はクラッチK0を介して動力分割機構5のキャリア5cに連結されている。したがって、クラッチK0の係合・解放状態を制御することにより、エンジン1と動力分割機構5との間の動力伝達を選択的に遮断し、また遮断に近い状態になるよう伝達トルク容量を所定量以下に低下させる構成となっている。
動力分割機構5のキャリア5cには、上記のようにクラッチK0 を介してエンジン1の出力軸1aが連結されていることに加えて、オイルポンプ8のロータ軸8aが連結されている。このオイルポンプ8は、ロータ軸8aを回転駆動させることにより、そのロータ軸8aの回転数に応じて油圧を発生する機械式のオイルポンプである。そして、このオイルポンプ8で発生する油圧が、クラッチK0を動作させるための油圧アクチュエータ(図示せず)に供給されるように構成されている。
上記のようにオイルポンプ8のロータ軸8aが動力分割機構5のキャリア5cに連結されていることにより、エンジン1の出力トルクによってロータ軸8aを駆動し、オイルポンプ8で油圧を発生させることができる。また、エンジン1の回転が停止している場合、もしくはクラッチK0が解放されてエンジン1と動力分割機構5との間の動力伝達が遮断されている場合であっても、第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクによってロータ軸8aを駆動し、オイルポンプ8で油圧を発生させることができる。あるいは、動力分割機構5のリングギヤ5rを介して動力分割機構5に伝達される駆動軸4側からのトルクによってロータ軸8aを駆動し、オイルポンプ8で油圧を発生させることもできる。
したがって、オイルポンプ8は、第1モータ・ジェネレータ2が出力する動力もしくは駆動軸4側から入力される動力によって駆動することができ、エンジン1の回転が停止している場合であっても、クラッチK0を動作させるための油圧を供給することができる。そのため、例えば専用の電動モータによって駆動する電動オイルポンプなどを設ける必要がなく、その分、装置の簡素化やコストダウンを図ることができる。
前述のように、第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3は、いずれも、モータと発電機との両方の機能を有する周知の交流モータにより構成されている。それら第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3は、それぞれ、インバータ(図示せず)を介してバッテリ9に連結されている。すなわち、インバータによって第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3とバッテリ9との間で授受される電力を制御することにより、それら各モータ・ジェネレータ2,3がモータとして機能させられる場合の回転数やトルクを制御し、あるいはそれら各モータ・ジェネレータ2,3が発電機として機能させられる場合の発電量を制御するように構成されている。
また、上記の第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3は、インバータを介して、それらの間で電力を相互に供給できるように構成されている。すなわち、第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3のいずれか一方により発生させた電力を、他方のモータ・ジェネレータで消費できるようになっている。例えば、エンジン1の出力により第1モータ・ジェネレータ2が駆動されて発電機として機能させられた場合に、その第1モータ・ジェネレータ2で発生させた電力を第2モータ・ジェネレータ3へ供給し、第2モータ・ジェネレータ3をモータとして機能させることができる。したがって、エンジン1が出力した動力の一部を、第1モータ・ジェネレータ2により電力に一旦変換した後、第2モータ・ジェネレータ3により再び機械的な動力に変換して、その動力を駆動軸4に伝達することができるようになっている。
そして、上記のエンジン1、および各モータ・ジェネレータ2,3の動作状態を制御するための電子制御装置(ECU)10が設けられている。この電子制御装置10には、車両Veの車速を検出する車速センサ11、エンジン1の出力軸1aの回転数を検出するエンジン回転数センサ12、オイルポンプ8のロータ軸8aの回転数を検出するオイルポンプ回転数センサ13、各モータ・ジェネレータ2,3の回転軸の回転速度を検出するためのレゾルバ14などの各種センサ類からの検出信号が入力される。これに対して、電子制御装置11からは、エンジン1を制御する(すなわち、エンジン1のスロットルバルブあるいは燃料噴射装置等を制御する)信号、各モータ・ジェネレータ2,3を制御する(すなわち、インバータおよびバッテリ9を制御する)信号などが出力されるように構成されている。
なお、この発明で制御の対象とするハイブリッド車Veは、上記の図1に示した構成以外に、図2,図3に示すドライブトレーンのように構成することもできる。例えば、図2に示すように、動力分割機構5のキャリア5cとクラッチK0の出力側回転部材K0bとの間に、ブレーキ装置15を設けた構成とすることもできる。このブレーキ装置15は、動力分割機構5のキャリア5cの回転を選択的に固定するものであり、例えば、ディスクブレーキやドラムブレーキなどの摩擦式の係合装置、あるいはドグクラッチ(ブレーキ)やスプラインなどの噛み合い式の係合装置を用いることができる。この図2では、ドグブレーキを採用した例を示している。
この図2に示す構成のように、動力分割機構5のキャリア5cの回転を固定するブレーキ装置15が設けられることにより、エンジン1の運転を停止して、第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3の出力トルクのみによって車両Veを走行させるいわゆるEV走行時に、より大きな駆動力を発生させて車両Veを走行させることができる。すなわち、動力分割機構5のキャリア5cに設けられたブレーキ装置15を係合してキャリア5cの回転数を「0」に固定して反力を発生させることにより、第2モータ・ジェネレータ3の出力トルクの回転方向とは逆向きに発生させた第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクを、第2モータ・ジェネレータ3の出力トルクに全て付加することができる。したがって、車両VeをEV走行させる場合に、ブレーキ装置15を係合してキャリア5cの回転数を「0」に固定することにより、第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3の出力トルクによる大きな駆動力で車両を走行させることができる。
また、図3に示すように、動力分割機構5のリングギヤ5rとカウンタギヤ6との間に、クラッチ装置16を設けた構成とすることもできる。このクラッチ装置16は、動力分割機構5のリングギヤ5rとカウンタギヤ6との間の動力伝達を選択的に遮断するものであり、例えば、ディスククラッチや多板式のクラッチなどの摩擦式の係合装置、あるいはドグクラッチやスプラインなどの噛み合い式の係合装置を用いることができる。この図2では、摩擦クラッチを採用した例を示している。
この図3に示す構成のように、動力分割機構5のリングギヤ5rとカウンタギヤ6との間の動力伝達を遮断する、すなわち、カウンタギヤ6から駆動軸4に至る動力伝達経路と、動力分割機構5および第1モータ・ジェネレータ2とを切り離すクラッチ装置16が設けられることにより、第2モータ・ジェネレータ3の出力トルクのみによって車両Veを走行させるEV走行時に、動力分割機構5および第1モータ・ジェネレータ2のいわゆる連れ回りを回避することができる。そのため、第2モータ・ジェネレータ3のみの出力によるEV走行時に、動力分割機構5および第1モータ・ジェネレータ2が連れ回ることによるいわゆる引き摺り損失の発生を防止することができ、その分、エネルギ効率を向上させることができる。
上記のように、この発明で制御の対象とするハイブリッド車Veは、エンジン1の運転を停止させ、第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3の出力のみ、もしくは第2モータ・ジェネレータ3の出力のみで走行するいわゆるEV走行と、エンジン1と第1モータ・ジェネレータ2および/または第2モータ・ジェネレータ3との両方の出力により走行するいわゆるHV走行とが可能である。
第2モータ・ジェネレータ3のみの出力によるEV走行では、第2モータ・ジェネレータ3を正転方向に力行させ、その第2モータ・ジェネレータ3が出力する駆動トルクによって車両Veが走行させられる。また、第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3の出力によるEV走行では、第2モータ・ジェネレータ3を正転方向に力行させるとともに、第1モータ・ジェネレータ2を逆転方向に力行させ、それら第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3が出力する駆動トルクによって車両Veが走行させられる。そして、エンジン1および第1モータ・ジェネレータ2ならびに第2モータ・ジェネレータ3の出力によるHV走行では、エンジン1の出力トルクが動力分割機構5を介して第1モータ・ジェネレータ2と駆動軸4とに分割されて車両Veが走行させられる。
上記のようなハイブリッド車Veが、EV走行からエンジン1を始動させてHV走行へ移行する場合には、EV走行時にエンジン1の連れ回りを回避するために解放されていたクラッチK0を係合させ、もしくは伝達トルク容量を増大させる(以下、伝達トルク容量を増大させることを含めて「係合」と記す)ことにより、エンジン1の回転数を引き上げてエンジン1の始動が行われる。車両Veの走行中にクラッチK0を係合させる場合、クラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間に回転数差があれば、クラッチK0を係合させる際に係合ショック(係合することに伴うトルクの急激な変化)が発生する可能性がある。そのような係合ショックに対して、例えば、クラッチK0をスリップさせながら係合させることにより、係合ショックの発生を抑制することができる。あるいは、クラッチK0の係合に際し、入力側回転部材K0aの回転数と出力側回転部材K0bの回転数とを同期させた後にクラッチK0を係合させることにより、係合ショックの発生を回避することができる。
しかしながら、上記のようにクラッチK0をスリップさせながら係合させる場合は、スリップ係合の際の摩擦損失が増大し、車両Veのエネルギ効率が低下する要因となってしまう。また、入力側回転部材K0aの回転数と出力側回転部材K0bの回転数とを同期させた後にクラッチK0を係合させる場合は、制御項目が増えて制御内容が煩雑化することにより、制御の応答性が低下する要因となってしまい、あるいはいずれかのモータ・ジェネレータ2,3を大容量化する必要が生じる。
そこで、この発明におけるハイブリッド車の制御装置では、上記のような駆動力の落ち込みによるショックや違和感の発生を防止するために、以下の図4のフローチャートに示す制御を実行するように構成されている。この図4のフローチャートで示されるルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。図4において、先ず、クラッチK0が解放された状態もしくは伝達トルク容量が所定量以下に低下させられている状態(以下、伝達トルク容量が所定量以下に低下させられていることを含めて「解放」と記す)で車両VeがEV走行中であるか否かが判断される(ステップS1)。クラッチK0が既に係合されていること、もしくは、車両VeがEV走行中でないこと、すなわちHV走行中であり既にエンジン1が燃焼運転していることにより、このステップS1で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。
これに対して、クラッチK0が解放された状態で車両VeがEV走行中であることにより、ステップS1で肯定的に判断された場合には、ステップS2へ進み、エンジン1に対する始動要求があるか否か、すなわちEV走行中の車両Veに対してエンジン1を始動させてHV走行に移行する要求があるか否かが判断される。未だエンジン1に対する始動要求がないことにより、このステップS2で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。
これに対して、エンジン1に対する始動要求があることにより、ステップS2で肯定的に判断された場合には、ステップS3へ進み、車両Veの車速が大きいか否かが判断される。具体的には、車速が予め定めた所定車速よりも高いか否かが判断される。この所定車速は、後述のステップS4で、クラッチK0を係合させる際に、車速に応じて発生する係合ショックの影響を無視できる程度の低速走行状態を判断するための閾値である。
したがって、車速が所定車速よりも低い低速走行状態であることにより、ステップS3で否定的に判断された場合は、ステップS4へ進み、クラッチK0が係合されるとともに、そのクラッチK0の係合が完了した後に、第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクによってエンジン1の回転数が上昇させられる。すなわち、エンジン1を始動させるために、第1モータ・ジェネレータ2によりエンジン1のモータリングが実行される。
車速が十分に低い低速走行状態である場合は、クラッチK0を係合する際の摩擦損失や係合ショックの影響も十分に小さいため、このステップS4では、低速走行時には、上記のように、先にクラッチK0を係合し、その後、第1モータ・ジェネレータ2の出力によってエンジン1をモータリングすることにより、エンジン1の回転数を応答性良く上昇させることができる。
これに対して、車速が所定車速以上であることにより、ステップS3で肯定的に判断された場合には、ステップS5へ進み、車速に応じて第1モータ・ジェネレータ2の出力が制御される。具体的には、クラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差が減少するように、第1モータ・ジェネレータ2の回転数が、エンジン1および動力分割機構5のキャリア5cの回転方向と逆方向に増大させられる。より具体的には、車速が高いほど上記のような逆方向の回転数の増大量が大きくなるように、第1モータ・ジェネレータ2の出力が制御される。
EV走行時、すなわち 、車両Veがエンジン1の運転を停止した状態でクラッチK0を解放して走行している場合、エンジン1に連結されている側のクラッチK0の入力側回転部材K0aの回転数は「0」もしくはほぼ「0」となっている。そのため、クラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差は、車速が高くなるほど大きくなる。したがって、このステップS5では、上記のように車速が高いほど第1モータ・ジェネレータ2の回転数増大量が大きくなるように、その第1モータ・ジェネレータ2の出力が制御されることにより、車速に応じて変化するクラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差を適切に減少させることができる。
なお、上記のように第1モータ・ジェネレータ2の出力を制御してクラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差を減少させる場合、クラッチK0の出力側回転部材K0bが動力分割機構5のキャリア5cに連結され、第1モータ・ジェネレータ2が動力分割機構5の反力要素であるサンギヤ5sに連結されていることから、第1モータ・ジェネレータ2をエンジン1の回転方向と逆方向に回転させることにより、クラッチK0を介してエンジン1と連結されるキャリア5cの回転数を引き下げる(「0」に近づける)ことができる。したがって、このステップS5では、車速が高いほどエンジン1の回転方向とは逆方向の第1モータ・ジェネレータ2の回転数増大量が大きくなるように、その第1モータ・ジェネレータ2の出力を制御する。こうすることにより、車速に応じて変化するクラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差を適切に減少させることができる。
また、このステップS5では、上記のように第1モータ・ジェネレータ2の回転数増大量を制御対象とする替わりに、クラッチK0 の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差を制御対象としてもよく、車速が高いほどその回転数差が小さくなるように制御してもよい。クラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差を所定値まで低下させてからクラッチK0を係合させる場合、その所定値を、車速が高いほど小さくなるように設定することにより、クラッチK0を摩擦係合させる際の係合ショックを抑制することができる。
上記のステップS4で、クラッチK0が係合させられ、第1モータ・ジェネレータ2によりエンジン1のモータリングが行われると、もしくはステップS5で、クラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差を減少させるために第1モータ・ジェネレータ2の出力が制御されると、要求駆動量の変化量(単位時間あたりの変化量であれば変化率)が予め定めたしきい値より小さいか否かが判断される(ステップS6)。このステップS6は、例えば車両の駆動力の増大要求が緊急度の高いものであるか否かを判断するためのものと言うことができ、その要求駆動量とは、車両の駆動力の要求量であり、アクセルペダルの踏み込み量であるアクセル開度やスロットル開度あるいは吸入空気量もしくは燃料供給量によって求めることができる。また、しきい値はアクセル開度や吸入空気量などのパラメータの変化量の絶対値の大小を判断するために設計上、適宜に設定される値であり、エンジン始動の緊急度を判定する値である。
要求駆動量の変化量(もしくは変化率:以下、単に変化量と記す)が大きいことによりステップS6で否定的な判断が成立した場合には、迅速にエンジン1を再始動して駆動力を増大させることが求められていることになる。したがってこの場合には、第1モータ・ジェネレータ2の回転数の変化量が「0」となるようにその時点の回転数が維持される(ステップS7)。クラッチK0 を解放してエンジン1を停止させて走行している場合、動力損失を抑制するために第1モータ・ジェネレータ2の回転を止めておくのが一般的であり、したがってクラッチK0 の入力側回転部材K0aが連結されているキャリヤ5cは、エンジン1の回転方向である正回転方向にある程度大きい回転数で回転している。すなわち、クラッチK0 を係合させることによりエンジン1の回転数を燃焼運転が可能な回転数もしくはそれに近い回転数にまで引き上げることができる状態とされる。
一方、ステップS6で肯定的に判断された場合、すなわち要求駆動量の変化量がしきい値より小さい場合には、クラッチK0 の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差が所定値より小さくなるように制御される(ステップS8)。その所定値は、要求駆動量の変化量に応じて設定された値であり、要求駆動量の変化量が小さいほど小さい値に設定されている。上述したように、エンジン1を停止して走行している場合に第1モータ・ジェネレータ2を停止させると、クラッチK0 の入力側回転部材K0aの回転数は、正回転方向に大きい回転数となっている。したがってクラッチK0 の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差を小さくするためには第1モータ・ジェネレータ2の回転数をいわゆる逆回転方向に増大させることになる。すなわち、クラッチK0 の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差を小さくする制御は、図1ないし図3に示す構成のハイブリッド車を対象とする場合には、第1モータ・ジェネレータ2の回転数を逆回転方向に増大することにより行われるから、ステップS8の制御は「要求駆動量の変化量が小さいほど第1モータ・ジェネレータ2の逆方向回転数を増大させる」制御に置き換えることができる。
上述したステップS7もしくはステップS8の制御が実行されると、オイルポンプ8のロータ軸8aの回転数が必要回転数未満であるか否かが判断される(ステップS9)。上記のオイルポンプ8の必要回転数とは、クラッチK0を完全係合させるために必要な油圧を、オイルポンプ8で発生させる際に必要なロータ軸8aの最低回転数のことである。したがって、オイルポンプ8のロータ軸8aの回転数が必要回転数未満であることにより、このステップS9で肯定的に判断された場合は、ステップS10へ進み、オイルポンプ8のロータ軸8aの回転数が必要回転数以上となるように、第1モータ・ジェネレータ2の出力が制御される。そしてその後、ステップS11へ進む。一方、オイルポンプ8のロータ軸8aの回転数が必要回転数以上であることにより、ステップS9で否定的に判断された場合には、ステップS10の制御を飛ばして、ステップS11へ進む。
ステップS11では、クラッチK0の係合制御が実行される。すなわち、クラッチK0がスリップ状態に制御させられて、その伝達トルク容量(クラッチトルク)が徐々に増大させられる。また、そのクラッチK0の係合制御に付随する各種制御が実行される。具体的には、エンジン1を始動する際に適切なエンジン始動トルクを付与するためのクラッチトルクのフィードフォワード制御、クラッチK0の係合制御およびオイルポンプの回転数制御の際に第1モータ・ジェネレータ2を回転数に適正値に制御する第1モータ・ジェネレータ2の回転数フィードバック制御、上記のクラッチトルクを推定・補正・学習するクラッチトルクの推定・補正・学習制御、および第1モータ・ジェネレータ2の出力を制御する際の駆動トルクの落ち込みを第2モータ・ジェネレータ3の出力トルクによって補正する駆動力補償制御等が実行される。
上記のようなクラッチトルクのフィードフォワード制御を実行することにより、クラッチK0をスリップ係合させる際に、車両Veの駆動系統にトルク変動を与えてしまうことを防止もしくは抑制することができる。なお、この場合、クラッチK0のクラッチトルクをフィードバック制御する際の目標値であるエンジン始動トルクは、一定値であってもよいが、クラッチK0における係合ショックの抑制と制御応答性の向上とを両立させるように、徐々に上昇させる変数として設定してもよい。
また、第1モータ・ジェネレータ2の回転数フィードバック制御を実行することにより、上記のようなクラッチK0の係合制御やオイルポンプの回転数制御を、より精度良く実行することができる。
また、上記のようなクラッチトルク、あるいはエンジン1のエンジントルクは比較的に検出・推定することが難しい。それに対して、クラッチトルクの推定・補正・学習制御では、第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクは第1モータ・ジェネレータ2に対する電流値を検出することにより比較的精度良く推定することができる。したがって、検出精度が良い第1モータ・ジェネレータ2の電流値を基にクラッチトルクを推定・補正・学習することにより、より精度の良いクラッチK0の係合制御を実行することができる。
そして、第2モータ・ジェネレータ3による駆動力補償制御によれば、第1モータ・ジェネレータ2の出力が駆動力以外に使われる際の駆動力の落ち込みを抑制することができ、車両Veのドライバビリティの低下を回避することができる。
なお、前述のステップS4で、既にクラッチK0が係合されている場合には、このステップS11におけるクラッチK0の係合制御はスキップされ、上記の第1モータ・ジェネレータ2の回転数フィードバック制御や第2モータ・ジェネレータ3による駆動力補償制御等の各種制御が実行される。
続いて、エンジン1の始動が実行される(ステップS12)。すなわち、燃焼運転させるために適切な回転数以上で回転させられているエンジン1に対して、燃料の供給と着火とが行われて、エンジン1の燃焼運転が始動させられる。そして、エンジン1の始動が完了すると、車両Veの走行状態がEV走行からHV走行へ移行される(ステップS13)。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
上記のように、車両Veの走行状態をEV走行からエンジン1を始動させてHV走行に移行させる場合の各回転要素の挙動を、前述した動力分割機構5についての共線図(速度線図)として図5に示してある。エンジン1および第1モータ・ジェネレータ2の回転が共に停止され、第2モータ・ジェネレータ3の出力のみにより車両Veが走行しているEV走行時には、第1モータ・ジェネレータ2を停止させておくことにより、動力分割機構5のキャリア5cの回転数が、エンジン1と同じ回転方向(正転方向)に引き上げられる。そのため、キャリア5cに連結されたクラッチK0の出力側回転部材K0bと、エンジン1の出力軸1aに連結されたクラッチK0の入力側回転部材K0aとの間に回転数差が生じている。
このEV走行状態からエンジン1を始動してHV走行状態へ切り替える場合には、第1モータ・ジェネレータ2の出力によりキャリア5cの回転数が引き下げられて、クラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差が減少させられる。すなわち、第1モータ・ジェネレータ2をエンジン1と反対の回転方向(逆転方向)に回転させ、その回転数を逆転方向に増大させることにより、キャリア5cすなわち出力部材K0bの回転数が引き下げられる(「0」に近づけられる)。この場合、図6(a)の共線図に示すように、車速が高いほど、すなわち出力軸4の回転数が高いほど、逆転方向の第1モータ・ジェネレータ2の回転数増大量が大きくなるように、第1モータ・ジェネレータ2の出力が制御される。すなわち、高車速ほど、前記入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの回転数差が小さくなるように制御される。また、図6の(b)に示すように、要求駆動量の変化量が大きいほど、第1モータ・ジェネレータ2の逆回転方向の回転数増大量が小さくなるように第1モータ・ジェネレータ2の出力が制御される。すなわち、要求駆動量変化量が大きいほど、前記入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの回転数差が大きい状態にとどまるように制御される。
第1モータ・ジェネレータ2の出力によりキャリア5cの回転数が引き下げられ、その結果、クラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差が、クラッチK0を係合する際の係合ショックや摩擦損失の影響が問題にならない程度まで減少させられると、クラッチK0がスリップ状態にされる。そして、そのスリップ状態のクラッチK0のクラッチトルクが徐々に高められ、最終的にクラッチK0が完全係合状態にされる。
上記のようにクラッチK0が徐々に係合される過程でクラッチトルクが徐々に増大することに伴って、エンジン1の回転数が徐々に引き上げられる。すなわち、エンジン1がクランキングされる。そして、クラッチK0が完全係合された状態では、第1モータ・ジェネレータ2の出力によりエンジン1の回転数が制御され、その回転数がエンジン1の始動に適した所定の回転数となった状態で、エンジン1の燃焼運転が始動される。エンジン1が始動されて駆動トルクを出力することにより、車両Veの走行状態がHV走行状態に切り替わる。
以上のように、この発明に係るハイブリッド車の制御装置によれば、エンジン1の燃焼運転が停止した状態で第2モータ・ジェネレータ3の出力によりハイブリッド車Veを走行させている際に、エンジン1を始動させる場合は、先ず、エンジン1を停止状態に維持するべく解放されていたクラッチK0が係合させられる。そのクラッチK0の係合の際には、クラッチK0の係合ショックを抑制するために、クラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差が減少するように、第1モータ・ジェネレータ2の出力が車速に応じて制御される。
より具体的には、動力分割機構5がシングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成され、その反力要素となるサンギヤ5sに第1モータ・ジェネレータ2が連結され、入力要素となるキャリア5cにエンジン1が連結されていることから、第1モータ・ジェネレータ2をエンジン1の回転方向と逆方向に回転させることにより、クラッチK0を介してエンジン1と連結されるキャリア5cすなわちクラッチK0の出力側回転部材K0bの回転数を引き下げる(「0」に近づける)ことができる。エンジン1の運転を停止した状態でクラッチK0を解放して走行している場合、エンジン1に連結されている側のクラッチK0の入力側回転部材K0aの回転数が「0」であることから、クラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差は、車速が高くなるほど大きくなる。したがって、上記の制御例では、車速が高いほどエンジン1の回転方向と逆方向の第1モータ・ジェネレータ2の回転数増大量が大きくなるように、その第1モータ・ジェネレータ2を制御することにより、車速に応じて変化するクラッチK0の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差を適切に減少させることができる。
また、要求駆動量変化量が大きい場合には、小さい場合に比較して、第1モータ・ジェネレータ2の逆回転方向の回転数の増大量が小さくなり、クラッチK0 における入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの回転数差が大きい状態が設定される。
そして、クラッチK0における上記の回転数差が減少した後に、そのクラッチK0を係合し、第1モータ・ジェネレータ2および駆動軸4からのトルクを動力分割機構5を介してエンジン1へ伝達させることにより、エンジン1の回転数が引き上げられる。すなわち、いわゆる押しがけによりエンジン1がクランキングされる。そしてその後、エンジン1の回転数が所定回転数まで上昇した状態で、エンジン1に燃料が供給され、エンジン1の燃焼運転が始動される。
そのため、走行中にエンジン1を始動するためクラッチK0を係合する際の係合ショックを抑制し、そのショックや違和感を運転者に与えてしまうことによるドライバビリティの低下を防止することができる。また、クラッチK0を係合する際の入力側回転部材K0aと出力側回転部材K0bとの間の回転数差が低減されることから、そのクラッチK0の係合の際に発生する摩擦損失を低減することができ、その結果、摩擦損失が増大することに起因する燃費の悪化やクラッチK0の耐久性の低下を防止することができる。これに対して要求駆動量の変化量が大きい場合、すなわち大きい駆動力が要求されている場合には、高い回転数に維持されている出力側回転部材K0bを、エンジン1に連結されて停止している入力側回転部材K0aに接触させてエンジン1の回転数を引き上げるので、クラッチK0 におけるスリップが過渡的に大きくなるものの、エンジン回転数を燃焼運転の可能な回転数にまで引き上げる時間が短くなる。その結果、エンジン1の始動制御応答性あるいは駆動力の制御応答性が良好になる。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、ステップS8を実行する機能的手段が、この発明における「差回転低減手段」に相当し、ステップS11を実行する機能的手段が、この発明における「押しがけ手段」に相当する。また、ステップS4を実行する機能的手段が、この発明における「モータリング手段」に相当し、ステップS11を実行する機能的手段が、この発明における「補償手段」に相当する。
なお、上述した具体例では、この発明における駆動力制御の対象とするハイブリッド車として、内燃機関としてエンジン1と、電動機として第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3とを備えた、いわゆる2モータタイプのハイブリッド車の構成を例に挙げて説明したが、例えば、エンジンと、3基以上の複数のモータ・ジェネレータとを備えたハイブリッド車であってもよい。また、外部電源から直接バッテリを充電することが可能ないわゆるプラグインハイブリッド車であってもよい。
1…エンジン(ENG;内燃機関)、 1a…出力軸、 2…第1モータ・ジェネレータ(MG1;電動機)、 2a…回転軸、 3…第2モータ・ジェネレータ(MG2;電動機)、 3a…回転軸、 4…駆動軸、 5…動力分割機構、 5c…キャリア(第1回転要素)、 5s…サンギヤ(第2回転要素)、 5r…リングギヤ(第3回転要素)、 8…オイルポンプ、 10…電子制御装置(ECU)、 11…車速センサ、12…エンジン回転数センサ、 13…オイルポンプ回転数センサ、 14…レゾルバ、 15…ブレーキ装置、 16…クラッチ装置、 Ve…ハイブリッド車、 K0 …クラッチ、 K0a…入力側回転部材、 K0b…出力側回転部材。
Claims (4)
- 内燃機関および第1の電動機を駆動力源として備え、前記内燃機関と前記第1の電動機と駆動軸との間で動力を分割もしくは合成して伝達する動力分割機構と、その動力分割機構と前記内燃機関との間で動力を伝達しまた動力の伝達を遮断するように伝達すると容量を変化させられるクラッチとを備え、前記第1の電動機の出力を制御することにより前記内燃機関の回転数を制御することが可能なハイブリッド車の制御装置において、
前記内燃機関の燃焼運転が停止され、かつ前記クラッチが解放されもしくは伝達トルク容量が所定量以下に低下させられて前記内燃機関に対する動力の入出力が遮断もしくは低下させられている状態で、前記車両が走行している際に、前記第1の電動機の出力を制御することにより、前記クラッチの入力側回転部材と出力側回転部材との間の回転数差を予め定めた所定値まで減少させる差回転低減手段と、
前記入力側回転部材と前記出力側回転部材との間の回転数差が前記所定値に減少した状態で、前記クラッチの伝達トルク容量を次第に増大させて前記内燃機関の回転数を燃焼運転が可能な回転数に上昇させる押しがけ手段とを備え、
前記所定値は、前記ハイブリッド車に対する要求駆動量の変化量が大きい場合に、前記要求駆動量の変化量が小さい場合に比較して、大きい値に設定されるように構成されている
ことを特徴とするハイブリッド車の制御装置。 - 前記動力分割機構は、第1回転要素と、前記第1回転要素が回転する際に反力要素となる第2回転要素と、前記第1回転要素および前記第2回転要素の回転速度に基づいて決まる回転速度で回転する第3回転要素とを有する差動歯車装置から構成され、
前記第1回転要素に前記クラッチを介して前記内燃機関が連結され、前記第2回転要素に前記第1の電動機が連結され、前記第3回転要素に前記駆動軸が連結され、
前記差回転低減手段は、前記要求駆動量の変化量が大きいほど前記内燃機関の回転方向に対して逆方向の前記第1の電動機の回転数増大量が小さくなって前記クラッチにおける入力側部材と出力側部材との回転数差が大きくなるように、前記第1の電動機の出力を制御する手段を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車の制御装置。 - 前記内燃機関の燃焼運転が停止され、かつ前記クラッチが解放されもしくは伝達トルク容量が所定量以下に低下させられて前記内燃機関に対する動力の入出力が遮断もしくは低下させられている状態で、前記車両が走行している際に、前記車速が低速走行状態を判断するために設定した所定車速よりも低い場合には、前記クラッチを係合させもしくは伝達トルク容量を増大させた後に前記第1の電動機の出力により前記内燃機関の回転数を上昇させるモータリング手段を更に備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車の制御装置。
- 前記駆動軸と直接動力伝達可能に連結された第2の電動機と、
前記第1の電動機の出力により前記入力側回転部材と前記出力側回転部材との間の回転数差を減少させる際に、前記第2の電動機の出力により前記ハイブリッド車の駆動力を補償する補償手段と
を更に備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のハイブリッド車の制御装置。
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